ニューヨーク・フィルハーモニック + アラン・ギルバート

0
    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年3月29日 19時30分〜21時40分

    New York Philharmonic
    指揮 Alan Gilbert
    ソプラノ Christina Landshamer

    Béla Bartók (1881-1945)
     Musik für Saiteninstrumente, Schlagzeug und Celesta Sz 106 (1936)
    Gustav Mahler (1860-1911)
     Symphonie Nr. 4 G-Dur für großes Orchester und Sopran-Solo (1899-1901)

    楽友協会ではカリスマのドゥダメルが
    ベートーベンの交響曲7番と8番を演奏しているが
    こちらはコンツェルトハウスで
    ニューヨーク・フィルハーモニックとアラン・ギルバートの指揮のコンサート。

    数日続けて楽友協会の音響に耳が馴らされてしまうと
    コンツェルトハウスのかなりデッドな音響が異質に響いてはくるが

    コンツェルトハウスのこのデッドな音響は
    その分、オーケストラの細かい部分の音を
    容赦なく聴衆に届けて来て
    楽友協会のように、多少の難は隠してくれるような優しさはない(笑)

    バルトークの弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽。
    舞台にビッシリ並んだ弦楽器の群れ。

    見事に揃ったアンサンブル
    ビオラの最初の出だしから、腰が抜けそう。

    弦で丁寧に丁寧にカノンのように登場するメロディの重なり。
    一分の隙もないアンサンブルが
    ドライな音色で響いて来る。

    ギルバートの指揮は熱くならない。
    精密に音楽を描いていくけれど
    音符をそのまま舞台から観客に届けているような
    誠実さを感じる。
    その意味では、ドラマチックとは言い難くて
    何とも洗練された
    現代音楽のような風味の緻密な演奏に聴こえる。

    いやでも、このオーケストラ、巧いね(今さら何を)

    チェレスタがほとんど聴こえて来なかったけど
    (ピアノはよく聴こえて来た)
    これって、そういう曲だったっけ(って私、寝てた?)

    何か久し振りにこの曲を聴いたような気がする。
    確かに有名なのだが、あまり演奏されない曲だしなぁ。

    後半はマーラーの交響曲4番。

    久し振りにナマで聴くけれど
    すごい皮肉に満ちた曲で
    美しい曲想に酔っていると
    突然、激しいビンタで引っ叩かれるような曲だな。

    コンツェルトハウスのデッドな音響もあるけれど
    徹底的に室内楽的。
    細かい部分まで実に精密に
    感情任せにせずに
    徹底的にアンサンブルを揃えたという印象がある。

    天井桟敷の貧民席は
    ホルンの位置によっては
    この楽器だけ突出して聴こえて来る時があって
    今日も、かなり飛び出してはいたのだが

    ホルンの首席、スゴイですこの人。
    弱音でかなり長く伸ばしている部分があるのだが
    まぁ、よくぞ見事にあの音を、あの弱音で・・・(驚嘆)

    ここまで精密に演奏されると
    曲そのものの持つ不気味な力が際立ってくる。
    何も特殊な奇を衒った事はしていないのに
    第1楽章からして、相当不気味である。

    第2楽章は、これは本当に不気味にやろうとしたら
    かなり気味悪い演奏になる事もあるのだが
    そこは、オーケストラとギルバートは
    比較的あっさりと持って来た。
    マーラーの底なしの病的暗さではなく
    あくまでも踊るメロディを届けて来た感じで
    かなり現代的な透明な色感で
    まるでガラスで出来た建築物か何かを見ているような印象。

    遅めテンポで丁寧に丁寧に描かれる第3楽章。
    ここまで遅めだと、ウエットになる事も多いのだが
    あくまでもドライな印象を保ちつつ
    不思議な別世界に観客を誘って行く。

    最終楽章のソプラノがまた良くて・・・
    楽友協会の音響とは全く違うから
    楽友協会で同じ曲を聴いたら、また印象が全く変わるのだろうが
    ものすごくキュートな声で
    あまりマーラーっぽい皮肉とかは感じなかったけれど
    ともかく、むちゃくちゃカワイイ。

    終わってみたら
    すっぽりと、現実という名に開いている穴に
    落ち込んでしまっていて
    現実に全然戻れない・・・

    何も特別な変わった演奏ではなかったのに
    (しかも、ドラマチックとか鬱病になりそうな暗さもなかったのに)
    全く違う別世界に飛ばされてしまったような不思議な気分。

    ヒットメーカーのベートーベンを続けて聴いた後に
    マーラーの曲を聴くって
    ある意味、非常に危険だと思う。
    ベートーベンなら
    1800年代のウィーンにすっ飛ぶ事はあっても
    あくまでも「現実」の上に立っていられるのだが
    マーラーは、近代という、今に近い時間軸にあるくせに
    とんでもない病んだ不思議な世界に
    知らない間に連れられて行ってしまう事がある。

    ニューヨーク・フィルハーモニックの設立は
    ウィーン・フィルの設立と同じ年なのだそうで
    ニューヨークでは、その展覧会も行なわれているようだ。

    同じ年に出来たとは言え
    全く違う音色を持つオーケストラだよね(笑)

    明日はまたベートーベンに戻るけれど
    マーラーを息抜き、あるいは箸休めと思って聴きに行って
    違う世界に飛んでしまった私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    風は強かったものの
    日中22℃まで上がって
    急に春が来た、という感じ。
    (もっとも4月の天気は気まぐれだからまだわからない・・・)

    シモン・ボリバル交響楽団 + グスターボ・ドゥダメル

    0
      Musikverein Großer Saal 2017年3月28日 19時30分〜21時20分

      Simón Bolívar Symphony Orchestra of Venezuela
      指揮 Gustavo Dudamel

      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
       Symphonie Nr. 5 c-Moll, op. 67
       Symphonie Nr. 6 F-Dur, op. 68 “Sinfonia pastorale”

      唐突で申し訳ないが
      ワタシはアホである。
      もう救いようのないアホで
      もしかしたら、既にアルツハイマー入ってるかも(涙)

      3月26日のコンサートを聴いて
      よし、月曜日と火曜日も行こう、と即決心。

      売り切れとは書いてあったが
      舞台上に席を作ったようで
      慌てて幕間と帰りの地下鉄の中で
      スマホでインターネットに入ってチケットを買って
      自宅の PC からプリント・アウトして

      本日夕方18時過ぎに
      さぁ、今日も舞台上だ、とチケットを取り出してみたら

      日付が違う・・・・(茫然自失 😱)

      慌ててウエブに入ったものの
      「当日残券は窓口にて」と書いてあるだけ。

      えええええっ
      だって、持ってるこのチケットのコンサートの日って
      私、行けない日だし

      しかも今日はベートーベンの交響曲の中でも
      最もポピュラーな5番と6番。

      行けないチケットを戻さねばならないし
      (再販できなかったらもう仕方ない)
      それで今日のチケットがなかったら
      仕方ないから、帰宅してフテ寝しよう、と
      悲愴な決心で向かう楽友協会。

      結果的にはチケットあったんですけど
      その後の事はあまり書きたくない・・・

      何でこの席、45ユーロもするんですか(涙)
      しかも
      できるだけオーケストラから離れたところで、と言ったのに
      座ってみれば一番近いところ。
      (席の並びがいつもと違って不規則だった)
      コントラバスが目の前で
      左手にはホルンが朝顔をワタシに向けて座っている。

      周囲に日本人らしき何人かがチラホラしていたし
      これ書いたら顔バレするんじゃないか、と思ったが
      わはは、私、それほど有名じゃないから大丈夫だろうきっと。

      妙齢の美人のコントラバス奏者が
      美しい筋肉質の腕を晒し出して前に居るのは良いのだが
      (お前はオジサンかっ)
      もちろん、このプレイヤーがしっかりと視界を遮っていて
      指揮者なんか全く見えない。

      オーケストラ・スコアをバッグの中に忍ばせているのだが
      観客からバッチリ見える席で
      スコア広げて見るだけの勇気はない(涙)
      (あぁ、せめて2列目か3列目かだったら良かったのに。
       見えないのは同じなのだし・・・)

      よって、ベートーベンの交響曲5番は
      コントラバスの音と
      時々入るホルンの咆哮と
      何故かその前に座っている木管が響いて来て

      例によって例のごとく
      (あの席はそういう席なのである)
      楽譜の裏返し状態。

      オーケストラの中に入って音を楽しむ
      あの Im Klang と思って開き直るしかないわ、もう。
      Im Klang だってチケットの値段はけっこうするし(やけっぱち)

