ロッテルダム管弦楽団 + ラハフ・シャニ

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    Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年9月1日 19時15分〜21時30分

    Rotterdam Philharmonic Orchestra
    指揮・ピアノ Lahav Shani

    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
     Konzert für Klavier und Orchester B-Dur KV 595 (1791)
    Anton Bruckner (1824-1896)
     Symphonie Nr. 5 B-Dur (1875-78)

    午後は国立オペラ座のオープン・デイに行って
    例年のごとく、バレエのリハーサル室で45分待って
    ドミトルとエレナのシルヴィアのリハーサルを舐めるように見て
    (あ〜、例年の事ながら怪しい日本人・・・)
    舞台で、橋本清香さんと木本全優さんのシルヴィアとアミンタを見て
    終わってすぐに車でグラーフェネックに向かうワタシ。

    一緒にオープン・デイに行った同級生が大笑いしていたが
    引退老人は忙しいのである(笑)

    ギリギリ18時前に到着したので
    ちょっと軽く食事でも、と思ったら
    ピクニック・パヴィリオンは満杯で(涙)
    ちょうど曲目解説の時間になったので
    食事は諦めてホールの解説へ。

    モーツァルトの最後のピアノ協奏曲(KV595=第27番)は
    何となく聴き覚えのあるメロディが出てくる曲だが
    第3楽章の出だしが、歌曲の「春への憧れ」に使われた、と聞いて
    あっ、そりゃそうだ、と納得。
    (というか、今まで気がつかなかったのは何だ、という気もするが)

    ダニエル・バレンボイムが若かりし頃に
    ヨーゼフ・クリップスの指揮でモーツァルトのピアノ協奏曲を弾いた時に
    あるフレーズを強調して弾こうとしたら
    クリップスに窘められたらしい。

    「ベートーベンなら、そういう風に弾いても良いけれど
     モーツァルトはダメだよ」

    何故かと問うバレンボイムにクリップスは

    「だって、ベートーベンは天国に行くけれど
     モーツァルトは天国から来るからね」

    ・・・こういうモーツァルトの神格化って、実は私は好きではないのだが
    如何にもモーツァルトの崇拝者が言いそうなセリフではある。

    ブルックナーが5番を作曲した時は
    失職して貧乏のどん底で絶望していて、というような話を聞いた後
    庭に出て、何とか後ろの方で空いたデッキ・チェアを見つけて
    (みんな何人かのグループでピクニックしているので
     なかなか空いているデッキ・チェアがないのである)
    会場から漏れ聴こえてくるピアノを聴きながら
    風に吹かれてうたた寝というのは、最高の贅沢だと思う。
    (コンサート会場入らず、ここで漏れ聞こえる演奏を聴きながら
     ずっと寝っ転がっていた方が(以下省略))

    指揮者のラハフ・シャニは
    ウィーン交響楽団の第一ゲスト・コンダクターなので
    何回か実際に聴いている。
    派手な感じはないし、奇を衒ったところもない
    比較的伝統的な優等生という感じがする。

    モーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振り。
    ダイナミック・レンジがかなり大きい。

    これって、もしかしたら
    ヨーゼフ・クリップスがここに居たら
    シャニ君、ベートーベンなら良いけれど
    モーツァルトはダメだよ
    ・・・って言うタイプの演奏?

    まぁ、そこまで大袈裟ではないし
    天国でも地獄でも、何だかあまり悩みのないような
    天真爛漫な感じのモーツァルト。

    モーツァルトの神格化やら、宗教化やら
    なんかもう、神さまのごとく崇拝されているからアレだけど
    モーツァルト時代の音楽って
    要は今で言う(貴族の)ポピュラー音楽だから
    ありがたや、ありがたや、と拝みながら
    畏み畏みつつ聴かなくても良いのではないか
    ・・・とか書くと
    モーツァルト信者に叩き殺されるかもしれないが。

    シャニのピアノって初めて聴くけれど
    タッチが強くてクリアで力強い。
    (だから時々本当にベートーベンっぽく聴こえる)
    弾き振りについては、私は基本的には反対なのだが
    モーツァルトやハイドンなんかは
    もともと指揮者なしでも大丈夫に書かれているので
    それはそれで良しとしよう。

    後半はブルックナーの交響曲5番。
    オーケストラがスタンド・バイして
    指揮者がキューを出そうとする直前に

    空から飛行機の爆音が・・・
    多少収まったと思ったら
    今度はオートバイの爆音が・・・

    そんな感じなので
    周囲で小声のお喋りをしている人たちの
    爆音+小声のミックスで

    最初のピアニッシモの弦のピチカートなんて
    何にも聴こえて来ません!!!!(涙)

    もちろんコオロギの合唱も派手に聞こえてくるが
    カクテル・パーティ効果か
    私の耳が、虫の鳴き声を雑音として聞くヨーロッパ風になったのか
    あるいは内耳の基膜と有毛細胞が老化したのか
    これはある程度シャット・ダウンできるようになったが。

    かなり元気の良いブルックナーだなぁ。
    庭でリハーサルを漏れ聞いた時も
    おお、良く鳴るオーケストラだ、と思ったけれど
    全体的に音量が豊かで
    金管だけではなく、弦もよく鳴る。

    シャニは暗譜で振っている。
    全部頭の中に入ってるのか、すごいなぁ。
    ただ、もちろん私の偏見のせいなんだけど
    何となく優等生的で
    元気の良さやダイナミックレンジの幅広さはあるけれど
    ちょっと・・・つまらない(すみません)

    だいたいブルックナーって
    しつこく、しつこく、しつこく繰り返しがあるので
    この繰り返しが同じように聴こえて来てしまうと
    時々、むちゃくちゃ退屈になってしまうのだ。

    (とか文句つけながら
     だったら、お前、指揮してみたら?と言われたら
     絶対に出来ません。悪しからず)

    作曲した時代に、ブルックナーが貧窮していた、という話を聞いたので
    諦観というよりは
    作曲家の怒りのエネルギーを感じる、というのも
    偏見のなせる技。

    もともと教会音楽っぽいブルックナーを
    夏の夕暮れに野外音楽堂で
    広大な庭園で聴くと言うのが無理っぽいので

    やっぱりブルックナーは
    大聖堂の中で残響一杯で聴いた方が映えると思う。

    まぁ、もっとも、ブルックナーって
    ウィーンのオーケストラは大好きで
    「オラ達の大先生」という感じでガンガン演奏するのを
    かなり数多く聴いてしまっているから
    その耳慣れもあって、耳逆らいを起こしているかもしれない。

    そんな悪い音響の中で
    目一杯の力強い音で演奏してくれたオーケストラは見事。

    明日からは天気が崩れて
    急激に気温が下がる予定。
    来週も、木曜日からグラーフェネック通いがあるが
    (最終のチクルスである)
    たぶん、そろそろ野外ではなくて
    屋内ホールになるのではないか、と
    密かに期待している私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


    バーミンガム市民交響楽団 + ミルガ・グラジニーテ=ティーラ

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      Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年8月30日 19時15分〜21時30分

      City of Birmingham Symphony Orchestra
      ピアノ Katia Labèque, Marielle Labèque
      指揮 Migra Gražinytė-Tyla

      Ralph Vaughan Williams (1872-1958)
       «Fantasia on a Theme by Thomas Tallis» für Streicher (1910)

      Francis Poulenc (1899-1963)
       Konzert für zwei Klaviere und Orchester d-Moll (1932)

      Maurice Ravel (1875-1937)
       «Ma mère l’Oye. Cing pièces enfantines» für Orchester (1908-10/1911)

      Igor Strawinski (1882-1971)
       Suite aus dem Ballett «Der Feuervogel» (1910/1919)
        Introduktion - Der Feuervogel und sein Tanz - Variation des Feuervogels
         - Der Reigen der Prinzessinnen - Höllertanz des Königs Kaschtschei
         - Wiegenlied - Finale

      日中はむちゃくちゃ暑かったのに
      今日は雷雨にならず、湿気は70%もあって蒸し暑いけれど
      夕方になったら、30℃以下にはなって
      野外音楽堂でのコンサートとなった。

      外から絶え間なく聞こえてくる車のエンジン音がラブリー(ふん・・・)
      時々、鳥の鳴き声とかも入るし、後半はコオロギの大合唱。
      いや、でも、オーストリア人は
      それでも野外で音楽を聴きたいのである。(よくわからん)

      最初のレイフ・ヴォーン・ウィリアムスの曲
      「トマス・タリスの主題による幻想曲」は、弦だけの曲。
      しかも、舞台の下手(しもて)のドアが開いていて
      そのドアの向こう側に、もう1つ、弦楽のアンサンブルが控えている。

      作曲家の出世作だけに、素晴らしい音楽だが
      だが、だが、だが、やっぱり教会音楽っぽいのが苦手だし
      イギリス音楽ちょっと苦手だし(すみません)

      ただ、驚いたのは、野外音楽堂にもかかわらず
      面白い音響効果が感じられた事。

      ドアの向こう側の弦楽アンサンブルとの距離感もあるし
      舞台上のアンサンブルも、ソロの部分になったりするので
      弦楽だけの曲でありながら、その立体感がスゴイ。
      しかも、音響効果としてはベストではない野外音楽堂で
      これだけの立体感が出るというのは
      作曲家がスゴイのか、曲がスゴイのか
      オーケストラがスゴイのか、指揮者がスゴイのか
      私には判断がつかない(というより、全部すごかったりして(笑))

