アグリッピナ(ヘンデル)ウィーン劇場

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    Theater an der Wien 2016年3月31日 19時〜22時30分

    AGRIPPINA
    Oper in drei Akten (1709)
    Musik von Georg Friedrich Händel
    Libretto von Vincenzo Grimani

    指揮 Thomas Hengelbrock
    演出 Robert Carsen
    舞台 Gideon Davey
    照明 Robert Carsen & Peter van Praet
    ビデオ Ian Galloway
    ドラマツルギー Ian Burton

    Agrippina : Patricia Bardon
    Claudio : Mika Kares
    Nerone : Jake Arditti
    Poppea : Daniella de Niese
    Ottone : Filippo Mineccia
    Pallante : Damien Pass
    Narciso : Tom Verney
    Lesbo : Christoph Seidl

    オーケストラ Balthasar Neumann Ensemble

    ヘンデルのオペラ「アグリッピナ」
    ウィーン劇場のチケット異様に高いし
    設備は古いし、舞台見え難いし
    バロックのオペラ長いし
    最初は全然アンテナに引っかかって来なかったのだが

    ヘンゲルブロックの指揮?!
    ・・・なら行ってみたい、とミーハー気分でチケット購入。

    46ユーロで舞台ほとんど見えませんが(涙)

    もっともオーケストラだけは良く見える。
    ヘンゲルブロックもよく見える。

    更に、3月の激務の後、という事で
    仕事サボって、1日休みを申請していたので
    昼過ぎまで惰眠を貪ってから出かけたので
    身体の調子はえらくよろしい(笑)

    で、これがこれがこれが
    何と、むちゃくちゃ面白かったのである!!!!

    夫の皇帝クラウディオが溺れて死んだという知らせを聞いて
    アグリッピナは自分の息子(連れ子)のネロを次の皇帝にと画策。
    手下のパラスとナルシソを色気で懐柔。

    ところがクラウディオは部下のオットーに助けられて
    行きていたのが判明。
    しかも、クラウディオはオットーに感謝の印として
    次の皇帝の地位を約束してしまう。

    さて大変。
    クラウディオもオットーもネロも惚れているポッペーアを利用して
    陰謀を巡らせて、何とかネロを次の皇帝に

    という話なのだが

    現代演出で、テレビやらコンピュータやらのある社長室?と
    どこかの邸宅の居間+ベッドルームと
    真ん中にプールがあって、周囲にデッキチェアのある舞台装置で
    ハチャメチャ含みで劇は進行する。

    けど、私の席からは、ほとんど舞台が見えません(涙)

    でもでもでも、オーケストラを見ていると面白い。
    バロック・オーケストラなんだけど
    最初のドラマチックな序曲から

    おおおおおおっ
    オーケストラのメンバー、全員、踊っている。

    だって身体が動くんですよ〜
    コンマスの動きもスゴイけれど
    対抗位置のよく見えるバイオリン軍団なんか
    ボーイングだけじゃなくて
    全員が同じように身体を激しく動かすのである。

    オーボエのお姉さんも身体を揺らしながらの演奏だし
    コンマスのソロのところの頭の振り方なんか超絶だし

    でまた、ヘンゲルブロックの指揮が
    むちゃ情熱的で
    舞台見ながら歌詞を口で指示してる。

    レチタティーヴォの部分は
    チェンバロやチェロ(これが通奏低音?)や
    リュートに任せているけれど
    アリアに入る直前に
    それ、やるぞ!という感じで

    指揮者もオーケストラも
    何か、むやみやたらに楽しそうなのである。

    クラリネットのお兄さんなんかは
    自分が演奏しないところで
    舞台に水着姿のお姉ちゃんが大量に現れるところでは
    嬉しそうにジッと舞台見てたし(ナニを見てるワタシは)

    演奏していないパートの人たちも
    時々、音楽に合わせて身体が揺れている。
    ついでに、たぶん、私も席のところで
    多少なりとも身体揺らして踊っていたと思う。

    だって、だって、だって
    ヘンデルの音楽、むちゃくちゃご機嫌で
    ドラマチックで、新鮮な部分が目一杯たくさんあって
    ええええっ、その音の扱い方ってアリですか〜
    と驚く部分と
    うわ〜、アリアの楽器の使い方が巧い・・・と
    度肝を抜かれる部分のテンコ盛り。

    ああああ、そうなんですよね。
    バロック音楽って
    ついつい、器楽ばっかり聞いていると
    何かつまらん、と思うんだけど

    当時は器楽の音楽は
    ミサの音楽でなければ
    ただの BGM であって(極論)
    本来は、オペラなんですよ、オペラ。

    しかも娯楽のなかった当時は
    オペラと言えば、テレビ・ドラマか映画か、という役割で
    現代のように、「高尚」なものではなかったのだ。

    (今だってイタリア・オペラの愛憎劇なんかは
     どう考えたって下世話なソープ・ドラマであって
     どこが高尚だよ、と言いたくなるけど(笑))

    見ているだけで楽しい指揮者とオーケストラ・メンバーに加えて
    ウィーン劇場ならではの、歌手がまた見事。

    もっともこのオペラ
    アグリッピナがソプラノ
    ネロがカウンター・テノール(しかもソプラノ)
    ナルシソがカウンター・テノール
    オットーがカウンター・テノール
    ポッペアがソプラノで

    注意して聞かないと
    (いや、注意していても舞台が見えないと)
    誰が歌っているのか、全くわからなくなってしまう。

    ネロとオットーが比較的小柄な男性なので
    (よく聴けば、ネロの声の方が高いけど)
    最初は気をつけないと混乱する。

    いやしかし、どこからこんなに大量の
    カウンター・テノールを集めたんだよ・・・(驚嘆)

    そこらへんのパンクなコワモテのお兄ちゃんが
    口を開けて歌い出すと妙なるソプラノ、という違和感は
    最初の驚きさえ越えてしまえば、全然平気(笑)

    オーケストラの切れ味が抜群だし
    アリアの超絶技巧の聴きどころは大量にあるし

    アグリッピナのソプラノも良かったけれど
    ポッペアを歌ったダニエラ・デ・ニーセは
    何回かウィーン劇場のバロック・オペラで聴いているけれど
    演技は巧いし、声域広くて
    しかも声の色を時々バッチリ変えて
    実に表現力(声と演技=身体)が巧いソプラノだ。

    ついでだが
    筋肉隆々の男性が脱ぐシーンも多く(女性サービス)
    水着姿の若いお姉ちゃんたちが
    キャピキャピ言いながらクラウディオにまとわりつくシーンとか
    (これは男性サービス)

    舞台さえ見えれば、それなりに目でも楽しめると思う(笑)
    出演している俳優さん女優さん
    歌手も男性・女性揃って(比較的)美男美女で絵になってる。

    イタリアのファシズムのモジリもあるし
    現在のマスコミへの皮肉もあるし
    演出的にも全然退屈しない(舞台が見えれば)プロダクションで
    繰り返すけれど

    オーケストラと音楽がむちゃくちゃ素敵 ♡♡♡

    ただ、ウィーン劇場のあのチケットの高さは
    何とかなりませんかね・・・(悩)
    (チケット安かったら、数回でも観たい作品である(本気))

    久し振りのバロック・オペラだったけれど
    行って良かった〜 ♡ と感激している私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    イースター過ぎたら突然暑くなって
    コート要りません、みたいなシーズンに突入。
    本当に気候の移り変わりが激しい。

    グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団 + アクハム

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      Musikverein Großer Saal 2016年3月30日 19時30分〜21時40分