      ある意味、現代音楽を聴いているようなもの(言い過ぎ)
      最初から最後まで
      コントラバスと(いや面白かった。6本ありました)
      ホルンと木管ばっかり聴いていた。

      音の響きとしては、ものすごく面白かったのだが
      これこそ、ベートーベンの5番には聴こえません。
      (席のせいです)

      本当に会場は満杯状態だった。
      でも、
      あのホルンの朝顔しっかりコッチに向いてます状態で
      パストラーレの農民の騒ぎとか聴いちゃったら
      難聴になりそうだったので
      何とか逃げて来た。
      (周囲の人は、あ、帰った、と思っただろう)

      交響曲6番「田園」は
      この間もウィーン・フィルで3回
      ウィーン交響楽団で1回聴いたばかりなのだが

      う〜ん、唸るよ、この曲。
      タッタカ・タッタカの繰り返しとか思っていたけれど
      この構成の妙と
      楽器の使い方の絶妙さに圧倒されるばかり。

      無駄な音が一切なくて
      必要な音は全部揃っているという・・・(沈黙)

      ドゥダメルの田園
      刻みをあまり前面に出さず
      スラーがかかっている小節を
      時々、もっと長いスラーで演奏したり
      全体が無理のない自然な進み方をしているし
      各楽器のバランスの取り方が巧い。

      第一楽章の繰り返しは、今回はきちんとやった。
      でも冗長にならず
      刻みとレガートのコンビネーションを
      実に巧く演奏して、飽きさせない。面白い。

      農民の祭りはえらくピアニッシモで始めて
      なんかおとなしいじゃないか、と思ったら
      騒ぎ出したら凄かった(笑)

      ただ、最初の日にあったような
      オーケストラの音が団子、というのは
      2日目から全くなくなった。
      たいした指揮者だよ、この人・・・(脱帽)

      どの演奏が何とか、とか言うのではなくて
      技量のあるオーケストラが
      優秀な指揮者で演奏したら
      細かい部分の表現はともかくとして
      作品そのものの持つ力が凄くて、圧倒されてしまう。

      ドラマチックでちょっとウエットで
      強弱が激しい演奏だったけれど

      ドゥダメルって、ソツがない、というか
      あれだけカリスマ纏って何年か前に
      彗星のごとく登場した天才指揮者ではあるのだけれど
      割に「優等生」っぽくなっちゃった感触。

      初期に聴いた頃は、もう少し尖っていた印象があるんだけど
      物馴れて来た、と言って失礼なら
      成熟した、というか
      ヨーロッパ慣れして
      一流の生活に慣れて来たんだろう、というのが
      音楽にも出ているような気がするのは

      私の勝手な思い込みなので
      読者の皆さまはマジメに取らないようご注意下さい。

      音楽家や指揮者はハングリーであれ、とか
      訳のわからない価値観を押し付ける気は一切ありませんので。

      うおおおお、とか、ひええええっ、とか
      大声出して喚きたくなって
      椅子からずり落ちるような演奏ではなく
      やっぱり、かなりマトモでヨーロピアンな演奏だったけれど

      その意味では
      さして悩みもなく
      かなり明るい音色の楽しい楽しい楽しいベートーベンで
      しかめっ面して
      難しい顔をして、演奏どうのこうのと言う
      アホな(私のごとき)ド素人評論家モドキは張り倒して

      儂はヒットメーカーだぞ
      何か文句あるか、楽しく聴け〜!!!(祝ベートーベン)

      ・・・ワケわからん事を書いてごめんなさい。

      でも難しい哲学的云々は全くなく
      文句なしに
      ハイリゲンシュタットのお散歩も
      農民の酔っ払いの喧嘩も
      嵐も雷も、その後の水滴が樹から落ちて太陽燦々の風景も
      目一杯楽しませてもらったコンサートだった。

      財布には大打撃だったけれど
      (それでなくとも
       ザルツブルク音楽祭だの
       トーンキュンストラーや楽友協会や
       コンツェルトハウスのチクルスもそろそろ請求書が来る筈)

      まぁ、飢え死にまでは行かないから
      (近いうちに行くかもしれないが(爆))
      この歳になったら
      楽しい思い出しか天国には持って行けないので(たぶん)
      フテ寝じゃなくて、ベートーベン聴けて良かった、と
      ひたすら自分を納得させようとしている私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      シモン・ボリバル交響楽団 + グスターボ・ドゥダメル

      0
        Musikverein Großer Saal 2017年3月27日 19時30分〜21時30分

        Simón Bolívar Symphony Orchestra of Venezuela
        指揮 Gustavo Dudamel

        Ludwig van Beethoven (1770-1827)
         Symphonie Nr. 3 Es-Dur, op. 55 “Eroica”
         Symphonie Nr. 4 B-Dur, op. 60

        私はアホだが
        周囲に賢人の知人が多いので(有り難い!)
        シモン・ボリバル交響楽団の説明をしてもらった。

        2011年からユースではなくなって
        このオーケストラの下に
        テレサ・カレーニョ・ユースというオーケストラがあり
        彼らが今はナショナル・ユースの地位にある

        という情報をいただいた。
        (N.G. さま、感謝です ♡)

        さて、音楽家というのは
        ほとんどブラック企業じゃないのか(しかも肉体労働)と思うほど
        今回のシモン・ボリバルの公演は
        日曜日に1番・2番と序曲を2つ
        月曜日に3番と4番
        火曜日に5番と6番
        水曜日に7番と8番
        木曜日に9番
        ・・・・って、一日も休みナシ。

        リハーサルとかもあるだろうし
        体力的にも精神的にも、かなりキツイと思うのだが
        ちゃんとチケット買って行っている聴衆としては
        集中的にベートーベンの交響曲を聴けるのは、それなりに楽しい。

        というより、最初は行く気なかったんだけど(汗)

        さて交響曲3番、エロイカ。
        スコアを広げつつ聴いていたのだが
        すごいエネルギー。

        昨日の1番と2番のお行儀の良さはどうした?!(笑)
        あ、もしかして、ネコ被ってました?(爆笑)

        楽譜の音符の間を破って
        立ち上ってくるエネルギーにクラクラする。
        音量が大きいとかではなく
        フォルテはきちんとフォルティッシモとは区別しているのだが
        出てくる迸るようなエネルギーの総量が大きい。

        オーケストラの技量としては一流だが(失礼な言い方)
        このオーケストラをドゥダメル以外の指揮者で聴こうとは
        実はあまり思わない(すみません)

        ほんの小さなズレとか不揃いとか音程の上下が
        ないわけではないのだけれど
        そんな事、全く気にならないくらいの力強さで
        グイグイ押してくるところは
        すごくベートーベンらしい。

        まぁ、その意味では昨日と同じく
        かなり「正統派」の「伝統的」な演奏であって
        どこかの異端指揮者がやっているような
        なんだこれ本当にベートーベンかよ、という演奏ではない(笑)

        4番を聴いていて思ったのだが
        ドゥダメルって、時々、なんか突然、浪花節になるところがあって
        ズルッとセンチメンタルでウエットになる箇所がある。

        いや、それが良い、という人ももちろん多いだろう。
        割に「ロマン派」っぽい解釈で
        (だからエネルギッシュでドラマチックにもなる)
        時々、細かいアンサンブルを犠牲にしても
        力任せで音を出してしまうところもある。

        丁寧に、時々かなりウエットになって歌わせた第2楽章が
        ちょっと丁寧すぎて、かなり冗長に響いたなぁ、と思ったら
        第3楽章が、かなり重たくて驚いた。

        そりゃあの弦のアンサンブルを
        あそこまで鳴らしたら、あの部分が重くなるのは当然だが
        一応アレグロ・ヴィヴァーチェなんだけど
        なんかズルズル引き摺る感じ。

        それに比べると1楽章と最終楽章の
        アップテンポな楽章の処理は見事で、しっかり夢中にさせてくれる。

        無理な大音響は出していない。
        かと言ってピリオド奏法みたいにドライな音ではなく
        しっかりロマン派の香りがするので
        楽友協会ホールの音響にピッタリ嵌って
        この上なく美しい音響になる。

        まぁ、ここら辺の事を言い出すと
        もう「好み」の問題でしかない。

        しかしベートーベンってやっぱり人気があるんだなぁ。
        コンサートはバッチリ売り切れで
        もちろん常連のクラオタ連中の顔も見かけるけれど
        それ以上に
        今回が初めてのコンサート♡ という感じの観客も多い。
        (そぶりを見ていればわかります(笑)ヤな奴だなワタシ)

