サルバ・サンチス+ケースマイケル(ローザス)至高の愛

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    Volkstheater 2017年7月28日 21時〜22時

    Salva Sanchis & Anna Teresa De Keersmaeker / Rosas
    A Love Supreme

    振付 Salva Sanchis, Anna Teresa De Keersmaeker
    ダンス José Paulo dos Santos, Bilal El Had, Jason Respillieux, Thomas Vantuycom
    音楽 A Love Supreme von John Coltrane
    照明 Jan Versweyveld
    衣装 Anne-Catherine Kunz

    ジョン・コルトレーンの「至上の愛」をテーマにした
    サルバ・サンチスとケースマイケル(ローザス)のプロダクション。
    2005年のオリジナル・バージョンの改訂版でオーストリア初演。

    自他共に認めるクラオタの私は
    教養に華々しく欠けたところがあって
    ジャズとか、ま〜ったくわかりません(大恥)

    全く飾り気のない(黒い板がモロに出ている)舞台に
    男性ダンサー4名。
    最初は無音。これがかなり長い。

    うち、3名は
    フォーメーションの関係で少し違うけれど
    基本的には同じ振りで
    1名が時々、揃った動きとは違うソロを踊る。

    その後、1人のダンサーが無音のまま舞台に残り
    静止したり動いたり
    なんかこれ、能か何かの影響か(穿ち過ぎ?)
    静止(=間)と動きのバランスが
    非常に不思議な世界をかたち作って行くのだが

    ・・・すみません、睡魔が・・・(-_-)zzz

    いやホント、最後列で最初から立って観ていたのだが
    それでも立ったまま寝そうになるわこれ。
    (立ったまま寝られるのは高校時代からの特技なの、自慢にならないけど)

    その後、ジョン・コルトレーンの曲がテープで始まる。
    プログラムには新時代の音楽、とか書いてあったので
    ついつい、現代音楽とか変拍子とかを期待していたのだが

    ・・・なんか、普通のジャズじゃないの。
    あっ、ジャズに造詣の深い方、ごめんなさいっ!!!

    カウントも取れるし調性もあるし
    と考えてしまった私をお許し下さい。

    男性4人のダンサーが
    ずっと舞台に出ずっぱりで
    基本的に3人が同じ振付で1人がソロ。
    ソロ部分は即興かも。

    3人の同じ振付部分も、微妙に違って
    フォーメーションを巧く作っているのは
    さすがにスティーヴ・ライヒの音楽に振付して来た
    ケースマイケルのセンスが活きてるなぁ。

    すごいダンスとは思うけれど
    ド・シロートの私からすると
    やっぱり踊ってるだけ、という感は否めないのだが

    ストーリーも何も見えて来ないのに
    そこに無言のまま
    身体で表現される世界が圧倒的。

    ソロのダンサーは基本的には
    最初にソロを踊ったダンサーがメインだが
    他のダンサーも時々、ソロ・パートになる。

    ド・シロートの目から容赦なく観てしまうと
    メインのソロ・ダンサーが

    あまりに巧すぎる・・・

    他のダンサーも技術はすごいのだが
    メインのソロ・ダンサーの持っている雰囲気や
    華・・・としか言いようのない得体の知れないもの
    鑑賞者を惹きつけてしまう不思議なオーラ
    ちょっとした動きや
    身体の掴む空間の大きさに目を奪われる。

    う〜ん、持って生まれたセンスの良さって
    芸術では、ここまでわかってしまうのか。

    これこそ、努力ではどうしようもない
    芸術のコワイ部分なんだろうなぁ。
    シビアだよね、この世界は(ため息)

    至高の愛が何だかは
    私には全く理解できないし
    舞台の上で、男性4人のダンサーが
    至高の愛で愛し合ってるとかもあまり思えないし
    (その意味で、生々しいところは一切ない)

    言語では表現できない
    身体の感覚による表現のみの舞台・・・なんだろうな、きっと。

    全然わかんないけど
    (はい、芸術的センスはゼロです)
    舞台の上の不思議な世界観に
    目が離せなくて(眠くもならず)
    魅せられてしまう不思議なパーフォーマンス。

    ただ巧いダンスを見ているだけ・・・と言えば
    それはそうなんだけど
    何だろう、この不思議な感覚は。

    言語では表現のできない世界って
    何でも言葉にしないと気の済まない私には
    すごくもどかしくて困惑してしまうのだが

    そういう世界もあるなぁ、と
    納得しつつ会場を去った私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    こういう演目って
    もう絶対的に言語表現をはなから拒否する芸術だもん。
    自分の記録とは言え、どう書いたら良いのか戸惑うだけだわ(言い訳)

    Ich bin O.K. Dance Company

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      Akademietheater 2017年7月27日 19時30分〜20時50分

      Ich bin O.K. Dance Company (Austria)
      Getrennt - Vereint

      ダンサー
      Irene Bauer, Simon Couvreur
      Martin Dvorak, Kirin Espana, Clair Hecher
      Clara Horvath, Raphael Kadrnoska, Niklas Kern
      Michale Kortus, Severin Neira, Johanna Ortmayr
      Felix Röper, Sophie Waldstein
      振付 Hana Pauknerová-Zanin, Attila Zanin
      黒子 Gerhard Kapfenberger, Maria Reichegger, Antonia Röper, Anna Röper

      オーストリアのダンス・カンパニー
      ドイツ語で、「私は O.K. ダンス・カンパニー」という名称で
      障害あり+障害なしのアマチュア・ダンサーたちの集団。

      クラシック・バレエのプロが2名(男女)
      モダン(ヒップホップとか)のプロが1名(男性)

      それ以外は普通に仕事をしている人たちで
      私が在籍していた会社の系列会社の社員もいた(顔知らないけど(笑))

      で、これが、意外に面白かったのである。
      もちろん、金払ってアマチュアのダンスかよ、とも言えるけれど
      プロのダンスに加えて
      作品の構成が抜群に良い。

      短いスケッチの連続。
      クラシックの両親の息子が反抗してモダンに行っちゃうとか
      3組の男女の、それぞれの愛の形とか
      男性3人のシャドー・ダンス(?)とか
      酔っ払いがひっちゃかめっちゃかに踊るとか

      日常生活のさりげない一コマや
      ドラマを、ちゃんとダンスにして見せてくれて

      確かにプロとアマチュアが一緒に似たような振付を踊ると
      そりゃ、レベルが全く違うから
      ちょっと居た堪れないような感じになる場合もあるけれど

      でもプロの振付を自分のダンスとして
      ちょっと違うんだけど、ちゃんと踊っているアマチュアの方が
      意外に味があったりする。

      ブレイク・ダンスもあったし
      パネル3枚を自在に使って
      パネルの向こうからの影絵のダンスもかなり魅力的。

      それに何というか
      踊っているダンサーが、すごく楽しそうなの。

      クラシック対モダンの対決なんていうスケッチもあって
      クラシック組がバッハのチェロ曲で
      モダンがリズミックなカッコいい曲で
      それを交互に、モダンの時には客席も手拍子打ちながら
      対決勝負というよりは
      それぞれが、それなりに楽しんでいるという微笑ましさ。

      たぶんダウン症だな、と思われるダンサーが何人かいるのだが
      スタイルはどうしようもないとして
      それなりの訓練を積んで努力しているのが見えて

      まぁ、プロと一緒に踊ってしまうと
      ちょっとあまりに違い過ぎると言うのはあるが
      ソロで踊るシーンは
      それなりに形になっていて、何だかすごく楽しい。

      それぞれのシーンが考えられていて
      短いスケッチの連続でも
      スケッチそのものの内容もバリエーション豊かで
      この振付・構成はすごいわ。

      障害を持つダンサーたちのコンセプトであれば
      ジェローム・ベルも居るけれど

      ジェローム・ベルほど徹底してはいなくて
      そこそこ緩い空気が
      すごくオーストリアっぽいと言うか

      いや、この緩い感じが良いの。

      文化背景や、それぞれの個人の個性を
      同一化するのではなく
      それぞれに尊重して認め合うというコンセプトだけど
      実はそれほど、ダンサー内に差別感がない。

