ヌレエフ・ガラ 第3部

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    Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2016年6月26日 18時〜21時50分

    NUREJEW GALA 2016
    指揮 Valery Ovsianikov

    TEIL III

    LE CORSAIRE / 1. Akt
    Conrad : Vladimir Shishov
    M�・dora : Olga Esina
    Guinare : Kiyoka Hashimoto
    Lanquedem : Kirill Kourlaev
    Birbanto : Masayu Kimoto
    Zlm�・a : Ioanna Avraam
    Seyd Pascha : Alexis Forabosco

    第三部は、ご存知ルグリ振付の「海賊」第一幕全部 ♡
    しかも、キリルが出てくる!!!
    ううう、これで本当に最後なんですね、
    あのキリルの素晴らしいダンスを観られるチャンスは・・・(涙)

    キャスト表を見てひっくり返ったのだが
    コンラート役がシショフ???
    メドゥーラがオルガと言うのは
    まぁちょっと持ち味違うけど許すとして(あら偉そう)
    シショフ、あのコンラート、踊れるんだろうか(不安)

    登場したシショフ。
    確かにこのダンサー、頭小さくて背が高いのだが

    バンダナ巻くと、なんか坊ちゃん刈りなんですけど・・・(唖然)

    予想した通り、オルガさまは最初から悲劇のオーラ撒き散らしで
    コンラートと出会うところでも
    何でそんなに悲しんでるんですか?
    全然、恋に堕ちた、という感じに見えないの。

    しかもシショフ、やらかしてくれましたよ、はい。
    最初のソロのところでジャンプ・ミス(あああああ)
    次のソロは大技もしっかりこなしたけれど

    来シーズン、まさか監督、シショフをコンラートに使うつもり?
    う〜ん、最初のジャンプでミスる体力では
    第一幕だけだったらともかく、全部をミスなしに踊れるとは思えないんだが。

    だったら木本クンにコンラート踊らせろ!!!
    ビルバント役だけじゃもったいない!!!

    木本クンのビルバントと
    イオアンナのズルメアが、むちゃくちゃ合っていて素敵だったんだもん。
    イオアンナの雰囲気、ズルメアにピッタリ。
    今までズルメアはアリーチェが踊っていたけれど
    キレイなアリーチェより、多少クセのあるイオアンナの方が
    エキゾチックな感じがして、ずっとハマると思う。

    橋本清香嬢のグイナーレはキュートで可憐だが
    彼女のダンス、むちゃ品が良くて個性があまりないので
    パシャに目をかけられて、イヤイヤイヤなのか
    諦めて運命に従うわ、なのか、よくわからん。
    ダンスは巧みに踊っているけれど
    役を今ひとつ掴み切っていない感じがする。

    橋本清香嬢は、テクニックは抜群だし
    クール・ビューティで本当に綺麗だし
    あと欠けているとしたら、演技力だな。
    まだダンスのための無理やりな演技という上滑りな印象がある。
    これからの課題だな・・・って勝手な事を1ファンとして書いているが
    橋本清香嬢の伸びしろはまだ充分にあるので
    期待してますよ〜、うふふ。

    さて、来シーズンの海賊
    いったい、キャストはどうなるんだろう???

    このガラ公演で、あれ?というキャストを起用しておいて
    バレエ・ファンの好奇心をかき立てて
    来シーズンも「海賊」を観にいらっしゃい、という
    ルグリ監督の陰謀かしら・・・(半分本気で思ってる)

    この公演の後
    何人かがセミ・ソリストからソリストに昇格。
    来シーズンのバレエからも目が離せないわ、という私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    これにて音楽とバレエネタ
    今年前半は(ほとんど)終了。
    7月は夏枯れなので・・・・ どうしよう(汗汗汗)
    まぁ、何か考えます、たぶん。




    ヌレエフ・ガラ 第2部

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      Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2016年6月26日 18時〜21時50分

      NUREJEW GALA 2016
      指揮 Valery Ovsianikov

      TEIL II

      DISTANT CRIES
      振付 Edwaard Liang
      音楽 Tomaso Albinoni, Adagio aus dem Concert a cinque, op. 9/2
      Nina Pol�・kova - Roman Lazik

      ILLUSIONEN - WIE SCHWANENSEE (Ausschnitt)
      振付 John Neumeier
      音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski, op. 42/1 M�・ditation
      H�・l�・ne Bouchet - Carsten Jung

      TARANTELLA
      振付 George Balanchine
      音楽 Louis Moreau Gottschalk, Grande Tarentelle pour piano et orchestra op. 67
      ピアノ Chie Ishimoto
      Nikisha Fogo - Davide Dato

      LE PARK (Ausschnitt)
      振付 Angelin Preljocaj
      音楽 Wolfgang Amadeus Mozart, Konzert f�・r Klavier und Orchester Nr. 23
      ピアノ Shino Takizawa
      Isabelle Gu�・rin - Manuel Legris

      LA FILLE MAL GARD�・E
      Pas de deux, Holzschuhtanz
      振付 Frederick Ashton
      音楽 Ferdinand H�・rold
      Andrey Kaydanovskiy
      Myriam Ould-Braham - Mathias Heymann
      Elena Bottaro, Iliana Chvarova, Anita Manolova, Laura Nistor
      Suzan Opperman, Rikako Shibamoto, Franziska Wallner-Hollinek
      C�・line Janou Weder
      Natalya Butschko, Adele Fiocchi, Sveva Gargiulo, Oxana Kiyanenko
      Erika Kov�・�・ov�・, Andrea N�・methov�・, Xi Qu,
      Alaia Rogers-Maman, Oksana Timoshenko, Liudmila Trayan
      Beata Wiedner, Leonardo Bas�・lio, Francesco Costa, Marat Devletshin,
      Jakob Feyferlik, Alexis Forabosco, Igor Milos, James Stephens
      Alexandru Tcacenco, Zsolt T�・r�・k, Jaimy van Overeem
      G�・raud Wielick, Cristiano Zaccaria

      CYGNE
      振付 Daniel Proietto
      音楽 Olga Wojciechowska, Cygne
      Ketevan Papava - Raphael Reiter (Opernschule der Wiener Staatsoper)

      休憩挟んで、第二部はモダンが中心。

      最初の DISTANT CRIES の振付は
      台湾生まれ、アメリカのダンサーで振付師。
      ニューヨーク・シティ・バレエのメンバーだった。

      カップルが重なったり離れたり
      ニナ(ポラコヴァ)とローマンのカップリングで
      果たしてこの2人は愛し合っているのか
      それとも別れる直前なのか
      よくわからん(すみません)

      しかし、ニナ(ポラコヴァ)って
      モダン踊らせると巧いなぁ。
      無表情のローマンが絡むと、これまたすごい迫力。

      次の ILLUSIONEN - WIE SCHWANENSEE というのは
      ジョン・ノイマイヤーの作品で
      ハンブルク・バレエからカールステン・ユングとエレーヌ・ブシェが出演。

      うわ〜、この間、シェークスピア・ダンスで観たダンサーだぁ。

      タイトルを無理やり訳すと
      幻想・白鳥の湖のごとく
      となる筈なのだが

      いや、ユングの着ている衣装は王子さまのそれだが
      ブシェの衣装って、白鳥と違うだろ。
      その衣装、どちらかと言えばジゼルという民族衣装っぽいもので
      王子さまが悩んでいるところにまとわりつくジゼル・・・としか見えない。

