フォルクス・オーパー Herreinspaziert!

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    Volksoper 2020年6月20日 15時30分〜16時30分

    Herreinspaziert!
    Salonorchester der Volksoper Wien
    歌 Anita Götz,, Christian Drescher
    指揮 Josef Bednarik
    司会 Christoph Wagner-Trenkwitz

    Carl Michael Ziehrer
     Herreinspeziert, Walzer Op. 518
     Herzensbarometer, Polka Mazur Op. 421
     Loslassen, Polka schnell Op. 386

    Josef Strauss
     Petitionen, Walzer Op. 153
     Verliebte Augen, Polka française Op. 185
     Vorwärts, Polka schnell Op. 127

    Franz Lehár
     Nechledil, Marsch
     „Ich bin verliebt“ aus der Operette „Schön ist die Welt“

    Anton Profes
     „Was macht der Maier am Himalaya“

    Gerhard Winkler
     Skandinavien-Express, Rhythmisches Intermezzo

    Hermann Leopoldi
     „Mit dem sch-sch-sch-Überraschungszug“

    フォルクス・オーパーの週末コンサート、第二弾は
    オペレッタとワルツのプログラムで、2回公演。

    18時からのチケットを買ったつもりで
    プリント・アウトしてみたら、15時30分の1回目を買っていて
    しかも席が一番前という・・・(絶句)

    でも、取り敢えず小編成だけど舞台の上はオーケストラ。
    ナマの楽音が聴けるチャンスは逃してたまるか・・・

    プログラム見てお分かりの通り
    実は最初の20分くらいは・・・
    ちょっと辟易してた。
    いや、私、ウインナー・ワルツとかポルカのファンじゃないし
    ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートも
    バレエ・シーンを見るため「だけ」に見ているので

    ウインナー・ワルツやポルカを続けて聴くと
    そりゃ、一緒に踊るならともかくとして
    ザッハー・トルテの大きいホール・ケーキを
    無理やり食べたような胸焼けがするのである。
    (ファンの皆さま、ごめんなさい)

    ツィーラーのワルツ、ポルカ(割りに珍しいものらしい)
    如何にも職人芸で、楽しい曲だし
    ヨゼフ・シュトラウスの曲も
    技師から、ヨハンが燃え尽き症候群で仕事できなくなって
    急に機械作りから指揮者・作曲家に変身させられた
    (とワーグナー=トレンクヴィッツは言っていた)
    という状況だったにせよ
    さすがシュトラウス・ファミリーという手慣れた感じが伝わってくる。

    そりゃ、舞踏会とかで
    目一杯オシャレして、ロング・ドレスを着て
    素敵なパートナーと踊る、とか言う気分だったら別の話だが。

    それに、本当に前の席なので
    弦はむちゃくちゃ聞こえて来るのだが
    後ろの方の木管が、不思議な程に聞こえて来ない。
    音響的に何かあるのか、私の耳がヘンなのか・・・

    ただ、その後、時代が下って
    フランツ・レハールになって
    アニータ・ゲッツが舞台に登場。

    Ich bin verliebt 私は恋に堕ちた、というレハールのアリア。
    マイクは着けているけれど

    何てチャーミングなの ❤

    さすがにフォルクス・オーパーの歌手で
    演技は出来るし、表情も豊かで
    声も出るし、言葉が実にハッキリ、クッキリと聞き取れて
    恋した女性の喜びがピカピカ光りながら
    (ほとんどが老年の)観客に伝わって来る。

    あ〜、青春時代って良いなぁ・・・
    そういう青春、残念ながらなかったけど
    小説やら舞台やらで仮体験する限りでは
    素晴らしい体験なのであろう、きっと。

    その後出てきたクリスティアン・ドレッシャーの
    Was macht der Meier am Himalaya
    うわあああ、笑い転げたわよ、これ。

    いくつかバージョンがあるが
    その一つを貼っておきます。
    ご興味のある方、ぜひどうぞ。



    綴りは違うけど
    フォルクス・オーパー総支配人のマイヤー氏も
    横のロジェに座っていらっしゃいますが・・・(爆笑)

    この曲、流行曲として、数カ国語に訳されて歌われたらしい。
    アントン・プロフェスは、映画音楽も多く作曲しているようだ。

    「小さなマイヤーは大きなヒマラヤーで何をしてるんだ?
     どうやって登ったんだ?
     マイヤーはヒマラヤーから降りて来られるのか?」

    という語呂合わせの曲なんだけど
    いや、こういうのって、確かに聴いた後で
    口ずさみたくなる曲だわ。

    ゲルハルト・ヴィンクラー(1906-1977)のインテルメッツォは
    映画音楽という感じの、とてもチャーミングな曲。
    今聴いても、全然古くない。

    今学期はインターネット講義で
    映画音楽の歴史があったので
    (試験は秋に受ける ← 勉強してない(汗))
    映画音楽をずっと聴いて来たけれど
    この曲も、とてもとても素敵。
    お時間のある方はどうぞ(短いです)



    最後は鉄道オタクだった
    ヘルマン・レオポルディ (1888-1959) の
    シュ・シュ・シュ、びっくり列車(と言って良いのか?)という曲で
    アニータ・ゲッツとクリスティアン・ドレッシャーが歌いあげる。
    ヘルマン・レオポルディは強制収容所から逃れてアメリカに渡った作曲家で
    強制収容所で作曲した曲もあるようだ。

    このシュシュシュはオーケストラ全員が
    汽車のシュシュシュを真似しながらの演奏で
    ゲッツとドレッシャーの歌の絡みも面白い。
    何せフォルクス・オーパーの歌手だから
    じっくり演技でも見せてくれて

    あああああああああああっ!!!
    オペレッタ観たい、聴きたい!!!!!!

    だいたい、歌手二人がちゃんと衣装を替えて
    ディアンドルとトラハテンで登場する上
    指揮者にも鉄道の車掌さんの帽子(オーストリアの国旗入り)を渡して
    オペレッタの雰囲気を、そのまま舞台に持って来ているんだもん。

    このご時世で、ナマの音楽が聴けるだけでも
    本当はありがたい事なのだが
    人間の、いや、ワタシの欲望に限りはないので
    こういうリートを聴くと

    あ〜、舞台装置と衣装とストーリーと
    オーケストラと歌手と、演技と
    途中のアドリブとかクープレの入るオペレッタを
    観たい!!!!!

    本当に秋からシーズンが開始されるかどうかは
    ここ数日、また感染者数が増加していて
    実効再生産数も1を越えて
    オーストリア人は緩みまくって最低距離を空けてくれず
    国境も開いて、これからみんな、休暇で外国に飛んだりするし
    無症状感染者が多い事を考えると
    まだまだ予断は許さないのだが

    でも、秋のシーズンが始まる事を
    心待ちにしている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    本当にシーズン開始になったら
    オペレッタにも行くぞ、と固く決心済。

    国立オペラ座 ドイツ語オペラの夕べ

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      Wiener Staatsoper 2020年6月19日 19時30分〜20時45分

      Wie nahte mir der Schlummer
      Ensemblemitglieder singen Ausschnitte aus deutschsprachigen Werken

      Lulu (Alban Berg)
      „Herreinspaziert in die Menagerie“
      Wolfgang Bankl

      Ariadne auf Naxos (Richard Strauss)
      „Seien wir wieder gut“
      Stephanie Houtzeel

      Der Freischütz (Carl Maria von Weber)
      „Wie nahte mir der Schlummer“
      Olga Bezsmertna

      Die Fledermaus (Johann Strauß)
      „Ich stehe voll Zagen“
      Ildikó Raimondi, Herbert Lippert, Jörg Schneider

      Tannhäuser (Richard Wagner)
      „Blick ich umher“
      Samuel Hasselhorn

      Salome (Richard Strauss)
      „Heiß’ ihn schweigen“
      Stephanie Houtzeel, Jörg Schneider, Thomas Ebenstein,
      Leonardo Navarro, Lukhanyo Moyake, Benedikt Kobel,
      Ryan Speedo Green, Ayk Martirossian

