クリーブランド管弦楽団 + ヴェルザー=メスト

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    Musikverein Großer Saal 2011年10月31日 19時30分〜21時30分

    The Cleveland Orchestra
    Wiener Singverein
    指揮 Franz Welser-Möst
    ソプラノ Malin Hartelius
    ソプラノ Juliane Banse
    テノール Martin Mitterrutzner
    バス Ruben Drole

    Richard Strauss (1864-1949)
         Metamorphosen – Studie für 23 Solostreicher, AV 142
    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
         Messe c-Moll, KV 427

    はいはい、読者の言いたい事はよくわかる。
    何で、こんなに、ワタクシ好みでないプログラムのコンサートに行ったかって・・・

    だって
    クリーブランド管弦楽団だし
    指揮者がフランツ・ヴェルザー=メストだし ( ..)ヾ

        どうせ、私はミーハーです(開き直り)

    だいたい、このシーズン、派手な曲は演奏してはいけない、という
    不文律がヨーロッパにはある。

    11月1日が、いわゆる日本で言えば「お盆」
    死人が、大挙して、この世の様子を見に来る(らしい)ので
    死者に敬意を表して・・・かどうかは知らないが
    お祝い事とかは行わず
    静かに、過去の死者を悼むシーズンである(らしい)

    という事で
    リヒャルト・シュトラウスのメタモルフォーゼンは
    第二次世界大戦の末期の、崩れゆく過去の世界に対する悲しみの曲だし
    後半は、モーツァルトのミサ曲(ハ短調)

    メタモルフォーゼンは弦楽だけの曲。
    美しい・・・ とても美しいのだが
    やっぱり、かなり沈鬱な曲だ。

    (それでなくても、仕事でちょっと色々とイライラしたり
     ショックだったりする事があって、落ち込んでいるところに
     美しいけれど、この暗い曲って、泣きっ面に蜂。
     これは、私の勝手な、個人的理由である)

    ヴェルザー=メストらしく、沈着冷静に、正確に音を刻んでいく。
    このオーケストラの弦、ちょっと暗めのヨーロッパ的な音がするのは
    メストの趣味によるものだろうか?

    後半はモーツァルトの、しかも、ミサ曲。
    ・・・・ うう、もう、何も言うまい (と言いつつ書いちゃう)

    いや、ミサ曲とは言え
    これ、たぶん、営業モード、バリバリですから(笑)

    独断偏見を書いてしまうなら(皆さまの非難轟々は甘んじて受けます)
    ミサ曲というのは、言ってみれば

     (キリスト教の)コマーシャル・ソング

    であって、毎週日曜日に
    如何に説得力があって、大衆ウケする曲を演奏して
    神さまなるものの実体を、何とか信じさせようという
    絶え間ない努力の一環だと思う。

    (ついでだが、教会建築も、祭壇画も同じ意図を持つ。
     それで、キリスト教文化は発達して来たのだから
     それはそれで、大変に意義のある事である)

    ミサ曲だから
    キリエ、グローリア、クレド、サンクトゥス、ベネディクトスと
    定番が続くのだが

    ハ短調ミサなのに
    何か、すごく、この曲、全体的に明るいんですが (・_・")?

    ミサ曲というより、何だか、モーツァルトのオペラ・ブッファでも聴いているみたい。
    とても劇的だし、エネルギッシュだし
    ちょっと楽しい・・・
    (不謹慎だが、所詮は異教徒ですから、どうぞお許しあれ)

    ソプラノはビッグ・ネームが2人揃ったが
    Laudamus te での、バンセの最初のソロ
    声にビブラートかかり過ぎだし、上ずってるし
    すごく音程が不安定に聴こえて
    おおお、この人、大丈夫か? と心配になったが
    だんだん調子を取り戻したようで
    最後は透明な声で美しい掛け合いを聴かせてくれた。

    マリン・ハルテリウスの、バロック的なアジリタたっぷりのソロは
    技術的にも高いし、良いとは思うけれど

    何せ、この間、セルセでバロックのアリアを完璧に歌う連中を
    たっぷり堪能したばかりで・・・ それに比べれば(以下省略)

    でも、この曲は、ソロ部分はそんなに多くない。
    圧巻なのは、コーラス部分であって
    これは、いつもの Wiener Singverein が、素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれた。

    圧倒的なコーラスが前面に出るので
    オーケストラの技量とか、エネルギーに関しては
    何も現時点では言えないのだが
    同じオーケストラ、まだ、11月4日・5日に
    別プログラムでコンサートがあるので、その時には
    もっともらしいウンチクを垂れるチャンスがあるかもしれない。

    リヒャルト・シュトラウスのメタモルフォーゼンでは落ち込んでいたが
    不思議にも、モーツァルトのミサ曲で、立ち直って元気になってしまった私に
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    (モーツァルト聴きながら、寝てたからだろう、と思った方
     ちょっとだけ正解。モーツァルトを聴くと、反射的に寝てしまう .。o○)

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    そう言えば、ハロウィーンとかだったっけ。
    カボチャ料理は、かなり食べたけど(笑)

    ウィーン・フィル + ジョルジュ・プレートル

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      Musikverein Großer Saal 2011年10月30日 11時〜13時

      Wiener Philharmoniker
      指揮 Georges Prêtre

      Franz Schubert (1797-1828)
          Symphonie Nr. 7, h-Moll, D 759, “Unvollendete”
      Anton Bruckner (1824-1896)
          Symphonie Nr. 7, E-Dur, WAB 107

      ウィーン・フィルのソワレ。
      レーゲンスブルク、ローマ、ヴェローナと続いたコンサートの最後。

      土・日の定期と違って1回だけだし
      以前から狙っていたのだが
      取れた席は

       
         舞台の上 (+_+)


      演奏が見えなくても気にならないが
      (オーケストラが見えるような良い席は高いので縁がない)
      舞台上は、音響が悪い。
      前に金管やパーカッションが来たら、エライ事で
      モロに隣にコントラバスがズラリと並んで、低弦しか聴こえなかったりするし

      ううう、音響だけを考えるなら
      立ち見席でも良かったかも、と一瞬考えたが
      でも、いつものオルガン・バルコンより高いチケットだし・・・ブツブツ (-。-)

      しかし、実際に一番奥に座ってみると
      恐れていた程、音響は悪くない。

      もちろん、バランスとして最適とは言わないが
      前がティンパニ(と後半はシンバル・・・でも1回だけ)だったし
      本当に一番奥だったので
      (たぶん)客席からも見えない。

