ウィーン交響楽団 + ロレンツォ・ヴィオッティ

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    Musikverein Großer Saal 2019年11月9日 19時30分〜21時15分

    Wiener Symphoniker
    Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
    指揮 Lorenzo Viotti

    Arnold Schönberg (1874-1951)
     Verklärte Nacht, op. 4
     Fassung für Streichorchester (1943)

    Giuseppe Verdi (1813-1901)
     Quattro pezzi sacri
     Vier geistliche Stücke
      Ave Maria über eine rätzelhafte Tonleiter (Scala enigmatica)
        für vierstimmigen Chor a cappella
      Stabar Mater für vierstimmigen Chor und Orchester
      Laudi alla Vergine Maria für vierstimmigen Frauenchor a cappella
      Te Deum für vierstimmigen Doppelchor, Sopran-Solo und Orchester

    コンサート開始の前に
    指揮者のロレンツォ・ヴィオッティがマイクを掴んで

     今日のコンサートの最初の曲は
     プログラムに書いてあるリヒャルト・デーメルの詩を
     必ず音楽を聴く前に読んで下さい。
     そこに描写のある、夜の雰囲気、女性の不安に満ちた心情
     告白の時の緊張感、そして、それを許して
     すべてを浄化する愛の力が
     この曲の中に凝縮されています。
     後半のヴェルディの4つの聖歌四遍も
     宗教曲ではありますが、宗教はさて置いて
     これが、音楽でなければ表せない「愛」ではないでしょうか。
     この「愛」という感情を
     今日のコンサートの音楽で
     皆さまに感じて頂ければ、こんな嬉しい事はありません。
     (意訳)

    基本的に喋る指揮者は好きじゃないし(すみません)
    更に、この「愛」の押し売り的スピーチは、ものすごく気に喰わん。

    浄夜なんて、何回も聴いているし
    リヒャルト・デーメルの詩も、それに伴い、何回も読んだけれど

    妊娠している女性が、男性にそれを告白し
    でも、その子供は貴方の子供ではない
    と正直に言っちゃうのに対し

    その子供は浄化された(これもスゴイ言い方だわね)
    と高らかに宣言して、そのまま女性とその子供を受け入れる
    という、男性の話なのだが(たぶん)

    このカップルの女性の方は
    2年後くらいに
    発○小町に

    「結婚前に受け入れてくれると言った他の男性との子供を
     主人が愛してくれません。どうしたら良いのでしょう」

    とか言うトピックを作り
    それに対して、1日で300通くらい
    「早く離婚して、貴女が独立して仕事して、子供は一人で育てましょう」
    という返事が返ってくるケースではないか。

    時代背景も社会も文化も違うので
    一概には言えないけれど
    こういう、あちこちでモテて
    しかも男性を搾取しようとするような女ってキライなの。
    (自分がモテないから・・・ぶちぶち)

    さて反感持ちながら聴いた浄夜だが

    あらら・・・何という繊細な表現を・・・(吃驚)
    シェーンベルクの後期ロマン派の美しい曲なんだけど
    表面の美しさというよりは
    自分のスピーチでは「感情」とか「愛」とか言っていたくせに
    ものすごく音色と構成に拘った演奏してるじゃないの。

    感情に流れず、必要な部分のパートを強調すると同時に
    時には、まるで室内楽のような明晰さを前面に出して
    驚くほどに理性的で(あ、こいつ、どの位、楽譜を分析した?)
    なのに、もともと持っている曲の「感情」が
    そのままダイレクトに聴衆に流れ込んでくる。

    指揮者のバイアスのかかっていない感情が
    聴衆に触れて来るというのは
    なんかこう、非常に珍しいケースではないだろうか。

    そうなんだ、この指揮者、「自分」のバイアスを見せて来ない。
    どこかの指揮者のように「俺が、俺が、俺さまが」というのがない。
    スピーチで、愛と感情を伝えたいと明確に言い切りながら
    自分は曲の分析と構築の影に徹底的に隠れている。

    面白い指揮者だと思う。
    誰でも知ってる有名人のお父ちゃんを持つと
    それを越える才能のある息子になるか
    あるいは、父親の名声というプレッシャーに押し潰されるか
    親の七光りで自然に有名になっちゃうか
    まぁ、当然、七光りはあるんだろうけれど
    割に恵まれた環境で、スクスク育って来たって印象なのに
    ちゃんとプレッシャーに耐える実力があるようだ(おお、偉そう)

    後半はヴェルディの聖歌四遍で
    宗教曲は苦手だし
    更にヴェルディだし(レクイエムは何回聴いても好きになれずに諦めた)
    えい、もう、どうなっても良いわ、という
    やけっぱち気分で残っていたのだが

    ああああああああああ
    すみません、はしたなくも・・・

    最初のアヴェ・マリア、アカペラの曲だが
    読者の皆さまはご存知の通り
    ヴェルディの「謎の音階」を使った曲。
    上昇音階が c-des-e-fis-gis-ais-h-c(kl.2/ü.2/gr.2/gr.2/gr.2/kl.2/kl.2)
    下降音階が c-h-ais-gis-f-e-des-c (kl.2/kl.2/gr.2/ü.2/kl.2/ü.2/kl.2)
    (すみません、カッコの中は私のメモなので無視して下さい)
    同じテトラコードが一つもない。

    バルトークやメシアンの音階分析とは違って
    ヴェルディだから、この音階を誰にもわかるように使って
    ワケわからん調性で作曲したのではなくて
    上記の音階が転調の時に顔を出すので
    まるで現代音楽かのような謎の雰囲気を醸し出すのである。

    ・・・というより、この曲、アカペラだよ?
    楽友協会合唱団って、どこまで優秀なの???
    これ歌うなら、少なくとも何人かは絶対音感がないと無理だわ。

    オーケストラ付きスタバート・マーテル。
    恨み辛みのオペラの出だしみたいに暗い色調で
    むちゃくちゃドラマチック!!!

