ウィーン放送交響楽団 + マイスター(リハーサル)

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    ORF Radiokulturhaus großer Sendesaal 2015年9月30日 19時〜20時


    ORF Radio-Symphonieorchester Wien

    指揮 Cornelius Meister

    Anton Bruckner

     Symphonie Nr. 6 (Arbeitsprobe)


    ウィーン放送交響楽団友の会というのがあって

    最初に出来た時から会員になっているオタクな私だが

    (出来た時は存続の危機があった時代である)

    オタクなファンのために

    リハーサルご招待、というのが時々ある。


    これが面白いのは

    最終リハーサルじゃなくて

    本当のリハーサル(本当のというのも変な言い方だが)であるという事。

    たった1時間で

    しかも時間厳守で(やっぱり労働組合とか色々(以下省略))

    壁に秒表示の時計があって

    (まぁ、ラジオ放送に必要でしょう、きっと)

    19時になったとたんに音合わせで

    20時ピッタリ(か30秒くらい前)にリハーサルは終了する。


    その後、ロビーで来場のお客さまに

    何とシャンパンのサービスまであって

    オーケストラの皆さまと親交を深めましょう・・・って言ったって

    オーケストラのメンバーはほとんどリハーサル後、即、帰るし

    帰らない場合でも、家族とか知り合いとかに囲まれているので

    そんなに簡単にメンバーの方と恐れ多くもお話できる訳ではない。


    何故かいつも申し込みする時に

    1名と明記しているのに

    出席表には2名と書いてあって

    「私、いつでも1名なんだけど」と言ったら

    もう一人、誰か連れて来て良いよ、と明るく言われて

    一緒に来てくれる人がいないんです、とは言えず(汗)


    こほん、まぁ、それはともかくとして


    今回のリハーサルは

    10月2日、金曜日に楽友協会で行われるコンサートのリハーサル。

    ソリストの出るブゾーニじゃなくて

    (ブゾーニだったら行ってないたぶん)

    ブルックナーの交響曲6番。


    おっ、指揮者がピンマイクを顔に付けて登場。

    (最初はマイクなしで、それからワイヤレス・マイクになって

     何と今度はミュージカルの歌手が使うようなマイクになった(笑))


    2楽章から始めて

    最後まで通して演奏しちゃったよ。

    これが約20分。リハーサル時間の半分弱を使ってしまって良いのか。

    その後、細かい部分での指示が入る。

    (これが面白いのよ、うん、オタクだから)


    マイスターは音響オタクである(笑)

    だから、曲の内容とか

    情緒的な指示が一切なくて

    音の出るタイミングとか、管と弦のバランスとかが中心。

    (というより、それ以外の指示はないと思って良い)


    アクセント付けるんじゃなくてレガートだ!とかね(笑)

    指示の後に音が変わるのが面白いのだが

    ワタシのようなシロウト耳には

    どこが変わったのかさっぱり、というところも多いし


    第一、あんなに簡単に指示して演奏変えて

    それを全員が覚えていられるものなのだろうか???


    その後、第1楽章に入って、また通しで演奏。

    確かに、最初のオーボエが弦に埋もれていたところを

    弦を抑えてオーボエのソロを前面に出して来たりというのは

    さすがに、ド・シロートの私でもわかる(えっへん)


    しかしまぁ

    弦でビブラートをしてない奴がいるだろうとか(笑)

    言ったとたんに

    全員が憑かれたように思い切りビブラート掛けていたのが印象的。

    ブルックナーで弦で全部にビブラート・・・辛そうだわ。


    本来、ブルックナーの交響曲となれば

    できるだけ、舞台から離れた方が良いのは重々承知の上で

    指揮者が聴いている音響を聴きたい、と

    かなり前のところに陣取った私は

    バイオリンの音が凄くて(だって全員ビブラート(笑))


    コンサート・ミストレスの

    身体全体を揺らして、ものすごい勢いでボウを上下するところが

    モロに見えてしまい

    おおおお、すごいわ・・・と何となく感心。


    いやでも、面白いのは

    ウィーンのオーケストラって

    何だかんだ言っても、ブルックナー好きなんだろうな、と言うのが

    割に素直に伝わってくる(妄想かもしれない)


    最初のテーマ提示のところのテンポがむちゃ早くて

    すごく元気で躍動的に聴こえて来たのは

    前の方に陣取ったせいかもしれないけれど


    あのテンポでコンサートしたら

    とっても元気なブルックナーになりそうで

    疲れた精神に元気が注入されるかもしれない。

    (で、金曜日に元気になってどうする気?)


    来ている聴衆は

    やっぱり年配のヒマそうな引退老人がほとんどで

    その家族だか孫だかの若い人がチラホラ。

    時々、音楽学生かな、という人も混じるが

    総じて、オタクなので

    特に今日は雑音が全くなくて

    (咳する人が誰もいなかった。引退老人も咳しなくて我慢できるんじゃん!)

    その意味では、かなり集中できる1時間だった。


    久し振りにウィーン・フィル以外のオーケストラを聴いてみると

    ウィーン放送交響楽団の音って、鋭い感じがある。

    (いやだから、もしかしたら前の列に座ったからかもしれないが)

    しかし、やっぱり巧いオーケストラだよ。

    指揮者の指示に対する反応も早い。


    明日から10月で、やっと待ちに待ったシーズンに突入。

    トーンキュンストラーを皮切りに

    ウィーン放送交響楽団のコンサートの後は

    ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンが登場するし


    やっと楽友協会のあの響きで

    マトモなコンサートが聴ける時期が来た、と

    ウキウキ、ソワソワしている私に

    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    明日はトーンキュンストラーの

    佐渡裕就任コンサートなのだが

    予定されていたマリア・ジョアン・ピレシュが

    病気のためキャンセル。

    プログラムはベートーベンのピアノ協奏曲1番に変更になり

    22歳のイタリア人ピアニスト、ベアトリーチェ・ラナがデビューする。

    (でツイッターで囁いた通り、この曲がモロにエマールと重なる(汗))


    ウィーン・フィル + クリストフ・エッシェンバッハ

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      Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年9月28日 19時30分〜21時50分


      Wiener Philharmoniker

      ソプラノ Elisabeth Kulman

      指揮 Christoph Eschenbach


      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

       Symphonie Nr. 40 g-moll K 550

      Richard Wagner (1813-1883)

       Fünf Gedichte von Mathilde Wiesendonck

        für eine Frauenstimme und Klavier (1857/58)

        (Bearbeitung für Sopran und Orchester : Felix Mottl)

      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

       Symphonie Nr. 41 C-Dur K 551 “Juipter-Symphonie”


      何か最近、ふんだんにウィーン・フィルばっかり聴いているが

      他にコンサートないので仕方がない(ってそういう問題か?)


      難民問題に絡んで

      ウィーン・フィルとコンツェルトハウスが

      急ぎチャリティー・コンサートを決定。

      収益金はすべて、カリタスを始めとする

      ボランティアの慈善団体に寄付。


      コンツェルトハウス会員の割引もないが

      決定してからすぐにチケットを買ったので

      一番安いけれど、音響最高、一応舞台も見えるという席を購入。


      後でプログラムみたら

      モーツァルトばかりで・・・(絶句)


      ヴェーゼンドンクはこの間、ビシュコフとの演奏を聴いたばかりだが

      また、どこからモーツァルトの後期交響曲なんていう発想が???