      Der Rosenkavalier (Richard Strauss)
      „Mir ist die Ehre widerfahren“
      Hila Fahima, Rachel Frenkel

      Ariadne auf Naxos (Richard Strauss)
      „Lieben, Hassen, Hoffen, Zagen“
      „Großmächtige Prinzessin“
      Daniela Fally, Regine Hangler, Lydia Rathkolb,
      Rafael Fingerlos, Jinxu Xiahou, Pavel Kolgatin,
      Peter Kellner

      ピアノ Anton Ziegler

      はっぱがウソを書いている事を
      見破るチャンス、第二弾(謎)

      インターネットのライブ配信、その後24時間は
      ここから入って観られるはずです。
      (始まるのは26分30秒過ぎだけど
       その前の国立オペラ座メイキングのショートカット版は楽しいです)

      オペラ座のプログラムは
      リサイタルが100ユーロだったのだが
      オペラ座所属歌手の歌うコンサートは
      一律36ユーロ。

      今日はドイツ語のオペラからで
      他にスラブ系オペラからのものと
      プッチーニ&ヴェルディのオペラからのアリアの夕べがある。

      私が観察していた時点では
      最初にプッチーニとヴェルディが売り切れになり
      次にスラブが売れて
      最後がドイツ語だったようだ。
      ・・・よって、私が買ったのはドイツ語オペラだけ。

      オペラ座のオーケストラ・ピットの上の舞台には
      ピアノと・・・大太鼓+シンバルの下部分が置いてある。

      最初は渋く(笑)ベルクの「ルル」から。
      バンクルがシンバルの上部分を持って登場。
      メナジェリーにようこそ、で
      途中でシンバルをくっつけて鳴らすシーンがある。

      バンクルって、もともと、ものすごく声量があるけれど
      ほとんど空(100人を除く)のオペラ座に
      豊かな低音が響く。

      そのまま続けて(だって、「ようこそ」なので
      ホウツェールが「だったら入っても良い?」と聞きながら入ってきて
      ナクソス島のアリアドネの前半から作曲家のアリア。
      ホウツェールは何回も実際に歌っているから雰囲気は抜群。
      ああ、またアリアドネを観たい(切望)

      魔弾の射手からのアリアは
      今夜のコンサートのタイトルにもなっている。
      しっとりと美声で歌われるアリアは美しい。
      (すみません、魔弾の射手って、数回しか観た事がない)

      続いて、なんとオペレッタの「こうもり」から
      確か第3幕の、牢屋からのアルフレードのところに
      弁護士に化けたアイゼンシュタインが来て
      ロザリンデとアルフレードに話を聞く場面。

      アルフレード役のリッペルトが本で顔を隠して登場。
      イョルク・シュナイダーの豊かな体型から出るテノールが
      なかなか印象的だし
      イルディコ・ライモンディは小柄な身体で
      声が前に飛ぶタイプ(横を向くと声量が小さく聞こえてくる)だが
      いつもながらの愛らしさは変わらない。

      まぁ、ライモンディはドラマチックなロザリンデよりも
      アデーレあたりの方が合いそうな感じなんだけど。
      オペラ座でこうもりを聴くチャンスは年末だけだし
      ライモンディのロザリンデもアデーレも実際には聴けないだろうけど。

      タンホイザーのアリアを歌った
      サミュエル・ハッセルホルンは初聴き。
      ひょろっとした感じの若いバリトンで
      最初の不安定さの後は、堂々と美声で声量たっぷり。
      この人、まだかなり若いらしい。
      これからが楽しみな歌手だわ ♡

      サロメからは、ホーツェルと男声7名での重唱。
      ・・・・(沈黙)
      サロメ、何回も観て、好きなオペラの一つではあるけれど

      このシーンだけ切り取ると何だかなぁ・・・
      いや、みんな巧いし、手慣れているし
      だけど、この残響が長くなってしまっている音響空間で
      これだけの目一杯の男声の重唱、しかもピアノ伴奏は
      かなり無理があるというか、不自然というか
      客ウケもイマイチ。

      インターネット配信の音響だったら
      録音技師が巧く扱っているかもしれない。
      後でチェックしよう。

      バラの騎士のソフィーに薔薇を渡す場面。
      ファヒマって、すごく美人でスタイルの良い歌手という記憶があるんだけど
      いや、人の見た目について言ったら、大変失礼な事はわかっているが
      何だか以前に比べると、大変、ふくよかになられたような印象・・・
      もしかしたら、私の見間違いかもしれない。

      オクタヴィアンが必死でアイ・コンタクトを取ろうとしているのに
      完璧にオクタヴィアンを無視して
      ずっと前を向いて歌っていたのは
      ソフィーが恥ずかしがり屋でカンカンを見られない
      とか言う意味だったのか
      それとも、何らかの理由で喧嘩していたとか
      いやいや、ヘンな邪推は止めておこう。
      (本当はそういう妄想の方が楽しい下世話なワタシ)

      最後のアリアドネ、後半のハーレキンの戯れ歌から始まるシーン。
      男性4人組は、演技も交えて、とても楽しそうに歌ってくれて
      アリアドネは、Lieben, Hassen, Hoffen, Zagen の間中
      まるで彫像のように動かず立っているんだけど

      おおおおおおおっ!!!!
      その後のアリアドネのアリアが・・・・

      きゃ〜〜〜っ、ナニ、この可愛い声 ♡
      良い意味でのアニメ声(すみません)で
      あの、偉そうで海千山千のアリアドネっぽいイメージが
      一瞬で吹き飛ばされて

      いや〜ん、こんな可愛いアリアドネを
      島に置き去りにするなんて
      テーセウスのアホ(いや関係ない)

      あまりに声がいじらしくてキュートで
      なのに、ちゃんと高音は伸びがあって強くて
      無理がなく、充分に響いて来て
      アリアドネの役に違和感はない。
      可愛らしさと強さが同居したような声である。

      こういうアリアドネ、あっても良いし
      この声の質なら、ダフネとかどうだろう。
      (と思ったらレパートリーにはあるみたい。
       この人のダフネ、ぜひぜひ、聴いてみたい)

      ダニエラ・ファリーは危なげなく
      ツェルビネッタのアリアを見事に歌って
      拍手喝采だったけれど

      こういう素敵な歌を聴くと
      ピアノはむちゃくちゃ巧いけれど
      やっぱり

      オーケストラで聴きたい・・・・(切望)

      でも今日の統計では
      COVID-19のオーストリアの患者数はちょっと増えた。
      家族内感染という報道だが
      ほとんどが無症状感染とのことで
      まだまだ予断を許さない状態(涙)

      今週末はまたフォルクス・オーパーで
      来週は楽友協会のコンサートがちらほら。

      ちょっと寂しいけれど
      それでも、ナマの音楽に触れる機会があるのは
      精神的にはすごく楽。

      勉強はどうした?というツッコミもあるだろうが
      あ〜、あのあの(以下省略)という
      徹底的に怠け者と化している私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      ミヒャエル・シャーデ + イェンドリック・シュプリンガー

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        Wiener Staatsoper 2020年6月18日 19時30分〜20時45分

        テノール Michael Schade
        ピアノ Jendrik Springer

        Ludwig van Beethoven
         „An die ferne Geliebte“

        Franz Schubert
         „Blumenbrief“
         „Der Fischer“
         „Die Forelle“
         „An den Mond“
         „Täglich zu singen“
         „Ständchen“
         „Adelaide“
         „Der Musensohn“

        Richard Strauss
         „Allerseelen“
         „Nichts“
         „Heimliche Aufforderung“

        Ludwig Gruber
         „Mei Muatterl war a Weanerin“

        Franz Lehár
         „Gern hab’ ich die Frau’n geküsst“

        アンコール

        Ludwig van Beethoven
         „Der Kuß“

        Richard Strauss
         „Morgen“

        インターネットのライブ中継
        24時間は見られるはずなので
        「はっぱは、いつも好き勝手な事を書いているが
         実はウソつきなんじゃないか」
        と、普段、秘かに思っていらっしゃる方、
        自分の目で見て聴いて
        私のウソを確かめるチャンスです(違!)
        なお、始まるのは28分過ぎくらいから(その前はコマーシャル)

        1800人くらい入るオペラ座で100人の観客
        座れない席は外してしまう、という徹底さ。
        しかも、チケットは100ユーロ!!!!