    というより、ラテン語の歌詞を見ていたのだが
    ヴェルディ、ちゃんとラテン語歌詞の意味につけて
    音楽を作っている。
    (当たり前と言えば当たり前だが
     それまでラテン語全く知らなかったので
     ドイツ語の歌詞だけ見ていて、それに典礼文ってどれでも似てるし)

    ラテン語始めて、まだ1ヶ月。
    当然の事ながら、圧倒的に語彙力がないので意味はわからないが
    時々、ポコッとわかる人称代名詞とか
    いわゆる英語の be 動詞の変化とか
    誰でも知っている videre の過去形三人称単数直説法とか
    fac と出てくると、これは facere の単数命令形だよね、とか
    たまに出てくる単語がわかると、おおおおおっ、という感じで

    音楽わかりたくて音楽学を学んでいるのに
    ラテン語始めたら、急に宗教曲が聴けるようになったというのは
    ちょっと、あまりにあまりじゃないかこれは。

    スタバート・マーテルを、こんなに楽しんで聴いたのは
    初めての体験かもしれない(いいのかそれで・・・)

    3曲目は、テキスト見てあれ?と思ったのだが
    これはイタリア語の歌詞である(似てるけど(笑))

    最後の Te Deum 圧巻。
    veneratur とか出てくると、あ、デポネンシアだ、とか思うのは
    まぁ、万年中二病なので許して下さい。
    どこまでもドラマチックで
    教会の響きを充分に使った圧倒的なコーラスと
    オペラのようなドラマチックなオーケストラの混合で
    最後はソプラノが平土間からのソロを聴かせるという趣向。

    ヴェルディの「宗教曲」と思うからイケナイのであって
    これは最初から「オペラ」と思って聴いた方が良いのだが

    ともかく、人の感情の中心部をゴリゴリ掴んで
    ひたすら揺すぶられている感じで

    愛とかいうものはわからないし
    感激云々というものとも、また違うような気分でもあるのだが
    ともかく、感情をワシワシと揺すぶられたのは間違いない。

    ヴィオッティ、良いじゃないの。
    最初の代役でのウィーン交響楽団のデビューの時から
    こいつ、タダモノじゃないぞ、という印象はあったので
    ラハフ・シャニが客演指揮者になった時には
    ロレンツォ・ヴィオッティの方が良いぞ、と思ったくらいだが

    ラハフ・シャニはメータの後継でイスラエル・フィルに行く事だし
    このヴィオッティ、ウィーン交響楽団として
    押さえておいて損になる人じゃないぞ(と強く思う)

    コンサート後に外でポスターを見たら
    同じプログラムで、今日と明日になっていて

    こんなに素晴らしいコンサートなら
    明日も行きたいなぁ、でも、きっと現代音楽が入ってるだろう、と
    自分のカレンダー見たら
    しっかり明日のコンサートのチケットもあった(笑)という私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ただ、1日目の印象があまりに良いと
    2回目に聴くと、あらま、という可能性もあるので
    ちょっと心配ではある・・・

    帰宅してから、ばっちりラーメンを食べて
    真夜中過ぎたが、これから発表の準備原稿を
    もう、今日は徹夜しても絶対に仕上げる!!!!!

    ウィーン・モデルン現代音楽祭 11月8日

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      WIEN MODERN 08 November 2019

      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年11月8日 19時30分〜21時10分

      Klangforum Wien
      指揮 Sylvain Cambreling
      サクソフォン Gerald Preinfalk
      ホルン Christoph Walder
      トランペット Anders Nyqvist
      トロンボーン Mikael Rudolfsson

      Albert Posadas: Poética del espacio (2018-2019 ÖEA) - 85’

      この曲目の下に、更に
      Trayectorias für 17 Musiker (2018) - 17’
      Intermezzo I für 5 Musiker (2019) - 5’
      Ers für 20 Musiker (2019) - 14’
      Inermezzo II für 8 Musiker (2019) - 4’
      Intermezzo III für 5 Musiker (2019) - 5’
      Umbrales evanescentes für Saxophon, Horn, Trompete, Posaune und 14 Musiker (2018) - 21’
      Intermezzo IV für 6 Musiker (2019) - 5’
      Ojo del diablo für 20 Musiker (2019) - 15’

      と書いてあったので、最初の曲85分の後に、またこれを演奏するのか
      と思っていたら、何のコトはない、85分の曲の内容だったらしい。
      ・・・足したら86分になる、85分じゃない、とか言うクレームはあげない(笑)

      大ホールには、前方の舞台に加えて
      後方にも舞台があり
      平土間客席のあちこちに譜面台とテレビ(指揮者を見るため)が置いてある。
      クラング・フォーラムが登場すると
      前の舞台には弦とオルガン、ピアノ
      木管・金管が少し(確か一人づつ?)に、パーカッション。
      後ろの舞台には、木管・金管・パーカッション。

      前後で客席を囲む音響空間を作ったわけね。

      先日、ピアノでとんでもない音響空間を作った作曲家なので
      室内オーケストラになったらどうなんだろう、と思っていたが

      う〜ん・・・微妙・・・
      (好みの問題であって、良し悪しの問題ではございません、念の為)

      音響空間の体験という事で
      ホールの前後や、真ん中にプレイヤーを配置する、というのは
      今更新しい事ではなくて
      何回もこういうの聴いてるし・・・
      (シュトックハウゼンのグルッペンもナマで聴いた事がある)

      平土間が満杯で、バルコン・ロジェに行って
      前後の舞台のプレイヤーは見えるし
      プレイヤーが平土間を移動するのも見えるので
      その意味で、私の居た音響空間は
      普通のホールの左右に舞台が分かれた状態という
      割に、ありがちな音響空間だったからかもしれないが。

      特殊操法を多用して
      楽器から楽器への音の繋ぎ方は
      オーバートーンを残して
      実に自然な感じで移行するので
      そこらへんは、う〜ん、さすがに巧い、とは思うんだけど

      こういう「難しい」曲って
      やっぱり事前に情報がないと
      普通に「雑音」に聴こえてしまう。
      (自分に知識がないのが悪い)

      いや、雑音系は好きなのだが
      さすがに85分、休みなしにずっと聴かされていると
      強弱やリズムの変化はあるにしても
      正直、かなり単調になってしまうのは
      現代音楽をシロウトが聴く時の問題点かもしれない。

      まぁ面白かったですけど
      だから何?・・・って、こういう客が居ると
      イヤだろうなぁ。
      しかし、このホール満杯の
      80%くらいが年配の現代音楽オタクのお客さまって
      何人くらいが、本当にこの「音楽」がわかって
      心からブラボーを叫ぶような感激を味わっているんだろう???