        でもベートーベンって楽しいでしょ?
        当時のヒットメーカーだもん。
        ドゥダメルは3番の最初のリピートはしなかったけれど
        その後のリピートは(4番は全部)ちゃんと演奏して

        聴き込んでいる曲だから
        それが多少冗長に聴こえてしまった、というのはあるかもしれないけれど

        CD もラジオも Youtube もない時代には
        ナマで聴くしかなかったのが音楽というモノだったから
        初めて聴きます(特に4番はそういう人が多いかも)という人には
        面白かったと思う。

        明日は5番と6番。
        さすがに明日のコンサートは完全に売り切れで空き席がないだろうから
        舞台の上で目立たないように寝てます・・・あっ、いやいやいや
        舞台の上でスコア広げてるのも恥ずかしいので
        しっかり聴いて来ます(ホントか?)と
        堅い決心をしている私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        シモン・ボリバル交響楽団 + グスターボ・ドゥダメル

        0
          Musikverein Großer Saal 2017年3月26日 19時30分〜21時30分

          Simón Bolívar Symphony Orchestra of Venezuela
          指揮 Gustavo Dudamel

          Ludwig van Beethoven (1770-1827)
           Ouvertüre zu Goethes Trauerspiel “Egmont”, op. 84
           Symphonie Nr. 1 C-Dur, op. 21
           Ouvertüre zu “Coriolan”, op. 62
           Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 36

          ドゥダメルがあっという間に世界中でキャリアを作って
          ベネズエラのシモン・ボリバル・ユース・オーケストラが
          世界中で招聘されるようになったと思ったら

          微妙に名称が変わって、ユースが消えて
          シモン・ボリバル交響楽団になってる。

          ???

          いや、メンバーの年齢を見ればわかるだろ、という
          読者のもっともなご意見、わかりますが
          私の持っている貧民席からは
          オーケストラは何にも見えませんってば。
          編成さえわかりません(汗)

          まぁ、それはともかく
          立てば指揮者だけは見える(笑)

          エグモント序曲とコリオラン序曲は
          指揮者ドゥダメルを正面から拝見。

          ドゥダメルがまだほとんど無名だった頃
          ウィーン交響楽団で春の祭典を振ったのを
          たまたまコンツェルトハウスのオルガン・バルコンから見て
          すごいカリスマ、と思った後

          どんどん有名になって
          ロサンジェルス・フィルハーモニックの常任になった頃から
          何だか普通の男の子になっちゃったなぁ
          最初のカリスマ性は何だったんだろう?という時期があったが

          すみません!!!
          やっぱりカリスマだわ、この人(汗汗汗)

          エグモントとコリオランが
          オペラの序曲、という事を、すっかり忘れていたのだが
          (だってコンサートでしか演奏されないし ← 当たり前だが)
          ドゥダメルとシモン・ボリバル
          実に劇的な構図を全面に出して来て
          しかも、ものすごく丁寧に造り込んであって
          音楽的にも非常に水準が高い。

          後半のコリオラン序曲の前に
          ドゥダメルが英語で何か、偉大な指揮者と指導者の
          アブレウに捧げるとか言ったようだが
          コリオラン序曲の迫力が半端じゃなかった。
          ちょっと怖かったくらい。

          ベートーベンの交響曲1番はスコアに頭突っ込んで聴いていたが
          これも、ものすごく丁寧に造り込んでいて破綻がない。

          フォルティッシモになると
          時々音響が団子にはなるのだが(それはまぁ、仕方ない)
          かなりの解像度と透明感があって
          躍動するリズムと相まって
          新鮮でフレッシュな音感で、これはゴキゲン。

          いや、実はベネズエラの昨今の事情を考えると
          (ご存知、ベネズエラの貧富の差は激しく
           政権が変わった後は、慢性的日常品不足で・・・)
          何となく能天気にベネズエラのオーケストラを聴く気になれなかったのだが
          このベートーベン、すごく良い。

          2番は3楽章あたりから
          ちょっと緊張感が緩んだ印象があったけれど

          それはもしかしたら、私が眠たかったからかもしれないし(自爆)

          丁寧に造り込んでいるだけに
          若い指揮者や若いオーケストラに有り勝ちな
          破天荒で荒々しいベートーベンとは対極にある。

          シモン・ボリバル・ユース・オーケストラを期待して来た向きには
          あまりにおとなし過ぎる正統的な演奏で驚いたかもしれない。
          (ハッピ着て踊るマンボもなかったですし(爆笑))

          失礼な言い方だが
          若い指揮者とユース・オーケストラにあるような
          ちょっと傷があっても
          情熱と熱気で押し切ってしまえ、という演奏ではなく
          マジメで正統で優等生の演奏になっていて

          ただリハーサル時間を充分に取っている(だろう)から
          ウィーンのプロオケが
          ああ、ベートーベンね、と適当に演奏するのとは全く違う。
          (註 ウィーンのオーケストラは
             ベートーベンは適当に演奏します、とは言ってません)

          時間をしっかりかけて
          ここまでの水準に育てた、という感触があって
          それがとても爽やかな感じに響く。

          が・・・
          同時にシモン・ボリバル・オーケストラも
          (ユースが何故付かないのかは疑問として残るが)
          世界的水準に達した
          普通のプロ・オーケストラになっちゃった
          という感じは否めない。

          ベネズエラのローカル性とかあったら
          反って怖いか(笑)

          普通のプロ・オーケストラとして聴いてみれば
          音楽的な水準は非常に高い。
          ベートーベンの交響曲チクルスも
          これなら気持ち良く聴けそうである。

          というワケで
          売り切れとか出ていたけれど
          見たら、まだ舞台上の席はあったので
          月曜日・火曜日も行く事にした。
          (こういう判断は早いのワタシ。
           先週の臨時収入は、これにて赤字となりました(自爆))

          ドゥダメルの指揮を見ていて思ったのだが
          この人の指揮、アメリカ風だね。
          音楽と指揮の動きがほとんど同時になってる。

          ヨーロッパの指揮者は
          動いた後にオーケストラがそのキューをなぞるのだが
          指揮者の動きのほんの一瞬後にオーケストラが反応するのが
          結構面白かったりする。

          思いがけなく楽しいコンサートで
          ドゥダメルの古典=ベートーベンというのが
          意外に正統的ヨーロピアンだった事を
          喜んで良いのか
          残念に思うべきなのか

          ちょっと迷っている私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          NHK交響楽団 + パーヴォ・ヤルヴィ

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年3月7日 19時45分〜21時55分

            NHK Symphony Orchestra Tokyo
            バイオリン Janine Jansen
            指揮 Paavo Järvi

            Jean Sibelius (1865-1957)
             Konzert für Violine und Orchester d-moll op. 47 (1903-04/05)
            Dmitri Schostakowitch (1906-1975)
             Symphonie Nr. 10 e-moll op. 93 (1953)

            天下のNHK交響楽団さまに
            このブログで文句付けるほど恐ろしい事はないので
            書こうかどうしようか散々迷ったのだが

            書く程の文句もないので(爆笑)
            やっぱり備忘録として書いておく。

            高校・大学と
            お小遣いなるものは
            すべて(専門書籍を除く)
            都内の様々なオーケストラの
            一番安い学生会員券につぎ込んで来た私だが

            NHK交響楽団の定期会員には
            最後までなれなかったという苦い思い出がある。

            (註 当時はマトモなホールは東京文化会館と
             日比谷ホールくらいだったのである)

            お陰で化粧とかお洒落とか女性らしい楽しみを知らずに、あ、いやいやいや(汗)

            まぁ、前置きはともかくとして
            NHK 交響楽団のヨーロッパ演奏旅行
            凄まじいスケジュールで
            昨日はロンドン、本日飛んで今日はウィーン
            明日はケルンとか言うブラック企業系の詰め込み方(笑)

            さてジャニーヌ・ヤンセンの
            シベリウスのバイオリン協奏曲。

            ものすごく細い線のバイオリンだなぁ、という印象。
            オーケストラは
            フル・オーケストラなのに
            すごく薄めの音がする。

            その分、透明感があって
            まるで室内オーケストラのような軽さ。
            線の細いバイオリンを盛り立てているかのよう。

            すごいテクニックだという事は
            シロウトでもわかるけれど
            加えて内向的というか
            誉めていえば哲学的音楽観とか言っちゃえば良いのだろうが

            何か聴いていて、息苦しい。

            自然に出てくる、というのと正反対の
            無理やり絞り出している苦痛みたいなものを感じちゃう。
            (そりゃ、お前の精神状態を反映しているだけだろ、という意見もあり)

            明るさとか、わき上がるメロディとかと
            極端に離れたところにあるシベリウス。
            しょせんシロウトですから
            ただの印象ですけど。

            オーケストラの響きが
            あまりに室内楽的で
            う〜ん、こういうのアリか、と思いつつ
            後半のショスタコーヴィッチへ。

            この曲、私は大好きである。
            楽友協会の大ホールで演奏されなければ・・・だが。

            今回はコンツェルトハウスなので
            どんなに大音響でも大丈夫だ、
            それ、日本の誇るNHK交響楽団
            どんどん大音響で弾けろ〜っ、行け〜っ

            という心持ちで聴き始めて
            ちょっとひっくり返った。

            すみません、N響って
            いつから、こんなに「歌う」ようになった???

