ウィーン交響楽団 + リオネル・ブランギエ2回目

日曜日も、時間はちょっと違うけれど
全く同じダブルヘッダーです。
時系列に読みたい方は こちら からどうぞ。

下は夜のコンサートの印象記です。

Musikverein Großer Saal 2017年6月11日 19時30分〜21時20分

Wiener Symphoniker
指揮 Lionel Bringuier
バイオリン Arabella Steinbacher

Sergej Prokofjew (18910-1953)
 Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 g-Moll, op. 63
Antonïn Dvořák (1841-1904)
 Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

はい、前言撤回。
シロウトだから、何でも言えるんです。
読者の皆さま、よって、こういう人を信用しちゃいけませんよ(笑)

プロコフィエフはまずは置いておいて
後半のドボルザークの「新世界から」

2回目をしっかり聴いてみると
いや、このブランギエという指揮者も
かなりあざとい。

第1テーマを、ものすご〜くゆっくりしたテンポで
ひたすら歌わせるのである。

いや〜、金管、お疲れさまです。
トロンボーンもホルンも、トランペットも
あの速度で吹くのは
普段の3倍くらいの肺活量が必要だったに違いない。

もう見事に遅いテンポが徹底的に遅い。
それでもメロディの失速のギリギリで抑えてはいて
極端に長いボーゲンが、ちゃんとまとまって聴こえるのはすごい。

最初の金管の続けてミスにはちょっとムッとしたけれど(笑)
そこらへん、やっぱりウィーン交響楽団だって
プロの矜持があるから
その後は、しっかりとどでかい音量で演奏してくれた。
・・・しかも、あのとんでもなく鈍いテンポで。

もちろん、遅いテンポだけでは
歌はあるけれどダレるから
アッチェルランドもすごくて
時々、細かいところが潰れそうな位の
今度はむちゃくちゃ速いテンポでブンブン押し捲る。

だから全体が、やっぱり見事にドラマチックになっていて
まぁ、昨日はティーレマンの
あまりにドラマチックなブラームスの陰で霞んだものの
数時間後にこのドボルザークを聴いちゃうと
尋常でないドラマチックな演奏である事が見えてくる。

いや、こいつ、まだ30歳で、このあざとさかよ(褒めてます)
かなり癖があって
最終楽章の木管のメロディなんか
普通とは全く違う印象で響かせていたし
その意味では、この人も一種の天才ではある。

ここまでドラマチックに
しかも熱っぽく(小型ティーレマン?)演奏されちゃうと
ドボルザークがアメリカの土地を新世界として
希望に満ちた交響曲を書いたとか言うのは
全然信じられなくなってしまって
どちらかと言うと
全世界の破滅の後に、最後の木管が長く音を引いて
・・・そして誰もいなくなった

という妄想を掻き立てる。
まぁ、良し悪しは別として(笑)

しかしウィーン交響楽団の音って
芯があるなぁ。
コンサート専門軍団だからかもしれないが
どのホールで演奏しても、音が不要に拡散しないのだ。

あの楽友協会の恐るべき残響の長さにも
ウィーン交響楽団の音は、しっかりと鋭く響く。

それから(すごく失礼なんだけど)
何だか最近、このオーケストラの弦って
むちゃくちゃ良くなってない???

以前は、管楽器は優秀だけど
弦がちょっと弱いという印象があったのに
最近、弦の音がすごく良い。

今回も第2楽章の弦の入ってくる時の美しさ
手触りの柔らかさにゾクゾクして鳥肌がたった。
低弦もしっかり響くし
バイオリンの音があそこまで充実してくると
実に聴きごたえのあるオーケストラだ。

プロコフィエフのバイオリン協奏曲2番は
昨日と同じ印象が強い。
プロコフィエフの薄めのオーケストレーションに
伸び伸びと素直に乗ってくるバイオリンの爽やかな音 ♡

アラベラ・シュタインバッハーのバイオリンの音って
本当に癖がなくて、素直で伸び伸びしていて気持ちが良い。
他のバイオリニストと比べると
ヒラリー・ハーン的系統なんだけど
ヒラリー・ハーンのあの透徹した美しさというより
もう少し庶民寄りの感じ(褒めてます)

アンコールに、ふん、やっぱりバッハかと思ったら
バッハと思わせて違ってたし
(後でサイトにアップされたら追記します。
 ディアス・イラエのモチーフがダブル・ボーゲンで
 ガリガリ演奏されちゃう割に有名な曲だと思う)

昨日より観客のマナーはかなり落ちたけれど
(ピアニッシモのところで後ろで盛大に鼻をかまれたりするとね・・・)
プロコフィエフもドボルザークも名曲だし
(第2楽章の例のメロディが始まると
 あちこちで囁きが聞こえたんだけど
 あれは、知ったかぶり人口が多かったんだろうなぁ(笑))
充実した2時間だった。

引退してしまうと(仕事はあるけど(苦笑))
曜日の感覚が変になって来るのだが
(だいたい、私の持ってるエージェントさん
 土曜日・日曜日にもオフィス開いてるから
 曜日にかまわずメール入って来るし)
明日は月曜日、ちょっと仕事があるから
早起きしなきゃ、というヘンな私に
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ウィーン・フィル + ティーレマン3回目(楽友協会)

Musikverein Großer Saal 2017年6月11日 11時〜13時

Wiener Philharmoniker
指揮 Christian Thielemann
フルート Dieter Flury

Johannes Brahms (1833-1897)
 Akademische Festouverture op. 80 (1881)
Jörg Widmann (*1973)
 Flûte en suite (2011)
Johannes Brahms
 Symphonie Nr. 4 e-moll op. 98 (1884-85)

青空がいっぱいに広がった父の日の
午前11時から楽友協会でウィーン・フィルの定期。
常連さんの欠席も多いし
余りチケットを掲げて入り口に立っている人もちらほら。

ティーレマンだよ?
昔はチケット探しはあっても、余りチケットなんかなかったわ。

大学祝典序曲だけど
これ、ドイツの学生歌のミックスじゃないですか。

学生歌と言えば
イメージとしては
日本の旧制高等学校で
高下駄履いて
何ヶ月も洗濯してないようなマントを羽織って
フロイライン、アイン・ツヴァイ・ドライ!
とか喚いている感じなんだけど

この大学祝典序曲
ティーレマンの情熱的な指揮にもかかわらず
時々、ものすご〜く上品で優雅になる。

バンカラってなぁに?という
強いて言えば、トーマの心臓とかオルフォイスの窓とか
ああ、そうなのか、あのイメージなのね。

大いに誤解があるけれど
これは私の脳内妄想ですので、反論は却下(笑)

最初で大いに妄想していたら
フルート協奏曲で、ますます妄想に拍車がかかって

最初のフルート・ソロと
それに絡まるオーケストラの木管が
お城の塔の上で、風に吹かれながら
物憂げに立っている王子さま。

次の曲の下降音階で、階段降りて来て
次の曲で湖に行って、木々の騒めきを聞き
嵐が来そうなので洞窟に入って
洞窟から出て来たら、好みの王女さまがいて

最後はお城から人がワラワラ出てきて、おめでとう

・・・バレエの白鳥の湖の見過ぎだろっ(汗)

(でも、本当にそう聴こえるんです、この曲。
 最初から最後までのイメージ喚起力が強くて
 最後のお城からワラワラ(ブランデンブルク協奏曲)の前には
 ちゃんと最初の物憂げな王子さまの再現部まであるんだもん)

現代曲ですからね
どんな妄想しようが自己責任 いや 勝手だし(笑)

さて、後半はティーレマン印のワーグナー風味ブラームス。

いやもう、昨日に輪をかけてティーレマン節が炸裂。
すごい音量で、タメるはテヌートするわ
とか思うと突然アッチェルランドになるし

とことん感情的で劇的で
ブラームスに我々が持っているような
抑制のある理性的な諦観とか言うのが一切ない。

上品で優雅なウィーン・フィルには
ちょっと可哀想だったけれど
それでも3回目ともなると
ティーレマン節がしっかり身について
第二楽章の低弦が入ってくるところなんか
ゾクゾクするほど美しかった。
(ティーレマンが指揮台で一瞬、ニヤッとした)

