南西ドイツ放送交響楽団 + カンブルラン

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    Wiener Konzerthaus | Großer Saal

    オーケストラ SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg
    コーラス Schola Heidelberg
    フルート Dagmar Becker
    トロンボーン Frederic Belli
    指揮 Sylvain Cambreling

    Ben Johnston (*1926)
        Quintet for groups (1966)
    György Kurtág (*1926)
        New Messages for Orchestra op. 34a (1998ff.)
    Helmut Lachenmann (*1935)
        NUN für Flöte, Posaune, Männerchor und Orchester (1997-1999/2003)

    現代音楽のスペシャリスト、南西ドイツ放送交響楽団と
    首席指揮者シルヴァン・カンブルランのコンサート。

    同じ時間に楽友協会では、フランス国立管弦楽団とガッティで
    ヴェルディのレクイエムを演奏。
    チケットは立ち見席に至るまで売り切れ。

    ・・・そういうチケット持っているのに、現代音楽の方に魅かれるワタシ。
    (チケットは電話しまくって、5人目の友人に譲った。無駄にならなくて良かった)

    ベン・ションストンは初聴き。
    ダリウス・ミヨーやジョン・ケージのもとで学んだ作曲家。
    色々な要素を混ぜ合わせたような音響で
    面白いのだけれど、はっきりした音楽言語は聴こえてこない(ゴタマゼなの・・・)

    それとも、まだ、耳が完全に現代音楽になってないのかな ( ..)ヾ ポリポリ

    クルタークのオーケストラ作品は
    いつもの通り、フラグメンタルで、バリエーションが豊か。

    ところで、このオーケストラ、めちゃくちゃ上手いぞ (+_+)

    クルタークのフラグメントの最後の曲での弦のアンサンブルの見事さ。
    クルタークらしい柔らかな音色がスゴイ。

    後半はラッヘンマンの不思議な曲(笑)
    大編成オーケストラにトロンボーンとフルート
    加えて、男性コーラス。いや、ううん、コーラスというより男声。

    ラッヘンマンの作品は、まぁ、極端に言えば、雑音の大成みたいなモノ。
    もともと、既製の音楽を否定する挑発的な作品ばかりの人だから
    雑音と特殊奏法の展覧会みたいな作品でも、まぁ、ラッヘンマンだから f(^^;)

    ただ、前半は、ずっと拍子60くらいで、リズムに変化がなく、ちょっと退屈。
    特殊奏法っていったって
    フルートを息で吹くとか
    男性歌手がポコポコ言って、指笛鳴らして
    バイオリンがグリサンドのコル・レーニョしたって
    現代音楽慣れしてしまったオタクの聴衆は驚きもしない (こらこら)

    思いがけない音響が思いがけない瞬間に出てくるので
    指揮者を見ていても、予想できない部分があって
    それはそれで、びっくり箱をひっくり返しているような感じで面白いが

    かと言って、これを「音楽」と呼ぶのは、ちょっと躊躇う。
    (まぁ、ルイージ・ノーノとかの影響を受けている作曲家だしね)

    カンブルランの指揮、ものすごくわかりやすい。
    何回か指揮台で見たけれど、明確で適切な指示を出す。
    現代音楽を得意としているのも納得できる。

    ベン・ジョンストンも、ラッヘンマンのこの作品も
    (ラッヘンマンの NUN はカイロス・レーベルで CD になっている)
    別に、もう1度、聴きたいな、と思わせる曲ではなかったから
    まぁ、1度、ナマで聴けば、それでヨシ。

    しかし、繰り返すが、このオーケストラ、めちゃウマ。
    まぁ、ドナウエッシンゲン音楽祭のメイン・オーケストラだからなぁ。

    雑音の集大成みたいな曲でも、メロメロになってしまう
    ヘンタイっぽい私に1クリックをどうぞよろしく。


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    アンケートの回答とコメントもお待ちしております (^^)v ここ


    現代音楽はお好き?

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      ヨーロッパ大陸は冬時間になって
      日本との時差が8時間。これから、どんどん暗くなる。

      さて、時々ウワキしながら、現代音楽祭に通う予定のワタクシは
      読者の皆さまが、現代音楽に対して、どんな意見を持っているか
      突然、知りたくなった。

      だいたい、こんなオタクのプログの愛読者は
      かなりのクラシック通だろう。
      こちらのクラシック・オタクも、全く現代モノを受け付けない人もいるけれど
      やっぱり、現代に生きている我々が、現代の音楽を聴かんでどうする(きっぱり)

      現代音楽の楽しみ方については ここ にしっかり書いたし
      その後も ここ で追加記事を書いているので、ご参照下さい。

      特にコメント大歓迎 (^^)v
      「あんなモノを聴く奴の神経がわからん」みたいなものでもかまいません。
      人間の好みって、色々ですから。
      それに、音楽(音響)って、つきつめてみれば、主観の問題だしね。

      では、音楽オタク仲間の読者のみなさま。
      どうぞよろしく!!!