      文化が違うというのなら
      どこか他の文化のダンサーも居て良い筈・・・
      以下省略。これ以上書いてしまうと政治テーマになりかねない(汗)

      アマチュアの舞台を
      これだけの構成で観衆を飽きさせず
      ダンサーの楽しさが充分に伝わって来たプロダクションに
      満足して楽しませてもらった私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      カーテンコールの時のダンサーたちが面白かった。
      プロはものすごく控え目だったけれど
      アマチュアのダウン症のダンサーたちが
      とても張り切ってカーテンコールでも踊っていて
      かなり見応えあって、チャーミングだった。

      Cecilia Bengolea / François Chaignaud DFS

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        Volkstheater 2017年7月26日 21時〜22時15分

        Cecilia Bengolea (France/Argentina) &
        François Chaignaud (France)
        DFS

        コンセプト Ceclia Bengolea, François Chaignaud
        振付助手 Damion BG Dancerz, Joan Mendy
        パーフォーマンス Cecilia Bengolea, Cassie Dancer, Damion BG Dancerz,
        François Chaignaud, Valeria Lanzara, Eriko Miyauchi, Shihya Peng
        技術・照明デザイン・ドラマツルギー Jean-Marc Segalen
        ビデオ Giddy Elite Team
        サウンド Clément Bernerd
        衣装デザイン Cecilia Bengolea, François Chaignaud

        このダンス・カンパニー
        予告を見た時には、かなり「踊って」いたので選んだのだが
        感想書くのには複雑な気分ではある。
        まぁ、コンテンポラリー・ダンスなんて全部そんなモノだが(極論)

        ダンサーはほとんどがクラシックの素養があって
        男性含めてポワントで踊っているシーンも多く
        いや、多すぎて、そこでポワントで踊る意味はあるのか、と
        ついつい突っ込みたくなってしまう程。

        舞台の照明が面白い。
        赤い四角を、視覚の錯覚を使って
        まるで右側がグッと上がっているように見せているのだが
        実際は平面である(が、錯覚で歪んでいるように見える。面白い)

        ダンサーが出てきて
        グルジア(あ、今はジョージアとか言うんだったっけ)の民謡を歌う。
        2声から4声のポリフォニーで
        3度の和音を使っているから、そこそこシンプルなものなのだが
        歌いながら踊る。
        マイクはないが、しっかりと聴こえて来る。
        (客席の咳の方もしっかり聞こえる。音響が良いのだ、このホール)

        で、歌はそこそこヴォイス・トレーニングされていて
        男性のカウンター・テノールなんか、すごくキレイなんだけど
        別に割にシロウトっぽい歌を聴きに来てるワケではないのだが・・・

        最後の方で4声のコーラスは
        かなりグダグダで、ちょっと気持ち悪かったし。

        途中でリズミックな曲も入って踊るのだが
        踊るだけで(しかもポワント多用で)
        そこにストーリーと言うか
        何を表現したいのか
        いや、ダンス上手だから
        ディスコか何かで、すごく巧いダンスを見てると思えば良いのだろうが

        身体能力だけ見てるのも
        何だか感激がないというか・・・

        すみませんね、うるさい奴で。
        ただ、これ、体操競技とかじゃなくて
        一応、アートで、芸術でしょ?
        何か訴えてくるものとか、主張とか、内容とか
        そういうものが欠けていて
        いくら巧いダンスだけ見せられても、何だかなぁ。

        パーフォーマーの一人がマイクを持って
        (このパーフォーマーのソロは凄かった)
        「僕はジャマイカ出身です。
         僕のクラスの生徒たち、会場に居るよね?
         みんな、踊りたい人は舞台にいらっしゃい」

        というので、観客席からゾロゾロと
        50人くらいのダンサー(か、ダンサーになりたい人)が舞台に上がって
        簡単な振付で踊り出すのだが

        その「簡単な振付」がどんどん複雑になっていって
        これが、見てると面白いの。

        自分でもイヤな奴だとは思うんだけど
        こういう授業みたいな玉石混交のダンサーたちを見ていると
        ダンスの出来る身体にちゃんと鍛えられているか
        身体が出来ているダンサーの中でも
        すぐに反応してダンスできる人とできない人
        更には、ダンスのセンスの良さまで
        全部見えちゃうんですよ。

        このコンテンポラリー・ダンス・フェスティバルは
        年齢に拘らずのクラスも多くて
        よって、ゴールデン・エイジと呼ばれる55歳以上も
        ダンス・クラスに出ている人が居るのだが

        舞台に2人ほど、私と同じかそれ以上の年齢の女性が出ていて
        その中のちょっとふくよかな1人は
        ごめんなさい、この人、昔ダンスしていたのかもしれないけれど
        ちょっと場違いというか
        (昔ダンサーとしての経験があるとかは思えない)
        プリエというか、膝曲げるところで、しゃがめない状態で

        それでもしっかりと舞台に出ていく勇気は
        大したものだ、とか、別の意味で感激してしまう。
        (日本人だったら絶対に出ていかないだろう)

        で、このシーンが始まる前に
        何故か、舞台裏から犬が出て来て
        客席に逃げてしまって
        探すのに大苦労していたのに

        その犬をまた舞台に上げて
        犬は尻尾振って大喜びしているのだが
        やっぱり客席に降りようとして(で、また客席に逃げてしまう)
        それを何回か繰り返して
        ダンサーが上がった後は、その後ろでひたすらはしゃぎ捲ってた(笑)

        可愛かったですけどね。
        でもあそこで犬を出す必然性はどこに?

        まぁ、楽しく踊っていれば
        クラスとしては別に構わないけれど
        これ、パーフォーマンスだよね。
        私、貧民席とは言え、そこそこの金を払って見に来ているので
        本当はシロウトのダンスなんか見たくないんだけど

        まぁ、それでも舞台に乗ったほとんどのダンサー(か、そのタマゴ)は
        センスの良し悪しはあっても
        あれだけ様々なダンサーが揃うと、確かに面白い(プロだけじゃないから)
        後ろに犬もウロウロしている事だし(ワケわからん)

        ただ、ダンスのみ(で内容もよくわからん)を見るパーフォーマンスで
        今回は約1時間だったから
        何とか耐えられたけれど
        これを延々とやられたら、退屈するだろうなぁ。
        (最初の頃に近くからイビキも聞こえて来たし(笑))

        みんな、真面目に歌って
        ポワント多用のすごいバランスで
        非常にレベルの高いダンスを見せてはくれるのだが

        わからない外国語を
        必死になって話されている疎外感がある。
        (これ、現代音楽でも時々感じるが)

        でも一応、ダンスは観た、という事で
        まぁ、色々あるから(しかもたった1時間だし)と
        納得している私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        Marlene Monteiro Freitas with Andreas Mark : Jaguar

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          Odeon 2017年7月25日 21時〜23時10分

          Marlene Monteiro Freitas with Andreas Merk
          Jaguar

          振付とパーフォーマンス
          Marlene Monteiro Freitas (Cap Verde / Portugal)
          Andreas Merk (Germany)
          照明・舞台 Yannick Fouassier
          小道具・大道具 João Francisco Figueira, Miguel Figueira
          サウンド Tiago Cerqueira
          プロダクション P.O.R.K, Lissabon

          パーフォーマンスは105分
          (ドア・オープンが21時過ぎで開始が21時30分くらいだった)
          その間、二人のダンサーが、ずっと踊りっぱなしで
          しかも、すごい身体能力で
          体力あってタフで
          内容はともかくとして(笑)
          よくやった・・・という印象。

          で、内容なんだけど
          コンテンポラリー・ダンスの常として(すみません)
          いったい、何を書いて良いんだか戸惑ってる(爆笑)

          白い運動着を着たダンサーが
          時々バスローブに身体を包み
          たくさん、タオルを使いながら
          ひたすら踊る。

          ・・・って、それだけじゃ記録にならんわ。

          最初はリズム感ある大音響のロックで
          マリオネットのようなカクカクした動きで
          二人で踊っていたのだが

          その後に流れてきた音楽は
          シェーンベルクの浄夜!!!!

