レオナード・バーンスタイン 「ミサ」

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    Seper Depo 2011年4月22日 20時〜22時

    Mass
    Ein Theaterstück für Sänger, Schauspieler und Tänzer
    Kammerversion
    Musik von Leonard Bernstein

    Celebrant : Alexander Kaimbacher
    Knabensolo : Leonid Sushon
    Street people : Simona Eisinger, Mariona Feichter, Anna Clare Hauf
    Manuela Leonhartsberger, Rebecca Nelson, Bibiana Nwobilo,
    Abdul Candao, Joachim Claucig, Marko Formanek, Andreas Kammerzelt,
    Dieter Kschwendt-Michel, Georg Mathias Leskovich, Martin Piskorski, Heimir Wium
    Opernschule der Wiener Staatsoper
    Wiener Kammerchor
    Amadeus ensemble-wien
    指揮 Walter Kobéra
    演出 Hendrik Müller
    舞台・衣装 Matthias Werner
    振付 Nikolaus Adler
    照明デザイン Norbert Chmel

    聖金曜日は、キリスト教では、イエス・キリストが十字架の上で死ぬ日なので
    オペラもコンサートも、何もなく
    教会では、ミサもなく、教会の鐘も鳴らず、非常に静か。

    なのだが、何故か今年は、バーンスタインの「ミサ」が
    ウィーン劇場のイースター音楽祭の一環として
    劇場の裏手にある、センパー・デポで上演 (プレミエ4月17日)

    いや〜、実はこの演目、4回上演されるのだが
    チケット発売開始直後にトライしたのにもかかわらず
    ほとんどが売り切れ(いったい何故だ???)

    聖金曜日の公演だけ、何とかチケットを確保。
    自由席だが、会場、めちゃくちゃ混んでいて、上の方まで席を作っている有り様。
    しかも、バーンスタインだし、作品が「ミサ」だし
    若い人が多いかと思ったら
    オペラ座の常連客みたいな、年配の方々が多くて、ちとビックリ。

    イースター休暇に、家族のところにも行かず(行けず?)
    家族も来ない孤独な老人たちが、こういうモノに集まるのかもしれない。
       ・・・・って、自分も引退したら、そうなりそうだが(笑)

    新聞評曰く、ハチャメチャ、と酷評。
    酷評されたモノを観る方が、実は面白かったりする (^^)v

    で、実際観ると ・・・・ ハチャメチャ!!!!(自爆)

    バーンスタインの「ミサ」は
    カトリックの「ミサ」を下敷きにしてはいるが
    「ミサ」そのものではなく、「ミサ」についての作品なのだそうだ。

    カトリックの儀式に使われる歌や、旋律や、方式を取り入れながら
    12音技法などの前衛的な要素も取り入れ
    ミュージカルやポップも取り入れ、英語・ラテン語・ヘブライ語で歌われる。

    センパー・デポは、昔の倉庫。
    不思議な雰囲気を持つ、私の好きな場所。
    舞台は、真ん中にプール。プールの真ん中に椰子の樹。

    右手後ろに、キンキラキンの金色の回転ドア。
    上にスクリーンがあって
    壁に添って、いくつかのガラスの箱があり、その中にキンキラキンの靴。

    あちこちに C というマーク。 十字架は全く使っていない。

    演出家の意図を、私が正しく汲み取ったかどうかは不明だが
    セレブラントを、イエス・キリストに見立て
    完全におちょくって
    でも、最後は・・・やっぱり、あれって救済で終わったのかなぁ・・・(疑)

    セレブラントの登場はイエス・キリスト(のパロディ)
    黄金の羽根っぽいマントで出現 (笑える)

    その後は、腕に金属の鎖を垂らした、往年のエルヴィス・プレスリーになり
    上のスクリーンからの説教もあり
    絶望している人たちに、(押しつけがましい)救済をする。

    女性が泣いて歌っているところに現われ
    いやがる女性に寄り添って、偽善的に慰めようとするところなんか

    うわ〜っ、こんなオチョクリをしても良いのか (*_*)

    ストリート・ピープルの中でも、様々なところで
    様々な場面が繰り広げられており、暴力沙汰もあり
    熱狂もあり、絶望もあり。
    人生における縮図を示そうという意図だろう。

       ・・・ワタシ、こんな波乱万丈の人生送ってません (^.^)

    途中で、中のプールでバシャバシャする場面もいくつかあり
    舞台の前の3列目くらいまで、水が飛んできたけれど
    まぁ、それで文句を言う人はいない(というか、みんな、笑ってた)
    (あれを日本でやったら、結構「汚いじゃないのっ!」と怒る人がいると思う)

    レタスが上から降ってきたり(で、出演者がそれを齧る)
    床に落ちたレタスの屑で、出演者が滑りそうになったり(笑)

    セレブレートが最後、マシンガンを持って打ちまくり
    一人殺して(ちゃんと派手に血が出ます)

    その後、子供たちのコーラス(天使の格好)が現われて
    黄金の紙幣(の象徴)を巻いて、みんなが、それに群がって・・・

    はいはい、資本主義への批判ですね?!
    宗教より、カネの力の方が強いって? 

    まぁ、ううううん、それは、現代における事実かもしれないが
    何ともわかりやすい比喩だなぁ。

    確かに新聞評で叩かれた通り
    ハチャメチャのドタバタで、ワケがわからない。

    しかも、ワケがわからんなら、そのまま、突っ走れば良いのに
    セレブラントをキリストに見立てたり
    カネ(資本主義)= 現代の宗教、みたいな主張がモロに出たり
    前衛的な要素(わかりにくい)と社会批判(モロにわかる)のバランスが微妙。

    あれだけ、舞台がバタバタ暴力的に動くと
    静的な日本人の感覚としては、ちょっと落ち付かない。

    でも、「ミサ」という典礼についての音楽作品から
    あれだけのストーリを、(無理やり)作った演出家には敬意を表す。
    だって、何にもストーリーのない「典礼」を
    舞台の動きと、衣装と、色々な要素をくっつけて
    約2時間、全く退屈させずに、観客を釘づけにした、というだけでも凄い。

    歌手とアンサンブルは最高。
    まぁ、よくぞ、こんな素晴らしいメンバーを集めたものだ(驚嘆)

    バーンスタインの音楽、というと
    ミュージカル、というか、ストリート・ミュージックというか
    コーラスも、どちらかと言えば、ポピュラー系で、地声のちょっと音外れ
    ・・・というイメージが強かったのだが

    全員、立派な絶対音感の持ち主で
    全体が、完璧に「クラシック音楽」として成立しているのには、かなり感激。
    (そこらへんの不良のお兄ちゃん、という感じの人が
     素晴らしい声で歌っちゃったりする)

    それが、バーンスタインの意図に合ってるかどうかは別として・・・だが。

    カトリックの強い国で
    ここまで、キリスト(らしき登場人物)をおちょくる作品が上演されたら
    多少、観客の反感を買うんじゃないかなぁ、と思ったけれど
    芸術作品は芸術作品、と、年配の方も、ちゃんと楽しんでいた(と思う)

    そこらへん、何だかんだ言っても
    こういうヘンなモノに来る年配客の文化的な水準は、かなり高い(たぶん)

    4月25日に最後の上演があるが
    この日も、発売直後にチケットは売り切れ(ちっ!)

