土曜日のギリギリのダブル。
時系列で読みたい方は、まずは ここ からどうぞ。
下はギリギリ間に合った夜の公演の記事です。
Festspielhaus St. Pölten 2016年4月30日 19時30分〜21時45分
Sidi Larbi Cherkaoui / Saburo Teshigawara
GöteborgsOperans Danskompani
“Spirit”
Noetic
振付 Sidi Larbi Cherkaoui
作曲 Szymon Brzóska
舞台 Antony Gormley
衣装 Les Hommes
ドラマツルギー Adolphe Binder
照明デザイン David Stokholm
ライブ・ミュージック Shogo Yoshi
歌 Miriam Andersén
テープ音楽 Göteborg Opera Orchester (指揮 Henrik Schaefer)
ダンサー Astrid Boons, Jim De Block, Therese Fredriksson
Mai Lisa Guinoo, Toby Kassell, Janine Koertge, Maxime Lachaume
Fan Luo, Pascal Marty, Maria Chiara Mezzadri, Anna Ozerskaia
Jonathan Savage, Dorotea Saykaly, Ekaterina Shushakova
Ján Spoták, Oleg Stepanov, Satoko Takanashi, Lee-Yuan, Tu,
Akira Yamada
Metamorphosis
振付・舞台・衣装・照明デザイン Saboro Teshigawara
サウンド・デザイン Tim Wright
音楽(テープ)
Olivier Messiaen “O Sacrum Convivium”
Maurice Ravel “Trois poèmes de Stéphane Mallarmé : I. Soupir”
ダンサー Astrid Boons, Mai Lisa Guinoo, Janine Koertge
Maxime Lachaume, Pascal Marty, Maria Chiara Mezzadri
Ekaterina Shushakova, Ján Spoták, Oleg Stepanov
Tatoko Takahashi, Lee-Yuan Tu
ウィーン・フィルの定期公演の終わりが
思ったより遅くて焦ったのは
この公演のチケットを持っていたから。
この公演のチケットを買った時には
ウィーン・フィルのコンサートが17時30分に終われば
余裕で、19時には到着するだろう、という思惑があったので
まさか、コンサートが18時近くまでかかるとは
思っても見なかったのである。
(プログラムをちゃんとチェックしましょう・・・反省)
ともかく車に飛び乗って
高速に向かったら
高速の入り口が工事で閉鎖されていて(汗汗汗)
別のところから高速に乗って
ここで書くと、後で警察から罰金来るかもしれない
という速度ですっ飛ばし
何とか19時に到着したは良いのだが
パーキング、一杯だよ・・・
というより、こちらの人
それでなくても狭いスペースなのに
白線ギリギリとか、はみ出して停めてあるので
パーキングあり、とか言われても油断がならん。
焦って車を入れようとして
思い切り、壁に車のサイドをガリガリ擦って
車の右側がスゴイ事になってる・・・
でも、結果的には間に合ったから良しとしよう。
(後の費用がコワイが)
ゲーテボルク・オペラ・ダンス・カンパニー
・・・と読むのだろうと思っていたら
ゲーテボルクなんて都市、ないじゃん(汗)
スウェーデンのこの都市はヨーテボリと読むらしい。
ストックホルムに次ぐ大都会。
で、何故このチケットを買ったかと言うと
ヨーテボリ云々ではなくて
勅使川原三郎の作品が上演されるから、という理由。
勅使川原三郎については
ツィッターやらブログやらで
賞賛、賞賛、また賞賛をイヤというほど読まされているのに
今まで鑑賞した事がなく
ウィーンのダンス・クォーターのアーカイブに
フィルムはあるものの
関係者のみに公開、それ以外の人は許可が必要、と書いてあって
許可ちょうだいメールを何回か送ったが、なしのつぶてなのである。
こほん、まぁ、それは置いておいて
最初の Noetic という作品。
ベルギー出身の振付師 シディ・ラルビ・シェルカウイが
このカンパニーのために2014年に作った作品で
イギリスの彫刻家 アントニー・ゴームリーとの共同作品。
最初に舞台下手の脇に
和太鼓が置いてあって、和太鼓の演奏からパーフォーマンス開始。
男性は背広にネクタイで
女性は黒いシンプルなワンピース。
舞台はシンプルで、黒と白だけ。舞台装置は全くなし。
ソロ・ダンサーを囲んで
他のダンサーが出て来て
群舞と思いきや
何人かがまとまったグループになって
これ、この動きって
人間の動きで海の波とかを作ってるのかな?