      で、前に座った2列の観客と
      ティンパニ奏者の間を通して
      指揮者の顔だけが見える (^^)v

      ジョルジュ・プレートル、今年87歳。
      まだ矍鑠としていて元気な 前世紀の遺物 巨匠である。

      比較的あっさりと始まったシューベルトだが

        美しい・・・・(絶句)

      シューベルトは苦手な筈の私の耳に
      何の不自然さもなく、スッと抵抗なく入ってくる。

      後半のブルックナー、交響曲7番。

      う〜ん、何てこれも美しい・・・・(絶句)

      ここ数年、プレートルを追いかけているけれど
      この指揮者、本当に、もう「好きで好きで好きで」
      それだけで指揮している、というタイプ。

      ネルソンスだって同じタイプだが
      (ただ、ネルソンスはまだヤンチャ坊主である)
      プレートルは、既に出来上がった自分の音楽をしっかり持っていて
      それを演奏させたいがためだけに生きているような感じ。

      たった1時間くらいの曲なのに
      時間が異様に延びたような
      音楽の中に永遠を閉じ込めたような
      何とも不思議な印象を残す。

      ブルックナーの交響曲というのは
      どれを取っても金太郎飴だし(だいたい始まりが全部同じだ!)
      テーマ一つを、しつこく、しつこく、更にしつこく展開させる。

      ベートーベンの伝統に則り、テーマと展開、というカタチがあるけれど
      かと言って、ベートーベンほど革新的な部分は何もなくて
      ともかく、マジメで様式美があって
      テーマがあって、そのテーマが、これでもか、これでもか、まだこれでもか、という
      微妙なところで音色や構成を変化させながら
      しつこく、しつこく、しつこく、しつこく(以下省略)

      好き嫌いは分かれるだろうし
      あのしつこさがイヤ、という人は多いのだが

      しかし、しつこさを取り除いてみると
      何とも伝統的で、ロマンティックで
      あの、マジメで面白味のない顔(と生涯)からは想像もつかない
      とんでもない(しかも一種、非常に古臭い)美しさが飛び出してくる。

      7番を聴きながら
      現世と彼岸の間を、行ったり来たりしているような気持ち。
      あの美しいしつこさを聴いていると

      あぁ、もしかしたら、あの世って本当にあるのかも・・・

      宗教的な意図は当然あるのだろうし
      神への捧げもの、という意味での音楽の特性もよく伺えるし
      マーラーのように、一種、キリスト教を越えてしまったようなところはなくて
      あくまでも、カトリックの伝統的な範囲内に収まっているのだが

      それでも、何だか、めちゃくちゃ心を打つ。
      プレートルが、純粋な音楽に対する愛だけで振っていて
      それにまた、オーケストラが、ものすごい情熱を籠めて応えていたからかもしれない。

      沈着冷静を目指すワタクシとしては
      音のバランスも悪い席だし、まぁ、適当に聴いておこう、と思っていたのに
      何か、思わずノセられてしまって f(^^;)

      ものすごく感動した(脱帽)

      書いていて、何となく照れる私に
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      冬時間が始まって、日本との時差は8時間。
      これからどんどん暗くなるし、寒くなる。
      週末に冬タイヤに交換したから、いつ雪が降っても大丈夫 (^^)v



      ウィーン交響楽団 + アンドリス・ネルソンス

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        Musikverein Großer Saal 2011年10月29日19時30分〜21時40分

        Wiener Symphoniker
        指揮 Andrís Nelsons
        ピアノ Leif Ove Andsnes

        Ludwig van Beethoven (1770-1827)
           Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1, C-Dur, op. 15
        Gustav Mahler (1860-1911)
           Symphonie Nr. 1 D-Dur

        近くのコンツェルトハウスでは、アルディッティ弦楽4重奏団のコンサートがあって
        どちらに行こうか、身を切られるような選択だったが
        今回は、ネルソンスの勝ち。

        ベートーベンのピアノ協奏曲1番。
        別に感慨はないけれど(こらこら!)
        第3楽章の元気の良いところで
        途中に、ドスン・ドスン、という音がする。

        ああ、激太りしたネルソンスが、指揮台の上で跳ねてるんだろうなぁ。
        (舞台は見えないのでわからないが、間違いないと思う)

        ベートーベンはともかくとして
        アンコールに、ちょっとドッキリ。

        和音が繋がれていくのだが
        音は柔らかいのに、中心にちゃんと核がある上
        音色に濁りがない・・・ (*_*)

        あらま、このサラッとした透明感は何????

        今回のワタクシ的メイン、マーラーの交響曲1番。

        正面からネルソンスを見ると
        グラフェネックの時より、少しはスマートになった。

        が、1年前の若い好青年というイメージと比べると
        やっぱり、デブである。

        着ている服も、何だかピラピラの、喉元の開いた
        黒の長袖のポロシャツ???

        動きが激しいから、ポロシャツ1枚の方が楽なのだろうが
        あまりに、あまりに、あまりにカジュアル過ぎませんか?!

        会場が静まり返るのを待って
        ものすごいピアニッシモの弦で始める。

        うお〜、この人の表情、面白い・・・というより、百面相だ、これ。
        マジメでシリアスな表情をすると
        正にそれは

          ゴリラ

        しかも、身体を小さく縮めるので、むちゃ人相悪い、ヘンな人になる。

        で、曲調が変わってフォルティッシモになると
        輝くような笑顔になって
        めちゃくちゃ嬉しそうに、ジャンプはするわ、伸びあがるわ
        そこから、太陽がキラキラ光り輝くような、別人と化す。

        指揮のテクニックも、面白い動きをたくさんするので
        見ていて、非常に楽しいのだが
        ピアニッシモの、ものすごく出だしが難しいところのアインザッツは見えにくい。

        最初から最後まで、入魂の指揮振り。
        ともかく、この人、音楽を作るのが、好きで好きで、好きでたまらないのだろう。

        で、その情熱的な音楽作りに
        オーケストラが、今一つ、着いていっていない(爆)

        いや、ソロの多少のミスとかは目を瞑るし
        さすがにプロだから、ちゃんと、それなりに演奏はしているのだが
        編成の問題なのか、音が薄いし、硬いのである。

        アンズネス出演のためか、ネルソンス出演のせいか
        今回は舞台上に、かなり観客席を作っていたので
        その分、もしかしたら、マーラーの交響曲の出演者数に制限がかかったのかも。

        低弦はよく響いていたけれど
        バイオリンの音が薄い(ピアニッシモ部分が多いからかな)

        ネルソンスは、もっとオーケストラを歌わせたかったのではないか。
        オーケストラは、マジメで職人芸たっぷりなのだが
        ただ、それだけで、強弱はあるけれど、歌いきれていない。