      確かにプログラムの役名だと
      ユングは王子さまだが、ブシェは、ナターリア王女となっているので
      これも全体のプロダクションを観ないとわからないのかなぁ。残念。

      タランテラは、フォルクス・オーパーで観た事がある。
      第二部はそれまで比較的暗いモダンの舞台だったのが
      タランテラでは、急に明るくなる。

      民族衣装を着たニキーシャとダヴィデのカップリング。
      石本さんの、キレの良い、颯爽としたピアノとオーケストラで
      この若い2人が、舞台を踊りまくるという
      カッコいい躍動感に満ちた演目で
      これはバランシンの魅力爆発。

      明るい演目って元気が出る。

      プレルジョカールがパリ・オペラ座のために振り付けた
      ル・パルクの一部は
      滝澤志野さんがピアノで
      モーツァルトのピアノ協奏曲に乗って
      ウィーン国立バレエ団の監督のマニュエル・ルグリが
      年に1回だけ、舞台でその芸術を見せてくれる。

      プログラムによれば
      この作品が上演されるのはオペラ座では初めてだそうだが
      私、観た記憶があるぞ、と思ったら
      数年前のイム・プルス・タンツの時に3回観たのだった。
      (でその時にナッチョ・ドゥアトの振付にノックアウトされた記憶もある)

      有名な場面だけど、何とも切ない場面だ。
      キッスのまま回転する場面は、たぶん最も知られているだろうが
      あの場面の後に拍手が出たのにはドッチラケ。
      あれはそんなサーカスのようなテクニックではない(と思う)

      愛し合っていながら、思い通りにならない
      悲しみに満ちた男女の世界(なのだと思う、わからんが)

      これも全体を知らないといかん作品だろうなぁ。
      (思い立ったら我慢できない性分なので
       密林ドイツで探して、買っちゃいました。
       7月は夏枯れなので、しっかり観るぞ)

      アシュトンのリーズの結婚は
      これはもう、何回も通いましたとも(断言)

      リーズとコラを踊るのは
      パリのオペラ座のエトワールたち!!!♡
      マチアス・エイマンとミリアム・ウード=ブラム。

      ウード=ブラムは1982年生まれなので
      そんなに若い、という訳ではない筈なのに
      何と言うキュートさと初々しさ。

      (でもワタクシ的にはナターシャとヤコブの方が・・・)

      アンドレイの踊るタップ・ダンスは
      ああいうキャラのダンサーなので、むちゃくちゃ面白い。

      その後で、何ととんでもない事が・・・

      このヌレエフ・ガラって
      最初にフィルムが入って、演目と振付、ダンサーを紹介するのだが
      (リハーサルの映像も入る)

      え? カジミールの色、ニナとエノって
      これ、昨年のプログラムだよね????

      案の定、演目もダンサーも違いました(怒)

      シーニュと名付けられたこの作品は
      当然の事ながら「白鳥」なのだが
      サンサーンスの白鳥ではない。

      不思議なビデオ(パヴロヴァの瀕死の白鳥らしい)を使って
      現実なのだか、幻影なのだかわからない中で
      身体中に白いペンキを塗ったケテヴァンが
      瀕死の白鳥(ただしフォーキンじゃないと思う)を踊る。

      オペラ座付属学校の子供がマイクを付けて
      隣で歌って、これが未来を象徴するらしいのだが

      ケテヴァンが素晴らし過ぎて
      え〜い、あの邪魔な子供は要らんわい。
      (いえいえ振付師には大事なエレメントらしいです)

      ケテヴァンの白鳥、あまりに見事過ぎ。
      ボードブラの美しさと言ったら
      長い手足で、あれだけ優雅に白鳥になれるなんて・・・

      しかもいつも舞台から放つような陽性なオーラを完全に隠して
      死に直面する白鳥の儚さと
      勇気を持って死を迎える凛とした強さが滲み出ていて
      あああ、ケテヴァンの舞台上のパーソナリティの強さに唸る。

      やっぱりこのダンサー、私、好きだわ。
      この個性の強さ、オーラの強さって
      このバレエ団の中でも群を抜いている。

      第二部はモダンが多かったとは言うものの
      見応えのある作品ばかりで
      至極満足だった私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      今日・明日と出張でウィーン不在。
      コンピュータは持って来ているし
      しょっちゅうメールは入ってくるのだけれど
      一応、通訳扱いで
      昼からワイン飲んで、ひたすら酔っ払える(うっしっし)
      まぁ、こういう楽な仕事だけではないのだろうが
      通訳って良い商売だよなぁ、とか
      ついつい思ってしまった自分を反省しよう。
      (明日はもっと飲む予定(笑))


      ヌレエフ・ガラ 第1部

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        Wiener Staatsballett/Wiener Staatsoper 2016年6月26日 18時〜21時50分

        NUREJEW GALA 2016
        指揮 Valery Ovsianikov

        TEIL I

        LE CORSAIRE / Trio odalisques
        振付 Manuel Legris nach Marius Petipa u.a.
        音楽 Adolphe Adam
        Natascha Mair, Anita Monolova, Prisca Zeisel

        SENTieri (Ausschnitt)
        振付 Philippe Kratz
        音楽 Frédéric Chopin, Berceuse, op. 57
        Alice Firenze, Masayu Kimoto, Eno Peci

        MANFRED (Ausschnitt)
        振付 Rudolf Nurejew
        音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski, op. 58 Allegro con fuoco
        Mathias Heymann

        THE FOUR SEASONS
        振付 Jerome Robbins
        音楽 Giuseppe Verdi
        Gabor Oberegger, Igor Milos, Beata Wiedner,
        Andrea Némethová, Camile Pavelka
        Nina Tonoli, Greig Matthews, Géraud Wielick
        Elena Bottaro, Nikisha Fogo, Natascha Mair, Anita Manolova
        Suzan Opperman, Xi Qu, Alaia Rogers-Maman, Rikako Shibamoto
        Yaria Yakovleva, Mihail Sosnovschi
        Leonardo Basílio, Jokob Feyferlik, James Stephens, Alexandru Tcacanco
        Alice Firenze, Robert Gabdullin
        Rebecca Horner, Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Erika Kováčová
        Laura Nistor, Prisca Zeisel
        Davide Dato, Liudmila Konovalova, Denys Cherevychko
        Natalya Butschko, Iliana Chivarova, Adele Fiocchi, Sveva Gargiulo
        Iulia Tcaciuc, Oksana Timoschenko, Franziska Wallner-Hollinek,
        Céline Janou Weder, Attila Bakó, Francesco Costa, Marat Davletshin
        Marian Furnica. Trevor Hayden, András Ludács, Zsolt Török,
        Jaimy van Overeem


        1年に1回だけ、私がバレエに大散財する日。
        (まぁ、たまにもっと散財する事はあるけれど(汗))
        シーズンのプログラムが発表されるとすぐに
        ウエイティング・リストに載せるという、ヌレエフ・ガラ。

        これから7月の音楽・バレエ砂漠が続くので
        3日に分けてアップする。

        まずは第一部。
        ルグリの振付の「海賊」からオダリスクの場面。

        ナターシャもプリスカもアニータもカワイイ ♡
        プリスカは15歳でバレエ団に入ったが
        やっと、美少女から美女になってくる途中の過程にあって
        まだまだ初々しさを残すものの
        そろそろ成熟した大人の魅力の役を踊っても合いそう。
        ナターシャは、まだまだキュート(確か20歳そこそこである)
        もう、本当にナターシャはキュート(しつこい)

