Peter Pleyer / The Ponderosa Trilogy

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    mumok 2017年8月2日 19時〜20時15分

    Peter Pleyer
    The Ponderosa Trilogy

    たまたま夕方が空いていて
    しかも19時から1時間のパーフォーマンスで
    久し振りの MUMOK = Museum der Moderne Kunst 近代美術館だし
    ・・・とチケットを買ってからサイトを見たら

    ヘンなオヤジが編み物のマスクを被っていたので
    ひええええっ、またヘンなモノを買ってしまったか、と
    一瞬、後悔したのだが

    これ、意外に面白かったです(笑)

    近代美術館の地下にあるアーティスト・アトリエに入ると
    青い編み物を顔に被ったむくつけきオヤジが
    ずっとローラー・スケートで会場中を走っていて



    (Im Puls Tanz のウエブから拝借 (c) Michiel Keuper)

    前に置いてあるビデオのスクリーンには
    大写しで男性のナニが動いているビデオが写っているが
    現代芸術で、ナニの大写しをされていても
    もう驚かないカルチャーばばあになってるワタシは平気。

    で、このオヤジ、ローラースケートを脱いで
    流暢で実に美しい英語で話し出すのだが
    友人のダンサー(同性愛)が自殺したとか
    知り合いのダンサー(同性愛)が悩んでダメになったとか

    まぁ、同性愛はアーティストには多いし
    ついでに何故か私の周囲にも結構居るし
    別にだから、と言う思いはあるのだけれど
    (基本的に私は誰が何やっていても無関心)
    レインボー・パレードなんかもそうなんだけど
    昨今、男性の同性愛者は、かなり声高に
    自分を主張して認めさせよう、という行動が多いな。

    男性の同性愛も多いけれど
    女性も結構居るのだが
    比較的女性は穏やかというか、あまり主張しない感じがする。

    まぁ、それはともかくとして
    その友人のダンサーの自殺に対して
    怒りのダンスを踊ります、と

    編み物マスクを取ったら
    別にヘンな顔でもなくて、ただの普通のオヤジである。
    (上記の写真で如何にも怪しげだが
     本当に本当に、普通の、しかも結構、イイ男の素敵なお顔 ♡)

    真っ裸になって服を変えて
    バッハの曲で踊りながら
    流暢な英語で色々とお喋りしつつ

    腹は多少出ていて
    (で、腹の出てる男性は基本的に私は非常に好き(笑))
    動きも派手なアクロバットはなくて
    細かい動きが多いんだけど

    あらこのダンサー、基礎はしっかり入ってるじゃないの。
    ただのシロウトの変態オヤジというのではなさそう(こらこら)
    バランスも良いし、動きも音楽と同調して
    空間もしっかり使っている。

    洋服を替える際も
    他のダンサーがイギリスで警察官に声をかけられ
    警察官がカッコよかったので喜んだら
    着ている Tシャツがエロ過ぎるというので逮捕されてしまった話とか
    このTシャツはどこそこで買ってレアものだとか
    次から次にエピソードが語られる。

    観客の中から何人か呼んで(クラスの学生たちであろう)
    編み物マスクを被らせて舞台に置いたり

    途中で
    「観客の方にヘルプをお願いします。
     誰かハダカになって下さる方」

    ちゃんと居るんですよこれが。
    (たぶん、クラスの中で話は付いているのだろうが)
    若い女性ダンサーが前に出て来て
    一糸まとわぬハダカになって床に横たわり

    他のクラスメイト(だろうきっと)の
    編み物のマスクを被ったダンサーが
    ペ◯ス・ツリーを持って来て
    (枝にたくさん、ナニの編みぐるみがぶら下がっている(笑))
    横たわった女体の上に翳し

    その間、例の男性のナニの大写しビデオには
    スカーフをかけて見えなくして(笑)

    ヘンなオヤジの主役ダンサーも
    何故か一糸まとわぬハダカになり

    普通だったら、あらここで何か良からぬ事が・・・と
    期待 驚愕するところなのだが
    もちろん、みなさん同性愛なので何も起こらず

    女体の足を持ち上げて、三角のスポンジを下に入れたり
    大きな風船で中に砂利が入っているのか
    転がすと音のする物体を
    女体の上で転がしたり

    う〜ん (・・;)

    正直な告白をしてしまえば
    これはパーフォーマーがホ◯なので冷静に出来るのかもしれないが
    ワタシは◯◯なので(註 レ◯ではありません)
    ちょっとこのシーン、マジにヤバかった。

    私のような邪な考えに至った若いメンバーも
    絶対に何人かいるぞ(断言)
    ・・・もちろん、そんな事は噯にも出さないですが(大人だから(笑))

    エロちっくにならず
    どちらかと言えば、アホらしいというか
    実にバカバカしい事を
    真剣にマジメな顔してやってるところに
    ユーモアとペーソスが漂うんだけどね。

    あと、このオヤジが横たわって
    そこに編み物のマスクのダンサー3人が身体を押さえて
    オヤジが、下手くそな「野ばら」を歌うというシーンもあった。
    ワケわからん。
    この人、ドイツで暮らしている筈なんだけど
    歌詞のドイツ語間違ってるし
    メロディもちょっと違うが
    音は基本的に外れていないので、意図的なものなんだろうな、きっと。
    (好意的解釈)

    ブダペストの古着屋で買ったという衣装は
    多分、上半身に纏ったのは女性のスカートではないだろうか。

    最後は自分の持っているスカーフを
    会場一杯に吊り下げて披露して
    スカーフで作ったような薄い上着を羽織って

    「僕はこれから自分の詩を読み上げます。
     この詩は、ダンス・パーフォーマンス用の記録庫にあるので
     誰でも自分のパーフォーマンス用に無料で利用できます。
     詩を読み終わったら、みなさんの中で何人か出て来ていただき
     僕の身体を向こうの方に持って行って下さい。
     パーフォーマンスはそれで終わりにしますが
     最後に僕の好きな音楽家の作品を聴いて下さい」

    この詩の内容が
    自分が何かした後に、それを写真家が撮って、というのが
    時空を越えて
    未来に火星の上で云々の話で
    (すみません、全部流暢な英語だったので
     今ひとつ理解できない部分もかなりあったんです(←英語苦手))

    最後の方になったら
    やっぱりクラスの生徒たちが
    何人か出てきて
    オヤジ、いや先生を持ち上げて会場の後ろに移動させて終わり。

    いやでも、このパーフォーマンス
    パーフォーマーがオヤジのせいか
    時々、神聖な宗教っぽい雰囲気まで漂わせて
    声高で暴力的な主張もなく
    落ち着いた雰囲気で

    パーフォーマーのオヤジのファッション・センスも
    何と言うか、すごく女の子で(笑)
    英語を話す声が、とても可愛いハイバリトンの美声で
    (それかい、私が参ったのは(←声に弱いんです))
    笑顔がチャーミング。

    オヤジ、オヤジ、と連呼してしまったが
    この人、ドイツではあちこちの大学でも教鞭を取っているらしい。

    私の英語理解能力がもう少しあれば
    もっと面白かったんだろうなぁ、と思うと
    自分の能力不足が残念だが(勉強しなさいっ!)