        いやいや、でも、それは
        ネルソンスの大袈裟な指揮振りに触発されて
        私が勝手に頭の中で鳴らしていた音楽が
        実際に出てくる音と齟齬をきたしたのかもしれないが。

        強弱が激しく、かなりの溜めも作って
        指揮の動きは、あくまでも激しく(顔の表情も)
        大袈裟で、大仰で、派手なのだが

        それが、全部、無邪気、というベースに乗っているので
        イヤミがないというか
        天才の子供が、楽しく楽しく楽しく振っている、という印象。

        あの指揮振りだけを見ると
        私が頭の中で作ってしまったように
        もう少し、歌うオーケストラを想定していたような気がするが
        ウィーン交響楽団も、きっちりと、ソコソコには着いていったし
        ちゃんと、金管も咆哮したし
        人数が少なかっただろうに、大音響もきっちり出した。

        大音響で無理やり、聴衆を感激させてしまう、という音楽に
        私は抵抗があるのだけれど

        でも、ちょっとだけ、胸が熱くなってしまったのも事実。

        ネルソンスは、「お子ちゃま」から脱出しておらず
        (音楽的・技術的には素晴らしいものがある)
        それが、微笑ましく思えるか
        イヤミに見えるかは、それぞれの好みだろう。

        もう少し、ダイエットしてくれて
        以前の好青年の体型に戻ってくれるなら
        私は、あの、とことん無邪気なスタイルを高く評価する。
        (要は何も考えていない。ともかく、音楽が好き、という・・・)

        後で「アルディッティ、すごく良かったわよ」と知り合いから聞かされ
        悔しさに涙が出そうになったけれど
        まぁ、あの、お子ちゃま指揮者の、熱い指揮振りを堪能できたから
        今回は楽友協会で正解だった。

        ウィーン・モデルン現代音楽祭にも
        もちろん、出来るだけ行くぞ、と固い決心をしている私に
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        ウィーンでも、コンピュータ・マウス買うのに一苦労。
        旧市街ケルントナー通りの周辺の電気屋さんは
        洋服屋さんや、バッグ屋さんに化していた・・・・
        (別の場所に行って、何とか入手。ああ良かった (^^))


        ウィーン放送交響楽団 + マイスター ウィーン・モデルン

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          Wiener Konzerthaus Großer Saal 2011年10月28日 19時30分〜21時40分

          Wien Modern Eröffnungskonzert
          ORF Radio-Symphonieorchester Wien
          指揮 Cornelius Meister
          Friedrich Cerha
          Spiegel I-VII

          例年のごとく、突然読者数が減少する
          ウィーン・モデルン現代音楽祭のオープニング・コンサート。

          ただ、残念ながら?今年の11月は
          他にも素晴らしいコンサートが多くて
          例年楽しみにしているアルディッティ弦楽4重奏団のコンサートも
          ウィーン交響楽団+ネルソンスに負けて、今年は行かない。
          (ううう、残念過ぎる。何で重なるんだよ・・・(号泣))

          しかし、本日、私は疲れている。
          朝からザルツブルクに出張して
          ホテル・ザッハーのコーヒーハウスに(久し振り)に入ってみた。



          現代では珍しいくらい、品の良い、正に伝統的なコーヒーハウスで
          写真は撮れなかったが、ウエイトレスさんが

          ここはメイド・カフェでしょうか?

          という伝統的なお仕着せのメイド服なのである。

          座って、朝食メニューが来るまで3分。
          オーダーを取ってくれるのに5分。
          その後、コーヒー来るのに5分。
          更に、クロワッサンが来るのに3分。
          その更に後に「どんなジャムがよろしいでしょうか?」
          (そんなの、オーダー時に聞けば?(怒))
          で、ジャムとバターが来て、全部揃ったのが
          座ってから20分という、まぁ、時間の流れが止まったようなカフェだから
          それで良いのかもしれないが
          アポイントメントを控えている身としては、かなり焦った。

          で、持ってきてくれたジャムの蓋には




          恐れ多くも、アントン・ブルックナーの顔が・・・・

          いやいや、前置きが長かったが
          ウィーン・モデルン現代音楽祭のオープニング・コンサートに戻る。

          今年のウィーン・モデルンの焦点の1つは
          オーストリアの現代作曲家、フリードリヒ・ツェルハ。
          (今まで、チェルハだとばかり思っていたら
           挨拶をした人が、みんな、ツェルハと言っているので、ツェルハが正しいらしい)

          今回演奏される Spiegel I-VII は
          以前、コンツェルトハウスで全曲通しての初演があった時に聴いて
          かなりショックを受けて、ものすごくビックリした曲だった。

          が・・・

          シツコイが、私は疲れている。
          (別にメイド・カフェの毒気に当てられたワケではない(自爆))
          で、疲れている時に、一気に7曲演奏して、1時間40分かかる曲で
          しかも、メロディもリズムもない
          音響のお遊びのような(失礼)巨大なモニュメンタルな曲を聴くのは

          無理(あっさり)

          だいたい、集中力が全く続かない。
          シロウトに、アトナールのモティーフが聴き取れるはずもなく
          すごい作曲技法を盛り込んだ(盛り込み過ぎた)
          めちゃくちゃ複雑な曲を
          オーケストラと指揮者が
          実に繊細に、細かい部分まで、しっかり刻んで、丁寧に演奏しているのはわかる。

          が、スゴイな、とは思わせても
          それが感動に繋がる・・・というのがなくて
          これは、ただ単に私の体調が悪くて
          この巨大な作品を受け入れるだけの精神力がなかったからである。

          音楽聴くのに精神力が必要、というのも、まぁ、考えモノではあるが(自爆)

          オープニング・コンサートなので
          ウィーン・モデルンの担当者や、ウィーンの文化担当の政治家が挨拶に立つ。
          その中で、ウィーン・モデルンの創始者の一人の挨拶が
          飛び抜けて面白く、示唆に富んでいた。

          現代音楽について書くと読者が減るし、ランキングの順位も下がるのだが
          我々は、現代に生きているのである。
          現代に生きる音楽ファンが、現在の音楽状況を知らずしてどうする!(恫喝)

          確かに、現代音楽はヘンだが
          それを言ったら、ベートーベンだって当時はヘンだった。
          ストラヴィンスキーなんか、もっとヘンだった。

          だから、ヘンな現代音楽だって
          もしかしたら、後世に残って名曲になるものもある(かもしれない)

          どんな芸術だって、やっぱり観賞者は必要だ(と思う)
          カンディンスキーの抽象画だって
          マレーヴィッチのシュプレマティスムだって
          最初は、みんなワケがわからなかった (今でもワケがわからんが)

