ウィーン交響楽団 + サラステ 2回目

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年1月30日 19時30分〜21時30分


    Wiener Symphoniker

    指揮 Jukka-Pekka Saraste

    フルート Marina Piccinini


    Jean Sibelius (1865-1957)

     Pelleas und Melisande op. 46 (1905)

        Am Burgtor - Inermezzo - Mélisandes Tod

    Carl Nielsen (1865-1931)

     Flötenkonzert FS 119 (1926)

    Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)

     Symphonie Nr. 4 f-moll, op. 36 (1877)


    1月24日はマチネだったので

    オーケストラもみんな背広にネクタイ。

    本日は夜の公演なので

    オーケストラ・メンバーは燕尾服に白の蝶ネクタイ。


    指揮者のサラステは普通の背広の長さの上着だが

    中にはちゃんとチョッキを着て

    蝶ネクタイしている。


    ・・・いや、別に衣装を観に来たワケではないぞ。


    シベリウスは

    ホルン2本、ファゴット2本、クラリネット2本と

    フルート1本にオーボエ1本だった。

    音の厚みはあるけれど

    シベリウスにしては親しみ易いメロディ。


    いや、しかし

    この間、最後列で聴いた時と音が違う。


    チクルスは、もっと前の方なのだが

    (一番安いカテゴリーはチクルスでは出してくれないのだ)

    最後の列は壁に音が打ち当たって返る分があるのか

    真ん中より音が大きく聴こえる・・・という事は

    本日、ギャラリーの真ん中辺って

    15列目よりも音の響きがデッドなのだ。う〜ん・・・


    最後の列よりも、もう少しスッキリした響き。

    耳も痛くならないし

    音が濁らず透明に響く。


    ニールセンは、やっぱりカッコいい(語彙不足)

    ソロのフルーティストは

    マチネの時には赤いロング・ドレスだったが

    今日の夜は黒いラメのキラキラのドレス。


    スタイル良い人は何着ても似合うわ ♡

    それに、フルートの音が澄んでいて

    ウィーン交響楽団の木管名人との絡み合いが

    もう、何とも言えずワクワクする。


    だって、ウィーン交響楽団の

    めちゃウマのファゴット首席も

    大名人のクラリネット首席も

    ソロのフルートに全然負けてないんだもん。

    ちょっと一歩引いて

    美人のソリストを盛り上げてやろう、なんて

    微塵も考えてないね、あれは(妄想)


    それより、超絶技巧のフルーティストと

    一対一でタイマン張ってやる、という意気込みが見えて

    これは好感。

    美人フルーティストも

    おお、タイマン張るなら、こっちも容赦しないよって感じで

    丁々発止の掛け合いの見事さ(妄想です)


    う〜ん、こういうのが協奏曲の醍醐味だよね。


    本日はアンコールが1曲。

    オーケストラも一緒に

    あれはメロディから言うとシベリウスなのかなぁ。

    ニールセンじゃないと思う。


    もっと伝統的でフォークロア的で素朴な味わいの曲だが

    フルートのメロディが

    もう、あの人間の息づかいが

    (もちろん粗い息づかいは聴こえません)

    そのままフルートという楽器を通して

    美声で歌いに歌う感じで、背中がゾクゾクした。


    これだけ音響がデッドで透明なら

    チャイコフスキーの4番も

    もっとバランス良く聴こえるかも・・・・と思ったら

    大正解 ♡


    最初のホルンのアンサンブルが

    この間はヘンな倍音が出て濁っていたのが

    今日は、しっかりと澄んだアンサンブルでキマった。


    (ウィーン・フィルの時も

     一回目のコンサートの時は濁りがあったのに

     次の時は、その濁りが消えたという不思議な現象があって

     あれはナニかね、ホルンが最初のコンサートの時に

     意気込みが過ぎちゃうというか

     張り切り過ぎちゃうんですか? シロウトだからよくわからんが)


    ゆったりとしたリズムで

    大きなボーゲンで、音楽的な切れ目を感じさせず

    歌うチャイコフスキー。


    第2楽章のファゴットのソロ。

    うわうわうわうわ

    素晴らしいです。

    哀愁に満ちて澄んだ深い音で

    でも感傷に陥らない、程よい距離感が心地良い。


    サラステ、かなり指揮の動きは大きいし

    熱情的に振ってはいるのだけれど

    出てくる音楽を聴いていると

    意外と職人に徹している人じゃないかな、という印象。


    いやいや、批判でも何でもない。

    その行き方は、それはそれで正しいし

    ああいうプロに徹した音楽、私は好きだ。


    でも、最終楽章は

    指揮者がノって来て、かなりオーケストラを煽ったのに

    オーケストラのメンバーが、またノリノリで

    がっつり喰らい付いて

    半分ヤケクソみたいに弾けていたのも面白かった。


    同じオーケストラで

    同じ指揮者で

    同じプログラムで

    同じ会場でも


    音楽というのは本当にその一瞬だけのもので

    全く同じものは一つとしてない

    ・・・というのは、何とも贅沢な芸術だなぁ、と

    心から思ってしまった私に

    どうぞ1クリックをお恵み下さい。





    バレエ 「輪舞」フォルクス・オーパー5回目鑑賞記

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      Volksoper 2015年1月28日 19時〜21時


      Ein Reigen

      Ballett in zwei Akten von Antony McDonald und Ashley Page

      コンセプト Antony McDonald und Ashley Page

      振付 Ashley Page

      舞台と衣装 Antony McDonald

      照明 Peter Mumford

      指揮 Gerrit Prießnitz


      アルトゥール・シュニッツラー/死 : Robert Gabdullin

      ジークムント・フロイト : Kamil Pavelka

      グスタフ・マーラー : Eno Peci

      アルマ・マーラー : Ketevan Papava

      オスカー・ココシュカ : Kirill Kourlaev

      ミッツィ : Alice Firenze

      ペーター・アルテンブルク : András Lukács

      アルノルト・シェーンベルク : Roman Lazik

      マチルデ・シェーンベルク : Nina Poláková

      リヒャルト・ゲルステル : Greig Matthews *

      エゴン・シーレ : Mihail Sosnovschi

      ヴァリー・ノイツィル : Maria Yakovleva *

      ベルタ・ツッカーカンドル : Alena Klochkova *

      マダム・ドーラ : Ioanna Avraam

      グスタフ・クリムト : Christoph Wenzel

      エミール・フレーゲ : Eszter Ledán

      アレクサンダー・ツェムリンスキー : Alexis Forabosco


      音楽(順不同)

      Gustav Mahler : III. Sinfonie, 1. Satz

      Erich Wolfgang Korngold : Baby-Semenade op. 24

      Alban Berg : Lulu Suite

          Drei Orchesterstücke op. 6

      Alexander Zemlinsky : Ein Tanzpoem

                         Sinfonietta op. 23

      Béla Fischer : Crazy Waltz

      Arnold Schönberg : Fünf Orchesterstücke op. 16

      Maurice Ravel :  La Valse


      実は5回目の鑑賞なのだが

      これ、8回目の公演なので、やっぱり半分以上観てる(汗)


      しかも、この公演、チケット全然売れていなくて

      (何故かに関しては、以前の記事で原因究明の試みをした)

      どのカテゴリーのチケットでも

      一律20ユーロのキャンペーンまで出て来て


      なのに、もうチケットを買ってしまっていた、という

      アホな私は、いつものギャラリー席に陣取る。


      で、そんなに売れていない公演なのに

      何で国立バレエ団の

      プリンシパルにソリストのてんこ盛り出演なのだ????


