ウィーン交響楽団 + トン・コープマン

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    Konzerthaus Großer Saal 2014年12月30日 20時〜21時10分


    Wiener Symphoniker

    Wiener singakademie

    指揮 Ton Koopman

    ソプラノ Malin Hartelius

    メゾソプラノ Marie-Claude Chappuis

    テノール Jörg Dümüller

    バリトン Matthias Goerne


    Ludwig van Beethoven (1770-1827)

    Symphonie Nr. 9 d-moll, op. 125 (1822-1824)


    日本人ならベートーベンの交響曲第9番


    ・・・という訳でもないが(笑)

    今年のウィーン交響楽団の例年の第九の指揮者に

    トン・コープマンと載っていたのが

    私の好奇心をガンガン刺激した。


    チケット一番安いもので39ユーロというのは

    コンツェルトハウスにしては、異様に高い価格設定だが

    プログラムはドイツ語と英語だし

    この時期に大挙して来る観光客向けと思えば

    妥当な値段ではあろう(でも納得いかない(笑))


    で、簡単に感想書くなら


    モダンの大規模オーケストラで

    ノン・ビブラートの演奏、初めて聴きました(ぎょっ)


    という感じ。


    でもこれが面白くて。

    ウィーン交響楽団は比較的冷静な職人肌の

    かなり明るい音色を持つオーケストラだが

    コープマンの指揮で

    輝き抑えめの木目のような

    でも、何とも温かい豊かな音を出している。


    いつもの鋭さと一線を画した

    柔らかい・・・というより、素朴な手触り。


    規模は大きいから響くのだが

    その響きが、聴衆を脅かすとかビックリさせるとか

    ほら見たか、という誇大妄想狂になっていないのだ。


    何か、すごく温かい。

    外の気温がマイナス8℃くらいのところから

    会場に入ってきて

    こういう、人の肌の温もりを感じる演奏を聴くと

    ほっこりする。


    テンポは速め設定で

    思い入れを持って歌わせるというよりは

    古典派の端正なスタイルのまま。

    自然で力が入っていなくて、流れが良い。


    最終楽章のバリトンの一声。

    ゲルネの深いバス(あれをバリトンとは言いたくない)

    ギャラリー席に、これもベルベットのような柔らかさで響く。


    最終楽章のテンポ、やっぱり速いのだが

    あれは、現代のデフォルトなの?

    プロの音楽家たちだから

    どんなに速くても、楽々とついては行くが。


    テノールのソロはなかなか聴かせてくれた。

    多少、声が若いかなぁ、という感じはしたが

    あれだけ音程が安定していて

    美声で、若々しく聴かせてくれれば、かなり満足。


    その後の4重唱で、ちょっと裏返ったけど

    まぁ、それはご愛嬌というもので(笑)


    ソプラノは声量はあまりないけれど

    その分、がなり立てる事をせず

    自然にオーケストラと溶け合って

    天使みたいな声が聴こえて来たので

    すごく満足。


    教会向けの声だなぁ、と思っていたら

    よく国立オペラ座で歌っているハルテリウスだった(笑)


    ゲルネの深いドラマチックな声は

    オーケストラが出していた

    古典的な端正な音と、ちょっと時代が違うと思ったけれど

    でも、ともかく、この第九、面白かった。


    これにて2014年のコンサートその他のアミューズメントは終了。

    風邪でぶっ倒れて5回行けなかったコンサートがあって

    イムプルスタンツで日和ってしまった公演が2回あったけれど

    締めて260回となった。


    まぁ、そんなもんでしょう(笑)

    熱心な読者の皆さまに

    260回も、私が感激したり、悪口言ったりしているのに

    お付き合いいただきまして


    本当にありがとうございました。


    12月31日は仕事だし

    夜は市内に出るのもシンドイので

    (1月2日も3日もお仕事・・・)

    これが、本年最後の記事となります(たぶん)


    という事で

    本年最後の1クリックを

    どうぞよろしくお恵み下さいませ。



    来年2015年も、どうぞよろしくご愛読下さい。



    バレエ・オマージュ6回目 ただしエチュードだけ

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      Wiener Staatsoper/Staatsballett 2014年12月29日 20時30分〜21時40分


      ÉTUDES

      振付 Harald Lander

      音楽 Kundåge Riisager nadh Etüden von Carl Czerny

      指揮 Peter Ernst Lassen

      ウィーン国立オペラ座管弦楽団

      バレリーナ Anna Tsygankova

      ソリスト Leonardo Basílío, Vladimit Shishov, Dumitru Taran


      え〜っとですね、

      本当はバレエ・オマージュの6回目鑑賞になる予定だったのだが


      年末・年始のバタバタが始まってしまい

      昨日も、深夜過ぎのあわやお客さま行方不明事件とか

      今日も、オフィスを出ようと思ったとたんに

      ロスト・バゲッジのトラブルとか


      まぁ、色々あります、この業界は(笑)


      もともと、最初のフォーサイスはともかくとして

      次のクロックワイズは、あまり好きな作品ではないので

      この2つが終わってからオペラ座に行こうという確信犯。


      適当に時間を見計らっていったので

      いつもの配役表も買っていないので

      もしかして、もしかしたら、出演者違うかも(汗)


      ただ、私のお目当ては

      ツィガンコーヴァさまである(断言)


      ソリストは、この間の力一杯の新人とドミトル

      女性ダンサーのサポートが上手で

      イケメンだから、色々と絵になるシショフ。

      指揮者もこの間と同じだったと思うのだが

      オーケストラほとんど見てないのでわからない、すみません。


      本日のオーケストラによるチェルニー

      序曲のむちゃ速いテンポで

      ホーネックさんコンマスの弦が

      ものすごいテンポでシャカシャカ弾きまくっていて

      木管が、またもや人間技とは思えぬテンポで吹き捲くり


      わっはっは、ウィーン・フィルさん、お疲れさまです(同情)


      作品がエチュードなので

      チェルニーのピアノ練習曲をもとに

      オーケストレーションした曲でも全然構わないのだが


      ただ、途中を、あんなポリフォニーのズッコケにする必要は

      どこにあったんでしょう???


      チェルニーならチェルニーで

      普通にチェルニーしていれば違和感はないのに

      途中でポリフォニーになって

      不協和音の連続で


      あれ、知らない人が聴いたら

      オーケストラが間違えてる、と思うんじゃないかなぁ。

      (それにしては、間違いがあまりに酷いので

       わざとそういう編曲にしている、という事は推測できるだろうが)


      舞台の上のエチュードは

      これはこれで、かなり面白いし

      人形が動いているような感じで

      (それだけ、バレエのスタイルに正統的に拘っている)

      ううう、バレエ・ダンサーって

      本当に大変なんだなぁ、と、しみじみ感じるし


      だいたい、あのハードで素早い動きが

      日頃のエチュードなんて

      運動神経が、普通の人の1000倍くらいありそうだ、うん。


      で、その、不必要にズッコケるチェルニーに乗って

      エチュードを順番に見せてくれる合間に


      ツィガンコーヴァさまが登場する ♡♡♡


      何だこれ、この人が舞台に出てくるだけで

      輝くオーラが舞台を満たして


      周囲で踊っているダンサーと同じような動きをするのに

      なのに、なのに

      その同じ動きが

      周囲のエチュード・ダンサーと

      はっきりと違うのである。


      も〜、何なんですか、このダンサー(最高の褒め言葉です)


      最初のソロ・シーンなんか

      ほとんどポワントのままで

      しかも、あんなポーズをポワントで一人立ちして

      全く揺れがなくて自立しているって


      どういうバランス感覚の身体なんでしょう???