第二楽章の遅いテンポのタメタメで歌わせたところ
むちゃシツコイんだけど、確かにこれは他の指揮者はやらない。

この指揮者のふてぶてしい開き直り感って
ある意味、素晴らしい。

いや、他の指揮者だって
感情任せ、というタイプは結構居るじゃないですか。
私の大好きな指揮者の中にも
アントニオ・パッパーノとかテオドール・クルレンツィスとか
あの人たちも、ある意味、完全に開き直って
自分の好きな音楽を好きなように演奏して何が悪い
というところがあるわけで

もちろん、それがなかったら
指揮者なんかにはならないだろう。

同じような感じなのに
何故、パッパーノとかクルレンツィスは好きで
ティーレマンには(いまだに)ちょっと反発しちゃうんだろう
・・・と、自分の心理の奥底を探ってみると

まぁ、ティーレマンが指揮台の上でもどこでも
踏ん反り返って偉そうにしているというのはともかくとして
(個人的には存じ上げませんし、存じあげる気もないから別に良いけど)

正直言っちゃうと、実はちょっと羨ましい(笑)
羨ましいという事は
あいつは堂々とあんな事をしているが
実は私もしたい!!!というのの裏返し。

社会の中で揉まれて
妥協する事も
感情を抑え込んで理性で対処する事も
たぶん、学ばされて来たと思うのだが

そういう社会的強制がなかったら
自分も、実は激情型人間なのかもしれない。

社会的制約が退社して少なくなった今
もしかしたら、私も本当はああなりたかった
・・・と思っているのかも(汗)

本当は激情型の踏ん反り返った開き直りの独断人間の私は
怒らせたらコワイかも(いやいやいや)

指揮者に照らして自分の心理を探ってみて
自分で自分が怖くなった私に
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ティーレマン命のファンの皆さま、ごめんなさい。
ファンになれる方々は、たぶん、暗い欲望とか抑えきれない激情とかのない
とても素直な素晴らしい性格だと思う
(知り合いにも数人居るけど、みんな良い人ばかり)

で、私の隠された激情を何処で発散するか・・・と考えると
あれ???? (ツッコミ却下)

ティーレマン印のブラームスを聴きたい方
オーストリア国営ラジオ放送1番のオン・デマンドで
1週間は聴けるようになってると思います。

ウィーン交響楽団 + リオネル・ブランギエ1回目

土曜日のダブルヘッダー。
時系列で読みたい方は こちら からどうぞ。
下は夜のコンサートの印象記です。

Musikverein Großer Saal 2017年6月10日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Lionel Bringuier
バイオリン Arabella Steinbacher

Sergej Prokofjew (18910-1953)
 Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 g-Moll, op. 63
Antonïn Dvořák (1841-1904)
 Symphonie Nr. 9 e-Moll, op. 95 “Aus der Neuen Welt”

同じコンサート・ホールの
ほぼ同じような席で、夜はウィーン交響楽団のコンサート。

当初はカヴァコスがソリストの予定だったのだが
ご家族にご不幸があったとの事でキャンセル。
プログラム変更でアラベラ・シュタインバッハーが
プロコフィエフのバイオリン協奏曲2番を演奏する事になった。

実はアラベラ・シュタインバッハー、好きなのワタシ。
日本人とのハーフ(あ、今はダブルと言うんだっけ)だけど
素直に伸びる音が気持ち良くて
変な癖のない、すごく正直な音を出すバイオリニスト。

プロコフィエフのバイオリン協奏曲。
オーケストレーションが透明で暑苦しくなくて
何とも爽やかで透明度の高い音楽に
素直に伸び伸びと入ってくるバイオリンのソロ。

あああ、午後にあの暑苦しい厚みのある
まるでソースこってり、脂肪分バンザイみたいな
コテコテのブラームスの交響曲の後に
キュウリの浅漬けを供されたような
爽やかな気分。

やっぱり日本人はお茶漬けと浅漬けだよね(ってワケわからんが)

今日のコンサートはジュネスの一環でもあったようで
割に若い人たちが多かったし
いつもの通り、何せ楽友協会だから
観光客も結構いたのだが

それ以上にうるさ方のオジサン、オバサンが何人か居て
(でもいつもは見ないメンバーなので
 クラオタとかではなさそうな気が・・・)

ジッパーの開け閉めを演奏中にしている
派手な観光客の女性を
ちょっとでも音を立てようものなら
後ろを睨んでイヤな顔をするし

私の後ろの中年男性に至っては
舞台を見ようと床に立っていた女性に
床に立たれると、床が軋むからうるさいので
どこかに座ってくれ、とはっきり言ってた(えらい!)

安いチケットを買って
高い席に直前に移ろうとする人が何人も居たし
観光客は演奏途中で写真やビデオを撮っていたけれど
まぁ、音がしなかったら、もうどうでも良いです(諦観)

楽友協会というホールは
本職の録音技師でも、録音には大苦労するホールなので
シロウトが録画して、後で聴いたら
とんでもない音響しか聴こえて来ないだろう事は想像できるし。

後半はドボルザークの「新世界から」って
この曲、ついこの間、聴いたばかり。
(忘れた方は こちら をどうぞ)

プログラムというのは流行があって
重なる時は重なるので仕方ないのだが

うううう
自分が耳もなければ感受性もなく
音楽に関してはド・シロートである事は
よ〜く知っているんだけど

今回のブランギエの演奏
この間のネルソンスの演奏と、むちゃくちゃ似てる(ような気がする)

いや、そりゃ、曲が同じだから
違っていたら、それはそれで問題なのだが。
でもフレーズの歌わせ方とか
曲の持っている色彩感が
あまりに同じで、ちょっとビックリ。

同じ世代の指揮者だったっけ?と
チラッと調べてみたら
アンドリス・ネルソンスは38歳
リオネル・ブランギエは30歳
(えっ、ネルソンスって、もうアラフォー?と
 ひっくり返りそうになった。
 ドゥダメルだって、もう36歳。私が歳を取る筈だわ・・・)

ブランギエと言えば
チューリヒのトーンハレで首席指揮者やっていて
(2015年3月7日に聴いてる)
つい最近、ブランギエは止めて
パーヴォ・ヤルヴィが次の指揮者になる、というニュースがあったけれど

何かトーンハレとブランギエって問題あったのかしら(邪推)

動きは美しいし
キューや指示もしっかりしていて
ヘンなタメとかはないけれど
それなりにロマン派的なドラマはしっかり出していて
(で、すみません、ネルソンスと似てる・・・)
あっさり系とロマン系のバランスが、とても良い。

オーケストラは、まだちょっと傷があるものの
勢いのある演奏で気持ち良かった。

で、うるさ方が多かったのか
それとも、本当に知っている客が多かったのか
会場が楽友協会とは思えない程の静けさ ♡

第二楽章も、あれだけ静かに集中していたら
こちらも充分に堪能できる。
(終わった後の咳とかお喋りは凄かったが(笑))

最終楽章が終わった時も
ブランギエは腕を上げたまま固まっていて
その間、誰も拍手のフライングはせず

ただ、2人くらいのヒソヒソ話の声は
会場一杯に響き渡ったが(笑)

演奏終わってから、あれだけの長い静寂(お喋り付き)があったのって
本当に久し振り。

いや〜、良いコンサートだったわ。

・・・って、実は明日も行くんですけど(笑)

土曜日と日曜日は
実は全く同じプログラムの繰り返しになるのだが
その事実に気がついたのは
つい最近なので
どうぞお許し下さい(お辞儀)

印象が同じなら
感想記はもしかしたら書かないかも・・・という
怠け者の私に
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ウィーン・フィル + ティーレマン2回目(楽友協会)

Musikverein Großer Saal 2017年6月10日 15時30分〜17時30分

Wiener Philharmoniker
指揮 Christian Thielemann
フルート Dieter Flury

Johannes Brahms (1833-1897)
 Akademische Festouverture op. 80 (1881)
Jörg Widmann (*1973)
 Flûte en suite (2011)
Johannes Brahms
 Symphonie Nr. 4 e-moll op. 98 (1884-85)