    ああいうハチャメチャは、もう1回観ると、細かい部分まで把握できるのだが
    残念ながら、今回は珍しく1回の観賞のみでお終い。
      ・・・それでも、チケットが手に入っただけ、幸運だったんですけどね(笑)

    演劇部分ばかりに気を取られていて
    バーンスタインの音楽の素晴らしさと多様さは
    ほんのちょっと意識に上っただけ・・・という、ちょっと残念な感じ。
    (素晴らしい音楽だが、CD 買ってまで聴こうとは思わない f(^^;))

    こういうヘンな作品も上演されて
    しかも、チケットが売り切れている、というのは
    ウィーンって、やっぱりヘンな都市なんだなぁ、と思う私に
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    フォルクス・オパー 「ハロー・ドリー」

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      Volksoper

      Hello, Dolly !
          Eine musikalische Kömodie
          Musik und Gesangstexte von Jerry Herman

      指揮 John Owen Edwards
      演出・照明 Josef Ernst Köpplinger
      衣装 Rainer Sinell
      振付 Richard Regina Ludigkeit

      ドリー Sigrid Hauser
      ホレス・ヴァンダーゲルダー Robert Mayer
      コーネリアス・ハックル Daniel Prohaska
      バーナビー・タッカー Peter Lesiak
      アイリーン・モロイ Katja Reichert
      ミミー・フェイ Nadine Zeintl
      アンブロース・ケンパー Jeffrey Treganza
      アーメンガルド Johanna Arrouas

      ちょっと色々あり過ぎて、自己嫌悪と落ち込み諸々で、気分最悪。

      自業自得である事は、よ〜くわかっているので
      慰められると、(たぶん)ますます墜ちる。
      よって、この件に関してのメイルは不要(きっぱり)

      フォルクス・オパーでのミュージカル「ハロー・ドリー」

      よくできたミュージカルである。
      序曲の時には、懐古風なアメリカの映画ポスターが、幕に出ているのだが
      あっはっは、出演者が枠からはみ出して
      目線と、ちょっとした顔の動きだけで、色々な情報を伝えてくれる。

      舞台は華やかだし、衣装も、アーリーアメリカンの豪華な衣装。
      出演者は、全員、信じられないほど芸達者。

      マイク付きだが、歌うわ、踊るわ・・・ o(^o^)o

      舞台中央の装置で、舞台が上と下に分かれて
      裏話になるようなエピソードを、さりげなく、主舞台の上か下で繰り広げて
      細かい部分まで気が利いた演出。
      上下で華やかなダンスが繰り広げられている時の豪華さなんて、目を剥くくらい。

      主役から脇役まで実に揃っていたけれど
      バーナビー・タッカー役の Peter Lesiak がカワイイ。
      脇役なのだが、何ともトボケた感じの人物像になっていて
      「ダンスを習おう」というので踊って、ノッちゃって、壁にぶつかるところとか
      レストランで、シャンパン飲むぞ、とコーネリアスに言われて
      椅子の上でのけぞり返るところなどは、正にコミック。

      楽しいミュージカルなのだが
      何せ、落ち込んでるし、色々あるしで

           人の恋愛なんか、かまってられないわよ(自爆)

      しかも、ホレスがドリーの悪口ばかり言いまくっていた後に
      突然の愛の告白・・・???

      いや、ホレス役のマイヤーの演技力の前では
      この唐突な愛の告白も、それなりにリアリティが出ちゃうのがコワイが。

      ドリーが、説教っぽく言うセリフに

      「お金が全くないのと、たくさんあるのは、全然違うけれど
       お金が少しあるのと、たくさんあるのは、ほとんど差がないのにね」

          ・・・何ですと?! (+_+)

      なんつう、時代錯誤のセリフ(驚愕)

      それに、カネはあるのにケチケチのホレスなんか
      愛の告白されても、絶対にイヤなタイプだし・・・

      裁判の時に、コーネリアスが

      「男の人生の中で、一番大事なのは愛だ」

      とか、ラブソングを歌い出して、裁判長が涙ぐんで、全員無罪
      ・・・というのも、実に唐突な感じがする。

      いや、いいんですけど。所詮、ラブ・コメディだし f(^^;)

      水準を遥かに越えた、すべての面で楽しい舞台に仕上がっていて
      よく知っているメロディを口ずさみながら
      気分良く帰れるようなミュージカルになっているのは間違いない。

      ひねくれて落ち込んでいるワタクシに
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      「エレクトラ」 (ザルツブルク音楽祭) ゲネプロ鑑賞記

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        Salzburger Festspiele
        Großes Festspielhaus

        Elektra
        Musik von Richard Strauss (1864-1949)
        Text von Hugo von Hofmannsthal (1874-1929)

        指揮 Daniele Gatti
        演出 Nikolaus Lehnhoff
        舞台 Raimund Bauer
        衣装 Andea Schmidt-Futterer
        照明 Duane Schuler

        クリムネストラ Waldtraud Meier
        エレクトラ Iréne Theorin
        クリソテミス Eva-Maria Westbroeck
        エギスト Robert Gambill
        オレスト René Pape

        オーケストラ Wiener Philharmoniker

        初演が8月8日(日曜日)だったので、やっとアップできる (^^)v
        私が観賞したのは、8月5日(木曜日)の最終リハーサルである。

        舞台は、牢屋のような灰色の建物が
        傾いで、斜めになっている感じ。
        床にいくつか、穴のようなものがあり
        そこに入ったり、出たり
        壁のポッカリ開いた穴から、侍女が乗り出して歌ったりする。

        白黒の舞台で
        ちょっと見た目には、傾いでいるから不思議な感じだが
        まぁ、地味・・・・

        で、考えてみれば、このオペラ
        舞台上の派手な動きは何もない。

        最初から最後まで出ずっぱり、歌いっぱなしのエレクトラが中心で
        他の人物は、ほとんどがチョイ役。

        出ずっぱりのエレクトラを歌い通したイレーネ・テオリンは
        スウェーデン出身。レパートリーはワーグナーが多いようだ。
        確かに、強靭な声をしていて
        最初から最後まで、衰えを全く感じさせる事なく歌ったのは見事だが

        ドイツ語がはっきりしない・・・

        クリソテミスとの会話の時は、時々、聞き取れた部分もあるし
        もともと、あのソプラノの領域で、ドイツ語を明確に聞かせるのは至難の技だが
        アガメムノンの名前を呼ぶ時ですら
        アガメムノンと聞こえずに、ナンジャラホイ、ゴニョゴニョゴニョと聞こえてしまう。

        だいたい、最初の Allein から、どうやって聴いても
        ドイツ語の「アライン」には聞こえて来なかった。(ありゃい〜ん とかいう感じ)

        クリソテミスは可愛かった (*^^*)
        この人のドイツ語は、かなり明確に聞こえる。
        クリムネストラと同じ色の紫の衣装を着ていたのは
        娘である事を強調しているのだろうか?

