ウィーン放送交響楽団 + オールソップ

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    Radio Kulturhaus Wien Großer Sendesaal 
    2020年10月21日 19時30分〜20時30分

    Gustav Mahlers Blick auf Schumann
    Schumanns Symphonie Nr. 3 Es-Dur op. 97 „Rheinische“
    mit Instrumental-Retuschen von Gustav Mahler

    ORF Radio-Symphonieorchester Wien
    指揮 Marin Alsop

    司会・解説 Christoph Becher, Teresa Vogl

    熱心な読者はご存知の通り
    楽友協会で予定されていたロイヤル・ストックホルム管弦楽団のキャンセルで
    大急ぎでプログラムを調べていたら

    ラジオ・クルトゥーア・ハウスでの
    Klassische Verführung クラシックへのお誘いで
    ウィーン放送交響楽団のコンサートがあった \(^^)/

    題名でお分かりの通り
    ローベルト・シューマンの交響曲3番ラインに
    グスタフ・マーラーが手を入れた曲の演奏。

    最初にウィーン放送交響楽団のインテンダントのベッヒャーと
    文化担当アナウンサーのテレサ・フォーゲルが、曲の解説。

    普段だったら、あ〜、もう知ってる事だから別に、と
    斜に構えてしまうのだが

    2000カ所も加えたマーラーの加筆箇所のいくつかを
    オーケストラの演奏付きで聴かせてもらえるなんて・・・

    まずはシューマンのオリジナル
    その後、何処を変えたかについての説明があって
    マーラーの編曲版。

    うわあああ、しかも、こういう断片を
    オーケストラのライブで聴けちゃうなんて(感涙)

    音楽の才能ゼロ、記憶力はほとんどゼロ
    感受性ゼロの私なのだが
    確かに解説聞いてからマーラー版を聴くと
    あ、あは、あはは、ここか 💡

    モチーフの繰り返しを
    木管から金管に移して強調したり
    強弱記号やフェルマータでニュアンスを弄ったり
    ホルンに弱音器を付けて演奏させてみたり

    マーラー自身は、曲を変えようというのではなく
    もっとクリアに、効果的に、というのを狙ったようだ。

    当時はリヒャルト・ワーグナー全盛期で
    ワーグナーのコテコテのオーケストレーションに
    音楽家が、みんな大騒ぎしていた時期なので
    (少ない例外もいます(笑))

    シューマンのオーケストレーションが
    あまりに素朴だろう、という事で
    現代の(=その時代の)聴衆の好みに変えるという意図があったらしい。

    演奏される機会は珍しいのだが
    実は私は何年か前に
    シャイーとゲヴァントハウス・ライプチヒが
    楽友協会で、このマーラー編曲版のシューマンを
    全曲演奏したのを聴いた事があり

    その時、あまりに面白かったので
    CDも買っちゃったりして f^_^;

    シューマンのオリジナルのスタディ・スコアは持っているが
    マーラーの編曲版までは、もちろん持ってない。
    (マーラーの版権は、まだ消えていない)

    耳だけで違いがわかる程、音楽的能力は持っていないが
    時々、オリジナルと違う箇所が目立ったりすると

    わっはっは、マーラーが真剣に遊んでいる

    ・・・いや、本人はきっと遊んでいると思っていなかったと思うけど
    これ、とんでもなく楽しい作業だったのではないか。
    手を入れながら、ニヤニヤ満足そうに楽譜を見ている
    マーラーの顔が思い浮かぶようだ(妄想爆発中)

    第1楽章、第2楽章、最終楽章(2つの部分に分かれるけど)
    いくつかの部分を、解説付きで
    シューマン版、マーラー版を聴いた後

    最後にマーラー編曲版シューマンの交響曲3番を通しで演奏。

    オーストリア国営放送の大ホールは
    実は、かなり音響が良い。
    (そりゃ録音用ホールだから悪いわけがないんだけど)

    観客は、年配のクラシック通みたいな人が多くて
    多少の年配カップルに有り勝ちな小声のお喋りはあるけれど
    咳とかする人いないし、全体的にマナーは良い。

    COVID-19予防の規制で
    隣の席は空いているし
    このホールの椅子はレザーで、ふかふかで
    幅も広い上に、座るところも深くて
    もちろん、全く軋るなどの雑音もない。

    いやもう、すみません、これ、天国だわ ♡
    (あまりに天国過ぎて、第1楽章の途中で意識不明になった。
     オーケストラから見えていたかも・・・ごめんなさい)
    しかも、やっぱりマーラーの編曲版、絶対に面白い。
    途中で、ついついニヤニヤしてしまう。

    ウィーン放送交響楽団の次のコンサートは
    楽友協会でヘンツェのオーストリア初演曲と
    シューマンの交響曲4番。
    (楽友協会のサイトには記載されていないが
     これも、マーラーの編曲版。
     知らない人が来たら、びっくりするかも(笑))

    オールソップは手元に紙を用意して
    インタビューにドイツ語で答えていて
    「こういう編曲版を演奏する、というのは
     どう思いますか?」と聞かれ
    「私はヘンデルのメシアのジャズ版を指揮した事もあります。
     その時々の聴衆や社会的な要素で、音楽が変わる事もあると思います。」
    との事。(メシアのジャズ版って何だ?それ、聴いてみたい(笑))

    有名な音楽に手を加えるなんて
    中世の頃から、みんなやっていたし
    ベートーベンだって、人のモチーフ使って
    バリバリの自分の変奏曲を作曲しているし
    版権のなかった頃はやりたい放題だったし

    それにオリジナルも残り
    マーラー版も残り
    そのうち、ジャズ・バージョンとか(いやそりゃ無理だろ(笑))
    それも、時代の流れとしては面白い。

    日本大使館からのメールによれば
    21日15時の時点で24時間で2411名の新規感染者
    ウィーンで、前日比で+692名。
    入院患者数、集中治療室での患者もどんどん増えていて
    死亡数は925名になった。

    お隣のチェコは24時間で12000人の新感染者が出て
    このままだと、11月初旬に医療崩壊が起きる危険性があるとの事で
    明日、10月22日からロックダウンに入る。

    オーストリアも、感染者の数はどんどん増えていて
    いったい、どこで感染するのか
    (家庭内とかプライベートが多いらしいが)
    もう、本当にワケがわからなくなって来ている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    この Klassische Verführung って、1時間で収めているので
    ラジオで放送するのかと思っていたんだけど
    ラジオテークで見つからない・・・
    見つかったら、もう一度、聴いてみたい。
    聴き比べ(しかもナマのオーケストラで)って滅多にないチャンスだし。

    ウィーン・フィル + ゲルギエフ

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      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年10月19日 19時30分〜21時30分

      Wiener Philharmoniker
      ピアノ Denis Matsuev
      指揮 Valery Gergiev

      Sergej Prokofjew (1891-1953)
       Klavierkonzert Nr. 2 g-moll op. 16 (1912-13/23)

      Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
       Symphonie Nr. 6 h-moll op. 74 „Pathétique“ (1893)

      午前中にメールが入って来て
      楽友協会で、20日・21日に公演予定だった
      ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック・オーケストラが
      ウィーン公演出発前にメンバーのPCR検査をしたら
      何人かが陽性で、公演をキャンセルとの連絡。

      ううう、恐れてはいたが
      突然、2日間もナイト・ライフが空いてしまった。

      国立オペラ座の新演出版「後宮からの脱走」は、高いチケットしかないし
      第一、モーツァルトのオペラに興味ないし
      フォルクス・オーパーの「魔笛」は、既に他の日のチケットを買ってあるし

      何とか、水曜日だけは救ったけれど
      (何に行くかは敢えてここには書きません(笑))
      明日の夜は、久し振りに自宅で・・・何する?
      (勉強しなさいっ!!!)

