ウィーン交響楽団 + マーク・エルダー

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    Konzerthaus Großer Saal 2015年2月26日 19時30分〜21時30分

    Konzerthaus Großer Sala 2015年2月27日 19時30分〜21時30分


    Wiener Symphoniker

    バイオリン James Ehnes

    指揮 Sir Mark Elder


    Richard Wagner (1813-1883)

     Vorspiel zum 1. Akt “Parsifal” (1877-82)

    Benjamin Britten (1913-1976)

     Violinkonzert d-moll, op. 15 (1939)

    Felix Mendelssohn Bartholday (1809-1847)

     Symphonie Nr. 5 D-Dur op. 107

      “Zur Feier der Kirchen-Reformation” (1832)


    仕事がむちゃくちゃ忙しくても

    コンサートのチケットを持っていたら行くワタシ。


    でも、さすがに週末の28日と3月1日のコンサートには行けず

    ヘンゲルブロックのグバイドリーナとマーラー(!!)

    ウルバンスキのシェヘラザードのチケットは、泣く泣く放棄したのだが

    まぁ、仕事でそういう事もある。

    仕事というのは、そういうモノだ。でも悔しい!!!


    ・・・というのはさて置いて


    ウィーン交響楽団がイギリスの指揮者、マーク・エルダーを迎え、

    カナダのバイオリニスト、ジェイムス・エーネスと


    かなり辛気くさいコンサート(爆)


    いや、あの、その、考えてみれば

    先週カーニバル時期は終わって

    これから4月のイースターまでは

    身を慎み、キリストの受難に思いを馳せ

    自分の好きな事を何かしら諦めて耐え忍ぶ生活をする季節ではある。


    ワタシは神道信者(自称)なので関係ないが

    こういう季節が、音楽ライフにも影響して来るのは

    まぁ、ウィーンに居る限りは仕方がない。


    最初がパルシファル!!!

    パルシファル!!!!(しつこい)


    イースター時期の定番で

    今年もオペラ座で4月2日・5日・8日に上演されるが

    17時〜22時という長丁場で、サラリーマンには辛い。

    (一度、間違えてチケット買って行った事がある。

     そのあまりの冗長さに辟易した。歌手と音楽は最高だったが)


    序曲って、こんなに地味でしたっけ?(すみません)

    テーマが管や弦で、繰り返し繰り返し演奏されるだけで

    睡眠不足なので、ついつい寝落ちしてしまう(ごめんなさい)


    で、次のブリテンのバイオリン協奏曲。


    ブリテン苦手(あの微妙にトナールなところがどうしても・・・)

    バイオリン苦手、という私にとっては二重苦の作品なのだが


    このバイオリニストの音、何て美しいの???(驚愕)


    ブリテン苦手で、睡眠不足で

    時々モロに寝落ちしてしまっても

    その音色の美しさには呆然としてしまう。


    ブリテンあたりでも時々聞こえる

    聴衆の咳とかザワザワも一切なくて

    聴衆全員が、息を詰めて演奏に聴き入っているのがわかる。


    バイオリン協奏曲で

    こんなにホールの雑音がなくて集中できた演奏って

    ウィーンでは初めてかも。


    完璧で繊細で、澄み切った音色で

    もちろんテクニックは完璧。

    長いカデンツァのダブル・ボーゲンで

    しかも左手でピチカートという(更にピアニッシモで)

    超絶技巧をものともなくこなすだけではなくて


    その卓越した技術に加えて

    バイオリンの音って、こんなに極限まで美しくなるのか、という

    何ですか、何ですか、この音は。


    正に天上の世界としか言えない。

    ホールに響き渡るバイオリンの音響が素晴らし過ぎる。

    苦手なブリテンなのに、天使の歌を聴いているような気がする。


    アンコールは2日ともバッハだったが

    これが、もう、うわうわうわ、美というのは

    ここまで研ぎすまされて聴衆に提供できるモノなんですか・・・


    あまりの美しさに Youtube でも調べてみたが

    あの音の美しさは、ホールで聴かないとわからないだろう。

    ナマで聴いてこその、美しさという物が絶対的にある(断言)


    忙しいとか、睡眠不足とか

    仕事上も人間関係も、も〜やだ、と放り出したい気分を

    ものすごく癒してくれて

    天上の世界に誘ってくれた。

    こういう体験があるから、寝不足でも何でもコンサート行くのが止められない。


    後半はやっと地味な音楽から抜けて(笑)

    宗教色はあるけれど

    メンデルスゾーンの交響曲「宗教改革」


    この曲、出だしが、何か知ってる曲にものすごく似ている

    ・・・と、よく考えてみれば

    ブラームスの「ドイツ・レクイエム」とそっくりじゃないか?!


    と思って、復習してみたら

    全然違っているので自分でも驚いたが(アホか)

    でも、イメージとしてはとても似ていると思う(悪あがき)


    まぁ、ルターのコラールがテーマですし、はっはっは。


    指揮者は別に大袈裟な表現をしている訳ではなくて

    あくまでも正統的に聴かせてくれるし

    ウィーン交響楽団もそれに良く応えて

    真面目で良い演奏

    ・・・としか言えない。

    何せ2日とも、後半になったら、もう疲れて疲れて・・・


    小難しい事を考えているよりは

    グッタリと疲れた脳を音楽に浸して

    カラッカラになった脳のヒダに

    美しい音楽を染み込ませる事に集中するだけで精一杯。


    もちろん、その後オフィスに戻って仕事をしていたのだが

    コンサートに行かずに残業すれば

    多少は早く帰宅出来るだろう事は重々承知の上で


    やっぱりコンサートに行って

    美しい音楽で、疲れを潤して、それからまた仕事、という方が

    生活にハリが出る(きっぱり)


    とは言え、後数日はトホホ状態で

    干上がる寸前になる予定の私に

    同情の1クリックをお恵み下さい。





    東京クラリネット・クワイアー + 稲垣征夫

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      Wiener Konzerthaus Mozart Saal 2015年2月23日 19時30分〜21時30分


      Tokyo Clarinet Choir

      指揮 Ikuo Inagaki


      Franz Suppé “Die schöne Galathee”

      Josef Strauss “Schabernack” Polka Schnell Op. 98

      Johann Strauss Sohn “Freuet Euch des Lebens” Op. 340

      Antonio Lucio Vivaldi “Concerto con 2 trombe” C-Dur, RV. 537

      Wolfgang Amadeus Mozart Ouvertüre zur Oper “Die Zauberflöte” KV 620

      Wolfgang Amadeus Mozart Jupiter Sinfonie Nr. 41, C-Dur, KV 551


      今年で7回目(!)になる

      東京クラリネット・クワイアーのウィーンでのコンサート。


      東京クラリネット・クワイアーのFacebook にもかなり掲載があるので

      よろしければ、そちらもご参照下さいませ。


      さて、この団体はアマチュア・グループである。

      普段、プロの音楽家のコンサートばかり行っていて

      名声とかブランドとか、自慢できるものが好きな俗物の私だが

      仕事という側面はさて置いて

      実は、この団体のコンサート、大好きなの ♡


      まずは、クラリネットという楽器の多様性に驚く。

      音のレンジの広さ、音色の多様さという面から聴くと

      こんなに凄い楽器は滅多にないんじゃないか、と思う。


      今回は前半が比較的聴き易い楽しい曲で構成して

      後半で、モーツァルトの交響曲41番ジュピターを全曲演奏。


      ズッペで始まった前半で

      ヨゼフ・シュトラウスやヨハン・シュトラウスって

      うはは、私、苦手だったんじゃなかったっけ。


      ただ、この日本人グループ+稲垣先生って

      何で、こんなにウィーン風の演奏が出来るんだ?


