ミュンヒェン交響楽団 + クリスティアン・ティーレマン

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    Musikverein Großer Saal 2011年5月31日 19時30分〜21時5分

    Münchner Philharmoniker
    指揮 Christian Thielemann

    Anton Bruckner (1824-1896)
         Symphonie Nr. 5 B-Dur

    ティーレマンのミュンヒェン交響楽団との契約が、今年で切れるので
    この組み合わせでは、実質的に最後のコンサートになる。

    ウィーンでは2日間で、違うプログラムなのだが
    何故か、6月1日のフランスもの(+何故かモーツァルト)が売り切れで
    ブルックナーの交響曲5番については、空き席があった、という不思議な現象。

    登場したとたん、熱狂的な拍手で迎えられるスター指揮者。

    何故ティーレマンが、こんなにスターになってしまったか、を考えると

    1) 久し振りのベルリン出身の、正にゲルマン系であること。
    (メッツマッハーとか、ケント・ナガノとかもドイツなんだけど・・・)

    2) ゲルマン系の音楽(ワーグナー、ブルックナー、リヒャルト・シュトラウスなど)を得意とし
    更に「好きなモノばっかり振って、何が悪い」と言い切ってしまうアクの強さ

    3) 見た目が坊ちゃん(←これ、意外に年配の女性にウケるのではないかと思う)

    特に、2番の「アクの強さ」・・・というより
    冷静に聞けば、ただの「子供の言い分」なんだけど(笑)
    普通だったら、絶対に言えない本音を、堂々と言うところが
    建て前しか言えない臆病なオーストリア人魂を刺激するらしい(邪推)

    で、コンサートそのものだが
    ゆっくり目のテンポ。どっしりした演奏で
    大音響を、うるさく感じさせる一歩手前で制御して
    名人オーケストラの技量を充分発揮させたブルックナーだった。

    だからと言って、別に大感激する、というような感じでもなくて(自爆)

    スター指揮者を見ようと、ズラズラと、普段は立たない人が立っていたが
    ティーレマンの指揮振りは、ほとんど身体を動かさず
    ほんの少しの指示と、鋭い眼光だけでオーケストラを引っ張っていく。

    ブルックナーの交響曲は、まぁ、どれを取っても同じようなモノが多く
    繰り返し部分のバリエーションや、全体の構成で
    すごいな〜と思うところは、何ヶ所もあるのだけれど
    疲れていたせいもあるけれど
    ティーレマンだから、というスター崇拝は私にはないから
    「巧いなぁ」で終わってしまった。すみません。

    色々と言われてはいるが
    (人間的に素晴らしい指揮者だ、と言う噂は全くない)
    ティーレマンが指揮するワーグナーやリヒャルト・シュトラウス
    ブルックナーは良いと思う。

    だいたい、ブルックナーの扉が開いたのも
    かなり昔に、ティーレマンでブルックナーの交響曲8番を聴いたのがきっかけだった。

    まぁ、世の中、これだけグローバル化が進むと
    アクが強くて、派手な人しか、スターになれない、というのがある。
    色々な指揮者が居て良いし、だから面白い。

    全然好みとは違うけれど
    来シーズンは、ドレスデン管弦楽団と、ブルックナーの8番が予定されているから
    (しかし、何回目だ?これを演奏するの・・・)
    またチェックして、行けるなら行こう、とは思っている。

    「スター」と付くと、何か、シラケる私に
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    6月1日は同じ組み合わせで、フランスもの(に何故かモーツァルト1曲)。
    ラ・ヴァルスがあるから行きたかったのだが
    仕事が入ってしまい、確保していたチケットは友人が買ってくれた。
    5月が終わると、6月は、ほとんど目ぼしいものがない。
    (ルイージのマーラー3番が一番楽しみだったが、アルミンクだと(以下省略)


    アンサンブル・アンテルコンテンポラン + スザンナ・マルッキ

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      Konzerthaus Mozart-Saal 2011年5月30日 19時30分〜21時10分

      Ensemble intercontemporain
      指揮 Susanna Mälkki

      Tristan Murail (*1947)
          Serendib (1992)
      Arnulf Herrmann (*1968)
          Fiktive Tänze (Erster Band) (2008) EA
      Michael Jarrell (*1958)
          La Chambre aux échos (2011) UA

      現代音楽史に欠かせないアンサンブルの名前は
      アンサンブル アンポンタン アンテルコンテンポランという

      何回聞いても覚えられないフランスのグループ (自爆)

      久し振りの現代音楽だが、面白い事に、観客の年齢層は
      普通のクラシックのコンサートと、ほとんど変わらない(= 老人 ご年配が多い)

      休憩中に、私の後ろで
      「グリゼーの音楽、すごく気に入ったので、CD 買っちゃったわ」という
      ご年配の女性の声が聞こえてきて
      ああ、貴女もですか、と、ついつい後ろを向きそうになった(笑)

      トリスタン・ミュライユはメシアンの弟子で
      (まぁ、この年代のフランスの作曲家は、みんなメシアンの弟子だが)
      ジェラール・グリゼーやミカエル・レヴィナス、ロジェ・テシエと
      グループ「イティネレール」(後にユーグ・デュフールも加わる)を設立。

      そのマニフェストに曰く

        我々は音楽家であり、モデルは響きであって
        文学でもなく、数学でもなく、演劇でも、絵画でもなく
        量子物理学でもなければ、地質学でもなく
        天文学でもないし、指圧でもない  (プログラムからの抜粋。文責なし)

      最後に指圧が出てくるところが、よくわからんが
      言いたい事は伝わってくる。
      数学の音楽とか、いますけどね、同じくメシアンの弟子で(笑)

