ミュンヒェン・フィルハーモニー管弦楽団 + マゼール2日目

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    Musikverein Großer Saal 2014年2月28日 19時30分〜21時50分


    Münchner Philharmoniker

    指揮 Lorin Maazel


    Jean Sibelius (1865-1957)

     Valse triste, op. 44/1

    Robert Schumann (1810-1856)

     Symphonie Nr. 4 d-Moll, op. 120

    Richard Strauss (1864-1949)

     Eine Alpensymphonie, op. 64


    マゼールとミュンヒェン・フィル2日目。

    いや、もう、プログラムを見ただけで

    何ですかこれ?


    アウェイのオーケストラってサービス精神一杯というか

    普通だったら、アタッカの交響曲や交響詩を1回で2曲も演奏しないだろう。

    更に加えてシベリウスの小品まで・・・


    悲しきワルツは、遅めのテンポ。

    充分に充分にピアニッシモのピチカートで歌わせて

    美しいけれどやるせない。


    途中で誰かが連れて来た子供が泣き出して

    (あああ、だから子供はあまり連れてこない方が・・・)

    いや、悲しいしやるせないのはわかるけれど

    泣きたいのはこっちです(ってちょっと違うか)


    シューマンの交響曲4番。

    私は好きだったはずなんだけど

    これも遅めのテンポで

    その分、最初の低弦はとても響く。


    けれど、音楽の流れがスムーズに続かず

    それぞれのテーマの最初のアクセントが

    叩き付けるような強さで

    そこでブチッと切れるような不安定さがあって


    好みなんだけど、これ、私、あまり好きじゃない(すみません)

    それに、今聴いて思ったんだけど

    生意気だが、この曲、構成もメロディも

    そんなに優れていないような印象。

    (おおおお、天下のシューマンさまに何と言う事を!)

    同じような繰り返しが多くて、何となく飽きてくる。

    ・・・睡眠不足と疲れがあるかもしれない。


    後半は、これまたアタッカで長いアルペン交響曲。

    夜中の描写が実に不気味。

    トロンボーンやチューバなど

    低音の金貨楽器の音が柔らかくて美しくて

    うわわわ、やっぱりスゴイ。


    その分、夜明けが目立つが

    美しい、というよりは、かなり壮大な景色が見える。

    マゼールがひたすら鳴らすのだが

    ショスタコーヴィッチとは違って

    ううううううう、うるさいっ!という気分にならないのは

    オーケストレーションの問題なんだろうなぁ。


    アルペン交響曲を聴いていると

    オーケストラと指揮者によっては


    アナタがた、アルプスの山歩きした事ないでしょ


    と言いたくなる事があるけれど

    このオーケストラのメンバーも指揮者も

    たぶん、アルプスの山歩きをしている(と思う)


    途中のカウベルや、鳥の鳴き声が

    かなりリアルで、いや、良いな、こういうローカルな感じ。


    私は立って指揮者を見ていたのだが

    周囲の、ジモッティではない人たちが

    立てば何か見えるだろう、と立ったり座ったりするのが邪魔。


    しかも、前の列の女性、時々、自分のIPhoneを出して

    録画してますけど?!

    (音は出なかったから良いけれど

     楽友協会の撮影許可って、8000ユーロくらいするんですが)


    アルペン交響曲はご存知の通り

    途中でむちゃくちゃ盛り上がった後に

    嵐が来て、嵐が終わって

    リヒャルト・シュトラウス特有の

    最後は盛り下がって終わる、という曲なのだが


    真ん中あたりの盛り上がったところで

    周囲の客が

    あっ、もう終わりかな

    という感じで数人立ち上がって指揮者を見ようとしているのが

    とっても邪魔!!!(怒)

    まだ半分くらいですよ・・・と教えてあげたいけれど

    そういうワケにもいかんし。


    優秀な金管は、途中でほんの少しへばっていたけれど

    ホルンもトランペットもトロンボーンもチューバも

    音がクリアで澄んでいて、メロディが滑らかで

    輝かしい音色を聴かせてくれて、素晴らしい。


    低弦も温かみのある音色。

    バイオリンの音色はかなり先鋭的で、時々尖るが

    きっとそれは、そういう持ち味。


    木管の鳥や、小動物の動きも素晴らしい。


    前半に出てくる、舞台裏からのトランペットに

    弦が絡むところが、私はと〜っても好きなのだが

    (だって、むちゃカッコいいんだもん)

    これも立体的に、美しく聴かせてくれて、とても満足。


    マゼールの特徴なのかオーケストラなのかわからないけれど

    昨日のシベリウスもそうだったが

    このオーケストラと指揮者

    重量級の作品を大音響で演奏すると

    音に重みがあって、力強くて

    こけ脅し・・・と言っては失礼だが

    聴いている方を、かなり圧倒する。


    アルペン交響曲はウィーン・フィルとティーレマンで

    ゲネプロをザルツブルクで聴いたのが最後だと思うのだが

    ウィーン・フィルの音色より

    ずっとローカルで強くて

    力任せ(笑)で、熱くて、みんな真剣でノリノリ。


    ミュンヒェン・フィルは何回か聴いているけれど

    マゼールとの相性は、かなり良いんじゃないか、という印象。


    最近はブーレーズもプレートルもキャンセルが続いているし

    大御所アバドは亡くなってしまうし

    でも、80代の指揮者の活躍は

    やはり年輪が見えて、深みがあって面白い。


    マエストロ・マゼール、元気でご活躍下さい、と

    心から思った私に

    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ミュンヒェン・フィルハーモニー管弦楽団 + マゼール

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      Musikverein Großer Saal 2014年2月27日 19時30分〜21時50分


      Münchner Philharmoniker

      指揮 Lorin Maazel

      ピアノ Alessandro Taverna


      Manuel de Falla (1876-1946)

       Suite aus der Ballettmusik “Der Dreispitz”

      Sergej Prokofjew (1891-1953)

       Konzert für Klavier und Orchster Nr. 3 C-Dur, op 26

      Jean Sibelius (1865-1957)

       Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 43


      ミュンヒェン・フィルが

      ティーレマン去った後の首席指揮者と登場。


      愛すべき変態マゼール ♡


      オペラ座舞踏会当日で

      リング通りは閉鎖されているし

      オープニングから、有名人ウォッチのオーストリア放送が

      茶の間に華やかな画面を送っているだろうが


      そんなの関係ないもんね(笑)


      マニュエル・デ・ファリャの「三角帽子」で

      おおおおおっ、このオーケストラ、何でこんなに


      音が大きい(ビックリ)

      (音響の悪いガスタイクがホームだと、ああなるのか・・・と

       1人勝手に納得した)


      低音が凄くて、スーパーバスのロックでも聴いてる気分。

      いや、良いわ、こういうちょっとローカルな音のオーケストラ。


      プロコフィエフのピアノ協奏曲3番は

      数週間前にコンツェルトハウスでご機嫌に聴いて来たが

      (記憶にない方は こちら をどうぞ)