      これは以前も思った事だが

      指揮者の稲垣先生の天性のリズム感と音楽性に加えて

      プレイヤーの方も

      何と言うか、う〜ん、あの、その

      良い意味での力の抜け方が出来ないと

      こういう演奏は無理(断言)


      ハードな練習ばっかりして

      目が釣り上がってしまい

      指揮者の先生はヒステリーを起こして

      ある程度の技術的な問題はクリアしていても

      演奏が縮こまってしまって

      真面目でかなり巧いけど

      全然面白くな〜い、というアマチュア団体は実はかなりある。


      いや、東京クラリネット・クワイアーの皆さまが

      練習してない、とは言ってません、誤解のないよう。


      ただ、ウィーンらしさを醸し出す力の抜け方というのは

      練習してテクニックだけ披露しても出て来ないのだ。


      このグループの良いところは

      他の団体と違って、コンサート1日前にウィーン入りとかではなく

      数日前にウィーンに到着して

      各自が地図を持って、ウィーンや周辺の都市を観光したり

      音楽会に行ったり

      交流のあるウィーンのメンバーと交流会したり


      数日経って、ちゃんとウィーンの空気に馴染んだところで

      コンサートをやる事で

      ここまでちゃんと考えるアマチュア団体は少ない。


      いや、楽しい、楽しい。

      音は明るくて、脱力もほどほどで

      いい加減さも良い感じで(笑)

      稲垣先生の指揮も、伸び伸びしていて気持ちが良い。


      さて、前半の最後の曲はヴィヴァルディのトランペット協奏曲。

      トランペットはトーンキュンストラーからプロの2名が参加。


      うははははは、トランペット巧い!!!!


      それに、多彩な音がするとは言え

      やはりクラリネットの音色だけだった曲に

      トランペットが入る事によって

      また突然、全然違う色合いが出て来て

      あまりのステキさに、客席で悶絶しそうになった。


      トランペット・プレイヤーの2名がハンサムだった

      ・・・という理由だけではありません。

      (グループには若い方がモテていたようだが

       私はちょっとハゲの・・・あっ、すみませんっ)


      コンサート前の楽屋で

      何故か3人目のトランペット奏者を見かけてしまい

      声をかけたら(不審な人物には声をかける、これ当然)

      「僕はアンコールで吹くだけ」

      ・・・・????


      と思ったら、やってくれました。

      前半のアンコールで

      ルロイ・アンダーソンの「ラッパ吹きの休日」


      うはははは、ルロイ・アンダーソンって実は好きなのよ。

      (タイプライターとか大好きです)

      そうか、この曲は3人のトランぺッターが必要なのか。


      これがまた気持ち良くて

      スカッと爽やか

      アンサンブルもピッタリ揃っていて素晴らしい。


      後半は今度は(多少)真面目になって

      モーツァルトの最後の交響曲ジュピターを

      クラリネットだけの編成で演奏。


      ・・・・(沈黙)

      読者はご存知と思うが

      ワタクシはモーツァルトを聴くと条件反射で熟睡してしまう体質。

      それでも、熟睡しながら

      本来、オーケストラで演奏されるべき作品が

      クラリネットだけで、こんなに音が出るのか、と驚嘆していた。


      あのね、クラリネットの音が重なると

      本当に不思議な音色になるのです。

      いや、ビックリした。

      しかも色がとても柔らかくて手触りが良い。


      アンコールには、またヨハン・シュトラウスを聴かせてくれて

      (これがまた、リズミカルだし

       日本人があのワルツのテンポをあそこまで出来るというのは凄い)

      アマチュアの、しかもクラリネットだけで

      これだけの演奏が出来るという事に驚嘆する。


      スカッと爽やかで

      温かみがあって、素晴らしいコンサート。


      アマチュア団体が来る場合というのは

      客集めの必要性があって

      私も知り合い、友人一同に声をかけたりしているけれど

      時々、声をかけつつも

      あんまり巧くないから・・・と囁かねばならないケースもあるが

      これなら「楽しいから来て」と自信を持って薦められる

      とても稀有な団体である。


      緩み過ぎる事なく

      でも、力任せとか力一杯とかではないアマチュア団体なので

      また、ウィーンでコンサートして欲しいな。


      ・・・で、何故この記事のアップが遅れたかと言うと

      その後に、仕事がドカドカドカっ、と来て

      ちょっと今もギリギリの状態になっている(汗)という私に

      どうぞ久し振りの1クリックをお恵み下さい。





      ウィーン交響楽団 + セバスティアン・ヴァイグレ

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        Musikverein Großer Saal 2015年2月22日 19時30分〜21時40分


        Wiener Symphoniker

        指揮 Sebastian Weigle


        Carl Maria von Weber (1786-1826)

         Ouvertüre zur Oper “Der Freischütz”

         Symphonie Nr. 1 C-Dur, op. 19

        Nikolai Rimskij-Korsakkow (1844-1908)

         Scheherazade. Symphonische Suite aus “Tausendeine Nacht”


        ウィーン交響楽団をフェドセイエフが指揮する予定が

        フェドセイエフ入院のため

        フランクフルト歌劇場の音楽監督セバスティアン・ヴァイグレ

        プログラムの変更なしに代役として登場。


        見た目の雰囲気が誰かに似てるなぁ・・・

        あの顔の形は、何となくアラン・ギルバートか

        アントニオ・パッパーノみたいな感じがする。

        (何となく見た目が似てる、という印象です。

         お気に障った方は失礼)


        丁寧に丁寧に、ゆっくりしたテンポで演奏される

        魔弾の射手の前奏曲。

        管が巧いウィーン交響楽団だと、こういう曲は得意そう。


        指揮振りは、かなり大きくて力一杯。

        全体的なテンポは遅めで

        力入れようとしたり、テンポ早めようとしたりして

        振りが大きくなると

        音楽のリズムと突然ズレたりする。


        ウエーバーの交響曲1番なんて

        たぶん、初めて聴く曲(不勉強ごめんなさい)

        まぁ、ウエーバーだな、うん。


        ただ、今日の聴衆、観光客が多いのか

        席はかなり埋まっているのだが

        楽章ごとの拍手には参った・・・


        第一楽章の後に拍手のフライングがあるのは

        まぁ、時々あり得る事なのだが

        第二楽章の後にも拍手って

        懲りないというか、マナーの問題というか

        う〜ん・・・


        楽章ごとの拍手って

        オーケストラや聴衆の集中力に微妙に影響する(ような気がする)

        何か、途中でちょっと中だるみになっちゃた(ような気がする)


        後半のシェヘラザードで拍手のフライングあったらヤダな。


        さてシェヘラザードだが

        実は私、この曲を聴いて、良いなぁ、と思った事は少ない。


        好みの問題ではあろうけれど

        まずは、最初の曲で

        しつこくしつこくしつこく

        海の波が寄せては引き、寄せては引きを

        何回も何回も何回も

        ブルックナーもビックリという執拗さで演奏されるのがダメ。


        巧い指揮者だと

        この同じモチーフのくどい繰り返しを

        巧くニュアンスをつけて演奏してくれるのだが

        まず、あの部分を退屈せずに聴かせてくれる演奏はほとんどない。


        今日のウィーン交響楽団の音響はとても美しい。

        音色も極彩色で素晴らしいし

        うねって動いて、音としてはチャーミングなのだが

        いかんせん、力入り過ぎというか

        こけ脅しのような、うねった大音響が

        同じニュアンスで繰り返し繰り返し繰り返して


        ああああ、ごめんなさい、退屈です。


        コンマスのソロは巧い。

        澄んだ音で音程も確かだし素晴らしいけれど

        とてもロマンティックで、ナヨナヨしていて

        これも割にしつこいロマンス的でちょっと大袈裟なシェヘラザード。

        いや、これ、好みだから、どうしようもないわけで

        でも、音としては限りなく美しい。


        各楽器のソロが見事ではある。

        その見事なソロを、遅めのテンポで

        じっくり聴かせようという魂胆だろうが

        何か、あのテンポでは、ちょっと間延びして

        (いや、好みです、好み)

        何とも大時代的な、大袈裟で劇的な表現。


        それはそれで、きっと正しい表現なんだと思うが

        ごめん、私はちょっと・・・


        じっくり聴かせる遅めのテンポで

        音の美しさとロマンティックな表現に拘るなぁ、と思っていたら

        最後の最後で、ものすごいテンポのアップがあって

        あのテンポに付いていったウィーン交響楽団も凄い。

        (音はほとんど団子状になっていたが(笑))


        極端に遅いテンポと極端に速いテンポだけで

        何かなぁ、聴衆を驚かせてやれ、みたいな感じで

        それはある意味、サービス精神なのか?