      さて、コンツェルトハウスのマイスター・ヴェルクのチクルス
      1回目のコンサート。
      隣の席は当然ながら空けてあるけれど
      周囲には、うはは、常連さんが多い。

      ウィーン・フィル+ゲルギエフなので
      土・日と同じプログラムだと思っていたら、違った。

      日本公演でも予定されている
      デニス・マツエフのピアノでの、プロコフィエフの協奏曲2番と
      チャイコフスキーの交響曲6番「悲愴」

      プロコフィエフのピアノ協奏曲2番。
      ワタシは派手な3番の方が好きなので
      ぶっ飛んでる2番は苦手なんだけど

      マツエフのピアノが・・・す・ご・い !!!!!
      あまりの強靭さと色彩で
      オーケストラが間抜けに聴こえる。

      あっ、すみません、ウィーン・フィルさまの悪口ではなくて
      これはプロコフィエフが悪い(か、マツエフが凄すぎる)

      第1楽章の、あの長いカデンツァの
      ホール一杯に響き渡る、強靭なピアノの奏でる
      ものすごく広い音響レンジの色彩に満ちた音色が

      オーケストラよりすごい(すみません)
      オーケストラ要らない(すみません)

      まるで、マツエフの超絶技巧のソロ・リサイタルのようだ。

      何故に、あんな強い音が出るの?
      ピアノの調律で何かやってる・・・わけがないし
      ピアノにマイクが付いているわけでもないのに
      オーケストラのトゥッティを凌駕する音量。
      (しかもペダル使い過ぎによる濁りは一切ない)

      さすがの、あのカデンツァの後のオーケストラは
      本気を出して来て
      容赦なく音量を上げて来たけれど
      マツエフのピアノって
      そのオーケストラのフォルティッシモの壁を破って来る。

      いや、たまらんな、これは。
      放出されるエネルギーとオーラの強さが半端じゃなくて
      良いとか悪いとか
      正統だとか邪道だとかを考える前に

      その暴力的なまでの音響の洪水に飲み込まれて
      ノックダウンされて、溺れてしまう。

      これを日本で聴ける人に幸いあれ。
      もちろん、ホールの音響や
      ピアノの状態や
      オーケストラの楽器の状態や
      空気中の湿気なども音を変えてしまうので
      このコンツェルトハウスでの1回目のコンサートが
      そのまま日本の舞台に乗るわけではないが。

      スケルツォの目眩く速さから
      インテルメッツォ、フィナーレまで
      ピアノ先導で、ガンガンと押して押しまくって
      マッチョで、強くて、ほとんどバイオレンスの世界。

      主観的妄想の中では
      オーケストラが、あたふたしながら
      ゼイゼイ言いつつ、ピアノを必死に追い掛けている感じ。
      (あくまでも主観的妄想です)

      ある意味、スカッとする
      というより、自分の中の加虐性を刺激されそうな危険を感じる。
      こういうピアニストを恋人には持ちたくない(妄想中)

      アンコールでは、まるでオルゴールのような
      高音の響きを目一杯使ったキュートな曲を弾いて
      全く違う一面を聴衆に見せるのも忘れない。

      コンツェルトハウスは、アンコール・サービスというのがあって
      アンコールの曲目をSMSで通常は送ってくれるのだが
      今回は何もメッセージが入っていない。

      このところ、たぶん、席の調整などで
      係の人はてんてこまいで
      アンコール・サービスなんかをしている暇はないのだろう、と推察する。
      (同情してます。
       だいたい、本日の政府発表で、金曜日(10月23日)から
       屋内の催物1000人まで、と決定されたので
       もしかしたら、もしかして、また席の調整をしているかもしれない)

      さて、後半のチャイコフスキーの交響曲6番「悲愴」では
      木管のメンバーが変更になっていた。
      (他のメンバーも変更だったかもしれないが
       何せ超貧民席で舞台が見えない)

      ゲルギエフのチャイコフスキーの歌わせ方が独特で
      ゆっくり目のテンポで
      何そのゲネラル・パウゼの長さ?と驚くほどに
      もったいを付けて、じっくり、じっくりと追い詰める。

      最初の部分の低音から
      聴衆全員、地獄に真っ逆さまに落ちていく感じ。
      うわ〜、それでなくても
      陰鬱な秋なのに、これ以上陰鬱なロシアに連れて行く気だな。

      その分の対比でメロディ・ラインが美しい。
      歌わせて歌わせて、ホントに、これこそロシアの慟哭。

      今日の講義(デジタル)で
      アナバシスとカタバシスの話が出ていて
      (ついでにグラドとサルトの話も)
      カタバシスが17世紀・18世紀の用語だとしても
      その時代から、19世紀のチャイコフスキーまで続いているわけで

      それを考えると
      この曲って、最初から最後までカタバシスの連続じゃないか。
      (いまさら、そういう事に気がついてどうする?って感じだが)

      マウント取ってて申し訳ないですが
      ブログなんて、自分の自慢話を書きたいから書くので
      というより、こうやって書くと
      専門用語が一応、記憶されて
      試験にアナバシス・カタバシスが出ても
      チャイコフスキーの悲愴で思い出す、という利点もある。

      ゲルギエフ、焼き鳥の串で
      むちゃくちゃドラマチックに攻めてくる。
      ためて、ためて、ためて
      しつこく、ねっとりと
      これでもか、というほどにドラマチック。

      オーケストラが、まだ多少バタバタしている感はあったけど
      ファゴットのソロも、クラリネットも
      フルートもホルンも
      まるで地獄のトリオのようなトロンボーンの咆哮も
      非常に注意深く、ミスのないように慎重に演奏されていて
      こういうところ
      やっぱりウィーン・フィルのプライドを感じるわ。

      第3楽章の、目も(耳も?)止まらぬ速さでの
      超高速演奏でモリモリに盛り上げて
      拍手のフライングを恐れたのか
      ちょっと無理やりのアタッカで最終楽章に繋げたけど

      このチクルス、たぶん常連さんが多いし
      (第1楽章の、あの突然のフォルティッシモで
       誰もビクッとならないので、よくわかる(笑))
      あそこで、ちょっと時間を置いた方が
      オーケストラのバタバタは避けられたような気がする。
      今日の聴衆なら、多少、間が空いても
      拍手のフライングはなかったと思う。

      日本の聴衆は、絶対に3楽章の後の拍手はないだろうから
      (そこで拍手したら、一斉にSNSで叩かれそう(笑))
      マエストロ・ゲルギエフ、心配せずに、そこで一息ついて下さい。

      最終楽章も、こうやって聴いてみると
      カタバシスと、ため息のモチーフがテンコ盛りだなぁ。

      地獄に落ちるような暗さまで
      会場を引き摺り込んだゲルギエフは
      終わった後、指揮台の上で固まってしまい

      かなり長い間、静寂がホールを支配した。
      恐ろしくて、誰も拍手出来ない(笑)

      奇抜な事は一切していなくて
      まさにロシアの音楽の伝統そのものの演奏という印象で
      ひたすら丁寧にドラマチックに作り込んでいった感じ。

      ああ、行って良かった \(^o^)/

      本日のオーストリア政府の発表で
      金曜日10月23日から
      屋内の催物は1000人までで、屋内ではマスク着用。
      屋内での飲食は禁止。
      (オペラ座やフォルクス・オーパーでは
       事前予約制で座って幕間に飲み食いできたのがダメになる)

      プライベートな集まりは
      屋内で6人まで、屋外で12人まで・・・って
      大学のゼミはどうなるんだ????
      (70名くらい入れるホールに、席の間隔を空けて20名で
       しかも1時間に1回、窓を開けてやってるんだけど
       それでもダメって事?)

      ヨーロッパ全体で、ミニ・ロックダウンがあったり
      夜間外出禁止になったり
      オーストリア政府としては
      できる限り、ロックダウンを避けたい意向なのだが

      人によっては、もうマスクはイヤとか言ってる人もいて
      今日のコンサートも
      マスクを外している人に、後ろの人が注意したら
      「マスクしていると息が出来ないじゃないの!」って
      喧嘩売っていたので
      あ〜、こういう人が(以下省略)

      既に購入してある
      コンサートやオペラやバレエの公演先から
      人数制限のため、あなたの(超安)席はなくなりました
      ・・・とか言うメールが来たらどうしよう、と
      実は本気で心配している私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      ロイヤル・ストックホルムと違って
      ウィーン・フィル=ウィーン国立オペラ座管弦楽団は
      イヤと言うほど、コロナ検査はやっているので
      日本出発前に、コロナ陽性のために出発不可、と言う事には
      ならないと思う(あとは、日本に入国できるか、と言う話だけで)

      ジュエルズ 国立バレエ 11回目

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        Wiener Staatsoper/Wiener Staatsballett 2020年10月18日 19時30分〜21時50分

        JEWELS
        振付 George Balanchine
        指揮 Paul Connelly
        舞台 Peter Harvey
        衣装 Karinska
        照明 Mark Stanley

        Wiener Staatsballett
        Orchester der Wiener Staatsoper

        Emeralds
        Elena Bottaro - Masayu Kimoto
        Claudine Schoch - Roman Lazik
        Aleksandra Liashenko*, Anita Manolova, Daniel Vizcayo*
        Marie Breuilles, Laura Cislaghi, Adi Hanan, Isabella Knights,
        Erika Kováčová, Sinthia Liz, Katharina Miffek, Franciska Nagy,
        Anna Shepelyeva, Gloria Todeschini

        Rubies
        Nina Poláková - Davide Dato
        Gala Jovanovic
        Natalya Butchko, Sveva Garguilo, Alexandra Inculet, Eszter Ledán ,
        Anita Manolova, Fiona McGee, Isabella Lucia Severi, Céline Janou Weder
        Lourenço Ferreira, Trevor Hayden, Tomoaki Nakanome*, Arne Vandervelde
        ピアノ Igor Zapravdin

