Wiener Staatsoper 2012年10月31日 19時30分〜22時15分
Wiener Staatsballett
ROMEO UND JULIA
Ballett in drei Akten nach William Shakespeare
演出・振付 John Cranko
音楽 Sergej Prokofjew
舞台 Jürgen Rose
指揮 Cuillermo García Calvo
キャピュレット家
キャプレット Thomas Mayerhofer
キャプレット夫人 Dagmar Kronberger
ジュリエット Irina Tsymbal
ティボルト Eno Peci
パリス Greig Matthews
ジュリエットの乳母 Eva Polacek
モンタギュー家
モンタギュー Igor Milos
モンタギュー夫人 Alena Klochkova
ロメオ Mihail Sosnovschi
マキューシオ Richard Szabó
ベンヴォーリオ Alexandru Tcacenco
ヴェローナの大公 Lukas Gaudenrnak
ロレンス修道僧 Christoph Wenzel
ロザリーネ Favia Soares
ジプシー Ketevan Papava, Rafaella Saint`Anna, Franziska Wallner-Hollinek
カーニバルのダンス Attila Bakó, Maria Alati, Emille Drexler
Marat Davletshin, Marcin Dempc
ユリの乙女たち Maria Alati, Alice Firenze, Alena Klochkova, Anna Mendakiewicz,
Laura Nistor, Reina Sawai, Yuki Sento, Rui Tamai
ロメオとジュリエット 第4回目
ええ、しつこい性格ですとも。それが何か?(開き直り)
だが、この回だけは、どうしても観たい理由があった。
だって、ロメオをミハイル・ソスノフスキ
ジュリアをイリーナ・ツィンバルが踊る唯一の回なのである。
(写真は国立バレエ団公式サイトから拝借)
美女と野獣・・・というのは、どんなに親しみを籠めても
あまりに失礼な言い方ではあるが
限りなく美人で可憐で小柄で美しいイリーナと
王子さま役の対極に位置する
大柄で顔が大きくて野生児のミハイルの組み合わせを
配役表で見た時には
バレエ監督のルグリ、ナニを考えてる?! (・.・;)
と一瞬、頭の中が空白になった。
ミハイルは、かなり以前に
白鳥の湖で王子さま役を踊った事があって
(たぶん、ザネラ時代なので、入団した直後だろう)
その時に、はれ〜、何だ、このカンチガイは、という違和感があって
ただ、運動能力はむちゃくちゃ高い天才なので
その後、マイヤーリンクでブラートフィッシュを踊った時には見事にこなし
キャラクターに合うけれど
それだけでは、あの抜群の能力がもったいないなぁ、と思ったら
モダン・ダンスになってから、グイグイ伸びてきて
(クラシックよりモダンの方がピッタリ合う!)
フォルクス・オパーの「牧神の午後への前奏曲」の時に
無骨な野生児が、不器用なりに女性に惚れちゃって
でっかい顔と、筋肉隆々でっかい身体で
華奢な女性に、恥じらいながら寄っていくその様が
ううううううっ、 か・わ・い・いっ!!!!!!
そうか、これ、ロメオを踊るための訓練だったのかしら?
ミハイルは顔がでかい。
イリーナとデュエットして、顔が並ぶと
おおお、2倍とは言わないが、1,8倍くらいの差がある。
が、牧神の午後への前奏曲で養った演技力がモノを言って
ワイルドなのに、恥らっているところが
も〜、むっちゃくちゃカワイイのである。
白い役ピッタリの王子さまタイプの通常のロメオなら
何も考えずに、そのまま自然にジュリアと恋仲になるところを
ミハイルのロメオは
俺は惚れちゃったけど
え? 本当に俺で良いの?
俺みたいな、ハンサムでない男でも愛してくれるの?
うわ、俺、どうしよう。本当? 本当?
ああ、良いの? 本当に? 嬉しいよ、俺っ!!!
(100%妄想)
・・・ うう、いじらしいっ!!! (胸キュンキュン)
しかも、ミハイルは
ただ顔が大きいワイルド男というだけではなく
運動能力という点から見れば
他のバレエ・ダンサーと比べても群を抜いている。
回転はキマルわ、難しい技を安定してしっかりこなすし
スピードも勢いもあるし
顔が大きくて足があまり長くない(身長はある)なんて
個性として際立つだけで、全く弱点に見えない。
芸術の世界って(いや、芸術だけに限らないけれど)
神さまは不公平で
スタイルとか顔とか才能とか
本当に生まれつき決まっているものがある。
それを磨くのは各自の努力ではあるけれど
努力だけではどうしようもない要素も、間違いなく存在する。
が、ミハイルって凄い。
体型とか顔つきとか、自分で変えられない部分を
突出した運動能力を生かした上に
努力(と経験?)でしか身につけられない演技力で
とうとう、クラシック・バレエの「白い役」を
通常のダンサーの「白い役」とは全く違った側面から
自分のものにしてしまった。
弱点を克服、というのではなく
弱点を逆手に取って、役を自分のモノにしてしまったという
うわ、こういうロメオありかよ?
