Burg Schlaining 2014年5月31日 19時30分〜21時40分
Klangfrühling Gala II
バイオリン Christian Scholl
ビオラ Cynthia Liao
ピアノ Eduard & Johannes Kutrowatz
Franz Liszt : Mazeppa Symphonische Dichtung Nr.6
Originalfassung des Komponisten für 2 Klaviere
Franz Schubert : Winterreise für Viola und Klavier
Gute Nacht
Der Lindenbaum
Der Leiermann
Aaron Jay Kernis : Air für Violine und Klavier (1995)
Wilhelm Spuller : SON(I)DOS für 2 Klaviere (UA)
Georg Gershwin : Variation of I got rythm
シュライニング春の音楽祭のガラ公演。
リストにシューベルト、アメリカの作曲家の曲に
オーストリアの作曲家ヴィルヘルム・シュプラーの委嘱作品の初演。
最後はガーシュインのラプソディ・イン・ブルーの予定だったが
アイ・ガット・リズムのバリエーションに変更。
エディとヨハネスのリストについては、もう言う事ない。
乱暴とも思えるほどのエネルギーの奔流は
このデュオの魅力的な持ち味。
エディもヨハネスも銀髪になっちゃったけど(笑)
あのエネルギーって、いったい何処から沸いてくるのよ?
さてシューベルトの「冬の旅」から3曲。
しかも歌じゃなくて、シンシアのビオラ?
何でまたビオラ? ・・・・と思ったのだが
これが何とも言えず、凄かった。
バイオリンじゃなくて、チェロでもなくて
ビオラですよ、ビオラ(すみません、しつこくて)
ところが、ビオラの音色が
シューベルトのあの暗い暗い暗い暗いリートにむちゃ合ってる。
フレーズの繰り返しを1オクターブ下で弾いたり
特に最後のライアーマンでフラジオレット使われて
擦れた音響で、あの暗い暗い暗い色調を出されたら
ちょっと涙でそう・・・
後半は、アメリカの作曲家の曲をクリスティアンとエディ。
・・・は?
現代曲と言うにはトナール過ぎて
ピアノとの絡みにも別に聴くべきところもないし
(時々混じる不協和音。目新しいものではない)
バイオリンを弾いているイケメン・バイオリニストは
眼福ではあるし、音はキレイだし
高音がとても澄んでいて神経に障らず
それは良いのだが
何ですか、この曲は?!
全然面白くない(断言)
すみません、論外です。
さて、ブルゲンラント出身の若い作曲家の SON(I)DOS では
客席の照明を完全に落とし
舞台もピアノの楽譜の場面だけに光をあてた。
うはうはうは、この曲、正にソニックというか
音響「だけ」の曲。
スペクトルム楽派に繋がる感じか
ピアノのペダルでの残響の面白さだけで聴かせてしまうが
しかし、この残響を計算して出すって
作曲家よりは、実際に弾くピアニスト2人には
とんでもない挑戦だったのでは?
ちょっと間違えば音響が濁る。
そんな綱渡り状態での、緻密に計算されたペダリングの凄まじさ。
客席から咳が聴こえただけで、全体の調和が乱れそうな
(咳した人が数人いたの。これは、お互いにちょっとかわいそうだった)
よくぞまぁ、この音響構築を、見事に処理したものだ、と感嘆。
だからと言って、別に感激したワケではないが
(スペクトルム楽派もリゲティも、とっくにやっとるわい)
これは作曲家というより
これを弾きこなしたエディとヨハネスへの賞賛に値する。
最後のガーシュインは、お得意のナンバーだし
ノリノリノリノリで、続けてアンコールにジャズを数曲。
エディがジャズ好きだし
クラシックからガーシュインに行って
ピアソラに行って、次はジャズかな。
私、バティックのヨーロピアン・ジャズは好きなのだが
(これは5月28日に演奏されたの(涙))
いくら2人が卓逸したテクニックと力を持っているとは言え
ジャズって、どうしても、バーの BGM に聴こえて来ちゃうので
(すみません、ホント不勉強ですが・・・・)
常連客の多いシュライニング春の音楽祭だからこそ
芸術家たちは、自分の好きな事を思い切ってやる事ができる。
同時に、それが内輪ウケにならないように注意しなくてはならないし
ある程度スタンダードなレパートリーも残さねばならない。
更に、毎年、何か違った魅力を常連客に提供する必要もある。
私みたいにヘンな常連客も居る事だし(自爆)
5月下旬というのに、かなり冷え込んで
シュライニングは13℃
ガラの後は、お城の中のホールで
無料の飲み食いができるという
(イタリアン・ビュフェでデザートもあり。
もちろんワインもジュースもミネラル・ウォーターもある)
信じられない音楽祭で
チケット料金は完全にモトが取れるし
これ狙いでガラ・コンサートだけに来る人もいるかも
と考えてしまうせこい私に
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