室伏鴻 Ritournelle

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    Odeon 2013年7月30日 21時20分〜22時20分

    Ko Murobushi
    Ritournelle - .../ Danse <mille plateaux > Vol. 1

    室伏鴻は裸体の表現力がスゴイ!!!

    ・・・って、突然ですが(笑)

    日本よりは外国で知られている舞踏ダンサーの室伏鴻の公演。
    私は2008年のクイック・シルバーから見ているけれど
    昨年のクイック・シルバーの公演は
    チューリヒ・バレエに浮気してザルツブルクに行き
    帰りの列車が遅れて、間に合わなかったのだ。

    (で、その前の公演は、室伏自身はほとんど踊っていない。
     2010年には、亡くなった大野一雄の追悼公演を踊った。
     この追悼公演は凄まじかった)

    初演の作品なので、終演時間が書いていないけれど
    今回は振付もダンスも、室伏自身なので
    そんなに長い作品ではないだろう。

    昨日の夕方に曇って
    気温はそんなに高くはなかったのだが
    その前に続いた猛暑の熱気が籠ってしまって
    オデオンの中は暑い・・・

    出現した室伏は、背広を着ていて
    外に見える部分(顔・頭・手・足)は
    銀色に塗られている。

    最初の30分。背広着たままで
    ほとんど派手な動きがない。
    (数回、床に身体を叩きつけたけれど・・・)

    倒れて、ゆっくりと、ゆっくりと立ち上がるというシーンが
    かなり長く続いて

    すみません、すげ〜退屈なんですけど(爆)
    しかも暑いし
    (床で動いているダンサーの方がもっと暑いと思うが)

    何か、背広を着ると
    身体のカクカクしたところが目だって
    何だか日本の疲れたサラリーマンを引退した
    しょぼくれたジジイに見える(すみません)
    それともこれ、大野一雄に似せたのか?

    ほんの少しの肩の動きとか、手の動きとか
    ゆっくりゆっくり立ち上がる時の身体の柔らかさとかあるけれど
    やっぱり、くたびれた背広は良くないです(断言)

    いったん照明が落ちて、またスポット照明が点くと
    室伏は、大きな柱のところに
    裸体で立っている(註 パンツは履いてます)

    一部が銀に塗られているけれど
    一部は既に汗で落ちている。

    が、裸体になると、存在感が全く違う!!!

    切り取る空間が大きくて
    背広を着た疲れたジジイから突然の変身。

    背中の曲がり方が極端で
    床に這うと、どう見ても昆虫みたいで
    人間とは思えない。

    この人、本当に66歳?!

    確かに2008年に観たクイック・シルバーの時よりも
    加齢による筋肉の衰えが見えないワケではない。

    クイック・シルバーの時は
    筋肉 in 筋肉 という感じで
    不気味な肉体の動きに魅了されたけれど

    今回は筋肉とかの表現は、あまり前面には出て来ない。
    動きも、かなり遅い。

    四足で、花束を咥えて持ってきて
    花を口で噛んで、吐き出すというのは
    何の象徴かは、私にはさっぱりわからないけれど。

    前半の背広姿のジジイ・シーンが長かっただけに
    後半が際立つ、という側面がある。

    表現が抽象的過ぎて
    時々、あえいだり、泣いたりする時には
    その苦しさがジンジン伝わってくるが
    それ以外の表現は

    どうもよくわからん。

    が、わからなくて良いのである。
    現代芸術だから(笑)

    舞踏というジャンルは
    私が高校生だった時に大駱駝艦を発見してから
    一時、けっこうのめり込んだ時代があった。
    (ほら、青春時代って、他の人と違った事をするのが
     ジブン的にはカッコ良かったりするワケで
     中学時代はフーゴ・ヴォルフのメリケの歌曲集に嵌ったりとか
     まぁ、暗い青春ですわ、おほほ)

    室伏鴻は、ヨーロッパやアメリカでの活躍が中心なので
    暗黒舞踏の正統派、とは言えないかもしれないし
    今回の初演作品だって
    いわゆる舞踏の正統的なものを継いでいる、とは言い難いけれど

    でも、面白かった(後半は(笑))

    いつも夜の公演が多いので
    疲れきっている私に(だったら行くな、というツッコミは無視)
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。




    Mathilde Monnier / CCN Montpellier "Twin Paradox"

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      Volkstheater 2013年7月29日 21時〜22時30分

      Mathilde Monnier / CCN Montpellier
      Twin Paradox


      ・・・正式な記事は後で書くけど
      日中は38℃近くだし、夕方になって曇って気温が落ちたけれど
      劇場の中は、まだ空気が籠っていて暑いし

      ダンス的には、すごい事をやっているのだが

      かったるい・・・(すみません)

      このクソ暑い中を、2人が1組になって
      抱きついたまま、最初の30分、ずっと抱きついたままのダンスは
      見ていても暑苦しくて
      やってる方はもっと大変だと思うが。

      しかも、音楽じゃなくて、雑音ばっかり
      ヘンな雑音に鳥の鳴き声が混じったり
      囁き声が入ったり

      ああ疲れた。
      時間できたら、ちゃんと書きます(言い訳)

      どんなもんだかちょっと観たいという方は
      トレイラーをどうぞ。
      (ただし、かな〜り暑苦しいので覚悟してどうぞ)

      手抜き記事ですみません。

      Jérôme Bel & Theater Hora "Disabled Theater"

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        Akademietheater 2013年7月26日 21時10分〜23時


        Jérôme Bel & Theater Hora

        "Disabled Theater"


