ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年12月30日 20時〜22時

    Wiener Symphoniker
    Wiener Singakademie
    ソプラノ Emily Magee
    アルト Anke Vondung
    テノール Andreas Schager
    バス Dimitry Ivashchenko
    指揮 Philippe Jordan

    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
     Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 36 (1801-02)
     Symphonie Nr. 9 d-moll, op. 125 (1822-24)

    恒例の年末・年始のウィーン交響楽団による
    ベートーベンの交響曲9番のコンサート。
    12月30日・31日、1月1日に行われるが
    今年は9番だけではなくて
    その前に2番の演奏。

    だいたい、このコンサートのチケットは高い。
    一番安い最貧民席で42ユーロ(31日は46ユーロ)
    高いチケットだと115ユーロ(30日・1月1日)か142ユーロ(31日)

    これ、例年、この日だけチケットの料金がアップするのは
    まぁ、その料金でも売れるから、というのはあるけれど
    当然の事ながら、ジモッティの貧乏クラオタには厳しい料金。

    今年、行こうと思ったのは
    9番だけじゃなくて(今までは9番だけだった)
    2番もあったから。9番だけでは、さすがに高過ぎる。

    発売と同時に30日の最貧民席を1枚確保。

    おおお、周囲のジモッティの数が少ない。
    観光客だらけ。
    天井桟敷なのに、リキの入ったお洒落をしている人と
    それ、コンサートに来る服じゃないよね、という人に分かれてる(笑)

    私、実は2番は好きな部類に入る。
    スコアもバッグに忍ばせたのだが
    最貧民席でも舞台が見える席を買ってしまったので
    今回は舞台を拝見。

    割りに大振りのオーケストラ(対抗位置)で
    モダン演奏で
    ジョルダンらしく疾走するテンポで軽快に演奏するかと思っていたら
    何だか、割りに普通の演奏。

    時々、アクセントで、え?という部分はあったけれど
    何だか結構マジメに伝統的に演奏されてるなぁ。

    ただ・・・
    全部に楽章間拍手があったのは、かなり残念。

    聴衆が感激しているサインなのかもしれないけれど
    どうしても曲への集中が欠けるし

    ワタクシ的には、楽章間拍手があると
    オーケストラも指揮者も
    あぁ、今日の聴衆って、そ〜いう層なのね、と思ってしまうのではないか
    という不安がある。

    一応、クラオタも、いない訳じゃないんだけどね・・・

    マナー違反で集中力を欠いたらプロ失格なので
    そこそこ、ちゃんとした演奏はしたけれど
    何だか面白くない。
    ジョルダンらしくない。
    オーケストラも、まだまとまっていなくて
    テンポのズレもあるし、ソロのミスもある。

    う〜ん (ーー;)

    後半の交響曲9番で楽章間拍手が起こったら
    さすがにそれはイヤだなぁ。
    ・・・と思っていたけれど
    ありがたい事に9番は楽章間拍手はなし。

    前の(2番ですごく拍手していた)おじさまが
    足でリズム取ってるけど(写真も撮りまくっていたけど)
    よほど嬉しいんだろうなぁ。
    音楽を楽しむって、こういう事かも(違)

    9番・・・やっぱり、まだ全然まとまってない。
    そりゃ、ウィーン交響楽団、毎年この曲を演奏しているから
    慣れてはいると思うのだが。

    最近、9番と言うと
    小編成オーケストラで、ものすごいテンポでの演奏ばかり聴いていたので
    このオーケストラの大きさだと、多少、伝統的なテンポに聴こえる。
    その意味では、かなり伝統的?
    ありゃ〜、と人をビックリさせるような
    クルなんとかという指揮者の演奏とは全く違って(笑)
    伝統と歴史に基づいた演奏で
    まぁ、聴いていて違和感はない。

    コーラスがものすごい人数・・・
    これだけ揃うんだったら
    ベートーベンの9番じゃなくて、マーラーの8番とか(こらこらこら)

    ソリストは第2楽章が終わってから入場。
    拍手のフライングもなかった。

    第3楽章って、ワタクシ的には
    美しい音楽の順位があるとしたら、メダルを取れるくらいに美しいのだが
    う〜ん、確かに美しいんだけど
    何だか、あまりに普通すぎて
    感激がないというか
    何だか心に響いて来ないのは
    ここ数日、結構、仕事が忙しくて疲れていたから、という
    聴き手の私の問題だな、きっと。

    誰もが知っている最終楽章。
    バスが朗々とした声で入る・・・・
    朗々・・・・
    う〜ん、この人、バリトンだよね?
    天井桟敷だから、声は比較的飛んでは来るのだが
    私の好みとしては、もう少し深い低い声の方が良いんだけど。
    (はいはい、クラオタは文句が多いです、すみません)

    テノール、声は出るし、確かに如何にもテノールの声を
    充分に張り上げてくれているんだけど

    この曲、いつからオペラになったっけ???

    表情豊かで、楽譜は持ってるけど
    持ってる必要ないでしょ、この人は。
    楽譜なんか放り投げて、歩けるところを目一杯歩いて
    すぐに演技しそうな動きに、目を奪われてしまう(笑)
    ・・・ちょっとカワイイんだけど、オペラに聴こえる。

    アルトは全然聴こえません(笑)

    合唱は人数が多いだけに
    大きな編成のオーケストラの音量には負けないけれど
    その分、ちょっと大味になってる。
    天の神さま云々の部分が、全然ミステリアスじゃない。

    ほら、ベートーベンの頃って、まだ電気がなかったから
    夜になったらロウソクだけで
    外は本当に暗かったはずなんですよ。
    だから、満天の星で、神なり絶対者なり
    現代では感じられないような不思議な「モノ」が感じられたはずで
    時々、9番を聴いていると、その「モノ」がうっすらと姿を現わすのだが
    このちょっと大味なコーラスは
    街灯があって車がライト点けて走っていて
    建物から光が漏れてます。
    (さすがに日本みたいなネオンの看板はないが・・・)

    ベートーベンの交響曲9番は
    曲そのものが、正にモニュメンタルな作品。
    ここまで演奏されて、CD が山ほど出ていて
    今日の演奏だって
    別に目新しいとか言うのは何もなくて

    それでも、やっぱりナマで聴くと
    すごいなぁ・・・と感じ入るしかない。

    今日が最初のコンサートで
    あと2回、きっと、どんどん良くなって行くんだろうなぁ。
    1月1日にもう1度、聴きに行きたいな、と思ったけれど
    当然ながら、チケットは全て売り切れ。
    (当日、出てくるような気はするけどね(笑))

    それに、この年末・年始のコンサートのチケットの高さは異様なので
    やっぱり止めておきます。

    という事で
    2017年のナイト・ライフはこれにてお終い。

    2017年は全部で272回。
    (楽友協会88回、コンツェルトハウス54回、国立オペラ座49回
     フォルクス・オーパー7回、グラーフェック12回、ザルツブルク4回
     あとはミュージアム・クォーターとかオデオンやフォルクス・テアーター等)

    安い給料の後、貧しい年金生活者で
    まぁよくやるわ、と
    自分で自分に感心・・・いや、呆れている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    国立バレエ クルミ割り人形 今シーズン2回目(通算23回目)

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      Wiener Staatsoper/Wiener Staatsballett 2017年12月28日 19時30分〜21時30分

      DER NUSSKNACKER
      Ballett in zwei Akten nach Marius Petipa und Lew Iwanow
      振付・演出 Rudolf Nurejew
      音楽 Peter Iljitsch Tchaikowski
      舞台・衣装 Nicholas Georgiadis
      照明 Jacques Giovanangeli
      指揮 Paul Connelly