        私が100ユーロ出したのは
        売り切れだったクリスティアン・ティーレマンの「影のない女」と
        残念ながらコロナでキャンセルになってしまった
        ヌレエフ・ガラくらいである(貧乏だから)

        でも、私は長年のシャーデのファンである。
        ミスター残念の、あのソット・ヴォーチェは
        歴代のテノール歌手の中でも特筆すべき美しさだと思う。

        プログラム構成、よく考えてあるな、というのが第一印象。
        ベートーベン・イヤーだから、まずは遥かな恋人。
        シューベルトの有名な曲や珍しい曲を集めた後
        リヒャルト・シュトラウスの有名曲(少なくとも私は全部知ってる)
        ウィーン・リートの「私のお母さんはウィーンっ子」(笑)
        最後にレハールのオペレッタ「パガニーニ」から
        僕は女たちによくキスをした(定訳は知らないがインターネットで出て来た訳)

        いやもう、舞台に近い席なだけに
        反響よりも、直接、舞台からの音波が鼓膜に届く。
        よって、実はものすご〜〜〜く細かい音程のズレとか
        (すごく細かいです、普通だったら気がつかない)
        声の色の変わり方とかが、ものすごくクリアに聴こえてくる。

        オペラ座の観客数が少ない事で
        音響は通常の観客数よりも、ずっと反響が長い。
        その分、音は豊かに聴こえて来て
        シャーデの甘いテノールがむちゃくちゃ魅力的 ♡

        しかしこの人、本当に何というか根っからの役者で
        遥かなる恋人のチクルス一つを取っても
        非常にドラマチック。
        ドイツ・リートの端正さとか、何処いったという感じで
        優しいところは、とことん甘く、優しいソット・ヴォーチェで
        激しいところは、伝統的ベートーベンみたいな激情を持って
        (この頃、ベートーベンでも何でも、
         割りにクールな演奏が多いような気がするのだが
         シャーデは、徹底的にドラマチックに歌う)
        確かにこの曲、変化が激しいのだが
        シャーデの声にかかると、その変化が10倍くらいに聴こえる。

        シューベルトの曲、いくつか初聴きだったので
        1ユーロ(定価は90セント)の手元の歌詞を見たいのだが

        オペラ座って、何故、リートの夕べの時も
        観客席の照明を落としちゃうの???
        老眼鏡使っても、全然、プログラムの字が見えません(涙)

        ただ、シャーデのドイツ語は、とてもクリアなので
        詩はよく聴こえてくる。

        それに・・・
        シャーデがいちいち、身体で表現しちゃうので f^_^;

        Der Fischer の語りは見事だった。
        歌詞もわかるけれど、シャーデの表情と身体の動かし方を見ていると
        ドイツ語が分からなくても、ドラマチックなストーリーはわかる(はず)
        有名な Die Forelle も手取り足取り・・じゃなかった
        ともかく、音楽と詩での語りが凄い。

        Die Forelle の後、シャーデが
        「普通の詩の An den Mond ではありません。
         次の曲も、印刷してあるより
         こちらの方が詩が美しいと思います」
        と喋った後の曲は、知らないリートだったが
        いやもう、美しい。実に美しい(歌詞も音楽も)
        (後でインターネット配信で歌詞を見ていたら
         An den Mond は全く違う歌詞だったし
         Täglich zu singen はプログラムの歌詞よりもっと長かった)

        Ständchen は有名だし、みんな知ってるが

        次の Adelaide って・・・
        シューベルトも Adelaide に作曲してたんかいっ!
        私はベートーベンしか知らなかったが

        ベートーベンと比べるとすごく面白い。
        ドイツ語そのものの持つイントネーションが
        作曲家によって、どのように変わるか。
        もちろん、シューベルトがベートーベンの曲を知っていた可能性は高いが
        繰り返し Adelaide のニュアンスが2曲ともに似ていて
        うわあああ、これ、こういうのを研究した論文もありそう。
        (以前、まだ私がゼミに参加出来なかった頃に(参加には条件がある)
         ドイツ・リートについて、ゲルマニスティックと音楽学との
         共同ゼミがあったのだが、参加できなかったのが悔やまれる)

        Der Musensohn も軽く歌い上げて
        茶目っ気一杯、チャーミングさ満杯でドラマチックで甘い ♡

        リヒャルト・シュトラウスは
        Allerseelen で始めたので
        ああああああ、切ない、切な過ぎる、涙出てくる、すみません。
        でも、そのしんみりした空気を吹き飛ばす Nichts! は
        観客への語りかけも(大袈裟だけど)カワイイ。
        何せ、最後が Ich, und ihr, und alle? ですからね。
        オペラ歌手で、とことん役者のシャーデ向きの曲だ。

        Heimliche Aufforderung は
        私の大好きな大好きな大好きな曲で
        (ただし自分で歌おうとしても男声の曲なので無理(涙))
        最初のパーティ気分から
        バラ園での背徳的な秘密の(以下省略)
        しかも秘密のモゴモゴ(恥ずかしくて書けない)の後に
        もっとすごいゴニョゴニョが暗喩されているので
        若い頃の私は、もう、興奮(以下自粛)

        シャーデの前半と後半の歌い分けも見事で
        私もババアにはなったけれど
        若い頃を思い出してしまったわ。
        こういう素敵な思い出が人生にあれば良かったのに(あ〜、あはは)

        Mei Muatterl war a Weanerin を歌う前に
        観客に向けて、手を動かして
        「僕がこれをやったら、皆さん、一緒に歌って良いんですよ〜」(笑)
        そりゃ、ウィーンっ子だったら
        あるいは、私のようにウィーンに長く住んでいたら
        この曲は充分に知っている。

        続けて
        「まぁ、こういう曲をドイツ人2人が演奏するのも・・・
         観光の時代ですね〜」(わっはっは、ワケわからん)

        でも、他のドイツ人、しかもオーストリア在住歴があまりない人も
        こういうリートを、オーストリア訛りじゃないドイツ語で歌ってますし
        シャーデはオーストリアでは宮廷歌手の称号もあるし
        かなり長い間、ずっとオーストリアで活躍していたから
        歌詞も、正統ウィーン訛り・・・とは言えないけれど
        かなりオーストリアっぽくて、これはこれで味がある。

        それに歌っていて、むちゃくちゃ楽しそうだし。
        この曲、意外に語りがあるんですよね。
        ただ、途中の、本来はセリフで語るところはさすがに飛ばしたけど。

        Gern hab’ ich die Frau’n geküsst の前に短いスピーチ。
        このご時世、誰にもキスは出来ないけれど
        歌では出来ます、という事で

        うわあああ
        この曲がものすごく印象的だった。

        たぶん、正統派オペレッタ・ファンにはウケないと思う。
        だって、ソット・ヴォーチェ使いまくりの
        ともかく愛に溢れて美しいというか
        オペレッタのアリアというより
        限りなくドイツ・リートに近い歌唱。

        そうか、この曲って、こういう歌い方もあったのね、と
        ちょっと、いや、かなりビックリした。

        正統派オペレッタ・ファンの方の意見を聞いてみたいものだ。
        (わかってますね、Yさん、メールお待ちしております(笑))

