ウィーン交響楽団 + ファビオ・ルイージ

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    Musikverein Großer Saal 2013年3月31日 19時30分〜21時15分


    Frühling in Wien

    Wiener Symphoniker

    指揮 Fabio Luisi

    テノール Roberto de Biasio

    司会 Barbara Rett


    Giuseppe Verdi (1813-1901)

     Ouvertüre zur Oper "Nabucco" (1842)

     Ouvertüre zur Oper "I Vespri Siciliani" (1855)

     "Quando le sere al placido" Arie des Rodolfo

         aus der Oper "Luisa Miller" (1849)

    Giacomo Puccini (1858-1924)

     Intermezzo au dem 3. Akt des Drama lirico "Manon Lescaut" (1893)

     "E lucevan le stelle" Arie des Cavaradossi aus dem 3. Akt der Oper "Tosca" (1900)

    Giacchiino Rossini (1792-1868)

     Ouvertüre zur Oper "Guilliame Tell" (1829)

    Ottorino Respighi (1879-1936)

     "Feste Romane", symphonische Dichtung (1866)


    行く気はなかったのに

    最後の最後で、かなり良い席が残っていたのに気がついて

    ついつい買ってしまった・・・・


    ファビオ・ルイージがウィーン交響楽団の首席指揮者として振る

    最後のコンサートになったのは

    恒例の「ウィーンの春」コンサート。


    いつも行かないので知らなかったが

    舞台の上と、オルガンの横に

    これでもか、という位の花が飾ってあって


    ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートと張り合ってますか?(笑)


    来ているのは、ほとんどが観光客。

    安い席の私の周囲には

    イースター休暇で来ているらしいドイツ人が数人と

    あとは中国人の団体で占められている。


    プログラムは派手派手のイタリア・プログラム。

    しかも司会付き(ため息)


     私はコンサートの司会は好きじゃない。

     せっかく音楽を聴きに来ているのに

     ワケのわからん解説なんか、別に聞きたくない。


    ヴェルティのナブッコ前奏曲から

    シチリア島の夕べの祈りの前奏曲。


    ヴェルディ苦手と自覚する前に

    両方とも、国立オペラ座で鑑賞しているけれど


    ウィーン交響楽団の力一杯のドラマティックな演奏がスゴイ。

    コアなクラシック・ファンとは言いがたい聴衆に

    こんな凄まじい演奏を聴かせるなんて

    さすがに職人集団。


    金管のソロが見事だし

    強弱の付け方も、イタリアらしい劇的な表現で


    あんなに力一杯序曲を演奏されたら

    私が歌手だったら、すぐに逃げるぞ。


    ルイーザ・ミラーのアリアでは

    ローベルト・デ・ビアシオが登場。


    スタイル良いし、背もそこそこあって

    (例の席なので顔は見えない(笑))

    オペラの舞台だったら、結構見応えのありそうなテノール。

    声は豊かで、かなり響いて

    身体全体が鳴っているので、後ろでもよく聴こえる。


    オペラ座じゃないんだから

    そこまで声を張り上げなくても・・・とは思ったけれど

    陶酔しながら、時々、テノールの泣き節まで含めて

    かなり聴かせる声である。


    オーケストラがかなり音響をあげても

    埋もれずに聴こえるテノールは貴重だ。


    カヴァラドッシの「星は光りぬ」を蕩々と歌い上げて

    立派なのだが

    あの陶酔感は、楽友協会ではちょっと・・・


    しかしまぁ、優秀なオーケストラだわ、ウィーン交響楽団。

    ルイージが指揮台に立つと

    ますますプレイヤーが張り切るようで

    しかも、ほとんど演奏しないオペラの序曲とあって

    みんな、大張り切りで演奏しているのが見える。


    私自身としてはイタリア・オペラが苦手なのだが

    音楽的にやっぱりヴェルディとかプッチーニとかは

    歌える曲なので、音楽性に優れたプレイヤーには面白いのだろう。


    ルイージまで口を開けて歌いたそうにしてるし(笑)


    ウイリアム・テルの序曲も見事で、いや、降参・・・


    でも、私が楽しみにしていたのは

    後半のレスピーギの「ローマの祭り」


    演奏の前に、司会とオーケストラの代表が

    ルイージに感謝の記念メダルと

    ウィーン交響楽団のプレイヤーの寄せ書きを渡すという時間があったが


    ルイージは黙ってもらっただけで

    自分から何も言い出さず、すぐに指揮台に上がったのは

    好感が持てる。

    (お喋りな指揮者だと、そこでマイクを握って

     ありがとうだの何だの、無意味な事を喋り出すのだが(笑))


    そうだよ、音楽家は音楽で表現するのが仕事であって

    舞台で喋っちゃいかんのだ(偏見)


    レスピーギの3部作の中で

    ローマの祭りは、一番ぶっ飛んでいる曲だと私は思う。


    ほとんど狂気というか

    先鋭的で、ポリフォニーたっぷりで

    音に色と立体感があって


    こういう難しい曲を

    ウィーン交響楽団の職人プレイヤーが演奏すると

    いや、もう、とんでもない演奏になる。

    楽友協会のホール一杯に

    原色の色とポリフォニーの絡みが溢れて

    力一杯のフォルティッシモがキラキラ降ってきて


    ああ、至福の時間・・・ ♡♪♪♪


    こういう力一杯の演奏の後って

    何かまた司会が出て来て、アンコールか何かやったみたいだが

    もう、あの音響の嵐に翻弄されると

    それ以上、何も聴きたくない。


    ・・・というより、実はオフィスに仕事を残して来たままなので

    そのままオフィスに帰って、明け方まで仕事を片付けたのだが

    (ついでだが、今日は日曜日で

     イースターの連休でもある。でも、2日の出張で仕事が溜まっている)


    別にウィーン交響楽団でイタリア・オペラを聴きたいとは思わないが

    巧いコンサート・オーケストラが

    その技量を存分に活かしてイタリア・オペラを演奏すると

    ああ、こんなに凄くなるんだ、という

    楽しい2時間だった。




    ところで、ウィーンはまた雪だよ!?