          うはは、もちろんこの曲の元になった内容は
          私は知っているけれど
          (観客の若いダンサー諸氏は知ってるのかしら、という
           失礼な疑問も心の中に浮かんだワタシをお許し下さい)

          女性が大きなタオルで
          ご妊娠中と思わせるカタチで
          ずっと四股踏んだまま、タオルで色々とやってる間
          男性ダンサーは青いタオルで局所を隠したりしながら
          離れたところで踊っていて

          最後の部分で、オリジナル曲にない
          とんでもない不協和音が響いたのは

          オリジナルのリヒャルト・デーメルの詩とは違って
          男性による女性の救済はない・・・って事か???

          これ、デーメルの詩の内容を知らずに観てたら
          女性がずっと悶えてるだけで
          あまり面白くないような気がするんだけど。
          (内容知っていると、何となく生臭くてちょっとあれだが)

          浄夜の後に突然、ルネサンス調の音楽が響いて
          その後に繰り広げられたのが

          赤のタオルと青のタオルで
          男女のダンサーがくっついて

          そこに出現したのはマリアさま
          ・・・と言うのは、はっきりわかるんだけど

          男女が顔をくっ付けあって
          唇(周囲は赤く大きく塗られている)を半分づつ
          空き具合を同じにして、こちらに向けているので
          まるでピカソの絵を見ているような
          実にグロテスクな、キュービスムのマリア(絶句)

          グネグネ動く二人で一つの顔のマリアの後って
          二人での社交ダンスみたいなシーンもあって
          身体能力がスゴイので
          純粋なダンス・シーンは、かなり見応えがある。

          でもその後、ひっくり返りそうになったのは
          流れた音楽が
          ストラヴィンスキーの「春の祭典」だったから。

          ええええっ、この音楽でダンス踊るか?!
          ある意味、恐れ知らずというか
          いや、スゴイわ、この曲を選ぶとは。

          で、この「春の祭典」
          男性が白いタオルで下半身を包んで
          まるでローマ時代のトンガみたいなカタチになって
          そこに跪いた女性が近寄っていくシーンから始まるのだが

          犠牲になる乙女、というよりは
          男性の方が犠牲に見えるのは、私の錯覚か?

          この春の祭典も、前半だけを音楽として使うのかと思ったら
          しっかり全曲使っていて
          ちょっとこれは
          ワタクシ的には、以前のノイマイヤーのダンスが印象的過ぎて
          今回の二人が何やっていても
          目の前にはノイマイヤーが浮かんでくる(すみません)

          左側に置いてあった馬の模型が
          ドイツの絵画グループ Der Blaue Reiter へのオマージュというのは
          プログラムに書いてはあったけれど
          カンディンスキーやフランツ・マルクの絵画を
          思い起こさせる要素はなかったなぁ・・・
          あっ、若しかしたら、私がピカソと思った
          あのマリアがそうだったのか???

          その馬を舞台に移動させて
          二人でバタバタやっているうちに馬は3つの部分に分解されて
          そこで「春の祭典」が終わったので
          これでパーフォーマンスも終わりかと思ったら

          最後に赤っぽい紫と緑のタオルを使って
          男性はターバン、女性は帽子のようなものを被り
          (両方ともタオルで作ってある)

          おお、これはまた
          ルネサンス的時代を現しているのか

          と思ったら

          流れてきた音楽が
          プッチーニのマダム・バタフライの
          あの有名な「ある晴れた日に」のアリア(絶句)

          イタリア・オペラだけど題材が題材だし
          まぁ、一番盛り上がったところで
          イタリアン(しかもルネッサンスかバロック)的に
          二人でばったり倒れたのはドラマチックではあったが。

          よく考えられて教養のある人用に
          背景をしっかり考慮したプロダクションなのか
          適当に音楽とダンスを組み合わせちゃえ、というものなのか

          ともかく、よくわからん。

          音楽にクラシックを使っている部分が多いのだが
          時々、ヘンな音も入って来るし
          雨の音が入って来たり、豪雨の音も音楽として使われている。

          動きは、ずっと操り人形っぽいカクカクとした動きで
          すごく激しいシーンも結構あって
          (目隠しした女性ダンサーを片足持って振り回すところなんか
           ちょっと間違ったら舞台の後ろにある段にぶつけたら大怪我だぞ)
          コンテンポラリー・ダンスの「能力」という意味では
          実に素晴らしい。

          プロダクションに散りばめられた(と思われる)暗喩も
          怖いもの知らずのハチャメチャ感は半端じゃなかった(笑)

          イム・プルス・タンツは何でもありだし
          暗喩(だろうと思われる)は割に解りやすかったし
          動きとしては面白かったから
          行って損した、とは思わなかった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          後でプログラム読んでいたら
          男性ダンサーはフランクフルト芸術大学でフォーサイスの元で学び
          二人ともケースマイケルの P.A.R.T.S. 出身だった。
          確かに、しっかりとクラシックとモダンの基礎のある身体とダンスだった。

          ヤン・ファーブル/トルブレイン ベルギーのルール

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            Volkstheater 2017年7月20日 20時〜24時

            Jan Fabre / Trougleyn
            Belgian Roles

            パーフォーマンス
            Annabelle Chambon, Cédric Charron, Tabitha Cholet, Anny Czupper,
            Conor Thomas Doherty, Stella Höttler, Ivana Jozic, Gustav Koenigs,
            Mariateresa Notarangelo, Çigdem Polat, Annabel Reid, Merel Severs,
            Ursel Tilk, Kasper Vandenberghe, Andrew James Van Ostade
            コンセプト・演出 Jan Fabre
            テキスト Johan de Boose
            音楽 Ryamond van het Groenewould, Andrew Van Ostade
            ドラマツルギー Miet Martens
            衣装 Kasia Mielczarek, Jonnes Sikkema,
            Les Ateliers du Thèâtre de Liège, Catherina Somers, Monika Nyckowska

            むちゃくちゃ長いお休みで
            もうこのページ、ちょっと腐ってるんじゃないか、と
            自分でもおそるおそる開けてみたような状態の後の

            最初の記事が
            ウィーン・コンテンポラリー・ダンス・フェスティバルという
            とんでもないパーフォーマンスについてで
            読者の方々は辟易しているだろうが

            私も久し振りに辟易(笑)

            いや、パーフォーマンスそのものは
            中々面白かったのだが(ツッコミどころは満載だが)

            ご存知、あの昆虫学者のアンリ・ファーブルの曽孫に当たる
            ベルギー出身の芸術家、ヤン・ファーブルの率いる
            現代演劇・ダンス集団のトルブレイン。

            いつもかなり過激で、長い演目を持って来るのだが
            確かにプログラムには3時間45分、と書いてはあった・・・けれど
            休憩なしの3時間45分というのは、かなり長い。
            2012年には8時間公演という、ワーグナーまっさおな演目もあったけど(笑)

            今回のテーマは「ベルギー」である。
            ベルギーの観光紹介プログラムと思ってはいけない。
            まぁ、多少はそのケもない訳ではないが
            あのパーフォーマンス見て、ベルギーに行きたいとは
            あまり誰も思わんだろうきっと。

            最初から最後まで、ずっと目立っているのは
            ベルギーのビールである。
            (飲んでこぼして身体にぶっかけてエトセトラ)
            最初に出て来るパーフォーマー(中年の太めのおじさん)が
            ビールを飲みながらベルギーという「でっかい小国」の紹介をして
            ハリネズミの着ぐるみのおばさんパーフォーマーが
            演劇というのはベルギーで始まったのよ、という話をする。

            パーフォーマーたちが折に触れ
            「我々はヨーロッパの中心で、大きな国だ」と主張するベルギーは
            多くの芸術家を生んでいる。

            という訳で、このパーフォーマンスで取り上げられるのが

            ヤン・ファン・エイク
            ピーテル・ブリューゲル
            ピーテル・パウル・ルーベンス
            フェリシアン・ロップス
            フェルナン・クノップフ
            ジェームス・アンソール
            ポール・デルヴォー
            ルネ・マグリッド