      Gustav Mahler Jugendorchester
      指揮 David Afkham
      バイオリン Frank Peter Zimmermann

      Béla Bartók (1881-1945)
       Konzert für Violine und Orchester Nr. 2 h-Moll, Sz 112
      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
       Symphonie Nr. 3 Es-Dur, op. 55 “Eroica”

      ウィーンに拠点を置くグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団のコンサート。
      実は昨日もあったのだが
      しかも違うプログラムだったのだが(涙)
      バルトークとベートーベンというので同じだろうとチェックしていなかった。

      まぁ、彼氏モドキをあまりに放置し過ぎていたので
      昨日予定を開けて、一応会った・・・ので
      義理は果たしたし(こらこら)
      しかも向こうは歯医者に行って注射打たれて
      夜の9時には独りでベッドに倒れ込んでいて
      何だかお持たせ付きの夕食だけご馳走に(以下省略 汗)

      昨日はリゲティのロンターノまで演奏したようで(涎)
      うううう、何で見逃していたのか・・・
      ああ、もう仕方ないので言うまい。

      さて本日はバルトークのバイオリン協奏曲2番から。
      さすが楽友協会で
      周囲はスマホにカメラで、演奏中もずっとスマホを弄っている
      どこかの国の若い観光客が大量に居るけれど

      もう演奏中にスマホを弄ろうが
      ラインやっていてもツィートしていても
      更には勝手に録音していても
      雑音さえたてなければ構いません(諦めの境地)

      最初の音が、何かオーケストラの音が柔らか過ぎて
      ダラダラっと出て来て
      え? これ、こんな曲だったっけ?
      バルトークってもう少し切れ味が良かったと思うんだけど。

      バイオリンのソロもオーケストラに沈みがちな上
      ポリフォニーはまぁ良いとしても
      あれだけオーケストラとバイオリン・ソロがチグハグに聴こえてくるのも
      それがバルトークよ、と言われればそうなんだろうが
      何だこれは・・・と、すごく不思議な気分。

      ところが、第1楽章後半のカデンツァで
      バイオリニストが化けた(としか思えませんワタシには)
      音が突然活き活きとホール中を飛び回るようになって

      そうなれば、曲そのもののノリも違って来て
      続く第2楽章の繊細な美しさ、特に後半はハートに直撃。

      オーケストラ(と指揮者)はすごく元気だが
      それはそれで良い。
      バイオリニストも別に元気じゃないワケではないし
      (多少お悩みタイプ(笑))
      第3楽章なんかは
      オーケストラに負けるものかという気迫が凄くて
      かなり良い感じのオーケストラとソリストの決闘。

      最初の調子の悪さは何だったの、という程
      アンコールは超絶技巧のダブル・アンド・トリプル・ボーゲンの曲を
      さらっと弾いちゃって
      あらニクいわ、このバイオリニスト(笑)

      気持ち良く聴いた後の後半は
      ベートーベンの交響曲3番「エロイカ」

      この曲、私の気分次第で
      とんでもなく面白くなったり、つまらなくなったりする
      油断ならん曲なのだが

      あはははは、今日は面白かった ♡

      さすがに腕自慢のユース・オーケストラで
      このプレイヤーたちは、みんなプロの卵である。

      そりゃ、プロのオーケストラと違って
      就職活動に必死(あらすみません)
      人数の多い弦でも大変なのに
      金管・木管となれば
      オーケストラのポジションに空きがなければ就職できないという
      とてつもなく狭き門。

      ここで上手く演奏して置けば
      もしかしたらスカウトあるかもしれない
      ・・・というプレイヤーの妄想の世界に突入(アホですどうせ)

      フルート、オーボエ、腕自慢ばっちり輝いて
      クラリネットは先走り過ぎ(笑)
      ホルンは、例のアンサンブルを
      ここぞとばかり完璧に輝かしい音で吹き捲くる。

      いやいやいや、むちゃ楽しいわ(妄想全開)

      途中で、あ、そこを強調すると
      そういう風に音楽が繋がるのか、とストンと納得した部分もあったし
      オーケストラのプレイヤーに全く手抜きがないだけに
      指揮者対プレイヤーの真摯な対決がよく見える(笑)

      アマチュアというには上手過ぎる学生オーケストラだが
      技術的な隙はプロのオーケストラに比べても少ないし
      みんなが必死だから
      その緊張感と言ったら
      そこらへんのプロ・オーケストラが尻尾を巻いて逃げそう(爆笑)

      第1楽章は速めのテンポでグイグイ押し
      第2楽章の埋葬行進曲は、とことん丁寧に
      最初から最後まで緊張感を保って
      (あまりの緊張感に、あんなに長く聴こえた第2楽章も珍しい)
      第3楽章と第4楽章はアタッカで続け
      第4楽章の変奏曲の元気な事 ♡

      いやサッパリ爽やか、若い力バンザイという
      考えてみればベートーベンがこの曲を作曲したのは
      34歳の時。
      気難しくて世間を超越したジジイというよりは
      もっと血気走った、成熟期の作品だから
      難しい顔して哲学しなくても良いのである(断言)

      オーケストラのメンバー
      みんな就職口があれば良いね(本心です)

      久し振りにフル・オーケストラを舞台で聴いて
      何となく興奮の収まらない私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。


      「海賊」国立バレエ 3回目

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        Wiener Staatsballett 2016年3月23日 16時〜19時40分

        LE CORSAIRE
        Ballett in drei Akten
        振付 Manuel Legris
        舞台・衣装 Luisa Spinatelli
        照明 Marion Hewlett
        ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
        音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
        zusammengestellt von Igor Zapravdin
        指揮 Valery Ovsianikov

        Conrad : Robert Gabdullin
        Médura : Liudmila Konovalova *
        Gulnare : Kiyoka Hashimoto
        Lanquedem : MIhail Sosnovschi
        Birbanto : Richard Szabó *
        Zulméa : Alice Firenze
        Seyd Pascha : Alexsis Foravosco
        Drei Odalisken : Eszter Ledán, Natascha Mair, Anita Manolova

        イースター3連休は
        久し振りに大昔のコミック 全30巻以上を読み通している間に

        ついつい寝て寝て寝てまた寝て
        早朝サウナは2回やったし
        イースター・エッグもイースター・ハムも食べたが
        ともかく・・・寝た、という感じのイケナイ連休。

        もちろん、この歳になってしまうと
        寝るのは独りでですが(涙)

        こほん、それはともかくとして

        マチネ公演の海賊。今回で3回目。
        (どうせワタシはシツコイです)

        シショフ+リュドミラのカップリング予定が
        シショフ急病との事でローベルトがコンラッド。

        ギュリナーラを、先日プリンシパルになった橋本清香嬢。
        奴隷商人のボスはミハイル。

        平土間のロジェから観ていたのだが
        平土間ロジェの後ろって
        オーケストラの音が響いて来ない。

        でも、それだけじゃなくて
        何となくオーケストラが投げやりというか
        サラリーマン化しているというか

        やはり4回目くらいになってくると
        そこそこ慣れも出て来るのかもしれないが

        単調でおマヌケな音楽に聴こえて来てしまうのは
        私も3回目鑑賞で耳慣れして来たせいである(断言)

        (まぁ、チャイコフスキーみたいに、音楽も素晴らしい♡
         というバレエ演目ではないから・・・)

        リュドミラとローベルトのカップリング。
        踊れるプリンシパル同士で
        本当にダンスはむちゃくちゃ巧いんだけど

        やっぱりリュドミラって
        華やかだけど
        ほら見て見て見て、私を見て見て、キレイでしょ!?
        というオーラが凄過ぎて

        デュエット踊っていても
        パートナー見てないし

        ギリシャ女性たちを解放するようにお願いするところでは
        お願い・・・というより

        脅迫しているように見える。
        (だって、何かコワイんだもん、ローベルトに迫る様が・・・)