        次の演目はモダン。
        フィリップ・クラッツはドイツ生まれで
        カナダのケベックとベルリンでバレエを学び
        今はイタリアのバレエ団に在席する若い振付師。

        アリーチェと木本クンとエノが踊るのだが
        アリーチェとエノがカップルなところに
        木本クンが邪魔をしているような気が・・・(違うかも)

        凄いリフトと、3人の組み合わせの妙味が面白いが
        これ、何回か観ると、中のストーリーが見えてくるんだろうなぁ。
        (バカなので1回じゃわかりません(爆))

        次のマンフレッドを踊ったのは
        パリ・オペラ座のエトワール、マチアス・エイマン。
        チャイコフスキーのマンフレッドに乗せて
        ヌレエフ振付のソロ。
        迫力も凄いけれど、何てノーブルなバレエ ♡
        苦悩するマンフレッドが活き活きと伝わってくるのだけれど
        こういうソロ観ちゃうと
        マンフレッドという作品全部を観たくなってしまうではないか。

        ジェローム・ロビンスの「四季」は
        通常のプログラムで何回か観たので、よく知っている。
        ヴェルディの音楽に合わせて踊られる
        ロビンスらしいユーモアに溢れた振付で
        オーケストラもヴェルディとなったら得意中の得意。

        冬のニナ(トノリ)がやっぱりキュート。
        この冬の場面って、チュチュを着たバレリーナが凍えているので
        全体的にものすごく可愛らしいの ♡

        春はマリアとミハイルのコンビネーション。
        やっぱりマリアが出てくると、舞台の明るさが違う。
        ミハイルの運動能力はまだまだ衰えず、キレの良いダンス。
        このシーンに出てくる4人の男性バレエ・ダンサーもチャーミング。
        (この4人のシーンが、すごく楽しいのである。ロビンスらしい)

        夏はアリーチェとローベルトだが
        夏って、ヨーロッパ人にとっては、そんなにウザい季節なのかしら。
        (有名なヴィヴァルディの四季だって、夏は憂鬱でウザい音楽になってるし)

        それに比べて、秋の活き活きとした表現が楽しい。
        ファウン(妖精)を演じたのは、ダヴィデで
        ソリストはリュドミラにデニスって
        ダヴィデとデニスという、ジャンプ大得意のキレの良い2人を
        同じ演目でライバル意識を燃やさせようとする監督は(邪推)
        かなりイケズではある(だから邪推)

        で、やってくれましたよ、デニスが。
        例のピルエットしながらのジャンプという
        人間技とは思えない超絶技巧を、何回か舞台で見せて
        もう、これ、本当にデニスの独壇場だわ。

        リュドミラも派手なダンサーなので舞台に光が射しているような華やかさだし
        ダヴィデの妖精がむちゃくちゃキュートだし
        デニスのジャンプは凄いし
        割に伝統的で古い感じがする演目なのだが、楽しゅうございました。

        というワケで
        第二部は明日に続きます。

        第二部でとんでもない事故があったんだけど
        明日も読みたい方は
        どうぞ本日も1クリックをお恵み下さい。


        フィガロの結婚 国立オペラ座

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          Wiener Staatsoper 2016年6月25日 19時〜22時30分

          Wolfgang Amadeus Mozart
          LE NOZZE DI FIGARO

          指揮 Cornelius Meister
          演出 Jean-Lois Martinoty
          舞台 Hans Schavernoch
          衣装 Sylvie de Segonzac
          照明 Fabrice Kebour

          アルマヴィーヴァ伯爵 Luca Pisaroni
          伯爵夫人ロジーナ Rachel Willis-Sørensen
          スザンナ Valentina Nafornita
          フィガロ Alessio Arduini
          ケルビーノ Marianne Crebassa
          マルチェリーナ Ulrike Helzel
          ドン・バジーリオ Thomas Ebenstein
          ドン・クルツィオ Peter Joisits
          ドン・バルトロ Sorin Coliban
          アントニオ Mihail Cogotari
          バルバリーナ Annika Gerhards

          Orchester der Wiener Staatsoper
          Chor der Wiener Staatsoper

          私がモーツァルトを苦手としているのは
          別にモーツァルトが好きじゃないとか
          つまらないとか言う理由ではなく

          モーツァルト聴くと反射的に爆睡するから

          というだけの理由(断言)

          この間聴いたルイ・ピサローニがあまりに良かったので
          シーズン最後のフィガロの結婚に行く事にした。

          ・・・もちろんチケットは完売だが
          旅行会社に勤務している身には
          色々と隠し手がある(笑)

          眠り込まないように
          ロジェの3列目の立ったら見える席を
          比較的安くゲット。
          (註 比較的安くというのは手数料含めて30ユーロ以下を言う)

          フィガロの結婚は、以前は国立オペラ座で何回か聴いたが
          (エリーナ・ガランチャを見いだしたのはこのケルビーノだった)
          今回の演出は32回目という事で、この演出は初めて。

          舞台には色々な絵画が下がっていたり、置いてあったり
          照明はちょっと暗いけれど、絵画の動きで舞台の多様性を見せる。

          コンサート・マスターはシュトイデさん。
          オーケストラのメンバーはかなりトラが多い感じ。
          序曲の最初で弦のアンサンブルの乱れがあったものの
          すぐにオーケストラ自身が訂正して
          ピッタリ揃えて演奏したのは、さすがに見事。

          しかし・・・
          ロジェの3列目って、いつもバレエの時に愛用している貧民席だが
          考えてみたら、音響的には、かなり悪い。
          音がくぐもって聴こえるし、響いて来ない(汗)

          その分、小編成のモーツァルトの音楽が
          もっとスッキリと解像度が高く
          室内楽的に聴こえて来るので
          大規模オペラハウスで聴いているというより
          もっと親密な小さなオペラハウスで鑑賞しているような
          親しみ易さが前面に出て来て、そう悪くない。

          フィガロ役は声量はあまりないけれど
          役柄に合った感じだし、演技も巧くて
          時々、オーケストラに声が埋もれてしまうけれど
          まぁ、かなり良い出来。

          スザンナ役はモルダビア出身の美人歌手 ♡
          (名前は t の下にヒゲがあって、a の上にも何か付いているのだが
           どうしても当該の特殊文字が見つからなかった・・・)

          スタイル良くて、見た目がすごく可愛らしくて
          表情も豊かで演技も巧い。
          やはり声量はそこそこだが
          スープレットだし、声は澄んでいるし
          フィガロとのバランスが抜群。

          で、伯爵夫人ロジーナ。

          ・・・・(沈黙)

          アルマヴィーヴァ伯爵が浮気するのがちょとわかる(すみません)
          かなり、いや、ちょっとスゴイ体型で
          結婚後にかなりお変わりになりましたでしょうか、ロジーナさま。

          いや、すみません、別にふくよかな体型に偏見はないのだが
          この演目に出演している歌手のほとんどが
          スマートなモデル体型な中で
          むちゃくちゃ目立つんですけど。

          最初はお尻の方に詰め物でもしているのかと思ったが
          ピサローニが抱きついても
          後ろの方にも、しっかり中身が詰まっていたみたいだ。