      題名の Serendib はシンドバッドの冒険に出てくる場所。
      船が遭難して、波に流され、セレンディブに到着して、というイメージだそうだ。

      うわ〜、さすがに「響き」が素晴らしい。
      ご本人は、スペクトル楽派と呼ばれる事を嫌ったらしいが
      倍音の効果たっぷりの音響は、やはりスペクトル楽派を思い起こさせる。

      アルヌルフ・ヘルマンの「架空のダンス」は

         きゃ〜っ!!!! これ、面白い -(/^o^)/

      最初はロボットが踊っているような、コツコツとした響き。
      それから、ゆっくりのダンスになり、突然、乱れて、尻もちドンドンついて
      最後は狂乱のごとき怒涛の流れ。

      クリエイティブな人だったら、この15分の曲で
      ものすごくユーモアに満ちたアニメーションとか作れそうだし
      バレエの振付にしてしまっても、意外にイケそうな感じがする(無理か(笑))

      全編に漂う、何だかわからないけれど、滑稽なユーモア。
      作曲家は、ひたすらシリアスなのかもしれないけれど
      すごく、ユーモラスで楽しい曲として、観賞させてもらった。
      (どうせ、ヘンな聴衆です(開き直り))

      後半のミカエル・ジャレルの曲は
      リチャード・パワースの著作 The Echo Maker を元にした作品だそうで
      フラグメントが演奏された事があるが
      全体としては、今日の演奏が初演とのこと。

      人間の精神、心理、思い出、感動、脳の機能などを音楽にしたもの
      (というような内容がプログラムに書いてあった。かなり省略したが(笑))

      うわ〜、コレも良い。
      約35分の作品で、ブーレーズに捧げる、というところもあって
      最初と最後のフレーズ、確かに、ブーレーズの作品に通じるところもある。

      我々の脳の働きとして
      聴き慣れたモノに反応しやすい、というのはあるけれど
      伝統的なクラシック音楽や、映画音楽、ポピュラー音楽が
      情動に働きかけてくるのとは違って

      現代音楽の、精密に計算された音響空間は
      聴き手の脳の中の、奥に隠された、感情とは全く別のナニかを刺激してくる。

      音響が視覚になってはいけないし
      視覚になる程、共感覚を持っているワケでもないから
      漠然とした感じなのだが

      聴覚の視覚、という以外に、どうしても言えないようなモノがある。

      視覚ほどハッキリはしていないけれど
      それは、音響の色彩だったり、そこに流れる空気の匂いや肌触りで
      この作品、そういう不思議な総合的感覚を
      バッチリ刺激してくるのだ。

      ただ、現代音楽に有り勝ちな
      予想もつかないところでのフォルティッシモとかあるので
      万が一 CD になったとしても、聴かない方が良いと思う。心臓に悪い(笑)

      舞台を見ていると、指揮者の動きや
      アンサンブルの各奏者の反応で、次に来る音響の強さが事前に想像できるから
      それなりに、音響についていけるし
      聴きながら、脳内の刺激に心地良く身を任せて

      勝手に空の上の星雲に飛んでいってしまったり
      山奥の静謐な空気に抱き締められたりできるのだが
      (妄想です)

      舞台上の視覚情報なしに、聴覚だけだったら、そんな余裕はないと思う。

      久し振りの現代音楽だったけれど
      あれだけ、全部の作品が、それぞれに面白くて
      脳内をマッサージしてくれるコンサートは珍しい。

      女性指揮者のスザンナ・マルッキ。素晴らしい!!!!
      動きが美しく、キレがあって、的確だし、情熱的。
      美人だし、スタイル良いし、若いし・・・・って、それは関係ないか f(^^;)

      やっぱり現代音楽、好き (*^^*)
      ・・・・だけど、現代音楽チクルスや、クラング・フォーラムなどの
      定期公演のチクルスを買うところまで
      経済的に余裕ないし、時間もないし
      現代音楽のコンサートが売り切れ、というのも滅多にないから
      これからも、よくよくチェックして、面白そうな物を逃さないようにしよう。

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      フローリアン・ボッシュ + マルコルム・マルティヌー

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        Konzerthaus Mozart-Saal 2011年5月29日 19時30分〜21時20分

        バリトン Florian Boesch
        ピアノ Malcolm Martineau

        Franz Schubert (1797-1828)
         Auf der Bruck D 853 (1825)
         Die Vögel D 691 (1820)
         Frühlingsglaube D 686 (1820-1822)
         Im Frühling D 882 (1826)
         Am Tage Aller Seelen D 343 «Litanei auf das Fest Aller Seelen» (1816)
         Der Gott und die Bajadere D 254 (1815)
         Erlkönig D 328 (1815)

        Robert Schumann (1810-1856)
         Wer nie sein Brot mit Tränen aß op. 98a/4 (1849)
         Wer sich der Einsamkeit ergibt op. 98a/6 (1849)
         An die Türen will ich schleichen op. 98a/8 (1849)

        Alexander Zemlinsky (1872-1942)
         Die schlanke Wasserlilie (1889)
         In der Ferne (1889-1890)
         Wandl' ich im Walde des Abends (1892)
         Waldgespräch (1889-1890)

        Ernst Krenek (1900-1991)
         Motiv op. 62/1 (Reisebuch aus den österreichischen Alpen) (1929)
         Wetter op. 62/4 (Reisebuch aus den österreichischen Alpen) (1929)
         Friedhof im Gebirgsdorf op. 62/6 (Reisebuch aus den österreichischen Alpen) (1929)
         Regentag op. 62/7 (Reisebuch aus den österreichischen Alpen) (1929)
         Unser Wein op. 62/8 (Reisebuch aus den österreichischen Alpen) (1929)
         Alpenbewohner op. 62/11 (Reisebuch aus den österreichischen Alpen) (1929)
         Epilog op. 62/20 (Reisebuch aus den österreichischen Alpen) (1929) 


