「海賊」国立バレエ 今シーズン4回目

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    Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
    2019年12月29日 19時〜21時30分

    LE CORSAIRE
    Ballett in drei Akten
    振付 Manuel Legris
    舞台・衣装 Luisa Spinatelli
    照明 Marion Hewlett
    ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
    音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
    zusammengestellt von Igor Zapravdin
    指揮 Valery Ovsyanikov

    Conrad : Jakob Feyferlik
    Médura : Olga Esina
    Gulnare : Madison Young*
    Lanquedem : Leonardo Basílio
    Birbanto : Davide Dato
    Zulméa : Ioanna Avraam
    Seyd Pascha : Alexis Forabosco
    Drei Odalisken : Sveva Gargiulo, Fiona McGee, Rikako Shibamoto
    Korsaren: Giovanni Cusin, Darius Gramada*, Gaspare Li Mandri,
    Tristan Ridel, James Stephens, Andrey Teterin, Navrin Tunbull,
    Arne Vandervelde
    Pas des Forbans: Erika Kováčová, Iulia Tcaciuc, Marian Furnica, Andrey Teterin
    Walzer: Anita Manolova, Suzan Oppermann, Xi Qu, Alaia Rogers-Maman

    2019年最後のナイト・ライフに
    むちゃくちゃ素晴らしい舞台を観てしまい
    感動に次ぐ感動で、言葉に詰まっているところ。

    オルガとヤコブの演技が
    ますます熱を帯びて
    まさに、愛が深まったという感じ(友人の名言)

    オルガさまの神々しさはそのままなのだが
    ヤコブ、いや、コンラートに向ける眼差しの優しさ
    肩より上のリフトのまま
    コンラートにキスする、あのドキドキのアクロバットが
    アクロバットに見えず、とことん自然に見える凄さ。

    ヤコブも、プリンシパル任命の後
    どんどん貫禄を増して来て
    もともとの恵まれた体型とイケメンぶりに加えて
    大技がバンバン決まるのが気持ち良い。
    技の後の静止も、この上なく美しくキメて
    本当に素晴らしいダンサーになって来た。

    短期間でここまで伸びるという事は
    まだ伸びしろのあるダンサーで
    そのポテンシャルを考えるとワクワクする。

    さて、今回の目玉は何と言っても
    マディソンのグイナーレのデビュー!!!!!!
    もともと、コールドで入った時から
    その美少女ぶりと
    キレキレのダンスと、理想的なスタイルで
    どこに入っていても、ピカッと輝くようなダンサーで
    今回は主役級の大役にアサイン ❤

    登場シーンの、花がパッと咲いたような
    舞台に天使が降り立ったような
    絵本か、コミックか
    いや、そこらへんのバレエ・コミックを
    すべてなぎ倒しにして
    現実の方が美しいという事を見せつけるようなシーン。
    こんなの、本当に信じられない。
    これを現実に観ていられるという幸運が信じられない。

    あの難しい役を
    (しかも、なにそれ?と時々言いたいオーケストラに合わせて)
    落ち着いて、しっかりと短期間で躍り込んだマディソン。

    ランデケム役のレオナルドのサポートでのピルエットが
    一瞬、ぐらついて、ポワントが下がった時には
    ドキッとしたが
    そこで落ち込んだり、動揺したりする事なく
    最後の、あの、超むずいソロを、見事に踊ってくれた。

    マディソンばんざい \(^^)/

    いや〜、怪我がなくて本当に良かった。
    そして、あのメンタルの強さ・・・
    確かに、そこまで精神的に強くなければ
    プロのダンサーにはなれないのだろうが
    あの若さで(まだ20代前半のはず)
    そこまで成熟していて
    これからの伸びしろもある、という
    まぁ、すごい天才が出て来たわ。

    しかも、第3幕でのパシャとのやり取りの色っぽさ。
    本当に色っぽいのだ。
    もともとマディソンって
    珍しく、コンクール用の張り付いたバレエ・ダンサー特有の笑顔が
    ほとんど舞台で見えないダンサーで
    どちらかと言えば、クール・ビューティ・タイプの表情なのに
    あまりに美少女なので
    不自然な笑顔なんか不要です、というタイプなのだが

    パシャを誘惑したり
    他の女性にちょっと嫉妬しちゃったりと言うのが
    ほとんど表情を変えないのに(クール・ビューティだから)
    そのしぐさ一つ一つが色っぽい。
    全身から発散する色気のオーラ(すみません下品な表現で)
    いや、身体そのものが、劇的に喋るという稀有なタイプ。

    ナターシャがこの役を踊ると
    色っぽいけれど、キュートさが勝る。
    マディソンは、キュートさがまた違う。
    突出した美少女なのだが
    不自然に演出した、これ見よがしのキュートさがゼロで
    しかも、ドヤ顔もゼロで
    驚くばかりに淡々としているのに
    でもオーラが凄いのだ。
    あれは天性のものだね、きっと。

    本人のバレエに対しての努力は
    そりゃすごいだろうけれど
    演技とかに関しては
    本当に自然に出来てしまうタイプに見える。

    ここまで魅力的なダンサーが
    副主人公に入ってしまうと
    そりゃ、主人公はオルガさまでなければ釣り合いが取れないわ。
    (すみません、他のプリンシパルに非常に失礼な発言である事は承知してます)

    あそこまでキュートさ、初々しさ
    日本の美少女アニメをぶっ飛ばすようなリアル美少女が踊って
    それに一歩もひけを取っていないどころか
    ますます、その美しさ、ノーブルさ
    悲劇性、愛情、たおやかさでオーラを放ちまくるオルガさま。

    だってもう、一つ一つのパの完成度が尋常じゃないもん。
    完璧な技で、フェッテだって一点から全く動かず
    そのバランスの見事さに安定性
    最後のアラベスクでキマるところは
    ほとんど歌舞伎の見得に近いものがある。
    (あのポーズで、あれだけ長く安定していられるというのが・・・)

    他のダンサーだって
    技術的にオルガさまと同等のダンサーはいる。
    けれど
    オルガさまの持っている
    あの透明感とノーブルさの輝きは
    本当にオルガさま特有のものだ。

    お母さんになったら、おばさん化するかも、と
    産休中に心配していたのだが
    お母さんになったら
    ますます演技力が増して
    以前の悲劇オーラだけというタイプから
    輝くような笑顔まで出来るようになって

    本当にオルガさまの成長を
    ずっと見る事が出来る幸福を
    しみじみと噛み締めているところ・・・

    ランデケム役のレオナルドは
    背も高いし、技術もあるし
    本当は王子さまタイプなのだが
    何となく、ボケッとした感じがあって
    (いや、それが持ち味なんだけどさ)

    第2幕で
    睡眠薬を取り出して
    蓋を取ってから
    バラを出して、そこに睡眠薬を振りかけるという
    何と言う事のないシーンなのに

    何故にこのダンサーは
    最初にバラの花を取り出すかね?
    その後に睡眠薬のボトルを取り出したので
    両手が塞がってしまい
    キャップ取らずに睡眠薬を振りかけるという
    かなり間抜けなシーンと化したのは
    まぁ、細かい事だから良いけど
    ちょっと大笑いしそうになった。

    第2幕って、例えば
    睡眠薬で眠ったコンラートに
    ナイフで襲い掛かろうとするビルバントを止めて
    ナイフを奪って、ビルバントに斬りつけて
    怪我をさせた直後に
    ビルバントが顔を隠している布を剥ぎ取るという
    非常に短い時間で、様々な動作をしなければならないところがあるのだが
    まぁ、オルガさまは余裕でこの演技をこなすが
    レオナルドだったら混乱して無理かも、と妄想してしまう。

    ダンスは掴む空間も大きくてダイナミックで
    本番に強いダンサーって感じはするし
    ちょっと大ボケのところが
    また、独特の味を出しているのだが(笑)

    ビルバントのダヴィデだが
    ズルメア役のイオアンナと、最強のカップル。

    小柄で運動神経バツグンのダンサー2人のデュエットは
    動きは早いし
    飛び込むジャンプとキャッチの距離がものすごく長くて
    技の一つ一つが、キリッとピッタリ嵌って
    まぁ、小気味良い事、この上ない。

    オダリスクのスヴェヴァが、やっぱりむちゃ良い。
    このダンサーの持っている陽のオーラって強いなぁ。
    それに、スヴェヴァのダンスって
    観ていて、なんだか、こちらも幸せになる。
    芝本梨花子さんのソロも美しい。
    フィオナはテクニックはあるし華やかなのだが
    フィオナの体型ってチュチュが似合わない。
    こういうものは、持って生まれたもので
    本当にその意味では、バレエほど残酷な芸術はないだろう。

    今年最後の演目が
    これで良かった💘

    という事で
    今年も色々とお世話になりました。
    来年も頑張りますので(何を?(笑))
    また、宜しくお願い申し上げます
    ・・・と、一応型どおりの挨拶で濁す卑怯なワタシに
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。

    みなさま、どうぞ良い新年をお迎え下さい。



    年末・年始はそこそこ仕事で
    1月7日から、またまたハードな日常が
    ついでにテスト付きで戻ってくるし(汗)
    誰も興味のない日常の細々した記事を書くかもしれないけれど
    もし、日常コマゴマがなければ
    1月5日が初コンサート行きの予定です。
    (1月3日の「海賊」のチケットは持っていたのだが
     やむを得ぬ仕事のため行けない・・・う、う、う・・・)

    コッペリア@フォルクス・オーパー 7回目

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      Volksoper / Wiener Staatsballett 2019年12月27日 19時〜21時40分

      COPPÉLIA
      oder das Mädchen mit den Emailaugen
      Ballet in drei Akten

      振付 Pierre Lacotte (Akte I und II nach Arthur Saint-Léon)
      音楽 Léo Delibes
      リブレット Charles Nuitter und Arthur Saint-Léon
      舞台 nach den Pariser Originalentwürfen (1870) adaptiert von Pierre Lacotte
      舞台再現 Jean-Luc Simonini
      衣装再現 Michel Ronvaux
      照明 Jacques Giovanangeli
      指揮 Lorenz C. Aichner

