白鳥の湖 今シーズン5回目千秋楽

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    Wiener Staatsballet 2015年3月31日 19時30分〜22時


    SCHWANENSEE

    Ballett in vier Akten

    振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow

    音楽 Peter Ilitsch Tschaikowski

    舞台・衣装 Luisa Spinatelli

    照明 Marion Hewlett

    指揮 Alexander Ingram


    ジークフリート Denys Cherevychko

    オデット・オディール Liudmila Konovalova

    女王、ジークフリートの母 Oxana Kiyanenko

    ロットバルト Andrey Kaydanovskiy

    ジークフリートの侍従たち Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto, Marcin Dempc *, Greig Matthews

    大きな白鳥 Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Alena Klochkova, Laura Nistor

    小さな白鳥 Maria Alati, Ioanna Avraam, Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto

    スペインのダンス Gala Jovanovic, Flavia Soares, Kamil Pavelka, Andrey Teterin

    ナポリのダンス Anita Manolova, Trevor Hayden

    ポーランドのダンス Alena Klochkova, Alexandru Tcacenco

    ハンガリーのダンス Franziska Wallner-Hollinek, Gabor Oberegger

    貴族の令嬢たち Maria Alati, Elena Bottaro, Eszter Ledán, Natascha Mair

                       Anna Shepelyeva, Nina Tonoli

    ジークフリートの教育係 Christoph Wenzel

    侍従長 Franz Peter Karolyi


    今シーズンの「白鳥の湖」最終公演。

    今週は Karwoche と言って

    イースター前の最も受難・受難した暗い週で

    (何せもう、エルサレムに入ってますし

     木曜日に最後の晩餐で、金曜日に十字架ですし)

    コンサートはないわ、派手なオペラとかもない週なので

    ウィーン版の悲劇の白鳥の湖が

    2晩続けて上演されても納得。

    バレエ・ファンには嬉しい ♡


    今回は主役のキャストが変わって

    デニス(チェリェヴィチコ)とリュドミラのカップリング。


    うはははは、良いキャスティング。

    失礼な言い方だが、もう一人の借り物デニスと

    ニナ(ポラコヴァ)より、ずっと良い。


    ・・・・というより、比較できるのか、このキャスティングは。

    すごく失礼な言い方だけど

    ニナとトーマス・ハンプソンもどきの白鳥は

    踊ってはいたけれど

    100点満点として、60点くらい(ええ、失礼な事はわかってます)


    リュドミラはオデットとしては生々し過ぎるし

    色っぽ過ぎるし、表情がエロチック過ぎるけれど

    でも、登場するだけで実に華やかになる。


    対するデニスは

    もともと小柄で豆粒のように跳ねるダンサーなので

    ジークフリートとか、王子さま役のキャラじゃない筈なのだが


    これがハマってるんですよ、みなさん!!!


    最初にジークフリートの役デビューした時は

    (突然の代役だった)

    それでも、僕が王子さまだよ、何か文句ある?

    というオーラをバシバシ出していたが


    何回か踊っているうちに、役に馴染んできて余裕が出来て

    小柄だけど、小柄なだけに

    良いところの苦労知らずなアホな坊ちゃん、というイメージで

    それはそれで、とても王子さま役にピッタリに見える。


    しかも、豆粒のように跳ねる元気なダンサーだったのに

    最近は、ピルエットの最後をゆっくりやって

    しっかり見せて、観客を魅了するという

    細かい芸まで覚えてしまい(いや、別に犬じゃないけど)


    ポーズの一つ一つを疎かにせず

    しっかりとキメてくれるので

    安定性もあって、むちゃ魅力的 ♡


    たまたま幕間に出会った友人が

    あのダンサー、小柄なのに

    ジャンプすると、空間の伸びが凄くて大きく見える

    と驚嘆していたが


    ジャンプは高いし空間が大きいし

    手足は伸びるし

    ピルエットは実に魅力的に見せてくれるし


    ああ、デニス、ジークフリートになりきってるわ ♡

    実に情けない感じの

    良いとこ育ちのアホ坊ちゃん(笑)


    リュドミラのオデットも

    色気あり過ぎだけど

    ポーズはきっちりキメてくれるし

    ニナ(ポラコヴァ)より、ずっと白鳥っぽい。


    でもリュドミラの魅力が最大限に発揮されるのは

    第2幕のオディールですね(断言)


    表情はあんまりオデットと変わらんが(笑)


    コーダの32回転の圧倒的な技術。

    最初にドゥーブル何回か入れるのはよく見るが

    今日は最後の白鳥で張り切ったのか

    最後の回転にドゥーブル入れて(きゃ〜〜っ、人間技じゃない)

    ほんの少しバランス崩しそうになったけれど

    それはそれは見事で圧倒的なコーダ。


    その後の回転技も目にも止まらぬ速さで

    クルクルクルクルって、きゃ〜っ。


    そうよ、白鳥はこれがなくちゃ(シロウト考え)


    オルガさまや、ザハロヴァさまのように

    出て来ただけで空気が妖精に化すというような

    儚さと白いオデットではないけれど

    リュドミラは、それなりの良さはある。


    昨日はコンサート・ミストレスのダナイローヴァさまが

    最初のソロで、音程がちょっと狂ったとか

    オーボエのソロの入り損ねとかあったけれど


    今日もクラリネットがヘンな音を出したり

    (あれは楽器の調子が悪かったのか?)

    オーボエがボケやったりした前半の後は

    みんな、ちゃんと起きて(笑)演奏していたし


    ホーネックさんのソロは見事だった。

    ああいう安定した職人芸が出来るのはさすがだと思う。


    群舞とか、最初の場面のアンサンブルや

    第2幕の色々な国の楽しいダンス・シーンとか

    脇役はものすごく揃っているのだが

    突出したスターのプリンシパルが少ないというのは

    これからの国立バレエ団の課題だろうなぁ。


    ジークフリート役なら

    そのうち、グレイグに踊らせてみたいな。

    まだテクニック的には不安定さが残るけれど

    見た目はカッコいいし、才能のある若手で

    王子さま役は、かなりイケると思う。


    オデットとオディールは誰が踊るようになるだろう?