      始まる前にコンツェルトハウスの支配人のご挨拶と御礼。

      続けてウィーン・フィルの代表からのスピーチ。


      ううう、エッシェンバッハが当時ポーランドから逃げて来て

      避難所でチフスが流行って

      みんな死んだ中で生き残った(5歳の時だそうだ)ってホントか。

      ブルーノ・ワルターの話が引用されたり

      ちょっと、いや、かなり政治プロパガンダみたいな感じで

      言ってる事はわかる、よ〜くわかるが

      あそこまで正論を主張されてしまうと

      だいたい正義を声高に叫ぶ奴に限って

      ・・・いや、以下、省略しよう(冷汗)

      確かに正しい。主旨には賛同する。

      だから、なけなしの財布の底を叩いてコンサートのチケット買ったんだし。


      最初はモーツァルトの交響曲、ご存知ト短調の40番。


      うはははは、これたぶん、ほとんどリハーサルしてないだろ(断言)

      失礼な言い方の独断偏見を書いてしまうなら

      指揮者が居ても居なくても

      このメンバー、この曲を寸分違わず、こういう感じで演奏するだろう

      というのが、かなりミエミエで


      ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの時の

      最後の美しき青きドナウ状態で

      エッシェンバッハは腕を振り回してはいるのだが

      どう考えても

      オーケストラ自身のアンサンブル能力で演奏しちゃいました

      ・・・としか聴こえて来ない(すみません)


      でもその分、本当にウィーン・フィルらしい響きで

      美しくて陰鬱で、鬱病になりそうな暗さも入っていて

      そうですよね、これから冬になるんですよ

      夏は終わったわ、あああ・・・という悲愴感が漂う。

      (というのは、私の妄想である)


      ヴェーゼンドンクはこの間聴いた通り。

      指揮はあの時はビシュコフだったが

      エッシェンバッハが大幅に何か変更する、という事もなかった。


      エリザベート・クルマンの声って

      今が聴き時かなぁ、と思わせるほど

      ドイツ語はクリアだし

      声に艶があって、もともとメゾだから低音が伸びるし


      この曲、オーケストレーションはワーグナーではないので

      オーケストラの音もスッキリして厭味がなくて

      極限まで削ぎ落とされた響きの中で

      限りなく美しい愛と憧憬が

      ワーグナーっぽいしつこさが抑えられて

      ほどよく聴こえて素晴らしい。


      (ただ、クルマン、最後、感極まって動けないという風情で

       ず〜っと固まったまま立っていて

       その間、聴衆も身じろぎもせず、拍手もせず待っていたのだが

       あれは、この聴衆、何分拍手を待てるかしら、と試していたような気がする。

       いや、妄想かもしれないけど、しかし、かなりわざとらしかったのも事実)


      後半がジュピター。


      ご存知の通り、私はモーツァルト聴くと爆睡する体質だし

      何故、こんなにモーツァルトが苦手になったかと言えば

      かなり以前に(たぶん10年以上前だ)

      ウィーン劇場でウィーン・フィルとサイモン・ラトルとで

      モーツァルトの後期3大交響曲のコンサートがあった時

      モーツァルト好きなモドキのために

      ものすごく高いチケット買って、一緒に行って

      偏頭痛と吐き気に辟易しながら耐えたら

      その後、モドキのモーツァルト賛美を延々と・・・


      絶対にあの時の体験がトラウマになってるに違いない(断言)


      そんなワケで

      ジュピターだって、何回かナマでは聴いている筈なのだが

      途中で気分悪くなったり爆睡したりで

      たぶん、しっかり真剣に聴いた事がないはず。


      今回は舞台が見える席というのもあって

      何と、爆睡せずに聴いちゃったのだが


      まぁ、これも、別に指揮者要らんよな、という印象はあったが

      ジュピター、皆さまよくご存知なので

      こういう自分の恥を晒すような事は書きたくなかったが


      よく聴くと、何と言う斬新、というか現代的で

      ぶっとんだ曲なんだ???


      最初のあの華やかなテーマばかりに気を取られて

      それが交響曲と思っていたら、とんでもない話で

      途中の展開部の気味の悪さというか

      尋常でないキレ方とぶっ飛び方。


      チョコレートだと思って食べていたら

      中に入っていたのはワサビでした・・・みたいなショック。


      あ、だからモーツァルト・クーゲルってチョコレート

      中身が緑色のワサビ・・・じゃなくてピスタチオなんだな

      (って全然関係ないけど(すみません))


      最後の交響曲は明るい光に満ちて、とか

      どこのライナー・ノーツにも書かれているが

      明るい光と見せかけて

      これ、本当に普通の精神状態じゃないよ(恐)


      それをまた、ウィーン・フィルのメンバーが

      淡々と演奏して行くのが、ちょっとコワイ。

      楽しいと言うには重過ぎる(汗)


      演奏について書かずに

      こんなアホな自分の無知をさらけ出してしまって

      読者の皆さま、ゴメンナサイ。


      しかしウィーン・フィルのメンバーも

      指揮者のエッシェンバッハも

      歌手のクルマンも

      全員、ギャラを貰わず

      すべてを寄付する、というのは

      なかなかの心意気ではないか。


      火曜日はウィーン・フィルのソワレ(定期公演)だが

      私は行きません。悪しからず。


      これにてウィーン・フィルの一連のリハーサル・・・じゃなかった

      コンサートはウィーンでは終わり。

      この後、ウィーン・フィルは日本に出稼ぎに行く。

      同じメンバーで行くなら

      コンマスはキュッヘルとホーネック。


      日本でのチケットは高いが

      (そりゃ、航空運賃からホテル代から色々あるからな)

      やっぱりウィーン・フィルの音って良いわ、と

      ちょっと宣伝しちゃう(回し者ではありません)ワタクシに

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。





      ザ・パーカッシヴ・プラネット・アンサンブル

      0

        Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年9月27日 15時〜21時20分


        The Percussive Planet Ensemble

        Martin Grubinger


        Friedrich Cerha (*1926)

         Étoile für seches Schlagzeuger und vier Schlagzeuger ad libitum (2011/12)

        Wolfgang Rihm (*1952)

         Tutuguri VI (1981)


        Iannis Xenakis (1922-2001)

         Persephassa (1969)

         Pléïades (1978/79)


        Gérald Grisey (1946-1998)

         Le Noir de l’Étoile (1989/90)

        Steve Reich (*1936)

         Drimming (Part One) (1970-71)


        注意深い読者は

        あっ、はっぱ、時間を間違って書いているぞ、と思われたかもしれないが

        本当に15時〜21時20分のコンサートだったのである。


        (日曜日空いてる?と聞かれて

         あ、コンサートの後なら18時くらいからオッケーと安請け合いし

         後でギョッとして、慌てて無理言ってお昼に変えてもらったお二人さま

         本当にごめんなさい)


        6時間半のコンサート!!!

        ワーグナーの楽劇より長いんかっ!!!


        もっとも、これ、途中に舞台の変換とかがあって

        そのお休み時間が各1時間くらいづつ入っているからという理由もあるが。

        第一部がチェルハとリーム

        第二部でヤニス・クセナキス

        最後にグリセーとライヒという組み合わせである。


        で、土曜日のウィーン・フィルのコンサートが15時30分からだったので

        すっかり15時30分からだと思い込んで

        15時10分にコンツェルトハウスに行ったアホな私は

        最初のチェルハ教授の作品は聴いてません(汗)


        リームから入ったものの

        お腹一杯食事したせいで

        あのリームの、あのアグレッシブな

        しかもパーカッションで寝落ちしたというのも

        ちょっとスゴイな(って自分でも呆れる)


        昨日4時間しか寝てないというのもあるんだけど(だから言い訳するなって!)


        40分ほどの舞台変換の時に

        ギャラリーの渡り廊下のロビーで

        いかにも、スマホ見てます、という格好で

        グッスリ寝たのが効いて

        やっとクセナキスから頭がハッキリしてきた。


        さてこのコンサートは

        人気絶頂のマルティン・グルービンガー率いる

        パーカッシヴ・プラネット・アンサンブルのコンサートなので

        パーカッションのみ。


        クセナキスのペルセファッサは

        平土間のあちこちにパーカッションが散らばって

        私は一番安い天井桟敷の一番奥の席だったので

        何にも見えないが

        空間を打楽器の音が飛び交っていくのが

        目を閉じると見える(目を閉じると寝落ちしそうにもなる)


        でも、驚いたのが、次のプレイアデス。

        そういう曲があるのは知識として知っていても

        聴くのは初めてだった(と思う)のだが


        マリンバとシロフォンのメロディックな曲から始まって

        パーカッションのリズムに移り

        それが重なって、最後はまるでお祭りのように炸裂するという

        約45分の

        数学的構築と美的感覚が

        ある意味、完璧な形で結びついた稀有な例だと思う。


        あまりに素晴らしかったので

        Youtube で探して聴いてみたのだが


        だめだ、これ、録音で聴くと、ただの雑音にしか聞こえん(断言)

        あれは、ホールの空間の中に広がる音が

        限りないスペースを内包しないと感激しないのだ、きっと。


        だからナマで聴くのと、録音で聴くのの間には

        深くて越えられない溝がある(特に現代音楽は!!!)