      いや、テクニック的にはツィガンコーヴァと同じ人はいるかもしれない。

      ただ、彼女の出す明るいオーラ

      身体全体でお喋りしているような

      訴えかけてくる芸術的な表現力が群を抜いているのである。


      リュドミラと似たタイプなのだが

      リュドミラが割にシャキシャキした切れ味の良いダンスをするのに対して

      ツィガンコーヴァのダンスは

      もう少したおやかで女性らしい。


      ダンサーの個性って、本当に面白い。

      観れば観るほど

      その人の持っている芸術性が

      歳と共に前面に出てくるのは、とても楽しい。


      若手のダンサーは、これから伸びるというところで

      ただ、突出した個性を持っている人は少ない。

      (でもスターになるダンサーには

       既に若い頃からオーラがある)


      技術的に隙のないトップのダンサーが

      30歳を越えた辺りから

      俄然として、その個性を出してくる。


      バレエって、こんなに面白いものだとは・・・


      ええ、すみませんね、最近バレエが多くて。

      でも、コンサート関係は

      年末・年始になると

      どこでもニューイヤー・コンサートとか称して

      ヨハン・シュトラウスとかばっかり弾いているので

      (すみません、ワタシ、苦手なんです)

      本格的に、またコンサート通いが始まるのは

      古典音楽祭レゾナンツェン(行きません来年は)が過ぎた頃からなので


      どうぞ許して、1クリックをお恵み下さい。




      国立バレエ クルミ割り人形 18回目 夜公演

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        バレエ(しかも同じ演目)のダブルヘッダーです(すみません)

        時系列で読みたい方は、まずは ここ から


        ついでですが、この記事が

        このブログに引っ越ししてから、2000番目の記事になります。

        ・・・よく書いたよね(ボソ)


        Wiener Staatsoper / Wiener Staatsballett 2014年12月26日 19時30分〜21時30分


        Der Nussknaker

        Ballett in zwei Akten nach Marius Petipa und Lew Iwanow


        振付・演出 Rudolf Nurejew

        音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski

        舞台・衣装 Nicholas Georgiadis


        クララ Liudmila Konovalova

        ドロッセルマイヤー・プリンス Vladimir Shishov

        ルイーザ Ioanna Avraam

        フリッツ Dumitru Taran

        父親 Gabor Oberegger

        母親 Andrea Némethová *

        祖父 Christoph Wenzl

        祖母 Eva Polacek

        ネズミの王様 Attila Bakó, Jacopo Tissi

        小さなクルミ割り人形 Trevor Hayden

        雪の精  Ioanna Avraam, Alice Firenze

        スペインのダンス Ioanna Avraam, Dumitru Taran

        アラビアのダンス Dagmar Kronberger, Alexandru Tcacenco, Eva Polacek, Christoph Wenzl

        ロシアのダンス Andrea Némethová *, Gabor Oberegger

        中国のダンス Marcin Dempc, András Lukács, Richard Szabó

        パストラーレ Maria Alati, Anita Manovola *, Jakob Feyferilik *


        指揮 Gerrit Preißnitz


        18回目のクルミ割り人形鑑賞。

        (今まで24回上演されているので欠席6回。しつこい奴(笑))


        今日の公演は

        オペラ座脇の大スクリーンでもライブ放映だし

        インターネットのオペラ座ライブでも配信される。


        去年もそうだし、DVD もそうなんだが

        何故、クルミ割り人形の記録に残す公演って

        リュドミラとシショフの育ち過ぎカップルなの???


        いえいえ、育ち過ぎカップルに反対はしませんが。

        だって、2人ともベテランだし

        背があって見栄えするし

        迫力の美男・美女カップルだし。

        (あまりに円熟した美男・美女なので

         ちょっと妖しげな雰囲気は漂ってしまうが)


        午前中の公演で見事にずれた木管が

        夜の公演では、ピッタリ決まったので

        おお、やるじゃん、と思っていたら

        どうもメンバーが入れ替わったらしい。

        (安い席なので見えなかったのである)


        リュドミラって、本当に美女だから舞台映えする。

        けれど

        子供の群舞の時に

        シショフの膝の上に乗ると

        何か、ちょっと、うう、それ、違う・・・(冷汗)


        ・・・いや、観客は子供のダンスに目を奪われて

        舞台の上手の端の方で行われているさりげない演技なんか

        普通は見てないだろう(自爆)


        リュドミラは可愛い女の子を演じているし

        そりゃ、演技で魅せてはしまうのだが

        やっぱりクララには、ちょっと無理がある。

        (特に数時間前に10代のキュートなクララ見ちゃうと・・・)


        ただ、あのベテランの貫禄とオーラはスゴイわ。

        シショフも日頃のイケメン振りを充分に意識していて

        この2人がデュエットすると

        確かにスケールが違って

        空間の切り取り方がとても大きくて

        ダイナミックで、舞台がとても映える。


        序曲が決まった、とホッとしていたら

        前半の最後の雪の精の群舞のところで

        子供のコーラスとオーケストラが、見事にズレまくり(笑)


        群舞のダンサー、カウント取り難かっただろうなぁ。

        お疲れさまです。

        あれは指揮者が悪いのか

        コーラスの指導者が悪いのか。


        だいたい、あの部分のコーラスとオーケストラって

        それでなくても合わせるの、かなり難しいのに。


        言いたくないが

        オーケストラと指揮者は

        本日の夜公演も、かなりアレでしたよ、うん。

        (ウィーン・フィルのファンの方、ごめんなさい)


        今日の配役で驚いたのが2人。


        ダグマーがアラビアのダンス。

        これ、ダグマーで観るの、私は初めてだと思う。


        ケテヴァンやアリーチェのように

        どこまで上げるんじゃ、という足の上げ方はしないし

        ポーズも、ケテヴァンやアリーチェのように

        鋭くは決まらないのだが


        あの品の良さと優雅さは

        ダグマーしか踊れないよ、うん。


        何であんな役を踊ってまで

        ダグマーって上品で貴族的で優雅なんだろう。

        ある意味、すごい個性で、すごく魅力的。


        パストラーレを踊った男性ダンサーは

        この役で初登場。


        ちょっとこのダンサー、何て足が長いの???

        8頭身どころか、9頭身くらいありそうで

        その上、身体の半分以上が足、というようなスタイルの良さ。


        で、パストラーレでその脚を振り上げると

        むちゃダイナミックでカッコいいのである。

        テクニック的にも、かなり良い感じだし

        最後、ちょっとフラついたけれど許容範囲内だし

        この人、次の世代で、かなり良いところまで行くんじゃない?