          そこまで見事な体型なので、すごい声かと思ったら
          ううう、ドラマチック・ソプラノって
          ああいう暗い声なんでしょうか。
          イタリア語を歌っているとは思えない
          内に向かった声で
          最初のアリアを悲しみたっぷりに歌ってはくれたのだが
          何かあの体型で、ああ言う感じで歌われても
          あんまり伯爵夫人ロジーナに同情できない。

          (だいたい、この演目、スザンナとロジーナが
           同じような体型だから、途中のとりかえばや物語になるのだと思う)

          でもプログラム読むと、あちこちで活躍しているようなので
          きっと、優秀な声なのであろう。私の好みではないが。

          お目当てのルカ・ピサローニ。
          うはははは、やっぱり巧い。

          声は伸びるし声量たっぷりだし
          イタリア人だから、レチタティーヴォもお手のもので
          背が高くてスタイル良くて
          舞台でばっちり華があって目立つ。

          伯爵夫人に抱きつくと幅が2倍くらい違うけれど
          背の高さでそれはカバー(笑)

          スザンナをお姫さま抱っこしてたぞ。
          結構筋肉もあるのか、あのバリトンは。

          ケルビーノがまたこれ優秀 ♡
          声も出るけれど、加えて演技の巧さが抜群。
          素晴らしいズボン役。

          ドン・バルトロの圧倒的な美声と声量にひっくり返ったら
          ソリン・コリバンだった。
          この人、本当にスゴイわ。
          コミカルな役も実に巧いし。

          対するマルチェリーナ。
          どこかで見た顔だと思ったら
          確か1回、バレエのマイヤリンクで歌っていた筈。
          硬めの声質のソプラノだが、やっぱり声は抜群に出るので
          ドン・バルトロとのバランスも良いし
          舞台で目立っていて、聴き応えがある。

          脇役のドン・バジーリオとドン・クルツィオが巧くて
          ものすごくキュートなイタリア語で
          ちょっとハートにドッキリ来る。
          こういう脇役が揃っているのは、オペラ座の底力。

          衣装は何とオーストリアの民族衣装のディアンドル(笑)
          スザンナのディアンドル姿がキュートでカワイイ。
          伯爵夫人ロジーナはピンクの民族衣装で
          確かに民族衣装って、ある程度の体型にも合う筈なのだが(以下省略)

          動きがコミカルで楽しくて
          内容をばっちり演技でも見せてくれたので
          ロジェの後ろで、セリフが読めなくても充分に楽しい。

          もちろん、ずっと立って観ていたので寝落ちもなし(笑)
          ・・・と思っていたら
          後半は前のカップルが帰ってしまったので
          (前半からものすごく退屈していた模様)
          前に移動して座っていたら
          やっぱり最後の方のアリアで寝落ちしそうになって焦った。

          こういう演目だと
          来ているのは観光客が圧倒的に多い。
          開演前のロビーなんて、もろに記念写真撮影大会。

          でも、こういうスタンダードな演目で
          あれだけクオリティの高いオペラをやってくれるというのは
          オペラ座の実力って凄いなぁ。

          腕をブンブン振り回して
          ずっと歌手の方を向いて
          オーケストラ無視で指揮していて

          オーケストラも完全に無視していた指揮者は
          いったい誰だろう、と思ったら
          カーテン・コールで舞台に現れたのが
          コルネリウス・マイスターで、ひっくり返った。

          でも、スッキリした室内楽的なモーツァルトで
          声量の違いがかなり大きかった歌手に合わせて
          巧く音楽を作っていたのは賞賛に値する。
          (というよりオーケストラが自分で調整していたかも(笑))
          全員を演奏させるのではなく
          楽器の数を絞っていたし。

          いや〜、むちゃくちゃ楽しかったわ。
          長いオペラなのだが、全然退屈しなかった。

          たまにはモーツァルトのオペラも良いかも
          (ただし立って聴くのに限定、だったら立ち見席か)
          と、ついつい思ってしまった私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          本日のウィーンは33℃まで気温が上がって
          オペラが終わった夜の10時30分でも30℃あったのだが
          夜中に雷雨が来て、17℃くらいまで下がる予想。
          ホントにヨーロッパの天気はワケわからんです。

          ウィーン放送交響楽団 ウィーン音楽大学ディプロマ試験

          0
            Musikverein Großer Saal 2016年6月23日 19時30分〜22時

            ORF RSO Wien

            Richard Wagner (1813-1883)
            “Siegfrieds Rheinfahrt” aus “Götterdämmerung”
            “Walkürenritt” aus “Die Walküre”
            指揮 Ingmar Beck

            Giacomo Pucchini (1858-1924)
            Capriccio sinfonico
            指揮 Levente Török

            Anton Bruckner (1824-1896)
            Symphonie Nr 9 d-Moll, IV. Finale (unvollendet)
            Rekonstruktion der Autographpartitur nach dem erhaltenen Quellen :
            Aufführungsfassung von Nicola Samale, John A. Phillips, Benjamin-Gunnar
            Cohrs & Guiseppe Mazzuca (1983-2012)
            指揮 Pantelis Kogiamis

            Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
            Romeo und Julia
            Fantasie-Ouvertüre nach William Shakespeare
            指揮 Sándor Károlyi

            Jean Sibelius (1865-1957)
            Pohjolas Tochter, Symphonische Fantasie, op. 49
            指揮 Genjamin Grobman

            Maurice Ravel (1875-1937)
            La Valse, Poème chorégraphique pour Orchestre
            指揮 Seung You Park

            今シーズン楽友協会の最後のコンサートは
            ウィーン放送交響楽団による
            ウィーン音楽大学指揮科クラスのディプロマ試験。

            出てくる指揮者の卵たちは
            既に色々なオーケストラでの指揮経験もあって
            例年、レベルは高いのだが

            まぁ、今まで10年以上、この試験を聴いていて
            そこから抜群に飛び出して来た指揮者というのはいないので
            (これはスゴイ、と思った人は居るけれど
             やっぱり有名にはなってない(笑))
            このコンサートに来るたびに
            ああ、音楽家への道は如何に険しいか、というのを実感する。

            さて、一つのオーケストラで
            様々な指揮者が違う曲を演奏する、というのは面白い。
            指揮者と曲によって
            オーケストラが化けたりするのだが

            まぁ、どんな料理人が作っても
            材料さえ良ければ、かなり良いレベルの料理は出来るんだよね(笑)

            ただ、その中に、天性のセンスというモノも出て来てしまうわけで
            その天性のセンスが
            現代の聴衆にアピールするものなのか
            あるいは200年前だったらアピールしたのか
            未来の聴衆に熱狂的に受け入れられるものなのか
            それとも、過去・現在・未来を通して
            やっぱりセンスないわ、と言われるものなのか

            シロウトの私には判断は付きません(笑)

            それに本来は、完成された演奏を聴くよりは
            リハーサルに同席した方が
            指揮者の素質というのは、もっと良くわかるはずだ。

            ワーグナーは、うはははは、金管が素晴らしい。
            筋肉質な締まった演奏というよりは
            割にクセのない、清々しい感じに聴こえてきて
            個性派でビックリ、しつこくワーグナーというよりは
            優等生的なキレイにまとまった演奏で
            しつこさのないワーグナーというのは意外に好みかも。

            次はプッチーニで
            この指揮者はハンガリーやドイツで
            オペラのコレペティなんだそうで
            そこら辺からの曲の選択なんだろうなぁ。
            (すみません、オペラ苦手で・・・(汗))

