皇帝ティートの慈悲 カンマーオーパー

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    Kammeroper 2014年4月15日 19時〜21時30分


    LA CLEMENZA DI TITO

    Opera seria in zwei Akten (1791)

    Musik von Wolfgang Amadeus Mozart

    Libretto von Caterino Tommaso Mazzolà nach Pietro Metastasio


    指揮 Rubén Dubrovsky

    演出 Alberto Triola

    振付 Nikos Lagousakos

    舞台 Tiziano Santi

    衣装 Nina Hörner

    照明 Franz Tscheck


    皇帝ティート Andrew Owens

    セスト Gaia Petrone

    ヴィッテリア Çigdem Soyarslan

    アンニオ Natalia Kawałek-Plewniak

    セルヴィリア Gan-ya Ben-gur Akeselrod

    プブリオ Igor Bakan


    オーケストラ Bach Consort Wien


    ウィーン劇場と一緒のチケット販売をしている

    カンマーオーパー(室内オペラ座)の公演は

    若手の優秀なメンバーたちが

    かなり面白い事をしてくれる上に


    ウィーン劇場より、ずっとチケットが安い(それが理由かよ!)


    トイレの数は少ないし

    クロークはウィーン劇場より、もっと酷いけれど(人員不足)

    劇場規模としては、バロック・オペラには最高だし

    客席には傾斜があって、後ろでも舞台は良く見える。


    だからと言って

    モーツァルトのオペラのチケットを買っちゃったワタシもどうかと思うが(汗)


    「皇帝ティートの慈悲」は

    実は国立オペラ座で2012年に2回鑑賞している。

    (おヒマな方は ここ と ここ


    ・・・すみません、あの時はガランチャとシャーデ狙いで

    美しいガランチャのセストに釘付けになり

    女狂い中年すけべオヤジと化したシャーデの美声に聴き惚れてました。


    さて、小劇場で、アンサンブルは21名の古典音楽集団。

    (オーケストラ・ビットが狭いのでほとんど入らない)


    で、このバッハ・コンソートの演奏が

    実に良かったのだ。

    いや、驚いた、モーツァルトがあんなにクリアに

    音楽構造がはっきりわかるような演奏で聴こえるなんて・・・

    モーツァルトって対位法、巧かったんですね(って何を今さら・・・)


    小さな舞台に、比較的簡素な舞台装置だが

    前半は、回る台の上に、ベンチと王座?のようなものがある。

    回ると言っても

    ウィーン劇場やフォルクス・オーパーみたいに

    自動で回る仕組みはないので

    歌手が歌いながら、人力で回す(笑)


    衣装は・・・う〜ん・・・ あれで良いのか?!


    セストが、トサカ頭のパンクのお兄ちゃん(本当はお姉ちゃん)


    腕に入れ墨がないのが不自然な位だが

    顔もしっかりと墨を入れて

    確かに見た目、どうやってもパンクのお兄ちゃんにしか見えず

    女性が歌ってる、という感じはしない。


    で、同じようなズボン役のアンニオは、と言えば

    ちゃんと貴族っぽい(ズボンの脇に線まで入っている)格好になっている。

    パンクのセストに比べると、かなり上品な感じで

    これ、不公平じゃないか?!


    あ、でも考えてみると

    アンニオはちゃんとセルヴィリアと相思相愛だけど

    セストはヴィッテリアに相手にしてもらえないのはパンクだから?!(謎)


    皇帝ティートは、顔の半分に金色の装飾はしてあるが

    洋服は・・・一応、上着あるけど、ヨレヨレだし

    唯一、右腕のところに甲冑の残骸みたいなものを付けているが

    上着の下の黒いシャツ、それ、自前ですか?(すみません)


    ヴィッテリアはローマ人のトンガみたいな肩出しドレス。

    プブリオはマントを着ているが

    マントがちょっと開くと、立派に出ているお腹が見える(笑)


    いやいやいやいや、別に衣装に文句をつけようと言う意図はない。

    限られた予算内で、舞台も衣装も頑張ってますね、というところ。


    でも凄いのは、さすが腐ってもウィーンというところで

    室内オーケストラの水準も高いけれど

    国際色豊かな歌手たちの水準も、むちゃ高い。

    (ちなみに、アメリカ、トルコ、イスラエル、イタリア

     ポーランド、リトアニアが歌手の出身地。オーストリアはゼロ(笑))


    演出は思ったよりシリアスで

    観客席をかけずり回る歌手もいなかったし

    (これ、この劇場ではよくやるのである)

    登場人物は全員、それなりに、とてもとても真面目で

    パンクのセストも、何でパンクの格好をさせたのか

    さっぱりわからない位、おとなしい従順な若い男の子になっている。


    皇帝ティートも、顔に金のシールを張ってるくせに(関係ないか)

    何で、そんなにシリアスに悩んで悩んで悩んで

    美しい声でアリアを歌っちゃうのだろう。


    カンマーオーパーだから、もうちょっとぶっ飛んだ演出するかと思ったら

    国立オペラ座のぶっ飛び演出より、ずっとずっとシリアスで

    ちょっと肩すかしを喰らった感じ。


    演出のキモになっているのはマスクで

    白いマスクを持ったり、被ったり、地面に置いてあったり

    最後のシーンは、舞台の上の物体がマスクと化す。


    何だかよくわからん・・・(爆)


    ツィッターでは呟いたけれど

    私は、モーツァルトの音楽を聴いたとたんに

    反射的に爆睡してしまう体質なので

    第一幕が、序曲とその後のレチタテイーヴォの後

    ほとんど記憶がない(すみません)


    ヴィッテリアを歌ったソプラノは

    多少クセのある声だが、抜群な声量がある。


    が、こういう小さい劇場では、声量なんて要らないのよ(断言)

    大声出されると、小さな劇場のガラスが共鳴しちゃう感じ。

    セストを脅かして、ティートの暗殺を持ちかけるところなんかの迫力は

    声量と相まって、けっこう凄かった。

    私がセストだったら、ビビりまくりだろう。


    セスト役のメゾは、強靭な声なのだが

    とても美声で滑らかで

    パンクの格好して歌うと違和感。


    小柄な歌手なので

    ヴィッテリアの方が頭一つ分高いのだが

    パンクやロックの不良少年の格好じゃなくて

    草食系男子の可愛い衣装だったら

    声にも合って、チャーミングだっただろうに・・・


    ティートのテノールの声も良い。

    無理がかかっていない自然な声で

    聴いていて気持ちが良い(だから寝込んでしまう)


    セルヴィリアの声量だけがちょっと足りない感じだが

    あれはあれで、たおやかな若い女性役だから良いのである。


    アンニオは、背が高くて、かなりのハンサム。

    (いや、本当は女性だが、でもオトコ顔でカッコいい)


    歌手は全員、モーツァルトのコロコロ・アジリタを完璧にこなすし

    美声だし、演技も出来るし、言う事なしの出来。


    音楽的には良い仕上がりだし

    演出も、あれはあれで良いのだろう、きっと。

    筋は、まぁ、ワケのわからん筋だし

    でも、セストの悩みとか、ティートの悩みとか

    あくまでもシリアスにシリアスに描いていたから

    その意味では、好感は持てる。


    国立オペラ座などの大歌劇場で

    人間とは思えない声量の歌手の 吠え 絶叫 声を聴くだけではなくて

    こういう室内劇場で、小さな舞台で

    何となく親密に上演されるオペラも観てみたいという方には

    ぜひお勧めです。

    チケットも安いし(笑)


    クロークとトイレだけは早めにどうぞ、と

    余計なアドバイスだけする私に

    どうぞ1クリックをお恵み下さい。





    チェネレントラ ウィーン室内歌劇場

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      Kammeroper 2013年11月29日 19時〜21時40分


      LA CENERENTOLA

      Dramma giocoso in zwei Akten (1817)