    イースターになって

    本来は春になる頃なのに

    今年は、まだまだ寒い・・・ でも、やっと気温はプラスになった。



    ヴォツェック

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      Staatsoper 2013年3月30日 20時〜21時45分


      Alban Berg

      WOZZECK

      Oper in drei Akten, Text nach Georg Büchner


      指揮 Franz Werser-Möst

      演出 Adolf Dresen

      舞台 Herbert Kappmüller


      ヴォツェク Simon Keenlyside

      鼓手長 Gary Lehman

      アンドレス Norbert Ernst

      大尉 Herwig Pecoraro

      医者 Wolfgang Bankl

      徒弟職人 Marcus Pelz, Clemens Unterreiner

      白痴 Peter Jelosits

      マリー Anne Schwanewilms

      マルグレート Monika Bohinec

      マリーの息子 Ruben Kastelic

      兵士 Zsolt Temes

      酒屋の主人 Wong Cheol Song


      かなり昔に上演されたヴォツェクの再演。

      音楽監督フランツ・ヴェルザー=メストが指揮で

      歌手陣も揃ったプロダクション。


      初演の時のライブ・ラジオを聴いていたので

      何となく感触は掴めている。


      彼氏もどきに言わせると

      反政府の革命的オペラ・・・なんだそうだが

      いや、筋から言えば

      浮気した愛人を兵士が殺す、という

      それだけの話なのではないかと思うけれど


      演劇の上演が1914年という事を考えれば

      やはり第一次世界大戦の要素はどうしても入ってくる。


      近代オペラと言ってしまって良いのだろうが

      音響が繊細で

      それに乗る歌も繊細で

      ドイツ語がハッキリ、クッキリ

      イントネーションの特徴を

      そのまま音楽的に処理してしまったような印象。


      音楽によるドイツ語演劇と言われても違和感がない。

      ヤナーチェックがチェコ語でやろうとした事を

      アルバン・ベルクはドイツ語でやろうとしたのではないか(妄想)


      そういう音楽だから

      歌手の声の美しさとか

      (いや、みんな充分美しいのだけれど(笑))

      メロディの美しさとか

      (いや、時々、間奏曲などでうっとりする程キレイなところはあるが(笑))

      イタリア・オペラでは最も重点が置かれるだろうポイントは

      すっかり抜け落ちていて


      異常にリアルな音楽付き不条理劇になっている。


      いわゆる「オペラのリアリティ」にげんなりする私には

      舞台で繰り広げられる

      リアルなんだけど不条理な狂気の世界が

      とても魅力的。


      始まってからすぐに

      後ろの方で子供のむずがる声がして

      こんなオペラに子供を連れてくる人がいるのか?!と

      ビックリしたのだが


      考えてみれば、マリーの息子役なんて

      いったい何歳なんだよ?


      どう見ても5歳か6歳くらいで

      あれだけ演技が出来て

      ソプラノ歌手が耳元で大声で歌っても動ぜず

      いやはや、見事・・・


      子供のコーラスも最後に出てくるから

      その子供たちのお友達かもしれないが


      まぁ、子供が観るべきオペラではない(笑)


      オペラは苦手なのだけれど

      この音楽、むちゃ魅力的。


      国立オペラ座のサイトにある

      ヴォツェックのショート・ビデオは

      キャストが全く今回と違って

      マリーの殺人シーンも

      今回は、ものすごくアッサリと

      あれ? 何か今、ナイフ射した?というくらい

      劇的要素は抜けているので

      4月2日に行かれる方は

      がっかりしないように(笑)


      私は今回のアッサリ型の方が好き ♡


      もう1回観に行っても・・・とは思ったのだが

      3月末で60回を越えたので

      我慢しておこう、と

      ちょっと歯を喰い縛っている私に

      どうぞ1クリックをお恵み下さい。




      大雨だが、少なくとも雪ではないし
      太陽全然出てないけれど、気温はマイナスではない。うん。
      明日3月31日から夏時間開始だが
      ・・・いったいどこが夏だって?!(怒)

      カーリュー・リヴァー + 放蕩息子

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        Kammeroper Wien 2013年3月29日 19時30分〜22時15分


        Benjamin Britten


        Curlew River

        狂女 // Alexander Kaimbacher

        渡し守 // Peter Edelmann

        旅人 // Sebastian Huppmann

        霊の声 // Leonid Sushon

        修道院長// Stephan Rehm

        巡礼者たち // Herren des Wiener Kammerchores


        The Prodigal Son

        誘惑者 // Alexander Kaimbacher

        父親 // Peter Edelmann

        兄 // Sebastian Huppmann

        弟 // Gernot Heinrich

        召使い、お喋り、乞食 // Herren des Wiener Kammerchores

        ミサの従僕たち // Knaben des Mozart Knabenchores Wien


        指揮 Walter Kobéra

        演出 Carlos Wagner

        舞台 Christof Cremer

        照明デザイン Norbert Chmel


        色々とあって、仕事でバタバタした後

        本日は聖金曜日。

        キリスト教で、イエス・キリストがお隠れになった日で

        この日は、国立オペラ座もフォルクス・オーパーも

        もちろん楽友協会もコンツェルトハウスも

        一斉にお休みである。


        なのに、何故か室内オペラ座(カンマーオーパー)で

        Neue Oper Wien という団体が

        ベンジャミン・ブリテンの

        カーリュー・リヴァーと放蕩息子を上演。


        教会上演用寓話だから良いのか・・・


        カーリュー・リヴァーの方は

        ご存知の通り、能の隅田川を元にして

        キリスト教の要素を、これでもか、とぶち込んでいて

        面白い、というか

        素晴らしいのだが


        時々、意識がなくなって話が途切れる状態。

        いや、ちょっと色々と

        睡眠不足や疲れが重なっていて(すみません)


