Wiener Staatsballet 2015年3月31日 19時30分〜22時
SCHWANENSEE
Ballett in vier Akten
振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow
音楽 Peter Ilitsch Tschaikowski
舞台・衣装 Luisa Spinatelli
照明 Marion Hewlett
指揮 Alexander Ingram
ジークフリート Denys Cherevychko
オデット・オディール Liudmila Konovalova
女王、ジークフリートの母 Oxana Kiyanenko
ロットバルト Andrey Kaydanovskiy
ジークフリートの侍従たち Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto, Marcin Dempc *, Greig Matthews
大きな白鳥 Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Alena Klochkova, Laura Nistor
小さな白鳥 Maria Alati, Ioanna Avraam, Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto
スペインのダンス Gala Jovanovic, Flavia Soares, Kamil Pavelka, Andrey Teterin
ナポリのダンス Anita Manolova, Trevor Hayden
ポーランドのダンス Alena Klochkova, Alexandru Tcacenco
ハンガリーのダンス Franziska Wallner-Hollinek, Gabor Oberegger
貴族の令嬢たち Maria Alati, Elena Bottaro, Eszter Ledán, Natascha Mair
Anna Shepelyeva, Nina Tonoli
ジークフリートの教育係 Christoph Wenzel
侍従長 Franz Peter Karolyi
今シーズンの「白鳥の湖」最終公演。
今週は Karwoche と言って
イースター前の最も受難・受難した暗い週で
(何せもう、エルサレムに入ってますし
木曜日に最後の晩餐で、金曜日に十字架ですし)
コンサートはないわ、派手なオペラとかもない週なので
ウィーン版の悲劇の白鳥の湖が
2晩続けて上演されても納得。
バレエ・ファンには嬉しい ♡
今回は主役のキャストが変わって
デニス(チェリェヴィチコ)とリュドミラのカップリング。
うはははは、良いキャスティング。
失礼な言い方だが、もう一人の借り物デニスと
ニナ(ポラコヴァ)より、ずっと良い。
・・・・というより、比較できるのか、このキャスティングは。
すごく失礼な言い方だけど
ニナとトーマス・ハンプソンもどきの白鳥は
踊ってはいたけれど
100点満点として、60点くらい(ええ、失礼な事はわかってます)
リュドミラはオデットとしては生々し過ぎるし
色っぽ過ぎるし、表情がエロチック過ぎるけれど
でも、登場するだけで実に華やかになる。
対するデニスは
もともと小柄で豆粒のように跳ねるダンサーなので
ジークフリートとか、王子さま役のキャラじゃない筈なのだが
これがハマってるんですよ、みなさん!!!
最初にジークフリートの役デビューした時は
(突然の代役だった)
それでも、僕が王子さまだよ、何か文句ある?
というオーラをバシバシ出していたが
何回か踊っているうちに、役に馴染んできて余裕が出来て
小柄だけど、小柄なだけに
良いところの苦労知らずなアホな坊ちゃん、というイメージで
それはそれで、とても王子さま役にピッタリに見える。
しかも、豆粒のように跳ねる元気なダンサーだったのに
最近は、ピルエットの最後をゆっくりやって
しっかり見せて、観客を魅了するという
細かい芸まで覚えてしまい(いや、別に犬じゃないけど)
ポーズの一つ一つを疎かにせず
しっかりとキメてくれるので
安定性もあって、むちゃ魅力的 ♡
たまたま幕間に出会った友人が
あのダンサー、小柄なのに
ジャンプすると、空間の伸びが凄くて大きく見える
と驚嘆していたが
ジャンプは高いし空間が大きいし
手足は伸びるし
ピルエットは実に魅力的に見せてくれるし
ああ、デニス、ジークフリートになりきってるわ ♡
実に情けない感じの
良いとこ育ちのアホ坊ちゃん(笑)
リュドミラのオデットも
色気あり過ぎだけど
ポーズはきっちりキメてくれるし
ニナ(ポラコヴァ)より、ずっと白鳥っぽい。
でもリュドミラの魅力が最大限に発揮されるのは
第2幕のオディールですね(断言)
表情はあんまりオデットと変わらんが(笑)
コーダの32回転の圧倒的な技術。
最初にドゥーブル何回か入れるのはよく見るが
今日は最後の白鳥で張り切ったのか
最後の回転にドゥーブル入れて(きゃ〜〜っ、人間技じゃない)
ほんの少しバランス崩しそうになったけれど
それはそれは見事で圧倒的なコーダ。
その後の回転技も目にも止まらぬ速さで
クルクルクルクルって、きゃ〜っ。
そうよ、白鳥はこれがなくちゃ(シロウト考え)
オルガさまや、ザハロヴァさまのように
出て来ただけで空気が妖精に化すというような
儚さと白いオデットではないけれど
リュドミラは、それなりの良さはある。
昨日はコンサート・ミストレスのダナイローヴァさまが
最初のソロで、音程がちょっと狂ったとか
オーボエのソロの入り損ねとかあったけれど
今日もクラリネットがヘンな音を出したり
(あれは楽器の調子が悪かったのか?)
オーボエがボケやったりした前半の後は
みんな、ちゃんと起きて(笑)演奏していたし
ホーネックさんのソロは見事だった。
ああいう安定した職人芸が出来るのはさすがだと思う。
群舞とか、最初の場面のアンサンブルや
第2幕の色々な国の楽しいダンス・シーンとか
脇役はものすごく揃っているのだが
突出したスターのプリンシパルが少ないというのは
これからの国立バレエ団の課題だろうなぁ。
ジークフリート役なら
そのうち、グレイグに踊らせてみたいな。
まだテクニック的には不安定さが残るけれど
見た目はカッコいいし、才能のある若手で
王子さま役は、かなりイケると思う。
オデットとオディールは誰が踊るようになるだろう?
美人と言ったら、アレーナとかアリスとか・・・
ナターシャとニナ(トノリ)は、まだキュート過ぎるし。
ポピュラーな演目だけに
レパートリーにはスタンダードで残るだろうし
(だいたい今日の公演で224回目、と書いてあった(笑))
来シーズンの白鳥には誰がキャスティングされるか
そんな事も楽しみな私に
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