    美人と言ったら、アレーナとかアリスとか・・・

    ナターシャとニナ(トノリ)は、まだキュート過ぎるし。


    ポピュラーな演目だけに

    レパートリーにはスタンダードで残るだろうし

    (だいたい今日の公演で224回目、と書いてあった(笑))

    来シーズンの白鳥には誰がキャスティングされるか


    そんな事も楽しみな私に

    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    白鳥の湖 今シーズン4回目

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      Wiener Staatsballet 2015年3月30日 19時30分〜22時


      SCHWANENSEE

      Ballett in vier Akten

      振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow

      音楽 Peter Ilitsch Tschaikowski

      舞台・衣装 Luisa Spinatelli

      照明 Marion Hewlett

      指揮 Alexander Ingram


      ジークフリート Denys Nedak

      オデット・オディール Nina Poláková

      女王、ジークフリートの母 Oxana Kiyanenko

      ロットバルト Andrey Kaydanovskiy *

      ジークフリートの侍従たち Anita Manolova*, Nina Tonoli, Masayu Kimoto, Greig Matthews

      大きな白鳥 Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Alena Klochkova, Laura Nistor

      小さな白鳥 Maria Alati, Ioanna Avraam, Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto

      スペインのダンス Rebecca Horner, Flavia Soares, Alexis Forabosco, Andrey Teterin

      ナポリのダンス Anita Manolova *, Trevor Hayden *

      ポーランドのダンス Ioanna Avraam, Masayu Kimoto

      ハンガリーのダンス Franziska Wallner-Hollinek, Gabor Oberegger

      貴族の令嬢たち Maria Alati, Elena Bottaro, Eszter Ledán, Natascha Mair

                         Anna Shepelyeva, Nina Tonoli

      ジークフリートの教育係 Christoph Wenzel

      侍従長 Franz Peter Karolyi


      また白鳥かよ、と思われるかもしれないが

      4月のフォルクス・オーパーの赤いジゼルまでは

      バレエ公演はこれしかないのだ。


      メイン・キャストは3月20日と同じ。

      脇役では多少の入れ替えはある。


      トーマス・ハンプソンとそっくりなデニス・ネダックのジークフリートも

      2回目になると、見るたびにギョッとしなくても済む(これこら)

      あの鼻の大きさだと、かなり良い声が出るんじゃないかとか

      ハンサム王子とかの役じゃなくて

      運動神経はあるし、背も高くて目立つんだから

      声を活かして歌手になったらとか

      (似ているからと言って、声まで似てると思ってはいかん)

      何か、フツフツと妄想が浮かんでくる。


      弓を持って登場するシーンだって

      ロットバルトと遭遇する時に

      間違って、弓でロットバルトをやっつけてしまったら

      あちこちから、女の子に化けた白鳥が登場して

      王子はわっはっは状態とか

      いかん、何か今日はヘンな妄想ばかり思い浮かぶ。


      こうやって見ると

      白鳥の湖というバレエ、ツッコミどころが多いだけに

      どんな場面でもパロディできそうだな・・・(こらっ!)

      (註 本当にバロディにしてしまったダンス公演の観賞記は

         1回目が ここ で、2回目が こちら。お暇な方はどうぞ)


      さて、ニナ(ポラコヴァ)のオデットだが

      泣き顔はともかくとして

      何か縮こまっているというか

      萎縮している感じで、身体の掴む空間が狭くて

      どうもスケールが小さい(謂れのない文句かもしれない)


      やっぱり、あんまりこの役向きじゃないような気がする。

      無理やり踊ってはいるけれど、何かチグハグ感。


      オーケストラは、この間と同じ指揮者で

      そこそこまとまっていて

      フルートのソロが秀抜 ♡

      私の安い席からは誰が演奏しているか見えなかったけれど

      素晴らしいフルートだった。


      が、 二幕目にて、恐ろしい演奏事故が・・・・

      オディールのソロのオーボエ(だよね?)とハープ(だよね?)の

      エキゾチックなナンバーがあるのだが

      オーボエが入りを間違えて

      あっ、と思ったら、吹き出して、それも不確実だったらしく

      また同じフレーズを繰り返して(大汗)


      なのにハープがそれに合わせず

      ひえ〜っ、チャイコフスキーにあり得ない不協和音

      これは現代曲か 😓


      弦が入ってきたところで無理やり合わせて何とかなったが

      舞台で踊っていたニナ、カウント大変だったと思うぞ。

      ある程度誤摩化して踊っていたのは

      さすがにプリンシパルの貫禄。


      デニス・ネダックのジャンプは良い。

      大柄なだけに、とても高くて優雅だし

      空中でちゃんと停止するし、見栄えがする。


      でもねぇ・・・

      ニナ(ポラコヴァ)のオディールは、やっぱり無理が・・・

      例の32回転のコーダだけど

      ピルエットがどんどんズレて

      前にどんどん出てくるので

      観てる方としては気が気じゃなくて


      で、もちろん、28回転くらいで止めました。

      (数えている私も根性悪いとは思うが)


      プリンシパルのオデットとオディールだし

      王子さまはちゃんと他のバレエ団から借りているし

      そこそこの水準である事は間違いはないのだが

      何か華がないんだよね(ボソ)


      う〜ん、ニナに踊らせるくらいなら

      32回転出来なかったら25回転くらいでかまわないから

      イリーナに踊らせて欲しいなぁ(無理かしら)


      主役級に比べて抜群なのが群舞!!!!


      いや、素晴らしいです。

      宮廷内の群舞も良いけれど

      白鳥たちの群舞の美しさには息を飲むばかり。


      そうなのよ、最近、ウィーンの国立バレエ団は

      世界の水準の中でもトップの群舞を

      さりげなくこなす実力を付けてきている ♡


      さりげなくソロ・ダンサーが群舞に混じってますし(笑)


      ツッコミどころは満載ながら

      やっぱり古典作品の最たるものだし

      (まぁ、本当の古典はジゼルだろうが

       あれは音楽がぶんちゃっちゃだし)

      人気があって、全公演売り切れになるから

      多少ダンサーが欠けようが

      国立オペラ座としては何とか公演したい作品だろう。


      え〜い、橋本清香嬢に踊らせんかいっ!(心の声)

      デニスと清香さんって、カップルとしては

      すごく良い感じなんだけど。


      いや、それ言ったら

      木本クンが最近、顔つきがしっかりしてきて

      もともと優雅なダンスを踊る人だから

      一段と魅力的になって来ているので

      木本・橋本カップルでも私はかまいませんが(強調)


      いえあのその、だから本日はちょっと妄想暴走してまして(汗)


      明日は白鳥の湖の千秋楽。

      リュドミラとデニス(チェリェヴィチコ)のカップリング。

      これで、また当分、白鳥の湖は見られなくなって

      次はモダン・ダンスと

      5月からはシルフィード ♡


      5月のチケットをせっせと根性で買っている私に

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。






      マタイ受難曲 ウィーン交響楽団 + ジョルダン

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        Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年3月29日 18時〜21時40分


        MATTHÄUSPASSION BWV 244

        Musik von Johann Sebastian Bach (1685-1750)

        Nach Worten des Matthäus-Evangeliums und Dichtungen von Picander


        指揮 Philippe Jordan

        エファンゲリスト Werner Güra

        キリスト Michael Volle

        ソプラノ Julia Kleitner

        アルト Wiebke Lehmkuhl

        テノール Bernard Richter

        バスバリトン Gerald Finley


        オーケストラ Wiener Symphoniker

        コーラス Arnold Schoenberg Chor

        Kinderchor der Opernschle der Wiener Statsoper


        来週が受難の季節の最後の週なので

        イースターまではコンサート枯れのシーズンだが

        季節モノとしては、一度は聴くべき

        マタイの受難曲。


        以前はヨハネの受難曲の方が演奏されていたような気がするが

        ここ数年は、何故かマタイの方が流行になっているようだ。


        ヨハネの受難曲の方が短くて良いのだが・・・

        だって、マタイの受難曲って

        1回休憩を入れても3時間ちょっとあって

        まぁ、オペラみたいなもので、聴いている方にも体力が要るのだ。


        さて、今年のマタイ受難曲は

        ウィーン交響楽団+フィリップ・ジョルダンの組み合わせだが

        ウィーンのイースター音楽祭の一環としてのコンサートなので

        プログラムがウィーン劇場のプログラムになっている。


        出演者を見た時から、すごく期待値は高まったのだが


        うはははは、すごく出来が良い!!!!!