      スワニルダ Nikisha Fogo
      フランツ Richard Szabó
      コッペリウス Gabor Oberegger
      村長 Franz Peter Karolyi
      農民の娘 Liudmila Trayan
      スワニルダの友人 Natalya Butchko, Adele Fiocchi, Sveva Garguilo, Eszter Ledán,
      Anita Manolova, Fiona McGee, Joana Reinprecht, Isabella Lucia Severi, Rikako Shibamoto
      マズルカ Marie Breuilles, Venessza Csonka, Zsófia Laczkó, Flavia Soares,
      Iulia Tcaciuc, Oksana Timoshenko, Céline Janou Weder, Beate Wiedner
      Nicola Barbarossa, Marat Davletshin, Martin Dempc, Andrés Garcia Torres,
      Trevor Hayden, András Lukács, Hanno Opperman, Gaetano Signorelli
      村人 Laura Cislaghi, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Katharina Miffek,
      Leonardo Basílio, Gaspare Li Mandri*, Igor Milos, James Stephens, Zsolt Török
      中国の人形 Nicola Barbarossa
      ペルシャの人形 Marat Davletshin
      楽器を弾く人形 Hanno Opperman
      コッペリア Catherine Gajsek
      アウローラ Adele Fiocchi
      夜 Ioanna Avraam
      夕暮れ Andrey Teterin
      糸紡ぎ Natalya Butchko, Eszter Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee,
      Joanna Reinprecht, Rikako Shibamoto
      花嫁たち Suzan Opperman, Xi Qu, Alaia Rogers-Maman, Chiara Uderzo
      婚約者たち Trevor Hayden, Naravin Trumbull
      Giovanni Cusin, Marian Furnica, Darius Gramada, Zsolt Török
      12時間 Marie Breuilles, Laura Cislaghi, Venessza Csonka,
      Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Zsófia Laczko, Katharina Miffek,
      Andrea Némethová, Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Oksana Timoshenko,
      Céline Janou Weder
      領主 Christoph Wenzel

      だから、この時期は、バレエしか行かないんですワタシ(汗)

      コッペリア 、フォルクス・オーパーで17回目の公演。
      大人にも子供にも人気があって
      子供のチケットはむちゃくちゃ安いから
      家族連れも多い。
      フォルクス・オーパーは比較的チケット入手が楽なので
      観光客らしき人たちも多い。

      フォルクス・オーパーって
      ともすれば国立オペラ座の名声の下で
      観客動員に非常に苦労している劇場なので

      ファミリー向けのプロダクションには非常に力を入れていて
      観光客用には、グループ割引などもある。
      しかも、他のどこかの劇場とは違い
      とても柔軟に対応してくれて

      ああ、劇場経営って大変なんだなぁ・・・と
      つくづく思うので
      こういう演目で、満杯ではないけれど
      結構、席が埋まっているのを見るとホッとする。

      だって、このコッペリア
      フォルクス・オーパーで上演されているとは言え
      出演しているのは
      国立オペラ座に所属するダンサーたちばかり。

      高級席にいらしていた私の知り合いが
      国立バレエ団の監督が、お母さまと一緒に来ている、と
      幕間に報告してくれたが
      あ〜、そりゃ、監督が見ていたら
      ダンサーは張り切るだろう。
      (見ていなくても、ダンサーは基本的にマジメだから
       ちゃんと踊るし、きっちりしたものを観せてくれる、念の為)

      ニキーシャのスワニルダも
      むちゃくちゃ可愛い。
      ナターシャだと「おとぎ話」というか
      バレエ漫画の絵本の世界になって
      それはそれで、ものすごく素敵なんだけど

      ニキーシャが踊ると
      もっと現代的で、ちょっと現実的な
      街にいる女の子が
      嫉妬したりしてるって感じになって
      何とも共感を持ってしまうのだよねぇ。
      (まぁ、ワタシ、「女の子」ではありませんし
       あんなラブストーリー、生涯になかったし
       でもまぁ、だからこそ、お話として楽しめる)

      フランツはリッチー。
      リッチーって、バレエ団の在籍長いし
      かなり昔から踊ってるの知ってるから
      年齢的には、結構、イってると思うんだけど
      (まぁ、失礼な言い方(汗))

      小柄でバネの効いたダンスを踊るので
      ニキーシャとカップルになっても
      おじさんの嫌らしさが全くなくて
      キュートなカップルに見えてしまうのは見事。

      小柄なダンサーって
      色々な意味で
      王子さま役にはなかなか抜擢されず
      どんなに技術が高くても、地味に見えてしまって
      残酷にも、最初からハンディを負っているけれど

      リッチーのこの役を見ていると
      小粒でピリピリという持ち味を活かして
      年齢が高くなっても
      こういう役を踊れるのは強みだわ。
      (それだけ本人も努力しているに違いない。
       だって、キレ味がなくなったら大変だし・・・)

      ニキーシャ踊りっぱなしの第2幕。
      人形の振りから人間への素早いチェンジ。
      人形から人間に変化するところの動き方。
      加えて、その後のヤンチャぶり(いやもうこのシーン、たまらん)
      続けてスペインのダンスを踊った後に
      細かいパの続くソロが入る。

      あれだけ踊った後の最後のソロの
      足捌きの見事さって
      ニキーシャにしてもナターシャにしても
      本当に疲れ知らずというか
      いや、普段、どれだけトレーニングしてるのよ。
      あ〜、ダンサーってスゴイ。

      群舞のダンサーたちも
      あの狭い舞台で、よくぞぶつからずに
      あれだけ見事に踊るなぁ。
      この演目、本当に華やかなので
      本当はオペラ座の広い舞台の方が見栄えがすると思うんだけど
      次のシーズン、オペラ座に持って来ないかしら。

      人気出過ぎてフォルクス・オーパーから
      オペラ座に移った、ボリス・エイフマンの
      アンナ・カレーニナというのもあるし・・・
      (反対に、オペラ座で上演してから
       フォルクス・オーパーに移ったのが
       「真夏の夜の夢」)

      スワニルダの友人たちも
      どこをどうやったら
      こういう美人が一同に集まるのだ、と言う
      美女を愛でる人が見たら
      失神しそうな
      お砂糖細工のお人形のような美しさのダンサーばかり。

      クラシック・バレエというのは
      人間の身体を、限界まで追い込んで
      「美」に近づけるという
      とんでもなく不自然な
      ついでに言っちゃえば、ものすごく不健康な芸術であって

      これが虐待かと言えば
      ま〜、そうなんだろうなぁ、と思わないワケではないんだけど
      え〜、むにゃむにゃ・・・

      できれば犠牲とかの上に成り立ったものでなければ良いと思う。
      でも、同時に
      この芸術を好きで好きで好きで
      それから逃れられない人だけが
      プロのダンサーになるんだろうなぁ、というのも事実。

      自分では何もやらず、努力せず
      ただ、舞台を観るだけで、きゃぁきゃぁ言っている
      私みたいな、どうしようもない観客も居るんだけど
      (しかも貧民席しか買わないし(汗))

      芸術家の絶え間ない努力と
      芸術性と音楽性と、その才能には
      深く敬意を表した上で

      舞台はむちゃくちゃ楽しませて頂いております (^^)v

      とんでもない観客だけど
      まぁ、一応、貧民席とは言え
      チケットを買ってプログラム買って
      できる限りで芸術は応援します、という
      何だか言い訳っぽい事を書いている私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      「海賊」国立バレエ 今シーズン3回目

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        Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
        2019年12月26日 19時〜21時30分

        LE CORSAIRE
        Ballett in drei Akten
        振付 Manuel Legris
        舞台・衣装 Luisa Spinatelli
        照明 Marion Hewlett
        ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
        音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
        zusammengestellt von Igor Zapravdin
        指揮 Valery Ovsyanikov

        Conrad : Jakob Feyferlik
        Médura : Olga Esina
        Gulnare : Ioanna Avraam
        Lanquedem : Tristan Ridel
        Birbanto : Masayu Kimoto
        Zulméa : Alice Firenze
        Seyd Pascha : Mihail Sosnovschi
        Drei Odalisken : Sveva Gargiulo, Fiona McGee, Rikako Shibamoto
        Korsaren: Leonardo Basílio, Trevor Hayden, Gaspare Li Mandri,
        Hanno Opperman, James Stephens, Zsolt Török, Navrin Tunbull,
        Arne Vandervelde
        Pas des Forbans: Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Igor Milos, Zsolt Török
        Walzer: Adele Fiocchi, Oxana Kiyanenko, Eszter Ledán, Suzan Opperman

        海賊続きで呆れていらっしゃる
        全国のはっぱファンの皆さま(いないかもしれない・・・)

        この時期はバレエだけしか行かない私を
        どうぞお許し下さい。
        (だってコンサートって言ったら
         トーンキュンストラーがワルツやポルカの演奏したり
         ウィーン・フィルのワルツやポルカは高過ぎて行けないし
         第一、あんまり興味もないし(すみません)
         コンツェルトハウスのウィーン交響楽団の
         ベートーベンの交響曲9番は
         一番安いチケットで48ユーロという設定だし・・・)

        さて、今回は夢のキャスト
        ヤコブのコンラートと、オルガさまのメドゥーラ♡
        ラブ・ストーリー(に見える)保証付き。

        オルガさまご登場時から
        もう、その神々しさは舞台から観客席までを圧倒。
        トリスタンのランデケムや
        奴隷商人の若い男性ダンサーたちが取り囲むと

        この無礼者!恥を知れ!