        最初の恋に落ちるシーンだって
        全然一目惚れとか、灼熱の恋とかじゃなくて

        可愛い歳下の男の子を手玉に取っちゃうわよ、ほらほら

        ・・・いやいやいやいや、違う筈だストーリーは(汗)

        プリンシパルになって初めての
        橋本清香嬢のギュリナーラは
        いや、ホントにエレガントで美しい。

        でも、最初のパシャとの絡みで
        あんな、いや、いや、いやよ、こんな野蛮人!!!
        と、すごく嫌がっているのに

        次のソロでは晴れやかな笑顔になって踊るのは
        野蛮人でも金はあるみたいだし
        贅沢させてくれそうだから
        結構良いかも、あら、幸せ

        ・・・・いやいやいやいや、違う筈だストーリーは(冷汗)

        ローベルトとリュドミラの愛のデュエットは
        「愛の」というところだけ、ちょっと無視しておけば
        テクニック的には派手だし
        アクロバットみたいなリフトもあるし
        見どころはスゴイ。

        しかし、ローベルトのソロのジャンプが
        デニスと全然違うじゃないか!!!

        ローベルトって、プリンス・タイプだから
        すごくノーブルなんだけど

        この間、デニスが見せた
        大超絶技巧のとんでもないこの世とは思えないジャンプは
        ・・・・ローベルトでは無理だったんでしょうかね
        正統派のジャンプとしては見事なんだけど
        デニスのジャンプみちゃうと、かなり物足りない。
        (贅沢でワガママな観客)

        バレエとしては美しい仕上がりなのだが
        どうしてもラブストーリーを見ている、という感じがしない。

        奴隷商人のミハイルも、今ひとつ生彩に欠けるのは
        イースターの連休疲れ?
        キリルに比べると、切れ味が違うのだ。
        まぁ、その分、野性味はあってダイナミックではあったけど。

        アリーチェがずっとビルバンドの相方のズルメアを踊っているのだが
        トゥシューズじゃなくて
        踵のついたバレエ・シューズで
        キレのある明るいダンスを踊ってくれるのが見事。
        明るいオーラがアリーチェの持ち味にもピッタリ。

        オダリスクのナターシャとエスターが可憐。
        アニータはもう少しオーラが欲しいな。

        演出上の大変化が
        最初のシーンで
        下手上に小さく出ていた海賊船が
        最初から舞台のど真ん中にど〜ん、と出るようになった。

        薄い幕の向こうなので、あまり見えないけれど
        真ん中にど〜んと出れば
        比較的、どこの席からも観やすい位置になったので
        これはそれで良いと思う。
        (最後の沈没と同じ位置なので違和感もない)

        最初観た時には
        おおおおお、最初から超絶技巧の展覧会、と思ったけれど
        さすがに3回目になると、それにも慣れてくる。

        慣れないのは
        いや、そうじゃなくて、ちょっと吹き出しちゃうのが
        マイムの時の振りで

        奴隷商人が仲間に向かって
        美人を捉えて売ろうぜ、という時に

        ジゼルで出てくるような
        顔のところに手を持って来てクルンと回す動作とか
        手を交差して捕まえるというマイムとか

        何か古典ではよくある仕草だけど
        で、それはクラシックとして正しいんだけど
        あまりにあまりに古臭いと言えば古臭い(爆笑)

        バレエとしては全編見どころ満載の
        サービス精神に富んだプロダクションで
        ルグリの意気は買う。
        それに、その意気に応えたダンサーたちも素晴らしい ♡

        あと2回の上演があるが
        これは初演メンバーと同じ。
        私は4月の今シーズン最終公演には行く予定。

        4月のヨゼフの伝説は1回しか行けないが
        (コンツェルトハウスのパーヴォ・ヤルヴィとバッティングした)
        5月にはマイヤーリンクも入ってくる。

        来週からはバレエ以外のコンサートもボツボツ始まる。
        むちゃ忙しかった3月もそろそろ終わると
        少し息がつけるかもしれないと
        ダラダラと休んでしまった私に
        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        Vimeo で、このプロダクションのトレイラーが入っていたので貼っておく。


        Manuel Legris - Le Corsaire - Trailer from DelbeauFilm on Vimeo.



        メドゥーラはマリア、ギュリナーラはリュドミラ。
        奴隷商人はキリルで、コンラッドはローベルト。
        むちゃカッコいいパシャはミハイルで
        小粒でキリリのビルバントはダヴィデ ♡
        お楽しみ下さい。

        「海賊」国立バレエ 2回目

        0
          Wiener Staatsballett 2016年3月23日 19時〜21時40分

          LE CORSAIRE
          Ballett in drei Akten
          振付 Manuel Legris
          舞台・衣装 Luisa Spinatelli
          照明 Marion Hewlett
          ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
          音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
          zusammengestellt von Igor Zapravdin
          指揮 Valery Ovsianikov

          Conrad : Denys Chrevychko *
          Médura : Kiyoka Hashimoto *
          Culnare : Nina Tonoli *
          Lanquedem : Francesco Costa *
          Birbanto : Masayu Kimoto
          Zulméa : Alice Firenze
          Seyd Pascha : Jaimy van Overeem *
          Drei Odalisken : Eszter Ledán *, Natascha Mair, Anita Manolova *

          理由があって2回目は行けなかったのだが
          3回目は、しっかりチケットを確保してある(ブイッ)
          すごく安いチケットで立って観るのが好きなのだが
          (あ、ただの負け惜しみです。高いチケットを買う経済的余裕がないから)
          今回は、何と何と何と
          知り合いからギャラリーの1列目の席が降って来て ♡
          全体の舞台を上から贅沢に観られる事になった。
          (S先生、感謝してます!!!)

          なのに、2日続けて睡眠時間3時間が続き
          いくら私の座右の銘が
          睡眠不足で死ぬ奴はいない
          だとしても
          ちょっと、いや、かなり今日は朝からヤバイ、という状態。

          公演はしっかり観たが
          一部、本当に瞬間睡眠していたところがある(ような気がする)

          さて、今回のコンラッドはデニス ハート
          だいたいプログラムの表紙がデニスの写真なのに
          何で3回目までデニスが出ないんだろう、と不思議に思っていたのだ。

          対するメドゥーラは我らがアイドル橋本清香嬢で
          更に、コンラッドの親友で敵になるビルバントに
          木本全優クンがデビュー。

          うわあああああ、豪華絢爛な舞台!!!