        約1時間ちょっとの劇だが

        能の要素とキリスト教の要素が

        面白く絡み合っていて、飽きさせない。


        息子をなくした狂女を演じた Kaimbacher が素晴らしい。

        役にすっかり入り込んで

        切ない思いが痛いほど鑑賞する側にも伝わってくる。


        この劇場、ウィーン・カンマーオーパーだが

        小さな劇場なのだけれど

        観客席に傾斜がついている上

        椅子の列を上手くずらしてあって

        どこに座っても、舞台が良く見える。


        後ろの方だと、バルコンが被ってしまうので

        音が良くないかもしれない。

        (今回は上にバルコンが被らない28ユーロの席を購入した ← 贅沢)


        ただ、劇場が小さいので

        歌手が声を張り上げるとうるさいくらいなので

        音響については、どの席でも問題ないだろうと思う。


        後半の放蕩息子だが

        これが、ものすごい傑作で

        カーリュー・リヴァーでは寝落ちした部分が何ヶ所かあるが

        放蕩息子には、すっかり引き込まれた。


        仮面・・というか

        能面のパロディのような、でっかい顔のマスクを付けて

        誘惑者は、能で言えば鬼の面を被り

        お父さん、お兄さん、弟と

        それぞれに特徴的な面を被る。


        誘惑者が弟を悪徳に誘い込む時も

        コーラスの男性が、簡単なお面を付けて登場するのだが

        これが、簡素ながら、実によく出来ていて

        女性のお面(+胸)なんか

        色っぽくて、それらしくて、ついつい笑ってしまう。


        悪魔が、壁にチョークで絵を描いて行くのだが

        これが、また上手くてビックリ。


        ううううん、みんな見事に芸達者だのう・・・


        話は有名で単純だが

        ブリテンの、この上もなく繊細な音楽も素晴らしいし

        前後のコーラスによる賛美歌を歌いながらの行列も風情があるし

        舞台は小さいけれど

        様々に工夫がなされている。


        日本の伝統文化の、能をこなしたのがカーリュー・リヴァーだとすれば

        それに対して、狂言的な意味合いを持つのが放蕩息子で

        演出家が、それを理解して

        この2作品を取り上げたのだとすればスゴイ。

        (で、演出的な観点から、たぶん、そうだと思う)


        室内オーケストラも優秀だし

        歌手も、声だけではなく

        日本の伝統を踏まえた演技が見事。


        母と息子、父と息子の関係でも繋がる2作品。

        放蕩息子の話は

        まぁ、色々と考えさせられるし

        ツッコミ入れようとしたら(話そのものに)

        言いたい事はたくさんあるけれど


        まぁ、その話は止めておく。疲れてるし(笑)


        ドイツ語しかないけれど

        このプロダクションを作った

        Neue Oper Wien のウエブ・サイトは ここ


        出演者たちが

        作品に対する理解や感想を述べているクリップがあって

        なかなか面白い。

        ドイツ語がわかる方はどうぞご覧下さい。


        ヘトヘトだけど

        週末から、また音楽ライフ開始という

        懲りない私に

        どうぞ1クリックをお恵み下さい。



        まだ寒いけれど、やっと雪だけはやんで
        今日は少しだけ太陽が出てきた 

        ダンス・パースペクティブ 4回目観賞記

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          Wiener Staatsballett 2013年3月26日 19時30分〜21時45分

          TANZPERSPEKTIVEN

          A million kisses to my skin
          振付 David Dawson
          音楽 Johann Sebasian Bach, Klavierkonzert Nr. 1 d-Moll BWV 1052
          衣装 Yumiko Takeshima
          照明 Bert Dalhuysen
          指揮 Markus Lehtinen
          ピアノ Shino Takizawa
          Olga Esina, Vladimir Shishov, Nina Poláková, Davide Dato
          Liudmila Konovalov, Masayu Kimoto, Maria Yákovleva
          Kiyoka Hashimoto, Alice Firence


          Eventide
          振付 Helen Pickett
          音楽 Philip Glas, Ravi Shankar: Offering aus Passages
               Jan Garbarek, Anouer Brahem, Shukat Hussain : Ramy aus Madar
               Philip Glass, Ravi Shankar : Meetings Along the Edge aus Passages
          舞台 Benjamin Phillips
          衣装 Charles Heghtchew
          照明 John Cuff, Mark Stanley
          Emilia Baranowicz, Ketevan Papava, Nina Poláková, Irina Tymbal
          Alexis Forabosco, Roman Lazik, András Lukács, Eno Peci


          Vers un pays sage
          振付 Jean-Christophe Maillot
          音楽 John Adams : Fearful Symmetries
          舞台と照明 Dominique Drillot
          オリジナル絵画 Jean Maillot
          衣装 Jean-Christophe Maillot, Jean-Michel Lainé
          Olga Esina Roman Lazik
          Irina Tymbal Greig Matthews
          Ketevan Papava Andrey Kaydanovskiy
          Clara Soley - Davide Dato

          Emilia Baranowicy - Alexis Forabosco
          Prisca Zeisel
          - András Lukács


          Windspiele
          振付 Patrick de Bana
          音楽 Peter Ilijitsch Tschaikowski, Konzert für Violine und Orchester D-Dur, op. 35, 1. Satz
          舞台 Alain Lagarde
          衣装 Agnès Letestu
          照明 James Angot
          指揮 Markus Lehtinen
          バイオリン Rainer Küchl
          Kirill Kourlaev, Erika Kováčová, Rafaella Saint'Anna, Richard Szabó

          Davide Dato. Marcin Dempc, Dumitru Taran, Alexandru Tcacenco


          130年振りの寒い3月なのだそうだが

          マイナス4℃で、ずっと雪。

          朝から夜まで雪。

          気温が低いので、サラサラのパウダー・スノーだが

          太陽見ないし、真っ白だし暗いし・・・


          今週末から夏時間で

          来週月曜日は復活祭だと言うのに(涙)


