赤いジゼル 5回目観賞記

Volksoper 2017年4月18日 19時〜21時

GISELLE ROUGE
Ballett von Boris Eifman
振付・照明 Boris Eifman
舞台・衣装 Wiacheslav Okunev
指揮 Andreas Schüller

音楽
1幕
Peter Iljitsch Tschaikowski : Serenade für Streicher, op. 48, Finale (Tema russo)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Der Strum, Pantasie nach dem Drama von William Shakespeare, op. 18
Alfred Schnitke : Ritual. In memory of the victims of the 2nd World War (for the 40th Anniversary of the liberation of Belgrade)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Manfred. Sinfonie in vier Bildern nach dem dramatischen Gedicht von Byron, op. 58, IV. Satz
Peter Iljitsch Tschaikowski : Senrenade für Streicher, op. 48, Finale (Tema russo)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Elegie (für Streichorchester)
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, III. Satz (Das Portrait)
Peter Iljitsch Tschaikowski : Manfred. Sinfonie in vier Bildern nach dem dramatischen Gedicht von Byron, op. 58, IV. Satz und I. Satz
2幕
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, III. Satz, Minuet
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 1, I. Satz, Ouverture
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 1, III. Satz, Adagietto
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, IV. Satz, Farandole
Georges Bizet : L’Arlésienne Suite Nr. 2, II. Satz, Intermezzo
Walter Donaldson : Yes Sir, that’s my Baby
Elias Paul “Allie” Wrubel : The Lady in Red
Alfred Schnittke : Konzert für Viola und Orchester, II Satz
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, IV. Satz (Die Bürokraten)
Alfred Schnittke : Gogol-Suite, VIII. Satz (Das Testament, Vermächtnis)
Alfred Schnittke : (K)ein Sommernachtstraum
Peter Iljitsch Tschaikowski : Francesca da Rimini. Fantasie op. 32
Adolphe Adam : Giselle (Finale)

バレリーナ Ioanna Avraam *
教師 Andrey Teterin *
人民委員 Mihail Sosnovschi *
パートナー Roman Lazik
パートナーの友人 James Stephens
バティルデ Oxana Kiyanenko

赤いジゼル5回目(ゲネプロ入れると6回目)
(総計8回の公演のうち、半分以上は観てる(自慢にならん!))

今回のキャストは
役のデビューが3名。

タイトル・ロールをイオアンナ
バレエ教師がアンドレイ
・・・というのはともかくとして

ミーシャって秘密警察役って初めてだったっけ?

何かあの役どころとして
ミーシャがやりたそうで
しかもむちゃくちゃ合う役だと思っていたので
今日がデビューって、ちょっと意外。

で、ミハイルの秘密警察(人民委員)の役
何か、マッチョ過ぎて
コワモテのマフィアがそこに・・・
みたいな感じなんですが。

いや、カッコいいというよりは
何か最初の登場からして、かなり不気味な雰囲気を纏って

最初から最後まで
マッチョなんだけど

ミーシャ、別にイオアンナを愛してないよね
(あっ、すみません、別に個人的な事を言うワケでは)

どうも何か、鋼鉄で徹底的なマッチョ男になっているのは良いが
そこに現れる優しさとか言うのがあんまり(う〜ん 😓)

まぁ、あの役、すごいリフト続きだし
そこまで演技の余裕がなかったのかもしれないが。

嬉しかったのはローマンの再登場。
後半で、パリに逃れた後の
どうも事実ではリファールだったようだが
最初のソロでズッキン ♡

クラシックというよりはモダンなんだけど
あの薄い衣装で
関節の一つ一つが完璧にコントロールされて
身体の中で蠢く様って

ちょっとグロテスクなんだけど
その身体の不思議な美しさには魅了される。

だけどローマンって
最近、むちゃ「オネエ」になってない??

いや、私の見る目が曇っていて偏見だろうとは思うのだが
バレリーナと会って
振付をするシーンでも

「あら、それ良いわね」
「そうよ、そうなの、そうやって動いて」

という、オネエ言葉のセリフが
舞台の動きから見えて来ちゃうって何なんだこれは。

だからジェームスとのラブシーンが
むちゃくちゃリアルじゃないの・・・
腐女子の道に嵌りかけてる事に自覚はあるけれど
あんなにキュートに
男性ダンサー2人で絡んだら
あれにドキドキしない女性はいないと思う(断言)

イオアンナは身体は美しいし
クラシックからモダンまで、きっちりこなす上に
モダンの動きが、非常に幾何学的で美しい。
(これ見て、イオアンナにベラ・フィグーラの
 最後の場面を踊って欲しくなった)

イースターに風邪ひいて
すごい状態で行ったので
私の耳がおかしかったのかもしれないが

本日のオーケストラ、すごい音量・・・
力一杯って感じで演奏してるけど、どうしたの?
しかも、力一杯なのに
アルルの女の音楽で盛大にズレまくる(笑)
(管が走って、弦が付いて行けない状態だった・・と思う)

素晴らしい作品なんだけど
やっぱり5回目か6回目になって

しかも先シーズンに
オルガさまとケテヴァンで観ちゃってるからなぁ。
やっぱりオルガさまやケテヴァンと比べると
誰が主人公を踊っても
多少、見劣りしてしまうのは仕方がない。

非常に難しい役なので
(演技もテクニックも)
巧いダンサーでなければ踊れない、というのはわかっていても
こういう役、エスターに踊らせたらどうだろう、とか
意外にアデーレあたりがハマるかも、とか
エレーナなんか踊れるかもしれないぞ、とか

あらぬ妄想に悶える私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



え〜い、いつコンサート鑑賞がまた戻ってくるんだ?と
待ちきれない読者の皆さま
イースターが終わって
やっと、今週木曜日くらいから
普通のコンサートに戻ります(たぶん)

あまりに寒いのでひいた風邪は
昨日は喉で、本日は胸と鼻に順調に移動して来ていて
咳すると胸が痛いよ〜(涙)
バレエは途中で拍手があるので
その度に咳き込んでましたが
たぶん、今日と明日がピークでしょう(だいたいわかる)

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 2回目

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年4月16日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan
ピアノ Jean-Yves Thibaudet

“Frühling in Wien”

Leonard Bernstein (1918-1990)
 Ouvertüre zu “Candide” (1956)
George Gershwin (1898-1937)
 Konzert für Klavier und Orchester F-Dur (1925)
 An American in Paris. Symphonische Fantasie (1928)
Leonard Bernstein
 Symphonic dances (West Side Story) (1957)