      今回、イリーナがアルマ・マーラー役に予定されていた。

      直前の病気で、ケテヴァンがまた踊る事になったが

      ヴァリー・ノイツィル役に

      マリアがデビュー(いや、役柄合ってるとは思うが)


      ヨゼフの伝説のリハーサルに余念がないだろうデニスは降りて

      ゲアストル役に、今どんどん良くなってきているグレイグの登場。


      うはははは、バレエ・ファンには堪えられないキャストではないか。


      でも、周囲が、みんな若い人たちばっかりなんだけど・・・

      どうも学校単位で来ているようなのだが

      良いのか、こんな演目、若い人たちに見せて。


      まぁ、14歳からナニもオッケーという社会なので

      14歳〜16歳くらいの若いお姉さん、お兄さんたちが

      大挙して来ていても、変ではないかもしれないが

      (でも納得行かん、何となく)


      さて、久し振りの演目だし

      オーケストラには、かなり荷の重い曲が続くと思うのだが

      マーラーの3番の金管も頑張った。

      (前半の終わりのところは、かな〜りお疲れ気味だったけど(笑))


      コルンゴルトやツェムリンスキー、シェーンベルクやベルクって

      やっぱり世紀末の雰囲気があって、ウィーンに合う。


      最後のラヴェルの「ラ・ヴァルス」は

      もう、本当に毎回、ついつい微笑んでしまうのだが


      あんなに、あの「ラ・ヴァルス」を

      ウインナー・ワルツで演奏してしまう、

      いや、もとい、それができるオーケストラって

      (それ以上は言わない)

      フォルクス・オーパー・オーケストラくらいだろう、きっと(断言)


      さて舞台。


      え〜っと、言い訳になりますが(だったらするな)

      朝から空港、市内、あちこちの視察エトセトラで

      ちょっと、いや、かなり疲れてしまい


      それでなくても、この作品

      似たような感じのパ・ド・ドゥが続くので


      エノとケテヴァンのマーラーとアルマをしっかり観て

      (だって、ケテヴァンの色っぽさってやっぱり・・・)


      キリルとケテヴァンのデュエットまでしっかり観て

      (だって、キリルの切れ味の鋭さってやっぱり・・・)


      ペーター・アルテンブルクとミッツィで寝落ち(涙)

      アンドラッシュとアリーチェのデュエット

      絶対に良かったと思うのだが

      ごめんなさい(お辞儀)


      細かいバレエのテクニックとか知らない私のようなシロウトには

      ちゃんと観ると

      確かに、凄い、いや、凄まじいリフトの連続技が

      次から次へ出てくるのだが


      それでも、結局は

      相手を代えるだけで

      人間がナニをやる事そのものは

      どう芸術的に工夫しようが

      結局は似たり寄ったりなんだなぁ、と思う。


      題材として取り上げるのであれば

      他の嗜好を取り入れてという方法も

      (いやいやいやいや、何を言い出すんだワタシ)


      グレイグのゲアストル役は

      デニスと持ち味が全く違う。


      デニスの狂気に満ちたキビキビした動きに慣れていると

      グレイグの狂気は、まだまだ甘い。

      甘いというより、それがグレイグの身体の持っている

      ノーブルな表現力なので

      狂気に満ちて、というより

      真面目に浮気を悩んで、真面目に自殺しちゃう、という役作りになってる。


      グレイグはなぁ、こういうサイコな役よりも

      もっと素直な王子様役の方が合ってるんじゃないだろうか。

      だって、可愛いし(きっとあちらの方の趣味だと思うが)

      スタイル良いし、背もそこそこあるし

      これからが楽しみだわ、おばさんとしては。


      で、ゲアストルを自殺に追い込むシェーンベルク役のローマン

      な、な、な、なんで今日はヒゲが生えてるのっ!!!


      これまで、シェーンベルクにはヒゲはなかった筈。


      ちょっと無精髭っぽい、いや、確かにワイルドな感じはするが

      それ、シェーンベルクのイメージと違う・・・(涙)


      眠かったから、というのもあったけれど

      マリアのノイツィル役が、意外に地味に見えて、ちょっとビックリ。

      あんな色っぽい役だから

      天性の悪女をやらせたら天下一品のマリアが

      どう踊るか、興味津々だったのに


      まだ熟れていないのかもしれないが

      出てくるオーラがちょっと弱くて

      溢れる色気と自信のマリアにしてみたら

      ちょっと期待外れだった う〜ん。


      ツェムリンスキー役はマルシンがぴったりだと思っていたら

      アレクシスのツェムリンスキーもカッコいいわ ♡


      やっぱりある程度、メークと衣装で役になれるのか、これは。

      (ちなみに、エノのマーラーがこれまた素敵なの)

      エスターのエミーリエ・フレーゲ、キレイだったなぁ。

      あの衣装、すごく好き (←クリムトの絵のまんまです)

      私も着たい(無理)


      この演目、舞台は綺麗。

      エゴン・シーレの絵画を背景に使っていて

      そりゃ、最初はちょっとビックリするけれど

      クリムトもフレーゲも出てくるから

      衣装そのものは、ユーゲント様式を念頭に置いた

      とてもとてもとても豪華な衣装。


      あの時代の女性の衣装で

      くるぶしまである長い衣装、とても好きなのだが

      何で、第二次世界大戦後

      スカートの長さが短くなっちゃったんだろう。


      長いスカート好きなんです。

      だって、脚の太いのも短いのも隠せるし。

      ユーゲント様式的な衣装でも

      メリー・ポピンズでも

      英国の上級社会のお手伝いさんメイド服でも

      何でもかまわないけれど


      長いスカート、また流行りませんかね?


      さて、この「輪舞」

      あと、何回か公演があって

      最終公演は、プリンシパルとソリスト総動員ではなく

      若手公演になるが


      その若手公演だけは他のスケジュールが入っていて

      行けない私に

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      ・・・それ以外の2回の公演は

      20ユーロで一番高い席を買ったので(笑)行きます、うっふっふ。


      フォルクス・オーパー ヴィーヴァ・ラ・マンマ

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        Volksoper 2015年1月26日 19時〜21時30分


        VIVA LA MAMMA

        Komische Oper in zwei Akten

        音楽 Gaetano Donizetti


        指揮 Kristiina Poska

        演出 Rolando Villazón

        舞台 Friedrich Despalmes

        衣装 Susanne Hubrich

        クラウン・コーチング Nola Rae

        振付 Vesna Orlic


        コリッラ(コルネリア)プリマドンナ Anja-Nina Bahrmann

        ステファノ(ステファン)コリッラの夫 Daniel Ochoa

        ルイーザ Julia Koci

        アガータ ルイーザの母 Martin Winkler

        ドロテア Elvira Soukop

        ウラジミール Jörg Schneider

        指揮者 Günter Haumer

        演出家 Daniel Ohlenschläger

        劇場支配人 Wilfried Zelinka


        今シーズンのフォルクス・オーパーの新作オペラは

        ドニゼッティのヴィーヴァ・ラ・マンマ。


        何がウリかと言えば

        演出が、大人気テノールのローランド・ヴィラゾン。


        う〜ん・・・(困惑)


        いや、フォルクス・オーパーは

        クリスタ・ルードヴィッヒ演出の作品とかも上演していたし


        だいたい歌手って、いや歌手だけじゃないけれど

        歌うだけではなくて

        指揮したり、演出したり

        何か、やっぱり色々な事をしたくなるのだろう、きっと。


        行く予定はなかったのだが

        3月にお客さまのためにチケットの購入もしているし

        (お客さまにどうですか?と聞かれた時に

         知りません、というのもプライドが許さない(アホか))


        死ぬ死ぬ、死なないで死なないでが

         延々と続く作品ではなさそうだし

        一番安いチケットの次のカテゴリーを買って行って来た。

        (1回しか観ないつもりだったので

         一応、舞台が見える席を購入したのである)


        指揮者は左利きの、スリムで元気で若くて美人の女性指揮者。

        動きが派手で、とてもチャーミング。


        さて、ドニゼッティのオペラだから

        当然、イタリア語だろう、と思っていたら

        解説には「ドイツ語とイタリア語」との表記。


        はて、何のこっちゃ???と思ったら

        本来ならレチタティーヴォの部分が

        ドイツ語の演劇になっている。

        (上の字幕もドイツ語、ただしセリフの時は出ない )


        アリアもほとんどドイツ語で

        でも、ほんの少しだけイタリア語のアリアもあるという方式。

        (で、そのイタリア語のアリアだが

         これは本筋と関係ないアリアなので

         上の字幕に出てくるドイツ語が、1行だけだったりする(笑))


        とあるオーストリアのど田舎の劇場で

         (ここら辺、オリジナルとは設定が違う)

        オペラを制作しているのだが

        (しかもオペラ・セリア)

        歌手も演出家も、指揮者も、劇場支配人も

        色々と意見が合わずにバタバタしているところに


        歌手のルイーザの母親、アガータが乱入。

        太った厚かましいオバタリアンである(死語かな、この言葉?)