        Diamonds
        Liudmila Konovalova - Marcos Menha*
        Adele Fiocchi, Alice Firenze*, Eszter Ledán*, Masha Tolstunova
        Jackson Carroli, Giovanni Cusin, Andrey Teterin, Zsolt Török
        Marie Breuilles, Laura Cislaghi, Venessza Csonka, Gala Jovanovic,
        Helen Clare Kinney, Isabella Knights, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
        Suzan Opperman, Iulia Tcaciuc, Gloria Todeschini, Chiara Uderzo
        Edward Cooper, Calogero Failla, Marian Furnica, Andrés Garcia Torres,
        Javier Gonzáles Cabrera, Darius Gramada, Gaspare Li Mandri, Igor Milos,
        Tomoaki Nakanome, Hanno Opperman, Kristián Pokorny, Gaetano Signorelli

        コンツェルトハウスも楽友協会も
        コンサートの間も、マスク着用を義務とします
        というアナウンスが入るようになったのだが

        国立オペラ座に関しては
        公演が始まったら、マスクを外して構いません。
        ただ、公演中もマスクを着用する事で
        貴方も、貴方の周囲の方も守れます

        ・・・とアナウンスをするのだが

        自分も周囲の人も守る気のない人も多く
        公演開始前に、さっさとマスクを外して
        係員が注意したら、逆ギレしたお客さまがいらしたようで
        ロージェの廊下に警官が立ち
        逆ギレで激昂している大声のお客さまに対処していた。

        記録的な新感染者の増加を更新しているのに
        ザルツブルクでは、マスク反対のデモがあり
        (マスクは健康に悪いと主張)

        ウィーンの地下鉄構内でマスクを拒否した人が
        ウィーン交通局の係員に床に押しつけられたというので
        大ニュースになっていたり
        (たまたま、マスク着用拒否で、注意した係員に
         暴力的に立ち向かおうとした人の人種が
         アメリカでも問題になった例の肌の色の方だったようで・・・)

        市電・地下鉄内で、マスクから鼻を出していたり
        マスクをわざわざ取って、大声で携帯電話で喋っていたり

        いや、よ〜くわかるんですよ。
        3月から、もう半年以上、毎日 COVID-19 がどうのこうのって
        コロナには飽きた、というのは誰でも同じ。

        だからこそ、感染者を増やさないよう
        これ以上の厳しい措置が科されないよう
        (ヨーロッパの他の国は、もうやっているところもある)

        だいたい、今、ロックダウン
        外出禁止、文化生活なし、レストラン閉鎖ってなったら
        経済は完全に破綻するし

        それでなくても、陰鬱で太陽がほとんど出て来ない
        暗い暗い暗いヨーロッパの秋で
        何もなくてもオーストリアの(特にウィーンの)風土病の
        鬱病が流行するシーズンに
        ロックダウンやられたら
        精神を病む人の数が半端じゃ済まないわよ。

        それでも、面倒だから、とか飽きたから、とか
        マスクすると息がし難いとか
        (薬局のマスクは1枚5ユーロ以上して高いけれど
         前の部分に空気が入るから、呼吸はし易い)
        自分には関係ないから、と
        プライベートの夜のパーティを派手にやって
        友人・親戚一同に盛大にウイルスをばら撒く人も後を立たない。

        こういう人が多いから
        法律で縛って、禁止事項は罰則を作るしかないんだけど
        こういう人たちも選挙権持ってるし(政治家には重要)

        いくら、ニュースで
        他のヨーロッパ諸国での感染者増加のために
        既に医療が崩壊しそうになっている国もあって
        いつオーストリアが同じような状態になるかもしれない、と言っても
        「コロナのニュースなんか飽きた」と言って聞かない人も多いからね。

        ウィーンでのレストランの個人情報登録義務も
        はなから無視しているレストランもあるし
        QRコードだけテーブルに置いて、お客さまに任せているところもある。
        (私は意地でもやってます。ストップ・コロナのアプリケーションも入れてる)

        ほとんどの人は事態を真面目に考えて
        措置をきちっと守っていると思うんだけど
        一部の守らない人、無視する人のせいで
        国が危機に陥るかもしれない、と思うと
        怒りが沸沸と・・・

        前置きが長すぎた(自爆)

        ジュエルズ 11回目の鑑賞。
        今回はエメラルドにエレナが登場。

        うおおお、やっぱりエレナ、綺麗だわ。
        たおやかで上品で
        バレエ・ダンサーとして、本当に恵まれた容姿に
        美しい足捌きに美しいボードブラ。
        初々しさと若さが輝くようで、素晴らしい。

        ベテランのクラウディーネだが
        よく見ると、この人、音がしない。
        着地が柔らかくて、トゥの音が全くしない。
        静けさを纏って踊るダンサーで
        その意味では、ベテランの面目躍如かもしれない。

        ルビーでは、ニナとダヴィデ。
        ちょっと身長の関係からは踊りにくそうなところもあったが
        ニナの笑顔が、意外にキュートで驚いた。

        さて、今回の公演では
        エレナのエメラルドの他に
        ダイヤモンドでリュドミラのパートナーのデビューをする
        マルコス・メンハに期待して来た。

        おおおおおっ
        背が高いので、リュドミラとのバランスが理想的。
        というか、リュドミラがポワントで立っても
        まだ、かなりの身長差がある。

        しかし、このカップル
        両方とも、何だか「濃い」(すみません、ヘンな言い方で)
        個性的というか
        これぞ、過去のバレエというか
        50年代ってこうだったよね、というか

        昭和30年〜40年くらいの
        日本のバレエ漫画を(以下自粛)

        マルコスは手足が長いので
        大技は舞台で非常に映える。
        ノーブルだし、舞台でのオーラはあるし
        目立つダンサーだと思う。
        手足長い分、今一つ、キレの良さに欠けるが
        その分、優雅さが先に立つ。

        リュドミラは、透明感とは言わないけれど
        やっぱり、このダンサー、華やかだ。
        強くてしなやかで、その意味では舞台上のオーラが強い。

        本日のオーケストラは
        笑っちゃうほどに色々とやらかしてくれたけど
        まぁ、バレエだしね
        ゲルギエフとのコンサートや日本公演のリハーサルで
        メンバーも疲れていたり、エクストラも多かったりするだろう。
        (バレエに関しては、それほど音楽には期待してませんので・・・(笑))

        来週の感染者数が、どういう推移になるのか
        月曜日に政府レベル(連邦)と州で会議があるそうだが
        もっと厳しい措置を連邦全体で取るようになるのか
        ちょっと、いや、かなり心配している
        小心者の私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        ウィーン・フィル + ゲルギエフ 1回目+2回目

        0
          Musikverein Großer Saal 2020年10月17日 15時30分〜16時40分
          Musikverein Großer Saal 2020年10月18日 11時〜12時10分

          Wiener Philharmoniker
          指揮 Valery Gergiev

          Claude Debussy (1862-1918)
           Prélude à l’après-midi d’un faune

          Igor Strawinsky (1882-1971)
           L’Oiseau de feu“ (Der Feuervogel), Ballett (1910)

          ウィーン・フィルの定期公演ではなくなった定期公演。
          楽友協会のアナウンスでも
          公演中もマスクはしていて下さい、という事になった。
          私もそっちの方が少なくとも、少しは安心。

          定期公演ではなくなったので
          不思議な人も来る(良い悪いの判断なしに)
          土曜日は、私の席に座っている人がいたので
          席をチェックしてもらったら
          左右を向こうが間違えていたのだが

          だって、この間のコンサートはこの席だったのに
          ・・・って、私にブチブチ文句言われても
          「この間のコンサート」が何だったかは知らないけど
          どのコンサートでも同じ席が入手できるとか思ってたのか、この人は?

          マスクから鼻を丸出しにして
          指揮者を見ようと
          私のすぐ隣に顔を(キスする時の距離で)近づけてくる女性が居たり
          (演奏中なので、あっち行って、とも言えない・・・)

          ただ、客席のマナーは、かなり良い。
          演奏中の無駄な咳き込みも少ないし
          みんな、非常に静かに聴いている人が多い。
          (もちろん、多少、あちこちに動き回るアホも居るが。
           超貧民席だからね、仕方ないかも)

          ウィーン・フィルの日本公演が出来るかどうかは
          私の預かり知らぬところなのだが
          (でも、たぶん、強行するだろう)
          ゲルギエフの指揮で
          牧神の午後への前奏曲と
          火の鳥のバレエ版(全曲)は
          日本公演でも演奏する曲。

          牧神の午後への前奏曲。
          フルートはカール・ハインツ・シュッツ。
          うはははは、これを絶品と言わずしてどうする。

          ゆっくり目のテンポの
          この上なく繊細だけど力強いフルートの
          澄んだ響きに
          色彩豊かなウィーン・フィルの弦が
          まとわりつくように絡んで来るところなんか
          正に失神モノ。

          観客数もそこそこで
          冬になったので、みんな、割りに厚めの洋服を着ているお陰で
          残響モリモリで凄かった楽友協会大ホールの音響も
          土曜日・日曜日ともに
          かなり落ち着いた残響になっていた。
          (というか、聴いてる私が耳慣れして来たのかも・・・)