          コンラッドのデニス
          うははは、思った通り、ものすごいハマり役。
          初演のローベルトが
          海賊というよりは
          どこかの王子さまが子供の頃に攫われて
          イヤイヤながら海賊になっちゃった、という品の良さだったのに対し
          デニスの海賊は、海賊である(ワケわからんので無視して下さい)

          荒海を股に駆け
          船を遅い、女性を奪って生活しているマッチョな男の荒々しさの魅力。

          いや、デニス小柄なんだけど
          空間の掴み方が大きくて
          手足がバッチリ伸びるし

          身体が筋肉質なので、小柄とは言え、マッチョさは充分。

          しかも、う〜ん、やっぱりデニスだよね
          第1幕から、ジャンプやピルエットの高さと技術が飛び抜けている。

          特に第2幕のソロの時の連続ジャンプは
          あれはいったい、何だったんだろう
          ただのジャンブじゃない、とんでもないジャンプを
          次から次に出して
          最後の締めに、また、超絶技巧ジャンプでキメたという
          ほとんど人間技とは思えないシーンだった。

          重力完全無視。宙に飛んでたもん。
          あれ、本当にアリですか。
          いやもう、目が点というのは、ああいうのを言うんですね。
          (終わったとたん、周囲からブラボーの嵐。
           何か私も叫んでいたような気がする)

          橋本清香嬢のメドゥーラは清純でキュートで
          これまた品の良いメドゥーラ。

          技術的には完璧で
          本当に曇りの全くない教科書通りのダンスをする清香嬢の
          凛とした美しさが際立つ。

          でもマリアとかのように
          ほら見て、私を見て、もっと見て、ステキでしょワタシ
          というオーラに欠けているというか
          慎み深い、奥ゆかしい日本人のメンタリティが・・・

          かてて加えて、清香嬢のテクニックが素晴らしいので
          どんな難しいパでも
          楽々と、さりげなく見せちゃうので
          ほら見て、私を見てタイプのダンサーに比べると
          どうしても地味なオーラになっちゃうのが残念。

          ギュリナーラのニナ(トノリ)が
          初日のリュドミラとは全く違う持ち味。

          キュートで初々しくて
          パシャの愛人になっても
          リュドミラのようなふてぶてしさが全然ない。

          いやん、もう、なんて可愛いの、このギュリナーラ ♡

          これで初日のようにミハイルがパシャを演じていたら
          若いキュートな女の子に手を出す
          金持ちのスケベ・オヤジに翻弄される
          ロリータ的女の子、という
          危ない図式が出来上がっていただろうが
          (青少年の教育には良くない(笑))

          今回のパシャはジェイミーで
          これは、あのその
          ジェイミーって、スマートなクラシック・ダンサーの
          王子様体型をしているから
          どんなに付け髭つけて偉そうにふんぞり返っても
          貫禄が全くなくて
          甘やかされた金持ちのおぼっちゃまに見える。

          それに、夢の場面の後の
          現実に戻るシーンで
          (身体がスマートなので)椅子と同化しちゃってるし(爆笑)
          いや、ホントに見えなかったんですよ、身体がソファと同じ色で(笑)

          奴隷商人のフランチェスコは
          もともと運動神経抜群のダンサーだから
          そりゃ踊らせたら凄い迫力。

          しかも大柄で背が高いし
          筋肉質で野生児体型だし(笑)
          品も節操もない、金目当ての奴隷商人にピッタリ。
          ・・・これって誉め言葉になってないかも(冷汗)

          この公演、他にもダンサーは山ほど出演するのだが
          睡眠不足の状態で全員の名前を書くのが面倒になったので
          すみません、省略してます(ごめん)

          付け髭か無精髭かわからないけれど
          私の初恋の君に似ているマリアンは
          群舞の中でもちゃんとチェックしてました(笑)

          オダリスク役のエスターが良かったわ。
          本当にこの世のモノではないような夢みる夢子さんという感じで。

          木本クンのビルバントは
          これまた優雅なビルバント(笑)
          これも海賊とは言えないな。
          どこかの王室から子供の頃に攫われた
          高貴な家系のおぼっちゃまかもしれない。

          ダンスが優雅なのは持ち味だし
          パとパの間に断絶がなくて
          本当にスムーズに自然に繋いで行く技術には目を見張る。
          でも、もうちょっとワイルドで羽目外しても良いかも。
          (マジメなんですよ、究極的には。それは素晴らしい事ではある。
           それに演技巧いし)

          この演目、これからまだ3回あるけれど
          それぞれにキャストを代えたりしているし
          キャストが代わると、雰囲気も変わって来て面白い。

          これだけ色々なダンサーに踊らせるという事は
          来シーズンのスタンダード・ナンバーにする予定が
          バリバリにわかる。

          明日は緑の木曜日。
          イエス・キリストの最後の晩餐と
          弟子の足を洗った日。
          金曜日には、イエスは十字架に掛けられて天に召され
          日曜日3月27日に復活して
          3月28日(月)はヨーロッパの祝日。

          ついでに、3月26日〜27日で1時間早くなって
          夏時間の始まり。

          そろそろ仕事も落ち着くかな、と思っている私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          ブログ書き終わったとたん
          橋本清香嬢のプリンシパル昇格のニュース ぴのこ:)
          やった〜〜〜
          おめでとうございます!!!!!

          「海賊」国立バレエ プレミエ

          0
            日曜日のダブル公演。
            (良いのかこの忙しいのにこんな事してて(汗)
            時系列で読みたい方は、まずは ここ からどうぞ。

            下は夜の公演の記事です。

            Wiener Staatsballett 2016年3月20日 18時〜20時30分

            LE CORSAIRE
            Ballett in drei Akten
            振付 Manuel Legris
            舞台・衣装 Luisa Spinatelli
            照明 Marion Hewlett
            ドラマツルギー Manuel Legris, Jean-François Vazelle
            音楽 Adolphe Adam u.a. ausgewählt von Manuel Legris und
            zusammengestellt von Igor Zapravdin
            指揮 Valery Ovsianikov

            Conrad : Robert Gubdullin
            Médura : Maria Yakovleva
            Culnare : Liudmilla Konovalova
            Lanquedem : Kirill Kourlaev
            Birbanto : Davide Dato
            Zulméa : Alice Firenze
            Seyd Pascha : Mihail Sosnovschi
            Drei Odalisken : Natascha Mair, Nina Tnoli Prisca Zeisel
            Leonardo Basílio, Frencesco Costa, Marcin Dempc, Jakob Feyferlik
            Richard Szabó, Alexandru Tcacenco, Zsolt Török, Géraud Wielick
            Oxana Kiyanenko, Franziska Wallner-Hollinek, Eszter Ledán,
            Anita Manolova, Laura Nistor, Elena Bottaro, Natalya Butchko,
            Iliana Chivarova, Laura Cislaghi, Adele Fiocchi, Svena Garguilo,
            Xhesika Gjonikaj, Rebecca Horner, Erika Kováčková, Anita Manolova,
            Katharina Miffek, Andrea Némethová, Suzan Opperman, Rosa Pierro,
            Xi Qu, Alaia Rogers-Maman, Rikako Shibamoto, Iulia Txaciuc
            Oxana Tomoshenko, Beata Wiedner, Attila Bakó, Ryan Booth
            Marat Davleshin, Igor Milos, Gabor Oberegger, Kamil Pavelka
            Jaimy van Overeeen, Christph Wenzel

            マニュエル・ルグリ振付の「海賊」の初演。
            世界中から注目を浴びている新作品である ♡

            さて、海賊・・・という話は
            筋があるんだかないんだか
            女性を攫って来て、それを奪い返し
            また更に奪い返したら、船が沈没するという
            バレエの筋書きってワケのわからないモノも多いけれど
            その中でも、最高にくだらない筋の一つではないかと思う。

            まぁ、その代わりに単純な筋なので
            迷う事はないし
            複雑な人間関係とか一切ないし(笑)

            さて、その「海賊」
            午後の記事にも書いた通り
            とある理由で自宅に居なくて
            ホテルの WiFi が弱過ぎて全然繋がらず
            (だからイヤなのよ、わざわざホテル泊なんて(怒))
            よって、演目についてのウンチクを書く訳にいかない。

            だいたい、この記事だって、今、アップできないし(超怒)
            (1時間ほど待ったらちょっと回復したので急ぎアップ)

            印象としては

            第一幕から、超絶技巧の凄まじい展示会(笑)