昨日とプログラムは一緒だが
今日はテレビが入っていない。
花飾りだけは舞台の後ろと前と
オーケストラの横のところに残っている。

本日も貧民席だが
(私に他のどの席を買えと?)
ライトも当たらず、普通に普通のコンサートでありがたい。

オーケストラを見ると
あれ?昨日とフルート首席が変わってるぞ。
2015年シーズンから入ったイタリアの美人フルーティスト。
昨日はお休みか病欠だったのかしら。

まぁ、誰がメンバーであろうが
ウィーン交響楽団は徹底的なプロの音楽職人集団(笑)

ビッグバンド的なノリの良さでカンディードの後
ガーシュインのピアノ協奏曲では

ティボーデのピアノが・・・ううう、ステキ ♡
これは好みが分かれるかもしれないが
アメリカンというよりは
徹底してヨーロピアン。

幕間後に演奏された
パリのアメリカ人的に
ガーシュインのジャズが
ヨーロッパの洒落たチャーミングな洗礼を受けたかのような
クセのない透明な響きで泥臭さは一切なし。

徹底的に音響に拘った部分もあって
不思議なピアノの、ピアノとは思えない音を出したりする。

ううう、この人のピアノで
サンサーンスのエジプトをナマで聴きたい、と
呟いたら、パリでもう2回演奏しているそうで

お願い、ウィーンでもやって!!!!

指揮者とピアニストの
何となく妖しげで妄想を呼び起こしそうな連弾。
(いかん、腐女子の道はコンサート・ホールでは御法度よっ)

後半のパリのアメリカ人。
ジョルダンって、あれかしら
今回はもう節操なく、オーケストラのトゥッティで
バランスだの理性だの取っ払って
景気よく出来るだけの大音響出しちまえ、みたいな気分?(邪推)

いやまたこれが気持ち良いんだわ。
もちろんシンフォニー・オーケストラだから
細かい部分の処理まで見事で
その意味では崩れた部分はなくて
きっちりと構造は見せてくれたのだが

ちょっと信じられない程にハイな演奏で
むちゃくちゃ楽しかったです ♡

さて最後のシンフォニック・ダンス。
いや、今日、日曜日でしたし
朝8時のサウナの後に
思い立って久し振りに
ロバート・ワイズ監督の
ウエスト・サイド・ストーリーを観てしまった。

あれ、振付がジェローム・ロビンスなんですよ。
(ジェローム・ロビンスの「コンサート」は
 来期国立バレエ団のプログラムに入った。バンザイ!!!)

いやもうカッコいいの何のって
主人公のトニーは全然踊らないけど
リフを始めとするジェット団のダンスが見事。

それはともかくとして
ロメオとジュリア的ラブストーリーに涙しながら観ちゃったので
コンツェルトハウスでの感情移入が・・・(以下省略)

だって、あのシンフォニック・ダンスって
最後が本当に臨終のシーンじゃないですか。

え〜い、普通、こういう組曲にしたら
盛り上がって終われば良いのに・・・
(ロメオとジュリアの組曲なんか
 もとのストーリー完璧に無視だし)

と涙しながら勝手に文句つけつつ
コンサート会場を後にした私に
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いやホント、今日は車で行って良かった。
(コンサートの後に地下鉄・市電は心理的に辛い時がある)

サマー・タイヤに代えて
ブレーキ交換とかランプ交換とかしてもらって
払った550ユーロ(日本円で約6万5千円くらい)のうち
部品代金は150ユーロもせず
後は全部人件費って、日本じゃ考えられないかも(笑)

サマー・タイヤには代えたけれど
オーストリアの山岳地の一部では雪だそうです。
ウィーンも寒いし天気悪いし・・・イースターって何か毎年そういう感じ(苦笑)

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン 1回目

Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年4月15日 19時30分〜21時30分

Wiener Symphoniker
指揮 Philippe Jordan
ピアノ Jean-Yves Thibaudet

“Frühling in Wien”
Das TV-Osterkonzert der Wiener Symphoniker

Leonard Bernstein (1918-1990)
 Ouvertüre zu “Candide” (1956)
George Gershwin (1898-1937)
 Konzert für Klavier und Orchester F-Dur (1925)
 An American in Paris. Symphonische Fantasie (1928)
Leonard Bernstein
 Symphonic dances (West Side Story) (1957)

聖金曜日は一日仕事して
何と夜はご近所さんサウナで酔っ払って
(註 私だけではなかった(笑))
何で金曜日の夜に来られたの?と聞かれ

だって聖金曜日ですよ?
国立オペラ座もフォルクス・オーパーも
楽友協会もコンツェルトハウスも
全部閉まってます(笑)

というワケで
コンサート枯れのシーズンを経て
やって来たのは
恒例の「ウィーンの春」のコンサート。

コンツェルトハウスの大ホールに入ると
舞台の前も後ろも
カメラの入る部分(舞台上3ヶ所か4ヶ所)に
華やかなピンクとオレンジの花飾りが
山盛りになっていて

・・・こういう花の山盛りのコンサートって
何年か前にも「春のコンサート」とか銘打って
楽友協会で聴いた事がある、という
不思議なデジャブに駆られたら
ありましたよ、2015年の「ウィーンの春」コンサート。
おヒマな方は こちら をどうぞ。

今年もテレビの収録があって
しかも放映が4月17日のイースター・マンデーの朝10時25分。
まぁ、本当にイースター・コンサートなんですね。
(再放送4月23日20時15分。ARTE では6月18日18時25分)
2年前と同じで、テレビないから見られませんが(笑)

ウィーンの春、と銘打ったコンサートで
何でバーンスタインとガーシュインなんだか
私にはよくわからん。
2015年はぶつ切りだったがシューベルトだったのだが
まぁ、聴く側にしても
いつもモーツァルトだのシューベルトだのベートーベンだのよりは
時々は景気良くジャズっぽいものを聴くのも一興。

個人的好みとしては
シューマンの交響曲1番を聴きたいんだけど
(最近、シューマンの交響曲は流行らないのか演奏されない(涙))

毎年イースターってあまり天気が良くなくて
まぁ、その意味でもジャズっぽいコンサートは
気分が上向くかも。

ギョッ 😦

何ですかこのオーケストラの大編成は???
舞台一杯に広がるプレイヤーの群れ。
普通、イースター休暇って
クリスマスと同じように
皆さん、故郷に帰るんじゃないんでしょうか(謎)
テレビ収録があるから、ボーナスでも出るんだろうか?
・・・とか下賎な事を考えるワタシ(すみません)

しかもフルートの首席に座っているのは・・・
(以下省略。こういうの、日本人だと目敏いから
 誰かが気がついて大騒ぎしそうだが
 あのプレイヤー、もともとウィーン交響楽団のメンバーだったし)