        へへええっっ・・・と
        私だったら平身低頭して
        平伏して土下座して
        這いつくばって崇敬してしまい
        (こういうのをトートロジーというのはわかっているが
         その位、印象がダントツなのだ)
        オルガさまを拐って行こうなどという
        勇気はなくなってしまうのだが
        そうすると、話が続かなくなってしまう・・・

        オルガさまの神々しさにも負けず
        頑張ってオルガさまを捕らえるトリスタンは
        なかなか堂々としたランデケムで
        柔軟な膝を充分に使った柔らかい着地も見事だったが
        第1幕の見せ所のソロの時のマネージュが

        えっ???
        このマネージュ
        デニスが踊るバージョンの時の
        コンラートのマネージュじゃん?!
        (マネージュの最後に一瞬空中に浮いて
         足を交差させちゃうサーカス)

        いや〜、若い男の子そのものだわ ♡
        ああいうサーカス技って、やっぱり観ている方にはウケる。
        ランデケムのイメージとしては
        ちょっと歳のいった「女なんて商売道具さ」っていう感じの
        ニヒルさがあるのだが
        こいつ、自分で女奴隷に惚れちゃうか
        あるいは、部下の女に全員手を出してるよ、という雰囲気(笑)
        ズルメアが時々、秋波を送ってますけど?(爆笑)

        オルガさまが捕らえられて
        コンラートと恋に堕ちて
        その後、パシャの前で踊るところで

        この場面、パシャにイヤイヤしながら
        コンラートには恋してるの、というのを
        見せなければならない、かなり難しい場面。

        他のダンサーは
        器用にコンラートには笑顔、パシャにはイヤイヤ顔という人と
        表情だけちょっと混乱して、両方とも中途半端になるダンサーがいるが

        オルガさま、この部分の表情が見事。
        あの、誰も逆らえない悲劇的な表情で
        コンラートには「助けてお願い」
        パシャには「いやいや」という
        同じような表情でありながら
        パシャに向けての、ほんの少しの嫌悪感が
        あまりに見事で、客席で悶えまくり。
        役を完璧に自分のものにしているのもわかるし
        考えに考え抜いた演技が
        お伽話の中にリアル感を出している。

        イオアンナのグイナーレも良かった。
        輝くような笑顔で
        最初のソロの色っぽい流し目に
        卓越した運動能力によるダンスの安定性。
        イオアンナって、持っている雰囲気が
        残念ながら、かなり地味なんだけど
        技術的に非常に高いので
        舞台では大きく見えるし
        どんな難しいパでも
        頑張ってますアピールなしに自然に見せるのは凄い。

        ヤコブの堂々とした王子さまは魅力的。
        ただのナヨナヨした王子さまじゃなくて
        海賊というワイルドさも、ちゃんと出しているのは
        ライモンダのジャン・ド・ブリエンヌあたりを踊り込んだ時に
        王子さま+ワイルドさというコンビネーションを
        ばっちりモノにしたんだろうなぁ。

        大技も自然に見せてくれるようになって
        もともとの恵まれた体型もあり
        演技力に優れているので
        オルガさまとのラブストーリーが
        もう、甘くて甘くて、最高。

        オダリスクは
        スヴェーヴァ、フィオナ、梨花子さんの組み合わせ。
        明るいスヴェーヴァの華やかさが光るし
        梨花子さんの技術的な安定感と
        フィオナのキレの良いダンスも素晴らしい。

        この作品、クラシック・バレエを知り尽くしたダンサーが
        その持てる技のすべてを
        最も美しく見えるところから大盛り大サービスなので
        ともかく最初から最後まで踊りっぱなし。

        ヌレエフの振付は最高に鬼だが
        ルグリ監督も、かなりSというか鬼というか

        君ら、プロのダンサーなんだから
        この位は踊れるよね?

        という、ダンサーへの期待と
        無言の重圧を(笑)感じさせると同時に

        バレエ大好きな、目の肥えた観客に
        如何に徹底的にクラシック・バレエを楽しんでもらうか、という
        サービス精神大盛りの演目なので
        何回観ても飽きないし楽しい。

        オルガさまの、この上なく美しいソロも
        充分に堪能させてもらったけれど
        このカップリングの公演
        あともう1回ある 💘

        もちろん行きます (^^)v
        という私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        さすがにこの時期のバレエは
        安くて見える席が全くなかったので
        ちょっと贅沢な席を買ったのだが
        その分、同じロジェの観光客も
        そこそこマナーが良くて
        気分良く鑑賞できたのはありがたい。
        (私を除く全員が観光客だったけど(笑))

        「海賊」国立バレエ 今シーズン2回目

        0
          Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
          2019年12月23日 19時〜21時30分

          LE CORSAIRE
          Ballett in drei Akten
          振付 Manuel Legris
          舞台・衣装 Luisa Spinatelli
          照明 Marion Hewlett
          ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
          音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
          zusammengestellt von Igor Zapravdin
          指揮 Valery Ovsyanikov

          Conrad : Davide Dato
          Médura : Nikisha Fogo
          Gulnare : Natascha Mair
          Lanquedem : Mihail Sosnovschi
          Birbanto : Arne Vandervelde
          Zulméa : Sveva Gargiulo
          Seyd Pascha : Eno Peci
          Drei Odalisken : Elena Bottaro, Anita Manolova, Madison Young
          Korsaren: Nicola Barbarossa, Leonardo Basílio, Trevor Hayden,
          Gaspare Li Mandri, Tristan Ridel, James Stephens, Zsolt Török,
          Navrin Tunbull
          Pas des Forbans: Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Igor Milos, Zsolt Török
          Walzer: Adele Fiocchi, Oxana Kiyanenko, Eszter Ledán, Rikako Shibamoto

          冬休みは勉強・・・と考えていたのに
          何もしない間にどんどん時間が経つのは何故だ?(自分が悪い)
          遊びまくっている間に
          明日はクリスマス・イブ(真っ青)

          それでもバレエには行く。
          チケットは全て売り切れで
          家族連れや観光客で満杯である。

          ・・・というより、昔はこのシーズンって
          ギリシャ人観光客を除いて
          あまり観光客はいなかったと思うのだが
          (ギリシャは正教なのでクリスマスが違う日のはず)
          家族の田舎で過ごす以外の過ごし方が増えたという事か。

          さて、通算15回目の「海賊」
          読者はアキアキしているとは思うが
          これ、すみません、個人的メモなので
          どうぞご勘弁下さいまし。

          今回のメドゥーラはニキーシャ
          相手のコンラードはダヴィデ
          ビルバントにアルネが入って
          ズルメアはスヴェヴァ。

          まずはグイナーレのナターシャに悶絶。
          ついこの間、この大役を踊ったばかりで
          続けての登板だが
          最近、あまり見せてくれなくなった
          流し目ドッキリ小悪魔風の眼差しでの最初のソロ。

          うわあああ
          やっぱり、このキュートさ満載のどや顔を見ないと
          今年が終わらん(イミフ)

          振り返ってみれば、2013年のドン・キショットの
          アモール役デビューから6年間にわたって
          ず〜〜〜〜〜っと
          キュートだ、可愛い、小悪魔的、流し目ステキと
          叫び続けているのだから
          自分もアホだ、いや、時が流れるのは早い。

          ナターシャって、本当にキュートで
          身体の柔軟性は抜群だし、優雅だし
          理想的な体型だし
          技術的にはトップ中のトップで
          努力している様を全く見せずに
          どんな難しいパでも自然にこなす上に

          演技力がまた抜群で
          見た目のキュートさに引き摺られて
          そういう役ばかりと思っていると
          フォルクス・オーパーでのマリー・アントワネットのように
          むちゃくちゃシリアスで
          悲劇的オーラ巻き散らかしの役も完璧にこなす。

          ナターシャが完全に成熟する前に
          (すみません、すごい言い方で・・・)
          クランコのロメオとジュリアのジュリアを見たい。
          マイヤーリンクのマリアも見たい。
          今の輝いている時期の間に
          マノンも見たい。
          デグリューはヤコブに踊らせて・・・

          ダンサーの若い時期って本当に短いので
          その年齢に合った役を見たいと切望するのは
          ダンサー・ファンならわかって下さると思う。

          ジゼルとかは、少し歳取ってからの方が良いと思うけれど
          いくつかの役は、その年齢というものがあるので。

          ニキーシャのメドゥーラと
          ダヴィデのコンラートは
          雰囲気と見た目がかなり合うカップリング。

          ダヴィデが片方の耳に
          かなり目立つイヤリングをしているのは
          あれ、衣装の一部じゃないよね?

          片方の目立つイヤリングって
          何となく、そのテの雰囲気を醸し出していて
          ちょっと、今回のラブストーリーとは合わないんだけど
          でも、全体的なストーリーとして見ると
          一応、ラブストーリーには見える。
          (この間の清香女史とデニスは
           ラブストーリーというより、組み手に見えた)

          第2幕の、例の大盛り上がりのPDDの時の
          ニキーシャのフェッテの見事だった事!!!!

          いや凄かったです、黒鳥顔負けのドゥーブル続きで
          体幹がびくともせず安定していて
          キレが良くて
          観客も大興奮、ワタシも大興奮。

          こういうのって、確かに技術的な部分が多いので
          サーカスっぽい喜びではあるのだけれど
          ああいう素晴らしいフェッテを見られるというのは
          何とも快感ではある。

          ダヴィデのダンスもダイナミックで
          安定していて素晴らしい。

          ミーシャのランデケムのソロは
          やっぱり圧倒的な存在感で
          舞台の空気を掴む空間の大きさは
          誰にも敵わない。
          王子さまタイプじゃないけれど
          ミーシャのずば抜けた個性が
          かえってキャリアの邪魔をしていて
          プリンシパルになれていないのは、かなり残念。

          脇役の1人なのに
          最近、演技力アップで、ものすごく存在感を増した
          エノのパシャのカッコいい事と言ったら・・・
          あんなチャーミングなパシャなら
          喜んで女奴隷になりたい(迷惑)

          アルネのビルバントと
          スヴェーヴァのズルメアは
          実にチャーミングでステキ。

          アルネはまだ若いし、細いけれど
          細いので、身体がとても軽くて
          その若さと共に、重力を全く感じさせない
          キレのある動きとジャンプを繰り広げて
          ダヴィデが筋肉質なのと対照的で
          存在感があった。

          ズルメア役のスヴェーヴァ
          このダンサー、踊っていると
          そこだけ周囲より明るくなる印象を与える。
          持っているオーラが陽性で、輝くような光を発する。
          ズルメアの役柄にぴったり。

          オダリスクはエレナ、マディソンとアニータ。
          マディソンの優雅さとしなやかさは
          ナターシャとキャラが被る。
          出てきただけで、パッと光るダンサー。

