ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 + ネゼ=セガン

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年4月28日 19時30分〜22時

    Rotterdam Philharmonic Orchestra
    指揮 Yannick Nézet-Séguin
    ピアノ Yuja Wang

    Joseph Haydn (1732-1809)
     Symphonie f-moll Hob. I/49 „La Passione“ (1768)

    Sergej Rachmaninoff (1873-1943)
     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 g-moll op. 40 (1926)

    Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
     Symphonie Nr. 4 f-moll op. 36 (1877-1878)

    チクルスになかったコンサートだが
    ユジャ・ワンがどんな格好で出てくるか興味があって
    貧民席最終列(立ったら見える)を購入。

    ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団は
    大昔、ネゼ=セガンが就任した頃に聴いていて
    あまりポジティブな印象はなかったので
    ユジャ・ワンが出なかったらチケットは買わなかったかも・・・

    という人も、かなり多かっただろうと思うのだが
    天井桟敷の席は満杯である。

    ハイドンの La Passione
    パシオーネと聞けば
    パッション=情熱だと思っていたら
    いやこれ、受難曲の方のパッションだった。
    (後世の人が、短調だしキリストの受難を思い起こす
     というので、この名前を付けたらしい)

    そう言えば、昔、どこかで
    ヨハネの情熱、という記述を読んで爆笑した事があったっけ。
    ・・・あんまり人の事を笑えないな、私も。

    オーケストラの音はキレが良い。
    最近、どこのオーケストラも指揮者もそうなんだけど
    小編成で弦はノンビブラート奏法。

    モダン・オーケストラだけど
    古典的な雰囲気を出そうというのが
    現代のスタンダードになってしまっていて
    どこのオーケストラも、どの指揮者も同じような奏法を取るので
    そろそろ、奇抜な事をして目立ちたい指揮者が
    ビブラートたっぷりのハイドンとか聴かせてくれる日が
    来るかもしれない。
    (来たら爆笑してしまいそうだが)

    ラフマニノフのピアノ協奏曲4番。
    ラフマニノフのピアノ協奏曲で有名なのは2番で
    さすがに2番はあまりにポピュラー過ぎとは言え
    滅多に演奏されない4番とはね・・・

    オーケストラが舞台に揃って音合わせも終わっているのに
    指揮者もピアニストも登場しない・・・・と思ったら
    指揮者だけが舞台に登場。

    うううう、悪い予感・・・

    ネゼ=セガンが英語で
    大丈夫、ユジャ・ワンは来ていますし
    ちゃんと演奏もします。
    ただ、彼女は非常に痛みが激しいので
    私から皆さまに理解していただくよう話して欲しいと言われました。

    ・・・痛み????

    どこの、とは言わなかったし
    腱鞘炎だったら、ラフマニノフとか絶対に弾けないし
    腕に湿布とかもなかったから、どこが痛いのかは最後まで不明だったが。

    青のキラキラのラメのロング・ドレスで
    肩はばっちり空いて
    ついでに背中は全部空いているので
    美しい背中は腰に近いところまで見えるし
    前はバストをゆるく囲むようなデザインで
    相変わらず色っぽいのだが

    スリットは入っていなかった(笑)

    ミニスカートか、あるいはチャイナ・ドレスの
    腰までスリット入ったドレスかと思ったら
    美しい背中は見せた代わりに
    おみ足は隠されていて、とても残念。

    なにをオヤジと化してセクハラ発言してるんだ
    と思われる向きもあろうが
    ユジャ・ワンはそれが一つのマーケティング・ポイントだから許して下さい。

    調子悪いとか指揮者にわざわざアナウンスさせたのに
    ピアノのテクニックは相変わらず鉄壁。
    もう、この人、超人としか思えないわ。
    運動神経が常人と違うわ。

    安定度が抜群で、音の一つ一つに緩みがなくて
    オクターブ連打も何のその。
    あそこまで上から強い打鍵で
    楽々と叩いているように見えると
    調子悪そうだけど、すごい、としか思えない。

    協奏曲終わったら逃げるように舞台裏に引っ込んで
    聴衆も、一応拍手はするけれど
    体調悪そうだし、アンコールないだろうし
    どうしようかなぁ、と戸惑いつつも拍手をしていたら

    え?アンコール弾くの?

    リスト編曲版、シューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン」

    ものすごく均質な音の中でメロディをさり気なく生かし
    シュトローフェン・リート的な繰り返しの処理の見事さ
    大袈裟にならないビーダーマイヤー的感情の爆発

    いや、ユジャ・ワン、テクニックも凄いけれど
    私が驚くのは、その見事な音楽のセンス。
    (同じ中国に技術の凄いのは他に居るけれど・・・(笑))

    後半はチャイコフスキーの交響曲4番。

    幕間に金管が練習していて
    あの出だしの後、長三度とかの和音で下がってくると
    シリアスなチャイコフスキーがお笑いになってしまう。
    なんてお茶目なホルンとトランペット・・・と
    幕間についつい微笑ましく思ったが

    思ったより演奏が良くてビックリした。

    舞台にずらっと並んだオーケストラは
    何だかバイオリンとビオラの数が
    むちゃくちゃ多いような気がする。
    (コントラバスは8台だったが、それは普通だし
     チェロもそんなに多くなかったと思うんだけど
     第一バイオリンと、対抗位置の第二バイオリンの人数が
     なんだか異様に多い(舞台から遠すぎて数えられないけど))

    管楽器が目立つ曲なので
    これだけ弦のメンバーが多いと
    管楽器と弦楽器のバランスが非常に良い。

    弦楽器のアンサンブルも均等に美しい響きだし
    管楽器が不自然に飛び出す事もなくて、すごく良い感じ。

    ネゼ=セガンは、溜めるところはとことん溜めて
    ロマンチックにドラマチックに押して来る。

    第3楽章の弦のピチカートも
    あれだけ弦の人数がいると、ものすごく美しい。
    極限まで音量を絞っても、あんなに綺麗に響いてくるとは。

    ねっとりとしたロシア風のウエットさと
    モダンな洗練された部分とのバランスが良くて
    ダイナミック・レンジが広くて
    音楽として、とても楽しく鑑賞できた。

    ネゼ=セガン、ロッテルダム・フィルと
    かなり巧く関係を保っているような感じ。
    お互いの信頼がバッチリ出来て来ているのが見えて
    オーケストラのレベルもアップしたし
    指揮者もオーケストラもハッピーなのがわかる。

    アンコールは・・・
    出だしを聴いたとたん
    客席から笑い声と拍手が起こって
    中断する有り様になったけれど

    ヨハン・シュトラウス2世の
    ピチカート・ポルカなんか演奏するから(爆笑)

    いや〜、もう、絵に描いたようなサービス精神。
    演奏する方も聴いている方もハッピーな気分。
    ネゼ=セガン、やるじゃん!!!