      続いては2台のピアノのための協奏曲。
      ラベック姉妹、緑と紫のビラビラ付きの
      お揃いだけど、ちょっとデザインが違うドレスで登場。

      いや〜、この衣装、洒落てるわ。
      下半身のビラビラが、ロング・ドレスのように見えるが
      実は下はパンツ・スーツで
      (ビラビラだけでパンツ・スーツでなかったら
       ただのパンクというか、そういう衣装を着そうな人もいるな・・・)
      上半身のドレス部分のデザインは微妙に変えてある。
      しかも色合い(1人が緑で、もう1人が紫)が、単純なんだけど綺麗。

      ・・・って、衣装に感心していてどうする(爆)

      プーランクの曲は、もう何でもアリの曲なので
      曲想も、内容も、それに伴う表現も
      目まぐるしく変わるので、まぁ、実に面白い。
      ピアノが打楽器みたいで、スカッとして気持ちが良いし
      第2楽章の、あのシンプルなメロディが本当に美しい。

      ラベック姉妹、やっぱり巧いわ。
      息の合い方も抜群だし
      野外音楽堂で音響が分散するにもかかわらず
      きっちりと音が立って聴こえてくる。
      スカッと爽快で小気味が良い。

      指揮者のグラジニーテ=ティーラの合わせ方も抜群。
      反応が良いし、リズム感が優れていて、これも爽快。

      後半はラヴェルのマ・メール・ロワ。
      うわああ、そこまで極限に音量を下げるか。
      昨日のホールでも感じたけれど
      とことん繊細な表現で
      ラヴェルの細い線を描き出すと同時に
      その多彩な色彩感が半端じゃない。
      透明感のあるパステル色と言ったら、あまりに通俗的だが
      私の乏しい語彙力では、それ以外に表現の仕様がない。

      最後はストラヴィンスキーの「火の鳥」
      ここでも、音量を極限まで絞る。
      それでも聴こえてきちゃうのがスゴイ。

      実に細かいところまで徹底的に作り込んだ火の鳥。
      解像度があまりに高すぎて
      無理やり音量を上げていないので
      音が絶対に団子状態にならず
      各楽器の音が、すべてクリアに聴こえてくる。

      だからかもしれないが
      ある意味、迫力というのはほとんど感じられない。
      「鳥」というよりは「蝶々」じゃないのか?と思ったほど。

      ここまでの細かさって
      ちょっとハーディングの指揮に似ているような気がする。
      徹底的に細かく拘った音楽は
      ただ、ハーディングの音楽が
      時々、どんな大編成でも室内音楽に聴こえるのに対し
      スケール感の喪失はない。

      音が団子にならない解像度で
      各楽器のパートがクリアに聴こえるので
      楽器の持っている音色がダイレクトに伝わってきて
      色彩感が見事なのだが
      時々、この曲で感じる、原色が会場に飛び交っている感じではなくて
      あくまでも理性的な色彩で
      楽器の持つ音色の分析の授業でも受けているような気が
      しないでもない(あくまでも個人的印象です)

      優れた天性のリズム感に加えて
      音を分離する耳が良いんだろうなぁ、この指揮者。

      個人的な好みとしては
      そこまで拘って細かくしなくても
      時々は、えいっ!という勢いで
      音の団子にしても良いんじゃないかと思うが
      (全部が音の団子、という指揮者もいない訳ではない)
      徹底的にスコアを読み込んで
      とことんオーケストラの音の特色を鮮明に出してくるのは
      新鮮な感じがして面白い。

      鬼才と言えばクルレンツィスみたいに言われているけれど
      このグラジニーテ=ティーラも
      ある意味、ものすごい鬼才ではある。

      今まで聴いたのは3回しかないので
      早急な判断は避けたいけれど

      ハーディングがエア・フランスのパイロットに職業替えしても
      同じような徹底的な作り込みをする指揮者が
      ここに居る、と思うと
      それはそれで安心(何を言ってる私?)

      クラシックという世界で
      音楽表現も、出尽くしちゃったか、と思っていたのに

      まだまだ新鮮な才能がどんどん出てくるという事実に
      何だか不思議な気分になる私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      バーミンガム市民交響楽団 + ミルガ・グラジニーテ=ティーラ

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        Schloss Grafenegg Auditorium 2019年8月29日 20時〜22時

        City of Birmingham Symphony Orchestra
        ソプラノ Christiane Karg
        指揮 Migra Gražinytė-Tyla

        Oliver Knussen (1952-2018)
         «The Way to Castle Yonder» Pot-Pourri für Orchester
          aus der Oper «Higglety Pigglety Pop!» op. 21a (1990)

        Benjamin Britten (1913-1976)
         «Quartre Chansons françaises» für Sopran und Orchester (1928)

        Gustav Mahler (1860-1911)
         Symphonie Nr. 4 G-Dur (1899-1901)

        午前中のラテン語速習コースの後
        歌のレッスンに行って、直接グラーフェネックまで車を運転している最中に
        雷雨と大雨で、あぁ、こりゃ野外は無理だわ、と思っていたら

        曲目解説(すみません、ぐっすり寝てました)の後
        みんな、ゾロゾロと野外会場に向かっている。
        え〜っ、あの大雨の後、椅子も濡れているだろうし
        地面も芝生も、ぐっしょりなのに野外音楽堂?

        仕方なく車に戻って
        椅子のクッションやらコートやらのバッグを出して
        庭を通って会場に着いたとたん
        またもや、雨がパラパラ。
        本日の会場は屋内ホールに変更です、とアナウンス。

        野外からティンパニやらコントラバスやらを運んで
        ホールのセッティングをするのに時間がかかり
        本来は19時15分からのコンサートの開始は20時になった。

        バーミンガム市交響楽団が
        2016年から常任になったミルガ・グラジニーテ=ティーラと出演。

        ミルガ・グラジニーテ=ティーラとバーミンガムは
        2018年4月4日に楽友協会で聴いて、鮮烈な印象が残っている。


        最初は昨年66歳で亡くなったオリヴァー・ナッセンの子供のオペラ
        ヒグレッティ・ピグレッティ・ポップ!からのメドレー。
        子供のオペラとは言え
        ばっちり現代音楽である。
        でも、リズムもメロディも楽しくて面白い。

        ただ、この曲、やっぱり予習が必要だったかも(汗)
        どうも私はイギリス音楽が苦手なんだよなぁ。

        同じくベンジャミン・ブリテンも
        多少はドアが開いたような気はするけれど
        すごく好き、という作曲家ではないし

        それに、このフランス語の4つのリートって
        ブリテンが15歳の時に作曲したもので
        ううう、やっぱり天才って違う、とは思うけれど
        後々のブリテンに特有な個性がまだなくて
        様々な現代音楽の技法を試している、という感じがする。

        クリスティアーネ・カルクのソプラノは素晴らしい。
        この人、本当に美声だし
        ソプラノに有り勝ちなヒステリックなところが全くなくて
        無理のない透き通ったバランスの良い声が心地良い。
        (ああいう声って、訓練もあるけれど
         やっぱり生まれつきの身体の造りが違うのよ、うん)

        後半はマーラーの交響曲4番。
        これは、よ〜く知っている曲なので
        自分の中でも様々な演奏と比べる事が出来るのだが

        うわああああ
        グラジニーテ=ティーラって

        とんでもなくセンスが良い・・・

        としか言えないわ。

        細かい部分を一つ一つ記述なんて私には出来ないし
        (所詮はシロウトですから)
        思いがけないメロディ・ラインが出てくる、というのは
        マーラーの曲ではしょっちゅうある事なのだが

        曲の解像度が良くて
        ヘンなタメやら、奇妙な強調とか全くなくて
        全体的に軽めの作りになっているけれど
        音楽の部分部分が、ものすごく活き活きしていて
        音の透明感がスゴイ。

        第1楽章の最後の部分のあの美しさって何なの。
        衒いも気負いもなく
        あれだけ自然に、あの優しさと美しさを強調してしまって
        それでも聴いている方に気恥ずかしさを感じさせない。

        第2楽章のコンマスのソロも素晴らしかった。
        (ちゃんとバイオリン変えてます(笑))
        諧謔的で皮肉っぽい曲想が前面に出て来そうな楽章なのだが
        徹底的に音楽に徹して
        マーラーの曲の持っている毒は、あまり出て来ない印象。

        第1楽章で息を飲んだ「美しさ」は
        第3楽章で、ある意味、頂点に達する。

        あっさりして、思い入れがあるようには聴こえないのだが
        オーケストラの音色の透明感に彩られた
        あの甘いメロディが

        単純な甘さだけではなく
        浄化された天国的なミステリアスで彼岸的ニュアンスで
        なんだかもう、心の奥底まで
        柔らかな手を突っ込まれて
        とことん優しく撫でられているような気分になる。

        せわしいフレーズと
        牧歌的なソプラノが交差する最終楽章。
        カルクのソプラノ、ますます美しい。
        オーケストラの解像度もクリアさも比類がない。

        アゴーギクのセンスの良さには最初から最後まで唸りっぱなし。
        この上なく繊細なピアニッシモの響きに包まれて
        消え入るようなラストのあまりの美しさに
        失神しそうな気分。

        ネルソンスの時は熱血漢的サウンドだった記憶があるのだが
        (もちろん偏見と独断ではある)
        グラジニーテ=ティーラの指揮だと
        オーケストラの音が、もっと繊細でニュアンスが豊かになる(ような気がする)