        マルティン・グルービンガーは話も上手くて

        しかも本当に楽しそうに情熱を持って語ってくれるので

        このプレトークを作品の前に聞くのも楽しい。


        ちなみに、クセナキスは

        第2楽章が、たぶん音響的には最大

        と言うのをプレトークで教えてくれたので

        係の人からもらった耳栓を素早く耳に突っ込んで

        耳が痛くなる事なく、楽しませてもらった。

        (確かに2番目の Métaux は、ナマで聴いたら難聴になりそう)


        クセナキスで酔っ払ったようになって

        またもやギャラリーのロビーで

        今度は寝ずに、会場が開くのを待っていて

        比較的早く40分くらいで開いたのに


        今度は、どうもその間に食事に出た観客が多かったらしく

        (19時からの休憩で、19時40分にホールは開いた)

        20時くらいにやっと最終の部が始まった。


        そうなのよ、私が聴きたかったのは

        当然ながらジェラール・グリセーなのである!!!


        パルサーに触発されて、パルスもテープで使って

        作曲されたこの曲は

        また、6人のパーカッショニストがホールのあちこちに位置する。


        最初は本当に微かな大太鼓の音から始まって

        約60分、ホールの中のあちこちに

        右から左、前から後ろ

        天井桟敷のギャラリーだから音響効果は平土間ほどではないだろうが

        それでも、音があちこち散らばって

        飛び交って、弾けて飛んで、まとわりついて来る。


        うわわわわ、快感 ♡

        いや、どうせ音響オタクですから。


        その上、パーカッションだけなのに

        何で低音の、まるでコントラバスのような響きが聴こえてくるんだろう?

        ともかく、ものすごく不思議な世界がホール全体を満たして

        現世でないどこか遠いところに連れて行かれた気分で

        ここはドコ?ワタシは誰?という

        宇宙に放り出されたような壮大な開放感。


        だからこういう曲って、絶対にナマの空間が必要なのだ。

        誓っても良いが、この曲、CD で聴いたら、ただの雑音だよ。


        最後のスティーブ・ライヒのプレトークで

        「今回はミキサー入れて、パーティにしちゃいました」と

        マルティン・グルービンガーが言うので楽しみにしていたら


        何ですか、あのミキサーのオジサンは!!!

        合ってないよ、それ。

        いや、スティーブ・ライヒだからそれで良いのかもしれないが

        パーカッショニストの横から

        勝手に指揮するなっ!!!(怒)


        こほん、まぁ、それはともかく

        最初の20分くらいは、ミキサーのおじさんも出て来なかったし


        スティーブ・ライヒのドラミングと言えば

        モダン・ダンスのファンは、あっ、あれね、と思い当たるだろう。

        (実は私も観てます。でも読み返してみたら、しっかり寝てる(自爆))


        いわゆるミニマム・ミュージックなのだが

        リズムが着いたり離れたりを

        パーカッショニストを観ながら聴いていると面白い。


        ミキサーのオジサンは論外として

        その後、後ろの3人が、自分たちの太鼓で乱入してきて(笑)

        最後は本当に乱痴気パーティみたいになって

        むちゃくちゃ楽しかった ♡


        観客全員スタンディング・オベーション。

        (で観客は若い人だけじゃなくて

         普通にクラシックに難しい顔して来るような

         年配の人がむちゃくちゃ多い)


        天才奏者が音楽史を変えてしまう事が時々あるが

        このマルティン・グルービンガーという若いパーカッショニストも

        今現在、パーカッション音楽の歴史を塗り替えているところで


        この人が出た事によって

        現代作曲家がパーカッションの曲を色々と作曲しているし

        優れた近代・現代のパーカッションの作品を

        雑音になってしまう録音ではなく

        本当にホールの中で、ナマで聴くチャンスが

        我々聴衆に与えられているのは

        現代に生きている僥倖だ(断言)


        グリセーの後にグルービンガーが

        「ある意味、聴衆の皆さんが羨ましい。

         我々は耳にイヤホン入れて(それやらないとリズムが取れない)

         イヤホンのリズムのチャカチャカいう雑音を聴きながら演奏するから

         本当の作品の素晴らしさを聴く事ができない」

        と言っていたが

        確かに演奏者には聴く事ができない音楽を

        贅沢に楽しませてもらえるのは

        20ユーロちょっと払った(いや高いチケットはもっとするが)

        我々の幸せである ♡


        このパーカッシヴ・プラネット・アンサンブルは

        コンツェルトハウスでコンサート・チクルスで演奏する。

        私はこのチクルスは買っていないけれど

        次は10月23日にトーマス・ハンプソンとの共演だそうだ。

        (私はその日は別に予定があるので行きません、悪しからず)


        しかしまぁ、この天才とその仲間たちって

        本当に疲れ知らずで、底知れない体力のある連中だな(驚)


        ワーグナーのオペラより長いコンサートを

        最初は寝たけど(苦笑)とことん楽しませてもらった私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        念の為に付け加えておけば

        スティーブ・ライヒのドラミングは

        ケースマイケル率いるローザスのレパートリにある

        有名な作品。



        サシャ・ヴァルツ Continu 2回目

        0

          Festspielhaus St. Pölten 2015年9月26日 19時30分〜21時45分


          CONTINU

          Sasha Waltz, Tonkünstler-Orchester


          振付・演出 Sasha Waltz

          舞台 Thomas Shenk, Pia Maier Schriever, Sasha Waltz

          衣装 Bernd Skodzig

          照明 Martin Hauk

          ドラマツルギー Jochen Sandig

          指揮 Pietri Inkinen

          オーケストラ Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

          パーカッション Robyn Schulkowsky

          ダンサー Liza Alpízar Aguilar, Ayaka Azechi, Blenard Azizai, Jirí Bertovanec,

          Davide Camplani, Juan Kruz Diaz de Garaio Esnaola, Luc Dunberry,

          Delphine Gaborit, Maya Gomez, Hwanhee Hwang, Florencia Lamarca,

          Sergiu Matis, Thomas Michaux, Michal Mualem, Virgis Puodziunas,

          Sasa Queliz, Orlando Rodriguez, Xuan Shi, Idan Yoav, Niannian Zhou


          Ian Xenakis (1922-2001)

          “Robonds B” für Schlagzeug solo

          “Concert PH” für Schlagzeug solo

          Edgard Varèse (1883-1965)

          “Arcana” für großes Orchester (1925-1927)

          “Hyperprism” für neun Blasinstruments und Schlagwerk (1922/23)

          “Ionisation” für 13 Schlagwerker (1929-1931)

          Claude Vivier (1948-1983)

          “Zipangu” für 13 Streicher

          Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

          Quartett für Oboe, Violine, Viola und Violoncello F-Dur, KV 370, 2. Satz


          昨日も行ったが、今日も行くというアホな私。

          でも、こういう公演って

          1回観ただけではわからなくて

          2回目で、また色々な発見がある事が多いんだもん。


          それが、ワケのわからん現代芸術の良いところ(無理やり納得)


          17時30分にコンツェルトハウスを出て

          サンデー・ドライバーが多いのにイライラしながら

          ウィーンを出て

          西高速道路を飛ばす事、1時間ちょっと。


          18時35分頃に到着して

          18時半からやっている「作品解説の時間」に

          ちょっと遅れたが、潜り込ませてもらった。


          作品解説をしているのは

          あらま、偉そうな評論家ではなくて

          サシャ・ヴァルツ、ご本人さまではないか。


          この作品のコンセプトとして

          建築物とダンスの関係があったらしく

          初演やベルリンでの上演とは

          建築が違うので、また変化があったという話や


          今まではテープの音楽を使っていて

          本当にオーケストラのナマ演奏で上演したのは初めてらしい。


          昨日の公演があっただけに

          サシャ・ヴァルツ自身も

          ナマの演奏で

          音楽とダンスが、それぞれにエネルギーを交換している有り様を見て

          かなり興奮しているのが伝わってくるような話だった。


          この作品のトレイラーはこちら。

          場所も違うし(観客とダンサーが混ざってる!)