      こんな短期間で、続けて聴く事になるとは思わなかった。


      あららら、あららら

      音の大きいオーケストラと

      全く負けていない超絶技巧でしかも力強いピアノ。

      これも、むちゃくちゃご機嫌。


      弾いている方は大変だと思うが(笑)


      ピアニストのアレッサンドロ・タヴェルナって

      ノーマークだったのだが

      この人、スゴイ。

      音が明るくて、技巧が凄くて

      ノリにノッて

      ノリ過ぎて、むちゃくちゃテンポ・アップして

      オーケストラが着いていくのに、ものすごく苦労していて(笑)


      よくぞまぁ、ピアノが引っ張ってはいったものの

      オーケストラも必死になって着いていったもんだ。

      聴いている方が冷汗をかく(爆笑)


      あんな疲れる曲を楽々と弾いた後の

      アンコール曲が

      ジャズっぽい楽しい超絶技巧曲で


      これがまた、ご機嫌なリズム感と

      一つ一つ立ったピアノの音が素晴らしい。


      いやん、私、このピアニスト好きかも。

      アンコールでショパンとか弾くセンスのない音楽家より

      プロコフィエフで客をノセて

      その後、ジャズに持っていって熱狂させるという

      クラシック枠に捕われないところが実に良い。

      (その意味では、ファジル・サイなんかも面白いし

       ある面では、ランランもこのカテゴリーに入るだろう)


      周囲の人が興奮して、みんな前にピアニストを見に出ていったので

      残念ながらこのご機嫌ピアニストがハンサムかどうかは

      私は全く姿を見ていないのでわかりません(爆)


      しかし、最大の驚きは後半にやってきた。


      シベリウスの交響曲2番。


      シベリウスの交響曲は

      全集で、コーリン・ディヴィスの唸り声付きの CD を持っているが

      2番って、どんな曲だったっけ?(こらこら)


      楽友協会のプログラムは

      あの薄さで今や3ユーロ30セント(チップ入れて3ユーロ50セント)という

      信じられない厚かましさの値段で

      更に、曲目解説は同じ人が書いているので

      同じ曲の曲目解説は全部使い回しという

      いやいや、悪口を書いては営業妨害になる・・・


      が一つだけ良いところがある。

      楽譜の例が記載されているのだ。


      会場に入って、楽譜の例を見て

      あはは、これか、と納得。

      シベリウスの交響曲の中でも最もポピュラーで

      よく演奏される曲だった。

      これなら知ってるぞ。


      大きな音を持つオーケストラで

      北欧系の澄んだ空気とか冷たさとかが全くなく

      厚塗りの油絵を見ているような音の感触。


      でも、その厚さが重厚さを醸し出して

      重い手触りが、何故かとても温かい。


      ここでタメるかなぁ、というところをアッサリ演奏して

      あっ、こんなところでそれやるか?というところで

      タメたり、アッチェルランドをかけたりするので

      聴いている方は翻弄されっぱなしだが


      それが奇を衒わずに新鮮に響いてくるのは

      天性の音楽のセンスというものだろう。


      変態マゼールという愛称が尊敬を持って語られるはずだ。

      (勝手に納得)


      オーケストラもノリにノッてるし

      金管がまたこれ、むちゃくちゃ音が強くて美しくて

      澄み切った金管が響き渡ると、もう、これ、天国。


      マゼールの音楽性に翻弄されて

      あっちに飛び、こっちに揺すられて

      むちゃくちゃ集中して聴いていて


      最終楽章で

      しつこく、しつこく、しつこく、しつこく

      同じテーマを短調で奏で、奏で、また奏で

      転調したと思ったら

      また元に戻って、またもや短調で繰り返し繰り返し繰り返し

      しつこく、しつこく、粘っこく繰り返して


      ああ、このしつこさの快感は

      ・・・・ ブルックナーだ、これ(違!)


      最後に金管がテーマのバリエーションを

      長調に転調して鮮やかに力強く演奏するところになったら


      あれ? 私、もしかして泣いてる?


      単純な人間だから、大音響に反応してしまうのかもしれないが

      あのシベリウスは


      すごかった・・・


      まぁ、途中で席を立って出ていった人がいたけれど

      シベリウスも好みの問題ですから

      ソッと出て行くなら何も言いません。


      でも、最後の最後で、最後の音が鳴り終わった後

      普通なら、すかさず拍手が出てブラボー・コールが飛ぶのだが


      今日は最後の音が鳴り終わった後

      一瞬、会場が静まり返ったからな・・・


      聴衆も全員が、あの、すごい緊張感と

      まるで宗教のような神がかった雰囲気に飲まれていたんだと思う。

      呆気に取られていた、という表現でも良いかもしれない(笑)


      確かに、何かわからないけれど

      今日の演奏は、何かが憑いていた。


      言葉は悪いけれど

      現実世界ではなくて

      ものすごく聖なるものから触れられている感触があった。


      アンコールの用意もあったみたいだが

      マゼールも終わった後は、かなりフラフラで

      よたよたとオーケストラ・メンバーの間を歩いていって

      アンコールはなし。こちらもお腹一杯だからそれで良し。


      指揮している最中は衰えなど全く見せなかったが

      巨匠マゼールも、来週で84歳になられるのである。


      でも、まだまだ元気で現役。

      明日も別プログラムで登場するのが楽しみな私に

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      コンサートの後、オフィスでもう一仕事するために帰ったら

      何と会社のカード・キーが開かず、会社に入れない。

      あっちに行き、こっちで入ろうとして

      その時、ちょうど出てきたコンピュータ関係のお兄ちゃんに

      社内には入れてもらったのだが

      エレベータ・ホールから会社に入るカード・キーも

      もちろん故障している(涙)

      幸いな事に、ガレージには入れたので車はピック・アップできたが

      建物管理部、しっかりしてよ・・・

      あのお兄ちゃんが出て来なかったら

      私はガレージにも入れませんでした・・・



      ウィーン交響楽団 + フィリップ・ヨルダン

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        Konzerthaus Großer Saal 2014年2月26日 19時〜21時30分


        Wiener Symphoniker

        指揮 Philippe Jordan

        バイオリン Viviane Hagner


        Maurice Ravel (1875-1937)


        Alborada del Gracioso (Fassung für Orchester) (1918)

        Valses nobles et sentimentales (Fassung für Orchester) (1911/12)

        Tzigane. Rapsodie de concert für Violine und Orchester (1924)

        Rapsodie espagnole (1895-1907)

        Pavane pour une infante défunte (Fassung für Orchester) (1899/1910)

        La Valse. Poème choréographique pour Orchestre (1919/20)


        ウィーン交響楽団と首席指揮者のフィリップ・ヨルダンのコンサートは

        今回は、オール・ラヴェル・プログラム。


        いや、かなり実験的でないかい、こういうプログラムの組み方。

        フィリップ・ヨルダンの半端でない意欲を見る気がする。


        最初は道化師の朝の歌。

        ピアノ版は知っているけれど

        オーケストラになると、うはは、強弱のレンジが全然違う。


        かなり解像度は良い。

        ピアニッシモとフォルティッシモを巧く使って

        嵌め絵のように音楽を紡いで行く。

        でも、ちょっと音楽のニュアンスには欠けるかも(好みです、好み)

        強弱が激しすぎて、それ以外のニュアンスが響いて来ないのだ。


        続いて、高雅で感傷的なワルツ。

        いや、これもピアノ曲は知ってるけど

        しかしまぁ、何と難しい曲なんだ・・・


        だって、最初で

        何か、ドッシリ・ドッシリと尻餅ついてるみたい。

        いや、そういう曲なんだけど

        ラヴェルの目指す軽やかさとは離れたところで

        どしん・どしん、という重い感じ(好みです、好み)


        前半最後のツィガーヌは

        バイオリニストのソロがかなり長く続く。

        いや、面白い、とっても面白い。

        超絶技巧である事はよくわかるけれど

        音色が、ニュートラルなくぐもった感じの灰色で

        ウィーン交響楽団の音色と比べて

        ほとんど輝かない、その分、非常に即物的で現代的な音がする。


        うはは、ツィガーヌって現代音楽だったのね(違!)