        あれだけ聴き慣れた筈のマーラーの交響曲4番の
        あまりの透明さと美しさにノック・アウト。

        その分、皮肉やらイヤミやらの様相はあまり見えないが
        もともと、あの曲は皮肉や矛盾を内包しているので
        演奏でそれを強調しなくても
        曲そのものが醸し出す、京都風なイケズ風味は充分に出てくる。
        (ヘイト・スピーチではございません。
         京都のイケズは、それはそれで高く評価しております)

        しかしまぁ、あんなに「音楽」を素直に出して
        しかも、そのセンスの良さで、ばっちり聴かせてしまう
        グラジニーテ=ティーラの音楽性には脱帽。

        上の客席から平土間を見ていると
        演奏中もずっとラインをやってスマホのライトを付けていた人がいたり
        第2楽章と第3楽章の間で
        携帯のベルを、かなり長く鳴らした人が居たけれど
        いや〜、楽章間で良かった。
        (実は演奏中も一回、携帯鳴らした人がいたが
         フォルテのところだったし、割にすぐに切ったので目立たなかった)

        比較的安い席に空き席が多かったものの
        ウィーンからの年配クラオタも多かったようで
        小声でのお喋りも少なかったし(なかったワケではない)
        床に何か落とす音もちょっとしかなかったし
        (うたた寝して持ってるスマホを床に落とすケース)

        それでも、外からのオートバイの爆音とか
        飛行機の音とか
        絶え間ないコオロギの鳴き声とかなしに

        あの透明感のある、とことん美しいピアニッシモの
        オーケストラの音を堪能できたのは嬉しい。

        明日は別プログラムなのだが
        また雨にならないかなぁ・・・
        と、とんでもない事を考えている私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        最近、オーストリアのラジオ放送の
        ラジオ・コレークで、音楽批評の特集をしていて
        ブログによる書き散らかしについても言及があったのだが
        私は音楽批評はしてないし
        あくまでも個人的主観の印象メモだし
        読者の数も少ないのでお許しあれ(笑)

        マリイインキー管弦楽団 + ルドルフ・ブッフビンダー

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          Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年8月24日 19時30分〜21時50分

          Mariinsky Orchester St. Petersburg
          ピアノと指揮 Rudolf Buchbinder
          コーラス Wiener Singverein
          ソプラノ Maja Tumpej, Petra Weinmaier
          アルト Anastazja Fischer
          テノール Wolfgang Adler, Norbert Wachter
          バス Bernhard Schuh

          Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
           Konzert für Klavier und Orchester d-Moll KV 466 (1785)

          Ludwig van Beethoven (1770-1827)
           Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 c-Moll op. 37 (1800/03)
           Fantasie für Klavier, Chor und Orchester op. 80 (1808)

          マリイインスキー・オーケストラは残ったけれど
          今日は、この音楽祭の総監督、大御所のルドルフ・ブッフビンダーが
          ピアノの弾き振りでモーツァルトとベートーベン。

          モーツァルトのピアノ協奏曲20番と
          ベートーベンのピアノ協奏曲3番って
          まぁ、名曲アワーには違いないんだけど
          どちらも短調って、どういう選択なんだ・・・
          (単純な私は、短調の曲がむちゃくちゃ苦手)

          音楽のセンスがゼロで
          感受性が限りなくゼロに近い私なので
          あぁ、聴衆にもマンネリってあるんだなぁ・・・と
          つくづく思った(すみません)
          この2曲、今まで私の人生で何回聴いたんだか・・・
          ベートーベンのピアノ協奏曲3番の1楽章なんかは
          トチ狂った先生が、私が中学2年の時に、私に楽譜を渡して
          先生がオーケストラ・パートで、発表会で弾いた事まである。
          (弾ける実力は当時もなかったし、今も全くない。
           しかも最後のスケール左手間違えてオクターブ一つ下で弾いちゃったし)

          オーケストラもピアニストも
          言ってみれば、いわゆるコンフォート・ゾーンなので
          危なげなく落ち着いた
          この上なく正統なクラシックを聴かせてはくれるのだが
          あまりに正統過ぎて、あまりに端正すぎて
          何だかもう、全然面白くない。

          いや、演奏する芸術家にとっては
          音楽的に高い曲の演奏というのは
          どんなに弾きなれた曲であっても
          一つ一つが真剣勝負なんだろうけど
          こちらは感受性ゼロなので(すみません、そういう人がコンサートに来てて)
          いったん頭の中に入った曲で
          あまり好きじゃない、というものは
          正直言って、どうでも良い(あ〜、言っちゃった(汗))

          何回か聴いてはいるけれど
          暗記するほどではない合唱幻想曲。

          コーラスは楽友協会合唱団で
          これは実力はお墨付き。
          100人の大編成で
          ソリストはコーラスのメンバー。

          まぁ、ブッフビンダーのピアノはよく響くし
          タッチは強いし、クリアだし、端正だし
          変なデフォルメもかけて来ないので
          如何にもベートーベンらしいベートーベン。

          ソロは・・・
          あ〜、やっぱりコーラスのメンバーなので(以下省略)
          プロの歌手と比べると、こんなに違うんだ、う〜ん・・・

          アンコールで合唱部分だけを繰り返した時には
          ソリストが前より声が出ていて(笑)
          まぁ、確かに、コーラスとソロになる前の數十分を
          声出しもせずに舞台に待機していて
          突然のソロだと、声は出ないよねぇ。

          まぁ、今のシーズン、このグラーフェネックしかコンサートないし。
          周囲も常連さんっぽい人ばっかりで
          (もちろん全員、ご年配である)
          車を出す時も、常連が多いと裏道を熟知している人も結構居て
          あまりモタモタする人がいない(笑)

          今日もコンサート前に
          隣の年配カップルが、前の年配カップルと
          クルレンツィスについて、かなりディープな議論をしていた。
          私も常連だし、しかも一人で来ているし(一人の人は非常に珍しい)
          日本人だから目立つとは思うんだけど
          話し掛けるなオーラを出しまくってるからなぁ。
          というか、やっぱりヨーロッパってカップルの世界だなぁ、というのが
          こういう音楽祭に来ると、よ〜くわかる。

          以前、お一人さまについて記事を書いた事があるけれど
          日本の方がお一人さまについては寛容だと思うよ。
          ヨーロッパは、ある程度の歳を取った人が
          カップルではない、というのは
          かなり特異なケースで目立つし
          社会に入れてもらえない。

          実はクルレンツィスの議論に入れて貰えなかったのが
          ちょっと悔しいのかもしれないが(笑)

          明日の夜はルツェルン音楽祭の後に
          グラーフェネックに客演する
          初聴きの上海交響楽団で
          陳某鋼の「五行」の演奏があるのが楽しみな私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          マリイインキー管弦楽団 + ゲルギエフ

          0
            Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年8月23日 19時30分〜22時10分

            Mariinsky Orchester St. Petersburg
            バイオリン Sergey Dogadin
            指揮 Valery Gergiev

            Claude Debussy (1862-1918)
             «Prélude à l’après-midi d’un faune» (1894)

            Pjotr Iljitsch Tschaikowski (1840-1893)
             Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 35 (1878)
             Symphonie Nr. 6 h-Moll op. 74 «Pathétique» (1893)

            2019年のチャイコフスキー・コンクールのバイオリン優勝者
            セルゲイ・ドガディンを迎えて
            ゲルギエフがマリイインスキー管弦楽団とのコンサート。
            チケットは芝生席に至るまで売り切れ。

            観客は・・・いや、本当に年配ばかり。
            正直、老人ホームの会合としか思えない様相を呈しているのだが
            私だって2年前からは、立派に、お達者倶楽部の会員資格を有したので
            あまり人の事は言えない(汗)

            マリイインスキー・オーケストラのメンバーの中で
            際立って目に飛び込んでくるコンサート・マスター。
            立派な二重アゴで
            ライオンの鬣というか
            ハイドン時代のカツラの 失敗作 特注品のような髪型で
            ニコニコしながら登場。
            携帯電話呼び出し音が会場に響くと(携帯電話切って下さいの合図)
            自分のポケットを探すというチャーミングさ(爆笑)

            ただ、このコンサート・マスター
            本当にゲルギエフの指揮を完璧に熟知しているというか
            こういう人が居てオーケストラを率いているというのは
            素晴らしい事なのではないか、と演奏聴きながら思ったりする。
            (シロウトなので、本当のところは不明)

            最初の曲がドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」で
            その後がチャイコフスキーというのは
            いったいどういうプログラム構成なのか、私にはよくわからんが

            広大な庭園の中の野外会場で
            夕暮れに聴く「牧神の午後への前奏曲」

            なんという遅いテンポ・・・(絶句)
            フルート大変、オーボエも大変、ホルンなんかもっと大変。
            ゲネラル・パウゼもむちゃくちゃ長い。
            外の道路から車の騒音が聞こえてくるが・・・

            本来であれば、大自然に囲まれて
            牧神の世界の優雅さを味わうべき曲なのだろうし
            ゲルギエフは、徹底的にテンポを落として
            しつこいくらいロマンティックに演奏しているのだが
            牧神の世界って、そう清潔に美しいものではなくて
            きっとゴミもあったし、獣の匂いなんかが凄かったんだろうな
            とか考えてしまうのは
            外から聞こえてくる車の爆音が悪い(断言)

            さて、今年のチャイコフスキー・コンクール
            バイオリン部門1位のセルゲイ・ドガディンは1988年生まれ。
            2011年22歳の時に、1位なしの2位に選ばれているのだが
            30歳にて、もう一度出て、念願の1位を射止めた人。
            (審査員の先生に師事したらしい。割にしつこいタイプか?(笑))

            真っ赤なほっぺたの、比較的がっしりした男性だが
            この人の音色の多彩さと言ったら(絶句)

            第1楽章のテクニックに、まずは唖然。
            カデンツァの高音の素晴らしさに息を飲んでいる時に
            芝生席にいる子供が泣き出して
            親があやしたりしている声が響き渡ったのも
            空の上で、小型飛行機が爆音を撒き散らしながら飛んでいったのも
            野外コンサートならではの醍醐味(やけっぱち)

            盛大な拍手が起こった後の
            第2楽章のバイオリンの音が
            第1楽章と全く違うので、椅子からずり落ちそうになった。
            音の色が全然違うのだ。
            ちょっと曇ったような、柔らかい音色で奏でられる
            この上なく甘美なメロディ。
            えええええっ、この人、同じバイオリンを弾いてるよね?
            何故、そんなに音が変わるんですか???