          ・・・でも、遅めのテンポ設定のせいかもしれないし
          続けてストラヴィンスキーっていうプログラムのせいかもしれないが
          フランス音楽というより、ロシア音楽っぽい印象が強い(笑)
          何か、こう、フランスの洒落っ気、エスプリというよりは
          ロシア系のドラマチックさが勝っているというか。

          もちろん、主観的印象でしかないので
          違う印象を抱いている人も多いと思うが。
          (ド・シロートの言う事は信用しない方がよろしい)

          バレエ版、火の鳥全曲。
          これは最高 ♡♡♡♡♡

          ゲルギエフ、こういう曲を振らせると無敵だね。
          焼き鳥の串サイズの指揮棒で
          (指揮棒というより、あれ、本当に焼き鳥の串じゃないの?)
          手をブルブルはいつもの手法だけど
          それでも、出すべきキューは、かなりきちんと出している。

          周囲の観客が
          曲がフォルティッシモになると
          何故か、みんな立って、指揮者を見ようとするのだが
          フォルティッシモになると
          指揮者が派手な動きをする、とか思ってるのかな?
          (する人もいるけど・・・
           ゲルギエフは、手のブルブルはあっても
           フォルテのところで大袈裟な動きはしない)

          音楽の語る力が強くてドラマチック。
          容赦なくオーケストラを鳴らす指揮者に
          あの、上品でノーブルなウィーン・フィルが
          徹底的に泥臭さを排除してノーブルに応える音がたまらん。

          ホール全体が震える程のパーカッションが楽しい。
          よく、ああいう音を出したね。

          緻密な音楽作りにドラマチックな要素が盛り込まれて
          聴いていて、こんなに楽しくて
          最後はむちゃくちゃ盛り上がって終わる(バンザイ)

          いや、このところ、天気が暗くて暗くて
          日曜日は少しだけ太陽が見えたけれど
          ずっと太陽なしで雨で陰鬱な雰囲気だったので
          こういう、晴れやかに盛り盛りで終わる曲は助かる。

          今学期、中世音楽を中心にカリキュラム組んでいるので
          その思い込みが理由だと思うのだが
          ゲルギエフのヘア・スタイルが
          どう見ても、中世の修道士のトンスラにしか見えない私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          明日はコンツェルトハウスで
          ウィーン・フィルとゲルギエフのコンサートがあるのだが
          同じプログラムかと思っていたら
          マツエフのピアノで
          プロコフィエフのピアノ協奏曲2番と
          チャイコフスキーの交響曲6番(悲壮)
          ・・・これは楽しみ ♡

          マルティン・グルービンガーと仲間たち

          0
            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年10月17日 20時30分〜22時10分

            パーカッション
            Martin Grubinger, Slavik Stakhov, Richard Putz,
            Valentin Vötterl, Jürgen Leitner, Vivi Vassileva,
            David Hödlmoser, Aaron Grünwald, Gregor Resch
            Martin Grubinger sen.

            „BIG 3“

            Johannes Maria Staud (*1974)
             Epicentre. Seismic Construction in three parts (UA)

            Iannis Xenakis (1922-2001)
             Pléïades (1978-1979)
             Mélanges
             Métaux
             Claviers
             Peaux

            Steve Reich (*1936)
             Drumming (1970-1971) (Auszüge)

            土曜日10月17日は
            午前11時のハイドンの天地創造(ウィーン交響楽団)の後
            午後15時30分からのウィーン・フィル+ゲルギエフの1回目を聴いて
            急いで買い物して(スーパー18時まで開いてる!!!)
            いったん帰宅してから
            また外に出るワタシ。

            夜行性動物だな、まさに・・・(感心している訳ではない)

            マルティン・グルービンガーのコンサートを逃す訳にはいかない。
            コンツェルトハウスは、ホールの人数制限の中でも
            なるべくたくさんの観客に音楽を提供するため
            ちょっと短くしたプログラムで
            1日に2回コンサートを開催するケースが多い。

            この日も、同じプログラムで
            18時からのコンサートの後
            20時30分からのコンサートって

            20時30分からのコンサートだって
            優に2時間は超えるプログラムだったのに
            という事は18時〜20時過ぎまでコンサートやって
            30分も休む事なく、20時30分からも演奏したのか・・・

            パーカッショニストって超人か????
            いや、アスリートだとは思うんだけど
            それにしても、凄い体力。

            BIG3 と銘打ってあって
            作曲家がヨハネス・マリア・シュタウドと
            イアニス・クセナキスとスティーブ・ライヒ。
            みんなBIGなんでしょう、きっと。
            ヨハネス・マリア・シュタウドの曲は初演で
            (18時からのが本当の初演だったけど)
            作曲家自身も会場に居る。

            入り口で渡されたのは耳栓。
            ある程度のデシベルを超える場合には
            コンツェルトハウスでは、使い捨ての耳栓を配る。
            (楽友協会でショスタコーヴィッチを演奏する時にも
             耳栓を配って欲しい(笑))

            みんなが大好きなマルティン・グルーバーが登場して
            マイクを持って、短いプレスピーチ。
            イアニス・クセナキスの音量が、ちょっと大きいらしい。

            最初のシュタウドの曲は
            大きさが違う和太鼓3つから始まる。

            ・・・というか、始まる直前に
            会場から、ハイヒールのコツコツ音が響いて
            その音が鳴り終わるまで停止。
            誰だ、遅れて来て、しかもハイヒール履いて来た客は(笑)
            (って言うか、遅れて来た客を入れるな!!!!!
             普通は曲が終わって拍手の時にしか観客は入れないよ!)

            和太鼓3つ・・・なんだけど
            何故か、手で叩いたり
            金属のカップみたいなモノで擦ったり
            (ああいうもので擦ると、周波数の固定した
             音が出るのは初めて知った)
            バチは使わないのか?と思っていたら
            最後の方でバチが出て来た。

            けど、和太鼓を演奏するんだったら
            日本の祭りの伝統の中で育った身としては
            やっぱり和太鼓らしい、和太鼓の曲が良いなぁ。

            3つのパートに分かれている曲らしく
            その後、前方に移動して
            マリンバっぽい、でも、ただの木材(長さが違う)を
            ガンガン、マレット(というか棒)や金槌で叩いて
            あれは、下に音響板がないから
            どうやって音を増強しているのか、と思ったら
            下にどうもマイクを付けて
            それを奥のスピーカーで出していた模様。

            12分くらいの曲で
            まぁ、面白いと言えば面白いのかなぁ。
            あまり目新しいとか新鮮とかいう感覚はないけれど
            リズムだけの曲って、その意味では難しいのだろうと思う。

            イアニス・クセナキスのプレイアデス。
            これ、全部で50分近くある大曲で
            5人か6人のパーカッショニストが
            様々なパーカッションを演奏しまくるのだが

            いつもの事だけど
            何故、みんな、ああいう曲を暗記できるわけ???
            頭の中の構造が何だか違うとしか思えない。

            クセナキスの曲って
            感情とかなんとか、雑なものが入ってこない
            純粋な数学による建造物みたいな感じがする。
            (もちろん、これは大いなる思い込みによる偏見である)
            冷たい、というより、客観的で
            作曲している自分自身をメタな視線から
            注意深く、冷静に観察しているというか

            その冷たさは
            ブーレーズの作品なんかにも通じるところがあって
            あまり人間臭くないんだけど
            それでも、クセナキスの場合
            途中で、突然、血肉を備えた人間に化すところがあって
            感情の爆発が聴こえてくるような気がするところが面白い。

            音量は凄いんだけど
            耳栓なくても大丈夫だ、これは。
            ただ、かなり高い音域での大音量は
            多少、耳を押さえていた方が良い。

            しかし、パーカッションだけの曲なのに
            キレイだなぁ。
            時々はうるさい位の音量だし
            音楽というより、数学に聴こえるんだけど(謎発言ごめん)

            最後のスティーブ・ライヒのドラミングは
            一部抜粋で
            スティーブ・ライヒの曲がズレによる構成である事は
            マルティン・グルービンガーがコンサートの最初に告知。

            ずらっと並んだ小太鼓に集まる6人のパーカッショニストが
            最初は同時に
            ミリセカンドの微妙さで、どんどんズレていくと
            また、新しいリズムがそこに生じる。

            もちろん、こんな微妙なズレ方は
            どんなにパーカッショニストのリズム感覚が良くても
            自然に出来るものではないので
            全員が耳にイアフォンを入れてリズムを聞いているが

            それでも他のパーカッショニストの音も聴こえてくる中
            自分のテンポをキープしなければならないという
            人間技とは思えない技術。

            ただ、これ演奏しているメンバーが
            異様に嬉しそうなんだよね・・・

            マルティン・グルービンガーは、もう忘我の境地で
            どっかに行ってしまっているし
            他のメンバーも半分忘我の人もいれば
            もう、面白くて面白くてたまらん、という
            歓喜の表情のメンバーもいる。