            踊って踊って、また踊って、隙間のない程踊って
            最初から、あんなに主役級のダンサーに
            超怒級の技の連続を振り付けてしまって大丈夫なのか、と
            度肝を抜かれるバレエの派手なテクニックの連続。

            いやもう、ここまで踊って踊って踊りまくるのなら
            筋なんて、全然関係ない(笑)

            ローベルトとマリアのカップリング。
            2人とも超絶技巧はお手のもの。

            難しければ難しい程燃えますタイプのダンサーだから
            最初からローベルトのジャンプは高いわ
            マリアのジュテの連続は見事だわ
            わっはっは、もう何も言えません。
            口を開けて見とれるばかり。

            対するリュドミラのダンスも華やか。
            マリアのキュートな体型とは印象が違って
            やっぱりリュドミラって、華やかだし
            ピルエットの安定感がスゴイ。

            というより、あの連続ピルエット
            ダブルというよりトリプル入ってたような気がする。

            奴隷商人のキリルはマイムが多くて
            あ、こら、マイムだけじゃなくてソロはないのか?!と
            イライラしていたら

            素晴らしいソロが数曲あって、バンザイ。
            ジャンプの高さや、その優雅さには目を奪われます。

            ローベルトの超絶技巧に対して
            ダヴィデの役の振付がまた魅力的。

            ダヴィデの弾力のある弾むような技を活かしていて
            衣装も素敵で、ダヴィデのスタイルの不均整な部分も巧くカバーしているし
            若いキレのあるダンスがとても魅力的。

            ダヴィデのパートナーのアリスは
            何でも踊れるチャーミングさが魅力で
            オーラも程よく明るく出ていて、これも素晴らしい。

            惜しむらくは・・・

            あのね、ほとんど動きのないパシャ役に
            わざわざミハイルを使わなくても・・・(涙)
            (いや、すごく絵になっていて
             貫禄のあるマッチョでカッコいいパシャなんだけど)

            ミハイルのソロがいつ出てくるのか
            私はワクワクして待っていたのに
            最初から最後までマイムだけの役なんて悲し過ぎる。

            他にも出演者は山ほど居て
            上には順不同で書き出してみたが(役は無視)
            コールドには、バレエ学校の子供たちまで出演して
            ダンス、という側面から見れば
            最初から最後まで踊りまくりの舞台。

            だから、筋なんてほとんどないんですっては!
            いや、コンラートとメドゥーラの愛のシーンはありますけどね(笑)

            ルグリ自身が踊れる人だからな。
            踊れる人が振り付けてしまうと、こうなるのか、という良い見本。
            最初から最後まで
            超人的な体力で踊り続け(させられ)るバレエ・ダンサーたち(笑)

            振りは細かいし
            ジャンプは複雑、ピルエットも複雑で
            クラシックの伝統にピッタリ寄り添っているから
            目新しさはあまりないけれど

            既存のテクニックにプラス・アルファを
            山ほど加えてみた上に
            普通のダンサーでは踊れない位
            踊る量を増やしてみました・・・という感じか。

            とか書いているうちに
            やっとホテルの WiFi が回復したみたいで
            バレエ「海賊」のあらすじについては
            ここ をご参照下さい。

            オーケストラの音楽は、かなり厚みがあって
            豪華と言えば豪華(笑)

            美しい衣装と共に
            最初から最後まで、踊りっぱなしの
            超絶技巧満載のバレエ、という意味では
            この間のフォルクス・オーパーの雪の女王と似てはいるが
            雪の女王より、もっとテクニック的に困難な踊りが満載で

            無理やり全編、見どころだらけで提供します!

            という印象を受けるプロダクション。

            見どころあり過ぎて
            これはまだ数回観ないと、全然わからん(笑)

            とは言え、明日の夜は仕事で
            どうしても行けません(涙)
            (で、オルガさまがメドゥーラを踊るのが
             明日だけって、どういう事?!(号泣))

            まぁ、仕事は仕事だから仕方ないと割り切って
            でも涙を堪えて頑張る私に
            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            今回の海賊は、2回だけ行けないけれど
            あとの3回は既にチケットは確保済み ♡

            トーンキュンストラー管弦楽団 + ストールガーズ

            0
              Musikverein Großer Saal 2016年3月20日 15時30分〜17時20分

              Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
              指揮 John Storgårds
              トランペット Håkan Hardenberger

              Ludwig van Beethoven (1770-1827)
               “Leonore” Ouvertüre Nr. 3 op. 72b (1806)
              Brett Dean (“1961)
               “Dramatis personae”
                Konzert für Trompete und Orchester (2013/14)
              Ludwig van Beethoven
               Symphonie Nr. 8 F-Dur, op. 93

              トーンキュンストラーの定期公演。

              最初のレオノーレ序曲。
              ビブラート抑え気味のバロック風味の演奏。
              抑制が効いていて
              でも劇的な効果を出していて好感。

              次のブレット・ディーンのトランペット協奏曲。
              これ、たぶん、私、グラーフェネック城での初演の時に
              聴いている・・・ような気がする。

              とある事情があってホテルに居て
              ホテルの WiFi が弱過ぎて入れないので
              自分の記録を参照する事もできないのが
              非常に腹立たしいのだが。

              トランペットの朝顔が客席に向かっているので
              後ろに響いて来ない、という要素もあるだろうが
              う〜ん、なんだこの曲は。

              プログラムによれば
              最初は英雄の生涯で、次がモノローグで
              更に、ちょっと英雄的アメリカン・コミックの
              映画音楽の雰囲気も取り入れてみました、という事らしいのだが

              第1楽章で、そんなアメリカ映画の影響なんて
              何もわからんぞ。
              しかもリズム単調だし
              たぶん、トランペットは超絶技巧の繰り返しなのだろうが
              オーケストラに掻き消えて
              あんまり聴こえて来ないし。

              で、最後のところで
              何か聴いた事のあるトナールの曲を
              ポリフォニーに何重にも鳴らして
              何となく耳覚えのある曲で聴衆受けを狙うなんて
              この、姑息な手段
              最近の曲で時々あるよね(笑)

              いやいや、聴衆の側からすると
              何と言う贅沢な才能の無駄遣い、とは思うのだが

              作曲家と演奏家が、それで満足しているのであれば
              ワタクシは何も言いません。

              註 後で調べてみたら、やっぱり聴いてました。
              その時は、まぁ、野外で舞台の正面に座っていたという事もあって
              トランペットの音がもっと鮮やかに聴こえてきて
              それはそれで面白かった印象。

              聴くホールと位置でこんなに変わるのか
              (というより、自分の感受性に今ひとつ信用が置けない(自爆))

              後半のベートーベンの交響曲8番は
              小編成のオーケストラながら

              最初のレオノーレと対比的に
              モダン・オーケストラの
              ビブラートばりばりの演奏。

              でも、これはこれで面白い。
              いわゆるモダン・オーケストラらしい響きだし
              でも、ちゃんと締めるところは
              きっちりと音のエンディングを持って来て
              好感度は高い。

              ストールガーズの指揮って
              奇を衒ったところは全くなくて
              かなりマジメで
              悪く言えば華がないのだが
              正統的で、きっちりしていて
              その意味では
              安心して聴いていられる。

              それに8番好きだし ♡

              17時20分に終わってから
              急いでオペラ座に駆けていった私に
              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

              0
                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年3月19日 19時30分〜22時

                Wiener Symphoniker
                Wiener Singakademie
                指揮 Philippe Jordan
                ソプラノ Camilla Tilling
                アルト Wiebke Lehmkuhl
                テノール Werner Güra
                バス Michael Volle

