シュライニング音楽祭 ガラコンサート

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    Burg Schlaining 2014年5月31日 19時30分〜21時40分


    Klangfrühling Gala II

    バイオリン Christian Scholl

    ビオラ Cynthia Liao

    ピアノ Eduard & Johannes Kutrowatz


    Franz Liszt : Mazeppa Symphonische Dichtung Nr.6

                       Originalfassung des Komponisten für 2 Klaviere

    Franz Schubert : Winterreise für Viola und Klavier

                       Gute Nacht

                       Der Lindenbaum

                       Der Leiermann

    Aaron Jay Kernis : Air für Violine und Klavier (1995)

    Wilhelm Spuller : SON(I)DOS für 2 Klaviere (UA)

    Georg Gershwin : Variation of I got rythm


    シュライニング春の音楽祭のガラ公演。

    リストにシューベルト、アメリカの作曲家の曲に

    オーストリアの作曲家ヴィルヘルム・シュプラーの委嘱作品の初演。

    最後はガーシュインのラプソディ・イン・ブルーの予定だったが

    アイ・ガット・リズムのバリエーションに変更。


    エディとヨハネスのリストについては、もう言う事ない。

    乱暴とも思えるほどのエネルギーの奔流は

    このデュオの魅力的な持ち味。


    エディもヨハネスも銀髪になっちゃったけど(笑)

    あのエネルギーって、いったい何処から沸いてくるのよ?


    さてシューベルトの「冬の旅」から3曲。

    しかも歌じゃなくて、シンシアのビオラ?

    何でまたビオラ? ・・・・と思ったのだが


    これが何とも言えず、凄かった。


    バイオリンじゃなくて、チェロでもなくて

    ビオラですよ、ビオラ(すみません、しつこくて)


    ところが、ビオラの音色が

    シューベルトのあの暗い暗い暗い暗いリートにむちゃ合ってる。


    フレーズの繰り返しを1オクターブ下で弾いたり

    特に最後のライアーマンでフラジオレット使われて

    擦れた音響で、あの暗い暗い暗い色調を出されたら

    ちょっと涙でそう・・・


    後半は、アメリカの作曲家の曲をクリスティアンとエディ。


    ・・・は?


    現代曲と言うにはトナール過ぎて

    ピアノとの絡みにも別に聴くべきところもないし

    (時々混じる不協和音。目新しいものではない)

    バイオリンを弾いているイケメン・バイオリニストは

    眼福ではあるし、音はキレイだし

    高音がとても澄んでいて神経に障らず

    それは良いのだが

    何ですか、この曲は?!


    全然面白くない(断言)

    すみません、論外です。


    さて、ブルゲンラント出身の若い作曲家の SON(I)DOS では

    客席の照明を完全に落とし

    舞台もピアノの楽譜の場面だけに光をあてた。


    うはうはうは、この曲、正にソニックというか

    音響「だけ」の曲。


    スペクトルム楽派に繋がる感じか

    ピアノのペダルでの残響の面白さだけで聴かせてしまうが

    しかし、この残響を計算して出すって

    作曲家よりは、実際に弾くピアニスト2人には

    とんでもない挑戦だったのでは?


    ちょっと間違えば音響が濁る。

    そんな綱渡り状態での、緻密に計算されたペダリングの凄まじさ。

    客席から咳が聴こえただけで、全体の調和が乱れそうな

    (咳した人が数人いたの。これは、お互いにちょっとかわいそうだった)

    よくぞまぁ、この音響構築を、見事に処理したものだ、と感嘆。


    だからと言って、別に感激したワケではないが

    (スペクトルム楽派もリゲティも、とっくにやっとるわい)

    これは作曲家というより

    これを弾きこなしたエディとヨハネスへの賞賛に値する。


    最後のガーシュインは、お得意のナンバーだし

    ノリノリノリノリで、続けてアンコールにジャズを数曲。


    エディがジャズ好きだし

    クラシックからガーシュインに行って

    ピアソラに行って、次はジャズかな。

    私、バティックのヨーロピアン・ジャズは好きなのだが

    (これは5月28日に演奏されたの(涙))

    いくら2人が卓逸したテクニックと力を持っているとは言え

    ジャズって、どうしても、バーの BGM に聴こえて来ちゃうので

    (すみません、ホント不勉強ですが・・・・)


    常連客の多いシュライニング春の音楽祭だからこそ

    芸術家たちは、自分の好きな事を思い切ってやる事ができる。


    同時に、それが内輪ウケにならないように注意しなくてはならないし

    ある程度スタンダードなレパートリーも残さねばならない。

    更に、毎年、何か違った魅力を常連客に提供する必要もある。


    私みたいにヘンな常連客も居る事だし(自爆)


    5月下旬というのに、かなり冷え込んで

    シュライニングは13℃


    ガラの後は、お城の中のホールで

    無料の飲み食いができるという

    (イタリアン・ビュフェでデザートもあり。

     もちろんワインもジュースもミネラル・ウォーターもある)

    信じられない音楽祭で

    チケット料金は完全にモトが取れるし

    これ狙いでガラ・コンサートだけに来る人もいるかも

    と考えてしまうせこい私に

    どうぞ1クリックをお恵み下さい。





    シュライニング 映画音楽の夕べ

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      Burg Schlaining 2014年5月30日 19時30分〜21時40分


      バイオリン Christian Scholl

      ビオラ Cynthia Liao

      チェロ Florian Eggner

      ピアノ Eduard & Johannes Kutrowatz


      CINEMA FANFASY


      Dmitri Schostakowitsch

      Romance aus “The Gadfly”

      Salut d’Amor

      Charles Chaplin

      Falling Star aus “The Great Dictator”

      The Terry Theme aus “Limelight”

      John Williams

      Three Pieces from Shindler’s List (1993)

      Theme from Schindler’s List

      Jewish Town (Krakow Ghetto-Winter ’41)

      Remembrances

      Ryuichi Sakamoto

      Merry Christmas, Mr. Lawrence

      Happy End

      Poppo Ya (Der Bahnhofswärter”

      Tong Poo (Ostwind)

      Eduard Kutrowatz

      Jazzparaphrasen für 2 Klaviere (UA)

      Fly Me to the Moon (Bart Howard)

      Try to Remember (Harvy Schmid/Tom Jones)

      Sweet Georgia Brown (Berne/Dasey/Pinkard)

      Cynthia Liao

      El Buqué Por Una Tanguera (UA)

      Tango, Tango Milonga, Bossa Nova - Coro

      Kompositionen von : Jakob Gade, Gerardo Matos Rodriquez,

      Cynthia Lio, Antonio Carlos Jobin, Zequinha de Abreu


      シュライニング城塞でのコンサートに間に合わせようと

      ひたすらひたすら仕事をしていたので

      昼食も取らず、夕方16時に出て、どこかのドライブ・インで

      軽く食事してから・・・・と思っていたら、甘かった。


      結局、すごい量の書類を、そのまま積み重ねて

      (もう知るか・・・ヤケッパチ)

      夕方17時に会社を飛び出して

      高速道路を走って走って

      何とか19時ちょっと前にホテルにチェック・イン。

      夕食を取る時間ある?と聞いたら

      19時までだから、あと10分と言われて諦め

      コンサート前のバーでサンドイッチでも、と思ったら

      知り合いと会って、コーヒー飲む事になってしまい


      本日最初のお食事は、23時近くに

      バーで、ハムとチーズのトースト(ため息)

      ・・・何か同じような事が昨年もあったような気がする(デジャヴ)


      本日はスター勢揃いで、映画音楽特集。


      実は不勉強で、映画はほとんど観ないので(汗)

      普通だったら、みんな知っているようなメロディを知らない(大汗)


      最初はバイオリンとチェロとビオラ。

      シンシアが編曲した3曲。


      「愛の挨拶」ってエルガーの曲じゃなかったっけ?

