Musikverein Großer Saal 2013年3月31日 19時30分〜21時15分
Frühling in Wien
Wiener Symphoniker
指揮 Fabio Luisi
テノール Roberto de Biasio
司会 Barbara Rett
Giuseppe Verdi (1813-1901)
Ouvertüre zur Oper "Nabucco" (1842)
Ouvertüre zur Oper "I Vespri Siciliani" (1855)
"Quando le sere al placido" Arie des Rodolfo
aus der Oper "Luisa Miller" (1849)
Giacomo Puccini (1858-1924)
Intermezzo au dem 3. Akt des Drama lirico "Manon Lescaut" (1893)
"E lucevan le stelle" Arie des Cavaradossi aus dem 3. Akt der Oper "Tosca" (1900)
Giacchiino Rossini (1792-1868)
Ouvertüre zur Oper "Guilliame Tell" (1829)
Ottorino Respighi (1879-1936)
"Feste Romane", symphonische Dichtung (1866)
行く気はなかったのに
最後の最後で、かなり良い席が残っていたのに気がついて
ついつい買ってしまった・・・・
ファビオ・ルイージがウィーン交響楽団の首席指揮者として振る
最後のコンサートになったのは
恒例の「ウィーンの春」コンサート。
いつも行かないので知らなかったが
舞台の上と、オルガンの横に
これでもか、という位の花が飾ってあって
ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートと張り合ってますか?(笑)
来ているのは、ほとんどが観光客。
安い席の私の周囲には
イースター休暇で来ているらしいドイツ人が数人と
あとは中国人の団体で占められている。
プログラムは派手派手のイタリア・プログラム。
しかも司会付き(ため息)
私はコンサートの司会は好きじゃない。
せっかく音楽を聴きに来ているのに
ワケのわからん解説なんか、別に聞きたくない。
ヴェルティのナブッコ前奏曲から
シチリア島の夕べの祈りの前奏曲。
ヴェルディ苦手と自覚する前に
両方とも、国立オペラ座で鑑賞しているけれど
ウィーン交響楽団の力一杯のドラマティックな演奏がスゴイ。
コアなクラシック・ファンとは言いがたい聴衆に
こんな凄まじい演奏を聴かせるなんて
さすがに職人集団。
金管のソロが見事だし
強弱の付け方も、イタリアらしい劇的な表現で
あんなに力一杯序曲を演奏されたら
私が歌手だったら、すぐに逃げるぞ。
ルイーザ・ミラーのアリアでは
ローベルト・デ・ビアシオが登場。
スタイル良いし、背もそこそこあって
(例の席なので顔は見えない(笑))
オペラの舞台だったら、結構見応えのありそうなテノール。
声は豊かで、かなり響いて
身体全体が鳴っているので、後ろでもよく聴こえる。
オペラ座じゃないんだから
そこまで声を張り上げなくても・・・とは思ったけれど
陶酔しながら、時々、テノールの泣き節まで含めて
かなり聴かせる声である。
オーケストラがかなり音響をあげても
埋もれずに聴こえるテノールは貴重だ。
カヴァラドッシの「星は光りぬ」を蕩々と歌い上げて
立派なのだが
あの陶酔感は、楽友協会ではちょっと・・・
しかしまぁ、優秀なオーケストラだわ、ウィーン交響楽団。
ルイージが指揮台に立つと
ますますプレイヤーが張り切るようで
しかも、ほとんど演奏しないオペラの序曲とあって
みんな、大張り切りで演奏しているのが見える。
私自身としてはイタリア・オペラが苦手なのだが
音楽的にやっぱりヴェルディとかプッチーニとかは
歌える曲なので、音楽性に優れたプレイヤーには面白いのだろう。
ルイージまで口を開けて歌いたそうにしてるし(笑)
ウイリアム・テルの序曲も見事で、いや、降参・・・
でも、私が楽しみにしていたのは
後半のレスピーギの「ローマの祭り」
演奏の前に、司会とオーケストラの代表が
ルイージに感謝の記念メダルと
ウィーン交響楽団のプレイヤーの寄せ書きを渡すという時間があったが
ルイージは黙ってもらっただけで
自分から何も言い出さず、すぐに指揮台に上がったのは
好感が持てる。
(お喋りな指揮者だと、そこでマイクを握って
ありがとうだの何だの、無意味な事を喋り出すのだが(笑))
そうだよ、音楽家は音楽で表現するのが仕事であって
舞台で喋っちゃいかんのだ(偏見)
レスピーギの3部作の中で
ローマの祭りは、一番ぶっ飛んでいる曲だと私は思う。
ほとんど狂気というか
先鋭的で、ポリフォニーたっぷりで
音に色と立体感があって
こういう難しい曲を
ウィーン交響楽団の職人プレイヤーが演奏すると
いや、もう、とんでもない演奏になる。
楽友協会のホール一杯に
原色の色とポリフォニーの絡みが溢れて
力一杯のフォルティッシモがキラキラ降ってきて
ああ、至福の時間・・・ ♡♪♪♪
こういう力一杯の演奏の後って
何かまた司会が出て来て、アンコールか何かやったみたいだが
もう、あの音響の嵐に翻弄されると
それ以上、何も聴きたくない。
・・・というより、実はオフィスに仕事を残して来たままなので
そのままオフィスに帰って、明け方まで仕事を片付けたのだが
(ついでだが、今日は日曜日で
イースターの連休でもある。でも、2日の出張で仕事が溜まっている)
別にウィーン交響楽団でイタリア・オペラを聴きたいとは思わないが
巧いコンサート・オーケストラが
その技量を存分に活かしてイタリア・オペラを演奏すると
ああ、こんなに凄くなるんだ、という
楽しい2時間だった。
ところで、ウィーンはまた雪だよ!?
イースターになって
本来は春になる頃なのに
今年は、まだまだ寒い・・・ でも、やっと気温はプラスになった。