    ウィーンは猛暑。
    パーフォーマンス終了後も32℃もあって
    金曜日にかけて、40℃近くになろうか、と言う予想。

    冬はむちゃ寒いけれど
    自宅が(冷房なしで)涼しくて
    本当に良かった・・・と
    幸運にむせび泣いている(何の事?)私に
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    ヴィム・ヴァンディケイビス/ウルティマ・ヴェズ

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      Volkstheater 2017年8月1日 21時15分〜23時30分

      Wim Vandekeybus / Ultima Vez
      Mockumentary of a Contemporary Saviour

      演出・振付 Wim Vandekeybus
      パーフォーマンス Anabel Lopez, Maria Kolegova, Yun Liu
      Saïd Gharbi, Jason Quarles, Flavio D’Andrea, Wouter Bruneel
      テキスト Bart Meuleman & Ultima Vez
      舞台 Wim Vandekeybus, Meryem Bayram
      音楽 Charo Calvo

      ヴィム・ヴァンデュケイビスのウルティマ・ヴェス公演
      2013年・2016年に行って良かったので
      今回も割に舞台の見える貧民席を買ったのだが
      (それだって結構高かった(笑))

      え〜っと、ちょっと、すみません
      爆発してよろしいでしょうか。
      (どちらにせよ、爆発はするのだが
       ちゃんとこう聞くのは日本の形式美に則るものである、えっへん)

      SF という分野が出来てから
      名だたる才能ありの SF 作家が
      手を変え、品を変え、苦労して来た
      人類終末テーマを扱うには、数十年早いわっ!!!

      確かにウルティマ・ヴェスのダンサーたちは
      踊らせたら、むちゃくちゃ踊れるのだが

      今回のパーフォーマンスは
      強いて言えば
      ダンス付きの不条理劇みたいになっていて
      しかも、書いた通り、SF ちっくな人類終焉テーマである。

      ストーリーとしては
      人類が滅亡したところに
      子供(これは登場しない)によって救われた
      7名(うち6名がダンサー、遅れて登場する1名はパーフォーマー)が
      その中で社会を形作っていく・・・のかどうかよくわからんが

      役割分担あり、各自の歴史を語るところあり
      神との対話あり、喧嘩あり、自殺未遂あり
      で、もちろん、しっかりセッ◯スありの2時間。

      ワケのわからんセリフが多くて
      ちょっとウンザリ(途中で出て行った観客も数多し)

      ダンスのシーンはかなり見応えあったし
      特に小柄な中国人女性のアクロバットは凄かったし
      この女性、「死ぬ」シーンが何回かあるのだけれど
      死体の演技がものすごく巧い。
      (目と口を見開いたまま、瞬きもせずに停止してる)

      嫌がる男女を羽交締めにしてくっ付けたり
      (嫌がって悲鳴をあげているのを無理やり組み合わせる)
      くっ付けたら、今度は離そうとしても離れず
      無理やり離すとまたくっ付いたり(笑)

      まぁ、ちょっとユーモアっぽいものも
      垣間見えたけれど
      テーマがテーマでシリアスだしな・・・

      上から降りて来た、大きな傘みたいなものが
      斜めになって
      その後ろでのシャドー・ダンスは面白かった。

      後から加わるパーフォーマーだが
      太ったおじさんなんだけど
      5メートルくらい上から、背中を向けて舞台に落ちて来たのには驚愕。
      あれ、普通の人なら大怪我じゃ済まないだろうに
      何か秘訣でもあるんだろうか?(未だにわからん)

      一体、この人類終焉後の7人のドタバタに
      どう収容を付けるのかと思ったら

      上からの大きな傘の上に子供がいて(これは人形)
      その後、ダンサーたちが客席に降りて行って散らばって

      これが新しい出発だ、とあちこちで喚くって

      ・・・そりゃないでしょう(絶句)

      いつものウルティマ・ヴェスのダンスの水準の高さも
      今回はあまり前面には出て来なくて
      申し訳ないけれど
      出来損ないの SF まがいの不条理劇としか言えないわ。

      ああ、実につまらなかった(ため息)
      途中にゾロゾロ退場する観客を見ながら
      最後に何か新鮮なエンドでもあるかと思ったのに(期待し過ぎ)

      ダンスって言葉に出来ない芸術じゃなかったっけ
      ・・・と考えると
      ダンスだけで世界観を訴えてくるパーフォーマンスの方が
      時々、ワケわからんけれど
      ダンスとしては正統派だよねぇ、と思ってしまった私に
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      以前に見た2回の公演が良かっただけに
      こういう間の抜けた演劇まがいのパーフォーマンスをされると
      ちょっと期待外れだった・・・というのもある(涙)

      Christian Rizzo/ICI-CNN Montpellier "ad noctum"

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        Museumsquartier Halle G 2017年7月31日 22時〜23時

        Christian Rizzo / ICI-CNN Montpellier
        ad noctum

        振付・舞台・衣装 Christian Rizzo
        ダンス Kerem Gelebek, Julie Guibert
        音楽 Pénélope Michel, Nicolas Devos, Arvo Pärt
        照明 Caty Olive

        何と不思議な舞台。
        ホールが小さくて、割に空席が多く
        公演前には大規模な民族移動があったけれど(爆笑)
        私は最後の列の貧民席(出口に一番近い)で鑑賞。

        もし興味とおヒマがあれば、クリップ貼っておきますのでどうぞ。



        暗い舞台に2人のダンサー。
        背中合わせのシャドー・ダンスの合間に
        全く照明のない真っ暗な闇が何回もあって
        闇から照明が入ると
        ダンサーが他の場所に移動していて・・・って

        全くの闇の中で完璧に次の位置に移動できるって
        ダンサーって赤外線可視の特別なレンズでも入れてるんかい?(まさか)

        それだけ身体が視覚に囚われずに空間を把握してるって事?
        ピアニストが盲目になってもピアノを弾けるとか言うのと
        同じ事を、彼らは全身でやってるのかしら(驚愕)

        ほんの少しの身体的接触がないわけではないのだが
        バレエのパ・ド・ドゥみたいな絡みは数カ所しかなくて
        離れたり、近づいたりしながら
        ほとんど同じようなシャドー・ダンスなんだけど
        光と言うよりは闇が圧倒的で
        なんか、すごく不思議な雰囲気を放っている。

        後ろの左手に、まずは一本の照明による線・・・と思っていたら
        まるでカゴのような立方体になって
        立方体の中に、時々、不思議なオブジェが出てきたり
        煙が立っていたりするのはビデオ投影。

        ダンスに目が行ってると意識に上りにくいのだが
        この不思議な立方体、面白い。

        最後の方で、この立方体が突然、舞台の主人公になる。
        まるで爆発するかのような
        見事なビデオ芸術作品になっていて

        あれは、やっぱり戦争とか(抽象的だけど)
        諍いとか、悲劇とかを表現しているんだろうなぁ、と思ったら

        その後、現れたダンサー2人が
        裃つけて提灯パンツ履いた十字軍の騎士みたいな格好をしていて
        (え〜い、そう表現する以外に思い浮かばんわ、あんな奇妙な衣装)
        突然、初期バロックだかの
        宗教的マドリガルの歌が流れて
        (私の心はハイランドにあってここにはない・・・みたいな内容の)

        ゆっくりした動きで
        いや、あのゆっくりした動作を合わせるのって
        ものすごく大変だとは思うけれど

        戦争後の悲惨さとか何かそんなものを表現しようとしているのであれば
        かなりベタな感じではあるし
        盛り上がらないわよ、これは。

        観客が少なかったせいもあるけれど
        (だいたい開演時間が遅いわ)
        あまり熱狂した拍手が出なかったのは残念。

        あの立方体のビデオ、すごく良かったんだけどなぁ。
        目を奪われたし、すごく良く出来てるビデオ作品だったと思う。

        ダンスそのものも
        派手さはないのだけれど
        すごく緻密に計算された動きが美しくて
        約1時間、楽しませてもらった。

        でも現代芸術って、どんどん難しくなって行くなぁ。
        隠された意図とか表現とか
        隠さんで良い、と思うものを
        本当に包み隠して出してくるので
        鑑賞者が必死に、頭を抱えて、意味を探らねばならん。