        素晴らしい!!!!!!!!!!!!


        手放しで誉めたい素晴らしさ ♡


        まず受難曲で一番気になるのはエファンゲリスト。

        最初から最後までレチタティーヴォで語り続けるこの役が

        ヘタクソだと、途中で椅子蹴って帰りたくなるのだが


        ヴェルナー・ギューラのエファンゲリスト、素晴らしい ♥️ 惚れる。


        言葉はクリアだし

        声は端正で時々チャーミングな甘さが漂い

        ピアニッシモで歌っても会場の隅々まで聴こえてくる。

        言葉の表情も豊かで、色彩があって

        高音に跳ねる部分も、正確に、高音部の声の美しさも相まって

        最初から最後まで、あぁ、もっと聴いていたい、という見事さ。


        これで、他の登場人物が下手だったら

        お前ら出てけ、ギューラだけ残れ、とか思ったのだろうが


        キリストを歌ったミヒャエル・フォレが、また魅力的。

        深いバリトンで、ドイツ語がクリアで、音の表情が豊か。

        一人だけ、ふてくされたように後ろの真ん中の席に座っていて

        歌わない時は、ふてくされたような姿勢で座っているのだが

        いったん歌い出したら、その深い美声で

        キリストの苦悩を描き出す。

        (ついでにピラトス役も歌っていたが

         ピラトスとイエスで、歌声にちゃんと差があるのはスゴイ)


        バリトンバスともう一人のテノールと

        アルトとソプラノは、真ん中あたりに常駐し(笑)

        その場で歌ったり

        前に出て来たり、動きも大変だったと思うのだが


        アルトのヴィープケ・レームクールが素晴らしい!!!♡

        低音の滑らかで豊かな響きが圧倒的。

        アルトの歌うコラールが多いのだが

        この歌手が歌うコラールも、もうハート直撃で

        いつまで聴いていても良いわ、とか思わせる。

        (女声で、いつまでも聴いていたい、というのは滅多にいない)


        加えて、ベルナール・リヒターですよ、みなさん!!!!


        探してみたら、2009年の時にはあまり目立たなかったが

        2013年のベアトリスとベネディクト

        同年のグルノーブル管弦楽団とミンコフスキーの時には

        絶賛の記事を書いているが


        素晴らしい!!!

        (今日は語彙が少ない。疲れている)

        実はすごく声量のあるテノールで

        今回は時々、その声量が出そうになるところを

        きちんと、受難曲という性格と

        自分に与えられた役割をきちんと守って抑えていたが

        リヒターが歌うと、そこらへんがパッと明るくなる印象。


        だから、このテノールは、たぶんエファンゲリストには向かないと思う。

        もう少し、ドラマチックな役の方が、あの天才的な素質は活かせそうだ。


        テノール・ソロのアリアは

        声量をセーブしながら、とても正確に端正に歌っていて

        時々、チラッと顔を覗かせるドラマチック・テノールの声に

        あぁ、この人、やっぱりオペラを歌って欲しいなぁ・・・


        ジェラルド・フィンレーのバスバリトンの深さも素晴らしい。

        ソプラノは、ちょっと粗い印象が時々あったが

        (だって、あんなにずっと舞台に出っぱなしで

         声出しする機会もなくて突然歌わされて

         それであんなに声が出るなんて、まぁ、常人じゃないわ)

        今回の歌手陣の素晴らしさには、ノックアウトである。


        オーケストラの編成は左右に分かれて

        ソロのアリアの時には

        歌手の立っている小グループで演奏させるとか

        かなり面白い事をしていた。


        ウィーン交響楽団なのにピリオド奏法!!!

        いや、でも、このオーケストラ、モダンだが

        徹底的な職人集団のキャラがあるので

        見事にピリオド奏法を見せてくれた。


        この間のコープマンの時には

        まだ戸惑いがあった印象だったが

        しっかりと、今回はピリオドをモノにしていた。

        やっぱりプロ集団ってスゴイな・・・


        宗教曲は苦手なのだが

        (特にカトリックのミサ曲・・・)

        まぁ、季節モノで1年に1回というのはあるし

        受難曲って、神さま賛美というよりは

        エルサレムに入って、ユダが裏切って

        ペテロが「そんな人知らない」と言って

        その後泣き崩れたり

        裁判でピラトスが責任逃れ(違!)したり

        暴走して激昂する民衆とか

        色々な人が色々な感情を出して

        ちゃんと筋があって、まるでオペラになっているので

        やっぱり1年に1回は聴いておきたい。


        というより、こんなに出来が良いなら

        2回行っても良かった・・・・

        (いや、昨日は仕事の関係で行けなかっただけなのだが)


        フィリップ・ジョルダンの指揮振りも見事だし

        あの長丁場を、最初から最後まで緊張感を持って

        コーラス、オーケストラ、ソリストを手中にしていたのにも脱帽。


        (やっぱりハンサムでステキ、ふっふっふ。

         4方向から見て絵になる指揮者は珍しい)


        ギューラのエファンゲリストに魅せられ

        (あれに対抗できるのは、ミヒャエル・シャーデくらいだ(断言))

        その他の歌手の素晴らしい声にも圧倒され

        迫力たっぷりのアルノルト・シェーンベルク合唱団にもボーッとして

        なんか、もう、ものすごく至福な3時間30分。


        この水準のマタイ受難曲が聴けてしまうなんて

        私って、何て幸せなんでしょう・・・・

        (しかも20ユーロ以下で ♡

         コンツェルトハウスは楽友協会よりチケットがずっと安い)


        土曜日から日曜日にかけて

        ヨーロッパは冬時間から夏時間に変更。

        (本日の午前2時が3時になった)

        これに伴い、日本との時差も7時間になる。


        受難曲で唯一不満なのは

        イエス・キリストが亡くなって

        暗い雰囲気で終わるところだな。

        (だから復活まで続きで作ってしまい

         キリスト復活バンザイで、幸福に終わらんのか、とは思うが

         プロテスタントはイエスの死=神の意思の成就だし

         第一、復活パートまで作ったら上演時間5時間以上かかるだろ)