これ、昨日と同じプログラムだよね?
と、本気で聴きたいほど
ホールによって音楽が変わると言う実例(笑)

ブラームスの大学祝典序曲は景気よく
昨日のようなバタバタがない。
う〜ん、恐るべし楽友協会の残響の良さ。
コンツェルトハウスだと容赦なく出てしまう粗さが
(別に今回、粗いところはないにせよ)
全てホールの中でバランス良く
丸く、芳醇な音にしてしまう。

ヴィドマンのフルート協奏曲は
ウィーン・フィルの会員(=年配が多い)だと
咳とかゴソゴソが多いかと思ったら
まぁ、確かにあからさまな咳込みもあったけれど
全体的に比較的静かに鑑賞されていたのでホッとした。

こちらはフルートの音が
楽友協会の豊かな残響にふわっと溶け込んで
思ったより音の不要な拡散もなく
透明な音響で聴こえてきて面白い。

古典的な構成を持った曲なので
初期バロックを思わせる箇所も多くて
最後のハチャメチャのブランデンブルク協奏曲で盛り上げる。

う〜ん、よく出来た作品だよ、これ。

残念だったのは
ほとんどの聴衆が、アンコールやると思っていなくて
拍手の後、バタバタ移動が結構あって
アンコールやるよ、という時点でも観客の動きがあって
あまり落ち着かなかった事。

ヴィドマンの古典的初期バロック的現代曲の後に
テレマンの曲って、すごく面白い。
フルートでも、こういうソロの曲があるんですね。

で、後半のブラームス、交響曲4番。

ううううう、もうビックリ。
ティーレマン、以前ほどのアクはなくなったかと思っていたのに
やっぱりとんでもないテンポの揺らし方と
強弱の大きなレンジで

それ、やっぱりワーグナーだと思う(ボソ)

昨日のデッドな音響のコンツェルトハウスでは
拡散してしまった音が
今日は、ものすごい厚みを持って
時々、団子状態になりながら、観客のところに飛んでくる。

しかも、何ですか、この音量は。
昨日、コンツェルトハウスで演奏したのは
(コンツェルトハウスはある程度の音量で演奏しないと痩せて聴こえる)
今日の楽友協会でも、思い切って音を出しなさい、という意味だったのか?

実はウィーン・フィルの音量というのは
割に小さいのだよ。
だって、もともとオペラのオーケストラで
歌手の声を潰さないように演奏している上に
やっぱりウィーンの、時々緩いオーケストラなので
コンサート専門のガリガリに弾くベルリン・フィルのような
圧倒的な音量はないのだ。

それが楽友協会で
目一杯の音量を出して演奏させられていて
聴いていて痛々しいというか
それだけの音量出しちゃうと
ちょっと音が浮いてしまって

料理の時に落し蓋なくて
材料が思いがけなく鍋の表面に浮かんでます
・・・という妄想がフツフツと出てくる。

無理やりの大音響で演奏する上
第一楽章の最後のところで
むちゃくちゃアッチェルランドかけて
あぁ、そこ、昨日オーケストラが付いていけなかったところ
流石に超一流プロだから
今日は比較的自然に、しっかり揃ってアッチェルランドしてるけど
・・・そこって、テンポ上げるところじゃないですよね、普通。

熱に浮かされたような
ブラームス晩年のあの奥行きは何処に?という
いや、やっぱりこれ、ブラームスじゃなくてワーグナーだろ。

褒めるなら、エネルギッシュで情熱的で
感情任せで、規模が大きくて
ハンスリックが天国で、そうじゃないだろ、と
あの冷たい目で怒るんじゃないか・・・って褒めてないじゃん(汗)

ティーレマンの音楽作りは
失礼な事を言っちゃうと
ある意味、単純で
遅いところは極端に遅く
速いところは極端に速く
ピアニッシモは極端に弱音で
フォルティッシモはむちゃくちゃ鳴らせて
両方の対比を明確にする・・・という

だから読めちゃうのである。
まぁ、別に読めても良いんだけど
あまり同じようにやられると、おお、またか
みたいな気分になるのは避けられないところで
それが良い、という人もかなり多いと思う。

最終楽章も途中でテンポアップして
すごい速度で飛ばすわ飛ばすわ。
オーケストラも付いて行くのに必死。
指揮者は自己陶酔の嵐に身を浸して
指揮台の上で、ひたすら身悶えしてるし。

あっ、ティーレマンのファンに
夜道でグッサリ刺されそうな事を書いちゃった (・・;)

ティーレマンの劇的情熱が活かされる
ワーグナーとかブルックナーとか
すごく好きなんだけど
ことベートーベンとかブラームスになると
ここまでひたすら熱く、極端な対比を持って演奏されると
好き嫌いははっきり分かれるだろうなぁ。

端正な様式美が好きな人には
ティーレマンのブラームスは「やり過ぎ」に聴こえるだろう(笑)

昨日コンツェルトハウスのデッドな音響の中で
あまり良いバランスで聴こえて来なかったブラームスが
楽友協会のホールになると
ここまで化けるとはね ^^;

左右に照明が入っていたから
明日はフィデリオあたりにライブでアップされるのだろう。

まぁ、ティーレマン以外で
ああいう演奏する指揮者はいないだろうから
その意味では突出した存在で
熱狂的なファンが付くのもわかるような気がする私に
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ウィーン・フィル + ティーレマン1回目(コンツェルトハウス)

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年6月9日 19時30分〜21時30分

Wiener Philharmoniker
指揮 Christian Thielemann
フルート Dieter Flury

Johannes Brahms (1833-1897)
 Akademische Festouverture op. 80 (1881)
Jörg Widmann (*1973)
 Flûte en suite (2011)
Johannes Brahms
 Symphonie Nr. 4 e-moll op. 98 (1884-85)

コンツェルトハウスのチクルス買いのチケットだが
自分のスケジュールをチェックしたら
同じプログラムで
本日と明日と明後日、3回聴く予定の1回目。

ただ、今日はコンツェルトハウスで
明日と明後日は楽友協会の大ホール。
当然ながらホールの音響による印象が全く違う
・・・はずだ、まだ明日のコンサートは聴いていないが。

まずは舞台の配列を見て・・・ギョッ (O_O)
下手(しもて)の後ろにホルンがある(絶句)

コンツェルトハウスのどういう音響の特性かはわからないが
あそこにホルンが並ぶと
天井桟敷貧民席には、ホルンだけ突出して聴こえてくるのだ(断言)

よって、このホールで定期的にコンサートをしている
ウィーン交響楽団やウィーン放送交響楽団は
あの位置には絶対にホルンを置かないで
上手(かみて)の斜めのところに並ばせる。

時々、外国のオーケストラの客演で
あの、魔の下手(しもて)にホルンが並んでいると
最初から、ああああああ、と思うのだが
ウィーン・フィルとティーレマン、君たちもか・・・・

さて、大学祝典序曲から華やかに始まったものの
やっぱり音のバランスが悪い(涙)
まぁ、学生歌の寄せ集めのような楽しい曲なので
楽しく聴ければそれで良いんだけど・・・

ウィーン・フィルのフルーティストが演奏した
イェルク・ヴィドマンの Flûte en suite だが
いや、なんかこの曲、どこかで聴いた記憶が・・・

と思っていたら、ありました!!!
2014年9月14日にクリーブランド管弦楽団と
フランツ・ヴェルザー=メストが楽友協会で演奏してた。
(私も忘れていたが、記事は ここ

この時のクリーブランド管弦楽団のコンサートは
面白い事に、やはりブラームスとヴィドマンのコンビネーションで
上記の記事を読んでもらうと
最後がブラームスの交響曲1番、というのだけが
今回のティーレマンのプログラムとの相違点だが

なんと、クリーブランドとヴェルザー=メストは
その後、コンツェルトハウスで
ブラームスの交響曲4番を演奏しているのである。
・・・しかも、やっぱりあの「魔の位置のホルン」の並びで。
(私も忘れていたが、記事は ここ


