ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 + ネルソンス

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    Musikverein Großer Saal 2019年10月19日 19時30分〜21時45分

    Gewandhausorchester Leipzig
    指揮 Andris Nelsons
    チェロ Gautier Capuçon

    Gustav Mahler (1860-1911)
     Blumine. Zweiter Satz aus der Urfassung der Symphonie Nr. 1 D-Dur

    Robert Schumann (1810-1856)
     Konzert für Violoncello und Orchester a-Moll, op. 129

    Richard Wagner (1813-1883)
     Ouvertüre zu „Der fliegende Holländer“

    Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847)
     Symphonie Nr. 3 a-Moll, op. 56 „Schottische“

    ライプチヒ・ゲヴァントハウスの21代目のカペルマイスターになった
    アンドリス・ネルソンスとウィーンでコンサート。
    (日本語ウィキにはシャイーが19代目とあるが
     ゲヴァントハウス・オーケストラの公式ページによると
     シャイー(2005-2016) は20代目。
     ついでだが、5代目カペルマイスター(1835-1847) は
     フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディである)

    面白いプログラム構成だ。
    マーラーのブルーミゲが単独で演奏されるのなんて聴いた事がなかった。
    シューマンのチェロ協奏曲の後に
    ワーグナーの「さまよえるオランダ人」序曲
    最後はお家芸(と言っても良いだろう)のメンデルスゾーンの
    かの有名なスコットランド。

    マーラーのブルーミゲは
    音色の変化がものすごく面白い。
    トランペットの最後の音に被せて
    他の管が入ってくる事で、ガラッと音色が変わる。
    ロマンティックなメロディの
    比較的単純な繰り返しが多いので
    確かに交響曲第1番に入れたら、かなり異質だとは思うが
    こうやって単独で聴いてみると楽しい。

    このオーケストラ、ネルソンスのバランスのせいかもしれないが
    木管がかなり強い感じがする。

    シューマンのチェロ協奏曲は
    イケメン・チェリストのゴーティエ・カプソン登場。
    どうせ超貧民席からは何も見えないけれど
    イケメン男子を見たいと思う歳でもないし。
    (例外:バレエ・ダンサー(笑))

    ずっと通しで演奏する約25分くらいの曲で
    (追記 演奏時間は25分とのT.H.さまからのご指摘を頂きましたので
     35分から訂正します。ありがとうございました)
    エネルギッシュに押していた感じ。
    オーケストラも、かなり音圧が高い印象があって
    如何にもドイツの質実剛健な音を聴いているような感じ。
    (あくまでも主観的な独断・偏見・思い込みの印象である)

    カプソンのアンコールの告知で
    この曲は Lass mich allein という曲で、と言うので
    客席(の一部)から爆笑が起こる。
    (「僕を独りにしておいて」という意味)

    実際は独りどころか
    オーケストラの他の弦楽器と一緒に演奏して
    これがちょっと民謡っぽい楽しい曲で
    アンサンブルの妙味も楽しめて絶品。
    (追記 同じく T.H. さまからのご指摘でドボルジャークの歌曲で
     ドヴォルジャークのチェロ協奏曲にテーマが使われているとの事。
     ご教授、感謝します)

    後半の「さまよえるオランダ人」
    もともと音圧の高いオーケストラで
    しかも歌劇場でも演奏しているオーケストラが
    こういう曲を演奏すると
    やっぱり圧倒的である。

    ネルソンスはデビュー当時のヤンチャぶりを残しながら
    最近は堂々とした音楽も作るようになって来て
    それでもワーグナー好き好き好きというのが
    ダイレクトに伝わってくるドラマチックな演奏。

    最後はメンデルスゾーンの「スコットランド」

    あれ?この曲って、こんなイタリア・オペラの序曲みたいな曲だったっけ?

    さまよえるオランダ人が
    まだ頭の中を彷徨っているようで
    何だか、むちゃくちゃドラマチック。

    この間の宗教改革は
    カトリック許すまじ戦争映画だったが
    今日は戦争後に、戦死した人を悼んで
    生き残った人たちが、戦場の後に佇んで涙を流している
    ・・・ような感じがするんですが。

    もともとメンデルスゾーンって
    こんなにロマンティックだったっけ?

    しかも長くてしつこい(すみません)
    いや、この曲、一応頭の中でメロディ追えるくらいは
    聴き込んでいるはずなんだけど
    こんなにくどい曲だったっけ(すみません)

    テンポ設定が遅めなのか
    ドラマチックなのは良いんだけど
    丁寧に作り過ぎで推進力に欠けているように聴こえる。
    (だからどこか間延びしているというか・・・)

    第2楽章は速いテンポで推進力あり、これもドラマチック。
    で続く第3楽章のアダージョが

    やっぱり遅い・・・

    いや、それだけ丁寧に作り込んでいるのはわかるし
    音の美しさだけ取り上げるなら、素晴らしいのだが
    どうもスムーズにメロディが続いていかずに
    途中で止まりそうになるような印象を受ける上
    やっぱり、むちゃくちゃ「しつこく」聴こえて
    この楽章って
    こんなに長くて退屈だったっけ?
    ええい、早く終われ、とか思ったのは初めての体験。

    あくまでも好みの問題です、すみません。

    打ってかわった第4楽章の出だしは
    鋭くドラマチックに開始したが
    音量が大き過ぎて
    楽友協会ホールのあの席では音が濁り気味。
    (あのオーケストレーションでは避けられないけど)

    で、ひたすら大音響でドラマチックに
    やっぱり、すごくオペラっぽく続いた後に
    (最後の木管の絡みが素晴らしかった!)

    最後のコーダで
    華やかにドラマチックにチャーミングに終わるのが
    この曲だと思っていたんだけど

    その前にあまりにドラマチックにし過ぎてしまって
    最後は、音量からもエネルギーからも
    もう、カラッポで何も残ってません・・・という感じで
    ああああ、とうとう力尽きたか
    金管頑張ったけど、弦がご臨終一歩前です(というイメージ)

    だからコーダがなんだかこの曲の中で
    一番おとなしい部分になっちゃったという
    どうも、ワタクシ的には
    あまり納得行かず
    カタルシスというよりは

    あれだけドラマチックにしつこくしつこく演奏して来て
    最後がそれ???

    いや、もちろん好みの問題だし
    私の耳逆らいもあろう。
    (決まった演奏者を続けて聴くのは避けてはいるんだけど・・・)

    明日はブッフビンダーとの共演で
    ベートーベンのピアノ協奏曲1番と
    シューベルトの長い方のハ長調交響曲なのだが

    私はサンクト・ペルテンのダンス公演に参ります。
    悪しからず・・・

    明日の公演は完璧に売り切れらしい。
    シューベルトの8番は好きなので聴いてみたいが
    ネルソンスの本日のあのしつこさで
    シューベルトのグレート演奏されたら
    もしかしたら辟易するかもしれない

    ・・・と言いつつ
    身体が二つない事がちょっと、いや、かなり悔しい私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    プログラム構成は面白かったけれど
    ちょっと長過ぎ=詰め込み過ぎだった感じはする。
    ワーグナーなしに、後半をメンデルスゾーンだけにしても
    良かったんじゃないかなぁ・・・

    オーケストラがどれだけ幅広いレパートリーを
    完璧に演奏できるか、というカタログ的な意味合いもあったのかもしれない。

    オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 + ヴァシリー・ペトレンコ

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      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年10月16日 19時30分〜22時10分

      Oslo Philharmonic
      ピアノ Leif Eve Andsnes
      指揮 Vasily Petrenko

      Richard Strauss (1864-1949)
       Don Juan. Tondichtung nach Nikolaus Lenau op. 20 (1888)

      Edvard Grieg (1843-1907)
       Konzert für Klavier und Orchester a-moll op. 16 (1868)

      Sergej Rachmaninoff (1873-1907)
       Symphonie Nr. 2 e-moll op. 27 (1906-1907)

      これ、個人的なメモなので
      本来は他の人に読んで頂くようなモノではないので

      読むな!
      ・・・とまでは言いませんが
      読んで呆れ返っても
      当方は一切関知しないので、よろしくどうぞ(予防線)

      結論から簡単に言うと

      寝てました 💦

      だいたいいつも、舞台の見えない超貧民席愛用なので
      何も見えないから、目を瞑って音楽に集中っていう事はある。
      (だから、そういう時は別に寝ているワケではない・・・と思う)

      ただ、今日のコンサートは
      確かに頭の中で音楽は鳴っていて
      それがもう、夢のように素晴らしい音楽で
      実は本当に夢だったんじゃないか、という
      恐ろしい疑いが濃厚なので

      これから書くメモ=印象記も
      本当に聴いた音楽だったのか
      白昼夢で、私の少ない脳味噌が勝手に作っていた音楽なのか
      あんまりはっきりしない(アホです)

      少なくともドン・ジュアンの最初は寝落ちせずに聴いていた(と思う)
      明るい音色の、音量たっぷりのオーケストラで
      聴いていて気持ちが良い。

      指揮者のヴァシリー・ペトレンコは
      今までヨーロピアン連合ユース・オーケストラの指揮者として
      何回も聴いていたけれど
      いわゆるプロのオーケストラを指揮するところは
      初めてではないかと思う。

      学生オーケストラを指揮するだけあって
      音楽作りもとても明確で現代的な印象。

      さてグリーグのピアノ協奏曲と言えば
      誰でも知っている名曲で

      ここで、そろそろ白昼夢の世界に沈没したようだ。
      いやもう、何が驚いたかと言って

      グリーグのピアノ協奏曲って
      こんなに豪華絢爛、美しさに満ちて
      ホールにお星さまが降って来て
      胸が締め付けられるような感情の奔流に乗って
      その快感と言ったら
      ナニなんかより、ずっと深く体感的で
      悶えまくり。

      ・・・こういうのって、やっぱり夢ですよね?

