天児牛大・山海塾 海の賑わい 陸の静寂 めぐり 2回目

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    Volkstheater 2016年7月31日 21時〜22時30分

    Ushio Amagatsu / Sankai Juku
    MEGURU - Teeming Sea, Tranquil Land
    Im Memoriam Ko Murobushi (1947-2015)

    振付、コンセプト、演出 Ushio Amagatsu
    音楽 Takashi Koko, Yas-Kaz, Yoichiro Yoshikawa
    ダンス Ushio Amagatsu, Seimaru, Toru Iwashita, Sho Takeuchi
    Akihito Ichihara, Dai Matsuoka, Norihito Ishii, Shunsuke Momoki
    舞台 Roshi
    舞台監督 Kazuhiko Nakahara
    照明 Satoru Suzuki
    舞台装置 Keizuke Watanabe
    サウンド Akira Aikawa

    山海塾の公演2回目。
    この間、高いチケットを買っていたので
    今度は貧民席を買ったかな、と思って手元のチケット見たら
    またもや、いや、もっと高いチケットを購入していて

    いやははは、山海塾が来る、とわかった時点で
    如何に舞い上がっていたかが自分でも何か可笑しい。

    このプロダクション、6部に分かれていて
    ドイツ語から意訳すると

    遥かからの呼びかけ(ソロ)
    海底の変容(4名)
    2つの面(3名)
    予感 - 静寂 - 震え(4名)
    化石の森(3名)
    織物(ソロ)
    帰還(7名)

    先日書いた通り、海底の変容のシーンは非常に印象的。
    イソギンチャク? や クラゲ? などなど
    かなり表現的にも直裁的でダンスも美しい。

    同じ4名が踊った、予感 - 静寂 - 震え は
    地上に於いての生命の誕生だろうたぶん。

    ダンサーが本当に震えるのである。
    ブルブル身体の各所が震えていたと思ったら
    まるで壊れた人形のような動きをして
    ここでもオブジェ感がスゴイ。

    最後の「帰還」で海のシーンの振付が繰り返されるので
    海シーンは印象に残りやすい。

    で、この4名のシーンに比べると
    3名のシーンは、今ひとつ抽象的で
    表現の意味のくみ取りが難しいのに加えて
    確かに踊ってはいるのだけれど
    静的な動作も多いので、割に地味。

    ただ、その地味で抽象的で哲学的な部分にこそ
    武道の腰の使い方や(あの腰を落とす構えにゾクゾクくる)
    能か歌舞伎のような独特の美があるのも確かだが。

    で、それが良いか悪いかの価値判断はナシとして
    天児牛大と山海塾が
    海外、それもパリあたりで高く評価されている、というのは
    非常に理解できると思った。

    いわゆるヨーロッパ人がジャポネスクというイメージで抱く
    謎めいた美的感覚というのを
    実に上手く表現してるよ、これは。

    わかりやすい派手な部分(4人のアンサンブル)に
    ちょっと謎めいて、不思議な動きで
    哲学的、あるいは禅みたいな印象で
    見ている観客に、高尚なモノを観ているような気分にさせる
    わかり難い3人のアンサンブルに加えて
    抽象的だけど、何となくわかるかも、というソロがあって

    謎めいた美的感覚を持つ
    しかも男性だけなのに、何となく妖しげで

    不思議な国、ニッポン、一丁出来上がり!!!

    ・・・いやいやいや、大変失礼いたしました(冷汗)

    室伏鴻が徹底的に鍛え上げた肉体を
    徹底的に痛めつけるという
    ある意味、日本的武士道の残虐性を表現したのと
    全く違う行き方で

    ヨーロッパのインテリ層にウケる
    謎の国ジャパンの不可思議な美的イメージを
    ここまで見事に表現したら、そりゃ評価も高くなるだろう。

    別に貶めている訳ではございません。
    私だって、そこに表現される摩訶不思議な美には
    圧倒されましたもん。

    Im Puls Tanz で注目すべきは
    後はマリー・シュイナールくらいかなぁ。

    今週、病欠でサボった分
    来週はしっかり仕事しなければ・・・と
    堅く決心する私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    金曜日の朝、やっと入っていた釘を抜いた。
    だってまた出て来ちゃってて
    これだけ出ちゃうと意味ないからって。
    抜くだけだったので痛くなくて
    やっと、シーツや、ズボンに引っかからなくなった。
    来週には抜糸だ。やっと車が運転できる!!!

    天児牛大・山海塾 海の賑わい 陸の静寂 めぐり

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      Volkstheater 2016年7月29日 21時〜22時30分

      Ushio Amagatsu / Sankai Juku
      MEGURU - Teeming Sea, Tranquil Land
      Im Memoriam Ko Murobushi (1947-2015)

      振付、コンセプト、演出 Ushio Amagatsu
      音楽 Takashi Koko, Yas-Kaz, Yoichiro Yoshikawa
      ダンス Ushio Amagatsu, Seimaru, Toru Iwashita, Sho Takeuchi
      Akihito Ichihara, Dai Matsuoka, Norihito Ishii, Shunsuke Momoki
      舞台 Roshi
      舞台監督 Kazuhiko Nakahara
      照明 Satoru Suzuki
      舞台装置 Keizuke Watanabe
      サウンド Akira Aikawa

      今回の Im Puls Tanz のワタクシ的目玉
      天児牛大の山海塾の公演!!!!

      室伏鴻が昨年、急逝してしまって
      舞踏関係の踊り手はもう来ないかと思っていたら
      今回は大物が来た!!!