            アンサンブルの揃い方が見事なのは
            優等生揃いの日本のオーケストラというので
            驚きはしないけれど

            最初の悲痛なピアニッシモのところから
            メロディが長いボーゲンで語られて
            細部まで抑制が効いて
            ハッとする程に滑らかで美しい。

            丁寧に丁寧に丁寧に歌わせていくパーヴォ・ヤルヴィに
            ぴったり付いて
            弦の響きがまろやかで

            しかもこのオーケストラの木管
            何て巧いのよ!!!!

            特にファゴットだかバスーンだか
            どうせシロウトには判断つきませんが
            ともかくファゴットだかバスーンだかのソロ
            こんな見事なソロって
            この曲にありましたか?(アホですどうせ)

            シベリウスの時にも聴こえた
            「スッキリ」感がここにもあって
            音が押し付けがましくない。

            アンサンブル見事に揃って
            細かいパッセージも完璧に演奏するのに
            ともかく、メロディが見事に歌うのだ。
            しかもイタリアっぽいカンタービレじゃなくて
            もっと慎ましい感じで

            言ってみれば、立てば芍薬、座れば牡丹の
            大和撫子風の端正な、慎ましやかな美しさ。

            フォルテの部分になると
            パーヴォ・ヤルヴィのアゴーギクがかなり派手で
            小節線がぼやけたりはしていたけれど
            フォルティッシモの激しい部分よりも
            メロディを歌わせる部分で
            私はひたすらボーッとなっていた。

            惜しむらくは
            周囲の観客が・・・(いや、いや、仕方ないと言えば仕方ない)
            ショスタコーヴィッチって
            確かに親しみ難い作曲家で
            10番の第1楽章がかなり長いのもわかるけれど

            隣でスマホ出して
            コンツェルトハウスの写真撮って送ったり
            これ見よがしのため息ついたり
            バッグの中をゴソゴソやったり
            後ろから小声で
            ゼルヴス(この場合は、ああああ、みたいな意味)とか
            独り言を言わんで欲しかった。

            ショスタコーヴィッチって
            意外に演奏される機会があると思っていたのだが
            ウィーンの聴衆には(特にご年配のお客さま方には)
            一般的に「ウケ」るものではないみたい。

            だからマーラーの6番を持ってくれば良かったのに。
            (すみません、でもマーラーの6番も聴きたかったです(涙))

            このショスタコーヴィッチの10番
            音楽的にものすごく熟れていて
            木管巧いし、弦はキレイだし
            ゆっくりの部分のメロディは大和撫子の端正さ
            速い速度のガンガン鳴らすところは
            迫力あっても、変に厚くならず、スッキリ感はそのまま。

            う〜ん、すごいオーケストラである。
            世界水準以上のモノがある(身びいきではない)
            技術的な水準も凄いけれど
            それを、どこかのオーケストラのように
            ほら見ろ見ろ見ろ、俺サマたちを聴け、と
            ひけらかすような厚かましいところが一切ない。
            (バイオリンのピアニッシモの部分の美しさと言ったら気絶モノだった)

            コンサート後に
            前に座っていた知り合いに
            パーヴォさんって必ずアンコール持ってくるよね
            シベリウスの「悲しきワルツ」なんて
            パーヴォさんの指揮で何回聴いたか・・・

            と言ったとたんに
            シベリウスの「悲しきワルツ」が演奏されたので
            ちょっと笑ってしまった。

            この曲、今までパーヴォ・ヤルヴィの指揮で
            様々なオーケストラで聴いて来たけれど
            (もちろんアンコールである)
            NHK 交響楽団も、すっかり手の内になったって感じがする。

            あのオーケストラのスッキリ爽やか感と
            丸みのある美しい弦の音を活かしながらも
            やっぱり、見事に「パーヴォさんの」シベリウスだった(笑)

            グラーフェネックでのデュトワとの幻想交響曲も良かったけれど
            音楽的に、何かもう一つ、上への階段を昇ったような印象があって
            自分とは全く関係なかったのに
            何となく、自慢できるような気分になって
            コンサート会場を出て帰宅した私に
            (もう残業したくな〜い!!!)
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            シカゴ交響楽団 + ムーティ

            0
              Musikverein Großer Saal 2017年1月23日 19時30分〜22時

              Chicago Symphony Orchestra
              指揮 Riccardo Muti

              Paul Hindemith (1895-1963)
               Konzertmusik für Streicher und Blechbläser, op. 50
              Edward Elgar (1857-1934)
               In the Sough (Alassio). Konzertouvertüre, op. 50
              Modest Mussorgskij (1839-1881)
               Eine Nacht auf dem kahlen Berge
               Bilder einer Ausstellung. Orchesterfassung Maurice Ravel

              シカゴ交響楽団と
              帝王リッカルド・ムーティの客演。
              実は2回あって
              明日はリヒャルト・シュトラウスのドン・キホーテに
              チャイコフスキーの交響曲4番なのだが

              国立オペラ座のバレエが優先で
              チケット取ってません。

              何せ重症の
              クルレンツィス・コパチンスカヤ症候群に罹患しているので
              こんな症状の時に
              シカゴ交響楽団+ムーティの
              「普通の」クラシック・コンサートに行ったら
              さすがの帝王ムーティの作る音楽でも
              ケッ、とか言い出しかねない・・・という不安もあった。
              (失礼な言い方だが、最初のク・コ症候群に罹患した後で行った
               ウィーン・フィルとビシュコフは
               回復するのに2日かかったからね)

              結果だけ簡単に記すと

              ク・コ症候群から完璧に一瞬で立ち直りました(笑)

              更に加えて
              年にほんの数回だけ
              あああああ、神さま、本当にありがとう!!!!と
              感涙に咽ぶコンサートがあるのだが

              ツィッターに書いた通り
              この世の神さま、及びその類の、妖精さんやら地霊さんやらに
              ひれ伏して感謝したくなる程の強烈な体験となった。

              最初見た時は
              チクルスで持ってるから行くけど
              何で私の苦手なヒンデミットにエルガーが前半なのよ
              後半の展覧会の絵だって
              もう何回様々なオーケストラと指揮者で聴いたか

              前半は完全に寝落ちして
              後半は飽き飽きしてげっそりするんじゃないだろうか

              と真剣に思っていたのである。

              苦手なヒンデミットの曲
              最初の金管の音が出たとたん

              ええええええっ、何ですかこれ!!! 😱
              金管の音が音が音が・・・(絶句)

              読者ご存知の通り
              楽友協会の大ホールというのは
              まるで教会のごとくの残響があって

              力強いオーケストラが
              思い切り音を出してしまうと
              音が濁って、ウルサイなんて言うもんじゃなくて
              耳を押さえて飛び出したい衝動に駆られるのだが

              こんなに金管が全員揃って
              しかもフォルテで吹き捲くっているのに

              音が完璧に丸みを帯びて
              しかも金管の輝くような色があって

              いや、楽友協会でこの音色
              どうやって出したんです????