        アンコールも、たぶんバッハだと思うのだが

        やはり響きが独特で

        何を聴いても現代音楽に聴こえてくるのが面白い。


        後半のスペイン狂詩曲。

        これはもともとオーケストラ用の曲。

        オーケストラが出す響きが

        細やかで、色々な音が聴こえて来て、すごく良い感じ。


        亡き王女のためのパヴァーヌはテンポ遅すぎ(笑)

        そういう意図なのだろうが

        オーケストラが、遅いテンポについて行けずに

        縦の線がズレるところが何ヶ所か。


        でも、ホルンのソロは特筆もの。

        良くやった。


        最後にラ・ヴァルス。

        これ、何回か書いているのだが

        指揮者とオーケストラによっては

        どうやっても「交響詩ワルツの残骸」になってしまうのだが


        あらま、フィリップ・ヨルダン、そこらへんの処理は巧い。

        ちゃんとウィーンのワルツに聴こえてくるし

        しかも、途中に曇ったような弦の音を出させて


        昔々、ウィーンというところにワルツというものがありました


        テンポ処理が巧みだし

        音色の微妙な部分に

        ちょっと時代錯誤的な

        埃の匂いがするような

        懐かしいような感傷を巧く取り入れていて


        こりゃ、たいしたものだ。

        ウィーン交響楽団も巧いんだよね、こういうのは(笑)


        ラ・ヴァルスの後に急いでホールを出ようとしたら

        係の人が

        あら、アンコールあるわよ、ボレロが演奏されるはず

        ・・・と教えてくれたが


        残念ながら、私はこの後

        とあるレストランで、来週のグループの支払いをして

        その後、オフィスに帰って仕事。


        日中って、絶え間なくなる電話と

        絶え間なく話しかけてくる同僚たちに邪魔されて

        まとまった仕事が全然出来ないんだもん・・・(ぶちぶち)


        (月曜日はオペラ座でバレエの予定だったけれど

         もう仕事が溜まってどうしようもなかったので行きませんでした(涙))


        というワケで

        いつもの通り、仕事の合間に聴いたラヴェル。

        まとめて聴くと、確かに似たような音色が続くので

        ちょっと飽きて来るという欠点はあったが


        でも、デトックスになったわ、という私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        アップの時間は変えてあります。

        もちろん、ほとんど徹夜の状態。

        いつまで続くこの地獄の日々?(苦笑)

        仕事があるのは、とても有り難いと思いつつ耐える毎日。


        トーンキュンストラー + オロスコ・エストラーダ

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          Musikverein Gro�・er Saal 2014年2月23日 16時〜18時10分


          Tonk�・nstler-Orchester Nieder�・sterreich

          指揮 Andr�・s Orozco-Estrada

          ピアノ Bernd Glemser


          Zot�・n Kod�・ly (1882-1967)

           T�・nze aus Gal�・nta (1933)

          Sergej Rachmaninow (1873-1943)

           Konzert f�・r Klavier und Orchester Nr. 1 fis-moll op. 1 (1890-91/1917)

          Anton�・n Dvo�・ak (1841-1904)

           Symphonie Nr. 8 G-Dur op. 88 (1889)


          本日のトーンキュンストラーのテーマは

          故郷を離れる歌・・・というより

          各作曲家が故郷を後にする直前に作曲した曲。


          ゾルタン・コダーイのガランタ舞曲はよく演奏されるし

          有名な曲だが

          おおお、オロスコ・エストラーダが

          見事に泣き節を聴かせてくれる。


          何とも切なく、甘く、タメタメがあるけれど

          でも、それがイヤミになっていないところが

          この指揮者の人間性が出ていて素敵。


          セルゲイ・ラフマニノフのピアノ協奏曲と言えば

          通常、演奏されるのは2番か3番で

          私も1番なんて初めてナマで聴いたぞ。


          ピアニストのベルント・グレムザーはドイツ人で

          ブソーニ・コンクール、ルビンシュタイン・コンクール

          チャイコフスキー・コンクールなどに入賞して

          27歳の若さでザールブリュッケンの音楽大学に

          教授として招かれた天才らしい。


          この人のピアノ、ものすごく力強い。

          だいたい、ラフマニノフのオーケストレーションって

          どの曲も無駄に厚くて

          (だから、割にビッグ・バンド的に響いてしまう)

          場合によってはピアノが埋もれてしまうケースも多いのだが


          この人のピアノ、オーケストラの金管の咆哮に勝ってるし・・(驚愕)


          いつもの席はピアノの蓋が反対側に向いているので

          意外にピアノの音が響かないのだが

          今日は、この人、ピアノの蓋、全部取っ払ってるんじゃないか?


          演奏の後で舞台を覗いてみたが

          ちゃんと蓋はあった。いつもの方向に開いていた(笑)


          多少単純なビッグ・バンド的な曲ではあるけれど

          ラフマニノフの叙情性が豊かに現れていて

          とてもロマンティックで美しい。


          アンコールはリストかラフマニノフか

          何か、そこら辺の感じの曲で

          これも、全体のプログラムの調和にピッタリあって

          センスが良い。
          (註 Sergej Wassiljewitsch Rachmaninow
           Prélude für Klavier gis-Moll, op. 32/12)


          気分良く前半を堪能した後

          後半は、ドボルジャークがアメリカに行く前に作曲した

          チェコの対する愛情を籠めた交響曲8番。


          うはははは、これ、トーンキュンストラーが弾くとすごく良い。

          エストラーダは激しく、叩き付けるような表情で

          時々、荒くなるけれど

          そこがまた、ものすごく土着的というか

          洗練され過ぎない程度の泥臭さが漂っている。


          特に第3楽章のモルダウの流れを彷彿とさせるところなんか

          ちょっとしたタメを作って

          千曲川でもなく荒川でもなく(どういう連想?)

          ついでにドナウ川でもボルガ川でもない

          チェコを流れるモルダウの響きを作っていたのには感嘆。


          最終楽章の荒々しい力強さ。

          トランぺッター2人、良くやった!!!