やられたっ!
という、思いがけない感激。
イリーナは、ワタクシ的には美人ナンバー・ワンの一人で
ちょっと目の辺りのメイクが濃過ぎたのが気になったけれど
ミハイルとのコンビが素晴らしい。
また、ミハイルも、ティボルト役のエノも
モロに役に没頭しちゃって
決闘の場面では
ウィーン国立バレエ団の野生児2人の果たし合い(笑)
いや、かなり本気でやってなかったか?(爆笑)
ミハイルの演技力は
ラブラブの場面だけではなく
他の場面でも、真に迫って
マイムの仕草も表情も
目が離せない程に惹きつけられる。
たまにオーケストラが
え〜っ、ちょっと待て、今のソロの音外しなぁに?というのがあって
(フルートは以前、ウィーン交響楽団にいた首席が吹いてた。巧かった)
ちょっと弱かった部分と、乱れた部分があったけれど
まぁ、それはそれで(笑)
ミハイルとイリーナのカップリングって
キワモノだなぁ、と思ったし
確かに
「ハンサム王子さまと可憐な美女」の
単純なラブラブ・ストーリーにはなっていないけれど
その分、演技力でリアリティが増して
深みがあって
しかも、バレエとして
身体のカタチと動きが
揺るぎない技術で完成されている。
う〜ん、ミハイル、ワタクシ、惚れました(きっぱり)
自分を知った上で
本来ならば苦手であるべき役を
ああいう形でモノにしてしまった才能に
私は、ただただ脱帽するだけである。
ロメオとジュリア、11月にもう1回あって
チケットも買っていたのだけれど
最後の公演の日に、現代音楽とぶつかったので
今年の鑑賞はこれが最後になる。
何回観ても、その度に、最後、涙まみれになってしまう私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
11月1日はヨーロッパの祝日。
バレエの後、友人と深夜3時まで話し込んだ私は
次の日、完全に二日酔い f(^^;)
Wiener Staatsballett
ROMEO UND JULIA
Ballett in drei Akten nach William Shakespeare
演出・振付 John Cranko
音楽 Sergej Prokofjew
舞台 Jürgen Rose
指揮 Cuillermo García Calvo
キャピュレット家
キャプレット Thomas Mayerhofer
キャプレット夫人 Dagmar Kronberger
ジュリエット Irina Tsymbal
ティボルト Eno Peci
パリス Greig Matthews
ジュリエットの乳母 Eva Polacek
モンタギュー家
モンタギュー Igor Milos
モンタギュー夫人 Alena Klochkova
ロメオ Mihail Sosnovschi
マキューシオ Richard Szabó
ベンヴォーリオ Alexandru Tcacenco
ヴェローナの大公 Lukas Gaudenrnak
ロレンス修道僧 Christoph Wenzel
ロザリーネ Favia Soares
ジプシー Ketevan Papava, Rafaella Saint`Anna, Franziska Wallner-Hollinek
カーニバルのダンス Attila Bakó, Maria Alati, Emille Drexler
Marat Davletshin, Marcin Dempc
ユリの乙女たち Maria Alati, Alice Firenze, Alena Klochkova, Anna Mendakiewicz,
Laura Nistor, Reina Sawai, Yuki Sento, Rui Tamai
ロメオとジュリエット 第4回目
ええ、しつこい性格ですとも。それが何か?(開き直り)
だが、この回だけは、どうしても観たい理由があった。
だって、ロメオをミハイル・ソスノフスキ
ジュリアをイリーナ・ツィンバルが踊る唯一の回なのである。
(写真は国立バレエ団公式サイトから拝借)
美女と野獣・・・というのは、どんなに親しみを籠めても
あまりに失礼な言い方ではあるが
限りなく美人で可憐で小柄で美しいイリーナと
王子さま役の対極に位置する
大柄で顔が大きくて野生児のミハイルの組み合わせを
配役表で見た時には
バレエ監督のルグリ、ナニを考えてる?! (・.・;)
と一瞬、頭の中が空白になった。
ミハイルは、かなり以前に
白鳥の湖で王子さま役を踊った事があって
(たぶん、ザネラ時代なので、入団した直後だろう)
その時に、はれ〜、何だ、このカンチガイは、という違和感があって
ただ、運動能力はむちゃくちゃ高い天才なので
その後、マイヤーリンクでブラートフィッシュを踊った時には見事にこなし
キャラクターに合うけれど
それだけでは、あの抜群の能力がもったいないなぁ、と思ったら
モダン・ダンスになってから、グイグイ伸びてきて
(クラシックよりモダンの方がピッタリ合う!)