    ちょっと今、大学のプロゼミで
    小論文を書かねばならず
    それが「クラシックは教養のある人が学んで
    その教養を伸ばすもの」みたいな
    (19世紀初頭のものです、念の為)
    クラシック音楽って修行かよ?という論文なのだが

    音楽なんて楽しければそれで良いんじゃないの?と
    ついつい小論文に余計な事を書きそうで
    自分で自分が怖い私に
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    ウィーン交響楽団 Friday@ + マナコルダ

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      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年4月27日 19時〜21時

      Wiener Symphoniker
      指揮 Antonello Manacorda
      テノール Michael Schade
      コーラス Herren der Wiener Singakademie

      Felix Mendessohn Bartholdy (1809-1847)
       Ouverture „Die Hebriden / Fingalshöhe“ op. 26 (1829-1833)

      Johannes Brahms (1833-1897)
       Rinaldo. Kantate op. 50 für Tenor, Männerchor und Orchester (1863-1868)

      Im Anschluss an das Konzert / Großes Foyer
      テノール Michael Schade
      Symphonisches Schrammelquintett Wien
      Helmut Lackinger, Edwin Prochart, Kurt Franz Schmid
      Rudolf Malat, Peter Hirschfeld

      ウィーン交響楽団の Friday@7 シリーズ。
      金曜日の早め(19時)にコンサートを始めて
      幕間なしで通しで短い(1時間ほどの)コンサートをした後
      コンツェルトハウスのでっかいメイン・ロビーで
      ワインやシャンパン飲みながら(有料です)
      立ったままで気軽なコンサートを聴こうというもの。

      まぁ、メインのコンサートとなる日曜日の
      最終リハーサル的なキャラクターもあるかも(と邪推している私)

      ここ数日、太陽が燦々と輝いて
      日中は25℃を超えるような、あ〜もう夏?という日が続き
      昨日は雨で気温が下がって
      今日は青空が広がって、風は強いけれど
      実に爽やかで気持ちが良い日になったから・・・かもしれないが

      天井桟敷の席、かなり空いてるんですが。
      え?だって、一番安いカテゴリー、空いてなかったんだよね。
      だから大枚(まぁ、タカが知れてるが)叩いてチケット買ったのに
      なんだ、このガラガラは・・・

      まぁでも、天井桟敷まで埋まる人数の聴衆が
      後でロビーに集合したら、とんでもない事になる。

      指揮者のアントネッロ・マナコルダは初聴き。
      マーラー・チェンバー・オーケストラのコンサート・マスターだったそうで
      けっこうあちこちのオーケストラを振っていて
      ウィーン劇場で上演されるブリテンの真夏の夜の夢も振っていた。
      (あ〜、いかん、これ、行き損ねた(汗))

      メンデルスゾーンのフィンガルの洞窟。
      う〜ん・・・
      おかしいなぁ・・
      私の耳がおかしいのだろうが
      なんだかオーケストラがズレて聴こえてくるんだけど (・・;)

      指揮者は濃いめの顔のマッチョなイケメンで
      イタリアのモデル雑誌かなんかに登場しそうな男性で
      それが垢抜けないスーツで指揮台に立って
      かなりテンポを途中で弄ろうとしていて
      オーケストラがそれについて行くのにゼイゼイしている印象。

      シロウトだからきっと自分の受け止め方が変なんだけど
      メンデルスゾーンというよりは
      どこかのオペラでも聴いているような気分。
      まぁ、偏見ですきっと。

      でも私がこのコンサートのチケットを買ったのは
      もちろん、ミヒャエル・シャーデが目的 ♡
      なんだか、ますます身体が大きくなって
      あれだけ立体的な体型だと
      共鳴が良いよなぁ、とか、ついつい考えてしまう自分が悲しい。

      でも上演されるのが
      ブラームスのカンタータ「リナルド」って
      これ、私、全然知らない曲。

      だいたいカンタータそのものが
      ドイツ語圏では教会カンタータが多く
      ブラームスがドイツ・レクイエムを作曲して以降に
      なんでこんな曲を?と思ったら

      男性合唱のための曲で
      演技を伴わない、できるだけシリアスな歌詞で
      30分〜1時間の作品
      というコンクールに出展するためだったそうだ。
      (賞金300ターラー、結構な金額だったようである。
       中級の職人さんの年俸ってところかな)

      ところが結局、作曲するのに四苦八苦して
      締め切りに間に合わず提出しなかった。
      その後、楽譜出版にあたっても
      クララ・シューマンから
      ドイツ・レクイエムの後にこの作品を出版する意味はあるのか、とか
      かなり辛辣な事を言われたらしい。
      (クララ・シューマンも意外にはっきり物を言う人ですね(笑))

      ブラームスは当時の有産階級を聴衆として見込んでいたので
      当然のことながら、リナルドを題材にしたオペラについては
      (リュリ、ヘンデル、グルック)
      聴衆は前提として知っているものと仮定し
      リナルドとアルミーダの話も、鑑賞者は知っているものとして
      テキストはゲーテのテキストをそのまま使用。
      アルミーダのもとを去るリナルドのシーンから始まる。

      どうせ当時のドイツの有産階級の教養はございません(開き直り)
      確かアルミーダというオペラは
      一度、何を思ったか、どこかで観た記憶があるが
      あまりに長すぎて冗長すぎて、半分以上寝ていたような気が・・・

      男性コーラスがマッチョでドラマチックで素敵。
      ミヒャエル・シャーデは
      最初、声にひっかかりがあって
      その後も、時々楽譜に顔を突っ込んで
      更に、歌っている時に楽譜をめくって
      あ、これだ、ここだったか、うん
      みたいな感じなので
      本当に正しく歌っていたのかは私には判断がつきません。

      いや、でもシャーデってそういう感じの歌い手だからな。

      ブラームスは「オペラと結婚だけはもうトライしない」と言っているので
      オペラではなく、あくまでもカンタータだけど
      テノールと男声コーラスの掛け合いがドラマチック。
      (で、内容とか意味は、ま〜ったくわかりませんが(笑))

      日曜日に同じプログラムに
      シューマンの交響曲1番が追加されるから
      (わ〜い、シューマンの交響曲1番、久し振りだし
       この季節に合ってる!)
      もう一度聴いたら、少しは意味がわかるかも f^_^;)

      さて、Friday@ は、この後、ロビーで続きがある。
      けれど、私は実はこれがキライ。
      ものすごい人数がロビーや階段のところに
      ワインやビールを持って立って
      もちろん、あちこちでお喋りしていて(演奏中も!)
      ワインやビールのカウンターの出入りも激しく(演奏中も!)
      ロビーの音響が良いだけに
      この、ずっと続いているノイズがすごい音量なのだ。

      プログラムには司会はギターの人がやる、と書かれていたけれど
      悩むベートーベンの像の前の仮設舞台でマイクを握ったのは
      宮廷歌手のミヒャエル・シャーデである。
      (やると思った・・・・)

      冗談で英語訛りを喋ったり
      ウインナー・リートがウケないと
      歌手は滞在許可がもらえないとオーストリア政府が昨日決定したとか
      ま〜、この人、天然なんだかわからないけれど
      サービス精神満点で、滑る冗談でも何でも構わずにやるところはスゴイ。
      徹底的に人間がエンターテイナー(爆笑)

      それは良いんだけど
      まずは最初のシュラメル音楽のインストルメンタルの演奏
      周囲のザワザワがあまりに煩くて、ほとんど聴こえて来ない(涙)

      シャーデがウィンナー・リートを2曲歌ったけれど
      これもマイクがないから
      周囲のお喋り、ワインやビールを出す音、支払いの声等で
      声が聴こえず
      だいたいウィンナー・リートって
      声を張り上げる曲じゃないのに
      思いがけなく雑音の音量が大き過ぎて
      シャーデがむちゃくちゃ声を張り上げていたのが痛々しい。

      だって、あちこちで、本当に喋ってるんだもん。
      私の後ろでも、年配の男性が年配の女性に
      シュラメルの楽器の解説を(演奏中に!)ずっと喋ってたし
      そういうお喋りがホール全体に、うわあああああんと響いて
      音楽、しかもシュラメルやウインナー・リートのような
      繊細な曲を聴ける環境ではない。

      さすがにシャーデもビックリしたのか
      次の曲に入る前に
      「次の2曲は注意深く、ちゃんと聴いて下さいね〜」とは言っていたけれど
      いや、こちらの年配の方々は話し出したら止まらないし。

      で、続くウインナー・リートの「エリザベート」と
      「私の母はウィーンっ子」
      ・・・・何で聴衆がみんな一緒に歌ってるんだよっ!!!