        あれだけ名人芸のソロが次々と出てくるので

        聴きどころは充分にあったのだが

        もともと苦手な曲、という事もあって

        ごめんなさい、かなり退屈してしまいました。

        最後の力任せの、叩き付けるような爆発には

        あんぐり口を開けてしまったし。


        音楽批評でもなく

        ましてや、解釈の良し悪しとかいう観点ではなくて

        あくまでもワタクシの個人的な印象なので

        反論は承知の上だし

        すごく良かったと感激している人も多いと思うので

        読者の方々は、私の言う事は、あまりマトモに受けないように。


        マエストロ・フェドセイエフの一刻も早い回復を祈りつつ

        来週・再来週は、かなり仕事が忙しくなりそうな私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        後半、シェヘラザードでも拍手のフライングがあった。
        指揮者も止めたし
        周囲がシッ!と注意して、パラパラで終わったが
        次の楽章の後、やっと拍手なしで続けようとしたとたん
        一人拍手したアホがいた。何でかな、もう・・・(涙)

        リヨン・オペラ座バレエ + シルヴィ・ギエム

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          Festspielhaus St. Pölten 2015年2月21日 19時30分〜21時40分


          Ballet de l’Opéra de Lyon / Sylvie Guillem


          Workwithinwork

          振付・舞台・照明デザイン William Forsythe

          音楽 Luciano Berio

          衣装 Stephen Galloway

          ダンサー Kristina Bentz, Alexis Bourbeau, Florian Danel, Dorothée Delabie,

          Aurélie Gaillard, Caelyn Knight, Tadayoshi Kokeguchi, Frank Laizet,

          Carlos Lanez Juan, Marco Merenda, Elsa Monteguillot de Mirman,

          Julian Nicosia, Chiara Paperini, Annabelle Peintre, Inês Pereira De Almeida,

          Roylan Ramos, Elsa Raymond, Matthieu Rouvière, Raúl Serrano Núñez,

          Pavel Trush, Ashley Wright


          Rearray

          振付・衣装・照明デザイン William Forsythe

          音楽 David Morrow

          ダンサー Sylvie Guillem, Massimo Murru


          One Flat Thing, reproduced

          振付・舞台・照明デザイン William Forsythe

          音楽 Thom Willems

          衣装 Stephen Galloway

          ダンサー Kristina Bentz, Alexis Bourbeau, Florian Danel, Dorothée Delabie,

          Aurélie Gaillard, Caelyn Knight, Tadayoshi Kokeguchi, Frank Laizet,

          Carlos Lanez Juan, Marco Merenda, Elsa Monteguillot de Mirman,

          Julian Nicosia, Chiara Paperini, Annabelle Peintre, Inês Pereira De Almeida,

          Roylan Ramos, Elsa Raymond, Matthieu Rouvière, Raúl Serrano Núñez,

          Pavel Trush, Ashley Wright


          シルヴィ・ギエムの引退公演・・・という訳ではなくて

          その前に、リヨン・オペラ座バレエ団と

          フォーサイスの作品を揃えて

          サンクト・ペルテン祝祭劇場で公演。


          チケット安かったです(笑)

          ギャラリーの1列目で30ユーロそこそこ(驚愕)

          平土間でも50ユーロしなかったのだが

          何せ天井桟敷から逃れられない宿命なので(わっはっは)


          音楽はテープ。

          現代音楽だし、ナマでなくても気にならない。


          フォーサイスの Workwithinwork は

          う〜ん・・・・

          たくさんダンサーが出て来て

          入れ替わり立ち代わり

          シャドー・ダンスだったり

          ちょっと振りを変えてズラしてみたり

          色々な工夫はあるけれど


          ・・・すみません、むちゃ眠いです(ごめんなさい)


          割に長い作品で、40分くらいあって

          シロウト目には似たような感じに見えるし

          音楽が、ヴァリエーションが多いとは言え

          ルチアーノ・ベリオだし(いや、ベリオ好きですけど)


          いかん、次の演目で寝たらまずい・・・(汗)


          シルヴィ・ギエムとマッシモ・ムッルのデュエット。

          これ、すごく不思議な作品で

          ダンスのフラグメントが短い時間で交代して行く。


          ほんの少しのシーンで照明が落ちて

          また次のシーン、という繰り返し。


          ギエムのダンスが凄い。

          いや、凄いというより、あれ、いったい何なんだろう(困窮)


          高い身体能力や身体のしなやかさも然ることながら

          そんな表面的な事ではなくて

          フォーサイスが描いていたヴィジョンとか

          その後ろにある哲学的なものとか

          身体表現でしか可能にならない

          現代的感覚の「何か」が広がってきて


          これ、感動とかって簡単な言葉では言い難い。

          ただの「美」でもないし

          ましてや、脚が上がるとか技巧が凄いとかの

          表面的な部分とは全く違う。


          別世界・・・


          うううん、どうしても言い難いのだ。

          言語化できない。


          驚いた。

          いや、本当にショックだった。

          今まで観て来たダンスなんて(バカにする訳ではないが)

          これに比べたら幼稚園のお遊戯みたいに感じる(バカにしてはいない)


          身体表現で、あんな深い情動を

          観客に手渡す事ができるって

          いったい、どういう才能???


          たぶん、ギエムが持て囃されるのは

          ただの身体能力ではない。

          何かよくわからないけれど

          体育会系の能力を越えたところに何かがある。


          で、その何かは

          ワタクシのようなド・シロートで

          バレエの事なんか何もわからない者には理解できないのだが

          理解できないとしても

          その片鱗か、気配か、よくわからんモノは

          そこはかとなく感じるのだ。


          ワケのわからん感想でごめんなさい。


          今日来ている観客たちは

          たぶん、ギエムを観に来ているので

          あからさまに、この演目が終わった後

          3分の1くらいの観客は帰ってしまった(笑)


          実は私も帰ろうか、と本気で考えたクチだが

          それでは、リヨン・オペラ座のダンサーが可哀相だし

          せっかくフォーサイスの作品をもう一つ観られるのだから・・・


          最後の One Flat Thing, reproduced という作品は

          まずダンサーが机を凄い勢いで移動させて

          舞台にずらっと並んだ机の

          上や下や脇で踊っていく作品。


          何か学校でやったイタズラを思い出す(こらこら)

          これが、若々しくて、意外に良かった。


          ギエムの後に

          今までのダンスなんて学芸会、とか不埒にも考えていたら

          舞台作品そのものが

          学校か学芸会のパロディみたいな印象。


          それはそれで、何かユーモアがあって

          (踊っている方は大変だと思うが)

          賑やかで、エネルギッシュで

          それ程長い作品でもなかったので(20分くらいかな)

          かなり楽しめた。最後まで居て良かった、ふっふっふ。


          ギエムのダンスを観て

          あれだけの身体表現をしながら

          その技巧に圧倒される以上に

          醸し出す印象の深さが上回ってしまい


          振付そのものは記憶に残らないまま

          あの不思議な強い印象だけが残ると言う

          稀有な体験をさせてもらって

          すごく幸せ ♡


          サンクト・ペルテンって

          こういうのをやってくれるから好き。


          オーストリアって

          ウィーンだけではなくて

          他の都市でも(田舎でも(笑))

          文化的に高い事をやっているのがステキ、と

          つくづく思う私に

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。





          白鳥の湖 今シーズン2回目

          0

            Wiener Staatsballet 2015年2月20日 19時〜22時10分


            SCHWANENSEE

            Ballett in vier Akten

            振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow

            音楽 Peter Ilitsch Tschaikowski

            舞台・衣装 Luisa Spinatelli

            照明 Marion Hewlett

            指揮 Alexander Ingram


            ジークフリート Denys Cherevychko

            オデット・オディール Liudmila Konovalova

            女王、ジークフリートの母 Alena Konovalova

            ロットバルト Eno Peci

            ジークフリートの侍従たち Ioanna Avraam, Natascha Mair

                               Dumitru Taran, Alexandru Tcacenco

            大きな白鳥 Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Laura Nistor, Prisca Zeisel

            小さな白鳥 Maria Alati, Ioanna Avraam, Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto

            ナポリのダンス Kiyoka Hashimoto, Richard Szabó

            ポーランドのダンス Ioanna Avraam, Alexandru Tcacenco

            ハンガリーのダンス Alice Firenze, Francesco Costa *

            貴族の令嬢たち Maria Alati, Elena Bottaro, Eszter Ledán, Natascha Mair

                               Anna Shepelyeva, Nina Tonoli

            ジークフリートの教育係 Christoph Wenzel

            侍従長 Gabor Oberegger


            はい、読者の皆さま、またもや「白鳥の湖」です。

            ええ、どうせ飽きられてますよ、すみません(開き直り)


            今回の「白鳥の湖」は

            たぶん仕事で行けないであろう3月2日を除いて

            またもや全公演のチケットを確保している。えっへん。


            とある人から

            何でこんな人気のある

            すべて売り切れの公演のチケットを持ってるんだ?