ティーレマンがヴェルザー=メストに
ライバル意識を持っているとは思えないので
ただの偶然か
あるいはヴィドマンとブラームスがマッチするのか。

(ヴィドマンのコン・ブリオはベートーベンとの組み合わせを意図しているから
 このフルート協奏曲も、ブラームスの交響曲と一緒に演奏、という
 暗黙のクラシック界の掟とかあるのかもしれない。わからん世界だ)

ヴィドマンと言う作曲家は
どういうコネを持っているのか不明だが
(すみません、邪推ばかりで)
何故か突出して聴く機会の多い作曲家で
確かに、コン・ブリオとか
バビロンなんたら、という曲とか
愛の悪魔とか、面白い曲も多い(けれど、全部好きというワケではない)

で、このフルート協奏曲も
最初はマジメに、まるで草原を渡る風のような
ちょっと尺八っぽい、日本の静の美みたいな
ストイックな音響の美しさで攻めてくるのだが

現代曲は、聴衆からの無意味な咳きこみもあって(笑)

まぁ、最後でブランデンブルク協奏曲を派手にぶち上げて
それまで退屈していた聴衆に
否が応でもブラボーと叫ばせよう、という意図はよくわかる。

こういうの、最近の作曲テクニックなのかしらん。
だったら、アルフレッド・シュニトケとか
ルチアーノ・ベリオのシンフォニアとか
昔にたくさん例がある。

別に目新しいとは思わないし
最後にノセるというのは姑息だよなぁ。
ルネ・スタールもタイム・リサイクリングで盛大にやってたし
それ言ったら、ショスタコーヴィッチの交響曲とかも(以下省略)

後半のブラームス交響曲4番。
この天気の良い6月に、何故4番???
休暇シーズンの始まりだったら、2番だろ、と
言われのないクレームを挙げたいところだが(笑)

まだ全体的にバタバタしている印象。
第一楽章や最終楽章のテンポ・アップのところで
一瞬、オーケストラがヨタッとしたり
(もしかしたら指揮者が勝手に熱くなって
 突然、オーケストラを追い立てた可能性あり)
アンサンブルのほんの少しの乱れとか
突出して響いてくるホルンとのバランスの悪さとか

ホールの特性だからどうしようもないし
オーケストラと指揮者としては
今日のコンサートはリハーサルみたいなもので
明日・明後日の楽友協会の定期の方が本番だろう。
(だから舞台上の楽器の並びも
 楽友協会方式にしていたのだと思う)

明日・明後日は
全く違う音響のホールで
今日、デッドなコンツェルトハウスで
モロモロに聴こえてきた細かい部分も
ホールの音響に助けられて
全然違う響きになるに違いない(笑)

クリーブランド管弦楽団と
どっちが良かったとか、野暮な事を言う気はない。
(けれど、印象的には全く違う。オーケストラの特性だね)

明日の印象がどの位変わるか
ちょっと楽しみな私に
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以前ほどの熱狂感はないけれど
ウィーンの聴衆、ティーレマン好きだね(苦笑)
ただ、明日のコンサートの現代曲の時には
盛大な楽友協会の椅子の軋みと咳が聞こえるだろうなぁ・・・

白鳥の湖 今シーズン7回目

Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2017年6月8日 19時〜22時20分

SCHWANENSEE
Balett in vier Akten
振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow
音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
舞台・衣装 Luisa Spinatelli
照明 Marion Hewlett
指揮 Paul Connelly

ジークフリート王子 Leonardo Basílio *
オデット・オディール Liudmila Konovalova
ロットバルト Alexandru Tcacenco *
王子の母 Oxana Kiyanenko
王子の友人たち Ioanna Avraam, Nikisha Fogo
Francesco Costa, Géraud Wielick
王子の教育係 Jaimy van Overeem
侍従長 Gabor Oberegger
第一幕
ワルツ Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Laura Nistor, Franziska Wallner-Hollinek
Alexis Forabosco, James Stephens, Richard Szabó, Dumitru Taran
Elena Bottaro, Natalya Butchko, Zsófia Laczkó, Suzan Opperman,
Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto,
Iulia Tcaciuc, Céline Janou Weder
Attila Bakó, Marat Davletshin, Marian Furnica, Trevor Hayden,
Scott McKenzie, Tristan Ridel. Zsolt Török, Arne Vandervelde
女王の付き添い Abigail Baker, Marie Breuilles, Vanessza Csonka
Katharina Miffek, Andrea Némethová, Carolina Sangalli
第二幕・第四幕
大きな白鳥 Adele Fiocchi, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Laura Nistor
小さな白鳥 Ioanna Avraam, Elena Bottaro, Natascha Mair, Rikako Shibamoto
白鳥 Abigail Baker, Emilia Baranowicz, Marie Breuilles, Natalya Butschko,
Iliana Chivarova, Aoi Choji, Vanessza Csonka,
Maria Giula Fioriti, Sveva Gargiulo, Erina Kováčová,
Zsófia Laczkó, Katharina Miffek, Andrea Némethová,
Suzan Opperman, Marina Pena, Xi Qu, Joana Reinprecht,
Alaia Rogers-Maman, Caroline Sangalli, Isabella Severi-Hager,
Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo
Franziska Wallner-Hollinek, Céline Janou Weder
第三幕
貴族の娘たち Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Laura Nistor
Suzan Opperman, Xi Qu, Alaia Rogers-Maman
スペインのダンス Rebecca Horner, Erika Kováčová
Alexis Forabosco, Andrey Teterin
ナポリのダンス Sveva Garguilo *, Arne Vandervelde *
Abigail Baker, Natalya Butchko, Lucie Horná *, Joana Reinprecht
Isabella Severi-Hager, Rikako Shibamoto
ポーランドのダンス Franziska Wallner-Hollinek, Marcin Dempc
Emilia Baranowicz, Andrea Némethová, Céline Janou Weder
Marat Davletshin, Trevor Hayden, Greig Matthews
ハンガリーのダンス Alice Firenze, Francesco Costa
Marie Breuilles, Vanessza Csonka, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
Marina Pena, Carolina Sangalli, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo
Attila Bakó, Andrés Garcia-Torres, Igor Milos, Kamile Pavelka
Tristan Ridel James Stephens, Jaimy van Overeem, Géraud Wielick

今回の「白鳥の湖」
ジークフリート王子に抜擢されたのは
デミ・ソリストのレオナルドである。

で、相手方のオデット&オディールが
プリンシパルのリュドミラ姐さん・・・

どういう組み合わせなんだか
観客としては、ちょっと、いや、かなり悩む。

とは言え、レオナルドは若手のダンサーの中でも
技術的には優れているし

こうやって舞台で観てみると
スタイル良いし(足が長い!)
マスクも甘いし
確かに「王子さま」タイプではある。

最初のマイムで
お母さんから
美人を選びなさい、と言われて
ちょっと嬉しそうなのは何なのかわからんが(笑)
(普通は戸惑うか(ヤコブ)、反抗するか(ヴァディム)だろう。
 あ、シショフあたりだと、喜ぶかも(今回は観てないから不明))

最初のソロで
足の長さを活かした伸び伸びした大きなジャンプ。
しかも高さがあって空間が大きい。
ただ、まだ、必死になって踊ってます!!!というのが見える。

ちょっと息を荒くしながら
ジャンプの着地もドスン、という感じだし
ザンレールも必死に正面向かねば、という印象がある。
ミスはないし、ちゃんとパは全て完璧に踊っていて
必死になっているところが割に可愛いので好感は持てるから
もう少し、振付が身体に入ると、グッと伸びるだろう。

パ・ド・サンクのニキーシャとイオアンナが素晴らしい。
両方ともテクニシャンなので
ジャンプがむちゃくちゃ高く、空気のように空中に浮く。

特にイオアンナの空間の掴みの大きさには
いつもながら舌を巻く。

フランチェスコとジェラウドの
大きなジャンプ続きのダンスも大胆で爽快。
フランチェスコの身体能力が飛び抜けていて
ジェラウドも良いのだけれど、ちょっと霞む。
(ジェラウドも最近素晴らしいのだが
 彼の場合は身体の優雅な柔軟性の方が
 大きなジャンプ続きのパより勝るかもしれない)