        終わりは暗いけれど

        (で、来週は本当にコンサートがないのだが)

        それでも、むちゃくちゃ幸せな気分になっている私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。




        ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

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          Musikverein Großer Saal 2015年3月26日 19時30分〜21時30分


          ORF Radio-Symphonieorchester Wien

          指揮 Cornelius Meister

          フルート Andreas Planyavsky

          オーボエ Thomas Höniger

          クラリネット Siegfried Schenner

          ファゴット David Seidel

          トランペット Johann Plank

          ホルン Péter Keserū

          トロンボーン Sascha Hois


          Pierre Boulez (“1925)

           Figures - Doubles - Prismes

          Frank Martin (1890-1974)

           Konzert für sieben Bläser, Pauken, Schlagwerk und Streichorchester

          Richard Strauss (1864-1949)

           Symphonia domestica, op. 53


          イースター前は全くコンサートがなくなるし

          (受難の時期だから、と思ったが

           どうも、学校が休みになるので

           みんな休暇に出る、というのが理由のようだ)

          イースター前の最後(から2番目(笑))のコンサート。


          クラシック・オタクの皆さまがご存知の通り

          本日はビエール・ブーレーズ90歳のお誕生日 ♡


          ワタクシ的には、ブーレーズは指揮者というよりは

          作曲家であり、音楽学者であって

          何と恐ろしい事に、ブーレーズ作品全集の CD まで持っている。

          (が、全部はまだ聴いてない(呆))


          ブーレーズの作品と言えば

          かの有名なル・マルトー・サン・メートルとか

          ノタシオン(これは色々な種類がある)とか

          プリ・スロン・プリとかあるが

          ナマで聴く機会があったのは

          ノタシオンくらいかなぁ。

          これは何回も聴いているし、ウィーン初演にも立ち会っている。


          Figures - Doubles - Prismes は1957・58年の作曲後

          1963年ー64年に更に作曲されて、1968年改訂と書いてある。


          うはははは

          ブーレーズという人も独自の音楽言語を持つ人だ。


          ブーレーズの曲のイメージって

          真空の中を音符が光速で走っていく感じなのだが


          いかんせん、楽友協会の大ホールは音響が良過ぎる(爆)


          残響が長過ぎて、前の音の尻尾が残ってしまい

          光速というよりは音速というか(当たり前だろ)

          今ひとつ、キレに欠ける。


          う〜ん、こういう曲はもう少し音響がデッドなホール向き。


          残響たっぷりでフォルティッシモで演奏されると

          何だか、曲が情熱的に聴こえてくるけれど

          情熱という仮面を被った冷血・冷静(笑)


          凝り性のワタクシは

          自宅に帰ってすぐに(何と今日はコンサートの後残業してない!)

          CD で聴いているのだが

          やっぱり、ナマで楽友協会で聴いた時より

          もっと解像度が高くて、硬い音がする。

          (パーカッションがね、やっぱり楽友協会の残響だと尻尾が残るの)


          しかしまぁ、こんなに難しい曲を

          楽々と演奏するオーケストラって、ある意味、スゴイな。


          続けてフランク・マルタンの

          7つの管楽器とティンパニ、弦楽器のための協奏曲。

          これも初聴き。

          だいたい、フランク・マルタンの作品そのものが初かも・・


          トナールの聴き易い作品で

          でも現代的で、各管楽器のソロがチャーミング。

          (何だか聴きながら寝ていたような気がする(自爆))


          後半、リヒャルト・シュトラウスの家庭交響曲。


          すみません、不勉強で、これ、実は初めて聴く。

          はい、クラシック・オタクと自称できません、ごめんなさい。


          アルペン交響曲はしばしばナマで演奏されるけれど

          このシンフォニア・ドメスティカって、今までナマで聴いた事がない。


          で、今日、初めて聴いて、何故滅多に演奏されないか

          何となくわかったような気がする。


          ソープ・オペラとか、昼ドラそのもので

          そこまで私生活晒しちゃって良いんですかというか

          コミカル・アニメというか

          何かもう、かなり気恥ずかしい(汗)


          いや、ホントに家庭内の様子が見えるように聴こえてくる。

          旦那とか、ちょっと元気過ぎる奥さんとか

          まぁ、そこら辺のドラマはまだしも

          大喧嘩して、犬が吠えて、和解して、愛の交歓までして

          むちゃくちゃ恥ずかしい盛り上げ方で終わるという


          うわわ、これはイタリア・オペラのパロディですか(違!)


          英雄の生涯だって、かなり気恥ずかしい部分を感じるのに

          このシンフォニア・ドメスティカの気恥ずかしさというか

          他人の私生活を覗いている、という悪趣味な居心地の悪さって

          音楽を楽しむ(そりゃ面白いです、暴露本みたいなものだし)というより

          無理やり、知りたくない人の秘密を出歯亀させられているみたい。


          しかしまぁ、このオーケストラ、何て巧いんだろう(驚嘆)

          あんな複雑怪奇な音楽を、いとも易々と・・・


          内容はコミカル・オペラで

          冷血・冷静・感情欠如のブーレーズとエラい違い(笑)


          今度の土曜日〜日曜日にかけて

          冬時間から夏時間への切り替えがある。

          睡眠時間が1時間減るという日に

          とんでもない仕事を抱えているのだが

          これが終わると、ちょっと楽になるかも・・・というワタクシに

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。




          コンサートは日曜日に行くけれど

          その後は、イースターまでなし。

          でも、その間にバレエは行く予定(笑)



          スコットランド室内管弦楽団 + ティツィアーティ

          0

            Wiener Konzerthaus 2015年3月23日 19時30分〜21時45分


            Scottish Chamber Orchestra

            指揮 Robin Ticciati

            バイオリン Renaud Capuçon


            Ludwig van Beethovan (1770-1827)

             Violinkonzert D-Dur op. 61 (1806)

            Franz Schubert (1797-1828)

             Symphonie Nr. 8 D 944 “Große C-Dur-Symphonie” (1825/28)


            室内オーケストラって地味なので好きじゃないのだが

            (人数少ないので損した気になる・・・ウソウソ)

            ロビン・ティツィアーティが振るし

            プログラムも魅力的。


            というので、仕事はたっぷりオフィスに残して

            コンツェルトハウスにいそいそ出かける私。


            いつもは大編成オーケストラで一杯のコンツェルトハウスの舞台が

            今回はスカスカ(笑)

            管楽器の数は変わらないだろうから

            (まぁ、マーラーとかブルックナーなら別だが)