          褒めて使わす。見事な出だしだったぞ。


          ちょっと荒々しすぎて

          金管を力一杯咆哮させて

          また、金管がそれに応えて、ガンガンすごい音で吹き捲くるので

          頑張っている弦が多少潰れてしまった部分もあったけれど


          緊張感と若々しさに満ちて

          楽しくて、スッキリ、サッパリ

          こんなに音楽でカタルシスを味わえるなんて

          難しい事を考え勝ち(というか、気取って考えたい)私には

          珍しいコンサート。


          これがトーンキュンストラーの持ち味なのだ。

          ともかく、聴いて楽しい。

          これ以外にコンサートに行く意味なんて

          本当はないはずだ。


          クラシックなんて聴いた事ないよ、という感じの

          観光客の父息子が入って来ていたけれど

          2人とも夢中になって聴いていたから

          あの息子、ここでクラシックに目覚めるんだろうなぁ。


          そういう演奏こそがオーケストラ音楽の醍醐味だ

          と確信する私に

          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          オロスコ・エストラーダのもとで

          ものすごく水準が上がって、良くなったトーンキュンストラーだが

          エストラーダがあと1期というのが

          なんか、むちゃくちゃ残念(以下省略)


          Mare Nostrum 室内歌劇場(カンマー・オーパー)

          0

            Kammeroper 2014年2月22日 19時30分〜21時


            MARE NOSTRUM

            Entdeckung, Befriedung und Koversion des Mittelmeerraumes

            durch einem Stamm aus Amazonien

            für 2 Sänger und 6 Instrumentalisten (1975)

            Text und Musik von Mauricio Kagel


            指揮 Gelsomino Rocco

            演出 Christoph Zauner

            舞台 Nikolaus Webern

            照明 Norbert Chmel


            ヨーロッパ人 Rupert Enticknap

            アマゾン人 Ben Connor


            フルート、ピッコロ、アルトフルート Sonja Korak

            オーボエ、コーラングレ Sebastian Frese

            ギター、リュート、マンドリン、ギター Samuel Toro-Perez

            ハープ Tina Zerdin

            チェロ Cäcilia Altenberger

            パーカッション Christian Wieser


            ウィーン劇場の傘下にあるカンマー・オーパー(室内歌劇場)での上演。

            ウィーン劇場の催物は、市内にポスターが大々的に貼ってあって

            現在は、2月17日にプレミエを迎えた

            ラモーのプラテーのポスターをあちこちで見かけるので

            何となく私も、プラテーに行くような気分だったのだが

            このラモーのオペラはチケットは買わなかったのだ(汗)

            (1回だけ行けるチャンスはあったのだが、ともかく忙しくて・・・(冷汗))


            午前中から仕事の関係で走り回っていて

            オフィスに来て、いかん、そろそろ出ないと・・・と

            焦ってカンマー・オーパーに向かったは良いわ

            頭の中ではラモーのオペラで

            バロック・オペラで長いぞ、と覚悟して行って


            18時45分からの解説のプレトークに行って

            「マウリシオ・カーゲルが意図したのは・・・」云々を聞いて

            あっ!と思った、という顛末。


            いや、でも良かった。

            ラモーより、カーゲルの方が私好みだし

            第一、上演時間90分、休憩なし、というのも有り難い。


            マウリシオ・カーゲルというのは

            ともかく変わった作曲家で

            政治的皮肉も多い。


            今回オーストリア初演となるこの作品は

            オペラ、というワケではなく

            演劇、というワケでもなく

            雑音とメロディがちょっと入るストーリーという感じ。


            アマゾン人がヨーロッパを征服して行く、という筋で

            使われている言語は10以上にもなるが

            アマゾン人が話すのは

            基本的にはドイツ語である。


            が、このドイツ語が曲者で

            カーゲルはドイツ語で目一杯遊んでいるので

            わざと間違った言葉遊びが多いのだ。


            ストーリーはスペイン・ポルトガルの

            キリスト教への皮肉に始まって

            フランスからイタリアに抜け

            ギリシャを通って、トルコに達し、アラビアまで行くのだが


            各所での皮肉がけっこうスゴイ。

            というか、そんな事言っちゃって良いのか?


            解説によれば、海のシーンでは

            ラヴェルの曲が使われているそうで

            そこまでは私の貧弱な知識では確認できなかったが


            トルコは、モーツァルトのトルコ行進曲が

            摩訶不思議なバリエーションを聴かせてくれるし

            最後のアラブは


            リヒャルト・シュトラウスの

            サロメのメロディのフラグメントが・・・(笑)


            舞台にはバリトンとカウンター・テノール。

            わざと間違っているドイツ語を話すのはバリトン(アマゾン人役)

            舞台の上には4人の奏者が居て

            オーケストラ・ピットには、ハープとパーカッションと指揮者。


            音楽も面白いけれど

            植民地化のプロセスとか

            アマゾン人の喋る間違いだらけのドイツ語の

            意味の二重性とか

            この作品、むちゃくちゃブラック風味。


            単純に笑えるか、と思うと

            笑っていても、ちょっとゾッとする部分が結構あって

            オペラでもなく、演劇でもなく

            いわゆるカバレーと呼ばれる寄席の様式を取り入れているけれど

            (かなりユーモア入っているので飽きないし面白い)

            ただ単純に面白いだけでは済まされないところがある。


            う〜ん、実際に観ると、実によく出来たプロダクションなのだが

            あのゾッとする面白さって、どうしても言語化できない。

            それに、二重性を持たせたドイツ語の言葉遊びも

            たぶん、ドイツ語を母国語とする人にしか

            あの面白さはわからないだろうと思う。

            (一部は私にだってわかりますけどね。

             でも、本当の意味の深いところは、きっと理解できない)


            ギリシャのところでホラ貝が出てきた時に思ったのだが

            例えば、日本の演劇で、チャルメラが登場するようなもので

            ラーメンの屋台とチャルメラを知らない外国人には

            背景がわからないので、その内包するところも理解できないだろう

            ・・・という感じかな。


            いや、でも、面白かったです(ホント)

            こういう未知の作品を、かなり凝った演出で

            優秀な音楽家を持ってきて上演してしまうカンマー・オーパー

            素晴らしい。


            来ているお客さまは

            現代オペラ(演劇?)なのに

            多くが年配の方々で

            かと言って、現代音楽フリークのような極端な客層ではなく

            普通のクラシックも聴くけれど

            でも現代音楽もちょっと興味あるぞ、という感じかな。

            客席が静かで、マナーは非常に良かった。


            あっ、忘れていたけれど

            この作品の題名 Mare Nostrum というのは

            我らの海、という意味で

            ローマ人が地中海をそう呼んでいたそうです。


            そんな知識も持たずに行っちゃった私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。





            ウィーン・フィル + フランツ・ヴェルザー=メスト

            0

              Musikverein Großer Saal 2014年2月21日 19時30分〜21時40分


              Wiener Philharmoniker

              指揮  Franz Welser-Möst


              Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

               Symphonie C-Dur, KV 200

              Johannes Maria Staud (*1974)

               On comparative meteorology

              Anton Bruckner (1824-1896)