          自分でも何を書いているか、ワケがわからなくなってきたので止める。
          でも、現代音楽、そう嫌わないでクダサイ。
          聴いてみると、かなり面白いモノもあるのだ。

          今年はどんな驚きに出会えるか
          ちょっとワクワクしている(でも疲れている)私に
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          ザルツブルクは晴れて、紅葉(黄葉?)が美しかった。
          仕事までの時間で、コンピュータのマウスを買ってしまおう、と
          市内を歩いたのだが
          あの街には、洋服屋さんと宝石屋さんしかないのか!!!!(怒)


          セルセ (ヘンデル)ウィーン劇場 2回目(千秋楽)

          0
            Theater an der Wien 2011年10月27日 19時〜22時30分

            Serse
            Dramma per musica in drei Akten (1738)
            Musik von Georg Friedrich Händel
            Libretto nach Niccolò Minato und Silvio Stampiglia

            指揮 Jean-Christophe Spinosi
            演出 Adrian Noble
            舞台 Tobias Hoheisel
            照明 Alan Burrett

            セルセ Malena Ernman
            アルサメネ Bejun Mehta
            ロミルダ Adriana Kučerová
            アタランタ Danielle de Niese
            アリオダーテ Anton Scharinger
            アマストレ Luciana Mancini
            エルヴィロ Andreas Wolf

            オーケストラ Ensemble Matheus
            コーラス Arunold Schoenberg Chor

            あんなに長いバロック・オペラを
            もう1回、観賞する、というのもナニかなぁ、という気はしたのだが

            2回目の観賞が、1回目より楽しめたというのは
            やはり、このプロダクションの出来がタダモノではないのだ。

            始まる前に劇場関係者がマイクを持って舞台に立つ。
            ・・・ ううう、不吉な予感。

             「ご心配なく。公演はちゃんと行われます。
              ただ、ロミルダ役のクチェロヴァが風邪をひいて
              今のところ、声は出ますが
              もしかしたら、時々、不調のところがあるかもしれません」

            くそ、ベジュン・メータが、風邪をうつしたな!!!(笑)
            カップルでラブシーンが多かったから
            ウイルスがうつるのも、まぁ、仕方がないかもしれないが。

            でも、思ったより支障はなくて
            ベジュン・メータのカウンター・テノールも、本日は好調。
            クチェロヴァも、この間と同じように
            カワイイ声で、明るいソプラノを、しっかり聴かせてくれた。

            2回目の観賞は、細かいコトに色々と気がつく。

            第1幕の終わりは
            全員が「失恋」(一部は誤解による)になって
            それぞれに、失恋の歌を歌うのだが

            いや、ヘンデルってスゴイ。

            各登場人物が、それぞれの性格にピッタリの「失恋」を歌うのだ。
            セルセは怒りに任せての激情的な歌だし
            弟のアルサミネは、諦観に満ちた悲しい歌。

            ほうほう、こんな細かいところにも、ちゃんと性格分けが・・・

            第2幕で、アルサミネとロミルダが晴れて結ばれる場面。

            普通だったら、ここで2人のラブソングになるはずだが
            うわ、このオペラ、ここでラブソングにならん!!!

            甘ったるいラブソングの代わりに
            恋する男を姉に取られたアタランタのアリアだ (+_+)

            演出や舞台がわかっている分
            劇の内容やアリア、構成などの優れている部分に
            いくつも気がついて

            いや、これ、演出も良いし
            (アホらしい筋で、けっこうダラダラするのだが
             それを退屈させないような工夫があちこちにある)
            歌手はめちゃくちゃ揃っていて素晴らしいし
            オーケストラも指揮者も、文句のつけようがない。

            今回の席は天井桟敷だが
            (でも、奮発して1列目。乗り出せば見える)
            この間、舞台脇のロージェ奥で聴いた時は
            ほとんど聴こえて来なかったテオルベとチェンバロが
            音が上に上がって、よく聴こえてくる。

            で、これが聴こえると
            おおおおおっ、テオルベの音色を何て巧く使っているんだろう・・・
            と、またまた感心してしまうのだ。

            ううう、こういう体験をしてしまうと
            同じ演目に何回行っても
            いや、何回か行く事によって気がつく発見が多いので
            ついつい、また同じモノを観たくなってしまう。

               今日が千秋楽で良かった (^。^;)ホッ
               というより、もう1回か2回は観たかったなぁ・・・

            ウィーン劇場は、建物は古いし
            床は真っ直ぐではないし、席もヒドイし
            (長時間、座っていると、身体の何処かが痛くなる)
            クロークは狭いし
            クロークのスタッフはとろいし
            トイレの数は少ないし

            ハード面から見れば
            正直、ウィーンで最もヒドイ劇場と断言しても良いと思うのだが

            ソフト面が、あまりに、あまりに素晴らし過ぎる!!!

            1回目は、長いなぁ、と思ったけれど
            2回目は、本当に、アッという間に時間が経ってしまった。
            あああ、何て楽しい・・・・というより
            こんな冗長なバロックのオペラを
            現代の観客に、バッチリ楽しませる演目にしてしまった
            劇場関係者(音楽家ももちろん含む)の手腕に

            ただただ、脱帽 (^o^)ゞ

            と、感激しまくっている私に
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            マウスが壊れてしまって、まだ買えていない。
            (仕事中に買物に出るワケに行かないし
             夜はオペラだったし・・・・(涙))
            何とか週末に買わないと、不便で仕方がない・・・


            ラ・シルフィード ウィーン国立バレエ (プレミエ)

            0
              Wiener Staatsoper 2011年10月26日 19時〜21時15分

              LA SYLPHIDE

              Ballett in zwei Akten nach Filippo Taglioni
              構築と振付 Pierre Lacotte
              リブレット Adolphe Nourrit
              音楽 Jean-Madeleine Schnetzhoeffer

              指揮 Peter Ernst Lassen
              ラ・シルフィード Irina Tsymbal
              ジェームス Roman Lazik
              エフィー Nina Poláková
              グエン Kamil Pavelka
              マッジ Andrey Kaydanovskiy
              アンナ Eva Polacek
              パ・ド・ドゥ Maria Alati, Mihail Sosnovschi
              ソロ・シルフィード Marie-Claire D`Lyse, Alena Klochkova, Andrea Némethová