      ただ、意外とここに集まったご年配の方々
      ご自分でも若い時代にアヴァンギャルドに嵌ったという
      プロとかセミプロが多いような印象もあるので
      わかっていないのは、私だけだったりして・・・(猛反省中)

      こういう音楽がわかりたくて
      大学に入ったのだが
      まだまだ道は険しい。
      (というより、ウチの学部で
       現代音楽の作曲技法ってやるんだろうか?
       いや、やったとしても、私の理解が及ばない可能性の方が高いが)

      昨日夜中から、私のマックブックのシステム・エラーで
      どっさり買って、CDからのアルバムも数百枚保存しているのが
      全部消えてるし
      iBookで買った日本語の本は全部消えたし
      クラウドでサイン・インをしようとすると
      原因不明のエラーです、という恐ろしいメッセージが出て来て

      12月初旬のために購入した音楽データが
      全部消えていて
      クラウドにサイン・インできないのでDLも出来ず
      自宅のマックブックプロと手元のアイフォンとの共有も出来ず
      今日の朝から泣いている私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      なんだか、すご〜くイヤな感じがするんだけど
      このマックブック、いくら地域を日本にしても
      時計の時刻も変わらず
      どうも、マックが、自分が今オーストリアにいる事を
      認識しているみたいで
      アップルショップに入ると
      オーストリアのショップに入ってしまう(冷汗)
      今までは日本のショップが選べたのに・・・
      (もちろんiTuneカードは日本で購入してます)

      同時にミュージックもブックも
      サイン・インが出来ず・・・と言う事は
      やっぱり勝手にオーストリアのショップに入ろうとしているんだろうか?
      私は日本の本しか読まないので
      オーストリアのショップに入られるとヤバイのだが(号泣)
      この、サインインできないという現象、何とかならんのだろうか・・・


      ウィーン・モデルン現代音楽祭 11月7日

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        WIEN MODERN 07 November 2019

        Konzerthaus Schubert Saal 2019年11月7日 19時30分〜21時5分

        Boulanger Trio
        ピアノ Karla Haltenwanger
        バイオリン Birgit Erz
        チェロ Ilona Kindt

        András Gelléri: Straße für Klaviertrio (2017-2018 UA) - 12’
        Alban Berg: Vier Stücke für Klarinette une Klavier op. 5
        (1913, Bearbeitung für Violoncello und Klavier) - 8’
        Elias Jurgschat: beleuchten für Violine, Violoncello und Klavier (2018 UA) - 12’
        Beat Furrer: Lied für Violine und Klavier (1993) - 10’
        Johannes Maria Staud: Terra Fluida. Zweites Klaviertrio (2019 ÖEA) - 12’

        本日のコンサートはアルバン・ベルク財団50周年記念コンサート。
        ピアノ・トリオの作曲コンクールがあって
        その優勝作品2点を、本日初演。
        審査員だったヨハネス・マリア・シュタウドの曲のオーストリア初演もあり
        途中で、受賞作曲家2名とプレイヤー、シュタウドのトークが入った。

        一緒に行った大学のお達者クラブ同僚が
        「女性3人で14年間、トリオでやって来たのは凄い」
        とか、よくわからん理由で感激していた(笑)

        最初の受賞曲は、割に伝統的な感じで始まって
        ついつい、今日あった音楽分析の授業での
        音階の見つけ方・・・みたいな方に脳が動いたのだが

        これが、どんどん音色に変化が出て来て
        だんだんスペクトル楽派みたいになってきて
        ピアノの弦はかき鳴らすわ、バイオリンもチェロも
        雑音っぽい不思議な音響をまき散らすわ

        あれあれあれ、これ、楽想が最初に戻って
        ソナタ形式で終わるんじゃないの?と
        シロウト考えでいたら、スペクトル楽派っぽく
        唐突に終わってしまって愕然(笑)

        アルバン・ベルクの作品番号5番は楽しい。
        ベルクの曲って、ミニマリスム的なので
        一つ一つの曲が短くて、発想が豊か。

        2番目の受賞曲は
        最初から、特殊奏法ですっ飛ばし
        ・・・すみません、途中で寝落ちしたようですワタシ f^_^;

        隣の同僚も「何だか、みんな同じ曲に聴こえてくる」と言っていたので
        まぁ、あの、その、うははははは。

        フーラーとシュタウドの前にトークの時間。
        2番目の受賞者は、もっと喋りたかったようだが
        1番目の受賞者ばかりに話題が振られて、ちょっと可哀想だった(笑)

        シュタウドの曲は、このトリオのために作曲されたものだそうだが
        確かにピアノ・トリオそのものの曲は
        最近、少なくなったので、是非、リバイバルを!という感じの熱弁だった。
        (確かに弦楽四重奏とかはよく聞くが、ピアノ・トリオって珍しい)

        フーラーのバイオリンとピアノのための曲は
        ・・・フーラーらしい(笑)
        悪口ではないけれど、細かい音に異様に拘る
        小さな音が好きなオタクという感じ。

        それに比べると、最後のシュタウドの曲は
        むちゃくちゃ派手である。
        新人作曲家の初演2曲を、ばっちり食ってしまい
        フォルテの連続で
        ピアニストも、連続オクターブとか
        異様に早いパッセージをフォルティッシモで延々と演奏したり
        バイオリニストやチェリストが
        大口を開けて、ふううううううっ!と声を出したりして
        ちょっと演劇的な要素も入り
        最初から最後まで、全く退屈させないのは
        流石に手練れの作曲家、という印象がある。

        比較的短いコンサートだったし
        多様な曲を聴けて
        苦手な室内楽なのに、とても楽しかった私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ウィーン・モデルン現代音楽祭 11月6日

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          WIEN MODERN 06 November 2019

          Konzerthaus Schubert Saal 2019年11月6日 19時30分〜22時15分

          ピアノ Florian Hölscher
          Alberto Posadas: Erinnerungsspuren.
          Zyklus von sechs Stücken für Klavier solo (2014-2018 ÖEA)

          Alberto Posadas: Anklänge an François Couperin (2014) - 18’
          François Couperin: 21e ordre (1730) - 8’
          Claude Debussy: Préludes Ier livre: La Cathédrale engloutie (1910) - 5’
          Claude Debussy: Préludes IIe livre: Feux d’artifice (1913) - 5’
          Alberto Posadas: Anklänge an La Cathédrale engloutie (2019) - 9’
          Alberto Posadas: Anklänge an Robert Schumann (2015) - 9’
          Karlheinz Stockhausen: Klavierstück IX (1954-1961) - 10’
          Giacinto Scelsi: Aitsi für verstärktes Klavier (1974) - 6’
          Robert Schumann: Presto passionato op. 22a (1835-1836) - 6’
          Alberto Posadas: Anklänge an Aitsi (2017) - 18’
          Johann Sebastian Bach: Wachet auf, ruft uns die Stimme (ca.1748 arr. F Busoni) - 4’
          Alberto Posadas: Anklänge an Stockhausen (2017) - 8’
          Alberto Posadas: Anklänge an B.A. Zimmermann (2018) - 19’

          昨日の夜、足が攣って眠れず、今日は朝からグッタリで
          サボれるものは全部サボって
          図書館で眠りこけていたのだが
          ヘロヘロになりながらも
          コンサートに行く根性(だけ)はあるのである。自慢にならん。

          しかも18時30分からの作曲者との公開インタビューまで同席した。
          作曲のきっかけからコンセプトまで面白い話が聞けた。

          さて、この「記憶のシュプール」という曲は
          チクルスとして
          作品の中に入っている曲のオリジナルまで含めて演奏するのは
          世界初(作品そのものはオーストリアでの初演)

          ピアニスト一人で、クープラン、ドビュッシー
          シュトックハウゼンにシェルシ、シューマンからバッハ(ブゾーニ編曲)まで
          バリバリ弾く間に、アルベルト・ポサダスの曲が入る。

