クラシックの疎外感 (ものすご〜い生意気ネタ)

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    いつも書きたかったのだが
    あまりに毒舌過ぎるだろう・・・と遠慮していたテーマ。

    読者全員から反感を買うのは承知の上(きっぱり)
    ついでに、当事者からは、ものすごい反発を喰らうに違いない(きっぱり)

    でも、書きたい!!! o(><;)(;><)o ジタバタ

    よって、これ以上、私の毒舌を聞きたくない方は
    本日は、これにてお引き取り下さい。

    (しかも、むちゃ長いし)





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    ナマの楽しみ

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      ・・・という妖しげなタイトル ( ;^^)ヘ..

      今週は3月1日・2日ともにコンサート行きを予定していたのだが
      出張のため、行けなくなってしまった。

        良いんです、それがサラリーマンの宿命だから(涙)

      でも、3月1日のウィーン交響楽団のコンサート
      同じプログラムを、2月29日に演奏する ・・・・ のだが

      2月29日の夕方は、ホテルのサイト・インスペクションの予定が入っている。

      う〜ん (-"-;)

      29日の午後遅くに

         ゴホゴホ (>,<) ううう、気分悪い (O.O;)
         今日の夜のホテルのインスペクション
         とてもこんな状態では行けません

      ・・・・ って断ったら、社内的にマズイだろうか。
      マズイだろうな、ヤバイだろうな・・・・ でも、でも、でも ・・・

         という不埒な考えは
         音楽ファンであれば、わかってくれると思う (けど、ダメ?)

      で、コンサートに行かないと、書くコトがない。
      楽しい言動をしてくれる家族もいないし
      朝から夕方まで仕事だし
      仕事は、ブログに書く事でもないし

      じゃぁ、例の大問題について書けば? という声も聞こえてくるが
      あまりに大問題なので、ブログには書かない方が良いですよ、という
      常識を備えたエージェントさんからの助言もあったので
      書くのは止める。だいたい、今でも胸が痛いのだ(涙)

      で、生意気ネタだけど
      全然生意気じゃなくて、やっぱり芸術ってナマが良いよね〜って

      そんな事を書いても、何も目新しい事でもなく
      このブログの読者は
      そんなこと、とっくに知ってるぜ、という方々ばかりだろうが

      でも、同じ意見を持っていらっしゃる方が多ければ
      そうだよね、って共感して下さる方もいらっしゃるのではないかと・・・・(弱気)

      世の中、デジタル化が激しくて
      この間のコンサートの時も、iPad をずっと上から翳して
      コンサートの最初の15分くらい、ばっちり録画していたカップルがいたし

      カメラ取り出してパチパチ写真撮る人も、たくさん居る。
      邪魔にならなければ、別に良いのだけれど(フラッシュだけは止めようね)
      肖像権や、知的所有権の問題は
      もっと取り上げられても良いと思う。

      ただ、いつも思うのだけれど
      コンサートに来て、コンサートを聴かずに写真やビデオを撮っている方

      あなた方は、とっても残念な事をしてますよっ!!!

      だって、音楽は瞬間の芸術である。

      録音技術のなかった頃は
      ラジオもレコードもカセット・テープも CD もウォークマンも mp3 もなくて

      その場で演奏されて、その場で消えゆく音を
      いとおしみながら、愛でたのである (たぶん)

      音楽が、記録されて、いつでも好きな時に聴けるものでは(本来は)なくて
      瞬間の芸術である事は、コンサートに行くたびに思い知る。

      で、私は刹那的というか、その瞬間だけで消えさるものに
      とてつもない愛着を感じるのだ。

      ヨーロッパ文化圏のキリスト教歴史観などでは
      もっと持続的な物に重点を置くのかもしれないが

      知ったことか! こちらは日本文化だ。
      徒然草や方丈記や、平家物語の文化に生きているのである(ホントか?!)
      ゆく河の流れは絶えずして、の世界なのだ(ホントか?!)

      時間概念については、哲学的に様々な論議があるが
      時間=変化 と考える方法もあって
      我々は、その時、その時を「生きて」いて
      その瞬間というのは永遠に戻って来ない、という事を
      ナマの音楽というのは、切実に教えてくれる。

      だから、一瞬一瞬を愛でながら生きなくちゃ、と
      コンサートでナマの音楽を聴くたびに思う (かなり生意気)

      ・・・ コンサートにハマった人って
           同じように感じる人が多いんじゃないだろうか (思いこみ)

      という、くだらな〜いネタで記事を書いちゃいましたが
      どうぞお許し下さいまし。

      29日の夜のインスペクションの前に倒れるかどうか
      マジメに考慮中の私に
      どうぞ1クリックをお恵み下さい。



      一瞬を大事に、とか言いながら
      実は惰眠を貪るのも好き、というのは矛盾してますか?(自爆)

      ウィーン交響楽団 + ズデニック・マーカル

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        Musikverein Großer Saal 2012年2月26日 11時〜12時50分

        Wiener Symphoniker
        指揮 Zdenék Mácal
        バイオリン Jan Pospichal

        Jean Sibelius (1865-1957)
          Konzert für Violine und Orchester d-moll op. 47 (1905, rev.Fassung)
        Bedřich Smetana (1824-1884)
          Auszüge aus “Má Vlast” (“Mein Vaterland”) (1882)
            Vyšehrad
            Vltava
            Šárka

        ウィーン交響楽団主催のチクルス。
        ただし、ジュネスも絡まっていて、ジュネス経由で一番安いチケット15ユーロ(^^)v

        指揮者のズデニェク・マーカルは、調べてみたら
        のだめカンタービレでセバスチャーノ・ヴィエラ役を演じたのだそうだが
        記憶にない・・・

        何故かカジモト・コンサルティングという会社が作っている
        英語と中国語のサイトがある。
        (コンサート・カレンダーを見ると、かなり古いので更新していなさそう)
        どういう顔だったっけ?という方はコチラをご覧下さい。

        シベリウスのバイオリン協奏曲のソリストは
        ウィーン交響楽団のコンサート・マスターの一人。

        内部からソリストを持って来るという形式
        ソリスト費用もかからないし
        オーケストラは頑張るし(笑)なかなかよろしい (^.^)

        バイオリンを聴くのが苦手とは言え
        シベリウスのバイオリン協奏曲などという名曲は
        メンデルスゾーン、チャイコフスキーと並んで
        聴きたくなくても聴くチャンスが多い。

        で、確かに、世界に名だたる高名で天才のソリストのバイオリンとは
        そりゃ、どうしても違うわよ。
        美しい響きで、第1楽章・第2楽章ともに、歌いあげたけれど
        第3楽章になると、テクニックを追いかけるのに精一杯、みたいな部分もあったし

        だけど、切れ味の鋭い、ソリストとオーケストラのケンカみたいな
        シベリウスを聴きなれている身に

        俺らのコンマスを引き立てようぜ!!!