      Musik von Giachino Rossini

      Libretto von Jacopo Ferretti

      Fassung von Jasmin Solfaghari & Konstantin Chudovsky


      指揮 Konstantin Chudovsky

      演出・テキスト Jasmin Solfaghari

      舞台 Mark Gläser

      衣装 Petra Reinhardt

      照明 Franz Tscheck


      アンジェリーナ Gaia Petrone

      ドン・ラミーロ Andrew Owens

      ダンディーニ Ben Conner

      ドン・マグニフィコとアリドーロ(2役) Igor Bakan

      ドン・マグニフィコとアリドーロ(声) Giulio Mastrototaro

      クロリンダ Gan-ya Ben-gur Akselrod

      ティスベ Natalia Kawałek-Plewniak

      月の精(語り手) Alexander Waechter


      オーケストラ Wiener Kammerorchester


      ウィーン劇場と一緒になった

      ウィーン室内歌劇場の新プロダクションは

      ロッシーニのラ・チェレネントラ。


      イタリア・オペラは避けているが

      ウィーン室内歌劇場のプロダクションは斬新だし

      チケットもそんなに高くない上

      劇場が小さいので

      とても雰囲気が親密なので

      ついつい1枚買ってしまった。


      さて、このプロダクション

      9歳からの子供向け、という事で

      ラ・チェレネントラなのだが、かなり中身は変えてある。


      月の精と称するオジサンが現れて

      ストーリーを解説?して行くので

      冗長なレチタティーヴォが省略されて

      とても楽しい構成になっている。


      うっふっふ、とってもある意味、コミカルなのだ。

      マンガを見ているような

      あるいは寄席に来ているような、そんな感じ。

      崇高なオペラ芸術、というよりは

      みんなで楽しもうよ、という和気あいあいの感じ。


      子供にも適したプロダクションとは言え

      やっぱり来ているのは、年配ばっかり(笑)


      始まる前に、劇場支配人が登場。


      「突然寒くなって、お風邪を召した方もいらっしゃると思います。

       私どもの歌手も、風邪にやられました。

       しかしながら、特殊な演技ですので

       歌手はそのまま舞台で演技をして

       ドン・マニフィコとアリドーロの2役は

       横に座った代理の歌手が歌います」


      出たっ!!! 口パク。


      今年2月のウィーン劇場の時のテレマコでも口パクだったが

      あれは演技助手がやったので、口は動いていなかった。


      今回は本当に歌手が口パクなので

      ちゃんと、口も歌のセリフ通りに動いていて

      ほとんど違和感がない(笑)


      急に代役に立ったイタリア人のバリトン

      グイリオ・マストロトタロ(凄い名前だ(笑))は

      ピッタリとタイミングを合わせて、素晴らしい歌唱だった。


      歌手は全員最高である(断言)

      というより、この劇場、箱が小さいので

      あんまり声量のあり過ぎる歌手ではダメなのだ。

      (それでも、みんな、かなり声量あって、張り上げるとうるさい時も(爆))


      タイトル・ロールのアンジェリーナが素晴らしい。

      アジリタ完璧、小柄だけど顔立ちがはっきりした美人で

      演技が、またむちゃくちゃコミカルで

      (ヤケになって靴を磨くところの速さがスゴイのである)

      身体の動きが美しいし、魅力的で見ていて飽きない。

      ものすご〜く、キュートである ♡♡


      ドン・ラミーロ役のテノールも秀抜。

      ちょっと鼻にかかったような声が気になるけれど

      高音は澄んでいて伸びるし、アジリタも完璧だし

      いやいや、参りました。


      ダンディーニのバリトンは

      最初、ちょっとアジリタが遅れ気味だったものの

      途中から調子を取り戻して、この人も聴かせる。


      語り手が、面白く話しつつ

      レチタティーヴォのない分

      時々、歌詞のないチェンバロが入るのだが


      ・・・チェンバロ、遊んでるけど良いんか?!

      (だって、何故、そこにワーグナーが?(爆笑))


      小さな舞台だが、舞台装置にも工夫がしてあって

      小物で魅せるし、簡素な舞台ながらそれぞれのシーンで変化がある。


      もちろん、小さな劇場なので

      横手から客席への歌手の乱入もある(笑)

      これがまた、客席と舞台をしっかり結んでくれて

      良い感じなのだ。小劇場の強みだろう。


      しかしこのプロダクション、本当に楽しいぞ。

      9歳以上の子供だったら、すごく喜ぶような気がする。

      いや、大人でも喜ぶ。

      私も、このプロダクションだったら

      もう1回観に行っても良い(カレンダーが合わないよ〜(涙))


      ただ、注意すべきは

      この劇場のクロークは小さい上に

      1人しかいないので

      コートを預けるだけで20分(!!!!)

      当然、遅れて開始(プログラムによれば2時間半の上演時間のはず)

      トイレの数も、ものすごく少ない。


      よって、席を選ぶ時に

      真ん中あたりの出入りしにくいところを買ってしまうと

      トイレも行けず、終演後のコートを出すのにも

      ものすごい時間がかかる事が予想される。


      でも、ぜひウィーン在住の方で

      ドイツ語わかる方(語りがかなり面白い)は

      行ってみて下さい。お勧めです!!!


      有名な国立オペラ座とかの大きな箱ではなくて

      こういう、小さな箱でやるオペラって

      本当に何かこう、貴族が集まって

      適当にしっちゃかめっちゃかやってます、という伝統を継ぐようで

      これこそが、オペラの楽しみじゃないかなぁ、と

      つくづく思う私に

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      写真でもあったらアップするかなぁ、と

      サイトを見ていて

      ついつい、また

      ウィーン劇場のチケットを買ってしまったのは私です(爆)


      オルランド カンマー・オーパー

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        Kammeroper 2013年5月21日 19時〜21時45分

        Orlando

        Opera seria in drei Akten (1733)
        Musik von Georg Friedrich Händel

        指揮         Rubén Dubrovsky
        演出         Stefania Panighini
        舞台・衣裳     Federica Parolini

        Orlando     Rupert Enticknap
        Angelica     Çigdem Soyarslan
        Medoro         Gaia Petrone
        Dorinda     Anna Maria Sarra
        Zoroastro     Igor Bakan

        オーケストラ Bach Consort Wien

        ウィーン劇場の催し物の一環として上演されている
        カンマー・オーパー(室内歌劇場)でのヘンデルのオペラ「オルランド」

        大昔、ウィーン劇場がオペラ・ハウスとしてオープンした頃に
        アーノンクールが指揮して、観に行った事がある。
        記憶に残っているのは

        プログラム見たら、19時開演22時45分終演となっていてひっくり返った事
        (最後の方は空腹で倒れそうだった(笑))
        演出が原色使いで、童話か漫画みたいでコミカルだった事

        ・・・くらいである(呆)

        今回の上演は21時45分までで、少しバージョンとしては短い。

        カンマー・オーパーは本当にその名(室内歌劇場)の通り
        とても小さな劇場で
        取った席は28ユーロで後方だったが
        前が空いていて、しかも客席に傾斜があるので
        舞台が目の前に見える。

        10倍の望遠鏡、いや、オペラ・グラスだと
        歌手の顔が拡大されて見えてしまう(爆)

        さて、この「オルランド」というオペラ
        筋は、もう箸にも棒にもひっかからないアホらしさで
        ワケがわからん。
        (当時としては、何か意味があったのかもしれないし
         深読みすれば色々と出てくるのだろうが)

        貴族がヒマを持て余していたバロック時代のオペラだから
        朝7時半に起きて8時に通勤して、9時から18時30分まで目一杯仕事して
        急いで地下鉄でオペラに駆け付けて
        21時45分に終演後に、またオフィスに戻って真夜中過ぎまで仕事して
        ・・・という貧民には向かない。

        内容云々はともかくとして
        おとぎ話なので、アリアがいっぱい出てきて
        これが、もう、底抜けに楽しいバロック音楽 (^^)v

        オルランドは、もちろんカウンター・テノール。
        男声として唯一出てくるのがゾロアスター(魔法使い)
        普通だったら、高音が神経に障るハズなのに
        これ、めちゃくちゃ楽しい。

        演出は現代的・・・というより、現代のお伽話で
        原色を多用して
        出演者は、みんなパンクである!!!!