            エイクなんかアルノルフィーニ夫妻像が出てきちゃって
            あの衣装、女性の方はお腹まで大きく
            更に後ろには、例のあの鏡まで出て来ちゃうし

            ルーベンスは毛皮を纏った(下は裸)女性たちが
            突然、銃を構えて観客を脅かしたりする。

            フェリシアン・ロップスの
            ポルノクラートがそのまま舞台の上に登場するし

            クノップフの長い金髪の女性たちや
            アンソールの骸骨
            ルネ・マグリッドの色彩そのままのヌードの女性に
            コウモリ傘とシルクハットの男性とか

            ぴったり同じとかいう模倣ではなくて
            絵画の雰囲気や色彩が、そのまま舞台に乗っている面白さ。

            ビールの他に、ずっと登場するのは「鳩」で(複数)
            これがまた、愛らしいというか、すっとぼけキャラなのに
            途中のモノローグでは

            僕の曽曽曽おじいちゃんは
            メッセージを届けたり、カメラを装着して写真を送ったり
            すごく活躍したのに
            (註 若い読者諸君、昔は伝書鳩というのがあったのです)
            今や、誰も鳩を大事にしてくれなくて
            猫ばっかり可愛がるけど
            猫なんて、何の役にも立ってないじゃないか
            (この無駄ないじけ方が可愛らしい(笑))

            途中でパーフォーマーたちが
            むちゃくちゃハードな運動しつつ
            ベルギー・ルールを30以上叫ぶパーフォーマンスがあるのだが
            (最初は禁止事項、次が義務事項で、最後が可能事項)
            いや、すごい体力・・・というより
            義務事項って、ず〜っと骸骨背負ったまま走って
            走りながら30以上の事項を言っていくんだけど
            これを4回繰り返したのには、かなり絶句したわ。

            その他にも、劇には死が必ず登場する、という
            メメント・モリの話とか
            第一次世界大戦の話や
            植民地のコンゴのテーマとか
            (闇の金がなぜ汚いの、というアンチテーゼと絡めてる)

            何せ4時間弱(休憩なし)の中に
            何もかもぶち込んであるので、すごい内容ではある。

            衣装も派手で
            ダンス・パーフォーマンスも
            ダンスのみならず、見事なバトン・ダンスとかもあったし
            (美しい制服でバトン・パーフォーマンスを繰り広げる人たちが
             途中で急に暴力的になって、鳩を虐めるところは、ちょっとコワイ)
            ダンスとしても見応えたっぷりだし
            演劇としても面白いし
            画家の絵画を舞台に再現しているのも面白い。

            ベルギー・ルールのテキストは
            ブラック・ユーモアに満ちていて大笑いできるのだが
            最後の旗振りしながらの可能事項は
            ・・・まぁ、急にマジメなプロパガンダ的な
            平和への希求とか人種差別反対になって
            それまでのブラック・ユーモアが影を潜めてしまって
            青年の主張大会みたいになっちゃったが
            あれこそが、ヤン・ファーブルの言いたかった事なんだろうなぁ。

            ビールを振ったり口から吹き出したりのシーンも結構あったので
            平土間の前の方に座っていた人たちは
            かなりビールを浴びているに違いない(笑)
            (貧乏な天井桟敷で良かったわ)

            パーフォーマンスのテキストは
            英語・フラマン語・フランス語・ドイツ語の4ヶ国語。
            ベルギーという国の激動の歴史や言語、民族を物語るなぁ。
            (上に英語とドイツ語の字幕が出てくる)

            冗長と思わせる部分もかなりあるのだが
            ヤン・ファーブルの絵画感覚を活かした舞台。
            本当はもう一回観ると
            上の字幕に気を取られていて
            パーフォーマーを観察していないところもあったので
            面白いかもしれないけれど

            最終の市電に間に合うかしら・・・と
            ドキドキしながら、まだ終わらんか、とヤキモキする事を考えたら
            まぁ、1回で充分だわ(笑)

            来週からコンテンポラリー・ダンスが続くけれど
            今回は(比較的)厳選してパーフォーマンスを選んだので
            そんなにアホな演目はない・・・はず
            だが、まぁ、コンテンポラリー・ダンスって
            大体においてヘンなので
            そこらへんはどうぞよろしく、と
            お茶を濁す私に
            久し振りの1クリックを、どうぞお恵み下さいませ。



            長い長いお休みの時にも
            訪れてクリックを下さった暖かい読者の皆さま
            本当にありがとうございました(深くお辞儀)

            コンテンポラリー大好きで
            この演目に興味のある方は
            ウエブ・サイトにかなり詳しい情報、写真、動画が上がっているので
            おヒマな向きはどうぞ ここ

            イスラエル・ガルバン La Fiesta

            0
              Festspielhaus St. Pölten 2017年5月6日 19時30分〜21時

              Istael Galván
              LA FIESTA

              コンセプト、芸術監督、振付 Israel Galván
              出演 Israel Galván, Eloisa Cantón, Emilio Caracafé, El Junco,
              Ramón Martínez, El Niño de Elche, Minako Seki, Aila Sellami, Uchi

              イスラエル・ガルバンがサンクト・ペルテンに登場するとあって
              喜び勇んでチケットを買って
              往復200キロのドライブして来た。

              で、ガルバン、日本にもよく行ってるし
              今まで、かなり楽しませてもらったので
              あまり悪い事は書きたくないのだが

              すみません、個人のメモなので・・・

              最低でした(ごめんなさい)

              久し振りにとんでもないモノを観てしまった、という感じ。

              イスラエル・ガルバンのフラメンコがあまりに素晴らし過ぎて
              他の「芸術家」たちの、あまりの格の違いに
              唖然として、呆れ果てて
              いくらお友達かもしれないけれど
              こういう人たちとパーフォーマンスをした事で
              申し訳ないけれど
              「芸術家」の自己満足の「芸術性」作品になってしまった事は
              実に残念。
              (途中で出ていった人もかなり多かった)

              芸術感覚に欠けている私だから
              あの作品の高い芸術性をわからないアホと言われても
              仕方ないと思うし
              あの演目を絶賛する感受性の豊かな方も多いと思う。

              けど、ワタシ、コンテンポラリーもよく観るし
              現代音楽も好きでポリフォニーだって別に問題じゃないんだけど

              オジサンがず〜っと、あああああああ、と高い声を出して
              それに被せて、ソプラノが
              美しく(もちろんマイクあり)歌って
              それがポリフォニーになって全く合わなくなって
              ・・・というのが延々と続いた時には、さすがにげっそり。

              ダンスを観に来たのであって
              シロウトのソプラノを聴きに来たワケじゃないぞ。

              ガルバンが客席から登場して
              何と床に寝転んだままでフラメンコ踊ったのは印象的だったし
              男性2人のフラメンコ・ダンサーは
              リズム感も良くて、なかなか楽しませてもらったし

              足首に鈴をつけてギター弾いた
              どう見ても中年ヒッピーにしか見えないオジサンの
              音楽性はかなり楽しかったし

              小柄で、どうみてもマツコ・デラックスのミニチュアに見える
              オバサンが、ミニチュアの巨体を揺らしながら
              手拍子でリズムに乗って歌ったりするのは愉快だったが

              ・・・まぁ、そうやって考えてみると
              楽しめる要素も、かなりあったんだけど。

              不安定な机の上で机を揺らしながら
              靴でリズムを取って、その音を聴かせたり
              手拍子に囁きを乗せたりとか
              最初の部分は割に音楽的にも楽しかったんだけどなぁ。

              ガルバンのダンスの見事さについては
              これはもう言うまでもない、というか

              ともかく、このダンサーがソロを踊り始めると
              他の出演者から
              むちゃくちゃ浮きまくって
              そこだけに光が当たる感じになる。

              本当にフラメンコを踊るためだけに作られた身体みたい。
              その柔軟性と軸の強さ
              ステップの見事さに加えて
              ダンスを「魅せる」事にかけては
              現代でこんな天才、他に居ないだろう、きっと。