            そりゃ、こんな複雑怪奇で不思議な曲
            どのくらい練習したか、なんて考えたらゾッとするのだが
            でも、パーカッショニストは
            どうも、こういうのが、面白くて面白くてたまらないらしい。

            一種の中毒なのかね、これは。
            確かに、リズムだけの饗宴って
            人間の本能の奥底にガンガン響くところがある。

            今学期は、古代の音楽観に関する演習の授業も取っているのだが
            その一環で、音楽の発生についての論文を読んだ。
            音楽の発生なんて、言葉の発生と同じで
            仮説はいくらでも作れるが
            本当のところは絶対にわからないのだが

            こういうコンサートを聴いていると
            誰かが手拍子取ったのが音楽の発生じゃないんだろうか
            とか、ついつい考えてしまう。

            (言葉、というより、母音をそのまま長く伸ばせば
             そこに固定の周波数が発生して「楽音」にはなるので
             それが最初だ、と主張する人もいるらしい)

            舞台変換はあっても、休憩なしの2時間ちょっと。
            こんな体力的にも精神的にもタイヘンな曲を
            自分たちも忘我の境地で歓喜に溢れ
            その喜びを、ファンの我々にも
            惜しみなく分けてくれた、パーカッショニストたちに脱帽。

            ミニマル・ミュージックも好きだし
            パーカッションも好きだわ、と
            改めて思い知った私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ウィーン交響楽団 + オロスコ=エストラーダ@楽友協会2回目

            0
              Musikverein Großer Saal 2020年10月17日 11時〜13時10分

              Wiener Symphoniker
              Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
              指揮 Andrés Oroszco-Estrada
              ソプラノ Christiane Karg
              テノール Benjamin Bruns
              バス Florian Boesch

              Joseph Haydn (1732-1809)
              Die Schöpfung, Hob. XXI:2
              Oratorium in drei Teilen für Soli (Sopran, Tenor, Bass), Chor und Orchester
              ガブリエル Christiane Karg
              ウリエル Benjamin Bruns
              ラファエル Florian Boesch
              エヴァ Christiane Karg
              アダム Florian Boesch

              午前中11時からは
              ウィーン交響楽団のハイドン「天地創造」を堪能。

              (本当は書かずに済まそうと思っていたんだけど
               テキストがあまりに面白すぎて・・・
               よって、音楽メモにはなってません)

              超安席、ガラガラなんだけど
              でも、あの席、発売されてなかったんだよね。
              で、買ったのは、ギャラリー、天井桟敷の一番後ろだが
              それでも57ユーロって・・・うううう、高い・・・高すぎる。
              (まぁ、たまの贅沢というか
               年金生活者が金を使わないと
               経済が回らないだろう
               ・・・と言い訳しつつ、破産しそう(爆笑))

              やっぱり、ベッシュがすごい。
              今日は Insekten の s でウケなかったので
              次の Gewürm で仕掛けて来た(爆笑)

              ブルンスのテノールも落ち着いた感じに聴こえて
              声の張り上げがなくて、美声をたっぷり聴かせてくれて

              カルクのソプラノは澄んでいて美しいし
              ドイツ語は、ソプラノの場合は聞き取りにくいのだが
              あれだけはっきり発音してくれたら、満足。

              エヴァの31番レチタティーヴォで
              夫婦喧嘩を始めそうになった年配カップルが居た。
              きっと、旦那が余計な事を奥さんに言ったのだよ。

              エヴァの歌詞が

              O du, für den ich ward!
              Mein Schirm, mein Schild, mein All!
              Dein Will’ ist mir Gesetz.
              So hat’s der Herr bestimmt,
              Und dir gehorchen bringt
              Mir Freude, Glück und Ruhm.

              適当に翻訳すると(文責なしで)

               ああ、私は貴方のために存在します。
               私の傘、私の盾、私の全て。
               貴方の意思は私の法律
               そう神さまが決めました。
               貴方に従う事は
               私に喜びと幸福と名誉をもたらします。

              まぁ、男性としては言いたくなる気持ちもわからないではない。
              けど、女性の立場からしたら
              言うだけはタダだし(以下省略)

              で、男性諸君、32番の歌詞とか、ちゃんと読んだ?
              Holde Gattin […] Keine Sorge trübet sie. って書いてあるよ?
              ちゃんと稼いで、奥さんに何の心配もかけず
              ちゃんと裕福に養ってる?(笑)
              ↑まぁ、色々と解釈はあろうが、ワタクシ的にはそう読める。

              しかし、ファン・スヴェーテンのこのテキスト
              読んでいると本当に面白い。
              神さまが、むちゃくちゃ楽しんで天地創造をしていて
              (我々がシム・シティとかする感じ?(違))
              出来たものをいちいち、わはは、よく出来た、と
              自画自賛した後

              でも、他に褒めてくれる存在がいないから
              褒めてくれる存在として人間を作ろう

              ・・・って理由でアダムとエヴァを作っちゃうとか
              (その上、このテキストではアダムもエヴァも
               同時に出来上がったようになっているので
               アダムの肋骨の話はない=(隠れた)男女平等なのだ)

              出来上がったアダムとエヴァは
              神さまの創造を褒め称えてから
              さぁ、これで義務は終わった
              では、やる事をやろうか(意訳)

              これにハイドンが、また嬉々として音楽をつけるので
              もう、むちゃくちゃ楽しい。

              自然が出来上がっていくところも好きだが
              (水や川や雷や、トポイの使い方が楽しい)
              動物が出来るところ、何回聴いても吹き出しちゃう。

              特に、突然現れる牛とか
              前後の調性と全く合わない驚愕の調で
              まるで、とぼけたアニメだもん。

              ところで、本日のウィーン交響楽団の男性メンバー
              全員、赤のネクタイしていて
              こんなの初めて見る・・・

              知り合いに聞いたら
              ショップで扱う商品らしいのだが
              ウィーン交響楽団のサイトにショップがないぞ・・・
              (以前は少なくともジョルダンとのCDがあったはず。
               ウィーン交響楽団レーベルを作っていたと思うんだが)

              音楽とは全く関係のないメモになってしまったけれど
              この天地創造、12月8日(火曜日)の19時30分から
              オーストリア国営放送局ラジオ1番で放送されるとの事。
              (1週間はオンデマンドで聴ける)

              テキストは手元にあるし
              ラジオの方も楽しませてもらおう、と
              ワクワクしている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              ウィーン放送交響楽団 + オールソップ

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2020年10月16日 19時30分〜21時30分

                ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                指揮 Marin Alsop

                Hans Werner Henze (1926-2012)
                 Los Caprichos. Fantasia per orchestra (1963)

                Gustav Mahler (1860-1911)
                 Symphonie Nr. 5 (1901-02)

                久し振りのウィーン放送交響楽団。
                楽友協会ではウィーン・フィルとゲルギエフが
                演奏しているはずだが
                それは土曜日・日曜日・月曜日に行くから良いのである(わはは)

                オールソップの誕生日なので
                オーケストラが、演奏前にハッピー・バースディでもやらないかな
                ・・・と思っていたけれど、やらなかった。

                後でチェックしたら
                オーストリア国営放送ラジオ1番でライブで放送していたので
                あ〜、そりゃハッピー・バースディは無理だわ(笑)

                さて、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェが
                フランシスコ・デ・ゴヤの絵画シリーズ
                Los Caprichios のうち、何枚かの版画を題材とした曲。
                コンツェルトハウスで演奏されるのは初めて。
                全部で9タイトルあるが、継ぎ目なしで演奏される。

                舞台上には大編成オーケストラ。
                ピアノもチェレスタもある。

                なのに、出て来る音が、すごく繊細。
                透明感があって、解像度が高い。
                ヘンツェって、もっとコテコテしたオーケストレーションじゃなかったっけ?
                (ペンデレツキと間違えているかもしれない・・・)

                絵そのものは見ていないので
                (くそ、こういうのは本来は予習すべきかも)
                音楽が語る内容そのものは
                私の主観的偏見で、むちゃ歪められているとは言え
                色彩感がすごくて(註 もとになったのは版画なので色はない)
                音楽の中にドラマがあって

                絵は、色彩と構成と質感による
                静的な世界だけれど
                音楽はリズムと周波数と、音色と
                時間の流れで作られる動的な世界で

                その意味では、音楽が表現できる範囲って
                絵画よりも大きいような気がする。
                って、だからこそ、映画音楽のような
                静的な絵が連続する事によって
                音楽と同じ「時の流れ」を手に入れたものに
                音楽がよく合うわけだ。

                妄想に駆られながら
                そんなアホな事を考えていたのだが

                絵を題材にした音楽作品って
                結構あるんだけど(まぁ、有名なのはムソルグスキーだが)
                絵の表現と、音楽表現とが
                何か一致する法則とか言うのはあるんだろうか(ないだろう(笑))
                時代ごとに分けて考察するなら
                いくつかの曲を選んで
                絵の分析と一緒に音楽分析して比べたらどうだ?(意味がない、たぶん)