        アホな私には時々辛いんだけど
        そこで妄想が湧き上がってくる作品が私は好きで
        このパーフォーマンス
        そこまで具体的な「妄想」には入らなかったけれど
        妄想手前のワケのわからん不思議な雰囲気は気に入った。

        振付師の意図するところと
        私の「妄想直前」の感覚は違うのだろうけれど
        どう感じても、現代芸術は一筋縄ではいかないので
        それで良いのである

        ・・・と無理やり自分のアホさをカバーしている私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        夜の10時で気温32℃のウィーン(今週はもっと気温が上がるらしい)
        ミュージアム・クォーターの中庭、外で飲食する人たちで一杯だったけれど
        ザルツブルクと違って、みんな静かでした(笑)

        サルバ・サンチス+ケースマイケル(ローザス)至高の愛

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          Volkstheater 2017年7月28日 21時〜22時

          Salva Sanchis & Anna Teresa De Keersmaeker / Rosas
          A Love Supreme

          振付 Salva Sanchis, Anna Teresa De Keersmaeker
          ダンス José Paulo dos Santos, Bilal El Had, Jason Respillieux, Thomas Vantuycom
          音楽 A Love Supreme von John Coltrane
          照明 Jan Versweyveld
          衣装 Anne-Catherine Kunz

          ジョン・コルトレーンの「至上の愛」をテーマにした
          サルバ・サンチスとケースマイケル(ローザス)のプロダクション。
          2005年のオリジナル・バージョンの改訂版でオーストリア初演。

          自他共に認めるクラオタの私は
          教養に華々しく欠けたところがあって
          ジャズとか、ま〜ったくわかりません(大恥)

          全く飾り気のない(黒い板がモロに出ている)舞台に
          男性ダンサー4名。
          最初は無音。これがかなり長い。

          うち、3名は
          フォーメーションの関係で少し違うけれど
          基本的には同じ振りで
          1名が時々、揃った動きとは違うソロを踊る。

          その後、1人のダンサーが無音のまま舞台に残り
          静止したり動いたり
          なんかこれ、能か何かの影響か(穿ち過ぎ?)
          静止(=間)と動きのバランスが
          非常に不思議な世界をかたち作って行くのだが

          ・・・すみません、睡魔が・・・(-_-)zzz

          いやホント、最後列で最初から立って観ていたのだが
          それでも立ったまま寝そうになるわこれ。
          (立ったまま寝られるのは高校時代からの特技なの、自慢にならないけど)

          その後、ジョン・コルトレーンの曲がテープで始まる。
          プログラムには新時代の音楽、とか書いてあったので
          ついつい、現代音楽とか変拍子とかを期待していたのだが

          ・・・なんか、普通のジャズじゃないの。
          あっ、ジャズに造詣の深い方、ごめんなさいっ!!!

          カウントも取れるし調性もあるし
          と考えてしまった私をお許し下さい。

          男性4人のダンサーが
          ずっと舞台に出ずっぱりで
          基本的に3人が同じ振付で1人がソロ。
          ソロ部分は即興かも。

          3人の同じ振付部分も、微妙に違って
          フォーメーションを巧く作っているのは
          さすがにスティーヴ・ライヒの音楽に振付して来た
          ケースマイケルのセンスが活きてるなぁ。

          すごいダンスとは思うけれど
          ド・シロートの私からすると
          やっぱり踊ってるだけ、という感は否めないのだが

          ストーリーも何も見えて来ないのに
          そこに無言のまま
          身体で表現される世界が圧倒的。

          ソロのダンサーは基本的には
          最初にソロを踊ったダンサーがメインだが
          他のダンサーも時々、ソロ・パートになる。

          ド・シロートの目から容赦なく観てしまうと
          メインのソロ・ダンサーが

          あまりに巧すぎる・・・

          他のダンサーも技術はすごいのだが
          メインのソロ・ダンサーの持っている雰囲気や
          華・・・としか言いようのない得体の知れないもの
          鑑賞者を惹きつけてしまう不思議なオーラ
          ちょっとした動きや
          身体の掴む空間の大きさに目を奪われる。

          う〜ん、持って生まれたセンスの良さって
          芸術では、ここまでわかってしまうのか。

          これこそ、努力ではどうしようもない
          芸術のコワイ部分なんだろうなぁ。
          シビアだよね、この世界は(ため息)

          至高の愛が何だかは
          私には全く理解できないし
          舞台の上で、男性4人のダンサーが
          至高の愛で愛し合ってるとかもあまり思えないし
          (その意味で、生々しいところは一切ない)

          言語では表現できない
          身体の感覚による表現のみの舞台・・・なんだろうな、きっと。

          全然わかんないけど
          (はい、芸術的センスはゼロです)
          舞台の上の不思議な世界観に
          目が離せなくて(眠くもならず)
          魅せられてしまう不思議なパーフォーマンス。

          ただ巧いダンスを見ているだけ・・・と言えば
          それはそうなんだけど
          何だろう、この不思議な感覚は。

          言語では表現のできない世界って
          何でも言葉にしないと気の済まない私には
          すごくもどかしくて困惑してしまうのだが

          そういう世界もあるなぁ、と
          納得しつつ会場を去った私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          こういう演目って
          もう絶対的に言語表現をはなから拒否する芸術だもん。
          自分の記録とは言え、どう書いたら良いのか戸惑うだけだわ(言い訳)

          Ich bin O.K. Dance Company

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            Akademietheater 2017年7月27日 19時30分〜20時50分

            Ich bin O.K. Dance Company (Austria)
            Getrennt - Vereint

            ダンサー
            Irene Bauer, Simon Couvreur
            Martin Dvorak, Kirin Espana, Clair Hecher
            Clara Horvath, Raphael Kadrnoska, Niklas Kern
            Michale Kortus, Severin Neira, Johanna Ortmayr
            Felix Röper, Sophie Waldstein
            振付 Hana Pauknerová-Zanin, Attila Zanin
            黒子 Gerhard Kapfenberger, Maria Reichegger, Antonia Röper, Anna Röper

            オーストリアのダンス・カンパニー
            ドイツ語で、「私は O.K. ダンス・カンパニー」という名称で
            障害あり+障害なしのアマチュア・ダンサーたちの集団。

            クラシック・バレエのプロが2名(男女)
            モダン(ヒップホップとか)のプロが1名(男性)

            それ以外は普通に仕事をしている人たちで
            私が在籍していた会社の系列会社の社員もいた(顔知らないけど(笑))

            で、これが、意外に面白かったのである。
            もちろん、金払ってアマチュアのダンスかよ、とも言えるけれど
            プロのダンスに加えて
            作品の構成が抜群に良い。

            短いスケッチの連続。
            クラシックの両親の息子が反抗してモダンに行っちゃうとか
            3組の男女の、それぞれの愛の形とか
            男性3人のシャドー・ダンス(?)とか
            酔っ払いがひっちゃかめっちゃかに踊るとか

            日常生活のさりげない一コマや
            ドラマを、ちゃんとダンスにして見せてくれて

            確かにプロとアマチュアが一緒に似たような振付を踊ると
            そりゃ、レベルが全く違うから
            ちょっと居た堪れないような感じになる場合もあるけれど

            でもプロの振付を自分のダンスとして
            ちょっと違うんだけど、ちゃんと踊っているアマチュアの方が
            意外に味があったりする。