キャンディード序曲。
しっかり締まった景気の良い演奏 ♡

ガーシュインのピアノ協奏曲は、ひたすらゴキゲン。
ティボーデのピアノが冴えて
リズム感も凄くて

でも面白いのがカデンツァで
これ、ガーシュインじゃなくて
ドビュッシーですか?って音色になってる(爆笑)

オーケストラも時々
ジャズではなくて
シンフォニーになってしまうのが
ちょっと微笑ましいというか、楽しいと言うか。

鳴り止まぬ拍手にアンコールやるよね、と思って
でも、ここでショパンとか弾いたら許さん、と考えていたら
何と、ティボーデとジョルダンの連弾!!!
しかもビリー・ストレイホーンとデューク・エリントンの「トンク」

うははははは
ジョルダンも忙しいだろうに
よくぞ、これをティボーデと練習したわ(感心)
ハンサム2人が手を交差させながら
ゴキゲンなジャズを弾く姿は
耳にもステキだが、眼福でもある(何となく妖しげだし(爆笑))

後半のパリのアメリカ人。
こういう容赦なくオーケストラを鳴らす曲の醍醐味は
コンツェルトハウスならではの楽しみ。
トランペットの首席が張り切る事 ♡

最後はバーンスタインのウエスト・サイド・ストーリーの
シンフォニック・ダンス。
名曲ですよ、これは。
途中で涙出て来たもん。
オーケストラもノリノリだし
ちゃんと指鳴らしも、マンボもやって
あのハチャメチャの乱拍子のルンバも見事。

う〜ん、こういうのは
超一流と言われている他のオーケストラではできんだろう。
(いや、出来るんだろうけど、リハーサルの時間がないだろうあそこは)

ウィーン交響楽団って
名人揃いの職人軍団と常々思っているのだが
ピリオド奏法の受難曲から
こんなジャズまで、隙なくこなせてしまうって
やっぱりすごい。

風邪を引いている人が多かったのか
あるいはテレビ関係で、音楽に興味のない人が多かったのか
結構、静かなところでの咳き込みが頻繁だったんだけど
すごく楽しめるコンサートだった。

ただ、貧民席の横に照明が付いていて
赤になったり黄色になったり
最後の列の私の場所に、しっかり当たって
コンサートの間中、眩しかったのには参ったわ。
カメラは客席は向いていなかったんだから
あんなところに照明を付ける必要はあったのか
オーストリア国営放送に聞いてみたいところではある。

明日はイースターの日曜日。
明後日は祝日で
これからヨーロッパは春の祝日が多いシーズンになる。

けど、もう少し天気が良ければなぁ、と
ちょっと残念に思っている私に
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1回目・・・と書いた通り
実は明日も同じコンサートに行く予定(笑)
受難の季節も過ぎて
これから、ガンガン、コンサートやらバレエやらに通うつもりです。

オネーギン 9回目(シーズン千秋楽)

Wiener Staatsballett 2017年4月12日 19時30分〜22時

ONEGIN
Balett in drei Akten von John Cranko
nach dem Roman in Versen EUGEN ONEGIN von Alexander Puschkin

振付・演出 John Cranko
音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski
編曲・オーケストラ編曲 Kurt-Heinz Stolze
舞台 Elisabeth Dalton
照明 Steen Bjarke
指揮 Guillermo García Calvo

オネーギン Roman Lazik
レンスキー Masayu Kimoto
マダム・ラリーナ Erika Kováčová
タチアナ Nina Poláková
オルガ Alice Firenze
乳母 Franziska Wallner-Hollinek
グレーミン侯爵 Alexis Forabosco

友人、農民、サンクトペテルブルク社会の人たち
Abigail Baker, Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butchko,
Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó
Kathalina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman,
Alaia Rogers-Maman, Carolina Sangalli, Anna Shepelyeva,
Rikako Shibamoto, Céline Janou Weder
Attila Bakó, Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marat Davletshin,
Marcin Dempc, Greig Matthews, Igor Milos, Gabor Oberegger,
Kamil Pavelka, Tristan Ridel, James Stephens, Richard Szabó,
Dumitru Taran, Arne Vandervelde, Jaimy van Ovreen, Géraud Wielick

オネーギン9回目。
今シーズンの千秋楽。

来シーズンのプログラムには入っていないので
当分の間、この美しい演目はウィーンでは観られない(涙)

読者も
こいつ同じ演目ばかり
何回観てるんだよ、と飽き飽きしているだろうが

今週は聖週間で
学校も休みで
コンサートたるもの、何もないのである!!!
(だからバレエばかり行っているのは
 私だけが悪いワケではない・・・いや私も悪いのだが(汗))

この演目
クランコの振付の美しさと言ったら
観れば観るほど素晴らしい。

舞台も、豪華絢爛から幻想的な部分まであって
衣装も色とりどりの美しさ。
群舞のフォーメーションの美に
アクロバット的なパ・ド・ドゥが
ストーリーの中にリアルに活かされて
古今東西のバレエの中でも
最も美しいバレエの一つであろう。
・・・・まぁ、そんなに言うほど観てはいないが(冷汗)

ニナ(ポラコヴァ)が美しい、というのは
この間、散々書いたけれど
彼女の美しさが際立つのは
グレーミンと結婚してからの最終場面。

グレーミンとのパ・ド・ドゥの
落ち着いた上品な美しさには息を飲む。
あの気品は、他のダンサーにはないものだ。

まぁ、その分
グレーミンと結婚して
それなりに貴族の奥さまで落ち着いて
幸せなんだろうなぁ、とか思えちゃうので

そんなに(男に)恵まれていて
それでもオネーギンに心を残してしまうのか
何と言う贅沢な奴だ
・・・というのはモテない老女の嫉妬ですが 😅

木本クンの見事なレンスキー。
いやもう、何てノーブル。
軸が全くズレないピルエット
動から静への鮮やかな移り変わり
品のある美しい身体のライン。

アリーチェのオルガのキュートさに
木本クンのノーブルの組み合わせ、最高だわ。

ローマンのダンスのしなやかさと演技にも目を奪われる。
まぁ、多少、女形化していないワケではないが
(だから最初にタチヤーナにそっけなくするところは
 リアルなのだが、最後の縋り付きが・・・)

チャイコフスキーの音楽の美しさ
編曲の見事さもあるけれど
イースター休みなのに
何でボクたち仕事なの?という
ちょっとグダグダ感が(以下省略)

まだ頭の中で音楽が鳴り続けていて
目の前にシーンが思い浮かんで
ボーッとして
現実に戻って来られないアホな私に
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国立オペラ座のバレエは
これから集中的に「白鳥の湖」
これもチャイコフスキーの美しい音楽に
ため息が出る程に美しい舞台になりそう。
・・・まぁ、ストーリーはあまりに荒唐無稽なんだけどね(笑)