                でもヘンツェの音楽が、こんなに美しいとは知らなかった。
                交響曲のCDとか持ってるはずなので
                (すみません、まだ聴いてません・・・・)
                ちょっと、きちんと聴いてみよう。

                さて、幕間が終わって
                観客が席に着いて
                オーケストラも準備万端で舞台上に揃っているのに
                いつまで経っても、会場の照明が暗くならない・・・

                何故、こんなに待たせるんだろう、と
                不審に思っていたが
                帰宅して、ラジオのオン・デマンドを聴いてみたら
                幕間に、延々とヘンツェの話をしていて
                ご丁寧にヘンツェの作品の
                他のオーケストラでの演奏を流したりしていた。

                ・・・誰だ、こんな脚本を書いたのは。
                まぁ、放送交響楽団というのは
                本来、ラジオ放送のためにあるので
                ライブのラジオ放送に合わせなければならないのは
                至上命令なのは仕方がないが。

                マーラーの交響曲5番。
                マーラーそのものが、かなり久し振りな気がする。
                (オーケストラが大編成だから・・・)

                遅めのテンポで、重苦しい感じでの埋葬行進曲。
                ここまで重苦しい印象って、珍しい。
                一歩一歩を引き摺るかのような歩みで
                低音が強めに響いて、陰鬱な悲しみが圧倒的だが

                音楽的には、各パートの解像度が非常に高く
                ポリフォニーがクリアに聴こえて来るのが面白い。
                オーケストラ内のバランスが抜群に良いのだ。
                ポリフォニーを効かせても、印象がバラバラにならず
                メロディ・ラインの繋がりが滑らか。

                これ、面白い。
                まるで、マーラーの交響曲5番を
                全て分解して、パーツに分けた後に
                各パートを磨いてピカピカにして
                レゴのように、再編成したような印象を受ける。

                かと言って、透明感やポリフォニーのみの強調で
                冷たい分析的な感じがするかと言うと
                重いリズムや、激しいダイナミック
                徹底的に考えられて計算され尽くしたような
                絶妙のアゴーギグで
                曲そのものに秘められた感情が
                しっかり湧き上がって来るように感じる。

                スコアの隅々まで
                徹底的に、理性的に読み解いているだろう、これは。
                その理性的な音楽の作り方は
                聴衆にもわかるのだが
                理性によって、理性では割り切れない感情まで
                音楽に乗せてくるところには息を飲んだ。

                愛も、悲しみも、慟哭も
                ここまで計算され尽くして表現できるのか・・・
                しかも、計算尽くなのに
                それを感じさせない、と言うか
                メタな部分に自分はしっかりと留まって
                客観的観点を失わないところまで、よくわかる。

                そんな風に感心して聴いちゃう自分もヘンだけど
                私がヘンなのは、今に始まった事ではない(開き直り)

                何回も何回も聴いた曲だけど
                こんなに新鮮に聴こえてくるのは珍しい。

                オールソップ、やっぱり好き。
                すごく理性的でありながら
                その理性を隠し通せるだけの賢さがある。

                コンツェルトハウスは、観客数を制限していて
                席のチェックまでしているし
                ウィーン放送交響楽団のチクルスに来る客層は
                比較的、現代音楽慣れしている人たちが多いので
                本日の客席マナーは、かなり良かった。

                咳き込みもないし、みんな静かで
                かなり集中して聴いていて
                雰囲気としても最高だし
                マーラーの交響曲の音響は
                コンツェルトハウスの大ホールに徹底的に合っている。

                もともとはベートーベンの交響曲9番を予定していたコンサートらしいが
                いやいや、ヘンツェとマーラーで良かった。
                (というより、ベートーベンの9番だったらチケット買ってないかも)

                日本大使館からのメールだと
                本日の新感染者数1737名、うちウィーンが514名。
                インスブルックとその周辺
                低地オーストリア州と高地オーストリア州の一部の
                コロナ信号が赤になり
                地域によってはシャットダウンに近い措置を取っているところも出た。

                ウィーンは、まだコンサートもオペラも演劇も
                観客数を絞って続いてはいるし
                政府としては、できる限り、ロックダウンは避けたい方向だが

                いつまた、突然の劇場閉鎖になるかはわからないので
                せっせと通っているコンサートの
                一回、一回が愛おしいし、楽しい・・・

                マスク着用したままで
                コンサートを聴くのにも
                何となく慣れてきて
                化粧もアイメイクしかしなくなってしまった私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ウィーン交響楽団 + オロスコ=エストラーダ@楽友協会1回目

                0
                  Musikverein Großer Saal 2020年10月15日 19時30分〜21時10分

                  Wiener Symphoniker
                  Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien
                  指揮 Andrés Oroszco-Estrada
                  ソプラノ Christiane Karg
                  テノール Benjamin Bruns
                  バス Florian Boesch

                  Joseph Haydn (1732-1809)
                   Die Schöpfung, Hob. XXI:2
                   Oratorium in drei Teilen für Soli (Sopran, Tenor, Bass), Chor und Orchester
                    ガブリエル Christiane Karg
                    ウリエル Benjamin Bruns
                    ラファエル Florian Boesch
                    エヴァ Christiane Karg
                    アダム Florian Boesch

                  コロナ対策の時間制限のため
                  第二部の26番・27番は省略したものの
                  幕間なしの通しで100分。

                  行ってみたら、いつもの貧民席もガラガラに空いていたのだが
                  (少なくともオンラインでの販売はなかった)
                  次のカテゴリーになると46ユーロ。

                  高いけど、ギャラリー正面で
                  声が入る演目の場合は
                  声は前に飛ぶから、音響としては最適な席ではある。
                  舞台は・・・ちょっとだけ見える(笑)

                  ハイドンの天地創造、大好き ♡
                  しかも、歌手陣も最高で、行く前からワクワク。
                  本当は3回やるコンサート全部に行きたかった。
                  (が、最初のコンサートは売り切れだった)

                  楽友協会合唱団は、少し団員同士の距離を空けて
                  できるだけ広い範囲の舞台に置いている。
                  ハイドンだから、オーケストラの人数は
                  そんなに多くはないので
                  こういう形で上演してくれるのはありがたい。

                  あああああ、もう、最高 ♡♡♡

                  オロスコ=エストラーダのキビキビした動きから
                  紡ぎ出される躍動感に満ちたオーケストラの開幕で
                  楽友協会がコスモスと化し
                  ビッグ・バンが起こって
                  (って、カトリックの教義と合わないけど(笑))

                  フローリアン・ベッシュが格段に素晴らしい。
                  いやもう、このバス、別格である。
                  何が別格かと言うと
                  たびたび、この人のリートの夕べにも行っているから
                  これは、絶対に、あの強みを生かすな、と思っていた通り

                  ドイツ語の内容と音楽の一致振りが半端じゃない。

                  ドイツ語のクリアさはもちろんだが
                  その「言語」に乗る音楽と声の表現が
                  ドイツ語、と言う言語で表現される必然性が
                  聴いている方にバッチリわかる。

                  21番の虫 Insekten の se のシラブルを
                  濁音にして、ほんの少し伸ばしたのには
                  会場から、ちょっと笑いが出たくらい。

                  ピアニッシモからフォルテまで
                  自由自在に、歌詞の内容と音楽に合わせて
                  徹底的に表現を追求した歌唱は
                  その声の深さと美しさも手伝って
                  トリハダものだった。

                  今学期は「言語と音楽」という
                  モトのテーマは交響詩だったはずなのに
                  何故かオンライン講義で
                  音楽ならぬエマニュエル・カントと
                  ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルの話と
                  クライストの音楽に寄せたフラグメントの解釈とかを
                  実は楽しく聞いているんだけど

                  言語と音楽の関係については
                  自分自身が、ドイツ語の「響き」に憧れて始めたりしているので
                  (だから原体験がヴォルフのメリケ歌曲集だったりする)
                  その意味では、言語と音楽の一致については
                  割りにうるさい方かもしれない。

                  言葉と言語、という意味では
                  フローリアン・ベッシュは、数あるリート歌いの中でも
                  最高に精密な解釈を聴かせてくれる、稀有な才能だと思う。

                  クリスティアーネ・カルクの理性的に響く美しいソプラノも
                  ドイツ語がしっかり聞こえてくるし
                  天使の部分の透明感なんて、これも鳥肌が立つ。

                  ベンジャミン・ブルンスの美声も良い・・・んだけど
                  この人、声量あり過ぎて
                  オペラ座じゃないんだから、そこまで張り上げなくても
                  というところが、何回かあった。
                  ピアニッシモも使ってはいたけれど
                  全体的に声が大きく響いて
                  ちょっとまだ、楽友協会の音響に不慣れな感じはする。
                  (しかし、ブルンスのテノール、本当に美声だ・・・惚れ惚れする)

                  コーラスは、あれだけメンバーの距離を空けて
                  散らばっていたので、声も拡散してしまうかと思っていたら
                  さすが、この合唱団、本当に凄い、凄すぎる。
                  これがアマチュアの合唱団とはどうしても思えない。
                  (ちなみに、入るにはオーディションがあるらしい)

