Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年1月30日 19時30分〜21時30分
Wiener Symphoniker
指揮 Jukka-Pekka Saraste
フルート Marina Piccinini
Jean Sibelius (1865-1957)
Pelleas und Melisande op. 46 (1905)
Am Burgtor - Inermezzo - Mélisandes Tod
Carl Nielsen (1865-1931)
Flötenkonzert FS 119 (1926)
Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
Symphonie Nr. 4 f-moll, op. 36 (1877)
1月24日はマチネだったので
オーケストラもみんな背広にネクタイ。
本日は夜の公演なので
オーケストラ・メンバーは燕尾服に白の蝶ネクタイ。
指揮者のサラステは普通の背広の長さの上着だが
中にはちゃんとチョッキを着て
蝶ネクタイしている。
・・・いや、別に衣装を観に来たワケではないぞ。
シベリウスは
ホルン2本、ファゴット2本、クラリネット2本と
フルート1本にオーボエ1本だった。
音の厚みはあるけれど
シベリウスにしては親しみ易いメロディ。
いや、しかし
この間、最後列で聴いた時と音が違う。
チクルスは、もっと前の方なのだが
(一番安いカテゴリーはチクルスでは出してくれないのだ)
最後の列は壁に音が打ち当たって返る分があるのか
真ん中より音が大きく聴こえる・・・という事は
本日、ギャラリーの真ん中辺って
15列目よりも音の響きがデッドなのだ。う〜ん・・・
最後の列よりも、もう少しスッキリした響き。
耳も痛くならないし
音が濁らず透明に響く。
ニールセンは、やっぱりカッコいい(語彙不足)
ソロのフルーティストは
マチネの時には赤いロング・ドレスだったが
今日の夜は黒いラメのキラキラのドレス。
スタイル良い人は何着ても似合うわ ♡
それに、フルートの音が澄んでいて
ウィーン交響楽団の木管名人との絡み合いが
もう、何とも言えずワクワクする。
だって、ウィーン交響楽団の
めちゃウマのファゴット首席も
大名人のクラリネット首席も
ソロのフルートに全然負けてないんだもん。
ちょっと一歩引いて
美人のソリストを盛り上げてやろう、なんて
微塵も考えてないね、あれは(妄想)
それより、超絶技巧のフルーティストと
一対一でタイマン張ってやる、という意気込みが見えて
これは好感。
美人フルーティストも
おお、タイマン張るなら、こっちも容赦しないよって感じで
丁々発止の掛け合いの見事さ(妄想です)
う〜ん、こういうのが協奏曲の醍醐味だよね。
本日はアンコールが1曲。
オーケストラも一緒に
あれはメロディから言うとシベリウスなのかなぁ。
ニールセンじゃないと思う。
もっと伝統的でフォークロア的で素朴な味わいの曲だが
フルートのメロディが
もう、あの人間の息づかいが
(もちろん粗い息づかいは聴こえません)
そのままフルートという楽器を通して
美声で歌いに歌う感じで、背中がゾクゾクした。
これだけ音響がデッドで透明なら
チャイコフスキーの4番も
もっとバランス良く聴こえるかも・・・・と思ったら
大正解 ♡
最初のホルンのアンサンブルが
この間はヘンな倍音が出て濁っていたのが
今日は、しっかりと澄んだアンサンブルでキマった。
(ウィーン・フィルの時も
一回目のコンサートの時は濁りがあったのに
次の時は、その濁りが消えたという不思議な現象があって
あれはナニかね、ホルンが最初のコンサートの時に
意気込みが過ぎちゃうというか
張り切り過ぎちゃうんですか? シロウトだからよくわからんが)
ゆったりとしたリズムで
大きなボーゲンで、音楽的な切れ目を感じさせず
歌うチャイコフスキー。
第2楽章のファゴットのソロ。
うわうわうわうわ
素晴らしいです。
哀愁に満ちて澄んだ深い音で
でも感傷に陥らない、程よい距離感が心地良い。
サラステ、かなり指揮の動きは大きいし
熱情的に振ってはいるのだけれど
出てくる音楽を聴いていると
意外と職人に徹している人じゃないかな、という印象。
いやいや、批判でも何でもない。
その行き方は、それはそれで正しいし
ああいうプロに徹した音楽、私は好きだ。
でも、最終楽章は
指揮者がノって来て、かなりオーケストラを煽ったのに
オーケストラのメンバーが、またノリノリで
がっつり喰らい付いて
半分ヤケクソみたいに弾けていたのも面白かった。
同じオーケストラで
同じ指揮者で
同じプログラムで
同じ会場でも
音楽というのは本当にその一瞬だけのもので
全く同じものは一つとしてない
・・・というのは、何とも贅沢な芸術だなぁ、と
心から思ってしまった私に
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