        エレクトラの衣装は灰色のアッパッパー。
        クリムネストラの衣装は、クリソテミスと同じ紫の衣装で、キンキラキン。

        さて、悩むおっかさん、クリムネストラ役のヴァルトラウド・マイヤー。
        この人も、バイロイトのワーグナーで有名になったメゾ。

        美人でスタイル良くて、声は通るし、美声だし・・・
        ただ、美人で美声なので
        クリムネストラが美しくなり過ぎちゃって
        愛人エギストと共謀して、旦那のアガメムノンをバスルームで
        斧でぶった切って殺した悪人には、とても見えない。

        (まぁ、クリムネストラがアガメムノンを殺害したのは
         それなりの理由もあるらしいのだが)

        オレストも、本当にチョイ役なのだが
        噂通り、ルネ・パーペの美声は、なかなか、ズシンとくる。

        ドイツ語もクリアだし、声量たっぷりで通るし
        泣き節もしっかり効いていて
        これは、女性ファンが追いかけるタイプだろうなぁ。

        対するエギストは、これは、もっとチョイ役 (笑)
        本当にワンシーンだけ
        「王」のテーマを、滑稽に卑猥にした部分だけで出てくるから
        カワイソウな役なのだが
        オレストと比べちゃいけないけれど、あまり声が出ていなかった。

        (オレストは英雄、エギストは悪役、しかも、クリムネストラの尻に敷かれた
         情けない役なので、まぁ、それはそれで良い)

        何が良かったと言って、オーケストラが見事 (☆o☆)

        エレクトラは、ウィーンの国立オペラ座でもレパートリーになっているから
        あの難しい音楽を技術的に完璧に演奏するのはお手のものだろうが
        それでも、やっぱり、オーケストラの響きの素晴らしさに圧倒される。

        音の解像度が高くて
        すべての音符が、しっかり聴こえてくるのにも驚愕するが
        それ以上に、ガッティの指揮のもと
        歌手に寄り添い、歌手を支え、更に、オーケストラの多彩な表現力が
        独自の圧倒的な力をもって、耳に響いてくる。

        最後のシーンで
        舞台の後ろの壁が上がって
        その向こうに、とんでもないモノが出現するし
        復讐を遂げたエギストとエレクトラの周囲に
        更に、とんでもないモノが出てくる。

        種明かししちゃうと(初演は終わったから、もう良いだろう)
        舞台の壁の向こうには

        血の飛び散ったバスルーム(白黒の壁に血の赤)に
        まるで精肉のように、逆さにぶら下がった血だらけのクリムネストラが
        ブラブラ揺れていて

        オレストが、その胸元の衣装を更に、グイッと手で裂いて
        クリムネストラの胸を露わにする。

        (もちろん人形です、念の為。でも、ヴァルトラウト・マイヤーにそっくり)

        で、その後のエレクトラの死の場面では
        巨大な黒いオオグモ(俳優さんの着ぐるみ)が、あちこちから、ワサワサ出現。

        その部分だけ、舞台が派手(笑)
        全部で2時間のオペラ(幕間なし)のうち
        最後の5分だけが、ちょっとギョッとする。
        (後の1時間55分は、暗い舞台装置に、照明を点けたり消したりで
         影を作ったりするだけで、かなり地味である)

        ドイツ語の発音に難がある以外は
        歌手もオーケストラも、音楽的には超一流である。

        でもね〜(←文句が多い奴)

        ウィーンの国立オペラ座で、アグネス・バルツァのクリムネストラを聴いた事があって
        あの、毒々しいクリムネストラが、あまりに印象的で
        あの時、エレクトラを歌ったピアツォンカは素晴らしかったし
        それと比べると、何となく物足りない(=美しくキレイな仕上り)のも確か。

        それでも、今でも「社交界」が生きているザルツブルク音楽祭。
        初演の時には、きっと、有名人がワンサカ集まった事だろう (笑)


        オペラ 「ディオニソス」 (ザルツブルク音楽祭)

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          Haus für Mozart (Salzburg)

          Wolfgang Riehm (*1952)

          Dionysos - Szenen und Dithyramben
          Eine Opernphantasie
          Worte von Friedrich Nietzsche / Text von Wolfang Rihm

          指揮 Ingo Metzmacher
          演出 Pierre Audi
          舞台 Jonathan Meese
          衣装 Jorge Jara
          照明 Jean Kalman
          ビデオ Martin Eidenberger
          ドラマツルギー Klaus Bertisch
          コーラス指導 Jörn H. Andresen

          アリアドネ 1.ソプラノ Mojca Erdmann
          2.ソプラノ Elin Rombo
          メゾソプラノ Virpi Räisänen
          アルト Julia Faylenbogen
          N. Johannes Martin Kränzle
          ゲスト・アポロン Matthias Klink
          肌(ダンサー) Uli Kirsch

          オーケストラ Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
          コーラス Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor

          ヴォルフガング・リームの新作オペラ「ディオニソス」
          4回の公演のうち、最終公演を観賞する機会をお客様からいただいた。
          F先生に大感謝。ありがとうございました。

          一足先に、ザルツブルクの Sepp 氏が
          ネタばらしなしの感想記をアップしている

          私が行ったのは最終公演なので、もう、どんどん、ネタばらししちゃう(笑)

          休憩1回を挟んで、15時〜17時40分。ちょうど良い長さ。
          全部で4シーンから成り
          最初は海、次が山、休憩後の第3シーンが室内。最後のシーンが不明な場所。
          舞台装置は、簡素ながら色々と工夫がされていて面白い。

          最初の海のシーンでは
          アリアドネと3人の妖精が出てきて
          男性の N. に「喋れ、話せ」と強要する。

          このアリアドネ役の高音がスゴイ。
          ものすごく複雑な無調性を、完璧に操っている。
          Mojda Erdmann は、ここ で聴いた時には
          声は通るけれど、そんなにテクニシャンには聴こえなかったが
          これは一種の天才だわ・・・

          N.役の Johannes Martin Kränzle
          素人耳にも難しい役。
          最初の5分以上、喋らず(=声出し不可能)
          しかも、最初に出す声が、ゲエゲエした話し声で
          その直後に、ピアニッシモで1フレーズ(ううう・・・)
          途中、バリトン声域を遥かに越えた高音でのファルセットも出てくる。

          テノールの Matthias Klink もスグレモノ。
          声量充分の美しいテノールで
          惜しむらくは、あまり声に色彩がなくて、単調に聴こえてしまうのだが
          それは、歌う部分がそう作曲されているからだろう。

          コーラスは、最初の登場が「歌」ではなく「話し声」コーラス。
          「話し声」だと、オーケストラの音響に負けてしまうのね。
          面白い発見だった。あれは、歌わせたらオーケストラに負けなかったと思う。

          途中でバック・コーラスが入るところで
          コーラスにマイクが使われていて、これだけは、ちょっと・・・
          (すみません、マイク、キライなんです。どうも、方向性が定まらなくて
           不安定で不整合な感じになるから。好みの問題です)

          休憩後の「室内シーン」は
          後ろから、ロビーの話し声がガンガン聴こえてくる状態で
          オーケストラの音楽が被さる。なんだか、不思議な音響になる。

          音楽は、全体的に、新鮮な響きなのだが、トナールも多用されていて
          バリエーションに富んで、飽きが来ない。

          アリアドネと3人の妖精は、音楽含めて
          リヒャルト・シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」のパロディだし
          途中、モーツァルトの「魔笛」に近い御伽話になるし
          N. がピアノ伴奏で独唱するところは
          シューベルトのモジリだし
          リヒャルト・ワーグナーをパクった部分も聴こえてくる。

          ただ、テキストはものすごく難解。

          言葉遊びが多く
          深い哲学的考察に満ちているのだろう事は想像できるけれど
          プログラムに掲載されていた
          作曲家ヴォルフガング・リームのインタビューと同じくらい難解で

             正直言って、何を言いたいんだか、ぜんぜん、わかりません (自爆)

          ツァラトストラの超人思想、というには
          N. の独白は、情けない部分が多くて、ヘンに人間臭い。

          孤独や愛、自分自身の存在の証明、真実を求めて彷徨う・・・らしいが
          皮まで剥がされて(赤むけの半裸になって、皮だけが踊る場面あり)
          結局、最後の静かなシーンで
          この N. という人物が、何の境地に達したのか
          ワタクシには不明だった。他の観客はわかったんだろうか???