      クララ Natascha Mair
      ドロッセルマイヤー・王子 Leonardo Basílio
      ルイーザ Anita Manolova
      フリッツ Richard Szabó
      父親 Andrey Teterin
      母親 Franziska Wallner-Hollinek
      祖父 Gabor Oberegger
      祖母 Gloria Maass
      街の少年たち Nicola Barbarossa, Theo Bourg, Marat Davletshin, Marian Furnica,
      Andrés Garcia-Torres, Trevor Hayden, Scott McKenzie, Arne Vandervelde
      お客様たち Vanessza Csonka, Oxana Kiyanenko, Alena Klochkova, Zsófia Laczkó,
      Katharina Miffek, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman, Iulia Tcaciuc
      Martin Dempc, Alexis Forabosco, András Lukácis, Igor Milos, Kamil Pavelka,
      Tristan Ridel, Alexandru Tcacenco, Jaimy van Ovreem
      Abigail Baker, Marie Breuilles, Carolina Sangalli
      ネズミの王 Andrey Kaydanovskiy, Zsolt Török
      小さなくるみ割り人形 Scott McKenzie
      雪の精 Alice Firenze, Nikisha Fogo
      Abigail Baker, Emilia Baranowicz, Elena Bottaro, Marie Breuilles
      Natalya Butchko, Venessza Csonka, Adele Fiocchi, Sveva Garguilo
      Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Alene Klochkova, Zsófia Laczkó
      Anita Manolova, Fiona McGee, Katharina Miffek, Suzan Opperman
      Alaia Rogers-Maman, Carolina Sangalli, Isabella Lucia Severi
      Anna Shepelyeva, Iulia Tcaciuc, Franziska Wallner-Hollinek,
      Céline Janou Weder, Madison Young
      スペインの踊り Anita Manolova - Richard Szabó
      Vanessza Csonka, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko,
      Alexis Forabosco, Andrey Kaydanovskiy, Alexandru Tcacenco
      アラビアの踊りAlice Firenze - Eno Peci, Gloria Maass, Gabor Oberegger
      Abigail Baker, Marie Breuilles, Carolina Sangalli
      ロシアの踊り Franziska Wallner-Hollinek - Andrey Teterin
      Emilia Baranowicz, Natalya Butchko, Alene Klochkova, Anna Shepelyeva
      András Lukács, Igor Milos, Kamil Pavelka, Tristan Ridel
      中国の踊り Francesco Costa, Marcin Dempc, Géraud Wielick
      パストラーレ Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Dumitru Taran
      ワルツ Natalya Butchko, Sveva Garguilo, Zsófia Laczkó, Fiona McGee
      Katharina Miffek, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman
      Isabella Lucia Severi, Rikako Shibamoto, Iulia Tcaciuc, Céline Janou Weder,
      Madison Young, Nicola Barbarossa, Marat Davletshin, Marian Furnica,
      Andrés Garcia-Torres, Trevor Hayden, Andrey Kaydanovskiy,
      Scott McKenzie, Igor Milos, Tristan Ridel, Zsolt Török,
      Jaimy van Ovreem, Arne Vandervelde

      Wiener Staatsballett
      Studierende der Ballettakademie der Wiener Staatsoper
      Kinder der Opernschule der Wiener Staatsoper
      Orchester der Wiener Staatsoper

      12月23日のキャストと同じ「くるみ割り人形」
      役デビューの星(名前の後ろの *)が消えただけで
      これ、消すのも大変なんだけど
      でも、ダンサー全員、事故も怪我もなく2回目の公演に乗れたのは嬉しい。

      ナターシャ、相変わらずキュートさ満開。
      しかし、このダンサー、本当に体幹がしっかりしていて
      どんなに片足ポワントでも、鉄壁の安定性。

      テクニックがしっかり身になっているだけに
      演技中の自然な笑顔を忘れないし
      ちょっと、どや顔なんだけど(それがまたカワイイ)
      下から目線を取る、ちょっと見上げるような笑顔なんか
      小悪魔的で、ちょっと生意気で(笑)
      バレエがヘタクソだったら、あんな表情したら
      殴ってやりたくなるが
      あれだけ見事にポーズやパを決めてから

      ほら、見た?

      って、あの笑顔で問いかけられると
      観ている方は
      そのスィートさに溶けてグニャグニャになってしまう。

      才能ももちろんだが
      ここまでになるために、このダンサー、どこまで努力を重ねて来たんだろう。

      ドロッセルマイヤー+王子さまのレオナルド。
      初日の出来が良かったので
      こちらも期待して2回目を鑑賞。

      このダンサーも、身体が実に美しい。
      白タイツが似合う男性ダンサーって
      ちょっと子供時代の頃を考えると
      いぢめたくなるタイプの弱々しいイメージがあるけれど
      レオナルドって、身体のバランスが素晴らしく
      顔の大きさと身体の大きさ、手足の長さが
      もろに少女コミック
      しかも一世代前の少女コミック
      (註 最近、有吉京子先生の描くダンサーは筋肉ムキムキが多い)

      あの長い脚の、しかも筋肉ムキムキでない
      まっすぐな美しさを何と表現しよう・・・(ため息)

      ただ、前半の王子さまとクララのパ・ド・ドゥで
      ソロの時に、ちょっと硬くなってるかなぁ・・・という感じ。

      ポーズ一つ一つは、ばっちりキメて来るのだが
      そのキメ方が、如何にも、頑張って体操してます的な感じがして
      この間のようにストーリー内で自然に収まっているというよりは
      気負いがあって
      頑張らなくちゃ、というのが見える。
      だから、その分、キメはバッチリなのだが
      第一幕の雪のシーンの前の王子さまのソロが、ちょっときつそう。

      後半の金平糖まで、あの気負いが良い方に出れば良いが
      ・・・と思っていたら

      ナターシャとのパ・ド・ドゥ
      音楽も一番盛り上がる見せ場たっぷりの素晴らしいバレエ・シーンで
      ポーズ一つ一つは見事に決めて来て

      おお、さすがに魅せるなぁ
      と思っていたら
      最後のあの難しいリフトで、ちょっとだけ不安定さが。
      (ミスではないし、誰も気がついていないと思う)

      最後のあの片足に女性ダンサーを乗せてバランスを取る
      むちゃくちゃ難しいリフトが

      あああああ

      いや、失敗ではない。
      ちゃんと片足は上げた・・・・けれど
      ナターシャが乗り切ってなくて
      バランス崩れて
      すぐに脚を降ろしてしまって
      ・・・なのに、ナターシャ、まだ斜めで体勢そのままって
      うわああああ
      あの場面って
      女性ダンサーが男性の片足にもたれ掛かるんだと思っていたけれど
      女性ダンサーは、自分のバランスで
      身体を横にして支えているわけ?

      以前もそんなケースあったな。
      デニスだったっけ、やっぱり乗り切らずに
      女性ダンサー(あの時は橋本清香嬢だったような気がする)が
      自分の力で斜めにしっかり身体をキープしていた記憶がある。

      でも甘い見方をすれば
      一応、一瞬でも片脚に女性ダンサーは乗っかったし
      この間はキープは良かったものの
      ちょっと脚を上げすぎ、というのもあったので
      良しとしよう。
      だって、あれ、本当にサーカスだもん。

      その後のソロも伸びやかでジャンプも良かったし
      美しい肢体を充分に堪能できたし(うふふふふふふ)

      1月6日に同じキャストでの公演がある。
      その後はロベルトと橋本清香嬢にキャスト変更。

      レオナルド、頑張って!!!

      次の公演も楽しみな私に
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      これで2017年は最後だと思った方
      実はまだ最後に1回、コンサートがあります(笑)

      フォルクス・オーパー ロメオとジュリエット(バレエ) 4回目

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        Volksoper/Wiener Staatsballett 2017年12月27日 19時30分〜21時35分

        Roméo et Juliette
        Ballett in zwei Teilen
        振付 Davide Bombana
        音楽 Hector Berlioz
        舞台・衣装・照明 rosalie
        指揮 Gerrit Prießnitz
        コーラス指導 Thomas Böttcher

        ジュリア Elena Bottaro *
        ロメオ Andrés Garcia-Torres *
        マブ女王 Gala Jovanovic
        ロレンツォ神父 Mihail Sosnovschi
        マキューシオ Keisuke Nejime
        ティボルト Lázló Benedek
        ベンヴォーリオ Felipe Vieira
        マブ女王のダブル Tainá Ferreira Luiz, Suzanne Kertész
        Dominika Kovacis-Galavics, Mila Schmidt
        アンサンブル Laura Cislaghi, Marie-Sarah Drugowitch
        Kristina Ermolenok, Tainá Ferreira Luiz, Viktoria Feyferlik,
        Irene Garcia-Torres, Susanne Kertész, Dominika Kovacs-Galavics,
        Tessa Magda, Natalie Salazar, Mila Schmid
        Roman Chistyakov, Samuel Colombet, Patrik Hullmann,
        Alexander Kaden, Matteo Magalotti, Dragos Musat,
        Lorenzo Salvi, Gleb Shilov, Martin Winter
        ソロ歌手 アルト Annely Peebo
        ソロ歌手 テノール Alexander Pinderak
        ソロ歌手 バス Andreas Daum

        Wiener Staatsballett
        Orchester der Volksoper Wien
        Chor und Zusatzchor der Volksoper Wien

        今シーズン最後のベルリオーズのロメオとジュリエット。
        フォルクスオーパーのバレエは、この後、1月〜3月までは
        シンデレラがプログラムに載っている。
        (すみません、シンデレラ、もう行きません。
         何回も行ったけど、盛り上がりないし・・・)

        千秋楽は若手公演!!!
        エレナがジュリエット。
        エレナは国立オペラ座のバレエ公演のコールドでよく見かける。

        対するロメオのアンドレス・ガルシア=トレスって
        ストラヴィンスキーのアンドレイ振付の「火の鳥」で
        最後のシーンでホットドッグの着ぐるみで
        後ろでウロウロしていたダンサーだ(笑)

        いや、あの時は、あのホットドッグがダンサーだとは思わなくて
        その後、ちょくちょくキャスト表で名前を見かけて
        ああああ、あれ、ダンサーがやってたの?と驚いたのだが

        ホットドッグからロメオへ、と、えらいキャリアアップ。
        いや、才能あるダンサーだからホットドッグ役をやっていたのか?
        よくわからないが、ともかくホットドッグがロメオになった(違!)