               Symphonie Nr. 6, A-Dur, WAB 106


              ウィーン・フィルのこのプログラムは

              2月20日に楽友協会主催で演奏されていたが

              私は20日はウィーン交響楽団のブルックナーを優先。


              21日に同じプログラムで

              ウィーン・フィルの定期公演(ソワレ)があったので

              そちらに潜り込んだ。

              ラッキーな事に同じカテゴリーの席を入手。


              2月20日の楽友協会主催のコンサートのチケットは

              かなり以前から「売り切れ」と出ていたが


              モーツァルトはともかくとして

              ヨハネス・マリア・シュタウドに

              ブルックナーの6番って

              プログラムの内容としては

              結構、オタクっぽいのだが・・・(う〜ん・・・)


              もちろん、私のお目当ては

              ヨハネス・マリア・シュタウドである(きっぱり)


              この人の作る音響空間はワタクシ好みなのだ。

              まぁ、こういうのは好き嫌いというか

              趣味の問題なのだが。


              今回の作品も

              構成が凝っていて

              エレメントが動きまくって

              エレメントを繋ぐ部分の美しさも

              濁らない音響構築もチャーミング。


              シュタウドの CD も持ってるし

              Youtube でもいくつかアップはされているが

              現代音楽って

              指揮者やオーケストラを見ないで聴くと

              ちょっとギョッとするので

              (予想できないところで大音響になったりする)

              現代音楽を聴くなら

              絶対にナマの方が良い。


              それに現代音楽の音響構成って

              かなり複雑だし、場合によっては音響空間を前提にしているので

              (マーラーなんかが始めた方法です)

              CD などだと、音響の立体感が潰れてしまい

              平面的なただの雑音になってしまうのだ。


              ナマで立体的に聴いても雑音だろ、という意見もあるが(爆)


              20分ほどの作品だが

              音に動きがあって

              圧倒的な音響空間で

              聴き慣れていると思っている楽器から

              思いがけない音響が出るし

              それが重なっていくと、これがまた美しくて


              ああ、これを聴くのが楽しみだったのよ ♡


              後半のブルックナー、交響曲6番。


              現代曲を聴いてからブルックナーの6番を聴くと

              ブルックナーの6番の先鋭的な部分が見えてきて面白い。


              金太郎飴交響曲の中でも

              6番は、コミカルなモチーフで、ちょっと苦手だったのだが

              いや、こうやって聴いてみると

              昨日聴いた5番に聴こえる

              技巧的なベテランの技から踏み出して

              かなり実験的な事をやっているではないか。


              ヴェルザー・メストは細かい部分まで

              実に美しく音を紡ぎ出すので

              メインなメロディ・ラインよりも

              脇役になっている途中の

              普段なら聴き逃しそうな部分の美しさに息を飲む。


              7番で伝統的な美しさに回帰しているので

              その意味では、6番って、一番実験的な作品かも。


              モーツァルトはともかく(爆睡しました)

              ヨハネス・マリア・シュタウドと

              ブルックナーが、違和感なく調和して聴こえたというのは

              かなり面白い体験だった。


              仕事は山ほど溜まっているけれど

              もう、開き直りのヤケッパチで

              全部、ほったらかして楽友協会に来て良かったぞ。


              回答がない、とか困っているエージェントさん、

              ごめんなさい(お辞儀)


              週末も、色々とやる事が詰まっている私に

              どうぞ1クリックをお恵み下さい。



              あ、週末にやる事というのは

              80%くらいが仕事(サービス残業)ですが

              残り20%は、ちゃんとコンサート通いですので(笑)


              ウィーン交響楽団 + マレク・ヤノフスキ

              0

                Konzerthaus Großer Saal 2014年2月20日 19時30分〜20時50分


                Wiener Symphoniker

                指揮 Marek Janowski


                Anton Bruckner (1824-1896)

                 Symphonie Nr. 5 B-Dur, WAB 105 (1876)


                同じ日に国立オペラ座では

                バレエの「眠りの森の美女」

                しかも、オルガさまと

                ロンドンから拝借してきた

                超イケメンが踊っているというのに

                私は、ウィーン交響楽団主催のコンサートのチケットを買ってしまっていた。

                (まさかバレエでキャスト変更にひっかかるとは・・・)


                ウィーン交響楽団の主催なので

                チケットはコンツェルトハウスで買うよりも

                ウィーン交響楽団のサイトで購入する方が

                安いチケットがある。


                ・・・だが、ウィーン交響楽団のチケットって

                インターネットで取っても

                ウィーン交響楽団事務局まで取りに行かねばならないのが

                かなり面倒くさい。

                (しかも週末開いてないし、結構どの駅からも遠いし・・・)


                まぁ、それはともかくとして

                今回はポーランド出身のマレク・ヤノフスキの指揮。

                ヤノフスキは、ほとんどウィーンで振っていない(ような気がする)

                少なくとも、私は初めてだと思う。


                ウィーン交響楽団のプログラムは

                かなり詳しく楽曲解説が、楽譜と一緒に記載されていて面白い。

                (楽友協会のプログラムにも版権が切れたものについては

                 楽譜記載があるのだが、これは断片的で、かなりわかりにくい)


                ただ、私は・・・・・・・眠い(自爆)


                このところの睡眠時間は2時間〜4時間というのが続いて

                年老いた身体には、かなり応える(涙)

                一番後ろの席で

                音楽は意識の中では響いているのだが

                意識して聴いているのか

                半分寝ながら聴いているのか

                自分でもよくわからない状態(重症)


                ブルックナーの5番というのは

                こうやってコンツェルトハウスで聴くと

                いやいや、かなり面白いし

                しかも、結構、美しい。

                (半分寝ているからかもしれない)


                指揮者の動きはかなり激しい。

                第1楽章は、キレが良くて、音も鋭くて

                オーケストラも張り切っていて

                おお、なかなか良いではないか。


                と思ったら、第2楽章のテンポが遅い。

                いや、充分に歌う第2楽章は、それはそれで良い。

                しかも、ものすごく気持ち良く寝られる(こらっ!)


                ところがスケルツォになったら

                寝るどころか、私の目は点になった。


                何ですか、この速さは?!


                オーケストラ・プレイヤーは必死になって付いていく。

                まるで、一斉に短距離競走をしている印象。

                各奏者、力一杯走ってますっ!!!