          さて、ダンス・パースペクティブは

          今回が6回目の公演で

          今シーズン、最後の公演になる。


          バッハのピアノ協奏曲での

          A Millionen Kisses To My Skin は

          志野さんのピアノ・ソロが

          オーケストラと混じり、対決し、拮抗して

          とてもバランスが良くなった。


          (実はこの間、また観たのだけれど

           途中で抜けざるを得なかったので

           敢えて感想記は書かなかったのだが

           この時は、志野さんのピアノが

           少し走り過ぎ、という感じだったのだ。

           後で聞いたら、ちゃんと理由があったようだが)


          音符が飛び跳ねるような舞台の上は

          マリアやオルガ、ニーナにリュドミラ

          木本全優クンと橋本清香嬢の活躍もあって

          ハンサム・ボーイのウラジミールも出て来たし

          豪華絢爛メンバーで、実に楽しい。


          (写真は公式サイトから拝借。ウラジミールとオルガ 


          木本クンの踊りが、ちょっと変わってきたような気がする。

          以前は、ノーブルだけど、さして個性を感じなかったのだが

          ちょっとワイルド味が加わったというか

          自分への自信がオーラになって出ているのか

          群舞の中にいても、ハッと目を惹く魅力がある。


          こういうダンサーの成長を見るのは

          ファンにとって、至福の瞬間だ。


          Eventide は、まぁ、色っぽい。

          特にケテヴァンの色っぽさって

          年増の妖婉さ、と言ったら失礼だが

          エキゾチックで秘密めいて妖しげ。


          この間、観られなかった Vers un pays sage

          やっぱり、この作品、良いわ〜〜〜。


          観てて思ったのだが

          舞台上で観る記号学というか

          ちょっとモールス信号なんかに似て

          人間の身体の「カタチ」を徹底的に記号化している。


          でも、そんな「記号人間」の中に

          ラブシーンがあるのだ。

          そのオルガとローマンのデュエットの美しさは

          ある意味、凄まじい。


          照明に工夫がこらしてあって

          舞台には、ほとんど装置はないのに

          一日の移り変わりや、季節の肌触りを

          その時々の照明が出していて、感情に訴えてくる。


          最後の Windspiele はバナの作品で

          この間、ツィッターで

          バナの作品はダンサーには踊りやすい、というような

          コメントが出ていたのだが


          何でバレエに見えないかと言うと

          バレエという芸術表現というより

          何か、ちょっと、体操みたいな感じで・・・(笑)


          キリルは、感情表現に溺れる事なく

          比較的クールに淡々と踊っていたからかもしれないけれど

          (というか、あれを感情表現に溺れて踊ると

           ちょっと観ている方も気恥ずかしい)

          ともかく、バレエじゃなくて、体操という印象が強かった。


          寒い上に、最近、非常に忙しくて

          いや、それは良い事なのだが

          週末に仕事すれば良かったのに

          その分のツケが廻ってきて

          ちょっとキツい・・・とゼイゼイ言っている私に


          どうぞ1クリックをお恵み下さい。


          このバナーが冗談でないところが・・・(涙)


          フォルクス・オーパー バレエ「真夏の夜の夢」2回目観賞記

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            Volksoper 2013年3月24日 16時30分〜18時40分


            Ein Sommernachtstraum

            Ballett in zwei Akten von Jorma Elo nach der Kömodie von William Shakespeare


            振付・舞台・衣装 Jorma Elo

            音楽 Felix Mendelssohn Bartholdy

            舞台・衣装 Sandra Woodall

            照明 Lius Fellbom

            指揮 Andreas Schüller


            オベロン Vladimir Shishov

            ティターニア Liudmila Konovalova *

            パック Richard Szabó *

            シーシアス Igor Milos

            ヒッポリタ Dagmar Kronberger *

            ハーミア Prisca Zeisel *

            ライサンダー Alexandru Tcacenco *

            ヘレナ Ioanna Avraam *

            ディミートリアス András Lukács

            イージアス Andrey Kaydanovskiy

            職人たち Gabor Oberegger, Marian Furmica

                            Géraud Wielick , Jaimy van Overeem

                            Christoph Wenzel, Mykola Gorodiskii

            アテネのカップルたち Iliana Chivaroa, Alexis Forabosco

                             Oxana Kiyanenko, Kamil Pavelka

            コーラス・ソロ Sera Gösch, Claudia Goebl

            バイオリン・ソロ Vesna Stankovic


            フォルクス・オーパーのバレエ「真夏の夜の夢」

            第3回目の公演。2回目は観に行けなかった。


            プレス用写真から拝借。

            時々写真入れないと

            もともと地味なブログなのに、ますます地味になるし f(^^;)


            (初演の時のキリルとイリーナ)


            主要メンバーの大幅なチェンジ。

            パック役に若手のリチャード。


            小柄なので、動き回る役には良いし

            テクニックは充分あるのだが

            やはり、ミハイルみたいな、ちょっとした意地悪さのニュアンスは無理。

            カワイイし、よく動くけれど

            残念ながら、まだ魅力が足りない。

            まぁ、ミハイルと比べる方が悪いんだけど(笑)


            オベロンとティターニアのカップル

            ウラジミールとリュドミラは迫力。


            ウラジミールもキレイにヒゲ剃ってメイクすると

            う〜ん、やっぱりハンサム・ボーイである。

            ハンサムさ、ノーブルさが爆発する。


            いやん、そのノーブルな顔で

            大口開けて叫ぶ仕草すると、またまた魅力的 ♥


            リュドミラの個性もウラジミールに負けていないから

            この2人が踊ると、もう舞台が圧倒的に華やかだ。


            ハーミア役のプリスカは、若手ではトップ。

            初々しくて、むちゃ可憐。

            対するヘレナ役のイオアンナも負けていない。


            ・・・だから、ハーミアとヘレナと

            ライサンダーとディミートリアスの区別が付きにくい。

            衣装も似てるし。


            ところが・・・


            今考えてみると私の錯覚だったのかもしれないが

            いや、いや、錯覚じゃないような気がする。


            前半の終わりの

            ハーミアとヘレナ、ライサンダーとディミートリアスの絡みのところで

            ライサンダー役をアレクサンドルじゃなくて

            イゴールが、しかもシーシアスの衣装のままで踊ってる(あれ?)