        で、私が間違っていなければ
        確か、このエレナとアンドレアスはリアル・カップルのはず。

        相変わらずのバレエ付き音楽劇で
        ついでに、あんまりバレエ要らない音楽劇で
        ダンサーたち、ものすごく良いバレエを見せてくれるだけに
        音楽とバレエのチグハグ感がかなり残念・・・

        ジュリエット・デビューのエレナが
        うああああああああ、何てカワイイの。
        監督好みの美少女で
        愛に満ちた喜びの表情が、むちゃくちゃキュートで
        長い手足のバランスが良くて、掴む空間が大きい。

        後半の「死体運び」の時に思ったんだけど
        エレナって、マリアやイオアンナより、身長かなり高いよね?
        でも(たぶん)リアル彼氏のアンドレアスとのバランスが
        非常に良くて(という事はアンドレアスもかなり上背がある?)
        デュエットで踊っていても
        大男・大女の感じは全然しなくて

        いやもう、若いフレッシュな愛に満ちたカップルの
        恋のエネルギーが ❤❤ ダイレクトに伝わって来て

        あんなにドキドキの恋物語がリアルに語られるって
        自分の青春時代・・・にはなかったけれど
        本当に恋した時のドキドキ感が蘇ってくるようで

        うわ〜、こういうリアル感って良いわ。
        2人とも、何てキュートなの。
        子供・・・と言うより、もう孫かな、そういう年代の
        甘やかなラブストーリーがジワジワ迫ってくる。

        例のクソ長いバルコニーのシーンは
        いや、やっぱり長いんだけど(涙)
        しかも似たような、抱きついて飛びついて
        助走して飛びついてアクロバティックなリフトという
        ・・・いや、それ以外に方法がないのはわかるが
        さすがに、長い長い長いシーンで
        ず〜っと同じパターンで
        (途中、ちょっと可愛く遊ぶシーンはあるけれど)
        最後の助走飛びつき+リフトの繰り返しは
        ダンサーにも大変だろうが(どんどんアクロバットになるし)
        観ている方も、あああ、また抱きついてるよ、こいつら
        ・・・とか思ってしまうので

        あまり長いラブシーンはちょっとね ^^;

        さすがに本日のカップルは、しっかりリアルに魅せてはくれたけれど
        それだって、他人のラブラブ・シーンを
        喜んでニコニコしながら観るのは
        せいせい10分が限度だろう(ダラダラと長く長く続くのだ、これが)

        根占クンの身体のバネの強さには参ったなぁ。
        本当に豆が弾けるように飛んで跳ねる。
        リズム感の良さ、バネの強さ、小回りの効く小気味良さで
        マキューシオにはピッタリだった。

        最後のシーンのバスは
        やっぱり平野さんの方が
        声の美しさも滑らかさも声量も
        演技も、その存在感も、ずっと良かった。

        ダウムって、フォルクス・オーパーの歌手として出ると
        舞台では、かなり声量のある歌手、という記憶があるのだが
        それで平野さんの方が声量も美声も存在感も勝ってると思うのは
        ・・・平野さんって、本当に素晴らしい歌手なんだなぁ、と
        改めて思ってしまった。
        (また出演する時に聴きたい・・・とは言え
         1月のフィガロ、3公演とも別の予定が入っている。
         ・・・う〜ん、何とか調整できないだろうか(悩))

        3種類の違うキャストで
        それぞれに、チャーミングな役作りを見せてもらった。
        作品として、音楽もバレエもコーラスもソリストも良いのに
        全部合わせるとチグハグになってしまう
        ・・・という、何とも残念なプロダクションだったけれど

        ストーリーが有名だっただけに
        観客はかなり入っていたから
        フォルクス・オーパーのバレエ公演としては
        成功だった部類に入るのだろうなぁ。

        シンデレラは行かないから
        次の公演は4月の「真夏の夜の夢」
        (これ、実は好き。誰がキャスティングされるんだろ?)

        そろそろ2017年も終わり。
        最後の最後でとんでもない仕事上のタイヘンな事が起こってしまい
        (引退したのに仕事とはそりゃ何じゃ?(^_^;))
        どうなる事やらハラハラだけど
        まだ、今年最後のコンサート行きは残っているという私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。


        国立バレエ クルミ割り人形 今シーズン1回目(通算22回目)

        0
          Wiener Staatsoper/Wiener Staatsballett 2017年12月23日 19時30分〜21時30分

          DER NUSSKNACKER
          Ballett in zwei Akten nach Marius Petipa und Lew Iwanow
          振付・演出 Rudolf Nurejew
          音楽 Peter Iljitsch Tchaikowski
          舞台・衣装 Nicholas Georgiadis
          照明 Jacques Giovanangeli
          指揮 Paul Connelly

          クララ Natascha Mair
          ドロッセルマイヤー・王子 Leonardo Basílio *
          ルイーザ Anita Manolova
          フリッツ Richard Szabó
          父親 Andrey Teterin *
          母親 Franziska Wallner-Hollinek
          祖父 Gabor Oberegger *
          祖母 Gloria Maass *
          街の少年たち Nicola Barbarossa*, Theo Bourg, Marat Davletshin, Marian Furnica,
          Andrés Garcia-Torres*, Trevor Hayden, Scott McKenzie*, Arne Vandervelde*
          お客様たち Vanessza Csonka, Oxana Kiyanenko, Alena Klochkova*, Zsófia Laczkó,
          Katharina Miffek*, Suzan Opperman, Alaia Rogers-Maman*, Iulia Tcaciuc
          Martin Dempc*, Alexis Forabosco, András Lukácis*, Igor Milos, Kamil Pavelka,
          Tristan Ridel*, Alexandru Tcacenco, Jaimy van Ovreem*
          Abigail Baker*, Marie Breuilles*, Carolina Sangalli*
          ネズミの王 Andrey Kaydanovskiy, Zsolt Török
          小さなくるみ割り人形 Scott McKenzie*
          雪の精 Alice Firenze, Nikisha Fogo*
          Abigail Baker*, Emilia Baranowicz*, Elena Bottaro, Marie Breuilles*,
          Natalya Butchko*, Venessza Csonka, Adele Fiocchi, Sveva Garguilo*
          Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Alene Klochkova, Zsófia Laczkó*
          Anita Manolova, Fiona McGee*, Katharina Miffek*, Suzan Opperman*
          Alaia Rogers-Maman, Carolina Sangalli*, Isabella Lucia Severi*
          Anna Shepelyeva, Iulia Tcaciuc, Franziska Wallner-Hollinek,
          Céline Janou Weder, Madison Young*
          スペインの踊り Anita Manolova - Richard Szabó
          Vanessza Csonka*, Gala Jovanovic*, Oxana Kiyanenko,
          Alexis Forabosco, Andrey Kaydanovskiy, Alexandru Tcacenco
          アラビアの踊りAlice Firenze - Eno Peci, Gloria Maass*, Gabor Oberegger*
          Abigail Baker*, Marie Breuilles*, Carolina Sangalli*
          ロシアの踊り Franziska Wallner-Hollinek - Andrey Teterin*
          Emilia Baranowicz, Natalya Butchko*, Alene Klochkova*, Anna Shepelyeva*
          András Lukács*, Igor Milos, Kamil Pavelka, Tristan Ridel
          中国の踊り Francesco Costa, Marcin Dempc, Géraud Wielick
          パストラーレ Elena Bottaro, Adele Fiocchi*, Dumitru Taran
          ワルツ Natalya Butchko*, Sveva Garguilo*, Zsófia Laczkó*, Fiona McGee*
          Katharina Miffek*, Suzan Opperman*, Alaia Rogers-Maman*
          Isabella Lucia Severi*, Rikako Shibamoto*, Iulia Tcaciuc, Céline Janou Weder,
          Madison Young*, Nicola Barbarossa*, Marat Davletshin, Marian Furnica,
          Andrés Garcia-Torres*, Trevor Hayden, Andrey Kaydanovskiy,
          Scott McKenzie, Igor Milos, Tristan Ridel, Zsolt Török,
          Jaimy van Ovreem, Arne Vandervelde*

          Wiener Staatsballett
          Studierende der Ballettakademie der Wiener Staatsoper
          Kinder der Opernschule der Wiener Staatsoper
          Orchester der Wiener Staatsoper

          ああああ、もうキャスト書いただけで息切れしそう(笑)
          この季節、やっと出ました、くるみ割り人形(ヌレエフ版)

          2012年〜13年に8回、2013年〜14年に6回
          2014年〜15年に7回、通算21回観ているので

          クルミ割り人形の追い掛け

          ・・・と言っていただいてかまいません(自慢にならん)

          ちなみに今シーズンも根性入れて
          全公演のチケットを確保してある。

          実は今日のチケットだけはちょっとミスして
          発売初日の一番で取るのを失念して寝坊。

          あっ、と思って9時過ぎに見たら
          もうチケットは残っていない(ものすご〜く高いチケットは別)
          という状態で
          慌てて、会社で一緒に仕事していたチケット・オフィスに電話し
          何とか1枚確保したのだが

          40ユーロ近くする(オリジナル価格)のに
          舞台の3分の1は見えません(涙)

          ちょっとした寝坊が招いた自業自得なので
          チケットが取れただけ、よしとしよう(涙)

          今シーズン最初のクルミに登場するのは
          キュートなナターシャと

          うわあああ、レオナルドが王子さまのデビューだ!!!