        リュドミラとシショフの金平糖は

        華やかで贅沢で

        我々が理想として描いている金平糖の、ある意味での実現ではある。


        非の打ち所がない美しさと華やかさ。

        ゴージャスで

        安定感があって

        シショフのジャンプもピルエットも

        余裕もって決まってた。

        (シショフって、背があって脚が長いから

         大きなジャンプすると、ダイナミックでステキなの)


        あ、もちろん、片足バランスも

        えいっ!という感じではあったけれど

        シショフがかなり高いところまで脚を上げて

        長いキープを見事に見せてくれた。


        リュドミラって、やっぱり美人だし

        シショフって、やっぱりイケメンだし

        ポーズのキメがばっちりで


        ポーズを決めて見せてくれると

        夢の絵画が、今、目の前に・・・という感じで

        歌舞伎の見栄と同じように

        ドキドキする程、魅力的。


        何回観ても、いや、何回も観るからこそ

        細かい部分の違いとか

        各ダンサーによる役作りの違いとか

        色々見えてくる事があって面白い。

        (だから、何回も観る言い訳ですってば(汗))


        というワケで

        オーストリアの祝日、25日・26日は過ぎてしまって

        明日から、そろそろ

        この業界通例の

        年末・年始のバタバタが始まって巻き込まれる予定の私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        クリスマスが終われば

        年末・年始はずっと仕事。

        (第一、オーストリアは1月1日が祝日で

         1月2日は普通の金曜日である)

        明日から雪と氷で最低温度マイナス6℃で

        最高温度マイナス2℃という予想に怯えています(笑)


        国立バレエ クルミ割り人形 17回目 マチネ

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          Wiener Staatsoper / Wiener Staatsballett 2014年12月26日 13時30分〜15時30分


          Der Nussknaker

          Ballett in zwei Akten nach Marius Petipa und Lew Iwanow


          振付・演出 Rudolf Nurejew

          音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski

          舞台・衣装 Nicholas Georgiadis


          クララ Natascha Mair

          ドロッセルマイヤー・プリンス Denys Cherevychko

          ルイーザ Maria Alati

          フリッツ Richard Szabó

          父親 Ryan Booth

          母親 Dagmar Kronberger

          祖父 Christoph Wenzl

          祖母 Eva Polacek

          ネズミの王様 Attila Bakó, Jacopo Tissi

          小さなクルミ割り人形 Trevor Hayden

          雪の精  Ioanna Avraam, Alice Firenze

          スペインのダンス Maria Alati, Richard Szabó

          アラビアのダンス Alice Firenze, Eno Peci, Eva Polacek, Christoph Wenzl

          ロシアのダンス Dagmar Kronberger, Ryan Booth

          中国のダンス Marat Davletshin, Trevor Haydn, Gérald Vielick

          パストラーレ Ioanna Varaam, Laura Nistor, Dumitru Taran


          指揮 Gerrit Preißniz *


          17回目のクルミ割り人形鑑賞。


          12月26日はステファン聖人の日で

          オーストリアは祝日である。

          祝日狙い、家族狙いの昼夜2公演の、まずはマチネ。


          指揮者初登場。

          フォルクス・オーパーではよくお目にかかる指揮者である。


          序曲・・・っとっとっと

          うわ、テンポ速い(というか、いつもこのテンポだよね?)で

          フルート吹き切れず

          続いたオーボエがついて行かず

          すでに、ここでオーケストラのズレが・・・(汗)


          その後も、かなりヒヤヒヤするところがあったけれど

          まぁ、それはともかくとして


          スーパー・キュートなナターシャが主役 ♡♡♡


          今年1月のナターシャのクララは

          仕事の関係で観に行けなかったので

          今回、私は初めてナターシャのクララを観る。


          ううう、さすがに10代の若さは

          クララの役柄にはピッタリ。

          新鮮で初々しくて

          やっぱりスーパー・キュートだが

          まだ最初は硬さが取れていなくて

          クルミ割り人形を抱いて踊るところなどが

          ちょっとギクシャク。


          ネズミに襲われてベッドに行く場面が

          ちょっとタイミングがずれて

          プレゼント投げが1個早くなっちゃって

          でも壊れた人形の一部を最後は投げていたから

          不自然にはならなくて良かったね。


          でも、その後のデニスとのデュエットになったら

          落ち着いて、優雅になってきた。

          これは後半、期待できるかも・・・


          うはははははは

          思った通り、ナターシャの金平糖、最高だった!!!


          何とまぁ、あのキュートさって

          オルゴールの上で踊るバレリーナって感じ。


          子供の頃にオルゴールの上で踊る

          むちゃキュートなバレリーナとか見た記憶があって

          ナターシャのキュートさって

          そこら辺を歩いている人間じゃなくて

          本当にお人形さんみたい。


          それも、魂の籠らない人形ではなく

          超一流の人形師が精魂籠めて作った

          えも言われぬ美しさを持つ人形って感じなの ♡


          しかも出ているオーラの明るい事。

          完璧な身体の形に確固としたテクニック。

          更に輝くような表情と笑顔を惜しげもなく振りまいて

          10代の初々しさも加わって

          本当に何とキュートで可愛らしい金平糖。


          あの持ち味はナターシャならでは。

          そして、たぶん、この年齢でしか出来ないダンスである。

          ああ、観られて良かった(歓喜の涙)


          デニスはいつもの通りの元気一杯なジャンプを

          じゃんじゃんやって

          ナターシャと持ち味はちょっと違うけれど

          (デニスはどちらかと言えば破天荒クンなので)

          若くても優雅なナターシャとよく合った。


          ・・・正直言えば、ナターシャのオーラの方が強かったんだけど。


          ナターシャのクララは

          1月9日の公演でまた観られる。


          もちろんチケットは確保してます、という

          ワケのわからん事をしている私に

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。




          オズの魔法使い

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            Volksoper 2014年12月25日 18時〜21時


            Der Zauberer von Oz

            Musical nach dem Roman von L. Frank Baum

            Musik und Gesangtexte von Harold Arlen und E.Y. Harburg


            指揮 Lorenz .c Aichner

            演出 Henry Mason

            舞台・衣装 Jan Meier

            振付 Francesc Abós

            照明 Mario Ilsanker

            ビデオ Christian Schwab


            ドロシー・ゲール Johanna Arrouas

            トト ドロシーの犬 Daniel Jeroma

            叔母/グリンダ Regula Rosin

            叔父ヘンリー/エメラルドの都の守り人 Wolfgang Gratschmaier

            ヒンク/かかし Peter Lesiak

            ヒックトリー/ブリキの男 Oliver Liebl

            ゼイク/ライオン Martin Bermoser

            アルミーダ・グルチ/東の悪い魔女 Christian Graf

            オズの魔法使い Boris Eder

            アンサンブル Lorna Dawson, Eva Prenner, Bettina Schurek

                               Lynsei Thurgar, Georg Prohazka, Christian Schleinzer

                               Timo Verse


            フォルクス・オーパー 合唱団 オーケストラ

            フォルクス・オーパー 児童・青年合唱団

            フォルクス・オーパー 付属俳優

            ウィーン国立バレエ団


            最近初演されたミュージカル、オズの魔法使いが

            えらく評判が良くて

            ミュージカル苦手なんだが、やっぱり行ってみたい


            ・・・チケット、すごく売れてる(汗)

            みんな家族連れで来るんだろうなぁ。


            と思っていたら、12月25日にギャラリーの安い席が1席だけ空いていた。

            そういう時には迷わないの、ワタシ(笑)


            18時からの公演で、子供が多いから、2時間くらいかと思っていたら

            しっかり1回の休憩挟んで、3時間の公演である。


            実はこのオズの魔法使い。

            昔のミュージカルの DVD を持っているのだが

            (ジュリー・ガーランドが出演した古い映画だ)

            あの映画、途中で小人がゾロゾロ登場して


            うわ、この映画のために

            こんなに多くの小人を集めたのか

            (酷い言い方になるけれど

             小人ってやっぱり一種の身体障害者ではあるから)

            ・・・と、何か気持ち悪くて(すみません)


            その意味でトラウマのある作品だった。


            会場には子供が多い(それは最初から推測済み)

            前の子は乗り出すので舞台が見えないし

            後ろの子は退屈すると前の座席を蹴っ飛ばすし


            ところが、それだけ邪魔が入っても

            このミュージカル、面白いのである!!!!