        アンコールで
        キス・・・なので、ベートーベン・イヤーで
        やっぱりキスで行きましょう

        って、この曲、よく知ってるぞ。
        もう、むちゃくちゃ笑える曲で
        読者もよくご存知とは思うけれど

        キスする、と言ったら
        彼女は、叫ぶわよ、と言った。
        でもキスをした。
        彼女は叫んだ・・・けど
        ずっと後になってから

        という、しかも最後の「後になって」の繰り返しが
        ベートーベンのしつこさが爆発する楽しい曲で
        シャーデの表現力(声、歌唱、身体表現)が
        むちゃくちゃ活きる。

        最後の最後に
        希望をなくしてはいけない
        明日はまた来る(意訳)
        ・・・と言ったとたんに
        あ〜、これはアレが来るな、と思ったら大当たりでした。

        たぶん、その最後のスピーチだったと思うんだけど
        長年、オペラ座で歌って来て
        パミーナを火や水の上で運んだり
        喋らない女を喋るようにさせたり
        ルネ・フレミングやアンナ・ガーブラーに
        オペラでは言葉が大事なんだ、と説得したり

        わっはっはっは
        キミキミ、フレミングやガーブラーの時は
        フラマンだったよね?
        エレードを持ち上げなくても宜しい(わかる人はわかる)

        しかし、このジョークをわかった人って
        会場に何人居たのかしら。

        シャーデの印象的な役としては
        エリーナ・ガランチャを寛容に許した皇帝って言うのもあったけど。

        100人限定とは言え、100ユーロだし
        かなり年配の方々は、やはりウイルスが怖いから来ないし
        何だか不思議な聴衆のバランスで
        シューベルトのリート間に拍手のフライングがあるかな、と
        思っていたら
        最初はうまく繋げたのでともかくとして
        やっぱりリート間拍手がなかったワケではないが

        あの位なら、あまり気にならない。
        まぁ、ドイツ・リートを好んで聴く、という人ばかりが
        集まった訳ではなさそうだが
        シャーデの家族もカナダから来ていたらしいし(本人談)
        如何にもオペラっぽいシャーデの表現力は
        手元の歌詞が暗くて読めなくても
        充分に楽しさが伝わってくるリサイタルだった。

        インターネット・ライブは明日までは見られるので
        私も、もう一度、コンピュータで見て
        あのソット・ヴォーチェを堪能しよう (^^)v

        皆さまも、はっぱのウソを見破るために
        ぜひ、インターネット配信をご覧下さい。
        ちなみに、オペラ座の大判振る舞いで6月末まで無料です。

        ウイルスのせいで、連日連夜の音楽ライフは
        残念な事になってはいるのだが
        普段座れない、お高級席で
        歌手のすぐ近くでリートを聴くという
        贅沢なチャンスがあるというのも
        悪くはないわ、と、楽観的に考える私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        オーケストラ音楽大好きだし
        音響オタクっぽいところはあるんだけど
        私の音楽のルーツは実はドイツ・リートにあるので
        やっぱりドイツ・リートを聴くと楽しい ♡

        ウィーン・アカデミー管弦楽団 + ハーゼルベック

        0
          Musikverein Großer Saal 2020年6月16日 20時〜21時10分

          Orchester Wiener Akademie
          指揮とオルガン Martin Haselböck

          François Couperin (1668-1733)
           Offertoire sur les Grands Jeux

          Georg Friedrich Händel (1685-1759)
           Konzert für Orgel und Orchester g-Moll, op. 4/1, HWV 289

          Heinrich Ignaz Franz Biber (1644-1704)
           Battalia für Streicher und Orgel (1673)

          Johann Sebastian Bach (1685-1750)
           Toccata und Fuge d-Moll, BWV 565

          Georg Friedrich Händel
           Konzert für Orgel und Orchester F-Dur, op. 4/4, HWV 292

          マルティン・ハーゼルベックと
          ウィーン・アカデミー管弦楽団は
          いわゆる古楽のピリオド奏法の楽団で
          定期的に楽友協会でコンサートを行なっている。

          ほ〜んの時々、行った事があるけれど
          こういう状況ではない普通のシーズンだと
          オーケストラ(できれば大編成)優先の予定を組むと
          どうしても重なってしまい、なかなか行けない楽団でもある。

          私自身も、あまりバロック音楽を進んで聴こうというタイプではない。

          が、何せ、この時期だ。
          好み云々はともかく
          音楽のためのホールで
          ナマの音が鳴り響くチャンスは逃したくない。

          舞台上には
          第1バイオリン4名、第2バイオリン3名
          ビオラ2名、チェロ2名、コントラバス1名
          ファゴット1名、木管(オーボエ)2名
          チェンバロ(時々オルガン)1名
          オルガンを弾いたり、弾き振りしたり、指揮したりする
          マルティン・ハーゼルベックの総勢17名の音楽家。

          他のプレイヤーは後ろに居て
          ハーゼルベックのオルガン・ソロで
          フランソワ・クープラン。

          プログラムの解説にヒポミクソリディア旋法とか
          イミテーションでドリア旋法とか
          何だか非常に懐かしい名称が出てくるが

          ドリア旋法がト短調に似ているとか
          ヒポミクソリディアがト長調に似ているとか
          ヒポミクソリディアは終止音がgなので、それはわかるが
          ドリア旋法って、二短調に聞こえる事はあってもト短調?

          きっと、フランソワ・クープランの曲を音楽分析したらわかるのだろうが
          教会旋法苦手で(すみません)そんな根性も能力もない。
          近代曲でも教会旋法を使った曲はかなりあるんだけど
          いつも「何旋法?」と聞かれてアタアタしてしまうし

          曲を聴いていても、教会旋法には聴こえませんが・・・
          (それは私の耳と脳が悪いのである)

          クープランと言って思い浮かぶのは
          ラヴェルの「クープランの墓」と

          あと、基準音の歴史の勉強をしていた時に
          サンジェルヴェの教会のオルガンの a が403ヘルツに上がり
          (クープランの関係で宮廷関係の音楽家が
           教会で演奏するようになったらしい)
          クープランの死後に395ヘルツに戻した・・・とかいう
          トリビアなんだか、オタクなんだかわからない
          役に立たない知識だけである。

          だんだん、このブログも鼻につくようになって来たな・・・
          (自分で言うか!?)

          楽友教会・・・いや協会に響き渡るオルガンの音!!!!
          「教会」だから(勝手に脳内妄想)
          残響モリモリでも全然気にならない ♡
          うおおおお、コンサート・ホールにオルガンがあるのは
          別にサンサーンスの交響曲だけのためではなかったのね(今更何を)

          曲の終わり近くに
          後ろに座っていた他のプレイヤーたちが降りて来て

          間髪を入れずにヘンデルに突入。
          突然、調が変わるのでひっくり返りそうになったが
          (正直、かなり不自然だった)
          音色が変わり、雰囲気が全く変わり
          華やかなヘンデルのバロック曲。

          オルガンのヴィルトゥオーゾ的なソロも入って
          オルガンという楽器の様々な音色が聴ける。

          いや、ホント、オルガンの持つ音色の多彩さって凄いな。
          同級生でオルガン研究の方に行った人がいるのだが
          今度、ちょっと聞いてみたら、教えてくれるかなぁ。
          同じメロディでも、調整してある別の鍵盤で弾くと
          全く違う倍音スペクトルで
          スペクトグラム分析とかしたら面白そう。
          (だから鼻につくブログになりました、ってところだが
           もともと音響オタクなのでお許し下さいまし)

          曲の後、ハーゼルベックの短いスピーチ。
          3月10日にリハーサルしていたら
          突然、明日からのコンサートは全て中止、という連絡をもらってから
          3ヶ月、演奏なしの日々が続いて
          やっと楽友協会で演奏できて嬉しい(支配人に感謝)
          今日のプログラムは来シーズンの告知的なもので
          来シーズンはバロックをたくさん演奏します、との事。

          バロックの作曲家はオーストリアにも居る。当たり前だが。
          ザルツブルクのカペルマイスターだった
          ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバーの作品は