         *** 日曜日は例によって、ダブル・コンサート。
            チェコ・フィルのマチネについては、下の記事にアップしています。

        楽友協会では、パリ管弦楽団が
        ドボルジャークのチェロ協奏曲と、サンサーンスの交響曲3番を演奏しているが
        チケットは友人に売りつけて
        私はコンツェルトハウスのモーツァルト・ホールへ。

        モーツァルト・ホールの一番安い席は
        平土間の後ろなのだが、ここの音響は最悪(きっぱり)
        今回は、ちょっと、いや、大いに贅沢して、バルコンの正面席を買った。

        フローリアン・ボッシュに注目したのは
        マティアス・ゲルネがキャンセルしたシューベルトの三大歌曲集のコンサートで
        「冬の旅」を聴いた時。(おヒマな方は ここ をご参照下さい)

        異様な「冬の旅」だった。
        今、思い返しても、背筋がゾクゾクする。
        薄気味悪く、死の残酷さと冷たさが、白黒の世界の中にくっきり浮かんだ。

        今回は面白いプログラム構成。
        前半に、比較的ポピュラーな曲を含むシューベルトと、シューマン。
        後半が、ツェムリンスキーと、エルンスト・クレネックという、通好みの選択。

        ううう、ボッシュの声って、やっぱり美声 (*^^*)
        バリトンだが、バスに近い、深い声で、低音も楽々こなす上に
        高音のピアニッシモのファルセットに近い音も、とても美しい。

        それに、すごい声量あるし・・・
        でも、あまり大声を出さない正統的なリートの歌い方をする。

        なのに、すさまじい表現力。
        あくまでも、ドイツ・リートという枠からは出ず
        (よって、オペラちっくな大袈裟さは、全く感じられない)
        言葉とメロディの扱い方が、実にドラマティック。

        マルティヌーのピアノが、実によろしい。
        何回もリートの伴奏で聴いているけれど、本当に上手いピアニストだ(感嘆)

        この上なく繊細なシューベルトのリートに続いて
        同じシューベルトのバラードが2曲。
        最後は、おなじみの「魔王」だが、鬼気迫る劇的な表現には息を飲む。

        シューマンが「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」からの詩に作曲してたなんて
        不勉強で知らなかった。
        (歌詞を見ると、シューベルトが浮かんで来てしまう f(^^;))

        が、シューベルトの後に、このシューマンを聴くと・・・
        ううう、何も言うまい。 駄作です、駄作!!!

        後半、ツェムリンスキー。
        抒情交響曲が苦手なので、偏見があったけれど
        うわ〜、ツェムリンスキーのリート、すごくカワイイ。

        ロマンティックで聴きやすくて、ドラマティック。
        Waldgespr醇Bch だったらシューマンの方が有名だが
        ツェムリンスキーの方が、格段に劇的な表現で違和感がない。

        ただ、驚愕は最後にやってきた。
        エルンスト・クレネクである。
        (日本では、チェコ風にクルシェネクと呼ぶようだが)

        1930年代にオーストリアに帰国した際に作られた
        「オーストリア・アルプスからの旅日記」は、クレネク自身が詩を書いている。

        ものすごく、皮肉が効いたテキスト。
        アイデンティティを探す者の悲しみとか
        そういう、めちゃシリアスな曲の途中に
        オーストリア・ワインの宣伝が入ったりするんですけど(笑)

        新ロマン主義とは言われているけれど
        最後の Epilog なんか、無調の先取りがある。

        何か、スゴイものを聴いちゃった (^.^)

        アンコールは3曲。すべてローベルト・シューマンの有名な曲ばかり。
        前半に歌ったシューマンの曲が、駄作だった 面白くなかったので
        名誉回復?(笑)

        シューベルトの天才、ツェムリンスキーの優しさ
        クレネクの苦悩と皮肉を
        ボッシュの美声とマルティヌーのピアノで
        とことん、満喫した夕べだった。

        まぁ、パリ管弦楽団のコンサートに行っていたとすれば
        それはそれで満足なのだろうが f(^^;)
        でも、今回は、パリ管弦楽団を諦めて
        ボッシュのリサイタルに行った甲斐があった(きっぱり)
           まぁ、比べられるものではないが。

        思わずアマゾンでクレネクの CD を買ってしまったワタクシに
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        チェコ・フィルハーモニー + イオン・マリン

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          Musikverein Großer Saal 2011年5月29日 16時〜18時10分

          Tschechische Philharmonie
          バイオリン Ivan Ženatý
          指揮 Ion Marin

          Jeoš Janáček (1854-1928)
              Sinfonietta op. 60 (1926)
          Josef Bohuslav Foerster (1859-1951)
              Konzert für Violine und Orchester Nr.1 c-moll op. 88 (1911)
          Antonín Dvořák (1841-1904)
              Symphonie Nr.6 D-Dur op. 60 (1880)

          日本では人気がある(らしい)チェコ・フィルハーモニー管弦楽団だが
          何故か、ウィーンになかなか来ない。

              というより、招聘するところがない??

          今回も楽友協会主催ではなく
          トーンキュンストラーの定期公演の一環で
          「お隣の国のオーケストラ」シリーズ(年に1回ある)

          プログラムは全部チェコの曲ばかり。
          (特殊文字が多い!!!!)