      1970年代後半から80年代にかけて
      日本の暗黒舞踏がアングラだった時の大駱駝艦とか
      ちょっとハマった青春時代というのは

      いわゆる優等生(と自分で言うのもナンだが)の
      地味でデブでブスで、何の面白みもなくて
      クラシック音楽しか聴かず
      ついでにその中でもフーゴ・ヴォルフが好き、とか言う
      救いようのない真面目な女子学生が

      ちょっとアングラってカッコいいんじゃない
      とか言うイメージでハマったんですよね(あぁ、青春の恥)

      それまでのバレエとかと違って
      重心を下に置いて、腰を落として重力を感じさせるダンスなんて
      まぁ、その後、コンテンポラリー・ダンスとかでは
      クラシックのモダンでもあったんだろうけど

      暗黒舞踏って、ちょっと独特のイケナイ感があったんです、当時は。

      でも山海塾の公演は初めてちゃんと観る。
      ちょっと贅沢して、バルコンの値段の高いチケットを確保
      ・・・したら、前の人の頭が邪魔で
      最後の列だったので、結局、立って観る羽目になったけど(笑)

      今回の新作「海の賑わい 陸の静寂 めぐり」は新作で
      イタリア、フィンランド、パリ、ブラジルの後のオーストリア公演。

      最初は天児のソロ。
      能に近い最小限の動きに加えて
      その肉体の掴む空間の広さがスゴイ。
      まるでオブジェのような白塗りの身体が
      地面と空を繋いでいく圧倒的な動きの後に

      ダンサー4名が地面にねていて
      手足だけを動かすのだが

      これが何と言うか・・・イソギンチャク?
      海の中の生命の誕生というイメージがあって
      立ち上がってからのダンスも
      ダンス観てるというよりは
      生きてる彫刻を見ている印象が強い。

      時々、口を大きく開けるんだけど
      歯が全然見えないの。あれ、もしかして歯を全部抜いてるとか?
      それだけに、口が赤い開口部にしか見えず
      肉体のオブジェ感がむちゃくちゃ強い。

      3人のダンサーになると
      今度は舞台の真ん中が海になって
      左右と向こう側のコの字型にかけられた板のようなものが見えて
      その板の上から、海をなぞって行く。

      次のシーンは地上だな。
      ここでのダンスも、生命の始まりを象徴するかのようだが
      痛みに満ちたイメージが伝わってくる
      (私の解釈の間違いかもしれない)

      その後、また海に戻り、陸に上がって
      圧倒的なソロが入った後
      7名のダンサーが海と陸で繰り広げる不思議なオブジェ。

      ええ、もう、オブジェとしか言いようがないんです。
      しかも、もちろん私の解釈ミスだろうけれど
      まるで能か、歌舞伎を観ているような気分になるシーンがあって

      しかも歌舞伎の女形を観ているような不思議な気分になる時があって
      (ダンサーは全員男性です)
      男女という垣根がなくなって
      男性ダンサーなのに、異様に女性に見えてくるような部分があって

      倒錯的で異様にエロチックなんです
      あっ、ごめんなさい、そんな世俗的な印象を抱いちゃって(汗)

      しかしまぁ、ダンサーたちの「腰」がキマっている。
      もちろん、あくまでもコンテンポラリー・ダンスなので
      屈んだままだけではないけれど
      日本舞踊を観ているような、低い腰の動きが
      これまたエロチックで(それしか思い浮かばんのかお前は)

      でも、舞踏って、こんなに美しくて良かったのかしら。
      もっともっと、アングラで気味の悪いものと言うイメージがあったのに
      きっと、高校・大学時代から比べたら
      私も悪ズレしちゃったんだろうなぁ。

      でも何と言うか
      女性の入り込めない世界という感じで
      サムライの世界の衆道というか BL の世界というか
      いや、芸術作品にそういう世俗的な事を感じてしまう私が
      アホなのだけれど

      あの妖しい世界に圧倒されたわ、というワタクシに
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      音楽はずっと環境音楽を聴いているような感じだった。
      Youtube で見つけた別作品のクリップを貼っておきます。
      イメージとしてわかってもらえるかと思うので。
      4分弱の映像です。お時間ある方は是非。


      手術 その後

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        月曜日から何も書かなかったので
        はっぱは、もしかしたら倒れてるんじゃないか・・・と
        心配してくれていらっしゃる
        (でもちゃんとメールその他は遠慮して下さっている)
        素晴らしい読者の方々!!!

        生きてますよ、ワタシ(笑)

        月曜日の朝8時にもう一度病院に行くのに
        さすがに車は止めて
        バスで行ったのだが

        停留所で20分待ちとかあって
        徒歩なら15分の距離を40分以上かかったという

        ウィーン公共交通機関は
        年間定期365ユーロで、地下鉄も市電もバスも使えて
        非常に便利なんだけど
        まぁ、それ以上は言うまい。

        血の滲んだ包帯を取ってもらって
        傷口みたら
        非常に小さくて

        う〜ん、医者って、この小さなところから
        あれだけ骨をガリガリやったのか
        器用じゃないと勤まらない職業だなぁ・・・・と
        ヘンなところに感心してしまった。

        で、傷口はキレイだし
        ちゃんと真っ直ぐになってはいるのだが

        入っている金属の棒がズレてるって・・・

        だってだってだって
        金属棒が外にはみ出していたんですよ。
        しかも、週末に
        ベッドに入って掛け布団を首の方に引くと
        足先のその金属の棒がひっかかっちゃうわけですよ。

        ついでに、土曜日に買物に行く時にも
        生々しい血が見える包帯で行く訳にいかないから
        上から黒いソックスを履いたんだけど
        ソックス履く時にも、金属の棒がひっかかったの。

        ついでにズボンを履こうとした時もひっかかったよね確か。

        だいたい、そんなひっかかるような針金を
        ひっかかるように出しておく包帯の巻き方って???