テーマが自然、という事なら
次に来るのは風か、と思ったら大当たり。
だが、私の貧しい想像力では思いもつかない展開が・・・
クリップ貼っておくけれど
このクリップ、時系列がかなり前後している編集なので
シーンの順番はメチャクチャ(涙)
実に不思議な作品で、何とも言えず美しいのは
有機的なもの(人間の身体)と
無機物(金属のレール)が
時には、有機物が無機物のような機械的な動きをするかと思うと
無機物である金属のレールが
輪になって、輪のまま
人間なしの状態で音楽に合わせて床で揺れているという
何とも有機的としか言えない動きをしたり
太鼓や笛や
三味線に似た楽器をボウで弾いたりする
ちょっと東洋的な部分と
澄んだ美しい声で(マイク使用)
北欧の民族歌曲らしきものを歌うソプラノと
現代音楽と、伝統音楽と、民謡
世俗の音楽と宗教的なメロディが
渾然として
舞台の有機物・無機物の不思議な動きに合わせて
観客も
いったい、自分が何処にいるのか
どの時代なのか、どの世界なのか
自分がオーガニックなモノなのかテクニカルなモノなのか
何もかもが交錯して
時空を飛び越えて不思議な世界に入ってしまう。
何て魅力的な作品 ♡
ダンサーの動きも
ソロになったり、群舞になったり
生物的な動きがあったかと思うと
まるで時計の中の機械のような動きになったり
金属のレールが床に敷かれて
モンドリアンの絵のようになったり
ダヴィデの星になったり
そして、金属のレールが曲げられて輪になって
その輪が動いたり、絡まったり
一つ一つのシーンが実に美しく
論理的に構築されていて
これこそが、動く芸術作品 ♡♡♡♡♡
全く飽きる事がなくて
あちこちに色々な妄想喚起力が隠されていて
うわ〜ん、この作品、もう一度観たいよ〜。
(オーストリア初演である。しかも今日1回だけ(涙))
高速道路でド派手な速度違反をやって良かった(こらっ!)
いや、これ観るだけでも
サンクト・ペルテンに来て良かった。
でも、私の目的は勅使川原三郎の Metamorphosis である。
ところが・・・
これが、すみません、むちゃつまらなかった。
肌色のレオタードの男女が踊るのだが
最初の男性のソロが長過ぎる。
何だか悩んでいるように見えるのだが
筋肉の動きとか、スゴイな、と思って
望遠鏡で、ウハハ、筋肉だ、と喜んでいても
さすがに5分以上、踊ってるというより
悩んで悶えている姿を観ていると、だんだん退屈になる。
群舞になると
みんな床に寝て
ジッと寝て
時々、タイミング揃えて、ちょっとだけ起きて
またジッと寝て
次のタイミングでまた、もう少しだけ起きて
・・・というのを
延々と繰り返して、最後は全員立つという
何か、すごくベタ。
照明は白と黒で、時々、とても美しいし
ダンサーの裸の筋肉はスゴイし
メタモルフォーゼだから
人間の身体の変化を扱っているのよね、程度はわかるけれど
最初の音なんて、音楽じゃなくて
ずっと雑音っぽいし
(お陰で隣の年配のご婦人が、ずっとお喋りしていて気が散った)
途中で出てくるコーラスの音楽は素晴らしい
・・・と思ったら、メシアンなのね(笑)
ダンスというよりは「動きだけ」の作品で
ダンサーが寝っ転がって足だけ上げて
(ロウソクか何かが舞台に立ってるみたい)
それが微妙に動く、というようなシーンって
日本の「能」ですかね?