さて、1幕後半、リュドミラのオデット登場。
レオナルドのジークフリート王子とのパ・ド・ドゥだが

わ〜っはっはっはっは、って笑ったらいけないんだけど
リュドミラが
「何故、プリンシパルのワタクシが
 デミ・ソリストと一緒に踊らなきゃいけないのよ(ふん)
 皆さん、このストーリーの主人公はワタクシですからね。
 ほら、ワタクシ、綺麗でしょ? 素晴らしいでしょ?
 このデミ・ソリストの男性ダンサー無視して良いから
 ほら、ワタクシを観なさい!!!」

妄想ですが(笑)
まぁ、あそこまでジークフリート王子を無視したオデットは珍しい。
レオナルドのサポートは見事で
ちゃんとハマっていて
レオナルドは必死に「愛してます」の演技をしているのに
キミは私のサポートだけしてくれれば良いの(と言いつつ無視)
ほら、ワタシ、こんなに美しいのよ
・・・とアピールするのがジークフリートじゃなくて
モロに観客席に向けて、という感じ。

その分、リュドミラの「ほらワタシ、美しいでしょ」アピールが凄いので
いつにも増して白鳥のオデットが美しいこと。

まぁ、ある意味、わかりやすいリュドミラ姐さんではある(笑)
テクニックあるし、華やかだし
バランスも最強でピタッとキマるし
フェッテはもうお手の物だし
安定して観ていられるオデットではある。

・・・というより
儚さとか、男性にすがる女性らしさとかゼロなんですが(爆笑)
このオデット、王子さまなんか必要とせずに
ロットバルトを自力でぶっ飛ばしそうな感じ。

第2幕のオディールも
ジークフリートをロック・オンするんじゃなくて
観客をロック・オンしようとしてるよ (^O^)

そこまで無視されても
ものすごく頑張るレオナルド。
サポートも完璧。
(というより、ちょっとでもミスしようもんなら
 リュドミラ姐さんにどやされそうだし)
ジャンプは高いし、足は長くて伸びて素晴らしい。

リュドミラのアクが強すぎるので
ちょっとそれに隠れて
ジークフリートの「華」がなくなっちゃってるけど。

最後の幕のオデットとのパ・ド・ドゥも同じような雰囲気で
リュドミラは「ワタシ、キレイでしょ」の連続だし
ジークフリート無視しまくりだが
それでも
まぁ、最後までちゃんと
キレイな私のサポートお疲れさま、みたいな目付きがたまにあったから
リュドミラも満足だったのだろう(と切に願うわ)

白鳥の湖の公演は、あと1回を残すのみとなったが
この演目って、本当にため息が出る程に美しい。
究極の美って、こういうものを言うんじゃないのか、と
時々、真剣に考える。

バレエ・ダンサーって
本当にハードな職業で
身体条件に恵まれているのが前提の上

子供の頃から訓練続きで
遊びも何も出来ず、好きなものも食べられず
むちゃくちゃストイックな生活で

私のような怠け者には考えられない道なのだが
それでも、この美の世界の一部になりたい
と思わせる美しさが、バレエの世界にはある。

ストイックな訓練をものともせずに
私のような(怠け者の)観客に
これだけの美を見せてくれるダンサーが居るって
本当に本当にありがたい事だ(感涙)

レオナルドも頑張った ♡
リュドミラ姐さんには無視され続けていたけれど
くじけず、めげず、スタミナ切れにもならず
あのハードな役を、よく踊った、えらい!!!

今日は強烈なリュドミラのオーラに隠れてしまったけれど
王子さまオーラを潜在的に持っているダンサーなので
これから伸びてくると良いな。

若いダンサーたちの成長と活躍に
ワクワクしている老人のワタクシに
どうぞ1クリックをお恵み下さい。





ウィーン交響楽団 + ヤクブ・フルシャ

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年6月7日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
バイオリン Frank Peter Zimmermann
指揮 Jakub Hrůša

Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 Konzert für Violine und Orchester D-Dur op. 61 (1806)
  (Kadenz : Fritz Kreisler)
César Franck (1822-1890)
 Symphonie d-moll M 48 (1886-88)

数ある交響曲の中で
一番好きなのは、と言われたら
迷わずマーラーの7番と答える私だが
では、二番目に好きなのは、と聞かれたら
セザール・フランクのこの交響曲か
サンサーンスのオルガン付き3番だと思う
(独断・偏見・好みの問題)

ただ、セザール・フランクの交響曲は
ウィーンでは滅多に演奏されないので
(まぁ、サンサーンスのオルガン付きも珍しいが)
実は昨日と今日と両方行く予定だったのだが
まぁ、色々とあって、残念ながら本日だけ(涙)

最初はかの有名なベートーベンのバイオリン協奏曲。
バイオリンのソロが入るまでの前奏が長いのだが

あれ?フランク・ペーター・ツィマーマン
第一バイオリンのパートを一緒に演奏してる・・・(O_O)

いやいつも舞台の見えない貧民席だから
バイオリニストがあの長い前奏の時に
どんな態度で舞台で待ってるか、なんて
考えた事もなかったのだが

あれは第一バイオリンのトゥッティを
ソリストが一緒に演奏する曲なんでしょうか???
(慌ててインターネットでスコア探して見たが
 89小節目の Violin principale から入るようなんだが・・・)

う〜ん、よくわからないけれど
少なくとも手持ち無沙汰のバイオリニストが
イライラ(笑)して待っている舞台シーンより楽しいかも(笑)

この第一楽章のカデンツァが・・・凄かった。
何ですかあれは。
ダブル・ボーゲンで、しかもメロディをパラレルに弾いてるし
しかも音がキレイで澄んでいて
超絶技巧の見本市みたいで、ひっくり返った。

が、それに続く第二楽章が・・・
あああああ、これは天国?

この曲って、こんなに美しかったっけ。
名曲だけど、バイオリンの高音が苦手なので
あまり真剣に聴いた事がなかったのだが(すみません)
まるでこの世のものではないかのような響き
祈りのような、敬虔で、神聖な音楽がホールを満たして
ついつい仰け反ってしまった。

ツィンマーマンは他の楽章でも
ソロのバイオリンが、通常は休んでいるところを
ずっと第一バイオリンのパートをトゥッティで演奏していた。
(あれはオーケストラ的にはやりにくい・・・? よくわからん)

昨日はアンコールにバッハを弾いたようなので
今日もバッハかと思っていたら
何とラフマニノフのプレリュード(フリッツ・クライスラー編曲)
民族音楽っぽい激しい曲を
情熱的に演奏しきって
このバイオリニスト、こんなに巧かったっけ(って失礼な)

フランクの交響曲目当てで来て
ベートーベンのバイオリン協奏曲に感激するとは思わなかった(汗)

コンサートって
時々、こういう予想できないビックリがあるから好き。

後半のセザール・フランクの交響曲。
フルシャは最初の部分のテンポを思い切り遅くして
弱音で丁寧に歌わせる。
ほとんど止まりそうなテンポなのに
緊張感があって

そこから爆発する部分で
突然、音が観客に向かって
すごい勢いで飛んでくる。

この対比はスゴイ。
最初に多少くすんだような色を出しただけに
トゥッティでトランペットが出す明るい音色が
突然襲いかかってくるような感じになって
全体的なスケールがものすごく大きくなってる。

・・・いやしかし
これもワーグナーっぽいな(笑)
(この間、神々の黄昏を聴いてから
 何だか同時代とそれ以降の、ちょっとドラマチックな曲を聴くと
 何でもワーグナーに聴こえて来てしまう(冷汗))

第二楽章の美しいイングリッシュ・ホルンの旋律も
あくまでも節度を保って
ズブズブの感情にならず
透き通った清潔感のある造りで
全体の構成の中に見事にスッポリ収まって
背景に流れる弦の響きも、柔らかくて美しい。