フォルクス・オパーの「牧神の午後への前奏曲」の時に
無骨な野生児が、不器用なりに女性に惚れちゃって
でっかい顔と、筋肉隆々でっかい身体で
華奢な女性に、恥じらいながら寄っていくその様が
ううううううっ、 か・わ・い・いっ!!!!!!
そうか、これ、ロメオを踊るための訓練だったのかしら?
ミハイルは顔がでかい。
イリーナとデュエットして、顔が並ぶと
おおお、2倍とは言わないが、1,8倍くらいの差がある。
が、牧神の午後への前奏曲で養った演技力がモノを言って
ワイルドなのに、恥らっているところが
も〜、むっちゃくちゃカワイイのである。
白い役ピッタリの王子さまタイプの通常のロメオなら
何も考えずに、そのまま自然にジュリアと恋仲になるところを
ミハイルのロメオは
俺は惚れちゃったけど
え? 本当に俺で良いの?
俺みたいな、ハンサムでない男でも愛してくれるの?
うわ、俺、どうしよう。本当? 本当?
ああ、良いの? 本当に? 嬉しいよ、俺っ!!!
(100%妄想)
・・・ うう、いじらしいっ!!! (胸キュンキュン)
しかも、ミハイルは
ただ顔が大きいワイルド男というだけではなく
運動能力という点から見れば
他のバレエ・ダンサーと比べても群を抜いている。
回転はキマルわ、難しい技を安定してしっかりこなすし
スピードも勢いもあるし
顔が大きくて足があまり長くない(身長はある)なんて
個性として際立つだけで、全く弱点に見えない。
芸術の世界って(いや、芸術だけに限らないけれど)
神さまは不公平で
スタイルとか顔とか才能とか
本当に生まれつき決まっているものがある。
それを磨くのは各自の努力ではあるけれど
努力だけではどうしようもない要素も、間違いなく存在する。
が、ミハイルって凄い。
体型とか顔つきとか、自分で変えられない部分を
突出した運動能力を生かした上に
努力(と経験?)でしか身につけられない演技力で
とうとう、クラシック・バレエの「白い役」を
通常のダンサーの「白い役」とは全く違った側面から
自分のものにしてしまった。
弱点を克服、というのではなく
弱点を逆手に取って、役を自分のモノにしてしまったという
うわ、こういうロメオありかよ?
やられたっ!
という、思いがけない感激。
イリーナは、ワタクシ的には美人ナンバー・ワンの一人で
ちょっと目の辺りのメイクが濃過ぎたのが気になったけれど
ミハイルとのコンビが素晴らしい。
また、ミハイルも、ティボルト役のエノも
モロに役に没頭しちゃって
決闘の場面では
ウィーン国立バレエ団の野生児2人の果たし合い(笑)
いや、かなり本気でやってなかったか?(爆笑)
ミハイルの演技力は
ラブラブの場面だけではなく
他の場面でも、真に迫って
マイムの仕草も表情も
目が離せない程に惹きつけられる。
たまにオーケストラが
え〜っ、ちょっと待て、今のソロの音外しなぁに?というのがあって
(フルートは以前、ウィーン交響楽団にいた首席が吹いてた。巧かった)
ちょっと弱かった部分と、乱れた部分があったけれど
まぁ、それはそれで(笑)
ミハイルとイリーナのカップリングって
キワモノだなぁ、と思ったし
確かに
「ハンサム王子さまと可憐な美女」の
単純なラブラブ・ストーリーにはなっていないけれど
その分、演技力でリアリティが増して
深みがあって
しかも、バレエとして
身体のカタチと動きが
揺るぎない技術で完成されている。
う〜ん、ミハイル、ワタクシ、惚れました(きっぱり)
自分を知った上で
本来ならば苦手であるべき役を
ああいう形でモノにしてしまった才能に
私は、ただただ脱帽するだけである。
ロメオとジュリア、11月にもう1回あって
チケットも買っていたのだけれど
最後の公演の日に、現代音楽とぶつかったので
今年の鑑賞はこれが最後になる。
何回観ても、その度に、最後、涙まみれになってしまう私に
どうぞ1クリックをお恵み下さい。
11月1日はヨーロッパの祝日。
バレエの後、友人と深夜3時まで話し込んだ私は
次の日、完全に二日酔い f(^^;)