沈黙や、何も動かないシーンが多過ぎるかと思えば
最後はダンサーが舞台の上を
手を激しくブラブラさせながら
ひたすら走る。
途中で出ていった人も何人か居たし
きっと高尚で哲学的な作品なのであろうが
高尚過ぎてワタクシにはわかりません(爆)
この作品のみを以て
勅使川原三郎という振付師を評価しようとは思わないが
前評判があまりに良かったので
かなり期待外れ。
これもヨーテボリ・オペラ・ダンス・カンパニーのクリップがあったので
貼っておく。ご興味ある方はどうぞ。
6秒から9秒あたりの、この動きは
無音のままで、この間にいったんダンサーは
パタッと倒れて、ずっと倒れたまま。
それからまた、パッと起きて、というので
これだけで約10分ほどかかるシーンです。
あんまり高尚過ぎると
俗人の私には理解不可能で・・・
帰りはちゃんと時速を守ってウィーンに戻って来た私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
時系列で読みたい方は、まずは ここ からどうぞ。
下はギリギリ間に合った夜の公演の記事です。
Festspielhaus St. Pölten 2016年4月30日 19時30分〜21時45分
Sidi Larbi Cherkaoui / Saburo Teshigawara
GöteborgsOperans Danskompani
“Spirit”
Noetic
振付 Sidi Larbi Cherkaoui
作曲 Szymon Brzóska
舞台 Antony Gormley
衣装 Les Hommes
ドラマツルギー Adolphe Binder
照明デザイン David Stokholm
ライブ・ミュージック Shogo Yoshi
歌 Miriam Andersén
テープ音楽 Göteborg Opera Orchester (指揮 Henrik Schaefer)
ダンサー Astrid Boons, Jim De Block, Therese Fredriksson
Mai Lisa Guinoo, Toby Kassell, Janine Koertge, Maxime Lachaume
Fan Luo, Pascal Marty, Maria Chiara Mezzadri, Anna Ozerskaia
Jonathan Savage, Dorotea Saykaly, Ekaterina Shushakova
Ján Spoták, Oleg Stepanov, Satoko Takanashi, Lee-Yuan, Tu,
Akira Yamada
Metamorphosis
振付・舞台・衣装・照明デザイン Saboro Teshigawara
サウンド・デザイン Tim Wright
音楽(テープ)
Olivier Messiaen “O Sacrum Convivium”
Maurice Ravel “Trois poèmes de Stéphane Mallarmé : I. Soupir”
ダンサー Astrid Boons, Mai Lisa Guinoo, Janine Koertge
Maxime Lachaume, Pascal Marty, Maria Chiara Mezzadri
Ekaterina Shushakova, Ján Spoták, Oleg Stepanov
Tatoko Takahashi, Lee-Yuan Tu
ウィーン・フィルの定期公演の終わりが
思ったより遅くて焦ったのは
この公演のチケットを持っていたから。
この公演のチケットを買った時には
ウィーン・フィルのコンサートが17時30分に終われば
余裕で、19時には到着するだろう、という思惑があったので
まさか、コンサートが18時近くまでかかるとは
思っても見なかったのである。
(プログラムをちゃんとチェックしましょう・・・反省)
ともかく車に飛び乗って
高速に向かったら
高速の入り口が工事で閉鎖されていて(汗汗汗)
別のところから高速に乗って
ここで書くと、後で警察から罰金来るかもしれない
という速度ですっ飛ばし
何とか19時に到着したは良いのだが
パーキング、一杯だよ・・・
というより、こちらの人
それでなくても狭いスペースなのに
白線ギリギリとか、はみ出して停めてあるので
パーキングあり、とか言われても油断がならん。
焦って車を入れようとして
思い切り、壁に車のサイドをガリガリ擦って
車の右側がスゴイ事になってる・・・
でも、結果的には間に合ったから良しとしよう。
(後の費用がコワイが)
ゲーテボルク・オペラ・ダンス・カンパニー
・・・と読むのだろうと思っていたら
ゲーテボルクなんて都市、ないじゃん(汗)
スウェーデンのこの都市はヨーテボリと読むらしい。
ストックホルムに次ぐ大都会。
で、何故このチケットを買ったかと言うと
ヨーテボリ云々ではなくて
勅使川原三郎の作品が上演されるから、という理由。
勅使川原三郎については
ツィッターやらブログやらで
賞賛、賞賛、また賞賛をイヤというほど読まされているのに
今まで鑑賞した事がなく
ウィーンのダンス・クォーターのアーカイブに
フィルムはあるものの
関係者のみに公開、それ以外の人は許可が必要、と書いてあって
許可ちょうだいメールを何回か送ったが、なしのつぶてなのである。
こほん、まぁ、それは置いておいて
最初の Noetic という作品。
ベルギー出身の振付師 シディ・ラルビ・シェルカウイが
このカンパニーのために2014年に作った作品で
イギリスの彫刻家 アントニー・ゴームリーとの共同作品。
最初に舞台下手の脇に
和太鼓が置いてあって、和太鼓の演奏からパーフォーマンス開始。
男性は背広にネクタイで
女性は黒いシンプルなワンピース。
舞台はシンプルで、黒と白だけ。舞台装置は全くなし。
ソロ・ダンサーを囲んで
他のダンサーが出て来て
群舞と思いきや
何人かがまとまったグループになって
これ、この動きって
人間の動きで海の波とかを作ってるのかな?