          ヤナチェックの「シンフォニエッタ」
          最初のファンファーレで、オルガン・バルコンに
          ずらっと10人、金管奏者が並ぶ。

          慌てて、いつもの席から脱出して(笑) ← 横で吹かれたら耳が・・・
          バルコンの3列目の、なるべく離れたところに逃避。

             席が空いていて良かった〜〜〜 (^o^)

          CD では聴く機会が多いけれど
          ナマで聴いてみると、すごい迫力。
          トランペットのファンファーレの揃い方が、ピッタリ決まって
          アンサンブルの精密さが気持ち良い。

          青春時代の曲というか、何だか、すごく懐かしい・・・(遠い目)
          あれだけの能力のある金管奏者を
          全員、チェコから連れてくるオーケストラの実力、たいしたものだ。

          バイオリン協奏曲は、チェコでは有名な作曲家で
          グスタフ・マーラーの弟子だった、とプログラムにはあるけれど
          あんまり印象のない曲で

          ・・・ 気持ち良く寝ました (こらっ!!! (゜゜☆\(--メ)ポカッ)

            (言い訳だけど、土曜日に
             明日は寝坊しよ〜と、3時過ぎまで起きていたのに
             日曜日、結局朝8時に目が覚めてしまったという
             悲しいサラリーマンの習性。午後、すごく眠かった(自爆))

          ドボルジャークの交響曲6番は、ブラームスの影響が強く
          土着的な要素は少ない。

          とてもエネルギッシュな演奏。
          指揮者は、素直に、無理を強いらず、オーケストラをひっぱって行く。

          もっと泥臭い音色を予想していたのに
          明るくて、元気な音がしたのは、指揮者の腕かな。

          イオン・マリンはルーマニア生まれの指揮者。
          ザルツブルクで勉強しているので、ヨーロッパ的に洗練されていて
          変な気取りやアクがなくて、好感が持てる。

          こうやってドボルジャークを続けて聴いてみると
          いや、意外とヨイかも・・・(節操ナシ(笑))

          準備して行くコンサートも良いけれど
          コンサートで聴いた曲がお気に入りになる、という体験もある。
          やっと、このコンサートで
          ドボルジャークへの扉が、少し開いたかな、と思うと
          ちょっとウレシイ (^o^)

          夜はボッシュのリサイタルへ ↑ 上をどうぞ。


          パリ管弦楽団 + パーヴォ・ヤルヴィ

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            Musikverein Großer Saal 2011年5月28日 19時30分〜21時50分

            Orchestre de Paris
            指揮 Paavo Järvi
            ピアノ Leif Ove Andsnes

            Johannes Brahms (1833-1897)
                Konzert für Klavier und Orchester Nr.2 B-Dur, op. 83
            Antonín Dvořak (1841-1904)
                Symphonie Nr. 7 d-Moll, op. 70

            パリ管弦楽団とパーヴォ・ヤルヴィの客演。28日、29日と30日。
            29日のチケットも持っていたのだが
            やはり同じ時間に別のコンサートに行く事にしたし
            30日も、別のコンサートに行く予定なので
            今回は、このプログラムだけ。

            最近、人気急上昇中のノルウェイのピアニスト
            レイフ・オヴェ・アンスネスにも興味があった(←要はミーハー (*^^*))

            ブラームスのピアノ協奏曲第2番。
            う〜ん・・・ いや、この曲、有名だからなぁ。
            私は第1番の方が好みなのだが、第2番の方がポピュラーだし、よく聴く。

            う〜ん、最初から、ものすごくリキの入った演奏・・・
            ペダルを多用して、オーケストラに負けない音響を出すぞ、という気迫が伝わってくるが
            何だか、気負いが多過ぎて・・・(沈黙)

            この人、もっと、ロマンティックな曲を演奏した方が合ってるんじゃないかなぁ。
            (実際、アンコールのシューマンは抒情性に満ちて
             音色やバランスもキレイだったから・・・)

            いや、巧いですよ。テクニックとしては、少しでも欠点があれば
            昨今はデビューするチャンスさえ与えられないだろうから、そりゃ、上手い。

            後半になって、不要な力が抜けた感じ。3楽章の抒情性、なかなか良い。

            けれど、特別に目(耳?)につく個性とかアクがあるワケではない。
            ・・・すみません、シロウトが言いたい放題で f(^^;)

            後半はドボルジャーク。しかも交響曲7番。

            う〜ん、ドボルジャーク、苦手なんだけど。
            CD で持っているのも、8番と9番くらいだし。
            でも、6番も7番も、比較的、よく演奏される曲ではある。

            あれ? あれれ? あれれれれ????
            何か、ワタシ、感動してる (((^^;)(;^^) ))

            フランスのオーケストラで、フニャフニャした音かと思っていたら
            意外や意外に、芯のある、しっかりした音響を出すのは
            指揮者のパーヴォ・ヤルヴィの手腕かもしれないが
            何か、この曲、この演奏、すごく良い。

            第2楽章になったら、ますます良くなって
            何と言うか、ただの印象だけど

            すごく親しみを籠めて、親密な感じで話しかけられているような気分。
            (ええ、ただの妄想ですとも。だから何?)

            ドボルジャークが使っている民族的なテーマも
            イヤミがなく、すごく自然に、エネルギッシュに聴こえてくる。
            いや、ちょっと、これ、ワタクシ、すごく好きかも・・・

            オーケストラ・メンバーの譜面台には
            もう1つ、楽譜が乗っているので
            あ、これ、アンコールやるな、と、しつこく拍手していたら

            アンコールはシベリウスの「悲しきワルツ」

            ああ、そう言えば、今までも、パーヴォ・ヤルヴィのアンコールって
            いつもこれだったわ (^O^)

            ピアニッシモを極限まで抑えて
            残っていた客は、咳の一つもせず、静寂の中に響く、ピアニッシモの弦のピチカート。

            うううう・・・ 美しい・・・・(感涙)

            ああ、でも、苦手なドボルジャークで
            あんなに感激するとは、ちょっと意外だった。
            不思議な気分なのだが
            何の抵抗もなく、音楽そのものが、ツルンと身体に入ってきた感じ。

            こういう体験って、やっぱり奇跡の一つだと思う。
            で、これがあるから・・・止められないのよね、コンサート通い(こらっ!)