            第3楽章は音の明るさが戻って
            確実なテクニックに、クリアな音色で小気味良い演奏。

            アンコールがこれまた超絶技巧で
            ボウを動かしながら左指でのピチカートとか
            高音の澄んだフラジョレットとか
            度肝を抜かれるテクニック満載なのに
            ものすごく音楽的に響く。

            私はシロウトだから全くわからないけれど
            きっとボーイングのテクニックが卓越しているんだろうなぁ。
            たった1つのバイオリンで
            あれだけ多彩な色が出たら、面白いだろうなぁ・・・

            バイオリン協奏曲の第1楽章の後で
            盛大な拍手が起こったので
            後半のチャイコフスキーの「悲愴」での
            楽章間拍手は、まぁ、もう仕方ないわ、と
            最初から諦め切っていたのだが

            民族衣装ディルンドルやトラハテンをお召しになった
            オーストリアの年配の紳士淑女の皆さまを
            侮ってはいけなかった・・・
            第3楽章の後に
            芝生席から若い声でブラボー・コールに拍手があったけれど
            すぐに周囲からシッ!と窘められて
            客席からは楽章間拍手は全くなし(すごい)

            まぁ、ゲルギエフが第3楽章と第4楽章を
            ほとんどアタッカで繋げた、というのはあるのだが。
            (舞台を見ていたら、指揮者がそのまま振り続けているのはわかる)

            で、このチャイコフスキーの交響曲6番。
            またもや、テンポが遅い。
            ものすごく遅い。
            気味が悪くなるほど遅い。

            その分、ロシアっぽい暗さに満ちた
            ドラマチックな要素が際立つ。
            丁寧に丁寧に描き出されるメロディ・ライン。

            クラリネットの消え入るようなソロの後の爆発は
            テンポを思い切り上げて対比を明確に打ち出してくる。

            遅いところは徹底的に遅く
            速いところは徹底的に速く、というのは
            指揮者あるあるネタだと思うのだが
            ことゲルギエフの手にかかると
            これがイヤミにならず
            しっとりさを保ちながら
            徹底的に雄弁に、劇的に語りかけて来るのは何故なんだ。

            あんなにゆっくりなテンポで演奏されているのに
            緊張感は増すだけで全く失われず
            中間部のドラマも相まって
            呼吸もできなくなりそうな緊迫感のある第1楽章の後

            第2楽章のワルツは
            今度は、まったくタメがなくて
            あっさりとインテンポで流すところが、これまたニクい演出。
            あのしつこい第1楽章と全く違うので、びっくりする。

            ワルツも、ウインナー・ワルツではない。
            では帝政ロシアのとことん優美なワルツかと言うと
            (ムーティさまとウィーン・フィルは正に優雅なワルツだった)
            ヨーロッパ的貴族社会の優雅さからは一歩離れて
            ちょっと田舎的な響きが聴こえてくるという芸の細かさ。

            第3楽章の盛り上げ方は、かなり華やかで
            リズムの乗り方が気持ち良いし
            オーケストラ・メンバーの音の刻みも
            揃っていて見事。

            野外だと、トロンボーンとかが咆哮しても
            まぁ、カッコいいというか
            シンバルを鳴らせた後に
            シンバルを上に移動させて、左右に開けるって
            何だか新興宗教の妖しげな儀式みたいに見えるけれど(笑)
            舞台上のパーフォーマンスとしては、かなり目立つ。
            音響的にもシンバルの響きが会場に満遍なく散って素晴らしい。

            最小の拍手のフライングでアタッカで続けた最終楽章。

            あ〜、もう、こういうロシア的な嘆きというか
            やるせない思いの泣き節って
            ロシアのオーケストラでなければ出ないわ(断言)

            特に、例のコンサート・マスターが率いる
            第1バイオリンの「泣き節」は
            もう、もう、見事すぎる。
            あそこまで、泣いて泣いて泣いて
            それでもイヤミにならないって
            ロシアのオーケストラしか出来ない芸当だろう、たぶん。

            第1楽章と同じく、いやそれ以上に遅いテンポで
            徹底的に泣かせるメロディ。
            途中の長調部分の透明な、まるで空想の中の
            儚い幸せみたいな部分の美しさって
            まるでこの世のものではないような印象。

            じっくり、じっくり、音の一つ一つを歌わせて
            泣かせて、嘆かせて、諦観に至って
            最後は・・・やっぱり「死」の静けさまで

            クラリネットとコントラバスの最後の音が消えてからも
            ゲルギエフ、感極まって固まってしまって

            指揮者が固まっているので
            観客も、周囲で小声で「終わったんだよね?」とかは言ってるけれど
            なかなか拍手しづらくて

            いったいゲルギエフ、いつまで固まってるんだ?
            ・・・と思ったのは
            聴衆だけではなかったようで

            指揮者じゃなくて、例のコンサート・マスターが
            まずは身体の緊張を解いた。
            これで、客席からは拍手の嵐(笑)
            (コンサート・マスター氏、ありがとう(爆笑))

            あまりに最初から最後までの緊張感が凄すぎて
            もうチャイコフスキーでお腹一杯・・・という感じ。
            ロシア的に「しつこい」ドラマチックな泣き節が
            最後は不気味な地下の深いところまで
            とんでもない世界に連れて行かれたという感じ。

            ゲルギエフの指揮棒は
            たぶん、絶対に「指揮棒」じゃないんだけど
            長さとしては
            今まで私が見たなかで最大の長さで
            日本で言えば菜箸くらい。
            普通の指揮者が普通に使っている指揮棒と
            長さはほとんど変わりない。
            (でも、あれ、絶対指揮棒じゃない。
             本当に菜箸だったりして(笑))

            どんなに指揮棒を持っても
            やっぱり、この人の指揮って、ま〜ったくわからないのだが
            (後ろから見ていてもアインザッツずれてるし)
            それでもああいう音楽が出来ちゃうって
            指揮者がすごいのかオーケストラがすごいのか
            両方ともすごいんだろうな、きっと(笑)

            このコンサート、シリーズの中でも
            最も高いチケットの一つだったのだが
            あれだけ密度の高いチャイコフスキーを聴かせてくれたら
            高いチケットもガソリン代も
            充分にペイした、と
            ものすごく満足している私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            ヨーロッパ連合ユース・オーケストラ + ヴァシリー・ペトレンコ

            0
              Schloss Grafenegg Auditorium 2019年7月27日 20時〜22時

              European Union Orchestra
              指揮 Vasily Petrenko
              ソプラノ Miah Persson
              アルト Theresa Kronthaler
              テノール Norbert Ernst
              バス Leon Košavić
              コーラス Tschechischer Philharmonischer Chor Brünn

              Ludwig van Beethoven (1770-1827)
              "Wellingtons Sieg oder Die Schlacht bei Vittoria“ für Orchester
              op. 91 (1813)
              Symphonie Nr. 9 d-Moll op. 125 (1822-24)

              グラーフェネックのフェスティバルは
              8月16日がオープニングだが
              その前のサマー・フェスティバルのコンサートへ。
              (色々とあったようだが、クラシックではないコンサートも多いので
               私は行かなかった・・・悪しからず)

              毎年グラーフェネックでコンサートをする
              ヨーロッパ連合ユース・オーケストラが
              いつものヴァシリー・ペトレンコを指揮者に迎えて
              今年は何と、ベートーベンのウエリントンの勝利と交響曲9番。

              昨日まで30℃を優に超える真夏日が続いたのに
              今日、朝起きてみたら
              厚い雲に覆われた暗い空で
              気温は20℃くらい。
              しかも、日中も雨が降ったり止んだり。

              ギリギリ天気は持ちそうだったものの
              コンサートはオーディトリウムのホールになった。
              こういう時のために
              オーディトリウムに席のある一番安いチケットを確保している。
              (芝生席とか、ホールに席のないチケットは安いが
               ホールに席があるチケットはかなりお高い(30ユーロくらい))

              ユース・オーケストラなので人数が多い。
              弦なんか舞台からはみ出しそうな数。

              舞台の奥の左右に
              パーカッションとブラス(トランペットだったっけ、記憶にない)が1名。

              最初に、舞台上のオーケストラ・メンバーが
              真ん中あたりを境に、半分は下手(しもて)奥の2人に身体を向け
              もう半分の上手(かみて)は、対向位置の客席の方に身体を向ける。

              わっはっは、戦争の真似っこというか
              敵と味方に分かれたわけね(笑)

              この曲、ベートーベンの交響曲7番とともに
              初演されて、大絶賛を受けたらしいが
              私が今まで読んだ本だと
              駄作、としか書かれてなくて
              駄作かどうかはともかくとして
              コンサートで演奏されたのは一度も聴いた事がない。