          やっぱり、ヨーロッパ思想なんだなぁ、というのは
          作曲家(兼 脚本家)のリームにも明らかだったようで
          途中で「ヨーロッパが、ヨーロッパが」と強調する部分がある。

          で、この「ヨーロッパ」のイントネーションが
          意図的に、間違ったイントネーションを使っていて
          大笑い (もちろん、心の中で・・・ f(^^;))

            意外に、この作曲家、皮肉屋かもしれない ・・・

          伝統的なヨーロッパのオペラやクラシック音楽のパロディもあって
          スペクタクルな「オペラ=御伽話」の側面もきっちり押さえ
          扱っているテーマは超シリアスなのに
          苦いテーマに、ほわ〜んとしたユーモアが混ざり込んで
          何か、すごく不思議な後味を残すオペラである。

          席は 80% くらいの入りだったけれど
          最後はブラボー・コールと床踏みが凄かった。
          千秋楽だから、歌い終わった主人公の晴れやかな顔が、なかなか見応えあり。

          インゴ・メッツマッハーの指揮は非常にクリアで
          気取りも、思いこみもなくて、とても素直に入ってくる。
          昨年のルイージ・ノーノも良かったけれど
          この人、本当に現代音楽を振らせると、巧い。

          舞台装置も面白いし、内容は難解だけれど
          知ったかぶりしたい、いわゆる「インテリ」にはウケそうだし
          音楽的には、様々な試みがあって面白い。

          ハコとしては、ウィーン劇場のレパートリーで取り上げたら
          かなりイケそうな気がするのだが・・・

          できれば、今回一回だけではなく
          どこかのスタンダード・レパートリーになってくれると面白いだろうなぁ。

          ところで、終わって外に出たら
          「ザルツブルク音楽祭に集まる有名人を見よう」という人が
          ものすごい数、劇場の前に集まっていて、驚いた。

          このオペラの後
          20時から「エレクトラ」の初演で
          これも、「有名人を見よう」という人の数が多くてビックリ。
          (↑ ほら、ワタシ、有名人に全く興味がないから・・・)

          本日初演を迎えた「エレクトラ」だが
          実は、ワタクシは、8月5日に、ゲネプロで一足お先に観賞。

          感想記は、すぐに書いたけれど
          初演が終わるまでアップするのを控えていたので
          (やっぱり、初演前にブログに書いちゃうのはルール違反ですから (^^))
          もうじき、アップするのでお楽しみに。
          (誰も楽しみにしてくれていないかもしれないが・・・ま、いいわ(開き直り))


          パリの生活 オッフェンバック バーデン市立劇場(アレーナ)

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            Sommerarena Baden

            Pariser Leben (La vie parisienne)
            Operette von Jacques Offenbach

            演出 Robert Herzl
            ハルトムート・ゴンドレマルク男爵 Jochen Schmeckenbecher
            その妻クリスティーネ Frauke Schäfer
            ラオール Darius Merstein-MacLeod
            ジャン・フランソワ Reinhard Alessandri
            メテラ Hege Gustava Tjøemm
            ガブリエーレ Julia Koci
            ハンス Thomas Markus
            ポンパ・ディ・マタドーレス René Rumpold
            クラーラ Gabriele Kridl
            ムッシュ・ウルバン Horst Lamnek
            パウリーネ Kerstin Grotrian
            レオニー Franziska Stanner
            アルフォンソ Robert Sadil
            フィリップ Franz Födinger
            駅員 Heinz Hartel

            指揮 Franz Josef Breznik
            オーケストラ Orchester der Bühne Baden

            オッフェンバックのオペレッタ「パリの生活」
            バーデン市立劇場、夏だけ使われるアレーナでの舞台。

            うぉっほっほっほ \(^O^)/
            いや〜、これこそ、正にオペレッタだわ。

            小規模な劇場で、舞台も小さいけれど
            舞台一杯に華やかな舞台装置、華やかな舞台衣装
            コミカルな演技に、踊りもできて、チャーミングな歌手の面々に
            狭い舞台一杯に踊るバレリーナのフレンチ・カンカン。

            いや、もう、たまらん \(^^\)(/^^)/

            変に気取ったり、現代風に簡素にしたり
            オペレッタの筋に、人生の暗い面を見せたりなんていう
            小賢しい技は一切なしで
            単純に

            楽しくて、綺麗で華麗で華やかで
            歌も踊りも、見た目も美しく、コミカルな演技に大笑いできて
            最後はハッピー・エンドで、全員、良かったね〜 (^_-)---☆ という

            古き良き時代のオペレッタそのままが
            ここにある(きっぱり)

            ドイツ人(プロイセンだ!)の男爵が
            夫人を引き連れてパリにやってきて
            そこで、ガイドを名乗るラオールの館(ホテルと偽っている)に入り
            ラオールに、パリの華やかな生活を案内してもらおうとする。

            ラオールとジャン・フランソワは詐欺師で
            娼婦のメテラを取り合った仲でもあるが
            そこは、両者協力した上で
            ビジネスマン(かどうか怪しいが)のウルバンと、クラーラを巻き込んで
            「外交官の秘密の仮面舞踏会」を用意する。

            仮面のままで、美しいパリの女性を口説いた筈だった男爵。
            仮面を取ってみれば、あらま、それは妻のクリスティーネだった
            ・・・という、まぁ、オペレッタ定番の「とりかえばや物語」なのだが

            その間に、若いカップルが誕生したり
            浮気しようとして、果たせなかった詐欺師や
            クチュリエに化けたウィーンの靴屋や
            手袋メーカーのチロル出身の女の子が、億万長者とくっついたり
            小さなエピソードが散りばめられてある。

            まぁ、しかし、よくぞ、歌って踊れて演技もできる歌役者が
            これだけ集まったものだ。

            特筆すべきは、主人公のハルトムート・ゴンドレマルク男爵を歌った
            バリトンの Jochen Schmeckenbecher

            演技がずば抜けて巧くて、器用で、コミカルで
            しかも、垢ぬけなくて、華やかな生活に憧れているけれど
            それをしようとすると、何だかサマにならない
            真面目だけど、実はむっつりスケベで、ちょっとすっ飛んだ
            プロイセンの酔っぱらいを
            実にチャーミングに演じあげただけではなく

            コミカルな演技が目立ち過ぎて、あまり意識しないけれど
            この人、すごい美声 !!!!

            ジャン・フランソワを歌った Reinhard Alessandri は
            背が高くて、いわゆる「イイ男」 二枚目のハンサム。
            舞台でパッと目立つ華がある。
            中年オバサマの強烈なファンが付きそうなタイプ(笑)

            その中年オバサンの一人である私の好みは
            ハルトムート(上記参照)の次は、フォルクス・オパーでも歌っている
            Thomas Markus なんだもんね〜っ (^^)v

            ちょっとフクヨカで
            でも、バレエもダンスも完璧に出来ちゃうよ、という
            太めで、身体が柔らかくて、ガンガン踊っちゃうタイプって、すごく好き (*^^*)

            女性陣も、みんな、華やかでスタイル良くて
            (レオニー役は中年未亡人だから、少し太めで正解。
             しかし、このベテラン歌手の Franziska Stanner も貫禄が凄い)
            メゾ・ソプラノ(何役だったか記憶にない・・・すみません)が素晴らしかった。
            ソプラノも全員、非常に良い。
            一人、スープレットのコロラチューラがいて、これも見事。

            バレリーナをガンガン使って
            チロルやバイエルンの民族舞踊から
            華やかなフレンチ・カンカンまで
            美しいおみ足を、網タイツで太ももまで晒して
            実に華やかに、楽しく、あけっぴろげに踊る舞台は
            それだけでも観る価値は充分ある。