      ショスタコーヴィッチも使ってるのか???


      3人とも巧い。アレンジも巧みだし、かなり面白い音響になってる。

      でも、これ、オーケストラ音楽をわざわざ弦楽3重奏にする意味があるのか?

      (すみません)


      音響的には面白い部分が多くあって

      あぁ、これ、もう一歩行ったら、現代音楽の世界かも。


      エディと、ハンサム・バイオリニストのクリスティアンの組み合わせで

      ジョーン・ウィリアムスのシンドラーのリスト。

      クリスティアンのバイオリンが歌うわ歌うわ。


      う〜ん、何て絵になるバイオリニストなんだ。

      (って、ソコかよ、惚れたのは(爆))


      エディとヨハネスの2台ピアノは坂本龍一の音楽で

      これは山本京子さんの編曲版。

      最後の曲がむちゃカッコいい。

      うまく作ってあるなぁ・・・


      幕間の後はエディ作曲の

      ジャズのパラフレーズ。


      え〜っとですね、私、ちょっとパラフレーズが苦手で

      オリジナルを越えるパラフレーズというのは滅多にお目にかかれないし。


      しかしまぁ、ジャズのあの複雑なリズムを

      うまく前衛音楽にしたものだ(皮肉じゃないです)

      曲の繋ぎ部分には、バッハと聞き間違うようなメロディ入ってくるし

      聴き慣れたようなメロディが

      新しい衣を纏って、不思議な感じでフラフラ出てくる。


      好みですけどね、好み。

      でも、あれも、ああいう風に編曲する意味は何処に?

      確かに面白いし

      時々、ゾクッとする音響も混じるけれど


      じゃぁ、私がこよなく愛するワケのわからん現代音楽の音響か、というと

      そうではなくて、伝統的なトナールのフラグメントだし。


      ????? すみません、私の感受性がないんです。


      音楽家もある程度のクラシックの閾値を超えると

      何か、他の事をやってみたくなる、というのは何となくわかる。

      (聴衆としても、いつも名曲アワーだと退屈する)


      その意味では、私がこよなく尊敬するクトロヴァッツ兄弟が

      クラシックの枠組みから飛び出して

      どこまでも飛んで行こうという意欲も充分わかるし

      かと言って、じゃぁ、いわゆるクラシックの現代音楽というのは

      あの2人には絶対に合わないだろう。

      バリバリの現代前衛音楽は、彼らにとっては聴衆不在に思えるだろうし。


      シンシアが作曲・編曲したタンゴの曲(初演)は

      バイオリン・チェオ・ビオラだが

      これも、音響的に面白い実験があちこちに見えて

      しかも、演奏する方がむちゃくちゃ楽しそうに演奏していて

      聴いている方も、知っているメロディの断片がどんどん出てくるので

      それはそれなりに面白い。


      でも何が良かったと言って

      弦楽トリオや、2台のピアノが奏でる映画音楽やジャズが

      あの古城の親密な雰囲気の中で

      もちろん聴衆は多いのだけれど

      何となく「家庭コンサート」というか

      むちゃ暖かい雰囲気の中で演奏されて


      あぁ、貴族の楽しみって、本当はこういうものなのかも

      ・・・という感じがした事かなぁ。

      これは弦楽3重奏に特に強く感じた。

      エディとヨハネスのピアノは、むちゃ力強いので

      家庭コンサートというよりは

      やっぱりコンサート・ホールで堂々と、という感じだったから。

      クールでカッコいいんですけどね。


      クリスティアンが青空色のシャツで

      チェリストが真っ赤なシャツで

      シンシアが紫のドレスで

      ははは、服装までカッコいいぞ(笑)


      何となく気軽に聴いちゃったコンサートだけど

      ハッとする新しい試みも色々あって

      私がこんなにストレスで疲れていなければ

      それなりに感動する時間だったのだろう。

      ごめんなさい、何せお腹が空いて空いて(それかよ!)


      今日はそのままシュライニング泊。

      もう仕事なんか、ど〜でも良いです(開き直り)


      満杯のホテルのバーで

      トースト頼んでミネラル・ウォーター飲んでると

      出演者がホテルに帰って来て

      (ホテルはここしかないので、観客も出演者もみんなここ(笑))

      拍手が起こって、賞賛の声があちこちで上がるというのも

      この音楽祭の良いところ ♡


      明日は土曜日だし

      朝食を山ほど食べてから

      近くの温泉に行って、サウナ行って泳いで、休んで

      夜のコンサートは、リストにシューベルト

      現代音楽2曲にガーシュインという

      うははは、ワタクシ好みのプログラム。

      (しかもコンサートの後に無料のお食事会あり(笑))


      ここ2週間ほどで、体重1キロ減ったのは

      嬉しいような悲しいような

      複雑な気分の私に

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      え〜い、今回の音楽祭

      機会があれば、私はあのイケメン・バイオリニストの

      クリスティアンと1枚写真を撮りたい(切望中)


      Heute Abend : Lola Blau

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        Burg Schlaining 2014年5月29日 19時30分〜21時10分


        Heute Abend : Lola Blau


        Georg Kreisler - Musical für eine Schauspielerin

        ローラ・ブラウ Carin Filipcic

        ピアノ Belush Korenyi

        ベルガー氏の声 Gideon Singer

        演出・舞台 Isabella Gregor

        技術・音響 Gerhard Pimperl

        照明デザイン Norbert Joachim

        オーディオ・デザイン Samuel Käppeli


        シュライニング春の音楽祭は既に始まっているのだが

        火曜日はオペラ座のバレエの初演だったし

        水曜日は実はむちゃくちゃ悩んで

        結局、往復300キロの時間とガソリン代で諦める羽目になった。


        今日の演目は、普段のシュライニング音楽祭には珍しい。

        クトロヴァッツとその仲間たちの出演はない。


        2011年に亡くなったオーストリアの作曲家

        ゲオルク・クライスラーの作品である。

        以前からフォルクス・テアーターでは上演されていたが

        残念ながら、題名は知っていても

        今まで鑑賞する機会がなかった。


        題名は訳せば「今宵をローラ・ブラウと」という感じか。

        ユダヤ人女優ローラ・ブラウの人生を描いて

        ブラック・ユーモアと皮肉とシリアスが混じった見事な作品。


        ともかく驚いたのは

        演技者は演技で子供から老人までなれる

        とか言う世迷い言を大笑いしていた私が

        その生きた見本を舞台の上で見てしまった事である。


        もしかして貴女のお名前は北島マヤとかおっしゃるのでは?


        舞台に登場した銀髪の老婦人が

        過去の手紙を見ながら語り始めるのだが


        電話の音を機会に

        大きなトランクの向こうに消えた女性が

        次に現れる時には


        20歳くらいの若いキャピキャピした女性になっている!(驚)


        彼氏がバーゼルに行く、というのを聞いて

        何でそんな?

        一緒には行けないわよ。

        私、舞台での役がやっとついて

        これから有名になるところなのに。

        え? ヒットラー? ヒットラーなんか何もできないでしょ?