それまでのテーマが複合的に組み合わさる第三楽章
これ、本当に好き ♡
今まで聴いて来たモチーフが自由自在に飛び交って
めくるめくような音響の饗宴。

フルシャはとことんオーケストラの響きにも拘って
強弱のレンジの大きさとテンポの揺れを
見事にコントロールして
若々しい、ちょっと気負いのある
でもエネルギーに満ちた解釈だった。

ウィーン交響楽団が
またこういう指揮者の時って
本当にオーケストラが応えるんだよね(笑)
さすが音楽職人集団というか
よくあの音の色の変化を完璧にこなしたものだ。

この交響曲、2013年3月12日・13日に
同じオーケストラでルイージの指揮で
コンツェルトハウスで聴いているのだが
あの時は、13日にはこの交響曲の前にぶっ倒れて
しかも大雪でオフィスばたばた状態だった記憶が鮮やかなのだが

あぁ、あれから4年以上経ったんだわ・・・と思うと
時の流れの速さにビックリする。

4年以上経っても
まだコンサートやらバレエやらに
ハマりまくっていて終わりが見えない私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



ウィーンの天気も
太陽が出れば暑くなり、曇れば寒くなり
時々、すごい強風で大雨が降るという、ワケのわからなさ・・・

神々の黄昏

Wiener Staatsoper 2017年6月5日 16時〜21時40分

GÖTTERDÄMMERUNG
Richard Wagner
Der Ring des Nibelungen : 3. Tag des Bühnenfestspiels
指揮 Peter Schneider
演出 Sven-Eric Bechtolf
舞台 Rold Glittenberg
衣装 Marianne Glittenberg

ジークフリート Stefan Vinke
グンター Markus Eiche
ハーゲン Falk Struckmann
アルベリッヒ Jochen Schmeckenbecher
ブリュンヒルデ Petra Lang
グトルーネ Regine Hangler
ヴァルトラウテ Waldtraud Meier
ノルン Monika Bohinec, Stephanie Houtzeel, Caroline Wenborne
ヴォークリンデ Ileana Tonca
ヴェルグンデ Stephanie Hourzeel
フロスヒルデ Zoryana Kushpler

Orchester der Wiener Staatsoper
Chor der Wiener Staatsoper
Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
Extrachor der Wiener Staatsoper

予々、ワーグナーは「引退後の楽しみ」のために聴かないと断言していて
(だって、夕方16時に始まるオペラにサラリーマンでどうやって行けと?)
それまで時間はたっぷりある、と思っていたら
引退してしまったので、もう言い訳が出来ない。

だから、という訳ではないのだが
本日は祝日だったし(引退してから関係ないが(笑))
ちょっとしたご縁で

本格的ワーグナー初体験・・・ではないけれど
(間違えてパルシファルのチケットを買った事があるし
 この演出になった時のラインの黄金はゲネプロに潜り込ませてもらった)
ワルキューレもジークフリートもすっ飛ばして
一番長く(てしつこい)神々の黄昏に足を運ぶ事になった。

よって、本日の感想記は
ワーグナー初体験、超初心者、全然わかりませんという
恥ずかしい私の個人的な印象記なので
ワーグナー大好きです、という方は
どうぞここにてお引き取り下さいませ (_ _)

6時間近く(休憩2回あったけど)劇場に閉じ込められて
まずはともかく
ワーグナーの音楽というのは

ほら、感動しろ、感動しろ、感動しろ!!!

と最初から最後まで大声で喚かれているような
ほとんど暴力的な「感動の押し付け」(笑)

いや、あの時代に
あの大袈裟で感動強要の劇伴的映画音楽的
ほら聴いたか、すごいだろ、というのを何時間もやられたら

そりゃ、その後の作曲家全員が
何らかの影響を受けるのは当たり前だわ。

ワーグナー超初心者とは言っても
コンサート通いをしていると
否が応でも、その一部やライトモティーフを聴く機会は結構あって
特に、故ローリン・マゼールが編曲した
言葉のないリングと言う、1時間弱の作品は
リングの聴きどころを巧くまとめてあって
何回かナマでも聴いたし、CD も持っているので

まぁ、ライトモティーフくらいはわかる(自慢にならん)
ストーリーはプログラムの後ろに書いてある。

・・・ジークフリートって名前の登場人物って
みんなアホという属性を持ってるのか?

いや、この作品でジークフリートって英雄のはずなんだけど
最初のブリュンヒルデとの絡みで
あんまり声が出てなかったし
衣装も普通のシャツにズボンで
しかも坊主頭で

どう見てもツッパリの粋がったチンピラにしか見えん・・・
(ごめんなさいっ!!! 演出の関係だと思います)

ただこのテノール、楽劇が進むとともに
声が出るようになってきて
最後の方は立派な声量で素晴らしく澄んだ高音まで堪能させてくれた。

対するブリュンヒルデだが
いや最初、あれ?かなり歳いったオバサンだな、と思っていたのが
ものすごく強い声で
オーケストラに負けない声量でずっと歌いっぱなしなのに
最後のアリアまで、もうむちゃくちゃ立派な上
途中のハーゲンたちとの会談の時の演技が迫真的で
すごい説得力。

悪者ハーゲン、すごく魅力的。
堂々としてて、声は出るし、美声だし
まぁ、その分、100%の大悪人には見えず(笑)
何か背景に避けられない必然性があるんだろうなぁ(妄想)

登場人物が全員、真っ黒の衣装をつけている中
唯一、胸元に赤いクリスタルが輝くグトルーネの
声がスプレットで、すごくキュート ♡

ブリュンヒルデがドラマチック・ソプラノなので
グトルーネの可愛いソプラノがますます目立つ。

グンターがなかなか色男というか
声は出るし、姿形が結構良くて、イイ男(うふ)

ジークフリートが殺された後に
また出てきて、歌うのにはビックリしたし
(え〜い、これはイタリア・オペラか、早く死ね(笑))

最後のラインの乙女たちが水泳帽被って(そう見える)
ヒラヒラ踊って歌う部分なんか
これ、ナクソス島のアリアドネ?という既視感(笑)

舞台は暗いけれど
不思議な感じの絵本を見ているようで
モダンとは言え、ちょっとオシャレな感じ。
最後の「ほら感動しろ、感動しろ、もっと感動しろ」と言う
オーケストラの圧倒的な音楽の時には
スクリーンにビデオ投影で
かなり良い感じの仕上がりで
こういうの、すごく好きかも。

まぁ、確かに、こういうマッチョな音楽って
ハマる人はとことんハマるんだろうなぁ。
初心者のワタクシにしてからが
やっぱり知っているライトモティーフ出てくると
何となくワクワクするし
感心しながらあっという間の6時間弱ではあった。

観客も割にリキの入った人が多かったようで
マナーも悪くなかったし
楽しい(初)ワーグナー体験をして来た私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。




白鳥の湖 今シーズン6回目

Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2017年6月4日 19時〜22時20分

SCHWANENSEE
Balett in vier Akten
振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow
音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski
舞台・衣装 Luisa Spinatelli
照明 Marion Hewlett
指揮 Paul Connelly