            8月12日・13日・21日・22日・24日・26日・28日と9月1日・2日に上演。
            私も、もう一回くらい行っても良いかな〜 (^^)
              だって、本当に楽しいんだもん、うふ。


            カルメン クロースター・ノイブルク

            0

              Klosterneuburg Babenberger Halle

              Carmen
              Opéra-comique in vier Akten
              Musik von Georges Bizet

              カルメン Katarina Bradić
              ドン・ホセ Bruno Ribeiro
              ミカエラ Ana Puche Rosado
              エスカミーリオ Martijn Sanders
              フラスキータ Dénise Beck
              メルセデス Martha Hirschmann
              ダンカイロ Sebastian Huppmann
              モラレス Serge Novique
              ズニーガ Tiji Faveyts

              オーケストラ Sinfonietta Baden
              コーラス Gymnasium Klosterneuburg
              指揮 Enrico Calesso

              演出・振付 Pascale-Sabine Chevroton
              舞台 Alexandra Burgstaller
              衣装 Andrea Hölzl
              照明 Lukas Siman


              本来はクロースターノイブルク修道院の中庭で上演されるオペラ。
              ううう、昨日の34℃とうって変って
              何と、日中でも20℃いかず、しかも瞬間秒速90キロの風が吹き荒れる。

              バーベンベルガー・ホール(クロースターノイブルクの公民館)の
              脇の席で、舞台右半分が見えなくて34ユーロ・・・・(絶句)
              修道院中庭だったら、かなり急な段があるし、脇の席はないので
              一番上でも全然問題ないのだけれど

              こういう公民館で34ユーロでカルメンの観賞するなら
              国立オペラ座で29ユーロで舞台が半分見えないカルメンの方が格段にヨイ。
              (そりゃ、あたり前)

              舞台は赤い壁だけでシンプル。
              中庭だったら、上のバルコンも高いところなのだろうが
              何せ、公民館だし・・・(ため息)

              オーケストラも指揮者も、コーラスも歌手も
              みんな、頑張ってる。それは認める。一生懸命である。

              でも、クロースターノイブルク修道院の中庭だと
              太陽が沈んで来ると、正面に修道院のバロックの美しい建築が
              夜間照明で浮かび上がり
              塔の上のローマ帝国の王冠が夜空に映えて
              何とも言えない雰囲気が醸し出されるのに

              公民館では、その魅力がない。
              面白さ、感激度は、申し訳ないが、80%くらいカットされてしまう(涙)

              集まる観客は・・・・ 

              うわ〜〜〜〜っ、老人倶楽部 (+_+) 失礼 m(__)m

              最近、モダン・ダンスで若いダンサーの群ればかりの公演に行っていたので
              周囲が、杖ついたジジババの集団というのも、なんか懐かしい(こらこら)

              本当にどこかの「ご老人クラブ」もご招待で来ていたようで
              平土間の良い席の一部は、お喋りが煩かった(ギャラリーまで聞こえてくる)

              カルメンとドン・ホセ、エスカミーリョはダブル・キャスト。

              こういう小さいホールだと、まずオーケストラの荒さが耳につく。
              いや、あの、指揮者の動きもキレイだし
              みんな頑張っているのだけれど(以下省略)

              ミカエラは、なかなか初々しくてよろしい。
              (この間、海千山千のネトレプコのミカエラを聴いちゃったからな)
              特別に素晴らしいスター性を持ったピカピカに光る声、というのではないが
              正しく、清く、丁寧に歌い上げて、好感が持てる。

              カルメン役は、頑張っていた。
              そこそこ声も出る。演技もできる。カスタネットも途中までは頑張った。
              (最後でズレるのであれば、最初からやって欲しくなかった、というのは
               あまりに要求水準が高いだろうから言わない。って言ってるけど)
              途中で疲れが見えてきたけれど、最後でまた取り戻したから、合格点。

              頑張って、かなり、これは、と思わせたのが
              ホセ役のブルーノ・リベイロ。
              最初から最後まで、かなり声量とハリのあるテノールで
              高音も、しっかり飛ばした。
              まだ声の表情が硬いけれど、最後は泣き節まで入って、これはナカナカである。
              (ただ、頑張っているのがミエミエで、ピアニッシモの支えがないし
               まだ若いから声帯も持つだろうが・・・ 声を大事にしてね・・・(老婆心))

              エスカミーリョは、美声なのだろう、きっと。
              が・・・・ 低音が埋もれて前に出てこないし
              細かい部分の処理が雑なので、不安定な音程に聴こえてくる。
              ああいうのは、もう、持って生まれた素質としか言えないだろうなぁ。

              歌い手という商売は残酷ではある。
              努力以前に持って生まれたモノで決まっちゃうところがあるから・・・・

              コーラスは女声コーラスはマル。
              男声のバスとバリトンはマル。惜しむらくはテノールに均一性が欠けた。

              脇役は、かなり揃っていて危なげなく安心して聴ける。
              チョイ役の全員が、自分の役割を疎かにする事なく全力を尽くしたのは素晴らしい。

              このクロースターノイブルクの夏のオペラは
              来る人の大半がウィーンからだから(超コンサバの年配客が中心)
              あまりヘンなモノは上演できない。

              だいたい、カルメンなんて
              そんなヘンな演出が出来る演目じゃないから
              (いや、やれば出来るような気はするのだけれど(笑))
              舞台と衣装(まぁ、衣装もやっぱりフラメンコからあまり逸脱は無理)以外に
              たいして突飛な事はできないわけで、ちょっと残念(何を期待してた?(笑))

              休憩時間中に外に出たら
              小雨で寒くて(17℃)、でも、左手の修道院の
              教会のゴシックの塔と、修道院のローマ帝国の王冠が夜空に浮かび上がって
              ああああああ、あそこの中庭だったら、どんなに良かっただろう・・・・(涙)

              もっとも、上演前にプロデューサーがマイクで挨拶した通り
              「どこかの音楽祭みたいに、雨の中を50分だけ演奏して
               チケット払い戻しできず、はい、途中で中止です、というより
               少なくともホールの中で、最後までオペラを楽しんでいただける事を
               私どもは嬉しく思います」
              ・・・・ごもっとも。

              修道院中庭だったら、自信を持ってお勧めするのだが
              まぁ、天気というのは選べないからなぁ・・・
              7月24日・27日・29日・31日、8月3日と追加公演が8月6日。
              情報は ここ (注意 音が出ます)

              なお、2011年は「フィガロの結婚」
              ・・・・ これはちょっと期待できるかも (^^)v
                (以前のドン・ジョバンニが、見事だったから)


              チャールダッシュの女王 グラーツ・オペラ座

              0

                Die Csárdásfürstin チャールダッシュの女王
                Operetta in drei Akten
                Musik von Emmerich Kálmán (1882-1953)

                指揮 Tecwyn Evans
                演出 Peter Konwitschny
                舞台・衣装 Johannes Leiacher
                振付 Enno Markwart
                ドラマツルギー Hella Bartnig, Werner Hintze
                照明 Friedewalt Degan
                コーラス Bernhard Schneider

                レオポルド・マリア・リッペルト公爵 Gerhard Balluch
                その妻アンヒルテ Uschi Plautz
                その息子エドヴィン・ロナルド Ladislav Elgr
                公爵令嬢スタージ Sieglinde Feldhofer
                ボニー・カンシアヌ伯爵 Martin Founier
                シルヴァ・ヴァレスキュ Éva Bátori
                ローンスドルフ将軍 János Mischuretz
                フェリ・バチ Götz Zemann

