ウィーン交響楽団 + ベルトラン・ド・ビリー

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    Musikverein Großer Saal 2011年3月31日 19時30分〜21時30分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Bertrand de Billy
    バイオリン Leonidas Kavakos

    Carl Maria von Weber (1786-1826)
        Ouvertüre zur Oper “Oberon”
    Sergej Prokofjew (1891-1953)
        Violinkonzert Nr.2 g-Moll, op. 63
    Antonín Dvořák (1841-1904)
        Symphonie Nr.9 e-Moll, op.95 “Aus der Neuen Welt”

    ヤコブ・クライツベルクが指揮台に立つはずだったコンサート。
    内部の話では、クライツベルクは既に自分の死期を知っていて
    これを最後のコンサートという予定で、ドボルジャークの交響曲9番を組んだと言う。
    残念ながら、3月15日に51歳にて逝去。
    合掌。

    代わって指揮台に立った、ベルトラン・ド・ビリー。

         ・・・すごく痩せましたね (+_+)

    ダイエットしたのか、心労なのか病気なのか
    デブ専の ふくよかな男性が好きな私には、ちょっとショック。

    だって、丸刈りの頭だし、丸い黒枠メガネだし
    なんだか、大正時代の「書生さん」にしか見えないんだけど・・・
            袴とか下駄とか履いたら、めちゃくちゃ似合いそう・・・

    いかん、いかん、妄想に浸っている場合ではない (>_< )( >_<)

    オベロン序曲は、元気でニュアンスに満ちて、とても楽しい。
    ウィーン交響楽団の音にとても合っている。

     ・・・しかし、このオーケストラ、つい数日前に
         マーラーの交響曲2番を演奏したんだよね?!
          で、同じメンバーも結構居るのに、すぐに次のプログラム。
          ここらへん、やっぱりプロのオーケストラというのは、凄い。

    プロコフィエフのバイオリン協奏曲は、初めて聴いた。
    (交響曲は全曲 CD で揃えてあるが、協奏曲まで手が出ない)

    いや、これ、すごくワタシ好みの曲 ↑(^^_)ルン♪
    もちろんトナールなのだが、プロコフィエフらしい不協和音が楽しいし
    第2楽章の、何とも素朴な美しさは、心に沁み入ってくる。

    カヴァコスのバイオリンが素晴らしい。
    力強く、揺るぎない技術で、伸び伸びとした音色を響かせて
    高音が絶叫にならないし、あくまでも澄んだ、でもエネルギッシュな響き。

      バイオリン、苦手なのに
      こんなに感激しちゃって良いんだろうか

    アンコールの曲も、ホール中に響く音が
    男性的なエネルギーに満ちて、かなりマッチョな色気がある。
    (偏見です)
    久し振りに、音楽=美食 という、味覚的な満足感を覚える演奏。

    後半のドボルジャークの交響曲9番「新世界から」も、素晴らしかった。
    多少速めのテンポで、あっさりと飛ばすビリーの感覚だが
    音楽的に歌わせるところは、充分に歌わせて
    名人揃いの金管に、思い切り音を出させて、華やかにホールを飾った。

    ビリーの指揮は、ほんの少しづつ、早めに指示を出すので
    時々、音と仕草がブレるところが目立って
    見ていると、ちょっと混乱するが
    奇を衒わず、音楽そのものを引き立てようとする音楽造りには好感が持てる。

    実はこのチクルス、持っていたのは30日のチケットだったのだが
    30日には国立オペラ座が入ったので
    わかってから、すぐに楽友協会に30日のチケットを持っていって
    厚かましくも31日のチケットに交換してもらったのだ。

    良い席が空いていなかったのだが
    行ってみたら、開演前に、バタバタと席を移動する人がかなり居て
    当該の席を持っていた人(移動した)に断って、ベストの席で聴かせてもらった。
    (指揮者だけ見える席。チケットの値段は一緒だから、ズルはしてません)

    ところで、本日は楽友協会で5月31日のミュンヒェン・フィルと
    クリスティアン・ティーレマンのコンサートの、会員発売開始日だった。
    ベートーベン・チクルスの時には
    チケット発売の始まる窓口に、ズラッと人が並んだのだが
    夜になった時点でも、まだ、かなりの数のチケットが入手できる状態。

    ティーレマン人気って、下火になってきてるの?
    それとも、曲がブルックナーの交響曲5番という地味な曲だから???

    私は、もちろん、すかさず発売開始と共に
    自分の(一番安い)席は確保 (^^)v

    来シーズンの楽友協会のプログラムも発表になって
    申し込みだけはしたので、6月にまた超貧乏になりそうな私に
    お金は恵んでいただけなくてもかまいませんので
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    「エレクトラ」 ウィーン国立オペラ座

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      Wiener Staatsoper 2011年3月30日20時〜21時50分

      Elektra
      Richard Strauss
      Tragödie in einem Akt von Hugo von Hofmannsthal

      指揮 Peter Schneider
      クリムネストラ Agnes Baltsa
      エレクトラ Janice Baird
      クリソテミス Silvana Dussmann
      エギスト Michael Roider
      オレスト Ain Anger

      他にも、わんさかと脇役はいるのだが
      面倒なので書かない。悪しからずご了承下さい (^^ゞ

      お客様というか友人というか
      はたまた読者と言うか、微妙なのだが
      F 先生から、急遽、行けなくなったチケットをいただき

      何と、平土間1列目!!!! (*_*)

      クロークに荷物を預ける時に
      「席は平土間?」と聞かれて
      「今日だけ例外中の例外で1列目なの〜」と言った私が
      よほど、すっ飛んでいたらしく
      いつもは無愛想なお姉ちゃんが、何だか戸惑い気味に
      「じゃあ、楽しんでいらっしゃいね」

