Konzerthaus Großer Saal 2014年12月30日 20時〜21時10分
Wiener Symphoniker
Wiener singakademie
指揮 Ton Koopman
ソプラノ Malin Hartelius
メゾソプラノ Marie-Claude Chappuis
テノール Jörg Dümüller
バリトン Matthias Goerne
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Symphonie Nr. 9 d-moll, op. 125 (1822-1824)
日本人ならベートーベンの交響曲第9番
・・・という訳でもないが(笑)
今年のウィーン交響楽団の例年の第九の指揮者に
トン・コープマンと載っていたのが
私の好奇心をガンガン刺激した。
チケット一番安いもので39ユーロというのは
コンツェルトハウスにしては、異様に高い価格設定だが
プログラムはドイツ語と英語だし
この時期に大挙して来る観光客向けと思えば
妥当な値段ではあろう(でも納得いかない(笑))
で、簡単に感想書くなら
モダンの大規模オーケストラで
ノン・ビブラートの演奏、初めて聴きました(ぎょっ)
という感じ。
でもこれが面白くて。
ウィーン交響楽団は比較的冷静な職人肌の
かなり明るい音色を持つオーケストラだが
コープマンの指揮で
輝き抑えめの木目のような
でも、何とも温かい豊かな音を出している。
いつもの鋭さと一線を画した
柔らかい・・・というより、素朴な手触り。
規模は大きいから響くのだが
その響きが、聴衆を脅かすとかビックリさせるとか
ほら見たか、という誇大妄想狂になっていないのだ。
何か、すごく温かい。
外の気温がマイナス8℃くらいのところから
会場に入ってきて
こういう、人の肌の温もりを感じる演奏を聴くと
ほっこりする。
テンポは速め設定で
思い入れを持って歌わせるというよりは
古典派の端正なスタイルのまま。
自然で力が入っていなくて、流れが良い。
最終楽章のバリトンの一声。
ゲルネの深いバス(あれをバリトンとは言いたくない)
ギャラリー席に、これもベルベットのような柔らかさで響く。
最終楽章のテンポ、やっぱり速いのだが
あれは、現代のデフォルトなの?
プロの音楽家たちだから
どんなに速くても、楽々とついては行くが。
テノールのソロはなかなか聴かせてくれた。
多少、声が若いかなぁ、という感じはしたが
あれだけ音程が安定していて
美声で、若々しく聴かせてくれれば、かなり満足。
その後の4重唱で、ちょっと裏返ったけど
まぁ、それはご愛嬌というもので(笑)
ソプラノは声量はあまりないけれど
その分、がなり立てる事をせず
自然にオーケストラと溶け合って
天使みたいな声が聴こえて来たので
すごく満足。
教会向けの声だなぁ、と思っていたら
よく国立オペラ座で歌っているハルテリウスだった(笑)
ゲルネの深いドラマチックな声は
オーケストラが出していた
古典的な端正な音と、ちょっと時代が違うと思ったけれど
でも、ともかく、この第九、面白かった。
これにて2014年のコンサートその他のアミューズメントは終了。
風邪でぶっ倒れて5回行けなかったコンサートがあって
イムプルスタンツで日和ってしまった公演が2回あったけれど
締めて260回となった。
まぁ、そんなもんでしょう(笑)
熱心な読者の皆さまに
260回も、私が感激したり、悪口言ったりしているのに
お付き合いいただきまして
本当にありがとうございました。
12月31日は仕事だし
夜は市内に出るのもシンドイので
(1月2日も3日もお仕事・・・)
これが、本年最後の記事となります(たぶん)
という事で
本年最後の1クリックを
どうぞよろしくお恵み下さいませ。
来年2015年も、どうぞよろしくご愛読下さい。