              しかも金管と弦のポリフォニーが
              この上ない絶妙なバランスで
              濁らずクリアに響いてくる。

              まるで魔法のような世界が
              厚みとまろやかさを兼ね備えたオーケストラの音で
              全身を絹のように包んでしまい
              この世とも思えない音響に悶えまくる。

              ウソでしょ、ヒンデミットって、こんなに素晴らしかったの?
              今まで聴いて、音がボッテリ厚くて、面白いと思った事なかったのに
              厚みのある音響は
              華やかさとなり、内部の透明さまであって
              ゴージャスなのにオレオレにならず
              これ、正にエンターテイメント・・・なのに

              時々、何か得体の知れない
              聖なるものが楽友協会に満ちているような
              すごく不思議な
              祈りのような
              静謐な別世界が広がっていく。

              まさに魔法とはこれかもしれない。

              エドワード・エルガーも苦手なのだが
              (エニグマとゲロンティウスは例外)
              これも何とステキな曲。

              音響のバランスが絶品なのだ。
              オーケストラのトゥッティの背景色に
              色々な楽器のソロが乗って来て
              様々なストーリーが脳内で次から次にイメージされる。

              いや、あり得ないわ、エルガーの
              しかも初聴きの曲が、こんなに楽しいなんて。
              何て美しいオーケストラの音色(うっとり)

              あくまでも優雅でカンタービレ。
              強いオーケストラなのに出しゃばらず
              節度と気品があって
              しかも、むちゃくちゃ巧い・・・

              後半の禿げ山の一夜。
              うわあああああ
              これは本当に演劇に限りなく近い。

              ムソルグスキーが抱いたイメージが
              立体的に浮き上がって
              すごい色彩感で目の前に出現する。

              作曲家の頭の中にある
              我々が実際に見られないイメージを

              音楽家たちが
              世界最高の機能を持つビデオ・カメラで
              細かい部分まで全部撮影して

              それを、最高限度のピクセルを持った
              ホール一杯の大スクリーンで見ているような印象。

              とことん細かいところまで拘って
              ムソルグスキーの描いた景色を
              全部クリアに見せてあげよう・・・という感じか。

              うははははは
              禿げ山の一夜でここまでやっちゃったら
              展覧会の絵はどうなるんだろう。

              ・・・・凄かったです(断言)

              音色についてはもうこれ以上は言うまい。

              ムーティのリズムの取り方って
              この上ない音楽性と老練さが混じってる。

              チュイリー公園の、あのリズムの絶妙な揺らし方
              あのセンスの良さって、いったい何ですか何なんですか。
              卵の踊りの洒脱さ
              (しかも途中で躓いて転んでるし(爆笑))

              サミュエル・ゴルトベルクで
              子供がすごい咳き込みして
              (しかも親が連れて出ていかない(超怒!))
              すごく気になったけれど

              カタコンベでは
              数百年に渡って沈滞した空気の匂いがしてきて
              背筋がゾクゾクしてきて
              完全に古代の洞窟に入り込んじゃったし

              その後のプロムナードのピアニッシモの音色って
              突然、ロココ様式のエルミタージュ宮殿の中に飛ばされてしまい
              (いやビックリした、脳内で突然景色が変わった)
              この上ない優雅さの中で
              ゆったり歩いていたところに

              突然のババガヤ出現!!!
              バロックの金色の柱の後ろから
              突然、怪物が飛び出てくるんだもん。
              うわああああ、っと悲鳴を上げそうになりました。

              堂々としたキエフの大門は
              まず遠景から見えて来て

              どんどん解像度抜群のカメラが近づいていって
              あああああ、最後はこの上ないカタルシス。

              怒濤のドラマ
              ムソルグスキーとラヴェルの妄想に
              引きずり回されて、翻弄されて

              展覧会の絵の中に取り込まれて
              古城の廃墟に立ったり、荷馬車に近づいたり
              公園でコケったり
              オバサンたちとお喋りしたり

              う〜ん・・・何と言うか
              クラシックの枠内にしっかり収まっているのに
              (奇抜な事は何もしてないです)

              その完璧な音色とリズム(含ゲネラル・パウゼ)
              極限までドラマチックなのに
              優雅さと品があって
              エネルギッシュなのに乱暴でも粗くもなくて

              ううううう、ムーティさま
              参りました(深くお辞儀)

              いや、あり得ないって
              あのオーケストラの金管の見事だった事 ♡
              輝く音色で完璧なアンサンブル
              強いのにバランスが良くて
              うるさくならずにホールに広がる
              最高にゴージャスな音色。

              このプログラム構成だって
              かなり長いサービス精神の横溢したプログラムなのに

              何とアンコールで
              シチリア島の夕べの祈りの序曲!!!

              ヴェルディですよ、ヴェルディ!!!!
              私、ヴェルディ、苦手なんですけど
              苦手なのに
              何で何で何でこんなにカンタービレでワクワクしちゃうんですか。

              ムーティのヴェルディは
              ごめんなさい、もう「凄い」以外には何も言えません。

              天才でイタリアンな音楽の心に満ちていてカンタービレで
              老練な指揮者が演奏すると
              歌って歌って歌って
              ヴェルディって、こんなにドラマチックでチャーミングになっちゃうんですか。

              序曲が終わった後も
              できれば、そのままオペラに行きたい、と
              ついつい切望してしまったではないか。
              イタリア・オペラには行かないと堅く決心しているのに・・・

              基本的にはブランドに興味はないので
              シカゴ交響楽団だろうが
              ムーティだろうが
              別に名前に釣られて行った訳ではないし
              (たまたまチクルス持ってたから)
              ムーティさまだから音楽も良い筈とか
              最初から全く思っていなかった。
              (それどころか、クルレンツィス・コパンチスカヤの後で
               こりゃ、つまらんコンサートになるかも、と思っていた位)

              なのに、こんな凄まじい音楽体験が出来るなんて
              あああああ、本当に神さま、ありがとう!!!

              仕事で色々とストレスが溜っていても
              こういう音楽を聴くと
              全身が活性化するような気がする私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              こうなって来ると
              明日のコンサートも気になるのだが
              今、サイトに乗ってるチケットって
              90ユーロですよ、90ユーロ!!!
              (ビンボウは辛い・・・)

              いや、ここまで凄い音楽を聴かされてしまうと
              ムーティの追いかけする人の気持ちも
              かなりわかるような気がする。
              (私だって金と時間があれば
               ムーティの振るオペラ聴いてみたい、と本気で思った)

              クリーブランド管弦楽団 + フランツ・ヴェルザー=メスト

              0
                Schloss Grafenegg 2016年8月21日

                Prélude 16:40-17:40 Reitschule
                Arcis Saxophon Quartett
                Claus Hierluksch, Ricarda Fuss, laudia Jope, Jure Knez

                György Ligeti (1923-2006)
                 Sechs Bagatelien (1953)
                Alexander Glasunow (1865-1936)
                 Quartett für vier Saxophone B-Dur op. 109 (1932)
                Sylvain Dedenon (*1962)
                 Suite für Saxophonequartett nach Themen
                  aus der Oper “Porgy and Bess” von George Gershwin

                Abendkonzert 19:30-21:20 Auditorium
                The Cleveland Orchestra
                指揮 Franz Welser-Möst
                ソプラノ Luba Orgonášová

                Béla Bartók (1881-1945)
                 Musik für Saiteninstrumente, Schlagzeug und Celesta (1936)
                Richard Strauss (1864-1949)
                 “Tod und Verklärung” Tonichtung op. 24 (1888-1890)
                 “Vier letzte Lieder” für Sopran und Orchester (1948)

                クリーブランド管弦楽団とヴェルザー=メストの2回目のコンサート。
                今日はプレリュードに間に合うようにウィーンを出た。

                朝から雨で、これなら室内だな、と思ってはいたものの
                着いてみたら「まだわかりません」

                しかもプレリュードはお城の中庭で開催、というので
                中庭まで歩いて座ったとたんに降り出す雨。
                やっぱりライトシューレでやります、とアナウンスの後
                本コンサートはオーディトリウムで決定です、と続く。

                やった!!!