           

          
        (写真は公式サイトから拝借。
         クリックで大きくなります)

        歌手がみんな若いので
        (ゾロアスターだけが中年)
        このパンクの格好が似合って、実にカッコイイ。

        スタイル良いし、動きは素早いし
        (客席に乱入してくるシーンあり!
         目の前を、フルメイクのパンクが通ると
         ちょっとドキドキする(笑))
        アジリタはさすがバロック歌手だから完璧。

        劇場が小さいから、声を張り上げる必要がない。
        (ついついノッて声を張り上げる歌手もいたけど)

        小さい舞台だけど、小道具に凝って
        舞台装置も工夫が凝らされていて
        大規模な変換はないけれど、充分に楽しめる。

        やっぱり、バロック・オペラって
        こういう小劇場で観るべきものだ(断言)
        国立オペラ座のような大規模のマス対象の劇場で
        大声を張り上げないと聴こえないようなところで
        あんな細かいアジリタ歌うなんて、まず無理。

        オーケストラがまた良いの。
        こんな優秀な古楽器アンサンブルがウィーンにあるんですね。
        音はあくまでも透明で、パートもくっきり聴こえるし
        リズムに乗っての演奏は、音楽の歓び、という感じ。

        スター歌手とかで釣るのではなくて
        こじんまりした劇場で
        若い人たちが、みんな手作りして良いものを上演しよう、という感じが
        聴いている方にストレートに伝わってくる。

        大規模劇場より
        こういう親密な感じの劇場の方が楽しいなぁ、と
        しみじみ思った私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        若い人たちの活躍を目の前で見ると
        ついつい嬉しくなっちゃうのは、やっぱり歳取った証拠かも(自爆)


        カーリュー・リヴァー + 放蕩息子

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          Kammeroper Wien 2013年3月29日 19時30分〜22時15分


          Benjamin Britten


          Curlew River

          狂女 // Alexander Kaimbacher

          渡し守 // Peter Edelmann

          旅人 // Sebastian Huppmann

          霊の声 // Leonid Sushon

          修道院長// Stephan Rehm

          巡礼者たち // Herren des Wiener Kammerchores


          The Prodigal Son

          誘惑者 // Alexander Kaimbacher

          父親 // Peter Edelmann

          兄 // Sebastian Huppmann

          弟 // Gernot Heinrich

          召使い、お喋り、乞食 // Herren des Wiener Kammerchores

          ミサの従僕たち // Knaben des Mozart Knabenchores Wien


          指揮 Walter Kobéra

          演出 Carlos Wagner

          舞台 Christof Cremer

          照明デザイン Norbert Chmel


          色々とあって、仕事でバタバタした後

          本日は聖金曜日。

          キリスト教で、イエス・キリストがお隠れになった日で

          この日は、国立オペラ座もフォルクス・オーパーも

          もちろん楽友協会もコンツェルトハウスも

          一斉にお休みである。


          なのに、何故か室内オペラ座(カンマーオーパー)で

          Neue Oper Wien という団体が

          ベンジャミン・ブリテンの

          カーリュー・リヴァーと放蕩息子を上演。


          教会上演用寓話だから良いのか・・・


          カーリュー・リヴァーの方は

          ご存知の通り、能の隅田川を元にして

          キリスト教の要素を、これでもか、とぶち込んでいて

          面白い、というか

          素晴らしいのだが


          時々、意識がなくなって話が途切れる状態。

          いや、ちょっと色々と

          睡眠不足や疲れが重なっていて(すみません)


          約1時間ちょっとの劇だが

          能の要素とキリスト教の要素が

          面白く絡み合っていて、飽きさせない。


          息子をなくした狂女を演じた Kaimbacher が素晴らしい。

          役にすっかり入り込んで

          切ない思いが痛いほど鑑賞する側にも伝わってくる。


          この劇場、ウィーン・カンマーオーパーだが

          小さな劇場なのだけれど

          観客席に傾斜がついている上

          椅子の列を上手くずらしてあって

          どこに座っても、舞台が良く見える。


          後ろの方だと、バルコンが被ってしまうので

          音が良くないかもしれない。

          (今回は上にバルコンが被らない28ユーロの席を購入した ← 贅沢)


          ただ、劇場が小さいので

          歌手が声を張り上げるとうるさいくらいなので

          音響については、どの席でも問題ないだろうと思う。


          後半の放蕩息子だが

          これが、ものすごい傑作で

          カーリュー・リヴァーでは寝落ちした部分が何ヶ所かあるが

          放蕩息子には、すっかり引き込まれた。


          仮面・・というか

          能面のパロディのような、でっかい顔のマスクを付けて

          誘惑者は、能で言えば鬼の面を被り

          お父さん、お兄さん、弟と

          それぞれに特徴的な面を被る。


          誘惑者が弟を悪徳に誘い込む時も

          コーラスの男性が、簡単なお面を付けて登場するのだが

          これが、簡素ながら、実によく出来ていて

          女性のお面(+胸)なんか

          色っぽくて、それらしくて、ついつい笑ってしまう。


          悪魔が、壁にチョークで絵を描いて行くのだが

          これが、また上手くてビックリ。


          ううううん、みんな見事に芸達者だのう・・・


          話は有名で単純だが

          ブリテンの、この上もなく繊細な音楽も素晴らしいし

          前後のコーラスによる賛美歌を歌いながらの行列も風情があるし

          舞台は小さいけれど

          様々に工夫がなされている。


          日本の伝統文化の、能をこなしたのがカーリュー・リヴァーだとすれば

          それに対して、狂言的な意味合いを持つのが放蕩息子で

          演出家が、それを理解して

          この2作品を取り上げたのだとすればスゴイ。

          (で、演出的な観点から、たぶん、そうだと思う)


          室内オーケストラも優秀だし

          歌手も、声だけではなく

          日本の伝統を踏まえた演技が見事。


          母と息子、父と息子の関係でも繋がる2作品。

          放蕩息子の話は

          まぁ、色々と考えさせられるし

          ツッコミ入れようとしたら(話そのものに)

          言いたい事はたくさんあるけれど


          まぁ、その話は止めておく。疲れてるし(笑)


          ドイツ語しかないけれど

          このプロダクションを作った

          Neue Oper Wien のウエブ・サイトは ここ


          出演者たちが

          作品に対する理解や感想を述べているクリップがあって

          なかなか面白い。

          ドイツ語がわかる方はどうぞご覧下さい。


          ヘトヘトだけど

          週末から、また音楽ライフ開始という

          懲りない私に

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          まだ寒いけれど、やっと雪だけはやんで
          今日は少しだけ太陽が出てきた 

          ミュージカル「エリザベート」

          0

            Raimundtheater 2013年1月19日 19時30分〜22時10分


            Musical "Elisabeth"

            Michael Kunze & Sylvester Levay


            エリザベート Annemieke VAN DAM

            トート(死)Mark SEIBERT

            ルイージ・ルケーニ Kurosch ABBASI

            フランツ・ヨゼフ皇帝 Wolfgang POSTLBAUER

            ソフィー公 Daniela ZIEGLER

            皇太子ルドルフ Anton ZETTERHOLM

            子供時代のルドルフ Raphael Mario REITER

            バイエルンのマックス公 Christian Peter HAUSER

            ルドヴィカ Marie MARTENS

            アンサンブル

            Anja BACKUS, Juliane BISCHOFF, Bettina BOGDANY, Emma HUNTER

            Janneke IVANKOVA, Linda KONRAD, Katrin MERSCH, Barbara SCHMID

            Caroline SOMMER, Katharina STROHMAYER, Marianne TARNOWSKIJ

            Joern-Felix ALT. Ricchardo GREOC, Karsten KAMMEIER, Stefan MOSONYI

            Gernot ROMIC, Jakob SEMOTAN, Rory SIX, Christoph SOMMERSGUTER

            Niran STRAUB, Johan VANDAMME, Dean WELTERLEN

            スイング

            Kai HUESGEN, Max NIEMEYER

            指揮

            Paul CHRIST


            日本でも人気のあるウィーン発のミュージカル

            「エリザベート」が、昨年秋から再演になっている。


            毎日やってるミュージカルなので

            ついつい、いつ行っても良いや、と思っているうちに

            終演になってしまうのだが


            今回は日本から来た友人が行きたいというので

            では、日本のモノの運び屋御礼を兼ねて

            良い席で行こう・・・と思ったら


            人気あり過ぎて良い席が公式に売り切れてる(驚愕)


            お付き合いのあるチケット・オフィスに

            「良い席を2枚、お願い!」と頼んで

            手数料を払って、大枚叩いて買った席は


            平土間5列目のど真ん中!!!!