                  だいたい出だしのコーラスが
                  最小ピアニッシモという曲なのに
                  さすがに楽友協会のホール音響を知り尽くした合唱団
                  ピアニッシモで入ってくるところで
                  背筋ゾクゾク ♡

                  ハイドンの作曲技法については
                  これまた、別の講義で
                  17世紀・18世紀のアフェクトの話を聞いているので
                  (本当は当時のノテーションの解釈方法についてだが
                   アフェクトは重要なテーマなので)
                  各モチーフのアフェクトの側面からの扱い方とか
                  聞こえてくるのが面白い。

                  いわゆるトポイを使った音楽表現の面白さは
                  誰でもわかるので
                  音楽で聴く絵本、オーディオ・ブックみたいで
                  いや、ちょっと違うか(笑) でも面白いのだ。

                  以前、聴いていた時には
                  アダムとエヴァのシーンに怒っていたんだけど
                  (ほら、アダムが「僕が君を導いてあげる」とか
                   エヴァが「貴方の意思は私の法律」とか)

                  マリア・テレジアは残念ながら
                  この曲が作曲された時には既に亡くなっていたが
                  テキストを書いたゴットフリート・ファン・スヴェーテンのお父さんは
                  マリア・テレジアのお抱えの医者だったし
                  いや、何が言いたいかと言えば
                  これ、当時のモラルだの社会状況とかあったにせよ
                  マリア・テレジアもハイドンをよく聴いていた事を考えると

                  言うのはタダだし
                  相手を持ち上げて、良い気分にさせて
                  うまく操縦しちゃえば良い(以下自粛)

                  いやいやいや
                  32番のデュエットなんか、ラブソングだし
                  うまく持ち上げて、おだてながら(以下自粛)

                  歴史を通じて、女性は実は強かった(笑)
                  しかし、31番みたいな事を言われて
                  鼻の下をバッチリ伸ばす男性って多かったんだろうね、きっと。

                  周囲のマナーが思ったより悪くて、ちょっと驚いたが
                  (舞台上のオーケストラ・メンバーも気になったと思う)
                  土曜日の3回目のコンサートも
                  ちょい高級席で行く予定なので

                  ああ、また、あの素晴らしいベッシュの表現を聴けるのが
                  今から楽しみ ♡ という私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  Liquid Loft/Chris Haring POSING PROJECT B - The Art of Seduction

                  0
                    Odeon 2020年10月14日 20時〜21時05分

                    Liquid Loft / Chris Haring
                    Posing Project B - The Art of Seduction

                    芸術監督・振付 Chris Haring
                    ダンス・振付
                    Luke Baio, Stephanie Cumming, Alexander Gottfarb
                    Katharina Meves, Anna Maria Nowak
                    作曲・サウンド Andreas Berger
                    ドラマツルギー・照明デザイン Thomas Jelinek
                    舞台 Aldo Giannotti

                    リクイッド・ロフト/クリス・ハーリングの2つ目の公演は
                    2007年ベネツィアのビエナーレで最優秀パーフォーマンスの賞を取った舞台の
                    オリジナル・ダンサーでの再演。

                    楽友協会でのウィーン交響楽団のチケットが
                    最初から売り切れだったので夜が空いていたところに
                    追加公演が決まって
                    一番安い席をゲットできたのもラッキー。
                    (オデオンは、安席でも充分に舞台は見えるし
                     上からの目線で全体を把握できる)

                    雨が降っていて
                    朝からずっと暗くて、陰鬱な冬の始まり。

                    久し振りのゼミの対面授業2コマ3時間は
                    冷たい風が吹き込んでくる窓を
                    1時間に1回は開けながら(もちろんコート着用)
                    全員がマスクして講義を聞いているという
                    不気味な状況ではありながら
                    ・・・むちゃくちゃ面白かったんだけど(笑)

                    18時15分の授業の後
                    20時からの公演、というのは
                    かなり中途半端な時間で 💦
                    自宅に戻ると、荷物置くだけでも公演ギリギリだし
                    ・・・という事で市内にそのまま残る。
                    とは言っても、日本と違ってショッピングとか出来ない時間だが。

                    1時間ちょっとの公演で
                    だいたい、その、あの、タイトルがスゴイ事になっているが
                    いや、確かに、ソレを示唆する動きも多いんだけど
                    全然ダイレクトな表現になっていない。

                    もちろん、ヌードもあるけれど
                    それも節度を保っていて
                    全然いやらしくない。

                    いやらしくなかったら Seduction にはならない
                    という見方もあるのだろうが
                    ヘンにダイレクトにやられるより(凄い言い方)
                    ダンスとして、あれだけ、動きを昇華して
                    芸術の領域まで持って行ったのには驚く。

                    そりゃ、最初から激しい息遣いで始まったり
                    途中で叫んだり、呻いたり
                    言葉のフラグメントが不思議な雰囲気を作っていたり

                    洋服を脱いだり、着たり
                    ただの布みたいなのが、着方によって全然変わったり
                    それでファッションショーみたいなのが出来ちゃったり
                    壁のところで一人で盛り上がったり
                    色々と、やる事はやっているんだけど

                    全体のムードが
                    ユーモアに満ちていて
                    なんだか、ほんわりするんですよ。

                    現代芸術を見ていると
                    時々、何を怒っているんだろう、という位に
                    攻撃的で暴力的なものが多いじゃないですか。

                    ハーリングのこの作品
                    そういう、人を攻撃するところがなくて
                    登場ダンサーたちが
                    そりゃ、凄い動きはしているのだけれど

                    全体的に、ほんのり系というか
                    微笑ましいというか
                    誘惑って楽しいよね、って言われているみたいで
                    人間性善説を代表するような感じがして
                    見ていて、何とも楽しい。

                    最後の照明効果が凄かった。
                    舞台というよりは
                    ただの床に、ライトが5本と
                    扇風機が置いてあって

                    ダンサーがそのライトの位置や高さを変えたりするのが
                    唯一の舞台装置の変換なんだけど

                    そこに照明を当てて
                    最後のシーンの後ろの壁には
                    影絵として
                    ダンサー+舞台とは、別の世界が出来てしまう。

                    ライト+扇風機なのだが
                    何重にもなった照明のために

                    後ろの影絵が
                    畑?に見える(妄想中)
                    日本的な感覚から言うと
                    米の穂が立っているような感じ?

                    そこに扇風機が一つ入ると
                    それは、どう見ても、ひまわりだろう・・・

                    後ろの壁の牧歌的風景(影だけ)の中で
                    5人のダンサーの動きと
                    動きの停止が
                    あ〜、はいはい、やってますね、と言う絵になる。

                    もちろん、舞台上のダンサーは
                    平面で動いている訳ではないので
                    影絵では、ヤバイくっつき方をしているのに
                    ダンサー同士は離れている。

                    流れている曲が超有名な曲なんだけど
                    度忘れしてる・・・

                    4分の4拍子で
                    ドーソー 1拍休み ミファソ(3連符)C: T
                    シーソー 1泊休み ミファソ(3連符)C: Dp
                    ラーファー 1泊休み ファソラ(3連符)C: S
                    ソー C: D
                    サビのところが
                    ミソミ(3連譜)← Auftakt
                    レードー 1泊休み ドレミ(3連符)
                    レードー 1泊休み ドシラ(3連符)
                    ドー(3拍分)レドレ(3連符)
                    ラー♭(2泊)ソー
                    と言うサブドミナントからドミナント休止なんだけど

                    ・・・お〜い、あれ、何て曲だったっけ???