      第2楽章の、あの美しいアダージョで
      ヘンな携帯電話のメロディを鳴らした奴は許せないが。

      知っている曲だと、頭の中と比べたりして
      何だかんだ、文句をつけたいワタシが
      自分でも収容のつかない
      原始的快感に(寝ながら)悶えているというのは
      滅多にない体験だったというか
      あ〜、すみません、本当に寝てたんですねワタシ。

      しかしアンズネスの力強いクリアなピアノは
      結構音の大きいオスロ交響楽団と
      ばっちりタイマン張っていて
      本当に素晴らしかった(夢の中かもしれないが)
      アンズネスって、あんなに力強いピアノを弾く人だったっけ?

      アンコールには、やはりグリーグの Ganger op. 54/2 を演奏。
      これはさすがに起きて聴いていたけれど
      これが物凄く面白い曲で
      モティーフが1音づつ変化して
      それに伴って調が変わっていく。
      ピアノ鍵盤の上から下まで全部使って
      モチーフがキュートだし
      絶え間ない転調がまたむちゃ楽しい。

      いったい、あの快感は何だったんだ?と思いつつ
      後半のラフマニノフ交響曲2番に突入。

      ・・・実はラフマニノフの交響曲2番って
      まだ聴いた事がなかった。
      予習すりゃ良いようなものの
      言い訳だが、このところ、ちょっとバタバタしていて
      図書館で聴きながら試験勉強しようと思ったら
      やっぱり途中で寝てしまった上に

      この曲、1時間弱かかるんですよ。
      途中で授業の時間になったりしたので
      結局、一回も聴かずにナマの演奏を聴くハメになり

      もちろん、この曲も、ひたすらグッスリ寝ました。
      あ〜、音楽家の皆さま、ごめんなさい。

      ただこれがまた、ラフマニノフらしいというか
      聴いていて、やっぱり夢の中で
      えも言われぬ快感だったのである。
      (途中でパーカッションがシンバルを床に落として
       とんでもない雑音が入ったけれど(爆笑)← そこだけ驚いて起きた)

      悪い言葉で言えば、割に「通俗的」な感じではあるのだけれど
      その分、ポピュラー音楽にも使えそうな
      ラフマニノフらしい美しいメロディがてんこ盛りで
      白昼夢というか寝落ちしながら
      頭の中に鳴っている
      この上なくロマンティックで美しいメロディは
      ものすご〜〜〜く幸せな夢の劇伴みたいで
      演奏時間1時間があっという間。

      ここ数日で色々とあった問題やら何やらを
      さっぱり忘れて、快感に浸るというのは
      音楽の持っている癒す力が最大限に発揮されたんじゃないかなぁ。
      (寝落ちした言い訳にしか聞こえないが)

      アンコールにグリーグのペール・ギュントから
      アニータの踊り。
      オーケストラの弦のまろやかな響きが
      ものすごく美しい。
      ウィーン・フィルのノーブルさとはまた違う意味で
      何とも優しい、ソフトな音色を聴かせてくれる。

      この間のウィーン・フィルとティーレマンの
      日曜日定期のブルックナー8番も
      楽友協会のホールを満たす豪華絢爛な響きを聴きながら
      快感に打ち震えていたのだが
      今日のコンサートも
      まさに「快感」そのものだった。
      (睡眠不足を補うという意味はあったけれど
       最近、夜、短い睡眠時間の途中に
       足が攣ったりして途中で起きちゃったというのが多かったので
       音楽聴きながら、足も攣らず、暖かいホールで
       ぐっすり眠れたというのは、非常にありがたい)

      明日もまた4コマで
      その後コンサートなので
      さっき、コンサート会場で補充した睡眠時間を過信せずに
      もう、これにて寝ます、という私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      ワタシ、音楽はド・シロートだし
      チケットは貧民席だけどちゃんと自分の年金で買ってるし
      寝てもちゃんと頭の中で音楽は響いているので
      いびきとかかかないし、身動きもしないし
      (端から見ていると目を瞑って集中しているように見えない事もないと思う)
      首ががっくり垂れた、とか言う寝落ち特有の仕草もなかったので
      こういう、音楽療法的なコンサートがあっても良いのではないかと
      反省もせずに開き直っているので
      皆さまからのクレームは冷たく却下します(笑)

      バイエルン国立管弦楽団 + キリル・ペトレンコ

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        Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年10月3日 19時30分〜21時30分

        Bayerisches Staatsorhester
        指揮 Kirill Petrenko

        Bedřich Smetana (1824-1884)
        Má vlast »Mein Vaterland«
        Symphonische Dichtung T 110-114 & 120-121 (1872-79)
         Vyšehrad
         Vltava »Die Moldau«
         Šárka
         Z českých luhů »Aus Böhmens Hain und Flur«
         Tábor
         Blaník

        クリームさん、いや、スメタナさんの
        我が祖国は
        抜粋は時々演奏されるけれど
        全部を演奏するコンサートは珍しい。

        このブログに残っている記録では
        2016年のクリスマス時期に
        ウィーン・フィルとダニエル・バレンボイムが演奏していて

        記録に残っていない過去の私の記憶では
        アーノンクールが全曲を演奏した時に聴いた思い出がある。

        さて、バイエルン国立管弦楽団の客演は珍しい。
        私の記録も調べてみたけれど
        バイエルン放送交響楽団とヤンソンスは
        山ほどひっかかってくるが
        バイエルン国立管弦楽団は2015年4月20日に1回だけ。

        ミュンヒェンなんか近いんだから
        自分から聴きに行け・・・って事かな(笑)

        さて、指揮はキリル・ペトレンコ。

        昔はティーレマン、今ペトレンコってくらい
        ちょっと悪口書いたら、夜道でグッサリの可能性が高い(ホントか)

        何回も抜粋で聴いたりはしているけれど
        頭に入っている訳ではないので
        大学がナクソス・ミュージック・ライブラリーに入ってくれたのを幸いと
        全曲をヘビロテして予習(笑)
        (ようつべでも良いのだが、最近、ようつべは途中にコマーシャルが入るので
         演奏中にビックリする事が多くなった)

        ただ、残念ながら風邪が完治していない。
        かなり良くなって、ヘッドフォンの音楽も聴けるし
        講義の教授の話も聞けるのだが
        鼓膜がくっ付いてる感が取れず
        たぶん、音楽の受容には、あまり理想的な状態ではない(涙)

        最初のハープ2台の出だしの音量が
        え、何故にそんなに大きい?とビックリ。

        あまりに響きすぎて
        残響が残っている間に次の音が来るので
        和声の濁りが微かに聴こえて来るんだけど
        ここって、楽友教会じゃないよね、コンツェルトハウスだよね?

        その後に入るオーケストラの音が
        ハープのソロに比べて、何故か非常に小さい。
        いや、繊細さを出すための操作かもしれないし
        もともとコンツェルトハウスの音響ってデッドだし・・・

        繊細と言えば繊細
        ヴルタヴァ川も美しく流れてはいるけれど
        水流少ないし(謎発言)
        強弱をつけて、フレーズに膨らみを持たせているのに
        今ひとつダイナミック感に欠けるような感じ。
        (きっと私の鼓膜がオカシイ)

        シャールカの後に拍手が起こったのにビックリしたが
        プログラムを見たら
        シャールカの後(演奏開始約40分後)に休憩、と記載。

        「我が祖国」全曲で、途中に休憩が入るって初めてだ。

        全体の演奏時間って1時間半もかからないのに。
        マーラーとかブルックナーの交響曲の途中で休憩を入れるような
        何だか据わりの悪い気分。

        後半はオーケストラの音も出て来てはいるのだが
        低弦楽器の聴こえが悪い(だから鼓膜がオカシイ)

        8本のコントラバスが舞台下手(しもて)で
        ものすごい勢いでボウイングしているのが
        私の耳にほとんど聴こえて来ないというのは
        私の可聴領域が本日はかなり狭いのではないだろうか。
        あ〜、すみません、オーケストラの皆さま・・・