            どの役でも衣装が何だか似通っているので

            シーシアスの衣装が多少キンキラキンでも

            ライサンダーと思えば、そう見えないワケではないし

            話の筋から言えば、それしか解釈のしようがないので

            たいして違和感があるワケではないが


            こちらとしては、アレクサンドルに何が起こったんだろう???

            怪我か、体調を崩したか、何か、ものすごく気になるではないか。


            後半はライサンダーとディミートリアス

            ハーミアとヘレナに、シーシアスとヒッポリタが

            勢揃いするところがあって

            ちょっとドキドキしていたのだが

            アレクサンドル、ちゃんとライサンダーで出てきたし

            ちゃんとパ・ドゥ・ドゥも踊っていたから

            大丈夫だったらしい。ああ、良かった。


            オーケストラに多少の乱れ。

            だいたいプログラムには

            メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」と

            ルイ・ブラス序曲と、イタリア交響曲と

            バイオリン協奏曲しか書いていないが

            途中でスコットランド交響曲も出てくるじゃないか!

            ・・・いや、別に良いけど。

            ホルンが汽笛で出てくるところ、カッコいいんだもんね。


            ただ、真夏の夜の夢の序曲の

            細かくて早いバイオリンの動きが揃っていなくて

            パーカッションが遅れて入ったりとか

            あっ、崩れるっ、とドッキリした部分があって

            割にドキドキ感の多い演奏ではあった。


            メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲のソロは

            多少、線は細いけれど、すごくキレイ。


            パック役はやっぱりミハイルが圧倒的に良いな。

            リチャード以外に誰が踊るのかはわからないけれど

            ミハイルを上回るダンサーがいるとは

            ちょっと考えにくい。


            この公演、子供が多くて

            (まぁ、午後公演というのもあったけれど)

            最初の拍手のところで

            子供の声で「もう終わったの?」というのが

            会場に響き渡って、みんな大笑い。


            恋愛沙汰の話なので

            子供が観ても面白いかどうかはわからないけれど(笑)


            まだまだ追いかけますよ、このバレエ。


            週末、とうとうグレまくって

            仕事溜まっているのに

            オフィスから逃げてしまった私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。




            だって、雪ですよ、雪!!!

            土曜日晴れたので、20分以上待って洗車したのに

            日曜日のお昼はマイナス4℃で雪・・・

            もう雪、要りません!!!(涙)


            グスタフ・マーラー・ユース・オーケストラ + ブロムシュテット

            0

              Musikverein Großer Saal 2013年3月22日 19時30分〜21時55分


              Gustav Mahler Jugendorchester

              指揮 Herbert Blomstedt

              ピアノ Leif Ove Andsnes


              Ludwig van Beethoven (1770-1827)

               Konzert für Klavier und Orchester Nr. 4 G-Dur, op. 58

              Anton Bruckner (1824-1880)

               Symphonie Nr. 4 Es-Dur "Romantische"

               (Fassung 1878-80)


              グスタフ・マーラー・ユース・オーケストラの

              イースター・ツアーは

              リスボン・バルセロナ・パリ・ブラティスラヴァを経て

              ウィーンでのコンサートの後

              ザブレブ、インターラーケン、バーミンガム そして

              最後はエクス・アン・プロヴァンスの2回のコンサートで終了。


              オーケストラのメンバーは若いけれど

              それにくっついて、こんなハードな演奏旅行をこなす

              ヘルベルト・ブロムシュテットにも驚く。


              最初のベートーベンのピアノ協奏曲。

              はいはい、続く時には続くんです、またもや4番だよ。

              ピアニストはレイフ・オヴェ・アンスネス。


              なんか日本では有名らしく

              色々とウワサは聞くし

              そのウワサで惑わされた偏見で

              2回だけナマで聴いた事がある。

              (調べてみたら2011年5月28日と10月29日だった)


              ベートーベンのピアノ協奏曲4番の出だしは


              あっさり・・・


              は?

              いや、こんなにアッサリで良いのか?

              ほとんどペダル使ってないじゃん・・・


              続くオーケストラの長い前奏は

              明るい音色に、実に細かく陰影がついて

              膨らんだり、軽くなったり、自由自在に音の色が変わる。


              で、アンスネスのピアノが絡まると

              うわ、この人、本当にペダル使ってない。

              なのに、音が強靭で

              しっかりとオーケストラと拮抗し

              絡み合って、時には対立し、時には溶け合い

              実にクリアで

              感傷に流れず、強い。


              あっさりと言ったらアッサリなのだが

              (感情に溺れていないので)

              かと言って、そっけない、というのではなく

              メカニックなところと感情のバランスが絶妙なのだ。


              アンコールに弾いた曲

              スケールだけで構成されているような曲なのに

              ものすごいニュアンスに満ちて

              しかもユーモアあって、面白い、というか

              こういうメカニックな曲を

              メカを感じさせずに弾けるピアニストってスゴイわ。


              萌え〜(笑)


              後半はブルックナーの交響曲4番。

              これもポピュラーな曲で

              様々なオーケストラで、いったい何回ナマで聴いたことやら・・・


              でも、このオーケストラの演奏、面白い。

              もちろん、いくらエリートのオーケストラとは言え

              ユース・オーケストラだから

              金管の多少のミスとかはある。


              でも、ここに入る連中は

              腕自慢の名人揃いであって

              そりゃ、めちゃくちゃ巧い。


              ブロムシュテットが、また、何でこんなに若々しいの?