                が、時々、荒々しくなってしまうし

                それは指揮者の意図かもしれないけれど


                あああああ、オーケストラ、かわいそうに・・・


                高速スケルツォを演奏した後の最終楽章は

                もう、オーケストラはヤケクソ(私の妄想です)


                これで最後だ

                このコンサートは1回しかないし

                ここで頑張らなくてどうする


                ・・・という感じの意気込みとヤケッパチで

                力任せに、ガンガン演奏していたのが印象的(笑)


                あれだけ、力任せの大音響の演奏をしても

                うるさ過ぎずに、美しい音響になる

                コンツェルトハウスの大ホールで良かった。


                ウィーン交響楽団の管の巧さはもともと定評があるし

                弦も、力一杯、シャカシャカと

                目にも止まらぬ速さでのボーイングを全員が見せてくれたし

                金管の輝かしい音が大ホールに響くと

                おお、やっぱりブルックナー、良いじゃん。


                宗教性とかのお題目ではなくて

                音楽的に(ちょっとテンポ設定が無理っぽかったけれど)

                すかっと爽やかブルックナー。


                こういうブルックナーも良いな。

                (コンサートの間に気持ち良く寝たから、だけではない(笑))

                大音響の交響曲を

                ある意味、楽友協会よりずっとデッドな音響の

                コンツェルトハウスで聴くと

                ちょうど程よい音量で

                しかもピアニッシモも聴こえてくるし

                音がスカッと抜けて気持ち良いのである。


                睡眠不足でオルガさまと超イケメンに行って

                寝落ちしてしまったらもったいなかったし

                その意味では

                多少寝落ちしても気持ち良かったコンサートで

                反ってお得だったかも


                と、典型的なルサンチマン症状の私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。


                 



                クラング・フォーラム + エミリオ・ポマリコ

                0

                  Konzerthaus Mozart Saal 2014年2月18日 19時30分〜21時30分


                  Klangforum Wien

                  指揮 Emilio Pomàrico

                  ソプラノ Eva Nievergelt


                  Jorge E. López (*1955)

                  II. Kammsersymphonie op. 23 “A vègsö Tavasz” (2009-11)


                  キューバ系アメリカ人作曲家、ジョルジュ・ロペスの

                  オーストリア初演の曲。


                  彼氏モドキのために火曜日を空けておいたら

                  火曜日はダメ、と週末に言われて

                  おっ、しめた、と買ったコンサート・チケット。


                  その動機は、実は指揮者にある。


                  エミリオ・ポマリコ、好きなんだも〜ん。

                  (いや、ヘンな意味ではなくて(汗))


                  何が魅力的かと言って

                  指揮者としては背が高くて

                  ボサボサの髪の毛で(私はラトルにも弱い(こらっ))

                  いや、見た目はどうでも良いけれど

                  この指揮者、現代音楽ばっかり振っているが

                  それが、


                  もう、僕、これが楽しくて楽しくてたまりませんっ!


                  という、言ってみればアンドリス・ネルソンスとか

                  ジャン=クリストフ・スピノジの現代音楽版。

                  (まぁ、歳はもう少し上だが)


                  見ていて、素直に、あの楽しさに巻き込まれて

                  どんな現代音楽でも

                  この人の動きにかかると

                  徹底的に情熱的で躍動感あふれる音楽に変身するのだ。


                  (現代音楽なのに、この熱さ・・・・♡)

                   クリックで大きくなります



                  現代音楽専門集団のクラング・フォールムも久し振り。

                  この集団もまた


                  僕ら、現代音楽大好きで、何でも演奏しちゃうよ


                  という熱意あふれる職人集団。


                  で、この組み合わせで

                  ワケのわからんアトナールの現代音楽を聴くと

                  (今回はトナール部分もかなりあったが、それは後述)

                  舞台の上を観ているだけで

                  何となく楽しくなってしまうのである(単純だから)


                  予々思っているのだが

                  現代音楽って、聴いているより演奏している人の方が

                  何か、絶対的に楽しそうだ(ただの誤解)


                  ロペスの新曲は、室内交響楽と名付けられているが

                  舞台に上がった奏者は

                  指揮者とソプラノ含めて13名。

                  フルート、サクソフォン、ホルン、コントラバスチューバ

                  バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス

                  ピアノと、パーカッショニスト2名

                  加えて指揮者とソプラノ。


                  低音からズッシリ響いてきた第一楽章は

                  ピアノの際立つクラスターのハーモニーが中心で

                  弦とピアノの絡みが面白い。


                  更に演奏が続いていくと

                  わっはっは、マーラーの交響曲1番(のパロディ?)が

                  突然、フラグメントで現れて


                  もちろん、こういうコンサートに来ている人たちは

                  ほとんどが

                  クラシック音楽なんて、もう一通り聴いちゃったわ

                  みたいな、クラシック・オタク上級者が多いわけで

                  当然、みんな、静かだけど、ちょっと、あ、という感じになる。


                  来ている人と言えば

                  クラシックは年配の客が多いけれど

                  こと、ここウィーンでは

                  現代音楽のファンも、年配の方が多い。


                  ただ大きな違いが一つある。


                  年配のクラシック・ファンがコンサートに行くと

                  ちょっと気に入らない現代曲が演奏されると

                  ゴホゴホ咳はするわ

                  バッグの中を演奏中にゴソゴソやって

                  シャカシャカ音がする飴を取り出したり

                  人の耳元で音を立てて演奏中にプログラムを捲ったりするのだが


                  現代音楽の聴衆は、見事に静かなのだ!!!!


                  その意味で、現代音楽のコンサートというのは

                  通常のコンサートで演奏されるのではなく

                  そのテの「オタク」が集まるコンサートであれば

                  観客マナーに対する不満は一切出ないので

                  ストレスが溜まらない。


                  あっと、いかん、曲の感想から離れてしまった。


                  マーラーのフラグメント後は

                  第1楽章では、ほとんど出番のなかった管と

                  ソプラノと、パーカッションが活躍するようになり

                  ピアノはあくまでも、飾り程度に少し入るようになって来る。


                  この音楽・・・というか雑音の集大成(失礼)

                  音に色があって、リズムも溢れていて

                  演奏構成にも工夫が凝らしてあって


                  演奏時間50分という(しかも後半の楽章はアタッカ)

                  かなり長い時間で、しかもほとんどがアトナールで

                  更には、ちょっと雑音っぽい部分も多かったのに


                  全然退屈しないぞ・・・♡


                  音に色があって、視覚的な妄想喚起力も強い。

                  しかも、具体的妄想喚起ではなく

                  あくまでも抽象的に、でも原色モリモリの妄想が

                  とめどもなく脳内に立ち現れて


                  (ただの睡眠不足かも(爆))


                  具体的に何が面白いとは書けないのだが。

                  (演奏者と指揮者を観ていると面白い)


                  ポマリコは、とことん情熱的な指揮で

                  曲が終わった後

                  普通だったら観客向いてお辞儀するのに

                  ずっとアンサンブルに向かったまま

                  あっちを立たせ、こっちに賞賛を送り


                  観客の方を一度も振り向きもせず

                  楽屋に消えていった(笑)


                  カーテン・コールの時も絶対に中心に立とうとはせず

                  あくまでもオーケストラとソプラノを讃え

                  ついでにスコアを片手で持って

                  これが良いのよ、これが!という感じで観客に見せる。


                  エミリオ・ポマリコ、楽しい指揮者だわ、ホント。


                  先週と同じく仕事が溜まっていて

                  もちろん、その後、オフィスで

                  真夜中過ぎまで仕事していたのだが

                  (アップ時間は意図的に変更してあります)