                プログラム見た時から
                最後の4つの歌を野外音楽堂で聴くのか、とゲッソリしていたので
                会場の変更は嬉しい。

                さてプレリュードは
                珍しいサクソフォンのクワルテット。

                ソプラノ・サクソフォンなんて
                ちょっと見たら、変わったオーボエにしか見えないが
                ソプラノ・アルト・テノール・バスと揃ったサクソフォンは
                滅多に見ないし聴かないだけに面白い。

                リゲティの6つのバガテルって聴いた事あるような気がするけど
                サクソフォン4本は初めてだと思う。

                サクソフォンの音って面白い。
                なんかあの楽器、クラシック曲には常設ではないし
                どちらかと言えば、ジャズかなぁ、って印象なのだが
                確かに聴いていると木管なんだけど
                オーボエでもあり、クラリネットでもありフルートっぽくもなるし
                でも基本的には、やっぱりサクソフォンの音なんだよね。
                (まぁ、当たり前と言ったらそうだが(自爆))

                リゲティの曲はリゲティらしい苦いユーモアとペーソスがあって
                楽しく聴かせてもらったけれど
                次のグラズノフが良くて、聴き惚れた。
                伝統的なんだけど、何て美しいメロディ ♡

                ポギーとベスの組曲も楽しく聴かせてもらった。

                このクワルテット、今、CD を作るクラウドファンディングをしていて
                8月24日が締め切りで、あともう少し、という話なので
                ご興味ある方は、こちらをどうぞ。
                Youtube のビデオも入ってます。
                (寄付だけなら額面+税金だけだけど
                 CD とかビデオとかを入手しようとすると
                 送料がかなりかかって来ます、念の為)

                さて、夜のコンサートはオーディトリウムのホール。
                私のチケットは、雨天の時にホールに入れる
                一番安いカテゴリーのチケットなのだが

                野外音楽堂では、かなり真ん中の良い席なのだが
                ホールになると、今度はそのカテゴリーの中でも
                最も悪い席に変身する。

                オーケストラの真上・・・(汗)

                オーケストラ・メンバーと指揮者の頭頂部が見えて
                ついでに真上なので
                10倍の私の望遠鏡を使うと
                指揮台のスコアまでしっかり見える(見ません!(笑))という席。

                最初はバルトークの
                弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽。

                うううう、弦が上手い。
                昨日も思ったけれど
                このオーケストラの音の透明感ってスゴイ。

                ピアニッシモが実に美しく響くのだが
                ヴェルザー=メストは最初の楽章も
                変にズブズブの感情任せにならず
                ちょっと冷たいくらいの透明感を持たせる。

                第2楽章ではピアノが大活躍。
                昨日のアデスの1曲目でも
                ものすごい存在感を持っていた女性のピアニストだが
                打鍵の強さには目を見張るばかり。

                しかもそんな強い音なのに
                しっかりとオーケストラと対峙しながら溶け込んでいて
                シロフォンとの、見事にマイクロセカンドで揃えたアンサンブルには
                鳥肌がたった。
                いやもう、あのその、どうしましょう。

                しかもこのオーケストラと指揮者
                バルトークでの音の色彩感が尋常じゃない感じ。

                これはドビュッシーかリゲティか、と思わせる程
                繊細でパステル色の不思議な音を出すので
                (こういうのは CD じゃダメ(断言))

                音響オタクとしては
                オーケストラの真上だろうが何だろうが
                メンバーの頭頂部のハゲを見ながら
                体感的な快感にうち震えていた。

                野外でやったとしても
                この音、きちんと聴こえて来ただろうなぁ。
                不要な厚みが全然なくて
                弦のアンサンブルが鉄壁に揃っていて
                ビオラの音があまりに美しくて
                バイオリンのピアニッシモの透明さにゾクゾクして

                ああああ、こういうのがナマの楽しみなのよ、うん。

                前半で興奮しまくっていた私だが
                後半はリヒャルト・シュトラウスの「死と変容」に
                「最後の4つの歌」
                ・・・どちらも、ちょっと苦手なんですが(暗いから(笑))

                死と変容だが
                やっぱりもともと野外バージョンかよ、という
                時々、とんでもない大音響を発していたけれど
                でも、それでも不思議な軽さがある。

                私のイメージでは
                冷静で正確無比な堅物、というヴェルザー=メストが
                何だか熱くなってるし(笑)

                ヴェルザー=メストって
                野心ギラギラの時の印象が強過ぎて
                ちょっと苦手だったんだけど

                クリーブランドの指揮台に立つと
                この人、異様に繊細なニュアンスを出す上に
                時々、えっ?と思うほど、熱くなる時がある(爆笑)

                大音響になっても、音が変にボッテリしない、というのは
                このオーケストラの強みだな。

                で、驚いた事に
                死と変容の後、そのまま(ほとんど)アタッカで
                最後の4つの歌に入った。

                ああああっ、こういう方法あり?!
                確かに、死と変容の後に
                最後の4つの歌の一曲目「春」は
                全く違和感のないまま続く・・・(ビックリ)

                舞台の真上なので、歌手の声は前に飛ぶから
                この席だとイカンかなぁ、と思っていたのだが

                ソプラノのリューバ・オルゴナショヴァは
                さすがオペラ歌手というか
                しっかり上向いて歌ってくれたので

                オーケストラの真上でも
                ちゃんとソプラノの声はしっかり聴こえてくる。

                しかも何て強い声の持ち主!!!
                叫び声にはならず
                ピアノ部分もしっかりオーケストラの壁を超えて
                ちゃんと低音まで聴こえてくるし
                強いながら、芯の通った美声で安定感がある。

                まぁ、ドイツ語はほとんどわかりませんが(笑)
                しかも、はっきり歌おうとしているあまりに
                最後の子音だけが突出して聴こえて来たのはご愛嬌か。

                甘い声というよりは強い声で
                凛としていて
                ロマンティックだけではないこの曲によく合う。

                いや、すみません、ついつい途中で泣きそうになっちゃいました。
                だってオーケストラ巧いし
                コンマスのソロがまた巧いし

                全然ズブズブの感情になっていなくて
                どちらかと言えば中立的な響きなんだけど
                こちらのハートのど真ん中に刺さってくるところがある。

                ううう、素晴らしい ♡

                ヴェルザー=メストとクリーブランド管弦楽団って
                かなり最強のコンビネーションかもしれない、と
                またもや確信して夜道をすっ飛ばして帰って来た私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                クリーブランド管弦楽団 + フランツ・ヴェルザー=メスト

                0
                  Schloss Grafenegg Wolkenturm 2016年8月20日 19時30分〜21時40分

                  The Cleveland Orchestra
                  バイオリン Leila Josefowicz
                  指揮 Franz Welser-Möst

                  Thomas Adès (*1971)
                   Tänze aus der Kammseroper “Powder Her Face” für großes Orchester (1995/2007)
                   “Concertric Paths” Konzert für Violine und Kammerorchester op. 23 (2005)
                  Richard Strauss (1884-1949)
                   “Symphonia domestica” für großes Orchester op. 53 (1902-03)

                  ピカピカに晴れた土曜日。
                  本当はプレリュードから聴きたかったのだが
                  土曜日だから掃除に洗濯、買物エトセトラで(言い訳)

                  さて、8月18日にザルツブルク音楽祭で演奏された
                  同じプログラムをグラーフェネックの野外音楽堂で聴けるという
                  大変にお得なコンサート(笑)

                  で、これですよ、これ!!!
                  やっと何ヶ月振りかに、超一流オーケストラで
                  コンサートらしいコンサートを聴いたような気がする。

                  アメリカのオーケストラだから
                  開演前に全員舞台に乗って
                  それぞれに勝手なところを練習しているので
                  ジョン・ケージもマッサオな現代音響が繰り広げられているが
                  楽友協会じゃなくて野外なので
                  まぁ、あんまり気にはならない(なるけど許す(笑))

                  大編成オーケストラで
                  トーマス・アデスのオペラからのダンス音楽。
                  もともとは室内オペラだったものを
                  大編成オーケストラ用に編曲した組曲だが

                  この音楽、ジャズっぽかったりして不思議な音響を出すのに
                  音が非常に細かくて、透明感があって
                  パートの解像度がむちゃ高く
                  薄く聴こえるという訳ではないのに
                  大編成でありながら
                  とことん室内楽的な音響なのに驚いた。

                  しかも、その室内楽的な音響が
                  この野外ホールでも見事に聴こえて来るのは何故だ?!(驚愕)

                  次のバイオリン協奏曲も素晴らしい。
                  あくまでもトナールで
                  変な事をしている訳ではないのに
                  最初の楽章の軽やかさと言ったら
                  澄んだ空気の中を、蝶がヒラヒラと踊っている感じ。

                  しかもバイオリンの音と
                  木管や金管が重なると
                  実に不思議な音響が響いてくる。

                  現代音楽って割に聴く方だから
                  音響に関しては様々なバリエーションを聴いて来たが

                  この音響、こんな音、聴いた事がない。
                  ともかく新鮮で不思議でぶっ飛んでいて

                  小説で言えば
                  伊坂幸太郎の重力ピエロとオーデュポンの祈りを
                  初めて読んだ時のような印象。
                  (この2冊を読んだ人にはイメージが沸くかも・・・)

