バイエルン放送交響楽団 + マリス・ヤンソンス

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    Musikverein Großer Saal 2017年1月30日 19時30分〜21時

    Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
    指揮 Mariss Jansons

    Gustav Mahler (1860-1911)
     Symphonie Nr. 9 D-Dur

    音楽会に行ったとか
    コンサート聴いて来た、とか
    そんな生易しいものではなかった

    ・・・というのが
    唖然として会場を出て来た私の正直な気持ちだったのだが

    自分用メモだから
    まずは長い長い長い前置きから行く(すみません)

    ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団のこのコンサート
    実は発売日を完全に見逃していたのである(恥)

    めぼしいコンサートは
    自分のカレンダーをチェックしながら
    発売初日を書き込んでいるのに

    いつだか、地下鉄の駅の中で
    ヤンソンスとバイエルン放送響
    グスタフ・マーラーの交響曲9番、というポスターを見て
    あぁ、こういうの、絶対にチケット持ってるわ

    ・・・と思ってカレンダー見たら
    見事に1月30日の予定がない!!!!

    焦って楽友協会のサイトを見たら
    当然、立ち見席以外売り切れ満杯。

    立ち見席に偏見はないけれど
    楽友協会の立ち見席というのは
    音響的には最悪のスペースなのである。

    舞台が見える見えないは全然気にしないけれど
    あんな音の飛んでこない、籠る場所で聴くのはイヤ。

    ふん、マーラーの1曲だけだし
    別にマーラー聴く気分じゃないし
    ・・・とか、色々と自分に言い聞かせつつ
    毎日、楽友協会のサイトをチェックしていたら

    出たぁっ!!!
    カテゴリー5の席が!!!
    (いつもはカテゴリー6の席を買う)

    49ユーロでバルコン・ロジェだが
    いつも行っている側だし
    49ユーロ、49ユーロ、うううううん、高い
    高いのは確かだし、たったの1時間ちょっとのコンサートだし

    と、迷ったのは5秒くらい。

    楽友協会のチケットも
    自宅でプリント・アウトできる方式が採用されて
    払い込みは銀行の口座からネットバンキングだし
    チケット買うのに手間が要らない分

    口座の残金が恐ろしい事になって行くのだが
    それはもう、クラオタの宿命で
    (って、なんか他人事みたいだが、それで良いのか?)

    下から2番目のカテゴリーだから
    舞台は見えない・・・というより
    一部がかろうじて見える。

    コントラバス8台と
    第2バイオリンと(今日は対抗位置だった)
    ホルンの一部と
    その向こうに座っている
    ポディウムの観客が見える。

    (あの編成で舞台上まで席作って売ったんかい。
     楽友協会ってある意味、スゴイな)

    指揮者は見えない。
    木管も見えない。
    パーカッションも見えない。

    で、どうせ見えない席だろうからと
    バッグの中にはオーケストラ・スコア。

    第1楽章から第3楽章まではスコアを追う気は全くない。
    (どうせ追いていかれるだろうし)

    スコアを持参した理由は
    最終楽章を追いたかったからである。

    見栄っ張りが自分の恥を晒すのは苦痛なんだけど
    マーラーの交響曲9番の最終楽章って

    どこで終わるか、今ひとつハッキリしないんだもん(汗)

    弦が恐ろしいピアニッシモになっていって
    途切れ途切れの吐息みたいに続いて
    いつまで続くの、この吐息・・・とか思っているうちに
    何となく終わってしまう、という状態は
    今日は絶対に避けたい(悲愴な決心)

    第4楽章のところを開けたまま足の上に置いて
    始まった演奏だが

    あれ?何か・・・普通というか
    いや、オーケストラむちゃくちゃ巧いし
    昨日、上品に演奏していたのと違って
    時々、マーラーっぽい皮肉の
    荒い部分が爆発的にあって
    だけど、別に巧いだけで
    そんなにあれこれ言う程の事もないような気が・・・

    凄い失礼な事を書いてますが
    もともとここ数ヶ月、マーラーを聴く精神状態にないし
    ヤンソンスと聞いただけで
    ああ素晴らしい指揮者だわ、という思い込みで
    感激してしまうプラシーボ効果は私にはない。

    いつもの位置と席が違うから
    音も多少遠くて
    その代わり、フォルテの部分は非常にバランス良く聴こえてくる。

    という感じで
    割に冷静に、分析的に
    ついでに、いつもの観客より
    多少なりともハイ・ソサエティな周囲の観客を
    観察している余裕まであったのだ。

    ・・・って、自分で書いていてイヤになるわ。

    まとめてのチクルス買いで来ている人がかなり居て
    演奏中にプログラム読んでいたり
    居眠りしていたり

    でもチクルスで買える財力を備えた
    ご年配の方々なので
    スマホも弄らず
    居眠りも極めて静かで上品 ♡

    第2楽章の途中で
    あの繰り返されるエレメントが
    悪魔のストーカーに聴こえてきてゾッとしたが・・・
    (脳内妄想)

    座敷童というか
    何か人の横っちょをコソコソ動いて
    追い払おうとしても去っていかず
    小柄な身体に邪悪な気配を纏って
    隙あらば、悪い事に引きずり込むみたいな

    あんな陽気で能天気に響くエレメントが
    おかしな世界の邪悪な微笑みに聴こえて来たのは
    私の精神状態がオカシイのかもしれない。

    さて、最終楽章では
    スコアをジッと見つめて追って行ったのだが
    演奏が始まったとたんに
    圧倒的な力に
    思い切り殴られた(そういう気分)

    すみません
    ここで沈黙させて下さい。

    世界で最も美しい曲と言うものがあるのなら
    (まぁ、個人の好みとかあるから
     「世界で一番」という主観的な対象物はあり得ないけれど)
    このマーラーの交響曲9番の最終楽章ではないだろうか。

    豊かな厚みのある弦の完璧なアンサンブルを
    楽友協会の大ホールの残響が
    優しくまろやかに包んで

    そこに出現するのは
    天国と地獄、この世と彼岸の間を揺蕩う
    現実にはあり得ない空間。

    感情的になり過ぎないように
    スコアまで持って来ているのに
    実際にはスコアを追いながら

    冷静なチョイ悪ババアの見栄っ張りを気取っている私が
    涙ボロボロ出てくるのを止められなかった状態。
    (いや、恥ずかしい・・・)

    この響きは、楽友協会の大ホールでないと
    きっと聴けないだろう、と確信させるだけの力があって

    しかもスコア見てると
    各パートのフォルテ記号やクレッシェンド、デクレッシェンドが
    もう見事に細かく書き込まれていて
    (そういうのを見ちゃうだけの冷静さはあったみたい)
    何て美しいスコア。

    音響構築の完璧さ。
    (移調楽器が多いのには参るけど・・・読めないじゃんか)
    ああ、ここでこの楽器をこう重ねると
    こういう音が出るのか、という目からの納得と
    複雑な和声の妙味が
    耳から入るわ、目から入るわ
    ほとんど地獄だよ、これは(←狂喜している)

    最後の1ページ。
    指揮者にもオーケストラにも緊張感マックスで
    聴いている方も固唾を飲んで集中する
    あの最後の5分で

    かなりでっかい声を出して
    何回か咳き込んだ男性がいて
    満場1800人の顰蹙を買っていた。

    (まぁ、咳は仕方ないんですけど
     普通、この曲を聴きに来る時は
     のど飴を充分に用意した上
     厚手のハンカチか小さなタオルを用意しませんか?
     いや、しないんだよね、ウィーンの聴衆って(ため息)
     ・・・それでも顰蹙買う咳をしたのが1人だけだった、というのは
     ウィーンではスゴイ事ではある)

    しかしあの世界観はいったい何なんだ。
    作品そのものの持っている力というのは
    当然あるのだけれど
    ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団が描き出した
    地獄のような天国のような
    あの圧倒的な音響空間に出現した
    全く別の世界って、何だったんだろう。

    スコア追っていたお陰で
    最後の音がどれかは明確にわかったんだけど

    もうその時には
    次元の違う空間に思い切りすっ飛ばされていて
    全然コッチの世界に戻ってこられない状態。

    マーラーの9番だから、と覚悟はしていたけれど
    まさか異空間にすっ飛ばされるとは
    考えてもみなかった。

    もう完全にフラフラ状態で
    会場出てから
    同じコンサートに行ったらしい
    年配のご婦人たちが
    ウチの孫がね、なんて言う話をしているのを
    地下鉄の駅で聞きながら

    ううう、私も早いところ
    現実世界に戻らねば・・・と思いつつも
    頭の中でずっと、あの透明感のある厚みのある弦が鳴っていて
    異次元の空間を彷徨っていて

    いやこれ、今日は自分の車で運転して帰ったら危ない
    ・・・と
    会社のガレージに車を突っ込んだまま
    ボーッとしながら
    公共交通機関で帰宅した私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    しかしマーラーってコワイ。
    ある意味、聴いているものの認識を
    根底からひっくり返すだけの力を持っている。
    くわばらくわばら。

    バイエルン放送交響楽団 + マリス・ヤンソンス

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      日曜日のダブル・ヘッダー。
      時系列で読みたい方は ここ からお読み下さい。
      (註 たいして面白い事は書いてません、すみません)

      下は夜のコンサートの勝手な覚え書きです。


      Musikverein Großer Saal 2017年1月29日 19時30分〜21時30分

      Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
      指揮 Mariss Jansons
      アルト Gerhild Romberger

      Vladimir Sommer (1921-1997)
       Antigone. Ouvertüre zur Tragödie des Slphokles
      Gustav Mahler (1860-1911)
       Kindertotenlieder nach Gedichten von Friedrich Rückert
       für eine Singstimme und Orchester
      Sergej Rachmaninow (1873-1943)
       Symphonische Tänze für Orchester, op. 45