            音楽云々よりはセリフが多いから

            音楽付き演劇みたいな性格が強いけれど

            何が良いかって


            ドロシーの犬の トト


            犬の役のところに名前があったので

            人間が犬の着ぐるみか?と思っていたら


            犬の人形を、人形使いが動かすのだが

            これが、これが、これが


            キュート ♡♡♡♡♡



            プログラムの写真をスマホで撮った。

            ちょっと光ってるけれど、この男性がずっと犬を操っていた。


            いや、本当に犬って、ああいう動きをするよな、という

            キョロキョロしたり

            あっちで愛想振りまいたり

            警戒して唸ったり

            一生懸命高いところに飛び上がろうとしたり


            出演者が歌っていると

            退屈して、身体ナメナメしてるし(きゃ〜っ!!!!)


            出演者、みんなダンスは巧いし

            バレエ団も出てきて、素敵なダンスを見せてくれるのだが


            私は最初から最後まで、この犬に釘付けで・・・


            人形使いの人、ずっと中腰で

            いや、もう大変な作業だと思うのだが

            尻尾の振り方から、人間の見つめ方から

            吼える前の姿勢から何から


            どう見ても生きている犬にしか見えない ♡


            で、実は私、犬が好きだったりするので・・・


            舞台は回転舞台を最大限に利用して

            舞台をせり出したり、上げたり

            もちろん、奈落も巧く使用して

            色もキレイだし

            衣装もカラフルで

            ミュージカルの王道というのは、あれだな、うん。


            出演者はもちろん全員マイク付きだが

            音量の調整が巧くて

            最初のアロウズの金切り声には、ちょっと参ったが(セリフです)

            それ以外は、神経にも障らず


            カカシ君の登場場面で

            あれだけ舞台で転がるのは痛いだろうなぁ、とか(笑)


            しかし、みんなキャストはダンスが巧い。

            国立バレエ団の群舞の前で踊っていても遜色がない。


            声量だの何だのを問題にしなければ

            これだけ歌って踊れる人がいるのだ。

            ・・・オペレッタもマイク付けてやったら

            もっと舞台がキレイになるのに(あっ、すみません)


            お話そのものは、子供向けの勧善懲悪モノだから

            コメントなし。

            まぁ、楽しいです、うん。

            多少、最後に教訓らしきモノが出てくるのだが。


            教訓だけど・・・

            人間、頑張ってもどうしようもない事も

            人生にはあるんですよ、とか

            子供に言っても仕方ないし

            (それは重なる挫折の中で学んで行くのだ)


            子供時代には、無限の可能性があって

            頑張れば何でも希望は叶うと思っていた方が

            幸せなのであろう(こらこらこら)


            いや、でも、このミュージカルのキモは

            あの犬です(断言)


            いや、可愛かったわ、と

            胸キュンキュンの私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            ちなみに、本日がクリスマスです(強調)

            明日12月26日はステファンの日で

            オーストリアは続けて祝日 ♡


            動画を探したら

            大道具の人のインタビューがあった。

            途中で何シーンかミュージカル・シーンが出てくるので

            よろしければ、ぜひどうぞ。

            もちろん、犬のトトも必ずドロシーの傍にいます(キュート!!!)




            国立バレエ クルミ割り人形 通算16回目

            0

              Wiener Staatsoper / Wiener Staatsballett 2014年12月22日 19時30分〜21時30分


              Der Nussknaker

              Ballett in zwei Akten nach Marius Petipa und Lew Iwanow


              振付・演出 Rudolf Nurejew

              音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski

              舞台・衣装 Nicholas Georgiadis


              クララ Kiyoka Hashimoto

              ドロッセルマイヤー・プリンス Robert Gabdullin

              ルイーザ Ioanna Avraam

              フリッツ David Dato

              父親 Gabor Oberegger

              母親 Dagmar Kronberger

              祖父 Christoph Wenzl

              祖母 Eva Polacek

              ネズミの王様 Attila Bakó, Jacopo Tissi

              小さなクルミ割り人形 Trevor Hayden

              雪の精  Ioanna Avraam, Alice Firenze

              スペインのダンス Ioanna Avraam, Davide Dato

              アラビアのダンス Alice Firenze, Eno Peci, Eva Polacek, Christoph Wenzl

              ロシアのダンス Dagmar Kronberger, Gabor Oberegger

              中国のダンス Marcin Dempc, András Lukács, Richard Szabó

              パストラーレ Eszter Ledán, Nina Tonoli, Greig Matthews


              指揮 Paul Connelly


              16回目のクルミ割り人形鑑賞。

              こうなってくると、立派なストーカーである

              (ってわかってるわよ、だから何?←開き直り)


              日刊新聞 Die Presse ではアリーチェとイオアンナの雪の精が

              誉められてるんだか、貶されてるんだか

              (デビュー戦にしては巧いがまだハーモニーが、とか何とか)


              橋本清香嬢については

              クララ役と金平糖に必要な古臭さを持ち

              ロベルトと揃うと美しいカップルだったが

              橋本嬢は目立たず

              ロベルトは色がない


              ・・・というような事が

              非常に古臭い、面倒なドイツ語で書いてあった。


              ふん、橋本清香さんとロベルトが目立たなくて色がないのは

              彼らの個性である(断言)


              橋本清香嬢とロベルトの2回目の公演。

              どこが色がないって?(プンプン)


              21時30分の終演の後

              私は本当に泣きそうだったのだ(強調するがホントです)


              橋本清香さんとロベルトのカップリングって

              本当に本当に本当に


              ほとんど完璧


              見た目のバランスが最高で

              またこの2人

              テレパシーの持ち主か

              肉体が連動してるのかと思うくらい

              仕草の一つ一つの高さがピッタリあって


              小難しい事をどうしても言いたい批評家には

              色がなくて無個性とかに見えたのかもしれないが


              この完璧さ、色のなさ、透明感と

              最上で純粋な、混じり気の全くない美というのは

              ヘンな意味での「個性」やアクを遥かに越える(断言・強調・きっぱり)


              何とまぁ、こんな最上の最高の至高の美が

              舞台の上で観られるなんて・・・(感涙)


              新聞評には、古臭いドイツ語で小難しい事を書いた後に

              それでも、この演目は非常に楽しい云々と

              取って付けたように弁護していたが

              別に、無理やり弁護していただかなくても

              1月の最終公演に至るまで

              チケットは全部売り切れですから。ふんっ。


              橋本清香嬢のダンスは

              完璧な体型と、完璧なテクニックで

              もう、見事なもので


              しかも最近、もともと美人なのだが

              ハッとするような表情を見せてくれる瞬間が多く

              ダンスの技術のみならず

              卓越した演技力を伺わせる傾向が見えてきている。


              完璧なだけに(あぁ、影でどの位努力なさっている事か)

              他のダンサーが持っているような

              強い個性とかアクというものがない。


              それを没個性と解釈するか

              完璧であるが故の、ある意味避けられない事と解釈するか。


              いや、個性はあるんですよ。

              橋本清香さんの個性をどう表現するか

              ずっと考えていたのだが


              端正で

              インテリで

              凛としている清々しさ


              という感じかなぁ。


              (もちろん、舞台で観ていただくのが一番なんです。

               こんな事、書いていても、読者には想像もつかんだろう)


              ロベルトはこの間は何となく疲れてるかも、という印象だった。

              で、確かに飛び抜けて派手な高いジャンプはしていないのだが


              ロベルトのダンスって継ぎ目が全くない。

              音楽的にフレーズが長く

              すべてのパが途切れなく滑らかに繋がって行くのだ。


              だから、ロベルトと橋本清香さんのカップリングは

              実に上品なのである。

              「個性」なるものが雑味で混じっている事がない。


              で、金平糖のヌレエフ版のパ・ド・ドゥのハイライトと言えば

              男性が片足で立って

              女性が斜めになってバランスを取るという

              人間技じゃないだろ、というシーンだろう(他にもハイライトあるが)


              この間の時に、私はとんでもないモノを見てしまった。

              (意図的に書かなかったけれど)


              横に清香さんが立って

              ロベルトが片足あげて、その側面に清香さんが張り付くのだが


              ロベルトの片足バランスが低過ぎて

              すぐに降ろしてしまった時に


              清香さん、ロベルトの片足を支えにするんじゃなくて

              自力で斜めになって身体を保ってた!!!!