        演じるのはバリトン歌手

        (ものすごい女装だが、こういうオバン、実際に居るのがコワイ)


        アガータが煽るので

        メゾソプラノ歌手のドロテアが

        やってられん、と出て行ってしまい

        ソプラノ歌手もバカにされたので出て行ってしまい

        テノール歌手は自分で自分の歌に酔っているのだが

        演出家から「イタリア語がヘタクソ」と言われて出て行ってしまい


        王女さま役を歌う歌手がいなくなったところに

        ソプラノ歌手コリッラの夫兼マネージャーのシュテファンが

        僕が歌う、と言い出し

        強烈オバタリアンのモンスター・ママのアガータも

        じゃぁ、私も出演する・・・という事になり

        劇場支配人も演出家も指揮者も

        ほとんどヤケッパチ状態。


        第2幕では、初演を直前に最終リハーサルやっていて

        舞台衣装をつけて

        舞台の上で、大ドタバタが繰り広げられ


        オバタリアンの歌に怒った指揮者が

        他の歌手を探す、と携帯電話をかけ始めると

        アガータが、どうしてもこの舞台で歌いたいのよ

        自分の宝石もあげるから


        で、初演開幕直前に

        劇場も市も金がないので

        市に保証金を払わないと上演できない、という苦境に陥ったところを

        オバタリアン・ママのアガータが

        宝石を保証金にして

        無事に舞台の幕が開きました

        お母さん、バンザイ


        ・・・という荒唐無稽な話である(わっはっは)


        前半は田舎の練習室なので

        ばばっちい机の上にミネラル・ウォーターの瓶が並んでいたり

        舞台は傾いていて

        観客によく見えるようになってはいるが

        横に電子ピアノが置いてあって

        (ピアニストも居る。電子ピアノなので、最初はヘンな音が出てしまう)

        指揮者も陣取っていて

        ずっとタバコを加えた演出家が、あちこちをウロウロ。

        乱入するママ・アガータはオーストリアの民族衣装のディアンドル。


        ちょっとバタバタしていて落ち着かない。

        それに、アリアもドイツ語にしているので

        ドニゼッティらしいメロディがあまり聴こえて来ない。

        (いや、ドニゼッティらしいアリアはある。ロンドとかチャーミングだった)


        指揮者役のバリトン、ギュンター・ハウマーは

        声はほとんど飛ばないタイプだが

        セリフはきっちり聞かせてくれるし

        それに、この「指揮者」役、最初から最後まで

        (もちろん後半は舞台に作ったオーケストラ・ピットに入って)

        マジに指揮している役なのだが


        こいつ、指揮、巧いぞ。


        ちゃんと指揮法を勉強したのが見事にわかる。

        本当のオーケストラ・ピットの指揮者顔負けの指揮振り

        (感心・・・ってそんなところに感心してどうする?)


        劇場支配人役のヴィンフリード・ツェリンカが意外に美声。

        セリフが多い役で

        何せ、劇場支配人だから

        こっちの歌手にお世辞、あっちの歌手にお世辞

        指揮者と演出家を巧く盛り上げて

        ついでにギャラの交渉まで、逃げに逃げまくって


        うはははは、こういうタイプ、本当に居そうだわ(いません)

        パロディだが、この演技はイケる。

        こういうタイプ好きかもしれない。

        (カプリッチオでもラローシュが好きだからな、ワタシ)


        たまごっち、そのままの体型の

        お腹のところが完全に 3D の円と化している

        テノールのヨルク・シュナイダーと


        美人でスタイル良くて

        二幕目では、メイクでどう見てもグルベローヴァ女史に見えてくる

        ソプラノのアンニャ・ニーナ・バールマンは


        この作品の中で、もっとも歌唱としては安定していて

        かなり良い水準で

        テノールのアリア、ソプラノのアジリタたっぷりのアリアを

        イタリア語で聴かせてくれる(バンザイ)


        バールマンに比べると、同じパートを歌うユリア・コチは

        声量から技量まで、ちょっと劣る。

        まぁ、役柄から言って、巧過ぎてプリマドンナを喰ってもマズイし

        ユリア・コチは、トボケた演技が巧くて

        かなり踊れるので、キャストとしては合っている。


        後半の「初演の最終リハーサル」だが

        舞台は回転舞台、せり上げなどなどをフルに使って

        出てくる登場人物が

        全部、スター・ウォーズになっているので


        むちゃくちゃ派手(爆笑)


        (下で手を振り上げているのは

         本当の指揮者ではなく

         舞台の上で「指揮者」役をやっているバリトン。

         オーケストラ・ビットにいるプレイヤーたちは人形でした)

        写真は Volksoper のオリジナル・サイトから拝借。


        あのね、私、恥ずかしながらスター・ウォーズは観ていないので

        (すみませんね、避けていたんです)

        ストンと納得できたワケではないが

        ミュージカルの「ローマで起こった奇妙な出来事」の衣装デザイナーが

        この演目の衣装も担当しているので

        原色を多いに使って

        色目がとてもとても派手でキレイ。


        途中でアガータと一緒に出てくるダンスが

        かなり面白い振付で

        特に着ぐるみのダンサーがむちゃ巧くて

        うお〜っ、と感激していた。


        カーテン・コールの時に着ぐるみから顔を出したら

        あら、カルミナ・ブラーナで

        男性ダンサーなのに、完璧にポワントで踊った

        サミュエル・コールベール君ではないか(笑)


        しかも後でプログラム見たら

        振付をヴェスナ・オルリークがやってる。


        何とも滑稽なダンスなのだが

        短いシーンだけど、かなり見応えあり。


        ドイツ語だから筋はわかるし

        人物同士の掛け合いもわかるし

        (でも、アドリブとかはないし

         せいぜい、ギャラの話のところに

         ブルク劇場の皮肉を絡ませるくらいで

         あまり毒のあるセリフはなかった)


        でも、その分、オペラとしてはギクシャクしているのはやむを得ない。

        せっかくドニゼッティの妙なるメロディを聴こうと思って来た人は

        確かにコロラチューラも妙なるメロディもあるけれど

        全体の2時間半のうち、せいぜい10分くらいだから

        欲求不満が溜まるかもしれない。


        タイトル・ロール、猛烈ママのアガータを歌った

        マルティン・ヴィンクラーは

        声は出るし、演技はできるし

        デブのオバタリアンにしっかりハマっていて

        (そう言えば、この人、ジャンニ・スキッキに出ていた人だった)

        しかも、本職のダンサーの間に入って

        あの身体で、軽々と踊ってしまうのだよ。

        私は一瞬、目を疑ったわよ。


        ただ、全体的な演出が

        バタバタし過ぎて、何かなぁ、ちょっと「詰め込み過ぎ」って感じ。


        ヴィラゾンにしてみれば

        劇場の人間関係とか

        (だってあの人、それで一時ノイローゼになったんだもんね)

        喜劇のコミカルな部分も目一杯出して

        ついでに現代的タッチも少し入れて

        (でも、ソプラノのアリアの時に

         ロボット(中に人が入ってる)がヘンな電子ピープ音を出して

         ソプラノが演出家に怒ると

         演出家が、そこはデュエットなんだ!とか言うシーン

         せっかくソプラノのアリアを楽しんでいたら

         携帯電話の音みたいなので遮られるって

         聴いている方は、かなり苦痛)

        もちろん、ドニゼッティの優雅なメロディも聴かせたいとか


        欲張り過ぎだったので

        焦点がかなりボケた感じになったのは否めない。


        それにドニゼッティって

        今まで私は国立オペラ座でしか聴いた事がなく

        (国立オペラ座のドニゼッティは

         貴族のお嬢様が何かの誤解で男にふられて、気が狂う話ばっかり)

        ドニゼッティのアリア(ほとんどが狂乱の場)は

        かなり水準の高いトップの歌手でしか聴いた事がなくて

        ・・・以下省略。


        まぁ、でも、これで1回は観たので

        お客さまからの質問にも答えられるわ


        ・・・というより、お客さま、私に質問しない方が良いかも、と

        本気で考えている私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        1月も末だが、まだウィーンは寒い。

        まぁ、冬だからね(笑)

        市庁舎の前はアイス・スケート場になってます。



        ウィーン交響楽団 + サラステ

        0

          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年1月24日 15時30分〜17時20分


          Wiener Symphoniker

          指揮 Jukka-Pekka Saraste

          フルート Marina Piccinini


          Jean Sibelius (1865-1957)

           Pelleas und Melisande op. 46 (1905)

              Am Burgtor - Inermezzo - Mélisandes Tod

          Carl Nielsen (1865-1931)

           Flötenkonzert FS 119 (1926)

          Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)

           Symphonie Nr. 4 f-moll, op. 36 (1877)


          ウィーン交響楽団とサラステのマチネ。

          何でこのチケット買っちゃったかと言うと

          安くて舞台が見えて音響の良い席があったから

          (ちなみに、この席は全部で4席しかありません(笑))


          後で考えてみたら

          1月30日の同じコンサートをチクルスで持っていたが

          まぁ、予習よ、予習、わっはっは。


          最初はペレアスとメリザンド

          ・・・って、ドビュッシーのオペラは観たことあるし

          シェーンベルクの交響詩も知っているけれど

          シベリウスまでが作曲していたのか、むむむ。


          この話って

          自分の嫁を弟に取られた王様の話だよね?!