            舞台が近いけれど、近過ぎず

            指揮者のハゲ頭が見えて、手が見えて

            幕間の後のルイージ・ルケーニがすぐ横に来るという

            本当にベスト・オブ・ザ・ベストの席。


            ううううん、チケット・オフィスも使いようだ。

            手数料払っても、これなら納得が行く。


            さて、エリザベートは

            シーズンごとに演出や出演者を変えて

            ウィーンでも何回か上演しているから

            私も初めてではない。


            が、だいたいエリザベートという人物

            私は好きではない(きっぱり)


            フランツ・ヨゼフ皇帝の愛を良い事に

            ものすごい金を使いまくって

            宮廷での義務は果たさず

            旦那のフランツ・ヨゼフはほったらかしにして

            旅行ばっかりしていたワガママ女、というイメージ。


            途中で歌うナンバーだって

            「私は私」だの「踊る時は好きなように踊るわ」だの

            こらこら、自意識があるのは良いけれど

            我々だって、会社の中で仕事をしていれば

            自分を抑えて、周囲に気をつかって

            一生懸命妥協しながら

            毎日のゴハンのために金を稼いでいるのだぞ。


            だが、今回の公演を

            しかも舞台の近くで、じっくり見ていると


            あぁ、これが人気を博すのは、よくわかる。


            ミュージカル「ルドルフ」の時もそうだったけれど

            登場人物は、みんな、一生懸命なのだ。

            誰も悪意のある人はいなくて

            それぞれに、良かれと思う事を必死になってやるのだけれど

            それが、どこかでしっくりうまく組み合わなくて

            全員が不幸になってしまう、という


            人知の及ばないところでの

            どうしようもない悲劇、とでも言うものになっている。


            舞台は以前に観た時と大差はない。

            派手で、豪華で

            どこか歪んでいて

            しかも、ビデオを巧く使って騙し絵的な部分が素晴らしい。


            オペラも、この位の予算があったら

            豪華になるだろうなぁ・・・


            出演者はさすがに全員上手。

            エリザベート役は、実に巧い。

            子供時代から、歳老いていくところまで

            歳相応のメークを、短時間でよくぞあそこまで(感嘆)

            演技も巧いし

            名曲のナンバーを歌う時も

            感情たっぷりで

            いや、近くで観ているから、ますますのめり込むのだが

            悲痛な叫びが、胸にジンジン響いてくるのである。


            フランツ・ヨゼフのお母さんのソフィー公も秀抜。

            強く、厳しく、これもまたエリザベートと別の意味で

            一生懸命、力一杯、自分の出来うる事を出来るだけやり尽くして

            最後は息子に見捨てられる悲劇。


            まぁ、あれも一種の毒親なのだろうが(笑)


            トート(死)が、これまたカッコいいのだよ。

            ちょい悪青年という感じで

            癖はあるのだが、なかなかエロっぽい。


            話を通じて、語り役になるルイージ・ルケーニも魅力的。


            しかし、このミュージカルは

            どう観ても、女性のミュージカルである。


            エリザベートやソフィー公が圧倒的な存在感を持つのに対し

            フランツ・ヨゼフは、ただの木偶の坊にしか見えない。


            エリザベートが「私は私のもの」と言うのに対し

            フランツ・ヨゼフは「僕は君のもの」と返すし

            仕事で沢山、問題を抱えているのだから

            せめて私生活では、少しは慰めてくれ、という懇願は


            まぁ、女性を養っている男性としては

            正当な要求なのだが


            エキセントリックな女性2人と比べると

            あまりにマトモ過ぎるわ、わっはっは。


            ただの甘いだけのラブ・ストーリーではなく

            女性中心の自己主張テーマになっているところが

            若い女性はエリザベートに

            中年以降はソフィー公に

            ついつい、自己投射をしてしまうところがある。


            う〜ん、人気が出る訳だよ(納得)


            歌は巧いけれど

            マイク使っているから方向性がわからず

            マイクを使うための発声なので

            よくぞ、まぁ、地声でああいう声が出るなぁ

            喉を潰さないだろうか

            (あくまでも私はベルカント信奉者)

            ・・・と、心配になってしまうけれど

            あの発声がミュージカルなのだろう。


            最後は平土間総立ちのスタンディング・オベーションで

            カーテン・コールも音楽付き。

            送り出しも音楽付き。もちろん生演奏である。

            何て贅沢なんだ(感激)


            ただ、劇場が狭いので

            地下のトイレはむちゃくちゃ混む。

            (3階のトイレは比較的空いているので

             階段を駆け上がって3階に行った方が良い)


            終わった後のクロークの混み方は

            日本の通勤時の満員列車の混み方に劣らない。

            ただし、クロークのお姉さんやお兄さんはむちゃくちゃ早い。


            何回も観に行こうとは思わないけれど

            (マイク嫌いだし、結構、音が大きいのでうるさい)

            よく出来たプロダクションで

            ジモッティばっかりで

            ドイツ語だけど

            まぁ、筋を知っている方にはお勧め。


            舞台は大掛かりで美しいし

            衣装も豪華だし

            登場人物も、みんなハンサム・美女揃いだし


            ウィーンにいらっしゃる方

            ぜひ、上演しているうちに1回はご覧下さい。


            と、突然ウィーン・ミュージカルの回し者になった私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            風邪はまだ治ってないし

            雪はガンガン残っているので

            車も出せないけれど

            ともかく、楽しかった 


            グスタフ・クリムト ミュージカル

            0
              Künstlerhaus 2012年9月5日 19時30分〜22時

              GUSTAV KLIMT das Musical
              音楽 Gerald Gratzer
              台本 Sissi Gruber, Birgit Nawrata, Niki Neuspiel
              英語バージョン Dean Welterlen, Jana Werner

              グスタフ・クリムト André Bauer
              エミール・フレーゲ Sabine Neibersch
              ゲニウス Linda Geider
              フランツ・マッチュ Lucius Wolter
              ヘレーネ・フレーゲ Regina Mallinger
              エルンスト・クリムト Georg Prohazka
              ミッツィ Anna Carina Buchegger
              コロ・モーザー Herald Tauber
              文化大臣 Dennis Kozeluh
              セレーナ・レーダラー Bettina Soriat
              モデル Daniela Lehner
              アウグスト・レーダラー Nicholas Boris Christahl
              裁判官 Markus Hareter

              9月1日〜10月7日まで、火曜日を除く毎日上演されるミュージカル
              「グスタフ・クリムト」

              やっぱり観光業界の者としては
              一度は観に行かねばならぬ・・・・と
              (一番安い)チケットを買ったのは良いのだが

              水曜日は英語上演ですって (*_*) ← 知らなかった(自爆)

              わったくし、エイゴ、わっかりませ〜ん
              ・・・と逃げるワケにもいかないし f(^^;)

              キュンストラー・ハウスに行ったら
              正面玄関は閉まっているし
              横は Brut だから、ここではなさそうだし
              いったい、何処から入るんだろう?と思ったら
              脇の映画館のところから。