            ・・・と聞かれたが


            決まってるでしょう!!!

            根性ですよ、根性。

            それ以外に何か?(コネも何もない・・・)


            でも、この日の公演を

            根性に加えて、ちょっとしたトリックを使い

            ボーナス・ポイントをふんだんに提供して

            ギャラリーとは言え、割に良い席を取ったのは

            ザハロヴァさまがキャストに載っていたからであって

            (いや、もう良い。以下省略。しつこいのは嫌われる)


            さて、この間の公演とほとんど同じキャストの公演。

            木本全優クンが怪我との事で降りている(心配)


            ギャラリーの席だから

            まずは音響が違う。


            貧乏人ご専用のロジェの3列目(立てば少し観える)は

            実は音響的には最悪(オペラもしかり)


            何か今までより、ずっとオーケストラの音が容赦なく響いて

            ついでに、オーケストラの些細なミスまで容赦なく聴こえてくる(爆)


            コンマスは今日はシュトイデさん。

            オデットのソロのバイオリンの出だしが

            たおやかで、いや、たおやか過ぎて弱々しくて繊細で

            これはザハロヴァさま仕様のソロか?!(まさか(笑))


            強いリュドミラの踊りとキャラクターに全く合わん!!!

            (謂れのない文句)


            ギャラリーで良く聴こえたせいかもしれないが

            意外にオーケストラのミスが多くて

            吹き損ねだの、音程が違ってるだの

            はぁ? という箇所がいくつかあったけれど

            (どうせイヤな客です)

            まぁ、普通に鑑賞している分には気にならない程度だろう、たぶん。

            私は時々、むちゃ気になったけど

            まぁ、オペラ座だから、そういう事もしばしばある(ホントです)


            リュドミラのオデット、いや、綺麗よ、とてもキレイ。

            だけど、やっぱりオデットのか弱いイメージと違う。


            若くて可愛いデニスを捕まえた、と

            そんなに嬉しそうな顔して踊っちゃいかんのだっ!!!

            (謂れのない文句)

            やっぱり、若い男を引っ掛けても

            「すみません、ごめんなさい、あ、いえ、ダメなんです」みたいな

            弱々しさとは言わないが

            多少なりとも悲劇の要素が出て来ないと

            オデットの哀しみは伝わって来ない。

            (いやでも、やっと救世主を見つけたと思ったら

             それが底なしのアホだった、というオデットも可哀相だが(笑))


            何か、自分を投影してるかワタシ?

            若い男を捕まえて夢中にさせたら楽しいだろうなぁ、とか

            いやいやいや、何を言い出す。


            芸術なんて、どこかで自分と関連づけて観ちゃうからね、ふん。


            だいたい、リアルじゃない、と言えば

            こんなにリアルじゃないアホな話もないワケだが

            それを言ったらバレエにならない。


            王子さまは最初から最後までアホだし

            息子を甘やかしてスポイルする母親とか

            自己憐憫に浸って

            自分を救ってくれる都合の良いオトコを探している姫とか

            登場人物、全員、共依存の患者みたいな作品だからな、うん。


            その中で異彩を放つのがオディールである。

            もっともこれも、親(ロットバルト)の威光を嵩に着て

            何かカンチガイしているお嬢としか思えないが(爆)


            いやいやいや、作品について書いてどうする(すみません)


            リュドミラのオディールは実に良い。

            あの華やかさが充分に活きる。

            でも、オデットと同じなので

            あんまり毒がない・・・が、それでも強くて美しい。


            見事な32回転は

            またドゥーブルが4回入って、余裕の美しさ。

            珍しい事に最後にほんの少し、軸のズレがあったけれど

            あれは、バレエ・ダンサーが舞台で見せる奇蹟だわ。


            でも、デニスのピルエットが良いの ♡

            以前は、飛び跳ねてる、可愛い坊や、という感じだったのに

            ピルエットの最後を、ゆっくりとテンポを落として

            じっくりと魅力的に見せる技を

            いったい何時、何処で身につけたんだ、あいつは。


            しかしまぁ、このアホらしい筋立てで

            それでも通ってしまうのは


            舞台がキレイ

            衣装もステキ

            ダンスは楽しい(特に2幕の各国のダンス♡)

            白鳥たちの群舞がため息モノで

            チャイコフスキーの音楽が、やっぱり素晴らしいから。


            そうそう、白鳥の湖の場面で

            ソロ・ダンサーたちが踊っている間

            身じろぎもせず、不自然なポーズのまま

            ずっと背景として立っている女性ダンサーたちもタイヘンだと思う。

            (で、ジッと立っていて、突然踊らなければいけないのだから

             ダンサーって大変な職業・・・・)


            舞台一杯に戯れる白鳥たちの動きを

            天井桟敷のギャラリーから観ると

            本当に素敵なの・・・♡


            負け惜しみじゃない(と思いたい)けれど

            やっぱり群舞って上から観た方が楽しいと思う。


            仕事の関係で行けないだろうと購入しなかった

            3月2日の白鳥では

            ロンドンのロイヤル・バレエのプリンシパル、マリアネラが出演予定。

            (ザハロヴァさまは結局キャンセルとなった)

            ・・・何で1回だけ、どうしても行かれない日にこういう事になるの?!


            でも人間、一生で何でも経験できる訳ではないし、と

            心の中で泣きながら諦めている私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。




            ところでご存知の通り、ウィーンのヌレエフ・バージョンは

            最後、オデットとジークフリートは永遠に引き裂かれるのだが

            あの後、ジークフリートはどうなったんでしょうね?

            意外に気の強いオディールと結婚して

            巧く行ったんじゃないか、とか思ってしまうんですが(爆笑)




            ロイヤル・コンセルトヘボー + マリス・ヤンソンス

            0

              Musikverein Großer Saal 2015年2月19日 19時30分〜21時40分


              Königliches Concertgebouworchester Amsterdam

              (Royal Concertgebouw Orchestra Amsterdam)

              指揮 Mariss Jansons


              Claude Debussy (1862-1918)

               Ibéria aus “Trois Images” für Orchester


              Manuel de Falla (1876-1946)

               Der Dreispitz Suite (zusammengestellt von Marriss Jansons)

                Introducción

                La tarde

                Danza de la Molinera (Fantango)

                Las uvas

                Danza de los vecinos (Seguidillas)

                Danza del Molinero (Farruca)

                Danza dinal (Jota)


              Jules Massenet (1842-1912)

               Scènes napolitaines, Orchestersuite Nr. 5


              Ottorino Respighi (1879-1936)

               Pini di Foma Symphonische Dichtung


              マリス・ヤンソンスとロイヤル・コンセルトヘボーの2日目。

              ぶっはっはっはっは

              何と言うプログラム構成!!!


              フランス人の異国情緒を バカに 満喫してから

              本国人の作品を聴こうって?!

              誰だ、こんなプログラム考えたのは(爆笑)


              ドビュッシーの「イベリア」

              透明感があって、美しい。

              昨日の席だったら、もっと綺麗に響いたのかもしれないが

              オーケストラの音が直接上がってくる席でも

              解像度が高く、ソロが巧く

              ドビュッシーのパステル色の背景に

              スペイン風の原色が乗って

              色彩感溢れて良い感じ。


              オーケストラ、巧いなぁ。

              ソロがあれだけ上手だと、作品が光る。


              本国人のマニュエル・デ・ファリャの「三角帽子」


              さすが本国のスペイン人というか(わっはっは、だから悪趣味だわ、これ)

              ファンダンゴやファルカのダンスのリズムが

              活き活きと演奏されて

              これも楽しい。


              三角帽子のチャーミングなダンスだけを抽出して

              リズム感溢れて、やっぱりスペイン本国って良いわ ♡


              休憩の後

              ジュール・マスネの組曲、ナポリの風景。


              ・・・・・あれ?!