      バイエルン放送交響楽団とマリス・ヤンソンスのコンサートは
      本日と明日でプログラムが違うが
      両方とも見事に売り切れのシールがポスターに貼られている。

      ミュンヒェンなんて
      そんなに遠くないから
      聴こうと思えば行けるんだけどね(笑)
      反って近いところには行き難いとか・・・

      ヤンソンス人気はあるだろうなぁ、きっと。

      さて、最初のウラジミール・ゾンマー。
      ヤナーチェックのもとでも勉強し
      ヨゼフ・スークの孫弟子にあたるチェコの作曲家だそうだが
      全然知らない人(不勉強ですみません)

      ソフォクレスのアンティゴネをドラマチックに表現した曲だが
      何かこれ、ヘンにリヒャルト・シュトラウスに似てるような気が。

      クレオンのテーマが木管で出て来るのだが
      これ、リヒャルト・シュトラウスの英雄の生涯のバイキンと
      すごく似ているように聴こえてくるのは何故なんだ(すみません無知で)

      木管があまりに良すぎて
      アンティゴネは弦のメロディで表現されるらしいのだが
      弦のメロディより
      木管のバイキン(いや、英雄の生涯では評論家だっけ?)が
      活き活きしていて音色がキレイで
      空気を切り裂いて飛んでくるので印象的。

      ご挨拶の最初の曲にコレを持って来たというのは
      我々のオーケストラの見事な木管を聴け!!!って事だなきっと。

      さて、次は「亡き子を偲ぶ歌」なのだが
      当初予定されていたヴァルトラウド・マイヤーがキャンセルされて
      ゲルヒルド・ロムベルガーという歌手で
      いったい誰だこれ?と思ったが
      かなり国際的に活躍している歌手らしい。

      声が深くて通って
      いや、これ、見事じゃないの(ビックリ)

      オーケストラが
      まるで室内楽のような精密さ。
      重くなく、あくまでも透明感を持っていて
      そこに乗る深いアルトの歌声が
      大袈裟にならず節度を持った悲しみを深く描き出す。

      この曲、今まで私、男性のバリトンでしか聴いた事がなくて
      アルトで聴いたの初めてだと思うのだが
      バリトンで歌われる時と、雰囲気がやっぱり違うなぁ。

      あくまでも内向的
      抑えて抑えて抑えた時に出てくる
      やりきれない悲壮感が
      表面に出てこない分、グッサリ刺さってくる。

      まぁ、私、子供がいないので
      ああいう曲の本質的なところは理解できないが(すみません)

      オーケストラの見事な事。
      名人揃いの木管・金管に弦が
      あれだけクリアな透明度を持って
      深いアルトに寄り添って行くと
      そのバランスの良さに舌を巻く。

      後半がラフマニノフの交響的舞曲。
      これ、すごく好き ♡ なのだが
      これを中途半端なリズムで演奏しようとして
      コケた演奏も何回も聴いているので
      あまり期待せずに聴いてみて

      ひっくり返りました。

      ヤンソンスの棒って、魔法ですか?
      この間のムーティもそうだったけれど
      天才で老練な指揮者って
      本当に魔法使いにしか見えない事がある。

      絶妙なテンポに加えて
      くっきりはっきりパートがわかるほどの
      クリアなオーケストラの音色に
      名人揃いの木管・金管が大活躍して
      (しかしこのオーケストラの木管って
       超超超一流じゃないか。驚いた)

      すごいマッチョなラフマニノフ。
      知らずに聴いたらベルリン・フィルと言われても信じたかも。

      筋肉質で締まっていて堅くて
      第2楽章のメランコリーも
      大袈裟に流される事なく
      激情に駆られず
      ものすごい自己抑制の効いた
      ほとんど禁欲的なまでのラフマニノフ。

      この曲、激情の任せるままに
      ガンガン弾いたら気持ち良さそうな感じがするが
      ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団の音は
      絶対に下品にならないのだ。
      エネルギッシュでマッチョなのに
      あくまでも優雅で高雅でクラシックで
      じゃぁマジメ過ぎてつまらないかと言うと
      そこを行き過ぎでないドラマチックさで補って

      いやん、何ですかこれ
      ほとんど理想的な演奏じゃないですか。

      さすがに売り切れコンサートで
      クラオタが揃って会場に居るらしく
      咳もほとんど聞こえて来ないし
      私の近くで小声でお喋りしていた観光客集団は
      前の気難しそうなオバサンが
      凄い勢いで後ろ向いて
      手でスマホを叩いてから静かになったし。

      これこそがクラシック・コンサートの会場の静けさだわ♡
      貴賓席には前任の大統領も奥方とご出席だったし
      何か会場が
      とってもハイ・ソサイエティだった(笑)

      さてラフマニノフで
      オーケストラとヤンソンスの巧さにぞっこん惚れた後に
      アンコールが、アンコールが

      ひえええええええっ!!!
      シューベルトですよ、シューベルト!!!
      楽興の時第3番!!!!

      絶句・・・というより
      何というシューベルトらしいシューベルト!!!
      いや、バイエルンって同じ文化圏だけど
      弦の音の柔らかさ
      (さっきのマッチョなラフマニノフから大変身!!!)
      隠されたメロディ・ラインが浮き上がり
      あまりに、あまりに、あまりに素晴らしくて

      このオーケストラでシューベルト聴きたいっ!!!
      と叫びそうになってしまった。

      え〜い、何でシューベルト持って来なかったの?
      ラフマニノフの筋肉隆々のマッチョも良いけれど
      この、端正であっさり感あるくせに
      とことん音楽的なシューベルトを演奏するなら
      プログラムもシューベルトで聴きたかったですっ!!!

      鳴り止まぬ拍手に応えて
      今度は何か金管・木管・パーカッションが
      ド派手に大音響を鳴らす曲を演奏したのだが
      あれは何だったんだろう???
      (後で楽友協会のサイトに掲載されたら追補しておきます)

      マーラーもラフマニノフも良かったけれど
      実は最後のシューベルトに一番感激してしまった
      感受性ゼロに近いアホな私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      トーンキュンストラー + シェーンヴァント

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        Musikverein Großer Saal 2017年1月29日 15時30分〜18時30分

        Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
        指揮 Michael ya
        メゾソプラノ Sara Fulgoni
        テノール David Butt Philip
        バス Matthew Rose
        コーラス Wiener Singvererin (指導 Johannes Prinz)

        Edward Elgar (1857-1934)
        “The Dream of Gerontius” für Soli, Chor und Orchester op. 38 (1899/1900)

        イギリスの作曲家の曲と言うのは
        意外にウィーンでは聴く機会がなくて
        ちょっと苦手なのだが
        エルガーの「ゲロンティアスの夢」なら別(イイカゲンな私)

        私が苦手とする宗教曲だが
        ミサの曲じゃなくて
        (ミサ曲は脳内妄想を活性化しないので苦手なのだ)
        しっかりストーリーあって
        悪魔の合唱の誘いやら
        天使(これがメゾ・ソプラノなのがステキ)の導きや
        司祭の深いバスの声や
        とうとう神を垣間見るドラマチックなシーンまで

        脳内妄想を掻き立てる上に
        オーケストラもコーラスも
        音響的にものすごく美しい ♡

        私自身は宗教が違うから
        (あ、一応、キリスト教は大学で結構集中して学んだんだけど
         結局、あまりに合わず、神父さんと大喧嘩して決別しました(汗))
        ここに描きだれた世界観には共感はしないし

        第一、最初の40分の
        死ぬ、死ぬ、死ぬ、が実はかなり苦手。

        イタリア・オペラが嫌いなのも
        この死ぬ、死ぬ、死ぬがイヤなので
        あんなに喚いて死ぬ、死ぬと苦しまずに
        眠るように意識なくしてボーッと死んでいきたいというのが
        (マーラーの交響曲9番の最終楽章ですね(笑))
        私の切なる望みなので
        確かに最初の部分の内容には辟易するんだけど

        音楽があまりに美しい・・・

        シェーンヴァントはオーケストラをかなり鳴らせている上
        私の席は歌手が入る曲に関しては
        最悪の選択なので
        オーケストラと歌手のバランスが理想的とは言えないのだが

        それでもエルガーの描き出す世界の深さには圧倒される。
        テノールの声は反対側に通っていくから
        私の席からは聴こえ難いのだが
        それを忘れさせるような響きで
        しかもこのテノール、音質がそれほど明るくないので
        ゲロンティアスが老人というシチュエーションに無理がない。

        (この役をボーイズ・テノールみたいな人に歌わせたら
         ちょっとギョッとするからね。ゲロンティアス一応老人ですから)

        コーラスが巧い。
        むちゃくちゃ巧い。
        フォルティッシモから、この上ない繊細さを持つピアニッシモまで
        コーラス聴いてるだけでうっとりしてしまう。

        バスはずっと座っていて
        前半も後半も、ほんの少し、最後の方で登場するだけだが

        前半の司祭の時に
        バスの声で仰け反った。

        すごい声量・・・
        しかも声が深くて落ち着いていて
        司祭の役柄にピッタリ。

        第一部の最後で無事に?ゲロンティアスが昇天して
        第二部には天使が出て来て
        神さまに会いに、というよりは
        審判に行くのに、あちこちを通っていくのだが

        ここでもコーラスが巧い ♡
        オーケストラも、ピアニッシモではあくまでも繊細。
        弦の響きの美しい事。

        いや、すみません
        本当に今日はゲロンティアスと
        天国を彷徨っていたので
        これ以上、何も書けません(お辞儀)

        しかしまぁ
        ここまでピッタリの歌手をよくぞ揃えたものだ。
        コーラス巧いし
        オーケストラも繊細に音を出してるし
        多少うるさかったのは
        私の席が悪いので
        ギャラリーとかに逃げていたら
        素晴らしかっただろうなぁ。