              敵・味方に分かれての太鼓や行進曲
              木管のアンサンブルから
              激しい戦闘への移行とか
              まぁ、面白いと言えば、面白い。
              フランスの民謡と、ゴッド・セーブ・ザ・キング(当時)の曲が
              色々と絡まって、変奏曲みたいになって

              しっちゃかめっちゃかじゃん(爆笑)

              いや確かに、現代の耳で聴いてみれば
              傑作とはちょっと言いにくいような感じだが
              しかしこれ、ベートーベン、何だか一人で
              異様に浮かれて、熱くなって
              むちゃくちゃ楽しんでませんか・・・

              ユース・オーケストラとヴァシリー・ペトレンコが
              また、これを愉快に演奏するもんだから
              何だか大昔の戦争をコミックでパロディとして見ている気分。

              休憩挟んで、ベートーベンの交響曲9番。
              合唱もソリストも入るので
              演奏するにはお金がかかるので
              ベートーベンの交響曲のなかでも、あまり演奏されない曲だが

              さすがにこの大規模オーケストラなので
              モダン奏法で、第1楽章は比較的遅めのテンポ。
              出てくる音楽は非常にドラマチック。

              しかも、やっぱりユース・オーケストラって
              エネルギーが半端じゃない。
              プロのオーケストラに時々見られるような
              適当な投げやりさというのが全くなくて
              メンバー全員が、ともかく真剣そのもの。

              自分の音に酔っているようなメンバーも居るけれど
              音じゃなくて隣のプレイヤーに恋していたのかもしれない(邪推)
              確か16歳〜26歳のメンバーなので
              一緒に演奏しているうちにカップルになるメンバーも
              結構多いんじゃないかなぁ(邪推だけど、羨ましい(笑))

              第1楽章の後に客席から盛大な拍手。
              あ〜、出た、グラーフェネック名物が。

              グラーフェネックのコンサートって
              必ず、どこか大手のスポンサーが付いていて
              そのスポンサーがお客さまをご招待する。

              よって、楽章間拍手が、かなり多いのだが
              毎年、毎年、スポンサーご招待の客が多い事を考えると
              こんなに大勢の、しかも年配の、金持ちそうなお客さまが
              (だってスポンサー招待=金持ってる顧客でしょ?)
              その歳になるまで、クラシックのコンサートに行った事がないって
              何だか不思議な気がしてくる。

              日本のウエブの記事で
              エグゼクティブはクラシック音楽を語るのがステータス・シンボルとか
              ワケのわからん内容を読んだ事はあるが
              スポンサーご招待=顧客=金持ちの図式を考えると
              金持ち=エグゼクティブではないのか(あっ、問題発言しちゃった)

              でもだいたい、クラシックは高級だとか
              エグゼクティブ用だとか、そんな事、あまり考えていないような気がするが。

              まぁ、楽章間拍手(平土間の超高級席からだけ)はともかく
              第2楽章は早めのテンポですっ飛ばして
              テンポについていくのがギリギリの楽器もあるんですけど(苦笑)

              第2楽章の後に・・・あ〜、あっはっは。
              グラーフェネック名物である、もう構わんわワタシ。

              第3楽章は実に美しい楽章なのだが
              ヴァシリー・ペトレンコの指揮だと拍子が聞こえない。

              すごくセンチメンタルに
              エモーショナルに演奏してくれるのは良いのだが(含む第2楽章)
              これ、ロシア音楽じゃないですし

              私の偏見・独断なので好みの問題としても
              ベートーベンは、やっぱりワタクシ的には古典なので
              あんまり熱く演奏されると
              ちょっとそれ、ロマン派じゃない、と言いたくなってしまう。
              すみません、好みの問題です、あくまでも。

              第3楽章からアタッカで最終楽章へ(まぁ、そりゃそうだろう)
              私の前に座っていた年配のご夫婦が
              知っているメロディだったらしく
              喋って、バッグからスマホ出して
              ビデオ撮ってるけれど、も〜、こういうのって注意する気になれん。
              (何言われるかわからないし。
               もちろん、上演前にドイツ語と英語のアナウンスはあったけれど
               どんなにアナウンスしても、写真やビデオは撮る人は撮る)

              セミプロのユース・オーケストラなので
              いくら腕自慢の若い音楽家が集まっているとは言え
              (一部のメンバーはプロより巧いプレイヤーもいる)
              やっぱり、ある意味、アマチュア・オーケストラではあるわけで

              しかも、昨日まで34℃の気温で
              野外音楽堂のためにリハーサルしていたのだろうから
              突然20℃になってホールで、というのも
              技術的な弱さを触発する原因にもなっているだろう。

              歌手陣はまぁまぁというか(すみません)
              ホールだからバスの声は朗々と響いたけれど
              美声だけど、あまり迫力のあるバスではない。

              テノールを見て私がビックリしたのは
              このテノール、私の中のイメージは
              ナクソス島のアリアドネの中の舞踏教師役で・・・(笑)

              袖から、ちょっと踊りながら出てくるところが
              他のテノールには出来ない洒落っ気があって
              タンツ・マイスターはこの人しかいない、と思い定めていた歌手が
              第九を歌っているって、ちょっと驚く。

              (プログラムによれば、2017年まで国立オペラ座のアンサンブルだったそうで
               あら、もう辞めたのか。あの絶妙な舞踏教師が聞けないのは残念)

              リズム的に、ちょっと遅れ気味なところが気になったが
              もしかしたら、指揮者のキューが悪いのかもしれない。

              ソプラノは、高音が綺麗に出ていて
              声を細めに絞って、ヒステリックではなかったのでまぁ満足。
              アルトは時々聴こえてくる、という程度なので何も言えない。

              コーラスはチェコのブルノから呼んで来たようだ。
              総勢で60人くらいか。
              男声は比較的音量もあって出ていたし
              ソプラノ・パートに一人だけ、突出した美声の人がいて
              ほんの時々、コーラスから浮いて聴こえて来た。
              人数が少ないせいもあるけれど
              やっぱり、繊細なニュアンスには欠ける。

              同じくオーケストラも
              メンバーが多いだけに大音響で派手に鳴るけれど
              その分、ニュアンスに欠けて大味なところが多い。
              ただ、やっぱり若いメンバーと若い指揮者は
              体力があるし、エネルギーにも満ちていて緩みがない。

              演奏回数が比較的少ないとは言っても
              かなりの回数をライブで聴いている曲だし
              CDも何枚も持っているので
              オーケストラと指揮者の技術的・音楽的な甘さが
              どうしても耳に入って来てしまうが
              半分アマチュアのユース・オーケストラと考えれば
              充分に堪能できる演奏だったと思う。

              客席はかなり湧いていた。
              特に、平土間から盛大な楽章間拍手をした人たちが
              スタンディング・オベーションしていたのが印象的。
              きっと楽しかったんだろうなぁ。いやぁ、良かった良かった。

              22時30分からライトシューレ・ホールで
              レイト・ナイト・セッション。

              指揮者がワイン片手に出て来て

              インタビューアーの「指揮者として一番イヤな事は何ですか」という質問に
              オーケストラのメンバーが「これは仕事だからと言う事」
              ・・・と答えたのが、面白かった。

              ヴァシリー・ペトレンコ曰く
              音楽を演奏するというのは
              どこかに「趣味」的なものが残っていなければならない

              あ〜、だから今日の演奏って
              どこかアマチュアに聴こえたんだなぁ、と納得。

              確かに、やる気のないサラリーマンと化したオーケストラの
              くそつまらんプロの演奏っていうのには何回も遭遇しているけれど
              プロ・オーケストラの「仕事としてのプロ意識」を甘く見てると
              プロ指揮者としてキャリア積めないんじゃないの(余計なお世話)

              ヨーロッパ連合ユース・オーケストラは
              EU内のオーディションを勝ち抜いて来たメンバーなので
              アマチュアとは言えないが
              ユースのセミプロと言えば、もう一つ突出したグループもある。

              ただ、青春の時代を、好きで好きで好きで
              将来の職業に結びつくかもしれないチャンスを
              目一杯頑張ろう!という意欲に満ちたオーケストラの演奏は
              青春そのもの、っていう感じで楽しい。

              ところで、こういう芸事とかスポーツとかを
              夢中でやっている人たちって
              微笑ましく見られたり、褒められたりするのだが
              勉強に頑張っている人たちは
              往々にして「ガリ勉」と言われて貶められるのは
              いったい何故なんだろう???