                  でも、この濃密な1時間、行って良かった。

                  現代音楽には、なんだこれ、こんなモン、なくても良いだろ

                  という物も多いのだが

                  今回の曲がそのジャンルに入るかどうかはともかくとして


                  現代音楽を、とことん楽しく聴かせてくれる

                  エミリオ・ポマリコとクラング・フォールムに

                  楽しい1時間を感謝する私に

                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。





                  眠りの森の美女 1回目

                  0

                    Wiener Staatsballett 2014年2月17日 19時〜22時15分


                    DORNRÖSCHEN

                    Ballett in einem Prolog und drei Akten

                    振付 Marius Petipa und Peer Wright

                    音楽 Peter Iljitsch Tschaikowski

                    演出 Peter Wright

                    舞台と衣装 Philip Prowse

                    指揮 Fayçal Karoui


                    フロレスタン王 Thomas Mayerhofer

                    女王 Alexandra Kontrus

                    オーロラ姫 Nina Poláková

                    フロリムント王子 Denys Cherevychko

                    セレモニーマスター Christoph Wenzl

                    カラボス Ketevan Papava

                    リラの妖精 Dagmar Kronberger

                    美の妖精 Alice Firenze

                    そのパートナー Dumitru Taran

                    誠実さの妖精 Joanna Avraam

                    そのパートナー András Lukács

                    謙遜の妖精 Reina Sawai

                    そのパートナーAlexis Forabosco

                    歌の妖精 Rui Tamai

                    そのパートナー Richard Szabó

                    快活さの妖精 Kiyoka Hashimoto

                    そのパートナー Greig Matthews

                    喜びの妖精 Prisca Zeisel

                    そのパートナー Alexandru Tcacenco

                    4人の王子たち Ryan Booth, Igor Milos, Gabor Oberegger, Andrey Teterin

                    オーロラ姫の友人 Vanesza Csonka, Nikisha Fogo, Gala Jovanovic

                    Oxana Kiyanenko, Suzan Opperman, Reina Sawai, Maria Tolstunova, Prisca Zeisel

                    公爵夫人 Alena Klochkova

                    ガリフォン Lukas GAudernak

                    パ・ド・カトル Ioanna Avraam, Alice Firenze, Davide Dato, Eno Peci

                    白い猫 Maria Alati

                    長靴を履いた猫 Alexis Forabosco

                    青い鳥 Mihail Sosnovschi

                    魅入られた王女Kiyoka Hashimoto

                    赤ずきん Céline Janou Weder

                    オオカミ Gabor Oberegger


                    ずいぶん長い間、上演されなかった「眠りの森の美女」

                    私の記憶にあるのは、2006年の6月に

                    現在ベルリンで活躍している中村祥子さんが

                    オーロラ姫を踊ったプロダクションである。


                    ・・・私の記憶だと、その後、上演があった覚えはない。


                    という事で、ワクワクと楽しみに初演に出かけるワタシ。

                    ちょっと贅沢して、良い席を購入。

                    こういう時こそ、バレエ・ボーナス・カード(年間25ユーロ)はペイする。


                    ところが・・・


                    もともと初演のカップリングは

                    オルガとウラジミールの予定だった。

                    (だからこそ、し〜っかり見える席を購入したのである)


                    当日、本当に直前になって、キャスト変更。

                    デニスがフロリムント王子で入る、という情報はもらったものの

                    オーロラ姫がニーナだなんて

                    いや、確かにセカンド・キャストはニーナだったのだが

                    で、別にニーナに悪感情は全然なくて

                    技術的にも素晴らしいダンサーだとは思うけれど

                    オーロラ姫にニーナ?! うううううう、合わない(涙)


                    酷い事を書いてしまうけれど

                    ニーナは素晴らしいダンサーである。

                    スタイルも良いし、確実な技術と表現力があって

                    モダンなんかで見ると、それはそれはステキなのだが


                    古典物だと、え〜っと、あの、その

                    特別に光り輝くような美人というワケでは(以下省略)


                    でもって、デニスに至っては

                    当初のセカンド・キャストにも入っていない

                    正に直前のジャンプ・インである。


                    ・・・大丈夫なのか、これ。


                    オーケストラ・ボックスを見れば

                    コンサート・マスターはホーネックおじさん。

                    チェロのトップはノイチお兄さまで

                    フルートには、例の天才フルーティストも座ってる。


                    が、オーケストラ、これ、練習してないな・・・

                    ズレは多いし、ズッコケも結構あるし

                    何だそれ?という部分もあるし


                    ホーネックさんのソロとノイチさんのソロは抜群だったし

                    (更にノイチさんのチェロにフルート絡まって来ると天国)

                    志野さんのピアノも際立って鮮明に響いたけれど


                    まぁ、初演の時のオーケストラなんて、こんなもんだ。

                    でも、オペラと違って、音を抑える事なく

                    元気一杯に、すごい音響で演奏していた気概は認めよう。


                    しかし、このバレエ、群舞が多くて

                    あまりソロの見せ所がなくて

                    ストーリーが冗長で、マイムが多くて

                    ただ歩いているダンサーがゾロゾロ出てきて

                    (それはそれで、豪華な衣装と相まって見事だけど)

                    最後の第3幕まで、ちょっと退屈かもしらん・・・(すみません)


                    その中で、ピカッと光り輝いていたのが

                    カラボス役のケテヴァン。

                    以前から言っているけれど

                    この強烈な個性でカラボス役を演じられると

                    ものすごくリアルで、コワイ(笑)


                    あぁ、ケテヴァンさま、

                    貴女はキャラクターの強い役を踊ると無敵ですっ!!!


                    対するリラの妖精のダグマーは

                    これがまた、ものすごく「お母さん」っぽい優しさで

                    数年前にアンナ・カレーニナを踊ったダンサーとは思えん。


                    フロリムント王子のデニスだが

                    王子役には、確かにちょっと寸足らずではある(ごめん)

                    やっぱり、王子役は

                    女性がポワントで立っても、それよりちょっと背が高い方が

                    舞台でしっかり絵になる。


                    (その意味では、白い王子役は、ウラジミールとローマンだよね。

                     若手ではローベルトもイケそうだが)


                    ただ、デニスのオーラが凄いのである。

                    もう、「ボク、王子さまだからね、誰にも何も言わせないよ」という

                    ジンジン伝わってくる 根拠のない 自信が

                    ここまで確信犯的に出てくると


                    失礼しました

                    貴方こそ王子さまでございます


                    と、観客としてはすんなり納得してしまうのである。


                    ある意味、デニスの野心に満ちたオーラは凄まじい。

                    テクニック的には抜群で

                    ジャンプ・インして堂々と踊るだけの度胸もある。


                    キリルとかエノは、王子さま役をはなから拒否してるし

                    ミハイルは見た目から王子さまになれないし

                    その意味では、次の世代の王子さまはデニスになるかも。


                    ところで、主要キャストが変更になったとは言え

                    この公演、国立バレエ団のソリストが

                    わさわさと脇役で出てくるのが凄い。


                    パ・ド・カトルでエノが登場しちゃうし

                    青い鳥はミハイルが

                    ものすごい技術を、如何にも朝飯前、と言う感じで見せてくれるし

                    橋本清香さんの、品の良い王女さまもチャーミング。


                    久し振りの上演だったから、という理由だろうが

                    何と、最後に舞台に登場したのは

                    ピーター・ライトその人(驚愕)