            弦の数が少ないのか。

            チェロもコントラバスもそれぞれ4台づつだし。


            ベートーベンの時代は、それでも大編成だったのだろうな。

            まず前半はベートーベンのバイオリン協奏曲。


            う〜ん、感受性ないし、耳も頭もないので

            ヴェンゲーロフが演奏しようが

            ルノー・カプサンが演奏しようが

            今ひとつ、違いがわからない(すみません)


            澄んだ音で、端正で

            ちょっとおとなしい感じの演奏。

            美しいし、素晴らしいけど

            現代のソロのバイオリニストって

            みんな巧いからなぁ。


            アンコールの有名な曲は題名が不明。

            (誰でも知っているメロディである)

            頭の中で、ついついピアノ伴奏を付けてしまったが

            (カプソンさん、ごめんなさい)

            ともかく美しい。


            んだけど、こういう曲って

            1700人が入る大ホールで聴くものではないような気が・・・

            貴族の宮殿の一室で

            せいぜい、100人くらいで親密に聴いた方が良いなぁ。

            まぁ、かなわぬ夢ではある。


            さて、後半のシューベルトの大ハ長調交響曲。


            この曲、しばしば演奏されるのだが

            気をつけないと、間延びした退屈な曲と化してしまい

            天国的な長さどころか

            早よ終わらんかい、というイライラを誘発するのだが


            ティツィアーティのリズム感って、す・ご・い!!!!


            最初のホルン(あれは古楽器だ)を

            ゆっくり目に鳴らせたので

            う、このテンポで行くのか、とドキッとしたら


            その後、急激にテンポをアップして

            その躍動感と言ったら、もうもうもう・・・


            小編成オーケストラだから

            各パートの解像度が良くて

            普段聴こえないようなコントラバスのピチカートまで聴こえてくる。


            音楽のリズム感の扱い方に

            こんな天性のセンスがある指揮者って、珍しい。


            ブルックナーを凌ぐシツコさで繰り返される曲も

            その一つ一つの要素が、すべて違う表情を持って提示されて

            退屈どころか、え?もう終わっちゃうの?もっと聴きたいよ


            この演奏を聴いていると

            おエラい演奏家の方々が、眉間にシワ寄せて

            死ぬ程練習して弾いているクラシックというよりは


            ファミリー音楽というか

            ポピュラー音楽というか

            聴いて楽しくて、それで何が悪い?!


            何かシューベルトで踊るディスコ・・・とか言うと

            真面目なクラシック・ファンには怒られそうだが

            半端でない躍動感に満ちたシューベルトの大ハ長調は

            最初から最後まで

            全く緩む事なく

            限りなくクリアでリズミカルで

            ついつい身体が動いてしまうような演奏だったのだ。


            すごく気持ち良くて

            歴史的背景だの政治的背景だのは別として

            シューベルトが悩み多い変わり者だったのも置いといて

            音楽そのものの持つ力を

            ここまで、凝縮して提示してくれる指揮者とオーケストラって

            室内管弦楽団だけど

            聴きに来て良かったぁ ♡


            その後オフィスでほとんど徹夜状態だった

            アホな私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            ティツィアーティは4月に

            ウィーン交響楽団とシューマン&ブルックナー。

            シューマンのバイオリン協奏曲は

            テツラフが出演する予定 ♡

            もちろんチケットは確保済み(笑)




            フランス放送フィルハーモニー管弦楽団 +チョン・ミョンフン

            0

              日曜日は楽しい楽しいトリプル・ヘッダー(呆)

              時系列で読みたい方は

              午前中のチェコ・フィルが ここ

              午後のトーンキュンストラーは ここ


              以下は、夜のコンサートの印象記です。


              Musikverein Großer Saal 2015年3月22日 19時30分〜21時45分


              Orchestre Philharmonique de Radio France

              指揮 Myung-Whun Chung

              バイオリン Maxim Vengerov


              Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)

               Konzert für Violine und Orchester D-Dur, op. 35

              Hector Berlioz (1803-1969)

               Symphonie fantastique, op. 14


              日曜日3回目の楽友協会でのコンサートは

              フランス放送フィルハーモニー管弦楽団。

              首席指揮者のチョン・ミョンフンと

              今をときめくバイオリニストのマキシム・ヴェンゲーロフとで

              見事な名曲アワー(笑)


              VIP 席には国立オペラ座の監督ドミニク・メイエールも来ていたし

              何とオーストリアの大統領のフィッシャーまで居る有り様。


              実はヴェンゲーロフ、あまり好きじゃない。

              (ファンの皆さま、ごめんなさい)

              指揮の勉強して、もうバイオリン弾かん、と言う前に

              何回か聴いたけれど

              かなりセンチメンタルで泣き節のバイオリンに辟易していた。


              で、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲。

              ううううん、やっぱり巧いよなぁ。

              どこにも無理がなくて

              超絶技巧をサラッと弾いて

              やっぱり時々、泣き節が入る(笑)


              私はオーケストラという総体グループが好きなので

              あまりソリストには興味がない。

              特にスター・ソリストになると、ますます興味がない。

              (ごめんなさい)

              たぶん、どのバイオリニストが弾いても

              区別つかないと思う(何せ耳も頭も悪いし)


              バッハのアンコール(またか)を聴いてから

              幕間に、ちょうど知り合いから


              もしかしたら、これ、チェコ・フィルの事じゃありませんか?

              というメールが届き

              へ?というので見てみたら


              何と、コンサートを終えてプラハに帰る途中の

              チェコ・フィルのメンバーが乗ったバスが

              数メートル落ちて、16人のうち13人が負傷。

              うち1名は重体で、ウィーンの総合病院に運ばれたとか。


              ・・・・うううううう、チェコ・フィル

              あんな素晴らしい演奏を聴かせてくれた後にバスの事故とは(涙)

              怪我されたメンバーの一刻も早い回復を祈るばかり。


              気もそぞろで、後半のベルリオーズの幻想交響曲。


              指揮者のチョン・ミョンフンの指揮に目が釘付けになる。

              前半のチャイコフスキーの時もそうだったが

              この人の指揮、必ず次の手を読んで

              実に的確にバトンを決めてくる。


              派手な事は何もしていないのだが

              何とまぁ、素晴らしいバトン・テクニック(驚嘆)


              指揮者という存在は

              当然、次に来るモノを予め読んで

              きちんとキューを出さねばならないのは

              初歩的なテクニックだと思うのだが


              音楽に合わせて身体を揺らしているだけ、という指揮者が

              割に多いような記憶があったので

              チョン・ミョンフンの、事前に知らせる実に明確な指揮棒を見て

              何とも感激。


              これはオーケストラも演奏し易いだろう。


              ところで、このオーケストラの凄さは

              弦の音色にある(と思う)


              フランスらしい、ぽわ〜んとしたドビュッシー張りの音を出すかと思うと

              フォルテになると、ものすごく明るい強靭な音を出す。

              本当にこれ、同じ弦の人が弾いてるのかよ・・・(驚)


              幻想交響曲、第1楽章と第2楽章はアタッカ。

              いや、指揮振りが見事だし

              細かい部分まで、すべて丁寧に演奏して

              実に豪華な音響の響宴。


              その分、音響だけで、味も素っ気もない

              無駄に豪華な舞踏会だよな、とか思っていたら


              私の苦手な第3楽章で、感情が爆発した。


              何だあの突然の熱い感情の移入は????