        コンセプト Jérôme Bel

        ドラマツルギー Marcel Bugiel

        アシスタント・通訳 Simone Truong

        パーフォーマー Remo Beuggert, Gianni Blumer, Damian Bright,

           Matthias Brücker, Matthias Grandjean, Julia Häusermann

           Sara Hess, Miranda Hossle, Peter Keller, Lorraine Meier

           Tiziana Pagliaro


        ジェローム・ベルは何年か前のケースマイクルとの公演が

        非常に面白かったし (ココ

        ダンサーを追ったモノローグも楽しかったので (ココ

        今回は、結構良い席を購入したのだが


        ウィーンは日中38℃近くまで上がって

        ともかく暑い(ぜいぜい)

        夜の公演をサボって、田舎の方に行って

        温泉・・・というよりは

        サウナの後の水風呂、というのに非常に惹かれたのだが


        プログラムを見ると


        ブリュッセル初演で大評判になり

        カッセルのドクメンタとベルリンの演劇フェスティバルで

        熱狂的に迎えられた作品


        ・・・・だが

        この Theater Hora というスイスの劇団は

        障害者たちの劇団である。


        サイトの写真やトレイラーを見たけれど

        どうもな、何となく、何ともう〜ん(すみません意味不明で)


        政治的に正しいとか、社会的にどうのこうの、というのはともかくとして

        私自身は、他人への寛容度が非常に低い人間である。


        そりゃ、自分より高い程度の人と付き合いなさい、とか

        子供の頃から教育ママに言われてきたら

        クラスの中に必ず当時いた

        ちょっと「知恵遅れ」の子には偏見を抱くし


        子供とだって付き合えないくらいだから

        障害者に対して、どういう反応をすれば良いかわからないし


        自分と違った人には

        それが障害者だろうが外国人だろうが

        同性愛者だろうが

        どうしても偏見を捨てきれないのが普通だろう。


        いや、全く偏見ありません、という人がいたら

        立派なものだ。尊敬する。


        だいたい、例の障害の有名なバリトン歌手だって

        声を聴いているだけなら良いけれど

        舞台で見ると、何ともちょっと目をそらしたい気分になる。


        ええ、どうせ偏見ですとも。

        でも、偏見があって普通じゃないの?(開き直り)


        そういう偏見に凝り固まった私のような偏狭な人間が

        障害者劇団を観て、何か面白いんだろうか、と

        疑いつつ行ったのだが


        いや、参りました。

        ジェローム・ベルって、スゴイ。


        スゴイと思ったのは

        障害に対して、ほら、同情しなさい、とか

        かわいそうでしょう?とか

        偏見を抱いちゃダメですよ、とか


        そういう押し付けがましい

        どこかの国の国営放送局的なところが全くない事。


        ともかく自然で、そういうものだ、という前提で


        障害者だって、普通の人間じゃん・・・という

        何か、ホッとする。


        右手に座ったアシスタントの女性が

        英語とドイツ語(すごいスイス訛り(笑))で


        ジェローム・ベルは、まず俳優の皆さんに

        一人一人出て来て、1分間、聴衆の前に立って下さい、と指示しました。


        11人が一人一人出て来て

        約1分(短い人も長い人もいる)

        じっと舞台に立つ。


        いや、これ、タイヘンかも。

        黙って立っているだけ、なんだけど

        (ほんの少し動く人もいれば、すぐに退場する人もいる)

        私だったら耐えられなくて、きっと、何かやっちゃいそう。


        ジェローム・ベルは、その後、俳優さんに

        一人一人出て来て、自分の名前と年齢、職業を言って下さい、と指示しました。


        それぞれが出てきて

        名前と年齢(20歳から42歳まで様々だけど総じて若い)を言ってから

        後ろの席に座って行く。


        ジェローム・ベルは、その後、俳優さんに

        一人一人出て来て、自分の持っている障害について話しなさい、と指示しました。


        これが面白いと言ったら失礼なんだけど

        記憶障害、学習障害

        多かったのはダウン症候群、トリソミーなどの染色体異常。


        ダウン症候群、21トリソミーの詳しい説明をしたダミアンは

        僕はあなたたちより1本染色体が多いんです、と笑いまで取って

        あぁ、一生懸命勉強したんだなぁ・・・と感心。


        長期記憶障害と言ったレモなんて

        ほとんど障害者には見えない。

        太ってはいるけれど

        よく見ると意外にハンサムだし

        周囲にもちゃんと気を使っているし。


        ペーターという男性は一人ちょっと年上で

        全く関係のない言葉を、ずらずら並べて(脈絡欠如)

        動いたり、指差したり、落ち着きがないのだけれど

        でも、この人、面白いのだ。

        邪気が全くなくて

        知能障害があっても、人を和ませようとしている。


        私は4歳児と同じ話し方しかできません、と言ったジャンヌは

        可愛い顔してチャーミングで

        他の人が何かやって自分が待っている時でも

        他の人のやっている事を、目をキラキラさせながら

        すごく楽しそうに観ていたのが印象的。


        何でも人より遅くしかできないんです、と言ったサラは

        知能的にはかなり高いようで

        他の人より浮いていて

        何故、私が、こんなオバカチャンたちと、という態度が

        かなりミエミエだった。


        あれも障害なのかなぁ、普通の人に見えるが。


        ジェローム・ベルは、俳優さんたちに音楽を選んでもらい

        ダンスをしてもらって

        その中から7人が選ばれました。

        ここで、その7人に踊ってもらいます。


        というので踊ったダンスが

        少なくとも一部は、目を剥く位、素晴らしかった。


        ハンサムで魅力的なレモの、椅子を使ったダンスは卓越していたし

        ダウン症候群で

        登場した時に「私はダウン症候群です、ごめんなさい」と言った

        小柄なユリアのダンスは

        そこらへんのダンサー顔負けのリズム感とバランスである。


        そりゃ、みんな、ダンサーの体型はしていない。

        ほとんどが太り過ぎのスゴイ体型なのだが

        でも、俳優として活躍しているから

        ちゃんと身体の訓練はされていて

        激しい動きもするし

        身体も柔らかいし、リズム感もバランス感覚も


        私よりずっと良いじゃん!!!!!!!