                  途中のドラマティックな部分も
                  音量は時々大きくなるんだけど
                  音の不要な厚みが一切ない。

                  う〜ん、これはトーマス・アデスの作曲技法なんだろうか?
                  と思っていたら

                  後半のシフォニア・ドメスティカでも
                  解像度めちゃくちゃ高くて
                  不要な大音響が全くないのに
                  隅々まで、音楽が聴こえて来たのにぶっ飛んだ。

                  ヴェルザー=メストはオーストリアの指揮者だし
                  比較的早くから追っていて
                  あまり好き、というタイプではないのだけれど

                  クリーブランドとヴェルザー=メストって
                  相性が良いのか
                  長い協力関係での信頼が築かれているのか

                  だいたいこのオーケストラ、むちゃくちゃ巧い。
                  巧いというのは技術的な事もあるけれど

                  あんなに室内楽的に演奏しても
                  音があくまでも澄んでいて
                  音量を上げずとも
                  はっきりと野外ホールでも聴衆の耳に届くというのが
                  ちょっと驚愕モノ。

                  野外のホールだから大編成で
                  ガンガン音を出さねばならないのか、と思っていたけれど
                  オーケストラが巧いと
                  あれだけ弱音でも、しっかり聴こえてくるんですね・・・

                  シンフォニア・ドメスティカは
                  ホーム・ドラマみたいなゴキゲンな曲だし
                  多少長いにしても
                  妄想喚起力が異常だし(笑)

                  しかも、あの曲の複雑怪奇なパートを
                  実に巧みに、夫と妻の会話や喧嘩やナニを表現させたのは
                  指揮者とオーケストラの
                  解像度や透明度だけではない
                  バランスの妙技に拠るところが多い。

                  う〜ん、唸ってしまうわワタシ。
                  途中で鳥は鳴くわ、コオロギは歌うわ
                  ついでに何回か子供が会場の向こうで騒いでいたけれど
                  そんな雑音が全く気にならない位
                  凄まじく高い水準のコンサートを堪能してしまった。

                  飢えたところに、ドッと流れ込んで来た
                  クラシック音楽の楽しみ、という感じを
                  満喫した私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  明日は同じオーケストラで
                  リヒャルト・シュトラウス・プログラムだが
                  雨の予報があるので
                  できればホールで聴きたい、と切望中。

                  ピッツバーグ交響楽団 + マンフレッド・ホーネック

                  0
                    Musikverein Großer Saal 2016年5月28日 15時30分〜17時50分

                    Pittsburgh Symphony Orchestra
                    指揮 Manfred Honeck
                    バイオリン Leonidas Kavakos

                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                     Ouvertüre zu “Coriolan”, op. 62
                    Alban Berg (1885-1935)
                     Violinkonzert
                    Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                     Symphonie Nr. 6 h-Moll, op. 74 “Pathétique”

                    変人もといヘ○タイ指揮者マンフレッド・ホーネックと
                    ピッツバーグ管弦楽団のコンサート最終日。

                    昨日、チャイコフスキーの交響曲5番で
                    かなり派手にやらかしたので
                    今日の悲愴はどんなものやら・・・(コワイもの聴きたさ)

                    コリオラン序曲から
                    またもや大音響とピアニッシモの嵐。
                    ひたすらアゴーギクを効かせてテンポ揺らして
                    速いところは暴走するけれど
                    オーケストラはちゃんとそれに着いて来る。

                    でもでもでも
                    本日のハイライトはレオニーダス・カヴァコスが弾いた
                    アルバン・ベルクのバイオリン協奏曲だろう。

                    あああああ、もうもうもう
                    儚げな少女を描き出した
                    ロマンティックで、この世のものと思えない美しさの前半と
                    悲しみに満ちた、まるでレクイエムのような後半。

                    前半終わったとたんに拍手した奴、出て来い!(怒)

                    まるで絹糸のような光沢のある
                    叙情性に満ちた、あんな美しい音がバイオリンに奏でられるなんて。

                    太陽燦々と輝いて27℃越える気温になってしまったのに
                    楽友協会の中に吹くのは一陣の優しい春の風。

                    ええ、もう、春なんて季節、ウィーンにはなくなってしまいました(断言)
                    冬から突然、夏に変貌するんですよ、最近は。

                    カヴァコスのこの上なく繊細な音に
                    彼岸の世界まで連れていってもらって
                    アンコールがバッハ。

                    ・・・何か、この世のものと思われない
                    聖なるものが、楽友協会に降りて来た感じがする。
                    これこそ、音楽の持っている不可思議な力なんだろう。
                    時代も地域も越えて
                    この世とあの世の区別もなくなってしまったような印象。

                    ただし、レオニーダス・カヴァコスの見た目には
                    ますます磨きがかかって
                    どこをどう見ても
                    そこら辺を歩いている長髪のヒッピー(死語)

                    何で普通の紺色のシャツ(しかもよれよれ)なんでしょうか舞台衣装が。
                    見た目と、出てくる音楽のあまりのギャップにクラクラする。

                    さて、そんなとんでもないモノを聴いてしまった後の
                    チャイコフスキーの悲愴は
                    聴きたいような聴きたくないような・・・
                    たぶん、間違いなく第3楽章の後で拍手出るだろうし。

                    昨日の5番とは違って
                    あら、比較的マトモで、丁寧に鳴らしてる。
                    もちろん、最初の部分は、カタツムリのごとくのテンポ。
                    だいたい、もう推測はつくので
                    ジャン、というあそこからは巻いて巻いて、また巻いてだろう
                    ・・・・その通り(笑)

                    昨日もそうだったけれど
                    ホーネックって、小節の最後をほんの少し縮めるので
                    最後の音が完全に響き切っていない状態で
                    次の小節に入ってしまうので

                    推進力はあるし
                    どんどんテンポ・アップになるのだけれど
                    多少、ズルズル感が出て来てしまう。

                    更に、本日はますます強力になった「泣き節」
                    何ですか2楽章のあの凄まじいポルタメントは。

                    ここまで大袈裟にやられると
                    ちょっと笑ってしまうけれど
                    時代がかった舞台の上で
                    歌舞伎役者が
                    オマエさん、行かないでおくれ
                    泣くなハナ子よ(誰それ)おっかさんのために行かねばならぬ
                    すみません、ついつい妄想の世界に・・・

                    でも、これを、本当に至極マジメに
                    確信持って演奏されちゃうと
                    あああ、そういうモンですか、と
                    納得させられてしまう説得力があるなぁ。

                    何と本日の聴衆は
                    第1楽章の後にまで拍手が出たので(笑)
                    もちろん、第3楽章の後にも拍手が出たが
                    ありがたい事に周囲がそれに乗らず
                    なんとか、パラパラで収まったのでホッとした。

                    第3楽章は、はい、ご想像通りです(爆笑)
                    オーケストラ苛め、とまでは言わないが
                    どこまで速いテンポでオーケストラって演奏できるんだろう
                    という実験に付き合ってるみたい。

                    第4楽章の弦が、すごく良い。
                    このオーケストラ、本当に弦の色が不思議で
                    アンサンブルがピッタリというのはあるにしても
                    なんかこう、厚みのあるつや消しの茶色みたいな音で
                    大人の音? いや、幅の広いタリアテッレみたいな
                    あ、いかん、すみません、またついつい妄想の世界に(汗)

                    第4楽章の後は、なかなかよろしい余韻が終わってからの拍手。
                    このオーケストラ、本当に疲れを知らないオーケストラで
                    続けて、アンコールを2曲。

                    最後の曲がプロコフィエフのロメオとジュリエットの
                    ティーボルトとロメオの決闘シーンから、ティーボルトの死まで。

                    ったく、また高速オーケストラ記録更新目指して
                    あの細かい弦の刻みを
                    よくぞ、そのテンポで
                    というより、そのテンポ、バレエ・ダンサー誰も踊れませんから(笑)

                    最後の方で、かわいそうに
                    やっぱり第1バイオリン、微妙に遅れたし
                    最後のティーボルトの死に至っては
                    金管が
                    今までのチャイコフスキーで、思い切り大音響で吹けなかったから
                    これは復讐だ〜 とばかりに
                    すごい音量で吹き捲くり

                    いやん、このオーケストラ、時々ハチャメチャで
                    むちゃ面白いわ。

                    変人、ヘ○タイ、オーケストラ苛めの名人かもしれないが
                    マンフレッド・ホーネックって
                    実に面白い指揮者だ。

                    あの確信ハチャメチャ、情熱バリバリは
                    何となく、私の大好きな
                    アントニオ・パッパーノを思い起こさせるところもある。