              コーラングレと舞台裏のオーボエ(これが見事)の掛け合いは

              ものすごい空気の感じがあって驚いたが

              中間部分の弦のトゥッティに秘められた

              激しい感情の嵐は、いったい何なんだ????


              その激しい感情のまま

              断頭台への行進、魔女の夜宴の夢の2楽章をアタッカで


              断頭台への行進の薄気味悪さと

              ネトネト感のまま、最終楽章に入られて


              うわうわ、翻弄される・・・


              聴衆も身じろぎもせず集中していて

              魔女の夜宴の気違いじみた狂気の世界に連れ込まれて

              会場が揺れている。


              空気が熱く揺れて

              床も椅子も揺れて


              あぁ、音楽に酔うって、これなんだ・・・


              で、これがあるからコンサート通いが止められないのだよ。

              中毒になりそうな音楽への酔いが会場を支配して

              身体中が熱くなってくる。


              しかしこのオーケストラの多様性というか

              音色の変化って、スゴイな。

              技術的には抜群で、言う事はないけれど

              巧いオーケストラならいくらでもあるが

              こんなに弦の音が変化するオーケストラって珍しい。


              いや、本当に久し振りに音楽に酩酊した。

              音楽への感情と言うのは

              実はあまり持っていない私だが

              (この間、それでモドキと大喧嘩したのだが

               どうしても分析的に聴いてしまって

               自分の感情には響いて来ないのは

               これは、極端に感情的な部分と

               極端に冷静な部分がある私には

               変えようとしても無理なのよ)

              感情的な部分を排除したとしても

              酩酊は残る、というのが新鮮な驚き。


              アンコール1曲。

              景気良くカルメン(笑)

              いや、楽しそうです、演奏している方も聴いてる方も。


              名曲アワーというのも

              こういう効用があるのか、と

              幸せな日曜日にほっこりしている私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              来週は木曜日〜日曜日まで

              ちょっと大変な事になるので

              ほとんどコンサートには行かない予定

              (でも行くけど・・・(苦笑))

              干上がる前の週末に

              こんなに音楽浸けになれたのは嬉しい。


              トーンキュンストラー + パトリック・ランゲ 2回目

              0

                日曜日はトリプル・ヘッダー(笑)

                3回目はこれからだが

                時系列で読みたい方は

                まずは ここ からどうぞ。


                Musikverein Großer Saal 2015年3月22日 15時30分〜17時20分


                Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                ソプラノ Malin Hartelius

                指揮 Patrick Lange


                Richard Strauss (1864-1949)

                 Vorspiel zur Oper “Capriccio” op. 85 (1940/41)

                Alban Berg (1885-1935)

                 “Sieben frühe Lieder” für Gesang und Orchester (1905-08)

                   Nacht

                   Schliflied

                   Die Nachtigall

                   Traumgekrönt

                   Im Zimmer

                   Liebesode

                   Sommertage

                Gustav Mahler (1860-1911)

                 Symphonie Nr. 1 D-Dur (1888)


                昨日の夜のコンサートに行って

                散々悪口書いたコンサートの2回目。


                結論から言えば


                金管、本当に顔洗って出直してきた(笑)


                そうなんだよね、このオーケストラって

                やれば出来るじゃん、というケースが多くて

                だったら、最初からやれよ、と思うけれど


                天下のウィーン・フィルのコンサートだって

                1回目ボロボロ(に近い、プライドあるから、そんなに酷くはないにせよ)で

                2回目、3回目とどんどん良くなって行く、という現象はある。


                我が青春のカプリッチオ(の序曲)

                トーンキュンストラーの弦、良い音出してる ♡


                あれは、本当は室内楽で演奏する曲なので

                実際にオペラで聴くと、もう少し解像度が高くて

                もう少し痩せた音響に聴こえてくるが


                フルのストリングで演奏しているので

                通奏低音というか

                音の響きに厚みがあって

                柔らかくて実に美しい。


                ちょっと柔らか過ぎの感もあるけれど

                あの人数で演奏して

                濁りがなくて、ふわ〜んと響くのも一興。


                でも、実はこのオペラ、この序曲の演奏が終わった後で

                劇場支配人ラ・ローシュが欠伸して起きて

                「こういう音楽だと、実によく寝られるな」

                ・・・って言うセリフがあるんですけど(笑)


                私は寝てません(爆笑)


                ベルクの曲は、これはもう私の席の位置が悪いので

                ソプラノが聴こえて来ないのは仕方がない。

                午前中のグラゴル・ミサだって

                土曜日の時の席では、ほとんどソリストの声聴こえなかったのが

                日曜日の席を移ったら、ほとんど別人になってたからな。


                で、問題の後半のマーラー、交響曲1番。


                昨日の件があるから

                こちらは最初からドキドキ状態(すみません)


                ちょっとヒヤッとする箇所が最初にあったけれど

                後はノーミスで、やっと、まともな金管の咆哮が聴こえてきて

                ああ、やっとマーラーになったぞ、うん。


                パトリック・ランゲの作り方は、とてもドラマチック。

                テンポの揺れも激しくて、強弱も激しい。


                テンポを極端に速くするところでは

                オーケストラが、テンポに乗り切ってなくて

                多少、音が潰れた部分はあったけれど


                それは勢いで隠してしまって(笑)

                ガンガン振って、エネルギッシュに押してくる。


                深みとか、人生の悩みとかは何にも感じないし

                (私の感受性の欠如にも問題が・・・・)

                そこにあるのは、ただの音響ではあるのだが

                まぁ、何と言う音響。


                金管が締まった分

                昨日のような緩みがなくなって

                若々しい、そして時々、荒々しい

                初々しい感じのマーラーで


                劇的な部分は

                マーラーというより、ワーグナー聴いたような印象(笑)


                そうなんだよね〜

                このオーケストラって、やれば出来るのだが

                最初のコンサートの時には

                何じゃそれ?という緩みがあったりするのだ。

                (しかもかなり頻繁に)


                いや、それがナマのコンサートの醍醐味、と言えばそうなんだが

                昨日しか聴かなかった人はお気の毒。


                休憩時間に、来期のプログラムと会員受付をしていた。

                3月20日に首席指揮者になる佐渡裕さんを迎えて

                公式にプログラム発表になったわけだが

                (もちろん招待されてはいたけれど

                 私は白鳥の湖に行っていたので・・・)


                プログラム全部が日の丸になっているのも

                ちょっとショックというか(冷汗)