            前半の最後に面白い曲を聴いた。
            ブルックナーの交響曲9番の最終楽章(笑)
            断片からのレコンストラクションなのだが
            6番とか8番とかからのエレメントを挟み込んで
            (他からも挟み込みあるかもしれないけど)
            ちょっとブルックナーもどきというか
            (まぁ、断片はブルックナーなんだけど)

            オーケストラもかなり真剣。
            ブルックナーって
            ウィーンのオーケストラ・メンバーも燃えるのかしら。
            指揮者が神がかり状態になって行くのはよく経験するが
            オーケストラも一緒になって燃えまくってた(笑)
            滅多に演奏される曲ではないだけに
            一期一会で、みんな真剣だったのかもしれない。

            ウィーン放送響のブルックナーって良いなぁ、と
            しみじみ思わせる演奏だった。
            しつこくなく、あくまでも端正で正しくて
            中立的で暑苦しくならないし
            最初のむちゃ現代的な部分のエレメントの扱い方が巧く
            音の色もとても合っていて、楽しく鑑賞させてもらった。

            いやはははは、前半の金管、本当にお疲れさまです。

            後半のチャイコフスキーは、まぁ(以下省略)
            こういう曲って、どう演奏しても難しいよね。
            シベリウスも、解像度高くて、かなり良い出来。

            最後のラ・ヴァルスは
            今回唯一の女性指揮者である。
            韓国出身のチェロ奏者で、コーラス指揮の後の
            オーケストラ指揮科だとプログラムには記載されていた。

            女性指揮者というのは
            まだまだ男性の世界に切り込んでいく存在だから
            かなりの才能の持ち主が多い。

            このラ・ヴァルスの扱い方も面白かった。
            普通だったらテヌートかけたり、タメタメするところを
            バッサリとインテンポで押して来て
            聴き慣れた曲が、テンポの揺れがない分
            全部が大きなボーゲンで繋がっていて
            くどさが全くなくて
            好き嫌いはあるだろうが、かなり新鮮 ♡

            これにて9月まで
            楽友協会とはお別れ(涙)

            観光客の方で、それでも楽友協会で音を聴きたいという方は
            モーツァルト・オーケストラがコンサートしてます。
            (観光客向けオーケストラだけど
             それなりにルーチンだから、そう悪いとは私は思いません。
             結構、面白い仕掛けとかしてるし)

            6月はあと2回ほどハイライトが残っているので
            まだ見捨てないで下さい、と懇願する私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。


            ウィーン・フィル + オロスコ=エストラーダ 3回目

            0
              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年6月22日 19時30分〜21時40分

              Wiener Philharmoniker
              指揮 Andrés Orozco-Estrada
              バイオリン Hilary Hahn

              Zoltán Kodály (1882-1967)
               Tänze aus Galánta
              Henri Vieuxtemps (1820-1881)
               Konzert für Viloine und Orchester Nr. 4, d-Moll, op. 31
              Sergeij Rachmaninow (1873-1943)
               Symphonische Tänze, op. 45

              え?何でまた、同じコンサートの3回目?と
              驚く方も多いだろうが

              確かに同じプログラムで同じオーケストラで
              同じ指揮者で同じソリストなんだけど



              会場が違います。

              これぞオタクの楽しみの極地とも言える
              同じコンサートの別会場。
              音響が全く違うホールで
              どのように印象が変わるかが
              主観でしか音楽を聴かないド・シロートの楽しみというところ。

              楽友協会が残響の豊かな
              古典、せいぜいがブラームスあたりまでがピッタリのホールなのに比べて
              コンツェルトハウスは1900年代のホールなので
              大規模オーケストラになって来た時代の
              マーラー以降の大オーケストラの大音響の交響曲でもビクともしない。

              それだけに、コンツェルトハウスの音響は
              楽友協会に比べると、かなりデッドでもある。

              最初のガランタ舞曲。
              うははは、やっぱり楽友協会の残響に助けてもらえないので
              本当に細かい部分でのオーケストラの
              ちょっとした齟齬まで聴こえてくる(笑)

              いや、別に齟齬とかありませんけど(汗)
              お風呂の中で演奏するような楽友協会と比べると
              最初は耳慣れしていないだけに
              多少、粗さが聴こえてくるのは仕方がない。
              これは、自分の耳が悪い(断言)

              ヴュータンのバイオリン協奏曲になって
              出て来たソリストのヒラリー・ハーンのドレスを見て
              ひっくり返りそうになった。

              楽友協会の時は舞台見てないからわからなかったけれど
              何ですか、あのドレスは?
              出て来たとたんに
              ひえ〜っ、ストロベリー・パフェ?

              赤と青と白のコンビネーションのリゾート・ドレス(!!!)

              いったいどういうドレス?と思われる方は
              コンツェルトハウスが Facebook に載せているので
              そちらをどうぞ (→ ココ です)

              ドレスはともかくとして
              ヒラリー・ハーンって、本当にお人形みたいにカワイイ♡

              そのカワイイ女性がバイオリンを弾き出すと
              その可愛らしさに清純さが加わって

              こんなデッドな音響なのに
              音の美しさが活きてる。
              確かに最も高い音の響きは
              楽友協会の方が柔らかかったけれど
              コンツェルトハウスの音響の中でも
              しっかり芯の通った透き通るような音色が素晴らしい。

              あの端正で正確なバイオリンの音色は
              聴いていて、あまりに清純で正しくて
              クラシックってこういうものか、とついつい納得してしまう。

              ううう、何かむちゃくちゃ幸せ。
              アンコールのバッハも
              楽友協会の2回のコンサートと同じだったけれど
              静まり返ったコンツェルトハウスに
              疾走するバッハが響き渡ると

              ああもう、天国 ♡

              後半のラフマニノフの交響的舞曲。
              音響が違う分、解像度が高い。

              舞台が見えるので(少しだけ(笑))
              楽友協会では耳で聞き分けていたソロの楽器が
              視覚で入って来るのも楽しいし

              ここまで解像度が高くなると
              ああ、オロスコ=エストラーダ
              実に細かい部分まで、徹底的に手を入れたな、というのが
              はっきり見えてくる。

              細かい部分の処理が巧くて
              それぞれのメロディの音色も微妙に違うし
              原色で輝くかと思うと
              その後、突然パステル色の弦が入って来たり
              勢いに任せた感のあった楽友協会よりも
              もっと徹底的に細かい部分が前に出て来て聴こえてくる。

              まぁ、正直に言っちゃえば
              自分の聴く耳が如何に主観的か、って事なんですけど(汗)

              でも、聴く耳を持たないだけに
              何回同じプログラムを聴いても
              その度に、何か別のモノを感じられるというのは
              かなり幸福な事とも言える(こじつけです、こじつけ(笑))

              コンツェルトハウスでのコンサートも
              今シーズン 2015/2016年はこれにて終わり。

              長い夏休みを前にして
              ブログに書く事がなくなる・・・・と
              本気で焦っている私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              ウィーン・フィル + ジョナサン・ノット(+カウフマン)

              0
                Musikverein Großer Saal 2016年6月21日 19時30分〜21時45分

                Wiener Philharmoniker
                指揮 Jonathan Nott
                テノール Jonas Kaufmann

                Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                 Ouvertüre zu “Coriolan”, op. 62
                Richard Strauss (1864-1949)
                 Tod und Verklärung. Tondichtung für großes Orchester, op. 24
                Gustav Mahler (1860-1911)
                 Das Lied von der Erde.
                  Symphonie für eine Tenor- und eine Alt- (oder Bariton-)Stimme und Orchester

                今、最も人気沸騰の歌手と言えば
                このヨナス・カウフマンに違いない。

                オペラ座でのコンサートや出演するオペラは
                最初から売り切れで入手できず
                裏から手を回してチケットを購入しようとすれば
                正規料金の3倍以上の値段を覚悟しないと手に入らない。

                で、この楽友協会のコンサート
                発売初日に一番安い席を買ったのは
                カウフマンに釣られたというよりは
                指揮者のガッティを見たかったからなのに

                直前でガッティ急病のためキャンセル(涙)
                代役がジョナサン・ノット。

                まぁ良いか。
                だって、ノットの指揮って正面から見た事がない。

                あくまでも私の目的は指揮者であって
                ヨナス・カウフマンではない・・・とか言いたいけれど
                やっぱりそこら辺はミーハー気質で
                ヨナス・カウフマンが出るから、というのもかなりあるな、うん。

                最初のコリオラン序曲だが
                何ですかこれ?