            ブレイク・ダンスもあったし
            パネル3枚を自在に使って
            パネルの向こうからの影絵のダンスもかなり魅力的。

            それに何というか
            踊っているダンサーが、すごく楽しそうなの。

            クラシック対モダンの対決なんていうスケッチもあって
            クラシック組がバッハのチェロ曲で
            モダンがリズミックなカッコいい曲で
            それを交互に、モダンの時には客席も手拍子打ちながら
            対決勝負というよりは
            それぞれが、それなりに楽しんでいるという微笑ましさ。

            たぶんダウン症だな、と思われるダンサーが何人かいるのだが
            スタイルはどうしようもないとして
            それなりの訓練を積んで努力しているのが見えて

            まぁ、プロと一緒に踊ってしまうと
            ちょっとあまりに違い過ぎると言うのはあるが
            ソロで踊るシーンは
            それなりに形になっていて、何だかすごく楽しい。

            それぞれのシーンが考えられていて
            短いスケッチの連続でも
            スケッチそのものの内容もバリエーション豊かで
            この振付・構成はすごいわ。

            障害を持つダンサーたちのコンセプトであれば
            ジェローム・ベルも居るけれど

            ジェローム・ベルほど徹底してはいなくて
            そこそこ緩い空気が
            すごくオーストリアっぽいと言うか

            いや、この緩い感じが良いの。

            文化背景や、それぞれの個人の個性を
            同一化するのではなく
            それぞれに尊重して認め合うというコンセプトだけど
            実はそれほど、ダンサー内に差別感がない。

            文化が違うというのなら
            どこか他の文化のダンサーも居て良い筈・・・
            以下省略。これ以上書いてしまうと政治テーマになりかねない(汗)

            アマチュアの舞台を
            これだけの構成で観衆を飽きさせず
            ダンサーの楽しさが充分に伝わって来たプロダクションに
            満足して楽しませてもらった私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            カーテンコールの時のダンサーたちが面白かった。
            プロはものすごく控え目だったけれど
            アマチュアのダウン症のダンサーたちが
            とても張り切ってカーテンコールでも踊っていて
            かなり見応えあって、チャーミングだった。

            Cecilia Bengolea / François Chaignaud DFS

            0
              Volkstheater 2017年7月26日 21時〜22時15分

              Cecilia Bengolea (France/Argentina) &
              François Chaignaud (France)
              DFS

              コンセプト Ceclia Bengolea, François Chaignaud
              振付助手 Damion BG Dancerz, Joan Mendy
              パーフォーマンス Cecilia Bengolea, Cassie Dancer, Damion BG Dancerz,
              François Chaignaud, Valeria Lanzara, Eriko Miyauchi, Shihya Peng
              技術・照明デザイン・ドラマツルギー Jean-Marc Segalen
              ビデオ Giddy Elite Team
              サウンド Clément Bernerd
              衣装デザイン Cecilia Bengolea, François Chaignaud

              このダンス・カンパニー
              予告を見た時には、かなり「踊って」いたので選んだのだが
              感想書くのには複雑な気分ではある。
              まぁ、コンテンポラリー・ダンスなんて全部そんなモノだが(極論)

              ダンサーはほとんどがクラシックの素養があって
              男性含めてポワントで踊っているシーンも多く
              いや、多すぎて、そこでポワントで踊る意味はあるのか、と
              ついつい突っ込みたくなってしまう程。

              舞台の照明が面白い。
              赤い四角を、視覚の錯覚を使って
              まるで右側がグッと上がっているように見せているのだが
              実際は平面である(が、錯覚で歪んでいるように見える。面白い)

              ダンサーが出てきて
              グルジア(あ、今はジョージアとか言うんだったっけ)の民謡を歌う。
              2声から4声のポリフォニーで
              3度の和音を使っているから、そこそこシンプルなものなのだが
              歌いながら踊る。
              マイクはないが、しっかりと聴こえて来る。
              (客席の咳の方もしっかり聞こえる。音響が良いのだ、このホール)

              で、歌はそこそこヴォイス・トレーニングされていて
              男性のカウンター・テノールなんか、すごくキレイなんだけど
              別に割にシロウトっぽい歌を聴きに来てるワケではないのだが・・・

              最後の方で4声のコーラスは
              かなりグダグダで、ちょっと気持ち悪かったし。

              途中でリズミックな曲も入って踊るのだが
              踊るだけで(しかもポワント多用で)
              そこにストーリーと言うか
              何を表現したいのか
              いや、ダンス上手だから
              ディスコか何かで、すごく巧いダンスを見てると思えば良いのだろうが

              身体能力だけ見てるのも
              何だか感激がないというか・・・

              すみませんね、うるさい奴で。
              ただ、これ、体操競技とかじゃなくて
              一応、アートで、芸術でしょ?
              何か訴えてくるものとか、主張とか、内容とか
              そういうものが欠けていて
              いくら巧いダンスだけ見せられても、何だかなぁ。

              パーフォーマーの一人がマイクを持って
              (このパーフォーマーのソロは凄かった)
              「僕はジャマイカ出身です。
               僕のクラスの生徒たち、会場に居るよね?
               みんな、踊りたい人は舞台にいらっしゃい」

              というので、観客席からゾロゾロと
              50人くらいのダンサー(か、ダンサーになりたい人)が舞台に上がって
              簡単な振付で踊り出すのだが

              その「簡単な振付」がどんどん複雑になっていって
              これが、見てると面白いの。

              自分でもイヤな奴だとは思うんだけど
              こういう授業みたいな玉石混交のダンサーたちを見ていると
              ダンスの出来る身体にちゃんと鍛えられているか
              身体が出来ているダンサーの中でも
              すぐに反応してダンスできる人とできない人
              更には、ダンスのセンスの良さまで
              全部見えちゃうんですよ。

              このコンテンポラリー・ダンス・フェスティバルは
              年齢に拘らずのクラスも多くて
              よって、ゴールデン・エイジと呼ばれる55歳以上も
              ダンス・クラスに出ている人が居るのだが

              舞台に2人ほど、私と同じかそれ以上の年齢の女性が出ていて
              その中のちょっとふくよかな1人は
              ごめんなさい、この人、昔ダンスしていたのかもしれないけれど
              ちょっと場違いというか
              (昔ダンサーとしての経験があるとかは思えない)
              プリエというか、膝曲げるところで、しゃがめない状態で

              それでもしっかりと舞台に出ていく勇気は
              大したものだ、とか、別の意味で感激してしまう。
              (日本人だったら絶対に出ていかないだろう)

              で、このシーンが始まる前に
              何故か、舞台裏から犬が出て来て
              客席に逃げてしまって
              探すのに大苦労していたのに

              その犬をまた舞台に上げて
              犬は尻尾振って大喜びしているのだが
              やっぱり客席に降りようとして(で、また客席に逃げてしまう)
              それを何回か繰り返して
              ダンサーが上がった後は、その後ろでひたすらはしゃぎ捲ってた(笑)

              可愛かったですけどね。
              でもあそこで犬を出す必然性はどこに?