          結果から言うと、ともかく、むちゃくちゃ面白かった。
          終演は夜の10時を過ぎたんだけど
          ともかく時間があっという間に過ぎた感じ。

          アルベルト・ポサダスは、もともとICRAMなどで
          電子音楽もやっていたそうで
          私が大好物とする「音響の饗宴」に非常に近い。
          それをまた、ピアノでやっちゃうところが凄い(含むピアニスト)

          各曲の最後にある数字は演奏時間。
          9分とか18分とかは意図的なものか、という質問が
          インタビューの時に出たけれど
          これはたまたま偶然にそうなったらしい。

          プーランクとかも良かったけれど
          ドビュッシーの「沈む寺」なんかは
          まさに「音響」だけで聴かせる曲だし
          それを、ポサダスが拡大させて、もっと「音響」になると
          空間感覚が最大限まで広がって、すごい事になる。

          シュトックハウゼンのピアノ曲の迫力には
          腰が抜けそうになる。

          休憩の後のジャンチント・シェルシだけは
          電子機材を使って音を補強していたが
          いやはや、シェルシの、あの「音響の揺れ」が
          見事にピアノで歌われるのには驚いた。

          だって、電子機材での音響の拡大があるとしても
          クラスターの後に、dの音がずっと残響として響いているという
          音響オタクには、あまりに美味しい工夫がされていて
          こういう美味しい音響を
          雑音なしに(現代音楽の聴衆は非常に静かである!)
          心ゆくまで食する事ができるというのは、まさに体感的快楽。

          ポサダスがシェルシを拡大するとどうなるかと言うと
          ピアノの中の弦を掻き乱したり
          音叉と共にピアノの弦を鳴らしたりするのだが
          これが、シェルシのd音だけではなく
          他の音の残響も含まれて来て
          ポサダスのクラスターの後の、あの残響の音色に
          椅子の上で悶えてしまう。

          シュトックハウゼンの曲の拡大は
          シュトックハウゼンのリズムを使いながら
          音響的なものを、もっと多彩にして
          これも、最初から最後まで悶えまくりだが

          最後のツィンマーマンの拡大曲が圧巻で・・・
          さすがにツィンマーマンのオリジナル曲の演奏は出来ないので
          ツィンマーマンが間接的に引用したという
          ドビュッシーのオリジナルを演奏しているのだが

          いやもう、何ですかこれは。
          宇宙空間じゃないですか。

          一人で興奮しまくっているが
          こういう音響は、CDでは絶対に体験できない(断言)
          普通の伝統的コンサートでもダメ。
          (ウィーンの客は保守的な人が多いので
           現代曲だと、必ず小声でのお喋りや、わざとらしい咳き込みがある)

          現代音楽大好きオタクが集まって
          身動きもせず、静かに
          大胆でありながら、とことん繊細な音響を
          残響を含めて、徹底的に、音響の良いホールで
          自分の耳と感性を最大限に広げて聴く事によって
          聴こえてくる世界がある。

          ピアニストは伝統的手法での演奏から
          鍵盤弾きながら、もう一方の手で内部の弦を鳴らすとか
          音叉や木片でピアノの弦を叩くとか
          ちょっとプレペアド・ピアノみたいにしたところもあるし
          電子機材を入れてペダルでコントロールしたりの
          現代奏法もたっぷり入れて
          休憩入れて2時間以上のプログラムを演奏しっぱなしで
          大変だっただろうが

          でも、この曲、このピアニストが
          ぜひ作曲してくれ、と懇願して出来たものだそうだから
          (インタビューによる)
          ピアニストにしても本願成就だろう。

          これだけオーバートーンの音響効果を知り尽くして
          ピアノ機能を徹底的に使って
          伝統的な音楽から取った断片を
          現代音楽の音響の中に見事に咲かせた作品って

          あ〜、1回だけじゃ聴き足りない!!!!
          バレエと同じで、何回でも聴きたい!!!
          (CDじゃなくて、ナマで聴きたい!!!!)

          ああ、もう、本当に悶絶しまくりのコンサートだった。
          スペクトル楽派が大好物な私は
          こういう音響空間を提供されると
          はしたなくも身悶えしてしまうのだ。
          好みの問題だから、どうしようもないわよ、うん。

          こういうのを「音響」と言うのか「音楽」と言うのか
          はっきりしないのだけれど
          (クープランとかシューマン、バッハは、まぁ、それなりに・・・)
          感受性のない私は、「音楽性」にも徹底的な欠陥があるので
          こういう音響処理の作品が一番好き。

          ライブでこういうコンサート、聴けて良かった。
          どんなにヘロヘロで睡眠不足で
          発表の準備をしていなくても(こらっ!!!)
          このコンサートに行けて幸せな私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          ウィーン交響楽団 + ヨアナ・マルヴィッツ

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年11月5日 19時30分〜21時30分

            Wiener Symphoniker
            指揮 Joanna Mallwitz
            ジークリンデ Jennifer Holloway
            ジークムント Stephen Gould
            フンディンク Hans-Peter König

            Richard Wagner (1813-1883)
             Siegfried-Idyll (1870)
             Die Walküre (Erster Aufzug) (1851-56)

            プログラム買ってチラチラ見ていたら
            同じプログラムで昨日もコンサートがあって
            しかも昨日はその前に
            音楽学者のリュテキンが講演会をしていたとは・・・
            (リュテキンは音楽学の大家で知らない人はいないと思う。
             私もこの方の論文にはお世話になっております m(__)m)

            という事は、第一幕だけとは言え
            歌手3人は、2日続けてワーグナーを・・・おおおお、ブルブルブル。
            超人だわ。

            ワーグナーオタクはどこにも居るようで
            同級生にも一人居るのだが
            私はワーグナーの楽劇があまりに長いため
            サラリーマン生活している時には行けず
            やっと引退した、と思ったら
            もう気力も体力も残っていなかったので
            実は未だに苦手(すみません)

            コンサート・ホールで
            普通、オペラでは演奏しないコンサート専門オーケストラで
            ワーグナーのワルキューレの1幕のコンサート式上演。

            プログラムにテキストは書いてあるので
            プログラム売りのおばちゃまが、いつも
            「今日は一緒に歌えるわよ」と冗談で言うのだが
            マジに本当に一緒に歌う観客が出現したらどうするんだろう?
            (言った手前、禁止できないでしょ?(笑)
             もっとも、ワーグナーを歌える観客が・・・いるかもしれないここ・・・)

            ジークフリート牧歌は良いのである。
            これはウィーン交響楽団、何回も演奏しているはず。
            ちょっとオーケストラのアンサンブルが甘い部分もあったが
            センチメンタルに流されず
            透明感のある演奏で
            ・・・私、もしかしたら寝てました? (_ _).。o○
            音楽は聴こえていたのだが
            半分、白昼夢みたいな状態だったかもしれない(すみません)