ジークフリート王子 Vadim Nuntagirov *
オデット・オディール Marianela Nuñez
ロットバルト Eno Peci
王子の母 Oxana Kiyanenko
王子の友人たち Adele Fiocchi, Natascha Mair
Greig Matthews, Dumitru Taran
王子の教育係 Jaimy van Overeem
侍従長 Gabor Oberegger
第一幕
ワルツ Elena Bottaro, Ioana Chivarova, Laura Nistor, Franziska Wallner-Hollinek
Leonardo Basílio, Martin Dempc, James Stephens, Alexandru Tcaceno
Natalya Butchko, Zsófia Laczkó, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman
Anna Shepelyeva, Rikako Shibamoto, Iulia Tcaciuc, Céline Janou Weder
Francesco Costa, Marian Furnica, Trevor Hayden, Scott McKenzie,
Tristan Ridel. Zsolt Török, Arne Vandervelde, Géraud Wielick
女王の付き添い Abigail Baker, Marie Breuilles, Vanessza Csonka
Katharina Miffek, Andrea Némethová, Carolina Sangalli
第二幕・第四幕
大きな白鳥 Adele Fiocchi, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Laura Nistor
小さな白鳥 Ioanna Avraam, Elena Bottaro, Natascha Mair, Rikako Shibamoto
白鳥 Abigail Baker, Emilia Baranowicz, Marie Breuilles,Natalya Butschko,
Iliana Chivarova, Aoi Choji, Vanessza Csonka,
Maria Giula Fioriti, Erina Kováčová,
Zsófia Laczkó, Katharina Miffek, Andrea Némethová,
Suzan Opperman, Marina Pena, Xi Qu, Joanna Reinprecht,
Alaia Rogers-Maman, Caroline Sangalli, Isabella Severi-Hager,
Anna Shepelyeva, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo
Franziska Wallner-Hollinek, Céline Janou Weder
第三幕
貴族の娘たち Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Laura Nistor
Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Anna Shepelyeva
スペインのダンス Rebecca Horner, Erika Kováčová
Alexis Forabosco, James Stephens
ナポリのダンス Natascha Mair, Richard Szabó
Abigail Baker, Natalya Butchko, Sveva Garguilo, Xi Qu
Isabella Severi-Hager, Rikako Shibamoto
ポーランドのダンス Ioanna Avraam, Masayu Kimoto
Emilia Baranowicz, Franziska Wallner-Nollinek, Céline Janou Weder
Marat Davletshin, Marcin Dempc, Trevor Hayden
ハンガリーのダンス Nikisha Fogo, Géraud Wielick
Marie Breuilles, Vanessza Csonka, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
Andrea Némethová, Marina Pena, Carolina Sangalli, Iulia Tcaciuc
Attila Bakó, Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marian Frunica,
Igor Milos, Kamil Pavelka, Tristan Ridel, Jaimy van Overeem

朝はカンカンに晴れて暑かったのに
真っ黒な雲がかかって、すごい強風があって
オペラ座に行こうとしたら、外は雨ザァザァという
何かワケのわからん天気の日曜日。

明日は祝日なので3連休の中日になるけれど
引退老人にはあんまり関係ない。
(SOHO みたいにしちゃったから、土・日にかかわらず
 日本からメール入って来るので処理するものはしてるし(笑))

本日は英国ロイヤル・バレエからのゲスト
ヴァディムとマリアネラが登場!!!!!!! ❤
マリアネラは以前、ドン・キショットのキトリで魅了された事がある。

で、ヴァディムだが
あああああああっ
この間、ヤコブで失神していた のに
ヴァディムって・・・ちょっとあのそのあの (・_・;

何という美しいおみ足 (*^^*)
何なんですか、あのスタイルの良さは。
足を上げた時の空間の大きさが優雅で

しかも・・・ジャンプが高いっ (O_O)
どの大技もバッチリ決まる。

ヤコブのジークフリート王子が
まだまだ甘えん坊のお子ちゃまだったのに対し
ヴァディムの王子さまは

反抗期 (笑)

お母さまに対しても
「え?恋人なんて自分で探しますから、ほっておいて」
・・・というツンデレ感が魅力的 💘

パ・ド・サンクはアデーレとナターシャ、グレイグとドミトル。
アデーレの明るいオーラがすごく魅力的。
ナターシャのキュートさとはまた違うけれど
アデーレのあの素直で陽性のオーラって、私、好きだわ。

グレイグが良いダンサーになったなぁ、って感じ。
入団した頃は、まだスタミナがあまりなかったけれど
芯の通った安定した魅力的なダンスを見せるようになった。

さて、ツンデレのジークフリート
自分で恋人くらい見つけるぞ
とか言った癖に、やっぱり無理かも、と落ち込むソロ
(いや、そうじゃないかもしれないが)
弓を持って張り切って湖に行って

登場したのはマリアネラのオデット。

ううう、マリアネラのオーラって
何か、すごく明るいのは何故だ。
オデットだから、薄幸の美少女で線が細いのは確かだけど
あんまり悲劇のオーラとか感じないなぁ。

呪いをかけられて白鳥になりました。
誰か唯一の愛を誓ってくれる男性が現れたら
その呪いは解けますが
でも、別に解けなくても白鳥でそこそこやってますから
(妄想です、妄想!!!)

ただ、マリアネラの「魅せ方」はもう格段に素晴らしい。
緩急自在の、タメタメをバッチリ入れて
どのポーズも、どんな動きも
饒舌に観客に語りかけてくるのがスゴイ。

・・・とウットリしていたら
オデットのソロのところで
木管のソロが止まってしまって
えっ? 楽器の調子が悪い?・・・でも
ソロはそのまま踊っていて
ウィーン・フィルのメンバーの一部が
木管ソロのメロディを歌って音楽を繋いだ。

一体どうなってるの、と
舞台のちょっと下を見たら

オーケストラ・ピットが真っ暗の停電状態。
ああ、木管、楽譜が見えなくなったのでソロを止めたのか。
シロウト考えだと、メンバーが歌えるくらいなんだから
暗譜で吹けよ、とか思うけれど
プロは毎日違う楽譜を渡されて、毎日違うものを演奏しているので
楽譜なしでは何にも出来ないとの事で
見えなくなった時点で演奏を止めたのは正しい判断だったらしい。
(註 プロの方から伺いました)

(いやそりゃでもあの、ダンサーだって
 毎日違う演目や役を踊っていて
 しかも全部暗記してなきゃいけないんだけど
 ・・・とか言ったら失礼なのは承知だけど
 とある趣味のダンサーが同じような事を言っていたなぁ)

白鳥が舞台に勢ぞろいして
ジークフリートとオデットが向かい合っている状態で
オーケストラの音楽は完全に止まってしまった。

ダンサー全員、彫刻状態にて静止 (°▽°)
一部の白鳥は咄嗟の判断で舞台の袖にはけて
ジークフリートとオデットも舞台から出てしまい
舞台上には、固まったままの白鳥の群れ(うわああ、かわいそうに)

舞台の幕が降りて
係の人が「技術的問題が発生したため15分の休憩を取ります」
とアナウンス。

15分の休憩の後にオーケストラ・ピットには照明が戻り
舞台の幕が開いたら
そのままの姿で固まっている白鳥の群れと
ビクとも動かないジークフリート王子とオデット
・・・・って、かなり異様な光景ではあったけれど
そのまま、舞台は進行。

ダンサーには酷な体験だっただろうなぁ。

4羽の小さな白鳥は
芝本梨花子ちゃんも、この間より緊張が取れて
ハードな役なのに、しっかり踊って好感 ♡

ジークフリートは、ここでオデットに愛を誓うのだが
このジークフリート、何とも「王子さま」的に優しくて

なんて可哀想なお姫さまなんだろう
困っているなら、僕でよければ、喜んで助けてあげよう

・・・・って、この王子さま
結婚詐欺とか、すぐに引っ掛かるタイプ(断言)

残りの第一幕の終わった後、幕間があって
第二幕はオディール登場がハイライト。

ディヴェルティスマンは
ナポリのダンスはナターシャとリッチー。
ナターシャ、相変わらず小悪魔的なキュートさ 💕
木本クンとイオアンナのポーランドのダンスも素敵だったけれど
ニキーシャとジェラウドのハンガリーのダンスは圧倒的。
いや、ジェラウドって、今まで目立たなかったのに
最近、役に恵まれたせいか、どんどん前面に出て来ているので楽しみ。

さてマリアネラのオディール。

あ、こりゃジークフリートがオデットと間違えるのも納得。

他のダンサーが別人80号くらいに化けるのに
マリアネラは別人7号くらいで
オデットを擬しているオディールというのが歴然としてる。

悪魔的とか、悪人とかのイメージがあまりない。
ロットバルトに操られていて
このジークフリートというアホを引っ掛けろ、と言われて
あ、そうですか。それが仕事なら引っ掛けますけど(いや妄想です)

ただマリアネラの凄さと言うのは
あのとことん明るい太陽のようなオーラで
邪気のないオディールなのに
一つ一つの動きのニュアンスが深くて表現力が凄まじくて
ジークフリートじゃなくても
観客でも、このオディールなら引っ掛かっちゃいます・・・(汗)

二人のパ・ド・ドゥとマリアネラのソロが
いつもの音楽といつもの振付ではなくて、ちょっと驚いたのだが
専門家に聞いたら
あれはインターナショナルのヌレエフ版だそうだ。
(う〜ん、そう言うモノがあるのか、ウィーン版だけじゃなくて)

オディールのソロは、
いつものアジアちっくなメロディのエキゾチックなダンスじゃなくて
もっと明るいヨーロピアンな感じのメロディでのソロ。
これ、すごく好きかも。

ヴァディムのソロは、すべてヌレエフ・ウィーン版。

いやいやいや、これが・・・・ 凄かった!!!
ウィーンのダンサー、みんなこれを踊るけれど
こんなに華やかに、空間を大きく使って
この上なく優雅に、完璧に見事に踊られると絶句して悶絶。

結婚詐欺に引っ掛かりやすい王子さまは
見事にオディールに引っ掛かって、第二幕は終わり。
(第一幕で、こいつ、簡単に騙せそう、とか思わせたのは伏線か?)