      私だって歌いたい(こらこらこらこら)

      一部を除いて、そこそこ、みなさん、音程外れずに歌ってるけど
      何が悲しくてシャーデの歌声じゃなくて
      ホールに響くウィーンのお達者クラブ合唱団を聞かねばならないのか(涙)

      アンコールの曲(インストルメンタル)に至っては
      裏拍から始まって手拍子が入っちゃうし
      みんな友人同士で来ていて
      ワインとかビールが入っているから
      ほとんど全員、居酒屋のノリかい。

      この Friday@ がそういうコンサートである事は
      承知で来てはいるのだけれど
      やっぱりホールのロビーでの小コンサートはいただけないわ。

      ロビーの雑音に負けないように張り上げてしまった
      シャーデさまのこの上なく美しいテノールは
      ニュアンスが聞こえなくて、ちょっと残念だったけれど
      また日曜日のリナルドも楽しみ、という私に
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      真夏の夜の夢(バレエ)今シーズン2回目

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        Volksoper / Wiener Staatsballett 2018年4月23日 19時〜21時15分

        Ein Sommernachtstraum
        Ballett in zwei Akten von Jorma Elo nach der Komödie von William Shakespeare

        振付 Jorma Elo
        音楽 Felix Mendelssohn Bartholdy
        Ein Sommernachtstraum
        Ouvertüre E-Dur, op 21, Musik op. 61
        Ouvertüre c-Moll op. 95 (Ruy Blas)
        Symphonie Nr. 4 A-Dur, op. 90
        Konzert für Violine und Orchester e-Moll, op. 64, 2. und 3. Satz
        舞台・衣装 Sandra Woodall
        照明 Linus Fellbom
        指揮 Andreas Schüller

        オベロン Vladimir Shishov
        ティターニア Ketevan Papava
        パック Mihail Sosnovschi
        シーシアス Kamil Pavelka
        ヒポリタ Gala Jovanovic
        ハーミア Natascha Mair
        ライサンダー Scott McKenzie
        ヘレナ Alice Firenze
        ディミートリアス Dumitru Taran
        イジーアス Igor Milos
        職人たち Gabor Oberegger, Jaimy van Ovreem, Matteo Magalotti
        Nicola Barbarossa, Marat Davletshin, Trevor Hayden
        アテネのカップル Oxana Kiyanenko, Leonardo Basílio,
        Katharina Miffek, Zsolt Török
        妖精・アテネの住人たち
        Vanessza Csonka, Oxana Kiyanenko, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
        Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo, Celine Janou Weder
        Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marcin Dempc, Marian Furnica,
        András Lukács, Hanno Opperman, Zsolt Török, Arne Vandervelde
        ソロ歌手 Anita Götz, Manuela Leonhartsberger

        フォルクス・オーパーでのバレエ「真夏の夜の夢」2回目。
        キャストは4月20日と同じ。

        いや〜、ホントにバレエって素敵 ♡
        小難しい事を考えなくて済むし
        音楽の哲学的解釈学とかに煩わせられる事もないし(笑)

        メンデルスゾーンの音楽って
        基本的に、ものすごく良く出来た楽しい音楽じゃないですか。

        まぁ、オーケストラの演奏そのものに
        多少のケチをつける事は出来ない訳じゃないけれど
        それなりに、みんな頑張って演奏しているし
        バイオリン協奏曲のソロは、まぁ、それなりに
        (コンサート・ホールで聴く超一流ソリストを期待してはいけません)

        で、このバレエ、本当に楽しい。

        シーシアスとヒポリタは、あまり目立つ役ではないのだが
        上品だし美しいし、
        オベロンとかティターニアに比べるとオーラはないけれど
        これは俗世の人間だから、それで良いのである(断言)

        だけどオベロン(シショフ)とティターニア(ケテヴァン)が
        あまりに圧倒的だわよ、これ。

        シショフ(オベロン)とミーシャ(パック)の
        大人で偉い地位にいるくせに
        実は悪ガキみたいな子供っぽさって
        なんか、ものすごくカワイイ。

        うん、うん、男性って
        どんなに偉くなっても
        奥さんが構ってくれないと
        変に拗ねちゃうしね(爆笑)

        シショフの演技が、ものすごく巧い・・・というより
        このダンサー、数年前のこの演目で初めてオベロンやった時に
        あれ?今までの「王子さま」から
        全然違う方向に発展してるじゃないの・・・と思ったが

        このコミカルな演技にますます磨きがかかって
        堂々として、ハンサムで王さまで
        威厳はあるんだけど
        どこか子供っぽくヒスを起こすところの表現が
        ものすごくリアルになってる。
        (もしかして、それが地だったらどうしよう・・・)

        ミーシャと悪巧みするところが、あまりにキュート過ぎる。

        で、もちろんキュートと言えば
        スコット(ライサンダー)のキュートさは
        何回観ても、悶絶する!!!!

        スコットとナターシャがキッスしながら移動していくシーンなんて
        もう、可愛くて可愛くて可愛過ぎて叫びそうになっちゃう。

        あんな可愛いカップル、あり得ないわ。
        もう、おとぎ話の世界そのもので
        作品がおとぎ話なので、ピッタリでハマり過ぎる。

        マジメで一徹なドミトルのディミートリアスと
        ひたすら追いかけるアリーチェのヘレナの絡みも
        すごく可愛くてリアルで
        ヘレナの一途さにちょっと胸が痛くなる。

        スコットとディミートリアスがヘレナを追いかけるシーンは
        爆笑モノで
        まぁ、よくもあんな楽しい振付をしたものだ、感嘆するわ。

        で、もちろんこの作品のキモは
        ミーシャのパックで
        もう、これは他のダンサーが踊っても
        あの味は出ないわね、きっと。

        前のシーズンではリッチーが踊ったりしていて
        リッチーもこういうコミカルな役は巧いんだけど
        ミーシャの、あのオーラは、とても出ないわ。
        ミーシャのパックのオーラって、出まくりでスゴイんだもん。

        ケテヴァンのティターニア
        もう、あの美しくも底抜けに明るい
        輝くようなオーラには圧倒される。

        作品そのものもよく出来ていて
        ストーリーは分かりやすいし
        子供たちも可愛いし
        ものすごくユーモアがあって

        時々、引き伸ばしのための群舞・・・みたいなシーンもかなりあって
        最後は終わったと思うと、実はまだソロがあって
        (ライモンダみたい(笑))
        ドラマツルギー的には、最後がちょっとボケた印象はあるけれど
        でも、文句なしに楽しい。

        ロバの役のガボールは
        ロバに化けてからの演技も抜群だし
        美声で舞台でクープレを歌うんだけど
        このクープレ、すごく笑える。
        (テキストが韻を踏んでいて
         最後に全く関係ないのに「俺のビールはどこ?」
         という結びをするので、ここでジモッティは全員爆笑)