          エレナのダンスはノーブルで
          技術的な部分で、ちょっと体操っぽくなるところもあるが
          頑張ってますね、と感じさせる(本当はそれはいけないのだが)
          応援してあげたくなる素直さを持つ魅力的なダンサー。

          オーケストラは相変わらずボロボロだったが
          まぁ、バレエの時には仕方がない。
          シーズンもシーズンでトラも多かっただろう。

          ただ、ライナー・ホーネックのバイオリン・ソロは
          いつもながら、鳥肌が立つほど、素晴らしい。
          ラブシーンのリアルさが、100倍くらいになった。

          この演目は12月にあと数回あって
          1月の最終公演には、キミン・キムが登場するのだが
          ・・・チケットは押さえていたのに
          仕事で行けなくなった(涙)

          でも、オルガさまとヤコブの公演には行けそうなので
          貧民席のチケットを抱きしめて
          ニヤニヤしている私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          そろそろ年末なので
          今年のコンサートとかバレエとか数えてみたら
          サボったものもあるからあまり正確ではないが
          今日の公演が今年に入ってから265回目だった(汗)

          24日はオーストリア全土で
          コンサートもオペラもないし
          25日には別の予定があるので
          皆さま、どうぞ良いクリスマスをお迎え下さい。
          (オーストリアは12月25日・26日ともに祝日です)

          「海賊」国立バレエ 今シーズン1回目

          0
            Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper
            2019年12月21日 19時〜21時30分

            LE CORSAIRE
            Ballett in drei Akten
            振付 Manuel Legris
            舞台・衣装 Luisa Spinatelli
            照明 Marion Hewlett
            ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
            音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
            zusammengestellt von Igor Zapravdin
            指揮 Valery Ovsyanikov

            Conrad : Denys Cherevychko
            Médura : Kiyoka Hashimoto
            Gulnare : Natascha Mair
            Lanquedem : Mihail Sosnovschi
            Birbanto : Masayu Kimoto
            Zulméa : Alice Firenze
            Seyd Pascha : Eno Peci
            Drei Odalisken : Elena Bottaro, Anita Manolova, Madison Young
            Korsaren: Leonardo Basílio, Trevor Hayden, Gaspare Li Mandri, Tristan Ridel,
            James Stephens, Zsolt Török, Navrin Tunbull, Arne Vandervelde
            Pas des Forbans: Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Igor Milos, Zsolt Török
            Walzer: Adele Fiocchi, Oxana Kiyanenko, Eszter Ledán, Rikako Shibamoto

            今年5月23日に6回目、通算13回見た「海賊」の
            今シーズン1回目、通算14回目。

            実は上記に書いた以上に
            この演目、ダンサーが山盛りで出演するのだが
            全部書いていたら、そこで私の体力・気力が尽きるのでご勘弁を。

            今シーズン初の「海賊」は
            デニスと橋本清香女史のカップリング
            グイナーレはナターシャ♡
            ビルバントを木本クン
            ランデケムにミーシャが入った。

            ナターシャのしなやかさ
            キュートさに加え
            最近は成熟した大人の女性の雰囲気も併せ持って
            見事に少女から女性への脱皮をして
            あ〜、もう、本当に何て素晴らしいダンサー。

            ただ、ナターシャお疲れなのか
            (だってつい最近、コッペリア踊ったばかり)
            ちょっと不安定な部分があってドッキリ。

            鉄壁の技術を見せてくれるナターシャなので
            もちろんミスは一つもないけれど
            (知っていると)ちょっとドキッというところが
            2回くらいあって(たった2回だけど)
            疲労が怪我に繋がる職業なので
            ちょっと心配になったのは確か。

            橋本清香女史は
            ものすごく凛々しい。
            というか、逞しいというか
            ダイナミックで、ポーズ一つ一つがピッタリ決まる。
            気風が良くて、キレがあって、もう見事の一言だが
            こういう姐さんタイプがデニスに惚れるとは
            あまり思えない(勝手な想像)

            本当に 強靭な脚なのに
            あくまでも細くバランスの取れた美脚で
            しかも、あの強さ・・・
            過去のトレーニングの集積で作られた
            バレエ・ダンサーの身体に驚嘆するばかり。

            デニスは、なんだかちょっと丸くなった?
            太ったというのではないのだけれど
            全体的にちょっと筋肉質というか、重い感じがする。
            まぁ、変にすごく細いダンサーより好みだが。

            デニスの体幹の安定は相変わらずで
            ジャンプもピルエットも、まぁお見事。
            2幕のPDDでのソロは
            ものすごく華やかで技術的に完璧で
            観客ウケもすごい。

            ただ、メドゥーラとのPDDのリフトが・・・
            あ〜、デニス、そんなに清香女史を振り回すんじゃない
            ・・・何だか荷物を持って
            えっこらしょ、ってやってるみたいで
            リフトというより
            女性ダンサーを担いでるって印象。
            (清香女史、そんなに重たくないぞ、というか
             絶対に、全然重たくないぞ・・・)

            橋本清香女史のPDDでのソロも
            鬼気迫るソロで
            いやもう、目にも留まらぬピルエット
            フェッテはあそこまでドゥーブル入れなくても良いかな
            とは思ったけれど
            だいたいドゥーブルをあれだけ入れられる技術には目を剥くし
            ともかくポーズがキマリまくりで、本当に気持ち良い。

            ソロで目立つ、と言ったら
            ランデケム役のミーシャである!!!!

            もうこのダンサー、何と言う個性と存在感。
            ソロを踊りだすと、舞台全体の空間を支配してしまい
            他のダンサーより数倍大きなオーラで圧倒する。
            (ものすごく大きく見えるのだ、不思議な現象だ)

            本当に稀有なダンサーだわ。
            役を選ぶダンサーだと思うのだが
            ランデケムはとても合っているし
            演技もしっかり出来ていて
            (パシャのエノとの絡みが楽しい)
            ミーシャに熱狂的ファンがつくのはわかる。

            ビルバント役の木本クンは
            ちゃんと悪人に見える(爆笑)
            かなり目つきが悪い、素晴らしい(大爆笑)

            木本クンの身体って、なんて軽くてしなやかなの。
            ダンスにキレがあって小気味良いのに
            どこかに必ずノーブルさを残すし
            押し付けがましくなくて
            動きのコンビネーションに不自然さがなくて
            流れるようなダンスには、見惚れてしまう。

            木本クン、コンラード役踊らないかなぁ。
            メドゥーラは清香女史だとリアルになり過ぎかもしれないので
            ナターシャとかマディソンで・・・(勝手に希望中)

            エノのパシャが、あまりに魅力的で
            客席で悶えてた。
            パシャ役は踊るところはないので
            演技力とその存在感がキモなのだが
            あんなに素敵なパシャなら
            グイナーレは幸せだろう、きっと(妄想中)

            ・・・だって、パシャと遊ぶナターシャが
            あまりに可愛いんだもん。
            こんな可愛い奴隷だったら私も(以下省略)

            オダリスクの3人もキュート♡
            子供ではなく、でも大人になり切ってもいない
            少女の可愛らしさと純粋さが必要な役なのだが
            (以前はナターシャが踊ってた)
            エレナもアニータもマディソンも秀抜。
            (この3人、最近、この組み合わせで出る事が多いな)
            エレナのマジメな一途さも良いし
            マディソンのしなやかさ、キュートさはたまらん。

            しかし、確かに
            現代という社会状況から見たら
            この「海賊」ルグリ監督がかなりストーリーに
            手を入れているとは言え

            女性を奴隷にして商売するとか
            恋人の女性が、男性の商売に口出しして
            仲間割れの原因を作ったりとか
            パシャがハーレムでデレデレしていたり
            バレエ学校の子供たちを夜まで踊らせたり
            (でも、この花輪のシーン、キュート♡)

            ストーリーはう〜ん???と思うところが多いんだけど
            デニスと清香嬢が最後に助かって
            浜辺で抱き合う時(抱き合う前に幕が降りてしまった(笑))

            これからは清香ちゃんが女ボスになり
            ランデケムも支配下に置いて
            ついでにパシャも、しっかりたらし込んで
            ビジネスにばっちり出費させ
            グイナーレを副社長か書記にして
            海賊をまとめて姐さんとして率いて
            デニスは清香ちゃんのヒモとなる

            ・・・というストーリーが
            勝手に頭の中で出来てしまうのは何故なんだ。

            まぁ、過去の芸術作品というのは
            夢みがちな男性芸術家の視点からのものも多いし
            (良し悪しは言いません。
             ただ、それって、女性に幻想抱いてません?というものが
             多いのも事実ではある)
            当時の社会状況を反映していて
            それこそダイバーシティの全否定みたいなものもあるわけで

            この間、マダム・バタフライの話は本当か?と
            誰かに聞かれて仰け反ったのだが
            (男がタネ蒔いた後に勝手に出て行くって
             別にアメリカ人・日本人だけじゃなくて
             こっちでも多いよね?)
            この「海賊」というストーリーだって
            問題ありまくりなのだが

            それでもバレエとして見ると
            最初から最後まで、クラシックで踊りっぱなし
            ルグリ監督の、観客心理や、観客目線を
            とことん知り尽くした身体の見せ方など
            おそろしく見応えのある素晴らしい作品ではある。

            よって、これからまだ少し
            この演目を追いかける予定の私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ウィーン交響楽団 + クシシュトフ・ウルバンスキ 2回目

            0
              Musikverein Großer Saal 2019年12月20日 19時30分〜21時35分

              Wiener Symphoniker
              指揮 Krysztof Urbański
              チェロ Kian Soltani

              Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
               Ouvertüre zur Oper „Le nozze di Figaro“, KV 492
              Witold Lutosławski (1913-1994)
               Konzert für Violoncello und Orchester
              Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
               Symphonie Nr. 4 f-Moll, op. 36

              2日前に行ったコンサートだが
              ウィーン交響楽団は同じプログラムを3回演奏するので
              昨日も同じ曲を演奏していた。
              私は行ってません、悪しからず。