          ぶっ飛んでいる・・・(呆気)

          ファンファーレと太鼓のテーマで始まる曲は
          途中で、指揮者含めて全員が
          足で、凄い力で、ガンガン床を叩く(おいおいおい)

          ありゃりゃと思ったら
          次の楽章が・・・
          この時代にポリトナリティかよ・・・っていうか
          各楽器が調の違うメロディを勝手に一緒に演奏するのである(吃驚)

          念の為に書いておくが
          全然調子が合ってない。各パートがバラバラで
          調子外れも良いところで
          ハイドンもこの手法でチラッと不協和音を入れたりした曲があるが
          それの「徹底的にやっちまいました、確信犯です」バージョン。

          ・・・でも、もしかしてもしかしたら
          当時って、こういうヤバイ音楽シーンも
          実際にあったのかもしれないぞ。

          プレイヤーの皆さまは
          至極真面目な表情で演奏していらっしゃるが
          (あれは難しい、だって隣の楽器と合ってはいけない)
          私は客席で、もう、吹き出しそうで困った。

          途中でチェロとコントラバスが
          力一杯のピチカートで爆音を響かせてくるし(笑)

          くそ、むちゃくちゃ遊んでいるじゃないか、この作曲家。
          プログラムによれば、教会音楽で有名になったそうだが
          そのマジメ(であろう)教会音楽じゃなくて
          こういう「お遊びバンザイ作品」の方が後世に残るとは(笑)

          ヨハン・セバスティアン・バッハの
          トッカータとフーガは知らない人はいない(だろう)名曲だが
          コンサートで、この曲をナマのオルガンで
          集中して聴くチャンスなんて、たぶん滅多にない。

          今更なんだけど、ヨハン・セバスティアン・バッハって
          す・ご・い
          誰かが、J.S.バッハの凄さは作曲家にしかわからないだろう
          と言っていたけれど
          作曲家でもなく、専門家でもない、ド・シロートの私でも
          この時代に平均律が普及したから、という理由もあろうが

          セプトアコードの効果的な使い方とか(D7です、この時代に!!)
          コントラプンクトの巧みさとか
          よくわからないけど(わからないんかいっ)ともかく凄い。
          これが、ドイツの片田舎の家内手工業作曲家の作品とは・・・
          あああ、メンデルスゾーンさま、ありがとうございます。

          最後にヘンデル。
          こういう曲を聴くと
          ヘンデルって(当時としては)モダンだったんだなぁ、と思う。
          華やかで上品で、でも田舎臭くなくて、アーバンな感性に満ち溢れている。

          惜しむらくは
          オルガニスト(ハーゼルベック)の後ろ姿しか見えず
          オルガンのどの鍵盤に手が行っているのか、全く見えず
          燕尾服なので、足元も後ろの燕尾のヒラヒラに隠されてしまって
          激しく動く足元も見えなかったこと・・・・ちっ、残念・・・

          バロック時代の音楽分析って
          授業で扱っていた時には
          私はまだ新入生で、受けるチャンスがなかったし
          あんまり興味もなかったんだけど
          (教会旋法が苦手だったので)
          一度、しっかり向き合ってみると面白そうだ。

          今学期の分析のテーマが
          12音からセリエなので
          (ただ、コロナのせいで、セリエまで行くのかは不明)
          もしかしたら、来学期は歴史的に戻って
          ルネサンスからバロック初期の分析だったら
          行こうかしら・・・と

          ついついマジメに考えてしまった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          いや、考えてみれば
          ウィーン大学って、ルネサンス音楽の専門家が多く
          記譜法については必須の授業もあるのだが
          ルネサンスからバロックあたりの記譜法って
          かなり遊び心に満ちたものも多かった。

          だいたい教会が3という数字を聖なるものとしていたせいで
          三拍子は完全(だから最初に○が書いてある)
          四拍子は不完全(だから最初にCが書いてある、丸にアナが開いてる)
          ただ、○の三拍子でカバーしきれないところがあって
          これを前後にくっつけて伸ばす、という規則がある(笑)
          今でもCは使いますもんね(爆笑)
             ↑これはアルファベットじゃなくて不完全な○です。

          知識ひけらかしで鼻持ちならないけど
          (自分でそう思うくらいだから・・・)
          でも、ついつい、書きたくなっちゃうんですよ。
          そういう時期ってあるじゃないですが、中学2年生くらいで。
          すみません、どうぞお許し下さいませ。

          ルドルフ・ブッフビンダー ピアノ・リサイタル

          0
            Musikverein Großer Saal 2020年6月15日 20時〜21時10分

            ピアノ Rudolf Buchbinder

            Ludwig van Beethoen (1770-1827)
             Sonate für Klavier d-Moll, op. 31/2 „Der Sturm“

            Franz Schubert (1797-1828)
             Sonate für Klavier B-Dur, D 960

            アンコール
            Franz Schubert
             Impromptu op. 90 (D 899) Nr. 4

            読者よ〜くご存知の通り
            私はオーケストラ(大人数)が好きなので
            ドイツ・リートを除けば、滅多にリサイタルには行かないので
            ピアニストのリサイタルなんて
            10年に1回くらいしか行っていないのだが

            なにせ、このご時世である。

            ブッフビンダーのベートーベンやシューベルトは
            定評のあるところだし
            100人限定で
            音響・・・は、まぁ、ともかく
            ヘンな席・・・もないわけではないが
            席指定が出来なかったので
            チケット、まだある、と取ったら
            平土間ロジェの席となった。

            ピアニストが顔を上げたら
            一番最初に私の顔が見えるところじゃん(汗)

            さて・・・
            ベートーベンのソナタ
            うわわわわ
            やっぱり音が響き過ぎ。
            スゴイ残響・・・

            なのに、音の濁りがないし
            右手の細かい音型も全く潰れずに
            クリアに聴こえてくる。

            ホールの残響のせいで
            どうしても音が引き摺るような感じになるけれど
            それを最小限に留めると同時に
            ベートーベンのダイナミックさと
            厚みのある和声を濁らずに観客に伝えてくる技術。

            17時に最初のコンサートをしていて
            2回目だから、と言うのもあるかもしれないけれど
            緻密な計算の上に積み上げた音響が圧倒的。

            計算だけじゃなくて
            音楽の流れとドラマチックなドラマを
            まぁ、ブッフビンダーって、よく「語る」人だ。
            本当に、この人、音楽が言葉なんだなぁ・・・

            ただ、私にとって圧巻だったのは
            シューベルトのピアノ・ソナタである。

            シューベルト、実は苦手だった。
            今でも苦手である(断言)

            血液型A型(かどうかは不明だが)的な
            神経質で、まっすぐで、融通の効かない感じで
            ベートーベンみたいにすっ飛んだところもない上
            ご本人があまりピアノを弾けなかったようで
            そのピアノ曲は
            時々、あまりに、人間の能力を考えてないよね、
            というものが結構ある。

            だいたい初期の作品の有名な歌曲「魔王」だって
            ピアニストっていうか、自分でピアノ弾く人は
            あのオクターブの情け容赦ない連続は書かないだろう、うん。

            後期作品というより
            シューベルト最後のピアノ・ソナタで
            死の2ヶ月前に作曲された曲。

            この曲の最初のモチーフだって
            アコードの塊なのだが

            何ですか、その透明感は・・・

            確かにピアニッシモなんだけど
            左手の奏でる分散和音の上のメロディが
            クリアなのに
            ポッと、そこだけ火が灯ったような暖かさを伝えて来る。

            残響の多い音響も、全く苦にならない。
            というより、シューベルトの和音が
            楽友協会大ホールの空気に優しく溶け込んでいる。

            なのに、あの例の左手での低音でのトリルが
            ピアニッシモ・・・で演奏されてはいるのに
            それまでの牧歌的メロディから
            突然、隠されたところに深淵が顔を覗かせるような感じ。

            これだけ細かい音符が16分音符で続くのに
            音の粒の一つ一つが見事に磨かれていて
            しかも、その流れのスムーズさと言ったら。

            フォルテになっても
            声を荒げる事がない。
            あくまでも暖かいのである。
            その中に、時々、深淵が見える。
            ・・・ちょっとコワイ。

            しかしまぁ、シューベルトの和声って凄い。
            私のピアノの先生が
            シューベルトの和声は完璧、と言っていたけれど
            バランスの良さと
            響きの完璧さから言えば
            シューベルトのピアノ曲というのは
            不思議なほどの透明感がある。

            もちろん、シューベルトらしい転調も・・・

            楽章間をほとんど開けず
            まるでアタッカのように演奏される第2楽章の
            現世とは思えない崇高さ。

            対して第3楽章のスケルツォの軽やかさ。
            ここで、ピアノの高音の響きが
            突然変わったのには、椅子からずり落ちそうになった。
            どういうタッチの変え方をしたら
            あんなに透明な
            鋭いけれど観客の耳を刺してこない音が出るの?