        で、そのズレた針金を戻すのが
        先生っ!!! それ、ものすごく痛いです!!!(涙)
        ついでに、長過ぎたので針金(かなり太い)をカットした時に
        またまた、体内の針金の位置が動くので

        うわわわわわわ・・・そんな乱暴な・・・
        (キレイに化粧した若い女性の先生だったんだけど)

        で、メインの4番目は巧く治りかけていて
        確かにこちらは痛みはないのだけれど

        オマケの2番目が、日曜日からむちゃくちゃ痛かったので
        2番目が痛いですう〜と言ったら

        確かにすごく炎症起こしてるから
        抗生物質を出しておくわね。

        で、ここで恐る恐る先生に聞いてみる。

        あの〜、こういう手術の後
        普通はどの位、病欠扱いになるんでしょうか?

        普通は抜糸までだから、2週間から3週間。

        ・・・んな事、どの医者も言わなかったぞ!!!

        ウチのホーム・ドクターだけは
        その後、ちょっと歩くのに不自由になるから
        病欠出そうか?とは聞いて来たけど。

        こちらは、手術の後、次の日にオフィスに復帰する予定だった。
        (だいたい今まで入院した時も、退院した次の日から出社してたし)
        今回は幸運にも、土曜日・日曜日が間に挟まったから休めたが。

        え〜っと、今日から仕事に復帰予定にしてたんですが
        ・・・と言ったら
        異星人でも見るような目で見られて

        どういう仕事かにもよるけど
        オフィス・ワークなら、足は上に置いて仕事しなさいね。

        ともかく、針金をグリグリやられた後なので
        (看護婦さんから痛み止めはもらった)
        痛いの何のだが
        会社に行くと言ったからには行かねばならぬ
        という悲愴な決心で(← マジメな日本人)

        バスと市電と地下鉄乗り継いで会社に行ったのは良いのだが
        包帯グルグルの足を上司に見られて

        すぐ帰れ!!!

        しかも本社の上司からも電話があって

        すぐ帰れ!!!!!

        ホーム・ドクターに連絡したら
        今週一杯病欠!!!と言われて
        夕方までオフィスで
        横にもう一つ椅子を置いて、その上に足を上げて
        仕事していたら

        やっぱり痛みで冷汗が出て来たので
        ひよって帰りました。

        もちろん、ImPulsTanz にも行ってません。
        (行ってたらかなりヤバかったような気がする)

        というワケで
        抗生物質が効き始めて痛みが止まるまで
        自宅で仕事(やっぱり仕事かよ(笑))

        だけ、というワケには行かず
        今日、午後1時から出社したら
        上司に見つかって大目玉。

        (会社としては、病欠のスタッフに仕事してもらうと
         労働法違反になるから、罰金なのである(笑))

        3時間仕事したら、やっぱり気分悪くなったので
        即刻帰りました。すみません。

        今年は例年にない位
        テロの影響もろもろで、仕事がないので
        (ただ、一部急ぎの見積もりとかはある。ありがたい)

        何か仕事していないと
        世界から見放されたような気分になるんですよワタシ。
        (仕事依存症と言うなら言え)

        多少の仕事は自宅に持って帰って来たし
        明日は歩くのは止めて
        (あんまり歩くな、立つな、と言われてはいる)
        神さまがくれた休暇と思って
        自宅で、しっかりサボる予定でいる私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        まぁ、上手く行けば、今週一杯で病欠は終わり
        (というより、来週は同僚が休暇なので、私が出ないとどうにもならない)
        来週末に抜糸して
        この、めったやたらに邪魔な針金さえ抜けば
        やっと車が運転できる〜〜〜(って、それが欲求不満のモトだったりする)


        ケースマイクル 浄夜

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          Volkstheater 2016年7月24日 21時30分〜22時20分

          Anne Teresa De Keersmaeker / Rosas
          Verklärte Nacht

          振付 Anne Teresa De Keersmaeker
          ダンス Samantha van Wissen, Boštjan Antončič, Nordine Benchorf
          音楽 Arnold Schönberg, Verklärte Nacht, op. 4
          照明 Luc Schaltin, Anne Teresa De Keesmaeker
          衣装 Rosas / Rudy Sabounghi

          アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイクルの、この「浄夜」は
          2007年にウィーン劇場で「夜」というテーマでの公演で観た記憶がある。
          (残念ながら、2008年夏より前の記事は全部消えたが(涙))

          今回は旧作のリバイバルだが
          かなり改訂したようだ。

          私の乏しい記憶力によれば
          以前はもっと背景とかあって
          ケースマイクルにしては、何か全体的に伝統的だな、という印象だったが
          今回は削ぎ落とすところを、徹底的に削ぎ落として
          背景も何もなし。

          真っ黒な舞台の中で3名のダンサー(うち1名はチョイ役)が
          繰り広げる、ものすごい感情の嵐の世界。

          ケースマイクルの振付の中でも
          こういう徹底的にロマンチックな作品は非常に珍しい。

          最初は音楽がないまま
          男女のダンサーが出て来て
          その後、男性2人+女性1人で同じ振付があって
          男性1人はそこで終わり。

          舞台には男性ダンサー1人、女性ダンサー1人。
          男性ダンサーがジッと立っている間に
          女性ダンサーが背中から男性に縋ったりしながら
          1人で、ずっと激しいソロを踊る。

          出て来た時には
          ピンクの垢抜けない花柄の衣装で
          男性は普通の背広みたいなのを着てるし
          なんてセンスのない衣装だ、と思っていたのだが

          このピンクの50年代衣装みたいな女性の衣装が
          どんどん光っていって、存在感を増すのが不思議。

          ケースマイクルって、女性ダンサーの振付が巧い。
          ジッと立ってる男性も
          途中から踊り出すし、ちょっとソロもあるし
          最後には、非常にクラシックなリフトとパ・ド・ドゥを繰り広げるものの