              モーツァルトのフィガロの結婚
              楽しい曲だけど
              ついつい聴きながらフォームの分析を始めてしまい
              あ〜、これ、ABAに見えながら、ロンドじゃん
              ・・・とか考え始めると、もう末期というか(すみません)

              さて、ルトスラフスキのチェロ協奏曲の前に
              チェリストがチェロなしで舞台に出現。

              ??? と思っていたら
              聴衆に向けて、曲目解説を始めた。

              ルトスラフスキの音楽言語に詳しい方もいらっしゃるとは思いますが
              まだ、あまり知らない、という方のために、ちょっとお話させて下さい。

              うむ、なかなか好感の持てる喋りである。
              ルトスラフスキなんて知らないでしょ?という上から目線でないのが良い。

              チェロは個人、オーケストラが集団で
              チェロは、集団に向かって、一生懸命、合わせようとしたり
              戦ったりするのですが、いつも負けます(ここで笑い声)

              途中、一箇所だけ、弦のアンサンブルと呼応するところがありますが
              それも長くは続かず、集団の圧力に負けそうになりますが
              最後はチェロの音域すべてを使って
              個人としてのチェロが勝利したような印象を残します。

              ・・・これも巧い解説の仕方だ。
              勝利した、と断定するのではなく
              あくまでも可能性として示唆するだけ、という

              このチェリスト、音楽だけではなくて
              かなり頭脳明晰と思う。

              しかし、こんな解説しなきゃならん程
              昨日の演奏はウケなかったのかしら?
              (2日前の初日は、結構、ブラボーも飛んでいた)

              だいたい、この内容、チェリストがプログラムに書いているんだけど
              まぁ、プログラムは買わない人も読まない人もいるだろうな。

              私は2日前に聴いた時から
              コンセプトがあまりに明確過ぎて驚いたが。
              書いた通り、隣のおばさまも、警察に捕まるみたい、と言っていたから
              音楽そのものが語る内容は、非常に明確である。

              幕間に係員と話していたら
              年配の女性客2人が「これはサイコ・テロだ、聴いていられない」と
              会場から出ていったらしいが

              確かにサイコ・テロかもね(笑)

              個人と集団の相克が、あまりにリアル過ぎて
              当時のポーランドの社会的状況を考えた方が良いのかもしれない。

              ただ、現在だって、この個人対集団の図式は当てはまるわけで
              もしかしたら、このチェリストも
              個人対社会で、ものすご〜〜〜く苦労して来たんじゃないか
              ・・・と思わせる部分が多い。

              私だって30年以上、異邦人としてここで暮らして来て
              人種差別とか、まぁ、鈍感だからあまり感じないけれど
              確かに実際、ちゃんとそういう個人対集団の対立はあるし
              その意味では、あの慟哭して絶望して
              ため息ついて、やり場のない怒りを撒き散らすチェロは
              かなり心に刺さる。

              ついでに、チェロを虐める集団のオーケストラにも
              腹が立つ(こらこら)
              特に、トランペットやトロンボーン、ホルンなんか
              悪役も良いところじゃないか。
              聴いているだけで、ちょっと憎たらしくなってくるので
              やっぱりこの曲、私には、心情的にものすごい語りかけがある。

              チェリストの雄弁さが影響しているんだろうなぁ。
              泣きそうな顔で、感情的に演奏する人って
              あまり好みではないのだけれど
              この曲に関しては、ものすごく共感。
              ある意味、ソリストの魂の形が見える・・・
              と言ったら大げさかもしれないが。

              いや〜、こんな暗い曲
              2回も聴いたらやってられないかと思ったら
              突き刺さって感動するなんて、ちょっとやられた、って感じ。

              ウィーン交響楽団のチェリストを巻き込んで
              ショスタコーヴィッチの映画音楽のアンコール。
              こういう協力を得られるというのは
              チェリストの人徳なのかもしれない。

              さて、後半のチャイコフスキーの交響曲4番。
              これは、前半で悪者になっていた
              金管軍団の名誉回復の曲だな(笑)

              ウルバンスキの指揮が
              何だか最初の頃に比べると
              もっと自由自在になっていて
              というか、ほとんどリズム取ってないし
              オーケストラに任せるところは徹底的に任せている印象。

              しかしこの指揮者の下半身って美しい(すみません)
              ウルさま、とか愛称を付けて、称賛してファンになる人が
              いるんじゃないだろうか(邪推)
              (ちなみに、私が「さま」を付けて呼ぶのは
               ウィーン国立バレエ団のオルガさまのみです。
               彼女は舞台の上では、あまりに神々しくて
               もう「さま」なしでは呼べません・・・)

              年配女性の「サイコ・テロ」発言だが
              チャイコフスキーだって、かなりの「サイコ・テロ」じゃないの?

              いや、それ言ったら
              ベートーベンこそ、最初のサイコ・テロ首謀者で

              続いて、様々なサイコ・テロが出現して
              ドヴォルジャークとかチャイコフスキーとかが出た後で
              ワーグナーという、サイコ・テロの大御所が出て来て

              その後、グスタフ・マーラーと言うサイコパスが登場し
              (あ〜、マーラー・ファンのみなさま、ごめんなさい。
               私、マーラー大好きですけど
               時々、どう聴いてもサイコパスにしか聴こえないので)
              シェーンベルクという
              実は大情熱家でサイコパスになりそうだった作曲家が
              あまりに頭良過ぎて
              理論に走る音楽を書いてくれたお陰で
              現代音楽は、12音技法とか
              頭で聴く音楽という、あまりサイコに関係ない方に走った
              ・・・ような気がするのだが

              前半のルトスワフスキ聴いちゃったら
              簡単にそうとも言えないような気がして来た。

              芸術そのものが
              感動なり人間の感情に触れるものを目指す限りは
              どちらにせよ、どういう音楽だって
              サイコ・テロには違いない(極論)

              最近、悪い癖で
              何を聴いても
              特に多少なりとも知っている曲を聴くと
              スコア持って、分析してしまいたくなるのだが
              いや、今回のチャイコフスキーも
              モチーフの移調とか、かなり気になっているのだが

              いやいや、それはともかくとして
              3回目でダレるかと思ったら
              バランスの良い、締まった感じの
              体幹がしっかりしているような印象の
              素晴らしい演奏だった。

              木管のソロ、すごくチャーミング。
              全体的にニュアンスに富んだ無理のないバランスで
              盛り上げるところは盛り上げて
              優しい部分はとことんチャーミング。

              しかし指揮者って
              こういう曲、最初から最後まで
              しっかり分析して
              バランス考えて臨むのか・・・すごいな。

              ウルバンスキはルトスワフスキ以外は暗譜での指揮。
              確か、この人、記憶力がずば抜けていると
              どこかでチラッと聞いた記憶があるのだが
              移調楽器も含めて
              スコアが全て頭の中に入っているのは羨ましい。

              さて、これにて私の2019年のコンサート・ライフは終わり
              ・・・なんだけど
              この後はウィーン国立バレエ団の「海賊」が待っている ♡

              もっとも、年末・年始は私も仕事があるから
              「海賊」全公演の制覇は出来ないが・・・
              まぁ、仕事があるのは有り難い事なのだろうが
              仕事全部ほったらかして
              ひたすら遊びたい、という
              怠け者の私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              クリスマス前にバレエ公演があるので
              まだ、みなさまに良いクリスマスを、と言うまでには
              少し時間があります。どうぞお付き合い下さいまし。

              ウィーン交響楽団 + クシシュトフ・ウルバンスキ

              0
                Musikverein Großer Saal 2019年12月18日 19時30分〜21時20分

                Wiener Symphoniker
                指揮 Krysztof Urbański
                チェロ Kian Soltani

                Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                 Ouvertüre zur Oper „Le nozze di Figaro“, KV 492
                Witold Lutosławski (1913-1994)
                 Konzert für Violoncello und Orchester
                Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                 Symphonie Nr. 4 f-Moll, op. 36

                この歳になってくると
                鮮烈なデビューをした若手指揮者が
                どんどん中堅になって来て
                え?あの人、もうそんなに歳だったっけ?と
                驚く事があるのだが

                私の記憶に「若い指揮者」として
                登録されていた指揮者と言えば

                フィリップ・ジョルダンが45歳
                あまりウィーンに来てくれないのだが
                ヤニック・ネゼ=セガンとダニエル・ハーディングが44歳で同じ歳。

                若いイケメン・ボーイのイメージのヴァシリー・ペトレンコが
                ユライ・ヴァルチュハと同じで43歳。
                アンドレス・オロスコ=エストラーダがトゥガン・ソキエフと同じ42歳
                アンドリス・ネルソンスは41歳
                ミッコ・フランクが40歳

                ピエタリ・インキネンとコルネリウス・マイスターが39歳
                グスターボ・ドゥダメルとヤコブ・フルシャが38歳

                クシシュトフ・ウルバンスキ 37歳
                ロビン・ティチアーティ 36歳
                サントゥ=マティアス・ロウヴァリ 35歳
                リオネル・ブランギエ 34歳

                ミルガ・グラジニーテ=ティーラは33歳

                ロレンツォ・ヴィオッティ(29歳)が
                今のところ、私が聴いた事のある中で
                最も若い指揮者かもしれない。

                ついでに、テオドール・クルレンツィスは
                若い反逆児、アンファン・テリブルのイメージが強いが
                ご本人の年齢は47歳。
                同じく1972年生まれにはウラディーミル・ユロフスキと
                クリスティアン・ヤルヴィ(パーヴォ・ヤルヴィの弟)がいる。

                48歳クラブは結構居て(1971年生まれ)
                キリル・ペトレンコ、ダン・エッティンガー
                クリスティアン・アルミンクに
                フランソワ=グザヴィエ・ロト

                30代後半とか、40代になった指揮者の多くを
                20代のデビューの時に聴いているワタシとしては
                何だか複雑な気分ではある。

                まぁ、それはさておいて
                今回のウィーン交響楽団は
                クシシュトフ・ウルバンスキ(37歳)の登場。

                この人も若く見える。
                いや、外見について何か言うのは失礼なのだが
                黒の蝶ネクタイを締めて
                燕尾服じゃないけれど、洒落たデザインの上着で
                細身のズボンの姿は
                どう見ても、高級ファッション誌のモデルにしか見えない。