        (最後の最後のピアニッシモのコーラスのところで
         携帯電話を鳴らした奴には本気で殺意が湧いたけど(笑))

        同じコンサートが
        来週火曜日にあって
        行きたい、行きたいんだけど
        行けるかどうか、ちょっと今、連絡待ちで(汗汗汗)

        手抜き記事で申し訳ございませんが
        どうぞ1クリックをお恵み下さい(厚かましい)



        いやしかし、ウィーンの気温マイナス6℃ですよ。
        日曜日朝のご近所さんサウナが実に気持ち良い ♡

        ウィーン放送交響楽団 + マルクス・シュテンツ

        0
          Musikverein Großer Saal 2017年1月28日 19時30分〜22時

          ORF Radio Symphonieorchester Wien
          指揮 Markus Stenz
          ピアノ Gabriela Montero

          Richard Wagner (1813-1883)
           Vospiel und Verwandlungsmusik (1. Akt) aus “Parsifal”
          Edvard Grieg (1843-1907)
           Konzert für Klavier und Orchester a-Moll, op. 16
          John Adams (*1947)
           Harmonielehre

          楽友協会大ホールというのは
          ウィーンでは国立オペラ座と同じく
          完璧なる観光箇所と化していて

          それは別に良いし
          チケット買って、ちゃんと音楽を聴きに来てくれるなら
          別に何も言いたくないが

          コンサートやオペラに来るのに
          汚い履き潰したズック靴(スポーツ・シューズとは口が裂けても言えない)に
          パジャマですかそれ、という、すごい格好をした人たちが
          大量に来て
          コンサートの間にお喋りしたり
          スマホを弄くったり
          ガタガタ音を立てて移動したり
          ピアニッシモの演奏の最中に
          ドアを開けて(しかも音を立てて)出ていったりするのは
          やっぱり、ちょっと腹が立つという
          寛容さのカケラもない今日この頃のワタシです。

          まぁ、仕方ないんですよ
          ここ、観光地ですから(ため息)

          ウィーン放送交響楽団とマルクス・シュテンツのコンサート。
          この間のオーストリア国営放送の大ホールで
          パルシファルと
          ジョン・アダムスの第2楽章+第3楽章は聴いた。

          けど、何でそれにグリークのピアノ協奏曲が入ってるわけ?

          パルシファルとジョン・アダムスの「和声学」に
          共通点があるのは、この間の話でよ〜く理解できたけど
          途中に、あの名曲(でポピュラー)なグリークが入るなんて
          やっぱり、こういう名曲(でポピュラーなもの)をプログラムに載せないと
          客が入らない、という判断なんだろうか。

          パルシファルの序曲と変身だが
          いやいやいや
          やっぱりパルシファルって
          何か聖なるモノというか

          何せこのオペラ、季節モノですから
          今年も3月30日から4月16日まで6回しか上演しないし
          これが上演されると
          ああ、イースターだぁ、という気分になる。
          (今年のイースター・マンデイは4月17日。毎年変わる)

          オーケストラの音がキレイ。
          この間のホールの時には
          真っ正面にいたせいもあるけれど
          金管がかなり鋭く聴こえて来たのだが
          楽友協会のホールでは、この程度なら大丈夫。

          しかも弦のアンサンブルが揃っていて音色が美しい。
          ただ、あまりワーグナーっぽく
          大袈裟でドラマチックに鳴り過ぎないのは
          オペラ・オーケストラではないウィーン放送響の響きだからかも。
          割に冷静というか
          ふん、我々、ワーグナーで熱くなる程
          単純じゃないわよ、という感じ(独断・偏見)

          さて、グリークのピアノ協奏曲なんだけど
          私はこれを聴くと
          必ず、子供の頃のテレビ・ドラマか何かのオープニングを思い出す。
          (同世代の方、ありましたよね、これ。
           2時間番組の何か最初だか終わりだかで・・・)

          非常に力強いピアノで
          オーケストラに埋もれず響いてくる。

          第2楽章の弦のアンサンブルの音色が凄かった。
          この指揮者、フォルテよりピアノ部分の音の出し方が巧い。
          (フォルテは鳴らし過ぎの感がある)

          さて、曲が終わった後だが
          このピアニスト、客席に向かって
          何か英語で言ってる。
          (席が後ろなので聞こえない(涙))
          何かテーマを出してくれたら
          即興演奏するから、とか言っているようで

          何かのテーマ(バッハっぽい)を弾き出してから
          即興演奏・・・かなり長い。
          確かに凄い才能だとは思うけれど
          現代音楽っぽい部分は全くなくて
          テーマを展開されたり、ぶっちぎったり
          あくまでもトナールの中で演奏されていく、というのは

          あなたベートーベン時代のピアニストですか?
          あ、名前はチェルニーさん?
          すみません、リストさんのご関係者?

          私は、現代音楽擦れしたイヤな客なので
          (自分は何もできないクセに、人に文句垂れるのは好きという
           救い難いキャラです、すみません)
          サーカス的に、すごいな、即興・・・とは思っても
          音楽的に擦れ擦れになっていて
          現代音楽も好き、というイヤな奴なので
          普通にエンターテイメントとして
          何か聴いた事のあるメロディを繋げて繋げて展開させて、というのは
          あまり・・・面白くない。

          途中でぶっ飛んで現代音楽のアトナールの世界に入って
          遊んで転んで、何喰わぬ顔してトナールに戻ってくる
          ・・・とかだったら大喜びなんだけど(すみません、文句多くて)
          (だから割にファジル・サイとか好きです)

          こういう即興演奏したピアニスト
          過去にも聴いた事がある、と調べてみれば
          同じピアニストを2009年5月16日に聴いてるわ(笑)

          しかもこの人、たぶん、即興がむちゃくちゃ好き。
          続けて、もう一曲、即興やって
          とうとう、前半が終わったのが20時50分。

          ワタクシは本日は
          後半のジョン・アダムスを聴きたくて
          それ「だけ」のために
          マイナス4℃の外に出て楽友協会に来ているのに

          聴きたくもないグリークのピアノ協奏曲の後に
          即興演奏2曲も聴かせられて
          いや、サービス精神満々で、そりゃ良い事なんだけど
          これ、コンサート終わるの22時になっちゃうじゃない(涙)
          (↑ コンサートはできれば休憩挟んで2時間で終わって欲しい)

          幕間の後に
          何でこの人たち、ここに居るの?という観光客は
          半分以上いなくなって(賢明、賢明)

          楽しみにしていた、ジョン・アダムスの「和声学」

          自慢しちゃうが
          この楽友協会に今日来ている聴衆の中で
          プロとセミプロ(=音楽を専門に学業した人)以外で
          この曲を、10回くらい聴いてから来ました、というのは
          たぶん、私以外にはいないんじゃないかと思う。
          (意外にいたらどうしよう・・・・(笑))

          大編成オーケストラで
          大音響で始まるこの曲の圧倒的な面白さって
          ミニマル・ミュージック的なリズムの繰り返しに
          ジョン・アダムスに特有の
          長いボーゲンでの不思議なメロディが重なっていって
          突然、思いがけないところに飛ばされてしまうところにある(と思う)

          ワーグナーのパルシファルが頭にあるからかもしれないが
          第2楽章の前の最初の楽章にしてからが
          既に非常にワーグナーっぽい感に満ちてるじゃないの。

          ただ、この指揮者
          楽友協会の音響を知ってか知らずか
          容赦なくオーケストラを鳴らすので
          時々、むちゃうるさくなる。

          金管の音が大きいのは当たり前の事で
          それが大編成で迫ってくる部分で
          巧くバランス取らないと
          他のパートが全然聴こえなくなってしまうじゃないの。

          第2楽章のアンフォルタスの傷は
          大音響があまりなくて
          指揮はリズムを取るのに徹しているのだが
          ソロの楽器がとても良くて

          甘くならず、でもペーソスに満ちて
          グッと掴まれる気分。

          ああ、そう言えばこのオーケストラ
          何ヶ月か前にジョン・アダムスのドクター・アトミックを演奏したんだっけ。

          あの曲も金管の長いソロがあって
          何とも悲哀に満ちた良い感じだったんだよね。

          第2楽章から第3楽章へはアタッカで続けたのだが
          第2楽章の最後のピアニッシモのところで
          何故か客席から、結構大きな話し声が聞こえてきて
          ちょっとシラケた、というか
          オーケストラに動揺が走る。

          アタッカで続けた第3楽章は
          この曲の中では、最もリズミカルな章なのだが
          その分、オーケストラも指揮者もタイヘン。

          聴く方は全然タイヘンじゃないのだが
          ぜいぜい言いながら(比喩です)
          必死に演奏しているオーケストラを聴いているだけで
          何となく必死さが伝わって来て、ちと疲れる。

          最後は盛り上がって盛り上がって終わる・・・はずなんだけど
          ちょっとオーケストラが息切れした(笑)

          指揮者がずっとスコアに目を落としつつ
          変拍子を正確に振っていて
          オーケストラは指揮者なんかハナから無視で
          崩壊しそうなリズムを
          見事に崩壊せず、しっかりと抑え切って
          こういうところって、ウィーン放送交響楽団の凄いところ。

          ただ、ワタシとしては
          既にこの曲、ハード・ローテーションで聴いていたので
          録音以上の立体的な音響とか
          録音で潰れている部分の音のクリアさとか
          そういうモノを期待して行ったんだけど

          今の録音技術って、ものすごく優れているのか
          もともと私には芸術性もリズム感も、聴く耳も
          ついでに感受性もないので何も感じなかったのか
          別にこれなら、録音で聴いただけでも良かったかも。

