Schloss Grafenegg Wolkenturm 2013年8月31日 19時15分〜21時30分
Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
トランペット Håkan Hardenberger
指揮 John Storgårds
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Leonore Ouvertüre Nr. 3 op. 72a (1805)
Brett Dean (*1961, Composer in Residence 2013)
Dramatis personae, Konzert für Trompete und Orchester (2012-13)
Johannes Brahms (1833-1897)
Symphonie Nr. 1 c-moll op. 68 (1876)
さてこの指揮者の名前を日本語で書くとどうなるか
探したのだが、ほとんど出て来なくて
ヨーン・ストルゴードあたりが妥当な読みだと勝手に推測。
スウェーデンのトランペット奏者ホーカン・ハーデンベルガーは
以前も聴いた事がある。
久し振りに気持ち良く晴れて
日中の気温も25℃くらいまで上がって
(それまでは何かとても寒かったのだ)
野外音楽堂ヴォルケン・トゥルムでのコンサート。
レオノーレ序曲の後
今年のコンポーザー・イン・レジデンス
オーストラリアの作曲家ブレット・ディーンの
トランペット協奏曲。
3楽章からなる曲で
プログラムの記載によれば
英雄(トランペット)と世間の掛け合いで
映画音楽とか
色々な要素を詰め込んだらしい。
パーカッションから始まる第一楽章。
あら、面白い。
ちゃんとモチーフがあって
提示部と展開部があって
ちょっと驚くくらい伝統的な作曲技法。
アトナールとは行っても
私にモチーフが聴こえるくらいだから
かなり聴きやすい。
ところが、第一楽章が終わったとたんに
隣から、でっかい声で
「くだらない!」という大声が・・・
しかも、それに同調する後ろの人が
「その通り、ひどいもんだ」みたいな声をかけてきて
気に喰わないんだったら
出てって良いから
静かにして・・・お願い(涙)
第二楽章は、演劇のモノローグを模したそうで
これが、もう、何と言うか
ピアニッシモのオーケストラに乗せて
哀愁のあるトランペットが
声を殺して泣いているような音楽で
泣き節になる直前で留まった諦観が
ズキズキと心の深いところに刺さってくるのに
私の左側とその上と、その下の列から
ずっと「ひどい音楽だ、何だこれは」という
ヒソヒソ声が何人も聞こえて来る。
あのね、別に現代音楽好きじゃなくてもかまわないです。
どんなに批判しても酷評しても
それは人の好みだから何も言いませんが
演奏中にくっちゃべるくらいなら
黙って出て行ってクダサイ!!!(超怒)
第三楽章は、最初は速いテンポで
ネズミが壁を登っていくような視覚的な刺激が続いた後
チャールス・アイヴスか
グスタフ・マーラーか、というトナールのポリフォニーが出てきて
突然、映画音楽っぽいシーンに突入。
そこで、またもやお喋りの声
これ良いじゃないか。ここまでが長過ぎる
・・・・って、そういう感想をいちいち大声で喋らんでも・・・(涙)
周囲のお喋りが神経に触ったけれど
(ああいう人はシェーンベルクも聴けない頭の固いタイプだ(独断))
ディーンの音楽って
この間の12人の怒れる男もそうだけど
人に語りかけてくる力が強い。
あそこまで「何だこれは、ヒドイもんだ」と
周囲で何人もが喋っていると
それを面白いと思って聴いている自分が
アホかスノッブに思われてきて気分が悪いが。
休憩の後は
現代音楽嫌いなクラシック・ファンには絶対にウケる
ブラームスの交響曲1番。
ふと舞台を見ると
ビオラの副首席が2番目の位置にいて
あっ、ビオラの副首席の位置に座っているのは
作曲家のブレット・ディーンではないか!!!
ブレット・ディーンは以前はベルリン・フィルのビオラ奏者だったのだが
何でまた、コンポーザー・イン・レジデンスがオーケストラの中に?!
いや、でも
僕、ブラームス弾きたいなぁ、と言ったら
ビオラ・セクションとしては断るワケにもいかんだろう(笑)
ストルゴードのテンポ、かなり遅め。
遅めは良いけれど
あまりに遅過ぎて、時々テンポがオーケストラ内でズレる。
ブレット・ディーンの曲が結構ぶっ飛んでいたので
ブラームスが平凡に聴こえてしまう・・・って事あるかなぁ?
まぁ、野外音楽堂で音が飛ばないし
ストルゴードのテンポ設定、私の好みじゃないので
何だか至極マトモ過ぎてつまらないというか(すみません)
いや、きっと良い演奏だったのだと思う。
ただ、私の脳が現代音楽っぽくなっていただけだろう。
8月も終わって
9月から音楽シーズン開始・・・とは言え
オーケストラが本格的にウィーンで活躍し出すのは10月から。
というワケで
グラフェネック通いもまだ続く私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
日本は暑さがぶり返したようだが
こちらは、もうすっかり秋。
あっという間に冬が来そうな予感(やれやれ)