        今、何て言った? あっ、切れちゃった・・・


        当時のウィーン社会で生きるユダヤ人たちは

        社会に溶け込んでいて

        それまで、自分がユダヤだ、なんて考えた事もなかった人も多かったらしい。


        ローラ・ブラウに待っているのは過酷な試練だが

        それがすべて歌になっていて


        うわ〜、この女優さん、歌がむちゃ巧い・・・(驚嘆)


        スイスに逃げて、そこの劇場に出演したり

        アメリカに渡ってアルコールに溺れ

        ウィーンに帰ってきて、寄席に出演して

        最後に別れた彼氏と会える直前での悲劇というのが


        苦いユーモアと

        色々な国の風刺と

        当時の社会背景と


        それが、ぜ〜〜〜〜〜んぶ、歌になっているのである。


        オーストリアの「キャバレ」(「レ」にアクセントあり)は

        長い伝統を持ち

        日本のキャバレーとは全く違うし

        強いて訳せば「寄席」なのだろうが

        ライムンドやネストロイのような

        いわゆる「歌芝居」の伝統を下地に

        ウィーン民謡から続いた美しいメロディに

        皮肉な歌詞(しかもむちゃ早口)を乗せるという

        ともかく、他に例を見ない芸術である。


        有名にならないのは

        この芸術が、ドイツ語、しかもオーストリア訛りで

        更には時代背景や、その時の社会状況を知らないと

        全く理解できないためであって


        言うなれば、内部の人たちだけが

        コソコソと楽しめる

        オーストリア秘密結社の会員さま専用の芸術なんですね。


        これは以前に書いたけれど

        オーストリア国営放送のラジオでも、長きにわたり

        日曜日の朝、グーグルホプフという「キャバレ」番組をやっていて

        35年前に留学した私は

        これを聞いて、イヤに楽しそうだが

        (しかも歌の巧さが半端でない!

         ドイツ・リートなんか何よ、というくらいの美しいオーストリア訛り)

        全然意味わからん・・・

        で、当時のカセット・テープなんかに録音して聞いていたのだが

        何せ時事ネタを徹底的に弄くるために

        すぐに古くなってしまう、という

        刹那的な芸術でもあったのだ。


        この「今宵ローラ・ブラウと」も

        同じような「語る歌」の芸術である。


        ローラ・ブラウという女性の思い出が

        若い頃の姿で語られ

        その途中で老婦人になったローラ・ブラウが登場して

        同じ人間なのに

        表情も目の色も、声まで変わるのに呆気に取られた。


        ウィーンに帰ってからの

        劇場支配人に話をしたいんだけど、という電話のやり取りは

        自分にも覚えがあるので

        涙を流して大笑い。


        支配人と話したいんだけど

        え? 何で経理部に回されたの?

        経理部じゃなくて、支配人室に繋いで下さらない?

        は? 受付? すみません、支配人と話したいんですが

        何ですって? 支配人はミーティング中?

        では待ってるわ

        あら、何でさっきの人のところに繋がれちゃったわけ?

        はぁ?支配人はもう帰りましたって???


        ・・・こういうたらい回し

        私も職業上、ものすご〜〜くやられてますから

        (特に役所関係)身に染みます。


        オーストリアに住んで30年。

        いや、こういう「キャバレ」を理解できるようになっちゃったのが

        何か嬉しいような悲しいような。


        周囲が大笑いしていて

        自分だけが笑う事ができずに

        何か、みんなに悪いような気がして

        ちょっと弱気に、はっはっは、とか小声で笑ってみたりしていた

        ん〜十年前のワタクシは何処に行ってしまったのだろう。


        往復300キロのドライブして観て来たが

        その時間と手間をかけても

        充分にペイする1時間30分だった。


        大笑いしたし、大泣きした。

        笑いと悲しみで(笑っても涙が出るの、私)

        顔がグシャグシャになって

        あぁ、化粧して来なくて良かった・・・(違!)


        明日は、ヨハネスとエディ

        イケメン・バイオリニストのクリスチャンに

        チャーミングなシンシアのビオラ

        チェリストは新顔? というメンバーで

        映画音楽特集 ♡


        今日は祝日だったけれど

        明日は朝からしっかり仕事して

        夕方、また150キロのドライブで

        中世の古城に向かう私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        しかし、南高速道路を走ったのは久し振りで

        しかもかなりの雨が降っている中を

        あのカーブだらけの高速を、夜走るのは意外に怖かったです(汗)


        今日の演目の最後の方で

        オーストリアの民族衣装を来て

        モーツァルトのピアノ・ソナタで

        オーストリアの「伝統(だけ)」を皮肉った歌があって

        このピアノ・ソナタ、次に聞いたら

        きっと、あの歌詞が思い浮かんで笑ってしまうだろう(冷汗)


        パリ管弦楽団 + パーヴォ・ヤルヴィ

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          Musikverein Großer Saal 2014年5月28日 19時30分〜21時40分


          Orchestra de Paris

          指揮 Paavo Jârvi

          チェロ Tatjana Vassiljeva


          Modest Mussorgskij (1839-1881)

           Eine Nacht auf dem kahlen Berg, Bearbeitung von Nikolai Rimskij-Korsakow

          Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)

           Konzert für Violoncello und Orchester Nr. 1 Es-Dur, op. 107

          Maurice Ravel (1875-1937)

           Valses nobles et sentimentales, Fassung für Orchester

          Igor Strawinsky (1882-1971)

           Suite aus dem Ballett “Der Feuervogel” Fassung 1919


          パリ管弦楽団とパーヴォ・ヤルヴィのコンサートは

          このプログラムに加えて

          ブラームスのドイツ・レクエイムが2回予定されている。


          ドイツ・レクイエムの方は実はチケットを持っていたのだが

          ちょっと他に浮気する事になったので

          売れるかどうかはともかくとして返したけれど

          このコンサートだけは、浮気理由を蹴っても聴きたい、と

          ハードな仕事で睡眠不足なのに出かけて行く私。


          うっ、ちょっとヤバイ。

          私、パーヴォさんに惚れたかもしれない。

          彼氏モドキには内緒だが(汗)


          フランスのオーケストラと言うと

          音合わせの時からフニャフニャというイメージだったが

          最初の「禿げ山の一夜」から

          硬めの音でシャープにガンガン鳴らすのには

          ひっくり返りそうになった。


          音が強いし、うねるし

          細かい部分のニュアンスがスゴイし

          原色が飛び交うような色彩の洪水で圧倒されて


          次のショスタコーヴィッチのチェロ協奏曲では寝る事にした。

          (すみません、でも少し寝ないと本当に倒れそうで・・・・)


          寝ていてもちゃんと音楽が聴こえて来るのはステキ。

          チェリストは全然見てないけれど

          女性で、どうも美人であるようだ(推測)


          でも音は男性的でダイナミック。

          余計なものがなくて、シャキシャキした音。

          この曲も何回も聴いているし

          第一、この曲の一部って、オーストリア国営放送の

          何かの番組に使われているので、耳慣れはしている。


          一眠りした後は(すみません)

          モーリス・ラヴェルの優雅で感傷的なワルツ。


          テンポの揺れがスゴイ。

          こんなに遅くやって良いのか、という部分も伺われて

          でも、これ、如何にもフランス的というか

          パーヴォ・ヤルヴィの強目の音と

          オーケストラのフランス風味が混じっている。


          一歩間違えばキッチュになりそうな揺れとニュアンスだが

          それがイヤミにならずに出てくるところは

          指揮者の腕の見せ所か。


          ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲も

          ニュアンスたっぷりで

          オーケストラの音がうねって

          濁流のように会場を駆け巡る。


          音も立体的だし

          音色の繊細さにも欠けず

          すごく良い感じ ♡


          パーヴォ・ヤルヴィの指揮姿は美しい。

          派手に踊る事は一切しないのだが

          無駄がなく、的確でスッキリしていて

          見ていて気持ちが良いのである。


          アンコールとして火の鳥の最後をもう一度繰り返し

          その後、出るかな〜と思っていたら


          出ました、パーヴォさんの得意技

          シベリウスの「悲しきワルツ」


          咳ばっかりしている客が既に帰った事を見越して

          途中の音量、むちゃくちゃ下げやがって(笑)