            軽い、というと語弊があるけれど
            第1楽章、第2楽章で
            どこか現世じゃないところに連れて行かれた聴衆が
            第3楽章で、ウィーンの小洒落た酒場に誘い込まれたような印象。

            目まぐるしい転調なのに
            踊るわ踊るわ
            人生、楽しんだ方が良いよね、って語りかけられている感じから
            最終楽章へ。

            最終楽章も
            重くならず、アコードがホールの空気に溶ける。
            中間部の激しくなるオクターブの連打でも
            感情的にならず
            あくまでも語りかけてくる感じ。

            いやシューベルトって
            時々、激しくなる部分って
            自分で演奏しようとすると
            ついついイライラっぽいやるせなさが先に立つんだけど
            やるせなさとかイライラのないシューベルト、初めて聴いた。

            ・・・どんなに激しくなるフレーズでも
            とことん愛しさに満ちていると言うか(書いてて恥ずかしいが)

            だからシューベルトが好きになるかと言えば
            それはまた別問題なんだけど
            シューベルトって、ビーダーマイヤー時代のウィーンっ子だよなぁ、とか
            しょうもない事を考えてしまう。
            (ウィーンっ子は良い側面ばかりではない、念の為)

            しかし、この音響の難しいホールで
            よく、あの透明感を最初から最後までキープしたものだ。

            ブッフビンダー、通常はアンコールを聴いた事がないんだけど
            今日はシューベルトのアンプロンプチュ ♡
            先々学期の授業で宿題で分析した曲だ・・・って、それは関係ないが。
            (途中にジャーマン・シックスが隠されているのである。
             シューベルトって、ホントにいけずだと思う)

            なんかもう、この細かいアルペジオの動きに乗る左手のメロディ。
            どう考えても、現実逃避・・・じゃなかった
            この世のものとは思えない
            どこか別の世界に紛れ込んだような気がして仕方がない。

            音楽分析どうのこうので、ジャーマン・シックス探すより
            和声だの何だのは、あっちに行ってもらって
            そのまま、今、そこにある音波の流れに身体を任せたい・・・

            何という贅沢な時間なんだろう・・・

            それに、嬉しい事に
            ピアノ・リサイタルで
            客席がこんなに静かなのも初めて。

            ちょっと途中で小声で咳した人はいるけれど
            だいたい、あのホール、観客席の雑音を隅から隅まで拾ってしまうので
            ピアノ・リサイタルに行くと
            咳に加えて、誰かが必ずプログラムや携帯電話を落としたり
            席から立って舞台を見ようとして
            椅子が凄い音をたてたりするのだが

            そういう不要な障害要素が全くなくて
            正に、これこそストレスフリー。

            こんな素晴らしい客席を体験してしまうと
            またいつかは戻るかもしれない
            観光客満杯で、小声のお喋り、プログラム捲りの音満載で
            貧民席ではスマホでゲームしている観客のコンサートでは
            もう満足できないんじゃないか・・・

            いやいや、観客からの雑音が避けられなくても
            やっぱり70%以上の観客の入った
            ベストの音響の楽友協会で
            フルオーケストラのコンサートを
            いつものド貧民席で楽しむ日が
            秋には戻ってくるよう、祈るばかりの私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            フォルクス・オーパー 「四季」2回目

            0
              Volksoper 2020年6月14日 18時〜19時

              Antonio Vivaldi (1678-1741)
              Die vier Jahreszeiten / Le quattro stagioni

              Mitglieder des Orchesters der Volksoper Wien
              Solistinnen:
              Bettina Gradinger, Vesna Stanković
              Musikalische Leitung am Cembalo: Guido Mancusi
              Rezitation: Robert Meyer

              実は2回目のこのコンサート
              記事を書くつもりは全然なかったのだが

              いや、むちゃくちゃ楽しかった (^^)v

              コンサート、というより
              ナマのパーフォーマンスは
              同じものは二度とないし
              今日は何故か、ものすご〜く前の席で
              こりゃ音がヤバイか、と思っていたんだけど

              面白い事に、前なのに後ろからの音の反射が聞こえてくる。
              妄想かもしれないが。

              舞台は、もともとのオーケストラ・ピットの上だが
              そこから3列ほど離れたど真ん中で
              音響は悪くない。
              昨日より、各楽器(チェンバロ含む)が
              すべて対等に聴こえてくる。

              ソリストのバイオリンの
              ほんの少しのミスまで聴こえてくるけど
              全体的な均衡から言えば、全然気にならない。

              今日は指揮者+チェンバロの
              マンクーシの誕生日というアナウンスが
              ローベルト・マイヤーからあって
              昨日と同じように、解説とソネットの朗読。

              で、もちろん私の大いなる妄想である事は
              充分にわかっているけれど

              何だかオーケストラのメンバー
              むちゃくちゃ楽しそうじゃないか。

              春と秋のバイオリンのソリスト
              昨日も大いに即興の装飾を入れて華やかだったけれど

              今日の秋の第一楽章の
              酔っ払ってシャックリが止まらなくなるシーンの
              鮮やかな表現力には圧倒されてしまった。
              オーケストラのメンバーも思わず笑顔になるし
              私も客席でちょっと笑い出しそうになってしまった。

              今日がこの演目の最後のコンサートで
              オーケストラにとっては3回目だけど
              アンサンブルの楽しさ、というのものが
              演奏する方の喜びというものが
              手に取るように伝わって来て
              聴いている方にも、その楽しさが
              ダイレクトにビンビン響いてくる。
              (あ〜、本当に妄想かもしれないので
               もしかしたら、せっかくの休みだったのに
               また演奏かよ、かったるい、と思っている・・・かもしれないけど
               いや、でも、あの演奏で、それはあり得ないわ)

              客席には立った100人しか座ってないし
              クロークもプログラムも無料だし
              100人は、一人15ユーロしか払ってないし
              (全体の売り上げ1500ユーロ以下だ。
               関係者席がいくつかあるだろうから)

              それでも、音楽の楽しみというのは
              コストと言う経済概念とはリンクしていない。
              純粋に空気の振動が
              心地よく鼓膜に伝わってくるのが楽しい。

              しかしヴィヴァルディの四季って
              こうやって久し振りにナマで聴いてみると新鮮だなぁ。
              音による絵画表現については
              2年くらい前の音楽分析の授業で取り上げた事もあったけれど

              考えて見れば、鳥の鳴き声はある程度楽音ではあるし
              狩のホルンのトポイは音楽史では確立しているし
              小川の流れとか、窓を叩く水滴の音とか
              狩の時の銃の発射音(コントラバスの力強いピチカート!)は
              どの文化でも、音そのものを音楽に織り込んでいるのはわかるし

              ヨーロッパの伝統に基づいたトポイと
              自然音の音楽における再現とが
              ヴィヴァルディの四季にはふんだんに使われていて

              確かに、目の前で動く絵画的音楽というか
              ナラティヴな映画音楽というか
              ・・・書いてるうちにワケわからなくなったので止める。

              勉強しなきゃ、課題やらなくちゃ・・・と思いつつ
              やっぱりダラダラと
              楽しみばかりに流れていく
              怠惰な私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              フォルクス・オーパー 「四季」

              0
                Volksoper 2020年6月13日 18時〜19時

                Antonio Vivaldi (1678-1741)
                 Die vier Jahreszeiten / Le quattro stagioni

                Mitglieder des Orchesters der Volksoper Wien

                Solistinnen:
                Bettina Gradinger, Vesna Stanković

                Musikalische Leitung am Cembalo: Guido Mancusi

                Rezitation: Robert Meyer

                お久し振りのお久し振り、フォルクス・オーパーである。

                100人限定でコンサートをする、というお知らせの
                次の日の朝8時が販売開始。

                ただ、最初から一律15ユーロという値段は出ていたので
                あまり詳細はわからないまま
                えいっ!と買った。
                (15ユーロって安い、安過ぎる!!!)