            何だかワケのわからない理由で感激している私に
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            昨日の雨の後、曇りで気温が上がらず
            コンサート終わったら、外は11℃(冬の気温だ!)
            ・・・・なのに、天気予報では、月曜日は30℃を越えるようだ。
            数日で20℃の差が出るヨーロッパの春(夏?)って、何なのよ(怒)


            バンベルク交響楽団 + ヨナサン・ノット

            0

              Konzerthaus Großer Saal 2011年5月27日 19時30分〜21時50分

              Bamberger Symphoniker - Bayerische Staatsphilharmonie
              指揮 Jonathan Nott

              Charles Ives (1874-1954)
                  Theree Places in New England Orchestral Set No. 1 (1912-21)
              Gustav Mahler (1860-1911)
                  Symphonie Nr.7 e-moll (1904/05)

              正直に告白すれば、今日は今までで一番迷った日。

              同時刻に、楽友協会では、ウィーン交響楽団+ルイージさまのマーラー交響曲5番。
              コンツェルトハウスのモーツァルト・ホールでは
              イアン・ボストリッジのリートの夕べ(マーラーとブリテン)
              郊外のザイバースドルフでは、私が尊敬してやまない
              ヨハネス・クトロヴァッツとエドゥワルド・クトロヴァッツのピアノ・リサイタル。

              え〜い、身体は一つしかないのに、全部に行きたい(号泣)
              泣く泣くボストリッジのチケットは(持っていたんです・・・)友人に譲り
              コンツェルトハウスの大ホール、バンベルク交響楽団のコンサートへ。
              隣のモーツァルト・ホールでは、同じ時間にボストリッジが歌っている・・・(涙)

              でも、曲目が、チャールス・アイヴスとマーラーの交響曲7番なんですもの (*^^*)

              マーラーの交響曲の中にも、好き嫌いはある。
              どうしても好きになれない「大地の歌」は除いて
              それ以外で順位をつけるとすれば、たぶん、私は7番が一番好きだ。

              凄まじいまでに理性的な音響構築に
                  各所に見える前衛的な試みに加えて
                    それまでの交響曲の抒情性も豊かに残している

                ・・・なんて書くと偉そうだが、ただ、単純に好きなの。文句ある?!
                    (何故に喧嘩腰(笑))

              それに、この間、購入したヨナサン・ノットのマーラー交響曲9番の CD が
              実に名演だったのだ。あの透明感とクリアな音質には脱帽だった。

              最初のチャールス・アイヴスはオーケストラ・バージョン。
              比較的小編成で

                  うわ〜っ、音響がキレイ (☆o☆)

              指揮者のノットというと、現代音楽の指揮者、というイメージがあって
              以前も、屋外だったので音響的には散々だったけれど
              リゲティのアトモスフェアを、実に緊密な音の塊として提示したのを聴いたが
              音響の美しさやバランスにかけては
              群を抜く耳を持っている人だと思う。

              後半のマーラー、交響曲7番。

              ううううっ・・・ テンポが遅い (+_+)

              でも、第一楽章にしか登場しない(笑)テノール・ホルン
              めちゃソロが巧いんですけど・・・(あのテンポ設定なのに・・・(驚愕))

              ドッシリと、鈍いと思わせるようなテンポで
              何とも暗くて、陰鬱で、でも不思議な雰囲気の夜が続いて
              途中でハープが入る前後に
              木管の音が・・・ あっ、これ、夜明け前の鳥の鳴き声だ。

              で、ハープが入ると、突然、夜が明ける。
              キラキラした陽光が射しこんで来る。

              ありゃりゃ。もともと感受性ゼロに近いので気がつかなかった (・_・ゞ−☆

              でも、一転して、また夜(とは言え、今度は夕方っぽい感じかな)に戻る。
              遅めのテンポなだけに(途中でほんの少しだけテンポを上げるけれど)
              すべての音が際立って、クリアに聴こえて、非常に良い気分。

              オーボエの首席、めちゃくちゃ巧いし
              ホルンの首席も、これまた、めちゃくちゃ巧い。

              弦の数は多かったのだが
              対向位置の配置のせいか、低弦(舞台向かって左側にチェロとコントラバス)は響くが
              バイオリンの音が、かなり薄く聴こえてきたのは
              バリバリ・ガリガリ弾かせずに、美しい音色を意図したせいか?

              スケルツォの細かい弦のパッセージは
              きっちりアンサンブルを揃えて、あの細かい音符を潰さずに演奏していたから
              弦がヘタクソという事は絶対にないはずなのだ。

              「夜の音楽」部分は、本当に丁寧に、一つ一つのパッセージを歌わせる。
              ヘンにのめり込み過ぎず
              音響構築を前面に押し出して、とことん歌わせる手腕は見事。

              ちゃんと溜めるところは溜めて
              一度なんか、途中で、おや、これはブルックナーの全停止?というくらい
              きっちりと音響を止めた部分もあって、面白い。

              テンポ揺らしが少なくて、その分、各所を丁寧に提示していた。
              ハラハラ・ドキドキ、という演奏ではなかったし、
              ゆっくりし過ぎで、同じテンポが続いたので、
              その分、緊張感を犠牲にした部分があったが
              スコアの音を、全部、クリアに聴かせてもらったみたいな気分。

              ワタクシ的には、もう少し、入れ込んで、のめり込んで
              テンポを揺らしながら演奏してもらっても良かったんですけど (^.^)

              でも、あのクールさが、ヨナサン・ノットの持ち味なのかもしれない。

              いや、この交響曲、めちゃ難しい曲だから
              (指揮者にもオーケストラにも・・・)
              一度だけ、プロのオーケストラがボロボロになった場に居合わせた事もあるし
              (記憶力の良い読者は覚えているかも。
               オーストリアのオーケストラではないが
               いや、あの時は、本当に驚いた。プロでも、ああいう事があるんだなぁ)
              その意味、名人揃いのオーケストラで
              指揮者の統率もしっかりしていて、崩れる事が全くない(あったら困るが)