              まぁ、マスネだから(って失礼だけど)

              ロマンティックで、甘いメロディで

              曲調が単純で

              ナポリっぽいメロディをたくさん使って


              何だこれ、むちゃくちゃ退屈・・・


              一緒に来た知り合い曰く

              大編成のヘタクソなオーケストレーションのロッシーニ

              と感想をボソッと漏らしていたが


              私はこれ聴きながら

              あぁ、そう言えば

              来年のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートって

              マリス・ヤンソンスが指揮なんだよなぁ

              ・・・と、ついつい考えてしまう。


              こういうライトな音楽も僕は得意なんです、というのを

              ウィーンの聴衆にちゃんと見せておきたいってか?(妄想)


              いや、そんな事しなくても

              ニューイヤー・コンサートのチケットは最初から売り切れだし

              第一、ウィーンの人は誰も行きませんから(笑)


              しかも、オーケストラも、何だか緩い。

              これ、昨日と同じオーケストラ?

              いや、前半と後半で違うオーケストラに化けたんじゃないの?


              失礼な事を言っているのは重々承知してます、はい。


              でも、大味なのである。

              何か、雑だし、力任せだし

              そりゃ、楽しい音楽だから

              聴衆は終わったとたんにブラボーで乗っているけれど


              ワタシ、こういう音楽、かなり苦手なんです、ごめんなさい。


              続いて本国イタリア人のレスピーギ「ローマの松」


              ううう、マスネの演奏のすぐ後だからかもしれないが

              これも、ちょっと、何か、雑・・・というか大味。


              それともリハーサル不足か

              オーケストラも指揮者も

              まぁ、これスタンダードな曲だしな、とリラックスして演奏しているのか


              いや、オーケストラのうねりとか

              時々聴こえる美しい音響とかはあるけれど

              どうも全体的に異様に大袈裟な表現が多い。

              (イタリアだからそれで良いのかもしれないが)


              だいたい、最初のボルゲーゼから

              力一杯演奏しちゃえ、大音響出しちゃえ、そら見たか

              良く言えば気合いの入った演奏だが

              力任せで押し切っちゃおう、という感じが否めない。


              カタコンバは低音が深いけれど

              あんまりニュアンスがなくて、何かな、う〜ん。


              ジャニコロの松は繊細に演奏はしていたけれど

              最後のナイチンゲールの辺りで

              結構な数の咳が聞こえてきたのは、ちょっと残念。


              が、最後のアッピア街道で

              いや、良いんですよ、きっとそれが正しい。

              だけど、あんなに大音響で

              力一杯、力だけで楽友協会で演奏したら

              音楽というよりは

              暴力的な音の団子になってしまう。


              トランペットが平土間の脇から出て来て

              ファンファーレ吹いてたけど


              あれが立体的に聴こえる(はずな)のは

              平土間のほんの一握りの聴衆だけで


              だいたい、舞台上のオーケストラが

              大音響でガンガンガンガン演奏している時に

              両脇から弱音器をつけたトランペットが吹いても

              何にも聴こえてきません。


              全体が音の洪水と化してしまい

              音楽も何もあったもんじゃない。

              ただの音響だよ、これ。キミはクセナキスか?(すみません)


              ちょっと耳が痛くなる位の大音響で

              ががががが〜ん、と盛り上げたので

              マスネで盛り上がった聴衆は熱狂する。


              こっちはちょっとシラケているが(すみません、好みの問題で)


              アンコールするかな、と思ったら1曲演奏した。


              が・・・・


              みなさん、何を演奏したと思います???


              よりによって

              カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲(涙)


              いや、タイスの瞑想曲でないだけ、良かったのかもしれないが

              (失礼な事を書いているのは承知の上です)


              何で、ここで

              ロイヤル・コンセルトヘボーとヤンソンスで

              ムード音楽を聴く羽目になっちゃうのよ!!!


              いや、好みです、好み。


              失礼な事を言っているのは承知しているが

              敢えてそれでも言わせてもらえば

              割に緩んだオーケストラで

              観光客向けのライト・クラシックを聴くために

              私は楽友協会のチケットを買ったワケではない。

              (本当に失礼でごめんなさい)


              ローマの松だって

              もう少し、オーケストラを締めて

              (締まっているところはあったけれど

               一部が緩んでダラダラしていた印象が強い)

              昨日のマーラーのように

              もっと繊細な、力に頼らない音響の美しさを追求してくれても良かったんだけど。


              でも、まぁ、昨日のマーラーは良かったし

              前半のドビュッシーとファリャはかなり良い感じだったので

              後は個人の好み、という事で、お許しあれ。

              熱狂してブラボーを叫び続けていたオジサンたちも居た訳だし(笑)


              同じオーケストラで

              同じ指揮者で

              こうも違うコンサートを聴けるというのも

              ナマの音楽の楽しみかも・・・・と

              無理やり納得している私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              ロイヤル・コンセルトヘボー + マリス・ヤンソンス

              0

                Musikverein Großer Saal 2015年2月18日 19時30分〜21時40分


                Königliches Concertgebouworchester Amsterdam

                (Royal Concertgebouw Orchestra Amsterdam)

                指揮 Mariss Jansons

                ソプラノ Dorothea Röschmann


                Richard Strauss (1864-1949)

                 Der Bürger als Edelmann Suite, op. 60/IIIa, AV 38

                Gustav Mahler (1860-1911)

                 Symphonie Nr. 4 G-Dur


                ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団と

                マリス・ヤンソンスの客演で、2日続きのコンサート。

                何故か、このプログラムだけ

                何週間も前から、しっかり売り切れ。


                実は会員発売が始まったその日のその時間に入ったのだが

                オルガン・バルコンのそれなりの席は空いておらず

                え〜い、ソプラノ入るし

                たまには、ちょっと贅沢してしまえ、と

                バルコン・ロジェの2列目の、舞台から一番離れた席を購入。


                まぁ、高いとは言っても50ユーロはしないのだが

                でも、それでも、それでも、高いです、私には。

                こういう贅沢に染まってしまったら、かなりヤバイ状態になりそう(汗)


                さて、この席、舞台は見えないけれど

                (椅子をずらすと半分くらいはかろうじて見える)

                舞台の上がえらい事になってるぞ・・・


                売り切れコンサート、というので

                楽友協会は、舞台の上にもポディウム席を作ったようで

                そりゃ楽友協会の商売っ気だから良いのだが

                マーラーのあの大編成で

                舞台の後ろに更にぎっしりと観客が並んでいると言うのは

                ある意味、壮観である(笑)


                オーケストラの皆さま、お疲れさまです。

                ウィーンの過酷な労働条件に呆れられたかも。


                最初は渋く

                リヒャルト・シュトラウスの「町人貴族」

                これ、ほとんどナマでは演奏されない曲だよね?


                編成は(この曲は) 小さい。


                出てくる響きの美しさと透明感に心を奪われる。


                うはははは、アリアドネだ・・・

                (同じメロディ出てくるし)

                リュリのメロディとか言ってるけれど

                途中のメロディ、ハイドンの「時計」交響曲にソックリだし

                とことん室内楽的、モーツァルト的、リュリ的でハイドン的なのに

                突然、リヒャルト・シュトラウス節が入るところなどは

                この間の、バレエ音楽 いにしえの祭りと通じるところはあるが


                この曲、何か聴いていると

                情景が浮かんできて、ものすごくコミカルなんですが。


                たぶん、いつもの席じゃない、というのはあるだろうが

                舞台から離れた上の方の席なので

                音楽の響き方が、丸みを帯びて芳醇で

                豊かなのに、透明感があって


                うおおおお、これ、オーケストラが良いのか

                楽友協会の音響が良いのか判断できないけれど

                さすが優等生オーケストラのコンセルトヘボーだ。


                ワタクシ的にメインにしていたのは

                後半のマーラーの交響曲4番。


                さすがに売り切れのコンサートで

                しかも(ちょっとだけ)高い席だったので

                何か楽友協会だからコンサート行ってみようかな、という

                カメラを持った観光客は一人もいない。


                周囲、みんな、それなりのクラシック・オタクに見える。

                (違うかもしれない)