                Johann Sebastian Bach (1685-1750)
                H-MOLL MESSE

                来週末から夏時間開始で
                来週末はもうイースターで
                25日の金曜日はイエス・キリストが
                ゴルゴダの丘で磷付にされた日なのに
                友人と飲み会しよう、と誘ってしまって(汗)
                まぁ、私、クリスチャンじゃないのでそれは別に良いとして(こらっ)

                この時期のコンサートと言えば
                受難曲か宗教曲であって
                ・・・と言うよりは
                もう来週はイースター明けまで
                観光客向けのコンサートしかやってない(爆)

                受難曲もどこかで演奏されていたのだろうが
                見逃したか、忙し過ぎてチェック漏れだったのか
                ともかく、ウィーン交響楽団がバッハを演奏する、というので
                慌てて一番安いチケットを買った。

                今日は受難曲ルンルン・・・と思って
                会場に行ってみたら

                何故か、バッハのミサ曲ロ短調で
                しかもプログラムの下のところに小文字で
                In memoriam Nikolaus Harnoncourt (1929-2016)
                と書いてある。

                しまった、ミサ曲だったか(汗)

                私がミサ曲を苦手としている事は
                熱心な読者はご存知だろうし
                何故、苦手かと言うのも
                今さら繰り返す必要はないと思うのだが
                一応、しつこく言っておくと

                ミサ曲には妄想の余地がない!!!

                最初から最後まで
                ラテン語のミサの順序に従って
                キリエ・イレイソンとかグローリアとかサンクトスとかを
                それぞれに、まだ言うか、と30回以上繰り返して
                それでもまだ1曲が終わらないという
                イタリア・オペラを凌ぐしつこさ(あ、すみません)

                だからこそ、音楽を妄想の手段としてではなく
                純粋に楽しめる人には、最高の音楽なのかもしれない。

                さて、小編成オーケストラ、後ろにコーラス
                前にはソリスト4人。

                で、何でこのバッハのミサ曲って
                ラテン語で
                しかも、本当にキリエ・イレイソンから
                グローリアだのクレドだのサンクトスから
                ドナ・ノービス・パーチェムまで

                これってカトリックのミサの順序だよね?

                で、バッハの時代のバッハの地域って
                プロテスタントじゃなかったですか?

                プログラムを捲ると
                やはり曲の成立については謎が多いと書いてある。
                しかも他の曲からの引用も多い上
                何年にもわたって作曲されたので

                うははは、確かに
                バッハの作曲様式の見本市みたいな曲だ。

                故ニコラウス・アーノンクールに敬意を表して、と書いてあるだけに
                ウィーン交響楽団というモダン・オーケストラなのに
                堂々のノン・ビブラート演奏。
                (最近、慣れて来たな、こいつら(笑))

                それがまた、堂々としていて
                確かにちょっとコンツェントゥス・ムジクスに似た響きだが
                ガット弦と古楽器のコンツェントゥス・ムジクスよりも
                ずっと安定した響きで
                オーケストラの持つ明るさは失っていない。

                あのクソ難しいバッハをよくぞここまで歌ったという
                ウィーン・ジングアカデミーも立派だったが
                立派過ぎて、声が大き過ぎて
                小編成(しかもノン・ビブラート)のオーケストラを
                時々掻き消していたのは、ちょっと残念。
                (すみません、私、基本的に人の声より楽器が好き)

                何が面白かったと言って
                ともかく次から次に
                本当にこれ、一人の人が作曲したの?と言う位
                様式の違う音楽が現れて

                特にソリストが歌うところなどは
                オーケストラ・トゥッティではなく
                いくつかの楽器のソロが伴奏するのだが

                このオーケストラのソロがみんな巧いよ〜〜〜♡

                いやもう、フルートやオーボエ
                ホルンとチェロとファゴットの掛け合いとか
                巧過ぎて目を剥くし
                さすが職人集団・・・
                こういうのはむちゃくちゃ張り切るのだな。

                加えて、ソリストの歌手!!!
                考えられる最高、最強のソリスト ♡♡♡♡

                ティリンクの天国のソプラノには精神が浄化される気分になるし
                アルトのレームクールの、あの温かみのある深い声は
                もう天性のもの、神さまの贈り物。

                更にギューラの澄んだテノールに
                フォレの深い響きのバスと来た日には

                ああ、コーラス要らないから(ごめんなさい!)
                もっとソリストに歌わせろ(ごめんなさい!)

                音楽感性ゼロで
                しかもミサ曲は受け付けない私が
                これだけメロメロになったのだから
                やっぱり、これは名曲なんだろうなぁ。

                めちゃくちゃ忙しい1ヶ月ほどを過ごして
                神さま(だか何かだわからないけれど)が
                プレゼントをくれたような気がする。

                まだ来週にもう一度、山場があるけれど
                それが終われば
                後は何とかなるだろう、という
                いつも楽観的な私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                三人姉妹 ペテル・エトヴェシュ 国立オペラ座

                0
                  Wiener Staatsoper 2016年3月18日 19時〜21時15分

                  TRI SESTRI
                  Péter Eötvös
                  Oper in drei Sequenzen nach Anton Tschechow
                  Libtretto : Claus H. Hennberg und Péter Eötvös

                  指揮(アンサンブル)Péter Eötvös
                  指揮(オーケストラ)Jonathan Stockhammer
                  演出 Yuval Sharon
                  舞台 Esther Bialas
                  照明とビデオ Jason H. Thompson

                  Irina : Aida Garifullina
                  Mascha : Margarita Gritskova
                  Olga : Ilseyar Khayrullova
                  Natascha : Eric Jurenas
                  Tusenbash : Boaz Daniel
                  Verchinin : Clemens Unterreiner
                  Andrei : Gabriel Bernúdez
                  Kulygin : Dan Paul Dumitrescu
                  Doktor : Norbert Ernst
                  Solijony : Viktor Shevchenko
                  Anfissa : Markus Pelz
                  Rodé : Jason Bridges
                  Fedotik : Carlos Osuna
                  Orchester der Wiener Staatsoper
                  Bühnenorchester der Wiener Staatsoper

                  ペーテル・エトヴェシュのオペラ
                  チェーホフの「三人姉妹」

                  どうしようか散々迷ったんだけど
                  一度は観ておくべきか・・・と行った公演。

                  結構高い席しかなかったのに
                  最後の方になって、30%割引特別提供、とか出てくると
                  ちょっと腹が立ったりして(笑)

                  ただ・・・

                  オペラが始まって10分後
                  前のカップルが退場。

                  ああ、これなら後半は1列目の1席に座って聴けるかも ♡

                  ・・・と思っていたら
                  後半になったら、1列目のあとの2人も退場していて
                  通常買うなら199ユーロの席で鑑賞できる事になった(笑)

                  まぁ、それはともかくとして

                  茶色系の舞台装置に
                  茶色系パステル・カラーの衣装
                  舞台の床の一部が動く方式で
                  色々な舞台装置や人物が動いたり
                  ドアがすべって移動していったり

                  前半で、何か不思議なデジャブがある。

                  強いて言えば、ゴスロリ風、フランス人形風味の
                  人形劇でも観ているような印象。

                  イジー・キーリアンっぽい世界というか
                  不思議の国のアリスのいじけた大人版というか(こらこら)

                  音楽もそれに合わせて、ミニマム・ミュージックっぽく
                  オーケストラ・ビットには
                  弦楽器がそれぞれ1台か2台
                  アコーディオンがプロンプター・ボックスに入っていて
                  エトヴェシュらしい、と言ったら失礼なのかもしれないが

                  すごく雰囲気のある音楽なんだけど
                  でも、でも、でも
                  やっぱりちょっと歌が単調で
                  (意図的に同じシーンを繰り返す部分もあったし)