                プログラム最初がフィガロの結婚序曲って
                華やかに楽しく始めようという目的かな。
                細かい弦楽器の刻みが、潰れずによく出ていて
                推進力があって気持ちが良いし
                クルレンツィスほど尖ってない(笑)

                次がヴィトルト・ルトスワフスキのチェロ協奏曲。
                ソリストのキアン・ソルタニはペルシャ系だが
                オーストリアのブレゲンツ生まれで
                リヒテンシュタインなどで学んでいた1992年生まれの27歳。

                最初の数分はチェロのソロが続く。
                オルゲルプンクトの途中に
                突然のメロディが入ったかと思うと
                またオルゲルプンクトに戻っていく。
                (註 オルゲルプンクトは日本語では持続低音と訳されているようだが
                 「低音」とは限らず、バスにて同じ音が繰り返される事を言う)

                オーケストラが入ってくる・・・というより
                チェロのソロに突然アタックしてくる金管の咆哮。
                チェロはずっと弾き続けで
                そこに、オーケストラの一部の楽器が絡まってくる。
                木管だったり、金管だったり、ピアノだったりして
                トゥッティになるのは、かなり後になってから。

                チェリストのコメントがプログラムに記載されていたが
                個人(チェロ)と社会(オーケストラ)の相克と解釈されていて
                本当に、この曲、そういう風にしか解釈できない。

                ある意味、ものすごく政治的な曲である。
                ルトスワフスキ自身は
                あまり政治にかかわっていなかったという記憶があるのだが
                当時の政治状況に
                息苦しさを感じていたのだろうなぁ、と
                誰が聴いても推測できるような曲だ。

                チェロの自由への渇望と
                それを阻止するオーケストラの対立
                チェロの叫び、号泣、ため息。
                やりきれない焦燥感に満たされて
                聴いていると、胸が痛くなる。

                休憩時間の後に
                隣のおばさまが
                「何だかオーケストラが入ってくると
                 警察に捕まった気分になるので
                 あまり好きじゃない」と言っていたけれど
                確かに、この個人と社会の対決はリアルである。

                重苦しい曲だが
                政治的主張を、これだけ芸術にしてしまったのはスゴイ。

                チェリストがアンコールする前に
                ドイツ語で挨拶したとたん
                会場から驚きの声、というか、ちょっと笑い声。

                面白い現象だ。
                チェリストははっきりしたイラン系(ペルシア系)の顔立ちだが
                経歴を読むと、ずっとドイツ語圏で育って来ているのだが
                やはり見た目で、ドイツ語を話すと違和感、と思われるのかもしれない。

                大学の授業で、副専攻としてドイツ語学を取っているのだが
                外国語としてのドイツ語、という授業で
                移民の国としてのオーストリアの子供へ言語教育の授業もあって
                多言語環境で育つ子供へのドイツ語教育の問題を扱っていて
                その中に、子供のアイデンティティの問題も入ってくる。
                ドイツ語圏で生まれ育っても
                やっぱり見た目で判断される、という現象はあるのだなぁ、と
                実際に目の当たりにした気分だ。

                アンコールは、ウィーン交響楽団のチェリストたちと
                ショスタコーヴィッチの映画音楽からのメロディ。
                チェリスト曰く
                シリアスな曲だったので、ちょっと軽めのアンコールです
                という事だったが、そう「軽い」ワケでもなかったよ(笑)

                後半はチャイコフスキーの交響曲4番。
                やっぱり名曲で

                ホルン、巧っ!!!

                いや、ホルンだけじゃなくて
                他の木管も金管も、抜群に良かった。
                オーボイスト、入団した時には、えっ?とか思ったが
                (どこかの縁故らしい)
                巧くなったなぁ・・・(感慨深い)

                ウルバンスキの指揮の動きを面白く見ていたが
                ルトスワフスキの特殊なリズム感覚の曲を聴いた後なので
                私のメトルムがおかしくなっている感じがする。
                このチャイコフスキーの4番って
                意外や意外にリズムがかなり複雑なのでは???

                無理のないテンポで
                歌わせるところはとことん歌わせ
                オーケストラの理想的なバランスを取りながら
                オーケストラに任せるところは任せて
                自然にメロディ・ラインを作っていくウルバンスキ。
                あくまでも伝統的な枠内に収まっていて
                情緒と理性のバランスが良い。

                同じプログラムをもう1回聴くつもりなので
                その時には、また印象が変わるかもしれないが
                だったら、もう一度、個人メモを書けば良いわ、と
                思っている私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                価値観は色々とあるので
                何かを唯一のものとして称賛だけするのも好きじゃないし
                何かの良し悪しの判断をする気も一切ないのだが
                面白い事に、音楽心理学入門講義の時に
                自分の好きな音楽を拒否されると
                感情的に反発するケースが多いという話になって

                ・・・えっ?そうなんですか???

                私にとっては、納豆が好きか嫌いか、というレベルの話なので
                自分の芸術性ゼロと、ゼロに限りなく近い感受性に
                ちょっと呆れた体験ではあった(墓穴掘ってる・・・)


                ドン・ジョバンニ@フォルクス・オーパー

                0
                  Volksoper 2019年12月17日 19時〜22時20分

                  DON GIOVANNI
                  Drama giocoso in zwei Akten
                  Text von Lorenzo Da Ponte
                  Musik von Wolfgang Amadeus Mozart

                  指揮 Alfred Eschwé
                  演出・舞台・照明・衣装 Achim Freyer
                  演出助手 Sebastian Bauer
                  舞台・衣装アシスタント Petra Weikert

                  ドン・ジョバンニ Günter Haumer
                  騎士団長 Andreas Mitschke
                  ドンナ・アンナ Kristiane Kaiser
                  ドン・オッターヴィオ JunHo You
                  ドンナ・エルヴィラ Manuela Leonhartsberger
                  レッポレロ Yasushi Hirano
                  マゼット Daniel Ohlenschläger
                  ツェルリーナ Theresa Dax

                  Orchester und Chor der Volksoper Wien
                  Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
                  Komparserie der Volksoper Wien

                  まずはフォルクス・オーパーの公式ウエブ・サイトの
                  写真を1枚、ご覧あれ。



                  モーツァルト苦手だし
                  オペラは長いからイヤだし、というワタシが
                  2015年11月の初演から
                  ず〜〜〜〜〜っと4年間、気になっていたのに
                  どうしても時間が合わずに
                  今まで行けなかったドン・ジョバンニである。

                  何故、気になっていたかと言うと
                  奇抜な写真やビデオ・クリップもそうなんだけど

                  2015年12月に仕事で大型団体を扱った際に
                  この演目のチケットを大量に購入して
                  バス数台口でグループに観に行ってもらった事があり

                  詳しく書くと、当時の悪夢が戻ってくるので省略するが
                  ともかく、終演後に迎えたグループの全員が
                  狐につままれたような顔をして

                  誰も感想を言わず
                  私から「如何でした?」と聞いても
                  むにゃむにゃしか返って来なかったという
                  稀なる体験をしているから。
                  (普通は、どんなにお世辞でも
                   さすが音楽の都ですね、とか何とか
                   建前の返事は返ってくるものなのだ)

                  一人だけ、ボソッと
                  「最後がソーセージでした」という感想を漏らした方がいらして

                  ソーセージ?????

                  やっと、このドン・ジョバンニが観られる!!!
                  大学は本日が今年の最後の授業で
                  2週間の冬休みに入るので
                  明日までの予習とか宿題もない(バンザイ \(^^)/)

                  舞台は既にオープンになっていて
                  スタッフが舞台上を小道具持って歩いたりしているんだけど
                  開演時間になったら
                  総裁のローベルト・マイヤーが登場。

                  「本日の公演は、レッポレロ役のステファン・チェルニーが
                   午前中に声の問題を起こしてキャンセルし
                   平野和がジャンプ・インを快諾してくれました」

                  うわあああ
                  ワタシは平野さんの隠れファンである。
                  美声だしチャーミングだし
                  イケメンだし背が高くて身体が柔らかくて
                  舞台映えするのだ、このバリトンは。

                  で、ご本人のツィッターに



                  さて、演出だが
                  フォルクス・オーパーの公式ウエブに載っている
                  ビデオ・クリップで
                  演出家が言っている通り
                  「グループでの動きを振付して
                   その意味については、観客が考えねばならない」
                  という、不思議な、意味全く不明の動きをするのと同時に

                  歌詞もレチタティーヴォも
                  ドイツ語とイタリア語が混じり合っていて
                  加えて、そのチェンジが、歌詞の途中だったり
                  レチタティーヴォの途中だったり
                  目まぐるしく(耳ぐるしく?)変わるという

                  ある意味、とんでもない演出である。
                  ギャラリーにイタリア語を話す若い人たちのグループが居たが
                  イタリア語とドイツ語のミックスで
                  戸惑っただろうなぁ(余計なお世話だが)

                  聴いている方も混乱するが
                  歌っている方はもっと大変で
                  まぁ、あの急な切り替えを
                  自然に聴こえるように、よくぞここまでこなしたものだ・・・

                  イタリア語とドイツ語のミックスという事を除くと
                  音楽的には、かなりマトモで
                  歌手の水準も高く
                  まぁ、国立オペラ座ではないけれど
                  フォルクス・オーパーの歌手の芸達者振りが
                  非常に発揮されている。
                  (オペラ座の歌手では、あのミックスは絶対に歌えない(断言))

                  奇妙で派手な衣装は目を引くが
                  舞台装置も、むちゃくちゃヘンで
                  細かい部分も不思議なところが多い。
                  (後ろで釣りしている男性とか・・・)

                  演出家がクリップで話している通り
                  歌いながらの歌手の動きも
                  ワケのわからない部分が多い・・・というより
                  最初から最後まで
                  ワケのわからない事だらけである。

                  そりゃ、これ、お客さまが感想を言えないワケだよ。
                  私も、帰宅してから
                  どうやって、この奇妙な舞台を文字にするのか
                  頭を抱えているくらいだから・・・