          音楽もテープだが、ご興味のある方はぜひどうぞ。



          昨日観たので、ちょっと安い席を買ったのだが

          舞台は全部見えるし、このクラスの席で充分だわ。

          (昨日のギャラリー2列目の方が、前の人の頭が邪魔だった)


          第1部は、すべてが黒の暴力的な世界。

          入口も出口もなく、壁も床も黒、衣装も黒。


          クセナキスのパーカッション・ソロの作品を演奏した

          パーカッショニストは

          かなりご年配だなぁ、と思っていたら

          クセナキスご自身とも交流があったそうで

          ご年配の女性だが、実にカッコいい ♡


          自分の演奏は完璧にきっちりこなした上で

          ダンサーとの兼ね合いも、ちゃんと計っている。


          これは女性だけのダンスで

          ヴァルツ自身の話では

          女性の持つエネルギーを表現したかったとの事。

          (言われてみれば確かに・・・ でもかなり抽象的)


          その後のアルカーナ。


          わ〜っはっはっはっは

          もちろん昨日と席が違うので聴こえ方も違うのだろうが

          オーケストラが、吹っ切れたというか開き直ったというか

          昨日のような遠慮がちのオドオドした

          エッジが見えないような演奏ではなくて

          思いっきりの良い、シャキッとした音になったではないか。


          お互いがエネルギーをもらって

          オーケストラのメンバーも遠慮なく攻めてくるし

          ダンサーもそれに乗って

          ほとんど暴力的な世界を容赦なく描いて行く。


          群舞あり、ソロあり、小グループでの動きあり

          でも、共通して見えるのは

          個人と社会の関係。

          芸術が世間から隔絶した夢の世界を描くのではなく

          社会状況の中で

          政治問題にも拘らざるを得なかったベルリンの特徴が良く見える。


          こういうのが、いわゆる貴族趣味とは一線を画す

          現代芸術の一つの行き方なのだろうなぁ。


          ワタクシ的には芸術は芸術として

          厳しい人生の中でひとときの夢を見せて欲しいと思うんだけど

          現代のクリエーターは、それだけではダメみたいね。


          舞台の上の奥で繰り広げられる

          ハイパープリスムとイオニザシオン、すごく良い感じ。

          やっぱりヴァレーズ、すごく好き ♡

          ヴァレーズの作品そのものも

          かなり社会的な背景を内包しているから

          サシャ・ヴァルツを刺激したのも、かなりよくわかる(ような気がする)


          最後の銃殺場面は

          ベルリンで本当に銃殺のあった場所で公演したらしい。

          ううう、すごい勇気というか

          その場所に本当にいたら、居たたまれないだろうなぁ。

          サンクト・ペルテンの舞台で良かった(汗)


          後半は、床に大きな白い紙が敷かれて

          ダンサーも白の衣装になる。


          サシャ・ヴァルツの説明では

          前半は黒に代表される閉塞感のある痛みの歴史を綴り

          後半は白を基調にして、未来への希望を表現したとの事。


          シロウト目には

          あんまり明るい未来には見えないが(爆)

          それは鑑賞する方の問題であろう。


          サシャ・ヴァルツの出世作の Körper だが

          10月中旬にウィーンの Tanzquartier での上演がある。

          ・・・買っちゃったよ、チケット(冷汗)


          真夜中にこの記事を書いていたら

          今日の朝のトラブルを

          今になって報告されても・・・という

          困った事態が起こって


          芸術に時を忘れるのは楽しいのだが

          日常生活は甘くない、と思い知った私に

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          ウィーン・フィル + エッシェンバッハ

          0

            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年9月26日 15時30分〜17時30分


            Wiener Philharmoniker

            指揮 Christoph Eschenbach

            オーボエ Clemens Horak

            クラリネット Ernst Ottensamer

            ホルン Ronald Janezic

            ファゴット Harald Müller


            Joseph Haydn (1732-1809)

             Symphonie G-Dur Hob. I/92 “Oxford”

            Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

             Sinfonia concertante Es-Dur K Anh. C 14/1

              für Oboe, Klarinette, Horn, Fagott und Orchester (1778)

            Ludwig van Beethoven (1770-1827)

             Symphonie Nr. 1 C-Dur op. 21 (1799-1800)


            他のオーケストラは、まだ夏休み中らしいが

            (あ、トーンキュンストラーは昨日も書いた通り

             ご当地低地オーストリアで健闘中)

            もともとは国立オペラ座管弦楽団のウィーン・フィルは

            9月から大活躍である。


            こういうプログラム構成で

            指揮者がエッシェンバッハだと

            私の好みではないのだが

            コンツェルトハウスのチクルス買っちゃってるし(笑)


            ハイドンのオックスフォードは

            う〜ん、この間のビシュコフの時の方が

            ハイドンらしい優雅さや美しさがあった。


            最初の部分のテンポが遅くて

            対比するような第1テーマでむちゃくちゃ早くするのは良いが

            何か、ガタガタしている・・・というより

            落ち着きがなくて優雅じゃなくて、遊び心がない。


            すみません、言いたい放題ですが

            こちらの体調もあって

            もちろんオーケストラや指揮者に対する文句ではございませんので

            読者の皆さまは真面目には取らないように。

            (これはあくまでも個人的なメモで、音楽批評ではありません、念の為)


            オックスフォードって

            以前、サイモン・ラトルの決定版を聴いちゃった時の印象が

            あまりに強過ぎるのもある。


            モーツァルトのシンフォニア・コンツェルタンテは

            プログラム記載によれば

            本当にモーツァルトだか不明みたいだし

            残っているフラグメントから構成されたそうだが


            当時のモーツァルトちっくな音楽である事は間違いないので

            ええ、どうせ、爆睡の言い訳してますが

            たぶん管楽器に詳しい方が聴かれたら

            おおおおっ、という演奏だったのだろうが

            ああ、もうこれ以上書いても意味がないので止めた(自爆)


            ベートーベンの交響曲1番。

            いや、そりゃウィーン・フィルの音です、巧いです。

            しかもエッシェンバッハだから

            最初はあくまでも遅いテンポで

            テンポ・アップしてからは躍動感に満ちて

            早過ぎて目が廻りそうで


            ううう、すみません、素晴らしい出来だとは思うけれど

            別にウィーン・フィルでこの曲聴かなくても

            ・・・・いかん、やっぱり疲れてる(ごめんなさい)


            調べてみたら

            このプログラム、東京で10月4日に演奏されるのと同じか。

            すみませんね、私、こういう小編成の古典的プログラム

            あんまり好みじゃないので。

            好きな人は好きだろうし

            日本人受けしそうだから

            いやいや、これ以上書くと

            読者の反感買ってしまう・・・


            まぁ、そういう事もあります、すみません(汗)


            17時30分に終わってから

            車に飛び乗ってサンクト・ペルテンまで行った私に

            お疲れさまの1クリックをお恵み下さい。

            (こんな手抜きの個人メモで恐縮です・・・(冷汗))



            サシャ・ヴァルツ Continu

            0

              Festspielhaus St. Pölten 2015年9月25日 19時30分〜21時45分


              CONTINU

              Sasha Waltz, Tonkünstler-Orchester


              振付・演出 Sasha Waltz

              舞台 Thomas Shenk, Pia Maier Schriever, Sasha Waltz

              衣装 Bernd Skodzig

              照明 Martin Hauk

              ドラマツルギー Jochen Sandig

              指揮 Pietri Inkinen

              オーケストラ Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

              パーカッション Robyn Schulkowsky

              ダンサー Liza Alpízar Aguilar, Ayaka Azechi, Blenard Azizai, Jirí Bertovanec,

              Davide Camplani, Juan Kruz Diaz de Garaio Esnaola, Luc Dunberry,

              Delphine Gaborit, Maya Gomez, Hwanhee Hwang, Florencia Lamarca,

              Sergiu Matis, Thomas Michaux, Michal Mualem, Virgis Puodziunas,

              Sasa Queliz, Orlando Rodriguez, Xuan Shi, Idan Yoav, Niannian Zhou


              Ian Xenakis (1922-2001)

               “Robonds B” für Schlagzeug solo

               “Concert PH” für Schlagzeug solo

              Edgard Varèse (1883-1965)

               “Arcana” für großes Orchester (1925-1927)

               “Hyperprism” für neun Blasinstruments und Schlagwerk (1922/23)

               “Ionisation” für 13 Schlagwerker (1929-1931)

              Claude Vivier (1948-1983)

               “Zipangu” für 13 Streicher

              Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

               Quartett für Oboe, Violine, Viola und Violoncello F-Dur, KV 370, 2. Satz


              お隣の州、低地オーストリアの州都サンクト・ペルテンにある劇場は

              ウィーンでは見られないような

              国際的に有名なモダン・ダンスを持ってくる。

              これぞニッチ・プロダクトというか

              低地オーストリア州だけではなくて

              ウィーンの聴衆までターゲットにしているので

              プログラムが実に素晴らしい。


              シーズン・オープンに持って来たのが

              何と、ベルリンのサシャ・ヴァルツ&ゲスツ

              しかもオーストリア初演の Continu


              みなさ〜ん、音楽のプログラムをご覧下さいまし。

              この曲目なら

              最後のモーツァルトはともかくとして

              ヴァレーズにヴィヴィエって

              ダンスなしのコンサートでも、これは私は行くね、きっと(笑)


              ヴァレーズ好きなんだもん!!!