          (まぁ実際はそんな単純なものではないような感じだが)

          それが、何でこんなに様々な作曲家を刺激するのであろう???

          (調べてみたらフォーレも作曲している)


          ワタクシ的にはドビュッシーがデフォルトになっているので

          トナールの厚い響きのシベリウスにはギョッとした(笑)


          オーケストラ編成、割りに小さいのに。

          (フルート、オーボエ、クラリネット、それぞれ1本で

           ファゴットのみ2本、金管はホルンだけ、1人か2人だった。

           すみません、記憶力悪くて。それに4弦とティンパニ)


          何か紙芝居か何かの付随音楽みたいで

          全然イメージが違う。

          ふ〜ん、こういうのもありか・・・よくわからんが。


          カール・ニールセンは

          何故かウィーンで滅多に演奏されない作曲家。

          プログラム見たら

          あれ、シベリウスとニールセンって同じ歳???(そうです)


          作曲年代が違うことを考えても

          あくまでも伝統的なシベリウスに対して

          ニールセンの曲の、何と現代的な事。


          フルート協奏曲で、オーケストラにはフルートが入っていない。

          最初からニールセンらしいミネラルな響きで

          何となく嬉しくなってしまう。


          でも、これ、フルートとオーケストラ、というより

          オーケストラの間奏(トゥッティ)を含んだ

          フルートと他の管の掛け合いみたいな感じがする。


          クラリネットとの二重奏

          トロンボーンとの二重奏

          オーボエとの二重奏


          その合間合間にオーケストラ全体が入る感じ。


          フルーティストは真っ赤なロング・ドレスで

          しかも後ろ長くて引き摺るような感じ。

          ずっとしかめっ面しているが

          マジメな音楽を演奏するソリストって

          何でみんな、あんなに真剣で痛そうな表情をするんだろう。


          まぁ、ニヤニヤ笑いながら立ってるソリストというのも

          本当にいたら不気味かもしれないが(笑)


          終わってからはニッコリしたので

          笑えないわけではないみたい(って失礼な)


          音色がとても澄んでいて

          技術あって

          かなり冷徹な音がする。

          この人のフルート、現代音楽向きだなぁ、という印象。


          後半がチャイコフスキーの交響曲4番。


          う〜ん、どういうプログラム構成なんだ???(悩)


          シベリウス、ニールセンと続いて

          突然後半がチャイコフスキーとは・・・


          せっかくだったら

          後半もシベリウスの交響曲か

          ニールセンの交響曲で組んで欲しかったが


          きっとウィーン交響楽団か、指揮者から

          シベリウスとニールセンだけでは客が呼べないから

          ・・・とか言う意見があったんだろうなぁ(ため息)


          最初のホルンの出だしが

          ・・・・うっ、すごい音。


          コンツェルトハウスだから

          目一杯フォルティッシモ出しても

          何とか耐えられるけれど


          最後の列だったので

          後ろの壁からの反射音もあって

          音響はむちゃ良い席で

          あまりに良過ぎて


          耳が痛い・・・(汗)


          マエストロ・サラステ、そんなに力一杯やらなくても・・・

          いや、そういう曲なんですけどね

          確かに、目一杯オーケストラ鳴らしたい、という

          指揮者の隠れた欲望を刺激する曲だと思うのだが。


          粗いとまでは行かないけれど

          何とこれも、かなりワイルドな演奏。


          最近、こういう解釈が流行なのかしら?


          最終楽章も

          この間のウィーン・フィルもとんでもない高速演奏だったが

          今回のウィーン交響楽団の演奏も

          時速300キロくらいの目にも止まらぬ高速運転。


          う〜ん、この曲って、実はそういう曲だったのか。


          でも、聴いていて、何か、異様にスッキリする(笑)


          もともと名曲だし

          目一杯の速さで、目一杯のフォルテで演奏しても

          曲そのものの構成がしっかりしているので

          何をやろうが

          きっちりオーケストラが演奏して

          指揮者がミスったりしなければ

          名曲として聴かせて、聴衆を熱狂に巻き込めるのだ。


          ああ、チャイコフスキーって偉大だ・・・


          演奏は巧いし

          名曲アワーとしての聴き応えは充分あったのだが

          演奏している方も聴いている方も

          ちょっとルーチン・ワークって感じは

          どうしても拭えなかったかなぁ。


          ウィーン交響楽団の

          透徹したモダンな音は

          この間の、同じような高速運転のウィーン・フィルとは

          また違って、オーケストラの響きとしては面白かったが。


          ああ、これで後半がシベリウスかニールセンだったら

          もっと楽しかったのに。

          でも、もっとチケット売れてなかったかもしれない(笑)

          それでなくても、ギャラリーは60%埋まってるかな、と言う程度だったし。


          ぐったり疲れていた土曜日だったが

          元気なチャイコフスキーで

          エネルギーもらったかな、という私に

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          来週はめぼしいコンサートが全くないという

          不思議な週だが

          まぁ、何かしら書くネタはあるだろうと思うので

          見捨てないで下さいませ。

          ナイト・ライフはちょこちょこあります。



          オズの魔法使い 2回目

          0

            Volksoper 2015年1月23日 19時〜22時


            Der Zauberer von Oz

            Musical nach dem Roman von L. Frank Baum

            Musik und Gesangtexte von Harold Arlen und E.Y. Harburg


            指揮 Lorenz .c Aichner

            演出 Henry Mason

            舞台・衣装 Jan Meier

            振付 Francesc Abós

            照明 Mario Ilsanker

            ビデオ Christian Schwab


            ドロシー・ゲール Franziska Kemna

            トト ドロシーの犬 Daniel Jeroma

            叔母/グリンダ Regula Rosin

            叔父ヘンリー/エメラルドの都の守り人 Wolfgang Gratschmaier

            ヒンク/かかし Peter Lesiak

            ヒックトリー/ブリキの男 Oliver Liebl

            ゼイク/ライオン Martin Bermoser

            アルミーダ・グルチ/東の悪い魔女 Christian Graf

            オズの魔法使い Robert Mayer

            アンサンブル Lorna Dawson, Eva Prenner, Bettina Schurek

                               Lynsei Thurgar, Georg Prohazka, Christian Schleinzer

                               Timo Verse


            フォルクス・オーパー 合唱団 オーケストラ

            フォルクス・オーパー 児童・青年合唱団

            フォルクス・オーパー 付属俳優

            ウィーン国立バレエ団


            当初メリー・ウィドウか何かが予定されていたが

            オズの魔法使いがあまりに評判が良くて

            突然、演目を変えた日のチケット。


            ニュースレターにも上がらないうちに

            あっ、この日にある、しかもチケットがある、と買ったので

            ギャラリーだが、かなり見える席にしっかり陣取る。


            が、何だこれ、ギャラリー、お子様ばっかりじゃないか。

            幼稚園から小学校低学年くらいのお子様が

            大挙してギャラリーの

            しかも私より前の列に座りやがって

            (子供割引があるんです、うううう)


            ミュージカルだから、序曲とか

            第二幕の始まりのオーケストラの曲を演奏している時とか

            周囲のお喋りがスゴイけれど

            雰囲気が雰囲気だから、あまり気にならないし


            途中で笑いが出るのも自然だし

            いつも、ジッと息を詰めてコンサート聴いてるより

            ずっとリラックスできる。


            リラックス=集中力の欠如=寝落ち

            ・・・というのも時々あるんだけど(汗)


            今回はドロシーとオズの魔法使いが別キャスト。

            後は12月25日と同じ。


            ドロシー歌ったフランチェスカ・ケムマが可愛い。

            アロウスより太目(でもデブではない、至って普通)で

            ちょっと小柄で

            その分、役どころにはとても合っていて自然。


            ローベルト・マイヤーはもともと俳優だから

            オペレッタなどに出演すると

            その演技だけが異様に目立って

            キャストから浮きまくるのだが


            今回はミュージカルという事で

            みんなマイクを装着しているので

            マイヤーの声だけが突出する事もなく


            しかも、あの芸達者な連中の中なので

            浮く事もなく、かなり良い感じで演技していて

            これも自然で無理がない。


            いや、楽しいぞ、このミュージカル。

            あちこちの仕掛けやユーモアや

            ギャグが散りばめられて

            子供たちも時々大声で笑ってるし


            後半で東の魔女の登場は

            何とギャラリーに魔女が走って来て

            周囲の子供たちが大喜び。

            最後の拍手も

            ギャラリーからはこの魔女に盛大な拍手がされていた。


            で私はと言えば・・・

            寝落ち部分もあったとは思うのだが(いまいち定かでない)

            やっぱり、あの犬のトトが

            もう、最初から最後まで

            あまりに犬すぎて

            ずっと、その可愛さに悶絶していた。


            (以前の記事を読んだ方はご存知と思うが

             犬のトトは人形で

             俳優さん?人形使いさん?が

             ずっと中腰で、トトを動かしていて

             時々、吠えたり、甘えたりする)


            もう、ホントに誰ですか

            あのトトの振付した人は!!!