              ついでだが
              カウベルの音響の使い方が、バッチリ決まっていて

              ああ、貴方たちも、田舎の人 カントリーサイドが好きなのね・・・と
              微笑ましく思えたのも、演奏を好意的に受け取れた大きな要素ではあった。

              ボストリッジのリサイタルが聴けなかったのは、実に残念だし
              クトロヴァッツ兄弟の演奏を逃したのも号泣モノだし
              ルイージさまの、マーラーの5番だって、もう一度聴きたかったのは山々なのだが
              でも、身体が4つあるワケじゃないし (T.T)

              でも、このマーラーの7番、やっぱり聴いておいて良かった。

              どういう演奏かな?と思った方
              オーストリア・ラジオ放送局1番で、6月17日19時30分から聴けます (^^)v

              マーラー漬け3日間は、これにて終了。
              まだ、聴き足りない・・・というか、もっと聴きたい気分の私に
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              日中、太陽燦々と輝いていた時は30℃近くになった気温は
              午後と夜の雷と大雨で、急激に下がって、夜は12℃。
              こういう気候の時って、何を着るべきか、本当に悩みますね。


              ウィーン交響楽団 + ファビオ・ルイージ

              0
                Musikverein 2011年5月26日 19時30分〜21時40分

                Wiener Symphoniker
                指揮 Fabio Luisi
                トランペット Gábor Boldoczki

                Johann Nepomuk Hummel (1778-1837)
                    Konzert für Trompete und Orchester E-Dur, WoO 1
                Gustav Mahler (1860-1911)
                    Symphonie Nr. 5

                ついこの間、ニューヨーク・フィル+アラン・ギルバートで
                同じ会場で、同じマーラーの5番を聴いたばかり。
                (おヒマな方、感想記はココです)

                で、今、ワタクシは、ものすごいショックを受けている。

                今日、楽友協会で演奏されたのは

                         交響曲 「崩壊」

                最初の埋葬行進曲の後に続く4楽章では
                これでもか、という程、崩壊が繰り返される。

                それは、19世紀末の、オーストリア・ハンガリー帝国の崩壊であり
                社会の崩壊、歴史の崩壊と共に
                個人の崩壊まで含む、ものすごい規模のもので

                聴きながら、廻りの世界が、ガラガラと崩れていく、という
                不安定な、薄気味悪い世界が
                過去の亡霊を伴って、19世紀末のまま、目の前に展開されていくような気分。

                ニューヨーク・フィルの「サウンド万歳」というマーラーと
                何だか全く違うのは、私の偏見なのだろうが
                でも、同じ曲でありながら、その様相は見事に違う。

                ものすごく丁寧に作られたルイージの音楽は
                細かい部分の処理が、ものすごく巧い。
                ほんの短いフレーズの膨らみや、ほんの少しのテンポの変化が
                異様なまでに印象的な音を作る。

                    時々、アンサンブル、ズレてましたが(笑)

                アダージエットのテンポは・・・・ めちゃくちゃ遅い。
                ルイージなら、あっさりと速めでやるかと思っていたら
                止まりそうな程に(うわ〜、弦、かわいそう)テンポを落とし
                中間部分で、テンポを速めて、また落とし・・・

                これ、愛の告白なんかじゃない!(きっぱり)

                      交響曲9番を聴いているような気分。

                自己が崩壊して、肉体から離脱して
                とんでもない未知の世界に飛んでいくような、異様な感覚。
                聴いていて、打ちのめされる。

                最後まで聴くと、最初の埋葬行進曲に納得がいく。
                (最初の埋葬行進曲のリズムと、低い管の扱いが見事!
                 本当に、昔の「埋葬」を彷彿とさせる・・・ コワイくらい気味が悪い)

                ものすごいエネルギーの爆発もあるのだけれど
                基本的には、崩れゆく世界が、まざまざと見えて
                19世紀末の、あの、エネルギーに満ちながら
                不安定で、自己のアイデンティティの危機に揺れながらの世界が
                手に取るように感じられた・・・というより
                自分がその中の一部に取り込まれてしまったような感じ。

                ピアニッシモの時に、咳をする人がかなりいたし
                ちょうど良いところで、何かを床に落とした音も何回か響いたし
                私の席の周辺では
                退屈して、プログラムをすごい音で捲りながら読んでいる人とか
                バッグをガサガサやるので、飴でも探しているのかと思ったら
                帰りの地下鉄のチケットを出して、確認している人もいて
                (そういうのを、しっかり見ているワタシも何なんだ (x_x) ☆\(^^;) ぽかっ)
                マーラーの交響曲をあまり知らない人に向くコンサートではなかっただろうが
                (だいたい、マーラー、長いし、めちゃ前衛的なところがあるし
                 それに、今日はルイージが、ものすごい大音響でオーケストラを鳴らせたし)

                でも、あの、薄気味悪さというか
                エネルギーと、その崩壊のぶつかる、矛盾と分裂に満ちた世界は
                どんなに雑音があっても
                これは、やっぱりナマでなければ、感じられなかっただろう。

                こういう演奏を聴いてしまうと
                6月のマーラーの交響曲3番から、ルイージが降りたのは、非常に痛い。
                (その前だって、2番をキャンセルしたし・・・・(怒))

                ルイージの指揮で、マーラーの交響曲全曲を
                一度、通しでナマで聴いてみたいものだ・・・・
                (聴く方としては、かなり苦しそうだが・・・ 耐えられるかなぁ(笑))

                と切実に要望する私に、1クリックを、ぜひよろしくお願いします。

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                いや、実はコンサート終わってからオフィスに仕事の続きをしに来ているのだが
                ちょっと20分だけ、サボって、急いで感想記をアップ。
                あのショックを、皆さまにリアルでお伝えしたかったので(←サボりの口実 f(^^;))