          以前からテクニックのしっかりした王子さまタイプだと思っていた。
          ただ、何というか、ものすごくマジメなタイプに見えて
          鉄壁のテクニックで
          ベテランのリュドミラとかと踊っていたが
          オーラとかキャラクターとか言う意味では
          まだそれほどの存在感がなかった。

          今回の王子さま役への抜擢は私も嬉しい (^o^)


          (写真は国立オペラ座公式サイトから拝借。クリックで大きくなります)

          甘いマスクのイケメンだし
          手足が長くて
          ものすごくバランスの取れた体型で
          脚の美しさが素晴らしい。
          アラベスクとかすると、もう、本当にため息が出るほどに美しい。

          ナターシャとのカップリングが
          まさにおとぎ話に登場するような
          うわあああ、それは少女コミックですか!と言いたくなる程。
          全体に調和が取れて、ため息の出る素晴らしさ。

          レオナルドのソロも
          長い脚が伸びて、舞台全体を使って
          マジメなんだけど、その分、とてもノーブルで
          気品がバンバン客席に飛んでくるような気持ちの良さ。

          ああ、舞台で輝くタイプって居るよね。
          力が入ったり、むちゃ張り切ったりではなくて
          自然にオーラが出てくるタイプ。
          コツコツと積み重ねた技術を充分に活かして
          それを至極冷静に舞台の上で、淡々と披露するのが
          キラキラと輝いていて
          派手ではないのに目が吸いつけられる。

          ナターシャのキュートさは、クララにぴったりだし
          金平糖の華やかさも
          徹底的な技術の完璧さで、安定していて
          しかも・・・やっぱり超キュート ♡

          レオナルドとナターシャの
          例のパ・ド・ドゥの片脚バランス。
          レオナルドが・・・凄かったです。
          あんなに脚を上げてパートナーを支えたダンサーって居たっけ?
          何と言うバランスの良さ。
          しかも、それを淡々とやったところに凄さがある。

          子供たちは、たぶん、総入れ替えしてる。
          (最後の公演は2014年〜15年シーズンだったから
           当時、出演していた子供たちは、もうかなり育って来ているだろう)
          まだギクシャクした部分はあるけれど
          この中から将来のダンサーが育って行くと思うと、楽しい。
          (オバサン、その頃は生きていないかもしれないが(笑))

          雪の精のアリーチェとニキーシャが素晴らしかった。
          アリーチェはいつもの品の良さ。
          ニキーシャは、本当に空中を飛ぶ雪のひとひらのような軽さ。

          パストラーレのエレーナ、アデーレ、ドミトルも目を惹いた。
          エレーナとアデーレ、本当に美女だよねぇ。
          男性のソロ、かなりハードなんだけど
          ドミトルの細かいパはすべてバッチリ決まっていて見事だった。

          花のワルツでは
          私の初恋の君・・・に似ているダンサーから目が離せず(笑)

          そして、コールドの中に、梨花子ちゃん見っけ!!!
          わ〜い、復活おめでとう!!!

          ナターシャとレオナルドでの公演は
          12月28日と1月6日のマチネ。
          その後、1月6日のソワレと9日の公演は
          橋本清香嬢とローベルトのカップリング。

          ・・・全部観る予定で
          寝坊もせずに、根性入れてチケット取った私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          ここ数年、12月25日・26日はバレエを上演していたのだが
          今年はダンサーはお休み。
          というワケで、24日〜26日はナイト・ライフはないので
          悪しからず。

          フォルクス・オーパー ロメオとジュリエット(バレエ) 3回目

          0
            Volksoper / Wiener Staatsballett 2017年12月22日 19時30分〜21時35分

            Roméo et Juliette
            Ballett in zwei Teilen
            振付 Davide Bombana
            音楽 Hector Berlioz
            舞台・衣装・照明 rosalie
            指揮 Gerrit Prießnitz
            コーラス指導 Thomas Böttcher

            ジュリア Ioanna Avraam
            ロメオ Francesco Costa
            マブ女王 Gala Jovanovic
            ロレンツォ神父 Mihail Sosnovschi
            マキューシオ Keisuke Nejime
            ティボルト Lázló Benedek
            ベンヴォーリオ Felipe Vieira
            マブ女王のダブル Tainá Ferreira Luiz, Suzanne Kertész
            Dominika Kovacis-Galavics, Mila Schmidt
            アンサンブル Laura Cislaghi, Marie-Sarah Drugowitch
            Kristina Ermolenok, Tainá Ferreira Luiz, Viktoria Feyferlik,
            Irene Garcia-Torres, Susanne Kertész, Dominika Kovacs-Galavics,
            Tessa Magda, Natalie Salazar, Mila Schmid
            Roman Chistyakov, Samuel Colombet, Patrik Hullmann,
            Alexander Kaden, Matteo Magalotti, Dragos Musat,
            Lorenzo Salvi, Gleb Shilov, Martin Winter
            ソロ歌手 アルト Martina Mikelić
            ソロ歌手 テノール Alexander Pinderak
            ソロ歌手 バス Andreas Daum

            Wiener Staatsballett
            Orchester der Volksoper Wien
            Chor und Zusatzchor der Volksoper Wien

            3回目・4回目は鑑賞しなかったので
            今回、5回目の公演で、私は3回目の鑑賞。
            キャスト代わって、イオアンナとフランチェスコのカップル。
            マブの女王はガラ、ロレンツォ神父はミハイル。

            ちょっと風邪っぽくて
            喉が痛くて眠れなかったりしたのもあるけれど
            やっぱり、この演目、何とも微妙。

            イオアンナはまたマリアとは違った意味で
            すごくキュートで可愛くていじらしくて

            フランチェスコは抜群の運動能力で
            長い手足でワイルドにブンブン踊るところが魅力的。
            木本クンのノーブルさはないけれど
            その分、あのウエスト・サイド・ストーリー的な
            ストリート・ギャングのイメージにはよく合う。

            マーキューシオの根占啓祐クンが抜群。

            今回の主要キャストのダンサーたちは
            すごく元気で良くて、舞台一杯に飛び回るので
            全体が若々しい生気に満ちた舞台になっている。

            原作のロメオとジュリエットって
            確か、むちゃくちゃ若かったですよね?(笑)
            (まぁ、当時の寿命が短くて
             みんな早くから結婚していたり、というのはあるだろう)

            ジュリエットとアルトの歌手が登場して
            ジュリエットが舞台袖でアルト歌手に寄り添って
            舞台では、ロメオとジュリエットを象徴した
            レオタード的衣装のダンサーたちが踊るシーンで

            上から釣り下がって出てくるのは
            着色してあるのは、かろうじて「鳥」だというのはわかる。

            が、その「鳥」の間に、真ん中に一つ、下手(しもて)に一つ
            着色していない金属板のようなもので作られた
            大きめの、芋虫のようなミノムシのような
            あるいはセミみたいな形の動物は
            ・・・あれは、もしかしてフクロウのつもり?

            だって、下のダンスの間に
            釣り下がった状態で、この2体のワケのわからんオブジェクト
            上についているのが、顔みたい・・・なんだけど
            これが微妙に動くんです。

            いや、バレエと全然関係ないのだが
            あの物体が気になって気になって。

            アルトを歌った歌手が、またこれ美声 ♡
            長い語りだが、うっとりする。

            最後にアルトの歌手は
            ジュリエットをお姫さま抱っこして退場という振付。
            うううう、お姫さま抱っこ・・・
            バレエ・ダンサーは軽いし
            自分でバランス取って抱きやすいようにポージングしてくれるとは思うが
            芸達者な歌手の揃うフォルクス・オーパーならではのシーンだろう。
            (オペラ座だったら、歌手は絶対にこれはやらないだろう)

            コーラスも、結構複雑な振付があって
            集団で動く分、ちゃんと揃っていないと変だし
            この演目、意外に音楽家が大変だったりして。

            ガラの踊ったマブの女王。
            レベッカほどの存在感はないけれど
            ガラも演技達者なので、かなり良い感じ。
            だけど・・・ガラが踊ると、何かクラシックっぽくなる(笑)

            テノールはダンサーの肩に手を掛けて出て来て
            やっぱりちょっと踊ってたし。

            最後のロレンツォ神父が踊る
            このシーン、不要、と私が思っているところだが

            バスのアンドレアス・ダウムって
            あんなに若い人だったんですかっ!!!