                  奇を衒った演出・・・で終わりにしてしまっても
                  別に構わないとは思うのだが

                  メルヒェンか、と思うとそうでもなくて
                  現実離れしている舞台装置と衣装なのに
                  時々、とんでもない残虐性を感じさせるところがあって
                  それが現実と乖離しているところで起こるのに
                  何故だか現実そのもののような印象になる事があって
                  ゾッとする。

                  人の動きもかなり多い。
                  歌手たちの動き以外に
                  舞台装置(特に小物)を持って移動するスタッフが
                  ジャグリングをしていたり
                  とんぼ返りをしたり

                  机は絶え間なく動いているし
                  舞台装置も、絵のパネルなどの位置が
                  どんどんスタッフによって変えられている。

                  よって、良い意味で言えば
                  一瞬たりとも退屈する事がなく
                  悪く解釈するのであれば
                  ともかく落ち着かず、バタバタしっぱなし。

                  与えられる情報量が半端ではないので
                  (歌手以外にも、色々な登場人物や小物や
                   舞台の変換やテーブルの上とか、脇とか後ろとか・・・)
                  確かに、しっかり鑑賞しようとするなら
                  観客も、脳を酷使する事になる(たぶん演出家の目的)

                  主人公ドン・ジョバンニ役は
                  堂々としていて、演技もこなれていて
                  あまりアクはないけれど、魅力的。
                  最後の方はちょっとお疲れだった印象があるが
                  もしかしたら、舞台の奥の、音響の悪いところから
                  歌わされたせいかもしれない。

                  女性陣は、みんな優秀で
                  飛び抜けてという人はいない代わりに
                  安心して聴いていられる。

                  オッターヴィオ役のテノールは
                  ハイテノールの美声で
                  モーツァルト向きの声ではあるのだが
                  アジリタが技術的に追いついていない。
                  (アジリタって難しいのだよ。
                   私も全く出来ないので
                   これは生来のものなんだろうなぁ)

                  騎士団長は、通常は(少なくとも私の印象では)
                  もう少し、声の低い、ドスの効いたバスが歌うはずだが
                  比較的高めのバリトンが歌っていたので
                  あまり迫力はない。
                  その分、奇妙な衣装とメイクでカバーしているので
                  その意味、このヘンな舞台の長所が活かされた感じ。

                  4年間、気になっていたソーセージの謎が
                  やっと解けた。

                  ドン・ジョバンニの地獄落ちの後
                  (地獄落ちのシーンは、はっきり言うと
                   あまり迫力はない。
                   これだけ奇妙にやって来て
                   それは何?という肩透かしだった)
                  全員が集まっての最後のシーンで

                  突然、舞台が
                  リストランテ・ドン・ジョバンニと化し
                  歌手が客席から何人かを舞台に上げて

                  本当に茹でソーセージを供するのである。
                  (歌手も観客も、舞台上でソーセージを食べている)

                  脇には、立て看板が出て
                  ドン・ジョバンニはソーセージだ、と書いてある。

                  ご存知の通り
                  オーストリアでは、何とかはソーセージ、と言うと
                  (何とかはヴルスト、あるいは方言ならヴルシュト)
                  そんなの、ど〜でも良い、というニュアンスになる。

                  ふ〜ん・・・・
                  そうなのか、ドン・ジョバンニはどうでも良いのか(違)

                  いつもの天井桟敷じゃなくて
                  ロジェのチケットを買ったのだが
                  周囲にお喋りしたりするマナーの悪い観客がいなくて
                  舞台に集中できるという利点はあるが

                  舞台の視覚がかなり欠けるし
                  あと、舞台に近いとは言え
                  残念ながら、あまり音響が良くない。
                  (まぁ、オペラ座でもロジェの音響は悪い)

                  しかし、この奇妙なプロダクション
                  なんだかんだで4年も続いているのはスゴイ。
                  もちろん、演目が演目なので
                  観光客を呼びやすい、という理由もあるだろうが
                  演目だけで来た観光客は
                  みんな、驚くだろうなぁ・・・

                  フォルクス・オーパーの演出って
                  国立オペラ座とかでは出来ないような
                  奇妙な演出が多く
                  (オペラ座も、かなり奇妙ではあるが)

                  虫版トゥーランドットや
                  最後に死なない蝶々夫人とか
                  (これは残念ながら既に上演されてない。私は好きだった)

                  白黒の舞台と衣装で
                  バレエ・ダンサーを贅沢に投入した椿姫は
                  かなり長い間上演されていて、もう一度観たいものの一つ。
                  (椿姫って涙頂戴のベタベタのラブシーンが多いけれど
                   この演出だと、比較的さっぱりなので、シラけない)

                  しかし、あれだけイタリア語とドイツ語を混ぜるなら
                  できれば、ドイツ語だけでやってもらった方が
                  理解上からしても助かったのに、と
                  (フォルクス・オーパーの歌い手はみんな芸達者だし
                   ドイツ語のディクションがしっかりしているので
                   聴いていて、よくわかる)
                  勝手な事を考えている私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  平野さんは数年前に一度だけ
                  とある催物の際にお言葉を頂いた事があるのだが
                  本当に丁寧でノーブルで気遣いも出来ていらして
                  こちらが恐縮してしまうくらい、人間が出来た方だった。
                  才能(芸術的才能+見た目も含む)に絶え間ない努力
                  加えて、あのお人柄という稀な方で
                  プリンス・チャーミングです(と勝手に決める(笑))

                  いやホントに私の周囲には
                  才能に溢れているのに、奢らず、努力をする
                  ステキな芸術家ばかりで
                  類は友を呼ぶ(違!)

                  南西ドイツ放送交響楽団 + クルレンツィス

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年12月16日 19時30分〜21時

                    SWR Symphonieorchester
                    指揮 Teodor Currentzis

                    Gustav Mahler (1860-1911)
                     Symphonie Nr. 9 (1908-10)

                    指揮者クルレンツィスと言えば
                    日本でも何だかフィーバーして
                    カルト的な人気があるようだが

                    私は2016年10月5日にこの指揮者を聴いて
                    これはスゴイ!!!と、かなりの期間
                    日本の音楽専門の旅行エージェントさんたちに
                    これからはクルレンツィスですよ!!!と宣伝したのに

                    誰ですかそれ?と冷たく冷たくあしらわれて(涙)
                    その間にヨーロッパでブレイクしたら
                    続けて日本でも大人気になって
                    何故に日本人って有名人が好きなの?

                    (ワタシはあまりに有名になってしまうと
                     興味を失うタイプなので・・・すみません)

                    さて、2016年にクルレンツィスにハマった私は
                    コンツェルトハウスのチクルスの
                    貧民席の中でベストの位置を押さえている。

                    いつも行くたびに
                    あれだけ奇を衒った演奏すると
                    いつかアキが来るんじゃないか、と思っている訳だが

                    今回は南西ドイツ放送交響楽団と
                    マーラーの交響曲9番。

                    もちろん、オーケストラのメンバーは座って演奏する(笑)

                    マーラーの交響曲9番の時は
                    私は、いつもオーケストラ・スコアを持参。
                    何故かと言うと

                    最後のアダージョが
                    あまりに作品として凄すぎて
                    スコア見ながら頭で冷静に聴かないと
                    とんでもなく感情に触れてしまう、というのが一つ。

                    そして、肝心なのは最後のページの約5分
                    弦楽だけのピアニッシモの部分を追っていないと
                    いつ終わりなのかわからなくて、不安になるから。

                    実はスコアを自宅に忘れたのだが
                    わはははは、私はウィーン大学の音楽学の学生だ。
                    音楽学図書館に、ちゃんとユニバーサルのスコアがある(そりゃそうだ)
                    急いで借りて、バッグに入れてコンツェルトハウスに向かう。

                    さて、肝心の演奏だが
                    オーケストラは巧い。
                    技術的に高い水準だし
                    まぁ、金管鳴らしすぎというのは指揮者の好みだろう。

                    でも、第一楽章で、何となくあれ?という気分になった。

                    マーラーの作品には、毒がある(と思う)
                    クルレンツィスも反抗児で、ラディカルで
                    その意味では良い意味の毒のある演奏をする人なのだが

                    クルレンツィスの毒より
                    マーラーの毒の方がずっと強い。

                    よって、どんなに奇を衒うクルレンツィスでも
                    マーラーになると
                    解釈的に、曲以上に毒を盛る事は出来ない。

                    なのに無理やり個性(毒?)を足そうとするので
                    時々、映画音楽と化すし

                    舞台の前で、コミカルなダンスを踊ってる人は誰?とか
                    あ〜、クルレンツィス・ファンの方、ごめんなさい。
                    でも、滑稽な操り人形が踊っているような印象を受けるところがあった。

                    第2楽章は思った通り
                    非常に鋭い音で始めて、アクセント付けまくり。
                    マーラーのワイルドなところを出そうとしているのだろうが
                    第2楽章と第3楽章の
                    あの卑属なワイルド味は
                    既に、マンフレッド・ホーネックが見事に演奏している。
                    (しかもホーネックはウィーン出身だ。
                     ウィーンの、あの貴族的なイヤミを纏った卑属さを知っている)

                    クルレンツィスが二番煎じをしても
                    ほとんど鮮烈な印象はない。
                    それ以上に演奏が上滑りしていて
                    無理やりエネルギーとワイルドさを出そうとしているのが
                    ミエミエで
                    表面的な力強さが思い切り滑っている感じがする。

                    まぁ、グスタフ・マーラーって
                    スコアにむちゃくちゃ指示入れてるし
                    それを忠実に演奏しようとしたら
                    ポリフォニーになっている、どこかの楽器のパートを
                    不必要に強調するか
                    でも、それやるとメロディ・ラインが消えるし
                    そこまでは、さすがにクルレンツィスでもやらない。

                    鋭い演奏だし、二番煎じとは言え
                    ワイルドさとかエネルギーはあるし
                    (ただしウィーンっぽい、あのいやらしさはない)
                    別にクルレンツィスだから何?って感じで
                    (おいおい、いったい何を期待してる?(笑))
                    何だか非常に普通の演奏。

                    さて、最終楽章。
                    演奏前に弦がもう一度音合わせ。
                    その間に、バッグからスコアを取り出して準備するワタシ。

                    来た〜っ。
                    あの弦の音圧(これに弱い)
                    スコア見ていなかったら
                    感情のどん底に落ち込む危険のある曲。
                    (ええ、ワタクシ、今年5月から、実は精神的にどん底にあって
                     誰にも言わないし言いたくないし
                     時が癒してくれるとは思っているけれど
                     それでも、時々フラッシュ・バックがあってキツい時があるので
                     こういう曲は本当に危険なのである)

                    スコアを追って
                    頭の中で意図的に冷静に曲を鑑賞しているうちに

                    何だか途中から、スコアが見えにくいんですけど?