                ジョナサン・ノットはすごい勢いで身体を動かしていて
                吐く息もすごい音で聞こえてくるのだが
                途中でテンポを・・・早めようとしたのか何なのか
                ともかく、シロウトでも指揮棒の動きが読めなくなって
                オーケストラは派手にズレまくっていて

                あれあれあれ?

                通常、現代曲を得意とする指揮者って
                かなりわかりやすいクリアなバトン・テクニックを持ってる筈だが
                ノットの指揮、シロウト目には
                何を自分に酔ってるの、という感じにしか見えない。

                (で私が見る限り
                 途中からオーケストラは指揮者の動きを完全に無視してた)

                う〜ん、よくわからん・・・
                リハーサル不足?というのも、きっとあるのかもしれないなぁ(邪推)

                次の「死と変容」も
                まぁ、オーケストラは天下のウィーン・フィルさまさまで
                コンマスはホーネックさんだし
                音響としては美しいのだが

                ぼってりして大袈裟で
                死も変容もございませんという
                非常に地上的で
                濁ったオーケストラの厚みだけが聴こえてくる。

                ううう、天下のウィーン・フィルに文句を付けるのも恥ずかしいが・・・
                (とか言いつつ、文句付けてる(自爆))

                後半のマーラーの「大地の歌」
                念の為だが、私はこの曲が大の苦手である(きっぱり)

                高校の時にY響の定期公演で聴いた時から
                ナマでも何回も聴いてはいるけれど
                それでも絶対に好きになれない作品であって
                それは個人の好みだから、どうしようもない。

                (それでもチケット買ったのは
                 指揮者に興味が・・・いや、ただのミーハーです、すみません)

                しかもこの曲、普通だったらテノールとアルト
                あるいはマーラー自身によれば、テノールとバリトンの筈なのに
                今回はカウフマンが全曲歌うという無謀な試み。

                ううう、オーケストラが荒い、というか、うるさい。
                まぁ、そういう曲ですこれは。

                テノールの歌は最初から最後まで
                高い音で声を張り上げるという恐ろしい作品なので
                オーケストラがすごい音量でガンガン鳴らすところに
                カウフマンのテノールが入ると
                かなり掻き消されてしまうが

                ごめんなさい、それは席が悪いんです(汗)
                (歌手の声は前に飛ぶので、オーケストラの後ろは声楽には最悪)
                だから、きっと高い席を買った人たちには
                美しく、あのハリのあるテノールが飛んでいった筈。

                (発売初日は良い席もかなりあったのだが
                 そんな高い席を買えるだけの財力はございません)

                で、通常はアルトが歌う部分だが
                私はもともと
                カウフマンってバリトンだよね?と思っているクチなので
                まぁ、あまり違和感はない。

                カウフマンの声の質って
                もともとバリトンなのに
                発声法をガラッと変えると
                実はテノールの高音も出ます、って感じなんだもん。

                もともとの声がテノールの
                ミヒャエル・シャーデとか、ボストリッジ博士とかと
                絶対に声が違うと思う。

                バリトンの曲はオーケストラが比較的静かで
                声は充分に聴こえてくるし
                あのテノール出した後に、低音まで響かせるって
                いったいどういう声域の歌手なんだよ、と驚くけれど

                でも、別にカウフマンのバリトンでこれ聴かなくても
                バリトンだったら、もっと良い歌手はよりどりみどり・・・

                ドイツ・リートも歌うカウフマンだから
                ドイツ語の発音も(比較的)クリアだし
                さすがにバリトンの声域だと
                テノールほどの声量はないにしても
                それだけの声量はバリトンないしはアルトの曲には不要だから
                ちゃんと聴かせてはくれるんですけど

                別にこれ、一人の歌手で全部歌うという
                サーカスまがいの事をしなくても良かったんじゃないの?

                歌手1人の方が2人よりギャラが少なくて済むとか
                そういう問題でもなさそうだし。
                (第一、ヨナス・カウフマンのギャラだったら
                 普通の歌手2人よりずっと高いだろう)

                もともと苦手な曲というのもあるし
                (だから最後の Abschied になると身構える)
                で、最後の曲だけ
                巧く巧く巧く演奏されると
                ちょっと胸が痛くなるだけじゃなくて
                厭世観や全身の痛みに
                どどどどどどど〜んと落ち込むという
                (だってあの曲、どう聴いても病気だよ、病気。
                 あんな曲、どうやって普通の精神状態で聴けと?)
                とんでもない曲なのだが

                いや、カウフマンのバリトンの
                ものすごく内省的なテキストも良かったですよ。
                でも、何だか、リートに全身を刺されるというよりは

                ほおおお、すごいですねテノールもバリトンも歌っちゃうなんて
                ・・・・と言う、商業的なあざとさが見えちゃって

                素直に感激できずごめんなさい。

                マイクがあって録音もされていたみたいだから
                そのうち、うまくバランスを修正した CD が
                またベスト・セラーになるのだろう。

                まぁ、どんな音楽だって
                売れなければ話にならないのだから
                それはそれで・・・(以下省略)

                今週一杯で、2016年の前半シーズンもお終いかと
                夏至の日に、大地の歌と全然関係なく
                ちょっとセンチメンタルになっている私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                ウィーン交響楽団 + ロベルト・トレヴィーノ

                0
                  Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年6月20日 19時30分〜21時35分

                  Wiener Symphoniker
                  指揮 Robert Trevino
                  ピアノ Alice Sara Ott

                  Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
                   Burja “Der Sturm”
                     Symphonische Fantasie nach William Shakespeare op. 18 (1873)
                  Franz Liszt (1811-1886)
                   Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2 A-Dur S 125 (1848)
                  Antonín Dvořák (1841-1904)
                   Symphonie Nr. 7 d-moll op. 70 (1884-85)

                  当初、パブロ・へラス=カサドが振る予定だったコンサートだが
                  「個人的な理由」でキャンセルされたという
                  こちらも指揮者に振られてばかりのウィーン交響楽団(笑)

                  代わってデビューしたのが
                  アメリカの指揮者、ロベルト・トレヴィーノ。
                  日本では既にデビューしている様子。

                  で、何回も繰り返してしつこく書くけれど
                  これは、全く音楽の専門教育も受けていなければ
                  何の教養も知識もない、ド・シロートの私が