                    というワケで、3日間続いた
                    ピッツバーグ管弦楽団のコンサート
                    ものすごく楽しかった。
                    ぜひまた来てね。

                    その後、ウキウキと国立オペラ座に向かった私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    ピッツバーグ交響楽団 + マンフレッド・ホーネック

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2016年5月27日 19時30分〜21時45分

                      Pittsburgh Symphony Orchestra
                      指揮 Manfred Honeck
                      ピアノ Daniil Trifonov

                      Antonín Dvořák (1841-1904)
                       Karneval. Ouvertüre, op. 92
                      Franz Liszt (1811-1886)
                       Konzert für Klavier und Orchester Nr.1 Es-Dur
                      Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                       Symphonie Nr. 5 e-Moll, op. 64

                      ピッツバーグ交響楽団のコンサートは3回あるが
                      まさか全部違うプログラムと思わず
                      あっ、と気が付いた時には
                      (ワタクシ的に)良いチケットは売り切れ。

                      だいたい私がコンサートのチケットを選ぶ重要な基準の一つに
                      出入りが楽、というのがある。
                      平土間の真ん中とかだと(いや高くて買えませんが(汗))
                      周囲の人が動くのを待って
                      狭い出口からみんなが出て行くのを待って
                      というのがイヤなのだ。

                      妥協して買った席で
                      最初のドボルジャークの「カーニバル」

                      いかん、ここ、音の響きのバランスがヤバイ(冷汗)
                      まるで片耳を塞がれたようなバランスの悪さ。
                      たぶん、いつも反対側なので私の耳バランスも狂っているのだろうが
                      しかし、それでもこの席はかなりいかん・・・

                      そのバランスの悪さの中で聴いた「カーニバル」は
                      むちゃくちゃテンポが早く
                      (いや、あれ、テンポみんな早いですよ、でも
                       この演奏、その中でも一番だよ・・・)
                      当然ながら、オーケストラの音は
                      全部がごた混ぜ状態のごった煮状態となって
                      身沢山のカレー味シチューに
                      スパイスの効いた肉団子が崩れながら混ざっているというか
                      ・・・すみません。

                      リストのピアノ協奏曲。
                      相変わらずトリフォノフのピアノって幽玄自在で
                      深い低音のマッチョな音から
                      煌めくような高音まで
                      豪華絢爛、貴婦人が悲鳴をあげて泣いて失神(笑)

                      でも、昔、という感じじゃなくて
                      あくまでも現代の豪華絢爛。
                      こういうのって
                      やっぱり、どう解釈しても
                      聴衆にウケるサーカス要素テンコ盛りの
                      超一流「エンターテイメント」だよね。
                      ものすごく良い意味での。

                      リストの曲って
                      超絶技巧の天才が弾くと
                      どうしてもみんな似たりよったりになっちゃうのだが
                      凄かったのがアンコール。

                      舞台見えない席だから
                      一瞬
                      あれ?フルート一緒に演奏してる?
                      お?ファゴットも入って来た?
                      (そんなワケない)

                      途中にオルガンが聴こえてきたり
                      弦や木管が聴こえてきたり
                      だから、ただの妄想だとわかっているけれど
                      舞台が見えないから
                      もしかしたら、これ、ピアノ2人で弾いてない?とか
                      人間業じゃないという
                      ほとんどサーカスの領域なのだが
                      サーカスに徹しないで「音楽」を聴かせてくれたのには驚いた。

                      恐るべしダニール・トリフォノフ。
                      あまりに吃驚したので
                      拍手の時にちょっと移動して
                      ピアニストを見てみたら

                      いや〜ん、何でヒゲはやしちゃったの???
                      あの可愛いカワイイお坊ちゃんピアニストに・・・ヒゲ(ショック)

                      見た目どうでも良いし
                      美少年好きという訳でもないけれど
                      イメージが・・・ううう。

                      後半、チャイコフスキーの交響曲5番が

                      ・・・怪演(ぼそっ)

                      としか言えないだろうあれは。

                      指揮者のマンフレッド・ホーネックが
                      出だしの音響に拘って
                      ホールが静かになるのを待っているのはわかるのだが

                      ウィーンのコンサート・ホール
                      完全な静寂なんてあり得ませんから!!!
                      静かになったかと思うと
                      絶対に誰かが咳するし、モノを落とすし、椅子が軋むし
                      日本じゃないんだから、そんなに待っていても無理だってば。

                      この上ないピアニッシモでゆっくりゆっくり出る第1楽章。
                      途中でテンポをあげて
                      目まぐるしくギアチェンジされて
                      マッチョで筋肉質な第1楽章の後

                      またもや、静かになるまで(なりませんっ!)待って
                      第2楽章の最初のホルン。

                      ・・・・・・お疲れさまです(すみませんホルンに同情)

                      あのあのあのあの、遅いテンポで
                      あの弱音でホルン鳴らせってか?!
                      いや、それを演奏しちゃうホルニストも凄いけど
                      マンフレッド・ホーネックって
                      実はオーケストラ苛めが好きな隠れ S か?!

                      確かに夕暮れの中を
                      暖かい郷愁を誘うホルンのメロディが
                      遥か彼方から聴こえてくる、というコンセプトはわかるけど

                      あそこまであからさまにやられちゃうと
                      あざとさが目立つし
                      リアルな風景というよりは
                      作られた劇場での、かなり大袈裟に表出される
                      俳優さんたちの泣き顔、みたいなウソッコに聴こえてしまうが

                      あのゆっくりゆっくりのテンポで
                      息継ぎにミスせず、ばっちり付いていった金管は偉い!!!

                      続くワルツは
                      いや、さすがオーストリア人指揮者で巧いなぁ、とか
                      書きたいんですけど

                      巧いのは確かだし
                      しっかりワルツの雰囲気は出ているのだが

                      これ、廃墟のお城の中の亡霊たちのパーティですよね?

                      どう聴いても、楽しい舞踏会とかから遥かに離れたところで
                      過去の亡霊たちが
                      満身創痍のまま、以前は豪華であっただろうボロボロの衣装を
                      プライド高く装ってワルツを踊っているような幻想にかられる。
                      良くも悪くも、背筋がゾクゾクして
                      ただ、あらキレイなメロディね、とか聴いていられない。
                      はっきり言うと・・・コワイ。

                      最終楽章だが
                      もうオーケストラも指揮者も疲れ果てているだろう。
                      なのに、なのに、それなのに
                      最後の盛り上がりを

                      あのテンポでやるかっ!!!
                      (=速いんです、しかもむちゃくちゃ・・・)

                      ここまでやられると
                      オーケストラも、何とか最後だけ合わせりゃそれでオッケー
                      (ほとんどヤケッパチだな)
                      途中の縦線はズレるし、弦と管が入れ子になってるし
                      まぁ、そりゃそうだ、あれやられたら
                      (しかも3日間でチャイコフスキーの4番・5番・6番)

                      いや、あれ、プロってスゴイな。
                      ちょっと、いや、かな〜り笑えちゃったのだが
                      (笑っちゃいけない)
                      色々な意味で
                      凄いオーケストラと
                      正に変人、ヘン○イ指揮者のマンフレッド・ホーネックである。

                      こういうオーケストラと指揮者、すごく好き ♡
                      開き直りが見事で
                      え〜い、やっちまえ、というトライ精神が
                      やっぱりアメリカの開拓者スピリットかしら(爆笑)

                      こういうコンサート、ハチャメチャだけど
                      すごく好きだわ・・・
                      ヘンに完璧に冷静に演奏されるのは時々あるけど
                      あの見事な開き直りと変人対決って
                      滅多にウィーンじゃ聴けないし(笑)

                      ついついニヤニヤする顔を引き摺ったまま
                      オフィスに戻って仕事を片付けて来た私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      片耳が聴こえない恐ろしい席は
                      後半は隣の観光客が帰ったようなので
                      1つズレたら、音のバランスが全く違ったのでラッキー。
                      あの席は要注意だわ、気をつけよう。

                      calendar
                           12
                      3456789
                      10111213141516
                      17181920212223
                      24252627282930
                      << November 2019 >>
                      PR
                      ★コンタクト・メイル★
                      メイルはこちらへ
                      ブログランキングに1クリックお願いします
                      selected entries
                      categories
                      archives
                      recent comment
                      recommend
                      links
                      profile
                      search this site.
                      others
                      mobile
                      qrcode
                      powered
                      無料ブログ作成サービス JUGEM