            一瞬もジッとしていない犬の動きを

            あそこまで再現した振付って

            もう、ホントにあり得ないリアルさで


            舞台のダンスも歌も

            芸達者なミュージカル歌手の踊りも

            バレエ・ダンサーの素晴らしいダンス場面も

            全員が揃って、見事なショーダンスを見せるところも


            その間に立ち交じったり

            あちこちに走ったり

            踊っている人を見上げていたり

            カーテンコールの全員のショーダンスでは

            プロンプター・ボックスの上に乗って

            自分のお腹をナメナメしていたり


            人間のダンスは何処でも見られるが

            あのトトの動きが見られるのは

            今のフォルクス・オーパーだけなので

            ダンスどうでも良いけど(ダンサーの皆さますみません)

            トトの動きや表情に

            オペラ・グラスをジッと合わせて、見てしまう ♡


            どんな場面でも荒唐無稽にならず

            最初から最後まで

            全く無理のない、本当に犬、という振付で

            お手するところなんか、もう、胸キュンで・・・


            一番安い席で24ユーロというのは

            フォルクス・オーパーにしては

            かなり強気な設定だが


            ほとんどがもっと安い子供割引で出しているなら

            大人はちょっと高めでも、まぁ仕方がない。


            スウィーニー・トッドなんかより

            このオズの魔法使いの方が

            プロダクションとしては一般向けだし

            お子様からご年配まで

            最初から最後まで

            ミュージカル・ファンにも

            おとぎ話のファンにも

            犬が好きな人にも(笑)

            楽しんで観られる演目だと思う。


            トトだけ観るのに、もう1回行くと言うのも

            24ユーロはもったいないので

            ここで打ち止めにするが


            ウィーン在住の皆さま

            ドイツ語がわかれば、ぜひお出かけ下さい。

            ドイツ語がわからなくても

            犬が好き、という方は、ぜひお出かけ下さい。


            ハートがキュンキュンしっぱなしの私に

            (人形の犬に惚れてどうする?!)

            最近、順位が下がりっぱなしでちょっと寂しいので

            1クリックを、どうぞお恵み下さいますよう。



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            猫はあるけど犬がないって、ちょっとう〜ん(涙)

            ロンドン交響楽団 + ロビン・ティツィアーティ

            0

              Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年1月22日 19時30分〜21時55分


              London Symphony Orchestra

              指揮 Robn Ticciati

              ピアノ Simon Trpčeski

              メゾソプラノ Karen Cargill


              Toshio Hosokawa (*1955)

               Blossoming II (2011)

              Maurice Ravel (1875-1937)

               Klavierkonzert Nr.1 G-Dur (1929-31)

              Gustav Mahler (1860-1911)

               Symphonie Nr. 4 G-Dur (1899-1901)


              ロンドン交響楽団の客演。

              指揮はジョルジョーネかラファエロか・・・じゃなかった

              かわいいかわいいロビン・ティツィアーティ ♡


              もっとも私の天井桟敷の席からはほとんど見えないが(笑)


              でもって、プログラムが実に私好みなのに


              毎日睡眠時間4時間半というのが続いて

              夕方18時頃には、もう仕事していても寝てしまいそうで

              むちゃ濃いコーヒー飲んで駆けつけるコンツェルトハウス。


              細川俊夫の Blossoming II という10分くらいの作品は

              花と能と、何かそういう日本的なモノをテーマにした

              (らしい事がプログラムに書いてあった)


              すごく繊細な曲。

              日本的と一概には言えないけれど

              確かに能の世界に繋がるような沈黙と音の組み合わせに

              ちょっと日本っぽいエレメントが絡まっている。


              ああいう繊細な音響の曲は

              咳が多い普通のコンサートじゃなくて

              できれば現代音楽だけのコンサートで

              雑音に非常に敏感な聴衆の前で演奏して欲しかったが(涙)


              モーリス・ラヴェルのゴキゲンなピアノ協奏曲ト長調。

              ピアニストは・・・

              マケドニア出身の、ううう、何て読むんだろう

              シモン・トルプチェスキって読んで良いんだろうか。


              実はこの人のウィーン・デビューに

              私は立ち会っている(2009年1月16日)

              ・・・まぁ、それは良いのだが


              見た目、どうみてもボードビリアンにしか見えない

              とてもラフな感じのするピアニスト。



              ラヴェルのこの曲を

              こんなに軽やかに、チャーミングに弾くなんて ♡


              またオーケストラが、同じように軽い。

              軽い・・・と言うと悪口みたいだが

              変にボッテリした厚みがなくて

              洒脱でリズムがあって


              ううう、さすがに都会ロンドンのオーケストラ。

              泥臭さが全くないぞ・・・


              ついでに、これはティツィアーティの特色かもしれないが

              あまり「思い入れ」とかセンチメンタルなところがない。


              面白かったのは第2楽章で

              最初のピアノのソロが、かなりルバート効かせて

              ペダル多用で音が濁る直前で止めていた位の

              結構な浪花節だったのに


              オーケストラが入ったとたんに

              田舎から突然都会のポスト・モダンになりました(笑)


              フルートのソロが

              うはははははは、目が点。

              何て巧いの、いや、何と美しい音 ♡

              震えるソプラノという(表現悪いかなぁ)

              息づかいの美しさが音色に出て

              絶世の美女の、妙なる歌声を聴いているイメージ。

              清純だけど色気ムンムン・・・切ないです、この音色。


              うわ〜〜〜、幸せ。

              第3楽章に入ってからの

              速いテンポに、リズミカルなピアノと

              あくまでも軽く洒脱に乗ってくるオーケストラ。


              眠気も吹っ飛んで、ひたすら幸せに浸るワタシ。


              アンコールはプーランク。

              ここでショパンとか聴かされたら

              ピアニストへの評価はグッと下がるのだが

              プーランクの曲は、ラヴェルとも合って、とても美しかった ♡


              後半、マーラーの交響曲4番。


              面白い・・・いや、ナマで聴くの久し振りだが

              普段、楽友協会で聴く事が多いので

              コンツェルトハウスの音響が違うせいもあるのかもしれないが


              やっぱりオーケストラの音が(良い意味で)薄いのである。

              比較的ボッテリした音の多い

              ウィーンのオーケストラを聴き慣れているからか

              LSO  の音は、とことん室内楽的に聴こえてきて

              無駄な厚みが一切ないシンプルさ。


              うん、うん、室内楽的という意味では

              ダニエル・ハーディングとちょっと似ているかもしれない。


              大袈裟な音を避けて

              あくまでも音響にとことん拘って

              しかも、それが透徹して響いてくるのと同時に


              余計なタメとか

              思い入れとか

              ウィーンらしい世紀末の憂鬱とか


              そういう余計な要素が一切なくて、とても新鮮。


              音を抑えて、かなり弱音で演奏されているし

              (しかもコンツェルトハウスで!)