                サンフランシスコ交響楽団 + ティルソン・トーマス

                0

                  Konzerthaus 2011年5月25日 19時30分〜21時05分

                  Sanfrancisco Symphony
                  指揮 Michael Tilson Thomas

                  Gustav Mahler (1860-1911)
                      Symphonie Nr. 9 (1908/09)

                  サンフランスシコ交響楽団の客演最終日。
                  同日・同時刻に楽友協会では
                  ウィーン交響楽団+ルイージで、マーラーの交響曲5番。
                     あああああ、イヤな都市だ、ウィーンって(涙)

                  昨日、モドキと呑み交わした時に
                  クラシック音楽における雑音、という話になった。
                          (何で、こういうイロケのない話を・・・・(自爆))

                       「この間の国立オペラ座でのマーラー9番の演奏時に
                        空調の音がひどくて・・・」

                       「そんなの、良いじゃないか。人間だって音をたてるぞ。
                       だいたい、コンサートの時に、咳をするな、と言う事自体がおかしい。
                       モーツァルトだって、ハイドンだって
                       交響曲なんていうのは、バック・グラウンド・ミュージックだったので
                       みんな、お喋りしながら聴いていたのだ」

                                ・・・こいつ、まだ18世紀に生きてるな(怒)

                  クラシック音楽のライブにおける雑音は
                  できれば避けたい、というのが、私の本音ではあるのだが
                  かと言って

                  身体を動かすな、とか、咳するな、とか
                  ピアニッシモの時に、飴の包み紙をシャカシャカ開けるな、とか
                  コショコショと友人に耳ウチするな、とか

                     言いたい!!!! 
                            けれど、臆病な私は、せいぜいが、睨みつけるくらい・・・

                  今日のコンサート、ちょうど後ろに座った人が
                  何と、酸素呼吸器を持って来ていて
                  規則的に、シュ〜ッ、シュ〜ッ、という音が聴こえる。

                  ふざけるな、病気だったら家に居ろ! と心の中で思うけれど
                  ご本人にしてみたら、病気であってもライブが聴きたいという
                  切実な要望があるのだろう。

                  ただ、この人、立派だった。
                  2楽章とか3楽章では、時々、シュ〜ッという音が聴こえたけれど
                  最終楽章の時は、酸素吸入を、ジッと我慢してくれた。

                  いや〜、あなたも雑音反対
                  クラシックは静かに聴きたいタイプなんですね ( ^^)/\(^^ )

                  それに比べると、最終楽章で、咳をした何人かは、殴ってやりたい。

                  巧いオーケストラである。管にミスが少なく、弦のアンサンブルが揃っていて
                  実に美しい音色を奏でる。
                  ティルソン・トーマスのテンポは、無理がなくて多少遅め。

                  第3楽章では、遅めのテンポで、これでもか、とポリフォニーを刻み
                  それが、摩訶不思議な、かなりグロテスクな色彩になってホールに弾ける。

                  これが、最終楽章になると
                  厚みがある弦が、ほとんどテンポの揺らしをせずに
                  無色・・・というより、これも不思議な単色になる。
                  ほとんど「平板」に聴こえるくらいだが、単一色の不思議な色彩を持つ。

                  アゴーギクも、極限まで抑え
                  かなりクールな、突き放したような「音の事実」が聴こえる。
                  不必要な感情的な入れ込みが全くなく
                  マーラーが描いた楽譜の音通りの忠実な再現。

                  熱い入れ込みが好きな人には、ちょっと受け入れがたい演奏だっただろうが
                  あれだけ、きっちりと「音」を再現されると
                  それはそれで、かなりヨイ感じ。
                  感動する「ツボ」がちょっと違うけれど、でも、かなり印象深い演奏。

                  昨日の雑音談義を思いだしてしまったが
                  こういう交響曲って、本当はライブで演奏されるべきものではないかもしれない。

                  特に最終楽章の最後の弦のピアニッシモなど
                  雑音が全くない、静かな独りの部屋で
                  良いオーディオ装置を使って、スタジオ録音した CD を聴いている方が
                  マーラーの世界にのめり込む事ができそうだ。

                  同じアメリカのオーケストラでも
                  ニューヨークとサンフランシスコでは、音色が全く違うのは面白かった。
                  (もちろん、楽友協会とコンツェルトハウスという会場の差も激しかったと思う)

                  明日も明後日も、マーラー (^^)v という
                  ルンルンしている(でも仕事が〜仕事が〜(冷汗))私に
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                  もどきと、絶対に一緒にコンサートに行かない理由
                  これで、皆さまにも、おわかりですね(笑)



                  没後100年と生誕200年

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                    今日は久し振りにコンサートに行かない日 (どういう生活?!)
                    で、バラバラといくつかのテーマで書く。

                    まずは、ショックな本日のニュース。

                    マーラー没後100年を記念して
                    マーラーの交響曲チクルスが行われているが
                    6月19日・20日・21日に、コンツェルトハウスで
                    ウィーン交響楽団が、ファビオ・ルイージと、交響曲3番を演奏する予定だった。

                    もちろん、チケット持ってますとも!!!!
                    しかも、20日と21日両方とも・・・・

                    いや、しかし、日本へのメトロポリタン歌劇場の公演で
                    ジェームス・レヴァインがキャンセルして、ルイージが行く、と聞いた時から
                    あぁ、こりゃ、6月のマーラーはキャンセルかな・・・とは思っていたのだが

                    まさか、その代役に、クリスティアン・アルミンクが出てくるとは (・_・ゞ−☆

                    クリスティアン・アルミンクは楽友協会の指揮台に立って
                    ウィーン交響楽団を指揮するのは見た事があるが
                    バトン・テクニックのバリエーションが異様に少なく(若い指揮者では珍しい)
                    でも、僕、ハンサムだし、うふ、というヘンな気取りがあちこちで見えて
                    ある意味、強烈な印象を受けてはいるが
                    音楽的に、何かあるか、というと、う〜ん (-"-;)