        という、頑張るオーケストラに非常に好感が持てる。
        バイオリン・ソロになると
        オーケストラが自主的に音量を下げるなんていう現象も起こるし
        厳しい冬の寒さに凍る海が・・・というよりは
        ほら、梅も咲いたぞ、桜も来るぞ、みたいな
        何とも微笑ましい、温かみのあるシベリウスになっているのだ。

        はい、全部ワタクシの妄想かもしれませんが・・・(自爆)

        後半、スメタナの「我が祖国」から3曲。

        う〜ん・・・

        指揮者はチェコ人指揮者だよね?
        76歳になる人で、1968年にプラハの春が潰された時に西ドイツに亡命したと
        プログラムには書いてある。

        で、チェコ人にとって、スメタナの「我が祖国」って
        特別な曲ではないんだろうか(という思い込みをしているワタシ)

        それが、何で、スコア見ながら振ってるの?

        いや、スコア出していても、ほとんど見ない指揮者がほとんどなんだけど
        この指揮者、本当にスコア見てるのだ。
        捲って確認して、時々、捲りすぎで戻したりしてる。

        もちろん正確を期すためにスコア見ながら振ったって
        そこから出てくる音楽が、ちゃんとしたモノなら
        聴いている方に文句はないのだが

        でも、感情的に、何となく気に喰わん(ただの言いがかり)

        でも、ウィーン交響楽団って、本当にプロの職人集団で
        実に素直に指揮者に反応するし
        指揮者も、ここぞ、というところで、ガンッと力を入れてくるので

        なかなかの盛り上がり。

        城も、堂々として良かったし
        モルダウは、う〜ん、やっぱり、名曲だわ。

        木管のソロが水源を奏でるのに
        弦のピチカートが、水滴を見事に表現し
        同じメロディが弦に乗って、川として流れだすところの見事さ。

        何も、奇天烈な事はしていないのだが
        目の前に流れる川と、中間部での川のほとりの人間の風景が(妄想)
        まるで、車から見る風景のように
        あるいは、ビデオ・カメラがずっと映し出していくように
        スムーズに、途切れる事なく動いている様に魅了されてしまった。

        聴衆も感激したようで、終わって拍手。
        本当はいかんのだろうと思うのだが
        何故か、指揮者はそれを予想(期待?)していたようで
        聴衆向いてお辞儀はするわ
        見事なソロを演奏した木管を立たせるわの大サービス(笑)

        最後の曲は、チェコの民話をもとにしたそうで
        それを知らない私は、うまく一緒についてはいけないのだけれど
        スコア見ながらでも、かなり熱いエネルギーを発散させる指揮に乗って
        実に気持ち良く、音楽のストーリーを聴かせてもらった。

        ところで、チェコの作曲家って
        ドボルジャークは、アントニン・ドボルジャークと言えるけれど
        スメタナをフルネームで覚えている人って少ないんじゃないか?(笑)

        Bedřich って、下の名前に r ハチェックが入っているなんて・・・

        ご存知 r ハチェックは、世界で最も難しい子音で
        舌を震わせるエル(これだって日本人には難しい)とジュと同時に発音するという
        まぁ、ドボルジャークだって Dvořák と、r ハチェックが入っているのだが。
        (だから、ドボルザークではない。ドボジャークというのが近い)

        スメタナのフルネームは、聞くとベドジフ・スメタナというのが一番近い。

        ・・・と、ちょっとくだらない事に思いを馳せてしまった私に
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        コンサート後は大雨だったのだが
        その後、造形美術アカデミーで、知り合いのガイドさんから
        1対1の贅沢なガイディングをしてもらった後は
        また青空が広がっていた。春が待ち遠しい。





        テレマコ 第2回目鑑賞 突然の代役で口パク騒動

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          Theater an der Wien 2012年2月24日 19時〜21時50分

          Telemaco
          Dramma per musica in zwei Akten (1765)
          Musik von Christoph Willibald Gluck
          Libretto von Marco Coltellini

          指揮 René Jacobs
          演出 Torsten Fischer
          舞台 Vasilis Triantafillopoulos, Herbert Schäfer
          照明 Diego Leetz
          ドラマツルギー Herbert Schäfer

          ウリッセ Rainer Trost
          テレマコ David DQ Lee
          メリオーネ Anett Fritsch
          アステリア Valentina Farcas
          ツィルチェ Alexandriana Pendatchanska
          ペネロペ・預言者(俳優) Anna Franziska Spna

          オーケストラ Akademie für alte Musik Berlin
          コーラス Arnold Schoenberg Chor

          初演鑑賞記は ここ

          2回行く予定は全くなかったのだが
          今年の演目のチケットを買っていなかったかと焦って
          入手した後で、ありゃ、これ2回目か・・・・という大ボケ。

          ウィーン劇場のドアのところに張り紙。

           本日はベジュン・メータの病気のため
           David DQ Lee がテレマコ役を歌う事になりました

          へっ???
          まぁ、歌手の風邪というのは、よくあるのだけれど
          まさか初演の酷評で落ち込んだワケではないだろうな。

          会場に入るとオーケストラが音だしをしている。
          初演の時は、ホルンがマーラーの交響曲5番のフレーズを吹いていたし
          今日はフルートが、牧神の午後への前奏曲をピアニッシモでこっそり練習している。

          おいおい、キミたち、バロック・オーケストラじゃなかったんかい?!
          いやいや、お茶目なオーケストラ (^O^)

          開演前に立つ劇場支配人、もちろん歌手の変更を伝えるためだが
          何と、今日は、それだけではなかった。



           ベジュン・メータは重い風邪のため、歌も演技もできません。
           テレマコという珍しい、ほとんど上演されないオペラの
           カウンター・テノールを見つけるために、私どもは最大限の努力をして
           シュヴェツィンゲンの音楽祭でテレマコを歌ったカウンター・テノールのリー氏に
           昨日、夜の8時に連絡がつきました。

           まぁ、その、あの、シュヴェッツィンゲン音楽祭のテレマコは
           私どものテレマコと全く同じ・・・というワケではないのですが

           リー氏は、本日、朝5時に起きて、最初のフライトでウィーンに到着しました。
           すぐにルネ・ヤコブスと打ち合わせをし、オーケストラとリハーサルをしたのですが