ノルウェー国立バレエ団「カルメン」3回目(千秋楽)

Theater an der Wien 2017年4月11日 19時〜21時50分

CARMEN
Ballett in drei Akten (2015)

振付 Lian Scarlett
指揮 Per Kristian Skalstad
舞台 Jon Bausor
照明 James Farncombe

カルメン Yolanda Correa
ドン・ホセ Yoel Carreño
ミカエラ Leyna Magbutay
エスカミーリオ Shane Urton
フラスキータ Sonia Vinograd
メルセデス Lisa Nielsen
モラーレス Andreas Heise
ズニーガ Kári F. Bjørnsson
ジプシー Alberto Ballester, Martin Dauchez, Marco Pagetti

バレエ団 Norwegisches Nationalballett
オーケストラ Wiener KammerOrchester

できれば初日のキャストの方も
もう1度見たかったのだが
何せオネーギンとバッティグしてしまったので
日曜日のキャストの方でもう一回。

しかしまぁ、よく出来た作品だなぁ。
カルメンの別解釈による心理ドラマになっていると同時に
切ないラブストーリーあり
マッチョなシーンありで
様々な要素が見応えのある振付で
何ともリアルに踊られている。

緞帳はスペイン風のレースで
赤い照明でカルメン風の赤に見せて
舞台装置は、ちょっと田舎の場末の雰囲気のある
トラディショナルな感じのものだし

衣装がまた美しい ♡
色のバランスが見事で
フラメンコ風のドレスから
闘牛士の金色の糸を多用した贅沢な衣装まで
視覚的にも贅沢な気分が味わえて幸せになる。

ホセ役のダンサーが、やっぱり抜群に巧い。
あの優雅なラインでソロを踊られると
うわわわ、このダンサーで他のノーブル役を観たい、と
本気で思わせる。

カルメンとのパ・ド・ドゥのリフトも完璧で
最後のシーンのあんな激しい動きの中でも
しっかり役になりきっている上

日曜日に見た時の表情と
また違ってるんですけど・・・
という事は
このダンサー、計算して表情を作ってる訳じゃないのね?
その役になりきったところで
自然にあの表情が出てしまうわけ?

すごいな、才能って・・・
おバカな観客の私は、もう口を空けて感嘆する他ない。

カルメン役のダンサーの美しさに
目のチカラの強さ
それがホセとのラブシーンでウルウルするところ
もう見事にリアルで引き込まれてしまう。

ものすごく飛び抜けたスター性のあるダンサーという訳ではないが
国際的だし、様々なダンサーが居て、良いカンパニーだと思う。

あと、私の耳慣れかもしれないが
オーケストラが初日に比べて、格段に良くなった。

ウィーン室内管弦楽団は
コンツェルトハウスなどでチクルスを持ってはいるが
ウィーンのオーケストラの中では比較的地味な存在で
悪く言えば「伴奏オーケストラ」の仕事が多い。

が、伴奏オーケストラが出来ちゃうというのは
別の意味では、何でも弾けちゃうオーケストラでもある。

最初は伴奏に徹してしまって
ソロもあれ?という部分が結構あったのだが
今日は、ちゃんと「音楽」に聴こえて来たし

私が1回目と2回目で
言わなかったけれど、何じゃそりゃ、というソロ・パートが
本日は非常に美しく完璧に聴こえて来たのは
プレイヤーが必死に練習した成果か
あるいはプレイヤーのチェンジがあったのか(笑)

オーケストラ・ボックス見えないのでわかりません。
(それでもチケットは40ユーロもした。ウィーン劇場は高い)

でも、あの舞台装置から衣装から
全部、ノルウェーから持って来たのか、と思えば
たった40ユーロ(うううう)で
あの信じられない夢の世界を体験させてもらえたのは有り難い。

舞台芸術を観ていると
最前線に立って踊るダンサーだけではなく
オーケストラも指揮者も
大道具・小道具、照明や衣装、メイク・アップその他

ものすごい人数のスタッフが
緻密に計算して細かく気をつかって
作り上げる贅沢な総合芸術なんだなぁ、と
スタッフ全員に感謝したい気持ちで一杯になる。

何て贅沢な時代に生きていられるんだろう、と
神さまに感謝したくなっている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


オネーギン 8回目

Wiener Staatsballett 2017年4月10日 19時30分〜22時

ONEGIN
Balett in drei Akten von John Cranko
nach dem Roman in Versen EUGEN ONEGIN von Alexander Puschkin

振付・演出 John Cranko
音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski
編曲・オーケストラ編曲 Kurt-Heinz Stolze
舞台 Elisabeth Dalton
照明 Steen Bjarke
指揮 Guillermo García Calvo

オネーギン Roman Lazik
レンスキー Masayu Kimoto
マダム・ラリーナ Erika Kováčová
タチアナ Nina Poláková
オルガ Alice Firenze
乳母 Franziska Wallner-Hollinek
グレーミン侯爵 Alexis Forabosco

友人、農民、サンクトペテルブルク社会の人たち
Abigail Baker, Elena Bottaro, Marie Breuilles, Natalya Butchko,
Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Erika Kováčová, Zsófia Laczkó
Kathalina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman,
Alaia Rogers-Maman, Carolina Sangalli, Anna Shepelyeva,
Rikako Shibamoto, Céline Janou Weder
Attila Bakó, Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marat Davletshin,
Marcin Dempc, Greig Matthews, Igor Milos, Gabor Oberegger,
Kamil Pavelka, Tristan Ridel, James Stephens, Richard Szabó,
Dumitru Taran, Zsolt Török, Arne Vandervelde,
Jaimy van Ovreen, Géraud Wielick

オネーギン8回目。
自分でもよく飽きないと思うけれど
舞台はその場その場の一瞬が芸術で儚いものなので
何回観ても
その度に、自分に訴えかけてくるものや
舞台での美しいものが違うので面白いのである。
(こじつけと言うなら言え・・・と開き直っている)

今回のタチヤーナはニナ(ポラコヴァ)
レンスキーが木本クン。

で、驚いた。

ニナ(ポラコヴァ)って、なんてキレイなの。

確かに表情のバリエーションは少ないのだけれど
身体のラインが美しくて
仕草の一つ一つの細かい部分まで美しい。

この間、ちょっとした事で
チラッと思ったのだが
このダンサー、ものすごい努力家だと思う。

しかも、とことん追求して考えて
自分で完璧と思うまで、細かい部分まで
緻密に計算して舞台にあがって

舞台で踊る時には
それ以前の努力を全く感じさせないほどに
自然な美しい動きを身体が自動的に語り出すというタイプ。

確かにその片鱗はライモンダでも感じたけれど
今回のタチヤーナの美しさには息を飲んだ。

しかも賢そうで品があって
それもきっと事前にとことん考え抜かれたものだと思うけれど
舞台で圧倒的に映える上品な美しさには度肝を抜かれた。

ローマンはこのシリーズでは
ずっとオネーギン役を踊っていて
こなれたものなのだが
何と言うか
こっちはこっちで美し過ぎて
あまりに優雅過ぎて
しかも表情があまりに空虚過ぎて