        ソロは、みんな素晴らしい。
        フルートもオーボエもクラリネットも
        トランペットもホルンも、みんな素晴らしい。

        弦のアンサンブルも揃っていて
        傷のない演奏なんだけど

        何だか大人しいというか
        キレイ過ぎるというか
        いや、文句つけるつもりは全然ないし
        素晴らしい演奏だったんだけど

        巧いオーケストラが余裕綽々で
        上から目線で、ほら、僕たち巧いでしょ(妄想爆発)

        この曲を、抜粋でもコンサートの舞台に乗せるのは
        チェコのオーケストラだったり
        チェコ出身の指揮者だったりする事が多く

        そういうケースでは
        時々、この交響詩が
        熱い(時に暑苦しい)愛国心の塊と化して
        チェコ観光局のプロモーション・ミュージックに化す
        (ような気がする=妄想です)

        今日のバイエルン国立管弦楽団とペトレンコの演奏って
        美しくて、音楽的にはすごくチャーミングではあったんだけど
        では、チェコの景色が目に浮かぶかと言うと
        暑苦しいチェコ愛も感じなかったし
        あまりに洗練されていて
        観光局のプロモーションじゃなくて

        チェコ音楽というよりは
        もっとユニバーサルに「音楽」として聴いて、
        という感じの演奏だったと思う。
        (割に音楽から距離置いてる感じ?
         みんな、全然、熱くなってない)

        お行儀良すぎて
        勢いとか、泥臭さとか言うのが全くない印象。
        あ〜、だから「上から目線」とかってイメージだったのか。
        (すみません、妄想爆発してます)

        今週は始まっていない授業も多いので
        まだ全力を出さなくても大丈夫な状態。

        ただ、土・日の音楽とダンスのプログラムが
        かなりキツキツに詰めてあるので
        明日はゆっくり休んで、風邪を治そう。

        精神力でバイキンに勝てると思っている
        しょうもない私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        ムジカエテルナ + クルレンツィス「コジ・ファン・トゥッテ」

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          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年9月9日 19時〜22時45分

          muicAeterna Orchestra
          musicAeterna Choir
          Nadezhda Pavlova (Fiordiligi)
          Paula Murrihy (Dorabella)
          Anna Kasyan (Despina)
          Konstantin Suchkov (Guglielmo)
          Mingjie Lei (Ferrando)
          Konstantin Wolff (Don Alfonso)
          演出 Nina Vorobyova
          衣装 Svetlana Grischenkova
          照明 Alexey Khoroshev
          指揮 Teodor Currentzis

          Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
          «Cosi fan tutte». Opera Buffa in zwei Akten K 588 (1790)
          Libretto: Lorenzo Da Ponte

          私の乏しい記憶力で思い出せる範囲で
          モーツァルトのオペラ、コジ・ファン・トゥッテを鑑賞したのは
          ウィーンの国立オペラ座で1回
          その後、フォルクス・オーパーで1回、ドイツ語バージョン。
          (これは記録が残っていた。ココ

          遠い不明確な記憶によれば
          なんだか、最後の方が、ずるずる長くて
          いったい、最終的には誰と誰がカップルになるのか
          どうしてもわからないのだけれど

          わからないなりに
          え〜い、もうどうでも良いわ、と
          景気の良い派手な音楽で、やけっぱちに終わるという
          世紀末ウィーンで流行した
          オペレッタの終わり方の見本か、これは(違!)

          オペラは音楽だけ聴いて楽しめば良い、という意見が
          大半である事は知っているが
          でも、やっぱりストーリーも大事・・・
          というより、私の場合は音楽性ゼロに近いので
          どうしてもストーリーに気を取られてしまう。

          ストーリーだけ考えると
          こんなにとんでもない台本は(以下省略)

          フィオルディリージは、2日前のドン・ジョバンニで
          ドンナ・アンナを歌ったパヴロヴァ。
          その他の歌手は重なっていない。

          ところで、余計な事だし
          シロウト耳の問題だとは思うのだが
          このムジカ・エテルナ、最初の音合わせの音が
          どうしても私には a ではなく g に聞こえるんだけど
          まさかこの演奏、1音とは言わないけれど
          20ヘルツか30ヘルツくらい下げてます???
          (音楽聴いていてもわからない・・・)

          さて、私も数回しか鑑賞した事がないオペラだし
          ワケのわからんストーリーで
          何だか無駄に長いので
          私も何を書いたら良いのか、よくわからん。

          ただ、このオペラって、ともかく
          2重唱やら3重唱やらが多いじゃないですか。
          それが、あれだけダイナミックな動きの解釈をしているのに
          寸分の違いもなく、全部がハマっていくって、す・ご・い!

          舞台を見ていると
          クルレンツィスは、多重唱の時に(ソロの時も時々)
          オーケストラを振っている、というよりは
          歌手に細かい指示を出している。
          (指揮台から降りてしまって、歌手のすぐ横に立ったり
           自分でも口を動かしている(まさか歌ってはいないとは思うが))

          その間、かの優秀なコンサート・マスターが
          後ろのオーケストラをしっかり見て、把握。
          (オーケストラのメンバーは、本日も立奏。
           レチタティーヴォのところだけ椅子に掛けたりする)

          オペラって、どうしても歌手が主人公、みたいなところがあるので
          ウィーンの国立オペラ座でも
          勝手に歌う歌手にオーケストラと指揮者が如何に合わせるか、という
          技術の見せ所みたいになっているのだが

          クルレンツィスのオペラって
          歌手に指揮者とオーケストラが合わせるのではなくて

          指揮者の意向にバッチリ沿えて
          その技術と音楽性のある歌手が
          クルレンツィスの解釈に嬉々として従っている

          ・・・という不思議な印象がある。

          もちろん、一筋縄ではいかない
          強烈なクルレンツィスの音楽に賛同して
          その一部となる歌手の個性も只者ではない。
          充分に強烈な個性がなかったら
          クルレンツィスの音楽に負けてしまって
          全然面白くないだろう。

          フィオルディジーリ役のソプラノは
          ドン・ジョバンニでの超絶技巧で群を抜いていたが
          今回のフィオルディジーリでも
          超絶技巧に加えて
          ま〜、すごい表現力での歌唱・・・

          このオペラって、ドラベッラが、すぐに心を動かす浮気者で
          フィオルディリージは貞操な女性と思っていたが
          うおおお、違うじゃん。

          フィオルディリージは、すぐには心を告白しないが
          その分、1人でウジウジと悩んでいて
          (いや〜、そのアリアがもう、素晴らしい・・・)
          こういう女性こそ、深情けで
          いったん心が向いたら、とことん追いかけて
          果てはストーカーになりそうなタイプ(断言)

          それに比べれば

          デスピーナの意見ももっともよね
          私、あのブルネットの男性と話も合うし
          うふふふふ(とは言わないと思うが)と
          すぐに恋してしまう、恋多きドラベッラの方が可愛い。
          ドラベッラ・タイプは振られても立ち直りが早そう(笑)

          デスピーナ役は
          かなりデフォルメが入っていて
          これは、ちょっとあまりに現代的?で好き嫌いが分かれそう。

          デスピーナの最初の登場は
          スマホを手にして
          ピアノフォルテがノキアのメロディを奏でるのである。

          (いやしかし、このピアノフォルテの女性
           ものすご〜〜〜〜いマジメな、ニコッともしない無表情で
           信じられない茶目っ気のあるレチタティーヴォの伴奏するので
           見ていると、ちょっとギャップ萌え・・・)

          時々、クラシックの発声では禁止されていそうな
          すごいアニメ声を駆使するし
          その分、強烈な個性なので、とても目立つ。

          ドン・アルフォンソ役は、ちょい悪中年ってところ。
          正統派の美しい、癖のないバリトンで
          どんな役でも歌えそう。

          グリエルモ役のバスが、これまたすごい声量。
          フェルランド役テノールが出て来た時には驚いた。
          だって、木⚪クンと、すごく似てるんだもん(顔と髪型が)
          中国出身のテノールだが、甘い声で完璧なアンサンブルを軽々と歌う。

          2人がアルバニア人に変装するところ。
          サングラスとカツラで、むちゃくちゃ奇妙な
          ん〜十年前のヒッピーみたいで
          登場したら客席から笑いが起きた。
          まぁ、いくらコンサート方式(ちょっとだけ演出あり)でも
          ここで変装しなかったらオペラの意味がない(笑)

          しかしまぁ
          奏でられる音楽の活き活きした感じや
          フルレンジのダイナミックスを駆使して
          思いがけない部分でのアクセントやアゴーギクに加え

          木管のアリアの時には、木管舞台が前面に移動して来たり
          デスピーナが指揮者のクルレンツィスと絡んだり
          限られた舞台という世界の中での演出で
          どこを取っても
          (さほど)退屈せず、寝落ちもせず
          あら、ワタシとしたことが
          うっかりモーツァルトの音楽を楽しんでしまったじゃないの
          と、ちょっと驚くような新鮮な体験。