                咳とか、椅子に立てかけた杖が倒れるとか

                寝落ちして手に持ったプログラムが床に落ちるとか

                まぁ、普通にある雑音は仕方ないとしても


                退屈してスマホ見ていたり

                スマホで会場の写真撮ったりしている人はいない。わ〜い。


                舞台狭しと並んだ大編成オーケストラ。

                おとぎ話のような第1楽章。


                うううううっ

                何だ、この実に繊細に構築された音響は・・・


                あまり目立つような大袈裟な表現はなくて

                タメもほとんどなく

                音楽の適正なテンポに乗って、流しているような感じ。

                (最初のあの、指揮者によってはタメタメするところも

                 あっさり流した)


                あっさりしているのに

                細かい部分での音響が、もう、信じられない美しさ。

                何これ、何これ、何これ???と

                あまりの美しさに呆気に取られているうちに

                あっさりと第1楽章が終わってしまう。


                薄気味悪さとか

                マーラーっぽい矛盾とか、諧謔性とか

                すごく皮肉な感じのブラック・ユーモアとかが

                完全に欠けていて


                ただただ、徹底的に音響の美しさに拘ったマーラー・・・

                こちらも絶句する。でも、そのあまりの素晴らしさに圧倒される。


                第2楽章はさすがに多少の諧謔とブラック・ユーモアも加えたけれど

                パートごとのクリアさが抜群で

                あんな楽章なのに透明感に満ちていて、不思議な響きがする。


                しかも、あの大編成で

                第1楽章も第2楽章も

                フォルティッシモが爆発しない。

                (席が舞台から離れているせいかもしれない)

                爆発せず、フォルティッシモなのだけれど

                限りなくピアニッシモに聴こえてくる不思議。


                で、音響に拘った第3楽章って

                どの位、緊張を強いられる事やら(苦笑)

                あれこそ、彼岸の世界だ。

                舞台からこの世とは思えない透明な奇蹟が漂ってきて

                客席を埋め尽くす。

                美しい、ともかく美しい。美し過ぎる。


                テンポの揺れもあるのだが

                それをヤンソンスって、また、ものすごく自然にやるので

                (全体的にはゆっくり目のテンポで音響に拘っていたとは言え)

                アゴーギクが全く耳につかない。


                ほんの少しの弦の不安定感とグリッサンドが

                もう信じられない程、美しいって、普通じゃないわ・・・


                ああ、もう、涙出てくるじゃん。

                どうしてくれよう、コンセルトヘボーとヤンソンス。


                最終楽章でソプラノを歌う筈だった

                ゲニア・キューマイヤーが病気のためキャンセルになって

                ドロテア・レッシュマンが代役。


                う〜〜っ・・・

                いや、レッシュマン、美声です。よく通るし(席も良かったし)

                でも、でも、でも

                ドイツ語が不明瞭なのは、みんなそうだから何も言わないが

                何であんなに伸ばす音のところで

                突然、フォルテにしたりするんですか?!


                今まで徹底的に音響に拘っていたオーケストラに

                突然、何か異様な異物が入って来て

                バランスをかき乱してる(涙)


                それまでの透明感が

                ソプラノが入ったとたんに

                ネットリのムチムチの厚ぼったい音になってしまって


                これ、ヤンソンスが目指した音じゃないよね?(妄想)


                あれだけ天上の響きを聴かせてくれていたのに

                何かなぁ、どうも納得いかん!!!

                それでも最後は、やっと声を抑えてくれて

                何とか聴けるようにはなったのだが

                すみません、私の耳にはミスマッチにしか響いて来ませんでした。


                マーラー好きはマゾっ気がある、というのは私の確信だが

                このマーラー、マゾっ気もサドっ気も一切ない。


                あるのは、限りなく美しい音響だけ。


                だけ、とか言ってしまったが

                徹底的に磨き抜かれて計算された音響で演奏されるマーラーが

                こんなに痛みから開放されて

                矛盾や、この世の苦しみとかからも開放されて

                ただもう、限りなく美しく響くなんて

                私は、今まで思ってもみなかった。


                ある意味、ものすごくショックなコンサートで(良い意味で)

                集中して聴いていたら、ぐったり疲れてしまい

                残業止めて、さっさと帰宅した怠け者の私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                あれだけ音響に拘るヤンソンスが

                明日のプログラムで何をしてくれるか

                実は今からワクワクしている、ふっふっふ。



                白鳥の湖 今シーズン1回目

                0

                  Wiener Staatsballet 2015年2月17日 19時〜22時


                  SCHWANENSEE

                  Ballett in vier Akten

                  振付 Rudolf Nurejew nach Marius Petipa und Lew Iwanow

                  音楽 Peter Ilitsch Tschaikowski

                  舞台・衣装 Luisa Spinatelli

                  照明 Marion Hewlett

                  指揮 Alexander Ingram


                  ジークフリート Denys Cherevychko

                  オデット・オディール Liudmila Konovalova

                  女王、ジークフリートの母 Alena Konovalova *

                  ロットバルト Eno Peci

                  ジークフリートの侍従たち Alice Firenze, Natascha Mair

                                     Masayu Kimoto, Richard Szabó

                  大きな白鳥 Gala Jovanovic, Oxana Kiyanenko, Laura Nistor, Prisca Zeisel

                  小さな白鳥 Maria Alati, Ioanna Avraam, Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto

                  ナポリのダンス Kiyoka Hashimoto, Richard Szabó

                  ポーランドのダンス Ioanna Avraam, Masayu Kimoto

                  ハンガリーのダンス Alice Firenze, Greig Matthews

                  貴族の令嬢たち Maria Alati, Elena Bottaro *, Eszter Ledán, Natascha Mair

                                     Anna Shepelyeva, Nina Tonoli

                  ジークフリートの教育係 Christoph Wenzel

                  侍従長 Gabor Oberegger


                  定番「白鳥の湖」のシーズンが来た ♡

                  さすがに全公演は追いかけられないが(笑)

                  ・・・仕事忙しいし(って言い訳にはならん(爆))


                  今シーズン最初のキャストはリュドミラとデニス。

                  デニスは最初はジャンプ・インで入ったが

                  堂々たる王子様(しかもちょっと可愛い)でチャーミング。

                  技術的にはバッチリなので

                  ジャンプもピルエットも微動だにせず

                  素晴らしいダンスを踊ってくれる。


                  が、この演目の主人公は

                  アホなジークフリート王子ではない(断言)


                  オデットとオディールである ♡


                  リュドミラは巧い。

                  技術的には全く問題ないし

                  じっくりとポーズを決めてくれて

                  ポワントのアラベスクなんか

                  何秒自立してるんだ、このダンサー?!という

                  実に素晴らしいダンサーなのである。


                  第一幕目のオデットの登場から

                  ジークフリートとのパ・ド・ドゥは


                  実にじっくり、ねっとりした白鳥っぽい優雅なダンスで

                  最初から我々を魅了してくれた。


                  が・・・

                  華があるダンサーだけに

                  華があり過ぎて

                  か弱くて、儚くて、不幸なオデット姫と言うキャラクターには

                  ちょっと無理がある(う〜ん)


                  脚は細いし、よく上がるし美しいけれど

                  上半身がガッチリ型というか

                  (いや、それでも普通の人に比べたら、ずっと細い)

                  肩から上腕あたりの筋肉が

                  モリモリで実に美しく

                  モダンだったら全然問題ないのだけれど

                  (で、筋肉隆々の腕で見せてくれるポードブラは

                   しなやかで、とても美しいのだが)

                  オデットと言う役には

                  ちょっと違う・・・かもしれない(悩)


                  リュドミラと並ぶと

                  デニスが子供に見えちゃうし。

                  (まぁ、ジークフリートはアホ王子だし

                   シショフが中年オヤジのアダルト・チルドレンに見えるよりは

                   デニスのキュートなアホ王子の方が魅力的)


                  ただ、リュドミラはオディールは巧い。

                  役柄もピッタリ合ってるし

                  彼女の身体の持っている強さが最高に発揮される。


                  でもね

                  リュドミラ、オデットとオディールが

                  どう見ても、同一人物にしか見えないんだけど(涙)


                  オデットの表情とオディールの表情が一緒だし

                  (オデットの方が多少、お悩み中という感じはするが

                   あんまり薄幸の人物には見えないのよ)

                  オディールの魅惑的表情、と言うには

                  ちょっと中途半端だし。


                  もっとサドっ気出した方が

                  オディールらしいですよ?!(余計なお世話)

                  ただ、アホ王子を誘惑するだけじゃダメなんだってば!!!