                オーケストラ Graz Philharmonisches Orchester
                コーラス Chor der Oper Graz

                ドレスデンで上演されて
                ものすごいスキャンダルを巻き起こした(途中で帰った人も多かったらしい)
                オペレッタ「チャールダッシュの女王」を
                グラーツ歌劇場で上演する、というので
                ちょっと週末、足を延ばしてグラーツまで。

                だいたい、こういうヘンな催物を見つけてくるのは
                読者ご推察通り、この人である (^.^)

                更に、今回はグラーツ国立オペラ座で活躍の、この方にも
                開演前にオペラ・カフェでお目にかかる事ができた。
                (素敵な女性です。美人だしチャーミングで礼儀正しい方 (^^))

                オーケストラ・ボックスは私の席からは見えなかったが
                このオーケストラには、ここに書いていらっしゃる、典子さんもいる。
                     ・・・ 個人的には存知あげませんが f(^^;)

                さて、そのスキャンダル公演。
                来ている観客たちも「スキャンダル公演」は知っていて
                怖いモノ観たさに来ている人が多い(笑)

                    結論  やっぱり、凄かった

                最初は普通に始まる。
                ブダペストの劇場で、歌姫シルヴァが登場して云々。まぁ、普通。

                劇場に空爆があって、だんだん建物が崩れていって
                エドヴィンが呼び戻されたウィーンが戦場になっていて
                コーラスがみんな軍服を着て、ヘルメットをかぶって
                踊りながらスコップを渡して、塹壕を掘って・・・

                前半のそこらへんまでは
                充分ヘンだけど、まぁ、コミカルだし、許せる。

                シルヴァがかなりお歳を召していて
                背が高くて若いエドヴィンと並ぶと
                ど〜しても、お母さんと息子にしか見えない、というのも許す。
                (モンセラ・カヴァリエとホセ・カレーラスの例もある事だし)

                でも前半のシルヴァが、どうしても、どう見ても
                ただの、ヒステリーのオバサンにしか見えないので(すみません)
                エドヴィンとのラブシーンも、何だか、違和感があって
                シルヴァは別にエドヴィンなんて愛してなくて、どうでもヨイ・・・というより
                エドヴィンは年増専門のストーカーか?という・・・

                あああああ、ワタシ、すごくヒドイ事を書いてます。ごめんなさい。

                スタージ役は従軍看護婦になって登場するが
                とても可愛らしいし、伯爵令嬢らしいオキャンなところもある。
                ボニーとモーツァルト・クーゲルは、割と面白いアイデアだ。
                (モーツァルト・クーゲルが爆弾になったり
                 中のフィリングが色々とあって
                 ボニーとスタージの「一目ぼれ場面」でも、モーツァルト・クーゲルが活躍?する)

                エドヴィン役は背が高くて、身が軽くて踊れて
                声も出るし、なかなかハンサムだが
                惜しむらくは、セリフをハイバリトンの声域で喋るので
                ドイツ語が聴き取り難い。

                前半90分終了。いや、けっこう、長い・・・

                で、後半・・・・

                     絶句・・・・ ||(-_-;)||||||

                またまた戦場なのだけれど
                手榴弾が爆発すると、ちぎれた手足が散らばったりとか
                担架に乗った死人から、首がもげて
                首のない死人がシルヴァとダンスをするとか

                    何か、それって必然性があるんでしょうか? (-"-;)

                更に、シルヴァが、自分の誇りを守るために
                エドヴィンの結婚証書を破り捨てる場面で、幕が下りてしまう・・・

                え?? もしかしたら、ここでお終いですか?

                身分違いの恋は不幸のモトというか
                高すぎるプライドは女性の身を滅ぼすとか、そういう話だったかしら?

                と首をひねっていると
                幕の前にフェリ・バチと、負傷した女性ダンサーたちが登場。

                負傷した女性ダンサーたち・・・・ ただただ、グロテスクなだけ・・・

                腕を三角筋で釣ったり、義足だったり
                膝から下がなくて、切断面と思われるところには細かく血までついて
                松葉杖で片足でダンス・・・・ それも、舞台の前で腰かけたりする。

                    何なんだ、あの場面は????

                通常なら盛り上がる「ヤイ・ママン」も
                舞台上のジプシー音楽師の伴奏だけなので、全く盛り上がらず
                (その後にオーケストラに引き継ぐが、歌もないのでシラケる)

                愛する2組のカップルが出来たら
                ガ〜ンと盛り上げて終われば良いのに
                4人が腰かけて、観客の方を向いて、とっても暗い表情で
                ピアニッシモで静かに歌って幕。

                見せ場はないし
                爆音は最初から最後まで響きっぱなし。
                (空襲はあるわ、ロケット砲は出てくるわ、爆弾が舞台のあちこちで爆発する)

                ボニーがスタージに愛を告白するところなど
                ロケット砲でスタージを脅かした上(爆発もする)
                もろに乗っかってるし(察して下さい)

                愛のシミジミしたやり取りや、やりきれない心の痛みとか
                それを、うまく包んで、チャーミングに表現するという洒落たところが一切なくて
                非常に直截的な表現のテンコ盛りなのだが
                それが、全然「明るく」ない!!!!

                普通、チャールダッシュの女王を観た後は
                観客は、みんなニコニコと、メロディを口ずさみながら
                ウキウキ、幸せ気分で帰途につくハズなのだが

                みんな、しかめっ面をして、暗い顔になっているか
                         あまりの酷さに失笑しながら帰っていくか

                そうそう、ヒットラーも出て来た。
                (伝令役が、ヒットラーの格好で、ちょび髭はやして
                 例の、あの格好をするのである。)

                音楽的には二重マル。オーケストラも(マジメで)巧かったし
                劇場は、とってもバロックで豪華絢爛で小粒で音響も素晴らしい。

                割りに芸達者の歌手や役者さんたちが出演していただけに
                あれは、ちょっと、やっぱり、う〜ん・・・・ (-"-;) 誠に残念である・・・

                いやいや、でも、あんな「珍演出」は
                今期のプログラムに取り上げられても(ウィーンでは絶対にやらないだろう)
                それで、もう終わりだろうから(もう一度観る気にはなれない)
                その意味では、一生に一回しか観られない貴重な演出ではあった。


                オペレッタ 「青い仮面」 (ライモンド)

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                  Maske in Blau
                  Buch von Heinz Hentschke
                  Musik von Fred Raymond

                  指揮 Franz Josef Breznik
                  演出 Robert Herzl
                  舞台 Waltraud Engelberg
                  振付 Mátyás Jurkovics
                  合唱 Oliver Ostermann

                  公爵夫人マリア・マッダレーナ・カヴァロッティ Edith Leyrer
                  その甥 ジョルジュ・ヴァレーラ・ジュニア Beppo Binder
                  その妹 エルヴィーラ・ヴァレーラ Romana Noack
                  ペドロ・ヴェガス Franz Josef Koepp
                  アルマンド・チェリーニ Darius Merstein-MacLeod
                  ヨゼフ・フラウンホーファー 別称 ヨッシー Roman Martin
                  フェレンス・バロン・キリアン 別称 フェリー Tibor Szolnoki
                  ユリア・ヴァラディ Johanna Arrouas
                  カルロ・ゴンザーラ Franz Födinger
                  カルロッタ Monika Zirngast

                  バーデン州立劇場、夏のアレーナの最終公演は「青い仮面」
                  ライモンドのオペレッタで、歌は結構有名だが上演される機会は少ない。

                  プログラムを買おうと思ったら
                  ペラペラの配役表1枚で、価格はなし。自由裁量(まぁ、1ユーロだわね)
                  プログラムがないので、事前に筋が全くわからん。
                  オペレッタに詳しい友人に聞いた、漠然たるアラスジだけでギャラリー席へ。