              入るとホールになっていて
              グスタフ・クリムトの代表作が数多く壁に掛っている。
              (もちろんレプリカだが、これが、まぁ、良く出来てる (^^))

              会場はかなり狭い。
              でも、客もかなり少ない・・・・3分の1くらい。
              上演前に、係の人が
              「どうぞ前の方に座って下さい」

              わっはっは、あまり舞台に近いのはイヤだが
              2番目のブロックの2列目で、かなりヨイ感じで鑑賞。

              舞台が狭いのだが
              本舞台の脇に、ブロックがあり(使わない部分)
              ビデオをそこまで巧く使っているので
              舞台の狭さは、ほとんど気にならない。

              上演前に登場した人が
              「本日は、初めての英語上演です。
               リハーサルを、ドイツ語と英語で行うのは大変でした。
               で、本日の上演はハイブリッドで
               セリフはすべて英語、歌はドイツ語で上演します」

              ほ〜っ(笑)

              ミュージカルなので、マイク使用で
              発声法も全然違うので、私にとってはかなりの違和感だし
              地声で歌われると
              おお、あれは、喉を壊すんじゃないか、と感じてしまう。

              登場人物のうち
              ゲニウスはダンサーで
              クリムト様式(?)のレオタードで
              グスタフ・クリムトにくっついて回る影というか
              エリザベートで言えば、トートみたいな役柄で、かなり目立つ。

              ダンスは巧いし、歌も歌えるので、派手な役柄だが
              振付が、最初から最後まで非常に似た感じなので
              途中から、ちょっと退屈する。

              グスタフ・クリムトの生涯として

              最初の委嘱絵画の話
              弟のエルンスト・クリムトとフランツ・マッチュの話。
              エルンストの結婚と死
              ウィーン大学の壁画スキャンダル
              エミール・フレーゲとの自由恋愛
              グスタフ・クリムトの死

              というテーマの取り上げ方。

              エルンストとヘレーネのラブソングとか
              グスタフとエミールのラブソング数曲とか
              まぁ、ミュージカルっぽい甘い歌もそこそこ。

              女性ながら、ビジネスで大成功しているエミールの歌はなかなか (^.^)

              エミールに「グスタフとの関係はそれで良いのか」と迫るアホな女に
              エミールが、自由が良いの、と掛け合うソングは
              それでも、実はエミールだって、グスタフを自分の物にしたいの
              ・・・みたいな中途半端さがあって、気に喰わない(好みです、好み)

              更には、ゲニウスが、グスタフ・クリムトに
              貴方は自分しか愛せない人なのよ・・・・

                 ウリャ(;-_-)/∝━━━━━━∈グサグサ

              いかん、私、あんな天才じゃないけれど
              やっぱり自由が好き、とか言っているので
              ちょっと堪えたぞ \(__ )

              トレイラーを見たい方は こちら からどうぞ。

              衣装がステキ。
              舞台も、簡素だけど
              ビデオを多用して、とても豪華に見える。

              この時期にウィーンにいらっしゃる方で
              オペラやコンサートはちょっと、と思われる方
              どうぞ、ご覧下さい。



              相変わらずむちゃくちゃ忙しい(涙)
              長い休暇から戻った彼氏モドキは
              ゲッソリと痩せた私を見て
              「何だかんだ言って無理にやっちゃうからイカン。
               オーストリア人はやりません、と言って、本当にやらない」
              ・・・・って、確かにそうなんですけど
              ワタクシ、やっぱり日本人ですから ( ..)ヾ ポリポリ

              ナクソス島のアリアドネ ザルツブルク音楽祭

              0
                Haus für Mozart (Salzburg) 2012年8月5日 19時〜22時45分

                Richard Strauss • Ariadne auf Naxos    

                Oper in einem Aufzuge op. 60
                Text von Hugo von Hofmannsthal (1874–1929)

                Zu spielen nach dem Bürger als Edelmann des Molière
                in der Bearbeitung von Hugo von Hofmannsthal
                Fassung für die Salzburger Festspiele 2012 von Sven-Eric Bechtolf

                指揮 Daniel Harding
                演出 Sven-Eric Bechtolf
                舞台 Rolf Glittenberg
                衣装 Marianne Glittenberg
                振付 Heinz Spoerli
                ドラマツルギー Ronny Dietrich
                照明 Jürgen Hoffmann

                プリマドンナ・アリアドネ Emily Magee
                ツェルビネッタ Elena Moşuc
                テノール・バッカス Jonas Kaufmann
                妖精とエコー Eva Liebau, Marie-Claude Chappuis, Eleonora Buratto
                ハーレキン Gabriel Bermúdez
                スカラムーチョ Michael Laurenz
                トラファルディン Tobias Kehrer
                ブリゲッタ Martin Mitterrutzner
                侍従長 Peter Matić
                ジュルダン Cornelius Obonya
                作曲家 Thomas Frank
                ホフマンスタールMichael Rotschopf
                オットニ―・ドリメーヌ Regina Fritsch
                ニコリーヌ Stefanie Dvorak
                従僕 Johannes Lange

                オーケストラ Wiener Philharmoniker

                ダンサー: Arsen Mehrabyan, Artur Babajanyan, Boris Myasnkov
                Flavio Salamanka, Hasan Topcuoglu, Oleksandr Kirichenko
                Sergiy Kirichenko, Tigran Mikayelyan

                ザルツブルク音楽祭で上演された
                リヒャルト・シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」

                以前から、演劇とバレエとオペラの組み合わせで
                いつもの「アリアドネ」でない事はわかっていたが

                まさか、第一部の Vorspiel が
                全部 演劇 になっちゃうとは (+_+)

                私の大好きな序曲もなく
                多少のオーケストラ音楽(付随音楽)は入るけれど
                約1時間45分にわたって

                ホフマンスタールと、その文通相手のオットニーの会話に
                モリエールの「町人貴族」の演劇が入り
                「町人貴族」の中のドリメーヌ役がオットニ―になり
                ホフマンスタール役が「町人貴族」ではドラント伯爵を演じるという
                非常に複雑な入れ子構造になっている。

                ドイツ語上演で、英語の字幕が出るが
                ドイツ語は非常にわかりやすく
                下品な成り上がり貴族のジュルダンの
                下町訛りのドイツ語が、かなり笑える。

                劇中劇の劇中劇で
                オットニ―とホフマンスタールの役者さんは
                町人貴族の中では、ドリメーヌとドラントになるのだが
                喋り方まで変えて(フランス語訛り!)
                ドリメーヌとドラントの艶話に
                ホフマンスタールとオットニ―のラブストーリー的なものが絡んで
                暗喩が多くて、想像力をかきたてる。


                ↑ これがホフマンスタール役
                (写真はすべてザルツブルク音楽祭の公式サイトから拝借)

                バレエ・ダンサーも登場して(チューリヒ・バレエ団!)
                成り上がり貴族と、本当の貴族の振るまい方の違いなどが
                むちゃくちゃ鼻につく程、協調されていて
                まぁ、鼻もちならないというか、イヤミったらしいというか

                ・・・でも笑えて面白い。

                小太りのジュルダンが、カツラ被って
                バレリーナと一緒に踊る部分などは
                ドイツ語がわからなくても楽しい。



                ただ、こちらとしては
                やっぱり、ナクソス島のアリアドネの楽しさは
                序幕にある訳で
                序曲もなければ、メゾ・ソプラノの作曲家も登場しないのは
                ちょっと、う〜ん、欲求不満が溜まる。

                作曲家は演劇では男性で
                ツェルビネッタにキッスされて惚れて夢中になってしまう(笑)
                (作曲家+ツェルビネッタ恋仲演出は、最近多いような気がする)
                オペラ部分でも、ツェルビネッタのアリアを作曲して
                せっせと楽譜を渡す場面がある。



                侍従長は、ベテラン中のベテラン、ペーター・マティックが登場。
                この人の持ち味って、大袈裟でもなんでもないのに、本当に素晴らしい。

                前半の演劇の後は、普通に後半のオペラ。
                舞台は、島の代わりに
                何故か分解されたグランド・ピアノが置いてある。
                (フォルクス・オパーの時もグランド・ピアノが
                 ベッド代わりになっていたが・・・ これも流行?)
                後ろは、観客席になっていて
                最初の演劇で登場した人たちが鑑賞しているという趣向。



                ところで、この Haus für Mozart、
                昔は祝祭小劇場と称していたホールで
                私は5カテゴリーの125ユーロの席で
                3階席(最上階)の正面後ろだったのだが

                何、この音響の良さ?????