          いや、これ、時々現代音楽に有り勝ちな現象で
          スタジオ録音の方が良かったかも、というのがある訳で
          ウィーン放送交響楽団の演奏は見事でした(たぶん)

          まぁ、変に期待を抱き過ぎっていうのもあっただろう(反省)

          しかしジョン・アダムスの曲って
          聴けば聴く程、魅力的というより
          不思議な曲だなぁ。
          単純なようでいて複雑
          ドライなようでいてウエットという
          相反する要素を、ギッシリ詰め込んで
          一筋縄ではいかない。
          ついつい、聴きたくなる魔力がある。

          終わって出たらマイナス5℃くらいになっていて
          まぁ、その分、自宅でも外でも
          暖房はガンガン効いているので
          あまり寒さを感じていない私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          そう言えば
          私は「パルシファル」と読んでしまうし
          実際、パルシファルと言ってしまうのだが
          これはオーストリア訛りで
          ドイツのドイツ語であれば
          パルジファルと発音する
          ・・・んだと思う。オーストリア人、みんなパルシファルと言っている(笑)

          リーズの結婚 10回目

          0
            Wiener Staatsoper/Staatsballett 2017年1月27日 19時30分〜21時40分

            LA FILLE MAL GARDÉE
            Ballett in zwei Akten nach einem Libretto von Jean Dauberval
            振付 Frederick Ashton
            音楽 Ferdinand Hérold, frei bearbeitet und eingerichtet von
            John Lanchbery nach der Fassung von 1828
            舞台・衣装 Osbert Lancaster
            指揮 Simon Hewett

            未亡人シモーヌ Andrey Kaydanovskiy
            リーズ Nina Tonoli *
            コラ Jakob Feyferlik
            トーマス Gabor Oberegger
            アラン Dumitru Taran
            村の公証人 Christoph Wenzel
            書記 Robert Weithas
            オンドリ Marian Furnica
            メンドリ Abigail Baker, Marie Breuilles, Joanna Reinprecht, Carolina Sangalli
            リーズの友人 Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Eszter Ledán,
            Anita Manolova, Laura Nistor, Suzan Opperman, Franziska Wallner-Hollinek
            村の住人たち Natalya Butchko, Vanessz Csonka, Sveva Garguilo
            Oxana Kiyanenko, Erika Kovánová, Katharina Miffek, Andrea Némethová
            Alaia Rogers-Maman, Rikako Shibamoto, Ilia Tcaciuc *, Céline Janou Weder
            Beata Wiedner,
            Kristian Achberger, Leonardo Basílio, Leonardo Basílio, Marat Davletshin,
            Alexis Forabosco, Trevor Hayden, Igor Milos, James Stephens,
            Alexandru Tcacenco, Zsolt Török, Arne Vandervelde,
            Jaimy van Overeem, Géraud Wielick

            リーズの結婚、とうとう2桁達成!!!
            (自慢にならん・・・)

            はっぱの、悶絶の時間にようこそ(こらこらこらっ)

            本日のカップリングは
            ニナ(トノリ)とヤコブ!!!! ❤️

            金曜日だし、朝早くから仕事だったし
            もうぐったり疲れてバテバテでオペラ座に行って
            この上なく幸せな気分で出て来られるなんて
            ああ、ウィーン国立バレエ団って す・て・き !!!

            ニナはこの役は初めて。
            ニナとナターシャは
            同時期に入団して
            同時期にソリストに昇格して
            よくバレエ・オタクの中では
            良きライバルとして見られている。

            ナターシャはウィーン国立バレエ学校出身
            ニナはロンドンのロイヤル・バレエ学校卒業の後に入団。

            さて、リーズの役柄にどちらが合うか、と言えば
            それぞれに良くて、それぞれに違う。

            ナターシャが目鼻立ちのハッキリした
            まるでお人形さんのようなキュートさを持ち
            小悪魔的にチラッと客席に飛ばす視線で
            観客のハートを鷲掴みにするタイプだとすると

            ニナは、何とも初々しいというか
            美人だし可愛いんだけど
            作り物めいたキュートさではなくて
            本当に村の少女、という印象の可愛らしさ。

            ナターシャと比べると
            ちょっと素朴なイメージがあって
            童話なんだけど、ちょっとだけリアル感が増す。

            ナターシャもニナも
            並外れた美人でキュートで可愛いんだけど
            その「可愛さ」の質がちょっと違う。

            ニナの踊りはキレが良くて気持ちが良い。
            グラン・ジュテがものすごく高くてビックリする。
            ナターシャのような「タメ」がなくて
            観客に媚びるようなところが全くない。
            (ナターシャは知ってて確信犯的にやってる)

            演技が自然(さすがロイヤル出身)
            クセのないテクニックで
            悶絶というよりは
            微笑みながら、ハートにキュン、と来る感じ。

            コラ役のヤコブは
            ああああああ、このダンサーこそ
            ここ何年も待ち望んでいた
            理想的王子さまタイプの出現 😍

            185センチの身長に
            長くて理想的な形の美しい肢体。
            あの脚の長さと美しさの前に
            言葉なんか要らない。

            しかも甘いマスク。
            優しい目に優雅な微笑み。

            スタイルとフェイスから言えば
            あんなに理想的な王子さまタイプは
            数十年に1人現れるくらいだろう。

            恵まれたマスクと体型に
            伸びやかで優雅なラインを描く技術を持ち
            掴む空間が大きくて
            しかも演技も巧く、イヤミがなく
            奢ったところが見えず
            まだ20歳の若さ!!!

            ダンサーの活躍できる時間というのは非常に短い。
            その意味で
            こういう才能に恵まれたダンサーが出現して
            (見目カタチも才能のうち!)
            キャリアの道を歩んでいくのを
            追い掛けられるのは
            バレエ・ファンの楽しみの醍醐味と言えよう。

            ヤコブがニナとラブシーンを踊る時の
            相手を見つめる甘い目って
            こちらまで甘い思いで胸がキュンキュンする。
            (こらっ、若いダンサーに自分を投影するなっ!)

            ヤコブは手足が長いだけに
            (それにまだ若いし)
            ピルエットの安定感から言えば
            プリンシパルのダヴィデより劣るのは確かだが

            ダヴィデも顔は可愛いのだが
            何せスタイルがね・・・
            いや、あの身体能力では当然の事なのかもしれないが
            ダヴィデの太ももの筋肉の盛り上がりって
            ちょっと想像を絶するんですよ。
            それだけ筋肉があるから
            どうしても脚が太く短く見えちゃうのが残念。

            ヤコブの脚の筋肉の付き方は、実に優雅で
            適度に細いし、長いし、あの脚見てるだけで眼福。
            うう、なんかワタシ、イケナイ世界に足を踏み込んでしまったかも。

            ニナは小柄で(だからナターシャと似てるし比べられる)
            ヤコブと組むと、これがまた可愛いのだ。

            ナターシャのリーズは悶絶モノだが
            この初々しい役にはニナの方が合ってるかもしれない。

            このカップリング、正に理想的。
            これ、録画してあったら、絶対に私、買うんだけどなぁ。

            意地悪婆さんシモーヌは本日はアンドレイ。
            もともとキャラクターが得意なダンサーで
            細かい部分の演技がむちゃくちゃ巧くてハマっている。

            足を打って飛び跳ねるところの演技の巧みさ
            外に出るところで、ちょっと鏡の前でポーズするところのいじらしさ。
            (お婆ちゃんだけど洒落っ気もあるの)
            客席からも多いに笑いが沸いていた。

            それに木靴でのダンスが何て巧いの!!!
            リズム感抜群で、タップ・ダンスそこのけの巧さ。
            大袈裟な演技が自然でイヤミにならない。

            最終シーンで
            イヤイヤながらコラを抱きしめるところなんか
            あの背の高いヤコブを宙づりにしてしまい
            爆笑してしまったわよ。

            アランはドミトルが踊ったが
            踊りは巧いんだけど
            ちょっと目が正気過ぎるというか(笑)

            木本クンの方が
            自然に「大ボケ」が入っている感じのキャラクターだった。
            ドミトルは、ちょっと普通の男の子、という印象が強すぎて
            天然ボケの入り方が少ない感じがするので
            ちょっとイジメの場面がリアルすぎ。
            でも、ダンスはキレイに決まっていて
            ちゃんと演技も細かい部分まで気を使っていた。

            オーケストラが、何故かこの間もそうだったのだが
            ちょっとしたズレで目立って
            多少粗く聴こえて来たのが残念と言えば残念。

            途中のニナのソロの時のバイオリン・ソロ
            本日はブルーメンシャインさんだったのだが
            あっ、ホーネックさんの真似だっ(爆笑)

            ブルーメンシャインさんのソロは
            クセのないキレイな音を出すのだれど
            本日のソロは、ちょっと掠れ気味の
            心の中を表現するような繊細なソロにしようとした努力が
            かなり見えて(もともと彼の音ではないと思う)
            微笑ましかった。

            こういうロマンティックな初恋物語を
            バレエで語るには
            若いダンサーが必要だし

            若いダンサーが、その時代を駆け抜けるのは
            本当に一瞬だし
            こういう公演が観られる、という事自体が
            奇跡みたいなものだと思う。

            2月の公演はリュドミラとミハイルのカップリングなのだが
            個人の好みで本当に申し訳ないんだけど
            もう一度、ニナとヤコブのカップリングで
            踊ってくれないかなぁ・・・
            切に望みます、監督、お願い ♡

            舞台の「絵」としては
            最も理想的な公演だったなぁ。
            客席も沸いてたし
            初恋物語、田園風景の田舎のノスタルジーの
            単純なストーリーとは言え
            甘酸っぱい思いが胸に広がる
            ステキな舞台だった。

            ダンサーの皆さま
            裏方の皆さま
            本当に本当に本当にありがとう!!!!
            と、大声で叫びたくなっている私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ウィーン放送交響楽団 + マルクス・シュテンツ

            0
              ORF Radio Kulturhaus Großer Sendesaal 2017年1月26日 19時30分〜20時50分

              ORF Radio-Symphonie Orchester Wien
              指揮 Markus Stenz
              Klassische Verführung

              数ヶ月に1回
              オーストリア国営放送の放送ホールで行なわれる
              クラシックへの誘い・・・というより

              字義通りに訳したら

              「クラシックな誘惑」(=伝統的誘惑?)