         かなり憐れまれている気分だが
               気にしない、気にしない ↑(^^_)ルン♪ (←能天気)

      うっふっふ〜〜〜 F 先生、重ねて御礼申し上げます(深くお辞儀)

      国立オペラ座のエレクトラは、2007年5月1日に安い席で観賞した。
      あの時は、舞台はほとんど見えなかったが
      クリムネストラは、今回と同じ、アグネス・バルツァ。
      エレクトラはデボラ・ポラスキだった。

      今回のエレクトラは、ニューヨーク生まれのジャニス・ベアード。
      出ずっぱりの、実にハードな役だが
      歌えば歌う程、声が出てくるタイプ。
      演技も巧いし、動きも、見た目も美しい。

      バイオグラフィーを見たら、もともとアクタース・スタジオで
      女優さんになる勉強をしていて、メゾソプラノでデビューし
      その後、ソプラノに変わった歌手だそうで
      低音領域も、確かに美声でゆったりと出している。

      クリソテミス役のドゥスマンは、ちょっとフクヨカなので
      見た目が、ちょっとだけ、オバサンに見える。
      高音の音程が、多少、不安定に聴こえるが
      この演目の不安感を煽るのには、ちょうど良いのかもしれないし
      高音の声も、透き通って、キレイに絶叫していた。
      (はい、あれは、絶叫にしか聴こえません(笑))

      いや、でも、何が圧倒的って
      クリムネストラのアグネス・バルツァ!!!!
      1944年生まれだから、今年67歳・・・(絶句)

      小柄で、ちょっと萎んだ感じのおばあちゃまに見えるのだが
      舞台での存在感が圧倒的だし
      低音領域では、敢えて地声に近い音まで駆使して
      もう、見事に、クリムネストラの性格や不安をあらわすのだ。

      クリムネストラは、だんなのアガメムノンを殺すほどの女性だから
      ただ、不安に打ち震えているだけでは、いかんのだ。
      バルツァの歌うクリムネストラは
      そこらへんが、魔女的というか、悪女的というか、汚れ役というか
      いや、もう、あの迫力は、当代随一のクリムネストラと言えるだろう(断言)

      舞台は暗くて、でっかいアガメムノンの銅像が下半身だけ右側に立っていて
      顔が半分落ちたのが、左側の奥にある。
      舞台変換も全くないし、照明もほとんど変わらないし
      歌手の動きだって
      エレクトラが、銅像からの紐を持って、あっちにいったり、こっちに来たりする程度。

      演出はザルツブルク音楽祭の舞台の方が面白かったわ。
      (途中で血まみれのバスルームとか出てきたし)

      男性陣も揃っていて、美声である。
      (でも、オレストもエギストも、薄汚れた格好で登場するので
       あんまり、カッコよく見えない(爆))

      が、これは、ともかく最初から最後まで
      女性の甲高い声、しかも、恨みつらみの籠った絶叫を
      延々と聴き続けるというオペラなので
      エレクトラ・クリムネストラ・クリソテミスが巧くないと話にならないのだ。

      いや、その意味では、2時間聴いても神経に障らない歌手が揃って
      聴き応え充分 (^^)v

      更に、オーケストラがめちゃヨイんです〜〜〜〜 (☆o☆)

      あの、複雑怪奇な、時々無調になっちゃう交響詩を
      何とも明確に、歌手とのバランスやソロの掛け合いも見事にこなす。
      やっぱり、こういうモノを弾かせると
      国立オペラ座管弦楽団(=ウィーン・フィル)は抜群にうまい。

      リヒャルト・シュトラウスのオペラの中で、最も先鋭的な作品として
      決して「聴きやすい」オペラではないし
      甲高い声が苦手な私としては、シーズンに何回も観たいものではないけれど
      ウィーン国立オペラ座のレベルの高さを、まざまざと見せてくれた公演だった。

      ソプラノが苦手な人でも、楽しんで聴けます (^.^)
          と、宣伝するワタクシに(だって、キャンセル続きなんだもん(涙))
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      国立オペラ座 「アラベラ」

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        Wiener Staatsoper 2011年3月29日 19時30分〜22時20分

        Richard Strauss
        Arabella

        指揮 Ulf Schirmer
        ヴァルトナー公 Lars Woldt
        アデライーデ Zoryana Kushpler
        アラベラ Camilla Nylund
        ズデンカ Alexande Reinprecht
        マンドリカ Bo Skovhus
        メッテオ Michael Schade
        エレマー公 Norbert Ernst
        ドミニク公 Daniel Schmutzhard
        ラモラル公 Marcus Pelz
        フィアカー・ミリ Julia Novikova
        占い師 Donna Ellen
        ヴェルコ Konrad Huber
        ジューラ Roland Winkler
        ヤンケル Thomas Köber

        ノーチェックだったアラベラだが、お客さまからの親切なご招待で
        うっふっふ〜、すごく良い席にて観賞。
        F 先生、ありがとうございます m(__)m 心より感謝!!!!