テーマが自然、という事なら
次に来るのは風か、と思ったら大当たり。
だが、私の貧しい想像力では思いもつかない展開が・・・
クリップ貼っておくけれど
このクリップ、時系列がかなり前後している編集なので
シーンの順番はメチャクチャ(涙)
実に不思議な作品で、何とも言えず美しいのは
有機的なもの(人間の身体)と
無機物(金属のレール)が
時には、有機物が無機物のような機械的な動きをするかと思うと
無機物である金属のレールが
輪になって、輪のまま
人間なしの状態で音楽に合わせて床で揺れているという
何とも有機的としか言えない動きをしたり
太鼓や笛や
三味線に似た楽器をボウで弾いたりする
ちょっと東洋的な部分と
澄んだ美しい声で(マイク使用)
北欧の民族歌曲らしきものを歌うソプラノと
現代音楽と、伝統音楽と、民謡
世俗の音楽と宗教的なメロディが
渾然として
舞台の有機物・無機物の不思議な動きに合わせて
観客も
いったい、自分が何処にいるのか
どの時代なのか、どの世界なのか
自分がオーガニックなモノなのかテクニカルなモノなのか
何もかもが交錯して
時空を飛び越えて不思議な世界に入ってしまう。
何て魅力的な作品 ♡
ダンサーの動きも
ソロになったり、群舞になったり
生物的な動きがあったかと思うと
まるで時計の中の機械のような動きになったり
金属のレールが床に敷かれて
モンドリアンの絵のようになったり
ダヴィデの星になったり
そして、金属のレールが曲げられて輪になって
その輪が動いたり、絡まったり
一つ一つのシーンが実に美しく
論理的に構築されていて
これこそが、動く芸術作品 ♡♡♡♡♡
全く飽きる事がなくて
あちこちに色々な妄想喚起力が隠されていて
うわ〜ん、この作品、もう一度観たいよ〜。
(オーストリア初演である。しかも今日1回だけ(涙))
高速道路でド派手な速度違反をやって良かった(こらっ!)
いや、これ観るだけでも
サンクト・ペルテンに来て良かった。
でも、私の目的は勅使川原三郎の Metamorphosis である。
ところが・・・
これが、すみません、むちゃつまらなかった。
肌色のレオタードの男女が踊るのだが
最初の男性のソロが長過ぎる。
何だか悩んでいるように見えるのだが
筋肉の動きとか、スゴイな、と思って
望遠鏡で、ウハハ、筋肉だ、と喜んでいても
さすがに5分以上、踊ってるというより
悩んで悶えている姿を観ていると、だんだん退屈になる。
群舞になると
みんな床に寝て
ジッと寝て
時々、タイミング揃えて、ちょっとだけ起きて
またジッと寝て
次のタイミングでまた、もう少しだけ起きて
・・・というのを
延々と繰り返して、最後は全員立つという
何か、すごくベタ。
照明は白と黒で、時々、とても美しいし
ダンサーの裸の筋肉はスゴイし
メタモルフォーゼだから
人間の身体の変化を扱っているのよね、程度はわかるけれど
最初の音なんて、音楽じゃなくて
ずっと雑音っぽいし
(お陰で隣の年配のご婦人が、ずっとお喋りしていて気が散った)
途中で出てくるコーラスの音楽は素晴らしい
・・・と思ったら、メシアンなのね(笑)
ダンスというよりは「動きだけ」の作品で
ダンサーが寝っ転がって足だけ上げて
(ロウソクか何かが舞台に立ってるみたい)
それが微妙に動く、というようなシーンって
日本の「能」ですかね?
沈黙や、何も動かないシーンが多過ぎるかと思えば
最後はダンサーが舞台の上を
手を激しくブラブラさせながら
ひたすら走る。
途中で出ていった人も何人か居たし
きっと高尚で哲学的な作品なのであろうが
高尚過ぎてワタクシにはわかりません(爆)
この作品のみを以て
勅使川原三郎という振付師を評価しようとは思わないが
前評判があまりに良かったので
かなり期待外れ。
これもヨーテボリ・オペラ・ダンス・カンパニーのクリップがあったので
貼っておく。ご興味ある方はどうぞ。
6秒から9秒あたりの、この動きは
無音のままで、この間にいったんダンサーは
パタッと倒れて、ずっと倒れたまま。
それからまた、パッと起きて、というので
これだけで約10分ほどかかるシーンです。
あんまり高尚過ぎると
俗人の私には理解不可能で・・・
帰りはちゃんと時速を守ってウィーンに戻って来た私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。