        こういう演目なら
        本当に何回観ても良いわ。
        日常のストレス(一応ある)解消に抜群の効能を誇る
        ・・・と言っても良い。

        私が行けない4月28日は同じキャストで
        次の6月11日の公演は
        リッチーがパック(でもリッチーもチャーミングで巧い)
        オベロンがエノで、ティターニアにイリーナが!!!!
        ハーミアがニナ(トノリ) お帰りニナ!!!!
        ディミートリアスにジェームス お帰りジェームス!!!!
        という訳で
        長い間、休んでいたダンサーが復活するので

        チケット発売開始をカレンダーに書き込んで
        ワクワクしながら発売開始日を待っている私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        ウィーン・フィル + ダニエル・ハーディング 1回目

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          Musikverein Großer Saal 2018年4月23日 19時30分〜21時50分

          Wiener Philharmoniker
          指揮 Daniel Harding
          メゾソプラノ Elisabeth Kulman

          Leonard Bernstein (1918-1990)
           Symphonie Nr. 1 „Jeremiah“

          Gustav Mahler (1860-1911)
           Symphonie Nr. 5, cis-Moll

          これはウィーン・フィルのソワレ公演。
          ズービン・メータがキャンセルして、ソワレはハーディングに変更、と
          連絡が入って来た時から
          チケットを狙っていて、ラッキーにも入手できた (^^)v

          しかしプログラムが超重量級である。

          バーンスタインという作曲家の作品
          ついついウエスト・サイド・ストーリーとかが頭に浮かぶが
          バーンスタインの交響曲は
          このエレミアも不安の時代もカディッシュも
          ともかく・・・重い。ずっしり来る。

          もちろん相変わらず宗教や信仰が中心部に
          ど〜んと居座ってるし(あ〜、バーンスタインのファンのみなさま、ごめんなさい)

          30分ほどの曲だが
          ユダヤ教の意識が強く現れていて
          この間のカディッシュと同じく
          いや、たぶん、もっと、この曲は
          噛み砕くのが難しい。

          不協和音の連続で不安を掻き立てるような楽章から始まる。
          ハーディングという指揮者は
          私の印象では、非常に細かい部分に拘って
          大編成オーケストラでも室内楽的な演奏をする感じなのだが
          今回の演奏は、かなり強くてマッチョで
          最初から、汗を握るような緊張感の連続で押して来る。

          あ〜、何だか聴いていて、身体中が締め付けられるような感じ。
          ヴィヴァーチェ・コン・ブリオの第2楽章のリズム感、躍動感
          緊張感がずっと止まらない。

          その、不安を煽り立てるような緊張感との対比で
          最終楽章の Lento の
          クルマンのこの上なく美しい
          厚みのあるメゾソプラノで祈りのように歌い上げられると

          ・・・ああああああ、美しい。
          美しすぎる。
          涙が出てくるくらい
          彼岸の世界というか

          叫ぶ事なく、大袈裟になる事なく
          ドラマチックになり過ぎず
          張り上げないメゾソプラノ。

          いや、ちょっと、この曲、すごい。
          宗教的な色合いが強いから苦手なはずなんだけど
          心の底にずっしりと響いてくる。

          曲が終わった後
          ハーディングが、どうも感極まったようで
          ほとんど泣き顔になっていたのが印象的。
          それだけ曲に深く潜り込んでいたんだろうなぁ。

          マーラーの交響曲5番も
          エレミアと同じく、超弩級の曲で

          こちらも、すごく筋肉質。
          バーンスタインの曲よりオーケストラ編成は大きくなって
          ウィーン・フィルの弦が
          こんなに硬質な音を出すのも珍しい。

          トランペットのソロとホルンのソロが見事。
          ホールに一点の曇りもない金管楽器の音が響くと
          それだけでゾクゾクする。

          ちょっと乱暴に聴こえてくる位の緊張感が溢れていて
          ハーディングって、もっとちまちました音楽作りをするか、と思っていただけに
          驚くべき規模の大きさに、かなり驚いた。

          ただ、その前のバーンスタインのエレミアが
          特に最終楽章があまりに美し過ぎて
          マーラーの5番(だってアダージェットとかあって美しい筈なのだが)が
          ワタクシ的には少し霞んでしまった感じかなぁ。

          いや〜、思っていたよりエレミアが良くて
          ちょっと感激しまくっていたら
          友人から「5月5日に聴きます」と言われて

          自分のカレンダーを見てみたら
          私も5月5日のチケットを持っている・・・(笑)

          という事で、この同じプログラム、もう一度聴くチャンスが出来た。
          同じプログラムで演奏旅行の後になるから
          また演奏そのものは変わっている可能性もあるけれど
          それでも楽しみな私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 + ネルソンス

          0
            Musikverein Großer Saal 2018年4月22日 19時30分〜21時30分

            Gewandhausorchester Leipzig
            指揮 Andris Nelsons
            ピアノ Yefim Bronfman

            Ludwig van Beethoven (1770-1827)
             Konzert für Klavier und Orchester Nr. 5 Es-Dur, op. 73
            Johannes Brahms (1833-1897)
             Symphonie Nr. 4 e-Moll, op. 98

            午前中、ウィーン・フィルでブラームスの交響曲1番を聴いて
            夜はゲヴァントハウス・オーケストラでブラームスの交響曲4番。

            ・・・なんか、すごく贅沢。

            ブロンフマンのベートーベンのピアノ協奏曲。
            この間、ウィーン・フィルとオロスコ=エストラーダでは
            3番を弾いていた(4月7日と8日)
            今回はオーケストラと指揮者を変えて5番。

            しかしこのピアニスト、本当にうまいわ。
            いや、現代のピアニスト、テクニック的にはみんな完璧だけど
            このベートーベンの5番って、かなり難しいのに
            細かい音型からダイナミックなフォルティッシモに至るまで
            音の粒が見事に揃っていてクリアに響いて来るのはすごい。

            いわゆるヴィルトゥオーゾの系列で
            派手なテクニックを、これでもか、と詰め込んでいる曲だが
            それが、ここまでダイナミックに演奏されると
            安定性が抜群なので
            華やかな事この上ないし
            何ともマッチョで筋肉質でかっこいい。

            客席が静まらないうちに弾き出したアンコールが
            ショパンのエチュード10の3、ご存知「別れの曲」

            これがまた、音の一つ一つが見事に立ってクリアに響き
            別れとかの感傷的なウエットさが全くない美しさ。
            (いやだから、別れの曲とか言ってるの日本だけだったりして)
            中間部の激しい部分の美しさと言ったら悶絶モノだった。

            さて後半のブラームス、交響曲4番。

            最初からウエットなニュアンス満載。
            かなり幅の広い恣意的なアゴーギクを使い
            まるで呼吸そのものを音楽にしようとするような感じ。

            交響曲4番って晩年の作品じゃなかったっけ?
            まぁ、1884年〜1885年にかけての作曲だから
            51歳から52歳にかけての作品なので
            引退年齢を越えたワタクシ的には
            あんまり老年だの老人の諦観だの円熟だの言いたくないのだが

            しかし、この泣き叫ぶようなブラームスってどうよ?