          コンツェルトハウスのプログラムには
          19時〜だいたい22時、と上演時間が書いてあったが
          私の儚い記憶だと、コジ・ファン・トゥッテって
          最後のシーンがダラダラ続いて、もっと長かったような気がする。
          (もっともフォルクス・オーパーのドイツ語上演の時には
           19時〜22時15分だったから、22時で終わっても不自然ではなかったかも)

          終わったのが22時45分。
          途中のアリアの盛大な拍手とかもあったから
          だいたい、この時間、というのは納得できる。

          宿題まだ最後までやっていなかったので
          (早く始めれば良いんですけど・・・ついつい ^^;)
          急いで帰った私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          このオペラ、正直に言って
          最後に誰と誰がカップルになるのか
          私には、ま〜ったくわからないのだが
          音楽にむちゃくちゃ詳しい知り合い曰く
          「ソプラノはテノールにくっ付くというので良いじゃない」
          ・・・あ〜、さようですか。
          確かにその方が説得力はあるな(勝手に納得)

          ムジカエテルナ + クルレンツィス「ドン・ジョバンニ」

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年9月7日 19時〜22時35分

            musicAeterna Orchestra
            musicAeterna Choir
            Dimitris Tiliakos (Don Giovanni)
            Nadezhda Pavlova (Donna Anna)
            Kenneth Tarver (Don Ottavio)
            Federica Lombardi (Donna Elvira)
            Kyle Ketelson (Leporello)
            Robert Lloyd (Il Commendatore)
            Ruben Drole (Masetto)
            Christina Gansch (Zerlina)
            演出 Nina Vorobyova
            衣装 Svetlana Grischenkova
            照明 Alexey Khoroshev
            指揮 Teodor Currentzis

            Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
             Don Giobanni ossia il dissoluto punito
              Dramma giocoso in due atti K 527 (1787)
              Libretto: Lorenzo Da Ponte

            クルレンツィスの出世作というか
            ともかく、この指揮者、モーツァルトの
            ダ・ポンテ三部作のオペラの録音で
            華やかにクラシック音楽の世界に
            異端児として登場した過去があるので
            (今だって充分に異端児だけど)

            コンツェルトハウスで、ダ・ポンテ三部作を
            コンサート式(ちょっとだけ演出あり)で演奏するとなった時
            実はむちゃくちゃ迷ったのである。

            クルレンツィスのチクルスは
            チクルスが出来た時から購入しているのだが
            チクルスにはコジ・ファン・トゥッテが含まれていて
            (うわ、長いし、ストーリーなんかヘンなので苦手)
            フィガロの結婚は
            ロイヤル・コンセルトヘボウと重なった。
            (これはロイヤル・コンセルトヘボウにタベア・ツィンマーマンが勝った。
             もともとチケット持ってたし)

            ドン・ジョバンニも
            グラーフェネックのヘレヴェッヘ+シャンゼリゼ管弦楽団とバッティングしたのだが
            チケットのサイトを見てみたら
            まだ30ユーロ以下の席が残っていたので、即、1枚確保。
            (高い席しか残ってなかったら買ってません・・・超貧乏だから。
             ヘレヴェッヘは再販に出したが、売れていなければ丸損。まぁ仕方ない・・・)

            読者諸氏はご存知の通り
            モーツァルトは苦手で(条件反射的に寝落ちする)
            オペラが苦手で(長いしストーリーがだいたいヘン)
            よって、聴き込んでいないし
            細かい部分の詳しい事は
            ぜ〜んぜん書けませんので悪しからず(予防線)

            ドン・ジョバンニは
            実は何回か舞台で観た事はある。
            このブログ(パート3)の前の
            もともとのさるさる日記の時代か
            次のパート2の時代に
            (記録はすべて消えました・・・(涙))
            ウィーン劇場で何回か
            オペラ座で何回か
            そして忘れもしない
            とんでもないスペクタクルな演出だった
            クロースターノイブルクの夏のオペラ祭で2回。
            (あまりに素晴らしい演出だったので
             1回では物足りなくなって2回行った。
             当時は若かったので、気力も体力もあったのだ)

            ムジカ・エテルナのメンバーは
            いつもの通り、立っての演奏だが
            今回は椅子が用意されている。
            あ〜、長いオペラだから座って演奏するのか、と思ったら
            演奏する時には、やっぱり立ったまま。

            途中のレチタティーヴォの時だけ
            ちょっと座ったりしている。

            そのレチタティーヴォが奇妙で
            ピアノフォルテなんだけど
            こんなレチタティーヴォ、どの上演でも聞いた事ないぞ。

            オーケストラも、まぁ古楽器はともかくとして
            ピアノフォルテの横にはテオルベが・・・
            テオルベなんてオーケストラにあったんかい?(いや、普通はない)

            オーケストラが舞台に登場した後
            舞台も客席も真っ暗になる。

            真っ暗な中を指揮者が出て来て
            音楽が奏される、という趣向だったと思うのだが

            なにせ、こういう演目に来ているのは
            熱狂的なクルレンツィス・ファンばかりなので
            真っ暗な中でも指揮者が出てくると
            熱狂的な拍手が起こってしまうのは、まぁ、仕方ない。
            ・・・無粋だとは思うんですけどね(苦笑)

            オルガンの前に大きなディスプレイがあって
            ドイツ語の翻訳が出る。
            私の超貧乏天井桟敷席からだと
            視力が2くらいないと見えないので
            私はもっぱらオペラ・グラス(望遠鏡)でセリフを読んでいた。

            ドン・ジョバンニの音楽って・・・(絶句)
            あのあのあの
            オペラ座とかウィーン劇場で聴いたのと違う。
            レチタティーヴォが違うだけじゃなくて
            時々、絶対に普通に入って来ない音が混ざる。

            その分、むちゃくちゃドラマチック。
            クルレンツィスは、時々指揮台を降りてしまって
            オーケストラのプレイヤーや歌手のところまで
            出張して(笑)振ってる。

            歌手の衣装は、全員、黒。
            ドン・ジョバンニには赤のポケット・チーフ。
            (レポレロと役割交換時に、これをレポレロの胸に差し込む)

            見た目の事を言ってはいけないのは承知の上だが
            ドン・ジョバンニとレポレロは
            見た目は、そこら辺で朝からビール飲んでるおっちゃんに見えるし
            ドン・オッターヴィオは細身のネクタイしめて背広なので
            おどおどしたサラリーマンにしか見えない。
            マゼットも田舎のお兄ちゃんにしか見えないけれど
            これはまぁ、もともとが農夫の役だから
            垢抜けない風貌が合っている。

            見た目が優秀だったのは女性陣である。
            ドンナ・エルヴィーラは大柄で黒いロング・ドレスに気品があって
            ドンナ・アンナも黒のドレスだが、スタイル良くてキュートだし
            ツェルリーナの膝丈ワンピースの可愛さったら
            マゼットでなくても惚れちゃうわ(ドン・ジョバンニも口説いてたしね(笑))

            見た目はともかくとして
            歌は、きゃあああああああ!!!!! と叫びたくなる素晴らしさ。
            何が素晴らしいかと言って
            張り上げた声が出る、とかいうんじゃなくて(出てるけど)
            歌手とオーケストラが作り出す
            表現力の発露が凄まじいのである。

            オペラ座ではなくて
            コンツェルトハウスだから
            音響の良さもあるんだけど
            それでも、あのホールで
            あれだけピアニッシモからフォルティッシモまで
            ダイナミック・レンジの信じられない振幅で
            しかもピアニッシモの声が
            透き通って天井桟敷まで、ばっちり届くのだ。

            さらに
            モーツァルトの楽譜にはそういうのないよね、という
            装飾と超絶技巧が惜しみなく披露されて
            (いや〜、もう、腰が抜けます)

            それが、装飾や超絶技巧を聴かせる事が目的ではなくて
            オペラのドラマチックなストーリーとドラマに
            見事にハマっている。

            ピチカートだけのアリアの時には
            バイオリンとビオラだけじゃなく
            チェロまで、ウクレレ抱えで弾いていたのには
            かなり笑えたし

            ツェルリーナの薬屋のアリアでは
            ツェルリーナがチェロの首席2人の後ろで
            チェリストをど突いたり(笑)絡まったりしていて
            それでもめげずにチェロを演奏していた首席も偉い(爆笑)

            限られた空間での演出もよく考えられていたし
            音楽的には、もう、本当に今まで聴いた事がない、という
            新鮮な驚きに満ちていて
            長いオペラなのに、寝落ちもせずに聴いてしまった。

            ドン・ジョバンニの地獄落ちの後
            ドン・ジョバンニも騎士団管区長も、指揮者も
            小走りで退場して

            あれ? これ、じゃぁ、ウィーン版なんだわ、と
            観客から、ちょっと戸惑った拍手が起こる。
            (ウィーンの国立オペラ座では、プラハ版の演出なのだ)
            客席もちょっと明るくなったので
            そうか、ウィーン版か、と納得した聴衆が
            大歓声とブラボー・コール。

            オペラのように
            歌手が一人一人出てきて挨拶して
            最後にクルレンツィスが登場(客席大歓声、一部スタンディング・オベーション)

            長いオペラなので、帰る人もかなり居たのだが
            舞台上に全員揃ったところで

            プラハ版の最後の全員のアンサンブルのナンバーが・・・
            きゃ〜〜〜っ、ここで、この曲を演奏するかっ!!!