              洒落のつもりかもしれないけれど
              オーストリア人のジョークのセンスって(以下省略)

              ウィーン放送交響楽団友の会に入っているお陰で
              届くニュース・レターに
              マルクス・シュテンツ指揮で
              パフシファル序曲と
              ジョン・アダムスの和声学は
              どこに共通点があるか

              なんて書いてあって
              あっ、これ、面白そう♡
              即サイトに入ったら、ガラガラで
              席は選び放題。

              今やどのサイトにもある
              Print@home を利用して正規料金で1枚買った後

              ニュース・レターをもう一度最後まで読んだら
              抽選で2名さまご招待と書いてあって

              あっ、しまった(汗)

              でも私、体質的に懸賞とか賭けに当たった事がないので
              まぁ、良いかと思っていたら

              その2日後に
              同じウィーン放送交響楽団友の会から
              会員にはチケット50%割引、というメールが入ってきて
              一瞬、失神しそうになった。
              (だってチケット27ユーロですよ、27ユーロ!!!
               半値だったら13ユーロ50セントの得。
               外食1回できる・・・というかオペラ1回行けるじゃん(号泣))

              前置きが長かったので
              これで今日は終わりにする
              ・・・と書ければ
              読者はホッとするだろうが

              しつこいのよ、ワタシ。
              ついでに、これ、自分の記憶力のなさを補うものなので(言い訳)

              さて、50%割引まで打ったというのに
              ホールはかなりガラガラで
              私がチケット買った時ほどガラガラではなかったので
              それなりに友の会の人が買ったとは思うんだけど
              私が座った後ろの方の席はガラガラ。

              ライブ放映かと思ったら
              (それにしては時間があまり厳密じゃない)
              ライブじゃなくて収録だったみたい。

              パルシファルとワーグナーの話があって
              指揮者が出て来て

              ワーグナーは
              ちょっとでも心のある人なら
              心の中に大いなる感動を呼び起こす音楽です

              と、のたまわった。

              パルシファルという楽劇
              シーズンものだし、一度は観ておくべきかと
              ずいぶん昔にチケット買ったら
              間違えてえらく高いチケットを買ってしまって
              国立オペラ座に行った事がある。

              パルシファルがパルシファルだと明かされるまでに
              いったい何時間待たせるんだ!!!と
              あまりの長さに気が遠くなった事と

              クンドリ役のデノケの胸がしっかり見えた事と
              クリングゾル役のバンクルが半裸になって
              歌うたびにお腹に書かれた十字架が
              異様に動くのから目が離せなかった、という記憶しかない。

              アホです、どうせ。感受性ないし(開き直り)

              リングやトリスタンとイゾルデからは逃げまくっているが
              これは、短縮バージョンとか
              色々とコンサートで取り上げられる機会も多いので
              まぁ、ライトモチーフとかは多少なりとも聴いている。

              パルシファルはその後、逃げまくって
              全く聴いていなかったので
              序曲と変身の場面(そんなのありましたっけ?)を続けて聴いても

              いや、「心のない」冷たい人間だからかもしれないが
              ホールが小さいので
              ああああっ、金管がウルサイですっ!!!
              としか感じなかったので、ごめんなさい(お辞儀)

              しかし小さなホールで大編成オーケストラで
              しかも後ろの席だったので
              真っ直ぐ飛んでくるトランペットが
              まるで矢のように突き刺さって
              聖剣の刺さったアンフォルタス・・とは言いませんが(笑)

              パルシファルの後
              また司会の2人が出て来て
              ジョン・アダムスの解説。

              ジョン・アダムスの「和声学」の第2楽章
              ちゃんとタイトルが「アンフォルタスの傷」とついている。

              和声学はシェーンベルクの12音技法に行く直前の著作だそうで
              ジョン・アダムスはシェーンベルクの技法に対決するもの
              あるいは、全く反対の解決を提示しようとして
              この和声学という曲を作曲した、という話が出て

              ワーグナーのパルシファルのアンフォルタスの傷は
              芸術家が持つコンプレックスという深い傷を象徴し
              更に途中でマーラーの交響曲10番のモチーフを取り上げている
              という話は、かなり納得できるところ。

              和声学の第2楽章の演奏。
              ホールが小さいのに大編成オーケストラで
              しかもかなりすごい音量と言うのは
              残念ながら、音響効果としては、あまり良くない。

              トランペットのソロは良かったんだけど
              全体の音響に丸さが欠けていて
              鋭くなってしまうので
              でかい音、という印象だけが残ってしまう。
              (特にマーラーもどきの大音響が・・・)

              良いんだもん
              このコンサート、ちゃんと楽友協会でのチケットは持ってるし
              楽友協会の大ホールで聴いたら
              絶対に全く違う印象になる事はわかっている。

              最後に第3楽章の演奏までしてくれて
              (まぁ、これは派手に終わる)
              ラジオ番組収録なら1時間くらいか、と思っていたら
              幕間なしに、しっかり1時間30分、聴かせてくれたので
              チケット入手の時の怒りは忘れてしまった(笑)

              ジョン・アダムスについて
              どんな解説を聞いても、いつも
              フィリップ・グラス、スティーヴ・ライヒと共に
              ミニマル・ミュージックの創始者と言われているが

              フィリップ・グラスの作品や
              スティーヴ・ライヒの作品も知ってるけれど
              ジョン・アダムスの作品って
              他の2人とは全然違うように思えるんだけど。

              グラスのようなモチーフの繰り返しも
              あまり目立たないし(時々はある)
              ライヒのようなリズムずれ感もないし
              かなりロマンティックな
              長いボーゲンでのメロディがテンコ盛りだし。

              ミニマル・ミュージックだと
              グラスも好きだし(バレエでも使われている)
              (日本では一時リラックス・ミュージックとして流行ったらしい)

              スティーヴ・ライヒはローザス・ケースマイクルがよく使っていて
              ミニマル・ミュージックの最初の曲と言われる
              テリー・ライリーの in C は
              時々、無性に聴きたくなる時がある。

              そんな訳で、割に聴き慣れているジャンルだと思うんだけど
              ジョン・アダムスの曲って
              その中でも特殊な感じがする。
              (第一、聴いていても全然リラックスしない(笑))

              ジョン・アダムスの「和声学」は
              マイクル・ティルソン・トーマスと
              サンフランシスコ交響楽団の Keeping Score シリーズの DVD を買った時
              アメリカ音楽の CD を一緒に買った中に入っていたので
              ハード・ローテーションで聴いてはいたのだが

              何せ記憶力ゼロなので(涙)
              (まぁ、あの曲を暗記できる程聴いても
               何か良い事があるとは、あまり思えないけど(笑))

              本コンサートは土曜日。
              指揮者から「心がない聴衆」とか思われないためにも
              ちょっとパルシファルの序曲と変身(そんなのあったっけ?)を
              どこかで引っ張り出して
              少しは予習しておこうと
              堅く決心している私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。





              ウィーン交響楽団 + グスターボ・ヒメノ

              0
                Musikverein Großer Saal 2016年1月25日 19時30分〜21時20分

                Wiener Symphoniker
                指揮 Gustavo Gimeno
                バイオリン Baiba Skride

                Franz Schubert (1797-1828)
                 Ouvertüre “Im italienischen Stile” D-Dur, D 590
                 Symphonie Nr. 3 D-Dur, D 200
                Karol Szymanowski (1882-1937)
                 Konzert für Violine und Orchester Nr. 2, op. 61
                Maurice Ravel (1875-1937)
                 Daphnis et Chloé. Suite Nr. 2

                ルクセンブルク交響楽団と来たグスターボ・ヒメノが
                ウィーン交響楽団とコンサート。

                3日続けての公演で
                本当は後になればなるほど
                慣れて良くなっていくのはわかってはいるのだが
                明日も明後日も別プログラムがあるので
                初日に楽友協会へ。

                先日のルクセンブルクでは
                最後のシューベルトが滑りまくっていて
                (いえ、個人的な独断と偏見ですが)
                今回の前半がシューベルト・プログラムって
                サービス精神のある指揮者なのか
                コワいもの知らずなのか
                それとも、本当にシューベルト好きなんだろうか?