           今回の私どものテレマコのプロダクションは、大変、大規模なものです。
           今までに全くなかった形式を使っております

           よって、リー氏はオーケストラ・ボックスに入ってもらい
           テレマコ役は、演技を熟知している演出助手にやってもらう事にしました。



          ひえ〜、口パクですか?! (*_*)

          以前、フォルクス・オパーの「3つのオレンジへの恋」の時も
          口パクがあったけれど、あれは、歌手は舞台袖で歌っていた。

          で、今回の歌い手はオーケストラ・ピットである。
          舞台の上に乗るより、ずっと音が抑えられてしまうだろうし
          舞台は見られないし、何とまぁ、タイヘンな役目を引き受けたものだ。

          結果的には、すべて良し。
          思いがけない代役で、しかもオーケストラ・ピットだったにもかかわらず
          舞台上の歌手とのアンサンブルが
          全く破たんせず、バランス良く聴こえて来たのは、ルネ・ヤコブスの腕か。

          さて、初日の公演はワタクシ的には絶賛だったし
          ブラボー・コールが飛び交ったものの
          プレッセのシンコヴィッツは、むちゃ辛辣な酷評を書いていて

          もちろん、それに踊らされた・・・かもしれないけれど

          確かに、舞台は素晴らしい。
          舞台装置も(批評では「ブレゲンツ音楽祭に使えそう」・・・あっはっは確かに)
          回転盤と鏡と照明とで、シンプルに、でも大がかりで美しい。

          歌手も最高だし(今日の DG リー氏だって、かなり良かった!!!!)
          まぁ、演出助手氏は、さすがに歌詞までは覚えていなかったらしく
          口は半開きにしたまま、表情がない(そりゃ無理だわ)
          できれば、ちょっと、オーケストラ・ピットから歌が聴こえる時には
          少なくとも「歌ってます、本当は」くらいの演技はして欲しかった。

           ・・・が、ご本人にしてみれば
              まさか、自分が指導した演技を
              自分自身で舞台でやる事になるとは、想像もつかなかっただろう(笑)

          ツィルチェ役の Alexandriana Pendatchanska は
          ますます劇的表現の力を増して
          決して「美声」のメゾではないのに、ともかく圧倒される。

          Rainer Trost は、ますますマッチョ振りを発揮しているし
          Anett Fritsch の美声と声量には、惚れ惚れする。

          ただ、シンコヴィッツが書いている通り
          これ、グルックの作品の中では、どちらかと言えば、駄作(断言)

          コロコロ転がるバロック風のアリアが少ないと言うよりは
          何だか、何もかもが中途半端で
          アリアも、結構、投げやりというか
          適当に耳当たりの良いメロディをくっつけちゃえ、という感じで

          最後が終わったんだか、何なんだか、よ〜わからん。
          (強いて言えば、ウィーン版モーツァルトのドン・ジョバンニのような心地悪さ)

          ハプスブルクのヨゼフの結婚式のために作曲されたオペラだと言うが
          結婚式のオペラに、不倫の話かいっ!!!???

          第1回目の鑑賞で、舞台装置や歌手、オーケストラの見事さに打たれたけれど
          最初に感激した部分の印象が弱くなってみると

          確かに、音楽的に見て、う〜ん (-"-;) というオペラなのだ。

          バロック・オペラの復興は、とても喜ばしい事ではあるのだけど
          このオペラを上演するのであれば
          以前、上演された素晴らしい出来のイフジェニーあたりを
          もう1度、上演してくれた方が嬉しかったかもしれない。

          バロック・オペラも玉石混合であって
          え〜い、てきと〜に作っちゃえ、という作品があっても不思議はないし
          (第一、当時は音楽は、かなり贅沢な消費の対象だった)
          グルック自身も、250年後に、この作品が上演されるなんて
          思ってもみなかったに違いない(と断言する)

          でも、初演時に書いた通り
          舞台装置・演出・歌手・オーケストラともに
          素晴らしいプロダクションになっている事は間違いがないので

          まぁ、1回くらいは観に行っても、損はないと思う(急に弱気)

          同演目の2回観は、最初の印象が残るだけに
          色々な別の側面が聴こえてきて、それが面白い・・・と
          それなりに納得している私に
          どうぞ1クリックをお恵み下さい。



          ウィーンも急に暖かくなってきて、ともかく眠い。
          前半の途中から、音楽聴きながら、ぐっすり眠っていた。
          よって、本日は、愛してるだの忘れないだのの
          ウリッセのたわごとは聴かずにすんだ(ってそんな問題じゃないが・・・)

          ウィーン交響楽団 + ハンス・グラーフ 2回目

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            Musikverein Großer Saal 2012年2月23日 19時30分〜21時35分

            Wiener Symphoniker
            指揮 Hans Graf
            トランペット Håkan Hardenberger

            Igor Strawinsky (1882-1971)
                  La Baiser de la fée, Divertimento für Orchester
            Henri Tomasi (1901-1971)
                  Konzert für Trompete und Orchester
            Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                  Symphonie Nr. 6 h-Moll, op. 74 “Pathétique”

            本日は、いつもの席で、立てば指揮者は見えるはずだが
            指揮の動きに囚われず、音楽だけに集中してみたくなった。

            ストラヴィンスキーの「妖精のキス」
            昨日聴いたので耳慣れした、という理由が一番だろうが
            いつものウィーン交響楽団の、明るい輝かしさが聴こえてきて
            ちょっと良い気分。

            リズムの複雑な絡み合いを
            職人集団が「ふん、お茶の子サイサイだぞ」という感じで
            軽く流してくれるのも楽しい。

            トマジのトランペット協奏曲も
            昨日で流れは大体掴めているので
            今日は、トランペットの光るような音の色の変化と
            それに絡みつく木管・金管・弦・パーカッションに意識が集中できる。

            同じコンサートに続けて行くというと
            アホじゃないか、と言われるが

            知っている曲なら、2回の違いがわかるし
            知らない曲なら、2回目は、耳慣れして段取りがわかっているから
            楽しみ方もまた違ってくる。

            それに、ナマの音楽って、本当に、その場限りで消失する
            実に贅沢な時間の芸術なんだもん。

            後半のチャイコフスキー。
            遅いテンポで、ゲネラル・パウゼも長めに取って
            途中で、グイッとテンポを上げるところに
            やっぱりオーケストラが完全に付ききってはいないけれど
            指揮者の意図は、何となくわかる(ような気がする)

            不思議に不安定な「悲愴」なのである。
            テンポが揺れて揺れて
            「悲愴」的な感情よりも、もっと、何か底深い際限のない不安感。

            ただ、第2楽章のワルツが

            おおお、やっぱりオーストリアの指揮者とオーストリアのオーケストラ(笑)