                  音楽が好きというよりは
                  オーケストラの「音響」が好きで行っているコンサートの
                  自分のための覚え書きであるからして

                  気に入らないコンサートは
                  後で批評家がどんなに絶賛しても
                  自分の正直な気持ちを書くしかないので
                  専門家の方の批評を読みたい方は
                  どうぞお引き取り下さいませ。

                  最初のチャイコフスキーから
                  何か、イヤに地味だなぁ、という印象。

                  一応、巧くは音楽としてまとまってはいるのだが
                  劇的に演奏しようとすればするほど
                  何だか上滑りになって
                  ただ一応、キレイに演奏してます、ちゃんちゃん
                  という感じか。

                  さすがにサラリーマン音楽専門家集団だから
                  プロなりの演奏はするけれど
                  はっきり言って、退屈である。

                  まぁ、それはもしかしたら
                  オーケストラとか指揮者とかじゃなくて
                  チャイコフスキーが悪いのかもしれないから・・・

                  フランツ・リストのピアノ協奏曲2番。
                  ソリストはアリス・サラ・オットで
                  昔聴いた時には、チャーミングなピアニストだなぁ、と思ったのだが

                  ・・・沈黙。

                  いや、技術的に下手だったら
                  どの舞台にも立てない訳で
                  そりゃ、巧いです。

                  でもでもでも
                  リストのピアノ協奏曲2番って
                  こんなに甘いだけの
                  ハリウッド映画の劇伴です、みたいな曲だったっけ?

                  劇伴に徹するなら別にそれはそれで良いんだけど
                  華やかさもないし
                  ちょっとはチャーミングだけど(若い女の子だし赤い肩出しドレスだし)
                  なんだか投げやりに、弾けば良いんでしょ、みたいな印象を残す。

                  時々オーケストラとズレてるし。

                  あっさりし過ぎだろ、これ。

                  アンコールもアピールしない曲で、退屈・・・
                  (疲れていたのかもしれない。
                   何か、アンコール前にドイツ語で何か言っていたが
                   ギャラリーまでは聞こえて来なかったし)

                  前半、こんなような感じで
                  むちゃくちゃ退屈だったので
                  後半のドボルジャークに期待・・・

                  ・・・するんじゃなかった(涙)

                  フレーズがブチブチ切れて
                  音楽的なボーゲンが繋がって行かないし

                  最初の拍にアクセントが掛かり過ぎで
                  ものすごく単純に聴こえて来て
                  いったいどんなアメリカの行進曲だよこれって感じだし

                  フォルテからピアノに移行すると
                  突然、車のエンジンが落ちたような不安定さと
                  緊張感の緩みが出て来てしまう上に

                  ドボルジャークの得意とする素晴らしい転調でも
                  全然オーケストラの音の色が変わらない。

                  いや、言いたい放題で申し訳ないし
                  こちらの体調とか、もともとない聴く耳の問題もあるけれど
                  ともかく、気味の悪い、というか
                  表面だけ、というか
                  アンタ、本当にこの音楽わかってやってるのか、と
                  ド・シロートながらも、何かちょっと、いやいや
                  ものすごく気に喰わない(ごめんなさい)

                  別に指揮者がイケメンじゃなかったから、という(だけの)理由ではないが
                  カリスマ性とか全然ないし
                  音楽の作りがあまりに上っ面で単純で

                  またスゴイ新人が出てくるのかな、と期待して行って
                  すごく損した感じがする。

                  所詮はミーハーで有名度に従って聴く態度も変える
                  自分の意見のないアホですからワタシ。
                  結構、あちこちで有名なオーケストラにデビューしている新人らしいから
                  これから、どんどん出てくるのかもしれないけれど

                  すみません、問題外です(断言)

                  個人のド・シロートの感想記なので
                  読者の皆さまは、こういう悪口に惑わされませんよう。
                  自分の耳で実際に聴いてみないと
                  どんなモンだかはわかりませんから。

                  明日も同じコンサートがあるので
                  (で、ウィーン交響楽団は2回目の方が良い事が多い)
                  もしかしたら、明日は突然化ける可能性はあるが

                  明日はワタクシ、別のコンサートに参ります。
                  ・・・と書くと
                  あ、あれね?とピンと来るオタクの読者の皆さま
                  どうぞ私に1クリックをお恵み下さい。


                  ウィーン・フィル + オロスコ=エストラーダ 2回目

                  0
                    Musikverein Großer Saal 2016年6月19日 11時〜13時5分

                    Wiener Philharmoniker
                    指揮 Andrés Orozco-Estrada
                    バイオリン Hilary Hahn

                    Zoltán Kodály (1882-1967)
                     Tänze aus Galánta
                    Henri Vieuxtemps (1820-1881)
                     Konzert für Viloine und Orchester Nr. 4, d-Moll, op. 31
                    Sergeij Rachmaninow (1873-1943)
                     Symphonische Tänze, op. 45

                    ウィーン・フィル定期公演2回目。
                    (ご存知の通り、ウィーン・フィルの定期公演というのは
                     土曜日の15時30分と日曜日の11時から。
                     年間でそれぞれ10回。
                     土曜日も日曜日も行ってるワタシはかなりオタクな方かもしれない)

                    朝の7時にサウナのスイッチ入れに行った時は
                    雨だったのだが
                    その後、すっきり晴れて、気持ち良い日曜日で
                    やっぱり楽友協会前に
                    余ったチケットを持って立っている人が結構居る(笑)

                    コダーイのガランタ舞曲の印象は昨日と変わりなし。
                    指揮姿見るのは止めて
                    音楽だけに集中してみたけれど
                    いや、やっぱり巧いよねウィーン・フィルって。
                    (だから巧過ぎてイヤミ・・・とか、もう言いません(笑))

                    その代わりに、ヴュータンのバイオリン協奏曲で
                    指揮者を見る事にした。
                    (註 ソリストは見えません)
                    協奏曲で指揮者を見るのは、意外に面白いのである(根性悪)

                    オロスコ=エストラーダの激しい指揮ダンス
                    嫌いじゃないけれど
                    こうやって見ると、あまりに激し過ぎ。
                    細かい部分の一つ一つに
                    全部身体の振付が付いている感じで
                    せわしなくて、見ているとちょっとこちらも疲れてくる(笑)

                    まだ若いですもんね。

                    さて、ソリストは見えないけれど
                    ヴュータンの音楽の美しい事。
                    バランスが取れて、クラシックで美しくて
                    たぶん、現代のアクのある趣味から言えば
                    多少退屈に聴こえてくるくらい、正統派で素晴らしい曲で

                    ヒラリー・ハーンのバイオリンの音色と
                    ぴったり合ってる。

                    本当、この人のバイオリンの音って
                    限りなく正統派というか、濁りがなくて純粋で
                    確かに、ヴュータンみたいな曲が好きなんだな、と
                    ストンと理解できる。

                    何と言うか、曲も演奏も清純そのものと言う感じ。

                    しかしまぁ、あの高音をピッタリと
                    素晴らしい音色で出しちゃうというのは
                    すごいテクニックだと思う。人間技とは思えない。

                    昨日と同じ疾走するバッハのアンコールが
                    日曜日お昼の楽友協会のホールに響き渡ると
                    うははは、それだけで、むちゃくちゃ幸せ。
                    明るい音色のチャーミングなバイオリンって
                    まっすぐな感じで
                    素直に聴いている人を幸せにしてくれる ♡