              アルカーナも好きだけど

              イオニザシオンはもっと好き。

              確かこの作品、パーカッションだけのために作曲された

              西洋音楽史上、最初の曲じゃなかったっけ。

              (もっと好きな曲にアメリカと密度21.5 というのもあるが)


              更に、最初がクセナキスとあったら、もう涎出そう(こらっ)


              同僚には早退する、と言いつつ

              やっぱり仕事に追われて、17時57分に(3分の早退!)出て

              大雨の中を車飛ばして約93キロを1時間ちょっとで到着。


              サシャ・ヴァルツと言えば

              やっぱり Körper が代表作かなぁ、という感じだったので

              今回の Continu が

              かなり具体的に、暴力や政治を取り上げていたのに驚いた。


              舞台装置もない簡素な舞台の下手に

              パーカッショニストが位置して

              6人の女性ダンサーが踊る。

              簡素な衣装で、群れになったり独りになったり

              不思議な動きで舞台中を縦横に使う。


              その後に入ってくるオーケストラで

              アルカーナ ♡


              ダンサーが山ほど舞台に登場し

              あちこちで繰り広げられるのは

              殴り合いと荒々しい暴力・・・


              うわわわわ

              確かにアルカーナって

              そういうのを連想させる荒々しい曲ではあるのだが


              トーンキュンストラーの演奏

              偏見だろうとは思うのだけど

              何か柔らかくてエッジが立ってなくて

              キレがない(すみません)


              舞台上の粗野なまでの暴力に

              音楽が追いついていないというか(すみません、シロウトが)


              サシャ・ヴァルツの書いたプログラムの紹介には

              2007年にアメリカをブーレーズの指揮で聴いてから興味を持ち

              2009年にアルカーナを聴いた時に

              この曲が内包するエネルギーに圧倒されて

              どうしても振付したくなった、と書いてあったが


              確かに複数のダンサーによる

              エモーショナルでダイナミックな動きは

              ヴァレーズのやりきれない荒々しさにピッタリ合う。


              しかしこれ、かなり、モロな暴力だぞ。

              子供も来ているようなのに

              こんな暴力的作品を見せて良いのか?

              (よくわからんオーストリア。日本ならクレーム出そうだが)


              で、大編成のアルカーナの後

              休憩なしに続けてハイパープリスムとイオニザシオンって

              オーケストラ・ピットは

              通常のオーケストラで満杯だし

              見たところ、パーカッションはティンパニしか置いてないみたいだし


              と思ったら

              舞台の後ろの上が開いて

              舞台の後ろの上の奥にズラッと並んだパーカッション!!!


              あんなところで演奏できるんかいっ!!!

              いや、しました。しかも指揮者まで上に行ってた。


              音楽が終わった最後の場面なんて

              モロに銃殺刑のシーンだったもんなぁ・・・


              休憩の後は

              ヴィヴィエの「13人の弦楽奏者のためのジパング」という作品で

              これは、またオーケストラ・ピットの弦楽で演奏。


              で、またこれが不思議な曲で

              すごく面白い音響。

              ほんの少しピッチをずらした弦が

              ノンビブラートでフラジオレット混ぜて

              この曲、すごく好きかも(←音響オタクなので・・・(笑))


              どういう曲か聴いてみたい、という方は

              下のクリップからどうぞ(14分くらいです)

              ただし、現代音楽キライの方は聴かない方が良いと思います(笑)

              (シェルシ好き、とか言う方ならお気に召すかも)




              アジア人女性ダンサーの不思議なポーズのバランスから始まって

              男性ダンサー3人が

              後ろで、すごく不思議な身体のカタチを作るのだが

              その不思議な身体のカタチが

              何故か、すごくユーモラスで

              ちょっとワタシ、ここで笑いたいんだけど

              みんな異様にシリアスな雰囲気で鑑賞してるから

              ここで笑ったらいかんのだろうなぁ。


              床には大きな白い紙が置いてあって

              途中で出てくる2人の女性ダンサーの足裏に

              どうもペンキが塗ってあるらしく


              女性ダンサーの踊る軌道に沿って

              線が白い紙の上に描かれていって

              抽象絵画みたいなものが出来上がって行く。


              わっはっは、こういうのは

              平土間の値段の高い席で鑑賞している人には見えないだろう。

              天井桟敷の安い席の貧乏な聴衆へのサービスだな(誤解あるかも)


              この「現代絵画」がなかなか楽しくて・・・

              う〜ん、現代芸術って、こうやって作られるのか(って違うかも)


              最後の男女のダンサーによるデュエットの時には

              この紙の向こう側が

              他のダンサーによって持ち上げられて

              背景として使われる・・・・のだが


              本当に本当の最後の方で

              紙を持ち上げているダンサーが上手の方に移動していく時に

              紙を持った上の方の手が、どんどん上手にズレていくのが

              何かやっぱりユーモアあって、何となく楽しい。

              (どうせヘンなところしか見てませんよ、ワタシは)


              最後のモーツァルトの室内楽曲は

              どうも、舞台の脇か、上の仮設オーケストラ・ピットで演奏されていたようで

              音楽家は全く見えず

              舞台でのダンサーのみが見える。


              いや、でも面白かったぞ。

              前半の暴力沙汰には、多少辟易した部分もあるのだが

              あれがベルリンとウィーンの違いかも・・・とかついつい思ってしまったし

              東西ドイツという歴史的な背景を考えると

              アルカーナという曲に

              ああいう暴力的なエネルギーを感じて

              それをああいう形でダンスにしたサシャ・ヴァルツの心情も

              ちょっとわかるような気がする。


              雨の中を、今度は西高速道路をすっ飛ばして

              1時間かけてウィーンに帰って来た私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。





              チェネレントラ 国立オペラ座

              0

                Wiener Staatsoper 2015年9月23日 19時〜22時15分


                LA CENERENTOLA

                Dramma Giocoso in zwei Akten

                Musik von Gioachino Rossini

                Text Jacobo Ferretti


                指揮 Michael Güttler

                演出 Sven-Eric Bechtolf

                舞台 Rolf Glittenberg

                衣装 Marianne Glittenberg

                照明 Jürgen Hoffmann


                ラミーロ王子 Benjamin Bruns

                ダンディーニ Gabriel Bermúdez

                ドン・マニフィコ Pietro Spagnoli

                アンジェリーナ(チェレネントラ) Margarita Gritskova

                クロリンダ Hila Fahima

                ティスペ Juliette Mars

                アリドーロ Marco Vinco

                Orchester der Wiener Staatsoper

                Chor der Wiener Staatsoper

                Bühnenorchester der Wiener Staatsoper


                イタリア・オペラは観ない、と心に誓ってから数年。

                チェレネントラは大昔、別の劇場で観て

                その長さに辟易して、退屈しまくったので

                今回のプロダクション(今日が25回目の上演)も

                別に行く気はなかったのだが


                何か、この公演、ヘンにチケットが余ってるみたいなんだけど・・・


                舞台から離れたロジェの3列目が空いているのを見て

                ついついクリックしてしまい


                ただ仕事が溜まって溜まって

                もう止めておこうかなぁ、とは思いつつ

                まぁ、途中で出て来ても良いし、と思って行ったら


                あら、これ、すごく良いじゃん(ビックリ)


                以前の音楽監督のお気に入り、ベヒドルフの演出で

                舞台の後ろに上下2段のドア(好きだよね、ベヒドルフ、こういうのが)

                現代演出で

                ラミーロ王子が、イタリアの車の大会社の社長みたいな設定。


                で、何が良かったかと言って

                出てくる歌手、み〜んな優秀で

                しかも、ものすごい芸達者!!!!