        この演出は、今回で25回目の上演。
        一度、観賞した事があると思うが、あの時は舞台が半分以上見えなかった。
        (そんな席ばっかり (x_x) ☆\(^^;) ぽかっ)
        今回は、良く見える。すごく見える。
        オーケストラ・ボックスに指揮者まで、丸々見える \(^O^)/

        キャスト表を見て、開演前に狂喜するワタシ。
        いやん、めちゃ揃ってるじゃん (^^)v

        期待にたがわず、素晴らしい出来。

        お父さん役の Lars Woldt の、すごい声量で響くバスにノック・アウト。
        この人、フォルクス・オパーで愉快なニーベルンゲンを歌った次の日に
        国立オペラ座でヴォータンか何かを歌っていた超人だが
        抜き出た声量と、その美声は、こんなチョイ役にはもったいないくらい。

        お母さんの Kushpler も、見た目、演技、歌、すべて揃って申し分ない。
        途中の失神シーンが、あまりに可愛くてチャーミング。

        アラベラ役の Nylund は、歌えば歌う程、声に艶が出て
        高音も神経に障らず、実に美しい声で聴かせてくれる。
        更に、見た目の美しさ、仕草一つに気品があって
        最後の最後まで、目と耳が離せない。
        歌いこめば歌いこむ程、声が出てくるタイプは
        正にリヒャルト・シュトラウス向き。大満足。

        ズデンカの Reinprecht も、可愛いし、声は出るし
        男装も似合う。
        まぁ、マッテオと契った後の、花嫁衣装(なのだろう、あれは)は
        ちょっといただけないが・・・ それは、あくまでも衣裳が悪い。

        マンドリカを歌った Bo Skovhus は、コミカルな役どころが実に巧い。
        田舎者の大金持ちを、よく演じきっていた。
        オーケストラのトゥッティに、バリトンがかき消されそうな部分はあったが
        最後のブラボー・コールの多さからして
        意外に、オーケストラの壁を抜けて、ギャラリー辺りには響いたのかもしれない。

        メッテオ役に ミスター残念 Schade が起用されていたのは儲けモノ。
        演出上、ちょっとアホで激昂しているメッテオだったが
        いつもの美声を充分に堪能。

        チョイ役の求婚者たちも、可愛いの (*^^*)

        演出は現代演出で、ウィーンの舞踏会なのに
        何故か、上半身ハダカのダンサーとか、全身黒タイツのバニーガールとか出てきて
        会場も、場末のさびれたバーみたいなのは、ちょっと気になるが
        動きはそこそこあるし、コミカルな部分もあって、飽きさせない。

        いや〜、久し振りに楽しい舞台を見てしまったわ、うふ。

        本日のオーストリア航空のウィーンから成田への直行便が
        飛ぶ直前にキャンセルされて
        60名を越す 難民の群れ パッセンジャーが、リブッキングに追われたという
        聞くも涙、語るも涙のとんでもない1日だったのだが
        (え〜い、オーストリア航空、イイカゲンにしろ!!!(激怒))
        夕方5時には、全員が、どこかの経由で飛べる事になって
        ギリギリで、オペラに行ける! というような状態。

        ああ、でも、行けて良かった (T.T) ← 嬉し涙

        明日も続けてオペラ観賞予定。
        睡眠不足をどうしよう、というのはあるけれど
        趣味の世界は止められない、アホな私に
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        急に春めいて、日中は汗ばむほどの気温。
        これが始まると、数週間で、あっという間にウィーンは緑になる。


        ウィーン交響楽団 + インゴ・メッツマッハー

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          ご心配をおかけしましたが、無事にプラハから生還。
          日曜日にダブル・コンサートに行って、やっと生き返りました(笑)

          いや、まぁ、色々 f(^^;)
          時系列でコンサート日誌を読みたい方は
          3月27日 16時からのトーンキュンストラーは ここ
          3月27日 19時30分からのマーラー・チェンバー・オーケストラは ここ

          Musikverein Großer Saal 2011年3月28日 19時30分〜21時15分

          Wiener Symphoniker
          Wiener Singverein (Leitung : Johannes Prinz)
          指揮 Ingo Metzmacher
          ソプラノ Julia Kleiter
          アルト Jane Henschel

          Toru Takemitsu (1930-1996)
              Requiem für Streichorchester (1957)
          Gustav Mahler (1860-1911)
              Symphonie Nr.2 c-Moll

          当初はファビオ・ルイージが指揮する筈だったのに
          ルイージのキャンセルで、インゴ・メッツマッハーが同じプログラム。

          日本の地震災害の犠牲者に捧げる、武満徹の「弦楽のためのレクイエム」の演奏後
          そのまま始まったマーラーの交響曲2番。

          第1楽章から、かなりのテンポと音響を持ってきて
          途中の長調のテーマで、ものすごくテンポを落とす。
          強弱が激しく、テンポの緩急の幅もすごい。

          カレイド・スコープを覗いているような感じ。
          派手と言えば派手。
          盛り上がったり、すごいピアニッシモになったりと変化が激しい。

          マーラーの指示では「第1楽章の後は、少なくとも5分の休憩を取ること」とあるらしい。
          コーラスが入って、歌手が入って
          本当に5分も経ったのか、わからないが
          何だか、ド派手な第1楽章に当てられて、ちょっとボーッとしているうちに
          (註 ただの睡眠不足という説もある)
          第2楽章のレンドラー。

          うわ、今度は、めちゃ遅いぞ。

          遅い代わりに、弦の響きが実に美しい。
          この世のモノとは思えない、何だか、アッチへ行っちゃった、という響きである。

          聴いていて、ふと思った。

          メッツマッハーは
          哲学的だとか、音楽的だとか、内容だの暗示だのを吹っ飛ばして
          ひたすら、この曲の「音響的に完璧な構築」を目指しているのではないか?