            実に優雅なウィンナー・ワルツになってしまうのは
            これは、もう避けられない運命というか(爆笑)

            でも、尻もちはつかないし、しつこくなくて
            あっさりと、あくまでも軽く、羽のように飛び跳ねる音たち。

            第3楽章が・・・・ 異様だった (-"-;)

            これも第1楽章と同じように、不思議なリズムの揺れ方で
            かなり早めのテンポですっ飛ばすのだが

            普通、この第3楽章って
            爆発的に元気な行進曲・・・・・ じゃなかったっけ?(単純人間)

            4拍目が、微妙に遅れる感じがするのだ。
            だから、全体的なリズムが、4拍なのに、ユラユラして不安定で
            行進曲っぽく、元気に聴こえない。

            フォルティッシモで爆発する部分のエネルギーは凄いのだが
            それも、明るい爆発ではなく
            やるせなさでもなく

            聴いていて、ともかく底なしの不安定感、不安感に駆られる。

            いや、それは、私の精神状態が不安定だからでしょう・・・・
                 という解釈もあるだろうが ( ;^^)ヘ..

            最終楽章も、嘆きとか言うんじゃなくて
            何だか、ちょっと、この演奏

            コワイです

            底知れぬ不安感を煽られるのだ。
            何だ、これは??????

            指揮者やオーケストラが、そういう意図だったのか
            私が勝手に自分の精神状態に照らし合わせて
            深読み解釈してしまったのかは不明だが

            いつも聴いているような、いわゆる「名曲」で
            あんなに不安定な不安感を覚えたのは、久し振り。

            好き・嫌いはともかくとして
            あの不安定感は、一種、特殊な印象を残す。

            今日のコンサートで
            ちょっと離れた席だったが
            男女のカップルが、iPad で、最初の15分くらい
            ず〜っと録画していて
            その後も、音楽を聴いているんだか、いないんだか
            ずっと iPad を弄っていて
            チャイコフスキーの途中でチャイムなんか鳴らしやがって(怒)

            ナマの音楽と、CD やコンピュータで聴く音楽に関しては
            一度、また別記事として、生意気ネタで取り上げる予定の私に

            どうぞ1クリックをお恵み下さい。



            自己嫌悪と落ち込みついでに
            ダイエットを始めてみた。
            とことん自己嫌悪と付き合ってみるか(なんちゃって)

            ウィーン交響楽団 + ハンス・グラーフ 1回目

            0
              Musikverein Großer Saal 2012年2月22日 19時30分〜21時35分

              Wiener Symphoniker
              指揮 Hans Graf
              トランペット Håkan Hardenberger

              Igor Strawinsky (1882-1971)
                   La Baiser de la fée, Divertimento für Orchester
              Henri Tomasi (1901-1971)
                  Konzert für Trompete und Orchester
              Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
                  Symphonie Nr. 6 h-Moll, op. 74 “Pathétique”

              オーストリアの指揮者で2001年からヒューストン交響楽団の首席になっている
              ハンス・グラーフがウィーン交響楽団の指揮台に立ってのコンサート。

              ストラヴィンスキーの、あまり知られていない妖精のキスに
              ホーカン・ハーデンベルガーを迎えて
              アンリ・トマジの有名なトランペット協奏曲。

              で、後半がチャイコフスキーの「悲愴」ですか???

              よくわからないプログラム構成だが
              面白いと言えば面白いかも (←楽観主義者)

              ストラヴィンスキーの作品は
              本人が監修した22枚の CD を持っているのだが
              うわ、この曲、予習してない。ま、良いか(イイカゲン)

              ・・・というワケなので、感想は書かない(自爆)

              アンリ・トマジの曲は、ここでトロンボーン協奏曲は聴いた事がある。
              ハーデンベルガーのトランペットは、2回 (ここここ)舞台で聴いている。

              トマジの曲、面白い。
              トナールで、とても華やか・・・というより
              いわゆるビッグ・バンド系の要素がかなり入っていて
              クラシックの現代音楽として聴くと
              俗っぽい部分が多いのだが、でも、その分
              聴きやすくて面白いし、退屈しない。

              ハーデンベルガーのトランペットは、芸術的でヴィルトゥオーゾ。
              本当の凄さは、自分で演奏する人にしかわからないだろうが (^^ゞ

              音が澄んでいて、無理がなくて、あっさり聴こえるのに、深い。
              音色が目まぐるしく変化する。

              こういう、ヴォルトゥオーゾのために作曲された曲って
              後世にも残るのかもしれないなぁ。
              だいたい、誰か、その楽器が巧い人のために作曲されたものって
              何故か、昔から残っていて、演奏される機会も多いし。

              さて、後半、チャイコフスキーの「悲愴」

              ああ、この曲、私はナマでいったい何回聴いたことやら。
              でも、オーケストラにしてみたら
              僕らはいったい、何回、この曲を舞台で演奏したことやら・・・という感じだろう。

              こういう名曲を持ってきて
              こと名曲に関しては飽和状態で
              聴き飽きているような悪擦れした聴衆を感動させるのは
              かなり至難の技だと思う。

              始まりは、遅めのテンポ。
              うわ、この人、かなり、ねっとり、しつこく歌わせようとしているな。

              で、アゴーギクがかなり凄い。
              遅めからテンポを上げるのに、まだオーケストラが巧く着いていかない。
              いや、テンポは上がっては行くのだが、ちと反応が遅い。

              ゆっくり目の部分と、早めの部分が、忙しく交互する。

              ウィーン交響楽団は、良い意味でも悪い意味でも
              いわゆる「職人集団」的なところがあるので

              指揮者のグラーフが、妙なる表情を作って、ソロに指示を出しても
              ソロ楽器は「そんな事、とっくにわかっとるわい」という感じで
              実に上手いソロを聴かせてくれる。

              特にクラリネットのソロ、抜群。
              安い席だから、誰が吹いているかはわからないけれど
              妙なるピアニッシモの音で、しかも表情豊かで、素晴らしい!!!