              以前のフラ・コ・メンは
              同じく、他のアーティストとの共同作品だったけれど
              これは楽しかったんだけどなぁ。

              まぁ、ワタシのような
              芸術感性に欠けた人間にはわからない
              素晴らしさがあるんでしょう、きっと。

              プログラムの解説には
              終わりの始まり云々と哲学的な事がズラズラ書いてあったが
              そ〜いう哲学的な事はわからないので
              わざと無視している私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              スペイン国立ダンス・カンパニー 「カルメン」

              0
                Festspielhaus St. Pölten 2017年3月25日 19時30分〜21時30分

                Johan Inger.
                Compañía Nacional de Danza de España

                CARMEN

                振付 Johan Inger
                衣装 David Delfin
                ドラマツルギー Gregor Acuña-Pohl
                舞台 Curt Allen Wilmer (AAPEE)
                照明 Tom Visser
                オーケストラ Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                指揮 Manuel Coves

                Georges Bizet
                Prélude zur Oper “Carmen”
                Carmen-Suite Nr. 2, Danse Bohème
                Rodion Schtschedrin
                Carmen-Suite für Streichorchester und Schlaginstrumente, Auszüge
                Marc Álvarez

                Carmen : Kayoko Everhart
                Don José : Daan Vervoort
                Knabe : Leona Sivôs
                Escamillo : Isaac Montllor
                Zùñiga : Toby William Mallitt
                Álvaro Madrigal, Antonio De Rosa, Niccolò Balossini, Mattia Russo
                Aleix Mañé, Benjamin Poirier
                Rebecca Conner, Elisabet Biosca, Mar Agulió, Agnès López
                Sara Fernández, Aída Badía, Helena Balla

                サンクト・ペルテンの祝祭劇場は
                こういうニッチなプロダクションにかけては
                実に凄腕だと思うのだが
                ともかく、この公演、完全に売り切れ状態。
                プログラム発表された時に即(貧民席を)買っていて良かった。
                (とは言え、正面席の貧民席でも40ユーロ近かったが)

                スペイン国立ダンス・カンパニーと言えば
                2012年、まだナッチョ・ドゥアトが監督の時に
                ブルク劇場で ImPulsTanz の一環の公演で観て
                椅子からずり落ちてひっくり返って
                その後、ナッチョ・ドゥアトの DVD を漁りまくった記憶があるが

                今回はスウェーデンの振付師ヨハン・インガーの作品を持って来た。
                この振付師、ネザーランド・ダンス・シアターでも活躍した人らしい。

                三角形のブロックをいくつも舞台に置いているだけだが
                この三角形のロケーションや照明によって
                様々なシーンを作り出す。
                衣装はモダンで
                スペインが舞台とか言うのはほとんど感じない。

                最初にバスケット・ボールを持った
                白い運動着の女性が出て来て、何だこれ?と思ったけれど
                その後、三角形のブロックの位置が色々変わって
                男性たちの群舞、女性の群舞。
                ドン・ホセ登場・・・・だと思うんだけど

                何か普通のオジサンというか・・・

                カルメンは赤いドレスを着て登場するのでよくわかる。
                すごく華やかな雰囲気を纏って
                色っぽいのだが
                多少の下品さがきちんと入っていて
                実にイヤな悪女に見える。

                バレエというよりはモダンなのだが
                この振付、動きが非常に美しい。

                日常的な動きを取り入れながら
                動きが滑らかで
                無理にアピールする派手な部分がなくて
                一つ一つの動きにしっかり意味があって

                しかも、むちゃくちゃカッコいいです ♡

                ちょっとナッチョ・ドゥアトを思い出したりして
                こういう振付、すごく好き。
                クラシックの要素はほとんど入っていないのだが
                しっかりダンスになっていて
                シロウトなので難しい事は言えないけれど
                こういうダンス作品、すごく好み。

                さて、プログラムによれば
                子供のように、なりふり構わず情熱と暴力を繰り広げる
                というのがテーマらしい。

                暴力のシーンってあったけど
                でも、この作品、非常に暗喩が多くて
                他のダンス作品のように
                直裁的に暴力を舞台に乗せる、というのと違う。

                影の役の活躍が多い。
                (真っ黒な衣装で黒い仮面を被って登場する)
                これが、人間の暗黒の側面を表現しているのかもしれないが
                何とも不気味である。
                (床をゴロゴロ転がって行ったりするし)

                カルメンを踊った Kayoko Everhart というダンサー
                東京出身らしいのだが
                日本人離れしたエキゾチックな雰囲気のあるダンサー。

                自由を愛するとか気が強いとか言う前に
                これ、かなりの悪女じゃないか。
                男性を手玉に取って
                破滅させるのが趣味・・・みたいな感じ。

                ドン・ホセ役のダンサーが
                何か、どうみても普通のオジンにしか見えず
                最初は、え?この人、本当にドン・ホセ?
                踊れるのか?とか思っていたのだが

                いや、ごめんなさい、失礼しました(汗)
                素晴らしいダンスで
                (動きが滑らかでリアルで、でもちゃんとダンス)

                エキゾチックなカルメンが
                あぁ、仕方ないわね、またオトコを落としちゃった。
                ヒマ潰しに揶揄ってやろうかしら
                ・・・としか見えないラブシーンが素晴らしい。
                (ここら辺のリフトはほとんどアクロバット)

                最初に登場した
                ちょっと中性っぽい
                白い運動服の女性は
                たぶん、これはミカエラなのかなぁ。

                ドン・ホセを救おうと
                健気に努力しているのだが

                後半になると、白い運動服ではなく
                黒い服で登場する(これも何かの暗喩か?)

                最初はビゼーのカルメン序曲で始まったけれど
                途中にはシチェドリン版のバレエのカルメン組曲の一部を使用。

                わはははは
                これ、フェドセイエフが指揮したのを楽友協会で聴いた事がある。
                実に面白い曲で
                ビゼーのカルメンのモチーフを使いながらも
                様々な工夫がしてあって楽しい。

                更にテープで Marc Álvarez の作曲した曲が入るのだが
                この音楽がまた良く出来ていて
                テープと実際のナマのシチェドリン版との間の継ぎ目が全くわからない。
                それ程、全体に音楽的にまとまったものになっていて
                これは音響技術者の能力に拍手を送りたい。

                最後にカルメンがホセに刺されたところで
                影の男性(全身真っ黒)が出て来て
                カルメンの赤い衣装を脱がせ
                カルメンが去って行く時に
                黒い運動服のミカエラ?がホセに寄り添い
                上から鎖が垂れて来て、それが落ちて

                ともかく舞台全部が暗喩の連続で
                これ、数回観ないと、わからないような気がする。
                いや、何回も観てもわからないか
                観る度に色々な想像をしてしまいそうな
                不思議な作品だ。

                あまりに暗喩的でモダンで
                どこかの登場人物に感情移入してしまって、というのは
                一切ないのだが

                いったい全体、ホセがカルメンに抱いていた愛って
                何だったんだ?と
                様々な意味で考えさせられてしまう。

                それを書き出すとキリがなさそうなので
                ともかく、これにて独り言は止めておこう(笑)

                バレエ作品「カルメン」は
                4月初旬に、またノルウェー国立バレエ団の公演がある。
                また違ったカルメンが観られそうで
                ちょっとワクワクしている私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                そんな不思議な公演だったんですか?と思っている
                物好きな読者用に
                サンクト・ペルテンの宣伝用トレイラーを貼っておく。
                (キャストは全員違いますが)


                シディ・ラルビ・シェルカウイ Fractus V

                0
                  Festspielhaus St. Pölten 2017年1月21日 19時30分〜21時05分

                  Sidi Larbi Cherkaoui. Eastman
                  Fractus V

                  振付 Sidi Larbi Cherkaoui
                  ダンス Sidi Larbi Cherakaoui, Dimitri Jourde, Johnny Lloyd
                  Fabian Thomé Duten, Patrik Williams Seebacher / Twoface
                  ライブ音楽 Shogo Yoshii, Woojae, Kapsy N’dia, Soumik Datta
                  作曲 Shogo Yoshii, Woojae Park, Sidi Larbi Cherkaoui, Johnny Lloyd,
                  Soumik Datta
                  ドラマツルギー Antonio Cuenca Ruiz
                  舞台 Herman Sorgeloos, Sidi Larbi Cherkaoui
                  照明 Krispijn Shuyesmans
                  音響 Jef Verdeeck
                  衣装 Sumire Hayakawa