・・・この人、実は女性に興味ないよね
とか言うのがバレバレ(すみません)

イメージとして、アルミードの館のディアギレフが凄かったから
その印象を私が引き摺っているのかもしれないけれど
あまりにも優雅過ぎて
ちょっと女形と化しているところが・・・

ただ、今回、私がぶっ飛んだのは
ニナの美しさに加えて

木本く〜ん!!!!♡

最初の頃から、何てノーブルなダンサー、と思ってはいたが
木本クンのレンスキー、凄かったです。
実に美しい身体のラインに
オルガ役のアリーチェがまたチャーミングで

しかも木本クン、アリーチェをリフトしてから降ろす時に
最後、少しだけ速度を落として
本当に優雅にアリーチェを立たせるんですもん。

何ですか、あの高等テクニックは。
ほんの少しの速度のコントロールで
アリーチェのチャーミングさが際立つのだ。

パ・ド・ドゥって
男性はただの持ち上げ役じゃないか、と思っていたら
とんでもない誤解でした。無知だったワタクシをお許し下さい。

決闘前のレンスキーのソロは
ピルエット続きの
しかも激しい動きから急激に静に変わるという
非常に難しいソロなのだが

これが圧巻。

あの速度での連続のピルエットを
全くズレず、完璧にその場で
見事な身体の芯で見せてくれて
動から静への移動も、全く乱れがなく
優雅に高雅に、ゆったりと余裕を持って見せるアラベスクって

デニスもズレないピルエットを見せてくれるが
デニスの荒々しさとは違って
木本クンは、あくまでも滑らかで自然でノーブル ♡

加えて、オルガやタチヤーナを振り切って
決闘に臨む時の苦渋の表情。

木本クンって、あんな表情できたんだっけ?
今まで見た事ないぞ。

もともとノーブルなダンサーだったけれど
ノーブルさはそのままで
ダンスの芯がしっかり通って
テクニックをテクニックと感じさせない
芸術表現までモノにして来た。

すごい伸び方・・・
これからが、何かむちゃくちゃ楽しみになって来たぞ。

でもウィーン国立バレエ団って
ここ数年で、どんどん良くなって来て
コールドの群舞の見事さや
第2幕での「ご老人」たちの演技の巧みさも加わって
どの演目を観ても
世界トップの水準で楽しめる(断言)

あぁ、バレエ追い掛けて来て良かった♡
(貧民席しか買えませんが・・・)

惜しむらくは
え〜っと、そのですね
天下のウィーン・フィルさまの悪口言っちゃいかんのだろうが

オーケストラが
おいおいおい、今日はどうなってるの
というくらい、グダグダで
時々、ギャッと喚きたくなるズレとかあって

まぁ、バレエ公演の時はそういう事もあるんだけど
それでもオーケストラに
一番大きな拍手が出るのに
納得いかない私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



オネーギンの先シーズンで収録したクリップを貼っておく。
オネーギンはローマン
タチヤーナがニナ(ポラコヴァ)
レンスキーはデニスで、オルガが橋本清香さん。
短いクリップですが、お時間のある方はぜひどうぞ ♡


ノルウェー国立バレエ団「カルメン」2回目

Theater an der Wien 2017年4月9日 19時〜21時50分

CARMEN
Ballett in drei Akten (2015)

振付 Lian Scarlett
指揮 Per Kristian Skalstad
舞台 Jon Bausor
照明 James Farncombe

カルメン Yolanda Correa
ドン・ホセ Yoel Carreño
ミカエラ Leyna Magbutay
エスカミーリオ Shane Urton
フラスキータ Sonia Vinograd
メルセデス Lisa Nielsen
モラーレス Andreas Heise
ズニーガ Kári F. Bjørnsson
ジプシー Alberto Ballester, Martin Dauchez, Marco Pagetti

バレエ団 Norwegisches Nationalballett
オーケストラ Wiener KammerOrchester

昨日、散々ネタバレはしてしまったので
内容はわかっているけれど
しつこい私は、また行く(すみません)

本日はキャスト違い。
しかも14ユーロの安い席なのに
(昨日は40ユーロだった)
2階席の後ろという良い場所

・・・・と思ったら
柱が前にあって、舞台が見えないのか、この席は。
安いものには理由がある。
フォルクス・オーパーの柱の後ろの席なんて
むちゃくちゃ安いのに(一桁台だ。ウィーン劇場とえらく違う)

最後列なので、椅子を立てて
そこに腰掛ければ、柱部分は除いて舞台は見える。
ただし、30分その格好で見ていると
お尻がむちゃくちゃ痛くなる(が貧民席はそ〜いうもんだ)

本日のダンサーは
ホセもカルメンもキューバ出身。
いやはや、バレエ団って本当に国際化しているなぁ。
(ウィーン国立バレエだってウィーン出身ほとんどいないし)

カルメン役のダンサー
顔が大きいけれど、すごい目のチカラ。
バランスを崩すほど大きい目というのではないのに
吸い込まれるような輝きがある。
ダンスも空間が広くて華やかで
情熱的なカルメンの役にぴったり。

ホセ役は最初に出て来た時には
実は、何じゃこりゃ?と思ったのだ。

だって、若くないし
顔は精悍なんだけど、痘痕があって
メイクしてないし(しているんだろうがよくわからん)
何か地味だし、目立たないし、情けなさそうだし。

・・・言いたい放題でごめんなさい。

ただ、このダンサーの身体のラインは
ものすごく美しい。
一つ一つのパが安定していて
ものすごく美しいラインでバランスを取る。

ひええええ、もしかしたらこのダンサー
デグリューとか
ロメオとか
ジークフリートとか
アルブレヒトとか踊らせたら
むちゃくちゃ巧いんじゃないだろうか。

イケメンじゃないのに
踊るラインはむちゃくちゃ優雅。

で、イケメンじゃないだけに
表情がまた豊かで
ボク、イケメンだから、そんな顔できない、というような
とんでもない表情を臆す事なく見せてくれるので
これはもう、ダンスを越えた演劇になってしまっている。

ホセが何かものすごく魅力的 ♡
うわあああ、ダンサーって顔だけじゃないんだわ。

エスカミーリオは本日は演歌歌手ではなくて
北アメリカ出身の若いイケメン(笑)が踊った。

これがまた
ボク、イケメンよ、というのをしっかりわかっている人で(笑)
この人、本当はダンス・ノーブルかもしれない。
エスカミーリオ、しかも、この解釈での荒々しさはあまりなくて
自分に酔ってる闘牛士のトップのツンケンさは
かなり良い感じで出ていた。

圧巻は最後のカルメンとホセの PDD で
昨日はカルメンがあまりに美し過ぎて
ホセが霞んじゃったけれど

今日は両方とも
ほとんど本気と言うか
役に嵌ってのめり込んで
カルメンとホセになっちゃったというか

特にホセが・・・鬼気迫るダンスと演技だった。

カルメンの引き裂かれる女心も充分に表現されていて
見事だったけれど
それに引き回されて
混乱して
愛と憎しみが交差するホセが
ナイフを取り出してカルメンを殺した後

やっと俺のモノになった
・・・えっ? もしかしたら、俺、人を殺しちゃった?
あああっ、カルメン死んじゃったの?