        ソロのダンスをしている間に

        後ろに座っている他の10人の反応も面白い。

        一緒に踊っている人もいるし(これが楽しい)


        7人が踊り終わった後

        アシスタントの女性が


        ジェローム・ベルは、俳優さんたちに

        今日の公演が気にいったかどうか

        一人一人言うように指示しました


        というところで


        僕は7人のダンサーに選ばれなかったのが悔しいです。

        僕はみんなより、ずっと上手に踊れますし

        観客を笑わす事もできます!!!


        ・・・と、ジッと下向いて

        突然、マイクに向かって、ケッ!!!と叫んで

        観客を笑いの渦に巻き込んだマティアスは

        確かに、他の人のソロの時、ずっと座席で踊ってた(笑)


        「僕は楽しい公演だと思いました。

         ただ、帰りの道で、僕の妹は

         「何だか動物園みたい」と言ってました」


        ・・・・絶句。

        そこまで言うか、普通。


        言わせないだろう、もし、これが教育番組とかだったら。


        一人一人が感想を言った後


        ジェローム・ベルはこの感想を聞いた後

        選ばなかった残り4人のダンスも

        披露する事を決断しました


        というワケで、残りの4人のソロもあるのだが

        何故選ばれなかったのか、理由ぜんぜんわからん。

        それなりに出来たダンスもあって

        この4人のソロも、鑑賞に耐えるものになっている。


        何だろ、この自然さ、というか、おおらかさ?!

        押し付けがましくもなく

        偉ぶるわけでも

        教育しようとか、同情するべきものだ、とか

        そういうのが一切なくて


        障害なんて一つの個性じゃん、みたいな

        同じ目線の立ち位置まで、観客を持って行ってくれる。


        7月29日・30日・31日にも公演がある。

        かなり長い演目し(夜の9時〜23時くらいまで)

        最初の方は、ちょっと辟易するかもしれないけれど


        11人の俳優さんたち

        それぞれに、実に個性的で魅力的。

        障害者に対する偏見なんて

        あっという間に吹っ飛んでしまう威力を備えたプロダクションである。


        実は自分だって

        幼稚園・小学校で、かなり問題児だったので

        (今だったら、病名が付けられるレベルだろうが

         当時は「落ち着きのない子」で済んじゃったし

         仲間はずれにされたのに全く気がつかずに

         一人遊びが好きだったらしい(笑))

        誰だって多かれ少なかれ障害=個性があるのかな、と

        何となく普通に納得してしまった私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        公演終わって夜の23時。まだ外気温は34℃。

        猛暑はまだ明日も続く予定。


        グラフェネック「夜の賛歌」ヘンゲルブロック

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          Schloss Grafenegg 2013年7月27日


          Prélude Reitschule 17時30分〜18時30分

          テノール Mauro Peter

          ピアノ Helmut Deutsch


          Franz Schubert (1797ß1828)

           Der Wanderer an den Mond D 870

           An die Laute D 905

           Der Einsame D 800

           Abendstern D 806

           Nacht und Träume D 827

           Auf der Bruck D 853

          Robert Schumann (1810-1856)

           Abends am Strand op. 45/3

           Die Lotosblume op. 25/7

           Der Einsiedler op. 83/3

           Nachtlied op. 96/1

          Johannes Brahms (1833-1897)

           Meerfahrt op. 96/4

           Nachtigal op. 97/1

           Geheimnis op. 71/3

           Sommerabend op. 85/1

           Mondenschein op. 85/2

           Ständchen op. 106/1


          Abendkonzert Wolkenturm 20時〜21時30分

          コーラス Balthasar-Neumann-Chor

          朗読 Johanna Wokalek

          指揮 Thomas Hengelbrock


          Joseph von Eichendorff (1788-1857) Mondnacht

          Johannes Brahms (1833-1897) Waldesnacht op. 62/3

          Joseph von Eichendorff  Die Nacht

          Johannes Brahms Nachtwache I op. 104/1

                                     Nachtwache II op. 104/2

          Eduard Mörike (1804-1875) An einem Wintermorgen

          Edvard Grieg (1843-1907) Pfingslied aus Peer Gynt

          Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1847) Morgengebet op. 48/5

          Eduard Mörike  Im Frühling

          Felix Mendelssohn Bartholdy Abschied vom Walde op. 59/3

                                                      Jagdlied op. 59/6

          Joseph von Eichendorff Klage

          Fanny Hensel (1805-1847) O Herbst

          Johannes Brahms Abendständchen op. 42/1

          Heinrich Heine (1797-1856) Ein Jüngling liebt ein Mädchen

          Johannes Brahms All meine Herzgedanken op. 62/5

          Clemens Brentano (1778-1842) Zu Bacharach am Rheine

          Robert Schumann (1810-1856) Meefey op. 69/5

          Henrich Heine Ein Weib

          Freidrich Silcher (1789-1860) Lore Ley

          Clara Schumann (1819-1896) Gondoliera

          Heirich Heinn Sturm

          Robert Schumann Ungewisses Licht op. 141/2

          Henrich Heine Sonnenuntergang

          Robert Schumann An die Sterne op. 141/1

          Mag Reger (1873-1916) Nachtlied op. 138/3

          Novalis (1772-1801) Aus "Hymne an die Nacht I "

          Josef Gabriel Rheinberger (1839-1901) Abendlied op. 69/3

          Johanna A.P. Schulz (1747-1800)-Adolf Seifert (1902-1945)

                  Der Mond ist aufgegangen


          プログラム書き出すだけで一仕事(ぜいぜい)


          ウイーンの日中の気温は34℃まで上がって

          夕方4時30分過ぎに冷房ガンガン効かせた車で向かった

          グラフェネックのプログラムのテーマは


          夜への賛歌


          早く夜になって

          気温が少し下がってくれないものか


          ・・・って、そういう意味での賛歌ではないが(汗)