              まぁ、楽しく踊っていれば
              クラスとしては別に構わないけれど
              これ、パーフォーマンスだよね。
              私、貧民席とは言え、そこそこの金を払って見に来ているので
              本当はシロウトのダンスなんか見たくないんだけど

              まぁ、それでも舞台に乗ったほとんどのダンサー(か、そのタマゴ)は
              センスの良し悪しはあっても
              あれだけ様々なダンサーが揃うと、確かに面白い(プロだけじゃないから)
              後ろに犬もウロウロしている事だし(ワケわからん)

              ただ、ダンスのみ(で内容もよくわからん)を見るパーフォーマンスで
              今回は約1時間だったから
              何とか耐えられたけれど
              これを延々とやられたら、退屈するだろうなぁ。
              (最初の頃に近くからイビキも聞こえて来たし(笑))

              みんな、真面目に歌って
              ポワント多用のすごいバランスで
              非常にレベルの高いダンスを見せてはくれるのだが

              わからない外国語を
              必死になって話されている疎外感がある。
              (これ、現代音楽でも時々感じるが)

              でも一応、ダンスは観た、という事で
              まぁ、色々あるから(しかもたった1時間だし)と
              納得している私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              Marlene Monteiro Freitas with Andreas Mark : Jaguar

              0
                Odeon 2017年7月25日 21時〜23時10分

                Marlene Monteiro Freitas with Andreas Merk
                Jaguar

                振付とパーフォーマンス
                Marlene Monteiro Freitas (Cap Verde / Portugal)
                Andreas Merk (Germany)
                照明・舞台 Yannick Fouassier
                小道具・大道具 João Francisco Figueira, Miguel Figueira
                サウンド Tiago Cerqueira
                プロダクション P.O.R.K, Lissabon

                パーフォーマンスは105分
                (ドア・オープンが21時過ぎで開始が21時30分くらいだった)
                その間、二人のダンサーが、ずっと踊りっぱなしで
                しかも、すごい身体能力で
                体力あってタフで
                内容はともかくとして(笑)
                よくやった・・・という印象。

                で、内容なんだけど
                コンテンポラリー・ダンスの常として(すみません)
                いったい、何を書いて良いんだか戸惑ってる(爆笑)

                白い運動着を着たダンサーが
                時々バスローブに身体を包み
                たくさん、タオルを使いながら
                ひたすら踊る。

                ・・・って、それだけじゃ記録にならんわ。

                最初はリズム感ある大音響のロックで
                マリオネットのようなカクカクした動きで
                二人で踊っていたのだが

                その後に流れてきた音楽は
                シェーンベルクの浄夜!!!!

                うはは、もちろんこの曲の元になった内容は
                私は知っているけれど
                (観客の若いダンサー諸氏は知ってるのかしら、という
                 失礼な疑問も心の中に浮かんだワタシをお許し下さい)

                女性が大きなタオルで
                ご妊娠中と思わせるカタチで
                ずっと四股踏んだまま、タオルで色々とやってる間
                男性ダンサーは青いタオルで局所を隠したりしながら
                離れたところで踊っていて

                最後の部分で、オリジナル曲にない
                とんでもない不協和音が響いたのは

                オリジナルのリヒャルト・デーメルの詩とは違って
                男性による女性の救済はない・・・って事か???

                これ、デーメルの詩の内容を知らずに観てたら
                女性がずっと悶えてるだけで
                あまり面白くないような気がするんだけど。
                (内容知っていると、何となく生臭くてちょっとあれだが)

                浄夜の後に突然、ルネサンス調の音楽が響いて
                その後に繰り広げられたのが

                赤のタオルと青のタオルで
                男女のダンサーがくっついて

                そこに出現したのはマリアさま
                ・・・と言うのは、はっきりわかるんだけど

                男女が顔をくっ付けあって
                唇(周囲は赤く大きく塗られている)を半分づつ
                空き具合を同じにして、こちらに向けているので
                まるでピカソの絵を見ているような
                実にグロテスクな、キュービスムのマリア(絶句)

                グネグネ動く二人で一つの顔のマリアの後って
                二人での社交ダンスみたいなシーンもあって
                身体能力がスゴイので
                純粋なダンス・シーンは、かなり見応えがある。

                でもその後、ひっくり返りそうになったのは
                流れた音楽が
                ストラヴィンスキーの「春の祭典」だったから。

                ええええっ、この音楽でダンス踊るか?!
                ある意味、恐れ知らずというか
                いや、スゴイわ、この曲を選ぶとは。

                で、この「春の祭典」
                男性が白いタオルで下半身を包んで
                まるでローマ時代のトンガみたいなカタチになって
                そこに跪いた女性が近寄っていくシーンから始まるのだが

                犠牲になる乙女、というよりは
                男性の方が犠牲に見えるのは、私の錯覚か?

                この春の祭典も、前半だけを音楽として使うのかと思ったら
                しっかり全曲使っていて
                ちょっとこれは
                ワタクシ的には、以前のノイマイヤーのダンスが印象的過ぎて
                今回の二人が何やっていても
                目の前にはノイマイヤーが浮かんでくる(すみません)

                左側に置いてあった馬の模型が
                ドイツの絵画グループ Der Blaue Reiter へのオマージュというのは
                プログラムに書いてはあったけれど
                カンディンスキーやフランツ・マルクの絵画を
                思い起こさせる要素はなかったなぁ・・・
                あっ、若しかしたら、私がピカソと思った
                あのマリアがそうだったのか???

                その馬を舞台に移動させて
                二人でバタバタやっているうちに馬は3つの部分に分解されて
                そこで「春の祭典」が終わったので
                これでパーフォーマンスも終わりかと思ったら

                最後に赤っぽい紫と緑のタオルを使って
                男性はターバン、女性は帽子のようなものを被り
                (両方ともタオルで作ってある)

                おお、これはまた
                ルネサンス的時代を現しているのか

                と思ったら

                流れてきた音楽が
                プッチーニのマダム・バタフライの
                あの有名な「ある晴れた日に」のアリア(絶句)

                イタリア・オペラだけど題材が題材だし
                まぁ、一番盛り上がったところで
                イタリアン(しかもルネッサンスかバロック)的に
                二人でばったり倒れたのはドラマチックではあったが。

                よく考えられて教養のある人用に
                背景をしっかり考慮したプロダクションなのか
                適当に音楽とダンスを組み合わせちゃえ、というものなのか

                ともかく、よくわからん。

                音楽にクラシックを使っている部分が多いのだが
                時々、ヘンな音も入って来るし
                雨の音が入って来たり、豪雨の音も音楽として使われている。

                動きは、ずっと操り人形っぽいカクカクとした動きで
                すごく激しいシーンも結構あって
                (目隠しした女性ダンサーを片足持って振り回すところなんか
                 ちょっと間違ったら舞台の後ろにある段にぶつけたら大怪我だぞ)
                コンテンポラリー・ダンスの「能力」という意味では
                実に素晴らしい。

                プロダクションに散りばめられた(と思われる)暗喩も
                怖いもの知らずのハチャメチャ感は半端じゃなかった(笑)

                イム・プルス・タンツは何でもありだし
                暗喩(だろうと思われる)は割に解りやすかったし
                動きとしては面白かったから
                行って損した、とは思わなかった私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                後でプログラム読んでいたら
                男性ダンサーはフランクフルト芸術大学でフォーサイスの元で学び
                二人ともケースマイケルの P.A.R.T.S. 出身だった。
                確かに、しっかりとクラシックとモダンの基礎のある身体とダンスだった。

                ムジカエテルナ + クルレンツィス

                0
                  Felsenreitschule Salzburg 2017年7月23日 19時〜19時50分

                  musicAeterna - musicAeterna Chor
                  ソプラノ Anna Prohaska
                  アルト Katharina Magiera
                  テノール Mauro Peter
                  バス Tareq Nazmi
                  指揮 Teodor Currentzis

                  Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                  Requiem d-Moll fuer Soli, Chor und Orchester KV 626
                   In der 1792 von Franz Xaver Suessmayr vollendeten Fassung

                  チケットを申し込みしていたのに
                  いつまでたっても返事がなくて
                  結局、一般発売初日に入ってみたら
                  95ユーロのものしかなくて(上から3番目カテゴリー)
                  散々悩んで(3秒くらい)買ったコンサート。

                  ホテルから、さて出掛けようとしたら
                  滝のような大雨がどっしゃーんと降って来て
                  それでもコンサートに遅刻する訳に行かず
                  傘持って出たけど

                  橋のところが横殴りの雨で
                  傘なんか、ま〜ったく訳に立たず
                  (濡れなかったのは化粧した顔だけである)

                  全身、ずぶ濡れ (・・;)

                  上着もズボンも、絞ったら水が垂れてきそうだし
                  その下のシャツも下着も、ズボンも
                  靴も靴下も、全部見事に水浸し状態での
                  お金持ち御用達(と思われる)席で
                  ずぶ濡れ状態での50分のコンサートだったが

                  ああああ、行って良かった!!!!!