          ああいう確信犯的な音楽作り、実は凄く好き ♡


          彼氏モドキは今週はウィーンに居ないので

          デートもなくて毎日コンサートに行きまくりなので

          パーヴォさんに惚れても別に良いわよね、と

          勝手に1人で納得しているワタクシに

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          5月29日は祝日でオフィスはお休み。

          ちょっと大急ぎの仕事がまだ溜まっているので

          オフィスには昼過ぎから行く予定。

          残念ながら、コンサートの後も

          またもや夜中の2時まで仕事に追われていたので

          コンサートの感想を新鮮なうちにすぐに書けなかったのが悔やまれる(涙)



          MEISTERSIGNATUREN 国立バレエ プレミエ

          0

            Wiener Staatsoper 2014年5月27日 20時〜22時10分


            MEISTERSIGNATUREN


            Le Souffle de l’Esprit

            振付 Jiří Bubeníček

            Ketevan Papava, Kiyoka Hashimoto, Masayu Kimoto, Eno Peci

            Dumitru Taran, Maria Alati, Eszter Ledán, Reina Sawai

            Céline Janou Weder, Marcin Dempc, Jakob Feyferlik

            András Lukács, Richard Szabó


            Vaslaw

            振付・舞台・衣装 John Neumeier

            ピアノ Igor Zapravdin

            Denys Cherevychko

            Eszter Ledán, Alexandru Tcacenco

            Kiyoka Hashimoto, Richard Szabó

            Alice Firence, Greig Matthews

            Ketevan Papava, Roert Gabdullin, Masayu Kimoto


            Allegro Brillante (Premiere)

            振付 George Balanchine

            音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski Allegro Brillante op. 75

            Olga Esina, Vladimir Shishov

            Nikisha Fogo, Natascha Mair, Anita Manolova, Rui Tamai

            Marci Dempc, Richard Szabó, Dumitru Taran, Andrey Tererin

            ピアノ・ソロ Shino Takizawa

            指揮 Vello Pähn


            Vier letzte Lieder

            振付 Rudi van Danzig

            音楽 Richard Strauss, Vier letzte Lieer AV 150

            ソプラノ Olga Bezsmertna

            指揮 Vello Pähn

            Nina Tonoli - Alexandru Tcacenco

            Liudmila Konovalova - Greig Matthews

            Nina Poláková - Roman Lazik

            Ketevan Papava - Robert Gabdullin

            Eno Peci


            この組み合わせでは初演だし

            一応、Allegro Brillante は初演なので

            プログラムを買ったが

            日本語訳の訳者もタイトルには苦労した模様。


            「巨匠たちの署名」


            まぁ、直訳すればその通りだが

            ドイツ語の Signatur は英語のシグニチャーとはちょっと違うニュアンスで

            後々まで残る刻み付けられたサイン、みたいなニュアンスがある。


            前半の Le Souffle de l’Esprit と Vaslaw の音楽はテープ。

            Le Souffle de l’Esprit は何回か観た。

            バッハを始めとするバロックの音楽に乗って

            背景もバロック〜ルネッサンス絵画のビデオが出て

            白いコスチュームのダンサーたちが繰り広げる世界。


            筋とか、見えてくるストーリーはないのだけれど

            もちろん、妄想逞しくすれば、人生とかユーモアとか

            色々と背景に伺えるものがある。

            こういう妄想を喚起する作品、好きだなぁ。


            でも淡々と踊られるダンスには

            ダンスとしての純粋な形の美しさもあって素晴らしい。


            ケテヴァン、すてき ♡

            この間、インテリが読む日刊新聞のプレッセに

            インタビューが載っていたけれど

            この人の強い個性って、舞台で格段に光る。


            木本全優クン、完全復活。

            持ち味ののびのびした品のあるダンスを堪能。


            ヴァスラフはピアノ伴奏。

            中心人物のヴァスラフはデニス。


            ううう、前も観たけれど

            デニスのダンスって、最近、また変わってきた?


            可愛くて恐れ知らずの坊やかと思っていたが

            こういう不気味なものを踊らせると意外に合うので驚き。


            ピアノで演奏されるのはバッハ・・・の筈だが

            どう聴いてもバッハに聴こえない

            ラフマニノフ風味たっぷりのバッハは

            ピアニストのイゴールの持ち味(爆笑)


            後半は国立歌劇場管弦楽団(=ウィーン・フィル)が入る。

            プレミエになるアレグロ・ブリランテの音楽は

            チャイコフスキーのピアノ協奏曲3番。

            チャイコフスキーのピアノ協奏曲って、いったい何曲あるのか

            調べてみる時間もなくて申し訳ないが

            事前に Youtube でちょっと聴いてみたら

            すごく長いカデンツァがカッコいい。


            ピアノ・ソロは我らがアイドル、滝澤志野さん。

            予定されていたピアニストがキャンセルになり

            ほとんど数日前のジャンプ・インだそうだが


            おおおおおお、巧いぞ。


            確かに、まだちょっとムラはある。

            コンサート・ピアニストのように力強いところと

            ちょっと弱いかな、という部分があったけれど

            オーケストラだって、こわごわ演奏していた部分もあるので

            これは、何回か演奏しているうちに、もっと素晴らしくなる可能性がある。


            舞台上はかなりクラシック。

            オルガとシショフのカップリングを取り囲んで

            何組かのカップルが踊る。

            伝統的で、革新的で、進み過ぎてはいないので

            クラシック・ファンにもモダン・ファンにも楽しめる。


            ああ、オルガさま ♡


            やっと白鳥の湖のお怪我から回復して下さって

            シショフと踊る時に、下から見上げるサドっぽい表情がステキ。

            例の生きているだけで悲しいんです、という表情は一瞬のみで

            その後は生き生きと、強い女性を踊ってくれた。


            しかし、本当にオルガって何てもう美しいんだ・・・・


            最後がリヒャルト・シュトラウスの「最後の4つの歌」


            ・・・・沈黙


            ソプラノ歌手は舞台の上手横前方に立っているのだが

            最初、全然、声が聴こえず

            いかん、と思った(らしい)オーケストラが音量を落として

            それでも、ソプラノもいかん、聴こえてない、と思ったのか

            高音で叫び声に近い音色になっちゃって(涙)


            リヒャルト・シュトラウスの艶っぽい音楽を演奏させたら

            ウィーン・フィルの音は素晴らしい筈なのに

            歌手に遠慮し過ぎて、何か痩せた音になってしまってるし


            いや、きっと上手いソプラノ歌手なのだろうと思うが

            意外や意外に国立オペラ座の音響はデッドである。


            普段、オペラではものすごい声量の歌手が勢揃いするので

            あんなに音響がデッドだとは思わなかった。


            ソプラノとオーケストラのバランスが取れていなくて

            あれは、歌手にもオーケストラにもあまりハッピーではなかったと思う。


            バレエそのものは、ベタというか

            カップル4組がベタベタと愛のシーンを繰り広げるところに

            エノが邪魔しに入る(笑)


            いや、本当にそうなんだってば(爆笑)


            ベタに解釈すれば、エノが「死」とか「別離」とかを象徴しているのだろうが

            頭に思い浮かんだのが

            そう言えば、エノ、この間、ロットバルト踊ってたよね

            (まぁ、役柄から言ったら、この作品の「お邪魔虫」もロットバルトも同じかも)


            でも、この4組の愛情表現が、それぞれに

            本気か、こいつら、と思わせるリアリティがあって


            ローベルト、そんな悲しそうな顔してケテヴァン見なくて良いから・・・


            初々しいニーナとアレクサンドルのカップルも良かったし

            リュドミラとグレイグが意外に良いカップルになってたし

            (お姉さんを慕う年下の彼氏 ♡)

            ニーナとローマンのテクニックは息を飲むし(何だあのリフトは)

            ケテヴァンの色っぽさに迷ったローベルトもまた・・・(うふうふうふ)


            まだ数回公演がある筈なので

            もちろん、また行く気満々の私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            行く気は満々とは言え

            毎日真夜中過ぎまで仕事して

            睡眠時間3時間〜4時間という生活

            いつまで続くんだろう?