                最初の曲は私は知らない。
                (予習もしませんでした、ごめんなさい)
                ゆったりとしたテンポと言えば聞こえは良いが
                何か、どっしりして重くて
                シューベルトっぽい感じはしないなぁ。

                もちろん最初の導入部の後は
                テンポ・アップはするのだが
                テンポが速くなったのに
                重苦しさはなくならず

                いや、曲が「イタリア風」だからだろうとは思うが
                シューベルトにしては
                異様にウエットでドラマチックで
                う〜ん・・・ ちょっとこれ、私の好みではないんだけど。

                交響曲3番も同じく
                四角四面で軽さがなくて
                だいたいシューベルトの交響曲って
                ウィーンっぽく、洒脱でちょっと遊び心があって
                アンプロンプチュでカプリッチオの筈なんだけど。
                (ワケのわからん個人の好みですみません)

                あのアムステルダム・コンセルトヘボーのパーカッションで
                指揮の才能を、名だたる指揮者の面々に発掘されたという
                エピソードには事欠かない指揮者なのだが
                何か、シューベルトにはマジメ過ぎて
                面白くないぞ。

                後半はバイオリニストのバイバ・スクリデが登場。
                実はこの若くて美人なバイオリニストのコンサート
                今まで何回か聴いているのだが
                あまり良い思い出がない、というより
                このバイオリニストの
                ウエットでポルタメントたっぷりの
                まるで民族音楽の泣き女みたいなバイオリン
                非常に苦手だった。

                よって、最初から何にも期待してなくて聴いた
                カロル・シマノフスキのバイオリン協奏曲2番が

                えらく良かったのである(驚愕)

                ウィーン交響楽団のちょっと尖った現代的な音色と
                ちょっと泣き節の多いスクリデのバイオリンが
                ものすごくマッチしていて

                さすがに近代音楽(現代音楽ではない)の曲なので
                今まで辟易したウエットで感情過多のところも気にならず

                しかもこのバイオリンのカデンツァ
                何てまぁ、見事というか
                ダブル・ボーゲンで、あんなテクニック使えるんですね?

                豊かなバイオリンの深い音響が
                ホール一杯に広がって
                ありゃ〜、このバイオリニスト、すごいじゃん。
                何でこんなに聴き惚れてしまうの?

                バイオリンそのものの音色も
                多彩で、どんどん変化していって
                シューベルトでは鼻についた
                過剰なドラマチック的要素が
                シマノフスキでは、完璧に活きている。

                いや、驚いた。
                何て素晴らしい曲なんだ。
                ちょっと探して、後でもう一度聴いてみよう・・・

                この指揮者、意外とイケるかもしれない。
                (おお、偉そうに(笑))

                最後がラヴェルのダフニスとクロエ組曲第2番。

                最初のピアニッシモの音色で
                椅子からずり落ちそうになった。

                リズムだけの指揮者かと思っていたら
                何ですかその繊細で細かいくせに透明感のある音色は?!

                だいたい、この最初の出だしの音色って
                むちゃくちゃ難しい(はず)
                団子になってもイケナイし
                どこかの楽器が飛び抜けてもダメだし
                バランスと音の長さの名人芸的な要素を必要とされるのに

                この指揮者、実は音響オタク?

                シューベルトもそうだったんだけど
                (で、それが、反ってあざとく聴こえたのだが)
                最初のテンポをギリギリまでゆっくりで演奏する。
                若い指揮者に有り勝ちな
                速めテンポで印象的にグイグイ攻めようというのがなく
                信じられない程の忍耐力で
                耐えて耐えて耐えて
                その代わりに、ダレないように音色に徹底的に拘っている印象。

                で、当然、やるよね、と思った通り
                後半で、前半と対比的なテンポ・アップ(予想はつく)

                ただ、テンポ・アップした後に
                タメが全くなくて
                普通、ちょっとタメるよね、というところを
                グイグイ、すごい促進力で
                疾走して駆け抜けて、暴風が吹き荒れてる感じ。

                しかもこのヒメノの指揮
                確かにパーカッション出身という事は
                絶対に体育系マッチョだと思うのだが
                一拍一拍を、最初から最後まで
                全部振ってるぞ(驚)

                しかも、ものすごく正確に・・・

                何か、あんなに教科書通りの振り方
                しかも速い部分も
                物理的に何の困難もみせず(アスリートだろうあれは)
                ちょっと動き過ぎでうるさくなる位の
                激しいダンスを指揮台の上で踊っている。

                その上、それを上半身だけでやってるのでビックリする。
                顔の表情は全く動かず
                最初から最後まで
                能面のごとく、マジメで真剣な顔で
                上半身と腕が、目まぐるしく動いて
                しかも、それが
                教科書通りの3拍子・4拍子・6拍子・8拍子と
                指揮棒がヒラヒラ動くのである。

                いや、指揮者がどんなダンスを指揮台の上で披露しようが
                出てくる音楽がすべてなので
                動きはどうでも良いんだけど(笑)

                良い意味で、すごく鋭い感じの
                締まったマッチョな演奏になっていて
                でも、それが暑苦しい筋肉じゃなくて
                かなり鑑賞の耐える筋肉の付き方になっていて
                あっ、何を言わせるんだワタシに(汗汗)

                楽友協会の支配人も
                前半では、椅子の背にもたれて聴いていたけれど
                後半になったら、支配人ボックスから身を乗り出してたし。
                (今日は反対側からだったから、見えちゃった(笑))

                名だたる指揮者に取り入った
                こすっからいオーケストラ・プレイヤーかと思っていたが
                もしかしたら、この指揮者、お買い得かも(こらこらっ)

                いやちょっと本気で
                明日と明後日の同じコンサート
                後半だけ(シューベルトは要らない)聴きたくなって来たぞ。

                でも明日も明後日も
                ギッシリ予定を詰めてしまって
                (しかも、2日待てば50%割引で買えたチケットを
                 わざわざ正規料金で買ってしまったアホは私です)
                残念ながら、もっと良くなっているだろうコンサートに行けない(涙)

                こういう思いがけない
                えっ?という体験があるから
                やっぱりナマがないと生きていけないんだわ、と
                人が聞いたら誤解されそうな発言を(いいんです、もうババアだし)
                ついついしてしまう私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                リーズの結婚 9回目

                0
                  Wiener Staatsoper/Staatsballett 2017年1月24日 19時30分〜21時40分

                  LA FILLE MAL GARDÉE
                  Ballett in zwei Akten nach einem Libretto von Jean Dauberval
                  振付 Frederick Ashton
                  音楽 Ferdinand Hérold, frei bearbeitet und eingerichtet von
                  John Lanchbery nach der Fassung von 1828
                  舞台・衣装 Osbert Lancaster
                  指揮 Simon Hewett

                  未亡人シモーヌ Roman Lazik
                  リーズ Natascha Mair
                  コラ Davide Dato
                  トーマス Gabor Oberegger
                  アラン Masayu Kimoto
                  村の公証人 Christoph Wenzel
                  書記 Robert Weithas *
                  オンドリ Marian Furnica
                  メンドリ Abigail Baker, Marie Breuilles, Joanna Reinprecht *, Carolina Sangalli
                  リーズの友人 Elena Bottaro, Iliana Chivarova, Adele Fiocchi*, Eszter Ledán,
                  Anita Manolova, Suzan Opperman, Franziska Wallner-Hollinek
                  村の住人たち Natalya Butchko, Vanessz Csonka, Sveva Garguilo
                  Oxana Kiyanenko, Erika Kovánová, Katharina Miffek, Andrea Némethová
                  Alaia Rogers-Maman, Rikako Shibamoto, Ilia Tcaciuc *, Céline Janou Weder
                  Beata Wiedner,
                  Kristian Achberger, Attila Bakó, Leonardo Basílio, Marat Davletshin,
                  Alexis Forabosco, Trevor Hayden, Igor Milos, Alexandru Tcacenco
                  Zsolt Török, Arne Vandervelde, Jaimy van Overeem, Géraud Wielick

                  本日のコンマスはシュトイデさん。
                  この演目でこのキャストを観る度に
                  ナターシャ、きゃ〜っ、と喚いているのは
                  あまりに芸がないし
                  読者諸氏は耳タコだろうから
                  今日は止めておく。
                  (あああああ、でもナターシャ(こらっ!))

                  この演目のキャストのキモは
                  ローマンと木本クン(断言)

                  だってだってだって
                  ローマンって、2007年に国立バレエ団に入った時から
                  ずっとずっとずっと王子さまだったんですよ?!

                  忘れもしない2008年3月23日の
                  ヌレエフの70歳誕生日の記念公演の白鳥の湖で
                  第4幕のジークフリートで観たのが最初だと思う。

                  あの頃はシショフがまだ若くて
                  第1幕のジークフリートを踊ったんだけど
                  ちょっと目立つ失敗があって
                  (その後、全幕のジークフリート踊ったんだけど
                   あの頃はちょっとスランプ気味でもあった)
                  第1幕のオデットは中村祥子さんが踊って
                  第3幕のジークフリートはグレゴール・ハタラが出たんだよね♡
                  考えてみれば、むちゃくちゃ豪華な舞台であった。

                  あの時、ローマン初めて舞台で見て
                  あ、これ、次世代の王子さまとして重用する気だな
                  と思った通り
                  (だいたいその前からロメオを踊ってるし)
                  マノンのデグリューから
                  オネーギンから
                  マイヤーリンクのルドルフ皇太子まで

                  ともかくこの人は「王子さま」なんですってば。

                  実に優雅な、足音を全くさせないジャンプに
                  筋肉の目立たない本当にキレイな身体で
                  表情のある無表情が出来て(意味わからんが忘れて下さい)
                  ナヨナヨしたマッチョさというか(意味わからんが忘れて下さい)

                  演技力も抜群で
                  特に悲劇の役で
                  苛められてボロボロになっていく役をやらせると
                  鬼気迫るシーンを真に迫ってやってくれるので
                  観ている方まで感情移入しちゃって
                  タイヘンな事になるのだが

                  そのローマンが
                  意地悪婆さんシモーヌって・・・

                  先シーズン初めて見た時には
                  目を疑ったし
                  えっ、えっ、あのローマンが・・・・と
                  一瞬、気が遠くなった。

                  もともと演技力のある人だから
                  コミカルな役どころも、しっかり作ってはいたのだが

                  今日はローマンの演じる
                  意地悪婆さんシモーヌが
                  最初から観客に異様にウケた。

                  笑い声は漏れるわ
                  拍手は多いわ

                  客席の反応が良かったが効いたのか
                  今日のローマン、ものすごくノリだして
                  いやもう、もともと演技巧い人だから
                  いったんキャラクターにハマったら