            だって、このバス歌手
            オペレッタとかでは、すごいメイクで
            年寄りのクセのある役しか見た事なくて
            何だか、歌手そのものも年寄りと思っていたら
            若いし丸顔だし・・・
            いや、フォルクス・オーパーのウエブ・サイトの写真では
            年配の写真が載っているのだが
            メイクのせいか、顔がツルンとしてシワやタルミがなくて
            どう見ても年配には見えない。

            いやあああ、驚いた。
            ワタクシ的には、平野さんの美声のバリトンと
            圧倒的な存在感の方が好きだが
            ちょっとダウムのイメージが変わったわ。

            何回観ても、ワケわからないところが多く
            やっぱり音楽だけ圧倒的で
            バレエ付き音楽劇・・・みたいなっちゃってるけれど

            実は最終公演が12月27日にあって
            これが若手公演なので、ちょっと今から楽しみな私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            Lautten Compagney Berlin + エルヴィン・オルトナー

            0
              Musikverein Großer Saal 2017年12月21日 19時〜22時10分

              Lautten Compagney Berlin
              Arnold Schoenberg Chor
              指揮 Erwin Ortner
              ソプラノ Cornelia Horak
              アルト Sara Mingardo
              テノール Steve Davislim
              バス Florian Boesch

              Georg Friedrich Händel (1685-1759)
              MESSIAH
              Oratorium in drei Teilen für Soli, Chor, Orchester, Cembalo und Orge, HWV 56

              オーケストラはベルリンの古楽器アンサンブルだが
              日本語の翻訳が見つからず、タイトルはそのままアルファベットで記載。
              どうぞお許しあれ。

              私が行く楽友協会、今年最後のコンサート。
              12月30日とか31日とかに
              ウィーン・フィルのプレ・ニューイヤー・コンサートとか
              シルベスター・コンサートとかがあるが
              ビジネスでチケットを取り扱った事はあっても
              自慢じゃないけど、自分で行ったことはございません。
              (註 そんな金はない ^^;)

              チクルスに入っていたコンサートだからなのだが
              クリスマスのぎりぎりに演奏されたのは
              これもありがたいオラトリオのメサイア。

              朝、楽友協会からメールが入っていて
              今日のコンサート開始時間は19時ですよ、
              いつもの19時30分じゃなくて
              という注意があったので助かった。

              確かに、いつも通りだと思って
              カレンダーに19時30分と書いていた。
              メールがなかったら、遅刻したかもしれない。

              いや、メールが来たのか、来なかったのか
              (購入者にはメールが入った筈だが
               チケット・オフィス等での購入ならまた話は別だし)
              遅刻して来た人もかなり居て
              途中に(演奏中ではない)入って来ていた。

              さて、ありがたいオラトリオのヘンデルのメサイアは
              ハレルヤは超有名なので、誰でも知っているとして

              何か、この曲、うっすらと記臆にあるんだけど???

              ・・・しかもアルトのアリアの記臆が
              カウンター・テノールのビジュン・メータで・・・

              あっ!!!
              数年前に何回か観たウィーン劇場での
              オペラ版のメサイアって
              ヘンデルのメサイアだったわ。

              そのオペラ版のメサイアは
              家族にも会社にも虐められたサラリーマンの話になっていて
              実に身に染みるサラリーマン残酷物語だった。
              あ〜、サラリーマン退職して、ものすごく嬉しい。
              音楽とは全く関係ないが・・・

              当時もコーラスはアルノルト・シェーンベルク合唱団が
              しかもかなりの振付と一緒に歌っていた筈で
              確かにこれなら合唱団も
              あまりリハーサルの時間を取らずに歌えるだろう。
              (まぁ、それ(だけ)が理由とは思わないが)

              さて、今回は歌手のキャンセルも指揮者のキャンセルもなし。
              私の記憶だと、ウィーン劇場の時も
              バスはフローリアン・ベッシュが歌っていた筈。

              スティーブ・ダヴィスリムのテノール、すごく素敵。
              エファンゲリストに有り勝ちなハイテノールではなく
              テノールなんだけど、低めの声で
              英語のディクションも良いし(オーストラリア人だったよね、この人)
              聴いていて、すごく自然で気持ちが良い。

              次に入って来たベッシュのバスが
              ものすごくドラマチック(笑)
              こんな濁流のような激しさでオラトリオ歌うのってあり?

              こんなにドラマチックに通されたらたまらないなぁ、と思っていたら
              次のアリアでは、声が優しくなって激情も収まって
              ううう、このバス歌手の持っている引き出し、ものすごく多い。

              アルトの歌手の美声には唸った。
              書いた通り、私が以前聴いていたのはカウンター・テノールなので
              耳慣れした音とちょっと違いはあるのだが
              深い声で厚みがあって
              無理がないのに、ちゃんと通る。

              女性の低い声の美声って良いなぁ・・・

              しかしオラトリオは・・・長い。
              最初が1時間ちょっと、休憩挟んで第2部の終わりが
              例の誰もが知っているハレルヤなので

              客席からは盛大な拍手が・・・

              いや気持ちはよ〜くわかる、うん。

              (ウィーン劇場のオペラ版の時は
               このハレルヤって
               可哀想なサラリーマンのお葬式場面だったので
               おめでたい気分というよりは
               ワタクシ的には、虐待サラリーマンの葬儀(以下自粛)
               オペラというのは、視覚的な刺激が強いのでいつまでも記憶に残る)

              拍手が鳴り止まないので
              指揮者もソリストを立たせたりしていたが
              あまりに鳴り止まないので
              後ろを向いて、シッという動作までしなければならなかったのは
              ちょっとお気の毒(笑)

              第3部は比較的短いし
              最後は派手なコーラスでアーメンの輪唱で終わるので
              めでたく救い主出現、神さまありがとう、というめでたい終結。

              ソプラノもアルトも
              テノールもバスも抜群に良かったし
              (各曲の内容で、ちゃんと声の音色も変えているのがすごい)
              コーラスもさすがプロのコーラス。

              オーケストラは古楽器の小規模なアンサンブルだが
              これも解像度が良くてチャーミング。
              チェンバロとオルガンは同じ人が兼任。
              何故かリュートまで2台あるんだけど
              これがまた音に色を運んで来て、とても魅力的。
              トランペット(もちろん古楽器だ)の輝かしい音も素敵。

              まぁ、オラトリオで、あまりストーリーはないし
              途中で受難場面が入るので
              あの延々と悲しい曲想の続く「彼は侮られて」あたりは
              虐待されるサラリーマンの悲愴を(以下省略)

              という訳で
              今年は、宗教曲苦手なのに
              クリスマス前に、ありがたいオラトリオを
              2回も聴く羽目になった・・・じゃなくて
              チャンスがあって、それはそれで季節モノだから
              私の苦手なミサ曲よりは、ずっと楽しく鑑賞できた。

              恒例の、2019年のウィーン・フィル
              ニューイヤー・コンサートの勝手に指揮者は誰でしょうクイズは
              今年は何だか面倒になっているうちに
              日も迫って来たので止めておく。

              個人的には
              ベルリン・フィルを退任するラトルか
              そろそろじゃないのティーレマンか
              意外に伏兵としてセミヨン・ビシュコフとか
              無難にまとめるならメータかバレンボイム

              この時期になると
              指揮者を勝手に選ぶのが楽しい私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              いにしえの祭り + ヨゼフの伝説 通算12回目

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                Wiener Staatsoper/Wiener Staatsballett
                2017年12月20日 19時〜21時45分

                VERKLUNGENE FESTE
                Ballett von John Neumeier
                振付・演出・舞台・照明 John Neumeier
                音楽 Richard Strauss : Divertimento op. 86
                衣装 Albert Kriemler - Akris
                指揮 Gerrit Priessnitz

                Nina Poláková - Vladimir Shishov
                Liudmila Konovalova - Andrey Teterin
                Kiyoka Hashimoto - Alexandru Tcacenco
                Franziska Wallner-Hollinek - Mihail Sosnovschi
                Nikisha Fogo - Dumitru Taran
                Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Sveva Gargiulo,
                Oxana Kiyanenko, Anita Manolova, Trevor Hayden,
                Scott McKenzie, Tristan Ridel, Richard Szabo,
                Arne Vandervelde

                JOSEPHS LEGENDE
                Ballett von John Neumeier nach Harry Graf Kessler
                und Hugo von Hofmannsthal
                Neufassung (Hamburg, 2008)
                振付・演出・舞台・照明 John Neumeier
                音楽 Richard Strauss
                衣装 Albert Kriemler - Akris
                指揮 Gerrit Priessnitz

                ヨゼフ Denys Cherevychko
                天使 Jakob Feyferlik
                ポティファーの妻 Rebecca Horner
                ポティファー Eno Peci

                Wiener Staatsballett
                Orchester der Wiener Staatsoper

                この演目、今シーズンはこれで最後。
                この間の日曜日の2回公演と、今日のソワレだけ。
                この新プロダクションになってから14回目の公演。

                数えて見たら、私は12回目の鑑賞だ。
                ちっ、皆勤賞かと思ったら違った。

                いにしえの祭りだが
                まぁ、そんなにむちゃくちゃ面白いと言うものでもないので
                適当に観ていたが(ダンサーの皆さま、ごめんなさい)

                やっぱり復帰後の橋本清香ちゃんの素晴らしさに目が行く。
                もともとテクニックと安定性は抜群の優等生タイプだったが
                以前は、まだ仮面を付けてるような
                無理やり、言われたから笑ってます、みたいな
                綺麗なんだけど
                精巧に作られた完璧なお人形さんを観ているような印象があったが