というような
複雑なホセの心理状態が
実にリアルなダンスと表情で表現されると
観ている方も、心理が手に取るようにわかる。

こういう解釈のカルメンって
カルメンでありながら
マノンあり、ロメオとジュリエットあり、オネーギンありで
ついでに私の妄想かもしれないが
音楽もビゼーのカルメンとアルルの女以外に
何か、ヘンなモノが入ってないか?
(トスカとかマノンとか聴こえてくる気がするのは何故だ?)

いや〜、実に見応えのある作品 ♡
ついつい頭の中では
これをウィーンでやるなら
どのダンサーをどの役でやったら良いだろう、と
アホな妄想に浸っている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



今日、ミカエラを踊った日本人ダンサーは
昨日はフラスキータを踊っていた。
手足が長くて、すごく目立つ華のあるダンサーで素晴らしかった。

ノルウェー国立バレエ団「カルメン」1回目

土曜日はダブル・ヘッダーでした。
時系列で読みたい方は、一つ下の記事からお願いします。

Theater an der Wien 2017年4月8日 19時〜21時50分

CARMEN
Ballett in drei Akten (2015)

振付 Lian Scarlett
指揮 Per Kristian Skalstad
舞台 Jon Bausor
照明 James Farncombe

カルメン Julie Gardette
ドン・ホセ Kaloyan Boyadijiev
ミカエラ Emma Lloyd
エスカミーリオ Aarne Kristian Ruutu
フラスキータ Leyna Magbutay
メルセデス Miharu Maki
モラーレス Andreas Heise
ズニーガ Kári F. Bjørnsson
ジプシー Alberto Ballester, Martin Dauchez, Marco Pagetti

バレエ団 Norwegisches Nationalballett
オーケストラ Wiener KammerOrchester

ノルウェー国立バレエ団の客演公演の2番目の演目。
実は上記以外にも、数多くのバレエ・ダンサーが出演するのだが
早く内容を書きたいので、ダンサー名は省略する。すみません。

この公演、ダブル・キャストで
4月9日・10日・11日にも上演されるので

これから行く方はネタバレになるので
この記事は読まないで下さい。

******* 注意・ここから先、ネタバレです ********

最初は本当に普通に始まったのである。
音楽はビゼーのカルメン以外にもアルルの女を使ったり
序曲は演奏せずにいくつかのテーマだけ演奏して
そのまますぐに舞台のバレエが始まったりしたが

ビゼーのオペラ、カルメンと同じ設定で
タバコ工場で、女性たちが大騒ぎして
警官や軍隊が出て来て
カルメンが逮捕されて
ホセを誘惑して逃げるのも同じ。

ダンスはかなりクラシックで
これなら、ウィーン国立バレエ団でも充分踊れると思った。

その意味では
この間の「幽霊」の方がずっとモダンで
度肝を抜くような気味悪さとか
ダンス的にもアクロバティックな部分も多く
ノルウェー風味とか
バレエ団の特質とかは、色濃く出ていたと思う。

カルメンを踊ったダンサーが魅力的 ♡
どこのバレエ団も国際的になっていて
このダンサーはフランス人。
身体も美しいし、美人だし
パッと観た時にピカッと光る華がある。

対するホセはブルガリア出身のダンサー。
出て来た時には、地味でパッとしない印象だったが
ホセという役柄上、それは仕方ないのかも(笑)

このダンサー、体型がクラシックっぽくなくて
ちょっと筋肉質のガッチリした体型で
普通の男の子っぽいところが、またホセの役柄に合っていて
何か、情けない感じが憎めない。
(他の警官役のダンサーの方がずっとクラシック体型だった)

ミカエラ役はウェールス出身。
いや、本当に国際色豊かだな。
ちょっと歳行ってる感じだけど
最初の登場の時から、あどけない純粋さを纏って
パッと見て、すぐにミカエラだとわかるところなどは
細かい演技が非常に巧いから。

いつになったらネタバレするんじゃ、とお怒りの読者さま。
これからです(笑)


***ここから先を読まれる方はネタバレ覚悟で***


さて、なんだ普通じゃん、と終わった第1幕の後
第2幕は街の酒場である。
登場するのは闘牛士とエスカミーリオ。

カルメンは、まぁ、役柄通りに
男を弄んで、エスカミーリオにも色目を使っているが

そこに飛び込んで来た
ボロボロになったドン・ホセ。

カルメン、最初は冷たいんですよ。
なにアンタ、職を失ってワタシのところに来ちゃったの?
という態度で軽蔑しているのだが

ドン・ホセがカルメンからもらった赤い花を
大事に大事に持っているのを見て

あら、この人、本当に私の事が好きなんだわ ♡

とほだされてしまうのである(あらビックリ)
しかも、そのまま
本気のラブシーンに突入するのである(あらビックリ)

まぁ、そこまでだったら
その後、色目使ったエスカミーリオと恋仲になって
ホセを手ひどく振る、という展開もアリなのだが

ホセへの愛に目覚めたカルメンのところに
突然現れるエスカミーリオ。

カルメンはホセを愛しているので
エスカミーリオに言い寄られて、嫌がっているのだが
嫌がって嫌がって嫌がっているのを
この恥知らずの闘牛士はレ○プしちゃうのである。

・・・おかしいぞ、カルメンってそういう話だったっけ?(イヤ違う)

嫌いな男に無理やりされてしまって
深く傷ついたカルメンのところに現れるミカエラに
ホセへの手紙を渡すカルメン。

ええええっ
カルメンって
イヤな男にやられちゃったから
傷ものになった私より
愛してくれるミカエラのところにホセが帰るように
涙ながらに(本当は愛している事を隠して)
あんたなんか嫌いよ、とか言う手紙を書いちゃうわけ?