              ウィーン国立バレエ団、今年のプレミエは
              古典中の古典、ラ・シルフィード。

              フィリッポ・タリオーニとか、うわ〜、バレエの歴史に出てきたぞ。
              ポワントを最初に使ったロマンティック・バレエとかだった。

              ラ・シルフィードの振付はオーギュスト・ブルノンヴィルの方がポピュラーだが
              今年のウィーン・バレエは、何とオリジナルのタリオーニを持ってきた。

              ルグリ監督がテレビで、ウィーンのバレエ事情について

               「モダンに関しては、ウィーンにはイム・プルス・タンツがあるし
                だからと言って、あまり古典ばかりでもダメだろうし
                現在は、私がパリで踊ったレパートリーを持って来ているが
                ウィーンの聴衆に、どういうバレエが好まれるのか
                まだ試行錯誤中」(意訳)

              と言っていたが
              キリアンやバランシンやロビンスを取り上げた後に
              タリオーニのラ・シルフィードというのも、なかなか大胆な試みではある。

              さて、一ヶ月くらい前に
              初演のジェームスを、当初予定されていたラツィックではなく
              木本全優が踊る、というニュースが業界で飛び交ったのだが
              蓋を開けてみれば、やっぱりローマン・ラツィックに戻っている。

              う〜ん、何かやっぱり内部で色々あったんだろうなぁ。
              あの世界も、「主役を取るなんて! ママにいいつけてやる」とか
              トゥシューズに画鋲を入れて「ミハイル先生、もう私ダメ」とかいう

              ・・・いかん、少女バレエ漫画のキラキラお目々の妄想に浸ってどうする?!

              コホン (-_-;)

              お話は


               婚約者のいるジェームスに
               妖精のシルフィードが惚れて
               ジェームスも婚約者のエフィーとシルフィードの間で揺れる (アホオトコ

               結局、シルフィードを追っかけて
               魔女のマッジに「このベールを掛けるとシルフィードを捕まえられる」と言われ
               ベールを掛けたら
               シルフィードが死んじゃった

              ・・・・ロマンティック・バレエですから f(^^;)

              いや、人間ではないモノに惚れられたジェームスが災難だよ。
              美しい妖精に惚れられたから、ロマンティックな話になるが
              これが日本だったら

               美しい妖精に惚れられたと思って
               魔女のベールを妖精に掛けたら、実は妖精はタヌキであった

              これでは、ロマンティック・バレエにはならん(自爆)

              シルフィード役のツィンバルが、むちゃくちゃカワイイ。
              頭には花。白いチュチュ(ただしスカートは長め)で、背中には羽。

              第1幕では、婚約者と一緒のパ・ド・トロワもある。
              ジェームスとエフィーは「人間」なのだが
              シルフィードは「妖精」だ。

              で、本当に妖精なのだ!!!
              異次元世界の 怪物 この世のものではない美しさを踊ってくれる。

              第2幕では、妖精が空を飛んでいくところもあるが
              あんなヘンな仕掛けをしなくても
              ツィンバルのバレエ表現だけで、シルフィード、しっかり異次元になってる。
              ジェームスのサポートでの移動の美しさと言ったら、ため息モノ。

              ジェームス役、こうやって観てみると、めちゃくちゃ体力が必要な役。
              飛び跳ねるソロが、異様に多いし
              回転の時は、スコットランド民族衣装の男性スカートが舞って
              ナマ足の太ももがよく見える  
                          こら、何見てる!!!(x_x) ☆\(^^;) ぽかっ

              群舞も揃っていて、なかなかだし
              バレエとして見れば、ものすごく良い出来。

              でも、ロマンティック・バレエですから f(^^;)

              何が言いたいかと言うと
              まず、ストーリーが、あまりにバカ過ぎるし
              これから耳慣れすると違うのかもしれないが
              音楽が、あまりに単純というか、BGM というか
              バレエ音楽だから、それでも良いのだろうが

              チャイコフスキーやストラヴィンスキーは偉大だった!!(何ですか突然)

              いくらルグリが古典を取り上げる意欲満々だったとしても
              今回は、ちょっとやり過ぎかなぁ、と思ったくらい
              良い作品なんだろうし
              みんな、しっかり踊っていて、ソロの楽しさは素晴らしいが
              やっぱり、ちょっと、埃を被ったような過去の遺品っぽいところは否めない。

              試行錯誤中なんだろう、やっぱり。

              12月の「眠りの森の美女」に期待しよう。これも久し振りだし (^^)v

              本日10月26日はオーストリアの祝日で
              ゆっくり休ませてもらったので
              (ちょっとだけオフィスに行ったけれど(笑))
              機嫌が良い私に、どうぞ1クリックをお恵み下さい。

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              でも、自宅のマウスが壊れてしまって
              本日は祝日で、どこのお店も開いていない(涙)
              コンビニとかないし、ホントにオーストリアって不便っ!!!(涙)



              マルティン・グルービンガー

              0
                Konzerthaus Großer Saal 2011年10月25日 19時30分〜22時30分

                The Percussive Planet Ensemble
                  Martin Grubinger
                  Rainer Furthner
                  Leonhard Schmidinger
                  Rizumu Sugishita
                  Slavik Stakhov
                  Sabine Pyrker
                ピアノ Marino Formenti

                Iannis Xenakis (1922-2001)
                  Evryali (1973)
                  Okho (1989)
                  Persephassa (1969)
                  Pläȉades (1978)

                人気沸騰のマルチ・パーカッショニスト
                マルティン・グルービンガーのチクルス1回目。

                最初のコンサートは、何故か「自由席」
                早めに行って、良い席を確保、とか思っていたのに
                夕方になってからバタバタ。

                あぁ、もう、間に合わない(涙)と走ったら
                ギリギリで間に合ったものの、ギャラリー席しか空いてない。

                ふん、どうせ、私はギャラリーの常連ですよ(開き直り)
                でも、1席だけ1列目が空いていたので、ラッキー (^^)v

                入る時に、はいどうぞ、と渡されたのは


                  耳栓


                あっはっは、クセナキスだもんね。
                以前、1時間以上にわたって、100デシベルに近い音響に晒された経験あるし(笑)

                最初はピアニストの Marino Formenti が、クセナキスを1曲弾いた後
                何故か、ヤニス・クセナキスがどういう人だったかについて解説。

                 (数年前のウィーン・モデルンで
                  クセナキスを重点的に取り上げた時に
                  人についても読んだし、作品もかなり聴いたし
                  ご本人が出演しているビデオなんかも観た。
                  解説は歓迎だが、今回は・・・寝た (自爆))

                私のこのオタク・ブログを愛読して下さっている読者に対して
                クセナキスを説明したら、反って失礼だろう、という、まぁ、そういう感じ、ふん。