                復帰後の清香ちゃん
                突然、血の通った人間になった(と言ったら失礼だが)
                気張った硬さが取れて
                人工物だったようなクールさがなくなって

                その分、無理に自己アピールしていないのに
                輝くようなオーラが出て来た印象がある。

                プリンシパルの余裕・・・と言うのか
                プリンシパルに相応しい威厳と魅力が出て来ている。

                1月6日のソワレと、9日の公演で
                清香ちゃんのクララ(くるみ割り人形)が観られるのが
                俄然、楽しみになって来た。

                ミハイルとフランツィスカのカップルが
                かなり味があった。
                短調で踊られるツンデレのストーリーは
                かなり複雑な心理(しかも次から次に変わる)を描写していて
                ツンデレ女性と
                そこから、どうしても逃げられない男性のストーリーで
                以前はイリーナが踊っていた記憶があるのだが

                フランツィスカはベテラン・ダンサーである。
                美少女の多いバレエ団だが
                この役は「少女」が踊るより
                こういう成熟したダンサーが踊った方が味が出る。

                ニキーシャとドミトルのストーリー・テリングが抜群。
                ニキーシャがキュートなんだけど
                それだけではなくて
                恋人を探して
                その恋人はちゃんと戻ってくるのに
                (で、パ・ド・ドゥがある)
                ニキーシャには、その恋人は見えない。

                ・・・これって、もしかしたら
                この恋人、幽霊なのかしら。いや、そうなんだろうなぁ。

                祭り、という題名がついているくらいだから
                「祭り」ではあるのだけれど
                そこかしこに漂う微妙な「死」の退廃的な香り。
                何回も観る事によって
                見えてくるものがある。
                (何回も見なければわからない私の感受性のなさもどうかと思うが)

                さて、後半のヨゼフの伝説。
                こういう演目は、観る側の気分によって
                どの人物に感情移入するか、というのもあるが

                いや〜、今日の公演、ものすごく良い出来だった。
                全体的なバランスが取れていて
                デニスもヤコブもレベッカもエノも素晴らしい。
                その他大勢のダンサーたちも
                目立たず、でも、しっかりとシーンに溶け込んで
                退廃的、背徳的な、ちょっとイケない世界を描き出す。

                デニスのヨゼフ、絶品だ。
                あの役は、宮廷に連れて来られた後は
                ずっと出ずっぱり。
                最初のソロも、不安から媚を売る部分まで
                異様に長いし
                その後も、ずっと舞台の上で見事に踊りっぱなし。

                体力とスタミナの配分を上手くやらないと
                いや、やったとしても、とんでもなくハードな役どころ。

                ヤコブの天使が美しかった。
                この間より、存在感が増して美しい。

                ヌレエフ・ファンからは殴られるかもしれないけれど
                ヤコブって、ちょっと若い頃のヌレエフの顔と似てる
                ・・・とついつい思ってしまったのは身贔屓かも。

                長い手足での動きやジャンプが映えるし
                デニスとのパ・ド・ドゥが
                ちょっと何かものすごく妖しげというか
                天使だから色気があったら困るんだけど(笑)
                それでも、そこはかとなく匂う背徳的な香りを感じるのは
                私が腐女子だから(あっ、ごめんなさい)

                レベッカは、いつもの通りの圧倒的な存在感。
                本気入ってるよね、と思わせる説得力と
                ワイルドな生命力で、観客を圧倒する。

                しかしこの演目に何故か子供を連れて来ている人がいて
                う〜ん、この演目、正直言えば、18禁だろう、普通は。

                舞台でのポティファーの妻とヨゼフの
                ものすごくリアルな絡みを見て
                お母さん、あれは何をしているの?と聞かれて
                あれは女性が男性にセクハラしているところ
                ・・・と、きっちり答えられるんだろうか(余計なお世話)

                まぁ、でも
                ああいう事をされたら逃げるのよ、と
                年端もいかない男の子に説明する役には立つと思うが
                この演目観て、アブナイ趣味に目覚めちゃったらどうする?
                (だから余計なお世話だってば)

                こういうアブナイ趣味が大好きなので
                (あっ、男性にセクハラはしません、たぶん)
                何回観ても、この演目、好きだし
                これだけのものを踊れるダンサーが居る
                ウィーン国立バレエ団も大好きな私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ウィーン交響楽団 + ステファン・ゴットフリート

                0
                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2017年12月19日 19時30分〜21時30分

                  Wiener Symphoniker
                  Wiener Singakademie
                  ソプラノ Julia Kleiter
                  アルト Wiebke Lehmkuhl
                  テノール Maximilian Schmitt
                  バリトン Manuel Walser
                  指揮 Stefan Gottfried

                  Johann Sebastian Bach (1685-1750)
                   Weihnachtsoratorium BWV 248, Teile I-III und VI (1734)

                  ヨハン・セバスティアン・バッハのクリスマス・オラトリオなんて
                  これこそ、受難曲と同じく、完全なる「季節モノ」

                  ところが、季節が季節なので
                  当初キャスティングされていた
                  ヴェルナー・ギューラとアンドレ・シューエンがキャンセル。
                  ううう、ギューラが歌うバッハのエファンゲリストを聴けないのか(涙)

                  そこまではわかっていたが
                  会場に行ったら、ドアのところに張り紙があって
                  プログラムの中に別刷りが入っていた。

                  あぁ、もう知っている歌手の変更ね、と思って
                  気にも止めていなかったのだが

                  コンサート前にコンツェルトハウスの支配人が登場。

                  え〜、この季節のバッハの歴史的大傑作ですが
                  ご存知の通り、歌手2名が健康上の理由でキャンセルし
                  昨日、指揮者のフィリップ・ジョルダンが
                  健康上の理由でキャンセルしました

                  え?

                  別刷りに入っていたのって指揮者だったわけ?

                  ジョルダンのキャンセルの代役を受けたのは
                  アーノンクール亡き後、コンツェントゥス・ムジクスを率いる
                  ステファン・ゴットフリート。
                  リハーサルの時間とかなかっただろうから
                  ジョルダンの解釈そのままかもしれないが

                  それでも、ウィーン交響楽団から
                  コンツェントゥス・ムジクスのそこはかとない香りがする。
                  (ただの思い込み(笑))

                  私、耳悪いし、感受性ないし音感もないけれど
                  オーケストラのピッチが、心持ち低かったような気がするのだが。
                  (最初の音合わせ、もしかしてラじゃなくてソでやってたかも・・・)

                  昨日、大音響のマーラー8番をサンクト・ペルテンで聴いてしまったので
                  今日のコンツェルトハウスの大ホールでの
                  それほど大きくないオーケストラとコーラスでのオラトリオが
                  なんだか音響として、かなり遠く聴こえる。
                  (貧民席なので・・・)

                  ただ、その分、ちょっと古楽的な雰囲気と
                  ノンビブラートの硬めの、でも樹のような手触りのある
                  自然な温かみのあるオーケストラの音がチャーミング。

                  音量が少ない分
                  我々が考えるイメージでのバロックらしい音がして
                  (多分、それは本当のバロックとは違うかもしれないが)
                  押し付けがましくなく、あくまでもクリアに響いてくるのに好感。

                  エファンゲリストのテノールは
                  徹底的に甘い声で
                  ちょっとファルセット的。

                  あまりにスィート過ぎて
                  お姉ちゃまっぽい声になってはいるけれど
                  エファンゲリストを歌うテノールって
                  だいたいにおいて高め美声だから
                  その意味では、非常に良く合っている。

                  女性だか男性だかちょっとわからないほどの
                  スィートな声を聴いていると
                  ほんの少しだけ倒錯的な美が見えてドキドキする。
                  (それはワタクシが立派なヘ○タイ(以下自粛))

                  やはり代役のバスは
                  バスというよりは、声の質はバリトン。
                  低音で倍音一杯、という声ではないけれど
                  美しいドイツ語のディクションで楽しませてもらった。

                  アルトがまぁ、美しい事・・・
                  女声の低めの厚みのある声って良いなぁ。
                  ソプラノも叫び声にならず
                  宗教曲的な節度があって、チャーミング。

                  クリスマス・オラトリオだから
                  ともかくめでたい。
                  異教徒には全然わからないけれど
                  でも、ひたすらおめでたい曲で
                  ストーリーって言ったって
                  マリアが出産しました
                  寝かせるところがなくて、馬小屋の槽に寝かせました
                  ・・・くらいの内容しかなくて

                  受難曲に比べたら、ドラマチックな部分には欠けるが
                  それでも、最初から最後までおめでたいので
                  曲想は長調だし(短調キライな単純人間)
                  天使とかも出てくるし(たぶん)
                  宗教の抹香臭さ(と言うのかキリスト教?)があまりなくて
                  聴いていると、なんだか嬉しくなる。

                  途中で何人か帰ったのは
                  指揮者ジョルダンの追い掛けかしら?