          この舞台で異彩を放つのは女性である。

          まぁ、この浄夜のもとになったリヒャルト・デーメルの詩にしてからが
          他人の子供を身ごもった女性を
          これは僕の子だ、と受け入れる男性・・・と言う
          簡単に内容を書いちゃうと、なんかよくわからんストーリーだが

          これ、ドイツ語で読むと
          そんな単純なものじゃなくて
          女性という性の本能に導かれて
          母になりたい、という女性の徹底的な強さに
          男性が降参する、という感じに読める(勝手な解釈です)

          ケースマイクルの振り付けたこの女性の強さは凄まじい。
          男性を飲み込んでしまうかのようなエネルギーを撒き散らす。

          後半のアクロバティックなリフトの連続は
          非常にクラシックで、かなりロマンティック。

          ケースマイクル自身が
          「恥ずかしくなるほどロマンティック」と言っている(笑)

          シェーンベルクのロマンティックな音楽と相まって
          モダンだのコンテンポラリーだの考えなくても
          男女の気恥ずかしくなるようなラブ・ストーリーで

          いや、うははは、こういうのって意外に楽しいではないか。
          現代ゲージュツの難しい部分を取っ払って
          本当は何かもっと深い意味とかあるんだろうけど
          私みたいなゲイジュツ音痴でも
          単純に楽しめる作品でもある。

          いや、もっと難しい詩的で哲学的な内容はあると思うのだが
          そんなの知らんもんね(笑)

          いわゆるクラシック・バレエのファンが観ても
          違和感なく楽しめる、というのが正直な感想。

          ローザスの作品はかなり観て来たけれど
          ケースマイクルの女性の振付、やっぱり好きだなぁ。

          手術やら週末やらで
          3日間さぼった仕事が溜っているのがコワイが
          明日からまた、オフィス生活復帰の私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          さすがに骨を削られているから
          まぁ、痛いと言えば痛いので
          週末挟んで良かったとしみじみと思った。
          (本当は手術の次の日に出勤する予定だったが
           やってみたら、やっぱりそりゃ無理だわ(笑))

          ショックだったのは、血栓を防ぐ注射を
          太ももに打っていたら、内出血しちゃって
          腹の脂肪に打ったら、全然平気だったという・・・

          ううう、お腹の脂肪を何とかせねばヤバイ(汗)


          伊藤郁女 言葉を信じないので私は踊る

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            Akademietheater 2016年7月23日 21時〜22時20分

            Kaori Ito 伊藤郁女
            Hiroshi Ito 伊藤博史

            I dance because I do not trust words

            パーフォーマー Kaori Ito (娘) & Hiroshi Ito (父)
            演出・振付 Kaori Ito
            スクリプト Kaori Ito
            舞台 Hiroshi Ito
            照明 Arno Veyrat
            音楽 Joan Cambon, Alexis Gfeller
            マスク Eye Erhard Stiefel
            衣装 Duc Siegenthaler

            日本の、とは言っても
            どちらかと言えばフランスとかでの活躍の方が目立っている
            伊藤郁女が、父親の彫刻家 伊藤博史 との共演で
            約60分のパーフォーマンス。

            タイトルが示すように
            言葉を使わずにダンス表現か、と思ったら
            何と、言葉の嵐・・・
            (しかも英語である。参ったな・・・(笑))

            父親への質問がどんどんされていく。
            何故、禿げたの?とか
            娘の事を愛してる?とか
            幽霊を信じる?とか
            何故いつもTシャツを裏返しに着るの?とか
            何故あなたの彫刻作品は全部黒いの?とか

            そんな中で突然
            何故日本では失業者が福島で仕事をしなければならないの?
            というポリティカルな質問も出てきて、ギョッとする。

            その間約15分。
            立っているダンサーの伊藤郁女は
            ルルベしたり、ちょっと動いたりで

            そのルルベ見てると、すごい足・・・・
            甲が高くて、足の指が一つ一つ動いて
            めちゃくちゃ強い。

            お父さんの伊藤博史は、その間、ずっと上手(かみて)で座っているが
            途中から踊ったり
            下手(しもて)にある黒い彫刻作品を移動させたり

            アダージョのシャドー的な動きを2人でしたり
            最後は2人でダンスしたり
            日本語での質問+父親の答えが
            英語に訳されて後ろの壁に投影されたり。

            日本では私小説という立派なジャンルがあるので
            これも、個人的な父親と娘の関係をテーマにしたものだろうが

            すごいな、ここまでプライベートを晒すか。

            プライバシーを晒した作品と言えば
            アクラム・カーンが数年前に Dash という作品で
            父親と息子の相克を扱っていて

            これは移民の父親と
            ロンドンで生まれ育った息子の分化差を描いて
            息子が自分のルーツを探るというテーマもあり
            移民における親子関係という、一般的なレベルで
            非常に共感するところが多かったのだが

            アーティストの家族という
            かなり変わった環境の中の
            特殊な父親と娘の関係性を告白されても・・・

            言葉を信じないから踊る、というタイトルにしては
            最初から最後まで、言葉の連続で
            じゃぁ、ダンスが言葉の内容と相反するかと言うと
            別にそういうワケでもないし。

            時々、激しいダンスはあるけれど
            もともと言葉人間の私は
            あそこまで英語と日本語が使われると
            その内容の理解ばかりに頭を使ってしまうので

            はっきり言って、ダンスを観た、という気がしない。

            ダンス公演なのに、ずっと朗読を聞いていたような印象。
            (これ、ケースマイクルもそうだったから
             今年のイム・プルス・タンツのテーマ?
             いや、そんな事はない筈だが・・・・う〜ん)