          ポリフォニーの扱いも素晴らしい。
          CD で聴いたら潰れてしまうような
          背景にある、ピアニッシモの弦のすすり泣くような音まで
          きっちりと、バランスを保って聴こえてくる。

          ただ、その割には、遠くから響いてくるはずの金管の個所が
          音が弱過ぎて、何だか間抜けに聴こえた、という事はあったけれど
          あれも、きっと、平土間の値段が高い席で聴いている
          タダ券をもらった批評家諸君には、絶妙のバランスで響いているのかもしれない。
          (すみません、個人的な僻みが入ってます f(^^;))

          魚に説教するアントニウスの第3楽章も
          実に滑らかで、民謡の野卑な感じは一切せず、ともかく音響がキレイ。

          Urlicht から続く、20分以上にもわたる後半部分も
          フォルティッシモとピアニッシモの間を自由自在に行ったり来たり
          音響的には、この上もなく美しい。
          しかも、ピアニッシモの美しい部分のテンポが、ひたすら遅いし・・・

          メッツマッハーは今回は指揮棒を持たず
          手をヒラヒラさせて指揮していたので、指示がかなり不明確。
          時々、実際の音楽とずれてるし
          よって、ウィーン交響楽団でも、うわっ、ヒヤッ、とする個所も。

          しかし、いや〜、ソロが巧いなぁ。(ミスりそうになったのは一ヶ所だけ)
          コンサート・マスターのバイオリン・ソロも、絶品である。

          アルトの Jane Henschel は美声だが
          低い音域での声が、ほんの少し荒くなったのが気になった。
          ソプラノ Julia Kleiter も、よく伸びるけれど
          声量的には、時々オーケストラに沈む。

          Wiener Singverein のコーラスは巧い。
          これがアマチュアなんて、信じられない。
          人数が多いという強みはあるけれど
          Misterioso で入ってくる時の響きの柔らかさは圧倒的。

          しかも、あの、遅いテンポでアカペラに近いのに
          絶対的な安定感があるので、響きの美しさに安心して浸ることができる。

          しっかり事前に計算された音響的構築、という意味においては
          ものすごく納得できる演奏。
          ブーレーズほど透徹していなくて
          そこそこ、ちょっとだけ人間味が顔を出すのだけれど

          ただ、客観的に突き放す部分が多くて
          命を削るような悲惨さ、というか、主観的な思い込みに誘導するところがなく
          感心するけど、感激しない・・・

          いや、きっと、睡眠不足のせいだ。
          名演だったのだが、今一つ、理性にばかり語りかけられて
          私の固い心を打ち破って入ってくるだけの迫力はなかったのである。

          と勝手な主観を声高に述べて
          やっぱり、シロウトですから、睡眠不足ですから・・・と
          いつもの言い訳をする卑怯なワタクシに
          お叱りの1クリックを、どうぞよろしくお願いします。

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          先週のムシャクシャを吹き飛ばすために
          今週は、毎日、夜遊びするぞ〜〜〜〜っ!!!!


          マーラー・チェンバー・オーケストラ + ティチアーティ

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            Wiener Konzerthaus Großer Saal 2011年3月27日 19時30分〜21時45分

            Mahler Chamber Orchestra
            ビオラ Béatrice Muthelet
            クラリネット Olivier Patey
            ピアノ Lise de la Salle
            指揮 Robin Ticciati

            Hector Berlioz (1803-1869)
                Ouverture zu “Béatrice et Bénédict” Opéra comique (1860-62)
            Frédéric Chopin (1810-1849)
                Klavierkonzert Nr.2 f-moll, op. 21 (1829/30)
            György Kurtág (*1926)
                “Hommage à R.Sch.” Sechs Stücke op.15d 
                    für Klarinette, Viola und Klavier (1990)
            Robert Schumann (1810-1856)
                Symphonie Nr.4 d-moll op. 120(1841/51)

            マーラー・チェンバー・オーケストラは
            グスタフ・マーラー・ユース・オーケストラの OB 会。
            今回は Pierre-Laurent Aimard の出演予定だったが、病気でキャンセル。
            代役に立ったのは弱冠22歳の美人ピアニスト。

            これも面白いプログラム構成で
            オーケストラ曲と協奏曲、そして、クルタークの室内楽曲まで含む。

            ロビン・ティチアーティは1983年生まれ。イタリア系のイギリス人。
            この人も弱冠28歳で世界の舞台に現われたアンファン・テリブル(笑)
               まぁ、テリブルというほど、怖くはない(爆笑)

            最近の若い人たちの活躍は、オバサンには嬉しい。
            理由は言わない (こらこらこらっ!!!!)

            コンツェルトハウスは、楽友協会のいつもの席と違って
            ギャラリーなので音は良いが、指揮者は背中からしか見えない。
            今回は、何と、コンツェルトハウスのオルガン・バルコンにも席があった。

            ううう、あそこは音は悪いのだけれど、指揮者を見るには最適なのだが
            コンサートによって席があったりなかったりするので
            チクルス買いでは、入手できない席なのだ。

            クルクル天然パーマの、本当に可愛らしい男の子。
            指揮の動きは、あまり見えないし
            後ろから見る限りでは、ものすごく明確とか美しいとかという動きではないが
            元気で活発で、素直で好感が持てる。

            ショパンのピアノ協奏曲のソリスト、フランスの美少女は
            ガンガン弾くタイプではなく、非常に繊細で優しい音を出す。

            クルタークの小曲も、オーケストラ曲の間で心地よい。

            ベルリオーズとシューマンで感じたけれど
            ティチアーティって、フレーズの歌わせ方とリズム感が素晴らしい
            不思議なところで、ほんの少しの静寂の時間を作るのだが
            これが、非常に効果的なのである。

            何か、すごい才能が現れた、という予感はする。
            まだ1回のコンサートでは、どうのこうのは言えないけれど
            あの、独特の音楽感覚とリズム感は、実に新鮮な驚きであった。