            「輪舞」フォルクス・オーパー 2回目

            0

              Volksoper 2014年5月26日 19時〜21時10分


              Ein Reigen

              Ballett in zwei Akten von Antony McDonald und Ashley Page

              コンセプト Antony McDonald und Ashley Page

              振付 Ashley Page

              舞台と衣装 Antony McDonald

              照明 Peter Mumford

              指揮 Gerrit Prießnitz


              アルトゥール・シュニッツラー/死 : Robert Gabdullin

              ジークムント・フロイト : Kamil Pavelka

              グスタフ・マーラー : Eno Peci

              アルマ・マーラー : Ketevan Papava

              オスカー・ココシュカ : Kirill Kourlaev

              ミッツィ : Alice Firenze

              ペーター・アルテンブルク : András Lukács

              アルノルト・シェーンベルク : Roman Lazik

              マチルデ・シェーンベルク : Nina Poláková

              リヒャルト・ゲルステル : Denys Cherevychko

              エゴン・シーレ : Richard Szabó *

              ヴァリー・ノイツィル : Maria Alati

              ベルタ・ツッカーカンドル : Dagmar Kronberger

              マダム・ドーラ : Ioanna Avraam

              グスタフ・クリムト : Christoph Wenzel

              エミール・フレーゲ : Eszter Ledán

              アレクサンダー・ツェムリンスキー : Marcin Dempc *


              音楽(順不同)

              Gustav Mahler : III. Sinfonie, 1. Satz

              Erich Wolfgang Korngold : Baby-Semenade op. 24

              Alban Berg : Lulu Suite

                  Drei Orchesterstücke op. 6

              Alexander Zemlinsky : Ein Tanzpoem

                                 Sinfonietta op. 23

              Béla Fischer : Crazy Waltz

              Arnold Schönberg : Fünf Orchesterstücke op. 16

              Maurice Ravel :  La Valse


              4月29日にプレミエ鑑賞後

              私にとっては2回目の「輪舞」

              その間に行けなかった回が1回あって

              今回は3回目の上演。


              どうもチケット売れていなかったみたいで

              割引します云々というメールがフォルクス・オーパーからかなり入っていて

              くそ、もうチケット持ってるのに・・・と悔しかったのだが

              まぁ、安い席でも見える席を確保していたのでそれは満足。


              ところが周囲(=安い席)には大量の若い人たちが座っている。

              どう見ても15歳くらいの子供たちが大挙して来ているのだが

              良いのか、あんな、もろセッ●ス絡みの演目を見せちゃって(汗)


              まぁ、こちらの子供たちは早熟で

              男女間の交合も14歳からオッケーという土地柄だからな(ヘンに納得)


              キャストはほとんど変わっていないが

              エゴン・シーレ役をミハイルの代わりにリッチーが

              ツェムリンスキー役がアレクシスからマルチンに変更。

              (で、ツェムリンスキー役のマルチンが

               丸顔+眼鏡という、私の男性の理想にものすごく近くて

               マルチンが出てくる度に、そちらに意識が向いちゃった♡)


              会場に入るとエゴン・シーレらしき絵画の幕があって

              これがもう最初から異様なの。まぁ、好みの問題だが。



              前半の「輪舞」は、コルンゴルトやツェムリンスキーの曲が演奏されて

              何だか、似たようなパ・ド・ドゥが続く。

              グスタフ・マーラーとアルマ

              アルマとココシュカ

              ココシュカとミッツィ

              ミッツィとペーター・アルテンベルク

              ・・・という組み合わせ。


              ダンサーは良いのだ。

              ケテヴァンの個性はアルマにピッタリで

              あんな甘いフェミニンなピンクのドレスなのに

              マーラー(=エノ)の時には女性らしく甘やかになるくせに

              自分を慕ってくるココシュカ(=キリル)の時には

              ちょっとサドっぽくなって、ケテヴァンの個性が光る。


              ミッツィ役のアリーチェがものすごく可憐。

              ココシュカとの組み合わせの時の服と

              アルテンベルク(=アンドラス)の時と衣装が変わるので要注意。


              でも前半ははっきり言ってちょっと退屈である(断言)


              後半のシェーンベルク(=ローマン)とマチルデ(=ニーナ)から

              俄然、音楽もダンスも内容もヘンタイ、いや、面白くなってくる。

              マチルデに紹介されたゲアストル(=デニス)が

              マチルデに惚れ、それを阻止しようとするシェーンベルクとのデュエットが

              ベルクの12音音楽と相まって

              もう、すごくすごく活き活きしてステキ。

              (嫉妬に駆られた2人の無調音楽でコウフンする私もヘンだが)


              ゲアストルとマチルデのパ・ド・ドゥの後

              浮気現場をシェーンベルクに発見されたゲアストルの自殺

              (これはドアを開けると、上から足が吊り下がっていることで示唆)


              その後のサロンでの乱痴気騒ぎが

              良いのか、これ、若い男女にこんなモン見せて(冷汗)


              老年にさしかかった私が観たって

              ちょっとコレ、やっぱりヤバイだろ、と思うくらい

              娼婦と、ダミーの人形(ちゃんと下の毛まで・・・)と

              男女入り交じり、すごい事になって


              そのシーンでエゴン・シーレ(=リッチー)とヴァリー(=マリア)が知り合う。


              ヴァリーが絵のモデルになるシーンでのシーレが

              あのね、これね、やっぱり、もろにそのシーンですから(汗)


              リッチーはバレエはむちゃ巧くて

              小粒でピリッとして魅力的だが

              ミハイルのあの妖しさには欠ける。


              それはそれで、ヴァリーに夢中になって

              急いで洋服脱いでやっちゃいました、という可愛いイメージ。

              (・・・って、それの何処をカワイイと言えるのかはさて置いて)


              シーレがスペイン風邪で死んで

              最後にみんなが集まって

              ラヴェルの「ラ・ヴァルス」


              ・・・・オーケストラ、巧くなってる(笑)


              初演の時のラ・ヴァルスは

              もう、どうしよう、という感じだったけれど

              今回は、ちゃんとワルツにもなっていたし(それはプレミエの時も)

              ちょっとフランスっぽい柔らかさも少しは出てきて

              良い感じの仕上がり。


              しかしこの演目

              3回目にして、既にチケットが売れてないというのは

              ちとヤバイかもしらん。


              だいたい、あれだけ踊れるダンサー使って

              しかも、すごいリフトが、どの場面でも盛り沢山で

              テクニックなかったらアウトだぜ、という技術的に難しいものが多いのに


              内容が内容で、相手を取っ替え引っ替え、やっちゃいます、という以外に

              (世紀末の雰囲気云々の歴史的背景はあるにせよ)