                良いというより、むちゃ響き過ぎで
                最初、オーケストラも俳優さんも、マイク使ってる?と
                怪訝に思ったくらい
                ともかく、天井桟敷に響くのである。

                俳優さんも歌手も
                声量はあるのだろうが
                それ以上に、音の鳴り方が普通じゃない。

                オペラ部分になったら
                歌手の声とオーケストラが
                時々はうるさい位の大音響で鳴る。

                このオペラも
                ツェルビネッタのアリアが通常より長かったりする。

                ツェルビネッタ役のエレーナ・モシュクは
                上演前に「風邪で調子が悪いので高音が上手く出ないかも」
                という警告はあったけれど

                いやいや、3点F までちゃんと出した。たいしたもんだ。
                声が転がるタイプではなくて
                一つ一つの音を、しっかり意識的に当てているので
                聴いている方が少し疲れるけれど
                あれだけ歌えたら、見事である。

                オペラ部分全体に言える事だが
                歌手が、全員「頑張ってます」がミエミエ(笑)
                いや、シリアス・オペラだから、それで良いのだが
                ニュアンスに多少欠けるところないワケではない。

                バッカス役はダブル・キャストだが
                私が見たのは、ヨナス・カウフマン。

                豹柄の衣装を着て、後から登場すると
                舞台上の観客が全員、ビックリするという趣向で
                アリアドネが歌うと
                ビックリして、ネコのようにピアノの陰に隠れてしまう(笑)



                最後のツェルビネッタ登場も
                いつも慣れているように、stumm, stumm だけで終わりではなく
                またもや、しっかりとアリアが入る。

                ホフマンスタールとオットニ―も
                バッカスとアリアドネがくっつくところで
                端の方で、しっかりくっついている。
                最後の最後に、ホフマンスタール役が、締めのセリフ。

                ・・・そりゃ、長いはずだわ。

                オーケストラはウィーン・フィルで
                これは、もう、お手のものだから
                室内楽編成でも(音響は凄いし)安心して聴ける。

                同じプロダクションが
                12月にウィーンの国立オペラ座で上演される。
                (ただし、国立オペラ座の方は演劇はなくなって
                 従来通りの序幕上演になる予定)
                フランツ・ヴェルザー=メストの指揮で
                ファリーがツェルビネッタ役で登場予定。

                往復、車でザルツブルクまですっ飛ばして
                結局、ウィーン帰着が明け方の4時だったけれど
                でも、充分ペイした公演だった、と満足な私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                でも、雨も嵐もなくて、高速道路を飛ばせたのはラッキー。
                行きはさすがに休暇の車が多くて
                サンデー・ドライバーを含めて、高速道路が無法地帯になっていたが(笑)

                ドン・パスクワーレ クロースターノイブルク 2回目

                0
                  Stift Klosterneuburg Kaiserhof 2012年7月31日 20時30分〜23時15分

                  DON PASQUALE
                  Gaetano Donizetti

                  ドン・パスクワーレ Marc-Olivier Oetterli
                  ノリーナ Chiara Skerath
                  エルネスト Arthur Espiritu
                  マラテスタ Günter Haumer
                  公証人 Mihail Dogotari
                  フロント・デスクの女性 Inge Altenburger

                  オーケストラ Sifonietta Baden
                  コーラス Chor der Operklosterneuburg

                  指揮 Christoph Campestrini
                  演出 Andy Hallwaxx
                  舞台 Hans Kudlich
                  衣装 Franz Blumauer

                  7月20日には雨で、ホールで上演されたドン・パスクワーレの最終公演。
                  数日前から、ずっと天気予報に釘付けになっていて
                  毎日変わる予報にヤキモキしていたが

                  わっはっは。今回は、何とか
                  クロースターノイブルク修道院の中庭上演となった \(^O^)/

                  まずは舞台の違いをご覧下さい。

                  バーベンベルガー・ホールの舞台はこういう感じ。




                  これが、修道院の中庭だと、こうなる (^^)v



                  (舞台全体の大きさが全く違う事に注目!)

                  ホールだと安い席は舞台脇だが
                  中庭だと、確かに舞台からは遠いけれど
                  傾斜が急なので、全く問題なく見えるし
                  オーケストラ・ピットも見えるし

                  高い席だと
                  首を上に向けなければならない(だろうと思われる)
                  かなり高いところに位置している
                  ホテルのルーム・ドアとか
                  右側のヴェスパの宣伝の裏側にある
                  ノリーナのバスルームとかもよく見える。

                  ノリーナのバスルームはホールでは設置されておらず
                  舞台に突然、バスタブが出現したのだが

                  このノリーナのプライベート・バスルームには
                  色っぽい女性の下着が、たくさん干されていて笑えた。

                  中庭の音響の良さは特筆もので
                  オーケストラの音も、押しつけがましくなく
                  豊かに、しかも柔らかく響く。
                  う〜っ、やっぱりオーケストラの音って
                  すごく好き (*^^*)

                  エルネスト、マラテスタ、公証人役が7月20日とは変わった。
                  マラテスタは、この間の方が声量があった。

                  本日のマラテスタ、美声なのだが
                  あまり声が前に飛ばず、埋没してしまうタイプ。

                  エルネストは合格。
                  この間のエルネストも良かったけれど
                  今回のエルネストも高音がしっかり出て
                  でも、多少、弱っちい感じがして
                  (それは演出の役どころとしてピッタリ)
                  フィリピン人なので、顔はアジア系だが
                  黒髪だし
                  ちょっと南方イタリア系の、濃い目の男
                  という感じで違和感はない。

                  相変わらず、表情と飄々とした風格の
                  ドン・パスクワーレ役は
                  ホールの時より、ずっと通る声で
                  イタリア語も明確に聴こえてくるし
                  細かいパッセージも、軽々とこなす。

                  演技もコミカルで巧く
                  騙されるかわいそうなドン・パスクワーレ役なのだが
                  実にユーモラスに、悲惨でなく、楽しく演じてくれた。

                  (最後はノリーナに振られた直後に
                   別の女性に誘惑されて
                   ひょいひょい付いていって、またもや平手打ちされる。
                   懲りないオジンではある(笑))

                  しかし、このオペラ聴いていて
                  ああ、ドニゼッティって、いわゆる昔のミュージカルだなぁ、と
                  つくづく思う。

                  早口でのアリアなんか
                  ミュージカル「吸血鬼のダンス」にも、しっかりあるし・・・

                  ハルヴァックスの演出の楽しさは
                  実は、歌手の仕草とかではなく

                  歌手にばかり気を取られていると
                  ついつい見逃す、他の場所の
                  俳優さんや、コーラスなどの
                  さりげない動きにある。

                  エルネストのラブソングの時に
                  舞台上で演奏する
                  ギタリストとタンブリンの男性2人だが

                  タンブリン担当の男性の帽子を
                  マフィアのような格好をした
                  後ろのコーラス・メンバーの男性が
                  演奏中に取ってしまって
                  ギタリストに被せてしまい

                  それを、タンブリンの男性が
                  演奏していない時に、また取り返して

                  演奏している時に、またもや帽子を取られて
                  また取り返そうとすると
                  ギタリストが首を振って帽子を落としていて
                  取ろうとしてギタリストの頭に触れてしまい
                  ギョッとした顔をしながら
                  またタンブリンを演奏するとか

                  そういう、何気ないお遊びが
                  舞台のあちこちで
                  さりげなく繰り広げられているのである。

                  日中、暑かったとは言っても
                  30℃を切っていたから
                  いつもの夕方のスコールも来なかったし
                  (ここは熱帯か?!)