微妙にストーリーが変わって来てるぞ。

ところが、この伏線が
最後の最後でものすごい効果を出すのだ。

第3幕は闘牛場のシーン。
エスカミーリオと闘牛士たちの華やかなダンス。
上手(かみて)の舞台前には
倒された牛まで居るし(笑)

エスカミーリオの花嫁として現れるカルメン。
やられちゃったので仕方なく結婚する、というシーンで
白いウエディング・ドレスなのに
表情は虚ろなまま。

本当に愛するホセとは結ばれず
ヤクザな闘牛士の嫁にならなければならない
でも、私みたいな女には
仕方ない運命なのね、という諦めの境地。

そこに現れるホセ。

ホセは振られたと思っているし
カルメンは、ホセのためには自分を悪者にして
ミカエラのところに返してあげなくちゃ、という
必死の思いでホセを拒絶するのだが

抑えられない欲情・・・
でも欲情のままにホセに告白出来ないカルメン。

この最後のパ・ド・ドゥの
カルメンの心理の表現がむちゃくちゃ凄いのである!!!!

いやはや、振付師、よくぞここまで考えた。
確かに、ただの悪女の浮気女の
誰にも縛られない自由でイヤな女カルメンだったら
この最後の引き裂かれるパ・ド・ドゥの表現はなかっただろう。

わ〜い、オネーギンのタチヤーナだ
・・・ってちょっと違うが
それなりに心理的には似たものがある。

うわ〜、このカルメンの役
ダンサーにかなりの演技力がないと無理だわ。

リフトなんかは、すごいアクロバットもあるのだけれど
それよりも、引き裂かれる女心の複雑な移り変わりを
それぞれのパに託して踊らねばならない。

それに比べれば
ホセは、そこまで心理的な深みは必要がない。
最初から最後までカルメンに惚れているだけで
カルメンの複雑な抑制の感情を受け止める器のない男だから(笑)

いやもう、カルメンの心情が手に取るようにわかって
そのいじらしさに、ズッポリ同情してしまったわ。

こんなカルメン見た事ない。

最後の打ち拉がれたカルメンの
壮絶な美しさには息を飲んだ。

カルメンをレイ○するエスカミーリオ役のダンサーは
フィンランド人ダンサーだが

どう見てもアジア系の顔立ちで
顔が大きくて、がっしりしていて
足が短い。

人の体型とか顔立ちをなんだかんだ言うのは失礼とは承知しているが
ダンサーは顔も身体も見どころの一つなので
遠慮なく言っちゃうけど
堂々としていて、ダンスも巧いし
華やかでパッと目立つのだが
どう見ても
もみあげを付けた三波春夫にしか見えない。
(本当に顔がそっくりなんです)

だから何なの?と言われれば
私も困るんだが
エスカミーリオが登場する度に
「お客さまは神さまです」とか頭の中で響いちゃうと(以下省略)

(ちなみに4月10日が同じキャストです。私は行けないけど)

何だ、ただの普通のカルメンかよ、と思っていた私は
最後は呆然として
カルメンじゃないカルメンに感情移入してしまって
涙こぼれそうになって劇場を出て来た。

来週は何かバレエばっかりで
しかも木曜日も金曜日も夜の予定は何もないが
・・・と不思議に思っていたら
来週はキリスト受難の最後の週で
4月14日が聖金曜日(イエス・キリストの磔刑の日)だった。

そりゃ来週から学校は休みだし
聖金曜日はコンサートもオペラも何もない。
(クリスマス・イブみたいなものである)

イースターからは
またせっせとコンサートに通う予定の私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


ウィーン・フィル + アダム・フィッシャー

Musikverein Großer Saal 2017年4月8日 15時30分〜17時30分

Wiener Philharmoniker
指揮 Adam Fischer
バイオリン Ziyu He

Franz Schubert (1797-1828)
 Ouvertüre zu der Oper “Fierrabras” D 796
Béla Bartók (1881-1945)
 Konzert für Violine und Orchester Nr. 2, H-Dur, Sz 112
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
 Symphonie D-Dur, KV 504 “Prager Symphonie”

ウィーン・フィルの土曜日定期。
バイオリニストが出るようで
名前からすると中国人。
今まで名前を聞いた事もない人だし
後半は爆睡モーツァルト。

何となく気が乗らないまま行ったのだが

アダム・フィッシャー、素晴らしい ♡♡♡

御歳67歳で
もう音楽好きで好きで、むちゃくちゃ好きで
というのが伝わってきて
駆けって舞台に出て来て
嬉しそうに指揮台に飛び乗るキュートさ。

シューベルトのフィエラブラス序曲は
丁寧にシューベルトらしからぬドラマチックさを持って
しかも、音楽の端々から迸るような優しさが降ってくる。

うわああああ、何てチャーミングなシューベルト。

さて、誰だこれ、と思っていたバイオリニスト
Ziyu He は17歳。

中国出身でザルツブルクのモーツァルテウムの学生で
あちこちのコンクールで優勝しているみたい。
カワイイ顔立ちの真面目そうなバイオリニスト。

え〜っと、う〜ん、何と言うか
技術的には優れている・・・んだろうけど
バイオリンの音、響いて来ないし
内向的? それともデビューなのであがっているとか?
いや、わからないけれど
そんなに特筆すべき演奏には聴こえて来ないんだけど(困惑)

いや、もちろん私、バイオリンについては全くわからないし
ましてやバルトークのバイオリン協奏曲について
何も言えないのだが
それにしたって、一本調子だしニュアンスないし

何故かコンツェルトハウスでも
このバイオリニストの宣伝をガンガンやっている。

いや、邪推してしまうと
これ、政治絡み、経済絡みがかなりあるんじゃないか?

もちろんスゴイ才能なんだろう、きっと。
ウィーン・フィルのメンバーも特に管楽器が
楽器を置いて拍手していたくらいだし。

でも納得いかん(すみません)

アンコール1曲目は良かったけれど
かと言って
他のバイオリニストみたいに
豊かで音楽的な美しい響きがホールを満たす
という感じではなかった上

何とアンコール2曲目に
アルハンブラを弾き出した。

カヴァコスの演奏で何回か聴いた事があるけれど
これ、確かに超絶技巧ですよ。

超絶技巧をバリバリ弾いているのは良くわかるけど
音が出ていないので
痩せた感じの、ただの超絶技巧
しかも小さな音でブルブル震えているだけに聴こえてしまう。

すみません、言いたい放題で。
もちろん、ド・シロートの個人的感想だから
これからどんどん世界に出ていく演奏家になるかもしれないが
私はどうも苦手。

後半のモーツァルト
モーツァルト反射的爆睡体質の私なのだが

すごい!!!
このモーツァルト、すごいです!!!