                  シディ・ラルビ・シェルカウイの作品 Fractus V

                  5人の全く違うダンス歴を持つダンサーたちが
                  社会と個人の狭間にあって
                  人間の思想は何かに操られてはいないか
                  意見の自由とは何かという
                  ノーム・チョムスキーのアイデアを中心にしながら

                  これもまた様々な音楽背景を持つ音楽家たちの
                  ライブ音楽と共に、繰り広げられる舞台。

                  一言で言ってしまえば圧倒的で男性的なプロダクション。
                  ダンサーの経歴等にご興味のある方は
                  プロダクション Eastman のサイトにあるのでどうぞ
                  (後でトレイラーも貼っておきます)

                  意見のマニュプレーション問題はともかくとして
                  社会と個人の関係が
                  それぞれのダンサーのソロ
                  そのソロに加わる他のダンサー
                  そして何人かが組んで動くシーンに至るまで

                  これあり?という驚きの連続。
                  ダンスとしての完成度も然る事ながら
                  何がズキズキ来たかと言って

                  これだけ傾向の違うダンサーたちが
                  それぞれの特色を出しつつ
                  それを分け与えて
                  時には反発し
                  かなり凄まじい暴力シーンもあるのに

                  違う人間同士が組むという事が
                  どんなに世界を広げてくれるか、という事。

                  サーカスのアクロバティックなダンス出身
                  フラメンコ出身
                  リンディー・ホップに
                  ヒップ・ホップとストリート・ダンス
                  そして振付のシェルカウイ

                  それぞれのダンスの圧倒的なソロの後に
                  他のダンサーが入って来て
                  同じ振付で踊るところが数シーンあるのだが

                  これが面白い。
                  それぞれのダンサーが同じ振付を踊りながら
                  各自の専門に応じて、踊りが違うのだ。

                  ではその専門の人が群舞になった時に
                  一番巧くて目立つか、というと
                  そうではなくて
                  みんな違って、みんな良いのである。

                  3人の「3人羽織」とかの4人の組み合わせのシーンがいくつかあって
                  これがまた、凄い。
                  いや、あれ、見てないと説明できないわ。
                  (トレイラーを後に貼ってあります。ぜひご覧あれ)

                  ダンスというよりは
                  人間の身体が組み合わさってカタチを作って行って
                  それが動く様が、圧倒的。
                  (最後は5人のダンサー全員が組合わさった)

                  かなりリアルでショックだった暴力シーン。
                  ピストルを持ったダンサーが
                  もう1人のダンサーを撃つのだが

                  撃たれて倒れるダンサーのリアルな事と言ったら・・・
                  しかもこのシーン、かなり長くて
                  撃たれてのたうち回って起き上がり
                  また撃たれてというのが延々と続いて
                  (コミックの亜人か、と突っ込みたくなったりして・・・)

                  あれをダンスと言うのか
                  いや、やっぱりダンスだよね。
                  と言うより、あんなにリアルに撃たれたところを表現できるって
                  どこの筋肉をどう動かしてるんだ???

                  この銃撃シーンが
                  あまりにリアルで、ほとんど気分が悪くなりかけた後に
                  今度は素手での暴力シーンが入る。

                  1人のダンサーが
                  他の4人を殴りまくり、蹴りまくり
                  これがまた異様に異様に異様にリアルなのだが

                  途中からスローモーションになるんですこれ!!!

                  スローモーションって
                  殴って、殴られて、蹴られて倒れての動きを
                  全部スローモーションで見せるって

                  どういう技術と体力と筋力の持ち主なんですか!!!
                  いやあり得ないって
                  信じられない。

                  キリアーンの作品で
                  最初から最後までスローモーションというのを鑑賞した事はあるが
                  暴力シーンって、派手で大きな動きの連続なのに
                  それを、ああいう形で見せてしまうなんて・・・

                  暴力は解決されずに残る。
                  人間をコントロールするのには
                  暴力だけでは足りない、という主旨のセリフも出てくる。

                  最後の方になると
                  人間って何でも考え過ぎですよね、というセリフも出て来て
                  じゃぁ、考えなければ良いとして
                  考えるな、って言うのが考える事ですから、という
                  悪魔のスパイラルに嵌る(笑)

                  取り立てて観客を無理に笑わせようとはしていないのに
                  そこはかとなく漂うユーモア。

                  それぞれの個性を持った
                  ダンサーと音楽家たちが
                  お互い同士を尊重しながら
                  時には妥協し、時には真似しあい
                  相手を讃えながら

                  多様性のある社会の中で
                  自分というものを殺さず
                  自分とは違う「他人」から学びつつ
                  それこそが社会なのだ、という
                  確固たるメッセージが伝わってくる。

                  シェルカウイ自身がモロッコとベルギーの混血だし
                  アクラム・カーンと組んだり
                  禅僧とのコラボレーションをやったり
                  多様性を認めながら
                  その中に埋没せず
                  自分のダンスというものを確立して来た振付師だしなぁ。

                  音楽も最初はサンクトゥスから始まる
                  メロディは違うけど聖歌みたいなアカペラから始まって
                  フラメンコ(ダンスが見事!!!)に
                  ちょっと日本風の笛やピアノや
                  これも様々な多様性のあるライブ・ミュージックで
                  ダンスの多様性と共に、とても効果的。

                  舞台装置の中で最も印象的だったのは
                  三角のパネルを床に置いて行って
                  (置かれたパネルの上でフラメンコを2人が踊っている)
                  その形がどんどん変化していって

                  次のシーンでは、パネルの上で踊っているダンサーを残して
                  周囲のパネルを全部片付けていき
                  (ダンサーはどんどん追い詰められる)

                  そのパネルが舞台に半円を描いて立てられ
                  半円の両方にダンサーが座っているんだけど

                  そのダンサーの1人を殴って苛めて
                  殴られたダンサーが倒れると
                  全部のパネルがドミノ現象を起こして
                  別の端にいたダンサーを直撃。
                  一つの暴力現象が
                  関係のない他の人間に影響を与える様というのが圧巻。
                  (このシーン、少しだけですがトレイラーで見られます)



                  プログラム册子には
                  休憩なしの1時間15分とあったが
                  優に1時間30分の公演となって
                  終演後は観客全員、総立ちでブラボーの嵐。

                  こういうところがサンクト・ペルテンの良いところ ♡
                  保守的観客の多いウィーンだと、こうはならない。
                  (あの暴力シーン続きのところで席蹴って帰る人がウィーンなら絶対に居る)

                  ウィーンからもたくさん観客は来ているのだが
                  (シャトル・バスも出てます)
                  こういうニッチ・プロダクションを見る人たちだからね。

                  いやもう、ちょっと感激し過ぎて
                  終わったら、頭がボーッとしてしまい
                  また100キロ、車運転して帰るのかとげっそりした私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  いや、げっそりしても
                  帰らなければどうしようもないワケで
                  しっかり高速を飛ばして1時間で帰宅しました(笑)
                  ウィーンからのシャトル・バスか
                  ちょっと駅が遠いとは言え、列車の往復の方が楽かも。

                  サシャ・ワルツ 「サクレ」

                  0
                    土曜日のダブル・ヘッダーです。
                    時系列で読みたい方は、まず こちら からどうぞ。

                    下は夜の部の記事。

                    Festspielhaus St. Pölten Großer Saal 2016年9月24日 19時30分〜21時20分

                    Sasha Waltz “Sacre”