                    後半の交響的舞曲は
                    指揮姿見てると疲れそうなので
                    音だけに集中。

                    昨日の前半の間の抜けた演奏とは打って変わって
                    すごい締まった、ワイルドな演奏になってる。
                    叩き付けるような激しさが
                    荒く聴こえるほどの弾むようなリズムで
                    聴いているこちらの身体が
                    自動的に踊り出しそうなくらい。

                    なのに、途中の弦のアンサンブルが
                    もう、むちゃくちゃ美しい。
                    ピアノと弦の泣き節の美しさと言ったら
                    あああ、やっぱりこういう音って
                    ウィーン・フィルにしか出せない音だよねきっと。

                    感激した、とか涙出そうとか言うよりは
                    野性的なリズムに乗って疾走するラフマニノフを
                    身体全体で感じて
                    ただただ、その陶酔感に酔っていた気分。

                    クール・ビューティとは対極にある
                    すごく熱いワイルドな、力一杯のラフマニノフって
                    ウィーン・フィルのあの貴族的でお上品なオーケストラから
                    よくぞ、あの力を引き出したもんだ。

                    トーンキュンストラーの時は
                    オロスコ=エストラーダの情熱に
                    オーケストラが釣られて
                    時々、すごい名演していたけれど
                    ウィーン・フィルでも発揮されるのか、この指揮者の情熱は・・・

                    コンサート後に
                    ヒラリー・ハーンのサイン会があったようなのだが
                    ちょっと仕事が入っていたので
                    ラフマニノフのダンスでまだ踊りながら
                    会場を後にした私に
                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    ウィーン・フィルの定期公演は
                    今シーズンはこれが最後。
                    6月のコンサートもそろそろ終わりで
                    この間、とある人から
                    「はっぱ、7月は休みを取るの?」
                    「いや、旅行会社は夏は休みが取れないし」と言ったら
                    「でも、コンサートとかなくなるでしょ?どうするの?」

                    ・・・・ ええ、自分でもどうしようかと困ってます(爆笑)

                    ウィーン・フィル + オロスコ=エストラーダ 1回目

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2016年6月18日 15時30分〜17時35分

                      Wiener Philharmoniker
                      指揮 Andrés Orozco-Estrada
                      バイオリン Hilary Hahn

                      Zoltán Kodály (1882-1967)
                       Tänze aus Galánta
                      Henri Vieuxtemps (1820-1881)
                       Konzert für Viloine und Orchester Nr. 4, d-Moll, op. 31
                      Sergeij Rachmaninow (1873-1943)
                       Symphonische Tänze, op. 45

                      以前のトーンキュンストラーの首席で
                      代役で何回かウィーン・フィルを振った
                      アンドレ・オロスコ=エストラーダの
                      正式なウィーン・フィルの定期のデビュー。

                      ああ、1年振りのオロスコ=エストラーダ。
                      昨年の最終公演の時には
                      CD を買って、サイン貰いに走ったっけ。

                      今回のプログラムはエストラーダらしく
                      テーマは「ダンス」
                      (ヴュータンのバイオリン協奏曲はヒラリー・ハーンの選択だろう)

                      ガランタ舞曲は、オロスコ=エストラーダはかなり好きみたいで
                      何回か聴いた記憶がある。

                      けど、今までオロスコ=エストラーダの指揮を見ていて
                      出てくる音がトーンキュンストラーだっただけに
                      何か、ウィーン・フィルだと違和感が・・・(すみません)

                      ウィーン・フィルにガランタ舞曲を演奏させたら
                      そりゃ、巧いのである。
                      トーンキュンストラーが下手という訳ではなくて
                      持っている音色が違うので、これは仕方がない。

                      ただ、ガランタ舞曲の持つ、土臭さというか
                      ワイルドなところが、そっくり抜け落ちてしまって
                      何だか、イヤに洗練された舞曲になっている(ような気がする)

                      だって、ソロとか弦のアンサンブルがあまりに見事すぎて
                      指揮者が熱情的に踊っているのに
                      ふん、オロスコ=エストラーダの要求なんて
                      簡単に実現できるよ、はははは
                      みたいな
                      何と言うか、ちょっと巧過ぎてイヤミ?

                      あまりに洗練され過ぎて
                      情熱とか、オーケストラが火の玉になって燃えましたというのではなくて
                      ふふん、こんな技術、朝飯前だもんね、という感じがする。

                      まぁ、好みの問題ですが。

                      アンリ・ヴュータンのバイオリン協奏曲。
                      ソリストは美人のヒラリー・ハーン。
                      (舞台からは見えません、悪しからず)

                      ベルリオーズあたりが絶賛したというこの作曲家の
                      バイオリン協奏曲。
                      長い前奏の後に入ってくるバイオリンの音が

                      何と言う清潔感・・・
                      汚れも何もない、天使みたいな音。
                      オーケストラと混じり、ソロで出て、また混じり
                      すごく難しい事をしているとは思うのだが
                      難しさを全く感じさせず
                      明るくて、澄んでいて、素直で、清潔で、正しいバイオリンの音。

                      スッキリ爽やかヴュータン(笑)

                      超絶技巧を全く超絶と感じさせず
                      ものすごい高音もピタッと当てて
                      とことん澄んだ音で攻めてくる。

                      いや、参ったな・・・
                      すごいな、このバイオリンも・・・

                      アンコールのバッハがまたもう極上の音で
                      聴いている方には、贅沢の極みってこういう事を言うのかって感じ。

                      後半はラフマニノフの交響的舞曲。
                      ううう、これ、巧く演奏すれば、むちゃくちゃカッコいい曲。

                      ただ、最初の楽章の途中の
                      木管によるアンサンブルの部分が
                      何かあれ? リズムが出て来ないし
                      イヤに間の抜けた演奏だけど? と思っていたら
                      後から聞いたら、オーボエの楽器が不調だったらしく
                      オーボエ抜けだったらしい。
                      (まぁ、演奏事故は時々あります)

                      でも途中から、突然オーケストラが目覚めたみたいになって
                      これは、むちゃマッチョに締まった演奏になった。

                      ガランタ舞曲の緩さとは違って
                      ばっちりオーケストラが本気を出して演奏し始めたな、と
                      こちらもウキウキしてくる。

                      オロスコ=エストラーダの指揮振りは
                      ますますダンスになっていて(笑)
                      さすがに最近、指揮者の姿を見るのも、飽きては来ているのだが
                      オロスコ=エストラーダの指揮ダンスは
                      見ていて、とても楽しい ♡

                      若いから、動くし、一つ一つの拍を全部振るし
                      動きが大きくて、しかも音楽とピッタリ合っていて

                      本人は別にアピールするために振っているのではなさそうだが
                      いや、見ている方は、モダン・ダンスでも見ているような気分。
                      (音と視覚で、2倍お得な気分(笑))

                      最初の演奏事故の後は
                      オーケストラがかなり本気を出して食いついて来たので
                      オロスコ=エストラーダの天性のリズム感と
                      ウィーン・フィルの音色の艶が一体になって
                      おおお、気持ち良い ♡

                      オロスコ=エストラーダのダンス健在(笑)
                      自分に合ったプログラム構成で
                      自由自在に踊る指揮者を見る幸福って
                      久し振りかな、と思いつつ

                      太陽燦々と輝く土曜日のコンサートを楽しんで
                      その後、自宅のガーデン・パーティで
                      大いに酔っ払っていた私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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