                だって、オロスコ・エストラーダが首席になった時には

                コロンビアどうのこうの、というのは

                一切言及されていなかったのに・・・


                年配の会員が多くて

                比較的コンサバだけど、新しいモノも好き、という

                ちょっと変わった層を観客層に持つトーンキュンストラーが

                佐渡マエストロのもとで、どう発展していくのか

                ちょっと心配でちょっとワクワク。


                日本への演奏旅行も予定されているようだが

                日本でのコンサートでミスするなよ(笑 余計なお世話)


                楽友協会の大ホールは

                午前中はチェコ、午後が低地オーストリア州で

                これから、フランスのオーケストラを迎えて

                目一杯使われているが


                これからフランスのオーケストラを聴きに行く私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                チェコ・フィル + ビエロフラーヴェック 3回目

                0

                  Musikverein Großer Saal 2015年3月22日 11時〜13時


                  Tschechische Philharmonie

                  Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien

                  指揮 Jiři Bělohlávek

                  オルガン Daniela Valtová

                  ソプラノ Hibla Gerzmava

                  アルト Veronika Hajnová

                  テノール Brandon Jovanovich

                  バス Jan Martiník


                  Bohuslav Martinů (1890-1959)

                   Mahnmal für Lidice

                   Symphonie Nr. 6 “Fantaisies symphoniques”

                  Leoš Janáček (1854-1928)

                   Mša Glagolskaja (Glagolitische Messe)

                    Festliche Messe für Soli, Chor, Orchester und Orgel

                     Fassung September 1927


                  昨日のコンサートでハート、ドキドキ。

                  私、チェコ音楽が好きっ!!!というモードに入っている(呆)


                  友人が来ていたので

                  明け方3時半に起きて、車で空港まで送って行き

                  その後、二度寝して、仕事の夢ばっかり見て(何でだよ?(涙))

                  張り切って出かけた楽友協会。


                  ・・・楽友協会にしては観客が少ないぞ(昨日もだった)

                  プログラムが通向け過ぎというのもあったのかもしれないが

                  マーラーとかブルックナーだと満杯のくせに

                  マルチヌーだと

                  だいたいオーストリアのオーケストラの首席指揮者が

                  こんなことを言っちゃうくらいだからな・・・


                  たぶんオーストリアには少ないマルチヌー・ファンとしては

                  前半のマルチヌーは聴き逃せない。


                  ううう、何て良い音を出すのよ、このオーケストラ ♡

                  本当に、このオーケストラ

                  モダンでインターナショナルに聴こえるけれど

                  とことんチェコ的な部分が残っていて

                  以前のグラーフェネックでもそうだったけど


                  いくらアメリカで作曲されて

                  アメリカのオーケストラで初演されたとしても

                  マルチヌーはウチの作曲家だぞ、誰にも渡すもんか

                  という気概がジンジンと伝わってくる(妄想)


                  最初のリディツェへの追悼の曲も美しいが

                  交響曲6番の美しさと言ったら、筆舌に尽くしがたい。


                  マルチヌーの曲のスゴイところは

                  まるでリゲティのように、色彩のある音の雲が

                  宇宙に拡散していった後に

                  人間不在になって冷たくなって行くのではなく

                  必ず、人間に戻って行くところ。


                  アトナールの後にトナールの解決が用意される部分が

                  もう絶妙というか、ホッとする、というか。


                  この時代の近代曲で

                  その音楽作法が、あっ、この作曲家だ、とわかるのは

                  ショスタコーヴィッチとマルチヌーくらいだな。


                  それ以降の、いわゆる現代音楽になってくると

                  誰が作曲しても、さして変わらないように聴こえてくる。

                  (私の感受性のなさと頭の悪さが問題なんですが)


                  前半のマルチヌーの、あまりの音の美しさと

                  たゆたうトナールとアトナールに翻弄されて

                  あぁ、もう、朝から幸せ ♡ 


                  で、割に空いてる席が多くて

                  バルコン・ロジェの後ろの方の3列目に誰も座っていないのを確認して

                  後半のヤナーチェックのグラゴル・ミサは

                  舞台から離れたところの後ろの方に、こっそり移動。

                  (あの席、50ユーロ近くするのは知ってますが

                   普通は絶対にやらないし、ガラガラだから勘弁してクダサイ)


                  うはははははははは

                  すごいぞ、この席。やっぱり高いだけの事はある。


                  昨日、ほとんど聴こえて来なかったソリストの声が

                  はっきり、くっきり聴こえてくるのもスゴイが

                  それよりも

                  昨日オーケストラに埋もれていたオルガンの音が

                  あああああ、ここでオルガン入ってたんだ・・・と

                  はっきり解る上


                  ヤナーチェックのオルガンの使い方、巧いっ!!!!


                  金管の素晴らしさは昨日と同じで

                  もう、言う事がない。

                  ヤナーチェックらしい金色の輝き ♡


                  コーラスとソリストの素晴らしさ。

                  やっぱり、テノールの声、甘くて響いて魅力的。

                  ソプラノも一瞬の叫びはあったけれど

                  とても落ち着いた美声で、言う事ない。


                  苦手な宗教曲なのだが

                  この曲、すごく好きかも。


                  土曜日が一日潰れたので、家事していなくて

                  家の中がエラい事になっているけれど(汗)

                  ホテルに預けた荷物を取ってから自宅に向かう予定にしていたのに

                  荷物のピック・アップを忘れて、そのまま帰宅しようとして

                  途中で引き返したので失った15分が、かなり辛かった。


                  何とか洗濯物だけ片付けて

                  また、午後のコンサートに楽友協会に向かった私に

                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。





                  トーンキュンストラー + パトリック・ランゲ 1回目

                  0

                    このところ、忙しかったので

                    週末は贅沢して、まずは土曜日はダブル・ヘッダー。

                    時系列で読みたい方は

                    まずは ここ からどうぞ。



                    Musikverein Großer Saal 2015年3月21日 19時30分〜21時20分


                    Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                    ソプラノ Malin Hartelius

                    指揮 Patrick Lange


                    Richard Strauss (1864-1949)

                     Vorspiel zur Oper “Capriccio” op. 85 (1940/41)

                    Alban Berg (1885-1935)

                     “Sieben frühe Lieder” für Gesang und Orchester (1905-08)

                       Nacht

                       Schliflied

                       Die Nachtigall

                       Traumgekrönt

                       Im Zimmer

                       Liebesode

                       Sommertage

                    Gustav Mahler (1860-1911)

                     Symphonie Nr. 1 D-Dur (1888)


                    午後のチェコ・フィルの後

                    このコンサート、最初は予定していなかったのだが

                    ちょっと色々あって

                    では、やっぱり行こう、と突然決心して行ったもの。


                    同じコンサートは明日、午後15時30分からも行く予定。


                    何がアレかって

                    カプッリチオですよ、わっはっは。


                    カプリッチオと言えば

                    私の青春時代、中学2年の時(だと思う)に

                    当時は高級品でなかなか買えなかったレコードの

                    それも3枚組(!もちろんバカ高)