              歳取ると子供に戻るとか言うけれど

              自分の音楽はしっかり持ちながら

              年寄りの固さの一切ない柔軟な音楽。


              いや、若々しいというよりは

              音楽が瑞々しいのである。


              ルーチン・ワークになっていない一生懸命さと

              音楽に対する真摯な態度が伝わってくる。


              ブルックナーの4番は比較的聴きやすいとは言え

              やっぱり大曲だし、長い。

              繰り返し多いし(笑)


              でも、その音の瑞々しさと

              ブロムシュテットの音楽的な指示に付いていくメンバーの

              ニュアンスに満ちた表情がむちゃ楽しかった。

              一流のプロオケとは全く違う感じの仕上がり。


              このユース・オーケストラ

              そういうのが面白いのだ。


              エリートの集まりだから

              このメンバーが、未来のプロオケを支えて行くのである。


              ブロムシュテットの若さに

              改めて驚いた私に

              どうぞ1クリックをお願いします。



              ところで、アンスネスだけど

              どうせ見えないだろうと思ったので

              (いつもの通り、舞台は見えない席だし

               ハンサム?なピアニストを見ようと

               何か、みんな前で身を乗り出して立ってるし)

              本人の姿を見ていないのだが

              本当に、そんなにイイ男なのだろうか?(疑)


              ウィーン交響楽団 + ファビオ・ルイージ

              0

                Musikverein Großer Saal 2013年3月20日 19時30分〜21時40分


                Wiener Symphoniker

                指揮 Fabio Luisi

                テノール Rolando Villazón


                Benjami Britten (1913-1976)

                 Soirées musicales, op. 9

                Guiseppe Verdi (1813-1901)

                 Vier Romanyen für Tenor und Orchester

                 Orchesterbearbeitung von Luciano Berio

                Johannes Brahms (1833-1897)

                 Symphonie Nr. 4 e-Moll, op. 98


                ウィーン交響楽団とルイージのコンサート。

                ベンジャミン・ブリテンの曲は

                ロッシーニのメロディをテーマにした組曲。

                ジュゼッペ・ヴェルディの曲は

                ルチーアノ・ベリオのオーケストラ編曲版。


                ・・・何か、すごく不思議なプログラムなんですけど。


                ブリテンのソワレは、ブリテンというよりは

                能天気なロッシーニしか聴こえて来なくて

                でも、ルイージ、ニューヨークのメトで

                オペラ漬けになっているだけあって

                こういう能天気な、いや、あの、オペラっぽい曲が

                抜群に巧くなった。


                というか、今日のオーケストラ

                主観的な感覚で言うと

                何だか非常に立体的に聴こえる。

                ブリテンのオーケストレーション故か? 面白い。


                ベリオがオーケストレーションしたヴェルディを

                歌ったのはローランド・ヴィラゾン。

                もしかしたらキャンセルするんじゃないかと

                最後の最後まで気が抜けなかったが

                元気に登場。


                何とも愛想たっぷりで

                ニコニコしながら

                前にお辞儀し、横にお辞儀し

                更には後ろまで(オルガン・バルコンまで!)お辞儀する。


                ヴィラゾンは確か数年前に

                国立オペラ座で何回か聴いたはずだが・・・


                声は前に飛ぶから、後ろの席はあまり理想的ではない。

                柔らかな美声なのだが

                前には飛びそうだが、身体全体に響いていないので

                何となく喉で力任せに歌っている印象がある。


                しかも、手振り身振りがもろドラマティックで

                ああ、イタリア・オペラのあの嘘くさい世界に

                こんなに嵌れる人がいるんだ・・・

                (と言うより、それに嵌れなければ

                 オペラ歌手にはならんだろう)


                残念ながら、イタリア・オペラとは

                いや、オペラ、という芸術そのものと

                私は相性が良くないので

                熱中して、身体をガンガン動かしながら

                歌っているのを見ているだけで

                ちょっと暑苦しい。すみません。


                しかしこのテノール、本当にチャーミング。

                愛想良し、舞台のマナー良し

                観客へのサービス精神満点。


                そのあっけらかん加減を

                忌々しく思うウィーンの怪物みたいな内部関係者も

                いるんだろうなぁ、と

                一時、精神的に追い詰められて

                ウィーンのオペラ座から姿を消した時期を思い返したりして。


                ロッシーニだのヴェルディだのの後

                後半がブラームスの交響曲4番というプログラム構成は

                ちょっとワタクシ的にはあり得ない。


                で、ブラームスの交響曲4番だけど

                これは、もう、誰がどう振ろうが

                ウィーン交響楽団の音であって

                別にルイージじゃなくても、同じなんじゃないだろうか(失礼な!)


                そりゃ、巧いです。

                弦の厚みもあって、もともと管は名人揃いだし

                巧いし、職人芸全開で演奏してくれてはいるのだれど

                やっぱりルーチン・ワークっぽい・・・


                巧いけれど感動しない。

                ・・・いや、傲慢なコメントなんだけど

                オーケストラの沸点が低過ぎて

                深いところに響いて来ない。


                いや、それ、ただ私の感性が鈍いだけだから。


                ルイージさまのお姿を拝見するのも

                そろそろ終わりなのだが

                ワタクシ的には

                もう来シーズンのフィリップ・ヨルダンの

                背の高いハンサムな姿に心が移っているので(笑)

                それはそれで良いのである。

                頑張ってニューヨークで

                レヴァインを蹴っ飛ばして活躍してね(毒舌)


                ウィーン・フィルの今週末の定期公演は

                マエストロ・ローリン・マゼールが風邪をひいて

                突然キャンセルになった。

                代替え指揮者が見つからないケースも珍しい。


                昨日は BBC 放送交響楽団と

                ボストリッジ博士のテノールを堪能する予定だったのに

                仕事のトラブルでコンサート前にオフィスに引き返さざるを得なくなって

                かなり気分を害していたのに加えてウィーン・フィルのキャンセルで

                ちょっと落ち込んでいる私に

                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                今日は春分の日、春の始まりで
                太陽が出て暖かくて(気温10℃まで上がった!)
                でも週末はまた寒くなりそう。まぁ、そんなもんです、こちらは。

                ウィーン交響楽団 + ファビオ・ルイージ

                0

                  日曜日に時々やる

                  1日で3回のコンサートのハシゴです。

                  時系列で読みたい方は

                  マチネ11時ウィーン・フィル ここ

                  午後16時トーンキュンストラーと佐渡裕氏は ここ


                  Musikverein Großer Saal 2013年3月17日 19時30分〜21時45分


                  Wiener Symphoniker

                  指揮 Fabio Luisi

                  ピアノ Markus Schirmer


                  Giuseppe Verdi (1813-1901)