            ダンス公演というよりは演劇?
            いや、途中でかなり踊っていたところもあるけど
            個人的な父と娘の相克と
            それを超えたところでの新しい関係という
            何か、ヘンにベッタリな感じが
            すみません、個人的には非常に苦手だ、こういう作品。

            ググると、このダンサー&振付師
            ヨーロッパではかなり有名らしいので
            きっと、素晴らしいのだろうが
            ゲイジュツが苦手な私には
            その素晴らしさがイマイチ理解できませんでした。

            どうせ芸術感性ゼロですし・・・と
            やさぐれて開き直る私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            手術

            0
              すみません、
              これ、個人の覚え書きなので
              覚えている事を、ずらずら
              小学校の遠足みたいに綴ってしまったのと

              やっぱり、それなりに病院の事なので
              読んでいて気分悪くなりそうな方は

              どうぞ、これにてお引き取り下さいませ。

              読みたい方は続きからどうぞ。
              ただし
              記憶がまだ新鮮なので

              異様に長い記事になっちゃいました(汗)

              あ、お帰りになる方
              厚かましいお願いですが
              よろしければ、ここで1クリックをいただけたら
              ものすごく感謝します。

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              グザヴィエ・ル・ロワ Untitled

              0
                Akademietheater 2016年7月21日 21時〜22時20分

                Xavier Le Roy
                Untitled (2014)

                コンセプトとパーフォーマンス Xavier Le Roy
                技術主任 Brno Moinard
                人形 Coco Petitpierre

                フランス人のケッタイなオジサンと言えば
                このグザヴィエ・ル・ロワに決まり。

                かなり以前から追い掛けているのは
                そのケッタイさが見事だからなのだが
                何年か前には、舞踏というタイトルで
                レクチャーだか踊りだか、ワケのわからないものを上演した。

                今年は本当に踊るんだろうか?とワクワク。

                照明がついたままの会場で
                舞台から降りて登場したケッタイなオジサンは
                手元に小册子を持って

                 え〜っと、これから英語でやります。

                 ここには来たのですが
                 すべて記憶をなくしてしまいました。

                客席から、どんどん声がかかる。
                何か助けになる事はありますか、とか
                名前はわかります? とか
                名前がわかったら、記憶はあるんじゃないですか?というツッコミや
                記憶がないのに、何故、ここに来たんですか?とか

                途中で、アナタ、ダンサーでしょ
                だったら、そこでくだらない事を喋っていないで
                舞台に乗って、何かしたら?という
                まぁ、日本だったら考えられないくらい
                正直な(観客全員そう思ってるだろう)感想も出て

                いや、第一部は記憶をなくした、という前提なので
                と言ったとたんに
                じゃぁ、第二部に行って下さい、という声も出る。

                そんな客席とのやり取りの後
                ライトが落ちて、舞台は真っ暗。

                で、そのまま、ずっと真っ暗(爆)

                客席からは、何やってるのよ
                踊らないんだったら、ワタシが舞台に出るわよ、という
                女性の声も聞こえてくる。
                (いや、どうせ来ている人の99%はダンサーだから
                 舞台に出て行ってもらっても別にワタシはかまいませんが(笑))

                真っ暗なのだが
                目が慣れて、よ〜く舞台を観ると
                下手(しもて)の手前に、人体らしきものが横たわっていて
                上手(かみて)では、人体2つが絡み合っている。

                少しだけ舞台に照明は付くものの
                やっぱり、むちゃくちゃ暗い中で
                上手(かみて)で微かな動きがあって

                どうも、ケッタイなフランス人が
                もう一つの人体らしきものと、絡まっている。

                絡まって、ゆっくり動く・・・というよりは蠢いていて
                音楽がある訳ではないし
                ともかく、舞台が暗くて
                目を凝らしてみても、あんまり見えない。

                で、その2つの人体の絡みの後
                グザヴィエ・ル・ロワが背中を観客に向けたまま
                芋虫みたいにズルズルと移動して行くと

                それまで下手(しもて)にあった人体が
                むっくり起き上がって
                とんでもないバランスでしゃがんだり立ったり

                少し照明が明るくなって
                上からのピアノ線が見えるので
                あぁ、これ、人形か、とわかるのだが

                うははははは、この人形、スゴイわ。
                動きが正にダンサーで、本当の人間みたい。

                そこで入るバルトークの音楽 ♡
                激しい音楽に乗って
                この人形が見事に踊りまくる。

                その間、ダンサー(生きてる方)は床に寝たまま
                手を動かしたりしているけれど
                ダンサーなんか誰も見てませんってば(笑)

                この人形、素晴らしい ♡
                上から5本のピアノ線だけで操って
                あの動きをさせているのだが
                人形使いの人、すごい天才!!!

                マリオネットの世界だわ、う〜ん。
                これだけの動きを人形にさせる事が出来るなら
                人間のダンサー、必要ないだろ(とついつい思ってしまう)

                照明が落ちて、拍手が起こって、何人か帰る人もいたのだが
                プログラムによれば、第三部の Untiteled Solo というのがあるはず。

                グザヴィエ・ル・ロワが着替えて、青い Tシャツとズボンで
                床に寝て、ほんの少しの動きから
                どんどん身体全体が動き始めるのだが

                わはははははは、この動きが「人形」なのだよ。

                しかも、第二部のピアノ線の人形が
                人間の動きに極限まで近いダンスだったのと反対に

                生きている筈のダンサーの動きが
                むちゃくちゃ人形っぽい。

                このケッタイなオジサン
                こういう不思議な動きをさせると
                そのセンスの良さって、何故か抜群なのだ。

                そこが手なのか足なのか、どんどんわからなくなってくるし
                ユーモアというかエスプリというか
                ワケわからないんだけど、めったやたらと滑稽。

                このパーフォーマンス、3部からなっていて
                1st Part : UNTITLED, a lecture
                2nd Part : Untitled Trio
                3rd Part : Untitled Solo
                と書いてあるから