                  太陽が落ちて、22時30分頃から、多少は冷えたけれど
                  ちゃんとそれなりの準備はしていったし
                  ジャケット2枚くらいで
                  毛布とか使わなくても大丈夫だった。
                  (こういう公演の時は、毛布ももちろん持って行く。
                   場合によっては、10℃近くまで冷える事もあるのだ)

                  風もほとんどなかったけれど
                  演奏途中で、近くの線路を走る列車の轟音がしたり
                  (しかも、よりにもよって
                   テノールの甘いアリアの時に(笑))
                  一度、やっぱりテノールの弱音での演奏時に
                  カラスが数匹

                   カァ〜 カァ〜 カァ〜

                  と大声で飛んでいったのには
                  一部から失笑が漏れたけれど

                  それが自然なんだから
                  笑ったら、マジメに悲劇的なアリアを歌っている歌手に
                  失礼なんじゃないの?!
                  (まぁ、歌手も内心では苦笑しているかもしらん)

                  観客席はほとんど満杯状態。
                  嬉しい事に、本日は
                  修道院の駐車場が無料だった v(^^)v
                  (最終日のサービスなんだろうか?
                   普通は割引で3ユーロ50セント。
                   それだって安いけど・・・)

                  仕事が追い付かず
                  オフィスではタイヘンな事になっていて
                  各所に迷惑をかけっぱなしだが

                  今年のクロースター・ノイブルクのオペラは
                  バーベンベルガー・ホール版と
                  修道院の中庭版と
                  両方を鑑賞する事ができて
                  楽しかった!!!!

                  来年の出し物は「マノン」だそうである。
                  ・・・やっぱり行っちゃうんだろうなぁ。
                  ダニエラ・ファリーがタイトル・ロールの予定。



                  スマホの写真なので、あまりキレイに撮れてはいないが
                  オペラ始まる前の修道院の建物



                  で、オペラ終演後の修道院の感じはこうなる ↓



                  反対側の教会が照明に浮き上がる様は、とても厳粛。




                  ドン・パスクワーレ クロースターノイブルク

                  0
                    Babenberger Saal 2012年7月20日 20時30分〜23時15分

                    DON PASQUALE
                    Gaetano Donizetti

                    ドン・パスクワーレ Marc-Olivier Oetterli
                    ノリーナ Chiara Skerath
                    エルネスト Caner Akin
                    マラテスタ Mihail Dogotari
                    公証人 Andy Hallwaxx
                    フロント・デスクの女性 Inge Altenburger

                    オーケストラ Sifonietta Baden
                    コーラス Chor der Operklosterneuburg

                    指揮 Christoph Campestrini
                    演出 Andy Hallwaxx
                    舞台 Hans Kudlich
                    衣装 Franz Blumauer

                    雨で20℃を切っていて
                    毎年楽しみにしているクロースターノイブルクのオペラは
                    修道院の中庭ではなく
                    バーベンベルク・ホールに会場変更 (T.T)

                    このオペラ、修道院の中庭だと
                    段々、暗くなってきて、周囲の修道院の建物がボーッと浮かんで
                    塔の上の、ハプスブルク家の王冠や
                    キリスト教のミトラの帽子が、夜間照明に浮かび上がると
                    ものすごく雰囲気がある上に

                    安いチケットでも、観客席の傾斜がかなりあるので
                    一番安いチケットを買っても、舞台は全部問題なく見える、という利点があるのだが

                    バーベンベルガー・ホールになると
                    どうしても「学芸会」っぽい、小規模なこじんまりしたオペラになってしまう。



                    27ユーロの一番安い席は
                    本来であれば、最終の列から2番目のところなのだが
                    バーベンベルガー・ホールでは、ギャラリーの舞台脇の席。
                    オーケストラのすぐ上で
                    乗り出せば舞台は、すぐそこで、ほんの一部が見えないけれど
                    全然問題ない。

                    惜しむらくは、字幕が、シャンデリアの後ろになって
                    全然読めないのだが
                    まぁ、作品はドン・パスクワーレだし・・・

                    開始前に出てきた監督曰く
                    「雨で残念ですが、我々はこのホールがある事を嬉しく思います。
                     寒さに震える事もありませんし
                     50分上演して、払い戻しもなくサヨウナラ、という事もありません」

                    ・・・って、何処にライバル意識を燃やしているのか見え見えじゃん(笑)
                    あれに行く人とは、層が違うんだし
                    第一、規模が全く違うから、そんなにライバル視しなくても(爆笑)

                    舞台は50年代のホテル。
                    下手にフロント・デスクがあって
                    そこに受付の女性が座っている(俳優さんである)

                    ドン・パスクワーレとマラテスタの会話も
                    ロビーで、朝食を取ったりしている間に
                    チェック・インする客あり、チェック・アウトする客あり。

                    出てくるホテルのスタッフの衣装が・・・
                    あっはっはっはっはっは
                    知ってる人は知っている、とあるウィーンの有名ホテルのにソックリ。

                    ドン・パスクワーレ役の Marc-Olivier Oetterli 面白い。
                    声もあるし、すごい細かいパッセージまで
                    はっきりしたイタリア語で早口言葉をこなすのだが

                    それ以上に、飄々としたコミカルな演技がイケる。
                    表情見てるだけで笑える。

                    ノリーナ役の  Chiara Skerath が魅力的。
                    美人でスタイル良くて
                    (登場はホテルのバスタブにキャミソールで・・・・(笑))

                    声量とかは、バーベンベルガー・ホールそのものが小さいし
                    私の席は舞台脇だったので
                    どこまで響いているかはわからないが
                    歌手の水準としては、抜群である。

                    マラテスタ役の Mihail Dogotari の声量は結構あった。
                    エルネストの Caner Akin も、高音はちゃんと飛ぶ。

                    ただ、マラテスタとエルネストは
                    演技がかなりマジメ風で
                    ぶっ飛んでるノリーナとドン・パスクワーレに比べると、ちょっと硬い。

                    マラテスタとエルネストはダブル・キャストなので
                    たぶん、もう1回、別キャストで鑑賞できる予定。
                    (また行くんですか? って行くんです。文句ある?(笑))

                    50年代のイタリアのホテル、という設定だが
                    違和感はなく
                    衣装も、かなり凝っていて、見応えあり (^^)v

                    私の席から良く見えるオーケストラは、狭いところにギッシリで
                    後ろの幕に背を付けて立つ指揮者は
                    白の背広に白のズボン (*_*)

                    すごくお茶目な指揮者で、この人の棒もそうだが
                    表情がスゴク豊かで楽しそう。

                    今日と25日だけ、何と演出担当の Andy Hallwaxx が公証人役で出演
                    ・・・というのは、監督のスピーチで知っていたが

                    最初から舞台の上で、どこかの有名ホテルのポーター服を着て
                    あちこちに縦横に動き回って
                    惚けた演技を見せてくれる人が

                    突然捕まって、カツラを被らされて
                    公証人をやらされてしまう、という設定(笑)

                    ともかく楽しい。
                    イタリア・オペラだけど、コミカル・オペラなので
                    人は死なないし
                    笑えるアリアが一杯詰まってる。
                    (まぁ、エルネストが失恋したと思いこんで歌う
                     かなりシリアスなアリアもあるが
                     水兵服みたいな50年代の Tシャツで
                     お前はジェームス・ディーンか、という格好で歌われると
                     これも、かなりコミカル f(^^;))

                    まぁ、ウィーンやその周辺の
                    耳の肥えている音楽ファンもターゲットに見込んでいるので
                    このクロースターノイブルクのオペラは、外れがない(きっぱり)

                    修道院中庭ではなくて残念だったけれど
                    今回は「学芸会」の雰囲気はあまりなくて
                    (もともと、話の筋から言っても
                     割にチマチマした感じのオペラだし (^^))
                    水準は高いし、実力のある若手が出演するオペラだから
                    絶対にお勧め。

