2023年8月19日 16時〜17時55分
SALZBURGER FESTSPIELE
Haus für Mozart
テノール Benjamin Bernheim
ピアノ Sarah Tysman
Robert Schumann (1810-1856)
Dichterliebe op. 48 (1840)
Henri Duparc (1848-1933)
L’Invitation au voyage (1870)
Phidylé (1882)
La Vie antérieure (1884)
Ernest Chausson (1855-1899)
Poème de l’amour et de la mer op. 19 (1893)
アンコール
Richard Strauss: Morgen! op. 27/4
Franz Lehár: Dein ist mein ganzes Herz („Das Land des Lächelns“)
Jules Massenet: Pourquoi me réveiller, ô souffle du printemps? („Werther“)
バンジャマン・ベルネームは
何故か、ほとんどロール・デビューの時に
ウィーンの国立オペラ座で聴いていて
今までにロドルフォ2回、エドガルド2回
全女性の敵、マントヴァ公爵1回。
(いや、何故、こんなに聴いてるんだ?)
そのたびに
その美声に心震わせ
メロメロになっていた私が
わざわざ、ザルツブルクに行くのは当然である、えっへん。
歌うのが「詩人の恋」に
エルネスト・ショーソンの「愛と海の詩」って
珍しい組み合わせだが
会場に行ったら
プログラムに別紙が挟まっていて
ショーソンの前に
アンリ・デュパルクの歌曲3曲が追加されていた。
・・・フランス語わからないんだけど
急な追加で、テキストが載ってない 💦
前半の「詩人の恋」
こんな超有名な曲
私も子供時代から
ありとあらゆるリート歌いで聴いてるから
耳逆らいも多い。
しかしベルネームのハイテノールの美しい事 💘
抑制を効かせての歌唱は
前に楽譜を置いてはいるけれど
ドイツ語のディクションも自然で無理がない。
張りのある高音も
ドイツ・リートに相応しい声量に抑えている。
Die Rose, die Lilie, die Taube, die Sonne は
リズムに乗る感じではなく
スムーズにメロディを繋いで行った・・・というより
ほとんど一息で歌える肺活量って
(あの部分です、普通は一回、息継ぎを入れる)
何なんですか、この人 😳
(息の長さは他の曲でも
うおおおお、というのがあった。凄いわ)
ドイツ語のゴツゴツした感じがなくて
メロディ・ラインが
この上なく美しく歌われる感じ。
でもそれが
Ich grolle nicht で
主観的に、あれれ?という印象になったのは
解釈の方法であって良し悪しではないけれど
普通、あの曲では
ちょいDV男っぽくなる傾向があるのに(主観です主観)
あんなにナヨナヨして
怒っている、とか憤っている、とかじゃなくて
突然、失恋して
唖然として戸惑って
状況を把握しきれずに
呆然としている・・・という印象。
怒りは何処に行った?と不思議に思っていたら
Und wüßten’s die Blumen, die kleinen と
Das ist ein Flöten und Geigen で
ほんの少しだけ
実はちょっと怒ってます・・・
なんですか、この詩人、
めちゃくちゃ良い人じゃないですか(いや違う)
Ein Jüngling liebt ein Mädchen で
突然、ベルネームが
手振り身振りを添えて
まるでピエロが昔話を語っているような解釈したのが新鮮。
いや、その曲、物語を話しているワケじゃないと思うんだけど
冷静、客観的に自分の失恋を見ると
そんなもんなのかなぁ(いや違う)
その後、夢の中で彼女を見る曲は
非常に痛ましく
怒りとかじゃなくて
もう、ひたすら、どうしようもない悲しみが
切々と胸を打つ説得力あり。
もともと声の透明感は卓越したものがあって
テクニックありの美声のハイテノールだし
時々、ほとんどアニメの主人公っぽい声に聴こえて(主観です)
なんかもう、お婆ちゃんの視点から
かわいいこと、この上ない・・・
最後の Die alten, bösen Lieder の出だしなんかも
迫力で出て来る、というよりは
メロディ・ラインを重視して
アクセントの少ない歌い方で
悲しみの方が先に立つという印象。
超有名曲「詩人の恋」だから
様々な解釈や歌い方があって良い。
歌手がみんな
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウっぽくなった
一時の趨勢から脱出して
それぞれの歌手の持ち味で歌えるようになったのは
喜ばしい。
後半のアンリ・デュパルク
さすがフランス語でフランスの曲になると
あの美声でのメロディ・ラインの美しさが生きる。
ベルネームも後半は楽譜を置いていない。
あああ、悔しいなぁ、フランス語がわからなくて(自業自得)
(「旅へのいざない」とか有名曲だし
ライブで聴いた事もあるはずなんだけど
どうも、まだ耳慣れが今ひとつ)
ショーソンの「愛と海の詩」は
実はどうしても(まだ)苦手な曲で
単純接触効果を狙って
一時期、ヘビー・ローテーションで聴いていたものの
未だに、どうしても馴染めない曲なので
知ったかぶりのコメントは止しておく。
ピアニストはあちこちの劇場で活躍して来た人で
確かに、歌手をよ〜く見てる 👀
歌にピッタリ寄り添うかと思うと
前奏や後奏では
ちゃんとピアニストとしての存在も出てくる。
アンコールの最初に
まさかリヒャルト・シュトラウスの
Morgen! が出てくるとは・・・
だってシューマン、デュパルク、ショーソンで
アンコールにリヒャルト・シュトラウスって
違和感バリバリ・・・のはずなのだが
抑制された美声で
ものすごく長いボーゲンの息で歌われる
絶品の Morgen! は、ちょっと凄かった。
かと思ったら
レハールの微笑みの国のアリア!!!