              それ以上の深み、というのを

              フロイト(=カミーユ)だのシュニッツラー(=ローベルト)だのを出して

              途中で暗い暗い男性のデュエットとローベルトのソロで

              恐ろしさを出そうとしても

              所詮は、男女のセッ●スの話じゃないか

              ・・・とか思ってしまう単純でアホな私がいる。


              だって、若人に混じってあの舞台観てると

              何となく恥ずかしいのよ。


              でも若人は退屈していたらしく

              ギャラリー席のあちこちで、スマホの液晶画面が光っていて

              舞台観てる人はとても少なく

              みんな、手元のスマホでメールだのツィッターだの

              フェースブックだのをやっていたようだ。

              (穿った見方をするなら

               若い人は別に舞台で人のナニを見なくても

               実践で・・・いやいやいやいや、失礼しました 💦


              実はこの演目、あと2回分のチケットを確保してある。

              ダンサーはトップ・クラスを揃えているのに

              今ひとつ、インパクトに欠けてしまう残念さ。


              以前のカルメンとかマリー・アントワネットと同じで

              来シーズンも入ってはいるけれど

              何かと変わっちゃいそうな気がする。

              (私の大好きだったル・コンクールも、あまりの人気のなさに

               途中から演目が変わってしまった)


              本日出演のダンサーのほとんどは

              明日の国立オペラ座のプレミエにも出演する予定。

              みんなタフだな・・・


              でも私も、ここ2週間ほどは

              会社の仕事がえらい事になっていて

              睡眠時間5時間を切っている有様なので

              頑張ってるぞ(ってちょっと違うか)


              睡眠不足で明日のオペラ座のプレミエ

              大丈夫なんだろうか(寝落ちはイヤだ)と

              すごく心配している私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              もちろんこの後、オフィスで明け方2時まで仕事してました。

              記事のアップの時間は意図的に変更してあります。

              今、午前3時を過ぎたところ。寝ないとヤバイです(汗)


              ウィーン交響楽団 + シモーネ・ヤング

              0

                Konzerthaus Großer Saal 2014年5月25日 19時30分〜21時30分


                Wiener Symphoniker

                指揮 Simone Young


                Ludwig van Beethoven (1770-1827)

                 Symphonie Nr. 7 A-Dur op. 92 (1811-12)

                Johannes Brahms (1833-1897)

                 Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 73 (1877)


                ウィーン交響楽団+シモーネ・ヤングの2日目。

                今回はウィーン交響楽団チクルスの一環なので

                周囲もいつものメンバーがずらり揃って

                今日は楽章間の拍手はない(笑)


                ベートーベンの交響曲7番。

                ノリの良い曲だから

                まぁ、テンポさえ押さえておけば

                ウィーン交響楽団は勝手に演奏しそうだし

                (すみません、指揮者に失礼な言い方ですが)

                さすがに職人集団で

                正確に、やるべき事をやりました・・・という演奏。


                面白くも何ともない(ごめんなさい)


                こういう曲を聴くと

                あまりに知り過ぎてしまった曲を

                コンサートで聴く意味って何だろう、と考え込んでしまう。


                もちろん、知り過ぎた曲をナマで聴いて

                あっ!と思うような新鮮な驚きや感動があるというケースもあるが

                楽譜通りの真面目で、伝統的で本当にクラシックで

                過不足なく、素晴らしい仕上がりの模範演奏を聴いても

                だから何?という


                ・・・ああ、贅沢慣れしとるなぁ(ため息)


                ブラームスの交響曲2番は良い出来。

                ホルン1番、ソロが見事だった。よくやった。


                オーボエのお姉ちゃんも

                最初登場したコンサートでは何だあれ?と思ったが

                なかなか聴かせるソロになってきて

                音楽家も成長するな、と納得。


                シモーネ・ヤングの音楽作りは

                女性指揮者だから、という偏見が私にあるとは思うけれど

                優しくなるところが

                とことん繊細に優しくなる。


                意図的に乱暴なドラマチックさを加えたブラームスでも

                その間の、繊細で優しい部分が

                ちょっと信じられないくらい

                個人的な好みとしては、そこまでやるか、という程に

                見事に柔らかく優しくなってしまう。


                ううう、シモーネ・ヤング、こういう音楽性を持っているなら

                ゲルマン系の音楽よりも

                フランス系かロシア系の音楽を聴いてみたいものだ。


                良いコンサートだったのは間違いないけれど

                自分が(安い席しか買わないくせに)如何に贅沢になっているか

                しみじみと反省する機会になったと思いつつ

                反省して何かを変えようとかは思っていない不埒な私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                トーンキュンストラー + 準・メルクル

                0

                  Musikverein Großer Saal 2014年5月25日 16時〜18時20分


                  Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                  メゾソプラノ Stella Doufexis

                  バリトン Nikolay Borchev

                  語り手 Cornelius Obonya

                  指揮 Jun Märkl


                  Claude Debussy (1862-1918)

                   “Pelléas et Mélisande” (1893-1902)

                     Konzertfassung und Auswahl der Zwischentexte : Jun Märkl


                  Arnold Schönberg (1874-1951)

                   “Pelleas und Melisande” Symphonische Dichtung op. 5 (1902/03)


                  トーンキュンストラー今年最後の定期公演のテーマは

                  ペリアスとメリザンド。

                  ドビュッシーのオペラ(短縮版)と

                  シェーンベルクの交響詩を一緒に演奏してしまう、という試み。


                  ウィーン劇場でペリアスとメリザンドを鑑賞したのは

                  2009年の1月。(おヒマな方は ここ と ここ


                  キャスト表を見て、ちょっとビックリ。

                  あの時はナタリー・デセイがメリザンドを歌ったのだが

                  今日のメリザンド役って、メゾソプラノ????


                  デセイってハイソプラノのコロラチューラだったよね?

                  その役をメゾソプラノが歌って大丈夫なのか?


                  大丈夫でした・・・(笑)


                  というより、やっぱり最初の登場のところは

                  何か、気の強いオバサンが登場、という感じがして

                  これ、違う!と思ったのだが

                  考えてみたら、メリザンドって歌う部分がほとんどなくて

                  時々、ウイ、とか、ノン、とか言ってるだけだから(爆笑)


                  対するペリアスは歌う部分がすごくあってタイヘン。

                  これも、ワタクシ的には、本当はテノールだろ、と思うけれど

                  ドビュッシーのオペラでは、バリトンあるいはテノールとなっているので

                  バリトンでも大丈夫。


                  バリトンで歌うと、多少、オーケストラのトゥッティで

                  声が消えそうになる部分はあるけれど

                  柔らかでチャーミングな声で、太くもならず

                  ペリアスの必死さを充分に表現していて、かなり良い感じ。


                  オルガン前に陣取った語り手は、もちろんゴロー役である。

                  しかも、このゴローの部分だけドイツ語で語る。

                  でも、これが全然不自然じゃなくて

                  (まぁ、手元にフランス語とドイツ語の歌詞の訳があったし。

                   ゴロー役のセリフはプログラム記載はなかったけれど

                   しっかりわかるから全然必要ない)

                  手元のフランス語・ドイツ語の対訳で

                  今回は音楽とセリフのピッタリな表現の妙がジンジン伝わってくる上

                  ペリアスにメリザンドを奪われたゴローの悲しみと怒りが

                  語り手の声の演技で余すところなく表現されていて

                  これ、実によく出来たプロダクションだ(感動)


                  ペリアス役のバリトンが

                  ゴロー役の語り手が話している時に

                  しっかり上を向いて聞いているのだけれど

                  ハンサムで若いペリアスが

                  ゴローに圧倒されていて、不安に打ち震える表情がたまらない。

                  (いったいワタクシは何を見てる?)