            急いで帰らなくて良かった・・・・(冷汗)

            こんなのルール違反だわ、とか思うけれど
            確かに、いったんウィーン版で地獄落ちで終わって
            すべてが終了した後で
            あのアンサンブルの最終シーンが歌われると
            不自然さはないし
            続けて演奏される時に有り勝ちな冗長性もなくなる。

            クルレンツィスの追い掛けをやって来て
            最近は、ちょっと、その異端児的なところが
            鼻について来た、というのが実はあったのだけれど

            やっぱりクルレンツィスって・・・スゴイわ。
            奇抜な事をやっている、というのはあるのだけれど
            その奇抜さが、まだ新鮮だし
            ストンと納得できるだけの説得力がある。

            さて、今シーズンのクルレンツィスのチクルスは既に確保済み。
            2020年にはベートーベンの交響曲全曲の演奏もあるし
            これから、クルレンツィスがどうなって行くのか
            (あるいは、自分のクルレンツィスに対する印象がどう変わって行くか)
            ちょっとワクワクしている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ロイヤル・コンセルトヘボウ + トゥーガン・ソヒエフ

            0
              Schloss Grafenegg Auditorium 2019年9月5日 19時〜21時30分

              Concertgebouworkest
              ビオラ Tabea Zimmermann
              指揮 Tugan Sokhiev

              Johannes Brahms (1833-1897)
               Variationen über ein Thema von Joseph Haydn op. 56a (1873)
              Béla Bartók (1881-1945)
               Konzert für Viola und Orchester op. posth. Sz. 120 (1945)
                (Version Tabea Zimmermann)
              Pjotr Iljitsch Tschaikowski (1840-1893)
               Symphonie Nr. 1 g-Moll op. 13 - «Winterträume» (1866/1874)

              ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と言えば
              大昔、どこかのレコード会社が
              オーケストラのランク付けをした時に
              ベルリン・フィルもウィーン・フィルも抜いて一位に輝いたオーケストラ。

              リッカルド・シャイーの後、2015年までマリス・ヤンソンスが首席指揮者で
              ガッティが2018年まで首席だったが
              今の首席っていないの???(ウエブには掲載されてない)

              9月に入ったとたん、
              ついこの間まで日中30℃超えって
              実は夢だったのではないだろうか、という
              急激な気温の低下。

              それでも今日はまだ晴れてはいたのだが
              夕方になって風が強くなり、気温もぐっと下がり
              この程度だったら野外でやるかな〜と
              冬のコートとカシミアのストールを用意していったが

              コンサートは屋内ホールで行われる事に決定。
              わ〜い、バンザイ。
              だって、この寒さと風では
              オーケストラのメンバーが外で演奏なんて無理だわ。

              今年は暑い日が続いたので
              ずっと野外音楽堂で
              オーケストラの音が分散してしまうのに耳慣れしていたのもあるけれど

              うおおおおおお
              何と言う豪華絢爛なコンサート。

              うまい表現が出て来ないのだが
              ともかく、音量・音響ともに

              ゴージャス!!!!!

              もともとロイヤル・コンセルトヘボウって
              私にとっては「優等生オーケストラ」のイメージが強いのだが
              オーケストラ内部のバランスの良さを考えたら
              このオーケストラ、無敵だろう。

              全体のまとまり方が抜群で
              ホールの中なので音量も大きいのだが
              (野外に慣れていると、ちょっとビックリする(笑))
              響きのまろやかさが中途半端じゃなくて
              オーケストラの音を聴いているだけで
              快感の嵐(はしたない)

              こういう音響を聴いてしまうと
              やっぱり聴覚って官能と深く係わっているのではないか・・・
              (そこで、感情と係わっている、と思うのは
               感受性のある方の意見で
               ワタシの場合は、感受性が限りなくゼロに近いので
               快感と直結してしまうのだ。芸術性がないって悲しい・・・)

              さて、ブラームスのハイドンのテーマによる変奏曲。
              最初の(ハイドンではないけれど(笑))テーマの提示の
              オーボエのソロが

              これって、ブラームスの「オーボエ協奏曲」?

              いやだって、もう、むちゃくちゃ巧い。
              ウィーンのオーボエって、ちょっと控えめな音がするので
              外国のオーケストラの明るめのオーボエの音を聴くと
              ちょっとギョッとするのだけれど
              ありがちなアニメ声にもなっていないし
              こまっしゃくれた変に明るいだけの音でもないのに

              何と言う澄んだ美しい音色で
              強弱までばっちりついて
              メロディ・ラインが滑らかで
              これ、ホントにオーボエ?コールアングレじゃないのか
              ・・・とか、シロウトは考えてしまうほど。

              で、この、むちゃウマのオーボイストなのだが

              普通、これだけ音楽的に演奏できちゃって
              オーケストラのトゥッティの音の壁を通り抜けるだけの音色を持っていると
              ついつい、ほら、ボクちゃんの演奏聴いて、みたいな
              オーケストラ全体から浮くケースがあるじゃないですか。

              なのに、このオーボイスト、アンサンブルの中に溶け込んで
              自分がしゃしゃり出てはいけないところでは
              ひたすら裏方に徹して
              嬉々として他のパートの支えとしてプレイしているんですよ。

              こういうプロ意識のある人って・・・好き ♡

              楽しみにしていたバルトークのビオラ協奏曲。
              これ、実はバルトークはフラグメントを残しただけで
              曲は完成していない。
              (依頼を受けて、途中で何もなければ
               4週間から6週間で完成する、と言っていたのだが
               2週間後に亡くなってしまった、と曲目解説の人は言っていた)

              様々な音楽家がフラグメントから曲を作っているのだが
              ドイツのビオラ奏者のタベア・ツィンマーマンも
              フラグメントを徹底的に読み込んで
              自分のバージョンを作った。

              これがもう絶品・・・
              ビオラの音色の深さ、ニュアンス、美しさ
              加えてタベア・ツィンマーマンの超絶技巧で
              煌めくビオラの音。

              ご存知、ビオラはオーケストラの中では
              ダントツにバカにされる楽器なんだけど
              (だいたい、ビオラ・ジョークというカテゴリーがある位だし)
              タベア・ツィンマーマンのビオラの音の多彩さ
              豊かさ、音の艶やかさは
              聴いていて、ほとんど体感的な快感に直結する。

              あ〜、もう、このビオラを聴くだけでも
              このコンサートに来て良かった。

              アンコールにクルタークのソロ曲。
              これがまた、むちゃくちゃチャーミング。

              後半はチャイコフスキーの交響曲1番。
              この(あまり演奏されないけれど)チャーミングな曲では
              オーケストラの音の良さを最大限に活かし切って
              豊かな音色で、丁寧に語られるロシアの冬。

              冬なんて、これから暗くて寒くて
              太陽なんか出て来ない季節がやってくると思うと
              陰鬱になるのだけれど
              ロシア人はまた違うのかもしれない。
              (だいたい、あの国は冬しかないだろう、きっと ←偏見)

              民謡のメロディを多用しているが
              これがまた、ものすごく丁寧に
              ちょっとアクがあるくらいにロシア的なウエットさで
              様々な楽器で演奏されるのだが

              例のオーボイストはまたむちゃウマだし
              クラリネットもファゴットもフルートも
              すごく良い味を出しているし
              ホルンのアンサンブル見事だし

              加えて、オーケストラのビオラ・パートが、これまた巧い。
              バイオリンのアンサンブルも鉄壁なのに
              ベルリン・フィルみたいな男性的なところがないし
              ウィーン・フィルのノーブルな弦ともまた違って
              言い方が悪いけれど、やっぱり「優等生」

              民謡的な部分の歌わせ方が見事だったのは
              ソヒエフの好みによるものだろうか。
              優等生オーケストラなんだけど
              ちょっとした泥臭さを感じさせるまでにテンポと落として
              何とも素朴な感じが出ていて
              聴いていると、ほっこりしてしまう。

              乗せるところはリズミックに乗せまくって
              聴衆を大いに乗せて
              いやまぁ、気持ちの良い演奏だったし
              オーケストラの音色の良さを
              とことん楽しませてもらった気分。

              そうよ、そうなのよ
              これがオーケストラの音を聴く醍醐味なんだわ。
              夏中、ずっとオートバイの爆音とか
              コオロギの合唱付きで聴いていたので
              この楽しみを忘れていたわ。

              アンコールにプロコフィエフの交響曲1番からガボット。
              ソヒエフは、この曲を
              ほとんどデフォルメして演奏させていて
              これがプログラムに載っていたら
              何じゃこれ?と思った可能性があるけれど
              アンコールとしてチャーミングに演奏されたので
              これもとても楽しかった。