ピアノの前奏が響いた時点で
後ろの方に陣取っている(と思われる)
歌大好き(と思われる)観客から
喜びの声があがる。
オペラ歌手としてのベルネームの
本領発揮って感じか。
突然、縛られた鎖が外れた感じ。
張りのある、透明感溢れる美声の高音で
高々と、あんなチャーミングなラブソングを歌うなんて
何という魅力的なスーチョン💘
4人の妻が居ても良いじゃないの。
そう言えば、ベルネームのマントヴァ公爵の時も
ジルダに限らず
こりゃ、女性は全員メロメロだわ、と思ったのだった、うん。
それで最後かな〜と思っていたら
何と、最後にマスネのオペラ「ウエルテル」のアリア。
オペラに詳しくないけれど
あっ、これ、確かウエルテルだ、という確信があって
コンサート後に調べてみたら大当たりだった \(^o^)/
いやもう、幸せ過ぎる。
ベルネーム、魅力的すぎる。
舞台姿も美しいが
あのハイテノールの美声と
抑制を効かせた魅力的な歌唱にメロメロ 😍
最後は全員がスタンディング・オベーションになったが
本当に来て良かった。
ザルツブルクは30℃近い気温だが
雷雨の危険もなくて
青空の眩しい晴れの1日。
ついつい観光客と化して
写真を撮りまくってしまったアホな私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
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バンジャマン・ベルネームは38歳。
男性歌手の声の最盛期は40歳代と言われているので
まだまだ、素晴らしい美声を楽しめる。
身体と健康に気をつけて
長く、あの美声をキープして活躍して欲しいものだ。
・・・って、ワタシ、何歳まで生きるつもり?(笑)
高齢になっても
せっせとコンサートに通っているような
恐ろしい予感がするんだけど
その前に破産していなければだが 🤭
(いや、笑い話になってないだろそれ)
SALZBURGER FESTSPIELE
Haus für Mozart
テノール Benjamin Bernheim
ピアノ Sarah Tysman
Robert Schumann (1810-1856)
Dichterliebe op. 48 (1840)
Henri Duparc (1848-1933)
L’Invitation au voyage (1870)
Phidylé (1882)
La Vie antérieure (1884)
Ernest Chausson (1855-1899)
Poème de l’amour et de la mer op. 19 (1893)
アンコール
Richard Strauss: Morgen! op. 27/4
Franz Lehár: Dein ist mein ganzes Herz („Das Land des Lächelns“)
Jules Massenet: Pourquoi me réveiller, ô souffle du printemps? („Werther“)
バンジャマン・ベルネームは
何故か、ほとんどロール・デビューの時に
ウィーンの国立オペラ座で聴いていて
今までにロドルフォ2回、エドガルド2回
全女性の敵、マントヴァ公爵1回。
(いや、何故、こんなに聴いてるんだ?)
そのたびに
その美声に心震わせ
メロメロになっていた私が
わざわざ、ザルツブルクに行くのは当然である、えっへん。
歌うのが「詩人の恋」に
エルネスト・ショーソンの「愛と海の詩」って
珍しい組み合わせだが
会場に行ったら
プログラムに別紙が挟まっていて
ショーソンの前に
アンリ・デュパルクの歌曲3曲が追加されていた。
・・・フランス語わからないんだけど
急な追加で、テキストが載ってない 💦
前半の「詩人の恋」
こんな超有名な曲
私も子供時代から
ありとあらゆるリート歌いで聴いてるから
耳逆らいも多い。
しかしベルネームのハイテノールの美しい事 💘
抑制を効かせての歌唱は
前に楽譜を置いてはいるけれど
ドイツ語のディクションも自然で無理がない。
張りのある高音も
ドイツ・リートに相応しい声量に抑えている。
Die Rose, die Lilie, die Taube, die Sonne は
リズムに乗る感じではなく
スムーズにメロディを繋いで行った・・・というより
ほとんど一息で歌える肺活量って
(あの部分です、普通は一回、息継ぎを入れる)
何なんですか、この人 😳
(息の長さは他の曲でも
うおおおお、というのがあった。凄いわ)
ドイツ語のゴツゴツした感じがなくて
メロディ・ラインが
この上なく美しく歌われる感じ。
でもそれが
Ich grolle nicht で
主観的に、あれれ?という印象になったのは
解釈の方法であって良し悪しではないけれど
普通、あの曲では
ちょいDV男っぽくなる傾向があるのに(主観です主観)