          まずは冷房の効いた(それでも暑いけれど)ライトシューレで

          新進テノールのマウロ・ペーターのドイツ・リーダー。


          おわっ、何かでっかくて

          親しみやすそうな顔をしたテノール。



          写真は日本のサイト(ココ)から拝借。

          やっぱり日本人って、マジメな顔が好きなんだなぁ。

          他のサイトの写真は、もっとくだけた感じ(笑)


          ルツェルン出身との事だが

          ちょっとイタリア系入っていそう。


          シューベルティアーデで歌い

          ザルツブルク音楽祭にデビューしたテノール。

          ヘルムート・ドイチュの秘蔵っ子だな、これは。


          何というか、癖もアクもない人だなぁ・・・


          声の質はバリトンに近いが、高音は美しく出る。

          ファンにはどやされるかもしれないが

          ヨナス・カウフマンと非常に似たタイプ。


          ただ、ハイ・バリトンでも暗さがなくて

          かなり明るい感じの声。


          発音完璧で、ドイツ語はこれ以上なくクリアに聞こえてくるし

          音楽的にも、全く隙がない。


          息が長くて、フレーズの繋ぎ方が見事。

          シューベルトには

          ヘンな癖がなく

          正確無比で、アッサリした感じがとても合う。

          素晴らしい。


          今回は本プログラムが「夜」というテーマだったので

          暗い曲が多く選択されていたけれど

          あのリズム感とクリアなドイツ語で

          もう少し軽目の曲の方が

          キャラクター的にはハマったのではないか。


          続けて歌ったシューマンとブラームスは

          癖がないだけに

          巧く歌うなぁ、という印象はあっても

          それ以上の深い表現が見当たらない。


          ともかく、むちゃくちゃ巧い。

          声のコントロールも完璧で

          オペラちっくに顔の表情を動かしたり

          視覚的には、とても表現力があるように見えるけれど


          歌だけ聴いてみると

          まだ声に表情がない、というより


          あるんだけど

          それが、あまりに「清潔」過ぎるのだ。

          完璧すぎて遊びがなくて

          ドキドキしない。


          すみません、ハチャメチャな事を言ってるのはわかってます。


          いや、でも、またドイツ・リートを歌える若手が出てきたのは

          非常に喜ばしい事ではある。

          しかも、あのドイツ語のクリアさは

          ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの系列。

          明るいものを歌わせたら無敵かもしれない。

          (モーツァルトのアホ・テノールの役とか向いてそう・・・)


          本コンサートの「夜への賛歌」は

          トーマス・ヘンゲルブロックが作ったアカペラ・コーラス。

          ヘンゲルブロックって多才だなぁ。

          コーラスの指揮までやっちゃうのね。


          詩の朗読とアカペラ・コーラスが交互に行われる。

          夜の8時だが、まだまだ暑いし、カンカン照りで

          田舎でも30℃以上はある。


          文学的感受性は完全にゼロ、というよりマイナスな私は


          夜が翼を広げようが

          夜風がため息をつこうが


          なんだそれ?という人間だし

          夜がテーマでも、まだ全然夜じゃないし(爆)


          朗読はマイクをつけていたし

          さすがに女優さんで、ドイツ語はクリアで

          表現力が豊か。

          座っているけれど身振りも入る。


          しかし暑いな・・・

          休憩のないプログラムで

          途中で日没があって

          少しは涼しく?なったけれど。


          残響のない野外ホールでの

          アカペラのコーラスは大変だったと思う。

          しかも、あの暑さの中で

          男性は燕尾服、女性はロング・ドレス。

          (女性18名、男性16名だった)


          もう少し夜っぽくなってからだったら

          もっと効果的だっただろうなぁ。


          最後は25℃くらいまで下がっていたけれど

          ウィーンに帰ったら(夜の11時頃)まだ29℃あって

          ゲッソリしてしまった私に


          どうぞ1クリックをお恵み下さい。




          グラフェネックのサマー・コンサート・シリーズは

          やっと来週からオーケストラ・コンサートだ!!!

          ああ、オーケストラ聴きたいっ!!!(涙) 


          Mathilde Monnier & François Olislaeger Qu'est-ce qui nous arrive?!?

          0

            Odeon 2013年7月26日 21時20分〜22時20分


            Mathilde Monnier / CCN Montepellier &

            François Olislaeger


            Qu'est-ce qui nous arrive ?!?


            振付 Mathilde Monnier

            グラフィック François Olislaeger

            舞台デザイン Annie Tolleter

            テキスト The life of the Theater (Julian Beck)


            実は昨日のフォルクス・テアーターでの公演は

            サボったのである(あちゃー)


            朝からずっとしつこい偏頭痛に悩まされて

            アスピリンをガリガリやりながら吐き気と戦っていて

            これで2時間以上の公演を見たら倒れる、と判断。

            かなり良さそうな演目だったので残念だったけれど・・・(涙)


            今日も暑さに偏頭痛は付き物で

            またもや朝からアスピリンを大量摂取しながら仕事していたのだが

            今日の公演は1時間くらいだし、と出かけてみて


            くだらなさナンバー・ワン決定(断言)


            マティルデ・モニエは2010年のソアペラが面白かったので

            今回は何をやるかな?と出かけてみたのだが失敗した。


            23人のダンサー?たちが

            立ったり動いたりした後

            何人かが、自分とダンスの出会いみたいな話をする。


            後ろには巨大なスクリーンがあって

            そこに、マウスを使って書いているようなグラフィックが投影される。


            まぁ、14歳とか16歳とかでのダンスやバレエとの出会いが

            コミカルに語られるのだが(英語である)

            別に特別面白いというワケでもないし


            背景のグラフィックも

            巧いのか下手なのか、よくわからんのよ、これが。



            ただのシロウトの手慰みじゃん、とか思わんでもないが

            でも、そのヘタウマなところが良いのかもしれない。


            現代芸術キライじゃないけれど

            私のような感受性も芸術性にも欠けた人間には

            イマイチ判断できないというか

            訴えてくるものもないし、面白くもないし笑えない。


            最後はダンサーが固まって


            「何で劇場に行くんだ?!