                    L’Après-midi d’un faune
                    演出・振付 Sasha Waltz
                    舞台・衣装 GIOM / Guilaume Bruère
                    照明 Martin Hauk
                    ダンサー
                    Jiří Bartovanec, Davide Camplani, Luc Dunberry, Maya Gomez,
                    Juan Kruz Diaz de Garaio Esnaola, Virgis Puodziunas, Sasa Queliz,
                    Zaratiana Randrianantenaina, Mata Sakka, Yeal Schnell
                    Joel Suárez Gómez

                    “Syrinx” für Flöte solo von Claude Debussy
                    フルート Walter Schober

                    Scène d’amour
                    zur dramatischen Sinfonie “Scène d’amour” aus “Roméo et Juliette”
                    von Hector Berlioz
                    演出・振付 Sasha Waltz
                    衣装 Bernd Skodzig
                    照明 David Finn
                    ダンサー Lorena Justribó Manion, Ygal Tsur

                    Sacre
                    zur Ballettmusik “Le Sacre du Pringemps” von Igor Strawinski
                    演出・振付 Sasha Waltz
                    衣装 Bernd Skodzig
                    舞台 Pia Maier Schriever, Sasha Waltz
                    照明 Thilo Reuther
                    ダンサー
                    Liza Alpízar Aguilar, Blenard Azizaj, Jiří Bartovanec, Davide Camplani,
                    Maria Marta Colusi, Davide Di Pretoro, Luc Dunberry, Maya Gomez,
                    Florencia Lamarca, Elia Lopez, Lorena Justribó Manion,
                    Margaux Marielle-Tréhoüart, Sergiu Matis, Michal Mualem,
                    Juan Kruz Diaz de Garaio Esnaola, Virgis Puodziunas,
                    Sasa Queliz, Zaratiana Randrianantenaina, Orlando Rodoriguez,
                    Mata Sakka, Indalecio Seura, Korey Scott-Gilbert,
                    Claudia de Serpa Soares, Juel Suárez Gómez, Antonis Vais
                    Rahel Satchi Queliz, Luca Rudnitzky

                    オーケストラ Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                    指揮 Titus Engel

                    バレエとダンス・ファンは
                    ベルリン国立バレエのナッチョ・ドゥアトの後継者として
                    賛否両論を巻き起こしているサシャ・ワルツは
                    よくご存知だと思う。

                    プログラム読んでいたら
                    昨年もオープニングにサシャ・ワルツが来たという記述があって
                    ああああ、あのクセナキスのダンス観たのは
                    もう1年前だったのか・・・
                    (読者はお忘れと思うので(本人も忘れてたし)
                     よほどおヒマのある方は、1回目 と 2回目があります)


                    ついでにモダン・ダンスのオタク向け
                    サシャ・ワルツの Körper 観賞記は こちら

                    今回の公演は本日1回だけ。
                    プログラム記載のインタビューでは
                    最初にベルリオーズをやって
                    それからドビュッシーの牧神の午後で
                    休憩の後、ストラヴィンスキーの春の祭典となっていたが

                    最初にドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」
                    ドビュッシーのフルート・ソロ曲の間に
                    舞台変換があって
                    ベルリオーズの「ロメオとジュリア」からの愛のシーン
                    後半に「春の祭典」となっていた。

                    牧神の午後への前奏曲のバレエは
                    フォルクス・オーパーで5回観たのは
                    ボリス・ネビュラの振付だったが

                    サシャ・ワルツの振付は全く違う。
                    ダンサーが多くて
                    誰が牧神なんだか、さっぱりわからん。
                    いや、別に誰が牧神でも
                    誰が牧神が惚れる妖精でも良いのかもしれない。

                    第一、妖精なんて、何処かに居た???

                    出てくるのは童話でもなく
                    衣装も普通の Tシャツみたいなもので
                    (ダンサーの一人は Tシャツの後ろに
                     でっかく数字の4が描いてあったけど何だったのあれ)

                    グループがまとまったり、離れたり
                    その中で仲間はずれにされる人が居たり
                    虐められる人が居たり
                    恋人同士がイチャイチャしていたり

                    牧神と妖精じゃなくて
                    これ、グループ・ダイナミック方式か。

                    同じくプログラムに記載されたインタビューでは
                    本日の公演のテーマは「犠牲」とか言っていたから

                    この牧神の午後への前奏曲も
                    現代社会における個人の疎外とかの問題を扱っているのかも。

                    ベルリオーズの音楽への振付は
                    題名が示す通り
                    愛のパ・ド・ドゥで
                    実にクラシック。

                    モダンで裸足で踊っていて
                    凄いリフトもあるのだけれど
                    モダンの技法を使っていながら
                    驚く程、とことんクラシックで

                    これならクラシックのパ・ド・ドゥの方が・・・
                    という事でちょっと退屈して眠くなった(自爆)

                    後半の「春の祭典」
                    同じくインタビューによれば
                    爆発的なエネルギーの中に
                    静かな落ち着いた部分もあり

                    「犠牲」はダンサーと一緒に振付をしている間に
                    自然に決まった、との事だったが

                    それって、どういう決まり方だったんだろう?
                    「お前が犠牲者だ」
                    「あれ〜、いや〜っ、皆さん、助けて!」
                    でみんなも、ダメだ、お前が犠牲なのだと叫んで
                    いや〜っ、いや〜っ、いや〜っ(妄想爆走)

                    それとも
                    「私が犠牲の役になるわ」
                    「いや、私がその役を踊るわ」
                    「あら、ずるい、犠牲の役は私が踊るに決まってるじゃない」
                    「貴女になんか踊らせるものですか、これは私の役よ」
                    というのを、数人のダンサーが喧々諤々としていたんだろうか。

                    どうでも良い事に妄想を逞しくしてしまった(汗)

                    この「春の祭典」では
                    子供2名を含む26名だか27名だかのダンサーが舞台に登場する。

                    牧神の午後への前奏曲と同じように
                    このダンサーたちが、あちこちで小グループを結成したり
                    そこから出てしまう人、出される人たちが
                    また新しいグループを作って、というのが
                    最初に繰り返される。

                    これ、現代社会のグループ・ダイナミックスか?

                    第2部では、子供も2人登場して
                    すごい数のダンサーが舞台を飛び跳ねているところに
                    お母さん役?のダンサーに引き摺られて
                    あっちへ行ったりこっちに来たり

                    どう見ても
                    現代の難民問題を扱っているように見えてしまう。

                    ブループ・ダイナミックがあまりに前面に出ているせいか
                    ストラヴィンスキーの音楽にある(べき)
                    土臭いロシアの伝統とか
                    春を待ちこがれる凍り付いた冬とか
                    春を呼ぶ乙女の犠牲とか
                    その乙女が放つ、とんでもないセクシャルなエネルギーとか
                    全然感じない。

                    その代わり、非常に現代的な社会からの疎外とか
                    孤立とか、難民問題とかを感じるので
                    言ってみれば、非常に「社会的」なドラマを感じる。

                    う〜ん、さすがベルリン。
                    前衛的な試み一杯なんだけど
                    社会問題を目一杯取り入れてます、という印象。

                    誰が犠牲なのか
                    ほとんど最後の最後までわからないのだが
                    (途中で色の違う衣装を着るダンサーがいて
                     あ、犠牲はこの人あのね、と予想はつくが)

                    最後の最後で
                    この犠牲(女性)が
                    見守るクー・クックス・クランみたいな集団の前で
                    上を脱ぎ、下も脱ぎ
                    完全な全裸で
                    激しい激しいダンスを繰り広げる。

                    ジュテみたいなのもあったので
                    舞台に近い人からは
                    全部が丸見えだったんだろうなぁ(ほらまたあらぬ事を考えてしまう)

                    オーケストラ・ピットは満杯の状態。
                    いやまぁ、よくぞ1回だけのために全員集まったものだ(笑)

                    トーンキュンストラーとオロスコ・エストラーダの
                    「春の祭典」の衝撃的なコンサートは
                    今でも私の記憶にあるけれど

                    ええ、確かにダンスですから
                    別にコンサートじゃありませんから
                    ソロもそこそこちゃんと演奏していたし
                    爆発するところは、しっかり大音響で爆発していたけれど