              第3楽章は、かなり早いテンポを取ったけれど
              何せ、フェドセイエフの超特急演奏をしてきた連中だから
              アンサンブルはビクともしない。たいしたものだ。

              テンポの緩急が激しかったし
              指揮者は、入れ込んで入れ込んで、ついでに1回だけ唸り声付きで
              割と、ウエットな、ねっとりした演奏だったけれど

              まぁ、3楽章と最終楽章では、聴衆も、それなりに「乗る」けれど
              かと言って、むちゃくちゃ感動する・・・というモノでは・・・(沈黙)

              もっとも、こういう曲って、どんな指揮者でも
              オーケストラの善し悪しはわかってしまうので
              その意味では、職人芸集団の恐るべし完璧な技を楽しませてもらったとは言える。

              指揮者も曲の解釈がしつこそうな人だが
              しつこさでは負けない私は
              明日も、同じコンサートに行く予定(笑)

              そういうシツコイ私に、どうぞ励ましの1クリックをお恵み下さい。



              例の大問題は全然解決しておらず
              結局、涙を飲んで、自己嫌悪にどっぷり浸かっているのだが
              その傷跡に余計な事を言って、塩を塗り込む奴もいるので
              ちょっと今、立ち直れない状態なので、ちょっと待ってクダサイ。

              20世紀の巨匠作品 第2回目鑑賞記

              0
                Wiener Staatsoper / Wiener Staatsballett 2012年2月20日 19時〜21時30分

                Meisterwerke des 20. Jahrhunderts

                SUITE EN BLANC (Serge Lifar / Edouard Lalo)
                Emilia Baranowicz, Ilina Chivarova, Franziska Wallner-Hollinek
                Prisca Zeisel – Alexis Forabosco – Alexandru Tcacenco
                Kiyoka Hashimoto
                Ioanna Avraam, Marat Davletshin, Marcin Dempc, Trevor Hayden, Greig Matthews
                Liudmila Konovalova
                Masayu Kimoto
                Olga Esina – Shane A. Wuerthner
                Marie-Claire D`Lyse

                BEFORE NICHTFALL (Nils Christe / Bohuslav Martinů)
                Kiyoka Hashimoto – Masayu Kimoto
                Nina Polákova – Roman Lazik
                Liudmila Konovalova – Mihail Sosnowschi
                Anna Medakiewicz – Igor Milos, Erika Kováčová – Kamil Pavelka,
                Marie-Claire D`Lyse – Attila Bakó

                L`ARLÉSIENNE (Roland Petit / Georges Bizet)
                Irina Tsymbal, Denys Cherevychko

                指揮 Markus Lehtinen  ピアノ Michael Bialk

                写真は公式サイトから拝借。
                クリックすると大きくなります。公式サイトは ここ 
                (サイトには、ビデオ・クリップあり。Videobeispiel #3 が作品)

                ウィーン国立オペラ座のバレエ「20世紀の巨匠作品」 4回目の上演。
                私はプレミエ(初演)後の2回目の鑑賞。

                超貧乏なので、ロージェ(ボックス)の3列目8ユーロの席。
                でも、立てば、舞台の3分の2くらいは
                辛うじて見えるから良いのである(開き直り)

                今回のオペラ座バレエ団は、ちと大変だったようで
                心配なのは Eno Peci の調子が悪いらしく、降板。
                で、エノが踊る予定だった「アルルの女」の代役には・・・

                デニース・チェレヴフコ(って読むんだろうか?)が大抜擢!!!!

                いや、以前から上手いと思っていた注目ダンサーだったんだけれど
                こんなに早くピンで踊るようになるとは。

                アルルの女については後述するが
                今回、私にとって嬉しかったのは

                  木本全優クンの完全復活!!! \(^O^)/

                白の組曲でのソロは
                橋本清香嬢の踊りも素晴らしかったし
                木本全優クンも、完全に復活して、伸びやかでノーブルな踊りを披露。

                更に、Before Nightfall では
                1組目のソロに、橋本・木本カップルが登場。

                癖がなく、爽やかで嫌味のないシーンを満喫 (^^)v

                白の組曲の Adage は、今回はオルガとシェーンのカップル。
                これも、正に美男・美女のカップルで
                ロマンティックな振付と相まって、もう、夢のような世界だが

                しかし、オルガ・エシナって
                踊るために生まれてきたような
                大昔のバレエ漫画の10投身くらいの細い美女そのままなのだが

                何で、あんなに悲しそうな雰囲気を漂わせるんですかね?!

                この世の不幸は、すべて私のせいです・・・というような
                悩みに満ちたダンスは
                アンナ・カレーニナとか、ジゼルのミルタ役には、ピッタリなのだが
                (以下省略)

                最初の「白の組曲」は、音楽も超コンサバ系だし
                テクニックも、クラシック・バレエの超大成(超絶技巧を含む)で
                衣装も白いチュチュ。

                オーケストラの演奏、ちょっと緩んでますが・・・
                途中、ちとリズムずれてたし。
                ダンサーも、絶好調・・・という訳ではなく
                途中、ヒヤッとした箇所も実はあったけれど、無事に終了。

                Before Nightfall に入ってから
                小編成の、弦楽器だけのオーケストラとピアノ、パーカッションで
                マルティヌーの音楽。

                出だしだけ、前の緩い雰囲気を纏っていたが
                その後は、実に見事なマルティヌーの音楽を紡ぎだした。

                ウィーン・フィルの定期演奏会で
                次のシーズンでかまわないので
                マルティヌー取り上げてくれないですかね?

                プレミエの時にも書いたけれど
                この Nils Christe の作品、実にカッコイイ。

                スピーディで、マルティヌーの音楽と寸分違わず合って
                男女のラブストーリー、絶望、希望、その他(敢えて言わない)を
                鑑賞する側に妄想する余地を与えつつ
                かなりクリアにメッセージを伝えてくる。

                で、最後の「アルルの女」

                あれ? 初演の時とオーケストラの音色が変わってる (*_*)

                初演時は、オーケストラに関しては
                ニュアンスの欠けた平板な
                しかもリキの入っていない演奏を聴いた印象があるが

                今日のビゼー、とってもニュアンスがあって
                音楽的な観点から聴いても、かなり聴き応えのある仕上がり。

                (もちろん、ド・シロートの言う事なので
                 読者は単純に、あ、そうなんだ、とか思わないように。
                 あくまでも、素人の「印象」である)

                エノ・ペチが踊るはずだったフレデリを踊ったデニース。

                このダンサー、こんなに演技が出来たっけ?????
                縋りつくヴィヴェッテを振り切って
                表情や、一つ一つの仕草が
                登場しないファム・ファタールに魅了され、翻弄される有様を雄弁に伝えてくる。

                もしかして、監督のルグリが
                客席の真ん中に、デニース好みの美女でも配置したのか?(そんなアホな)

                いや、素晴らしい。実に素晴らしい。しつこいようだが素晴らしい。

                キリル・クーラエフのフレデリは
                もっとクールな感じがして
                ああ、こいつなら、婚約者のヴィヴェッテを冷静に切って
                情熱の恋に飛び込んでいくんだろうなぁ、という冷血さが見えたが

                デニース・チェレヴフコのフレデリは
                本当にそこらへんに居そうな、普通の坊や坊やした男の子が
                突然、魔性の女に絡めとられ
                気が狂いそうに悩みながら、普通の坊やから男になり
                更に、自殺まで追いつめられる様子が
                実に自然に納得できちゃうのである。

                ヴィヴェット役は美人で可愛い、私の大好きなイリーナ・ツィンバルで
                これはこれで、むちゃくちゃ可憐で可愛くて
                健気で、献身的で、ステキなのだが

                今回は、そんな魅力的なイリーナを、デニースが「喰っちゃった」感じ。
                ただの普通の男の子が狂気に駆られていく凄まじさを
                充分、観客に伝えてきた。

                癖のない、素直なダンサーだという印象だったが
                今回のこの役で、こいつ

                  大化けしたな・・・・

                という印象(もちろん称賛・絶賛です!)