                    これでワタシの人生変わった、というオペラですから(笑)


                    最近、日本のマスコミに

                    名門トーンキュンストラー・オーケストラ、というのが

                    しっかり流れていて

                    (さすがに「ウィーンの」というのは外したが(爆笑)

                     だって、このオーケストラ、本拠地は低地オーストリア州だからね)

                    名門? と失礼な発言をついついしてしまって

                    ファンの皆さま、ごめんなさい。


                    カプリッチオの序曲、このオーケストラで大丈夫かな、と

                    心配していたが

                    いや、良い音出してる ♡


                    柔らかめのアンサンブルの音色がチャーミング。

                    そうだよ、このオーケストラ

                    やっぱりオーストリアのオーケストラ(しかもウィーンに近い)

                    ああいう音色は巧いのだ、うん。


                    コンサート・ミストレスのソロは硬めだったけれど

                    チェロのソロが上手くて、惚れ惚れ。


                    ああ、カプリッチオ、オペラで聴きたい・・・と

                    聴きながら切望していたら

                    突然、ウィーン劇場の来シーズンのプログラムに

                    カプリッチオが入る、というニュースが飛び込んで来て

                    驚喜している。わっはっは。

                    何としてでも時間作って、カプリッチオを追いかけねば。


                    アルバン・ベルクのリートは初聴き。

                    初期作品なので、まだ12音技法は使っておらず

                    後期ロマン派の色が濃い。


                    ハルテリウスのソプラノは

                    声が前に飛ぶタイプなのか

                    オーケストラの伴奏そのものは

                    ベルクらしい繊細さがあって

                    そんなに声を殺すようなものではないと思うのだが

                    あまり聴こえて来ない。


                    別に声量があったらどうのこうのではないけれど・・・

                    オーケストラに沈みはしないけれど

                    まるでオーケストラの楽器の一部であるかのように

                    溶け込んでいたから

                    あまり印象的、というものではなかったが

                    きっと、それは音楽的には正しい。


                    後半がマーラーの交響曲1番。


                    すみません、私、ここで沈黙したいです・・・


                    金管の連中、顔洗って出直して来い!!!!!


                    いや、別に全員が、というワケではないし

                    楽器の調子が悪かったとか

                    練習不足だったとか

                    二日酔いだったとか

                    色々な理由はあろうが


                    あれはプロとしてはないだろ、という箇所がいくつか(怒)


                    午後にチェコ・フィルというオーケストラを聴いちゃったから

                    当然、音楽に対する期待水準も高まっているところに


                    金管がミスするマーラーって

                    かなり最悪。


                    オーケストラは頑張ってました。

                    指揮者も、派手な動きで

                    途中で指揮棒は飛ばすし(笑)


                    でも、何だかな、このマーラー

                    全体的に退屈というか、締まりがないと言うか

                    何処が悪いというのではないけれど

                    (金管のミスはミスとして)


                    思っていたより、ちょっと期待外れで・・・

                    すみません、名門オーケストラなのに(それイヤミ)


                    いや、でもこのオーケストラ自身が

                    かなりカプリッチョなところがあるので

                    明日の演奏は良くなっているかもしれない。


                    と、それなりの期待を残して

                    本日2回目の楽友協会を去った私に

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                    チェコ・フィル + ビエロフラーヴェック 2回目

                    0

                      Musikverein Großer Saal 2015年3月21日 15時30分〜17時40分


                      Tschechische Philharmonie

                      Singverein der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien

                      指揮 Jiři Bělohlávek

                      オルガン Daniela Valtová

                      ソプラノ Hibla Gerzmava

                      アルト Veronika Hajnová

                      テノール Brandon Jovanovich

                      バス Jan Martiník


                      Bohuslav Martinů (1890-1959)

                       Mahnmal für Lidice

                       Symphonie Nr. 6 “Fantaisies symphoniques”

                      Leoš Janáček (1854-1928)

                       Mša Glagolskaja (Glagolitische Messe)

                        Festliche Messe für Soli, Chor, Orchester und Orgel

                        Fassung September 1927


                      チェコ・フィルのコンサート2回目。

                      一昨日、このオーケストラでマルチヌー聴きたいと切望したら

                      2回目のコンサートは、前半にマルチヌーが入った(おお、バンザイ)


                      最初の曲は第二次世界大戦で被害を被った村への追悼歌らしい。

                      ううう、マルチヌー、やっぱり素敵。

                      指揮者とオーケストラが、また、変に感傷的にならず

                      ある程度、距離を置いて

                      あくまでも「音楽」として聴かせてくれるので

                      こちらも安心して感情に溺れる事なく

                      音楽に身を任せていられる。


                      同じマルチヌーの交響曲6番の音響の素晴らしさと言ったら

                      おおおお、やっぱりチェコ・フィルがマルチヌー演奏すると

                      こうなるのか・・・・と、ひたすら感激。


                      あの複雑な、ちょっと印象派的な音響の中から

                      トナールのメロディが現れて

                      また沈んで、という、あのマルチヌーの音楽言語が

                      もう圧倒的に素晴らしい ♡


                      ううう、このオーケストラ、何て巧いのよ・・・


                      後半のグラゴル・ミサは

                      以前、ウィーン交響楽団のジョルダン就任の時に聴いた曲。


                      うわ、これも良いわ。

                      コーラスはウィーン楽友協会合唱団だが

                      この合唱団、むちゃ巧いし


                      オーケストラも素晴らしい。

                      トランペットのお兄さん、ソロのあの音色、最高。


                      私の席からは、声楽のソリストの声は

                      あまり聴こえない・・・のだが

                      テノールの声が澄んでいて

                      結構、全方位に飛んで、すごく印象的。


                      全体的に激しいヤナーチェックの音楽なのだが

                      どんなフォルティッシモでも

                      乱れがなくて、ぴったり揃って


                      別に奇を衒っているところは一切ないのだけれど

                      うわ〜、チェコの音楽って、やっぱり好きだわ〜と

                      本当に惚れました、このオーケストラ ♡


                      オルガンのソロも最高でした ♡


                      マルチヌーは昔から好きだけど

                      ヤナーチェックも再発見するとは思わなかったな。


                      あの鋭さと柔らかさの入り交じった

                      しかも、すごい技術とアンサンブルの力で

                      あんなにチャーミングなチェコの音楽を聴いて

                      もう、メロメロですワタシ。


                      明日も実はもう1回同じコンサートがあるのが

                      今から楽しみな私に

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                      実は夜も別のコンサートに行ってしまって

                      その間も一人になる事がなかったので

                      ちょっと感想がおざなりになっているけれど

                      その分はまた明日のコンサートの後で(笑)



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