              ・・・とかワケのわからん事を考えてしまった上に
              久々の記事で、むちゃくちゃ長くなってしまったアホな私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              誤解のないよう書いておくが
              私は「ガリ勉」ではない。
              というより、ガリ勉になりたいのは山々だが
              そのために必要な
              記憶力も、能力も、体力も、気力もない・・・というのが現実なのだ。

              南西ドイツ放送交響楽団 + クルレンツィス

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年6月25日 19時30分〜21時

                SWR Symphonieorchester
                指揮 Teodor Currentzis

                Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)
                 Symphonie Nr. 7 C-Dur, op. 60 „Leningrader“ (1941)

                私の、コンツェルトハウスのシーズン最後のコンサートは
                クルレンツィスと南西ドイツ放送交響楽団による
                ショスタコーヴィッチのレニングラード。

                18時30分から曲目解説がある、というので
                30℃を優に超える気温のなか
                (最高温度は37℃ちょっとだった)
                コンツェルトハウスにギリギリの時間に向かったら
                シェーンベルク・ホールに入りきらないお客さまたちが
                廊下に溢れている・・・

                最後の最後で、警察+消防署の許可を得たらしく
                あと27人、というところに、うまく滑り込んだ。

                メールで何回も「ご招待」が来ていたので
                ヒマな老人(註 私を含む)が大量に押しかけたのだろう。
                (外は暑いし、コンツェルトハウス、冷房?はないかもしれないけれど
                 石造りの建物なので、多少は外より涼しい)

                解説そのものは、昔のビデオ・クリップを使ったもので
                短い時間だったが、かなり面白い内容だった。

                第1楽章の侵略のテーマが12小節続いて
                オーケストレーションがだんだん厚くなるのは
                ラヴェルのボレロを意識していたのではないか、とか

                このテーマはヒトラーが好んだレハールの
                マキシムへ行こうのテーマではないのか、とか

                12小節を、ショスタコーヴィッチが指定した速さで演奏すると
                全体の長さが 666.66 秒になるとか

                ・・・まぁ、学者の皆さまは、色々と深読みしますね(笑)

                歴史的にレニングラードでの初演は
                指揮者がオーケストラ・メンバーをほとんど脅迫するようにして
                人数を集めた、とかも、面白いエピソードだった。

                さて、舞台上に大規模オーケストラが
                隙間なく、びっしり座るコンツェルトハウスの大ホール。

                登場したクルレンツィスに盛大な拍手
                ・・・が終わらないうちに、振り下ろされる指揮棒。
                オーケストラがユニソノで奏でる第1テーマ。

                うおおおおお
                何だこのオーケストラ、弦がむちゃくちゃ強い。
                しなやかで強くてエネルギッシュでクリア。
                大音響でもビクともしないコンツェルトハウスの大ホールで
                最初から、素晴らしい音響の爆発。

                例の行進曲だが
                途中、木管が勢ぞろいするところで
                木管全員が起立。
                金管が入ってくると、今度は金管が起立。
                ホルンなんか、派手にベルアップしてる。

                だんだん盛り上がってくると
                今度は、きゃ〜っ、チェロを除いて
                弦が全員起立(チェロはさすがに起立はできない(笑))

                オーケストラ全員が立ったまま
                あの大音響でのクライマックスを演奏する
                ・・・・って

                このオーケストラ、ムジカ・エテルナじゃないよね?

                この「だんだん全員起立になっていく」というのは
                最終楽章の最後のところでも、派手にやった。

                演奏そのものは
                オーケストラがともかく力強くて
                しかも目一杯の音響を
                これ以上ないほどのクリアさで提示してくるので
                ド迫力である。
                (コンツェルトハウスのデッドな音響バンザイ)

                一転してピアノやピアニッシモになった時の
                あの哀愁に満ちた
                しかも、とことん細かいところまで
                拘って拘り抜いた透明感が、これまた凄い。

                テーマ的には比較的わかりやすい曲なので
                あれだけクリアに曲想を描き出されると
                それ以外の解釈はあり得ないような気がしてくるくらい
                説得力がある。

                ただ、説得力ありすぎて
                ちょっとポスターっぽいと言うか
                (ドイツ語では plakativ といううまい単語があるが訳せない)

                ほら、ソビエトの昔の、労働者バンザイのプロパガンダの
                枠線がはっきりしていて、原色使って
                グラデュエーションとかないポスターがあるじゃないですか。
                何となく、ああいう感じの印象を受けるのだ(あくまでも主観)

                作品の放つエネルギーが、ともかく凄い。
                しかも、作品の持つエネルギーを
                恥も外聞もなく(という感じで)見たか、聞いたか、これでもか!と
                ガンガン観客に伝えてくる指揮者とオーケストラの力量。

                レニングラードって、コンツェルトハウスで11回目の演奏との記載。
                確かに、何回かナマで聴いたことはあると思うのだが
                こんなに、枠線のしっかりした
                鉄鋼建築みたいな、戦車みたいな曲だったっけ。

                大音響のハ長調の3和音で華やかに終わった後
                間髪入れずブラボー叫んだ人がいて
                そのまま拍手になっちゃったけど
                あれだけ大音響を響かせたら
                その残響も、もっと長く楽しみたかったなぁ・・・(涙)

                終わった後のオーケストラのお辞儀も
                全員揃って、客席に頭を下げるって
                これ、ムジカ・エテルナ方式だよね?

                南西ドイツ放送交響楽団が
                クルレンツィスを首席に招いた際に
                クルレンツィスが、ムジカ・エテルナのようなオーケストラにするぞ、と言って
                そうして欲しい、とオーケストラ側から言われた、というのは
                どこかの新聞記事だか何だかで読んだけれど

                本当にこのオーケストラ
                だんだんムジカ・エテルナの大規模版みたいになって来てる。

                マナーだけではなくて
                音響も、クルレンツィス+ムジカ・エテルナと近くなって来ているような気がする。
                少なくとも、以前、同じオーケストラとクルレンツィスが演奏した時より
                格段に音もマナーも違って来ているのだが
                南西ドイツ放送交響楽団が、それで良い、と
                指揮者の影響のままに育って来るなら
                それはそれで、非常に面白い実験?になると思う。

                9月からの来シーズンのクルレンツィス・チクルスは
                同オーケストラとマーラーの9番、マーラー1番。
                その後はムジカ・エテルナとベートーベン交響曲全曲。

                ・・・その前にモーツァルトのダ・ポンテ3部作の
                コンサート方式の公演もあるが
                クルレンツィス・チクルスは、コジ・ファン・トゥッテ。

                チクルスに含まれていないのは
                9月5日のフィガロの結婚で
                これはグラーフェネックのアムステルダム・コンセルトヘボーと
                ソヒエフのコンサートとバッティング。

                9月7日はドン・ジョバンニで
                これもグラーフェネックでシャンゼリゼとヘレヴェッヘと同じ時間。

                う〜〜〜〜ん、モーツァルト苦手だし
                いや、そういう問題じゃないが
                コジ・ファン・トゥッテって長いし(だからそういう問題では・・・)

                悩みつつ、コンツェルトハウスのサイトでは
                一番安いチケットがちらほら出ていて
                (一番安いチケット=29ユーロである)
                ヘレヴェッヘとクルレンツィスの一騎打ち(私見)で
                さて、ワタクシ的にはどちらが勝ったでしょう?

                というより、実は両方のチケット買っちゃったので
                頭を抱えているところ、という
                見境のない、とことんアホな私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                モーツァルト苦手なので
                さすがにフィガロとコンセルトヘボーの対決では
                もともとチケットを持っているコンセルトヘボーの圧倒的勝利だが
                (しかもビオラのタベア・ツィンマーマンが出演する)
                シャンゼリゼ+ヘレヴェッヘはブルックナーの2番とブラームスのダブル・コンチェルト。
                いや、だから何だ、という話ではあるんだけど・・・
                (だんだん収容つかなくなって来た(汗))

                プラカティーフとかチラッとは思ったけれど
                やっぱり、クルレンツィスって
                色々な意味で「鬼才」ではある。好みは色々と別れるだろうが。

                トゥルーズ・キャピトル国立管弦楽団 + ソヒエフ

                0
                  Musikverein Großer Saal 2019年6月15日 19時30分〜22時10分

                  Orchestre National du Capitole de Toulouse
                  指揮 Tugan Sokhiev
                  ピアノ Nikolai Lugansky

                  Alexander Borodin (1833-1887)
                   Eine Steppenskizze aus Mittelasien

                  Sergej Rachmaninow (1873-1943)
                   Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 d-Moll, op. 30

                  Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                   Symphonie Nr. 4 f-Moll, op. 36

                  トゥルーズ・キャピトル国立管弦楽団と
                  トゥーガン・ソヒエフの客演。
                  ピアニストはニコライ・ルガンスキーで
                  プログラムも、ばっちりロシアで統一。

                  最初はボロディンの「中央アジアの草原にて」
                  ああ、このオーケストラ、音が柔らかい。
                  楽友協会だと、ちょっと焦点を結びにくい。

                  ロシアの主題と東洋の主題なんだけど
                  バイオリンの高音のミの音ばかりが気になる(こらこら)
                  そこに不協和音も生じるテーマが入ってくる。
                  テーマのサクソフォンが巧くて聴き惚れたわ。

                  聴き込んだ曲ではないし
                  滅多にウィーンで演奏されない曲なので、以下、省略。

                  ラフマニノフのピアノ協奏曲3番は
                  ・・・凄かった(断言)

                  ピアノの強さとクリアさが半端じゃないのだが
                  加えて、オーケストラとピアノのバランスが素晴らしい。

                  オーケストラのトゥッティでもピアノが隠れてしまわないし
                  (ルガンスキー、どれだけ強いんだよ?!)
                  かと言って、力一杯弾いている、という印象がなくて
                  ラフマニノフっぽい華やかな部分は
                  とことん明るく、輝くような美しさ。

                  正統派ロシアのヴィルトゥオーゾ ♡
                  むちゃマッチョでダイナミックで、カッコいい。
                  (そんな事しか言えないのかワタシは)
                  キッチュになりがちな曲なのだけれど
                  それを、きちんとクラシックの枠組みの中で弾くので
                  下品にならず、ものすごく気持ちが良い。

                  超貧民席なので
                  ピアノ協奏曲になると
                  ピアニストも指揮者も何にも見えないけれど
                  きっと、イケメン2人に違いない(勝手に妄想)

                  後半はチャイコフスキーの交響曲4番、名曲アワー。
                  最初の金管の咆哮を
                  じ〜っくりと聴かせて
                  第1楽章のテンポが、かなり遅い。

                  全体的に非常に重たい印象になっていて
                  時々、思いがけないところでリタルダンドがかかったりする。

                  最近の若手指揮者は、すっきりしたキレのある演奏をするかと思っていたら
                  いたよ、ここにも例外が1人(笑)