                観客も大喜びで、ブラボー・コールが飛び交う中
                デニースも嬉しそうだった。

                この演目自体は2月23日と3月3日に上演されるが
                デニースがフレデリを踊るのは、今日が最後らしい。
                (残りの2回公演は 冷血 キリル・クーラエフが踊る)

                しつこい私は、千秋楽を鑑賞予定 (^O^)
                良いモノは何回観ても感激するし
                舞台って、本当に「その場」だけのものだから良いんです(断言)

                やっぱりバレエって良いわ〜 と感激する私に
                どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                バレエを観た日のアイコンは、やっぱりハート型。うふ (^^)v
                この公演の後、とある素敵な方(♀)とお知り合いになって
                二人で、キャ〜、デニースってステキ!!!と
                コーヒーハウスで喚いたのも、楽しい時間だった。S さん、ありがとう!

                テレマコ(グルック) ウィーン劇場 プレミエ

                0
                  この前に行った2回のコンサート感想記は
                  省略版で、ココにアップしました。暇な方はどうぞ。

                  Theater an der Wien 2012年2月19日 19時〜21時50分

                  Telemaco
                  Dramma per musica in zwei Akten (1765)
                  Musik von Christoph Willibald Gluck
                  Libretto von Marco Coltellini

                  指揮 René Jacobs
                  演出 Torsten Fischer
                  舞台 Vasilis Triantafillopoulos, Herbert Schäfer
                  照明 Diego Leetz
                  ドラマツルギー Herbert Schäfer

                  ウリッセ Rainer Trost
                  テレマコ Bejun Mehta
                  メリオーネ Anett Fritsch
                  アステリア Valentina Farcas
                  ツィルチェ Alexandriana Pendatchanska
                  ペネロペ・預言者(俳優) Anna Franziska Spna

                  オーケストラ Akademie für alte Musik Berlin
                  コーラス Arnold Schoenberg Chor



                  (写真は公式サイト(ココ)から拝借。サイトには他の写真もある)

                  ウィーン劇場の新プロダクションは
                  グルックのオペラ「テレマコ」

                  誰も知りませんよ
                  そんなマイナーなオペラ!!!

                  調べてみても、ウィキでは英語とイタリア語の
                  しかも数行の解説だけで(初演の歌手とか・・・意味ないっ!)
                  筋書きとか全くないし

                  プログラムを売ろうという陰謀か? (まさか)

                  まぁ、筋はアホらしい位、ご都合主義的。

                  ウリッセ(テレマコの父)は遭難して島に流れ着き
                  そこの妖精(魔女かな?)のツィルチェに惚れられて、島から出られない。
                  そこにテレマコが、やはり遭難して、アステリアに助けられて島に父を捜しに来る。
                  同じように妹を探しに来たメリオーネと出会い
                  助け合って、ツィルチェからウリッセを救い出し
                  ウリッセ・テレマコ・メリオーネが島から脱出しようとするのを
                  テレマコが、自分を救ってくれたアステリアを捨てていけない、とゴネだして
                  喧嘩するのだが
                  実はアステリアが、メリオーネが探していた妹だった事が判明。
                  みんなに捨てられたツィルチェは島を破壊する。
                  (どうも筋書きでは、その後、他の妖精が、その島を天国にするらしいのだが
                   演出上では、もう、そこで「世界は破壊された」で終わっている)

                  私の独断・偏見で言わせてもらえば
                  この作品の主題は
                  テレマコとアステリアのラブ・ストーリーでもなく
                  テレマコとメリオーネの友情物語でもなく
                  テレマコと父のウリッセの家族物語でもなく

                     醜女の深情けは世界を破壊する

                  ・・・これに尽きる。
                        えっ?違うって? ( ..)ヾ ポリポリ

                  ツィルツェがウリッセに惚れているので
                  何とかして、愛する男を島に引き留めようとする
                  いじらしい努力が、悉く裏目に出て
                  だんだん、うらみがましく、押しつけがましくなっていくところなんか

                     身につまされる・・・(おいおい!!!)

                  だいたい、このウリッセという優柔不断オトコも
                  ツィルツェが悲しみに耐えて「自由にしてあげる」と言うと
                  ああ、君の事は愛してるよ、絶対忘れないよ ♪

                  イイカゲンにしろ、この八方美人プレイボーイ!!!(怒)

                  いや、そんな事で怒っている私もヘンなのかもしれないが。

                  ともかく腹の立つオペラである(違うって!!!)

                  舞台はシンプルな白黒で
                  真ん中部分が大きな円盤になっていて、上には鏡。

                  この円盤が上に持ちあがって、その斜面で(すごい傾斜)
                  歌手やコーラスが歌ったり演技したり
                  それが、上の鏡にも映って、かなりスゴイ事になる。

                  歌手は全員、優秀!!!