                  バカウケ(爆笑)

                  まさか、あの上品で色のない王子さまタイプが
                  こんなキャラを完璧に演じてしまうなんて・・・

                  しかもカーテン・コールの時もノリノリで
                  コールドの並んでいるところに戻る時に
                  回転技かなんかで戻ってるし。

                  そう言えばローマンって
                  役にハマると
                  カーテン・コールの時にも
                  なかなか自分に戻って来ない事が多くて

                  ルドルフ皇太子やった時なんか
                  カーテン・コールでも顔が完全にまだ死んでいた位で
                  (いや冗談じゃなかったです、ホント)

                  シモーヌにハマってしまったら
                  今頃、舞台を降りてからも
                  あら、いや〜ね、ナニそれ? とか
                  言ってるんじゃないだろうか(邪推・妄想)

                  ダンサーの成長を追い掛けるのは
                  ファンの楽しみでもあるけれど
                  まさか王子さまから意地悪婆さんへの変身を
                  この目で目撃する事になろうとは・・・

                  キャラクターで際立っているのは
                  アラン役の木本クン。

                  アランは金持ちのボンボンで
                  ただ、どこか足りないおぼっちゃまで
                  弄くられキャラで
                  あっ、それ、知的障害者に対するイジメですね
                  と確信してしまうシーンもあるのだが
                  (アシュトンが悪い・・・って、まぁ、そういう時代の
                   そういうおとぎ話なので(笑))

                  このキャラ作りが、すごく良いんです ♡

                  わざと軸を外している
                  非常に難しい振付を
                  自然に楽々とこなしているのも素晴らしいけれど

                  なんかペーソスがあるというか
                  アホだなこいつ、とだけバカにして終わらない
                  ちょっと愛されるキャラになってる。

                  村の若い人たちから苛められても
                  イジメをイジメとして把握していないボケ加減が
                  陰惨なシーン(と見えなくもない)を救っているし

                  リーズとコラに無視されながら踊る
                  パ・ド・トロワとかでも
                  他の女の子に気を逸らせれると
                  それはそれで、あっ、ボクちゃん、ちょっと幸せ、という

                  ヘンにシリアスに同情を買ってしまう
                  可哀相なタイプに演じていないところが
                  とても好感が持てる。

                  ダンスだけではなくて
                  キャラクターの心理まで掘り下げたな、って感じがする。

                  そういう事をつらつらと考えると
                  主役級のキャピキャピのキャラクターより
                  アホ役の方が難しいんだろうなぁ。
                  ダンスだってオフ・バランス続きだし。

                  オーケストラがちょっと、いや、かなり不安定で
                  前半の最後のトゥッティで
                  リズム合わなくなっちゃって焦ったし
                  冷汗かきそうになった部分もあったんだけど
                  でも無理やり揃えて何とかしたのは
                  プロの技だな。
                  (って、本当はリズムずれなんてあってはイケナイ(笑))

                  内容的には
                  障害者イジメみたいなところはある演目だが
                  木本クンのキャラクターで
                  陰惨な印象は全くなくて

                  文句なく楽しい演目です!!! ♡

                  次の公演はキャストが変わって
                  ニナ(トノリ)と
                  期待の新人、ヤコブがコラを踊る。
                  (先シーズン最後にヤコブとナターシャが踊った時は
                   もうあまりの可愛さと可憐さに失神しそうだった)

                  チケットけっこう取りやすいみたいだし
                  (要はあまり売れていないんです。
                   題名がフランス語だからかしら?)
                  ウィーン在住の皆さま
                  次の公演がキュートなヤコブが
                  唯一出演するリーズの結婚ですよ!!!

                  2月はリュドミラとミハイルのカップリングだから
                  新鮮で可愛らしいというよりは
                  ・・・(あっ、しまった、すみません)

                  こういうチャーミングな公演が
                  一番安い席だと(選べば舞台が(少しは)見えるところがある)
                  11ユーロで鑑賞できちゃうのも
                  国立オペラ座の良いところ。
                  (高い席は144ユーロ。
                   立ち見は平土間4ユーロ、バルコン・ギャラリー3ユーロ)

                  オペラ座がステキなのは
                  高い席もあるけれど
                  安い席は徹底的に安いという事で

                  ちなみに、チケットがそんなにむちゃくちゃ高くないのは
                  我々オーストリア在住の人間が
                  せっせと高い税金を払っているからです(笑)

                  眼福のひとときに酔った私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                  シカゴ交響楽団 + ムーティ

                  0
                    Musikverein Großer Saal 2017年1月23日 19時30分〜22時

                    Chicago Symphony Orchestra
                    指揮 Riccardo Muti

                    Paul Hindemith (1895-1963)
                     Konzertmusik für Streicher und Blechbläser, op. 50
                    Edward Elgar (1857-1934)
                     In the Sough (Alassio). Konzertouvertüre, op. 50
                    Modest Mussorgskij (1839-1881)
                     Eine Nacht auf dem kahlen Berge
                     Bilder einer Ausstellung. Orchesterfassung Maurice Ravel

                    シカゴ交響楽団と
                    帝王リッカルド・ムーティの客演。
                    実は2回あって
                    明日はリヒャルト・シュトラウスのドン・キホーテに
                    チャイコフスキーの交響曲4番なのだが

                    国立オペラ座のバレエが優先で
                    チケット取ってません。

                    何せ重症の
                    クルレンツィス・コパチンスカヤ症候群に罹患しているので
                    こんな症状の時に
                    シカゴ交響楽団+ムーティの
                    「普通の」クラシック・コンサートに行ったら
                    さすがの帝王ムーティの作る音楽でも
                    ケッ、とか言い出しかねない・・・という不安もあった。
                    (失礼な言い方だが、最初のク・コ症候群に罹患した後で行った
                     ウィーン・フィルとビシュコフは
                     回復するのに2日かかったからね)

                    結果だけ簡単に記すと

                    ク・コ症候群から完璧に一瞬で立ち直りました(笑)

                    更に加えて
                    年にほんの数回だけ
                    あああああ、神さま、本当にありがとう!!!!と
                    感涙に咽ぶコンサートがあるのだが

                    ツィッターに書いた通り
                    この世の神さま、及びその類の、妖精さんやら地霊さんやらに
                    ひれ伏して感謝したくなる程の強烈な体験となった。

                    最初見た時は
                    チクルスで持ってるから行くけど
                    何で私の苦手なヒンデミットにエルガーが前半なのよ
                    後半の展覧会の絵だって
                    もう何回様々なオーケストラと指揮者で聴いたか

                    前半は完全に寝落ちして
                    後半は飽き飽きしてげっそりするんじゃないだろうか

                    と真剣に思っていたのである。

                    苦手なヒンデミットの曲
                    最初の金管の音が出たとたん

                    ええええええっ、何ですかこれ!!! 😱
                    金管の音が音が音が・・・(絶句)

                    読者ご存知の通り
                    楽友協会の大ホールというのは
                    まるで教会のごとくの残響があって

                    力強いオーケストラが
                    思い切り音を出してしまうと
                    音が濁って、ウルサイなんて言うもんじゃなくて
                    耳を押さえて飛び出したい衝動に駆られるのだが

                    こんなに金管が全員揃って
                    しかもフォルテで吹き捲くっているのに

                    音が完璧に丸みを帯びて
                    しかも金管の輝くような色があって

                    いや、楽友協会でこの音色
                    どうやって出したんです????

                    しかも金管と弦のポリフォニーが
                    この上ない絶妙なバランスで
                    濁らずクリアに響いてくる。

                    まるで魔法のような世界が
                    厚みとまろやかさを兼ね備えたオーケストラの音で
                    全身を絹のように包んでしまい
                    この世とも思えない音響に悶えまくる。

                    ウソでしょ、ヒンデミットって、こんなに素晴らしかったの?
                    今まで聴いて、音がボッテリ厚くて、面白いと思った事なかったのに
                    厚みのある音響は
                    華やかさとなり、内部の透明さまであって
                    ゴージャスなのにオレオレにならず
                    これ、正にエンターテイメント・・・なのに

                    時々、何か得体の知れない
                    聖なるものが楽友協会に満ちているような
                    すごく不思議な
                    祈りのような
                    静謐な別世界が広がっていく。

                    まさに魔法とはこれかもしれない。

                    エドワード・エルガーも苦手なのだが
                    (エニグマとゲロンティウスは例外)
                    これも何とステキな曲。

                    音響のバランスが絶品なのだ。
                    オーケストラのトゥッティの背景色に
                    色々な楽器のソロが乗って来て
                    様々なストーリーが脳内で次から次にイメージされる。

                    いや、あり得ないわ、エルガーの
                    しかも初聴きの曲が、こんなに楽しいなんて。
                    何て美しいオーケストラの音色(うっとり)

                    あくまでも優雅でカンタービレ。
                    強いオーケストラなのに出しゃばらず
                    節度と気品があって
                    しかも、むちゃくちゃ巧い・・・

                    後半の禿げ山の一夜。
                    うわあああああ
                    これは本当に演劇に限りなく近い。

                    ムソルグスキーが抱いたイメージが
                    立体的に浮き上がって
                    すごい色彩感で目の前に出現する。

                    作曲家の頭の中にある
                    我々が実際に見られないイメージを

                    音楽家たちが
                    世界最高の機能を持つビデオ・カメラで
                    細かい部分まで全部撮影して

                    それを、最高限度のピクセルを持った
                    ホール一杯の大スクリーンで見ているような印象。

                    とことん細かいところまで拘って
                    ムソルグスキーの描いた景色を
                    全部クリアに見せてあげよう・・・という感じか。

                    うははははは
                    禿げ山の一夜でここまでやっちゃったら
                    展覧会の絵はどうなるんだろう。