                   Ouvertüre zur Oper "La forza del destino"

                  Joseph Marx (1882-1964)

                   "Castelli Romani" für Klavier und Orchester

                  Richard Strauss (1864-1949)

                   Aus Italien. Symphonische Fantasie für großes Orchester G-Dur, op. 16


                  ウィーン交響楽団のファビオ・ルイージ週間(笑)

                  今回は楽友協会で

                  この間、コンツェルトハウスでぶっ倒れて聴けなかった

                  (詳細記事は こちら

                  フランクの交響曲の恨みがあるので

                  頑張って聴く。

                  (昨日も同じプログラムだったのだが

                   フォルクス・オーパーの真夏の夜の夢プレミエと重なって行かなかったし)


                  プログラム見ると

                  オール・イタリア・バンザイみたいな組み方。


                  ヴェルディのオペラ「運命の力」には

                  実は私は縁があった。

                  ヴェルディ苦手なのに

                  何故か

                  不幸な事故で亡くなったテノールのリチトラが出演した時に

                  何回か聴きに行った事があるのだ。


                  国立オペラ座の演出では

                  序曲と一緒に、ピストルと銃弾のビデオが上演されていたけれど

                  確かに聴いた記憶のある序曲。


                  が・・・


                  力一杯ドラマティック!!!


                  いや、やっぱり、このオーケストラの輝くような

                  明るい音って、スゴイわ。


                  私がこのオペラに出演する歌手だったら

                  こんなドラマチックで手抜きのない序曲聴いたら

                  すぐに後ろ向いて「さよなら」と言って帰ります(笑)


                  オペラの序曲と言うより

                  シンフォニーになっちゃってるもん・・・


                  そんな明るい輝くようなドラマティックなヴェルディの後は

                  オーストリアの作曲家、ヨゼフ・マルクスのカステリ・ロマーニという

                  やはりイタリアをモチーフにしたピアノとオーケストラのための曲。


                  うっ、ビックリ。


                  最初の曲に5音のスケールを使っていて

                  どうしてもイメージが


                  中国最後の皇帝とその私生活


                  とかしか見えて来ないんです(すみません、妄想爆発で)


                  え〜い、こうなったら読者の方の判断を仰ごう・・・と

                  出だしが Youtube にあったので

                  どうぞ聴いて下さいまし。




                  何ともキレイな曲で

                  上記のクリップでも聴けるけれど

                  ピアノ・ソロの和声の動き方の美しい事・・・(ため息)


                  ピアニストのマルクス・シルマーはグラーツ生まれのオーストリア人。

                  アンコールに、シューベルトのハンガリー風の曲と

                  グラーツ出身だから、とグラーツのポルカを弾いてくれた。


                  音楽するのが楽しくて仕方ない、というタイプで好感が持てる。


                  後半はリヒャルト・シュトラウスの最初の交響詩「イタリアから」

                  ・・・すみません、私、これ CD も持っていないし

                  初めて聴く曲かも。


                  意外や意外に長くて4楽章。

                  リヒャルト・シュトラウスらしいオーケストレーションの妙にため息。

                  明るくて輝くオーケストラの音色が

                  派手なリヒャルト・シュトラウスの響きにピッタリ合って

                  ルイージの指揮棒のもとに

                  締まったまとまりを見せて、見事な演奏。


                  3曲目のソレントの海辺は

                  海辺というより、何か、雪が降ってるようなイメージだったけど(笑)


                  最後の章は、フニクリ・フニクラの変奏曲になっていて

                  ユーモアあって、けっこう笑えて楽しい。


                  1日に

                  ウィーン・フィルとトーンキュンストラーと

                  ウィーン交響楽団という3つのオーケストラを

                  同じホールの、しかも同じ席で聴くという

                  贅沢な日曜日だった。


                  どのオーケストラが良かった?とか聞いてくる人が

                  絶対に居ると思うのだが

                  それぞれのオーケストラに

                  それぞれの良さがあって

                  一概には言えないので、悪しからず


                  ヨゼフ・マルクスの曲が

                  中国皇帝のストーリーだったとしても(すみません)

                  あまりに美しかったので、ちょっと追ってみようかな、と

                  真剣に考えている私に

                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。




                  今日は晴れたけれど
                  明日からまたオーストリアは冬に逆戻りで
                  田舎では、50センチ〜90センチの積雪が見込まれるらしい・・・(絶句)

                  トーンキュンストラー + 佐渡裕

                  0

                    Musikverein Großer Saal 2013年3月17日 16時〜18時10分


                    Tonkünstler-Orchester Niederösterreich

                    指揮 Yutaka Sado

                    ピアノ Marc-André Hamelin


                    Leonard Bernstein (1918-1990)

                     Symphonie Nr. 2 für Klavier und Orchester "The Age of Anxiety" (1947-49)

                    Marc-André Hamelin (*1961)

                     Variations on a Theme of Paganini für Klavier solo (2011)

                    Dmitri Schostakowitch (1906-1975)

                     Symphonie Nr. 5 d-moll op. 47 (1937)


                    本日2回目のコンサート。

                    佐渡裕氏が登場。


                    トーンキュンストラーから何故か事前に連絡があり

                    (旅行会社の社員としてで、トーンキュンストラー友の会の関係じゃなかった)

                    日本人を呼べないか、と言われて

                    そりゃ無理(ホント)


                    ベルリン・フィルの佐渡裕氏のデビューの時も

                    話はあって、チケットを買う買わないまで行ったのだが

                    結局はグループ成立しなかったし

                    日本で見られる指揮者を

                    わざわざヨーロッパまで追いかけるというのは

                    小沢征爾以外には無理だと思う。


                    日本人会を教えてあげたので

                    タダ券は出したみたいだが

                    私はいつもの安い席で鑑賞(笑)