              タメがなくて

              何かスルスルと演奏されちゃうし

              でも、その中で

              とことん繊細なマーラーの音響が

              すごく透明な響きで伝わってくる。


              こういう演奏だと

              円熟とか、精神性とか深みとか

              アホな事を話題にする批評家は

              ついていけまい、わっはっは。


              ある意味、最もウィーンらしからぬマーラーだったかもしれない。

              でも、それが実に魅力的。


              これはオーケストラの特性と言うよりも

              指揮者の音楽作りの特性かもしれない、と

              ツィッターで専門家からのご指摘をいただいた。


              だったら

              このウィーンという都市で

              あのマーラーを演奏してしまうティツィアーティという指揮者は

              大物かもしれない・・・と

              マジメに考えている私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              さすがに疲れて自宅に帰って

              シャワー浴びて、もう寝ます・・・

              (とは言え、もう午前1時は過ぎてますが(笑)

               いつもの通り、アップの時間は意図的に変更してあります)



              ウィーン放送交響楽団 + コルネリウス・マイスター

              0

                Wiener Konzerthaus Großer Saal 2015年1月21日 19時30分〜21時35分


                ORF Radio-Symphonieorchester Wien

                指揮 Cornelius Meister

                ピアノ Lars Vogt


                Wolfgang Rihm (*1952)

                 Nähe fern 2 (2011)

                Rober Schumann (1810-1856)

                 Konzert für Klavier und Orchester a-moll, op. 54 (1841-45)

                Bohuslav Martinů (1890-1959)

                 Symphonie Nr. 5 (1946)


                ウィーン放送交響楽団の

                リハーサルではなくて本番の方。


                コンツェルトハウスのギャラリー(天井桟敷)に行こうとしたら

                チケット、もっと良い席に代えてくれるわよ、と言われて

                そのカウンター見たら、40人くらいが並んでいた。


                いや、ワタシ、天井桟敷で良いです、と上がってきた102段の階段。


                天井桟敷も結構ガラガラで

                (だからチケットを代えてくれるワケだが)

                最後の列から席を代わって

                いつもじゃ絶対に座れない席で鑑賞(だからどこまで貧乏(笑))


                最初のヴォルフガング・リームの作品は15分くらい。

                ブラームスの交響曲2番と一緒に演奏される事を前提とした作品

                ・・・とプログラムに書いてあって

                メロディが美しく

                ブラームスと一緒に聴いても違和感がない

                ・・・というのもプログラムに書いてあったが


                違和感ありますって(爆)


                非常に美しい作品ではある。

                最初の低弦とパーカッションがフォルティッシモで

                ただのズズズンという響きじゃないか、と思っていたら

                それにバイオリンが加わるところから

                確かにメロディ、あるいはトナールのメロディの断片が

                あちこちに顔を出して


                時々、これ、リヒャルト・シュトラウスじゃないか?という

                艶っぽい繊細な、でも豪華なオーケストレーションの音が出て

                試みとしては面白いとは思うけれど


                ブラームスの交響曲2番の2楽章としては

                正直言って、聴きたくない。


                続いてのシューマンのピアノ協奏曲。

                フォークトの最初のピアノのソロが

                何故かむちゃくちゃ早く


                オーケストラが入るところが

                見事にズレて


                その後も、あっ(冷汗)という箇所があったので

                おいおい、もしかしてリハーサル不足?

                それとも

                フォークトが突然、抑え切れないゲイジュツ衝動に駆られて

                リハーサルの時と違ったテンポで弾いてるとか?(笑)


                でも、それも最初だけだったようで

                第2楽章の辺りから、違和感もズレも全くなくなり

                最終楽章の流れるような

                大きなボーゲンでの見事な演奏は

                すごく気持ち良かった。

                いや、本当に気持ち良かった。


                シューマンを悩まずに気持ち良く聴いたら

                本当はイケナイのかもしれないが

                でも、気持ち良かったの、文句ある?


                しかし、その後に続いたアンコールが

                ショパンのエチュード、しかも短調(最後は長調で終わる有名な曲ね)


                ツィッターには書いたけれど

                私がショパンを苦手なのは別として

                ショパンというのは

                大ホールで弾くというより(一部の作品を除く)


                小さな暗い陰鬱な部屋で

                しかも冬で、外は真っ暗で、できれば雪も降っていて

                世界的に不況のさなかで哀しみに満ちて

                そんな中で

                少人数が集まって

                限りない自己憐憫に浸りながら聴く曲


                ・・・というイメージなのであって

                (ショパンを侮辱したな、と思われる方にはごめんなさい。

                 でも、これ、マーラーにもちょっと当てはまったりするんですが)


                あの明るくて気持ちの良いシューマンの後に

                あんな繊細な曲聴かされても・・・・(汗)


                まぁ、それは良いとして

                ワタクシ的なメインは後半のマルティヌーの交響曲5番。


                指揮者マイスター、聴衆をなめるなよ(まだ言ってる(笑))

                (何の事かわからない方は こちら を参照のこと)


                あの時にも、音響にうるさい指揮者、と書いたが

                一歩間違えば、限りなくスノッブになりそうな5番を

                音響だけに絞ってしまって

                理性的に突き放して演奏したのはエラい。


                いえいえ、悪い意味ではなくて

                チェコ音楽をベッタリとセンチメンタルに演奏されるの好きじゃないので。


                いや、でも良いわ〜、マルティヌーの曲って

                どれを取っても好き ♡


                比較的早くチェコを去って

                パリで国際的な教育を受けただけあって

                ジャズの要素はこの時代にはもうぬぐい去られ

                多少なりともチェコの民族的な断片も聴こえるが


                リズムの扱い方と言い、メロディの歌わせ方と言い

                マルティヌーの曲は、ある意味、洗練の極みだと思う。


                リハーサルを夢中で聴いていた2楽章だが


                マイスター、何でリハーサル時よりテンポをアップしてるのっ!?


                次の日にもリハーサルがあったみたいなので

                公開リハーサルでは裏の手は見せず

                本コンサートで聴衆を驚かせようという腹か?!

                (いや、きっと指揮者はそこまでは考えてない(笑))


                リハーサル時より弦にうねりが出てニュアンスが深くなってるし

                木管のアンサンブル、すごく良くなってるし

                フルートのソロ、放送ホールよりコンツェルトハウスの方が

                格段にクリアに聴こえて、ニュアンスたっぷりで、すごく良い ♡


                そう言えば、マイスターの公開リハーサル+本コンサートって

                確か以前もシベリウス聴いて

                本コンサートでひっくり返った事があったぞ。


                こいつ二重人格か?!(って失礼な)


                エレジーも(これはリハーサルではやらなかった)

                全く泥臭くなくて、澄んでいて美しくて

                あの歌い方、うわ、何かに似てると思ったら

                ちょっとバルトークに似ている(たぶん私の誤解だが)


                でもマイスターの棒は

                こんな切ないメロディの時も

                泣き節にも浪花節にもならない。

                あくまでも徹底的に音響である。(ある意味、私には嬉しい)


                最後は思い切り爆発させて

                いや〜、気持ち良いったらないわ。


                終戦後の1946年に作曲され

                1947年にラファエル・クーベリックの指揮で

                プラハで初演された交響曲5番は

                生きる喜びに満ちていて

                明るくてチャーミングで

                聴いていると


                これからまた頑張って残業するぞ


                というエネルギーを(以下省略)


                プログラムに次の2月のコンサートで

                ラフマニノフのピアノ協奏曲2番と(これはどうでも良いが)

                プロコフィエフの交響曲5番を上演と書いてあったのを見て

                うわ〜〜〜〜、プロコフィエフの5番、聴きたいっ!!!

                ・・・と思ってカレンダー見たら

                同じ日にザハロヴァ様の白鳥の湖のチケット持ってる・・・


                何で同じ日に行きたい演目が重なるのか

                未だに理解できない私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                で、そのラフマニノフを弾くピアニストが

                アレクサンドル・メルニコフとか言う人なのだが

                この人、もしかしたら、もう日本では有名?

                ・・・あっ、教えてくれなくても良いです。

                ザハロヴァさまを振って、こっちに行きたくなったらタイヘンだし(苦笑)



                ウィーン放送交響楽団 + マイスター リハーサル

                0

                  遅れましたが、昨日日曜日のウィーン・フィル定期公演

                  2回目の記事もアップしました。

                  最初にそちらを読みたい方は ここ からまずどうぞ。


                  さて、それでは1月19日の記事は下から。


                  Radio Kulturhaus Großer Sendesaal 2015年1月19日 19時〜20時


                  ORF Radio-Symphonie Orchester Wien

                  指揮 Cornelius Meister


                  Bohuslav Martinů (1890-1959)

                   Symphonie Nr. 5 (1946) 

                     2. Satz + 3. Satz Probe


                  ウィーン放送交響楽団には

                  友の会という制度があって

                  何せオーケストラ大好き人間の私は

                  何か良い事あるかも、と、会員になっている。

                  (しかも、この会が出来てすぐに会員になった古株だ(笑))


                  その特典の一つに

                  時々、オーケストラのリハーサルに招待してくれる、と言うのがある。

                  ナイト・ライフを目一杯入れている私としては

                  行かれない時も多いのだが


                  マルティヌーの交響曲のリハーサルとあれば

                  これは聴きに行かねば・・・


                  ウィーン放送交響楽団とコルネリウス・マイスターは

                  マルティヌーの交響曲全曲演奏というプロジェクトをやっていて

                  ほとんどの交響曲を演奏して

                  最後に残っているのが

                  この5番と、あと、2番、とマイスターが言っていた。


                  このリハーサルの抽選に当たったすぐ後から

                  この曲の CD 録音を

                  聴いて、聴いて、聴いてまた聴いて

                  そこそこ、何処からでも追えるくらいまで耳慣れさせて


                  どこをリハーサルしても大丈夫、ど〜んと来い!(笑)

                  でも、第3楽章のレントのところは、まだちょっと不確かだが(爆)


                  18時からのリハーサルというので

                  会場は17時50分頃にホールが開いた。


                  いつもは、意外に多い人数が来ているのだが

                  (ほとんどは年配の引退生活の方々だが

                   時々、こいつら音楽学生かしらん?というのも居る)

                  何か、今日、異様に少なくない???