                    ・・・でも、知名度がないので
                    日本からの観光客は来ないんですよね、ふん。

                    超有名な歌手を聴きに行くより
                    これから出そうな若手の公演に行って
                    目をつけた歌手が、どんどん伸びていって有名になるって
                    源氏物語の紫の上的な楽しみで
                    これこそ、音楽ファンの醍醐味だと思うんですけどね (^^)v



                    しかし寒いぞ。
                    でも、来週、また太陽が出ると、30℃以上の予報だし・・・
                    何だかよくわからん天気。



                    フィガロの結婚 クロースターノイブルク

                    0
                      Kaiserhof Stift Klosterneuburg 2011年7月29日 20時〜23時20分

                      Le Nozze di Figaro フィガロの結婚
                      Wolfgang Amadeus Mozart
                      Text von Lorenzo da Ponte

                      アルマヴィーヴァ伯爵 Dominik Köninger
                      アルマヴィーヴァ伯爵夫人 Netta Or
                      スザンナ Zoe Nicolaidou
                      フィガロ Thomas Tatzl
                      ケルビーノ Nina Tarandek
                      マルチェリーナ Victoria Massey
                      バルトロ / アントニオ Horst Lamnek
                      ドン・バジリオ / ドン・クルツィオ Andrew Johnson
                      バルバリーナ Chiara Skerath
                      オーケストラとコーラス Sinfonietta Baden
                      児童合唱 Gymnasium Klosterneuburg
                      指揮 Vinzenz Prixmarer
                      演出 Matthias von Tegmann
                      舞台 Alexandra Burgstaller
                      衣装 Agnes Hamvas
                      照明 Lukas Siman

                      ここ数日、寒くて雨で
                      クロースターノイブルク修道院の中庭でのオペラも
                      また、公民館での学芸会か・・・と、半分諦めていたのだが

                      午後になったら太陽が出てきて
                      風は強いし、空に雲もかかっているが、これはイケるかも (^^)v

                      念の為に、毛布・セーター・コートを持っていって、大正解!!!!

                      ギュルテル工事中で、時間が読めなかったので
                      18時30分にはオフィスを出て、クロースターノイブルクに向かう。

                      ・・・・19時に着いちゃったよ (/--)/

                      ただ、いつもの修道院の地下に車を停めようと思っていたら、進入禁止。
                      いったん上に登って、修道院レストランのパーキングへ。
                      チケット持っていけば、駐車料金3ユーロ。だから田舎って好き(笑)

                      パーキングの近くにあるネポモク聖人の銅像が
                      チューリップを抱えていたのが可愛かった・・・が、何故だろう???



                      開演まで1時間近くあるのに、どうしよう・・・と思ったら
                      修道院内のカフェで、19時15分から「曲目解説」がある、というので行ってみた。

                      曲目解説をしてくれた Dr. Ilija Dürhammer は
                      いや〜、すごい熱血解説(笑)

                      手振り身振りを交え、時々アリアを口ずさみ
                      もともとの発禁本?フィガロの結婚の背景から
                      モーツァルトとダ・ポンテとヨゼフ2世の話に、プラハでの大人気の経緯
                      その後は、もちろん、内容の説明だったが
                      楽しく、熱く、オペラを語る、という意味で、何となく親近感(こらこら)

                      解説が終わって、会場に入ったら

                      あれ〜〜〜っ (・・;) 左右が違う!!!!
                      3年前は、塔のある方が舞台だったのに、今回は塔が後ろ(観客席)の方にある。

                      ・・・とは言え、2年前の「連隊の娘」も、昨年の「カルメン」も
                      私が観に行った時は、雨で、公民館での上演だったので
                      その頃から左右が違っていたのかもしれないが・・・

                      20時開演。舞台に(毎年のように)プロデューサーがマイクを持って立つ。

                      「本日、私は気象庁と、ずっと連絡を取っておりました。
                       気象庁の担当者によれば、雨雲が発生しているが
                       クロースターノイブルクは避けて通るだろう、という予想です。
                       もし、小雨が降ってきたら中断します。
                       大雨になったら、近くの公民館に場所を移動します」

                      まぁ、その他に、15万人目の観客が出た、という話もあったが
                      (その15万人目に当たった客は、名指しだったが、私のちょっと前方に座っていた)
                      ともかく、中庭で無事に開演。

                      私のキライな、しかも、めちゃ眠くなるモーツァルトで
                      新聞評では、演出があまりに精密で退屈・・・とあったので
                      あまり期待はしていなかったのだが

                        うお、このオペラ、出来が良い!!!!

                      舞台は前半はこういう感じで、かなり簡素。



                      野外っぽい仕掛けはないし、上段・下段を作っているワケでもない。
                      (舞台の手前に照明部分で少し下になっているところはあるが)

                      オーケストラの音色が、かなり繊細で、しかも、かなり精密。
                      歌手が揃っていて、声が出るだけに
                      もう少しオーケストラの音量は上げても良かったかもしれない。

                      このオペラは、毎年、有望な若手の歌手を起用する事で有名だ。
                      観客のほとんどはウィーンからで、私に輪をかけたオペラの常連が多い。
                      みんな、耳が肥えているだけに、ヘタクソな歌手が出たら、次から観客は来ない。

                      歌手はダブル・キャストだが、今日はファースト・クルーに当たっていた。
                      みんな、声が通るし、不自然さがなく、演技もこなれていて、実に良い。

                      スザンナ役の Zoe Nicolaidou はキプロス島出身。
                      スマートで知的で、声も出るし
                      バレエをやっているのか、身のこなしが美しく、舞台で絵になる。

                      フィガロ役の Thomas Tatzl シュタイヤーマルク出身、グラーツとウィーンで勉強して
                      現在は、チューリヒのオペラ・ハウスのメンバー。
                      もちろん、好みはあるだろうが、かなり「イイ男」
                      (私はデブ専ではあるが、若くて良いオトコを眼福として楽しむ趣味もある・・・たぶん)

                      イイ男だから(たぶん)、プログラムの表紙にもなっている




                      アルマヴィーヴァ伯爵夫人役の Netta Or はイスラエル出身。
                      以前、ドン・ジョバンニでは、ドンナ・アンナを歌ったとのことで
                      聴いている可能性はある。

                      オープン・エアだから、声量を(わざと)絞らずに歌ったという傾向があって
                      ちょっと声が出過ぎかなぁ、とは思ったものの、美声だし
                      多少太めだけど、美人で、お人形さんみたいで
                      憂鬱な伯爵夫人を、よく演じていた。スザンナとの掛け合いは見事だった。

                      ケルビーノの Nina Tarandek と、マルセリーナの Victoria Massey は
                      2人とも小柄でカワイイ。

                      2幕目の後の休憩時間には、すでに、太陽は落ちていて
                      修道院の夜間照明が美しい。





                      演出は確かに細かい部分までセリフに忠実な正統派。
                      度肝を抜くような驚きはない代わりに、安心して観ていられる。
                      舞台が簡素なので、照明が一生懸命に変化をつけていたが
                      もともと周囲が暗いので、それで、舞台に明暗をつけると
                      暗いところでは、本当に暗くなって・・・眠りそうになる(←自分が悪い(自爆))

                      気温は16℃くらい。
                      ただ、風が強いので、ますます寒く感じる。
                      舞台の上は、もっと寒かっただろうなぁ。ドレスが強風に煽られていた。

                      でも、今年は、公民館での上演ではなく
                      中断もせずに、最後まで修道院の中庭で上演してくれたので
                      とっても満足。

                      やっぱり、あの修道院の中庭という独特の雰囲気と
                      不思議な音響効果は、夏の野外オペラに欠かせない(断言)

                      帰宅は真夜中を過ぎたけれど
                      久し振りにナマの音楽を聴けて、嬉しい私に
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                      久し振りに、堂々と「クラシック」と書けるのに
                      ちょっと感激したりして f(^^;)

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