                    まだ生きてたのね・・・なんて言ってはいけない(すみません)


                    直前のキャスト変更をものともせず

                    しっかりしたノーミスの舞台に仕上げた

                    国立バレエ団の底力を見せつけられた感じ。


                    眠りの森の美女、今シーズンは

                    今回含めて7回しか上演しないし

                    私も他のコンサートやら仕事やらで(涙)

                    そんなには観に行けないので

                    気になるのは、オルガとウラジミールが踊るかどうか・・・


                    3月にはリュドミラとローベルトという

                    楽しみなカップリングがあるけれど

                    2月20日・23日ともにオルガとウラジミールが記載されているが

                    20日も23日も、私は行けないのだ。

                    (だからこそ、今日、オルガとウラジミールというので

                     かなり高いチケットを買ったのに・・・・(号泣))


                    バレエ・ダンサーは、故障といつも向き合うシビアな職業なので

                    キャスト変更は仕方ない。


                    王子さまオーラがムンムンするデニスを見られたのも

                    ケテヴァンの妖艶なカラボスを鑑賞できたのも

                    ミハイルの見事な青い鳥を観られたのも

                    ちょっとボロボロだったオーケストラを聴けたのも(笑)

                    かなり楽しい時間ではあった。


                    ・・・その後、オフィスに行って

                    真夜中2時まで仕事して

                    そろそろ明け方4時になるのに

                    ブログをアップしているアホな私に

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。

                    (アップの時間は故意に変更してあります)



                    さすがにもう寝ないと明日がツライぞ・・・


                    ウィーン交響楽団 + フィリップ・ヨルダン

                    0

                      午前中のコンサート記録から読みたい方は

                      こちら からまずどうぞ。


                      Konzerthaus Gro�・er Saal 2014年2月16日 19時30分〜21時30分


                      Wiener Symphoniker

                      ピアノ Elisabeth Leonskaja

                      指揮 Philippe Jordan


                      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)

                       Konzert f�・r Klavier und Orchester B-Dur K 456 (1784)

                      Dmitri Schostakowitsch (1906-1975)

                       Symphonie Nr. 15 A-Dur op. 141 (1971)


                      ウィーン交響楽団のチクルスの一環だが

                      モーツァルトだし、どうしよう、家でマッタリしていようかと

                      本気で考えたけれど

                      後半のショスタコーヴィッチの最後の交響曲に釣られて行った。


                      モーツァルトのピアノ協奏曲は番号で言えば18番。

                      聴いた事もないし、全然知らない。

                      盲目のピアニスト

                      マリア・テレジア・フォン・パラディスのために作曲されたもの。


                      小編成のオーケストラが

                      フィリップ・ヨルダンの指揮棒で

                      とてもチャーミングな優しい音を奏でて

                      そこに、レオンスカヤの美しいピアノが入るのだが


                      ううう、すみません、どう聴いても

                      よく出来た BGM にしか聴こえなくて

                      ともかく、いつもの通り

                      モーツァルト=反射的に爆睡(ごめんなさい)


                      でも、驚きはその後にやってきた。

                      アンコールが・・・

                      あれ、何だったんだろう?

                      ドビュッシーかラヴェル・・・

                      音の響きから言えば、ドビュッシーっぽいが

                      ともかく、煌めくピアニズムが際立って

                      オーケストラの響きに負けない色彩感で

                      打ちのめされた。
                      (後記 ドビュッシーの
                       Feux d'artifice (Douze Préludes, 2. Buch) (1913) )


                      あのアンコール聴けたという事だけで

                      モーツァルトを我慢した甲斐があった。

                      (モーツァルト・ファンの皆さま、ごめんなさい)


                      後半はショスタコーヴィッチの交響曲15番。


                      世の中で気味の悪い交響曲を一つ挙げろと言われたら

                      私は絶対にこれを指名するだろう。

                      私の中では、これは別名


                      ドグラ・マグラ交響曲


                      (いや、きっと、わかる人にはわかるはずだ・・・)


                      「楽しい交響曲を書きたい」とか友人に言いながら

                      第1楽章だって、ウィリアム・テルのメロディは

                      有機的に前後と結びつく訳ではなくて

                      何か全然関係なく、融和しないコラージュとして出てくるだけだし

                      空虚な5度が響き渡って


                      どこが楽しい交響曲なんだっ!

                      ・・・と、ついついツッコミ入れたくなるが


                      それに続く、第2楽章から最終楽章までの気味悪さは

                      ちょっと想像を絶するものがある。


                      ・・・まぁ、想像を絶するように演奏されればだが。


                      名人揃いのウィーン交響楽団は

                      こういう難曲を演奏させると、実は巧い。

                      職人魂を刺激されるらしい(たぶん)


                      チェロのソロも見事なら

                      口を開けて呆然と聴き惚れる以外にないコンマスのソロも

                      空虚なクラリネットのソロも

                      トロンボーンが揃って終末のメロディを奏でるところも

                      タイミングぴったりのパーカッションも


                      ああ、やっぱりショスタコーヴィッチって

                      コンツェルトハウスで聴くと、最高 ♡


                      こちらの心の準備が出来ていなかったからかもしれないし

                      ウィーンの聴衆が、飴の包み紙のシャカシャカ音や

                      ピアニッシモで弦がピチカートしている時に

                      遠慮なく咳する奴が相次いだりとか


                      楽友協会ほど椅子が軋まないのが救いだが

                      周囲の雑音に、めちゃくちゃ気を散らされた、というのもあるが


                      技術的な部分だけを追いかけていて

                      音楽的には素晴らしい音響を出しているのだが


                      ショスタコーヴィッチの持っている

                      あのゾッとするような空虚には、まだまだ遠い(ような気がする)

                      フィリップ・ヨルダン、まだ若いしな・・・(勝手に納得)


                      以前、マリイインスキーとゲルギエフで

                      ショスタコーヴィッチ交響曲全曲チクルスに行った時は

                      周囲が、みんな、それなりにショスタコーヴィッチ・ファンで

                      ピアニッシモの時なんて

                      みんな、身じろぎもしなかったのだが


                      何せ本日はウィーン交響楽団のチクルスで

                      しかも、半数以上はレオンスカヤのファンのようで

                      ショスタコーヴィッチの15番は

                      一部の聴衆には、かなり拷問だった様子で・・・(笑)


                      しかし、この交響曲のゴタマゼ感って

                      やっぱり素晴らしい。

                      この複雑怪奇で気味の悪い交響曲を

                      ほとんど完璧に演奏してくれたウィーン交響楽団と

                      ハンサムでニコッともしない

                      コワモテで長身なフィリップ・ヨルダンに感謝。


                      明日も同じコンサートがあって

                      ショスタコーヴィッチ狙いで行きたいような気もするのだが

                      明日は国立オペラ座で「眠りの森の美女」の初日!!!

                      ドキドキしながら楽しみにしている私に

                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。




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