                15時30分からのコンサートもあったが
                長い間演奏しなかったオーケストラの
                最初のコンサートは経験上、避けた方が(あっ、以下省略)

                入り口でチケットを確認。
                係員はマスク着用。
                観客も席につくまではマスク着用(のはずだ、それ以上は言わない)
                全員平土間なので
                係員が一人一人を席まで案内している。
                100人だから出来るんだわね(笑)

                プログラムは
                通常ならキャスト表になるような
                ペラペラの紙で
                キャスト表は通常なら有料なのだが
                (確か50セントだか60セントだかそんなもんだ)
                何と、今回は無料。

                楽友協会コンサートのプログラムも無料だったし
                何だか、どこもかしこも大判振る舞いというか
                もう赤字なんだから徹底的に赤字で良いわい、という
                ある意味、開き直りなのか?(笑)

                コンサート告知のタイトルに
                「四季」とは書いてあった。
                ただ、フォルクスオーパー、ロックミュージカルで
                ヴィヴァルディの五季とか言うのも上演していたし
                プログラムのタイトルが「四季」だからと言って
                本当にヴィヴァルディの四季を演奏するかは
                私にとっては疑わしかったのだが

                いやあはは
                ヴィヴァルディの「四季」でした f^_^;)

                ヴィヴァルディの「四季」と言えば
                今やみんな知っているバロック曲なのだが
                私が子供の頃に、イムジチ合奏団というグループが
                この曲を演奏して爆発的に流行し
                その後、マリナー率いるアカデミー室内管弦楽団が
                イムジチと比べものにならないすごい早い速度で演奏して
                ・・・まぁ、子供の頃の私には
                面白い比較を提供してくれた曲なのだが、それはともかく・・・

                舞台の前に舞台を作って
                そこに室内楽奏団。真ん中にチェンバロ。
                下手(しもて)に第1+第2バイオリン。
                チェロはチェンバロの後ろ
                ビオラが上手(かみて)で
                チェロとビオラの間にギター1名。
                (普通はリュートかテオルベとかだと思うのだが
                 じっと見たけど、やっぱりギターだったような気がする。
                 違っていたらごめんなさい(現代的リュートとか?))

                まずはフォルクスオーパーの元気な総監督のマイヤー御大が登場。
                ロック・オペラのヴィヴァルディの五季というのもあったし
                (来シーズンもプログラムに載るそうだ)
                初演予定だったバレエの演目にも
                ヴィヴァルディが使われる予定だったという事で
                今回は、この「四季」を演奏する事になったそうだ。

                各季節の前に、簡単な情景の説明をして
                ヴィヴァルディが書いた(と言われている)ソネットの
                ドイツ語訳を朗読。

                で・・・

                わ〜〜〜〜っはっはっはっは
                すみません、はしたなく笑っちゃいまして。
                だってもう、音響が楽友協会と全然違う。

                そりゃ、楽友協会はコンサート・ホール(シューボックス)で
                フォルクスオーパーは劇場、馬蹄型のホールである。
                馬蹄型ホールはアンフィシアターの流れを継ぐので
                残響時間が1秒前後で
                言葉を理解するための劇場。

                だから、総支配人ローベルト・マイヤーの朗読は
                ものすごくクリアに聞こえて来る。
                この人、もともと俳優だし、声がクリアで大きいのもあるけど
                朗読している時に、既に、残響の少なさが耳に印象的。

                よく劇場を見れば
                座席も肘掛も、全てベルベットの生地で覆われていて
                (それまで気がつかなかったんかいっ!)

                平土間真ん中あたりの、本当にど真ん中で
                周囲はソーシャル・ディスタンスで他の観客はいないし
                前にも他の観客はいないので、舞台が良く見えるし
                こんな良い席、座った事が滅多になくて
                ご招待で座った時にはオペレッタだったので
                音がダイレクトに飛んでくる感じだったが

                室内弦楽合奏団+チェンバロで聴こえて来る音は
                かなり鋭く、明確で、残響が少ない分、弦のキレが良い。
                ヴィヴァルディは、かなり早いフレーズを書いているのだが
                その一音、一音がクリアに聴こえて来るので気持ちが良い。

                もちろん、古楽器合奏団ではないのだが
                だいたい、古楽器合奏でピッチが低めとかいうのも
                疑わしいので(それについてはコンサート・ピッチのところで書いた)
                普通のピッチで、まぁ、443ヘルツくらいと推測するが、演奏されて
                違和感は全くないし
                ダイナミックで活き活きしていて、ハリとコシがあって良い感じ。

                バイオリンのソロは二人で交互だったが
                うおおおおお、夏と冬を演奏した女性バイオリニストが巧い。
                (春と秋も、もちろん良かったけど、夏と冬は特に難しい)

                しかし、馬蹄型劇場で
                座席が全部、詰め物ありのベルベット生地に覆われていて
                これだけデッドな音響で

                歌手って、それでも響かせるのか、スゴイな・・・

                楽友協会の緩衝材なしの残響バリバリの音響が凄かったので
                音響がデッドな劇場で、弦楽合奏団を聴くと
                ここまで印象が違うのか、と、驚くべき体験になった。

                こういうスタンダードな曲は
                オーケストラも手慣れていると思うんだけど
                それにしても
                ここまでクリアに響いてしまうと
                細かい部分まで客席に届くから
                ほんの少しのアンサンブルのズレとかも聴こえてしまうので
                その意味ではオーケストラ・メンバーも
                意外に気が抜けない演奏だったんじゃないだろうか。

                バイオリン・ソロの時に
                ほとんどいつも伴奏で入っていたチェロが素晴らしかった。
                バイオリンの音を生かしながら
                出しゃばらず、でも存在感があって
                こういう職人仕事に、私はグッと来てしまう。

                指揮者のグイード・マンクーシはベテランの中堅だが
                チェンバロも良かった。
                もともとチェンバロの音は小さいので
                大きいホールだと、ほとんど聴こえて来ないのだが
                今回の不思議音響(デッドな方)では
                ちゃんと客席まで伝わって来る。

                シューボックスと馬蹄形劇場との音響の差が
                まぁ、実に面白い。

                来週の週末は
                歌手も入ってのコンサートの予定。
                また音響が違って来るんだろうなぁ。

                フォルクスオーパーで弦楽合奏団を聴くなんて
                こんな時でなければ
                一生、なかった体験だと思う。

                本日、ウィーンは天気が良くて30度まで上がったけれど
                湿気がないから、爽やかで気持ちが良い。

                コンサートの後、杖ついて
                また山登りして来て
                その後、痛みに呻いているアホな私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 2回目

                0
                  Musikverein Großer Saal 2020年6月11日 17時〜18時15分

                  Wiener Symphoniker
                  指揮 Philippe Jordan

                  Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                   Leonoren-Ouvertüre Nr. 3, op. 72a
                   Symphonie Nr. 3 Es-Dur, op. 55, "Eroica"