            ジークフリート牧歌の後、休憩中に
            ロビーで年配のお友達同士が集まって
            聞くともなく、話が(声がでかい)聞こえてきちゃったのだが

            そのうちの一人がワグネリアンらしく
            ワーグナーのリング4部作について
            いつ見たどの演出でどの歌手がど〜のこ〜のというのを
            延々と喋っていて
            その間に、ものすごく嬉しそうに、大きな声で
            ストーリーはね、近親相○だから、と繰り返していて
            やはり、ちょっと癖のある方が多いのかしら(カマトト)

            舞台装置もないし
            コンツェルトハウスの音響は比較的デッドだし
            その意味では、ワーグナーのあの背徳感の雰囲気がゼロなので
            その分、たぶん、違って聴こえて来ているとは思うのだが

            それを抜きにしても
            かなり、すっきりした感じで聴こえてくる。
            ダイナミックスとかは充分にあるのだが
            あまりドロドロしたところがない。

            歌手陣は素晴らしい!!!!
            いやステフェン・グールドのヘルデン・テノールは
            かねがね高く評価しているが
            無理している様子は一切ないのに、すごい声量だし
            美声だし、声に張りがあって若々しいし
            聴いていると惚れるわ。

            ジークリンデのソプラノは、表現力に富む声を持っていて
            劇的表現が素晴らしい。
            聴いていて神経に触る事もない。

            フンディンクのハンス・ペーター・ケーニッヒの美声!!!!
            やはり声量のある、深い美声で、ものすごく魅力的。
            ジークリンデ、この旦那、要らないならワタシに下さい(笑)
            あんな声を毎日聴いたら、私、メロメロになりそう。
            (調べてみたら、ウィーンの国立オペラ座でも
             さまよえるオランダ人とかフィデリオに出演していた)

            オーケストラは、本当にすっきりしていて
            こういうドロドロ感のないワーグナー
            聴いていて、あまり精神的に負担にならない代わりに
            近親○姦、不倫なんかのリアルさには欠ける。
            いや、そんなもん、リアルにやってどうする、というのはあるが (ーー;)

            しかしまぁ、既婚なのに
            飛び込んで来た(きっと)筋肉隆々の(たぶん)若々しい男性を
            喜んで家に入れてもてなし
            話をしてみたら、あら、兄妹だったのね・・・というところで
            普通は、ここでラブソングにはならんだろ。
            道徳的にオカシイ。

            こういうワケのわからなさを指摘すると
            それがオペラのリアリティなので、と言われるのだが
            昨今、モラルとかポリティカル・コレクトネスとか言われている中で
            ワーグナーの、このドロドロ背徳な世界は
            堂々と上演していて良いんだろうか・・・

            いや、それ言い出したら
            ワーグナーどころか
            プッチーニもヴェルディもドニゼッティも
            モンテヴェルディもモーツァルトも
            みんなオペラはヤバイだろう・・・という
            とんでもない話になってしまう。

            音楽的には、ワーグナーのライトモチーフの使い方とか
            本当に音楽でもってストーリーを語る力の大きさに感激したし
            内容はともかくとして(好みの問題だし)
            割に早くコンサートも終わったし
            (1日何も食べていなかったので空腹が・・・(笑))
            それはそれで楽しいコンサートだったと
            満足している私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            指揮者のヨアナ・マルヴィッツは初聴きだし
            舞台見えないので、どういう指揮振りだったかは不明だが
            (だいたいプログラムのセリフをずっと追っていたので)
            オペラはかなり振り慣れている感じがする。
            最近は女性指揮者が優秀なので、私は嬉しい。

            ジュエルズ@国立バレエ 2回目

            0
              Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
              2019年11月4日 19時30分〜21時50分

              JEWELS
              Emeralds / Rubies / Diamonds
              振付 George Balanchine ©The George Balanchine Trust
              衣装 Karinska
              舞台 Peter Harvey
              照明 Mark Stanley
              指揮 Paul Connelly

              EMERALDS
              音楽 Gabriel Fauré
              Pelléas et Mélisande (Prélude, Fileuse, Sicilienne)
              Shylock (Entr’acte, Epitbalame, Nocturne, Final)
              Pelléas et Mélisande (La Mort de Mélisande)
              ダンサー
              Natascha Mair - Robert Gabdullin
              Madison Young - Roman Lazik
              Ioanna Avraam, Alice Firenze, Dumitru Taran
              Marie Breuilles, Natalya Butchko, Andrea Némethová,
              Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva,
              Flavia Soares, Oksana Timoshenko, Liudmila Trayan, Beata Wiedner

              RUBIES
              音楽 Igor Strawinski
              Capriccio für Klavier und Orchester
              ピアノ Igor Zapravdin
              ダンサー
Nikisha Fogo - Davide Dato
              Ketevan Papava
              Natalya Butchko, Estzter Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee,
              Isabella Lucia Severi, Rikako Shibamoto, Oksana Timoshenko,
              Céline Janou Weder, Nicola Barbarossa, Trevor Hayden,
              Arne Vandervelde, Géraud Wielick

              DIAMONDS
              音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
              Symphonie Nr. 3, D-Dur op. 29 ohne den Ersten Satz
              ダンサー
Olga Esina - Jakob Feyferlik
              Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Rikako Shibamoto, Madison Young,
              Leonardo Basílio, Tristan Ridel, James Stephens, Navrin Turnbull
              Marie Breuilles, Laura Cislaghi, Venessza Csonka, Gala Jovanovic,
              Oxana Kiyanenko, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó, Suzan Oppermann,
              Xi Qu, Alaia Rogers-Maman, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
              Giovanni Cusin, Marat Davletshin, Marcin Dempc, Marian Furnica,
              Andrés Garcia Torres, Darius Gramada, Trevor Hayden, Igor Milos,
              Hanno Opperman, Gaetano Signorelli, Andrey Teterin, Zsolt Török

              Wiener Staatsballet
              Orchester der Wiener Staatsoper

              初日と同じキャストでの2回目。
              よって、本日は書かない予定で居たのだが

              やっと、ビデオ・クリップが出たので貼っておく。



              いやもう、見て下さいよ、最初のナターシャの美しさ。
              デビューした頃から注目していたが
              ただの「可愛いキュートなダンサー」から
              最近は成熟した色気(良い意味での)が出て来て
              本当に、何て素晴らしいダンサーになったんだ。
              というより、これからがますます楽しみだが。

              実は2日目は、このエメラルドの最初の場面で
              ローベルトとのPDDで
              なんとローベルトがリフトを損ねて
              まぁ、下の方で取り落としそうになったのだが
              (ナターシャを落としそうになるなんて!!!)
              その際に、右肩の衣装が外れて落ちそうになっているのを