                最初のレクチャーでは、記憶を取り上げ
                (その必然性があるかどうかは疑問だが)
                第二部では人形と踊り(オブジェクトの人間化か)
                第三部では、人間が人形になるという

                まぁ、コンセプトとしては割にわかりやすい。

                しかしやっぱりフランス人というか(偏見です)
                話すのが好きなのかしら、このダンサー。
                (以前の「僕の舞踏」も、ずっと喋ってたし)

                割に古い作品ではあるのだが
                身体の認識がヘンになってくるスゴイ作品のビデオを
                下に貼っておく。
                2分ほどなので、ぜひご覧あれ。
                私の大好きなプロダクションである。
                (これ鑑賞した時は笑い過ぎて涙が出た)



                明日はやっと病院のアポが取れたのだが
                朝の7時に来るように言われているので
                もう寝ます・・・という私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                FLA.CO.MEN イスラエル・ガルバン

                0
                  Volkstheater 2016年7月20日 21時〜22時40分

                  Israel Galván
                  FLA.CO.MEN

                  振付・演出・ダンス Israel Galván
                  歌 David Lagos, Tomás de Perrate
                  バイオリン・バス Eloísa Cantón
                  ギター・歌 Caracafé Proyecto Lorca
                  サクソフォン Juan M. Jiménez
                  パーカッション Antonio Moreno

                  フラメンコの天才、イスラエル・ガルバンのダンスは
                  以前にアクラム・カーンとのトロバカで経験しているけれど

                  今回は、フラ・コ・メンという作品で
                  イム・プルス・タンツに登場。

                  私事で申し訳ないのだが
                  実は今日、3ヶ月だか4ヶ月だか待った手術の日だったのに

                  前日に病院から電話があって
                  フラウ・はっぱ、医者も病床も足りないので
                  20日の手術が出来ないわ・・・という
                  もう、この国、どうなってるの、という感じ。
                  (まぁ、そういう国です。その代わり医療費は無料)

                  良かった、この日のチケット買っておいて・・・

                  さて、このプロダクション
                  いやもう、参った、参った。素晴らしかった ♡

                  最初から最後まで
                  正にエンターテイメントって、これかよ、という見事さ。

                  90分以上という長い上演時間で
                  確かに、ちょっと中だるみしたり
                  最後は割にダラダラ続いてしまった、というのはあるけれど

                  フラメンコであって、フラメンコじゃない。
                  正に革命児という名前にピッタリの
                  とんでもないプロダクションである。

                  いや、確かにフラメンコなのだ。
                  すごい技術というか
                  いやあれ人間技じゃないよね、という
                  目を剥くタップや鋭い動きに加えて

                  何て豊かな上半身、特に手の表情がスゴイ。
                  ただ指組んで動かすだけなのに
                  そこから出てくる表現力の豊かさに圧倒される。

                  しかも
                  フラメンコをおちょっくってるんかい?という
                  すごいユーモアがあるのに
                  正統的フラメンコから全く逸脱しない、という芸当。

                  加えて、このプロダクションに出演する脇役が
                  全員、めちゃくちゃ芸達者で
                  特にテノール歌ったフラメンコ歌手の男性のリズム感!!

                  ガルバンと一緒になって
                  手拍子・足拍子で歌うシーンがあるのだが
                  その見事な事と言ったら唖然とするばかり。

                  パーカッショニストが途中で何とフラメンコ踊ったり
                  (しかも上半身ハダカになって、手で胴体を打ちまくる(笑))

                  ガルバンが客席に乱入して踊りまくったり
                  (これは平土間の観客にはウケただろう。
                   私はいつもの貧民席だが、最後の列だったので
                   立ったら、ガルバンの上半身だけ見えた。
                   客席で堂々とピルエットしてた(爆笑))

                  実はフラメンコというダンスのジャンルは
                  ワタクシ的には、あまり好みではないのだが
                  (あの泣き節の歌が苦手なんです)

                  このプロダクションの途中で何回か入る
                  泣き節のスペイン曲は、何故かとても楽しく聴けた。

                  だって、フラメンコとかスペイン民謡に
                  ドッと入っているセンチメンタルさが、全くないんだもん。

                  スタイリッシュでモダンで
                  いや、ポスト・モダンなのかあれは
                  ドロドロした感情的な
                  勝手にやってなさい、ったくもう、という部分が
                  見事に欠けていて
                  感情的なモノが苦手な私でも、とことん楽しめる。

                  ガルバンのダンスの見事さというのは
                  本当に信じられない位で
                  超絶技巧なんて言葉に出来ない凄さで
                  もう、ホントに宇宙人としか思えない(あはは)

                  ただ、ガルバンの凄さというのは
                  フラメンコ、という技術をしっかりと踏まえた上で
                  その枠組みを取っ払って
                  もっと先の大きな世界に飛び出したというところにありそう。

                  うはははは、こういう素晴らしいパーフォーマンスが見たかったのだ。
                  今年のイム・プルス・タンツは最初からステキ ♡

                  肝心な手術は後にずれ込んだけれど
                  その代わりに、このパーフォーマンス観られて
                  幸せ♡なワタクシに
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  病院行く、と言ったら
                  心配して電話したり、メールが来たりするのが
                  非常にウザい人間なので
                  (いるんですよ、そういう個人生活に踏み込んでくるアホが!!!(怒))
                  この件については、連絡は厳重に禁止です!!!!!