古楽器のピリオド奏法ではなく
ちゃんとモダンの演奏なんだけど
活き活きとして、音楽そのものが生きていて

あぁ、これって
当時のエンターテイメント音楽ではあったんだけど
こうやって聴くと
今でも充分にエンターテイメント音楽になってる。

しかも、エンターテイメントでありながら
そこに突然心理的に深い部分が
隠れながらも現れて、時々、ギョッとさせられる。

アダム・フィッシャーのハイドン、私は好きなのだが
あのハイドンのイタズラ心たっぷりの遊びが
モーツァルトの音楽の中にも躍動しているのがわかる。

第3楽章に入る前に
オーケストラのみんなに、指揮台から
テンポは早くね、マキマキだよ、みたいな指示を出していたけれど
この楽章のテンポが絶妙で
音楽そのものが、現代に息づいて
この上もない楽しみを与えるものとして、そこにあるのがわかる。

う〜ん・・・まさかと思ったけれど
私のモーツァルト爆睡体質は
こういうとんでもない名演を聴くと治るのかも。
ともかく飽きさせない集中力で
とんでもなく楽しい瞬間を繋いで行くので
ワクワクしながら聴けちゃうのである。

恐るべしアダム・フィッシャー・・・

名指揮者の演奏を聴いていると
ほんの数回だけだけど
指揮者の「愛」が音楽に形を変えて
聴衆に届けられる瞬間がある。

故ジョルジュ・プレートルの指揮する演奏からは
限りない愛が聴衆に届いたけれど
アダム・フィッシャーの指揮する演奏からも
時々、優しさを纏った深い愛が降りてくる。

そういうコンサートを聴けた聴衆は
本当に幸せだと、つくづく思う私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。


国立オペラ座 メデア 2回目

Wiener Staatsoper 2017年4月7日 19時30分〜21時45分

Aribert Reimann
MEDEA
Oper in vier Bildern
Auftragswerk der Wiener Staatsoper

指揮 Michael Boder
演出・舞台・照明 Marco Arturo Marelli
衣装 Dagmar Niefind

メデア Claudia Barainsky
クレウサ Stephanie Houtzeel
ゴーラ Monika Bohinec *
クレオン Norbert Ernst *
イアソン Adrian Eröd
ヘロルド Daichi Fujiki *

Orchester der Wiener Staatsoper

アリベルト・ライマンのメデアは
2010年12月7日に鑑賞したが
それがあまりに良かったので
再演されたのを機会に、もう一度鑑賞する事にした。

いやもう、心に染みると言うか
他人事じゃないと言うか

メデアのストーリーは有名だが
国際結婚あるあるネタみたいなもので
メデアだって自国では王女さまだったのに

外国に来てみれば
愛した男性は
メデアのアイデンティティには全く敬意を払わず
自分の保身ばかり考える暴力男に成り果て

それでも健気にイアソンの気を引こうと
色々と努力はするが
(ここが健気でキュートなのである。
 女心って、こういうモノなのよ。
 イアソンはわかっとらん!!!)

2人の子供からもソッポを向かれ
クレウサという外国人に子供を育てさせたらいけない、と
子供を殺し
クレウサを焼死させ(コワイっ!)

すべてをなくしたイアソンが
金羊毛皮を持ったメデアの関心を引こうと
ボロボロになりながら
愛してるとか泣きつくのだが

そこのメデアのセリフがスゴイ。

貴方にとっては死が最も苦痛なのね

・・・すごいな。
メデアは死以上の苦しみを味わったと言う事だ。

確かに描かれるメデアの境遇は
故郷を捨てて異国で暮らす我々の心に染みる(涙)

原作としたのはグリルパルツァーの金羊毛皮で
これはブルク劇場で演劇として鑑賞した事がある。
(むちゃくちゃ現代演出で、最初は日付を間違えたかと思った)

歌手が粒ぞろいで素晴らしい。
メデアを歌ったクラウディア・バラインスキーは
以前のメデアでもタイトル・ロールを歌っていて
低音からコロラチューラの高音まで澄んだ声で
アジリタも難なくこなし
しかもキュートで、いじらしくて
その上、最後のイアソンを捨てるシーンでは
凛として自立した女性まで表現してしまう。

ゴーラのモニカ・ボヒネッツのメゾも
厚みのある声で非常に通る。
カウンターテノールの藤木大地も
声量もあって、語りも見事だった。

イアソンのアドリアン・エレートは
こういうイヤな男の役をやらせると
ものすごく陰険で、むちゃくちゃハマる。

高めのバリトンだが、発音はクリアだし
陰険さと秘められた暴力性が危険な匂いを発して
最後の情けないボロボロの状態でさえ
俗物の匂いがプンプンして
鼻持ちならないイヤな奴(あ、役がそういう役です(笑))

クレオンを歌ったノルベルト・エルンストは
国立オペラ座のアンサンブルのテノールで
何回も舞台で見た事があって

特に「ナクソス島のアリアドネ」の
自分でも踊っちゃうコミカルなダンス教師の役が巧くて
そのイメージで見ちゃうと
こういうシリアスな役だとギョッとするけれど
堂々としていて、きっちり役をこなしている。

クレウサのステファニー・ホーツェルもステキ。
これは悪役ではないけれど
やはり何も考えていない俗物のお姉さん。
メデアとのシーンでは
悪い人じゃないんだけど、感受性ないよね、というのを
巧く演じていて雰囲気があって魅了される。

音楽は、もちろん現代音楽だけど
オーケストラのトゥッティの爆発は注意深く避けて
オペラの伝統を引き継いだ
声を殺さない(ヴェルディあたりはこれが巧い)オーケストラになっていて

いやこの音楽、スゴイですよ。
不安とか、メデアの抱く孤独とか
登場人物の心理を
細かい部分まで、しっかり音楽で語ってくる。

なんかもう、最初から最後まで圧倒されっぱなし。
舞台は暗いし、陰鬱で、SF みたいで
右側の箱がギリシャ世界の象徴で
地面は石だらけで
この石が、メデアの心理状態が追い詰められるに連れて
どんどん下に落ちてくるのだ。

メデアの孤独、孤立に
心情的にすっかり同調してしまって
最後に子供を殺し
クレウサを殺して
ボロボロになったイアソンを捨てて
颯爽と去っていくところに
暗いながらもある意味のカタルシスを感じて

ううう、内容も音楽も
歌手も素晴らしくて
久し振りにライマンのオペラ観たけれど
やっぱり良いわ〜と
感激しまくっている私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。



同じキャストで、4月にあと3回上演されるので
(チケットは高いチケットしか残ってないけど)
ウィーン在住の方、ぜひご覧下さいませ。
異国に暮らす者には、本当に心に染みます・・・

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