              ナターシャ、ものともせずに踊り続けたんですよ!!!
              (PDDの後に、かなり長いソロがある)

              普通、肩紐が落ちてくると
              無意識的に上げたいじゃないですか。
              腕を上げる時にも邪魔になるし。

              なのに、肩紐下がりなんて、ま〜ったくありません、という
              涼しげな表情で、見事にソロまで踊ったナターシャの
              技巧もそうだけど
              それ以上に、あの強いメンタルには本当に驚くわ。

              ローベルトは女性陣に比べると
              ソロもなんだかモタモタしていて
              う〜ん (ーー;)

              ルビーのニキーシャの生き生きしたダンス
              ケテヴァンが男性ダンサー4人を
              召使のように(笑)率いる様が堂々として爽快。

              オルガさまの、この透明感溢れたダイヤモンドを
              どうぞ、じっくり(と言うには短いが)ご覧下さいまし。

              このバレエ作品
              最初のエメラルドはフォーレの音楽で
              フランス・バレエ
              ルビーはストラヴィンスキーで
              (バランシンはジャズもストラヴィンスキーも好きだったらしい)
              アメリカの、前衛的なモダン・ダンス
              最後がバランシン出身の
              伝統的なロシアのバレエになっているのだが

              そうだよね、オルガさま、ワガノワ・バレエ・スクールご出身の
              伝統的なロシア・バレエの落とし子みたいなダンサーだし。

              いや、もう、本当に美しい。
              これ、明日がセカンド・キャストで
              ニナとマーシャがエメラルド(!!!)
              エメラルドの男性ソロは木本全優クン(!!!!!)
              ルビーが橋本清香嬢とデニスで
              ダイヤモンドをリュドミラとナヴリン(!!!!!!!!)
              ・・・・う、う、う、う、う(悩)

              いや、もうチケットは122ユーロ1枚しか残ってないし
              私は明日はワーグナーのヴァルキューレのコンサート式上演を・・・

              いや、まだ12月に何回かあるから
              このキャストを見られるチャンスもあるに違いない、と
              自分で自分を慰めている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              ウィーン・モデルン現代音楽祭11月3日

              0
                WIEN MODERN 03 November 2019

                Wiener Konzerthaus Mozart Saal 16:00-18:00
                Abschiedskonzert die reihe
                Ensemble die reihe
                指揮 Christian Muthspiel, HK Gruber

                Edgar Valèse: Intégrales (1923-1925)
                Anton Webern: Sechs Stücke op. 6 (1909, Fassung für Kammerorchester:
                Anton Webern, 1920)
                Friedrich Cerha: Bruchstück, geträumt WV 156 für Ensemble (2009)
                Kurt Schwertsik: 4 Kinder - Toten - Lieder op. 79b für
                 Bläser und Schlagzeug (1998/2019)
                Kurt Weill: Kleine Dreigorschenmusik für Blasorchester (1928)

                Wiener Konzerthaus Mozart Saal 19:30-21:00
                Schallfeld Ensemble
                 パーカッション Manuel Alcaraz
                 フルート Elisa Azzarà
                 クラリネット Szilárd Benes
                 ピアノ Maria Flavia Cerrato
                 バイオリン Lorenzo Derinni
                 チェロ Myriam García Fidalgo
                 音響演出 Davide Gagliardi
                 指揮 Leonhard Garms
                 コントラバス Margarethe Maierhofer-Lischka
                 ビオラ(客演)Francesca Piccioni
                 サクソフォン(客演) Diego García Pliego

                Cathy van Eck: Stumme Diener für Notenständer, Kontaktmikrophone,
                 kleine Lautsprecher und Live-Elektronik (2011)
                Sylvain Marty: Discreet (2018)
                Lorenzo Troiani: La fine è senza fine für Quintett (2017)
                Diana Soh: Modicum für Oboe (Saxophone), Klarinette, Schlagzeug,
                 Violine, Viola, Cello und Kontrabass (2018 OEA)
                Hannes Kerschbaumer: tektono für Ensemble und Elektronik (2019 UA)

                ウィーン・モデルン現代音楽祭が始まると
                読者の数が激減して、ランキングの順位も急激に下がるのだが
                これ、個人メモだし(いつもの言い訳)
                しかも、現代音楽というジャンルは
                玉石混合で、どんなヘンなもの、いや、素晴らしいものが
                飛び出してくるのか、想像がつかないところが楽しいので
                一番書きたい分野なのだ。お許しあれ。

                アンサンブル・ディ・ライエは、1958年に
                フリードリヒ・チェルハ(当時32歳)と
                クルト・シュヴェルツィック(当時23歳)が作った
                現代音楽アンサンブル。

                現代音楽アンサンブルと言えば
                最も有名なのは、1985年にベアト・フーラーが作った
                クラングフォーラム・ウィーンだと思うけれど
                その前から、このアンサンブル・ディ・ライエはあったのか・・・

                昨今、現代音楽を演奏するアンサンブルも増えてきて
                パイオニアとしての役目は終わったという事で
                本日が最終コンサート。

                メンバーは・・・
                わはははは、どこかのオーケストラでいつも見ている人たちだ。
                61年の歴史を振り返ってという事で
                古典的な作品の演奏(ヴァレーズ、ヴェーベルン)だが
                クルト・シュヴェルツィックの新曲の初演もあった。

                いやしかし、ヴァレーズのインテグラル
                ナマで聴くと、すごい迫力。
                CDでしか聴かないし、聴く時には音量を絞ってしまうので
                ナマで演奏すると、音量の大きさにビックリする。

                以前、フルート奏者の友人に、密度21.5 を聴きたいと言ったら
                すごい高い音が出るけど大丈夫?と言われた事があるので
                これも、CDで聴くのとは、全く違った音響体験になるのだろう。
                (まだ、その野望は諦めていない。ただ、ホールが必要だし・・・)

                ヴェーベルンの曲は、自分でオーケストレーションしたもの。
                新ウィーン楽派と12音技法に関しては
                1年前に演習でやって、今学期も、たぶん、最後の頃に入ってくると思うんだけど
                ラインの組み方が本当に面白い。
                今聴いても、充分に革新的だ。

                チェルハ教授の音楽は、小さなアンサンブルでも
                音の重なりが重厚で、音色の変化に耳を奪われるし

                クルト・シュヴェルツィックは、伝統に基づいた曲を作る人で
                聴いていると、本当に「音楽」の原点みたいな感じがして
                しかも、局所にユーモアが見え隠れ(聴こえ隠れ?)していて楽しい。

                クルト・ヴァイルの三文オペラを知らない人はいないと思うので
                これについては省略。
                当時の聴衆の耳には、ものすごく新しく響いたんだろうなぁ。