                  あいにく、外は大雨。
                  夏のアレーナだが、もちろん屋根はしっかり閉まって
                  外は寒いけれど、中は快適。一応ジャケットは持って来たが不要。

                  しかし・・・
                  老人と子供が多い (*_*)

                  しかも、席からはみ出すフクヨカな老婦人が多い。
                    どうやったら、人間、あれだけフクヨカになれるものなのか・・・(不思議)

                  1年前に描いた「青い仮面」の女性モデルに惚れた画家チェリーニは
                  その女性モデルに、将来の約束として指輪を渡す。
                  今日が約束の日。
                  指輪を持って現われた女性はアルゼンチンのプランタージュ主エルヴィーラ。
                  チェリーニは惚れた女性に再会できてハッピー。
                  エルヴィーラもチェリーニと会えて、とっても幸せ。

                     これで終わったらオペレッタにならない(爆)

                  そこに現われる恋のライバル、ペドロ・ヴェガス。
                  エルヴィーラ(金持ち)をチェリーニに奪われてたまるもんか、と
                  エルヴィーラの所持する指輪を盗み
                  チェリーニに、エルヴィーラからの伝言なるものと、指輪を渡す。
                  「アバンチュールは終わったわ、と伝えてくれってさ」

                  金持ち女性のただのお遊びか、と思ったチェリーニは怒って
                  エルヴィーラを振る。

                          これで終わってもオペレッタにならない(爆)

                  舞台はアルゼンチンに移り
                  そこで誤解が解けて、2人はハッピーになりました。

                    ・・・ と簡単に言えば、そういう筋。
                          まぁ、あの、その (;^_^A アセアセ

                  その間に、ハリウッド・デビューを狙うユリアやヨッシー
                  ペドロ・ヴェガスの正体(浮気者、お金狙い)を暴こうと
                  お芝居をする友人などが絡み
                  歌あり、ダンスあり、ショーありの楽しい仕上がり。

                  舞台は小さいけれど、工夫して場面変換をしてあり
                  衣装が、変わるわ変わるは・・・何回着替えをするの?という位、目まぐるしい。
                  それだけ、豪華なショーの感じが充分出ている。

                  オペレッタと言うより、レビューというかショーというか
                  歌手も、踊れて歌えてという人ばかり。
                  タップ・ダンスまであるし(歌いながらです)
                  バレエ・ダンサーと一緒に歌いながら(!)踊っても見劣りしない(驚愕)

                  ううううっ・・・ 楽しいっ・・・ o(^o^)o

                  ただ、プログラムがないのは、ちょっと問題かも。
                  後ろのご年配のご夫妻が
                  「ねぇ、アレ、誰?」「ほら、さっき出てきた誰々でしょ」
                  「誰がどうなってるの?」「あの人が、こうなって、こうなったんじゃないの」
                  と、2人でずっと喋っていたのは
                  プログラムにあらすじが書いてあれば避けられた・・・かもしれない。


                  メルビッシュ湖上音楽祭 マイ・フェア・レディ

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                    Seefestspiele Mörbisch
                    “My Fair Lady”

                    指揮 Günther Fruhmann
                    イライザ Katrin Fuchs
                    ヒギンズ教授 Daniel Morgenroth
                    ピッカリンク Harald Serafin (兼 プロデューサ)
                    フレディ Daniel Serafin
                    ミセス・ヒギンズ Gaby Jacoby
                    ミセス・ピアース Isabel Weicken
                    アルフレード・ドゥーリトル Helmut Lohner (兼 演出)

                    ウィーンから車で約1時間。
                    ブルゲンランドのメルビッシュで行われる湖上舞台でのオペレッタ

                    ・・・のハズなのだが、今年は何とミュージカル「マイ・フェア・レディ」


                      もちろん、ドイツ語版 (^○^)


                    イライザとヒギンズ教授はダブル・キャストである。

                    たまたま、ちょっとした偶然で入手したチケットは9列目! \(^O^)/
                    そんな良いところで観たこと、ありません f(^^;)

                    とは言え、湖上舞台だから、9列目でも、舞台はかなり遠い。
                    左右に非常に広い舞台で
                    中央には、ロンドン塔みたいなものが2本立っていて
                    その間に、時々、架け橋がかかる。

                    ドイツ語版の「マイ・フェア・レディ」は
                    フォルクス・オパーでも上演された。2008年5月に2回鑑賞している。

                    メルビッシュの演出も、映画に非常に近い。
                    (というより、この作品、映画のイメージが強すぎて
                     それ以外の演出は、まず無理だろう)

                    舞台が豪華で広いので
                    モブ・シーンが多くて、ダンサーだけで50人くらい使っている。
                    さすがに、これだけのダンサーが勢ぞろいすると見ごたえがある。

                    イライザ 二重マル 声の使い分けが巧い。

                    最初の部分は、とんでもない訛りでガンガン喚くし
                    歌も、訛っている部分は地声で
                    上品なドイツ語で歌う部分はベルカントで、と使い分けた。
                    マイクを使っているから出来る技だが
                    あれだけ、自分の声を使いこなせたら、見事なものだ。

                    で、とんでもなく訛っている部分のドイツ語が
                    全部、理解できてしまう・・・というのも、ちょっと ( ;^^)ヘ..

                         ワタシも無意識的に、あ〜いう、訛ったドイツ語を話しているのかも・・・

                    ヒギンズ教授役はベルリン生まれの俳優。
                    さすがに、正統ドイツだけあって
                    実にドイツ・ドイツした明確な発音で
                    早口のドイツ語の歌部分の歌詞まで、くっきり、はっきり聴こえてくる。

                    ヒギンズ教授の教える「上級社会の言語」は
                    やっぱり、ドイツ・ドイツしたドイツ語にする以外の方法はないんだろうなぁ。

                    いくら、ウィーンのドイツ語が
                    貴族的な方言であったとしても
                    あの、ちょっと間延びしたオーストリア・ドイツ語では
                    全体が間延びして、ただの間抜けになってしまうだろうし・・・

                    プロデューサのハラルド・セラフィン御大が、自ら演じるピッカリンクは
                    そりゃ、巧い。
                    だが、セラフィンも、もうかなりのお歳で
                    声が粗いので(セリフははっきり聞き取れるが)耳にはちょっと不快だ。

                    イライザの父親、ドゥーリトルを演じたのは、演出家でもある。

                    あのね・・・

                    演技は巧い。セリフもこなれているし、存在感もあるけれど
                    全然、歌が歌えないじゃんか!!!

                    最初の「ちょっとだけ幸運があれば」で
                    コーラスに混じって、めちゃくちゃ音程の悪い不協和音を聞かされた時には
                    ひっくり返るかと思ったわ。

                    これはマイクを使う事による弊害である。
                    あそこまで外れた声を、マイクがクリアに拾ってしまって
                    コーラスのマイク音量が小さいので、ますます目立ったのだ。

                    で、もっと凄かったのがフレディ役のダニエル・セラフィン。
                    名前でおわかりの通り、プロデューサの御大セラフィンの息子。

                    イライザと会うアスコット競馬場の場面のセリフを聞いて

                    ぎゃっ o(@.@)o

                    ちょっと待て。ドイツ語に品がない。
                    というより、いったい、貴方のドイツ語、どこの訛り???