                  タイトル・ロールのベジュン・メータは
                  いつものように、満点の出来。ほんと、このカウンター・テノール、凄い。

                  メリオーネ(ズボン役)のアネット・フリッチュは
                  美声で声量があって、スタイル良くて、ズボン役にぴったり。
                  アステリア役のヴァレンティナ・ファルカスもスマートな美人で可憐なソプラノ。
                  優柔不断プレイボーイのアホを演じたライナー・トローストも
                  バリトンに響く中音域に加えて、超絶技巧も披露して素晴らしかった。

                  ツィルチェ役のアレキサンドリア・ペンダチャンスカの表現力は凄まじい。
                  演技力も抜群で、だんだん惨めになっていくと、衣装も変えるのだが
                  それよりも何よりも、声による表現で
                  ウリッセを支配する強い女王サマから
                  段々、捨て身で縋る女性に変わっていくのが、歌でわかるという凄さ。

                  最後はブラボー・コールの嵐だったので
                  新聞評にも絶賛が書かれるだろう。

                  ご都合主義で、アホオトコが、尽くしてくれた魔女を袖にして
                  (でも、口ではあくまでも「愛してるよ」とか言いながら・・・き〜〜っ (`_'))
                  家族と一緒に逃げる、という、ひどいストーリーさえ気にしなければ

                  音楽的・演出的には、素晴らしいプロダクションである。
                  たぶん、すぐに売り切れになる可能性が高いので
                  ウィーン在住で行きたい方は、即、チケット確保に走る事をお勧めする。

                  まだ、体調が最悪、精神状態も悪い私に(それでも劇場には行く!)
                  どうぞ1クリックをお恵み下さい。



                  可愛い季節バーナー、使い尽したので、たまには文字バーナーを (^.^)


                  日曜日のコンサート・メモ

                  0
                    昨日と同じウィーン・フィル+マゼールを午前11時から
                    昨日と同じトーンキュンストラーを16時から

                    同じコンサートでも、普通は別記事で書くのだが
                    何せ、私の調子は最悪である。
                    (それでもコンサートに行っちゃうというのは呆れるが(自爆))
                    朝から、ずっと偏頭痛の状態で
                    二つコンサートに行った後に、3時間のバロック・オペラに行ったので

                    コンサートについて別記事を書くだけの体力が残っていない。

                    ウィーン・フィルのコンサートだが
                    日曜日は、例の一番安い席で、2つほど席番号が違うところ。

                    あれ、バランスが昨日と違う・・・ (‥ )

                    耳慣れしたのかもしれないし
                    席が違うと、音響も違うのかもしれないけれど

                    シベリウスの7番と5番で
                    昨日のような、不協和音の違和感が薄れている。

                    全体がうねるような音の動きにまとまっていて
                    昨日のような、一種のバラバラ感を全く感じないのだ。

                    シベリウスの交響曲7番について
                    ウィーン・フィルのプログラムの解説には
                    アントン・ブルックナーが、この曲について言ったという引用があった。

                    Die Musik klinge so sehr nach Handling, Erzählung oder Programm, aber der Komponist verrate nichts darüber und gebe keine Anleitung, woran beim Hören zu denken sei. – Als ob es nicht Musik ohne solche Vorgaben geben könne, und als ob der Hörer nicht mündig genug wäre, zu entscheiden, ob er seine Phantasie aktivieren oder auf alle außermusikalischen Vorstellungen verzichten möchte !

                    ・・・何て長い文なんだ!!!(って感心するのはそこか?!)

                    この音楽は、演技や語りやプログラムのように響き過ぎる程だが
                    作曲者は、それについて全く語らず
                    鑑賞している時に、どう考えたら良いかについての示唆もない。
                    まるで、音楽が、そういう内容なしでは存在しないかのように
                    聴き手が、まだ未熟で
                    自分の想像を逞しくして聴いた方が良いのか
                    あるいは、音楽以外の想像を全く取りやめるべきなのか
                    判断できないかのようだ

                    え〜っと、翻訳文についての責任は持ちません ((((((((( -.-)

                    確かに、それらしいメロディが、何回も複雑に絡み合って
                    語るような語らないような不思議な曲である。

                    シベリウスはそれに対して、以下のように答えたそうだ。

                    Meine Symphonien sind Musik, die als musikalischer Ausdruck ohen jedwede literarische Grundlage erdacht und ausgedrückt worden ist. Ich bin kein Literaturmusiker. Für mich fängt die Musik dort an, wo das Wort aufhört.

                    私の交響曲は、文学を根底にしていない音楽表現を意図したものであり
                    音楽表現として表現されたものである。
                    私は文学音楽家ではない。
                    私の音楽は、言葉が止まったところから始まるのである。

                    ・・・この翻訳についても、文責は取りません。
                    もっと上手く訳せる方も多いでしょうから
                    違ってるぞ! という場合は、メールでお知らせ下さい。

                    こういう解説を読んでから、ナマの音を聴くと
                    こちらの受容能力も少し変ってくる(ような気がする・・・だけ)

                    いや、しかし、あの大音響をウィーン・フィルから引き出した上に

                    どんなにフォルティッシモになっても、音割れしない
                    ・・・・・って、スゴイ事だ!!!

                    そこらへんのバランスは
                    指揮者というよりは、ウィーン・フィルの特性なのだろう。

                    トーンキュンストラーは、席が空いていたので
                    ちょっとオーケストラの脇の上に移動させてもらって鑑賞。
                    (実は音のバランスはあまり良くない。が、オーケストラと指揮者が見える)

                    イソコスキーって、す・ご・い!!!
                    声は前に飛ぶから、後ろの脇ではダメだろうな、と思っていたのだが

                    あの人、身体全体が音響盤になってるんですか?!

                    という程、後ろにも響いてくるのである。しかも、かなりクリアに。
                    たまに、こういう歌手が居る。
                    身体そのものが、弦楽器のような共鳴体になっている。
                    ああああ、一流の才能って、神さまからのプレゼントなんだなぁ・・・

                    マーラーの交響曲4番では
                    最初の段階で主席ホルンのソロにミスがあったのだが
                    それをかっ飛ばすかのように、その後は完璧に演奏しまくった。

                    コントラバスの弦が突然緩んではじけた、という事故も
                    ステージ上であったのだけれど
                    緩んだ弦だけを外して、最後まで弾いたコントラバス奏者
                    あんたはエライ!!!

                    弦のアンサンブルも素晴らしい。
                    一緒に来ていた友人いわく

                    やりゃーできるじゃん

                    超一流のオーケストラは
                    どんな状況下でも、それなりの水準に達した演奏をしてしまうのだが
                    イマイチと言ったら失礼だが
                    あまり世界的に注目されていないオーケストラの場合
                    時々、とんでもない名演をしてしまうのである。

                    その場に居合わせる事の幸せは
                    コンサートに数多く通う者だけが経験できる。

                    こういうコンサートに出会うと
                    チケット代のために食費を削って
                    おしゃれもせず、外食もせず、エステも行かずというのが
                    全然、惨めとは感じなくなってしまうのだから

                    やっぱり、音楽って魔物です(断言)




                    トーンキュンストラー + オロスコ・エストラーダ 第1回目

                    0
                      例によって、土曜日はまたダブル・コンサート。
                      時系列で読みたい方は、まず こちら をどうぞ。

                      Musikverein Großer Saal 2012年2月18日 19時30分〜21時20分

                      Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                      指揮 Andrés Orozco-Estrada
                      ソプラノ Soile Isokoski