                  ドビュッシーの曲の表現力が凄まじくて

                  フランス語をそのまま音楽にして

                  背景や心理をぶち込んだような印象。


                  しかしこのメリザンドという女、腹立つな(個人的感想です)

                  美人なら何やっても許されるのかよ(違)

                  ペリアスに色目を使って夢中にさせておいて

                  愛の告白をさせて

                  ワタシもよ・・・・なんて、許せません(怒)


                  はっ・・・ ごほん、それはともかくとして(汗)


                  1時間ちょっとを夢中にさせたドビュッシーの後

                  後半のシェーンベルクの「ペリアスとメリザンド」


                  最初に語り手がやはりオルガンの前に立って

                  ゴローの心情を語る。


                  ・・・のだが、その後、ずっと演奏が続いている間

                  ゴローをオルガンの前で仁王立ちにさせている意味はあったのか?!

                  (それとも語り手が引っ込むチャンスを逃したとか?)

                  何だか、ずっと立ってられると、ちょっとコワイんですけど。


                  シェーンベルクの「ペリアスとメリザンド」は初聴きではないし

                  ちゃんとライトモチーフも使ってはあるのだが

                  最初のドビュッシーのオペラに比べると

                  交響詩だから、妄想を目一杯に活動させないと内容理解できないし


                  盛り上げ方がいつも同じで、何とも平坦。

                  ゲルマン的にドラマチックにはなっているけれど

                  ドビュッシーが「ジュ・テーム」と軽くやったところを

                  「イッヒ・リーベ・ディッヒ」と繰り返しているようなウザさがあって

                  シェーンベルクはユダヤ系だけど

                  やっぱりリヒャルト・ワーグナーのしつこさを避けては通れないのか・・・


                  シェーンベルクのこの曲だけ聴くなら名曲なのだろうが

                  オルガン前の中年男性の仁王立ちと

                  ダラダラ続くドラマチックな音楽は

                  あの繊細なドビュッシーの後では、ちょっと重い。


                  準・メルクルの指揮、相変わらずカッコ良くて

                  身体が柔らかくて、よく動くし、指示も的確だし

                  ああいうダンスは(すみませんちょっと違ってるかも)

                  見ていて面白いし

                  ドビュッシーの抜粋をして

                  トーンキュンストラーから

                  あれだけ柔らかい、繊細なフランスの音を引き出したのにも脱帽。


                  同じコンサートは、5月27日の19時30分から。

                  最初のドビュッシーだけで良いから(笑)

                  ウィーン在住の方、ぜひ聴きに行ってみて下さい。


                  こういうコンサート、もう1回行きたいところだが

                  27日は別の予定が入っている私に

                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。





                  ウィーン交響楽団 + シモーネ・ヤング

                  0

                    Konzerthaus Großer Saal 2014年5月24日 19時30分〜21時40分


                    Wiener Symphoniker

                    指揮 Simone Young


                    Ludwig van Beethoven (1770-1827)

                     Symphonie Nr. 3 Es-Dur op. 55 “Eroica” (1803)

                    Johannes Brahms (1833-1897)

                     Symphonie Nr. 2 D-Dur op. 73 (1877)


                    ウィーン交響楽団が

                    シモーネ・ヤングを迎えて名曲アワー

                    ・・・としか思えないコンサート(笑)


                    ベートーベンの交響曲3番。

                    力強くトゥッティで始まるはず・・・

                    なんだけど


                    確かにコンツェルトハウスの音響ってデッドだけど

                    あんなに大きな編成のオーケストラで

                    あの痩せた感じの音響って???


                    続くメロディも、何というか

                    しなしなしていて(すみません、すごい言い方で)

                    いや、女性指揮者だから、という偏見はないと思うのだが

                    どうも柔らかすぎる、というより、繊細すぎる。


                    テンポにもあまりキレがなくて

                    ウィーン交響楽団のメンバーは何百回も演奏した曲なのだろうが

                    あのテンポと、あの繊細さで繰り返し省略せずに

                    全部演奏されると


                    ブルックナーのしつこさ、というか

                    筒井康隆の短編小説で

                    一度入った村から、どうしても抜けられないという

                    恐ろしい話があったが

                    いったい、この第一楽章、いつ終わるのか

                    いや、終わらないんじゃないか(被害妄想)


                    まぁ、第一楽章にも終わりはある。

                    ところが、終わったとたんに

                    あらまぁ、拍手が・・・・(ああああ)


                    いや、良いんですけどね。

                    ベートーベン時代って、楽章ごとに拍手してたし。

                    でも、拍手している人が

                    クラシック音楽なるものを聴くのは

                    ラジオや Youtube も含めて

                    実はこれが初めてです、というのがバレバレなんですが(笑)


                    第二楽章の埋葬行進曲はドラマティックだが

                    これも、丁寧に丁寧に丁寧に歌わせる。

                    丁寧すぎて真面目すぎて、ちょっと辟易。


                    こんな静かに終わる楽章の後でも、また盛大な拍手。

                    ああもう、良いです別に。


                    スケルツォは割にノリノリのテンポで軽く流す。

                    この位のテンポだとウィーン交響楽団のノリも良い。

                    (が、もちろん、調子良く終わったとたんに拍手である(ため息))


                    フィナーレの変奏曲も

                    第一楽章と同じく、緩めのゆっくりしたテンポ設定で

                    もちろん、途中で揺らすけれど

                    何か、やっぱり異様に長い上に

                    最後、何だかヘンな終わり方したんだけど?!


                    後でスコア見たら

                    確かに最後の3小節で、2小節は2分の1音符で

                    最後の小節は全音符で更にその後にフェルマータがあるから

                    きっと、あれで良いのだろうが

                    どうしても伸ばし方が不自然だし揃ってなかった。


                    まぁ、この曲は今日だけの演奏だから・・・

                    (明日はベートーベンの7番である)


                    拍手のフライングはともかくとして

                    何だかダレた演奏に聴こえた。

                    エロイカって、こういう演奏されると

                    長いだけでむちゃ退屈なのだが

                    (シューベルトのグレートなんかと同じで)


                    後半のブラームスの交響曲2番で

                    楽章ごとに拍手出るとヤダな、と思っていたけれど

                    やっぱり出ました。


                    皆さま、これが「音楽の都」ウィーンの現状です(涙)


                    いや、そりゃ、全然クラシック音楽を聴いた事のない人たちが

                    「音楽の都」ウィーンで

                    ベートーベンとかブラームスを聴いて

                    良かったなぁ、と、自宅でまた聴いてくれて

                    それがきっかけになってクラシック好きになってくれれば

                    それは嬉しい事なんだけど

                    周囲の人が首振って呆れた顔しているのに気がつけよ(怒)


                    ブラームスの交響曲2番なら

                    多少、テンポ遅めの「繊細な感じ」の演奏でも気にならないだろうと思っていたら

                    これが、意外に男性的なダイナミックがあって

                    いや、ちょっと荒めのところまであって

                    これなら楽しく鑑賞できるぞ。


                    比較的空いていた上に

                    拍手のフライングが出る、という事は

                    慣れていない若い観光客も多いという事で

                    演奏中に、盛大な囁き声のお喋りは飛びまくっていたが

                    これ見よがしな咳はあまりなくて、これは助かった。


                    ちょっとかわいそうだったのが指揮者で

                    第三楽章から、ほとんどアタッカで第四楽章に繋げようと

                    指揮棒を振ろう、としたタイミングで拍手が・・・(笑)