             何のために劇場があるんだ?!

             我々は答えが必要である!!」


            とずっと喚くのだが


            後ろの壁にカンニング・ペーパー、投影されてます(苦笑)

            それを読んでるだけなのね、ふん。


            何のために劇場に行くんだ、なんて

            やってる人たちから聞かれたくないわよ。


            君らのギャラのために行ってあげてるんでしょうに!!!

            (おおおお、出た、上から目線(笑))


            一部のダンサーは結構踊れていたけれど

            グラフィックもダンスもテキストも

            何とも中途半端に「ヘタウマ」で

            今ひとつ、ハートにグッサリ来ない。


            というワケで

            ハズレの公演だったが

            まぁ、そういう事もあるのが

            イム・プルス・タンツというものだ。


            ところで今日もむちゃくちゃ暑く

            オデオンの中も、たぶん30℃越えていて

            みんなの椅子の上に

            カジノ・オーストリア提供の扇子が置いてあったのが

            唯一、行って良かったという点だった(笑)


            扇子は使わせてもらった私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            ウィーンの猛暑はこれから続くらしく

            日曜日だか月曜日だかの最高予想気温は37℃って・・・(汗)

            暑さが苦手でヨーロッパに来たはずなのに

            何か話が違う!!!


            Meg Stuart "BUILT TO LAST"

            0

              Volkstheater 2013年7月23日 21時20分〜23時20分


              Meg Stuart /Damaged Goods

              Münchner Kammerspiele


              BUILT TO LAST


              振付 Meg Stuart

              パーフォーマンス Dragana Bulut, Davis Freeman, Anja Müller

              Maria F. Scaroni, Kristof Van Boven

              ドラマツルギー Bart Van den Eynde, Jeroen Versteele

              音楽ドラマツルギー Alain Franco

              サウンド・デザイン Kassian Troyer

              舞台 Doris Dziersk

              衣装 Nadine Grellinger

              照明 Jürgen Tulzer, Frank Laubenheimer

              ビデオ Richard König


              ベルギーのダンス・カンパニー Damaged Goods と

              ミュンヒェン室内劇団の共同作品。

              詳しい情報は ここ

              (写真は↑の公式ページから拝借)


              プログラム見て、え?2時間もやるの?!とビックリ。

              つまらなかったら途中で出て来よう(こらこら)


              だってトレイラー貼っておくけど

              これ見てから、この作品を観る気になる人は

              あまりいないと思う。

              (よって、あんまりお勧めしません。念の為)




              ところが、何故か意外に面白かったのである。

              途中の蓑被ったり、昆虫網持ったりして

              何故か3人が調子っぱずれで歌うシーンあたりで

              客席から大笑いが起こって

              (↓ この写真のシーンです)




              ダンサーはむちゃシリアスにやっているのだけれど

              その後、何だかどのシーンも笑えてしまって

              (客席で一人、大笑いしていた男性の声がとても聞こえたし(笑))

              シリアスなのに、むちゃコミカル


              というのは、観客が勝手に妄想していたので

              たぶん、ダンサーも振付師も


              何だ今日の客は・・・

              こんな筈じゃなかった・・・


              とか思っていたかもしれない。


              定番の現代音楽も多用しているし

              音楽なしのダンスだけのシーンもあるけれど


              ベートーベンの交響曲3番の埋葬行進曲から始まって

              ドボルジャークの「新世界から」の後

              リゲティのアトモスフェアを使い

              (上の衛星がクルクル廻るのは、何か当たり前過ぎたけれど)

              シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」


              更には、ブルックナーの交響曲8番まで出してきて

              これが、ふくよかな女性ダンサーが

              白い小屋の上に、ヘンな帽子を被って立って

              その小屋を他のダンサーが惑星の間を縫って動かして行くという


              派手な動きはないのだけれど

              これが、またむちゃ、壮大な音楽に合っていて楽しい。


              ダンスというよりは(もちろん激しいダンスもある)

              手とか足とかの、ほんの少しの動きで

              コミカルなシーンを作ってしまう。


              それに、この5人のダンサーたち

              表情がとても豊かで

              すごく面白いんだもん。


              こういう顔をするのである(笑)



              途中で出ていった人も何人かいたけれど

              (だって終わったの、夜の11時半だよ?

               終電なくなるかと思った(汗))

              意外に最後まで面白く観られたのには

              自分でも驚いた。


              トレイラーだけで偏見を持ってはいけない、と

              つくづく思った私に

              どうぞ1クリックをよろしくお恵み下さい。



              Akram Khan Company "iTMOi"

              0

                Museumsquartier Halle E 2013年7月22日 21時15分〜22時20分


                Akram Khan Company


                iTMOi - in the mind of Igor


                演出・振付 Akram Khan

                作曲 Nitin Sawhney, Jocelyn Pook, Ben Frost

                ダンサー Kristina Allyne, Sadé Alleyne, Ching-Ying Chien, Sung Hoon Kim

                Denis Kooné Kuhnert, Hannes Langolf, Yen-Ching Lin, TJ Lowe

                Christine Joy Ritter, Catherine Schaub Abkarian, Andrej Petrovič

                衣装 Kimie Nakano

                照明デザイン Fabiana Piccioli

                舞台 Matt Deely

                ドラマツルギー Ruth Little


                アクラム・ハーン・カンパニーの作品、iTOMi の副題は


                イゴールの頭の中


                ???って何だよ?とプログラムを読んでみれば

                イゴール・ストラヴィンスキーのマインド・マッピング。


                ストラヴィンスキーが春の祭典を作曲するに至った経過を

                ダンスとして、アクラム・ハーンが辿ってみる、という内容。


                ただ、ストラヴィンスキーの「春の祭典」そのものの音楽は使っていない。

                春の祭典からインスピレーションされた

                現代音楽(時々トナール)を使用して

                最後の最後に、春の祭典の出だしの部分が

                ほんの少し聴こえてくる程度。


                見終わってみれば


                あ、これ、

                私のイメージする「春の祭典」と

                全然違う!!!