                  良い悪いの問題ではないけれど
                  こんなに重量のある
                  如何にも「ロシアですが、それが何か?」っていう音
                  久し振りに聴いたような気がする。

                  ところが面白い事に
                  このオーケストラ、ロシアのオーケストラではなく
                  フランスのオーケストラなので
                  ソヒエフが、どんなに、重く暗く厚く
                  ロシアっぽい表現をしても
                  ロシアのオーケストラが時々聴かせる
                  一種の「泥臭さ」みたいなものが全くない。

                  チャイコフスキーの「ロシア」っぽい要素が
                  実はチャイコフスキーは「ヨーロピアン」ですって感じで
                  ものすごく面白いバランスになっている。

                  しかし、あそこまで徹底的にロシアっぽく
                  時にはタメタメのリタルダンドで演奏されると
                  確かに、この第1楽章、かなり長く聴こえて
                  ちょっとシツコイというか・・・

                  でも、そのしつこさも
                  第2楽章になると、あまり気にならなくなる。
                  オーボエのソロが美しい。
                  (国によるのかもしれないけれど
                   ウィーンのオーケストラのオーボエって
                   ちょっと控えめな音が多いので
                   こういう、明るめの音を外国のオーケストラが出すと
                   ちょっと羨ましい・・・)
                  この楽章は、重々しくやっても、合っている感じがする。

                  第3楽章では
                  わっはっは、ソヒエフ、ほとんど振ってない。
                  そりゃ、アインザッツさえ出せば
                  確かに決まったテンポなので、みんな揃ってピチカートするわ。
                  忙しく指揮者がリズムを取る必要は全くない。
                  曲想の転換の時だけ、ちょっとだけ合図を出せばそれで済む。

                  最終楽章は、音量を上げて、ド派手に打ち上げたけれど
                  不思議な事に、楽友協会の音響でも「うるさい」とは思わない。

                  チャイコフスキーのオーケストレーションがそうなっているのか
                  オーケストラの音そのものが
                  柔らかく丸いので神経に触らないのか
                  ソヒエフが楽友協会の音響を知ってオーケストラをコントロールしているのか
                  シロウトの私には判断がつかないが。

                  派手にぶちかます曲だけに
                  最後の残響を聴きたかったのだが
                  今日は、すかさずブラボーを叫びたい人たちが多かったようで
                  最後の音が鳴ったとたんのブラボー・コールと拍手は
                  (ラフマニノフのピアノ協奏曲の時も)
                  ちょっと残念ではあった。

                  超弩級のロシア・プログラムでお腹一杯だったのだが
                  なんとアンコールで
                  チャイコフスキーの「くるみ割り人形」からロシアのダンス。

                  22時になっていたので
                  もうアンコールはないだろう、と
                  ロジェの方に移動して
                  舞台を見ながら拍手していたらアンコール出たのでびっくり。

                  ただ、ロジェでこのオーケストラを聴くと
                  やっぱり、楽友協会の音響って・・・お風呂ですね(爆笑)
                  これも、フル・オーケストラで
                  ばっちりロシア風味の音楽(ただしテンポは速めだった(笑))だけど
                  このオーケストラの音そのものが
                  とても柔らかい。

                  最近、コンツェルトハウスでの音響に
                  耳が慣れてしまったかもしれない・・・と
                  ちょっと戦々恐々としている私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  同じオーケストラ、明日は違うプログラム。
                  (でもやっぱりロシアで
                   ムソルグスキーの「展覧会の絵」も演奏する。
                   あ、オーケストレーションがラヴェルだから
                   それこそ、ロシアとフランスの融合かな)

                  ただ、私は行かない・・・というより
                  二転・三転して、別のコンサートに行く事になってしまった。
                  (詳細は気が向いたら、明日書きます(笑))

                  タグの季節が違う・・・と思った方
                  本日のウィーンは32℃まで上がって真夏でした。
                  レインボー・パレードの参加者とか
                  ほとんど裸に近かったです(笑)
                  私もタンクトップですが(爆笑)

                  ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団 + ヒメノ

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年6月12日 19時30分〜21時55分

                    Orchestre Philharmonique du Luxembourg
                    ピアノ Yuja Wang
                    指揮 Gustavo Gimeno

                    Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
                     Burja (Der Sturm)
                      Symphonische Fantasie nach William Shakespeare op. 18

                    Maurice Ravel (1875-1937)
                     Konzert für die linke Hand für Klavier und Orchester D-Dur (1929/30)

                    Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)
                     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2 F-Dur op. 102 (1957)

                    Maurice Ravel
                     Daphnis et Chloé. Fragments symphoniques, deuxième série (1913)

                    冬のコートを着て震えていた5月が過ぎたとたん
                    毎日30℃という真夏が来てしまい
                    本当に最近、ここには「冬」と「夏」しかなくなった(涙)

                    さて、コンツェルトハウスの
                    インターナショナル・オーケストラのチクルス
                    今シーズンの最終公演は
                    ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団とグスターボ・ヒメノ。

                    チケットが売れて
                    オーケストラの後ろのオルガン・バルコンにまで
                    観客が居るのは
                    たぶん、オーケストラのせいでも
                    ヒメノのせいでもなく

                    ひとえにピアニストのユジャ・ワンのお陰ではあろう。
                    (すみません、オーケストラの皆様と指揮者のヒメノさん・・・)

                    プログラムだが、これもまた変わった構成。
                    最初にチャイコフスキーでど〜んと盛り上げるかと思ったら
                    あまり知られていないシェークスピアの「嵐」で

                    ・・・ううう、はっきり言ってしまえば

                     地味

                    なんかこう、華やかさがないというか
                    真面目にしっかり演奏はしているんだけど(以下自粛)

                    さて、ユジャ・ワン登場。
                    会場全員、目が点。

                    金色のラメの、とんでもないミニスカート(膝上20センチくらい)
                    背中は腰のあたりまで、全部空いてるし
                    胸のキワキワのところからドレスは始まっているけれど
                    胸と胸の間の中央は、またもやざっくりと空いている。

                    13センチの金色のピンヒールを履かれたおみ足が美しい。
                    いや、見た目について何も言っちゃいけないんだったっけ(汗)
                    でも、あれ、絶対、ユジャ・ワンはアピール目的でやってるわ。

                    ラヴェルのピアノ協奏曲・・・わ〜い、と思ったら
                    有名なト長調の方じゃなくて、左手かよっ!!!!

                    左手、暗過ぎて、あんまり好きじゃない(すみません)
                    一応長調なんだけど、最初の低音の出だしから
                    何だかやっぱり暗いし
                    そりゃ、左手だけで、あのヴィルトゥオーゾ性って凄いんだけど
                    ユジャ・ワン、両手あるんだから
                    別に左手だけで弾かんでも(いや、すみません)

                    ご存知、この曲は戦争で右手を失った
                    パウル・ヴィットゲンシュタインの依頼による作曲だが
                    その際に独占演奏権も取得したため
                    (いったい幾ら払ったんだ?って
                     まぁ、ヴィットゲンシュタイン家って大金持ちだし・・・)
                    パウル・ヴィットゲンシュタインがピアノのパートを書き換えて
                    ラヴェルと大げんかになったとの事。

                    手紙のやり取りで
                    パウルが「演奏者は作曲者の奴隷か?」と怒ったら
                    ラヴェルから「演奏者は作曲者の奴隷だ!」という返事が来たらしい。

                    あ〜、すごいな芸術家のプライドの壮絶な争い。
                    ハイドンやモーツァルトなんかの時代だったら
                    たいして問題になっていなかったような気がするが。

                    さて、後半はショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲2番に
                    またユジャ・ワンが登場。

                    舞台にユジャ・ワンが出てきたとたんに
                    ざわめく客席(笑)

                    後半は眩い青の・・・ミニスカートのボディコン・ワンピ。

                    さすがに靴は前半と同じ金色13センチのピンヒールだが
                    またこの青いボディコン・ミニも
                    背中は、ばっちり見える(笑)

                    ショスタコーヴィッチの演奏が始まったとたんに
                    あっ! と気がついた。

                    前半のラヴェルのピアノ協奏曲
                    万が一、ト長調の方を演奏していたら
                    印象として、このショスタコーヴィッチの2番と
                    かなり被ってしまったのではないか・・・
                    (だから左手を演奏したのだろう、と勝手に納得)

                    ショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲2番は
                    ショスタコーヴィッチにしては明るい曲だし
                    リズム感がゴキゲンで
                    ちょっとプロコフィエフ的なところもあって
                    ユジャ・ワンの卓越したリズム感覚が見事に活きる。

                    第2楽章の、ほとんどキッチュに近い美しさには息を飲む。
                    そうだよね、ショスタコーヴィッチって
                    映画音楽も作曲していたんだわ。
                    (交響曲しか聴かないという偏った趣味なので忘れてた)

                    いや〜、この曲、記憶があるから初聴きではないと思うのだが
                    すごくチャーミングな私好みの曲だし
                    ドレスの選択はともかくとして(私はおじんだから嬉しいが)
                    ユジャ・ワンの鉄壁の技術と運動神経
                    リズム感と音楽性は、こういうリズミックな曲には合っていて
                    ほとんどサーカスでありながら
                    流れるような、音楽としてのクオリティを聴かせてくれるのは見事。

                    盛大なブラボー・コールで登場したユジャ・ワン
                    お辞儀する時には満面の笑顔だが
                    お疲れかなぁ(だって1コンサートで2曲の協奏曲!)と思ったら