                18時過ぎに、バーにて、インタビューの時間があったのだが
                マイク使っても、みんな、結構お喋りしていて、うるさい(怒)
                人が話している間は、静かに聞きましょうって
                オーストリア人は学校で教わって来なかったのね(断言)
                あまりにお喋りがうるさいので、他のロビーに移動したので
                インタビュー聞けず残念だった。
                (だいたい雑音・騒音でインタビューなんか聞こえてなかったと思う)

                19時30分からは、グラーツで結成されたアンサンブルのコンサート。
                幕間なしの1時間30分。
                プログラムと順番が変わっていて
                それもアナウンスしなかったので(チラッと言ったがよくわからなかった)
                上記の順番で合ってるかどうかは不明。

                最初に書いた Cathy van Eck の
                楽譜立てとマイクロフォン、小さなスピーカーとライブ・エレクトロニックのための
                「物言わぬ召使」(←そういうタイトルなんです)
                これは、その名の通り、楽譜立てにマイクロフォンを仕込んで
                メンバーが楽譜立てを組み立てる事で起こる雑音を
                ライブ・エレクトロニックで流すものだが

                各演奏曲の前後に、2名ないしは3名のプレイヤー(?)が
                楽譜立てを擦ったり、弦楽器のボウで「演奏」したり
                くっつけたり離したりで
                割に、ちゃんとドラマツルギーがあって
                演劇的要素があってストーリーっぽくなっていたし

                ワタシ、割に「雑音系」音楽が好きなので
                ちょっと楽しかった。(次に何するかワクワクって感じ)

                全体的なプログラムは、「物言わぬ召使」だけではなく
                「雑音」系の、楽器+ライブ・エレクトロニックス。

                16時からのアンサンブル・ディ・ライエのプログラムとは全く違って
                時の流れをつくづくと感じる。
                オーバートーンや特殊奏法を多用し
                照明にも工夫を凝らして
                雑音を、ある意味、「楽音」にして聴衆に届ける工夫は
                例えば Diana Soh の Modicum では、演劇的な要素も入っていて楽しい。
                (途中で指揮者とプレイヤーがディスカッションしたり喧嘩したりする)

                音楽と演劇の融合については
                今学期、キャシー・バーベリアンで論文を書く予定なので
                現代音楽の潮流の一つとして
                こういう Diana Soh のような作品があるのを知るのは面白い。

                Hannes Kerschbaumer の曲は初演。
                これも雑音系なので
                どこをどう取ったら「音楽」として聴こえるのか
                という問題はあるにしても
                よく考えられてコントロールされた雑音を15分ほど聴くのは
                ワタシは大好きである。

                まぁ、ああいう音なら
                全部エレクトロニクスの合成でやっても
                別に楽器使う必要もないかも・・・というのはあったけど。
                (ただ、シンセサイザーで計算するよりも
                 普通の楽器で音のサンプル取ってから
                 それをライブで加工する方が、音に多様性は出るかも)

                今シーズンのウィーン・モデルン現代音楽祭は
                あちこちに普通のコンサートのチケットを持っている日があるので
                あまり数はこなせず
                ゲネラル・パスを買うかどうか散々に迷ったのだが
                計算してみたら
                それでもゲネラル・パスの方が安いような気がしたので
                (驚きの130ユーロである!)
                ついつい買ってしまって
                できるだけ(ここ大事!)せっせと通う予定の私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ジュエルズ@国立バレエ 1回目(初演)

                0
                  Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
                  2019年11月2日 19時30分〜21時50分

                  JEWELS
                  Emeralds / Rubies / Diamonds
                  振付 George Balanchine ©The George Balanchine Trust
                  衣装 Karinska
                  舞台 Peter Harvey
                  照明 Mark Stanley
                  指揮 Paul Connelly

                  EMERALDS
                  音楽 Gabriel Fauré
                  Pelléas et Mélisande (Prélude, Fileuse, Sicilienne)
                  Shylock (Entr’acte, Epitbalame, Nocturne, Final)
                  Pelléas et Mélisande (La Mort de Mélisande)
                  ダンサー
                  Natascha Mair - Robert Gabdullin
                  Madison Young - Roman Lazik
                  Ioanna Avraam, Alice Firenze, Dumitru Taran
                  Marie Breuilles, Natalya Butchko, Andrea Némethová,
                  Joana Reinprecht, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva,
                  Flavia Soares, Oksana Timoshenko, Liudmila Trayan, Beata Wiedner

                  RUBIES
                  音楽 Igor Strawinski
                  Capriccio für Klavier und Orchester
                  ピアノ Igor Zapravdin
                  ダンサー
Nikisha Fogo - Davide Dato
                  Ketevan Papava
                  Natalya Butchko, Estzter Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee,
                  Isabella Lucia Severi, Rikako Shibamoto, Oksana Timoshenko,
                  Céline Janou Weder, Nicola Barbarossa, Trevor Hayden,
                  Arne Vandervelde, Géraud Wielick

                  DIAMONDS
                  音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
                  Symphonie Nr. 3, D-Dur op. 29 ohne den Ersten Satz
                  ダンサー
Olga Esina - Jakob Feyferlik
                  Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Rikako Shibamoto, Madison Young,
                  Leonardo Basílio, Tristan Ridel, James Stephens, Navrin Turnbull
                  Marie Breuilles, Laura Cislaghi, Venessza Csonka, Gala Jovanovic,
                  Oxana Kiyanenko, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó, Suzan Oppermann,
                  Xi Qu, Alaia Rogers-Maman, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo,
                  Giovanni Cusin, Marat Davletshin, Marcin Dempc, Marian Furnica,
                  Andrés Garcia Torres, Darius Gramada, Trevor Hayden, Igor Milos,
                  Hanno Opperman, Gaetano Signorelli, Andrey Teterin, Zsolt Török

                  Wiener Staatsballet
                  Orchester der Wiener Staatsoper

                  ジョージ・バランシンのジュエルズ全幕の初演。
                  バランシンがニューヨークの宝石店ヴァンクリーフ&アーペルの
                  ショーウインドウの宝石の輝きに魅せられて作った作品。
                  初演は1967年。

                  この演目、時々、一部がガラ公演で踊られる事はあるが
                  全幕を見るのは、初めて。

                  唐突だが
                  数日前からウィーン現代音楽祭
                  ウィーン・モデルンが始まっている。
                  (ご興味のある方、詳細は ここ
                  10月31日にはオープニング・コンサートもあったのだが
                  (あ〜、ベリオのシンフォニアも入っていた(涙))
                  ヘ○タイ・ホーネックがショスタコーヴィッチで
                  何やるかの方が興味があって、オープニングに行けず

                  しかも、今日11月2日は
                  私が大・大・大・大・大ファンの
                  アルディッティ弦楽四重奏団のコンサートが同じ時間にあったのだ。