                ラミーロ王子役のベンジャミン・ブルンスというテノールは

                2011年のビリー・バッドのチョイ役の時に

                (万が一、気が向いて読みたい方は ここ です)

                な、な、なんだ、この凄いテノールは、とひっくり返った歌手。


                その後、だんだん主役級を歌うようになって来ていたのは知っていたが

                何せ、その頃からオペラを避けるようになったので

                なかなか聴く機会がなかった。


                私が、メガネ男子に弱いというのはさて置いて

                このブルンスの演技が抜群に巧いのである。


                白い童顔にメガネかけて、可愛いんだけど

                その表情の表現が、まぁ、クルクル見事に変わって

                まるでコミックを目の当たりにしているかのよう。

                (褒め言葉か貶し言葉かわからん発言だが、誉めてます)


                更に、ドン・マニフィコ役もメガネをかけて

                これがまた、お父さん役にむちゃくちゃハマる。

                しかも、この人もコミカルな演技が上手くて

                表情も仕草も、ドン・マニフィコになりきっている上に

                何か、むちゃ笑えるキャラ。


                ダンディーニ役は、ハンサムとは言えないけれど

                味のある顔をしていて

                ラミーロ役のブルンスの童顔と良い対照をなしている。


                で、チェレネントラ役のメゾが素晴らしい ♡

                見た目も華麗で可愛くて、スタイル良くて

                お姉さん2人も、一人はちと太めとは言え、普通だし

                アリドーロも堂々とした演技でキマっていたし


                その意味では、視覚的には非常に満足の行く出来。

                コミカルな演劇として見ても違和感がない。


                ただ、オペラは見た目だけではないのだが


                また、この歌手たちの技巧と声がずば抜けているのである。

                まるでイタリア語早口大合戦(笑)


                ラミーロのテノールは、澄んだ甘い声で

                しかも演技と同じく、声にも充分な表情があって

                これは聴き惚れますよ、皆さん!!!


                チェレネントラのメゾも

                低音域が響くし、滑らかで厚みのある美声で

                もちろん加えて高音も美しく出るし

                アジリタは軽々とこなすし

                演技の上手さと相まって、これはかなりスゴイし

                とても魅力的 ♡


                ドン・マニフィコ役のバリトンの声も

                如何にも悪役(でも徹底的には悪役にならない)っぽい声の表情で

                このバリトンも実に聴かせる。


                ワタクシ的にはアリドーロのバスが

                あまり響かなくてちょっと残念だったが

                だいたい、ロジェの奥なんて

                音響的には最悪な場所なのに

                あれだけ、最も残念な出来のアリドーロにしても声が飛んで来たのは


                ものすごいスターはいないけれど

                この公演、むちゃ良い歌手が揃ってません????


                演技が上手いから、コミカルで笑っちゃう場面がいくつもあるし

                声が良くて、アンサンブルが良くて

                イタリア語早口言葉の響きが楽しくて


                ついつい、あまりの音楽の良さに

                疲れているのに最後まで夢中で観てしまったわ・・・


                これが国立オペラ座のアンサンブルの実力だとしたら

                ひょっとしてワタクシはとんでもない都市に居るのかもしれない(汗)


                ロッシーニの音楽はご存知の通り

                最初から最後まで楽しいゴキゲンな音楽で

                聴かせどころは山ほどあるし


                演出も、オールドタイマーの車が出てきたり

                ガソリン・スタンドがあったり

                上には車の会社の社長の脇に変な国旗があったり

                男声コーラスが神父だの女性(男性の女装です)だったり

                時々、ワケわからなくなるものの


                最後のチェレネントラが家族を許す場面なんて

                実に巧く演出したなぁ、と脱帽。

                (最初の場面のバケツとタワシが出てくる。

                 このシーンは大笑いできるし、演劇的にはかなり自然な流れになっている)


                いや、これだけの出来なら

                (で安いチケットで悪くない席がまだ余っているようなら)

                もう1度くらい観に行っても良いかも、とまで思わせる出来。


                何にも期待しないで行ったのだが

                13ユーロで、笑える演技とゴキゲンな音楽と

                素晴らしい声を堪能する3時間になった。


                もちろんその後、オフィスに帰って仕事しました

                という、かわいそうな私に

                (何処がだ?あれだけ楽しんでおいて(爆))

                 どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                あ、忘れてた。意外に衣装もカラフルで素敵でした。

                金使ってるわね、という感じ(笑)

                男性の衣装が洒落ていて、ちょっと真似したい位。

                (男性の真似してどうする?(自爆))


                国立バレエ ドン・キショット 10回目

                0

                  Wiener Staatsoper 2015年9月22日 19時〜21時45分


                  Don Quixote

                  Ballett in einem Prolog und drei Akten nach Marius Petipa

                  振付と演出 Rudolf Nurejew

                  音楽 Ludwig Minkus

                  舞台と衣装 Nicholas Georgiadis

                  照明 Marc Anrochte

                  指揮 Paul Connelly


                  ドン・キホーテ Kamil Pavelka

                  サンチョ・パンサ Christoph Wenzel

                  ロレンツォ Gabor Oberegger

                  キトリ Maria Yakovleva

                  バジル Denys Cherevychko

                  ガマッシュ Dumitru Taran

                  キトリの友人 Ioanna Avraam, Alice Firenze

                  ダンサー Ketevan Papava

                  エスカーダ Roman Lazik

                  年老いたジプシー Igor Milos

                  年老いたジプシー女 Beata Wiedner *

                  ジプシー Mihail Sosnovschi

                  ジプシー Rebecca Horner, Oxana Kiyanenko

                  ドリアーデの女王 Olga Esina

                  ドルシネア Maria Yakovleva

                  アモール Kiyoka Hashimoto

                  ドリアーデ Vanessza Csonka, Gala Jovanovic, Prisca Zeisel

                  花嫁の付き添い Prisca Zeisel

                  管理人 Marat Davletshin

                  管理人の妻 Eva Polacek


                  自分の記録を信じるとすれば

                  この演目、2014年には取り上げられていなくて

                  2011年から2013年にかけて9回鑑賞しているから


                  今回が10回目(汗)


                  わっはっはっは

                  そりゃ、音楽も頭の中に入るわ。


                  今シーズンの最初の公演は9月18日だったのだが

                  この日は仕事で、行けないと踏んだのでチケットは買わず

                  でも、結局、諦め切れずに

                  2幕から、クソ寒い中、コートも着ずに

                  カラヤン広場で放映されていたライブ放映を最後まで観てしまい

                  それが祟って、土曜日・日曜日に風邪の症状に悩まされたのだが


                  本日のキャストは、18日とたぶんほとんど同じ。


                  うはははは、マリアのキトリとデニスのバジル!!! ♡


                  キャピキャピ・ガールのキトリ役、マリアにぴったりで

                  最初のジュテから大きいし、高くて華やかな登場。


                  で、デニス、もともと運動神経抜群のダンサーだけど

                  加えて、演技が巧くなりましたねぇ・・・(感慨)


                  デニスは先シーズンから

                  ただその抜群の巧さを見せるだけではなくて

                  動きに優雅さやキレが出て来て

                  本当に魅せるダンサーになったなぁ、と驚いたものだが

                  加えて、演技まであれだけ出来るようになるなんて

                  いったい何処まで伸びるんだ、このダンサーは!!!!


                  さて、本日の席は、いつものロジェの後ろのド安い席ではなく

                  何と大判振る舞いで、天井桟敷の脇の2列目である。

                  (何処が大判振る舞いだ!と言われそうだが

                   ロジェのド安い席の2倍以上するのだ、参ったか)


                  こんな高いポジションから、この舞台観た事がなかった。

                  (だからいつも安い席を買ってるから(汗))

                  最初のプロローグの舞台が意外に狭いのに驚いて

                  キトリ登場の場面で奥行きが出て

                  後ろの方の、その他大勢のダンサーたちの演技まで見えちゃう。


                  高い位置でのバレエ鑑賞というのは

                  本当は避けたいのだが

                  (だって、真上からジャンプ観たら悲惨な事になるぞ。

                   ウィーン劇場のノイマイヤー作品で

                   本当に舞台脇の真上から鑑賞した時には

                   ダンサーの頭の上しか見えずに泣いたんだもん)

                  国立オペラ座の天井桟敷の、半分脇なら大丈夫。

                  多少、上から見る、という感覚はあるけれど

                  ちゃんと足下もジャンプもバッチリ。うふふふふふ。


                  第1部のパ・ド・ドゥのバランスで

                  ほんの少しだけ手間取った感じがしたけれど

                  それでも、ちゃんとバランスは見事に見せたし


                  ケテヴァンのジプシーが

                  床のナイフを避けて踊るシーンで

                  あれ〜っ、1本、ナイフを倒して、他のナイフにぶつかったぞ

                  ・・・と、かなりドキドキしてしまったのだが

                  (だって怪我があったら大変っ!!)