                    あっ、この指揮者、どんどん会場の照明を暗くしているっ!!!!

                    最後の1ページが肝心なのに
                    本当に会場がどんどん暗くなる。
                    むちゃくちゃ暗くなって手元のスコアが読みにくい。
                    (ギリギリ、音の移動は見えるが、5線は見えない状態)

                    何だこれ?と舞台を見たら
                    舞台のオーケストラ部分の照明も、どんどん落としていて
                    プレイヤーは譜面台のライトだけで演奏している状態。

                    ・・・何て姑息な手段を使うんだよっ!!!!(怒)

                    この曲は、そこまで劇的に環境を変えてしまったら
                    上滑りの、感動強制になってしまうではないか。

                    というより、観客の何人かは寝ちゃったんじゃないの。

                    しかも、さすがに1000人を越える観客が居て
                    うち90%は年配なので
                    どんなに照明を落とそうが
                    聴こえるか聴こえないかの狭間で演奏しようが
                    大声を伴った咳をする人は
                    必ず何人も居るのだ。

                    こんな照明を落とす、という
                    あからさまなわざとらしい演出をしなくても
                    この最終楽章の凄さは、音だけでわかる。

                    スコアの最後のページを追うの、本当に大変だった。
                    で、最後の音が消えて
                    あ〜、終わった・・・・・と思った後に
                    照明は暗いまま・・・

                    いや、良いんですよ、確かに終わった後の静けさというのは必要だ。
                    だが、だが、だが

                    これ、ちょっと長すぎない???????
                    (たっぷり数分)

                    咳をする人があちこちに居て
                    周囲からは「終わったの?」とか小声の囁き声が聞こえてくるし
                    大きなため息も聞こえてくるのに

                    まだオーケストラも指揮者も固まったままで
                    全然電気が点かないんですけど!!!!!!!

                    これを「やりすぎ」と言う(断言)

                    マーラーの交響曲9番を
                    こんなに劇的に演出する必要は一切ない(と私は思う)
                    何だか、バカにされているような気分になる。
                    そこまでやらないと良さがわからない、という曲ではない。

                    感動させようというのであれば
                    曲と、その演奏で感動させてくれ。
                    演出じゃなくて!!!!

                    というワケで
                    奇を衒うのは、別に嫌いじゃないけれど
                    今回はちょっと、いや、かなり気に喰わない。
                    (スコアを読むのに苦労した、という理由も大いにある)

                    演奏そのものは非常に良かっただけに
                    (あ〜、でもスコア見てたら、とんでもない演奏事故が(笑))
                    使った手段で呆れさせる事になったのは
                    ある意味、非常に残念。

                    でも、それがクルレンツィスなんだろうなぁ、と
                    何となく納得しつつ
                    来年のベートーベン・チクルスがどうなるのか
                    かなり気になる私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    コッペリア@フォルクス・オーパー 6回目

                    0
                      Volksoper / Wiener Staatsballett 2019年12月15日 18時〜20時20分

                      COPPÉLIA
                      oder das Mädchen mit den Emailaugen
                      Ballet in drei Akten

                      振付 Pierre Lacotte (Akte I und II nach Arthur Saint-Léon)
                      音楽 Léo Delibes
                      リブレット Charles Nuitter und Arthur Saint-Léon
                      舞台 nach den Pariser Originalentwürfen (1870) adaptiert von Pierre Lacotte
                      舞台再現 Jean-Luc Simonini
                      衣装再現 Michel Ronvaux
                      照明 Jacques Giovanangeli
                      指揮 Lorenz C. Aichner

                      スワニルダ Natascha Mair
                      フランツ Denys Cherevychko
                      コッペリウス Gabor Oberegger
                      村長 Franz Peter Karolyi
                      農民の娘 Emila Baranowicz
                      スワニルダの友人 Natalya Butchko, Adele Fiocchi, Sveva Garguilo, Eszter Ledán,
                      Anita Manolova, Fiona McGee, Joana Reinprecht, Isabella Lucia Severi, Rikako Shibamoto
                      マズルカ Marie Breuilles, Venessza Csonka, Zsófia Laczkó, Flavia Soares,
                      Iulia Teaciuc, Oksana Timoshenko, Céline Janou Weder, Beate Wiedner
                      Nicola Barbarossa, Martin Dempc, Andrés Garcia Torres, Trevor Hayden,
                      Gaspare li Mandri*, András Lukács, Hanno Opperman, Gaetano Signorelli
                      村人 Laura Cislaghi, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Katharina Miffek,
                      Leonardo Basílio, Igor Milos, James Stephens, Zsolt Török
                      中国の人形 Nicola Barbarossa
                      ペルシャの人形 Darius Gramada*
                      楽器を弾く人形 Hanno Opperman
                      コッペリア Catherine Gajsek
                      アウローラ Adele Fiocchi
                      夜 Ioanna Avraam
                      夕暮れ Andrey Teterin*
                      糸紡ぎ Natalya Butchko, Eszter Ledán, Anita Manolova, Fiona McGee,
                      Joanna Reinprecht, Rikako Shibamoto
                      花嫁たち Zsófia Laczkó, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Chiara Uderzo
                      婚約者たち Trevor Hayden, Naravin Trumbull
                      Giovanni Cusin, Marian Furnica, Darius Gramada, Tristan Ridel
                      12時間 Emilia Baranowicz, Marie Breuilles, Laura Cislaghi, Venessza Csonka,
                      Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Katharina Miffek, Andrea Némethová,
                      Flavia Soares, Iulia Teaciuc, Oksana Timoshenko, Céline Janou Weder
                      領主 Christoph Wenzel

                      フォルクス・オーパーでのコッペリア再演。
                      今日が16回目の上演で
                      私は今回で6回目・・・

                      すみません・・・

                      いや、行きたいのは山々なのだが
                      ウィーンって、シーズンになると
                      あっちでコレ、こっちでコレという状態なので・・・

                      さて、再演には、ナターシャとデニスのカップル。

                      ああああああ
                      何回見ても

                      ナターシャのスワニルダ
                      可愛すぎる!!!!!

                      いやもう、こんなにキュートで可愛くて
                      技術的に完璧で
                      最後の最後まで、全く疲れを見せず
                      完璧に
                      しかも、とことんキュートに踊ってしまうダンサーが
                      いったい、どこにいるのだ?!

                      国立オペラ座でのコッペリア は
                      2010年まで上演されていたようだが
                      (振付は当時のバレエ監督のハランゴゾだった)
                      マーシャとかオルガさまがスワニルダを踊っていて
                      何故、ワタシはこれを観ていないのか
                      あるいは記憶にないんだろうか。
                      いや、オペラ座のコッペリア 、数回観たような記憶はあるのだが・・・

                      いやそれはともかくとして
                      ナターシャのスワニルダの素晴らしさに
                      最初から最後まで悶絶する。

                      だいたい、この振付、スワニルダのダンスの量が半端じゃなくて
                      本当に最初から最後まで
                      むちゃくちゃ踊っている感じ。

                      登場の時の表情から可愛いし
                      演技は出来るし
                      それが嫌味じゃないし
                      取ってつけたような感じのしない
                      ともかく自然な演技に見せてしまう。
                      (だいたいバレエの演技って、大袈裟なものが多いじゃないですか。
                       それが、ナターシャがやると
                       そのわざとらしさがないという、不思議な現象が起こるのだ)

                      すごく短いクリップしかないんだけど
                      下に貼っておく。



                      デニスのフランツは技術的にも完璧だし
                      浮気者フランツの雰囲気はすごく出ている(笑)
                      この役も最後に大技が多いのだが
                      安心して観ていられる巧いダンサー。

                      アウローラは、以前はニナ(トノリ)が踊っていたが
                      ニナ(トノリ)が移籍してしまったので(涙)
                      今回のキャスティングはアデーレ。
                      やっぱりちょっと線が細いという感じで
                      技術的にも、頑張ってるな、というのは見えるけれど
                      まだ余裕がない印象を受ける。

                      意外に(失礼)良かったのが
                      イオアンナの「夜」の役。
                      小柄なダンサーなのだが
                      技術がしっかりしているので、舞台では大きく見える。
                      相手役はアンドレイ(テテリン)がデビュー。

                      アンドレイも一時は比較的目立つ役を踊っていたのに
                      最近はあまり出て来なくなっちゃったけれど
                      健在のようで、ちょっと一安心。

                      最後の幕の群舞には
                      さりげなくジェームスとかレオナルドが居る。

                      花嫁役を踊っている
                      私の初恋の君に似ているマリアンは
                      ああいう凛々しい衣装を着ると
                      脇役なんだけど、やっぱり目が行く。
                      あんなに巧いのに、何故、まだ出て来ないんだろう。
                      私が目をつけたダンサーって
                      たいてい、上がってくるんだけど、う〜ん・・・

                      音楽は美しいし楽しいし
                      舞台は(狭いけど)豪華だし
                      衣装も華やかで素敵だし
                      ダンサーも抜群だし

                      何回観ても楽しめる演目なので
                      12月公演は行きますよ〜 (^^)v
                      次の公演はニキーシャとリッチーで
                      これも可愛いカップルになりそう。

                      そんなに遊び呆けて良いのか、とは思うけれど
                      まぁ、ワタシ、ヒマな(筈の)引退老人だし
                      ボケて、何を観たのだが、わからなくなる前に
                      せっせと通おう、と
                      真剣に思っている私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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