                20時10分くらいから、グルービンガーとその仲間が登場。
                グルービンガーも、割と話好きなタイプなので
                マイクを持って喋る。

                「喋る音楽家」は、基本的には好きではないのだが
                この人、ものすごく嬉しそうに喋るので、好感が持てる。

                最初は3人のパーカッション。
                フォルテが4つ付いている個所があって、ちゃんとそれを演奏する、と
                言っていた割には、別に大音響、という程ではない。

                しかし、こうやってパーカッションだけの音響を聴いていると
                我々、日本人の耳って
                たぶん、ヨーロッパ人と、リズムに対する感受性が違う、と思う。

                だって、お祭りの時とかに、祭り太鼓を聴いたり
                法事の時には、木魚の音と一緒にお経を聴いてきた耳だもん。

                パーカッションにだって、音程はある。
                何故か、4度の和音がアチコチで聴こえて来たのは
                私の耳が、ちとヨーロッパに毒されているのかもしれないが
                基本的には、リズムと強弱の音響だけで構築された音楽。

                うはは、身体がムズムズする o(^-^o)(o^-^)o o(^-^o)(o^-^)o

                次の曲 Persephassa は、6人のパーカッションが、会場に広がる(!!!)
                舞台に2人、左右サイドのバルコンに、それぞれ1人、平土間後ろに2人。
                6つのパーカッション・テーブルが
                それぞれ、違うリズムで、音とリズムを刻む。

                ギャラリーからの音響は理想的とは言い難いが
                ちょっとマナー違反をして、身を乗り出すと
                下の平土間後方の2ステージからの音が、巧く上がってきてヨイ感じ。

                いや〜ん、これ、音響オタクにはたまらないっ!!
                平土間の真ん中あたりだったら、もっとスゴイのだろうが
                各方向から流れてくるリズムと音が
                会場全体に渦巻いて、流れて、動いて

                会場の真ん中に、音による建築物が見えてくる(妄想)

                ああ、クセナキスって、音で、こういう構築物を作りたかったのか。
                正に3次元の、いや、時間的経過も入れると4次元かもしれないが
                音響によって現われる 3D 物体が、ホール内に圧倒的な存在感を持つ。

                 ・・・ただの妄想ですが(笑)

                夜の9時を過ぎてからの休憩だったので
                保守的クラシック・ファンのご老人たちは帰るかも、と思ったら
                意外にみんな戻って来ていたので、ちょっとビックリ。

                グルービンガーもビックリしたみたいで
                マイク持って

                 「後半も残って下さって、ありがとうございます。
                  嫌われ勝ちな現代音楽ですが
                  現代音楽は万人のものです。
                  こうやって、皆さまに気に入っていただけて嬉しい」

                という主旨の挨拶 (カワイイっ!(*^^*))

                最後の曲プレイアデスは
                様々な楽器を使い、単一楽器のアンサンブルから、各種楽器まで。
                奏者のリズムがそれぞれに違うため
                プレイヤーは全員、耳に装置を付けて
                自分のリズムで演奏しなければならないらしい。

                全員のテンポが違うのに
                乱れて、合って、ユニソノになって、また拡散して、という
                見事な構成は、数学者のクセナキスの魔術だろう。

                耳栓は使わなかったけれど
                確かに、久し振りに鼓膜が痛くなる位の(しかもかなり高音も含めた)
                大音響を満喫 (^^)v

                というか、正直、かなり凄まじい音響で
                ちょっと悲鳴を上げたくなる個所もなかったワケではないが(笑)
                プライド高いので、耳栓も使いたくないし、耳も押さえたくない(呆)

                だいたい、あんな大音響を身体中で感じるという体験そのものが
                とても珍しいシチュエーション。
                滅多に体験できない事を、目一杯体験したい、という意地もある。

                昨日、彼氏もどきと
                芸術における時代的変遷のきっかけ云々の熱い 喧嘩 議論をしたので
                (ネタで書けそうだが、自分の意見がまとまるかなぁ・・・)
                次の日に、大ホールでの大音響に身を任せると
                ついつい、昨日の口惜しい思い(喧嘩 議論で勝ったコトがない)が湧きあがって
                何デシベルだ、これ、という中で、ついつい
                   ロックなんてこれに比べたらカワイイものだ ・・・(ウチネタ失礼)

                音楽、いや、音響、う〜ん、それともリズムか何だか表現しにくいが
                出てくる音だけではなくて
                パーカッショニストって、身体の表現も美しいし
                サーカスっぽい楽しみ、というのも絶対にある。(和太鼓がウケるのも同じ理由)
                すごい身体能力だもん。重労働だし。

                でも、グルービンガーを始め、アンサンブルのメンバー
                重労働で、すごい運動量で、大変なのに

                 うお、こいつら、徹底的に楽しんでる

                というのが、よ〜くわかって
                観賞している方まで、むちゃくちゃ楽しくなる。

                耳がまだワ〜ンとしている状態で夢見心地。
                明日10月26日は祝日で、オフィスはお休みです (^^)v

                厚い雲が空にかかって、雨が降って
                暗い暗い暗い冬がやってくる陰鬱な気分になりがちな私に
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                この記事のカテゴリー分け、本来なら「現代音楽」なのかもしれないが
                クセナキスは、ワタクシ的には、現代とは言いたくないので
                (もう古典よ、古典 (x_x) ☆\(^^;) ぽかっ)
                普通のコンサート・カテゴリーにする(きっぱり)



                セルセ (ヘンデル) ウィーン劇場

                0
                  土曜日はコンサートに行くのもしんどかったほど疲れていたのに
                  一日ぐっすり寝たら回復してしまって
                  日曜日のトリプルは、ひたすら楽しんでしまった  ( ;^^)ヘ..

                  時系列で読みたい方は
                  午前11時からのウィーン・フィル定期2回目は ここ
                  午後16時からのトーンキュンストラーは ここ です。

                  Theater an der Wien 2011年10月23日 19時〜22時30分

                  Serse
                  Dramma per musica in drei Akten (1738)
                  Musik von Georg Friedrich Händel
                  Libretto nach Niccolò Minato und Silvio Stampiglia

                  指揮 Jean-Christophe Spinosi
                  演出 Adrian Noble
                  舞台 Tobias Hoheisel
                  照明 Alan Burrett

                  セルセ Malena Ernman
                  アルサメネ Bejun Mehta
                  ロミルダ Adriana Kučerová
                  アタランタ Danielle de Niese
                  アリオダーテ Anton Scharinger
                  アマストレ Luciana Mancini
                  エルヴィロ Andreas Wolf

                  オーケストラ Ensemble Matheus
                  コーラス Arunold Schoenberg Chor

                  ヘンデルのオペラ「セルセ」
                  バロック・オペラだから、どうせ長い、と覚悟して行った。
                  上演時間約3時間30分。途中で20時50分頃、休憩が一回入る。

                  始まる前に劇場関係者がマイクで出てくる。
                  不吉な予感・・・

                  「申し訳ございませんが、ベジュン・メータが風邪をひきました」

                      ええええええっ!!!!