                  しかしまぁ

                  デニスと見事なパ・ド・ドゥ。

                  デニス、小柄なのに

                  今日は、エッコラショという感じは全く見せず

                  リュドミラをリフトしていたし。


                  リフトから戻す時に

                  ものすごく注意していたのは

                  傍から見てもよくわかったけど(笑)


                  演目のハイライト32回転も

                  ドゥーブルを数回(たぶん4回!)入れて

                  余裕綽々で、見事に決めて


                  それに続くデニスの回転も

                  実に見事で華やかで


                  ああ、やっぱりカッコいいです、この演目 ♡


                  最終幕はもう観なくても良いかなぁ、とは思ったけれど

                  (だってまたオデットだし・・・)

                  いや、残って良かった。


                  コールドが見事で・・・

                  と思ったら、コールドの中に橋本清香嬢が入ってるし

                  (先頭はプリスカだった)

                  ソロダンサーたちが、気配を消して

                  コールドの中で

                  しっかり周囲とバランスを保ちながら踊ってる。


                  よほどバレエ・ダンサー不足?(いや、あの、その・・・)


                  久し振りの鑑賞だから

                  忘れてるかな、と思っていたけれど

                  さすがに、何シーズンも追いかけているから

                  音楽もちゃんと次に何が来るかわかるし

                  バレエも次に何やるかわかるし


                  そういう「わかっている」演目の方が

                  実は楽しかったりするのは

                  私がアホのように保守的だからかもしれない。

                  (コミックだって好きな物は暗記するまで

                   何百回も読んじゃうシツコイ人間だから)


                  今シーズンの白鳥の湖は

                  どの公演もすべてチケットは売り切れで


                  知り合いから

                  どうやって入手した?と聞かれたけれど

                  ちゃんと2ヶ月前の一般発売日のピッタリ9時に

                  すかさずインターネット入って

                  迷わずこれ、というチケットを即決で買ってます(笑)


                  今週の金曜日に2回目の公演。

                  もともと、ザハロヴァさまが出演という事で

                  これだけは贅沢して

                  高めのチケットを押さえたのに


                  ザハロヴァさま、お怪我でキャンセル(号泣)

                  キャストは本日と同じリュドミラとデニス・・・


                  え〜い、リュドミラのために

                  こんな散財したんじゃないわい、とか怒ると

                  リュドミラには失礼なのだが(ごめんなさい)


                  オルガはどうした!!!

                  ルグリ監督、何処にオルガを隠してる???


                  だって今シーズンの「白鳥の湖」

                  ザハロヴァさまの出る3月2日の公演以外は

                  (でワタシはさすがに3月2日は仕事で行けないのである!!!

                   いや、チケット入手しても良かったんだが

                   たぶん、99%、仕事で行けないだろうと予想されるのだ)

                  リュドミラとニーナ(ポラコヴァ)がキャストになっているんだもん。


                  この演目こそ、オルガの十八番の筈なのだが。

                  でなければ

                  イリーナに踊らせろ!


                  イリーナがオデット・オディールを踊らないのは

                  32回転が出来ないからだ、というウワサがあるが

                  腐ってもプリンシパルなんだから

                  頑張って32回転を練習してもらって

                  イリーナのオデットを観たい!!!

                  (イメージから言えば、かなり合うと思うの)


                  ド・シロートのくせに

                  ついつい、ダンサーのキャスティングにも

                  物を言いたくなってしまうワタクシに

                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  あっ、音楽について書くのを忘れた(失礼)

                  久し振りとは思えないほど、オーケストラはまとまっていた。

                  (途中、ほんの少しのズレは出たが)

                  コンサート・マスターはホーネックさん。

                  フルートのソロが良かったです ♡

                  オーボエのソロ、最初、音が出てなくて、はて?と思ったけれど

                  その後のソロは素敵でした。



                  フォルクス・オーパー 「輪舞」7回目

                  0

                    日曜日のトリプル・ラウンドです。

                    これが最後の記事。


                    時系列に読みたい方は

                    午前中のウィーン放送交響楽団は ここ

                    午後のトーンキュンストラーは ここ


                    Volksoper 2015年2月15日 19時〜21時


                    Ein Reigen

                    Ballett in zwei Akten von Antony McDonald und Ashley Page

                    コンセプト Antony McDonald und Ashley Page

                    振付 Ashley Page

                    舞台と衣装 Antony McDonald

                    照明 Peter Mumford

                    指揮 Gerrit Prießnitz


                    アルトゥール・シュニッツラー/死 : Robert Gabdullin

                    ジークムント・フロイト : Kamil Pavelka

                    グスタフ・マーラー : Eno Peci

                    アルマ・マーラー : Irina Tsymbal *

                    オスカー・ココシュカ : Kirill Kourlaev

                    ミッツィ : Alice Firenze

                    ペーター・アルテンブルク : András Lukács

                    アルノルト・シェーンベルク : Roman Lazik

                    マチルデ・シェーンベルク : Nina Poláková

                    リヒャルト・ゲルステル : Greig Matthews

                    エゴン・シーレ : Richard Szabó

                    ヴァリー・ノイツィル : Maria Alati

                    ベルタ・ツッカーカンドル : Alena Klochkova

                    マダム・ドーラ : Ioanna Avraam

                    グスタフ・クリムト : Christoph Wenzel

                    エミール・フレーゲ : Eszter Ledán

                    アレクサンダー・ツェムリンスキー : Alexis Forabosco


                    音楽(順不同)

                    Gustav Mahler : III. Sinfonie, 1. Satz

                    Erich Wolfgang Korngold : Baby-Semenade op. 24

                    Alban Berg : Lulu Suite

                        Drei Orchesterstücke op. 6

                    Alexander Zemlinsky : Ein Tanzpoem

                                       Sinfonietta op. 23

                    Béla Fischer : Crazy Waltz

                    Arnold Schönberg : Fünf Orchesterstücke op. 16

                    Maurice Ravel :  La Valse


                    とうとう7回目のフォルクス・オーパーの「輪舞」

                    こんな観客、ワタシしかいないと思う(汗)


                    どのカテゴリーでも20ユーロ大サービスの特権で

                    平土間のど真ん中の2列目(さすがに1列目は空いていなかった)で

                    前の若い女性の座高が割に高くて

                    その高い頭の向こうに

                    指揮者の手が時々振り上げられるという場所で


                    いつもは10倍のオペラ・グラス、いや望遠鏡で観る舞台が

                    すぐそこにあって

                    ああ、エノがキリルがローベルトがローマンが・・・と

                    心の中で大騒ぎしていた私を笑って下さい。


                    オペラ・グラスはもちろん使わず

                    (というよりあの距離で10倍だと

                     ダンサーの顔の肌しか見えない(爆))

                    すぐそこに繰り広げられるラブシーンをじっくり拝見。


                    音楽も、さすがに7回目だから(笑)

                    だいたい頭の中に入っているし

                    (例外 シェーンベルクやベルクの12音音楽。

                     これはどうやっても暗譜できない)


                    最初の市内に行き交う登場人物の動きの中にも

                    これから繰り広げられるシーンの前触れがちゃんと入っていて

                    ああ、そうか、と納得できるマイムが多い。


                    こういうのは何回も観た末に発見できる事だから

                    やっぱり何回も観て正解だったのだ(無理やり納得)


                    今回嬉しかったのは

                    やっと、アルマ・マーラー役でイリーナが踊った事。


                    ケテヴァンも良かったけれど

                    ケテヴァンだとちょっと個性が強烈過ぎて

                    姉さん女房みたいなイメージになってしまうのだが


                    イリーナだって姉さん女房の歳なのかもしれないが

                    いや、ホントにたおやかで美しくて

                    魔性の女で、柔らかくて流されそうで

                    男の目を引くって、ああいう女性を言うんだろうなぁ。


                    ちょっと残念なのは

                    アルマ・マーラーの衣装が

                    ソフト・ピンクで、何とも清純そうというか

                    世紀末の芸術家を全部喰う女としては

                    やっぱり、あの清純そうな衣装はないよね。

                    もうちょっと強い個性の衣装にして欲しかった。


                    衣装と言えば

                    この演目の出てくる衣装は、全部ステキなのだが

                    ツッカーカンドル役のアレーナ、やっぱりキレイ ♡


                    背が高くて、あの衣装を着て

                    活き活きと踊られると、脇役ながら、とても魅力的。


                    エノ(というかグスタフ・マーラー)を最初に誘惑するのが

                    ツッカーカンドル役のアレーナなのだが

                    アレーナの方が自立的で魅力的だよ、おい(すみません)