                  席は平土間の横なので
                  音響的には決して良い席ではないと思うのだが
                  もともとのオーケストラ編成が小さくて
                  思ったよりまとまって美しく聴こえて来たし
                  近くにソプラノのコーラスが立っていたのだが
                  このコーラス、むちゃ巧くて、バランスがものすごく良い。

                  クルレンツィスは
                  またもや前後ろを間違えた幼稚園のスモックみたいな黒のシャツで
                  黒のぴったりした細いジーンズに
                  黒い靴に・・・赤い靴ひも、というのがおしゃれ?!

                  オーケストラのメンバーは
                  神父さんの着るような黒い長いマントで登場し
                  一部の楽器(チェロとか)を除いて、全員起立のまま。
                  コーラスも同じく黒の長いマントで、ずっと起立。

                  フェルゼンライトシューレの、あの雰囲気の中で
                  こういう黒マント集団って、何だか異世界になる。

                  モーツァルト爆睡体質の私なのだが
                  この曲は、モーツァルトじゃない、ズュースマイヤーだ、と
                  いつも自分に言い聞かせて、爆睡しないようにしているのだが

                  今回は言い聞かせるまでもなく
                  最初から最後まで、一瞬も気が抜けない、すごい演奏。

                  この集団とクルレンツィスのモーツァルトには
                  一切の余計なものがなく
                  必要なものがすべてある。

                  ドラマチックでありながら
                  恣意的な大袈裟さが全くなく
                  キリッと締まって端正で

                  モーツァルトの音楽にある、ある種の軽さまでしっかり出して
                  モーツァルトの音楽って
                  こんなに凄かったのか、と再認識させる。
                  (私がそこまで言う事は、(たぶん)滅多にない(笑))

                  自分がずぶ濡れで演奏を聴いているなんて事
                  音楽が始まったとたんに忘れてしまったわ。

                  最初からグイグイと聴衆を引き込んで行って
                  一瞬の緩みもなく
                  恐ろしい程の緊張感を保ちつつ
                  ドラマチックに、この上なく美しく
                  なのに押しつけがましくない。

                  バスの深い声が美しく印象的で
                  テノールの澄んだ声は空気に溶け(マウロ・ペーターだった、後で気がついた)
                  ソプラノは、あれはわざと声量を抑えていたのか
                  まったく「叫び声」にならない美声で
                  アルトの声量が一番目立ってたけれど、厚みのあるビロードのような手触り。

                  このオーケストラのコンサート・マスター
                  第二のクルレンツィスみたいな感じ・・・というか

                  のだめカンタービレの峰クンっぽい。
                  (すみません、オタクで)

                  バイオリン持って踊るし
                  ジャンプするし、バイオリンを掲げて弾いたりするけれど
                  それがまた音楽的に一つ一つがピタッと合っていて
                  他の弦楽奏者や、管楽器へのキューまで時々出している(ように見える)

                  クルレンツィスの良いサポート役だわ。
                  しかも身体で「見せる」事も(意図的かはともかく)
                  よく心得ていて、このコンサート・マスター、見てるだけで楽しい。

                  いや、レクイエムのプレイヤーの動きを楽しんでいてどうする(汗)

                  無駄のない締まったドラマチックで透明な音楽が
                  ホールの中に柔らかく溶け込んだり
                  空気を引き裂いたり
                  彼岸のような異空間を作ったり
                  一曲ごとに翻弄されて
                  ベネディクトゥスあたりで、ちょっと泣きそうになった。

                  クルレンツィスとムジカエテルナって
                  まだ日本では全然知られていないようだが
                  ヨーロッパでは爆発的な人気が出て来て
                  (今日のコンサートだって、売り切れ、というのに
                   チケット探してます、って人が入口に山ほどいた・・・豪雨だったのに)

                  いやでも、それ、よくわかる。
                  手垢のついた(すみません)「モーツァルト」を
                  全く別の解釈とドラマで提示できる指揮者と言ったら
                  アーノンクールという人は居たけれど
                  その後、この「鬼才」が現れてくれて

                  いやちょっと本気でモーツァルトを見直しそうになってますワタシ。
                  (モーツァルトの音楽で爆睡できない珍しいコンサートだったし)

                  さすがにお高いコンサートで
                  しかも貧民席が出ないほどの人気があったわけで
                  客席のマナーは非常に良くて (*^^*)
                  拍手のフライングもなく
                  終わった後、3回目のカーテンコールあたりで
                  スタンディングオベーション。

                  コンサート開始前は、正直言うと
                  「クルレンツィスだから良いに違いない」って先入観があるかも、と
                  自分のほとんどゼロの感受性に
                  先入観持つのはダメだぞ、と語りかけていたんだけど
                  (まぁ、高いチケットだから良いコンサートに違いない、というのもあったかも)
                  そんな懸念は、全く必要なく
                  あっという間の、輝くような50分の天国の時間。

                  至福って、こういう体験を言うんだなぁ。
                  高いチケットでも買って良かった。
                  (クルレンツィスもコンサート・マスターもよく見えたし(笑))

                  明日の朝イチバンでウィーンに戻らねばならないけれど
                  今回のザルツブルク滞在
                  非常に実りの多いものになった。

                  8月末にはまた遠征する予定の私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  クルレンツィスはウィーンのコンツェルトハウスで
                  来シーズンにチクルスがある。
                  貧民席だけど、しっかり買ってある。
                  今、最もユニークな指揮者である事は間違いない。
                  (あまりに鬼才すぎて好き嫌いは分かれそうだが
                   でもその「鬼才」さに説得力があるのがスゴイ)

                  バイエルン放送交響楽団 + ケント・ナガノ

                  0
                    Felsenreitschule Salzburg 2017年7月22日 19時〜21時30分

                    Chor des Bayerischen Rundfunks
                    Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
                    ピアノ Pierre-Laurent Aimard
                    指揮 Kent Nagano

                    Gyoergy Ligeti (1923-2006)
                     Lux aeterna fuer 16-stimmigen gemischten Chor a cappella

                    Olivier Messiaen (1908-1992)
                     La Transfigration de Notre-Seigneur Jesus-Christ
                      fuer zehmstimmigen gemischten Chor, sieben Instrumentalsolisten
                      und grosses Orchester

                    夏のザルツブルク音楽祭、オープニング・コンサート。
                    このシリーズには
                    Ouverture Spirituelle Zeit mit Grisey 
                    というテーマが付いている。

                    実は月曜日にジェラール・グリゼーの曲のコンサートもあって
                    猛烈にそちらに行きたかったのだが(指揮がポマリコだし)
                    月曜日はちょっと仕事があって無理(涙)