                      Claude Debussy (1862-1918)
                        Prélude à l`après-midi d`un faune (1892-94)
                      Richard Strauss (1864-1949)
                        Das Rosenband op. 36/1
                        Morgen ! op. 27/4
                        Cäcilie op. 27/2
                      Gustav Mahler (1860-1901)
                        Symphonie Nr. 4 G-Dur (1899-1901)

                      トーンキュンストラーの今回のプログラムがあまりに魅力的で
                      チケットを買っていたのに
                      また、トーンキュンストラーから宣伝メイルが来た時に
                      あら、すごく私好みのプログラム・・・・と
                      もう1枚買ってしまったという、本当にボケなのだが

                      ドビュッシーにリヒャルト・シュトラウスの歌曲
                      しかも、ソリストはイソコスキーで
                      後半がマーラーの交響曲4番なんて
                      実に私好みのプログラムだと思いません? (#^_^#)

                      もともと買っていた安いチケットは友人にもらってもらい
                      イソコスキーが歌うなら、贅沢してバルコンの正面席 (^^)v
                      贅沢ですよ〜、だって、16ユーロ20セントもしたもん!!!

                      午後のウィーン・フィルの重たいシベリウスに当たった耳に

                      ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」が、何と優しい・・・

                      しかも、軽いのである。
                      色彩に溢れて・・・・までは言わないが(笑)
                      オーケストラの音色が羽のように軽く、空気に溶けていく。

                      リヒャルト・シュトラウスの歌曲。
                      イソコスキーのソプラノ、本当に秀抜。
                      可憐で鮮やかで、しかも、この人、アルトの音域まで響くのだ(ビックリ)

                      だから低音がとても美しく、ソプラノになれば妙なる美声で
                      張り上げる事なく、オーケストラと一体化する。

                      ただ、う〜ん、トーンキュンストラーのコンサートってチケット安いから
                      どうしても、クラシック音楽ファン以外の層も
                      楽友協会「見たさ」に入って来てしまうのは避けられないのだけれど

                        コンサート・マナーを知らない人が
                        率先して曲と曲の間で拍手するな!!!(怒)

                      Das Rosenband の後の拍手は、まぁ、許せない事もないが
                      Morgen! の、あの、得も言われぬ余韻の時に拍手した奴は許せん!!!

                      Cäcilie のオーケストラの華やかさ
                      喜びに溢れたイソコスキーの熱唱。
                      最後の3点Cの美しさ(しかも、張り上げていない!!!)

                      ああ、天国・・・ (T_T)

                      ところが、本当の驚きは、休憩の後でやってきた。

                      マーラーの交響曲4番。

                      エストラーダとトーンキュンストラーのマーラーは
                      デビュー公演での1番が CD になっていて
                      これが、もう若さ爆発、元気一杯という楽しい演奏。

                      4番も、元気一杯、若々しく演奏するかな?

                      美しい指揮の動きで、多少早めのテンポ設定
                      リズム感溢れて、躍動する出だしの後に

                      何と美しいアゴーギク・・・ 

                      ゆるりと優雅に奏でられるモーツァルトのごとき天上の調べ。

                      かと思うと、突然の転換で激しい部分が躍動して
                      時々、ゾッとするような暗い音色がオーケストラに現れる。

                      エストラーダって、いつの間に
                      こんな地獄のような、恐ろしい表現が出来るようになったの????

                      天国と地獄の間を、音楽に翻弄されて、眩暈がする。
                      あくまでも音楽的に、奇を衒っている訳でもなく
                      俺サマ主張も全く見えないのだが

                      これが、もしかしたら、マーラーが本来持っている矛盾の本質?!

                      ・・・で、何で第1楽章が終わると、拍手が出ちゃうんですか??(涙)

                      グロテスクなスケルツォは、ポリフォニーのバランスが抜群。
                      あくまでも、室内楽曲のように、クリアに聴こえてくる。スゴイ。

                      アダージョの天国的な美しさ。
                      そりゃ、こういう弦アンサンブルだったら
                      ウィーン・フィルの方が巧いとか言い出す人がいるだろうが

                      いや、トーンキュンストラーの弦のアンサンブル
                      エストラーダの棒で、しっかり、ピッタリ合って
                      考えられない程、ソフトな響きを奏でている。
                      こんなにこのオーケストラって上手かったっけ???
                      (って失礼な (゜゜☆\(--メ)ポカッ)

                      そして、第3楽章の途中で、ソレは起こった。

                      フォルティッシモがピアニッシモに聴こえる・・・(愕然)

                      マーラーがフォルティッシモを鳴らしながら
                      それがピアニッシモに聴こえるように、という意図を持っていたらしい
                      というのは、以前から聞いてはいたけれど

                      まさか、それが本当に聴けるなんて・・・

                      第2楽章終了後は、さすがに拍手は出なかったけれど
                      アダージョの後でイソコスキーが登場したら
                      また拍手が出ちゃうだろうか、と心配していたら

                      アダージョのフォルテの部分で、そっと入ってきて
                      アダージョからアタッカで「天国の生活」に突入。

                      これがまた・・・
                      天国と地獄を行き来するような
                      せわしい第1楽章のテーマに、焦燥感が如実に表れ
                      それに被さるように、今度は天国の歌が聴こえてくる。

                      恐ろしいくらい、音楽に翻弄されるのに
                      誇張は全くなくて、あくまでも音楽として淡々と演奏されているのだ。

                      楽曲の途中で拍手してしまう聴衆のうち
                      今日、エストラーダとトーンキュンストラーが
                      いったい、何をやったのか
                      本当にわかった人は何人いたんだろうか。

                      こんな演奏を聴いちゃったら

                      エストラーダとトーンキュンストラーで
                      マーラーの交響曲9番を演奏する事を許可する

                      と、ついつい言いたくなる(何て偉そうな上から目線(笑))
                      でも、本当にこの調子でやってくれたら
                      そう遠くない将来に、実現するかもしれない。

                      エストラーダが2009年・10年のシーズンに常任になって2年。
                      エストラーダの音楽が変わってきた。
                      トーンキュンストラーの音も変わってきている。

                      これからの変化がどう起こっていくか
                      聴衆としては、ものすごい楽しみが一つ増えた。

                      落ち込みは続いているし
                      すっきりと解決しそうもない状態なのだけれど
                      それでも、コンサート行きで頑張る私に
                      励ましの1クリックを、どうぞよろしくお願いします。



                      本当にハート・ドキドキ・バクンバクン状態なのだが
                      明日の日曜日、全く同じコンサートを聴いて
                      (もちろん、ウィーン・フィルとトーンキュンストラー)
                      それから、オペラに行く体力が残っているだろうか・・・・(呆)

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