                    *** 追記 Lettermen の Mr. Lonly でした。
                    ご教示下さったお2人さま、ありがとうございます m(__)m

                    まぁ、ともかくとして
                    そういう、ナツメロっぽい
                    のんびりした曲の流れる中
                    影絵とダンサーが
                    それぞれの世界の中で
                    動きのコードを提示していくんだけど

                    なんかもう、あ〜、人と繋がっているって良いよね
                    人の温かさを感じるのって幸せだよね
                    って、ともかく、ほっこり系。

                    いや、振付の意図としては
                    全く違うのかもしれないけれど
                    ともかく、ワタシは、これを見て
                    ものすごくほっこりした気分になりました。
                    (多少、ワタシがオカシイかもしれないが
                     私がオカシイのは、別に今に始まった事じゃない)

                    2分に満たないクリップがあったので
                    貼っておこうかと思ったが
                    このクリップ、最初から、すごく激しい息の音から始まるので
                    うっかりクリックしてしまって
                    あそこは何をやっているんだ?と思われてしまう犠牲者が出そうなので
                    興味のある人のために、リンクしておく。 → ここ

                    意図的なんだろうけれど
                    結構、カメラ近くに寄せて
                    ショッキングな映像を撮ろうとしているところもあるので
                    (舞台で見ると、別にショッキングでもなんでもない)
                    例の、あの超有名曲の部分だけ見たい人は
                    1分21秒のところからご覧下さい。

                    なお、ダンサーが口を開けて
                    如何にも自分が歌っているように見せているけれど
                    これは、リクイッド・ロフトのダンサーが
                    スピーカーからのセリフや歌を
                    自分の顔の表情筋のダンスとして見せているからであって
                    ダンサーが歌っているワケではありません(でもそう見える)

                    いや〜、この作品、すごく好き ♡
                    いくら、ナニとは全く関係のない年寄り女性であっても
                    いや、それだからこそ
                    こういう、生臭いのか、芸術的に昇華されているのか
                    割りにリアルと妄想と芸術が
                    攻撃性ゼロで入り混じった作品って、すごく楽しい。

                    そうだ、みんな、仲良くナニをすれば
                    世界は幸せなんだ・・・って
                    そんな単純な事じゃないんだけどさ。
                    ついつい、こういう公演見ると
                    そうだったら、どんなに良いかなぁ、という
                    ある種のユートピアに憧れてしまう。

                    あ〜、楽しかった (^^)v

                    帰宅して、次の日の授業に必要な論文を
                    全く読んでいなかった事に気がついて
                    アセアセで真夜中過ぎまでかかって読み終わった私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    ドン・パスクワーレ@国立オペラ座

                    0
                      Wiener Staatsoper 2020年10月13日 19時30分〜22時

                      Gaetano Donizetti
                      DON PASQUALE
                      Text Giovanni Ruffini & Gaetano Donizetti
                      Dramma buffo in drei Akten

                      指揮 Marco Armiliato
                      演出 Irina Brook
                      舞台 Noëlle Ginefri-Corbel
                      衣装 Sylvie Martin-Hyszka
                      照明 Arnaud Jung
                      振付 Martin Buczko

                      ドン・パスクワーレ Nicola Alaimo*
                      エルネスト Dmitry Korchak
                      マラテスタ Adam Plachetka
                      ノリーナ Slávka Zámečníková*
                      公証人 Stefan Astakhov*
                      執事 Eduard Wesener
                      女中 Waltraud Barton

                      Orchester der Wiener Staatsoper
                      Chor der Wiener Staatsoper
                      Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                      トランペット Gerhard Berndl

                      今年の秋ほど、集中的にオペラを観る事が
                      過去にあっただろうか・・・
                      (大昔はあったと思う。ここ数年はオペラに行っていなかった)

                      原因は色々とあって
                      まずは、オペラ座のミドル・クラスの席が取れ易くなっている事。

                      これは劇場側には深刻な問題で
                      観光客がいなくなったために
                      通常ならチケット・オフィスが抱えているチケットが
                      普通に本来のサイトで買えてしまう、という現象がある。

                      加えて、賢明なる読者諸氏はお気づきだと思うが
                      楽友協会のコンサートのチケットが
                      非常に取りにくい。

                      これは、楽友協会のコンサートのほとんどが
                      チクルスとして売られているため
                      席数が半分(か3分の2)になってしまうと
                      チクルス購入の人たちだけで、コンサートが満杯になってしまうから。

                      同時に、外国のオーケストラを数多く招聘していた楽友協会は
                      特に、ドイツからのオーケストラがウィーンに来られなくなって
                      キャンセルが続いている、というのもあるし

                      楽友協会の一番安いカテゴリーのチケットは
                      一般発売には出て来なくなってしまった。

                      それでなくても楽友協会のチケットは高いので
                      (最安席で29ユーロくらい、その次の席は50ユーロ以上の事が多い)
                      超貧乏な上に、副業がなくなってゼイゼイしている私には
                      手が出ない。

                      オペラのチケットだって安くはないけれど
                      舞台あり、歌手あり、オーケストラありで
                      全部で2時間〜3時間で
                      舞台が見えて、音が悪くない席で
                      50ユーロくらいなら、まぁ、お得ではある(と自分を納得させる)

                      さて、ドニゼッティのオペラ・ブッフォは大好きだし
                      (人が死なないオペラは好き)
                      ドン・パスクワーレは単純なストーリーだし
                      久し振りに行くか、と買ったチケット。

                      あれ?この演出、知ってるぞ・・・

                      今回が32回目の上演だそうだが
                      これって、演出が変わった時に行って
                      後半のテーブルの上の、ピンクのテディ・ベアの
                      ミニのぬいぐるみが可愛い、って喚いていた演出だわ。

                      オペラ開始前に、舞台はオープンして
                      あちこちでテーブルに人が座って
                      酔っ払って倒れたり、走ったり、座ったりしている。
                      意味は全くわからない。
                      (舞台が、ホテルのバーのような部屋なのである)

                      タイトル・ロールのニコラ・アライモは
                      立派な体格のバスで
                      この人、この間の愛の妙薬では
                      怪しげなドゥルカマーラ博士で舞台に登場していた。

                      今回はコミカルな役柄だが
                      とことん開き直った演技が、はちゃめちゃで巧い。

                      ドゥルカマーラとは全く違って
                      ノリーナに振り回される、ちょっと情けない役が
                      コミカルに、哀愁を帯びて、なかなか・・・キュート ♡
                      あ〜、考えてみたら、ワタシってもともとデブ専だったっけ。

                      まぁ、まだ若い40歳前半の歌手だけど
                      70歳のご老人の役を、きっちりこなしているところに好感。

                      今回がオペラ座デビューになるソプラノの
                      スラヴカ・ザメツニコヴァ(と読むのかどうかはわからない)は
                      28歳という若手で
                      見た目も若いし、スタイルがめちゃくちゃ良いし
                      しかも、やっぱり声も若くて、キュートなオーラがあって

                      修道院出たばかりのソフローニアの役柄の時の
                      三つ編み、修道院っぽい女学生の服が
                      なんだか、とても似合っていて
                      モジモジするところが可愛い。
                      (モジモジしながら「見てろよ、このジジイめ」とか歌うところも(笑))

                      結婚後に豹変して
                      三つ編みカツラを投げ捨て
                      洋服を脱いで
                      挑発的な赤いブラジャーをバッチリ見せるところは
                      ちょっと鼻血ブー(あっ、すみません)
                      スタイル良いから、胸はそれ程大きくは(以下自粛)

                      しかも、このソプラノ、本当に声がよく通るし
                      神経に触らない美声で、キュートな声で
                      早口言葉みたいな声のコロコロも完璧。
                      ロッシーニあたりもイケそう。

                      まだ若いし、アンサンブルのメンバーになったばかりなのに
                      この大役を射止めているので
                      これからが楽しみなソプラノである。

                      エルネスト役、テノールのドミトリー・コルチャックは
                      高音まで澄んだ美しいリリックの声で歌い
                      スタイル良くて、演技も巧いし、身体の動きも良い。
                      スラヴカ・ザメツニコヴァと組んでも
                      ばっちり、リアルな若いカップルに見える。

                      マラテスタ役のバリトン
                      プラハ出身のアダム・プラチェトカ(と読むのかは不明)も良い。
                      この人も35歳との事で、これから活躍する歌手になりそうだが
                      見た目も良いし、演技も巧い。

                      飛び抜けたスター級の歌手はいないけれど
                      全員が声が出て
                      見た目がとても自然で
                      演技が巧いので
                      多少、小粒な感じがするとは言え
                      良く出来た舞台だったと思う。

                      ただねぇ・・・
                      やっぱり、このオペラ
                      詐欺の話だからな。

                      しかも、老人を標的とする詐欺の話で
                      昨今のモラルから言うと
                      かなりヤバイんじゃないかと思わないでもない。

                      最後で「若い女性と結婚しようとする老人はアホなのよ」って
                      う〜ん・・・それはないだろ、というよりも
                      それは個人の勝手であって(以下省略)

                      しかも、最後のシーンで
                      ドン・パスクワーレを高齢のご婦人が押し倒すという演出は
                      はっきり言って、あれ、止めて欲しい。
                      ちょっと痛々しくて
                      年配は年配同士でくっつけよ、みたいな
                      演出家のモラルというより、ヘンに高齢者をコケにする態度が
                      非常に鼻につく。

                      だいたいワタクシ的観点からすると
                      金持ちの親戚にくっついて、その金をアテにして
                      怠け者で何もしないエルネストみたいな若者はキライ。

                      って、何をまたオペラのストーリーに文句つけてるんだか・・・
                      あ〜、もう、ついつい・・・

                      まぁ、コミカルなオペラだし
                      一応はハッピー・エンドだし・・・

                      (正直、同じ素材なら、リヒャルト・シュトラウスの
                       「無口な女」の方が。
                       モロズスが静けさを愛す、ちょっと皮肉かかった最終シーンが好き)

                      ウィーンはここ数日、雨が降っていて、気温も10℃以下。
                      COVID-19の新感染者は毎日4桁台で増えているし
                      そのせいで、大学の授業もほとんどがデジタル授業だし
                      気が滅入る時には、こういう明るいオペラは良いかもしれない
                      と、考える私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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