              グラーフェネック音楽祭も
              これが最後の週。
              ウィーンでは、既に9月の音楽シーズンが始まっているのだが
              私にとっては、このグラーフェネック音楽祭が終わると
              やっとまたウィーンのシーズンが始まるような感じ。

              明日は地元のトーンキュンストラーとヒメノのコンサートで
              土曜日は行けないけれど
              日曜日にウィーン・フィルとオロスコ=エストラーダで
              プロムスと同じプログラムでのコンサートが最終公演となる。

              今年のグラーフェネック通いもあと2回と思うと
              時の経つのは早い・・・と
              つくづく思っている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ロッテルダム管弦楽団 + ラハフ・シャニ

              0
                Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年9月1日 19時15分〜21時30分

                Rotterdam Philharmonic Orchestra
                指揮・ピアノ Lahav Shani

                Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                 Konzert für Klavier und Orchester B-Dur KV 595 (1791)
                Anton Bruckner (1824-1896)
                 Symphonie Nr. 5 B-Dur (1875-78)

                午後は国立オペラ座のオープン・デイに行って
                例年のごとく、バレエのリハーサル室で45分待って
                ドミトルとエレナのシルヴィアのリハーサルを舐めるように見て
                (あ〜、例年の事ながら怪しい日本人・・・)
                舞台で、橋本清香さんと木本全優さんのシルヴィアとアミンタを見て
                終わってすぐに車でグラーフェネックに向かうワタシ。

                一緒にオープン・デイに行った同級生が大笑いしていたが
                引退老人は忙しいのである(笑)

                ギリギリ18時前に到着したので
                ちょっと軽く食事でも、と思ったら
                ピクニック・パヴィリオンは満杯で(涙)
                ちょうど曲目解説の時間になったので
                食事は諦めてホールの解説へ。

                モーツァルトの最後のピアノ協奏曲(KV595=第27番)は
                何となく聴き覚えのあるメロディが出てくる曲だが
                第3楽章の出だしが、歌曲の「春への憧れ」に使われた、と聞いて
                あっ、そりゃそうだ、と納得。
                (というか、今まで気がつかなかったのは何だ、という気もするが)

                ダニエル・バレンボイムが若かりし頃に
                ヨーゼフ・クリップスの指揮でモーツァルトのピアノ協奏曲を弾いた時に
                あるフレーズを強調して弾こうとしたら
                クリップスに窘められたらしい。

                「ベートーベンなら、そういう風に弾いても良いけれど
                 モーツァルトはダメだよ」

                何故かと問うバレンボイムにクリップスは

                「だって、ベートーベンは天国に行くけれど
                 モーツァルトは天国から来るからね」

                ・・・こういうモーツァルトの神格化って、実は私は好きではないのだが
                如何にもモーツァルトの崇拝者が言いそうなセリフではある。

                ブルックナーが5番を作曲した時は
                失職して貧乏のどん底で絶望していて、というような話を聞いた後
                庭に出て、何とか後ろの方で空いたデッキ・チェアを見つけて
                (みんな何人かのグループでピクニックしているので
                 なかなか空いているデッキ・チェアがないのである)
                会場から漏れ聴こえてくるピアノを聴きながら
                風に吹かれてうたた寝というのは、最高の贅沢だと思う。
                (コンサート会場入らず、ここで漏れ聞こえる演奏を聴きながら
                 ずっと寝っ転がっていた方が(以下省略))

                指揮者のラハフ・シャニは
                ウィーン交響楽団の第一ゲスト・コンダクターなので
                何回か実際に聴いている。
                派手な感じはないし、奇を衒ったところもない
                比較的伝統的な優等生という感じがする。

                モーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振り。
                ダイナミック・レンジがかなり大きい。

                これって、もしかしたら
                ヨーゼフ・クリップスがここに居たら
                シャニ君、ベートーベンなら良いけれど
                モーツァルトはダメだよ
                ・・・って言うタイプの演奏?

                まぁ、そこまで大袈裟ではないし
                天国でも地獄でも、何だかあまり悩みのないような
                天真爛漫な感じのモーツァルト。

                モーツァルトの神格化やら、宗教化やら
                なんかもう、神さまのごとく崇拝されているからアレだけど
                モーツァルト時代の音楽って
                要は今で言う(貴族の)ポピュラー音楽だから
                ありがたや、ありがたや、と拝みながら
                畏み畏みつつ聴かなくても良いのではないか
                ・・・とか書くと
                モーツァルト信者に叩き殺されるかもしれないが。

                シャニのピアノって初めて聴くけれど
                タッチが強くてクリアで力強い。
                (だから時々本当にベートーベンっぽく聴こえる)
                弾き振りについては、私は基本的には反対なのだが
                モーツァルトやハイドンなんかは
                もともと指揮者なしでも大丈夫に書かれているので
                それはそれで良しとしよう。

                後半はブルックナーの交響曲5番。
                オーケストラがスタンド・バイして
                指揮者がキューを出そうとする直前に

                空から飛行機の爆音が・・・
                多少収まったと思ったら
                今度はオートバイの爆音が・・・

                そんな感じなので
                周囲で小声のお喋りをしている人たちの
                爆音+小声のミックスで

                最初のピアニッシモの弦のピチカートなんて
                何にも聴こえて来ません!!!!(涙)

                もちろんコオロギの合唱も派手に聞こえてくるが
                カクテル・パーティ効果か
                私の耳が、虫の鳴き声を雑音として聞くヨーロッパ風になったのか
                あるいは内耳の基膜と有毛細胞が老化したのか
                これはある程度シャット・ダウンできるようになったが。

                かなり元気の良いブルックナーだなぁ。
                庭でリハーサルを漏れ聞いた時も
                おお、良く鳴るオーケストラだ、と思ったけれど
                全体的に音量が豊かで
                金管だけではなく、弦もよく鳴る。

                シャニは暗譜で振っている。
                全部頭の中に入ってるのか、すごいなぁ。
                ただ、もちろん私の偏見のせいなんだけど
                何となく優等生的で
                元気の良さやダイナミックレンジの幅広さはあるけれど
                ちょっと・・・つまらない(すみません)

                だいたいブルックナーって
                しつこく、しつこく、しつこく繰り返しがあるので
                この繰り返しが同じように聴こえて来てしまうと
                時々、むちゃくちゃ退屈になってしまうのだ。

                (とか文句つけながら
                 だったら、お前、指揮してみたら?と言われたら
                 絶対に出来ません。悪しからず)

                作曲した時代に、ブルックナーが貧窮していた、という話を聞いたので
                諦観というよりは
                作曲家の怒りのエネルギーを感じる、というのも
                偏見のなせる技。

                もともと教会音楽っぽいブルックナーを
                夏の夕暮れに野外音楽堂で
                広大な庭園で聴くと言うのが無理っぽいので

                やっぱりブルックナーは
                大聖堂の中で残響一杯で聴いた方が映えると思う。

                まぁ、もっとも、ブルックナーって
                ウィーンのオーケストラは大好きで
                「オラ達の大先生」という感じでガンガン演奏するのを
                かなり数多く聴いてしまっているから
                その耳慣れもあって、耳逆らいを起こしているかもしれない。

                そんな悪い音響の中で
                目一杯の力強い音で演奏してくれたオーケストラは見事。

                明日からは天気が崩れて
                急激に気温が下がる予定。
                来週も、木曜日からグラーフェネック通いがあるが
                (最終のチクルスである)
                たぶん、そろそろ野外ではなくて
                屋内ホールになるのではないか、と
                密かに期待している私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                バーミンガム市民交響楽団 + ミルガ・グラジニーテ=ティーラ

                0
                  Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年8月30日 19時15分〜21時30分

                  City of Birmingham Symphony Orchestra
                  ピアノ Katia Labèque, Marielle Labèque
                  指揮 Migra Gražinytė-Tyla

                  Ralph Vaughan Williams (1872-1958)
                   «Fantasia on a Theme by Thomas Tallis» für Streicher (1910)

                  Francis Poulenc (1899-1963)
                   Konzert für zwei Klaviere und Orchester d-Moll (1932)

                  Maurice Ravel (1875-1937)
                   «Ma mère l’Oye. Cing pièces enfantines» für Orchester (1908-10/1911)

                  Igor Strawinski (1882-1971)
                   Suite aus dem Ballett «Der Feuervogel» (1910/1919)
                    Introduktion - Der Feuervogel und sein Tanz - Variation des Feuervogels
                     - Der Reigen der Prinzessinnen - Höllertanz des Königs Kaschtschei
                     - Wiegenlied - Finale

                  日中はむちゃくちゃ暑かったのに
                  今日は雷雨にならず、湿気は70%もあって蒸し暑いけれど
                  夕方になったら、30℃以下にはなって
                  野外音楽堂でのコンサートとなった。

                  外から絶え間なく聞こえてくる車のエンジン音がラブリー(ふん・・・)
                  時々、鳥の鳴き声とかも入るし、後半はコオロギの大合唱。
                  いや、でも、オーストリア人は
                  それでも野外で音楽を聴きたいのである。(よくわからん)