                    ・・・・凄かったです(断言)

                    音色についてはもうこれ以上は言うまい。

                    ムーティのリズムの取り方って
                    この上ない音楽性と老練さが混じってる。

                    チュイリー公園の、あのリズムの絶妙な揺らし方
                    あのセンスの良さって、いったい何ですか何なんですか。
                    卵の踊りの洒脱さ
                    (しかも途中で躓いて転んでるし(爆笑))

                    サミュエル・ゴルトベルクで
                    子供がすごい咳き込みして
                    (しかも親が連れて出ていかない(超怒!))
                    すごく気になったけれど

                    カタコンベでは
                    数百年に渡って沈滞した空気の匂いがしてきて
                    背筋がゾクゾクしてきて
                    完全に古代の洞窟に入り込んじゃったし

                    その後のプロムナードのピアニッシモの音色って
                    突然、ロココ様式のエルミタージュ宮殿の中に飛ばされてしまい
                    (いやビックリした、脳内で突然景色が変わった)
                    この上ない優雅さの中で
                    ゆったり歩いていたところに

                    突然のババガヤ出現!!!
                    バロックの金色の柱の後ろから
                    突然、怪物が飛び出てくるんだもん。
                    うわああああ、っと悲鳴を上げそうになりました。

                    堂々としたキエフの大門は
                    まず遠景から見えて来て

                    どんどん解像度抜群のカメラが近づいていって
                    あああああ、最後はこの上ないカタルシス。

                    怒濤のドラマ
                    ムソルグスキーとラヴェルの妄想に
                    引きずり回されて、翻弄されて

                    展覧会の絵の中に取り込まれて
                    古城の廃墟に立ったり、荷馬車に近づいたり
                    公園でコケったり
                    オバサンたちとお喋りしたり

                    う〜ん・・・何と言うか
                    クラシックの枠内にしっかり収まっているのに
                    (奇抜な事は何もしてないです)

                    その完璧な音色とリズム(含ゲネラル・パウゼ)
                    極限までドラマチックなのに
                    優雅さと品があって
                    エネルギッシュなのに乱暴でも粗くもなくて

                    ううううう、ムーティさま
                    参りました(深くお辞儀)

                    いや、あり得ないって
                    あのオーケストラの金管の見事だった事 ♡
                    輝く音色で完璧なアンサンブル
                    強いのにバランスが良くて
                    うるさくならずにホールに広がる
                    最高にゴージャスな音色。

                    このプログラム構成だって
                    かなり長いサービス精神の横溢したプログラムなのに

                    何とアンコールで
                    シチリア島の夕べの祈りの序曲!!!

                    ヴェルディですよ、ヴェルディ!!!!
                    私、ヴェルディ、苦手なんですけど
                    苦手なのに
                    何で何で何でこんなにカンタービレでワクワクしちゃうんですか。

                    ムーティのヴェルディは
                    ごめんなさい、もう「凄い」以外には何も言えません。

                    天才でイタリアンな音楽の心に満ちていてカンタービレで
                    老練な指揮者が演奏すると
                    歌って歌って歌って
                    ヴェルディって、こんなにドラマチックでチャーミングになっちゃうんですか。

                    序曲が終わった後も
                    できれば、そのままオペラに行きたい、と
                    ついつい切望してしまったではないか。
                    イタリア・オペラには行かないと堅く決心しているのに・・・

                    基本的にはブランドに興味はないので
                    シカゴ交響楽団だろうが
                    ムーティだろうが
                    別に名前に釣られて行った訳ではないし
                    (たまたまチクルス持ってたから)
                    ムーティさまだから音楽も良い筈とか
                    最初から全く思っていなかった。
                    (それどころか、クルレンツィス・コパンチスカヤの後で
                     こりゃ、つまらんコンサートになるかも、と思っていた位)

                    なのに、こんな凄まじい音楽体験が出来るなんて
                    あああああ、本当に神さま、ありがとう!!!

                    仕事で色々とストレスが溜っていても
                    こういう音楽を聴くと
                    全身が活性化するような気がする私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    こうなって来ると
                    明日のコンサートも気になるのだが
                    今、サイトに乗ってるチケットって
                    90ユーロですよ、90ユーロ!!!
                    (ビンボウは辛い・・・)

                    いや、ここまで凄い音楽を聴かされてしまうと
                    ムーティの追いかけする人の気持ちも
                    かなりわかるような気がする。
                    (私だって金と時間があれば
                     ムーティの振るオペラ聴いてみたい、と本気で思った)

                    シンデレラ (フォルクス・オーパー/バレエ)3回目

                    0
                      日曜日のダブル・ヘッダー。
                      時系列に読みたい方は、まず こちら をどうぞ。

                      下はその後の夜の部です。

                      Volksoper / Wiener Staatsballett 2017年1月22日 19時〜20時40分

                      CENDRILLON (Aschenputtel)
                      Ballett in zwei Akten
                      振付 Thierry Malandain
                      音楽 Sergej Prokofjew
                      舞台・衣装 Jorge Callardo
                      照明 Jean-Claude Asquié
                      指揮 Guillermo García Calvo

                      シンデレラ Dominika Kovacs-Galavics
                      王子さま Gleb Shilov
                      妖精 Kristina Ermolenok
                      継母 Lázló Benedek
                      継母の娘たち Samuel Colmbet, Keisuke Nejime
                      お父さん Patrik Hullman
                      王子さまの友人 Andrés Garcia-Torres
                      その他のダンサー
                      Tainá Ferreira Luiz, Laura Cislaghi, Marie-Sarah Drugowitsch,
                      Miriam Ensle, Irene Garcia-Torres, Suzanne Kertész,
                      Tessa Maga, Natalie Salazar, Josefine Tyler,
                      Michal Beklemdžiev, Roman Chistyakov,
                      Alexander Kedan, Martin Winter, Felipe Vieira

                      オーケストラ Orchester der Volksoper Wien

                      1回目で完璧熟睡、2回目も頑張ったけど寝落ち。
                      で、3回目は頑張って目を開いていようと思ったのだが

                      いかん、これ、どうしても眠くなる。

                      この間書いた通り
                      割にダラダラと音楽もバレエも続くというのがあるけれど
                      コパンチスカヤのセンセーショナルな演奏を聴いた後に

                      ダラダラダラと続く
                      プロコフィエフの音楽というのは
                      いや、フォルクス・オーパーのオーケストラ
                      傷もなく、手慣れた感じで
                      きちんとバレエ音楽として演奏していて見事なんだけど
                      音楽そのものが
                      あまりドラマチックでもなく
                      強弱もあんまりなくて

                      頑張って目を開いているのに
                      時々、パタッと意識がなくなるんです(涙)

                      キャストはこの間と同じ。

                      で、何でバレエ見ながら寝落ちするんだろう、と考えると
                      この振付、シンデレラのキャラがないんですよ(断言)

                      キャラが立っているのは
                      意地悪な継母と、その娘たちで
                      この3人は様々なシーンに出ずっぱりで
                      意地悪というよりは
                      不器用でブスなのに
                      一生懸命に玉の輿を狙っているという
                      まぁ、ブスの私としては
                      それなりにわかるというか
                      意外に共感を呼んでしまう役。

                      シンデレラなのだが
                      ソロは多いし
                      王子さまとのパ・ド・ドゥでは
                      かなり荒技のリフト・バランスはあるんだけど

                      ただおとなしくて
                      言いなりになっていて
                      カワイイ

                      ・・・だけで玉の輿に乗れると思うな。

                      オディールだってジークフリートを誘惑するのに
                      舞台の上で32回転するのに(違)

                      このシンデレラの振付って
                      キャラクターが全然なくて
                      色っぽさゼロだし
                      (まぁ、清純さを出そうとしたのはわかるけど)
                      メソメソ泣いてるだけで
                      弱いお父ちゃんの持ってるようなコミカルさもなくて

                      主人公に共感できません(きっぱり)

                      まぁ、モダン・ダンスだしな。
                      ほとんどがバレエ・シューズでトゥシューズないし
                      リフトは派手だけど
                      それ以外にド派手でドヤ顔で踊れるようなソロないし。

                      まぁ、全部の作品を賞賛しなければいけない、という事もないし
                      子供も多く来ていて、若い人たちも多くて
                      ブラボーが飛び交っていたので

                      きっと年代によって
                      ウケるモノって違うしね(笑)

                      カワイイだけで玉の輿に乗れると思っていた時代が懐かしい(違!)
                      というより、私、可愛くなかったしな(爆)
                      小学校・中学校で
                      男子が「頭良いよりカワイイ女子の方が絶対に良いよね」と
                      言っていたのがトラウマになってるかも。
                      (私は頭も悪かったけど(涙))

                      でもシンデレラって
                      ヨーロッパ版「おしん」だし
                      子供時代に苦労したけれど
                      努力もせずに玉の輿に乗りました、というのが
                      我々の一番好きなサクセス・ストーリーなんじゃないかな。

                      王子さまと結婚したシンデレラの生涯って
                      絶対に幸せではなかったと確信できちゃうし。
                      (ヨーロッパの格差社会ってある意味壮絶ですよ。
                       学歴や教養、言葉の問題、マナーの問題エトセトラで
                       貧しい階層のろくな教育を受けていないシンデレラが
                       突然、別の社会層に入ったからと言って馴染むワケないし)

                      でもそれはバレエとは関係ないですから(笑)

                      という訳で充実した日曜日を過ごした私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      頭も悪い、教養もないし
                      可愛くないしスタイル悪いしブスだし
                      ・・・という自己嫌悪の自分苛めはしてませんよ(笑)
                      事実は事実だし、そこを認めて
                      それなりに楽しく人生過ごしてます。
                      玉の輿乗るより幸せかも(ルサンチマン(爆笑))


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