            トーンキュンストラー + カルロス・カルマー

            0

              Musikverein Großer Saal 2011年3月27日 16時〜18時

              Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
              クラリネット Paul Meyer
              指揮 Carlos Kalmar

              Engelbert Humperdinck (1854-1921)
                  Vorspiel zur Oper “Hänsel und Gretel” (1893)
              Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                  Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 36 (1803)
              Aaron Copland (1900-1990)
                  Konzert für Klarinette und Streichorchester 
                      mit Harfe und Klavier (1948)
              Artie Shaw (1910-2004)
                  Konzert für Klarinette und Orchester B-Dur (1943)
              Alberto Ginastera (1916-1983)
                  Tänze aus dem Ballett “Estancia” op. 8 (1941)

              ほぼ一週間振りのナマのオーケストラ \(^O^)/
              やっぱり、楽友協会でのオーケストラの音響に触れると生き返る。

              プラハでは、ちょっとアレだったので
              かなり具体的な愚痴は、ツィッターで発散した。
              おヒマな方は探してみて下さい。
              仕事仲間にバレるとヤバイかもしれないが f(^^;)
                でも、まぁ、じゃがいも関係は周知の事実だし(内ネタすみません)

              フンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」
              いつもクリスマス前にフォルクス・オパーで上演されるけれど
              子供が多いので避けている演目の序曲。

              うわっ (*_*) ビックリ。
              何て豊かで色彩のある音遣い。
              いや、子供向けオペラとか言って避けているのは間違いかも \(__ )
                 次の機会には、オペラ全曲、聴いてみよう・・・と堅く決心する。

              ベートーベンの交響曲2番は
              正統的解釈・・・・ なんだろうなぁ。
              マジメで、正しくて、それは、それで見事なモノなのだが

                  つまんない・・・ (こらっ!)

              テンポの揺らしがほとんどなくて
              キレイに音は出ているのだが、何だか、退屈なのである。

                  ううう、ティーレマンのベートーベンに毒されたかもしらん・・・(本気)

              後半は、アメリカにアルゼンチン。
              こういうプログラムが堂々と組めるのは、トーンキュンストラーだからこそ。

              アーロン・コープランドのクラリネット協奏曲は
              コープランドと言えばアパラチアの春、と思う単純で無学な私にはショックだった。
              いや、かなり前衛的。でも、良くも悪くもアメリカ的で
              ステーキを、さっと炙った、という感じで楽しい。

              アーティ・ショウになったら
                  これは、もう、スイング・ジャズ ┗(^0^)┓)))((((

              オーケストラにも、普段、絶対にクラシックの舞台で見ない(と思う)
              サクソフォンが4本だか5本だか並んで
              弦は奥に引っ込んで(ただの飾り物(笑)コントラバスだけ例外(爆笑))
              金管が、ガンガン、派手にスイングして

                  いやん、楽しいわん U^ェ^U ワン!

              最後のアルベルト・ヒナステラのバレエ音楽が
              これまた楽しい。
              変拍子の民謡を多用していて、ノリが良いし、派手だし
              聴きながら、身体が踊ってしまう (*^^*)

              クラシック一辺倒だけじゃなくて
              時々、クラシックだけど、ちょっと違うの、という作品を演奏してくれるのは
              新鮮で楽しい。
              (まぁ、ベートーベンはいただけなかったけれど
               もしかしたら、私の体調が、クラシックよりラテンだったのかもしれない(謎発言))

              この日は、コンサートのハシゴで
              コーヒー+ケーキの後に、コンツェルトハウスに出向いた。


              プラハ

              0
                生きてます。

                「お仕事」でプラハ。ものすごい数のファイルを持って来ているので
                ファイルとコンピュータで、小さいトランクは全く使えず
                海外旅行用の、どでかいトランクで移動。

                いやはや、モロに「正しい日本人の海外旅行客」そのものの出で立ち。
                それが証拠に、プラハの中央駅で
                怪しげなオジサンに

                チェンジ?

                と声をかけられた。
                うわ〜、今でも居るんですね・・・

                もちろん、スリの可能性も高いので、バッグはしっかり注意。

                今回の問題は、グループのフライトで
                オーストリア航空がキャンセルになったり
                プラハまでの乗り継ぎが当初のフライトで出来なかったり

                もっと悲惨なのは
                次のフライトのシップが小さ過ぎてグループが乗りきれず
                結局、19時に到着してから
                バスでプラハに移動・・・ 優に5時間ほどかかる。ああああ・・・

                到着するのは、真夜中過ぎで
                我々スタッフはそれまでは眠れない。
                夜、遅いのは、全然かまわないのだが。

                しかし、今回も、例のジャガイモ関係で(内ネタです)
                ものすごく振りまわされているので

                いやいや、いかん、ここには、詳しい事は書けない (;_; )( ;_;)

                しかし、いくら慣れたとは言え
                毎回、相も変わらず、同じように問題を起こすのが、すごいと言えばすごい。

                まぁ、そういう人もいるわよ(笑)

                私の周囲が、みんな、仕事ができて優秀で
                人間的にデキた人が多いので
                この方を含めて、天敵3名のスゴさが目立っちゃうのである。

                その意味で、時々は天敵と対峙して
                いつもお付き合いいただいている方の有難さを
                しみじみと感じる良い機会でもある(と思わないとやってられない)

                もっとも、この方とコンタクトのある方は
                みんな、蛇蝎のごとく嫌っているので
                Leidensgemeinschaft 同じ悩みを持つ仲間、という事で
                何故か全員に、堅い友情が育つ(爆笑)