                  最初のレイフ・ヴォーン・ウィリアムスの曲
                  「トマス・タリスの主題による幻想曲」は、弦だけの曲。
                  しかも、舞台の下手(しもて)のドアが開いていて
                  そのドアの向こう側に、もう1つ、弦楽のアンサンブルが控えている。

                  作曲家の出世作だけに、素晴らしい音楽だが
                  だが、だが、だが、やっぱり教会音楽っぽいのが苦手だし
                  イギリス音楽ちょっと苦手だし(すみません)

                  ただ、驚いたのは、野外音楽堂にもかかわらず
                  面白い音響効果が感じられた事。

                  ドアの向こう側の弦楽アンサンブルとの距離感もあるし
                  舞台上のアンサンブルも、ソロの部分になったりするので
                  弦楽だけの曲でありながら、その立体感がスゴイ。
                  しかも、音響効果としてはベストではない野外音楽堂で
                  これだけの立体感が出るというのは
                  作曲家がスゴイのか、曲がスゴイのか
                  オーケストラがスゴイのか、指揮者がスゴイのか
                  私には判断がつかない(というより、全部すごかったりして(笑))

                  続いては2台のピアノのための協奏曲。
                  ラベック姉妹、緑と紫のビラビラ付きの
                  お揃いだけど、ちょっとデザインが違うドレスで登場。

                  いや〜、この衣装、洒落てるわ。
                  下半身のビラビラが、ロング・ドレスのように見えるが
                  実は下はパンツ・スーツで
                  (ビラビラだけでパンツ・スーツでなかったら
                   ただのパンクというか、そういう衣装を着そうな人もいるな・・・)
                  上半身のドレス部分のデザインは微妙に変えてある。
                  しかも色合い(1人が緑で、もう1人が紫)が、単純なんだけど綺麗。

                  ・・・って、衣装に感心していてどうする(爆)

                  プーランクの曲は、もう何でもアリの曲なので
                  曲想も、内容も、それに伴う表現も
                  目まぐるしく変わるので、まぁ、実に面白い。
                  ピアノが打楽器みたいで、スカッとして気持ちが良いし
                  第2楽章の、あのシンプルなメロディが本当に美しい。

                  ラベック姉妹、やっぱり巧いわ。
                  息の合い方も抜群だし
                  野外音楽堂で音響が分散するにもかかわらず
                  きっちりと音が立って聴こえてくる。
                  スカッと爽快で小気味が良い。

                  指揮者のグラジニーテ=ティーラの合わせ方も抜群。
                  反応が良いし、リズム感が優れていて、これも爽快。

                  後半はラヴェルのマ・メール・ロワ。
                  うわああ、そこまで極限に音量を下げるか。
                  昨日のホールでも感じたけれど
                  とことん繊細な表現で
                  ラヴェルの細い線を描き出すと同時に
                  その多彩な色彩感が半端じゃない。
                  透明感のあるパステル色と言ったら、あまりに通俗的だが
                  私の乏しい語彙力では、それ以外に表現の仕様がない。

                  最後はストラヴィンスキーの「火の鳥」
                  ここでも、音量を極限まで絞る。
                  それでも聴こえてきちゃうのがスゴイ。

                  実に細かいところまで徹底的に作り込んだ火の鳥。
                  解像度があまりに高すぎて
                  無理やり音量を上げていないので
                  音が絶対に団子状態にならず
                  各楽器の音が、すべてクリアに聴こえてくる。

                  だからかもしれないが
                  ある意味、迫力というのはほとんど感じられない。
                  「鳥」というよりは「蝶々」じゃないのか?と思ったほど。

                  ここまでの細かさって
                  ちょっとハーディングの指揮に似ているような気がする。
                  徹底的に細かく拘った音楽は
                  ただ、ハーディングの音楽が
                  時々、どんな大編成でも室内音楽に聴こえるのに対し
                  スケール感の喪失はない。

                  音が団子にならない解像度で
                  各楽器のパートがクリアに聴こえるので
                  楽器の持っている音色がダイレクトに伝わってきて
                  色彩感が見事なのだが
                  時々、この曲で感じる、原色が会場に飛び交っている感じではなくて
                  あくまでも理性的な色彩で
                  楽器の持つ音色の分析の授業でも受けているような気が
                  しないでもない(あくまでも個人的印象です)

                  優れた天性のリズム感に加えて
                  音を分離する耳が良いんだろうなぁ、この指揮者。

                  個人的な好みとしては
                  そこまで拘って細かくしなくても
                  時々は、えいっ!という勢いで
                  音の団子にしても良いんじゃないかと思うが
                  (全部が音の団子、という指揮者もいない訳ではない)
                  徹底的にスコアを読み込んで
                  とことんオーケストラの音の特色を鮮明に出してくるのは
                  新鮮な感じがして面白い。

                  鬼才と言えばクルレンツィスみたいに言われているけれど
                  このグラジニーテ=ティーラも
                  ある意味、ものすごい鬼才ではある。

                  今まで聴いたのは3回しかないので
                  早急な判断は避けたいけれど

                  ハーディングがエア・フランスのパイロットに職業替えしても
                  同じような徹底的な作り込みをする指揮者が
                  ここに居る、と思うと
                  それはそれで安心(何を言ってる私?)

                  クラシックという世界で
                  音楽表現も、出尽くしちゃったか、と思っていたのに

                  まだまだ新鮮な才能がどんどん出てくるという事実に
                  何だか不思議な気分になる私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  バーミンガム市民交響楽団 + ミルガ・グラジニーテ=ティーラ

                  0
                    Schloss Grafenegg Auditorium 2019年8月29日 20時〜22時

                    City of Birmingham Symphony Orchestra
                    ソプラノ Christiane Karg
                    指揮 Migra Gražinytė-Tyla

                    Oliver Knussen (1952-2018)
                     «The Way to Castle Yonder» Pot-Pourri für Orchester
                      aus der Oper «Higglety Pigglety Pop!» op. 21a (1990)

                    Benjamin Britten (1913-1976)
                     «Quartre Chansons françaises» für Sopran und Orchester (1928)

                    Gustav Mahler (1860-1911)
                     Symphonie Nr. 4 G-Dur (1899-1901)

                    午前中のラテン語速習コースの後
                    歌のレッスンに行って、直接グラーフェネックまで車を運転している最中に
                    雷雨と大雨で、あぁ、こりゃ野外は無理だわ、と思っていたら

                    曲目解説(すみません、ぐっすり寝てました)の後
                    みんな、ゾロゾロと野外会場に向かっている。
                    え〜っ、あの大雨の後、椅子も濡れているだろうし
                    地面も芝生も、ぐっしょりなのに野外音楽堂?

                    仕方なく車に戻って
                    椅子のクッションやらコートやらのバッグを出して
                    庭を通って会場に着いたとたん
                    またもや、雨がパラパラ。
                    本日の会場は屋内ホールに変更です、とアナウンス。

                    野外からティンパニやらコントラバスやらを運んで
                    ホールのセッティングをするのに時間がかかり
                    本来は19時15分からのコンサートの開始は20時になった。

                    バーミンガム市交響楽団が
                    2016年から常任になったミルガ・グラジニーテ=ティーラと出演。

                    ミルガ・グラジニーテ=ティーラとバーミンガムは
                    2018年4月4日に楽友協会で聴いて、鮮烈な印象が残っている。


                    最初は昨年66歳で亡くなったオリヴァー・ナッセンの子供のオペラ
                    ヒグレッティ・ピグレッティ・ポップ!からのメドレー。
                    子供のオペラとは言え
                    ばっちり現代音楽である。
                    でも、リズムもメロディも楽しくて面白い。

                    ただ、この曲、やっぱり予習が必要だったかも(汗)
                    どうも私はイギリス音楽が苦手なんだよなぁ。

                    同じくベンジャミン・ブリテンも
                    多少はドアが開いたような気はするけれど
                    すごく好き、という作曲家ではないし

                    それに、このフランス語の4つのリートって
                    ブリテンが15歳の時に作曲したもので
                    ううう、やっぱり天才って違う、とは思うけれど
                    後々のブリテンに特有な個性がまだなくて
                    様々な現代音楽の技法を試している、という感じがする。

                    クリスティアーネ・カルクのソプラノは素晴らしい。
                    この人、本当に美声だし
                    ソプラノに有り勝ちなヒステリックなところが全くなくて
                    無理のない透き通ったバランスの良い声が心地良い。
                    (ああいう声って、訓練もあるけれど
                     やっぱり生まれつきの身体の造りが違うのよ、うん)

                    後半はマーラーの交響曲4番。
                    これは、よ〜く知っている曲なので
                    自分の中でも様々な演奏と比べる事が出来るのだが

                    うわああああ
                    グラジニーテ=ティーラって

                    とんでもなくセンスが良い・・・

                    としか言えないわ。

                    細かい部分を一つ一つ記述なんて私には出来ないし
                    (所詮はシロウトですから)
                    思いがけないメロディ・ラインが出てくる、というのは
                    マーラーの曲ではしょっちゅうある事なのだが