                    一回聴いただけでは、判断は難しいけれど
                    でも、他の若い指揮者たちに比べても、ちょっとなぁ、という印象しかない。

                    ルイージさまが、ニューヨークとチューリヒに惚れて
                    ウィーンを袖にする、というなら、それはそれで構わない。
                    野心もあるだろうし、伸びていく指揮者だし
                    美しい指揮姿は、今までも何回も観たから、別に未練はないけれど

                    他の指揮者はいなかったんかいっ!!!!!(怒)
                    ベルトラン・ド・ビリーとかが指揮台に立つんだったら
                    ワタシ、19日のチケットも買ったのに・・・・

                    まぁ、個人的な意見ですので、皆さまは気にしないように。

                    さて、グスタフ・マーラーは没後100年だが
                    生誕200年、という人もいて、その人は こちら ↓



                    歳取ってからの胸像なので、何か、ハイドンっぽく見えない事もないけれど
                    もちろん、フランツ・リストである。

                    フランツ・リストの生家、ライディングは、現在、博物館とコンサート・ホールになっている。
                    生家は、小さな家(しかも平屋)。庭にも、胸像がある。



                    建物の右側が入口だが、うわっ、入口のところが・・・・



                    な、な、何なんだ、このでっかい看板?は・・・・
                    いや、フランツ・リストの若い頃だろう、というのは理解できるけれど
                    入口の三角形のところには、お歳を召した時の横顔があるし・・・
                    う〜ん、ブルゲンラントの趣味は、よくわからん。

                    近くには、リストが洗礼を受けた教会があって
                    洗礼盤もオリジナルで残っている。

                    ただ、その教会の真向かいの広場に、芸術作品だろうが、こういうポールが・・・




                    ???? すごく田舎の村なんですけど (オーストリアですよ!!!)
                    こんな目立つ場所に、こういう「芸術作品」 ・・・・ 面白い(笑)

                    というワケで、ユル記事になりましたが
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                    ウィーンは気温が上がって、30℃近くになっている。
                    昨日の頭痛は凄かったし、今日もちょっとキツかったけれど
                    明日からのマーラー3日続きまでには、何とか治したいわ (^^)v




                    サンフランシスコ交響楽団 + ティルソン・トーマス

                    0
                      Konzerthaus 2011年5月23日 19時30分〜21時05分

                      San Francisco Symphony
                      指揮 Michael Tilson Thomas

                      Gustav Mahler (1860-1911)
                          Symphonie Nr.6 a-moll (1903-1904)

                      サンフランシスコ交響楽団が、プラハの春での演奏の後
                      ウィーンでマーラー・チクルス。

                      コンツェルトハウスでは、毎日、マーラーとその後、というタイトルで
                      朝から講演会が行われている・・・けれど、
                      サラリー・ウーマンが行けるはずもなく(涙)
                      18時からの「マーラーの肖像」という講演会も行けない(涙)

                      さて、マーラーの交響曲6番。

                      いつもの事ながら、コンサート前に、全員が舞台に乗って
                      管も弦も、好き勝手なところを練習していて、やっぱりうるさい(笑)

                      ただ、コンツェルトハウスなので、多少なりとも逃げ場はあるし
                      会場が大きいので、楽友協会ほどには大音響にはならないが
                      でも、練習の音に負けずに、聴衆のお喋りの声も大きくなるし
                      やっぱり神経に障る(怒)

                      元気良く始まったマーラー。
                      ううう、このオーケストラ、優等生だ。
                      巧いし、ゴリゴリの音ではなくて、とてもバランスの取れた美しい演奏で
                      エネルギーに満ちて
                      とても正統的で (響きがヨーロピアン)
                      安心して聴いていられるし、違和感がない。

                      けれど、めちゃくちゃ胸が痛くなる、とかそういうモノではなくて
                      いや〜、上手なオーケストラだなぁ、という感じがして
                      失礼な事を言うなら、気持ち良く聴けるバック・グラウンド・ミュージックみたい。

                      急に暑くなったので、老体に負担がかかって
                      ずっと偏頭痛で、吐き気までして、しかも、めちゃくちゃ眠たかった、という
                      私の身体の状態もあるけれど
                      (別に仕事し過ぎ、という事ではないと思うが、季節が季節だから・・・)
                      そんな状態で聴いても
                      精神的にコタえる、という演奏ではなくて
                      どんなに疲れた状態であっても、気持ち良く聴けちゃう。

                      編成が大きく、バランスが取れて
                      フォルティッシモもすごい音を出すので、エネルギーたっぷりの演奏で
                      最後の心臓に悪い、例のフォルティッシモなんか
                      聴衆が一瞬、(*_*)ビクッ としたくらいの迫力。

                      疲れている時の短いコンサートは助かるし
                      集中力は、ずっと切れずに、とても良い演奏で
                      ヘンに感情を揺さぶられる事もなく(これは私の疲労が悪い)
                      すご〜く、気持ち良く聴けたマーラーの6番で
                      それはそれで、すごく楽しい時間だった。

                      普段の睡眠時間は5時間〜6時間なのだけれど
                      水曜日の、マーラーの9番までには、たっぷり睡眠時間を取って
                      今度は万全の体調で臨まねば・・・(決心)

                      今週は、25日に9番、26日は5番、27日は7番と、マーラーが続く。
                      ああ、ウレシイ ↑(^^_)ルン♪

                      マーラー漬けという、素晴らしい状態に狂喜する私に
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                      ウィーンは日中の気温が28℃以上にあがって
                      まさに「夏」である。暑さに弱いワタクシにはツライけれど
                      オフィスに冷房あるし \(^O^)/ (数年前までなかったの・・・・)

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