                ・・・と、ちょっと辟易してしまったのだが

                印象が落ち着いてくるにつれ


                でも、それもアリかも。

                いや、あるよ、絶対・・・

                うんうん、あるある


                と納得できてしまう説得力のある作品。


                最初のダンサーが

                アブラハム、アブラハム、と喚いたところから

                予感はあったのである。

                (註 言うまでもないが、アブラハムとイサクの話である)


                白いドレスを着たダンサーが

                伝統か何かの象徴かもしれないし

                これが、小さな女の子を虐めて

                周囲が、その女の子を虐め出して


                社会構造による、イジメの発生か? と

                勝手に納得していたら


                犠牲者は別にちゃんと居た(吃驚)


                白いドレスのスカートから出てきた男性が

                周囲からムチで打たれて・・・って


                これ、モロにイエス・キリストですね?!


                途中で、キリエ・イレイソンまで歌われるし

                最初から最後まで

                キリスト教という観点からの解釈。


                もちろん踊られるダンスの素晴らしさは比類がないけれど

                ストラヴィンスキーの「春の祭典」を

                原始的な人間の宗教感情による

                荒々しい衝動と

                更に、犠牲になる乙女のエロス的なものとして把握していたら


                アクラム・カーンが舞台に持ってきたのは

                どろどろした根源的なものではあっても

                キリスト教道徳に基づく

                イゴール(ストラヴィンスキー)の頭の中(の解釈)


                イメージ全然違うんですけど。


                ただ、後で考えてみると

                ストラヴィンスキーはロシア人だし

                という事は子供の頃から

                ギリシャ正教のキリスト教道徳と文化に浸かっていた

                ・・・かもしれない。


                ストラヴィンスキーは1882年から1971年だから

                ロシア革命(1917年)を経験しているけれど

                生まれて青年時代を過ごした頃は

                ギリシャ正教の影響を受けなかった筈はない。


                ああ、そうすると、この解釈、ありかも・・・と

                すんなり納得。


                伝統からの脱皮という主題もあるし

                ダンスという点から見ると

                むちゃくちゃスゴイのだが


                それよりも何よりも、私には

                ああ、こういう「春の祭典」の解釈をする人もいるのだ

                という感慨の方が大きかった。


                ヘンな発見があるのも

                現代芸術の面白いところ、と思う私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                ウィーンの週末は34℃〜38℃くらいが予想されている。

                あああ、まだ夏だわ・・・嬉しいような辛いような・・・


                Ivo Dimchev & Franz West "X-ON"

                0

                  Volkstheater 2013年7月21日 21時15分〜22時30分


                  Ivo Dimchev & Franz West


                  X-ON


                  アイデア・テキスト・振付 Ivo Dimchev

                  音楽 Philipp Quehenberger, Ivo Dimchiev

                  芸術アドバイス Franz West

                  パーフォーマー Yen Yi-Tzu, Veronika Zott, Christivan Bakalov, Ivo Dimchev

                  照明デザイン Giacomo Gorini


                  しまった!!!


                  これ、観た事がある・・・


                  とプログラムを開けてみれば

                  2011年に鑑賞している同じプログラムである。


                  オーストリアの芸術家フランツ・ヴェストは

                  生前は、オーストリアで最も稼いだ芸術家だったようだが

                  2012年に亡くなっている。


                  以前の記事にはフランツ・ヴェストの作品の写真を貼った。

                  今、読み返してみても、何かよくわからんが


                  今回も、何だかよくわからん(笑)


                  パーフォーマーも同じで

                  みんなパンツ一丁のハダカになって

                  悲鳴を上げたり

                  奇声で叫んだり

                  血をまき散らしたりしながら動く。


                  今日は途中でディムチェフのマイクの調子がおかしくなって

                  技術担当者が舞台に出て来て

                  新しいマイクに代えたのだが

                  その際に、頭につけるビーズの装飾が巧く着けられず


                  ビーズなしで続けたものの

                  何と、その後、そのマイクもヘンになってしまって


                  仕方なしにディムチェフだけマイクなしで続けたのだが

                  大声で自分が中心になるべきシーンで

                  他のパーフォーマーのマイクの声に埋もれてしまったのは

                  まぁ、ちょっとかわいそう。


                  白い椅子が出てくるシーンでは

                  アジア人女性が

                  ずっと日本語(しかも京都弁だ!)で

                  この椅子、スゴイんですよ〜と喋っていて


                  ありゃ、あれ日本人だったか?


                  とギョッとしたのだが

                  プログラム見たら中国姓になっているから

                  日本人じゃないみたい。

                  (と言う事は、あのセリフはテープか?

                   でなければ、日本語が母国語なんだろうか?)


                  その椅子の宣伝にずっと気を取られていたので

                  ディムチェフが血だらけになるところを見逃してしまったけれど

                  まぁ、別にだからどうというワケでも(何となく気になるが)


                  2011年にもやったのだが

                  フランツ・ヴェストの彫刻作品を客席に持って行って

                  客に「これで遊んで下さい」とやるところだが


                  今年の観客は凄かった。


                  1列目の男性が

                  サッと立ち上がって

                  彫刻作品を手にするや

                  見事な動きで、ダンサーに迫って

                  ダンサーがタジタジとする程

                  距離と動きを保って

                  ダンサーも自分の動きの中に計算して入れてしまって


                  ああ、この人、モロにプロじゃん!!!