                  クリスマス・オラトリオは
                  本来はこの後、新年のおめでたい曲が続くのだが
                  全部の演奏で2時間半を越える。
                  最初、この演目を見た時にはドッキリしたが
                  クリスマス部分だけ、という事で
                  I から III までで、休憩挟んで2時間弱。

                  こういう、途中で終了しても良い曲って楽。
                  受難曲を途中で終わらせる訳にはいかないから
                  マタイの受難曲などは
                  かなりの覚悟で行く必要があるのだけれど

                  今回のクリスマス・オラトリオは
                  最初から最後まで
                  ともかくおめでたい気分。

                  歌手のキャンセルに指揮者のキャンセルって
                  コンツェルトハウスとウィーン交響楽団にとっては
                  呪われたオラトリオだったかもしれないけれど
                  季節モノのおめでたくありがたい曲を聴けて満足。

                  12月下旬にはベートーベンの第9交響曲のコンサートがあるので
                  それまでにフィリップ・ジョルダンが復活するよう
                  心から祈っている私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                  トーンキュンストラー + オロスコ=エストラーダ

                  0
                    Festspielhaus St. Pölten 2017年12月18日 19時30分〜21時15分

                    Tonkünster-Orchester Niederösterreich
                    指揮 Andrés Orozco-Estrada
                    ソプラノ Catherine Foster, Heidi Melton, Sunhae Im
                    メゾソプラノ Janina Baechle, Kelly O’Conner
                    テノール Robert Dean Smith
                    バリトン Jochen Schmeckenbecher
                    バス Günter Groissböck
                    コーラス Wiener Singverein (Leitung Johannes Prinz)
                    Slowakischer Philharmonischer Chor (Leitung Jozef Chabroñ)
                    児童コーラス Gumpoldskirchner Spatzen (Leitung Elisabeth Ziegler)

                    Gustav Mahler (1860-1911)
                     Symphonie Nr. 8 in zwei Sätzen
                      für großes Orchester, acht Solisten,
                      zwei gemischte Chöre und Knabenchor (1906/07)

                    ウィーンの楽友協会では
                    日曜日の午後と、火曜日・水曜日の夜に
                    同じプログラムでのコンサートがあった(ある)けれど

                    日曜日はバレエに行っちゃったし
                    火曜日・水曜日は別のプログラムだし

                    マーラーの交響曲8番。
                    大規模オーケストラにコーラスだのソリストだの山ほど必要で
                    あまりに費用がかかり過ぎるため(それだけではないと思うが)
                    ほとんど演奏されない曲で
                    私の記憶でも、コンツェルトハウスでウィーン交響楽団とルイージ
                    楽友協会で、バレンボイムとブーレーズが
                    ベルリン・シュターツカペレを率いて
                    マーラー交響曲全曲を演奏した時だけだと思う。

                    両方とも、ものすご〜く大昔の話である。

                    ただ、マーラーの交響曲の中で
                    この8番と大地の歌が、私はかなり苦手で
                    今回は遠慮しておこう・・・と思ってはいたのだが

                    サンクト・ペルテン祝祭劇場でのコンサートがあって
                    ほとんど完売なんだけど、まだ1席だけ
                    比較的安い席がある!と、ついつい・・・f^_^;)

                    夕方の交通渋滞に巻き込まれ
                    ウィーン市内を出るのに、えらく時間を取られて
                    盛大にスピード違反しながら
                    何とかギリギリにサンクト・ペルテンに到着して席に着いたら

                    隣の人と顔を見合わせて

                    あ???

                    居たよ、ここにも、大学の同僚(お達者クラブ)(^o^)

                    まぁ、それはともかくとして

                    舞台にぎっしり並んだ大規模オーケストラの後ろに
                    何段あるのか、数えたくもないほどギッシリと
                    コーラス用のベンチシートが並ぶ。

                    隣の同僚曰く
                    普通のトーンキュンストラーのコンサートはガラガラなのに
                    今日は何でこんなに満杯なんだろう・・・
                    と舞台を見て
                    児童合唱団が乗っているのを見て
                    あ、わかった、あの子供たちの両親・兄弟・親戚一同が・・・
                    と、ボソッと呟いていた(笑)

                    お久し振りのオロスコ=エストラーダ。
                    相変わらず若々しいが
                    4日後には40歳の誕生日を迎えるそうだ。
                    (コンサートの後にアナウンスがあった)
                    誰かのようにキャリアになったら絶対に戻って来ない指揮者も居るが
                    オロスコ=エストラーダは時々、こうやって
                    古巣のオーケストラの指揮台に立ってくれるのは嬉しい ♡

                    第一部の Hymnus : Veni, creator spiritus だが

                    うわぁぁぁ
                    音が大きい・・・のは仕方ないにしても
                    音の響きが固い。

                    いつも楽友協会の残響バリバリのホールで聴いているからかもしれないが
                    このサンクト・ペルテン祝祭劇場だって
                    音響効果は悪くないし
                    残響が多少デッドなだけに
                    コンツェルトハウスと同じように
                    大規模オーケストラの曲には向いているはずなんだけど・・・

                    オーケストラとソリストがバラバラで聴こえてくるし
                    コーラスとのバランスがイマイチで
                    確かにあれだけコーラスの最後の列が離れた所にあると
                    このタイミング合わせって、ものすごく大変かもしれない。

                    ソリストは、結構なビッグネームを揃えたじゃないの。
                    確かに声は響いてくる
                    けれど、コーラスとソリストに比べて
                    オーケストラの音の厚みがない。
                    いや、これでオーケストラも音の厚みを出したら
                    それでなくとも会場一杯に
                    ものすごいデシベルで鳴っている
                    鼓膜が破れそうな音量が、もっと大きくなって
                    ・・・・それはそれで問題だろう。

                    この曲を演奏するのに
                    理想的なホールってないんだろうか?
                    いやしかし、これ、楽友協会のいつもの席で聴いていたら
                    耳が潰れるんじゃないだろうか・・・
                    いや〜、良かった、サンクト・ペルテンのコンサート・ホールで。

                    第一部ではコーラスもむちゃくちゃ張り切って歌ってるし
                    ソリストは声を張り上げるし
                    それはそれで非常に美しいのだが
                    聴いていて、ちょっと疲れるし

                    大音響なので
                    隣の人は、すごい音を立ててプログラムを捲るし
                    途中でバッグから水出して飲んでるし
                    左後ろからは、普通の声でのお喋りが聞こえてくるし
                    (大音響でも、何故かお喋りの声ははっきり聞こえる)
                    飴を出すシャカシャカ音も入ってくるし。

                    ・・・う〜ん (ーー;)

                    ところが、第二部のファウスト博士のシーンになったら
                    音響が落ち着いて来て
                    (ただの耳慣れの可能性はある)
                    全体のまとまりも出て来て
                    ストーリーを紡ぐ流れも、きちんと表情を持って出て来た。

                    ソリストが素晴らしい。
                    テノールが真っ赤な顔で必死に歌っているけれど
                    声は美声で、はっきりと聴こえて来る。
                    グレートヒェンは、バルコニーの脇に立ち
                    最後にホール全体に美声のソプラノを響かせて
                    確かに「救い」の印象を残した。

                    しかしこの曲、こうやって久し振りに聴いてみると
                    大地の歌に出てくるモチーフ、そのまま使ってるじゃないか。
                    途中で、8番を聴いているのか
                    大地の歌を聴いているのか、ちょっと混乱気味になった。

                    最後のあたりのコーラスが素晴らしかった。
                    だいたい私は大音響でガンガンやられるより
                    時々マーラーがやる、弱音での囁くようなコーラスが好き。

                    音響云々はさて置いて
                    やっぱりこの曲、マーラーの存在感がすごい。

                    まぁ、妄想だけど
                    アルマに対してのすがりつくような愛情とか
                    溢れるばかりの不思議な情熱が
                    聴くものを捉えて離さない。

                    曲そのものの持つエネルギーの容量が凄まじくて
                    隣のおばちゃまが、ものすごく退屈して
                    途中からバッグをゴソゴソしたり身体を動かしたりしても
                    あまり気にならず
                    最後の最後は、ちょっと涙ぐんでしまう位に
                    心の底にずっしりと響いて来た。

                    苦手な曲だし
                    第一部はバランスが悪くて、チッとか思っていたのに
                    結局、最後で

                    あああ、車飛ばして聴きに来て良かった 😂

                    隣の同僚も、後半の方が良かった、と言っていた。
                    良いクリスマスをね、また大学で (^^)v

                    しかしあの人数
                    楽友協会の舞台によく乗ったな
                    (日曜日にコンサートがあった)
                    明日・明後日の楽友協会のコンサートも
                    あの大人数が舞台に乗るのか、と
                    行かないんだから余計なお世話な事を
                    ついつい考えてしまう私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                    いにしえの祭り・ヨゼフの伝説 今シーズン1回目+2回目

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                      Wiener Staatsoper/Wiener Staatsballett
                      2017年12月17日 14時〜16時15分
                      2017年12月17日 19時〜21時45分

                      VERKLUNGENE FESTE
                      Ballett von John Neumeier
                      振付・演出・舞台・照明 John Neumeier
                      音楽 Richard Strauss : Divertimento op. 86
                      衣装 Albert Kriemler - Akris
                      指揮 Gerrit Priessnitz