第三幕のオデットのマリアネラは
確かに悲劇のオーラは第一幕より強く出して
悲劇、というよりは、諦観、諦め的に
あぁ、もう、こうなるのはわかっていたじゃないの
(という感じのヤケッパチではなくて
 そりゃ、内容的にはそうなんだけど
 表現はあくまでもオデット「姫」なので上品である)

で、最後の青いシートでの湖なのだが
お〜い、大道具さ〜ん!!!!
何でそんなに中に空気をむちゃくちゃ入れて
まるで舞台の上に大規模キャンプのテントみたいなものが
出現しているんですか(文句)
舞台の奥で悶えている筈のヴァディムが見えませんっ!!!

確かにあのシートに適当な量の空気を
的確な場所に入れろ、というのも難しい話なんだけど
今日のキャンプ用テントはないと思うよ(プンプン)

しかし、この「白鳥の湖」
おとぎ話ではあるのだけれど
今日のキャストを見ていて
ダンサーによって、表現が違ってくると言うのを
まざまざと見た気分。
う〜ん、クラシックって奥が深いわ・・・

ヴァデイムの技術的に完璧で
しかも、結婚詐欺の犠牲に簡単になりそうな
ちょっと反抗期の突っ張った男の子
ものすごく魅力的だった。
あのスタイルの良さ、空間の広さ、美しい足さばき。
何も言う事がないわ、あれこそダンス・ノーブルだわ。

マリアネラの明るいオーラは
あまりオデット向き、という訳ではないけれど
強いオデットに対して操り人形のオディールという
かなり面白い妄想が出てきて、すごく新鮮だった。

観光客も多かったけれど
(ほら、何せ白鳥の湖ですし)
ヴァディムとマリアネラ狙いのバレエ・オタクも
かなりの数が来ていたようで
(私もバレエ・ボーナス先行発売で
 ザ・ベスト・オブ・貧民席を押さえていたので
 バッチリ見えて、すごく幸せ)

マナーも良かったし
ヴァディムとマリアネラという
黄金のコンビを、とことん楽しませてもらって
幸せを噛み締めている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



白鳥の湖も今シーズン、残すところあと2回。
最終日は木本クンがジークフリート王子のデビュー!!!

バ・ロック・オペラ ヴィヴァルディの5番目の四季 初演

土曜日のダブル・ヘッダーです。
時系列に読みたい方は、こちらからどうぞ。
下は夜の勝手な感想記です。


Volksoper Wien 2017年6月3日 19時〜21時50分

Vivaldi - Die fünfte Jahreszeit
Eine BaRock-Oper
Libretto von Angelika Messner
Liedtexte von Christian Kolonovits und Angelika Messner
Musik von Christian Kolonovits

指揮 Christian Kolonovits
演出 Robert Meyer
舞台・衣装 Christof Cremer
振付 Florian Hurler

アントニオ・ヴィヴァルディ Drew Sarich
カルロ・ゴルドーニ / 皇帝 Boris Pfeifer
ルッフォ大司教 Morten Frank Larsen
アニーナ Rebecca Nelsen
トニ / パオリーナ Julia Koci
ロニ / 女優 / アポロニア Paula Deuter
クララ / 女優 / キアーラ Sophie BAuer
カティ / 女優 / カタリーナ Lisa Perner
母親 Sulie Girardi
父親 / オットボーニ大司教 Wolfgang Gratschmaier
ガスパリーニ / 司教 Alexander pinderak
カファレッリ Thomas Lichteneck
第一の司教 Joahim Mose
第二の司教 Stefan Tanzer
アントニオの子供時代 Jonas Ambros

ウィーン市内のあちこちで
盛大に宣伝されているフォルクス・オーパーの新作
ヴィヴァルディ 5番目の四季
・・・とか言う題名で
副題が BaRock オペラ・・・と言う事は
バロックじゃなくて、バ・ロックで後ろの方にアクセントがある。

ありがたい友人のお陰で
初演の招待席に潜り込む事が出来て
いや〜、本当にありがたい m(__)m

上記キャスト名だがスラッシュで区切っているのは
一人二役とかやってるから。

招待されたら、良い事を書かねばならぬ
・・・というのは常識なので

終演後はスタンディング・オベーション。
ナンバーの後には必ずブラボーの声がかかっていた。

内容はバ・ロックで、ロックの方に重点があり
非常に分かり易いロックのリズムを多用して
シンプルなロックの4拍子がノリノリ。

ヴィヴァルディの「四季」のメロディを
さりげなく取り入れて
アントニオ・ヴィヴァルディが歌うナンバーでは
必ず最後に高音のシャウトを入れて盛り上げる。

今まで聴いてきたミュージカルの定石をしっかりと使って
時にはミュージカル「エリザベート」風
ある時はジーザス・クライスト・スーパースター
ほとんどメロディらしきものはなく
その分、はっきりと歌詞も聴き取れる。

音楽的には非常にシンプルで分かり易い。
(というより、褒めなければならない、という事を無視すると
 ずっと同じような感じなので・・・ ^^;)

正直なところ
衣装デザインだけは素晴らしかった。
(すごく奇抜なんだけど(笑))

ストーリーも割に皮肉なところもあって
ローマでの司教たちの「暑いよ、暑いよ」シーンは
ううう、そこまでカトリックをバカにしてしまって
良いんだろうか、とビックリ。
(まぁ、バレエのカルミナ・ブラーナでもやったしな・・・)

主役のヴィヴァルディを歌った歌手は
完璧なミュージカル発声で、高音のシャウトが見事。
(だけど、必ずナンバーの最後に入るので、あ、またか、って感じにはなる)

フォルクス・オーパーの専属歌手も何人か入っていて
歌は巧いし、ダンスも完璧、そりゃ芸達者なんですが
発声がね、オペレッタだしね(でもまぁ、それでも・・・)

まぁ、ノリの良いミュージカル・ナンバーではある。
何でフォルクス・オーパーで上演なのか
ライムント劇場とかローナッハー向けのナンバーじゃないかと
チラッと思わないでもなかったが

若い人にはウケそうな作品だし
子供でもイケそうだから
家族連れをターゲットにした作品かもしれない。

自分でチケット買って行っていたら
散々にコケおろしするかもしれないけれど(笑)
まぁ、ご招待ですし (^。^)
ミュージカルを観に行ったと思えば
納得できる出来栄えである。

ライムント劇場やローナッハーでの
ミュージカルのように
容赦ない大音響ではなかったのは素晴らしい。
(いや、確かにマイクだし、かなりうるさかったけれど
 ライムントやローナッハーは耳が潰れる音響の事があるし
 それに比べたら、フォルクス・オーパーの音響なんておとなしいもんだ)

ドイツ語がわかる人だったら
観ても面白いかも。
書いた通り、かなり皮肉も入ってるし
みんなの演技は巧いし
ダンスは楽しいし
音楽は単調だけどノリノリだし
1回観る分にはお勧めできる。

2回目に行こうとは思いません(笑)という
招待客なのに、宣伝しない恥知らずの私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



追記 Making of の Youtube があったので貼っておきます。
色々なナンバーもアイデアも聞けます(ただしドイツ語で・・・m(__)m)



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