あんなにナヨナヨして
怒っている、とか憤っている、とかじゃなくて
突然、失恋して
唖然として戸惑って
状況を把握しきれずに
呆然としている・・・という印象。
怒りは何処に行った?と不思議に思っていたら
Und wüßten’s die Blumen, die kleinen と
Das ist ein Flöten und Geigen で
ほんの少しだけ
実はちょっと怒ってます・・・
なんですか、この詩人、
めちゃくちゃ良い人じゃないですか(いや違う)
Ein Jüngling liebt ein Mädchen で
突然、ベルネームが
手振り身振りを添えて
まるでピエロが昔話を語っているような解釈したのが新鮮。
いや、その曲、物語を話しているワケじゃないと思うんだけど
冷静、客観的に自分の失恋を見ると
そんなもんなのかなぁ(いや違う)
その後、夢の中で彼女を見る曲は
非常に痛ましく
怒りとかじゃなくて
もう、ひたすら、どうしようもない悲しみが
切々と胸を打つ説得力あり。
もともと声の透明感は卓越したものがあって
テクニックありの美声のハイテノールだし
時々、ほとんどアニメの主人公っぽい声に聴こえて(主観です)
なんかもう、お婆ちゃんの視点から
かわいいこと、この上ない・・・
最後の Die alten, bösen Lieder の出だしなんかも
迫力で出て来る、というよりは
メロディ・ラインを重視して
アクセントの少ない歌い方で
悲しみの方が先に立つという印象。
超有名曲「詩人の恋」だから
様々な解釈や歌い方があって良い。
歌手がみんな
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウっぽくなった
一時の趨勢から脱出して
それぞれの歌手の持ち味で歌えるようになったのは
喜ばしい。
後半のアンリ・デュパルク
さすがフランス語でフランスの曲になると
あの美声でのメロディ・ラインの美しさが生きる。
ベルネームも後半は楽譜を置いていない。
あああ、悔しいなぁ、フランス語がわからなくて(自業自得)
(「旅へのいざない」とか有名曲だし
ライブで聴いた事もあるはずなんだけど
どうも、まだ耳慣れが今ひとつ)
ショーソンの「愛と海の詩」は
実はどうしても(まだ)苦手な曲で
単純接触効果を狙って
一時期、ヘビー・ローテーションで聴いていたものの
未だに、どうしても馴染めない曲なので
知ったかぶりのコメントは止しておく。
ピアニストはあちこちの劇場で活躍して来た人で
確かに、歌手をよ〜く見てる 👀
歌にピッタリ寄り添うかと思うと
前奏や後奏では
ちゃんとピアニストとしての存在も出てくる。
アンコールの最初に
まさかリヒャルト・シュトラウスの
Morgen! が出てくるとは・・・
だってシューマン、デュパルク、ショーソンで
アンコールにリヒャルト・シュトラウスって
違和感バリバリ・・・のはずなのだが
抑制された美声で
ものすごく長いボーゲンの息で歌われる
絶品の Morgen! は、ちょっと凄かった。
かと思ったら
レハールの微笑みの国のアリア!!!
ピアノの前奏が響いた時点で
後ろの方に陣取っている(と思われる)
歌大好き(と思われる)観客から
喜びの声があがる。
オペラ歌手としてのベルネームの
本領発揮って感じか。
突然、縛られた鎖が外れた感じ。
張りのある、透明感溢れる美声の高音で
高々と、あんなチャーミングなラブソングを歌うなんて
何という魅力的なスーチョン💘
4人の妻が居ても良いじゃないの。
そう言えば、ベルネームのマントヴァ公爵の時も
ジルダに限らず
こりゃ、女性は全員メロメロだわ、と思ったのだった、うん。
それで最後かな〜と思っていたら
何と、最後にマスネのオペラ「ウエルテル」のアリア。
オペラに詳しくないけれど
あっ、これ、確かウエルテルだ、という確信があって
コンサート後に調べてみたら大当たりだった \(^o^)/
いやもう、幸せ過ぎる。
ベルネーム、魅力的すぎる。
舞台姿も美しいが
あのハイテノールの美声と
抑制を効かせた魅力的な歌唱にメロメロ 😍
最後は全員がスタンディング・オベーションになったが
本当に来て良かった。
ザルツブルクは30℃近い気温だが
雷雨の危険もなくて
青空の眩しい晴れの1日。
ついつい観光客と化して
写真を撮りまくってしまったアホな私に
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バンジャマン・ベルネームは38歳。
男性歌手の声の最盛期は40歳代と言われているので
まだまだ、素晴らしい美声を楽しめる。
身体と健康に気をつけて
長く、あの美声をキープして活躍して欲しいものだ。
・・・って、ワタシ、何歳まで生きるつもり?(笑)
高齢になっても
せっせとコンサートに通っているような
恐ろしい予感がするんだけど
その前に破産していなければだが 🤭
(いや、笑い話になってないだろそれ)