                    オペラに慣れている指揮者だったら

                    構わずに指揮棒振り下ろしただろうが

                    (註 シモーネ・ヤングはオペラも振ってます)


                    ただ、ヤングの指揮はせわしない。

                    腕をブンブン振り回すので

                    (肩のところで袖をカットした腕が全部見えるタイプの服)

                    後ろから見ていても、ちょっと疲れる。

                    途中で、あれあれあれ、腕がテンポに乗り切ってない、と

                    見ている方が混乱する部分もあったし。


                    でも、オーケストラのメンバー、ほとんど指揮者見てなかったし。

                    ウィーン交響楽団にとっては慣れたレパートリーなので

                    全体のアンサンブルの中で演奏できてしまうので

                    別に指揮者を見る必要はない、って事か。


                    時々、それなりの工夫は聴こえてきたけれど

                    正直言って、可もなく不可もない、という感じの演奏だったなぁ。


                    だが、ベートーベンにしても

                    ブラームスにしても、終わったとたんに

                    派手なブラボー・コールが

                    しかも、あなた楽章途中で盛大に拍手してたよね?という人から飛んだのは

                    まぁ、それも「音楽の都」ウィーンですね(苦笑)


                    いや、喜んで下さるのが一番です、と

                    観光業界に携わる者としては思わねばならない

                    ・・・と自分に納得させようとしている私に

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                    ウィーン放送交響楽団 + フルシャ

                    0

                      Musikverein Großer Saal 2014年5月23日 19時30分〜22時


                      ORF RSO Wien

                      指揮 Jakub Hrůša

                      チェロ Johannes Moser


                      Miloslav Kabeláč (1908-1979)

                       Mysterium der Zeit. Passacaglia für großes Orchester, op. 31

                      Leoš Janáček (1854-1928)

                       Taras Bulba

                      Bohuslav Martinů (1890-1959)

                       Konzert für Violonchello und Orchester Nr. 1

                      Leoš Janáčk

                       Sinfonietta für Orchester


                      同じ日の同じ時間に

                      コンツェルトハウスで、バンベルガー交響楽団とヨナサン・ノットが

                      モーツァルトのクラリネット協奏曲と

                      ブルックナーの交響曲7番を演奏するとあれば

                      普通だったら(?)伝統的クラシック・ファンは

                      コンツェルトハウスに行っているだろう、きっと。


                      実は両方のチケットを持っていた私は

                      最後の最後まで迷った。

                      身を切られるような思いだったが

                      ウィーン交響楽団+ヤクブ・フルシャの

                      オール・チェコ・プログラムに行って正解だった(と思う事にする)


                      だいたい、楽友協会にしては珍しい空き席状況。

                      プログラムの係の人が

                      席変わったら?というくらい

                      バルコンに空き席がある。

                      (まぁ、それでも現代音楽のコンサートと比べれば入ってるけど(笑))


                      いつもの席に座ったら

                      オルガンの前に譜面台がずらっと並んでいたので

                      (後半のシンフォニエッタのトランペット用である)

                      前半は、そのままそこに留まったが

                      後半は、しっかりバルコン正面のガラガラな部分に座らせてもらった。

                      (もちろん係員の承諾を得ての事である。どこでも良いよ、と笑ってた)


                      ツィッターで時々呟いている通り

                      実は今、仕事がえらい事になっていて

                      ここ数日、連日の睡眠時間が4時間を切っていて

                      しかも、日本なら往復の通勤列車の中で寝ているのだが

                      往復がマイカーで、会社からコンサート会場まで地下鉄10分とかでは

                      移動中に寝る、という選択肢がない。


                      だからコンサートで寝てしまうのだが

                      (あああああああっ!!!)

                      しっかり聴いてますから、一応。


                      最初の曲は、確かにパッサカリアで

                      静かなメロディがしつこくしつこくしつこく繰り返されて

                      だんだん盛り上がって、また静かになって、という

                      作曲された頃の政治背景とかを考えなければならない曲だと思うし

                      チェコの民謡以外にも、色々な音楽の影響があるのはわかるけれど

                      すみません、ちょっと平凡な感じがしてしまう。


                      ヤナーチェックのタラス・ブルバは面白い。

                      オーケストラの音が、無理なく、しかも解像度が高く

                      すっきりした辛口の語りにイヤミがなくて

                      ドラマチックというより、ひたすら雄弁な音楽。

                      軽め、というよりイヤミがないのはフルシャの音楽作りだろうか?


                      後半は席を変えて

                      普段だったら、高くて絶対に座れない席に陣取る。

                      オーケストラが遠いけれど

                      音響は豊かで素晴らしい。

                      やっぱり高い席だけの事はある(すみません)


                      マルチヌーのチェロ協奏曲。

                      うううう、ウィーン放送交響楽団って

                      何て巧いオーケストラなんだ(驚嘆)


                      スタイリッシュで音色が明るくて正確で

                      ちと洒落っ気まで加えて。


                      チェロの豊かな音色は楽友協会だと少し響き過ぎで

                      もう少し残響の少ないホールの方が良かったかもしれない。

                      残響が多過ぎて、多少、輪郭が崩れる。


                      でも、私、このチェロ交響曲の2楽章が好きなのだ。

                      涙が出るほど、センチメンタルでロマンティックで

                      こういう音楽を聴いていると、本当に天国だなぁ。


                      KY の観客が多かったのか

                      フルシャのファン・クラブがいたのか

                      チェリストの友人一同が来ていたのかはわからないが

                      拍手が止まらず

                      結局、アンコールを1曲。


                      しかもこれが結構長くて

                      オルガンの横にズラズラ立って待機していたトランぺッターの皆さま

                      お疲れさまです(笑)


                      チェロの無伴奏曲なんてレパートリーは限られていて

                      当然の事ながら、バッハを聴かされる羽目になってしまい

                      オール・チェコ・プログラムでそれなりに音楽的な統一があった中で

                      これだけが異様に浮いていたが

                      それは仕方がない。


                      ずらっと並んだトランぺッターから始まるシンフォニエッタ。

                      あぁ、ステージ横の席から逃れて良かったぁ。


                      いや、もう見事の一言。

                      フルシャの音楽作りにはイヤミがない。

                      変にセンチメンタルな部分を強調したり

                      人を脅かそうとしてドラマチックにしたりというのが全くなくて

                      素直で、あくまでも音楽に忠実で

                      その音楽の持っている特性を、一途にそのまま提示して来る。


                      だから音楽にイヤミや気負いが一切なくて

                      それでも、ひたすら雄弁で

                      解像度が高くて、各パートが明確に聴こえる。


                      チェコの音楽をずっと聴いていて

                      面白い事に、センチメンタル部分が

                      どの曲でも、かなり似てるなぁ

                      チェコって、そういう風土なのかなぁ

                      で、音楽のリズムが、やっぱりチェコ語っぽい(笑)


                      ハンガリーのマジャールの熱さとか

                      ゲルマンのしつこさとかではなく

                      チェコって、ちょっと物事を斜に見て

                      何か冷静で、インテリっぽくて理屈っぽくて

                      愛想がないんだけど

                      全然愛想のないオジサンが

                      一生懸命、聴衆を楽しませようとしている感じが

                      何だか微笑ましくてスキだ。


                      仕事が忙しいなんて言い訳にもならないけれど

                      確かに3人分以上の仕事が全部私にかかってきているが

                      独りでやっている分

                      他のスタッフに煩わされる事がなくて

                      実はストレスとしては普段より少ないという(笑)

                      どの状態にも、長所と短所がある、と

                      ヘンに納得している私に

                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。




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