            第一楽章なんか
            大の男が駄々をこねて泣き喚いているような印象なんだけど。

            ブラームスらしい厚みのある和声は
            オーケストラの音に充分に活かされていて
            その意味では深い音でダイナミックな演奏になっているんだけど

            ちょっと大袈裟というか
            ダイナミック過ぎて
            感情表現過多っぽくって
            その分、時々、音が荒れて聴こえるところがあって
            いや、それはマッチョなダイナミックと言えば
            ポジティブに取れない事はないけれど

            う〜ん、いわゆるウィーン的伝統のクラシックとは違うよねぇ。
            ・・・・と思っていたら
            案の定、例のプレッセには酷評が乗って
            コテンパンに書かれていた(笑)

            何を書かれても
            出てくる指揮者は出てくるんですよ、うん。

            やんちゃ坊主のネルソンスらしいブラームスではあった(たぶん)
            こういう、元気で自分のやりたい事をしっかり知っている若い指揮者
            これからがとても楽しみだ。

            という事でやっぱり手抜きですが
            どうぞ1クリックをお恵み下さいませ。


            ウィーン・フィル + オロスコ=エストラーダ

            0
              Musikverein Großer Saal 2018年4月22日 11時〜13時

              Wiener Philharmoniker
              指揮 Andrés Orozco-Estrada

              Leonard Bernstein (1918-1990)
               Ouvertüre zu „Candide“

              Johannes Brahms (1833-1897)
               Variation über ein Thema von Joseph Haydn für Orchester, op. 56a
               Symphonie Nr. 1, c-Moll, op. 68

              ウィーン・フィルの日曜日定期。
              ウィーン・フィルの定期公演は土曜日も日曜日も行っているけれど
              昨日の土曜日の午後は大学でシステム音楽学概論の集中講義があって
              チケットは友人に譲って行けなかった。

              もともとはズービン・メータが指揮する予定だったが
              キャンセルになって
              その前もウィーン・フィルの定期を振った
              アンドレス・オロスコ=エストラーダが登場。

              最初のバーンスタインのキャンディード序曲。
              きゃーっ、こういう曲、ウィーン・フィルが演奏できると思わなかった。
              (って失礼な!ウィーン・フィルは何でも演奏します・・・って(笑))

              複雑なリズム構成で多重になったメロディや入れ込みを
              指揮台の上で踊りながら、大音響でオーケストラに演奏させる指揮者。
              この間のペトルーシュカも音量が大きかったけれど
              これも元気一杯で
              しかも、こういうノリノリのリズムの曲って
              オロスコ=エストラーダはやっぱり巧い。

              面白いことに、これ聴いて何を思ったかと言うと
              (独断偏見ど素人の恐ろしさ)
              ショスタコーヴィッチのムツェンスク郡のマクベス夫人の音楽。
              似てるわけないんだけど、音の色に何だか共通点がある感じがした。
              (すみません、だからシロウトって怖いんです、ハイ)

              ハイドンのバリエーションは・・・
              う〜ん、まだちょっと若い、というか
              しっとりしたブラームスらしさに欠けて
              ブラームス的な美しさがあまり出て来なくて
              なんかこう、運動的という感じになってしまって、ちょっと退屈。

              幕間の後はブラームスの交響曲1番。
              いや、これ聴いていて思ったんだけど
              こういうスタンダードな曲って
              ウィーン・フィルは間違いなくウィーン・フィルの音を持っている。

              多少、指揮者がテンポを弄ろうが
              アクセントやバランスの違いを指示しようが
              出てくる艶やかな音は
              間違いなくウィーン・フィルの音になっているので

              こういう曲って
              誰が指揮台に立っても
              (あるいは極論を言えば、誰も立っていなくても?(笑))
              ウィーン・フィルって、完璧に自分たちの音で演奏してしまうんじゃないだろうか。

              私が愛読している日刊新聞のプレッセでは
              (日刊新聞の中では、唯一、カテゴリーに「クラシック」というのがある)
              この間のウィーン・フィルの定期も含めて
              オロスコ=エストラーダは酷評されていたけれど

              批評家に何を言われようが
              出てくる指揮者は出てくるのである(笑)

              まだ元気すぎて、バタバタしているところはあるけれど
              ウィーン・フィルも何回も振って
              ウィーン交響楽団の次代の首席にも決まった若い指揮者の
              これからの活躍が楽しみではある。

              これも手抜き記事ですが、どうぞ1クリックをお恵み下さいませ。


              ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 + パッパーノ

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年4月21日 19時30分〜21時50分

                The Orchestra of the Royal Opera House
                バリトン Christian Gerhaher
                指揮 Sir Antonio Pappano

                Richard Strauss (1864-1949)
                 Metamorphosen. Studie für 23 Solostreicher AV 142 (1945)

                Frank Martin (1890-1974)
                 Sechs Monologe aus „Jedermann“
                   (Fassung für Bariton und Orchester) (1943-1944/1949)

                Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)
                 Acht britische und amerikanische Volkslieder (1943)

                Edward Elgar (1857-1934)
                 Variations on an Original Theme „Enigma-Variationen“ op. 36 (1989-1899)

                私の大好きな指揮者アントーニオ・パッパーノが
                英国ロイヤル・オペラのオーケストラと客演。

                なのに、私はむちゃくちゃ疲れている。
                仕事じゃないので誰も同情してくれないし
                自業自得なんだけど(汗)

                朝から仕事して、午後はずっと講義で
                しかも1週間、ずっと睡眠不足で
                もうこのコンサートは寝る、と決めて行ったので

                リヒャルト・シュトラウスのメタモルフォーゼンは本当に寝てました。
                あああ、音楽家の方々、音楽ファンのみなさま
                パッパーノさま、ごめんなさい。

                フランク・マルタンの曲は
                ゲルハーヘルさまの美声をもう一度聴くチャンス ♡
                12音技法を使った、不思議な曲で
                音の構成がものすごく美しい。
                ゲルハーヘルさまの声も、ドイツ語も美しい。

                感想それだけかい、と自分でも突っ込みたくなるけれど
                正直、本当にそれだけです。
                フランク・マルタンという作曲家
                もう少し聴き込んでみたい。

                ショスタコーヴィッチの英国とアメリカの民謡集。
                これもゲルハーヘルさまの、美しいバリトン付き ♡
                ショスタコーヴィッチって、こんな曲も書いているんだ、とびっくり。
                もともとの英国やアメリカの民謡を
                オーケストレーションしたものだから
                近代音楽とかではなくて
                ものすごくわかりやすい美しいメロディ。

                楽しみにしていたエドワード・エルガーの「エニグマ」
                ううう、やっぱり良いわ、この曲、すごく好き。

                だいたいがオペラを演奏するオーケストラって
                音に艶があって、とてもカンタービレに歌うのが面白い。
                コンサートだけやっているオーケストラと音の質が違う。

                アンコールにエルガーの「愛の挨拶」
                うはははは、チャーミングな曲を持って来るなぁ。

                という事で、むちゃくちゃ疲れていたのに
                寝落ちしながらでもオーケストラの音楽を聴くと
                元気が出てしまう。

                手抜き記事でごめんなさい。

                こんな記事でもクリックしてやるか、という
                優しい読者の方、どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                真夏の夜の夢(バレエ)今シーズン1回目

                0
                  Volksoper / Wiener Staatsballett 2018年4月20日 19時〜21時15分

                  Ein Sommernachtstraum
                  Ballett in zwei Akten von Jorma Elo nach der Komödie von William Shakespeare