                今日と明日を乗り切れば、何とかなる!!!
                 ・・・ 頑張るぞ。

                いつもコンサートやオペラで遊んでばかりの印象を与えるだろうが
                一応、人並み(かそれよりちょっと、いや、かなり?少なく)に
                社会的な悩みを抱えている私に
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                人の悪口を言うと、鬼に襲われるので
                これ以上は書きません(って書いてるじゃん(自爆)) すみませんでした。



                バイエルン放送交響楽団 + マリス・ヤンソンス

                0

                  Musikverein Großer Saal 2011年3月21日 19時30分〜21時30分

                  Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
                  指揮 Mariss Jansons
                  ソプラノ Miah Persson

                  Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
                      Symphonie Nr. 9, Es-Dur, op. 70
                  Gustav Mahler (1860-1911)
                      Symphonie Nr. 4 G-Dur

                  ちょっと睡眠不足のハイな状態で仕事した後のコンサート。
                  寝るとまずいとは思ったが
                  まぁ、ショスタコーヴィッチの交響曲9番と、マーラーの交響曲4番なら
                  気軽に聴けそうだし・・・

                  と思っていったコンサートだったが
                  体調的に大番狂わせ (謎の発言だが、おいおい解明する)

                  バイエルン放送交響楽団のコンサートは2回。
                  昨日の日曜日は、ウィーン劇場のプレミエに釣られて行かなかった。
                  プログラムとしては、今日の方が、モロにワタクシ好み。

                  ショスタコーヴィッチの交響曲9番は
                  ご存知の通り、ちょっとふざけた曲なのだが
                  ヤンソンスの指揮、巧いなぁ・・・ (+_+)

                  変拍子やアクセントなどが、ものすごく緻密に表現されていて
                  見ていて気持ちが良い。
                  正に職人の仕事・・・という感じ。

                  音響的には、すごく「噛みついてくる」感じ。
                  鋭い音を極限まで鋭く磨いて
                  愉快というより、底に隠れたブラック・ユーモアが
                  黒砂糖に包まれて差し出されてみたので
                  食べてみたら、中にガリッという、苦い石が入っている、という印象。

                  すみません、いつも、ドシロウトの主観的な印象しか書けないもんで f(^^;)

                  後半のマーラー、交響曲4番は、まぁ、モーツァルトだしな、と
                  気楽に聴き始めたら

                  ううう、これが、とんでもない事になっていて

                       グスタフ・マーラー作曲 「人類最後の日、アポカリプス・ナウ」

                           すみません、謎発言が多くて \(__ )

                  第1楽章から、曲がボーゲンで聴こえて来ない。
                  (たぶん、ワタクシが疲れている・・・)
                  ブチブチと切れた、音楽のフラグメントが、虚構の中をアチコチに飛んでいる。

                  ううう、緻密にポリフォニーを出して
                  細かい部分を、しっかり演奏しているのは、ボケた頭でもわかるんだが・・・

                  第3楽章の、あの、得も言われず美しいストリングの部分になった時
                  あ、これ

                     「人間がいない景色」じゃないか・・・

                  マーラーの交響曲で彼岸を感じる事は、かなり頻繁に起こるのだけれど
                  彼岸というのは、あくまでも人間の存在を前提にしての概念であって
                  今、私が聴いているのは
                  人間のいない、虚無というか
                  人類が死に絶えた後の、何もない自然だか、何だか、わからないけれど・・・

                  え〜い、でも、最後は Das himmlische Leben だから
                  人間が戻るに違いないっ!!!

                  え〜っと、確かに歌っているのは、まごうかたなく「天上の生活」なのだけれど
                  全然、その、あの、「生の歓び」が伝わって来ない。

                  歓びというより、諦観を越えて、もう、人間なんか存在しない。
                  「天上」だけが「生活」を無視して強調されていて
                  生活のない天上、何か、虚構の世界でも見させられている不思議な気分。

                  え〜っとですね。
                  これは、この1週間以上、日本とオーストリアの報道の狭間にあって
                  毎日、朝起きるたびに

                     日本は、まだ存在しているのか
                     原子力発電所が予想もしない高度のメルト・ダウンを寝ている間に起こして
                     「日本全体に被曝が起こって、住めない国になった」というニュースが
                     新聞の一面にデカデカと載っているのではないか

                  という悪夢の毎日をおくっているせいである。

                  ちなみに、地下鉄の駅で無料で配っている新聞には、堂々と

                      福島は、最低1万年は人が住めない土地となった

                         ・・・・・ と、断定されていた(未来形でも推測でもない)

                  たぶん、そういう精神の不安定さが
                  マーラーの不安定さと連動して、ヘンな連想を呼び起こしたとは思うのだが

                  しかし、あの、ブチブチと千切れた
                  ものすごく不安定な前半と
                  この世とか、人類とかと全く無関係な、透徹して突き放すような
                  不気味な冷たさを秘めた後半とで

                  簡単に考えていたワタクシは、完全にノック・アウト状態・・・(本気)
                       まさか、音楽で人類の終焉を聴くハメになるとは思ってもみなかった。
                       コンサート終わったら、虚脱してしまった。

                  オーケストラが悪いのでも
                  ヤンソンスが悪いのでも
                  マーラーが悪いのでもなく

                  こういう精神状態になったのは

                     オーストリアのマスコミが悪い!!!!