                  ケースマイクル・ローザス 旗手クリストフ・リルケの愛と死 2回目

                  0
                    Odeon 2016年7月18日 21時〜22時20分

                    Anna Teresa De Keersmaeker
                    Michaël Pomero
                    Chryssi Dimitriou

                    Die Weise von Liebe und Tod des Cornets Christoph Rilke
                    振付 Anna Teresa De Keersmaeker
                    音楽 Oper per flauto, Salvatore Sciarrino,
                    Immagine fenicia, All’aure in una lontananza
                    衣装 Anne-Catherine Kunz

                    しつこい私は
                    理解できないモノについては、もっとしつこくなる(すみません)

                    という事で、ケースマイケルのリルケの2回目。

                    リルケの叙情詩の内容は、簡単に書けば

                    18歳の若い貴族の男の子クリストフが
                    トルコ戦争に従事して
                    何日間も馬で駆けて駆けて駆けて
                    秋なのに太陽が照りつければ熱いし
                    景色は変わらないし
                    みんな疲れている。

                    フランス人の王子さまと知り合いになって
                    この王子さまがバラの花を持って来ていて

                    くそ、こいつ、女がいるのか
                    オレには女がいない・・・と思っていたら

                    フランス人王子さまが離脱して
                    その時に、バラの花びらをくれたので
                    軍服の胸のところに隠して
                    他人の女だが、自分を守ってくれるだろう
                    (って勝手な思い込みではあるが、それが18歳(笑))

                    将軍を見つけたので
                    持って来た推薦状を出したら
                    じゃぁ、キミ、旗持ちになってね

                    うわ〜、ママ、僕、旗持ちになったよ!!
                    と浮かれてしたためるお手紙。

                    戦場を抜けてお城にたどり着けば
                    美味しい料理や娼婦のもてなし。
                    一息ついていたら
                    城主夫人が誘惑して来て
                    そのまま軍服を脱いでベッド・イン。

                    名前も問わず、やるだけやった後に
                    とろとろ寝ていたら
                    窓が赤くなって
                    あれ、まだ陽も昇ってないよね?と思ったら
                    トルコ人が攻めてきて

                    こら〜っ、旗持ちは何処だ〜という怒鳴り声に驚いて
                    防具も付けず、ヘルメットも付けず
                    慌てて旗を持って駆け出して
                    トルコ人の刀にやられて、はい終わり。

                    職務怠慢・・・とは言えないか
                    一応、命をかけて旗を持って飛び出した訳だし
                    だったら、リスク・マネージメントの欠如だな。

                    とついつい考えてしまう自分がちょっとイヤ(自爆)

                    昨日はケースマイケルの朗読に聴き惚れてしまって
                    セリフのない部分のパ・ド・ドゥの素晴らしさには感激したが
                    その後の朗読が始まってからのダンスに注意が向かなかったけれど

                    昨日書いた通り、この作品のパ・ド・ドゥ、すごく好き。
                    朗読が始まってからも、途中まで男性ダンサーと一緒に踊るのだが

                    数センチか数ミリの距離を取りながら
                    シャドー・ダンスになっても
                    絡むシーンになっても
                    全く身体が触れ合わないのに
                    2つの肉体が連動し合って、共鳴しているのがよくわかる。

                    正しい伝統的な日本文化で育った日本人としては
                    身体の触れ合いというのは、なるべく避けたい訳で

                    最近はハグしてチュッチュやるのもイヤだし
                    他人から肩や腕に触れられるのもイヤなので

                    こういう、微妙な距離を取りながら
                    それでも通じ合っている、というダンスには
                    かなり惹かれるものがある。

                    男性ダンサーとのパ・ド・ドゥのところでは
                    フルートがもう一曲、アカペラで演奏する。
                    これがまた、美しい音色で、ちょっとウットリ。

                    男性ダンサーが引っ込んでからのシーンでは
                    特にお城でのパーティのところでは
                    朗読しながら、ケースマイケルの動きが意外に激しい。

                    ケースマイクルとローザスのプロダクションは
                    かなり早い時期からずっと追い掛けていたのだが
                    このダンサー(というか振付師)のプロダクションって
                    スティーブ・ライヒを使ったり
                    ルネッサンス音楽を使ったりした後
                    一時は、音楽そのものをカットしてしまって
                    ダンサーの動きの音だけで作品を作ったりしていたのだが

                    今回のこの作品って
                    ライナー・マリア・リルケのこの叙情詩そのものが
                    音楽になっているような気がする。

                    ケースマイクルが語っているのは
                    もちろん内容もあるけれど
                    それ以上にドイツ語の響きを
                    ダンスに合わせて、歌っているような印象がある。

                    しかしこのリルケの作品
                    ワケわからないけれど
                    ワケがわからないのは現代芸術でもそうなので
                    (無理やりこじつけている)

                    このワケのわからなさというか
                    現実と妄想の狭間の感じや
                    全然理解できない詩的な表現を
                    何回も読んだり聴いたりしていると

                    まるで嚼めば嚼むほど味の出てくるスルメみたいに
                    ジワジワと効いてくるものがあるなぁ。

                    世に言われるブンガクというものは
                    そういうところが面白いのかもしれない
                    ・・・と、何となく納得した気分になっている私に
                    どうぞ、本日も1クリックをお恵み下さい。



                    ランキングの順位は下がるところまで下がった感じだが
                    何にも書かずにほったらかしにしていた時にも
                    わざわざご訪問いただき
                    ランキングのクリックを恵んで下さった
                    ありがたい読者の方々
                    本当にありがとうございます(深くお辞儀)

                    ケースマイクル・ローザス 旗手クリストフ・リルケの愛と死

                    0
                      Odeon 2016年7月17日 21時〜22時20分

                      Anna Teresa De Keersmaeker
                      Michaël Pomero
                      Chryssi Dimitriou

                      Die Weise von Liebe und Tod des Cornets Christoph Rilke
                      振付 Anna Teresa De Keersmaeker
                      音楽 Oper per flauto, Salvatore Sciarrino,
                      Immagine fenicia, All’aure in una lontananza
                      衣装 Anne-Catherine Kunz

                      ウィーン・コンテンポラリー・ダンス・フェスティバルは
                      昨年はあまりにパーフォーマンス系が多かったので遠慮したが
                      今年は、ケースマイクルを皮切りに
                      そこそこ踊れるカンパニーとダンサーが入っている。

                      しかし、今年のパーフォーマンスの開始時間が遅いぞ・・・
                      ほとんどの演目が夜9時から(ため息)

                      さて、この演目、ライナー・マリア・リルケの
                      「旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌」が題材。
                      チケットを購入した人には
                      事前に pdf でドイツ語と英語の内容が送られて来た。

                      で、ドイツ語の方を読んだのだが

                      はて???