                    以前、ウィーン放送交響楽団の指揮台に立った時も

                    確かバーンスタインの「エレミア」と

                    ショスタコーヴィッチだったと思う。

                    以前の記録がなくなったので、定かではないが。


                    今回はバーンスタインの交響曲3番。

                    これ、絶対どこかで聴いてる・・・と思って調べてみたら

                    ありました ここ


                    2009年の時は、その後のアイヴスが印象的過ぎて

                    バーンスタインが霞んでしまったようだが(笑)


                    不安の時代というタイトル通り

                    これ聴き出すと


                    ああ、楽しみのために音楽を聴く時代は

                    過ぎたのだなぁ・・・・


                    音楽を含む芸術そのものが

                    社会への問題提起とか

                    政治的な批判とか

                    そういう芸術以外の要素を含むようになってきた走り。


                    まぁ、以前もハイドンのさよならシンフォニーみたいなものはあったし

                    ダポンテとかモーツァルトとか

                    特に演劇部門では色々あったが

                    それはそれで置いておいて(話題から逃げる)


                    アメリカっぽい要素をかなり含んではいるけれど

                    ブルックナーかマーラーか、みたいな和声もあって

                    ヨーロッパの土台の上に、アメリカのクリームを乗せました

                    ・・・みたいな印象。


                    表面的などんちゃん騒ぎのパーティの後の倦怠感とか

                    何か身につまされるけれど

                    最後は、それなりの希望が見えて来るという


                    ああ、あの時代は、まだ希望があったんですね・・・


                    何か今、低い血圧のせいか

                    かなり陰鬱な気分になっているので

                    世の中が良くなっていくなんて

                    ちょっと考えられない気分だし(厭世感爆発)


                    後で内部の人に聞いたら

                    本日はちょっとした事故?があったようだけど

                    まぁ、聴衆は何も気がついてません(たぶん)

                    あの曲を予習して頭の中に入れてから来てる人なんて

                    きっといないよ、うん。


                    ピアニストのマルカンドレ・アムランの編曲した

                    パガニーニのテーマによるバリエーションは秀抜。


                    超絶技巧もそうだけど

                    ピアノの音のバリエーションを目一杯使って

                    しかも、パガニーニだけじゃなくて

                    リストも出て来たし、他の曲のテーマも隠れて出てきて

                    現代曲なんだけど、むちゃ面白い。


                    冗談音楽の一種ですかね?

                    ・・・と言ったら失礼か。本人、マジメに弾いてるし。

                    でも、こういう楽しめる曲、すごく好き。


                    後半のショスタコーヴィッチの交響曲5番は

                    もともとが有名な曲だから

                    オーケストラはしっかり演奏していたけれど

                    やっぱり、オーケストラの粗さと

                    金管のもろさが少し目立ってしまった。

                    (午前中のウィーン・フィルの金管が良過ぎたのだ)


                    佐渡さんらしい熱い演奏で

                    オーケストラもよくそれに応えていて

                    第3楽章の弦もキレイだったし

                    フルートのソロには聴き惚れたし

                    それなりに良い演奏だったとは思うけれど

                    技術的にいま一つ物足りない感じ。

                    (って、どこまで贅沢なんだ、私の耳は!)


                    最後に、アムランのパガニーニのバリエーション

                    Youtube にアップされていると

                    友人からの報告があったので

                    載せておく。

                    お楽しみ下さい。



                    この後、またもやコンサートに行った

                    懲りない私に

                    どうぞ1クリックをお恵み下さい。





                    ウィーン・フィル + ズービン・メータ

                    0

                      Musikverein Großer Saal 2013年3月17日 11時〜12時30分


                      Wiener Philharmoniker

                      指揮 Zubin Mehta


                      Anton Bruckner (1824-1896)

                        Symphonie Nr. 8, c-Moll (Fassung 1890)


                      昨日と同じく

                      完璧な演奏だったので

                      もう天に上る心地。


                      だから、別にもう書かなくても良いのだけれど

                      (だったら書くな(←陰の声))


                      私の友人が、どうしてもブルックナーだけはダメというので

                      ブルックナーの楽しさの理由だけ書いておきたい。


                      まずはナマのブルックナーは

                      CD とかと全く違って


                      大音響


                      大音響は他にショスタコーヴィッチなんかもあるけれど

                      (で、ショスタコーヴィッチの場合、本当にうるさい(笑))

                      ブルックナーのユニソノの凄さは

                      カトリックの大聖堂で

                      でっかいパイプ・オルガンを

                      思い切り鳴らしているのを聴いている感じで

                      うるさいというよりは


                      法悦・・・・


                      友人曰く

                      「キレイなメロディが出てきたと思うとすぐに消える」


                      ええ、消えますとも。

                      でも、また出て来て、何回も何回も繰り返される(笑)

                      しかも、その時々で音色を変えて。


                      ついつい友人には

                      「ブルックナーの曲は終わると本当に嬉しい」とか

                      ポロッと言ってしまったけれど


                      盛り上がって、あ、終わりか、と思うと

                      また最初から始まるという繰り返しが

                      延々と続いた後

                      本当に終わると、本当に嬉しい(こらこらこらっ!)


                      金太郎飴という例えもあるけれど

                      まぁ、ブルックナーの交響曲は

                      どれを取っても同じような味がするのは確かだが


                      1曲の中に出てくるメロディが

                      同じ曲の中で、編成を変え、形を変えて

                      めくるめくように出てくるのは

                      ある程度聴き込んで

                      構成がわかるようになってくると

                      これも楽しい。


                      ついでだが

                      どこかの本で読んだけれど

                      ブルックナーはハダカでないと作曲できなかったそうで(笑)

                      写真で見ると、マジメで謹厳なオジサンが

                      真っ裸で机に向かっている様を想像すると


                      おえっ 


                      じゃなくて、ちょっと笑えるシーンでもある。


                      しかし、今回のウィーン・フィルの金管

                      特にホルンの巧さには、本当に舌を巻いた。

                      誰が演奏していたのか

                      私の席からは全く見えなかったけれど

                      優秀なプレイヤーが出てくれるのは嬉しい限り。


                      というワケで

                      午前中、法悦に浸ったワタクシは

                      これから、午後のコンサートに出かけてきます。



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