              何と言うバランスで、何と言う筋肉・・・

              (あんなに細いのに・・・)


              今日のパ・ド・ドゥは

              最初に2人が並んで、ポワントのアラベスクで静止した時から

              バッチリとキマっていて

              ううう、何と言うバランスの良さ。


              ジャンプもリフトもバチバチ決まるし

              うわうわうわ、と目を見開いている間に


              出た、片足バランス。


              え?

              え???

              えええ????


              ロベルト、いつまで片足で立ってるの?????


              オーケストラのジャン、という音の残響が消えるまで

              清香さんはロベルトの片足に頼らず

              斜めのバランスで、ロベルトの腕だけで空中に浮かんでるし


              ロベルトは片腕で清香さんを支えたまま

              左足だけで、ずっと立ってるし・・・


              クルミ割り人形、ヌレエフ版、今回16回目の鑑賞だが

              あのバランスのキープの長さは

              今までの最高記録だ・・・(驚愕)


              その後の各自のソロ。

              ロベルトも凄いが

              清香さんのソロの見事さと言ったら、もうもうもう。


              ものすごい安定感で自立したままのキープが

              ビクともしない。

              何ですかあれ。人間技ですか。


              変なクセ(個性とも言うかも)がなくて

              バレエ・コミックからそのまま舞台に乗せましたというか

              教科書から模範演技の最高のものを提供してます、というか

              もう、見事としか、私は何も言えない。


              クセだの個性だのが何なんだ。

              清香さんのあの完璧な技術に勝るものが何処にある?!


              今日はちょっと、いや、かなり贅沢して

              バルコンの正面に近い高い席を押さえたので

              群舞の見事さが堪能できて


              もちろん、みんなのソロも熟れていて素晴らしい。


              あの席からだと

              前半の最後にある雪の精の豪華絢爛な群舞も

              後半の花のワルツの

              本当に花が咲いて行くような群舞振付の妙も

              ともかく、素晴らしい状態で見えるのだ。

              やっぱり高い席は違うのう、わっはっは。


              完璧な舞台、というものが存在するとすれば

              (実際にはそんなモノは存在しない)

              今日の公演って、その理想に限りなく近い一つの形ではあった。


              こんな最上の最高の至上の楽しみを

              惜しみなく観客にプレゼントしてくれるダンサーたちって


              本当に本当に本当に


              あ・り・が・と・う!!!!


              オーケストラは拍手のフライングを無視して

              全く音が聴こえない状態から演奏せざるを得ない部分が多くて

              大変だっただろうとは思うけれど


              いや〜、チャイコフスキー、素敵 ♡

              またそれをウィーン国立歌劇場管弦楽団が弾くと、また素敵 ♡


              こういう体験があるから

              止められないのよ、劇場通いは・・・(正当化 もとい言い訳)


              舞台の上のダンサーたち

              オーケストラ・ピットのプレイヤーたち

              みんなを抱きしめて

              感謝の気持ちを伝えたいという

              すごい感情的な気持ちになっている私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。


              さすがに23日・24日は夜は何もなし。

              12月24日は劇場すべてがお休みのクリスマス・イブ

              独り者の私には気楽な夕べで

              これしよう、あれしよう、と計画はたくさんある(笑)




              国立オペラ座「アラベラ」

              0

                日曜日のダブル・プレイ(笑)

                最初の記事から読みたい方は、まず ここ からどうぞ。


                Wiener Staatsoper 2014年12月21日 19時〜21時50分


                Richard Strauss

                ARABELLA

                Lyrische Kömodie in drei Aufzügen

                Text von Hugo von Hofmannsthal

                指揮 Ulf Schirmer

                演出 Sven-Eric Bechtolf

                舞台 Rold Glittenberg

                衣装 Marianne Grittenberg


                ヴァルトナー伯爵 Wolfgang Bankl

                アデライーデ Carole Wilson

                アラベラ Anne Schwanewilms

                ズデンカ Juliane Banse

                マンドリーカ Tomasz Konieczny

                マッテオ Herbert Lippert

                エレメール伯爵 Norbert Ernst

                ドミニク伯爵 Gabriel Bermúdez

                ラルモール伯爵 Clemens Unterreiner

                フィアカーミリ Daniella Fally

                女占い師 Ulrike Herzel

                ヴェルコ Konrad Huber

                ドューラ Roland Winkler

                ヤンケル Dritan Lucaka

                給仕 Wolfram Igor Derntl


                久し振りに久し振りの「アラベラ」

                オペラを積極的に聴きに行かなくなってから

                ご無沙汰していたが

                友人のご招待で、ギャラリーの正面席(きゃーっ!)

                こんな高いチケット(額面45ユーロ)、ワタシは買えません(爆)


                配役を見た時には

                Genia Kühnmeier がズデンカを歌う事になっていたが

                急病という事で Juliane Banse が代役。


                アラベラって、ホフマンスタールの脚本で

                脚本完成したとたんにホフマンスタールは死んでしまったという

                いわく付きのオペラだが


                話の筋としては、まぁ、かなり無理があると言うか・・・

                詳しい事は読者ご存知と思うので、ここでは書かない。


                アン・シュワンウィムズのアラベラが秀抜!!!

                いや、巧いわ、このソプラノ。

                歌も巧いし、声もキレイだし

                見た目キレイで(大柄だが、デブという事もなく)

                声と立ち振る舞いに品があって素晴らしい。


                ズデンカのユリアーネ・バンゼは

                ワタクシ的好みからすると、多少声が暗めなので

                アラベラの「妹」のいじらしさにはちょっと合わない感じだったが

                男装も合ってるし、演技は上手だし

                マッテオに惚れる一途さはよく出ていたと思う。


                (でもね、ともかく、筋が荒唐無稽過ぎて・・・)


                ヴァルドナー伯爵のバンクルの声は見事。

                あれだけの声量あるのに

                ドイツ語の発音が一つも犠牲になっていなくて

                フレーズ全部クリアに聴こえてくるのに

                それでも美声というのは何故なんだ?!


                マッテオ役のヘルベルト・リッペルト

                ・・・何か、すごく太ったような感じなんだけど。

                だって、今年始めと、顔が違ってるぞ(汗)


                テノールの明るい声で、役柄に声の質はピッタリなのだが

                あそこまで縦と横の幅が似てくると

                若くて一途にアラベラを追いかけるアホ男というイメージに合わん。


                でも、声は通るし、役柄(アホで単純)に合った声の質は素晴らしい。


                マンドリーカのトマス・コニエツキーは

                以前、ワーグナーのパルシファルやラインの黄金

                ヒンデミットのカルディヤックでも聴いた事がある。


                ドイツ語のクリアさにほんの少し欠けるけれど

                声量はあるし、美声のバスだし

                見た目も普通の体型で、デブじゃなくて

                背広とネクタイで登場すると

                大地主というよりは

                デキるサラリーマンの部長クラスに見える。


                フィアカーミリはダニエラ・ファリーがキュートに歌ってくれたが

                バレエ・ダンサーに混じって

                狭いバー・カウンターの上で

                するするするっと足を開いて

                ペタンと座ったのには驚いた。

                ダンサーでもないのに、身体が柔らかいのだ。


                総じて、歌手はすべて素晴らしい歌手が起用されていて

                全体的な仕上がりは見事だし


                リヒャルト・シュトラウスを演奏させると

                ウィーン国立歌劇場管弦楽団って

                巧いんだよね・・・ 何とも音に色艶があって・・・


                しかし、久し振りにオペラを観に行くと

                やっぱり、無理やリな筋立てとかについて行けないし

                アラベラとマンドリーカの恋の成り行きも

                え〜い、早く告白しろ

                (あはは、マンドリーカは突然激しい求愛をするが)