                    まずはグルックの曲のアンコール。
                    (皆さまよくご存知のヤツです)

                    拍手し続けていたら
                    またもや、ピアノの前に座って

                    弾きだしたのがモーツァルトのトルコ行進曲。
                    客席から笑いが漏れたが

                    いや、ワタシは知っている・・・
                    これ、ユジャ・ワンがそのままオリジナルで弾くわけがない。

                    ・・・案の定で(爆笑)

                    超絶技巧にジャズ和声が入った、とんでもない曲。
                    (編曲したのはアルカディ・ボロドスとユジャ・ワン)
                    わ〜っはっはっはっは、これこそサーカス。

                    盛大な拍手にブラボー・コール。
                    さすがにこれでアンコールは終わりか、と思ったら

                    また登場したユジャ・ワン
                    指揮者の方をチラッと見て、良い?みたいな表情してから
                    メンデルスゾーンの無言歌 (op. 67/2)
                    このピアニストの体力って、どうなってるの。
                    ウケたら、いつまでも弾いていたいタイプか、すごいな。

                    いやもう、ここら辺で
                    本日のコンサートの主役はユジャ・ワン、あなたです!
                    という感じが圧倒的になってしまった。
                    そのままお帰りになる観客の方もちらほら。

                    ピアノを移動させて
                    最後にラヴェルのダフニスとクロエ組曲2番。

                    オーケストラは可もなく不可もなく・・・ってところ(おお、偉そう)
                    普通に上手に演奏するけれど
                    特別に光る、という個性もあまりないし
                    職業的にプロフェッショナルとしての水準の演奏だなって感じ。

                    ヒメノの指揮にはキレがある。
                    (この間の誰かの指揮と何という違い(笑))
                    くっきり、はっきりとオーケストラを率いるし
                    ヘンな思い入れのあるタメがなくて
                    ちょっとあっさりし過ぎ、みたいな部分はあるけれど
                    とても現代的で無駄のない、すっきりした音楽を作る。

                    だけど、オーケストラが、やっぱり地味。
                    悪いオーケストラではないけれど
                    目立って巧いソロもないし
                    どこを取っても「平均値」という感じがする。

                    以前、クリヴィヌとヒメノで聴いた事があるが
                    やっぱりフランス風の音の軽さと
                    鉄壁の技術とは行かない緩さがあったようだ。

                    目立つミスをした訳ではないし
                    それなりのプロの演奏にはなっていたし
                    ヒメノの指揮はモダンでスッキリしているけれど

                    それだけに
                    ユジャ・ワンばかり目立ってしまったのは
                    まぁ、この小国の(失礼)オーケストラの運命かもしれない。

                    2017年1月20日の記載に
                    何でこのオーケストラの名称、フランス語の記載なんだろう?と書いたが
                    やっぱり今回もドイツ語名称ではなく
                    フランス語の名前で登場。

                    何かドイツ語に対して反感?でもあるのかしら
                    ・・・とアホらしい事を考えてしまった私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    パリ管弦楽団 + ダニエル・ハーディング

                    0
                      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年5月27日 19時30分〜21時10分

                      Orchestre de Paris
                      Wiener Singakademie (Einstudierung Heinz Ferlesch)
                      Schülerinnen und Schüler der Opernschule der Wiener Staatsoper
                      (Einstudierung Johannes Mertl)
                      ソプラノ Emma Bell
                      テノール Andrew Staples
                      バリトン Christian Gerhaher
                      指揮 Daniel Harding

                      Benjamin Britten (1913-1976)

                      War Requiem op. 66 (1962)
                      Requiem aeternam / Dies Irae / Offertorium
                      Sanctus / Agnus Dei / Libera me

                      国立オペラ座では「海賊」の千秋楽で
                      冒険的なキャスト(今までなかったバリエーション)で
                      興味はあったのだが

                      パリ管弦楽団+ハーディングで
                      ブリテンの「戦争レクイエム」
                      しかも、バリトンにゲルハーヘルが登場するとなったら
                      これを逃したら一生の不覚(大げさ・・・)

                      発売初日をマークしておいて
                      超貧民席のベストの位置を確保していながら
                      オペラ・グラスを忘れて
                      オーケストラもコーラスも豆粒にしか見えないのは悔しい(笑)

                      まぁ、でも、音響はベストの席ですし・・・

                      正直言えば「戦争レクイエム」に関しては
                      私は初心者である。

                      だいたい宗教曲が苦手で(妄想の余地がない)
                      ラテン語からは逃げまくっているし
                      辛気臭いレクイエムを疲れている夕方に聞くのも気が滅入るし
                      ヴェルディのレクイエムみたいに
                      聴いている方の体力をすべて奪ってしまうような曲もあるし

                      ノンポリで政治的関心ゼロだし
                      戦争嫌いだし(好きな人はいないと思うが)
                      平和な時代に育っているし

                      何故にわざわざ「戦争レクイエム」を聴かねばならんのだ。

                      と思っていた私は
                      2学期前の音楽史IVで
                      この曲の成立の背景、音楽的構成等を授業で聞いて
                      俄然、聴きたい、という気が出て来た。

                      レクイエムではあるのだけれど
                      途中にソロで歌われるオーエンの詩が・・・

                      あああああ、もう、もう、もう
                      悲惨で心理的で、比喩がすごくて
                      直裁的な部分もあって
                      第一次世界大戦の兵士たちの惨めさを
                      ウエットにならず、徹底的に描き出している。

                      そしてブリテンの音楽の持つ力!!!!
                      徹底的に繊細な音色で
                      圧倒的なオーケストラとコーラスの力。

                      私自身はキリスト教カトリックの文化土壌で育っていないので
                      ラテン語のミサ式典は知識として持っているだけなので
                      (音楽史で超叩き込まれます(笑))
                      レクイエムそのものについては
                      そんなに感情揺さぶり状態にはならないのだが

                      オーエンの詩!!!!
                      オーエンの詩!!!!!
                      オーエンの詩!!!!!!

                      これが、テノールとバリトンで歌われると
                      もう、もう、もう・・・堪らないです。
                      これで涙しない人はいない、と確信する程に
                      深く、心の底まで、グッサリと刺さってくる。

                      テノールのアンドリュー・ステープルスって
                      ノーマークだったが
                      むちゃくちゃ巧いじゃないの (O_O)
                      声の透明感、英語の発音の美しさ、音楽性
                      どれ取っても二重丸で
                      この人がオーエンの詩を歌うと
                      繊細な針のように、心の奥底に、ひっそりと入り込んで来る。

                      更にクリスティアン・ゲルハーヘル!!!
                      リートでは、その実力は充分に知っているが
                      「言葉とその表現」に最も重点を置く歌い方が
                      英語でも活かされていて
                      美声なのに、絶対に張り上げず
                      大げさになり過ぎず
                      ドイツ・リートのような抑制を効かせて

                      それがまた、ハーディングの禁欲的なまでに透明なオーケストラと
                      むちゃくちゃ合ってしまうのだ(驚愕)

                      オルガンの前(オーケストラの上)から歌っていたソプラノは
                      ちょっといただけない(すみません)
                      あまりに声が強過ぎてドラマチックになり過ぎていて
                      これ、ヴェルディのレクイエムじゃないから(怒)
                      声そのものの美しさにも欠けているから
                      ドラマチックなオペラは良いだろうが
                      宗教曲向きの声ではない(断定)

                      児童合唱団はオペラ座からレンタルしたようだが
                      さすがに舞台の上には乗らず
                      (舞台はオーケストラとコーラスで満員御礼状態で
                       オルガン・バルコンにもコーラスが乗っていた)
                      舞台袖から歌っていたが

                      これがまた、空間音響設定として見事な効果を生み出した。
                      いや、ハーディング、スゴイわ。
                      もともと、徹底的な拘りを持って
                      細部まで突き詰めて
                      時々、突き詰め過ぎて
                      スケールの小さな室内楽になってしまう印象があるが
                      今回のブリテンは
                      それが繊細さとオーケストラの複雑な色の響きになって
                      実にもって見事な音楽的処理だったと思う。

                      聴いていて愉快になる曲でもないし
                      授業や仕事が終わった後に気晴らしになる曲でもないし
                      暗いし、あんまり希望ないし(あるかもしれない)
                      オーエンの詩は、もうグサグサに突き刺さってくるし
                      (私、アブラハムの話が一番グッサリ来ます・・・)

                      何だかワケわからないまま
                      何故に最後に涙が出てくるのか、自分でも理解できない。
                      ここ数週間、個人的に大変な状況にあって
                      (註 絶対に聞かないで下さい。たぶん、思っている以上にシリアスです)
                      普通の人間なら耐えられないかも、というような時でも
                      絶対に涙を出さなかった私が
                      (だいたい泣かないですよ、ワタシ(笑)、オバサンだから)

                      こういう音楽を聴いてしまうと
                      涙が出てくるのは、本当に謎だ。
                      (だからと言って、涙が出て来たからカタルシスか、というと
                       別にそうでもないような気がする)

                      わざわざ苦手だった曲を聴きに行って
                      でも本当に良かった、と感じ入っている私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      ただ、これをまた何回も聴きたい・・・とは
                      あまり思わんなぁ。
                      刺激が大きいだけに、数年に1回で充分。

                      ノンポリと言いつつ
                      最近、ツィッターでは
                      オーストリアの政治ウォッチャーと化している。
                      だって、政治家って、ホントにアホだ、というのが
                      如実に見えて面白いんだもん。
                      (選挙権持ってないのに、実は他人事じゃないんだけどさ)
                      ご興味ある向きは @happachan0810 です。

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