                  振付 Jorma Elo
                  音楽 Felix Mendelssohn Bartholdy
                  Ein Sommernachtstraum
                  Ouvertüre E-Dur, op 21, Musik op. 61
                  Ouvertüre c-Moll op. 95 (Ruy Blas)
                  Symphonie Nr. 4 A-Dur, op. 90
                  Konzert für Violine und Orchester e-Moll, op. 64, 2. und 3. Satz
                  舞台・衣装 Sandra Woodall
                  照明 Linus Fellbom
                  指揮 Andreas Schüller

                  オベロン Vladimir Shishov
                  ティターニア Ketevan Papava
                  パック Mihail Sosnovschi
                  シーシアス Kamil Pavelka
                  ヒポリタ Gala Jovanovic
                  ハーミア Natascha Mair
                  ライサンダー Scott McKenzie
                  ヘレナ Alice Firenze
                  ディミートリアス Dumitru Taran
                  イジーアス Igor Milos
                  職人たち Gabor Oberegger, Jaimy van Ovreem, Matteo Magalotti
                  Nicola Barbarossa, Marat Davletshin, Trevor Hayden
                  アテネのカップル Oxana Kiyanenko, Leonardo Basílio,
                  Katharina Miffek, Zsolt Török
                  妖精・アテネの住人たち
                  Vanessza Csonka, Oxana Kiyanenko, Zsófia Laczkó, Katharina Miffek,
                  Flavia Soares, Iulia Tcaciuc, Chiara Uderzo, Celine Janou Weder
                  Leonardo Basílio, Francesco Costa, Marcin Dempc, Marian Furnica,
                  András Lukács, Hanno Opperman, Zsolt Török, Arne Vandervelde
                  ソロ歌手 Anita Götz, Manuela Leonhartsberger

                  ヨルマ・エロの振付による「真夏の夜の夢」の再演。
                  あああああ、待ってました ♡

                  この作品、ものすごく好き。
                  クラシックなんだけど、モダンの要素が多く入って
                  お話は楽しいし、衣装は綺麗だし
                  舞台装置は簡素ながらとても美しいし

                  それにミーシャがパックを踊る!!!!

                  エロはミーシャを念頭に置いて、このパック役を振り付けて
                  ミーシャは、この役で確かロシアで大きな賞をもらっているはず。

                  メンデルスゾーンの傑作、真夏の夜の夢の音楽で
                  しかもソリストもコーラスも入り
                  加えて、交響曲4番「イタリア」とバイオリン協奏曲も聴ける。

                  今回の私のお目当は
                  ハーミアのナターシャとライサンダーのスコット。

                  あああああああああああ
                  出て来たとたん
                  スコットの可愛さに悶絶。
                  (ナターシャがキュートなのはよ〜く知ってる)
                  ロイヤル・バレエ学校出身の
                  小柄で、しかも、ホントに童顔で可愛いスコットが
                  それでなくてもキュートなナターシャとカップルになったら

                  いかん、あまりに可愛すぎる。
                  こんなお砂糖で出来たお人形さんみたいな
                  愛されるためだけに生まれて来たようなカップル
                  超貧民席だから、舞台からは遠いけれど
                  10倍のオペラ・グラスで見てると失神しそうになる。

                  対するディミートリアスのドミトルも良い。
                  いや〜、このドミトルの役って
                  ハーミアへの求婚の時に
                  空中で駆けるとんでもない振付が何回かあって
                  これがコミカルで可愛くて
                  キュートなライサンダーの対極として
                  比較的大人(青年)だけど、ちょっとマジメな役柄に
                  よく合ってる。

                  アリーチェのヘレナは、可愛すぎだろ・・・(笑)
                  ディミートリアスがつれなく拒否しているのに
                  しっかりまとわりついて、これがまた品があってカワイイんだもん。
                  あ〜、また振られちゃった、というシーンが何回かあるけれど
                  振付のせいか、あまりに深刻じゃない。

                  いやここでヘレナが完璧に悲劇性を帯びたら
                  バレエ見てる我々が精神的に辛くなってしまうから
                  あ〜、だめだわ、まだ振り向いてくれないわ、程度の方が
                  観ている方も精神的に楽。

                  カミルとガラのシーシアスとヒポリタは
                  強烈な個性はないけれど、品の良いマジメな踊り。

                  で、このストーリーのキモの一つは
                  オベロンとティターニアの夫婦喧嘩なのだが

                  わっはっはっはっは
                  ケテヴァンのティターニアのオーラが凄い。
                  ケテヴァンって、本当に舞台の上で大きくなって、すごいオーラが出る。
                  妖精の女王さまだから
                  堂々としていて品があって
                  でも、オベロンとの喧嘩では一歩も引かない。

                  オベロンのシショフが
                  これまた堂々としていて
                  身体のラインが綺麗だし
                  あ〜、やっぱり昔のイケメン、今でもイケメン。

                  多少歳は取ったけど(それはお互い様)
                  顔は小さいし、8頭身というか、9頭身?くらいに見えて
                  しかも身体のバランスが実に美しい。

                  ケテヴァンとシショフがカップルになると
                  目を奪うばかりの豪華絢爛オーラ出しまくりの
                  大人カップルが出現する。

                  ミーシャのパックは
                  もう言う事はなにもない。

                  ともかくミーシャがパックとして
                  舞台に出てくるだけで
                  そこらへんの空気が変わってしまう。

                  いたずらっ子の妖精で
                  オベロンと悪巧みをして失敗して(わっはっは)
                  キレのあるダンスで飛び跳ねて
                  マッチョでキュートで、ちょっとマヌケ。
                  何と言うチャーミングさ!!!

                  この演目、子供たちも大勢出演するので
                  子供好きの人にはたまらないだろう。
                  しっかりバレエを踊るし、演技も巧い。
                  あんな小さな頃から、ちゃんとプロの自覚がある。

                  キャストの入れ替えはあるけれど
                  (あ〜、ライサンダーをグレイグが踊ってる(涙)←別のカンパニーに行った)
                  パックのミーシャの魅力を少しだけでもどうぞ。



                  今回は別のコンサートとのバッティングがあって
                  皆勤賞は取れないけれど
                  それでも追いかけます・・・という私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  ムジカ・エテルナ + テオドール・クルレンツィス

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2018年4月18日 19時30分〜21時40分

                    MusicAeterna
                    ピアノ Alexander Melnikov
                    指揮 Teodor Currentzis

                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                     Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 c-moll op. 37 (1800-1802)
                      Kadenz : Ludwig van Beethoven

                    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                     Ouverture zu „Le nozze di Figaro“ K 492 (1785-1786)

                    Ludwig van Beethoven
                     Symphonie Nr. 7 A-Dur op. 92 (1811-1812)

                    奇妙で奇抜で
                    古楽器使ったオーケストラなのに
                    じゃぁ、本当にピリオド奏法の歴史的演奏をするかと言えば
                    研究成果に基づいたオリジナル(に近い)音楽という訳でもなく

                    そこまでクラシックで奇抜な事をやっちゃって良いのか?
                    と思いつつも
                    その音楽のあまりの魅力に
                    いったん虜になったら抜けられないという鬼才クルレンツィス。

                    コンツェルトハウスのチクルスの最後のコンサート。
                    夏のザルツブルク音楽祭では
                    クルレンツィスとムジカ・エテルナが
                    ベートーベンの交響曲全曲を演奏するのだが
                    あまりの人気爆発(怖いものみたさ・・・とも言う(笑))のため
                    チケットは全く入手できなかった。

                    舞台の上を見たら
                    開場しているのに、まだ調律師さんが舞台にいる。

                    ・・・・というより
                    調律しているその楽器は
                    ハンマー・クラヴィーアではないか (O_O)

                    ベートーベンのピアノ協奏曲3番って
                    私は別に名曲だと思わないんだけど
                    何故かナマで聴く機会が多いのだが

                    モダン・ピアノじゃなくて
                    どこかのインペリアル・グランドとかじゃなくて
                    昔の、しかも音量が少なくて不思議な響きのする
                    ハンマー・クラヴィーア???