                  あああああ、数年間、何をおいても
                  アルディッティのコンサートには行っていたのに
                  バレエの、しかも、この作品の初演と同じ日になるなんて
                  身を切られるような思い。

                  それで演目がつまらなかった、とか言ったら
                  許さんぞ!と思っていたのだが

                  あああああ、バレエに来て良かった 💘
                  (アルディッティさま、ごめんなさい m(_ _)m)

                  だいたい、この初演のキャストが・・・

                  エメラルドでナターシャとマディソン
                  ルビーにニキーシャとダヴィデ
                  ダイヤモンドはオルガさまとヤコブのカップリングという

                  これは夢か・・・

                  エメラルドの衣装と舞台が、もうその美しさに息を飲む。
                  あのエメラルドグリーン、いったいどうやったらあんなに美しい色が・・・
                  ガブリエル・フォーレの曲に乗って
                  ナターシャとローベルトのデュエットが

                  きゃああああ、ナターシャ
                  あなたのキュートさには、誰も逆らえません。

                  ローベルトを見つめる愛の眼差し。
                  そのうちプロモーション・ビデオが出るだろうけれど
                  もともとキュートで愛らしくて可愛かったし
                  演技力が抜群で(コッペリアやマリー・アントワネット!!!)
                  加えて、こんなに愛らしい色気が出てきたら
                  このナターシャと同じ場所に居られる幸運に感謝するしかない。

                  最近ソリストになったマディソンは
                  入団した時からバレエ・ファンが注目していた逸材。

                  エメラルドの最初のソロの時に
                  驚いて仰け反ったのは

                  このダンサー、こんなに楽しそうに踊れるダンサーだったの?

                  マディソンって超美少女で
                  入団したばかりの頃は、バレエはキレッキレだったけれど
                  あまり表情がないというか
                  クール・ビューティかなぁ、と思っていたら
                  ソリストに昇格する前の頃に
                  あっ、ソロで笑顔になって踊ってる!!!!と
                  私の周囲のバレエ・ファンが全員驚いて、ひっくり返って

                  今日の最初のソロ
                  笑顔の表情も輝いて、踊る喜びみたいなオーラを
                  全身から振りまいて踊ってるなんて・・・
                  いったい、何があったんだマディソン(余計なお世話)

                  ウィーン国立バレエ団屈指のキュート・ダンサーの二人を
                  惜しみなく舞台の同じ演目に出すなんて
                  監督、洒落た事をするじゃないの。
                  二人とも、キュートさではトップだが
                  一緒に踊ってみると、それぞれの個性が際立って
                  二人ともお人形さんになっていないところが凄い。

                  マディソンのサポートはベテランのローマンだったが
                  これが、もう、どう見ても
                  愛する娘を、大切に、注意深くサポートしている父親にしか見えなくて
                  (あ〜、ごめんローマン、でも歳から言えばそんなに不自然ではない)
                  見ていて、ほっこりする事、この上ない。

                  ローベルトのソロは・・・
                  う〜ん、何も言うまい。
                  ミスはしていないけれど、調子悪かった?
                  オーラがなくて、動作にあまりキレがなくて
                  ノーブルなんだけど、ナターシャとかマディソンと比べると
                  なんだか全然違うって感じだったんだけど。

                  エメラルドで胸キュンキュンになった後に
                  ルビーでは、ニキーシャとダヴィデが登場。

                  きゃ〜っ(すみません、本日は喚いてばかりで)
                  ニキーシャ、もともとバランシン向きだとは思っていたけれど
                  何て素晴らしいの!!!

                  キレキレのダンスで、音楽とピッタリ合って
                  華やかなオーラが出まくりで
                  本当にルビーの輝きそのもの。

                  ここまで女性ダンサーがオーラを華やかに撒きながら踊ると
                  男性が多少霞んでしまうのは仕方ないかも(笑)
                  ダヴィデ、すごく良いんだけど
                  時々、透明人間になっちゃうんだよね。

                  最後がダイヤモンド。
                  白い舞台にオルガさまの透明感!!!!
                  オルガさま、ああ、オルガさま
                  あなたの美しさの前には、すべてがひれ伏してしまいますわ ❤
                  しかも、オルガさまも、お人形さんじゃなくて
                  透明感を持ちながら
                  以前のような悲劇的オーラは影を潜めて
                  本当に、あのダイヤモンドの輝きを、バレエで伝えて来てくれる。

                  我らがヤコブのソロもダイナミックで素敵。
                  ダイヤモンドは群舞も水準が高くて、見せ場も多いのだが
                  ダンサーたち、見事に躍りきった。

                  バランシンのバレエって
                  バレエそのもの、肉体そのものが音楽と一体化してしまうので
                  山岸涼子のコミックでは(わははは、そういうのも読んでます💦)
                  バレエ・ダンサーは記号で良いのだ、とかいうセリフが出てくるけれど

                  この演目、ダンサーの個性やオーラがなかったら
                  ただの「あらキレイ」で終わってしまいそうな演目ではないか。

                  今回のバレエは、各ダンサー、特に女性ダンサーのキャスティングが最高で
                  主役級の女性ダンサーが、それぞれの個性を
                  充分に生かし、充分に舞台から客席に届けてくれて
                  最初から最後まで
                  本当に宝石の輝きそのものが舞台から客席に伝わってくる。

                  昨今のダンサーたちは
                  クラシックだけが踊れてもダメで
                  ウィーンにしたって
                  ヌレエフやプティのクラシックから
                  フォーサイスやイジ・キリアーン
                  クランコからマクミランにバランシン
                  あるいは現代の振付師の作品まで踊る能力が要求されるが

                  今回のバランシン、本当によく踊ったと思う。
                  ストーリーのない演目なので
                  退屈するかと思ったら、とんでもない。
                  ダンサーの個性とオーラだけで、もう充分に楽しめるという
                  素晴らしい出来になっている。
                  バレエ・ファンのおばさんは嬉しい(うううう・・・)

                  火曜日のセカンド・キャストの日には行けないが
                  12月に、また何回か、この演目は追いかける予定。
                  その時にプロモーション・ビデオが上がっていたら
                  また貼り付けます。

                  月曜日には同じキャストの2回目公演に行く予定だが
                  昨日、メールが入ってきて
                  2回目公演のチケット30%割引、というので
                  え?売れてないのか?と思ってチェックしたら
                  わはははは、高いチケットは確かにまだ残っているけれど
                  ミドル・クラスの私が買えそうなチケットは、すべて売り切れ。

                  また素晴らしいレパートリーが増えて
                  バレエに通う楽しみが増えた、とウキウキしている私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  プログラムの表紙には
                  オルガさまを中心に、マーシャとニナが載っている(セカンド・キャスト)
                  後ろのマーシャとニナが、何となくちょっと怖い(笑)

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