                というか、妹も妹だが

                マッテオもマッテオで

                それを誤解したマンドリーカが

                あんなに謝る必要もなかっただろうに

                (だって誤解する素地は充分にあったのだから。それはズデンカが悪い)


                いやいやいや、オペラの筋立てに文句を付けるのは

                私の悪いクセであって

                あれはオペラのリアリティだから、それで良いのだ。


                複雑怪奇なリヒャルト・シュトラウスの音楽に

                愛の場面になると

                突然、甘く切なく、しかも色気たっぷりのアリアが歌われる

                かなり豪華絢爛なオペラで


                遊手な歌手に優秀なオーケストラで

                久し振りにオペラを堪能させてもらった。


                細かい部分の演出で笑わせるシーンも多くて

                現代演出だが、かなり見応えはある。


                国立オペラ座は、まだ通うけれど

                これが、今年最後のオペラになりそうな私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                トーンキュンストラー + オロスコ・エストラーダ

                0

                  Musikverein Großer Saal 2014年12月21日 15時30分〜17時10分


                  Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                  指揮 Andrés Orozco-Estrada


                  Charles Ives (1874-1954)

                   “The Unanswered Question” (1908/1935)

                  Gustav Mahler (1860-1911)

                   Symphonie Nr. 6 a-Moll (1903/04)

                   Allegro energico - Andante moderato - Scherzo - Finale


                  今年最後のトーンキュンストラーの日曜日定期。

                  このプログラム構成だと、ワタクシ的には数回聴いても良いな、と思ったが

                  先週の金曜日の同じコンサートの時には

                  国立オペラ座で「クルミ割り人形」のシーズン初日で・・・


                  何でも重なるのよ、この都市は・・・


                  オロスコ・エストラーダがプログラムに書いていた通り

                  チャールス・アイヴスの「答えのない質問」と

                  マーラーの悲劇的交響曲は

                  2つとも謎に満ちた曲で、確かにコンビネーションするのはアイデアだ。


                  たぶんやるな・・・と思った通り

                  アイヴスの後、アタッカでマーラーの6番に繋いだ。


                  アイヴスの「答えのない質問」って

                  トーンキュンストラー、好きだよね?

                  今までにも何回か演奏している。

                  (他にウィーン交響楽団の演奏も聴いた事がある)


                  弦のこの上なく美しい弱音のメロディに

                  突然現れる金管の不思議な旋律に

                  めちゃくちゃに(笑)応える木管のアンサンブル。


                  何回聴いても不思議な曲で

                  その時の聴く側の気分によっても色合いが変わる。


                  弦のメロディは自然の表現?

                  そこに突然現れる神の声?

                  それに応えようとしてハチャメチャになる人間の騒ぎ?


                  限界なく立体的な響きで

                  (今回はマーラー用に全員既に舞台だったので

                   金管も木管も舞台上から演奏していた)

                  空気の向こう側を突き抜けて

                  どこか彼岸の世界から響いてきそうな曲だ。

                  (実はこの曲、好きなのである。アイヴスの曲って他のも好み♡)


                  ピアニッシモで終わったとたんに

                  アタッカで続いたマーラーの6番。


                  うはははは、力任せというか力一杯というか

                  エストラーダはともかく細かい部分まで揺るがせにせず

                  全部のタクトを振ってしまうので

                  忙しいし目まぐるしいし

                  そこまでダンスしなくても、と思ったりするのだが


                  ものすごい力の入った演奏。


                  テンポ的には、私が持っている理想のマーラーに近い。

                  曲として締まって、緩急が自然で力強い(というより力任せ(笑))


                  爆発する第一楽章は

                  何を怒っているのか、叩き付けるような

                  やるせない悲しみ・・・というより、理不尽な怒り。


                  こういうのって、聴いてる方も

                  かなりカタルシスになるな(どうせいつも怒ってます(自爆))


                  続いてアダージョは

                  普通は限りなく優しくなるのだが

                  あはは、これも力強い。

                  しっかり芯の通った強いアダージョで

                  感傷的にならないだけに

                  凛として気持ち良い。


                  スケルツォでは、また爆発。


                  アダージョ、スケルツォ、フィナーレでは

                  途中のテンポを落とす部分は、かなり落として歌わせるという細かさ。


                  気になったのは、カウベルで・・・

                  いや、そういう曲で、そういう指示で

                  そういう演奏をしているのだろうが


                  あれカウベルか?

                  私には、バケツを叩いているような音にしか聴こえなかったが。

                  しかも、牛がカウベルを付けて歩いている、というより

                  現代の超忙しいサラリーマンが

                  必死になって牛を追っかけているような

                  (だって、あのバケツ、いやカウベルだと牛は走っている。

                   というか、牛って走れるのか?)


                  カウベルに関しては

                  スコアにマーラーの細かい指示はなくて

                  ただ、カウベル、と書いてあるだけだしなぁ。


                  金管優秀 ♡

                  ホルンのソロ、見事 ♡♡

                  やっぱりマーラーは咆哮する管が良いと締まる。


                  力一杯、力任せとは言え

                  ちゃんと弦のニュアンスもそれなりに出しているし

                  かなり水準の高い演奏。


                  オロスコ・エストラーダの就任公演は

                  マーラーの交響曲1番で

                  これは CD にもなっていて

                  若さ溢れる(その分、解釈の渋みとか一切ない)爽やかな演奏だが


                  数年経って、それなりに追いかけて

                  ゾッとするような深いマーラーを聴かせてもらった事もある。


                  深みとか、悲劇とか

                  表現しようとしているのはわかるが

                  まだそれが経験から出て来ない、というのは悪い事ではない。

                  指揮者がスクスク育っている証拠だからね(笑)


                  迫力一杯の鬼気迫る演奏で

                  アイヴスから続いて、緊張感が持続して

                  終わった時には、ドッと疲れてしまった(良い意味で)


                  マーラーが面白いのは

                  指揮者やオーケストラによって

                  (マーラー自身があれだけスコアに細かい書き込みをしているにもかかわらず)

                  全く違う演奏になるのと同時に

                  鑑賞する側にも、かなりの覚悟が必要になる事で


                  マーラーを好んで聴く人は

                  絶対にどこかにマゾっ気がある(断言)


                  でも、これだけ力任せにエネルギッシュに演奏されると

                  それ程痛みは感じなかったし

                  音響の嵐に心地良く浸って

                  楽しませてもらって、割にハッピーなコンサートではあった。

                  (良い意味です、念の為。皮肉入ってません、念の為)


                  重量級のコンサートを聴いた後

                  これから国立オペラ座のアラベラに向かう私に

                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                  クリスマス・オラトリオ ジョン・ノイマイヤー