                  「薬で押さえて歌いますが、歌声に影響があるかもしれません。
                   どうぞご理解下さい」

                  くそ、ベジュン・メータが不調だったら、こんなオペラ、行かないぞ(極論)
                  ・・・とは思ったけれど、まぁ、仕方がない(涙)

                  クソ面倒な筋立てだが

                  セルセはトルコの王さまで
                  婚約者のアマストレを振って、他の女を探しているうちにロミルダに恋してしまう。

                  セルセの弟のアルサメネは、ロミルダを愛している。

                  アリオダーテの2人の娘のうちの一人ロミルダはアルサメネを愛している。
                  もう一人のアトランタも、アルサメネを愛している。

                  セルセの元婚約者アマストレは、捨てられてもセルセを愛している。
                  で、男装して、セルセの王宮に入り込む。

                  アルサメネの従者、エルヴィロはワインを愛している(笑)
                  (いいのか、これ、トルコ=イスラムの話だぞ?(苦笑))

                  セルセがロミルダを攻略しようと画策する中で
                  ラブレター宛先間違い事件とか
                  ロミルダとアルサメネの仲を裂こうとするアトランタの陰謀とか
                  男装したアマストレが、セルセのセクハラからロミルダを救おうとしたりとか

                  まぁ、ごちゃごちゃと恋愛関係が絡まるだけの話で
                  クソ面倒な人間関係ではあるが、基本的には単純な話なのに

                  それで3時間半のオペラを書いてしまうヘンデルもスゴイ(笑)
                  まぁ、バロック時代だからなぁ。
                  序曲の当たりで、みんな、お喋りしながら入ってきたりして
                  アリアとアリアの間に食事とかしていたんだろうし・・・(邪推)

                  セルセ役の Malena Ernman (メゾ・ソプラノ)

                    カッコイイ!!!

                  ズボン役がピッタリというか、いや、もう見ていてステキ。
                  声量はあまりないけれど(舞台の脇だったからかもしれない)
                  声のテクニックが抜群で
                  数多いアリアが、声のサーカスみたいな感じなのに
                  演技力もたっぷり、踊りも出来て、声のコントロールが効いていて
                  素晴らしい (*^^)//。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆パチパチ

                  ウィーン劇場の歌手って
                  本当にいつも素晴らしい歌手を揃えるので、安心できる。

                  ベジュン・メータは不調とは言え
                  (高い声で確かに苦しそうな個所はあった)
                  それでも、あれだけの声量で、しかも安定したカウンター・テノールを
                  確実な技術で聴かせてくれる歌手は、滅多にいない。

                  ウィーン劇場でべジュン・メータが聴けるうちに
                  できるだけ聴いておかなければ・・・
                  カウンター・テノールとしては、現在、世界最高の一人だ(断言)

                  ロミルダ役も、声が明るくて飛ぶし、コロコロよく転がるし
                  アタランタは、悲劇の役どころだろうが
                  これが、意外に、小悪魔的な性悪女(でも根は可愛い)を巧く演じて好感が持てる。

                  指揮者のスピノシがバイオリン持って
                  アタランタと駆け引きするところがあって、これ、けっこう笑える (^^)v

                  アマストレはずっとオトコ役の格好で
                  これが、ものすごく似合っていて(似合ってどうするんだよ?)
                  最後に女性に化けるの、大丈夫だろうか?と心配になったが
                  一応 ちゃんと化けました(笑)

                  従者のエルヴィロ役のテノールも声量たっぷりで茶目っ気があったし
                  チョイ役のアリオダーテの深いバリトンも魅力的。

                  長いオペラだし
                  長いくせに、あんまり内容のあるオペラではないけれど
                  聴きどころのアリアは、これでもか、という位に出てくるので
                  退屈しないし、面白い。

                  34ユーロという高い席を奮発したので
                  (高いって言ったら高いんです、私には! 文句ある?)
                  舞台脇のオーケストラ・ボックスのすぐ近くで
                  指揮者のスピノシも、オーケストラの一部も、しっかり見えて、ちょっとお得な気分。

                  古楽器オーケストラの Ensemble Matheus が、これまた優秀。
                  小編成だが、みんな、ものすごい勢いで情熱的に演奏するので
                  オーケストラを見ていても、何とも楽しい。
                  若くて、よく動いて、ついでに自分でソロのバイオリンまで弾いてしまうスピノシも
                  とっても魅力的 (*^^*)

                  10月25日と27日に上演されるが
                  あっはっは。チケットは既に全部売り切れ。

                  ウィーンっ子って、ヨイ物は良く知ってるわ(笑)

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                  ・・・実はもう1回分のチケット、持ってるんです。うふ (#^_^#)

                  トーンキュンストラー + ミハイル・ユロフスキー

                  0
                    Musikverein Großer Saal 2011年10月23日 16時〜18時

                    Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                    指揮 Michail Jurowski
                    ピアノ Boris Berezovsky

                    Sergej Rachmaninos (1873-1943)
                        Konzert für Klavier und Orchester Nr. 3 d-moll op. 30 (1909)
                    Pjotr Iljitsch Tschaikowski (1840-1893)
                        Romeo und Julia  Fantasie-Ouvertüre (1870/1871/1880)
                    Sergej Prokofjew (1891-1953)
                        Ausschnitte aus dem Ballett “Romeo und Julia” (1935/36)
                        (Zusammenstellung : Michail Jurowski)

                    ウィーン・フィルの後、友人とランチして
                    またもや向かう先は楽友協会。

                    トーンキュンストラーの日曜日定期の1回目は
                    私の大好きなミハイル・ユロフスキー。

                    大好きというのは、あのお腹の出方とかだけではなくて
                    (もちろん、それも大いにあるが f(^^;))
                    ノリノリのお茶目なところとか
                    お茶目なくせに、きっちり押さえるところは押さえる熟練の技。

                    しかも、今回は得意とするバレエ音楽で、更にロシア物だ。

                    テーマがロメオとジュリア、というのはわかるけれど
                    何故、前半がラフマニノフのピアノ協奏曲?
                    しかも、割に地味な第3番だぞ。

                    なら、前半はゆっくり寝よう(こらこら!)