                    声もダミ声だし、田舎の牧夫とかの役だったら合うだろうが
                    どこをどう見ても聴いても
                    良いお家のおぼっちゃま、という感じが、ま〜〜ったくない。

                    ヒギンズ教授の家にイライザを訪ねてくる場面も
                          ううう、言っちゃって良いのだろうか、
                    ともかく、衣装が全然合っていなくて
                    山高帽が滑稽で、長い上着が、短い脚をますます強調して
                    しかも、ダンスもできないし、身体の動きもギクシャク。

                    おおおお、言いたい放題。
                    でも、良いんだもん。今回のチケット、決して安くはなかったんだから!!!
                    (何せ、前から9列目ですよっ!!! 
                     普通は一番後ろの100列目(?)とかのチケットしか買わない)

                    ミセス・ヒギンズと、ミセス・ピアースは役者さんだが
                    この2人は役柄もピッタリ。ドイツ語も美しく、品があってバッチリ。

                    コーラスのアンサンブル、最悪(きっぱり)
                    指揮者が悪いのか、マイクで自分の声が聴こえないのかはわからないが(笑)

                    まぁ、でも、音楽的にどうのこうの言うより
                    お祭りだし、楽しいし、面白いし、舞台は大きいし、退屈させないし
                    50人のダンサーが踊る場面は、とても見ごたえがある。
                    カーテンコールも、うまく魅せている。

                    それに、何がステキと言って、終演後の花火が豪華絢爛 o(^o^)o

                    終演後は数千台の車が一斉にウィーンに帰るけれど
                    我々は、その後、レストランに陣取って
                    (オペラの後、真夜中過ぎでも開いているのだ、たいしたものだ)
                    濃いコーヒー飲んで、甘いデザートを食して(美味しかった (^^)v)
                    夜中の1時ちょっと前にメルビッシュを出て、夜中の2時過ぎにウィーン帰着。

                    近くのサンクト・マルガレーテンの石切り場では
                    「リゴレット」を上演している(ウエブ・サイトは ここ )

                    でも、暗いストーリーのオペラより
                    単純に楽しめて、知っているメロディがわんさか出て
                    楽しい気分でウィーンに帰れる、という意味では
                    やっぱり、人気があるだけの事はあると思う。


                    ザルツブルク音楽祭 「愛に満ちた偉大なる太陽のもとで」 プレミエ鑑賞記

                    0

                      Luigi Nono
                      Al gran sole carico d`amore

                      指揮 Ingo Metzmacher
                      演出 Katie Michell
                      舞台・衣裳 Vicki Mortimer
                      写真監督 Leo Warner
                      照明 Bruno Poet
                      音響効果 André Richard
                      コーラス James Wood
                      ライブ・カメラ Sebastian Pircher

                      ソプラノ
                      Elin Rombo, Anna Prohaska, Tanja Andrijic, Sarah Tynan, Virpi Räisänen
                      アルト Susan Bickley
                      テノール Peter Hoare
                      バリトン Christpher Purves
                      バス Andrè Schuen, Hee-Saup Yoon

                      オーケストラ Wiener Philharmoniker
                      合唱団 ウィーン国立オペラ座合唱団

                      ルイジ・ノーノのオペラ「愛に満ちた偉大なる太陽のもとで」
                      以前、ザルツブルク音楽祭の速報を書いた時 (ここ
                      これは渋い!と注目していた演目を
                      Sepp さん からのお誘いで鑑賞できる事になった。
                      一番後ろの席で30ユーロ \(^O^)/

                      ううう・・・
                      さすがザルツブルク音楽祭だ。
                      すごい金のかかっている舞台である。
                      (って、最初に金の事を考えてしまうのは、貧乏人の性 (^^;)

                      Felsenreitschule には初めて入ったが
                      サウンド・オブ・ミュージックに出てくる舞台とは全く違っていて
                      岩の部分は閉じてあって
                      下の部分を使って5つの「部屋」ができている。

                      だいたい、舞台がめちゃくちゃ大きい!!!

                      オーケストラ・ボックスも一杯だが
                      更に、左手上にはパーカッションだけのセクションが独立して
                      舞台の上には、5つの部屋の他に
                      前に大きな舞台があり、更にその奥に大編成のコーラスが座る。

                      ううううん・・・
                      あの規模の舞台は、さすがにウィーンではない  (-"-;)

                      コーラスの後には大きなスクリーンがあり
                      5つの部屋で動く俳優さんたちを、何台ものカメラが撮って
                      スクリーンに写す。

                      オーケストラ+ソリスト+コーラスに加えて
                      電子音が入るのだが

                      スピーカーが左手のすぐ近くにあって・・・(爆)
                      ちょっと、最初は、かなりの違和感が・・・(安い席だ、仕方ない・・・)

                      オペラとは言え
                      筋があるワケではないし
                      コンサート形式だったとしても
                      音響のスペクタクルとして充分楽しめたとは思う。

                      が、今回は
                      後ろの5つの部屋で俳優さんが動くのを、ライブ・カメラが追う。
                      これが、見事な出来で
                      音楽と寸分たがわず、カメラの切り替えのタイミングもピッタリ。

                      いや、あの、すごい精密なシナリオを作っているぞ、これは (*_*)

                      ノーノの、まだエネルギッシュだった頃の
                      政治メッセージが目一杯詰まった作品で
                      音楽も、ものすごく力強い・・・というより
                      時々、暴力的に荒っぽくなったりする。

                      メッツマッハーが、しっかり指揮を取って
                      とても正確に美しくまとめてくれて
                      音楽として「だけ」聴いても楽しめたのだが

                      舞台の上のコーラスが動き
                      部屋の中では演技があり、カメラが動き
                      スクリーンには、そのままライブで動きが「映画」として映る。

                      うわ〜、いったい何処を見れば良いの?! (((^^;)(;^^) ))

                      指揮見て、オーケストラ見て、離れている打楽器セクションを見て
                      スクリーンで映し出される「映画」を見て
                      その映画の現場である部屋を見て
                      映し出される歌詞のドイツ語訳も見て

                         ・・・詰め込み過ぎ。

                                  というより、私がガツガツし過ぎ?!(自爆)

                      何か、すごく不思議な感じがする。
                      演技をしている部屋は、普通の演技なのに
                      それがスクリーンに乗るだけで、ヒッチコックの映画のような感じになる。
                      実際の動きが映像になる事によって持つ力の凄まじさが
                      まざまざとわかる。

                      音楽も、オーケストラの実際の音と
                      スピーカーで流れる電子音が、現実と幻想の中を交差する。

                      ソプラノ・アルト・テノール・バリトン・バスの声も
                      コーラスの声も、メッセージ性はあるけれど、声が楽器に聴こえる。

                      革命時代の小さなエピソードを繋いで
                      それが、実際に部屋で演技され
                      スクリーンに映る事によって、際立つ現実性が出てきて
                      音楽と交わって、何とも不思議な世界に誘っていって

                      最後は、やっぱり
                      共産主義者でも、教会音楽になるんですね? と
                      ヨーロッパ音楽に根付く「伝統」の力を、まざまざと見せつけられた
                      (ような気がする)

                      じわじわと後味も効いてくる。
                      不思議な演目である。
                      これは、ウィーンでは上演できない。
                      オーケストラも俳優も、歌手もビデオ・チームも
                      舞台の大きさも雰囲気も
                      やっぱり、さすが(金のある)ザルツブルク音楽祭だわ、という演目だ。

                      この1演目鑑賞のためだけにザルツブルクに来たけれど
                      来た甲斐があった。

                      ・・・8月6日・9日・14日に上演がある。
                      ううう、もう一回くらい観たいものだが
                      残念ながら、さすがにザルツブルクは遠い・・・(ため息)


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