                  後出しで追加されたコンサートに気がついた時には
                  (ある程度)音響の良い席はすべてなくなっていて
                  ・・・と言うより、一律料金だし
                  100席限定だから、ヘンな席はないだろうと
                  席指定をせずに買ったら

                  ヘンな席があった・・・

                  舞台キワキワの2列目(さすがに1列目はクローズ)
                  しかも、一番奥のパルテレ・ロジェの壁に面した席で
                  目の前が舞台だし
                  しかも第2バイオリンの一番後ろのプレイヤーが、すぐそこに居る。

                  楽友協会常連コネクションで
                  こういう時には通常なら、上に逃げるのだが

                  何せほら、室内音響学のゼミに溺れまくっている状態なので
                  ちょっと興味津々で、この席に座って聴いてみた。

                  ・・・しかし楽友協会、100席限定一律料金制を取るなら
                  平土間の2列目・3列目なんかに席を作るなよ。

                  舞台を拡張して、サークル(通常の一番前の3列)は外し
                  プレイヤー1名に1譜面台になっているのは
                  プレイヤー間で、ある程度の距離を確保するためだと思うが

                  サイドのバルコンにも席を作っているのだから
                  平土間の前の方の席じゃなくて
                  バルコン・サイドの1列目を、あと数席、用意して欲しかったです。

                  昨日と同じプログラムだが
                  席が変わったので、聴こえ方が違う(当たり前と言えばそうだけど)

                  舞台に近い分、反射じゃなくて
                  そのままダイレクトに伝わってくる音波の量が多い(ような感じ)
                  横がすぐに壁で、壁の上には絨毯が掛かっているので
                  音響的には、むちゃくちゃ面白い。

                  レオノーレのトゥッティで昨日体験した
                  音がグチャグチャの団子状態よりは
                  トゥッティ部分の聴こえ方が、少しパートごとに聴こえてくる。

                  と言うより、目の前が第2バイオリンなので
                  時々、第2バイオリンしか聴こえない。

                  普段、内声を聴くチャンスはなかなかないので
                  コンツェルトハウスで時々行われる
                  イム・クラング=オーケストラの中に座りましょうコンサートで
                  第2バイオリンの横に座った時みたいな面白さ。

                  で、今日もテンポが遅め。
                  オーケストラは3回目の演奏になるから
                  手慣れてはいるし
                  残響豊かな、いや、100人観客で、更に豊かになっているホールで
                  昨日よりは、耳慣れしたので
                  間延びせずに聴こえた上

                  舞台に近いダイレクト音波を全身に浴びる感じが
                  全身の肌が鼓膜になったような妄想に取り憑かれて

                  あああああ、やっぱりナマの音ですよ
                  もう絶対にナマの音!!!!!!

                  もともと(読者ご存知の通り)現場主義の私は
                  音楽はナマでホールで聴くものだと
                  堅く信じ込んでいるので
                  どんな音響であれ
                  空気に鼓膜を震わす振動が存在するだけで
                  生き返るのだ。

                  音響ゲゲゲの席である事は事前に分かっていたので
                  交響曲3番についてはスコア持ち込み。

                  で、これがまた
                  コンサートを聴く正しいやり方ではない、という事はわかっているが
                  めちゃくちゃ面白い。

                  目の前の第2バイオリンが最も強く聴こえてきて
                  離れている第1バイオリンの音が
                  空気を通って、横の反射と一緒に
                  かなり柔らかい音になって届いてくる。

                  マーラーとかならともかく
                  モーツァルトとかベートーベンの交響曲って
                  私のようなド・シロートがスコアを手にしても
                  第1バイオリンだけ追っていても、何とかなるものなのだが

                  長三度で下を弾いている第2バイオリンが
                  むちゃくちゃ聴こえてくるので
                  第2バイオリンの楽譜でスコアを追ったなんて
                  スコア持ち込み歴の長い私でも、初めての体験である(笑)

                  フルートは相変わらず空気を裂いて
                  美しい高音が直接響いてくるけれど
                  オーボエの音が、昨日よりも引っ込んだ。
                  クラリネットの音も控え目に聴こえて来るのに
                  面白い事に
                  ファゴットの音が、かなり飛び出して来る。
                  それから、コントラバスが良く響いて来る。

                  コントラバスは舞台の一番奥で
                  上にオルガンの天井が被っているのだが
                  あの天井、反響盤になってる可能性があるな・・・

                  で、昨日と同じく
                  ウインナー・ホルンが!!!!
                  ウィンナー・ホルンが!!!!!!
                  ウィンナー・ホルンが!!!!!!!!

                  しつこいけど、第3楽章のあのホルンのアンサンブル
                  この楽友協会の、この音響のために作曲されたんかいっ
                  というくらいに
                  柔らかで豊かで、徹底的に美しく、温かで素朴で

                  もう、この数小節を聴けただけで
                  ホールの音響が多少おかしくても
                  50ユーロの価値はある、と
                  いたく感激して、席で打ち震えていた
                  ヘンなアジア人のババアは私です。

                  いやもう、スコア見ると
                  演奏している楽器もわかるわけだが
                  その時の当該の楽器の聴こえ方をチェック出来るなんて(笑)

                  これは、正直に言えば
                  正しいコンサートの聴き方とは言えず
                  かなり、いや、ものすごく邪道なんだけど

                  もともと、音楽ファンというよりは
                  音響オタクの私としては
                  こういう千載一遇のチャンスに
                  音響オタク振りを最大限に発揮できる幸せって
                  ちょっと、他の楽しみには変えられない。
                  (オーケストラ・メンバーの皆さま
                   指揮者の皆さま、楽友協会関係者の皆さま、ごめんなさい)

                  100人の観客は
                  楽友協会やオーケストラの関係者以外は
                  私と同じような年代の年配が多い。

                  通常、もっと年上の方たちが、杖つきながら来るのが
                  クラシックのコンサートなのだが
                  さすがに、あまり御年を重ねた方だと
                  例のウイルスに感染した時に重症化する可能性が大きいから
                  あまり棺桶に片足突っ込んだと言われる年齢層はいない。

                  よって、やっぱり、すご〜〜〜〜く静かである。
                  楽章間にも咳が全くなく
                  プログラムを音をたてて捲っている人も
                  ・・・いや、いるけど(私の列の離れた人)
                  距離があるから、あまり音は伝わってこない。
                  (たぶん、スコア捲っている私が一番雑音たてたかも。
                   音は絶対にしないように捲ってはいたけれど)

                  コンサートの後にカフェに行こうと画策して
                  あっ、でもコンサート後のカフェって予約しておかないと
                  席がないかも・・・・と
                  インペリアルに電話したら「6月一杯は建物全部が閉鎖」とのこと。
                  シュヴァルツェンベルクに恐る恐る電話したら
                  全然問題ないよ、と予約できたのだが

                  後で考えたら
                  楽友協会のコンサート、観客は2000人じゃなくて100人、
                  しかも天気が良くて、祝日で、みんな郊外に出ている日に
                  市内のカフェが予約で満杯、という可能性は
                  限りなく低かった・・・

                  というアホな事はあったけれど
                  久し振りにカフェで、アイス・カフェを
                  しかもホイップ・クリーム山盛りで堪能した私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  週末はフォルクス・オーパーでのコンサートに行く予定。
                  こちらも平土間席だけど
                  これは劇場の造りが違うので
                  そう、ワケのわからん音響にはならないかと推測中。

                  オーストリアも、まだ毎日、2桁台の感染者が出ている状態なので
                  人数限定でも、感染の危険はあるわけだが
                  それでも、ナマの音を聴きたい
                  これがないと生きていけない、という人が
                  私を含めて多いのがよくわかる。

                  楽友協会の入り口には消毒液が置いてあるが
                  本当はカフェの方が消毒液が必要じゃないのかしら。
                  カフェのウエイターさん、マスクから鼻出してるし・・・
                  当分は自分で消毒液の小ボトルを持ち歩こう。

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