                  0

                    Theater an der Wien 2014年12月20日 19時〜22時10分


                    WEIHNACHTSORATORIUM I-VI

                    Ballett von John Neumeier

                    Musik von Johann Sebastian Bach


                    振付・衣装・照明 John Neumeier

                    舞台 Ferdinand Wögerbauer

                    指揮 Erwin Ortner


                    ソプラノ Lenneke Ruiten

                    アルト Ann Beth-Solvang

                    テノール(エファンゲリスト) Andrew Tortise

                    バス Andrè Schuen


                    男 Lloyd Riggins

                    母 Anna Laudere

                    夫 Carsten Jung

                    羊飼い Karen Azatyan

                    天使 Silvia Azzoni, Alexander Trusch

                    三人の賢人 Marc Jubete, Florian Pohl, Thomas Stuhrmann

                    王さま Dario Franconi

                    エコー Winnie Dias, Mayo Arii, Christopher Evans

                    道路掃除人 Vladimir Kocić

                    Yuka Oishi - Silvano Ballone, Leslie Heylmann - Christopher Evans

                    Lucia Ríos

                    Mayo Arii, Kristina Borbélyová, Yaiza Coll, Winnie Dias, Natalie Ogonek,

                    Zhaoquian Peng, Madoka Sugai, Priscilla Tselikova, Miljana Vračarić

                    Marcelino Libao, Aleix Martínez, Konstantin Tselikov

                    Emanuel Amuchástegui, Jakopo Bellussi, Aljoscha Lenz

                    Graeme Furman, Dale Rhodes, Lizhong Wang, Eliot Worrell


                    Wiener Kammerorchester

                    Arnold Schoenberg Chor


                    ハンブルク・バレエ団のクリスマス・シーズンの客演。


                    この作品の初演は、2013年12月8日ハンブルクとあるが

                    2009年の12月にも観たし

                    その記載に2年前も同じ演目を観た(残念ながらブログは消滅している)とあって

                    おかしいなぁ、と思っていたら

                    2009年は I-III だったらしい。


                    今年は I-VI までである。

                    よって、19時から1回の休憩を挟み、22時過ぎまで。


                    実は12月18日にも行ったのだが

                    何せ疲れ過ぎていて、半分以上寝落ちしていた状態で

                    そんな状態で感想を書く訳にもいかず・・・(恥)


                    最初に浮浪者らしき人物が

                    クリスマス・ツリーを持って現れて

                    社会から疎外されていて

                    ハーモニカ吹いて、孤独感の漂う惨めな感じのオープニングは

                    記憶にある通り。


                    オーケストラと指揮者は2009年と同じだが

                    ちょっと、う〜ん、あのテノール、何ですかあの人。


                    18日はギャラリーの一番後ろの席だったので

                    音響が良過ぎて、まずはテノールがむちゃくちゃ大きな声量で聴こえて来て

                    その上、ちょっと声が荒れていて

                    一部の高音が擦れていたりして

                    何だこれ?


                    今日はバルコン席の奥だったので

                    音はあまり響かなかったので、バランスは悪くなかったけれど

                    一部音程が不安定な部分があって

                    ちょっとドキドキ。


                    でも、アジリタはちゃんと出来る。

                    でもその時だけ声量が突然小さくなるというのも何かなぁ。


                    バスは18日は響いて来たが、20日は声量少なく聴こえた。

                    同じ演目でも、ホールの何処に座るかによって

                    これだけ違うのだ。

                    (だから偉そうに何か書くの止めようね、という話になりそうだが(笑))


                    バレエそのものだが

                    これ、確かにバッハのクリスマス・オラトリオで

                    浮浪者の他に

                    マリアらしき女性と

                    その夫らしき男性と

                    ヘロデ王とか、羊飼いとかが登場するのだが


                    プログラムの記載では

                    ノイマイヤーは宗教劇を作る意図はなかったという事で

                    プログラムの役どころにも

                    マリアとかヨゼフとかは書いていなくて

                    ただの「母」と「その夫」と書いてあるだけだが


                    いや、すぐにわかりますって(笑)


                    ただし、母だが、子供は出て来ない。

                    Tシャツを畳んだものを持っていて

                    どうもそれが子供の代わりらしい(たぶん)


                    ヨゼフだが


                    いや、聖書で一番かわいそうな人って、ヨゼフだろう、きっと。

                    だって、妻にしようとした女性が妊娠していて

                    突然、天使が現れて、お前の妻は神の子を身ごもったとか言われても


                    それって、現代に移し替えれば

                    何にもしてないのに、妻が子供を身ごもってしまって

                    自分の勤めている会社の

                    社長秘書がやってきて「それは社長の子です」


                    とか言うのを

                    あぁ、そうですか、と受け入れて

                    これで、俺にも見返りがあるかも・・・(激しく違う)


                    ヨゼフの苦悩(らしい)シーンもあって

                    でも、天使がたくさん出てきて一緒に踊ってしまうと

                    まぁ、良いか、みたいな吹っ切れ方をして

                    神さまだからな、と納得して明るい顔で踊ってしまう。


                    西洋の神さま、ギリシャ神話のゼウスなんかもそうだけど

                    雲に化けたり、雨に化けたりして

                    女性と交わるのが好きだから

                    キリスト教も同じような伝統を引き継いだか?

                    (キリスト教はもともとアジアでユダヤ教の筋なので

                     それも違うと思うが

                     そういうのって、世界とか文化圏とかに関係なく

                     一般的な男性の隠れた欲望なんだろうな、きっと、うん)


                    キリスト教を茶化している訳ではございません。

                    失礼に当たりましたら、どうぞご容赦を。


                    で、ヨゼフは吹っ切れたし

                    天使は最初から、めでたい、めでたい、と

                    激しく能天気なダンスを踊っているし


                    浮浪者も、最後で何故か突然信仰に目覚め(たぶん)

                    社会からはじき出されて孤独であっても

                    神さまから愛されていれば孤独じゃないもんね、みたいな感じで

                    最終シーンを飾るのだが


                    その中で一環して、暗い顔して

                    全然幸せそうじゃないのがマリア、いや「母」役の女性。


                    う〜ん、これは何か隠された意味があるのか・・・


                    クリスマスだ、イエス・キリストが産まれた

                    ああ目出たいというので終わらないのが

                    モダン・ダンスの良いところで


                    ある程度のお約束ごとはあるのだろうが

                    観る人によって、様々な解釈が出来るし

                    それで良いのが、現代芸術の良いところでもある(と勝手に思う)


                    ダンス的には素晴らしいパーフォーマンスで

                    音楽が呼応しているシーンの

                    シャドー・ダンスなんて

                    音楽とダンスのノイマイヤーらしい融合の方法で舌を巻いたし

                    様々なダンサーのカタチで現れる象徴とか

                    信じられないバランスやジャンプ

                    リフトの数々で、バレエという観点からも素晴らしい。


                    でも、こういうのって

                    やっぱりヨーロッパ文化圏で育った人でないと

                    わからないところもあるのかなぁ、とは感じたが


                    でも、舞台上の浮浪者のように

                    (ヨーロッパ文化圏)社会からはみ出していても

                    それなりに楽しめれば、それでも OK よね、と

                    あくまでも自分に都合の良いように解釈してしまう私に

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。






                    国立バレエ 「クルミ割り人形」今シーズン1回目

                    0

                      Wiener Staatsoper / Wiener Staatsballett 2014年12月19日 19時30分〜21時30分


                      Der Nussknaker

                      Ballett in zwei Akten nach Marius Petipa und Lew Iwanow


                      振付・演出 Rudolf Nurejew

                      音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski

                      舞台・衣装 Nicholas Georgiadis


                      クララ Kiyoka Hashimoto

                      ドロッセルマイヤー・プリンス Robert Gabdullin

                      ルイーザ Ioanna Avraam

                      フリッツ David Dato

                      父親 Gabor Oberegger

                      母親 Dagmar Kronberger

                      祖父 Christoph Wenzl

                      祖母 Eva Polacek

                      ネズミの王様 Attila Bakó, Jacopo Tissi

                      小さなクルミ割り人形 Trevor Hayden

                      雪の精  Ioanna Avraam, Alice Firenze *

                      スペインのダンス Ioanna Avraam, Davide Dato

                      アラビアのダンス Alice Firenze, Eno Peci, Eva Polacek, Christoph Wenzl

                      ロシアのダンス Dagmar Kronberger, Gabor Oberegger

                      中国のダンス Marcin Dempc, András Lukács, Richard Szabó

                      パストラーレ Eszter Ledán, Nina Tonoli *, Greig Matthews


                      指揮 Paul Connelly


                      「くるみ割り人形ストーカー」のはっぱです(自爆)