                  その後も完璧に踊ったので、怪我はなかったみたい。ホッ。


                  でも、ダンサーはどんどんテンションを上げて来た。


                  第2部の見どころは

                  ジプシーたちと、そのソロもあるが

                  (野生児ミハイル、本領発揮!!!(笑))

                  その後のドリアーデとドルネシアの幻想的な場面だろう。


                  白い煙を使い過ぎて

                  最初は足下が見えず

                  観客席に流れていったので、咳込んでた人がいたが(笑)


                  ドリアーデの女王、オルガさま ♡♡♡

                  もう、この人が出てくると

                  そこの雰囲気がガラッと変わってしまって

                  どう見ても、この世のモノとは思えない世界が出来てしまう。

                  徹底的に優雅で

                  少女漫画の世界にしか見えないわよ。ああ、もうホントに・・・


                  マリアとオルガという、トップ・ダンサーに混じって

                  橋本清香さんがキューピッド。


                  う〜ん、テクニック的には全く見劣りしないし

                  スタイルも良いし、トップ2人と踊っても違和感はないのだが

                  オルガとマリアが強烈な個性を持つだけに

                  真面目で清純な橋本清香嬢は、どうしても華やかさに欠けてしまうのは残念。

                  (いや、隣でオルガさまが踊っていたら

                   そりゃ、どんなダンサーでも多少なりとも見劣りするだろう・・・)


                  ドリアーデが揃って斜めに並んだところに

                  マリアがジュテで登場して

                  その後にオルガさまがグラン・ジュテの連続で出てくるのだが


                  妖精が空を飛んでるとしか見えないのだ。ああああ、もう、もう(以下省略)


                  夢の世界にどっぷり浸かって

                  あああああ、幸せ、と思っていたら


                  第3幕が、うははははは、もっと凄かった(驚愕)


                  デニスのコミカルな演技の巧さには驚愕する。

                  偽の自殺場面も、マントを上手く使って

                  本当にナイフを刺したようなリアルさがちゃんとあるのに

                  「死んで」からのマリアとの絡みでのデニスの演技の巧みさは

                  観客全員を物語の中に引き込んでしまう。


                  スゴイな〜と感心していたら

                  その後のウエディングのパ・ド・ドゥで

                  腰が抜けそうになった・・・


                  だって、3幕踊り通した後、何キロも全力疾走した状態での

                  あのパ・ド・ドゥなのに

                  あの2人、いったい舞台で何をしたんだ?という位

                  ジャンプは高いわ、リフトは完璧だわ

                  マリアのバランス、手を離して、ビクともせずに何秒独立してるの?!


                  その上、最後のマリアのピルエット

                  最初からダブルやトリプルをじゃんじゃん入れて

                  デニスも負けじと、すごいピルエット合戦になって


                  うわわわわわ・・・・

                  もう失神しそうだわワタシ。


                  すごいな、この舞台。

                  何と言うか、舞台の上で奇跡を見せてもらったとしか思えない。


                  ダンサーの毎日の鍛錬と努力で

                  人間の身体って、ここまで美を表現できるのか(唖然)


                  ドン・キショットって

                  テクニックももちろんだけど

                  演技が下手だと全然面白くないし

                  コールドにもものすごい計算が必要だし

                  こちらは笑いながら鑑賞するだけで良いけれど

                  作品としては、かなり難しい部類に入ると思うのだが


                  さすがにトップは踊り込んでいるのもあるが

                  細かい部分やコミカルな演技も一瞬たりとも疎かにせず

                  う〜ん、すごい舞台だった。


                  こういうバレエがウィーンで観られるようになるなんて

                  数年前には考えもしなかったわ(って失礼な(笑))


                  バレエはウィーンが熱い!!!

                  バレエ・ファンの皆さま、是非ウィーンの国立バレエをご覧下さい、と

                  声を大にして言いたいほど

                  感激しまくって興奮しまくっている私に

                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  日本は連休なのに

                  仕事している人もかなり居て

                   (するな!!!こちらの負担が増える(涙) )

                  まぁ、いつもの通り、色々あって

                  終わった後、また真夜中過ぎまで残業していたが

                  まだ風邪が治りきっていない体力で

                  こんな毎日がこれから続いて良いのかしら・・・(冷汗)

                  (もちろん記事のアップの時間は変えてあります、念の為)



                  フォルクス・オーパー バレエ モーツァルト ドン・ホワン  たぶん4回目

                  0

                    Volksoper 2015年9月20日 16時30分〜18時10分


                    Mozart à 2

                    振付 Thierry Malandain

                    音楽 Wolfgang Amadeus Mozart

                    衣装 Jorge Gallardo

                    照明 Jean-Claude Asquié

                    Kiyoka Hashimoto - Masayu Kimoto

                    Alice Firenze - Eno Peci

                    Nina Poláková - Alexis Forabosco

                    Nina Tonoli - Davide Dato

                    Ketevan Papava - Mihail Sosnovschi

                    ピアノ Chie Ishimoto


                    Don Juan

                    振付 Thierry Malandain

                    音楽 Christoph Wilibald Gluck

                    舞台と衣装 Jorge Gallardo

                    ドン・ホワン Gleb Shilov, Martin Winter, Felipe Vieira

                    騎士長 Lázló Benedek

                    死 Keisuke Nejime

                    Wiener Staatsballett


                    指揮 Jirí Novák

                    Orchester der Volksoper Wien


                    9月16日に3回目を観た時点で

                    まぁ、これ以上は良いか・・・とは思っていたし

                    風邪でフラフラの状態なのに

                    自宅からフォルクス・オーパーはかなり近いので

                    ついつい足が向いてしまった。

                    (チケットはかなり以前に押さえてある)


                    9月一杯、フォルクス・オーパーは

                    子供一人どんな席でも1ユーロ、というキャンペーンをしているので

                    こんなモダン・バレエ(しかもかなりスゴイ内容)でも

                    15歳以下のお子ちゃまだらけである(笑)


                    こういう安いチケットで来る人たちが

                    正規料金でチケット買うかと言うと

                    それは絶対にない、と言い切れるのだが(経験済み(笑))

                    この演目、大人でも一律25ユーロ、というメールまで来ていたので

                    劇場がガラガラよりは

                    子供たちで埋まった方がまだマシである。


                    指揮者の後ろの1列目にも子供がどっさりいて

                    指揮者がお辞儀する時に

                    指揮者に触ろうとしていたが(指揮者すごく迷惑そう(爆笑))


                    さて、こんなストーリーも見え難いモダン・ダンスを

                    正規料金で全7回のうち、4回来ている観客は

                    たぶん、劇場広しと言えども私だけだろうが


                    今回はモーツァルト・ア・デュ(と読むのだろうと推察する)の

                    2番目のカップルがキャスト変更。


                    うわわわ、数日前にセリーヌとドミトルーで観た時には

                    夢見る少女が冷たいオトコに翻弄されて、というイメージだったのに

                    アリーチェが踊ると、役が強い。


                    しっかり自立した女性が

                    サドっ気のある男性に捕まったんだけど

                    でも、それを振り切って、他の未来に向かって歩いて行く

                    ・・・・って、役の解釈が全然違うわ!!!(ビックリ)


                    役を解釈するのは、ダンサーでもあるけれど

                    我々、観客だって、現代作品の時にはウカウカしていられなくて

                    頭脳全部使いまくって

                    いったい、こりゃ何だ?と考えなければならないので

                    (で、それが違っていても、誰も何も言わないのがステキ)

                    頭の中でパズルを解いて行く楽しみが

                    現代芸術の楽しみでもある(極論)


                    ニナ(ポラコヴァ)とアレクシスのデュエットは

                    有名なメロディに乗るので

                    ついつい音楽に気を取られてしまう事を考慮しても

                    このストーリー、どうやっても見えて来ない。

                    謎の男女関係である。


                    比べて4組目のニナ(トノリ)とダヴィデの若々しいカップルの

                    色っぽい・・・というよりは、正にエロエロたっぷりのデュエットが圧巻。

                    もしかしたら、この2人、デキてるんじゃないの、とか

                    余計な事を考えてしまう位

                    身体をくっつけっぱなしのアダージョで

                    若いくせに、いや、若いからこそか

                    アブナイ雰囲気がたっぷりで

                    あぁ、若いって良いわ〜 というか

                    若い時に、こんなにエロチックな生活って

                    私にはなかった・・・ような気がする(落ち込み)


                    いいんだもん、芸術って代償行為ですし(って何言ってるんだワタシ)


                    若々しいエロチックなデュエットの後の

                    最後のケテヴァンとミハイルのデュエットは

                    大人の成熟した香りに満ちていて


                    更に、やっぱりこれ、人生最後の局面で

                    男性が倒れて

                    死ぬかどうかはともかくとして

                    (だって、倒れた男性に手を差し伸べつつも

                     女性は男性から離れて行くんですよ、何ですかそれ

                     男性が役立たずになったら、女性は捨てるって事?