                    だから演奏が悪いとか言う訳ではないが
                    どうも何か、エッジが鈍い感じがして仕方がない。
                    あの難曲をあれだけの水準で演奏できれば
                    たいしたモノだとは思うけど
                    でも、もうちょっと引き締まった緊張のある演奏が欲しかったなぁ。
                    (いや、これも主観の問題です)

                    しかしサシャ・ワルツの作品って
                    歴史みたいなモノを完全に無視して
                    あくまでも現代社会における問題点という視点が強い。
                    どこからどう見ても、ベルリンだなぁ、というか
                    ドイツだよねぇ、という印象。

                    とんがっていて、社会的で
                    問題提起型で
                    芸術というより、青少年の主張大会とか
                    現代社会における問題点のドキュメンタリーでも見てるような気がする。

                    本日も公演の後に
                    ディスカッションへのお誘いがあったのだが
                    明日の朝もチケット取りがあるので
                    夜の高速道路を飛ばして帰って来た私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                    マリー・シュイナール ヒエロニムス・ボス 快楽の園 2回目

                    0
                      Volkstheater 2016年8月10日 21時30分〜23時

                      Compagnie Marie Chouinard
                      HIERONYMUS BOSCH : THE GARDEN OF EARTHLY DELIGHTS

                      振付 Marie Chouinard
                      音楽 Louis Dufort
                      舞台・ビデオ Marie Chouinard
                      ダンサー Sébastien Cosette-Masse, Paige Culley,
                      Valeria Galluccio, Leon Kupferschmid, Morgane Le Tiec,
                      Scott McCabe, Sacha Ouellette-Deguire, Carol Prieur,
                      Clémentine Schindler, Megan Waldbaum
                      照明・衣装 Marie Chouinard

                      今年の ImPulsTanz のパーフォーマンスは
                      私にとって、これが最後。

                      コンテンポラリー・ダンスの記事に辟易していた
                      読者の皆さま
                      皆さまの忍耐力に敬意を表します(笑)
                      ブログ・ランキングのクリックをして下さった方には
                      特別に敬意を表します(お辞儀)

                      週末はとんでもないところに行く予定で
                      来週の週末から、グラーフェネック音楽祭が開始。

                      さて、8月8日にオーストリア初演された
                      この「快楽の園」は
                      昨日に追加公演もあったのだが

                      ImPulsTanz のパーフォーマンス・カードの割引は
                      1公演につき、2枚までなので
                      3回行くと1回のチケットは額面になってしまうのである。
                      (まぁ、普通、3回は行かないでしょう、はい)

                      今日の公演は21時30分からで
                      ともかく、最後のアダムとイブのシーンで寝ないように
                      堅く堅く決心して行った。

                      眠かったけど、寝ませんでした(よしよし)

                      でもやっぱり最初の快楽の園が一番チャーミングで
                      エロチックなのに人形っぽくて
                      しかもユーモアたっぷりで
                      観ていて、本当に楽しい ♡

                      一対一の愛、しかもかなり直裁的に肉体の歓びを
                      ダンスでも表現するのだけれど
                      さすが、と思ったのが
                      (というか昨今、それでないと不公平なんだろうが)
                      男女のカップリングだけじゃなくて
                      男性同士や女性同士のカップリングもある。

                      でもそれが自然で、明るくて、すごくステキなんです。
                      日本的な陰湿なエロチックさではなくて
                      何せ「快楽の園」だから
                      (しかもボスは熱心なカトリック信者だったらしい)
                      まぁ、観る人によっては、あっさり過ぎて
                      この健康な愛の交換は物足りないかも。
                      その分、チャーミングさが際立っているけれど。

                      最後の群舞が素晴らしい。
                      もう、本当に美しいとしか言いようがなくて ♡

                      地獄は・・・やっぱり難しいな。
                      絵も異形が多く出てくるので
                      ダンサーが頭に被り物したり
                      ローラー・スケートやキャスターで移動したり
                      口にヘビを持って登場したり(もちろん作り物です)するけれど

                      やっぱり絵画に表現された
                      あの気味の悪い異形には負けるし

                      ダンサーが、それぞれに大騒ぎしているようにしか見えず
                      途中の群舞は良かったけれど
                      それ以外のシーンでは、バラバラさが目立ってしまって
                      とりとめがない。

                      それに音楽が・・・
                      いや、音楽というよりは
                      シンセサイザーと声を使った
                      でも、かなり「音楽的」な作品で

                      これ、第一部の快楽の園の音楽としては
                      とてもステキで

                      最初のいくつかのソロに寄り添う音楽も
                      実にロマンティックで中世的なイメージがあって
                      とても良いのだが

                      地獄のシーンになると
                      女性ダンサーがマイクらしいものを持って
                      すごいプリエで上下に動くのに合わせて

                      男性のオエ〜ッ、オエ〜ッ、オエ〜ッという
                      大音量の呻き声が入ってくるので
                      耳触りな上に
                      音響が大き過ぎて耳を塞ぎたくなる。
                      (一部は耳栓が欲しいくらいだった)
                      ダンサーだけじゃなくて
                      音量だけで、観客にとっては、地獄っぽかったかも(笑)

                      第三部のアダムとイブだが
                      先日は寝落ちしたけれど
                      確かに、ちょっと動きがアダージョで
                      しかも
                      両脇の丸いスクリーンには
                      第一部と第二部では、絵画の細かい部分が投影されるのに
                      第三部では、何故か人間の目が大写しになっていて

                      後ろのスクリーンはアダムとイブのまま
                      全く移動しない。
                      (第一部では、絵画の下から始まって
                       左右の丸いスクリーンの細部の投影と共に
                       段々上に上がって来ていた。第二部は後ろの投影はなし)

                      最初に中央にマントを着たダンサー(♀)が立っていて
                      これが神さまだよね。
                      で、男女のダンサーが踊りながら登場して
                      神さまの横に横たわるのだが

                      オリジナル絵画で左のアダムのところには
                      女性ダンサーが座り
                      右のオリジナルでイブのところに男性ダンサーという
                      うはうはうは、これも現代の何かの象徴かしら。

                      男女入り乱れて登場して
                      同じようなポーズで舞台の上で停止して
                      ほんの少しのつま先とかの動きを見せる。

                      音楽がまた、リラックスのための環境音楽みたいで
                      いや、確かに天国のシーンだから、それは良いんだけど
                      やっぱり眠気を誘うのである(寝ませんでした。頑張った)

                      面白い処理をしたのが最後のシーンで
                      まずは、音楽が、最初の快楽の園の音楽になる。
                      回帰を感じさせる音楽になった後

                      10人のダンサーがまとまりつつ
                      後ろの絵画スクリーンの方に移動していって
                      アダムとイブの絵画の下手(しもて)の端に位置すると

                      おおおおお、ダンサーが絵画の一部と化してしまう。
                      (これはかなり効果的というか、不思議な印象を与える)

                      そのまま後ろの投影の絵画が
                      どんどん小さくなって全体を見渡せるようになって
                      その間にダンサーは下手(しもて)からはけて
                      全体の絵画が投影されてから
                      左右が閉まって
                      三連祭壇画の裏の球体になるのだ。

                      いや、見事な終わり方。
                      観客も、現実と幻想と、現代と中世の狭間に漂った後に
                      ちゃんと地球に回帰するようになってる。

                      でもやっぱり、最初の第一部が絶品だわ。
                      今、またオリジナルの絵画を見ながら
                      下から上まで、あ、このシーンがあった、と思い出してみると
                      本当に見事に絵画からダンス表現になっていて

                      う〜ん、鬼才マリー・シュイナール
                      絵画やシンボルから、あれだけの動的身体表現を生み出して
                      観客を楽しませてくれるって、スゴイです。

                      ウィーンの本日朝の温度13℃。
                      もしかしたら、もう夏も終わり?と
                      来週後半からのグラーフェネックの気候が心配な私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      なんだこのバナーは、ふざけるな、とか思われるでしょうが
                      本当にウィーン、今、寒いんです(現在、14℃で・・・冬だよこれ)

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