                  睡眠時間が最近むちゃくちゃ短い日々が続いた私は
                  1列目に座っていても眠ってしまう(汗汗)

                  だいたい、チェーホフの三人姉妹というもとの戯曲だって
                  最初から最後まで、愚痴の連続でしょ?(偏見)

                  愚痴に関しては
                  演劇やオペラで聴かなくても
                  毎日毎日毎日・・・(以下省略)
                  (私だって人を捕まえて愚痴言ってる(自爆))

                  で、あまり話っぽい話はないわけで
                  田舎に閉じ篭った人たちが
                  田舎の悪口を延々と言っている。
                  あんたはトーマス・ベルンハルトか(あ、いえいえいえ)

                  ところが、この愚痴愚痴オペラ
                  歌手はむちゃくちゃ良いのである。

                  女性3人も良かったけれど
                  男性のイジイジしたアンドレイの惨めさとか
                  不思議な演出だから、変なところも多いのだが
                  演技含めて
                  音楽的な水準としては
                  最高のところでバッチリ決まっていて
                  (まぁ、作曲家が指揮台に立ってるから(笑))

                  声だけ聴いているだけでも、かなり幸せ ♡

                  音楽は、まぁ、現代音楽だし
                  トーマス・アデスのような派手なところはなく

                  題材としては、かなり暗いし
                  (あぁ、ハンガリー人ってもともと根暗だったっけ(違))

                  歌われている言葉はどうもロシア語だし
                  別に何が舞台上で起こる、という事はないので
                  かなり地味・・・・ではある。

                  最後に舞台の上で結構な編成のオーケストラが出て来て
                  多少、音楽が派手になるが
                  それだって派手・・・とは言えない程度。

                  これ、何回か観ると面白くなるのかなぁ。
                  歌手は揃っているから声を聴くだけでも確かに楽しいが。

                  あ、そうそう
                  ピンク色の派手なドレスを纏って(途中で一部脱ぐ)
                  すごい声量のカウンター・テノールを歌った
                  Eric Jurenas には、ものすごく萌えました ♡

                  女性歌手が弱く聴こえるくらいの強いソプラノ
                  いや、カウンター・テノールで
                  (でも、メゾ・ソプラノにしか聴こえません!)
                  身体が大柄でごっつい分、ものすごい存在感。

                  でもまぁ、題材が題材なので・・・
                  根暗な人には合うかもしれないけど(以下省略)

                  とは言え、せっかく199ユーロの席に陣取っても
                  やっぱり仕事が忙し過ぎて
                  (だったらオペラにも行くな、とか言われそう)
                  眠くて眠くて眠くて、あぁ、もったいない・・(涙)

                  仕事の山も
                  来週一杯で越えるだろうと
                  楽観的に予測はしているのだが

                  その前に何とか偏頭痛をやっつけないと
                  いや、クシャミも出るから風邪かもしれないけど
                  まぁ、まだ元気で頑張ってる私に
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                  ウィーン室内管弦楽団・カメラータ ザルツブルク + ステファン・フラダー

                  0
                    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2016年3月15日 19時30分〜21時30分

                    Wiener KammerOrfhester
                    Camerata Salzburg
                    指揮 Stefan Vladar

                    Johann Sebastian Bach (1735-1782)
                     Symphonie D-Dur op. 18/3 für Doppelorchester (1781)
                    Christian Cannabich (1731-1798)
                     Symphonie C-Dur für zwei Orchester (um 1775)
                    Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
                     Symphonie Nr. 6 h-moll op. 74 “Pathétique” (1893)

                    ウィーン室内管弦楽団と
                    ザルツブルクのカメラータが共演と言うので
                    ついつい買っちゃったチケット(笑)

                    ウィーン室内管弦楽団は紛れもないウィーンのオーケストラだが
                    何と言うか、他の大規模オーケストラに比べて、かなり地味な存在。
                    コンツェルトハウスでチクルスは持っているのだけれど
                    クラシックをレパートリーにしている関係上
                    (ワタシは本当は近代・現代音楽が好き)
                    あまり行こうという気にはなれなかった。

                    時々、伴奏では聴いたな。
                    確かノイマイヤーの「椿姫」の時は
                    ウィーン劇場のオーケストラ・ビットに入っていたし
                    誰かテノール歌手のリサイタルの時も舞台に上がっていた。

                    ピアニストのステファン・フラダーが首席指揮者。

                    で、今日は疲れもあるから
                    ついつい、イヤな事を書いてしまうので

                    気分悪くなりたくない方は
                    どうぞここにてお引き取りをお願いします。

                    申し訳ないけれど
                    ド素人のワタクシ的には
                    ピアニストあがりの指揮者はあんまり・・・(偏見)

                    そういう謂れのない偏見を持っている事は自覚した上で
                    実は最近、フラダーとウィーン室内管弦楽団の演奏を
                    他のところでちょっと聴いた時に
                    (これは仕事だからここには書けない)

                    は?

                    という印象があって
                    おかしいなぁ・・・ いや、そんな筈が?と首を捻っていたのだが。

                    コホン、前置きが長過ぎる。

                    前半はバッハとクリスティアン・カンナビヒの曲。
                    しかも、両方ともダブル・オーケストラと銘打っていて
                    左右対称に、すべての楽器が並ぶ。
                    (コントラバス2台づつ右左とか
                     大昔のトランペットが2本づつ、右左とか)

                    ああ、これ、平土間とかの高い席で聴いたら
                    きっと、もっと面白いんだろうなぁ、とは思いつつ
                    天井桟敷は音がかなり響いてくるので
                    それはそれで面白かった。

                    クリスティアン・カンナビヒなんて滅多に聴けません(笑)
                    マンハイム楽派と言えば、当時はヨーロッパ内でもブンブン言わせていたわけで
                    その頃の音楽と思えば
                    あぁ、時間が余った金持ちの貴族のお楽しみだわね、わっはっは。

                    すみません、グッスリ寝ました(ごめんなさい!!!)
                    これ、モーツァルトより効くかもしれない。
                    とても楽しく聴ける。
                    というより、当時は新鮮だったんだろうなぁ、こういうのが。

                    まぁ、それはそれとして
                    後半は室内オーケストラなのに
                    チャイコフスキーの「悲愴」を持って来た。
                    (だからカメラータから応援団が来たんだろうか、よくわからん)

                    チャイコフスキーの悲愴と言えば
                    名曲中の名曲で、どのオーケストラでも取り上げるから
                    今まで、ナマで何回聴いたかわからない曲だが

                    あの、すみません何ですかこれ。

                    ごめんなさい。
                    プロのオーケストラだし
                    しかも知り合いが演奏しているオーケストラだし
                    私が疲れていて耳がどうかしているのかもしれないけど

                    縦線はズレるは
                    アンサンブル揃ってなくて
                    弦の細かい部分が潰れてるし

                    それから敢えて言わないけれど
                    あの○○○軍団、何とかしてくれ、音下がってるよ。

                    指揮者の動きは激しくて
                    腕をブンブン振り回しているけれど
                    後ろから見ると
                    自己陶酔して勝手に踊っているようにしか見えない。

                    ご存知、盛り上がって盛り上がる第3楽章も
                    叩き付けるような粗さが目立って
                    いや、そりゃ、もう、みんな元気(笑)
                    またアンサンブルずれて、なんだそれ、というフレーズはあったが。

                    当然、第3楽章の後で出る拍手を避けようとしたのか
                    アタッカで繋ごうとして
                    手を広げて、でもゲネラル・パウゼを取ってしまった指揮者。
                    ああああああ、アタッカで繋げるなら
                    そのタイミングというものがあって
                    そこでパウゼ取ったらいかん・・・

                    多少の拍手が残っている間に指揮棒を振り上げたけれど
                    何かちょっと滑稽というか
                    不器用だなぁ、この指揮者(すみません!!!)