                      いやドイツ語はわかる。
                      わかるけど、内容がよくわからん。

                      18歳でトルコ戦争の途中でフランス人と仲良くなって
                      お城で城主の女性?とネンゴロになっていたら
                      敵に囲まれて
                      旗を持って出て行って戦死した・・・というような感じ?

                      え〜い、よくわからんので、翻訳はないのか、と調べてみたら
                      さすがインターネット時代、ちゃんと翻訳を見つけた。

                      が、この翻訳読んで、すぐに理解して涙する人がいるのかしらん・・・
                      読みたい方は こちら をどうぞ。
                      ただし、当方は一切責任を持たないし関知しないので
                      ご自分の責任で・・・

                      会場の照明を落とさず、そのままの状態で
                      男性のダンサーが出て来てソロを踊る。
                      すごいバランスとかあるし、かなり長いソロで
                      妄想を逞しくすれば、まぁ、若い騎士が戦争に出て行く時の
                      高ぶった気持ちとか不安とかを表現している・・・のかもしれない。

                      その後、ドイツ語と英語で書いたテキストが後ろに映されて
                      観客はそれを読む。
                      プリント・アウトしただけで10枚あるので
                      これまた全部読むのか、と思っていたら
                      途中で消えて

                      舞台に現れた女性フルーティストが
                      サルヴァトール・シャリーノのソロ曲を演奏。

                      わはは、シャリーノらしい特殊奏法のオンパレードで
                      息吸ったり吐いたりして音をずっと出し続けで
                      さらに舌でリズムまで取っているという
                      なにこれ、すごい難しそうな曲。

                      フルーティストの熱演が終わると
                      ケースマイケルとミヒャエル・ポメロが登場して
                      そこで繰り広げられるパ・ド・ドゥが

                      すごい、なにこれ?

                      シャドーダンスという訳ではないのに
                      2人のダンサーが、全く身体のコンタクトなしに
                      離れたり近づいたり
                      近づいたところでは、数ミリの距離を保って
                      まるで引き合うかのような不思議な振付。

                      う〜ん、これはお友達になるフランス人と主人公クリストフなのか
                      それとも、ネンゴロになる城主の女性とクリストフなのか
                      ともかく、よくわからんが(こらっ)

                      もともとケースマイクルって
                      大人数でのフォーマットにものすごい計算の効いた
                      素晴らしいフォーメーションの感覚を持つ人なので
                      2人のダンサーのフォーメーションという意味では見事。

                      と思ったら
                      激しいダンスの後で
                      ケースマイクルが
                      このライナー・マリア・リルケの詩の朗読を開始。
                      しかも、最初から。

                      これがまた、美しいドイツ語のディクションで
                      あらら、しかも演劇に近く
                      ちゃんとドラマツルギーがあって棒読みになっていない。

                      途中で男性ダンサーはご引退。
                      舞台に残ったケースマイクルが
                      ずっとドイツ語で話し続け
                      途中から、背景にまたテキストが投影される。

                      途中の動きも多少はあるのだが
                      ダンス・・・ではあるのだけれど
                      それ以上に演劇に近い(表現は抽象的)

                      最後の部分では照明が赤になって緊迫感が増す。

                      しかし参ったな、ケースマイクル、この全文を暗記したのか。

                      すごい才能というか記憶力というか
                      ダンサーって振付を全部覚える訳だから
                      (まぁ、オペラ歌手だってテキストは暗記する)
                      記憶力が良いのはわかるけれど
                      すごい情熱と言うか、この古臭いドイツ語を全文暗記とはね・・・

                      ドイツ語を読んでいるだけだと
                      その言葉のリズムとかを自覚しないが
                      演劇と同じで、こういう叙情詩は
                      確かに言語として声に出して読まれる事で
                      リズムや言葉の美しさを発揮する。

                      だから、結構夢中になって「物語」を聴いてしまったのだが
                      ドイツ語がわからなかったら、あれはちょっと苦痛だったかも。

                      ダンス付き演劇・・・という感じ。
                      ドイツ語の内容があまりに詩的で
                      ブンガク音痴の私には、よくわからないところも多かったのだが
                      きっと、ケースマイクルは
                      この、事実だか幻想だかわからないような芸術性に
                      インスピレーションを受けたのだろう。

                      プログラムを読むと
                      リルケのこの作品について
                      かなり詳しい解説が記載されているのだが
                      まぁ、これはまた後でしっかり読もう(と思っている・・・だけ(爆))

                      久し振りの記事(というか自分の覚え書き)が
                      あまり面白くなくて申し訳ないのだが

                      何せ今ウィーンって
                      本当にこれしかないので(汗)
                      8月初旬まではコンテンポラリー・ダンスが続きますが
                      でも、本当にこんなのしかないんだもん(言い訳)

                      という事で
                      どうぞ、つまらない記事ですが一つ目を瞑って
                      1クリックをお恵み下さい。



                      衣装は灰色のポロシャツと
                      ダブダブの灰色のズボンで
                      まぁ、体操服・・・でした(爆笑)

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