                    オーケストラ編成は小さい(そりゃそうだろう)
                    ムジカ・エテルナは、普通、立って演奏できる楽器は
                    全員、起立したままの演奏だが
                    ベートーベンのピアノ協奏曲は、弦のメンバーも座っている。

                    クルレンツィスの音楽作りは
                    相変わらず、まるで弾力のあるボールが飛び跳ねているような
                    ものすごいリズム感と不思議なアクセントに満ちている。

                    メルニコフのピアノ、いや、ハンマー・クラヴィーアが入ると
                    実に不思議な音がする。

                    しかもメルニコフ、装飾音符入れてるし・・・
                    これ、ハインリヒ・シフがリサイタル時に
                    モーツァルトのソナタに自由自在に装飾音符を入れていたけれど
                    ベートーベンでもありかい。
                    (あまり目立った入れ方はしていなかったけれど
                     時々、ほんのちょっと、あ?という部分の装飾がある(笑))

                    ハンマー・クラヴィーアの音が軽い分
                    全体にリズム感に満ちていて、躍動感のある第一楽章の後

                    第二楽章って、緩徐楽章で、最初がピアノのソロ。
                    うわあああ、ハンマークラヴィーアって、こういう音が出るんだ。
                    何とも郷愁に満ちた、古典的で秘密の香りに満ちていて
                    妖しげな色気がある。

                    無理やり例えてみれば
                    恥じらいのある若い女性が
                    遠慮深くて、ちょっと一歩引いて・・・なのだが
                    時々、ちらっと妖しげな色気が覗くというか

                    日本で女性問題が取り沙汰されている時に
                    (本当は女性問題じゃなくて男性問題だろ)
                    こんな「恥じらいのある乙女」とか書いたらいけないのだろうが
                    印象としてはそういう感じなので
                    世の中の女性の皆さま、どうぞこの危ない表現をお許し下さい。

                    タッチが軽いせいか
                    最初は、ちょっとハンマークラヴィーアが走ってしまうところもあったし
                    現代で、わざわざベートーベンのピアノ協奏曲を
                    モダン・ピアノじゃなくて
                    ハンマー・クラヴィーアで演奏する意味はあるのか?とは思ったけれど

                    確かにあの響きで演奏されると
                    聴き慣れて、ちょっとゲッソリしている曲が
                    驚くような不思議な世界になって新鮮ではある。

                    ハンマー・クラヴィーアを移動させて
                    弦のプレイヤーの椅子(チェロは除く)を取っ払って

                    フィガロの結婚の序曲。

                    あ〜、もうこれはクルレンツィスとムジカ・エテルナの名刺みたいなもので
                    まぁ、この音楽的センス、躍動感、疾走感、リズムと強弱の生き生きした絡み。
                    モーツァルトで反射的に爆睡する私でも
                    このクルレンツィスとムジカ・エテルナは寝ていられない。

                    なんでもう、こんなポピュラーに近い
                    演奏され尽くした曲が
                    こんなに生き生きしちゃうんだ?!

                    何回も聴いたら、そろそろ、その奇抜さに飽きが来るかと思ったけれど
                    全然、飽きが来ない、というより、聴けば聴くほどにハマる。

                    後半のベートーベンの交響曲7番。
                    オーケストラは立った状態での演奏で

                    わっはっはっはっは
                    これ、笑う以外にどう反応して良いのかわからん。

                    もう凄いです。
                    そんなアクセントのつけ方で?みたいな部分がテンコ盛り。
                    比較的、まともな(笑)テンポで始めたのだが
                    中間部から、やっぱりグッと速度を上げて来て
                    ムジカ・エテルナのプレイヤーたちが
                    舞台の上で、演奏しながら、ほとんど踊っているような印象。

                    あ、コンマスと、第二バイオリンのトップは
                    し〜っかり踊ってました(笑)しかも、むちゃ楽しそうに。

                    弦楽器のボーイングが面白い。
                    他のオーケストラとは全く違う。
                    (何が違うかはうまく表現できない、ごめんなさい。
                     バイオリンとか弾く人ならすぐにわかると思うんだけど)

                    センスの良さが、ともかく抜群で
                    アクセントやテンポ、バランスが
                    こんなに逸脱していても、それが実は正解じゃないか
                    というところで、ピタリと嵌ってくるのだ。

                    チェロなんか、最終楽章では
                    コル・レーニョで弾いてた部分まで(笑)

                    リピート全部ありの演奏で
                    普通だったら、たぶん退屈する。

                    第二楽章が実はすごく不思議で
                    これは私の睡眠不足による脳内妄想という可能性はあるが
                    最初のホルン、続く低弦のアンサンブルに
                    微妙な音程の差があるように聴こえて来た。

                    しかもその低弦のアンサンブルの音量を
                    徹底的に抑えて
                    それ、何デシベル?(ヒソヒソ声レベル)という
                    お陰で会場はさすがにシーンとしたが
                    聴こえるか聴こえないかのレベルの音量で
                    周波数の少ない低音を出されると
                    その音程の認識に、私の機能不足の脳が反乱したのかもしれないが
                    低弦アンサンブルにビオラ、バイオリンが入るところでも
                    微妙な音程のズレが聴こえて来て
                    いや、何とも不思議な、めちゃくちゃ妖しげな世界。

                    これもまた
                    こんなベートーベンの交響曲7番
                    聴いた事がありません、という
                    独特の音楽世界。

                    普通、目立とうとする指揮者が
                    奇抜な演奏しようとすると
                    テンポを信じられないほどアップさせるか
                    訳のわからんところに隠されたポリフォニーを出すか
                    強弱を徹底的に大袈裟にして
                    最後はぐわ〜んと音量をクレッシェンドしてテンポを速める
                    ・・・くらいの事は日常茶飯事で起こるけれど

                    クルレンツィスとムジカ・エテルナって
                    そんな単純なあざとさでは説明がつかない。

                    何回か繰り返して、いつも書いているけれど
                    いわゆる我々聴衆が期待する「クラシック」の枠内には
                    全く収まらない、とんでもない演奏をするのに

                    その奇妙な、枠から飛び出した音楽が
                    ただの「やりたい放題」ではなくて
                    ものすごい説得力を持って
                    しかもあざとさとか、有名になりたい野心とか
                    そりゃ、きっとあるんだろうけれど
                    そんな俗物的な事を感じさせず
                    聴衆を「音楽の力」でねじ伏せて
                    非常に心地よく
                    子供が無心に遊んでいるかのような
                    徹底的に楽しい境地まで連れて行ってくれる。

                    こういう解釈
                    歴史的解釈でもないし
                    モダンな解釈でもないし
                    いったい、どう名付けて良いのか
                    音楽学学者も困るだろうなぁ(笑)

                    明日の夕方はゲスト講演で
                    音楽の解釈研究の歴史についての話が聞ける予定なので
                    ちょっと、こういう奇妙な指揮者の解釈について
                    研究者がどう言うか、聞いてみたいような気がする私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    このオーケストラのメンバー
                    本当にアスリートっぽい人たちで
                    音楽家というのが、全身を使っての芸術を伝えるというのが
                    よ〜くわかる。