                    と・こ・ろ・が!!!!!

                    ちょっと、何ですか、このピアニスト!!!!!!

                    寝ようと思っていたら、ウトウトするどころの騒ぎじゃなくて
                    むちゃくちゃ強靭なピアノがガンガン響いて、目がテン (・.・;)

                    だってオーケストラが、トゥッティで大音響で鳴らしていて
                    なのに、ピアノが、し〜〜〜っかり聴こえて来てるって、これ、いったい何???

                    カデンツァの色彩の豊かさもタダモノじゃないし
                    ともかく音がスゴイ。
                    指の強さが尋常ではない(と思う)

                    うわ〜、こういうガンガン弾くピアニストって実は好き
                    最終楽章の、オーケストラの大音響にも全然負けずに
                    響きわたるピアノの音色。たまらんわ、これ (*^o^*)

                    ただのメカニカルで強いだけのピアノかと思いきや
                    アンコールで弾いた曲の音の粒の揃い方が、またもや垂涎モノで
                    何か、すごい才能を聴いてしまった。

                    こういう出会いがあるから、ナマのコンサートって止められないのよ、うん。

                    後半のロメオとジュリア特集。

                    オーケストラの張り切り方が、ものすごいハイテンション。
                    ドラマチックこの上なく
                    出し過ぎか、と思える程の大音響と
                    この上なく優しいピアニッシモが入り混じって

                    うわ〜、これも陶酔の世界だっ!!! (((^^;)(;^^) ))

                    トーンキュンストラー・オーケストラって
                    こんな良い音を出してたっけ??? と首をかしげるくらい
                    リキの入った演奏である。

                    これをまとめるミハイル・ユロフスキーもスゴイ。
                    リズム感、音色の使い方、適切な指示の出し方は
                    職人芸であって、更にそれを越えた熟練の技としか言いようがない。

                    否定的な見方を敢えてするなら
                    これも大向こう狙いの演奏ではあるのだけれど
                    ロシアのバレエ音楽だぞ。大向こう狙いで何が悪い!(と開き直る)

                    むちゃくちゃ楽しめる音響の嵐の2時間。
                    ウィーンで1回しか演奏しないのが、ちょっと残念。
                    (月曜日は、本拠地のサンクト・ペルテンでのコンサートで
                     さすがに、サンクト・ペルテンまではちょっと行けない(涙))

                    トーンキュンストラーは知名度が低いけれど
                    根強い地元のファンが多くついている。
                    (ただし、年齢層はウィーン・フィルの観客より、もっと高いと思う)

                    ご老人倶楽部の様相を呈しているけれど
                    最近、新しい試みもいくつも行っているし
                    オーケストラとしては、発展途上のオーケストラで
                    何が出てくるか、わからないので、面白い (^^)v

                    楽友協会の大ホールが揺れるような
                    大音響でのプロコフィエフで、酔ったような気分で会場を後にした私は
                    その後、また他の劇場に行くのである。

                    懲りない私に
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                    ウィーン・フィル + エッシェンバッハ 第2回目

                    0
                      Musikverein Großer Saal 2011年10月23日 11時〜13時

                      Wiener Philharmoniker
                      指揮 Christoph Eschenbach
                      バリトン Mattias Goerne

                      Gustav Mahler (1860-1911)
                      Elf Gesänge aus “Des Knaben Wunderhorn” für Singstimme und Orchester
                      1.Der Schildwache Nachtlied
                      2.Rheinlegendchen
                      3.Wo die schönsten Trompeten blasen
                      4.Das Irdische Leben
                      5.Urlicht
                      6.Lied des Verfolgten im Turm
                      7.Verlorne Müh`!
                      8.Des Antonius von Padua Fischpredigt
                      9.Lob des hohen Verstands
                      10.Revelge
                      11.Der Tambourg`sell

                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                      Symphonie Nr.8, F-Dur, op.93

                      土曜日は、本当に調子が悪くて
                      誰かに風邪をうつされたか、と根拠のない推測までした位だが
                      夜のコンサートがなくて
                      マチネから帰って、バッタン・キューで倒れたら

                      日曜日は元気に復活 (^^)v

                      まずは午前11時のウィーン・フィル定期公演2回目。

                      土曜日より元気になっているので
                      マーラーもちゃんとマトモに聴ける状態だ。うっふっふ。

                      で、あのマーラーをマトモに聴いてしまうと
                      いくらオーケストラ伴奏のリートが好きじゃない、とか言っていても

                      やっぱり感動してしまうのである (T.T)

                      Das Irdische Leben から Urlicht に繋ぐあたりで
                      ジワジワと胸に迫る。う〜ん、この組み合わせ、かなりクセになりそう。

                      でも、やっぱりマジメだなぁ。
                      時々オーケストラがおどけたようなユーモアを出そうとするけれど
                      ドイツ人指揮者とドイツ人バリトンで阻まれている(失礼!)

                      でも、マジメに聴けば、マジメにジワジワ感動する。
                      ゲルネの声は、本当は正面で聴くべきであって
                      後ろだと効果が半減する事は理解しているのだが
                      楽友協会の音響効果のせいか
                      意外に全体に響いていて、そんなに方向性が気にならなかったのは儲けモノ。

                      ただ、土曜日もそうだったけれど
                      ゲルネの歌声って、オーケストラと混じってしまう。
                      一つの楽器として考えれば良いのだろうし、そういう意図とは思うけれど
                      歌われているドイツ語は、さ〜っぱりわからない。
                      (まぁ、プログラムにも書いてなかった位だからなぁ。
                       「角笛」は知っているから、なんとなく内容はわかるけど・・・・)

                      ベートーベンの交響曲8番は
                      今回は、スコアに頭を突っ込ませてもらう。
                      (どうせ舞台見えないし)

                      大仰で大向こう狙いのティーレマン風味が抜けていないとは言え
                      比較的スッキリした演奏になってきた・・・ような気がする。

                      でも、最終楽章は
                      「え〜い、もうヤダ。早く終わってくれ」という表情が見え隠れしていたが(笑)

                      同じコンサートに行っても
                      聴く側の体調で、印象が変わるのは、まぁ、シロウトですから勘弁してクダサイ。

                      という手抜き記事で
                      1クリックをお恵み下さい、という厚かましい私を
                      どうぞよろしく。

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                      ついでだが、Die Presse の新聞評では、ものすごい酷評だった(笑)
                      Philmarnoniker : Mahler ohne Text, Beethoven ohne Biss って
                      まぁ、確かにそうだけど、そこまで書くか?(苦笑)
                      (ドイツ語ですが、読みたい方は こちら )


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