                      Nina Polakova - Vladimir Shishov
                      Liudmila Konovalova - Andrey Teterin
                      Kiyoka Hashimoto - Alexandru Tcacenco
                      Franziska Wallner-Hollinek - Mihail Sosnovschi
                      Nikisha Fogo - Dumitru Taran
                      Elena Bottaro, Adele Fiocchi, Sveva Gargiulo,
                      Oxana Kiyanenko, Anita Manolova, Trevor Hayden,
                      Scott McKenzie, Tristan Ridel, Richard Szabo,
                      Arne Vandervelde

                      JOSEPHS LEGENDE
                      Ballett von John Neumeier nach Harry Graf Kessler
                      und Hugo von Hofmannsthal
                      Neufassung (Hamburg, 2008)
                      振付・演出・舞台・照明 John Neumeier
                      音楽 Richard Strauss
                      衣装 Albert Kriemler - Akris
                      指揮 Gerrit Priessnitz

                      ヨゼフ Geraud Wielick
                      天使 Roman Lazik
                      ポティファーの妻 Patricia Fritza
                      ポティファー Eno Peci

                      ヨゼフ Denys Cherevychko
                      天使 Jakob Feyferlik
                      ポティファーの妻 Rebecca Horner
                      ポティファー Eno Peci

                      Wiener Staatsballett
                      Orchester der Wiener Staatsoper

                      ヨゼフの伝説はその他にも多くのダンサーが出演するのだが
                      全部書いたら、とんでもない事になりそうなので割愛する。
                      キャストが2つあるのは
                      上が午後公演、下が夜の公演。
                      (いにしえの祭りは午後と夜は同じキャストだった)

                      久し振りのこの演目、
                      いにしえの祭りで何が嬉しかったかと言えば

                      橋本清香嬢のカムバック!!!\(^o^)/

                      しかも、舞台で久し振りに見た清香ちゃんが
                      大変身していた。

                      クールビューティで
                      昔は笑顔も、如何にもバレエ・ダンサーがやりそうな
                      仮面みたいな
                      ともかく笑顔を見せないと、みたいな張り付いたような笑顔だったのに

                      産休から戻った清香ちゃんの
                      輝くような、自然でチャーミングな笑顔。
                      余裕たっぷりで、ちょっとこまっしゃくれたり
                      パートナーを優しく愛情持って見つめたり
                      えええええ、清香ちゃんって、こんな笑顔が出来たの?!

                      確固たるテクニックでのバレエは健在だが
                      それ以上に、放つオーラが以前と全く違って
                      (以前もクール・ビューティで良かったんだけど
                       お人形さんっぽい人工物の匂いが時々あったの)
                      生身の人間から溢れる魅力に満ちていて驚いた。

                      一皮むけたって、こういう事を言うのか・・・

                      以前はエスターが踊っていた役を
                      ニキーシャが踊ったのだが
                      エスターの儚さと比べてニキーシャの放つエネルギーが凄い。
                      同じ振付とは思えない。
                      ダンサーによって、こんなに表現って変わるんですね。

                      ヨゼフの伝説は
                      さすがに主役級のダンスは1日2回はどんな超人でも無理(断言)

                      午後の公演は
                      今や注目株ナンバーワンのジェローに
                      ハンブルク・バレエからのゲストのパトリチア。
                      ポティファーは2回ともエノ。

                      ジェローは、しなやかだし可愛いし
                      頑張っているのがよく見える。

                      が・・・

                      パトリチアがちょっと
                      いや、巧いんだけど、線が細すぎて
                      存在感があんまりなくて
                      一応、この難しい役を踊ってはいるけれど
                      何だかなぁ・・・

                      ヨゼフに発情するところが、全然発情してないし
                      バレエとして美しくは踊られているけれど
                      ヨゼフの衣装を剥ぐところも
                      うまく脱がせられなくて、ジェローが自分で脱いでた。
                      まぁ、脱いだ衣装をクンクン嗅いでいたところは演技としては良かったけれど
                      最初から最後まで比較的冷静なポティファーの妻で
                      野生とか、性欲とか、全く感じる事がなかった。

                      ローマンの天使は前のシーズンでも踊っていて
                      これは素晴らしい。
                      ローマンの無色さと
                      あの無表情な、この世のものではない天使の感じに
                      気配を消して出て来て
                      どんなジャンプでも全く着地音をさせないテクニックに感服。

                      リヒャルト・シュトラウスの音楽だが
                      以前までミッコ・フランクが指揮していた時と
                      なんだか、全然、音楽が違うような印象がある。

                      ミッコ・フランクの時って
                      もっと音楽に自律性があって
                      しかも、キラキラしていて、艶があって
                      解像度が高かったような気がするのだが
                      (思い込みかもしれない)

                      今回は団子になっている部分も多く
                      強弱はあるのだけれど
                      リヒャルト・シュトラウスらしい繊細さとか色が欠けている。

                      何だか映画音楽でも聴いているような気分。

                      舞台の上のポティファーの妻が
                      あまりにおとなしくて
                      ポティファーを拒否するところも
                      ヒステリー起こして客に殴りかかるところも
                      如何にもバレエ踊ってます、という感じでリアリティに欠ける。

                      だから全体的に締まりがない(と言ったら申し訳ないのだが)
                      何とも緩い感じがする。

                      すみません言いたい放題で・・・

                      だって夜の公演と全く違ったんだもん・・・

                      夜公演はヨゼフ役がデニス
                      ポティファーの妻はレベッカ。

                      で、この夜の公演

                      これ、レベッカの独り舞台じゃん!!!!

                      いや、天使役にヤコブがデビューするから、と楽しみにしていて
                      確かにヤコブの美しさは際立つけれど
                      ローマンほど、俗世を離れた感じはしないし
                      (要は可愛すぎる!!!(笑))
                      ヤコブに合う役か、というと、今一つよくわからん。

                      デニスのヨゼフはキュートで
                      テクニック的には見事だし、演技もバッチリで、さすがに魅せるけれど

                      レベッカが圧倒的過ぎる!!!!

                      まるで一匹のケモノのような野生と荒々しさ
                      人間の性欲そのものの持つワイルドなエネルギー
                      最初から存在感が抜群で
                      後ろでちょっと手を挙げただけで、目が吸い付けられてしまう。

                      ポティファーに触れられて拒否するところ
                      ヒステリーを起こして客の中で大暴れするところ
                      あまりにリアル過ぎる。
                      一つ一つの動作が、しなやかで
                      バレエという枠を超えて
                      鋭いキレの良さで、驚くばかりのリアリティを醸し出す。

                      マジメな美少女の多いウィーン国立バレエ団の中では
                      ずば抜けて異才で異質。
                      レベッカの発散するエネルギーのオーラは
                      今回は、デニスもヤコブも、すべて喰ってしまった印象。

                      バランス的に考えて
                      それが良いかどうかは別問題としても

                      あの狂ったような野生のオーラに触れてしまったら
                      観客も巻き込まれて
                      息を詰めて、太古の女性の持つ生命力と性欲に
                      ただただ、翻弄されるしかない。

                      ポティファーの妻は、果たしてヨゼフを愛していたのか。
                      レベッカの役作りを見ていると
                      最初は野生に狂って自分を見失って
                      自分の性欲に翻弄され
                      ポティファーに見つかって
                      自分が罪を逃れるために、ヨゼフを悪者にするところあたりまでは
                      まだまだポティファーの妻は悪女の仮面を付けているが

                      殴られているヨゼフのところに走り寄る、その直前に
                      ヨゼフへの真実の愛に目覚める、というストーリーがわかる。

                      天使に迎えられて昇天するヨゼフを背景に
                      狂ったように走るレベッカの慟哭は
                      これも圧倒的なエネルギーで観客に直接突き刺さってくる。

                      だから、最後に観客は
                      ポティファーの妻を、どうしても悪人とは思えないのだ。
                      人間の本能と性欲に、どうしても逆らえなかった
                      生命力に満ちた「女」というものの凄まじさに
                      ただただ、畏怖してしまう。

                      いやもう、最初から最後までレベッカに圧倒されっぱなし。
                      レベッカも本気で役に取り組んでいたようで
                      カーテンコールの時には号泣していた。

                      レベッカのあのずば抜けた存在感とエネルギーは
                      美少女好みの監督に使いこなせるかどうか
                      ド・シロウトの観客から見ても
                      かなりのリスクを孕んだ才能だと思う。
                      あそこまで他の役を喰ってしまう才能は
                      他のダンサーにとっても脅威だろう。

                      12月20日が最終公演。
                      これもレベッカが踊る。
                      (もちろん、私は行きます (^^)v)

                      チケットはまだかなり余っているようだが
                      レベッカのあの役
                      あのエネルギーの奔流は
                      今だからこそ観られる正に旬のものだと思うので
                      ウィーン在住の方で迷っていらっしゃる方はぜひどうぞ!

                      来週末はもうクリスマス、と
                      ちょっと焦っている私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      大学は来週からクリスマス休みだが
                      今まで怠けていた分を取り返さないと
                      また1月末〜2月にかけて、試験が何回かある 💦

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