                    腐ってもプロオケだから
                    ド素人がどうのこうの言える筈はないのだが
                    う〜ん・・・(悩)

                    普段、日常的にさりげなく聴いているオーケストラが
                    どんなに優秀なんだか、ちょっと意識してしまったわ。

                    あれで良しとするなら
                    フラダーは申し訳ないが
                    オーケストラ・ビルダーとしては
                    ワタクシ的にはちょっと受け入れ難い。

                    休憩時間に
                    若くてパンクみたいな
                    破れたジーンズ履いた、トサカ頭のお兄ちゃんとかがかなり居て
                    ということは、これ、若人のためのジュネスの一環なのかもしれない。

                    でコンツェルトハウスの良さは
                    (特に天井桟敷、かなり席空いてたし)
                    どこかのホールみたいに
                    音楽を聴きに来るんじゃなくて写真撮りに来る観光客が少なくて
                    地元の人が多くて
                    しかも若い人が多いと、無駄な咳とかが少なくて(笑)

                    いや、周囲の雑音ほとんどゼロという
                    ウィーンでは信じられない環境で音楽を聴けた、というのはスゴイ。

                    演奏の良し悪しなんて
                    ド素人の耳逆らいかもしれないのだから
                    読者の皆さまは、私の意見を正しいと思ってはいけない。

                    仕事上の地獄は実はまだ終わらず
                    でも、地獄には仏も居るのが、とてもありがたい ♡

                    3月一杯は我慢の子(笑)
                    そんな状態で明け方まで仕事を強いられても
                    コンサートには行きます、というアホな私に
                    どうぞお励ましの1クリックをお恵み下さい。



                    アップの時間は意図的に変更してあります。
                    ああああ、明け方5時だよ。まぁ、2時間ちょっとは寝られるわ(笑)

                    バイエルン放送交響楽団 + マリス・ヤンソンス

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2016年3月14日 19時30分〜20時50分

                      Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
                      指揮 Mariss Jansons

                      Djitrij Schostakowitsch (1906-1975)
                       Symphonie Nr. 7 C-Dur, op. 60
                        “Leningrader”

                      バイエルン放送交響楽団+ヤンソンスの客演2日目。
                      実はこのコンサート、チェック漏れで
                      発売初日に買いそびれたので、ちょっと席の選択は悪い。

                      しかし今回のバイエルン放送交響楽団のプログラムって
                      何か、両日ともに非常に短いのだが
                      ヤンソンスの体調を気遣っての事なんだろうか。

                      ショスタコーヴィチの交響曲を続けて数曲
                      数日間にわたって全部演奏しちゃいました、という
                      マリイインスキーとゲルギエフとか言う怪物もいるが(笑)

                      まだ忙しいワタクシとしては
                      こういう短い、でも凝縮されたプログラム、大歓迎。

                      さて、ショスタコーヴィチの7番、レニングラードだが
                      あのね、個人的な好みですから
                      反対意見もあるのは、重々承知の上で
                      私はこの曲が名曲だとはあまり思わない。
                      (好き、嫌いは関係ない)

                      だって、あまりにあまりにあまりに
                      映画音楽で、わかりやすくて
                      共産主義バンザイ
                      はい、みんな、これ聴いて感激しようね〜というのが
                      ミエミエの曲(だと私には聴こえる。文句は却下)

                      いや、その中に新しい作曲技法や
                      ショスタコーヴィチの政権に対する隠された批判が秘められているとか
                      絶対に言う人が居ると思うし

                      確かに、オーケストレーションや構成はスゴイし
                      暗い部分もあるけれど

                      その暗い部分って
                      ショスタコーヴィチが政府をこっそり批判したというよりは
                      ただのロシア人の根暗だろ(あ、すみません、断言しちゃいました)

                      まぁ、焦らして焦らして焦らして焦らして
                      私の周囲の、たぶん、オタクっぽい人たちでさえ
                      退屈し出して、ゴソゴソしたり
                      プログラム読んだりしているうちに
                      最後でががががが〜ん、と見事に盛り上がる曲ではある。

                      オーケストラは真面目で巧い。
                      しかも弦のトゥッティの力強い事。
                      こういうオーケストラの音って
                      なかなかウィーンでは聴けないわ ♡

                      第3楽章の始めのところの弦の部分では
                      (見えないからわからないけれど)
                      どうも指揮者の唸り声が聴こえて来て
                      ちょっと気が散ったが。

                      で、やっぱり途中のオーボエのソロと
                      その前のクラリネットのソロが、抜群で
                      いやいや、うっとりと聴き惚れました。

                      あれはどのオーケストラでも巧くやらないと
                      全体がダメになってしまう場所だから
                      みんな巧いのだが
                      ああいう聴き惚れるソロをナマで聴くと

                      おおおおお幸せ ♡

                      第3楽章から第4楽章、続けて約40分ほどの長丁場。
                      でも、これが
                      焦らして焦らして焦らして・・・・のブルックナー方式で(笑)

                      しかも、弦とオルガンのあのアンサンブルの祈りみたいな
                      かなり通俗的なメロディなんだけど
                      やっぱりあのトゥッティは、かなりジーンとくる。

                      最後の盛り上げ方もケチのつけようがない完璧さ。
                      しかも、あれだけ音量を上げても
                      耳が痛くならないという
                      まぁ、楽友協会の音響を知り尽くした緻密な計算で

                      いったいどこまで職人?(あ、良い意味です、すみません)

                      曲の内容はともかくとして
                      音楽的な意味では、ものすごく充実した1時間半。

                      ショスタコーヴィチの曲が
                      感激しろ、ほら、感激しろ、もっと感激しろ
                      というのがミエミエなので
                      そういうのに反発する私は
                      感動とか感激とかからは程遠い位置にいるのだけれど

                      でも、あれで素直に乗って、ほえ〜っ、と感激できる気分にも
                      ちょっとなったりして(笑)

                      時々、う〜ん、通俗的だけど
                      やっぱり名曲だなぁ
                      人間の心理を掴むのに長けてるなぁ
                      と、途中で確かに思っていたので

                      ちょっとハートにズッキンするべきところを
                      理性的に抑えてしまったような気がする。
                      (後で考えると、ちょっともったいない)

                      しかしこの曲、滅多にウィーンで演奏されない。
                      やっぱり、これだけプロパガンダまみれだと
                      ひねたウィーンっ子は反感を持つのかもしれない(邪推)
                      (あるいは、難し過ぎて演奏できないとか(もっと邪推))

                      2日とか続けて聴きたい曲ではないけれど
                      (やっぱり途切れず1時間半の集中力は、疲れているとかなり辛い)
                      悪い席でも、やっぱり行って良かった。

                      ミュンヒェンだからオーストリアに近いし
                      割に同じ文化圏とは思っているけれど
                      やっぱりドイツのオーケストラだなぁ、と
                      あの強さを目の当たり(耳の当たり?)にして
                      勝手に納得していた私に
                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      今日のコンサートもほとんどチケットは売り切れていたようで
                      満席だったのだが
                      オーストリア大統領とそのご夫人が招待席にいて

                      それでも全くセキュリティとか考えておらず
                      大統領の座っている控えの部屋の横を
                      観客がワサワサ通って行くという
                      考えてみれば、なんてのんびりした国なのであろう(爆笑)

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