                      2012年〜13年シーズンには8回

                      2013年〜14年シーズンに6回観ているが

                      今シーズン最初のクルミ割り人形 ♡

                      (ちなみに今回で21回目の上演。

                       半分以上はカバーしている(自慢にならん))


                      読者ご推察通り

                      来週のクリスマス、引き続いての年末・年始で

                      今、ちょっと目の廻るような忙しさで


                      この公演の後、オフィスに戻って

                      明け方3時過ぎまで仕事していたので

                      (アップ時間は意図的に変更してあります)

                      公演直後に興奮して書きたかったのだが

                      少し醒めてしまったかも(涙)


                      実はこの日の公演のチケット

                      発売日にうっかりしていて買い損ね

                      後で見たら、案の定、全部売り切れ。


                      ビジネス上のお付き合いのあるチケット・オフィスに

                      一番安い席、ただしロジェの後ろの壁際、という

                      ヘンな条件を出したら

                      (だってお客さま用には、一番高いチケットしか買わないし(笑))

                      平土間ロジェの6番の3列目はどう?って来たので、即、購入。


                      これがむちゃくちゃ良い席で(感涙)

                      前の3席とその後ろの2席は

                      子供3人にお母さんとお爺ちゃんが来て


                      入ってきたとたんに


                      「ごめんなさい、子供がうるさかったら、どうぞ許して下さる?

                       できるだけ静かに鑑賞させるけど、一番小さな子が3歳で

                       初めての経験だから」


                      と、ちゃんとご挨拶して下さった。


                      ははは、クルミ割り人形で子供が多いのは最初から覚悟してる。

                      大丈夫ですよ、お気になさらず、と声をかけたのだが

                      いや、このファミリー、マナーが見事だった。


                      子供も夢中になって観ていたし

                      子供を抱えたお母さんが

                      私が見えるように身体を後ろにずらせて下さるので

                      途中で、もっと身を乗り出して大丈夫だから、と

                      こちらから声をかけた位である。


                      いつも周囲のマナーの悪さに辟易しているだけに

                      こういうファミリーと一緒のロジェの席というのは

                      実にラッキーだった。


                      肝心のクルミ割り人形、シーズン初日は

                      我らが希望の星(と勝手に思っている)橋本清香嬢が主役!!!!♡


                      いや〜ん、クララ、可愛い。


                      奥のベッドの上に、何かでっかい人形が置いてある。

                      先シーズンまで、あんなもん、なかったけど?と思っていたら

                      ネズミたちが、ベッドの上の人形を破壊する、というシーンが入った。


                      ローベルトの王子さまと清香さんのクララのデュエット。

                      ううううう、可愛い、キュート、しかも正統的で端正で

                      何と美しい・・・


                      雪の精たちの群舞は、前半のハイライトだが

                      ああ、もう、この場面も絢爛豪華。


                      わはは、今日の席、舞台に近いから

                      見えるダンサーの大きさが

                      普段の舞台から離れた安い席より、ずっと大きくて

                      舞台近くから観ると、こんな迫力なんだ、と感激しきり。

                      (だって、平土間ロジェなんて、発売日初日に入っても、チケットありません)


                      しかもオーケストラまでバッチリ見えるし(笑)


                      拍手が鳴り終わらないうちに指揮棒を振り出す指揮者で

                      全然音楽が聞こえないままに演奏を始めるオーケストラって

                      大変な職業だなぁ(何回かあった。よくぞ揃ったものだ)


                      後半の様々なダンスも

                      豪華な衣装に素晴らしいダンスで

                      次から次へと夢の世界が舞台に現れる。


                      ローベルトと清香さんの金平糖のデュエット

                      いや、もう、あの美しさを何と表現しよう。

                      橋本清香さんって、本当に綺麗。

                      スタイルの素晴らしさ(しかも華奢なの!)

                      しかも美人で、アジア人という垢抜けないイメージじゃなくて

                      本当に美人って、ああいう人の事を言うのだ。

                      しかもバタ臭くないの。

                      でも、舞台人としてヨーロッパに溶け込んでいるの。


                      あぁ、清香さん ♡


                      ・・・席でついつい悶えてしまった。


                      アラビアのダンスは、先シーズンまでケテヴァンが踊っていたが

                      今日はアリーチェ。パートナーはエノ。


                      アリーチェ、巧い。

                      もともと巧いダンサーだとは思っていたけれど

                      先シーズンのケテヴァンのあの強烈な個性と近いところまで

                      ダンスの巧さと表現で魅せてくれる。

                      フォルクス・オーパーの青髯公を踊った辺りから

                      このダンサーも俄然、光って来た。

                      これからが楽しみ。

                      これで順調に行けば、プリンシパルになるのはアリーチェだろうなぁ。


                      ローベルトは、シロウト目から見ると

                      後半で、ほんのちょっとお疲れだったかも。

                      ジャンプが割に低いな、という印象があったし

                      輝くような表情というよりは

                      ちょっと悩んで泣いたような表情が多かった。


                      でも、もしかしたらローベルトって

                      ロシアのダンサーに多いように(オルガなんかそうだよね)

                      そのままの表情が世界苦の人だったっけ?(笑)


                      でも、もちろんノーミスである。

                      最後のあのジャンプも楽々こなして

                      清香さんとの呼吸もバッチリ。


                      でも清香さんのソロが、もう群を抜いて素晴らしかった。

                      観客席からも大いなるブラボー飛んでたし。


                      しかし、本当に、このクルミ割り人形

                      ダンサーが衣装を一体何回代えてるの?という位

                      素早い衣装替えが多くて

                      その分、観ている方は

                      素晴らしい衣装と素晴らしいダンスが次から次に登場して


                      それにチャイコフスキーの音楽って素敵だわ。

                      通俗的とか言われる事も多いのだが

                      やっぱりメロディ・メーカーとしては最高だし

                      音はキレイだし、楽しいし。


                      それをウィーン・フィルが演奏すると

                      音が温かくて厚みがあって

                      豪華絢爛な音なのに、素直で美しくて・・・

                      ううう、何と言う贅沢なんだ ♡


                      前の列に座った子供たちも

                      最初から最後まで、お喋りもせずに夢中。


                      後ろのおじいちゃまなんか

                      もう感極まってブラボー叫んで

                      ブラボーとブラボーの間には

                      何て素晴らしいんだ、と独り言を呟いていたし(笑)


                      豪華絢爛、夢の世界に観客を連れていってくれる舞台。

                      この時期、これを観ると

                      クリスマスとは全く関係のない私でも


                      あぁ、師走なんだ

                      本当は家族と楽しむシーズンなんだ

                      (いや私、家族いないですし(笑))


                      ・・・と寂しくなるかと思えば

                      全然寂しくならず(爆笑)


                      でも、この舞台で

                      家族の暖かさとかをじんわり感じて

                      幸せになってしまう。


                      今シーズンのクルミ割り人形、全公演に行っちゃう予定の私に

                      お叱りの、いや、あはは、励みの1クリックを

                      どうぞよろしくお恵み下さい。



                      最近、フェーン現象でウィーンむちゃくちゃ暖かいのだが

                      でも雪とか氷とかより、ずっと良い ♡♡♡



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