                  ハダカでクネクネしているディムチェフも悪くないけれど

                  あの1列目の男性に踊らせた方が良かったんじゃないか・・・


                  ディムチェフも驚いていたようだから

                  (かなり引いてたし圧倒されていた)

                  サクラとかではなさそうだが


                  舞台で踊っているより才能のある人が

                  客席に居るというのも

                  こういうコンテンポラリー・ダンスではありそうだ(笑)


                  でもこの作品、再演された、という事は

                  当時の評価が高かったんだろうか?


                  それとも、故フランツ・ヴェストの・・・・っとっと

                  これ以上、言うのは止めておこう(汗)


                  まさかこの作品を2回観る羽目になろうとは

                  思ってもみなかった私に

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                  スゥイング・ダンス・オーケストラ グレン・ミラー

                  0

                    Schloss Grafenegg Wolkenturm 2013年7月20日 20時〜22時30分


                    Swing Dance Orchestra

                    歌手 Viola Manigk, Kristofer Benn

                    ボーカル・カルテット The Skylarks

                    指揮・司会 Andrej Hermlin


                    In the Mood - A tribune to Glenn Miller


                    気持ち良く晴れた土曜日。

                    気温は30℃近いけれど、湿気がないので爽やか。

                    久し振りに美容院に行ってカットしてもらって

                    市内で買い物して、スーパーで買い物していたら

                    モロに時間切れ。


                    プレリュードや楽曲解説に行くのを止めて

                    洗濯とかして(ああ、何て所帯じみてるの・・・)

                    夕方6時過ぎに気持ち良くドライブしてグラフェネックへ。


                    チケットの会員販売初日に

                    プログラムも見ずに、全部買ってしまったので

                    まさか、グレン・ミラーのプログラムとは・・・・


                    しかもチケット売り切れ。

                    売り切れというのは、芝生チケットまですべてナシという状況である。

                    (芝生チケットの人が大量に折りたたみ椅子を持って並んでいた)


                    たぶん私のように、全部チケット買っちゃいましたという

                    もともとの年配クラシック・ファンの群れに加えて

                    カジュアルな服装で、何となく楽しそうだから来ちゃったわ、という

                    地元の人? ウィーンにいる観光客? の層が加わって


                    でも、やっぱりひたすら年配の人が多いのは何故だろう?(笑)


                    舞台の上の台には、でっかく G M と書いてあって

                    グレン・ミラーの略か。


                    スゥイング・ダンス・オーケストラは

                    アンドレイ・ヘルムリンが2001年に結成した16人のスゥイング・バンド。

                    ヘルムリンは旧東ドイツ時代のベルリン生まれ。


                    現れたオーケストラ・メンバーは、黒い燕尾服に蝶ネクタイで

                    髪型とかも、ああ、1930年〜40年代のアメリカ・・・という感じ。

                    (こちらの思い込みかもしれないが)

                    イメージとしては

                    古いアメリカ映画のダンス場面に登場するバンドみたい。


                    最初に「ムーンライト・セレナーデ」を演奏してから

                    ヘルムリンがマイクの前に立って喋る。


                    グレン・ミラーと言えば

                    私のような、その分野に興味なくて、ほとんど聴かない人間でも

                    名前といくつかのメロディは知っているのだが


                    自分で作曲したのは、このムーンライト・セレナーデだけで

                    あとは全部編曲なんだそうだ。ほうほう、ふ〜ん。


                    トロンボーン3人、トランペット4人、その横にエレキ・ギター1人

                    ドラム1人の前にコントラバス1人

                    サクソフォンの5名は全員クラリネット持ち替えで

                    そのうち1人は時々前に出てきて歌ったり口笛吹いたりの大活躍。

                    それに、指揮とピアノ担当のヘルムリン。


                    トランぺッターたちを見ていると面白い。

                    赤と白の帽子を片手で持って動かしながら演奏したり

                    全員であっち向いたり、こっち向いたり(笑)


                    途中でヘルムリンが

                    「本日は2000人を超えるご来場、ありがとうございます。

                     その中で、特別に3人に感謝したいと思います。

                     僕の息子ナントカとナントカ、そして愛する妻のナントカに」


                    ・・・こういう奴、キライ(断言)


                    日本人としては公私混同も甚だしい上に

                    カネを払って(君らのギャラだよ?!)来ている客よりも

                    自分の家族を優先して挨拶するという発想、信じられない。


                    このスピーチ聞いた時に

                    本気で席蹴って帰ろうかと思ったのだが

                    プログラム読んでみたら


                    奥さんがケニヤ出身で

                    ケニヤの政治にも口挟んで、ナイロビで逮捕されたり

                    奥さんの出身の村に電気ひいたりしているらしく


                    もともと、東ドイツでも政治活動していて

                    目をつけられていたらしい。


                    音楽と関係ない事がこんなに書かれているプログラムも珍しい(笑)

                    ただ、舞台上では、さすがにその手の言及はされず

                    (いや、それやったら、本当に私は出ていったと思う)

                    グレン・ミラーの生涯と絡めて

                    有名な曲から、比較的知られていない曲まで


                    楽しく聴かせてもらいました。


                    ・・・・って、それ以外に何を言えば良いのだ?!