                  というコトを、本日はドイツの新聞の電話でのインタビューに
                  仕事中に長々と喋って、ヨーロッパのマスコミ批判をしていたワタクシに

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                  オリジナル・タッグを作ってみたのは良いものの
                  このサイトで、グラフィックにリンクするのに大苦労 f(^^;)

                  ウィーン劇場 ヘンデル 「ロデリンダ」 初演鑑賞記

                  0
                    Theater an der Wien 2011年3月20日 19時〜22時40分

                    Rodelinda

                    Dramma per musica in drei Akten (1725)
                    Musik von Georg Friedrich Händel

                    指揮 Nicolaus Harnoncourt
                    演出 Philipp Harnoncourt
                    具体・衣裳 Herbert Murauer
                    照明 Bernd Purkrabek
                    振付Thom Stuart

                    ロデリンダ Danielle De Niese
                    ベルタリード Bejun Mehta
                    グリモアルド Kurt Streit
                    ガリバルド Konstantion Wolff
                    エドィージェ Malena Ernman
                    ウヌルフォ Matthias Rexroth

                    オーケストラ Contcentus Musicus Wien

                    ヘンデルのオペラ「ロデリンダ」初演鑑賞。
                    忙しいので、簡単に記すが

                      長いし
                        駄作だし
                          暗いし

                            つまんないっ!!!(断言)

                    ウィーン劇場のプロダクションって、普通はめちゃくちゃ出来が良いのだが
                    今回は、ちょっと勘弁。

                    音楽の演奏水準は素晴らしい。
                    コンツェントゥス・ムジクスのバロックの音の美しさや
                    アンサンブルの素晴らしさには、文句のつけようがないし
                    歌手だって、めちゃくちゃ揃ってはいる。

                    タイトル・ロールの De Niese は
                    ソプラノ、とあったが、声域が異様に広く
                    声の音色も、メゾ・ソプラノに近いので、低音がよく響く。
                    最初は、かなり激しいビブラートで音程が不安定に聴こえたけれど
                    すごい声量で、気の強い、激しいロデリンダに
                    声も演技もよく合っている。

                    ロデリンダに拒否されるグリモアルドは、おなじみのテノール Kurt Streit
                    最初は、ロデリンダに押せ押せで
                    何だか、王位を奪ったにしては、情けない男だなぁ、という感じだが
                    半ばを過ぎてからは、俄然、良くなってくる。
                    この人も、声量のある美声のテノールなのに
                    アジリタを、すごい声量で、楽々と演技しながら歌ってしまう。圧倒される。

                    ロデリンダの妹役の Ernman は、声量は劣るものの
                    細かいコロコロ声を、実に見事に歌う。
                    バロック歌手の声量なんて、普通、どんなに頑張っても、あの位じゃないの?
                    その意味では、今回、一番「バロック」していた歌手だろう。

                    ロデリンダの夫、王位を奪われたベルタリードを歌ったベジュン・メータは
                    もう、言う事はない。ひたすら脱帽。ひたすらビックリ。

                    最初のアリアが、痛切な悲しいアリアで
                    ピアニッシモで高音で歌われるカウンター・テノールには痺れてしまう。
                    最後の方では、力強く、ものすごいテクニックで
                    コロコロコロコロを聴かせるので
                    いくら長くて退屈しても、最後まで居た方がよろしい。

                    ベルタリードの友人ウヌルフォもカウンター・テノールだが
                    いや、この人も優秀!!!!
                    最初のアリアでは、うわ、この人、メータを喰うか、と思うくらい
                    素晴らしい美声とテクニックである。見た目はただのオジンだが。

                    というワケで、音楽的な水準については、満足以上のものを聴かせてくれたが
                    いかんせん

                      話が暗い。
                        よって、音楽が暗い。
                          悲痛な短調のアリアばっかり聴かされていると
                           それでなくても、気分が滅入っているのに
                             もっと滅入るじゃないかっ!!! (←八当たり)

                    しかも、それに加えて、舞台も暗い。
                    ウィーン劇場の回転舞台を使って
                    2段・3段に組み上げられた舞台装置が回転するのだが
                    全体的に、灰色の、暗い、暗い、くら〜〜〜い舞台で、色がない。

                    それに、ワケのわからない俳優さんたちが、背景でバタバタ動くので
                    音楽の間に、異様に雑音が多い。

                    それに、ガリバルドとエドイージェのラブシーン?というか
                    ガリバルドが「お前と結婚したいのは、王位が欲しいだけ」と歌いながら
                    2人とも脱いでいって、セッ○スする(ようにモロに見える)のは
                    何だか、意味があるの?

                    エドイージェとロデリンダが、オッ○イ比べするのも、滑稽だし・・・

                    プログラムを読んでいたら
                     「家族というものに焦点を当てて」みたいな記述があったのだが
                    だからと言って、突然
                    庶民のお母さんと子供が2人、アリアを歌っている歌手にまとわりついても
                    何だか、意味が全くわかりませんっ!!!

                    それに、いつも思うのだが
                    ウィーン劇場のあの舞台装置、高所恐怖症の気がある歌手には絶対無理。
                    高いところでのシーンも多いのだが
                    手すりも何にもないところで、淵のギリギリのところで歌われると
                    聴いている方も、落ちそうな気分になって、恐ろしくなる。

                    ピストルだとか、マシンガンが出てくるのだが(ワケわからん)
                    子供にナイフを突き付けられて
                    ピストルやマシンガンを持った大人がビビっているというのも
                    何だかな〜。全然リアルじゃないんだけど。

                    ちょっとした「ウケ」狙いの笑える演出も、ほんの少しだけある。
                    でも、楽しい・・・という程ではない。

                    バロック・オペラが長い事は知っているけれど
                    今回も、夜の7時に始まって、最初の休憩が9時14分。
                    トイレの近い年配の方々には、ちょっとキツイ時間設定である。

                    それに、話も冗長だし・・・
                    テンポが鈍いし、ドラマティックだけど、短調のアリアばっかりだし。

                    まぁ、最後は、間抜けだったベルタリードも素晴らしいアリアを歌うし
                    ベジュン・メータとデ・ニーセのデュエット(2ヵ所ある)は
                    声量と声質とアンサンブルの美しさが、素晴らしい、の一言に尽きる。