                    曲の解像度が良くて
                    ヘンなタメやら、奇妙な強調とか全くなくて
                    全体的に軽めの作りになっているけれど
                    音楽の部分部分が、ものすごく活き活きしていて
                    音の透明感がスゴイ。

                    第1楽章の最後の部分のあの美しさって何なの。
                    衒いも気負いもなく
                    あれだけ自然に、あの優しさと美しさを強調してしまって
                    それでも聴いている方に気恥ずかしさを感じさせない。

                    第2楽章のコンマスのソロも素晴らしかった。
                    (ちゃんとバイオリン変えてます(笑))
                    諧謔的で皮肉っぽい曲想が前面に出て来そうな楽章なのだが
                    徹底的に音楽に徹して
                    マーラーの曲の持っている毒は、あまり出て来ない印象。

                    第1楽章で息を飲んだ「美しさ」は
                    第3楽章で、ある意味、頂点に達する。

                    あっさりして、思い入れがあるようには聴こえないのだが
                    オーケストラの音色の透明感に彩られた
                    あの甘いメロディが

                    単純な甘さだけではなく
                    浄化された天国的なミステリアスで彼岸的ニュアンスで
                    なんだかもう、心の奥底まで
                    柔らかな手を突っ込まれて
                    とことん優しく撫でられているような気分になる。

                    せわしいフレーズと
                    牧歌的なソプラノが交差する最終楽章。
                    カルクのソプラノ、ますます美しい。
                    オーケストラの解像度もクリアさも比類がない。

                    アゴーギクのセンスの良さには最初から最後まで唸りっぱなし。
                    この上なく繊細なピアニッシモの響きに包まれて
                    消え入るようなラストのあまりの美しさに
                    失神しそうな気分。

                    ネルソンスの時は熱血漢的サウンドだった記憶があるのだが
                    (もちろん偏見と独断ではある)
                    グラジニーテ=ティーラの指揮だと
                    オーケストラの音が、もっと繊細でニュアンスが豊かになる(ような気がする)

                    あれだけ聴き慣れた筈のマーラーの交響曲4番の
                    あまりの透明さと美しさにノック・アウト。

                    その分、皮肉やらイヤミやらの様相はあまり見えないが
                    もともと、あの曲は皮肉や矛盾を内包しているので
                    演奏でそれを強調しなくても
                    曲そのものが醸し出す、京都風なイケズ風味は充分に出てくる。
                    (ヘイト・スピーチではございません。
                     京都のイケズは、それはそれで高く評価しております)

                    しかしまぁ、あんなに「音楽」を素直に出して
                    しかも、そのセンスの良さで、ばっちり聴かせてしまう
                    グラジニーテ=ティーラの音楽性には脱帽。

                    上の客席から平土間を見ていると
                    演奏中もずっとラインをやってスマホのライトを付けていた人がいたり
                    第2楽章と第3楽章の間で
                    携帯のベルを、かなり長く鳴らした人が居たけれど
                    いや〜、楽章間で良かった。
                    (実は演奏中も一回、携帯鳴らした人がいたが
                     フォルテのところだったし、割にすぐに切ったので目立たなかった)

                    比較的安い席に空き席が多かったものの
                    ウィーンからの年配クラオタも多かったようで
                    小声でのお喋りも少なかったし(なかったワケではない)
                    床に何か落とす音もちょっとしかなかったし
                    (うたた寝して持ってるスマホを床に落とすケース)

                    それでも、外からのオートバイの爆音とか
                    飛行機の音とか
                    絶え間ないコオロギの鳴き声とかなしに

                    あの透明感のある、とことん美しいピアニッシモの
                    オーケストラの音を堪能できたのは嬉しい。

                    明日は別プログラムなのだが
                    また雨にならないかなぁ・・・
                    と、とんでもない事を考えている私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    最近、オーストリアのラジオ放送の
                    ラジオ・コレークで、音楽批評の特集をしていて
                    ブログによる書き散らかしについても言及があったのだが
                    私は音楽批評はしてないし
                    あくまでも個人的主観の印象メモだし
                    読者の数も少ないのでお許しあれ(笑)

                    マリイインキー管弦楽団 + ルドルフ・ブッフビンダー

                    0
                      Schloss Grafenegg Wolkenturm 2019年8月24日 19時30分〜21時50分

                      Mariinsky Orchester St. Petersburg
                      ピアノと指揮 Rudolf Buchbinder
                      コーラス Wiener Singverein
                      ソプラノ Maja Tumpej, Petra Weinmaier
                      アルト Anastazja Fischer
                      テノール Wolfgang Adler, Norbert Wachter
                      バス Bernhard Schuh

                      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                       Konzert für Klavier und Orchester d-Moll KV 466 (1785)

                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 c-Moll op. 37 (1800/03)
                       Fantasie für Klavier, Chor und Orchester op. 80 (1808)

                      マリイインスキー・オーケストラは残ったけれど
                      今日は、この音楽祭の総監督、大御所のルドルフ・ブッフビンダーが
                      ピアノの弾き振りでモーツァルトとベートーベン。

                      モーツァルトのピアノ協奏曲20番と
                      ベートーベンのピアノ協奏曲3番って
                      まぁ、名曲アワーには違いないんだけど
                      どちらも短調って、どういう選択なんだ・・・
                      (単純な私は、短調の曲がむちゃくちゃ苦手)

                      音楽のセンスがゼロで
                      感受性が限りなくゼロに近い私なので
                      あぁ、聴衆にもマンネリってあるんだなぁ・・・と
                      つくづく思った(すみません)
                      この2曲、今まで私の人生で何回聴いたんだか・・・
                      ベートーベンのピアノ協奏曲3番の1楽章なんかは
                      トチ狂った先生が、私が中学2年の時に、私に楽譜を渡して
                      先生がオーケストラ・パートで、発表会で弾いた事まである。
                      (弾ける実力は当時もなかったし、今も全くない。
                       しかも最後のスケール左手間違えてオクターブ一つ下で弾いちゃったし)

                      オーケストラもピアニストも
                      言ってみれば、いわゆるコンフォート・ゾーンなので
                      危なげなく落ち着いた
                      この上なく正統なクラシックを聴かせてはくれるのだが
                      あまりに正統過ぎて、あまりに端正すぎて
                      何だかもう、全然面白くない。

                      いや、演奏する芸術家にとっては
                      音楽的に高い曲の演奏というのは
                      どんなに弾きなれた曲であっても
                      一つ一つが真剣勝負なんだろうけど
                      こちらは感受性ゼロなので(すみません、そういう人がコンサートに来てて)
                      いったん頭の中に入った曲で
                      あまり好きじゃない、というものは
                      正直言って、どうでも良い(あ〜、言っちゃった(汗))

                      何回か聴いてはいるけれど
                      暗記するほどではない合唱幻想曲。

                      コーラスは楽友協会合唱団で
                      これは実力はお墨付き。
                      100人の大編成で
                      ソリストはコーラスのメンバー。

                      まぁ、ブッフビンダーのピアノはよく響くし
                      タッチは強いし、クリアだし、端正だし
                      変なデフォルメもかけて来ないので
                      如何にもベートーベンらしいベートーベン。

                      ソロは・・・
                      あ〜、やっぱりコーラスのメンバーなので(以下省略)
                      プロの歌手と比べると、こんなに違うんだ、う〜ん・・・

                      アンコールで合唱部分だけを繰り返した時には
                      ソリストが前より声が出ていて(笑)
                      まぁ、確かに、コーラスとソロになる前の數十分を
                      声出しもせずに舞台に待機していて
                      突然のソロだと、声は出ないよねぇ。

                      まぁ、今のシーズン、このグラーフェネックしかコンサートないし。
                      周囲も常連さんっぽい人ばっかりで
                      (もちろん全員、ご年配である)
                      車を出す時も、常連が多いと裏道を熟知している人も結構居て
                      あまりモタモタする人がいない(笑)

                      今日もコンサート前に
                      隣の年配カップルが、前の年配カップルと
                      クルレンツィスについて、かなりディープな議論をしていた。
                      私も常連だし、しかも一人で来ているし(一人の人は非常に珍しい)
                      日本人だから目立つとは思うんだけど
                      話し掛けるなオーラを出しまくってるからなぁ。
                      というか、やっぱりヨーロッパってカップルの世界だなぁ、というのが
                      こういう音楽祭に来ると、よ〜くわかる。

                      以前、お一人さまについて記事を書いた事があるけれど
                      日本の方がお一人さまについては寛容だと思うよ。
                      ヨーロッパは、ある程度の歳を取った人が
                      カップルではない、というのは
                      かなり特異なケースで目立つし
                      社会に入れてもらえない。

                      実はクルレンツィスの議論に入れて貰えなかったのが
                      ちょっと悔しいのかもしれないが(笑)

                      明日の夜はルツェルン音楽祭の後に
                      グラーフェネックに客演する
                      初聴きの上海交響楽団で
                      陳某鋼の「五行」の演奏があるのが楽しみな私に
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