                    メガネ男子に燃える私のハートを一直線に射す

                    エノのメガネ顔 ♡♡♡


                    イリーナとのパ・ド・ドゥが、またこれ良くて

                    まったく、あの難度の高いリフトの連続技を

                    さりげなくやってしまうのが、やっぱりスゴイ。


                    イリーナ、綺麗・・・(ため息)

                    あのダンサーが半眼でうっとりした表情をした時の

                    色っぽさというのは、半端じゃないので

                    女性でもドキッとする。


                    キリルの鋭いココシュカのダンスと

                    イリーナとの絡み(これはココシュカが拒否される)


                    キリルが時々ニヤッとすると

                    何ともまぁ、サドっ気が周囲にムンムンと漂うのは

                    (本人はサドではないと思う)

                    貴重な個性だわ。

                    いわゆる「危ない男」を演じさせたら最高。


                    ローベルトとカミル(シュニッツラーとフロイト)の

                    男性2名のデュエットの迫力も

                    近くで観ると、ますます凄い迫力。


                    後半のローマン(シェーンベルク)

                    やっとヒゲ剃ってくれた(ほっ)

                    やっぱり妻に裏切られるシェーンベルクの情けなさには

                    ヒゲがないローマンの柔らかい顔が似合う。


                    ローマンとニーナ(シェーンベルクと妻のマチルデ)のデュエットは

                    これまた、考えられないリフトと回転技の連続で

                    お話になっているから

                    ついつい筋の中で感情と直結して観て

                    その凄さはあまり意識に上らないけれど

                    やっぱり、プリンシパル2人が踊ると

                    むちゃ迫力である。

                    ニーナも巧いし

                    ボロボロになる演技の巧いローマンの確かな技術が活きる。


                    後半の見どころのエゴン・シーレとヴァリー・ノイツィルのシーン。

                    今回のシーレ役はリッチーが踊っている。


                    ミハイルとリッチーって

                    よく同じ役を踊らされるのだが

                    持ち味が違うからなぁ。


                    ミハイルの群を抜く個性に比べると

                    リッチーはジャンプ力は凄いのだが

                    いま一つ、若々し過ぎるという印象は否めない。


                    でも、マリア(アラティ)との組み合わせは

                    身体のバランスから言うと、かなり合ってる。


                    アリーチェのダンスも巧かったし

                    (アリーチェは何を踊らせても巧いしキュート)

                    コールドの中には

                    スーパー・キュートなナターシャも居て

                    一昔前のお手伝いさん衣装を着ると、キュートさ爆発。


                    乱交(に近い)パーティの時に

                    男性用燕尾服で長い脚が魅力的だったガラも素敵。


                    今日のキャストは本日が最後で

                    次の22日は若手公演になる・・・・と思っていたら


                    エノとイリーナ、また踊るんかいっ!!!


                    ローベルトの代わりにアンドレイが(これはハマるかも)

                    キリルとアリーチェ、エノとイリーナが持ち越しで

                    ゲアストル役をダヴィデが踊るし

                    ミハイルがエゴン・シーレ、お相手がマリアとは・・・(悩)


                    ウィーン交響楽団のチケットを持っているから

                    22日は行けないのだが

                    う〜ん、う〜ん、う〜ん(真剣に悩み中)


                    悩みの尽きない私に(何だそれ)

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                    トーンキュンストラー + キタエンコ 2回目

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                      これが、午後の第二弾の記事。

                      最初から時系列で読みたい方は、まず こちら からどうぞ。


                      Musikverein Großer Saal 2015年2月15日 15時30分〜17時40分


                      Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                      指揮 Dimitrij Kitajenko

                      ピアノ Yeol Eum Son


                      Pjotr Ilijtsch Tschaikowski (1840-1893)

                       Zwei Sätze aus dem Ballett “Dornröschen” op. 66 (1888/89)

                        (Bearbeitung Igor Strawinski)

                        Variation de la Fée de Lilas, Entr’acte

                      Sergej Rachmaninow (1893-1943)

                       Konzert für Klavier und Orchester Nr. 2 c-Moll op. 18 (1900/01)

                      Pjotr Iljitsch Tschaikowski

                       Symphonie Nr. 4 f-Moll, op. 36 (1877/78)


                      日曜日のトリプル・ヘッダーの2回目。

                      会場は同じ楽友協会。

                      座る場所は違うが

                      一番安いカテゴリーの席なのは同じ(笑)


                      キタエンコの指揮振りは

                      じっくり金曜日に拝見したので

                      今度は音楽だけに集中して

                      この間と感じ方が変わるかどうか

                      自分ながら興味津々(お〜い、そんな事でどうする?!)


                      最初のチャイコフスキーの「眠りの森の美女」

                      う〜ん、トーンキュンストラーの弦が明るい。

                      とてものびのびと爽やかな澄んだ音が出てくる。


                      ラフマニノフのピアノ協奏曲2番。

                      席が違うせいか

                      金曜日は響かなかったピアノの音が

                      かなり重量級に響いてくる。


                      あぁ、これか。これだけ力強ければ

                      オーケストラを目一杯鳴らしても大丈夫かも。


                      で鳴ります、オーケストラ目一杯。

                      今日の席だと、ピアノは聴こえてくる。


                      が・・・


                      退屈、というより

                      何ですかこれ、と

                      途中で吹き出しそうになる位


                      ゆっくりな部分はとことんゆっくり

                      速い部分はとことん速く


                      いや、それが本当は正しいのかもしれないが

                      楽章の間で

                      突然テンポが緩んで

                      映画音楽かそれは、という

                      メロメロの、しかも音符の長さが全部違うという

                      気色悪い演奏になったかと思うと


                      突然速くなって、叩き付けるような

                      乱暴なオーケストラの音が飛び散る有り様。


                      だから金曜日に書いた通り

                      それが、コンクール審査員が尊重する「音楽性」なのだろう、きっと。


                      そりゃ、同じ曲を

                      技術的にほとんど差がない完璧なピアニストたちが弾くのだから

                      何か他の人と変わった事をやらないと

                      上位入賞は無理なので

                      表現が、どんどん大袈裟になって

                      どんどん変わった解釈になっていく、というのは

                      仕方のない事かもしれない。


                      けど、それを普通のコンサートでしなくてもよろしい(断言)


                      だって、アンコールの小品は

                      さらっとキュートに弾いて、とてもチャーミングだったのだ。


                      あの、ベッタリした奇妙なラフマニノフは何だったんだ?と思える位。


                      きっとこのピアニスト

                      他に、もっと合う曲があると思うし

                      これからコンサート生活をして行くにあたって

                      コンクールの審査員の目にとまるような奇妙な表現ではなく

                      聴衆に感動をもたらすような

                      自分の解釈というものを身につけて行く・・・かもしれない。


                      それが出来なきゃ、ある程度の年齢になったらアウトですもん。

                      技術的に高いピアニストなんて、このご時世、山ほど居るし。


                      さて、奇妙なラフマニノフの後の

                      チャイコフスキーの交響曲4番。


                      わっはっはっはっは


                      これはもう言う事がない。


                      テンポ、音響、強さに優しさ、柔らかさに激しさが

                      これしかないだろ、というところで

                      バッチリ決まっていて


                      ノリノリになり過ぎた最終楽章で

                      金管が多少音割れしても(力入れ過ぎ(笑))

                      全く気にならない。


                      すごい爽快感!!!

                      気持ち良いこと、この上なく

                      演奏聴いた後のスッキリ感の素晴らしさ。


                      だから、これ、名曲なんだってば。

                      ヘンに弄くるよりも、こうやって

                      エネルギーに満ちて

                      指揮者とオーケストラが一弾になって

                      力一杯突っ走れば

                      こんなに気持ちが良いのだよ。


                      トーンキュンストラーの

                      こういう気取らない、真摯で真面目で

                      でも、ちゃんと楽しんでいるような演奏って

                      他のオーケストラにはない魅力だなぁ、と

                      つくづく思う私に

                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      で、その後、第三弾目に行きます(笑)


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