                  いや、そりゃ、曲が曲だからな・・・

                  以前の交響曲4番の時は、意外にホールは一杯だったのだが。

                  (で、交響曲4番の本コンサートは行かれなかったの(涙))


                  今回は明後日のコンツェルトハウスでのチケットも確保済み。

                  曲も頭に入っているから、はいどうぞ。


                  「それでは第2楽章から行きます」


                  おお、やった、やった、第2楽章、得意だもんね(何言ってるワタシ)

                  木管のアンサンブルから始まる第2楽章を

                  半分くらいまで通しでやって


                  その後に細かく入る指揮者の指示。


                  マイスターのリハーサルは

                  あくまでも徹底的に音響に拘る。


                  弦のニュアンス、スタッカートの指示

                  ファゴット2名の音の長さを揃えるようにという指示

                  一部を取り出して

                  メロディとリズムだけで演奏させて

                  ピッタリと合わせてからトゥッティにしたり


                  わはははは、面白い。


                  そりゃ、ワタクシ、ドのつく素人だから

                  細かい事については、全くわかりませんとも(ふんっ)


                  でも、CD 録音で聴いている時には

                  潰れてしまって聴けなかった音が

                  ナマで(時々、その部分だけ取り出して)聴くと

                  隠し味の音まで、しっかり把握する事が出来て

                  あぁ、ここって、そんな風に作曲されていたのか、と

                  ハッとする発見があったりする(おお、偉そう)


                  第2楽章の後半まで通して

                  指揮者が OK を出して

                  さて、では第3楽章・・・


                  しまった前半のレント、ちょっと危ないのだよ、私の記憶は・・・(汗)

                  と思ったら


                  前半は良かったので、後半行きます


                  ホッ 😃


                  後半なら任せとけ、全部頭に入ってるぞ。

                  (いったい何回録音を聴いたの?と聞かないで下さい)


                  またここでも徹底的に音響に拘る指揮者。

                  しかし、そこまで音響に拘ると

                  ここでリハーサルしていて

                  コンツェルトハウスに行くと

                  また音響変わるよ?(不思議)


                  各楽器の音の大きさも

                  大ホールだと、また変わってくると思うのだが。


                  あっ、だから第2楽章のフルートのソロ

                  もう少し大きな音で、って指示を出していたのか?(目から鱗)


                  このリズミックな交響曲

                  変拍子だらけで

                  本当は録音で頭に叩き込むよりは

                  時間があれば、スコアと一緒に見た方が良いのはわかっているのだが


                  マイスターの指揮って

                  言ったら悪いけど、リズムが見えて来ない。


                  若い指揮者には珍しく

                  (ピアノ巧いし耳良いし、才能溢れる指揮者だろうが)

                  指揮姿が今ひとつというか

                  身体の動きが曲のリズムと違う

                  (ような気がする箇所があちこちにある)


                  いや、所詮、ド・シロウトですから

                  オーケストラの方々が演奏し易ければそれで良いんですが。

                  爪楊枝で全然動きの見えない指揮をなさる大御所も居る事ですし。


                  だから、指揮棒見ながら曲を聴いていると

                  ちょっと、私は船酔いに近い状態になってしまう。


                  今回の本コンサートはコンツェルトハウスで

                  楽友協会みたいに正面から指揮姿を見る訳ではないので

                  まぁ、なるべく指揮者は見ずに

                  曲に集中していよ〜っと。


                  途中でマイスターが突然観客席に向かって


                  「知らない曲のリハーサルなんて苦痛ですよね。

                   でも、みなさん、それを知って来ていらっしゃるワケですから

                   水曜日には全曲、コンサートで演奏して見せます」


                  ・・・って、それはちょっと、いや、かなり

                  聴衆に対して失礼じゃないか????(怒)


                  少なくとも集まった50人くらいの聴衆の中の一人は

                  リハーサルに行く事が決まった時点で

                  イヤになるほど、マルティヌーの交響曲5番を聴き込んで来てますが。


                  あの余計な一言には、本当に腹が立って

                  (自分の努力を全く認めてくれなかった、みたいな怒りと

                   聴衆をバカにするな、という思い上がりの指揮者に対しての怒り)

                  ウィーン放送交響楽団友の会に告げ口しようかと

                  一瞬、本気で考えたが


                  事務方がマエストロに何も言える訳ではないし

                  数年前に就任して

                  最初にこのリハーサル公開の試みをやった時の

                  マイスターの素直さと比べて

                  ちょっと今日の、あの余計な一言は

                  思い上がるなアホ、と怒鳴ってやりたい気分ではあったが


                  良いの、指揮者なんて山ほど居る事だし

                  マイスターがああいう態度を取るなら

                  ウィーン放送交響楽団のチクルスを来年から買わず

                  (だいたい、チクルスで買わなくても

                   一回ごとのコンサートでチケット買えるし・・・余ってるから)

                  友の会からも脱退すれば良いんだもんね。


                  気をつけよう、夜道と余計な一言。


                  水曜日の徹底的に音響に拘ったマルティヌーが

                  どのように響くか

                  今から楽しみな私に

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                  ウィーン・フィル + ラファエル・パヤーレ 2回目

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                    Musikverein Großer Saal 2015年1月18日 11時〜12時55分


                    Wiener Philharmoniker

                    指揮 Rafael Payare

                    チェロ Robert Nagy

                    語り手 Dietlinde Turban-Maazel


                    Richard Strauss (1864-1949)

                     Don Juan, Tondichtung für großes Orchester, op. 20

                    Lorin Maazel (1930-2014)

                     The Giving Tree, für Orchester, obligates Violoncello und Erzähler, op. 15

                      Text : Shel Silverstein

                    Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)

                     Symphonie Nr. 4, f-Moll, op 36


                    日曜日定期。土曜日と同じプログラム。

                    席もほとんど同じだが

                    今日はパヤーレの指揮姿を拝見。


                    長くにわたって

                    指揮者の指揮姿を見ていると

                    基本的に若い指揮者はよく動くし

                    身体の動きもリズムと合って

                    ダンスを見ているような楽しさがある。


                    パヤーレも、よく動く。

                    特別に美しい指揮姿であるとか

                    ネルソンスみたいに表情がスゴイとかいうのはないけれど

                    冷静にキューを出すだけの指揮ではないし

                    多少なりとも自己陶酔の部分(とショーマンシップ)はあっても

                    それが目に余るほどでないところが好感。


                    リヒャルト・シュトラウスは

                    昨日と同じく

                    オーケストラをむちゃくちゃに鳴らせてスタート。


                    ううううん、確かに指揮者としては

                    力一杯、良いオーケストラを鳴らしたい、というのもわかる(ような気がする)

                    しかも、とんでもない速いテンポで

                    それにまた、しっかりついて行くオーケストラもスゴイが。


                    ワイルドな味付けのリヒャルト・シュトラウスの後は

                    大きな木で

                    これは、まぁ、いわゆる現代音楽(でもトナールだ)だから

                    指揮姿もそんなに別に変ではないし

                    気負いがあるワケでもない。


                    マゼール夫人が女優らしく

                    最後に手を上げていたのが見えたけれど

                    私の席からは、指揮者以外は何も見えないので(笑)

                    定かではない。


                    チャイコフスキーの交響曲4番。

                    これも、まぁ、よく動くし

                    オーケストラを目一杯鳴らせる。


                    昨日は荒かった金管の音が

                    多少、落ち着いて聴こえて来たのは耳慣れかもしれないが

                    全体的に、かなり緊張感があって

                    テンポの緩急も、よく聴いてみると

                    かなり考えられた動きをしている(みたいに思う)