                    楽しいけれど

                    でも基本的にあれは、ダンスしながら聴くイージー・リスニングだよね。

                    ジッと座って聴いているよりも

                    ちょっと、そこらへんでダンスしたい

                    いや、芝生チケット売り切れの2000人だから

                    ダンスする場もなさそうだが


                    でもブラス・バンドだし

                    ボーカルはマイクだし

                    会場外の庭でも充分聴こえたし


                    帰りがすごく混みそうだったので

                    アンコール前にさっさと出てきて

                    駐車場に行ったは良いが

                    どこに停めたかわからなくなり

                    (だって、いつもは早めに行くのだが

                     今日はコンサート時間に合わせたので

                     係員の指示に従って停めたので、いつものところじゃなかった)

                    広大な駐車場をウロウロしている時に

                    しっかり最後のアンコールが聴こえてきたもん。


                    真っ暗な駐車場で、毛布入ったスポーツバッグ抱えて

                    一人でダンスしてないですから(笑) すれば良かった。


                    楽しかったというのか

                    でもイージー・リスニングに

                    往復140キロを飛ばしたのはちょっとなぁ、と

                    複雑な気分の私に

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                    いや、ああいうコンサートするなら

                    思い切ってダンス・パーティにしちゃったら良かったのに(笑)



                    Liquid Loft / Chris Haring & Staatstheater Kassel

                    0

                      Volkstheater 2013年7月19日 21時15分〜22時20分


                      Liquid Loft / Chris Haring & Staatstheater Kassel


                      LEGO LOVE


                      パーフォーマー

                      Laja Field, Annamari Keskinen, Lauren Rad Mace

                      Breanna O'Mara, Maasa Sakano, Laura Ramos Santana

                      Léa Tirabasso, Rémi Benard, Michał Czyż

                      Réne Alejandro Huari Mateus, Viktor I. Usov

                      Alekszandr Alekszandrovics Szivkov, Martin Dvorák

                      イントロダクション Stephanie Cumming

                      振付・コンセプト Chris Haring

                      サウンドデザイン・作曲 Andreas Berger

                      舞台 Steph Burger

                      衣装 Stefanie Krimmel

                      照明デザイン Oskar Bosman, Chris Haring


                      オーストリアの振付師、クリス・ハーリングのグループ

                      リクイッド・ロフトのパーフォーマンスは

                      過去にも何回か行っているが


                      よくわからん


                      ・・・が、国産製品を最も愛する私としては

                      オーストリアの振付師の作品を見逃す訳にはいかない。

                      (今回はお隣の国のグループも入っているけれど

                       え〜い、同じ文化圏じゃ!)


                      フォルクス・テアーターに入ったら

                      平土間左はこちら、という標識があって

                      舞台の一番近くから入ったら


                      平土間の席の上(!)に

                      傾斜がもっと急な座席をもう一つ被せてあって

                      私が買った最後の列は、バルコンと同じ高さになっている。


                      下を見ると、劇場の座席が見えて、ちょっとコワイ。

                      が、その分、舞台はしっかり見えるようになっている。


                      隣のミュージアム・クォーターから持って来たんだろうか?

                      舞台を見るという意味では、良いアイデアだ。


                      約1時間のパーフォーマンスの最初は

                      女性一人が出てきて

                      英語で、ケーゼクライナーの説明をして

                      それが、オーガスムを引き起こす程、美味しい、という話をして

                      舞台の上で悶絶する。


                      ケーゼクライナーというのは、ソーセージの一種で

                      中にチーズが入っていて

                      焼いて食べると、中のチーズがドロンと出てきて

                      カロリーは高いが、むちゃ美味しい。


                      で、確かにあれを食べると

                      オーガスムに達するくらい、快感ではあるのだけれど


                      何か意味がよくわからんです(笑)


                      その後、舞台に出て来た13人のパーフォーマーが

                      くっついたり、離れたり


                      ・・・それだけ(自爆)


                      よく見れば、とんでもないバランスのポーズが多いし

                      細かい動きもあちこちにあって

                      立ち姿から、ゆっくりと動く時の身体の線はスゴイし

                      とんでもないリフトをさりげなく舞台の奥でやってるし


                      ダンスという点から見れば

                      ほとんどサーカス、みたいな域まで達してはいるのだが


                      よくわからん(爆)


                      現代芸術の解読には

                      受け手の側の


                      妄想力


                      というのが絶対に必要なのだが

                      何せ金曜日ですし、疲れてますし

                      睡眠不足もたたって

                      妄想どころか

                      (妄想力のない私にとって)意味のない動きを

                      延々と続けられると


                      意識が時々飛ぶ(自爆)


                      きっと高尚な哲学的背景とかがあるのだろうが・・・


                      動きは確かに(時々は)面白いし

                      とんでもなく難しい技術を駆使しているし

                      だんだん脱いでくし(いや、別にそれは良いんだけど)

                      最後は女性も男性もパンツ一丁になって絡み合う。


                      そう言えば、ハーリングのパーフォーマンスって

                      ギリギリのところで、もちろん、あからさまにセッ○スを出すものの

                      完全にハダカにはなってないなぁ・・・


                      競って全部脱ぎたがるダンサーが多い中で

                      意外に「隠す事で醸し出されるエロさ」を知ってるのかも(誤解)


                      セッ○ス絡みの表現がコンテンポラリー・ダンスに多いのは

                      若い振付師と若いダンサーであれば

                      若い頃は、それだけが興味の対象だろうから納得(独断)


                      この平和なオーストリアで

                      芸術という事で政府から奨励金がどんどん出る(かもしれない)

                      恵まれた環境であれば

                      ナニしか考える事がないのだろうし(偏見)


                      まぁ、微笑ましいというか

                      ああ、やってますね、みたいな感じで

                      あんまり極端にやり過ぎなければ

                      それはそれで許せるような気がする。


                      こちらはもうババアなので、どうでも良いが(笑)


                      しかし、その意味でのセッ○スに関する 実行力 妄想力 がないと

                      やっぱり、こういう、それだけのパーフォーマンスは退屈だ。


                      若い人なら、あの公演を観た後

                      それなりにコウフンして、うっしっし、なのかも知れないが(僻み)


                      やっぱり若さって

                      現代芸術に共感を覚えるには不可欠なのだろうか、と

                      ついつい自分の歳を意識してしまった私に

                      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                      男性も女性も

                      バレエ・ダンサーとは違う

                      筋肉質の良い身体つきなんだけど

                      (ナニをしっかり見てる?!)

                      別に筋肉の盛り上がりを見てコウフンする歳でもないしなぁ・・・(自爆)


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