                    時間と精神に余裕がある時には、楽しめるオペラかもしれない。
                    あ、言うの忘れましたが、舞台は完全に現代になってますから・・・・

                    良かった、このオペラ、2回分のチケット買わなくて・・・
                    (普通、初演と千秋楽くらいは聴きに行っているのだが
                     今回のチケットが高かったので、1回だけにしたのである。正解だった)

                    新聞評がどう書くか、まだわからないけれど
                    音楽の水準としては最高水準だけど
                    作品も演出も、私好みじゃない・・・ まぁ、そういうモノもあって良い。

                    というワケで
                    ちょっと、というか、ものすごくバタバタしている私に
                    同情の1票を、どうぞよろしくお願いします。

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                    いや、実は終わった後にオフィスに戻って
                    まだ仕事してます。今、午前2時30分。
                    あと1時間くらいで仕事が終われば良いなぁ。

                    ウィーン・フィル + ダニエル・バレンボイム

                    0
                      Musikverein 2011年3月20日 11時〜13時15分

                      Wiener Philharmoniker
                      指揮とピアノ Daniel Barenboim

                      W.A. Mozart
                            Adaio aus dem Klavierkonzert in A-Dur, KV 488
                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                            Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1, C-Dur, op. 15
                      Arnold Schönberg (1874-1951)
                            Pelleas und Melisande, Symphonische Dichtung für Orchester, op. 5

                      ウィーン・フィルの定期、土曜日の午後もあったのだけれど
                      色々な事情で行けず、今回は日曜日の定期公演のみ。

                      プログラムの最初に

                        日本の自然災害、環境災害によって失われた命のために
                        ウィーン・フィルとダニエル・バレンボイムは
                        モーツァルトのピアノ協奏曲から、アダージョを演奏する。
                        モーツァルトの音楽の後に、1分間の黙祷を捧げるのでご協力下さい

                      ・・・うまく行くだろうか (- -;)
                      (この間のウィーン交響楽団のコンツェルトハウスの時は
                       あれだけプログラムに書いてあったのに、拍手した人が多かったし)

                      と思ったけれど
                      今回は、みんな、演奏が終わってから静かに
                      全員が立ち上がって黙祷してくれた。

                      美しいモーツァルトのアダージョの音楽
                      天国にいる、今回、無念にも命を絶たれた人たちの魂に届いているだろうか。

                        まぁ、黙祷はしてくれたけど
                        隣の男性は「何だ、これ?」とか小声で呟いていたから
                        何だかワケがわからなかった人もいるのではないかと思うが
                        まぁ、来ている人たちの半分でも、意味がわかって祈ってくれたのなら
                        私は、とても嬉しい。

                      ベートーベンのピアノ協奏曲1番。
                      出だしの弦の美しさと言ったら・・・・もう、言葉がない。

                      オーケストラの音響を記述するのに
                      力強いとか、巧みだ、とか、色々な表現方法があるけれど
                      ウィーン・フィルの音に最もふさわしいのは「美しい」という一言。

                      「美しい」というのが、音楽にどう反映されるかは、人の好みだけれど
                      こんなに美しい音色って、他のどんなオーケストラでも聴けない。
                      正に、天上の音色だと(時々)思う。

                      休憩時間の後のシェーンベルク。
                      「ペリアスとメリザンド」は、12音になる前の後期ロマン派の音響で
                      リヒャルト・シュトラウスの交響詩に近い。

                      もちろん、時々、とんでもない音が入ってくるが(笑)
                      基本的には、ゴローとペリアスとメリザンドのテーマが
                      かなり明確に、様々な場面を語りかけてくる。

                      バレンボイムは、かなりオーケストラを鳴らしていたので
                      時々、うわ〜、こんなに大音響で良いのかっ!と、ビックリする箇所はあったが
                      ライトモティーフによって紡がれる音楽が
                      あまりに物語性に満ちていて
                      ついつい、頭の中では、バレエ・ダンサーが踊ってしまう・・・(ホント)

                      こんなに明確な物語、誰か、クラシック・バレエにしないかなぁ。
                      残念ながら、私には、振付はできないけれど
                      ああ、ここでゴローがメリザンドに会って (それぞれのソロ)
                      ああ、ここで、メリザンドがペリアスに会って (それぞれのソロ)
                      一目ぼれの時の音楽は、グランド・パ・ドゥ・ドゥで
                      ああ、ここで、ゴローがペリアスを殺して (男同士のパ・ドゥ・ドゥ!)
                      (そんな話だったかどうか、覚えていないが
                       完全に妄想の世界に入ってしまっているから良いのである(自爆))
                      メリザンドが嘆いて、死んでしまって (見応えのあるソロ)
                      ゴローが絶望して ・・・ (すごいソロ)

                      クラシック・バレエでもイケるし
                      モダン・ダンスでもイケそう・・・ (こらこら!!!)

                      誰か、本当に振付してくれませんか?
                      (というより、この音楽でのバレエって、本当にないんだろうか?
                       変拍子とか、あんまりなくて、実にロマンティックなので
                       探したら、誰かが振付していそうな気がする。
                       バレエに詳しい方で「あるよ!」という方は、メイルして教えて下さい)

                      音楽を聴いていたのか
                      頭の中の妄想バレエを観ていたのか
                      よくわからん時間だったが
                      (もしかしたら、妄想しつつ、寝ていたかも。
                       いや、これを白昼夢と言うのかもしれない)
                      聴覚と(妄想の)視覚で、正に夢の中に遊んだコンサートだった。

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