                    しかしまぁ、この強弱の激しさと

                    テンポの緩急に

                    よくぞオーケストラが

                    間違いなく、ノーミスで見事についていったものだ・・・


                    と思ったら

                    何年か前のザルツブルクでのドゥダメル+ウィーン・フィルの

                    ストラヴィンスキーの「春の祭典」を思い出してしまった。


                    あれも、よくぞこのテンポで・・・という

                    恐るべき演奏だったのだ。


                    ウィーン・フィルの柔らかな音色とか

                    内包しているウィーンらしい洗練されたチャームとか

                    そういう物を見事に無視して指揮しているのに


                    やっぱり出てくる音は、紛れもないウィーン・フィルの音(笑)


                    あくまでも澄んでチャーミングで

                    一部の狂いもないアンサンブルで攻めてくる

                    あのテンポであの強弱でも

                    限りなく美しく響くチャイコフスキー。


                    う〜ん、一昔前のウィーン・フィルだったら

                    この演奏、オーケストラ・メンバーの造反モノだっただろうなぁ。


                    それだけウィーン・フィルのメンバーそのものが

                    若々しくなって来て

                    若い指揮者にも、がっつり食いついて

                    その指示通りに演奏する職人芸オーケストラになって来たのか。


                    ある意味、演奏スタイルとしては

                    オープンになって来ているのは喜ばしい事だし


                    そのオープンなスタイルの中で

                    あの伝統的な音色のまま演奏しちゃう、というオーケストラも

                    これまた、スゴイな・・・


                    朝のサウナで疲れて疲れて

                    コンサートから帰って

                    そのまま一日食って寝てという

                    怠惰な日曜日を過ごしてしまった

                    アホな私に

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                    バレエ・オマージュ 7回目

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                      土曜日のダブル・ヘッダー。

                      時系列で読みたい方は、まずは ここ からどうぞ。


                      Wiener Staatsballett 2015年1月17日 19時30分〜22時10分


                      BALLETT-HOMMAGE

                      THE SECOND DETAIL

                      振付・舞台・照明 William Forsythe

                      音楽 Thom Willems

                      衣装 Yumiko Takeshima & Issey Miyake

                      Ioanna Avraam, Alice Firenze, Kiyoka Hashimoto, Rebecca Horner

                      Gara Jovanovice, Ketevan Papava, Nina Tonoli

                      Ryan Booth, Trevor Hayden, Eno Peci, Mihail Sosnovschi, Dumitru Taran

                      Alexandru Tcacenco, Andrey Teterin


                      CONTRA CLOCKWISE WITNESS (For Ole)

                      振付とコンセプト Natalia Horecna

                      音楽 George Crumb, Max Richter und andere

                      衣装と舞台 Christiane Devos

                      照明 Mario Ilsanker

                      男 András Lukács

                      魂 Kirill Kourlaev

                      死の天使 Attila Bakó, Ryan Booth, Greig Matthews

                      ヘルタ・ストルッグ Céline Janou Weder

                      魂の付き添い Nina Poláková

                      ジンの男 Mihail Sosnovschi

                      花嫁 Anna Shepelyeva

                      規則 Céline Janou Weder - Mihail Sosnovschi

                               Anna Shepelyeva - Kirill Kourlaev

                      予言者 Anna Shepelyeva

                      天使 Andrea Némethová, Ioanna Avraam, Alice Firenze, 

                       Eszter Ledán, Ketevan Papava, Alexis Forabosco, 

                       Andrey Kaydanovskiy, Roman Lazik, Zsolt Török, Géraud Wielick


                      ÉTUDES

                      振付 Harald Lander

                      音楽 Kundåge Riisager nadh Etüden von Carl Czerny

                      指揮 Peter Ernst Lassen

                      ウィーン国立オペラ座管弦楽団

                      バレリーナ Liudmila Konovalova

                      ソリスト Robert Gabdullin, Masayu Kimoto, Richard Szabó

                      シルフィードたち  Andrea Némethová, Flavia Soares, Maria Tolstunova


                      本当は3回目の鑑賞辺りから

                      もう、これ以上観なくても良いか、と思っていた演目だが


                      何だかむちゃくちゃチケットが余っていて

                      一番安い席の中でもベストの席が空いていたので

                      ついついボッチリしてしまった・・・


                      その後で、会社から

                      誕生日プレゼントで無料チケット2枚(カテゴリー不問)というのが

                      はっぱ、こういうの好きでしょ?行かない?と入って来た。

                      (会社の誕生日って、いったい、いつ?(爆笑))


                      そのチケット、もう持ってるから、他のスタッフにどうぞ

                      と返した後で


                      しまった、一番高いチケットでも無料だったのか・・・

                      と思ったけれど


                      まぁ、安い席で見慣れてるし

                       (自分の正直さに、ちょっと嫌気がさしてる)


                      たぶん、誕生日プレゼントで大量に無料チケットを配ったせいか

                      あれよ、あれよという間に高い席から無くなって

                      とうとう、当日は満席となった。


                      稼働率99%以上って、こういうトリックですか(笑)


                      フォーサイスの The Second Details は好き ♡

                      完全なるモダン・ダンスでストーリーも何もないが

                      観るたびに新鮮で、何か新しい発見があって面白い。


                      橋本清香嬢とペアになった

                      えらく長身のカッコいいダンサーは誰だ?と思ったら

                      キャラクター役(しかも大人の役)の多いライアンではないか。


                      こういうモダンものって

                      美人だのイケメンだのがほとんど関係なく

                      顔ではなく、身体の美しさだけが際立って

                      各ダンサーの動きの面白さと

                      ダンサーたちの全体の動きの面白さが前面に出てくる。


                      ともかく不思議な作品。


                      2番目のコントラ・クロックワイズは

                      前から言っている通り、私はあまり好きではない。


                      魂役のキリルのソロと

                      ヘルタ・シュトロッグのソロ+トリオに

                      花嫁とジン・マンのシーン辺りから寝落ちした(ごめんなさい)


                      上演中に前の女性が一人脱落。

                      前が空いたので、ますます観やすくなった。

                      途中から寝てたけど (汗)


                      エチュードでのプリマはリュドミラ。

                      嬉しかったのは、ソリストで

                      木本全優さんとリッチーが組んだ事。

                      (ロベルトのソロは、リュドミラとのカップリングのみ)


                      リッチーは、むちゃくちゃ運動能力が高くて

                      小柄な身体を活かして、まるでコマみたいに回るわ飛ぶわ。

                      小気味良いし、キレが良くて

                      軸はズレないし、ジャンプも高い。


                      木本クンはリッチーとは持ち味が違う。

                      もちろん、素晴らしい身体運動力のあるダンサーだが

                      鋭いリッチーの踊りに比べると

                      もっと優雅で品があって

                      まぁ、本当に何て美しい身体なんだろう。


                      ちょっと気負ったのか

                      一部、荒くなりそうになった部分があったけれど

                      (リッチーにライバル心?(笑))

                      その後は落ち着いて

                      品の良い持ち味を活かして踊ってくれた。

                      見事だった。魅力的でチャーミング。


                      で、この演目の途中で

                      もう一人の前の女性が脱落(爆笑)


                      私、このエチュードって作品、好きだけどなぁ。

                      音楽は、まぁ、チェルニーだから

                      本当に練習曲っぽいし

                      途中で、何でそんな事するの?というズッコケ入るし

                      ウィーン・フィルも大変だなぁ、と思うが


                      バレエそのものは

                      ゴマカシの効かない基本の基本を

                      様々なバリエーションで見せてくれる。


                      踊っている人は踊りながら練習しちゃうので大変だろうが

                      私、割にバレエ・ダンサーの練習観るの、好きなんです。


                      リュドミラはいつもの通り華やかで


                      ほら、ご覧なさい

                      これがプリンシパルの踊りなのよ

                      一味違うでしょう?

                      ワタシ、キレイでしょう?


                      というオーラがバチバチ出ていて

                      こういうオーラ持ってる人、大好き ♡


                      オーケストラのコンサート・ミストレスは

                      ダナイローヴァ女史。

                      何と、定期でソリストを務めたロベルト・ノイジ氏が

                      チェロ弾いていたのにビックリ。

                      マゼールのソロからチェルニーまでこなすチェリスト(笑)

                      今日は天才フルーティストもオーケストラ・ピットに居て

                      チェルニーのむちゃ速いフレーズを

                      ものともせず、美しい音色で聴かせてくれたし


                      今日が10回目の公演で

                      そのうち7回観てるというのは

                      会場広いけど、きっとワタシくらいだよね・・・と

                      自分がアホに思える私に

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                      この演目、3月にまだ2回あるけれど

                      さすがに私は、これを最後に打ち止めにします。



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