                     ・・・いや、ちょっと、すごく個人的感情、入ってますから。風邪のせいで(汗))

                    ともかく、円熟したカップルの

                    愛だか、打算だか(こらっ!)

                    まぁ、色々と鑑賞する側にも妄想の余地はある(と逃げる)


                    こんな抽象的なダンス芸術って

                    やっぱり1回観るよりも

                    何回も観ると、それなりに勝手な妄想も

                    どんどん暴走して行くので、割に面白い(かもしれない)


                    後半のドン・ホワンは

                    まぁ、これはそこそこストーリーが見える・・・けれど

                    良いんか、こんな作品、お子ちゃまに見せてしまって(汗)


                    まぁ、輪舞だって子供が大量に来ていたし

                    浮気シーン続出のオペレッタだって子供が平気で鑑賞しているし

                    いや、でも、あれって

                    帰宅した後

                    ねぇ、お母さん、あの人たち、何やってたの?とか聞かれたら

                    親はちゃんと答えるんだろうか(わからんオーストリア)


                    フォルクス・オーパーのダンサーたち15人は

                    この演目はかなり躍り込んでいる筈なので

                    アンサンブルにも乱れがなくて、かなりカッコいい。


                    特に死神を演じる根占クンって、むちゃキュートで可愛い♡

                    ル・コンクールで日本人審査員を踊った頃から注目していたけれど

                    (で、もちろん「白馬亭にて」でも踊ってます)

                    スタイル抜群だし、顔は丸顔で可愛いし

                    おばさんは影から応援してますからね ♡


                    次のパーフォーマンス

                    72ユーロのチケットが25ユーロで買えるようだが

                    25ユーロはやっぱり高過ぎるので

                    止めた・・・というより

                    今はまだ買っていない(ヤバイかも)私に

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                    明日は朝早いし

                    今日はもうこれにて寝ます(笑)



                    ウィーン・フィル + セミヨン・ビシュコフ

                    0

                      Wiener Konzerthaus 2015年9月20日 11時〜13時10分


                      Wiener Philharmoniker

                      指揮 Semyon Bychkov

                      ソプラノ Elisabeth Kulman


                      Joseph Haydn (1752-1809)

                       Symphonie e-moll Hob. I/44 “Trauer-Symphonie” (vor 1772)

                      Richard Wagner (1813-1883)

                       Fünf Gedichte von Mathilde Wesendonck

                        für eine Frauenstimme und Klavier (1857/58)

                        (Bearbeitung für Sopran und Orchester : Felix Mottl)

                      Franz Schmidt (1874-1939)

                       Symphonie Nr. 2 Es-Dur (1911-1913)


                      コンツェルトハウスの 2015/2016年のシーズン開始のチクルスは

                      インターナショナル・オーケストラでウィーン・フィル(笑)


                      ツィッターで呟いている通り

                      数日前からむちゃくちゃな風邪をひいているのだが

                      朝8時から、サウナに2回入って汗かいてから

                      根性でコンツェルトハウスへ。


                      最初は寝ても良いや、とか思っていたのだが

                      あらららら、とんでもない。


                      なにこのハイドン、美し過ぎる ♡

                      ウィーン・フィルの優雅で高貴な弦のアンサンブルが

                      あまりに美しくて、気が遠くなりそう。


                      以前、モドキとバロック時代の音楽の話をしていた時に

                      当時の音楽家は兼業も多かったし

                      今みたいに技術の高いプロばっかりじゃなかったし

                      弦だってガットだから

                      しょっちゅう緩んだり切れたりしていただろうし

                      管だって今みたいにバルブがなくて

                      時々ヘンな音を出していただろうし

                      ・・・という話題になって

                      (ついでに貴族の聴衆もお喋りしながら聞いてただろうし(笑))


                      この演奏をハイドンが聴いたら

                      ぶっとぶだろうなぁ。


                      大昔の白黒の粒子の粗い映画しか知らない人が

                      大画面のハイスクリーンの先端技術の映画を見せられたようなもんだろう。

                      我々、時代と共にだんだん慣れて来ちゃってるから

                      そんなに驚きはしないけれど

                      技術的な事は当時もすごい技術の人はいただろうと思うが

                      かと言って、すごい技術の音楽家の人数は少なかっただろうし

                      きっと、この曲だって

                      当時の演奏は(すごい言い方だが)我々から聴いたらヨレヨレだっただろう。


                      なんてくだらない妄想が全開になる位

                      アンサンブルの美しさ、出てくる音の優雅さに

                      ただただ圧倒されてしまう。


                      ところで、エリザベート・クルマンって

                      いつからソプラノになった???

                      センセーショナルにデビューした時は

                      メゾソプラノだかアルトだったと思うのだが・・・


                      ヴェーゼンドンク・リーダーも

                      徹底的に美しい。

                      ワーグナーっぽい音の厚みがなくて

                      徹底的に絞ったオーケストラの上に

                      ソプラノというよりは、低めの神経に障らない歌声が乗る。


                      ワーグナー(とイタリア・オペラ)は苦手なのだが

                      感情を爆発させず

                      ストイックな表現で

                      あくまでもドイツ・リートとしての節操を保ちながら

                      クリアなドイツ語で(これ大事)

                      歌われる、というよりは語られるようなリート。


                      出てくる音の優雅さが、さっきのハイドンと同じ(笑)


                      さて、身体ボロボロの状態でもコンツェルトハウスに行ったのは

                      後半のフランツ・シュミットがお目当て。


                      だって、フランツ・シュミット好きなんだもん。

                      でも、演奏されるのは、ほとんどが7つの封印ばっかりで・・・


                      有名と言えば、交響曲4番の方が有名かもしれないが

                      あの陰鬱な4番に比べると

                      2番って、優雅で、春を感じさせて、すごく好き ♡


                      オーケストラの編成は大きくなって

                      さすがにこれは、音が厚い。


                      最初の出だしには、ウィーンの風に乗って蝶が飛ぶイメージ。

                      (ただ、今日も風が強くて、でも多少なりとも太陽が出ていて

                       シュミットのイメージにはピッタリだったんだけど

                       もしかしたら、これは蝶ではなくて

                       ウィーンの風に埃か新聞が飛んでるイメージかもしれない(すみません))

                      いや、もう、あのヒラヒラの感じ、たまらないです、ううう。


                      でもビシュコフの指揮って、真面目だよね。

                      全部の音をバランス良く出そうとしているから

                      私の好きな第2テーマがあまり前面に出て来なくて

                      他の音に埋もれてる。

                      ううう、そんなに全部の音、出さんで良いから

                      もうちょっとイイカゲンなウィーンのイメージでかまわんのだが(笑)


                      ウィーンの古典派を継ぐように

                      変奏曲あり、パッサカリア風あり

                      途中には心が踊るワルツあり。

                      ウィーンらしいと言えば、こんなにウィーンらしい曲も珍しい。


                      ベートーベンっぽくフィナーレを盛り上げて盛り上げて

                      そのまま素直に盛り上げれば良いのに

                      おお、このままだと、ただの古典になってしまう

                      (と思ったかどうかは知らないが)

                      ちょっと現代っぽい響きを無理やり入れて終わる最終楽章。


                      うわ〜〜〜、シュミットの曲って、か・わ・い・い(こらっ!)


                      やっぱりホールで聴くクラシックって素敵 ♡


                      このコンサート、オーストリア国営放送1番で

                      ライブ中継されたようなので

                      ご興味ある方は1週間、オン・デマンドで聴けます。


                      ヴェーゼンドンクは9月28日のチャリティ・コンサートで

                      また演奏されるので、楽しみ。うっふっふ。

                      (ただし指揮は変わる・・・ちょっと心配(失礼!))

                      他はモーツァルトなので、たぶん爆睡するかも、と思う私に

                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。





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