                    バランシン・ノイマイヤー・ロビンス 今シーズン5回目

                    0
                      Wiener Staatsballett 2018年4月16日 19時30分〜21時45分

                      BLANCINE / NEUMEIER / ROBBINS
                      指揮 Kevin Rhodes

                      STRAVINSKY VIOLIN CONCERTO
                      振付 George Balancine
                      音楽 Igor Strawinski, Konzert in D für Violine und Orchester
                      照明 Ronald Bates
                      バイオリン・ソロ Albena Danailova
                      Ketevan Papava, Liudmila Konovalova
                      Roman Lazik, Mihail Sosnovschi

                      THEMA UND VARIATION
                      振付 George Balancine
                      音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski, Orchestersuite Nr. 3 G-Dur op. 55, 4. Satz
                      衣装 Christian Lacroix
                      Nikisha Fogo *, Denys Cherevychko
                      Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Sveva Garguilo, Rikako Shibamoto
                      Leonardo Basílio, Francesco Costa, Martin Dempc, Alexandru Tcacenco

                      BACH SUITE III
                      振付・衣装 John Neumeier
                      音楽 Johann Sebastian Bach, Orchestersuite Nr. 3 D-Dur BMW 1068
                      Maria Yakovleva - Roman Lazik
                      Fiona McGee - Richard Szabó
                      Ioanna Avraam - Leonardo Basílio, Alice Firenze - Dumitru Taran
                      Natascha Mair - Alexandru Tcacenco

                      THE CONCERT OR, THE PERILS OF EVERYBODY
                      振付 Jerome Robbins
                      音楽 Frédéric Chopin, Polonaise A-Dur Nr. 1 op. 40,
                      Berceuse Des-Dur op. 57, Prélude f-Moll Nr. 18 und
                      Prélude b-Moll Nr. 16 op. 28, False e-Moll Nr. 14, Prélude A-Dur Nr. 7 op. 28
                      Mazurka G-Dur Nr. 50, Prélude e-Moll Nr. 4 op. 28,
                      Ballade As-Dur Nr. 3 op. 47
                      オーケストレーション Clare Grundman
                      舞台 Saul Steinberg
                      衣装 Holly Hynes nach Irene Sharaff
                      照明 Ronald Bates
                      ピアノ Igor Zapravdin
                      バレリーナ Irina Tsymbal
                      既婚男性 Eno Peci
                      既婚女性 Gala Jovanovice *
                      恥ずかしがりの若い男性 Trevor Hayden *
                      エネルギッシュな女性 Céline Janou Weder
                      男性 Igor Milos
                      2人目の男性 Gabor Oberegger
                      2人の若い女性 Natalya Butchko, Anna Shepelyeva
                      案内人 Marcin Dempc

                      Wiener Staatsballett
                      Studierende der Ballettakademie der Wiener Staatsoper
                      Orchester der Wiener Staatsoper

                      今シーズン4回目、通算5回目の演目。
                      (国立オペラ座では9回目の上演)

                      キャスト表を見て狂喜するワタシ。
                      熱心な読者は想像がつくかもしれないけれど

                      イリーナ、お帰りなさ〜〜〜〜い !!!!

                      まるで妖精のような
                      浮世離れした美しさのイリーナ、私、ファンなんですっ!!!
                      カムバックの最初の役が
                      コミカルなバレリーナ役だけど
                      以前もコミカルに演技たっぷりで踊ってくれたし
                      ともかく、戻ってくれて、ワタシは嬉しい 😂

                      ストラヴィンスキーのバイオリン協奏曲では
                      ケテヴァンが登場。

                      うわあああ、このダンサーも
                      相変わらず美しいし
                      あの明るいオーラは何なんだ。
                      モダンであんなに明るいオーラが出るのか。
                      そこだけスポット・ライトが当たったようになる。

                      オルガさまだと下からの魅力的なサド目になるのだが
                      ケテヴァンが下から観客を見ると
                      うっふっふ、ほら楽しいでしょ、見てね、という
                      輝くオーラが発散される。
                      天性の女優って、こういう華のある人の事を言うのだ。

                      バランシンのテーマとバリエーションでは
                      ニキーシャが役デビュー。

                      これが・・・すごかった。
                      いやもう、あのキレの良さとセンスの良さ。

                      パの一つ一つがニキーシャのキャラクターにぴったりハマって
                      完璧に振りを自分のものにしていて、緩みがない。

                      デニスはザンレールだろうがピルエットだろうが
                      どんなジャンプも見事にこなしていたけれど
                      やっぱり時々、体操になって、えいっ!っていうのが見える。

                      ・・・いや、あの、その
                      それは我々観衆が、如何に贅沢になって来ているか、っていうのもある。
                      あの振付をあれだけ完璧にこなすって、凄い事だよ。
                      観客からも盛大な拍手が出た。

                      ノイマイヤーのバッハ組曲。
                      これ、私、ものすごく好き ♡

                      もちろんクラシックを取り入れたモダンで
                      具体的なストーリーとかはあからさまには提示されないけれど
                      観れば観るほど、好きになる稀有な作品。

                      バランシンも音楽をそのままバレエに乗せた振付をするが
                      ノイマイヤーの振付の「音楽性」というのは他に例がない。
                      余計なものは一つもなく
                      必要なものはすべてある、という感じ。

                      マリアとローマンのカップリングは
                      チャーミングだし安定性抜群で
                      しかもマーシャはキュートで時々見せる笑顔が可愛くて
                      シリアスな時のツンツン感が、すごく良くて
                      ローマンは(シリアスなモダンなので)いつもの仮面のような
                      不思議な表情がノイマイヤーの振付にばっちり合ってる。

                      ソロの2組目、フィオーナとリッチー。
                      フィオーナって、最近、ソロに抜擢される事が多い。
                      小柄でテクニック的に抜群で
                      キレのあるダンスを踊るし、すごく雰囲気がある。
                      これから出てくるかな・・・楽しみだわ。

                      で、いつ、何回観ても爆笑してしまうロビンスのコンサート。
                      イリーナが登場したところで
                      客席からパラパラと拍手。
                      そうなんですよ〜、ファンが歓迎してるのよ ♡
                      お帰り、イリーナ。
                      (一見さんには、何故、あそこで拍手が出たのかわからなかっただろう)

                      ガラの奥さま役も良かったし
                      恥ずかしがりの若い男性のトレヴォアも抜群だった。
                      この2人、演技が巧いからハマり役。

                      しかしこの演目は言ってみればエノの独り舞台みたいなものだ(笑)
                      いやもう、むちゃくちゃ可笑しい。

                      この演目、5月3日と5日に公演がある。
                      5日とか、かなりチケット余っているみたい。
                      ウィーン在住の方、ぜひぜひご覧下さいまし。

                      モダンは苦手、という方は
                      後半からだけでもどうぞ(笑)
                      日常生活のストレスが一挙にぶっ飛びます。

                      実は多少ストレスがあった方が
                      活き活きしてしまう貧乏性の私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      ロビンスの「コンサート」確かに爆笑できる作品だけど
                      最近、この作品の中の雨のシーンの美しさに悶えてる。
                      ただダンサーが歩いて傘をさす、という
                      フォーメーションの美しさで魅せるのだ。
                      こういうシーンも、観れば観るほど、好きになる。

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