                    ケント・ナガノのこのコンサートはプログラム発表直後に申し込んで
                    割に安い席が取れてラッキー ♥

                    ・・・だけど、プログラム内容がこれなので
                    後で聞いたら、結構、関係者に招待席が出回った様子(ちっ)

                    直前の音楽祭事務局からのメールでは
                    コンサートではセキュリティの関係上
                    必ず身分証明書を持って来て下さい、とか書いてあって
                    一応、パスポートは持って行ったが
                    結局、入口のところで、バッグの中身を見せて下さいというのを
                    全員にやっていた。
                    (バッグ開けて見せてお終い。背広の中にナイフや銃を持っていたらどうする?(笑))

                    無駄話はさておいて
                    フェルゼンライトシューレは、ともかく「でかい」(少なくとも舞台とその向こうは)
                    映画「サウンド・オブ・ミュージック」をご存知の方にはよく知られた会場。

                    どこで休憩入れるのか
                    それとも、全部で2時間ちょっとくらいなので続けるかな、と思ったら
                    ルクス・エテルナの後にメシアンの第一部(I から VII)を演奏し
                    幕間の後に第二部(VIII から XIV)の演奏。

                    オーケストラは板付き。
                    楽器ソロ(ピアノ、チェロ、フルート、クラリネット、シロリンバ、マリンバ、ビブラフォン)は
                    ルクス・エテルナの後に合流。

                    リゲティのルクス・エテルナ
                    これは、映画「2001年宇宙の旅」をご存知の方は知っている(はず)
                    このナマは昔、ウィーンのミノリーテン教会で聴いた事がある。

                    コーラスは約50名くらい。

                    ううううううん・・・

                    このホール、でかいだけに音響が比較的デッドで
                    50名のコーラスで、あのピアニッシモで歌われると
                    あまり響かないなぁ。
                    声が不思議な音程で分かれていくところも
                    あまり倍音が響かないのでドライな感じだし

                    その後でソプラノが入ってくるところ
                    う〜ん、ソプラノの声が澄んでない(ように聴こえる)
                    あれをあのちょっと粗い声で細さのないまま入って来られると
                    鋭い光が射してくるイメージが沸かないんだけど。

                    観客のマナーは良いので
                    あまりわざとらしい咳き込みがないのは助かるが
                    時々、溜息が聞こえてくるし。
                    (註 メシアンで後ろで何回か小声のお喋りをされた時は
                       さすがに私もキレそうになったが(聞こえるんですよ、小声でも!)
                       後ろの退屈していた4人は休憩の後は戻って来なかった。やれやれ)

                    ルクス・エテルナの後に
                    一人、後ろからひたすらブラボー叫んでいたのは
                    コーラスからタダ券もらった応援団か?
                    (あの曲の後にブラボーは要らない(断言))

                    楽しみにしていたメシアンの
                    我らの主イエス・キリストの変容。

                    これ、かなり長い曲で、90分ほどだが
                    後期の作品で
                    メシアンの作曲技法が散りばめられていて圧倒的。

                    ナマで聴いてみると
                    最初のパーカッションの銅鑼とか鐘とかのオープニングが
                    何回か使われていて
                    コーラス部分の根底にあるのが
                    思い切りグレゴリオ聖歌、というイメージが強い。

                    もちろん、メシアン特有の音階の使い方や
                    自然の音を多用した部分もあって
                    時々、とんでもない浮揚感や
                    自然の中で花や樹がざわめいている有様が手に取るようにわかる。

                    日本の自然はもっと静かですが(笑)

                    コーラスも人数が増えて、100人ほどになったので
                    声のクオリティも落ち着いて来て、しっかり響いてくれたし
                    圧倒的なメシアンの技法と音楽に唖然としながら
                    第一部はあっという間に終わってしまった。
                    (例のブラボー女性は、また一人で必死にブラボーを叫びまくっていた)

                    でも、この演奏、第二部になってからが、ますます良くなって
                    アマールのピアノが、どんどん光り輝くようになって来たし
                    オーケストラもコーラスも
                    ソリストやピアノも
                    何かに憑りつかれたような高揚感。

                    正直言うと
                    コーラスだったら
                    はっきり言って、ウィーンの楽友協会コーラスの方が巧いと思うし
                    (ウィーン楽友協会コーラスは人数も多いけれど)
                    オーケストラもプロの水準ではあっても
                    別に特別むちゃくちゃ巧い、とかは思えない(すみません)

                    でも、ともかくメシアンの音楽が・・・すごい。

                    何回か出てくるパーカッションの繰り返しや
                    曲の曲の間のレチタティーボ的なピアノのソロ
                    グレゴリオ聖歌に似たコーラスなどなどの
                    構成の妙もあるし

                    きっとキリスト教の敬虔な信者でなければ
                    本当にはわからないのだろうとは思うが
                    ヨーロッパの大聖堂の静けさの中で
                    ステンド・グラスからの光を浴びながら
                    神とイエスに思いを馳せる・・・というイメージに加えて
                    たぶん、キリスト教という宗教以上のところで
                    神、か、あるいはそれに類似する絶対者に対しての
                    敬虔な思いと愛がひしひしと伝わってくる。

                    まぁ、異教徒が何を言おうが邪道ではあるんですけど(苦笑)

                    今日は、むちゃくちゃ天気が良くて
                    気温も上がったけれど、夕方には影の部分は割に涼しく
                    休憩時間もザルツブルクの町が美しくテラスから見えて

                    ああいう、シリアスで宗教的な曲は
                    こういう明るい天気の時には、あまり合わんような・・・
                    (やっぱり冬の静かな氷点下の暗い聖堂というイメージですよね(偏見))

                    メシアンのスゴイところは
                    こんな後期の作品であっても
                    最後の部分は
                    何とユニゾンで協和音で終わるんです(爆笑)
                    やっぱり観客の乗せ方を、よく知っとるわい。

                    滅多に演奏されない曲だし
                    (ウィーンだったら絶対無理だ。どのオーケストラもメシアン演奏しない)
                    わざわざザルツブルクに来るだけの価値はあったので
                    まずはオープニング・コンサートには満足。

                    オーストリア国営ラジオ1番とバイエルンのクラシック・ラジオで
                    ライブ放送されていたようなので
                    ご興味のある方は
                    オン・デマンドで1週間は聴けます。

                    コンサート後にどこかで軽く食事して行こうと思ったら
                    どこもかしこもスゴイ人で
                    (外に出ているテーブルはどこも満席)
                    結局、ホテルからまた逆戻りして
                    ファースト・フードでテイクアウトしてホテルに帰った私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    土曜日だから、というのはあるとしても
                    若い観光客が多くて
                    みんな外で酔っぱらって大騒ぎしていて
                    真夜中過ぎでも、まだ大騒ぎしている・・・(絶句)
                    ウィーンは22時以降は静かに、という規則があるので
                    こんなに騒いでいたら警察が来るレベルだけど・・・

                    ヤン・ファーブル/トルブレイン ベルギーのルール

                    0
                      Volkstheater 2017年7月20日 20時〜24時

                      Jan Fabre / Trougleyn
                      Belgian Roles

                      パーフォーマンス
                      Annabelle Chambon, Cédric Charron, Tabitha Cholet, Anny Czupper,
                      Conor Thomas Doherty, Stella Höttler, Ivana Jozic, Gustav Koenigs,
                      Mariateresa Notarangelo, Çigdem Polat, Annabel Reid, Merel Severs,
                      Ursel Tilk, Kasper Vandenberghe, Andrew James Van Ostade
                      コンセプト・演出 Jan Fabre
                      テキスト Johan de Boose
                      音楽 Ryamond van het Groenewould, Andrew Van Ostade
                      ドラマツルギー Miet Martens
                      衣装 Kasia Mielczarek, Jonnes Sikkema,
                      Les Ateliers du Thèâtre de Liège, Catherina Somers, Monika Nyckowska

                      むちゃくちゃ長いお休みで
                      もうこのページ、ちょっと腐ってるんじゃないか、と
                      自分でもおそるおそる開けてみたような状態の後の

                      最初の記事が
                      ウィーン・コンテンポラリー・ダンス・フェスティバルという
                      とんでもないパーフォーマンスについてで
                      読者の方々は辟易しているだろうが

                      私も久し振りに辟易(笑)

                      いや、パーフォーマンスそのものは
                      中々面白かったのだが(ツッコミどころは満載だが)

                      ご存知、あの昆虫学者のアンリ・ファーブルの曽孫に当たる
                      ベルギー出身の芸術家、ヤン・ファーブルの率いる
                      現代演劇・ダンス集団のトルブレイン。

                      いつもかなり過激で、長い演目を持って来るのだが
                      確かにプログラムには3時間45分、と書いてはあった・・・けれど
                      休憩なしの3時間45分というのは、かなり長い。
                      2012年には8時間公演という、ワーグナーまっさおな演目もあったけど(笑)

                      今回のテーマは「ベルギー」である。
                      ベルギーの観光紹介プログラムと思ってはいけない。
                      まぁ、多少はそのケもない訳ではないが
                      あのパーフォーマンス見て、ベルギーに行きたいとは
                      あまり誰も思わんだろうきっと。

                      最初から最後まで、ずっと目立っているのは
                      ベルギーのビールである。
                      (飲んでこぼして身体にぶっかけてエトセトラ)
                      最初に出て来るパーフォーマー(中年の太めのおじさん)が
                      ビールを飲みながらベルギーという「でっかい小国」の紹介をして
                      ハリネズミの着ぐるみのおばさんパーフォーマーが
                      演劇というのはベルギーで始まったのよ、という話をする。

                      パーフォーマーたちが折に触れ
                      「我々はヨーロッパの中心で、大きな国だ」と主張するベルギーは
                      多くの芸術家を生んでいる。

                      という訳で、このパーフォーマンスで取り上げられるのが

                      ヤン・ファン・エイク
                      ピーテル・ブリューゲル
                      ピーテル・パウル・ルーベンス
                      フェリシアン・ロップス
                      フェルナン・クノップフ
                      ジェームス・アンソール
                      ポール・デルヴォー
                      ルネ・マグリッド

                      エイクなんかアルノルフィーニ夫妻像が出てきちゃって
                      あの衣装、女性の方はお腹まで大きく
                      更に後ろには、例のあの鏡まで出て来ちゃうし

                      ルーベンスは毛皮を纏った(下は裸)女性たちが
                      突然、銃を構えて観客を脅かしたりする。

                      フェリシアン・ロップスの
                      ポルノクラートがそのまま舞台の上に登場するし

                      クノップフの長い金髪の女性たちや
                      アンソールの骸骨
                      ルネ・マグリッドの色彩そのままのヌードの女性に
                      コウモリ傘とシルクハットの男性とか

                      ぴったり同じとかいう模倣ではなくて
                      絵画の雰囲気や色彩が、そのまま舞台に乗っている面白さ。

                      ビールの他に、ずっと登場するのは「鳩」で(複数)
                      これがまた、愛らしいというか、すっとぼけキャラなのに
                      途中のモノローグでは

                      僕の曽曽曽おじいちゃんは
                      メッセージを届けたり、カメラを装着して写真を送ったり
                      すごく活躍したのに
                      (註 若い読者諸君、昔は伝書鳩というのがあったのです)
                      今や、誰も鳩を大事にしてくれなくて
                      猫ばっかり可愛がるけど
                      猫なんて、何の役にも立ってないじゃないか
                      (この無駄ないじけ方が可愛らしい(笑))

                      途中でパーフォーマーたちが
                      むちゃくちゃハードな運動しつつ
                      ベルギー・ルールを30以上叫ぶパーフォーマンスがあるのだが
                      (最初は禁止事項、次が義務事項で、最後が可能事項)
                      いや、すごい体力・・・というより
                      義務事項って、ず〜っと骸骨背負ったまま走って
                      走りながら30以上の事項を言っていくんだけど
                      これを4回繰り返したのには、かなり絶句したわ。

                      その他にも、劇には死が必ず登場する、という
                      メメント・モリの話とか
                      第一次世界大戦の話や
                      植民地のコンゴのテーマとか
                      (闇の金がなぜ汚いの、というアンチテーゼと絡めてる)

                      何せ4時間弱(休憩なし)の中に
                      何もかもぶち込んであるので、すごい内容ではある。

                      衣装も派手で
                      ダンス・パーフォーマンスも
                      ダンスのみならず、見事なバトン・ダンスとかもあったし
                      (美しい制服でバトン・パーフォーマンスを繰り広げる人たちが
                       途中で急に暴力的になって、鳩を虐めるところは、ちょっとコワイ)
                      ダンスとしても見応えたっぷりだし
                      演劇としても面白いし
                      画家の絵画を舞台に再現しているのも面白い。

                      ベルギー・ルールのテキストは
                      ブラック・ユーモアに満ちていて大笑いできるのだが
                      最後の旗振りしながらの可能事項は
                      ・・・まぁ、急にマジメなプロパガンダ的な
                      平和への希求とか人種差別反対になって
                      それまでのブラック・ユーモアが影を潜めてしまって
                      青年の主張大会みたいになっちゃったが
                      あれこそが、ヤン・ファーブルの言いたかった事なんだろうなぁ。

                      ビールを振ったり口から吹き出したりのシーンも結構あったので
                      平土間の前の方に座っていた人たちは
                      かなりビールを浴びているに違いない(笑)
                      (貧乏な天井桟敷で良かったわ)

                      パーフォーマンスのテキストは
                      英語・フラマン語・フランス語・ドイツ語の4ヶ国語。
                      ベルギーという国の激動の歴史や言語、民族を物語るなぁ。
                      (上に英語とドイツ語の字幕が出てくる)

                      冗長と思わせる部分もかなりあるのだが
                      ヤン・ファーブルの絵画感覚を活かした舞台。
                      本当はもう一回観ると
                      上の字幕に気を取られていて
                      パーフォーマーを観察していないところもあったので
                      面白いかもしれないけれど

                      最終の市電に間に合うかしら・・・と
                      ドキドキしながら、まだ終わらんか、とヤキモキする事を考えたら
                      まぁ、1回で充分だわ(笑)

                      来週からコンテンポラリー・ダンスが続くけれど
                      今回は(比較的)厳選してパーフォーマンスを選んだので
                      そんなにアホな演目はない・・・はず
                      だが、まぁ、コンテンポラリー・ダンスって
                      大体においてヘンなので
                      そこらへんはどうぞよろしく、と
                      お茶を濁す私に
                      久し振りの1クリックを、どうぞお恵み下さいませ。



                      長い長いお休みの時にも
                      訪れてクリックを下さった暖かい読者の皆さま
                      本当にありがとうございました(深くお辞儀)

                      コンテンポラリー大好きで
                      この演目に興味のある方は
                      ウエブ・サイトにかなり詳しい情報、写真、動画が上がっているので
                      おヒマな向きはどうぞ ここ

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