      ローマン・ハウベンシュトック=ラマティ (クラング・フォールム)

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        Semperdepot

        アンサンブル Klangforum Wien Kammerensemble
        フルート Vera Fischer

        Roman Haubenstock-Ramati (1919-1994)
            Streichtrio Nr. 1 «Ricercari» (1948/1978)
            Fünf Konstellationen (Auswahl)
            Multiple 4 (1965)
            Morendo - double/echo (Bearbeitung: Bernhard Lang) (1991/2002)
            Pluriel für Streichquartett (1991)

        ウィーン劇場の裏手にある、センパー・デポでのコンサート。
        作品はローマン・ハウベンシュトック=ラマティ・・・と言っても
        今や、ほとんど演奏されない。

        図形楽譜の提唱者としては有名で
        今回の目玉は Konstellationen の演奏。

        で、その Konstellation の楽譜だが
        今回演奏された曲のうち、一つが ココ で見られる。
        (幕間に、譜面台の上にのった、この「絵」を見た時には、ビックリした。
         みんなも驚いたらしく、携帯で写真を撮っていた人も多かった)

        演奏者は現代音楽専門集団のクラング・フォールムからの12名。
        Konstellation の演奏時は
        正面舞台 及び 後部に2つ〜3つのグループを作って
        会場全体が響きに包まれるという、至福の時間を体験 ( ̄。 ̄)

        ウィーン・モデルンでもセンパー・デポまでわざわざ足を運ぶ聴衆は
        しっかり「現代音楽を聴きに」来ている人ばかりなので
        会場がザワザワする事もなければ
        ヘンなところでゴホゴホ咳をする人もいない。

        いつも現代音楽で見かける、ジジババ ご年配のグループもいる。
        (何人かは、時々、普通のクラシック・コンサートでも顔をみかける。
         向こうも、あ、またあのアジア人が来てる、とか思っているだろうが)

        Konstellation の楽譜を、どうやって音響にするのか
        ワタクシは全く理解不可能だけれど
        専門家が演奏しているのだから、きっと、何かコツがあるのだろう。

        でも、あの12名の集団が
        ホールのあちこちで、時にはほとんど聴こえない程の音響
        時には、鼓膜が破れそうな音響を出して
        音の集団が、前、後ろ、横から、身体中にまとわりつくという体験は

        これこそ、CD で聴いたら、ただの雑音 (断言)

        このコンサート、11月8日夜11時5分から
        オーストリア国営ラジオ放送1番の現代音楽プログラムで取り上げられる。

        今年のウィーン・モデルンは
        ゲネラル・パスを買うと、何とプログラムが付いてくる (^.^)



        昨年からシンボルになった赤い十字の後ろに
        なぜ、ヨハン・シュトラウスが金色に輝いているのか不明。
        趣味が良いのか悪いのか、いま一つわからん ・・・

        ランキングが下がる事は覚悟した上で、
        これから、ガンガン、現代音楽を聴くぞ (^^)v

        でも、時々、従来のクラシックに浮気する予定の私に
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        フランス国立管弦楽団 + ダニエレ・ガッティ

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          Orchestre National de France
          指揮 Ganiele Gatti

          Ludwig van Beethoven (1770-1827)
              Symphonie Nr.6 F-Dur, op.68 “Sinfonia pastorale”
          Igor Strawinsky (1882-1971)
              Le Sacre du Printemps

          フランス国立管弦楽団が、現在の音楽監督ダニエレ・ガッティとウィーン公演。
          プログラムは上記の演目が1日で
          あと2日はヴェルディのレクエイムである。

          今日、コンツェルトハウスでは
          ウィーン・モデルン現代音楽祭のオープニング・コンサートが同じ時間に開始。
          現代音楽か、ベートーベン+ストラヴィンスキーか、迷いに迷った。

                ああ、全くもう。
                     この都市の音楽会の多さ、何とかしてくれ(涙)

          さて、フランス国立管弦楽団を聴いたのは
          以前、クルト・マズーアとの、ベートーベン+ブルックナー・チクルス。
          震えるマズーアの手と
          それに連動したフワフワのブルックナーが印象的だった(笑)

          ベートーベンの交響曲6番「田園」のテンポは遅め。
                                 フェルマータでそんなに伸ばすんですか?

          ああ、田舎に着いた。それでは荷物を置いて、ソファに・・・

          というテンポのフェルマータで、そこで、いったん落ち着いちゃうのである。
          私だったら、その後、散歩なんかに行かん。

          オーケストラの編成が大きいし
          やっぱり、ちょっとフワフワした音なので、このテンポで良いのかもしれないが
          聴いていて、ちょっと、だれる。

          第3楽章の農民たちの祭りも、ほとんどレンドラーみたい。
          平和で穏やかで、酔っぱらいもいないし、みんな紳士で野卑なところがない。

          が、そういうお上品な集まりの音楽を聴いていて
          連夜の寝不足(自業自得)が祟ったのか
          雨がポツポツ・・・という部分で

          ものすご〜く、ぐっすり寝てしまった \(__ )

          演奏中に寝る、というのは、実は、すごく気持ちヨイのだが
          今回に関する限り、本当に深く寝入ってしまったらしく
          気がついたら太陽が照っていて
          嵐の部分の記憶が、全くない (((--;)(;--) ))

          雷が落ちたり、強風を伴う嵐があったはず・・・なのだが
          大音響(のはず)で起きなかったというのは
          よほど、睡眠が深かったのか
          よほど、オーケストラが柔らかい音で嵐をやっていたのか、不明である。すみません。

          うううん、これなら現代音楽に行った方が良かったかも・・・(-"-;)

          ところが、後半のストラヴィンスキーの「春の祭典」になったら

               え? これ、同じオーケストラですか????

          ガッティの指揮が見事。
          ベートーベンの時は、ほとんど振っていなかったのに
          ストラヴィンスキーになったら、あの複雑怪奇な変拍子を
          きっちり、はっきり、アインザッツも適切に
          職人芸的に、芸術的に、変拍子を指揮台の上で描き出している。

          うわ〜〜〜 ビックリ (+_+)
          見ていて、めちゃくちゃ気持ち良い。どうせヘンタイです。

          音も、くっきり、すっきり、現代的にテンポよくまとまって
          最初から最後まで、緊迫感に溢れたエネルギッシュな演奏。

          しかし、この「春の祭典」・・・ 名曲だなぁ。
          リズムめちゃくちゃ、音響も先鋭的で
          初演時に大スキャンダルを巻き起こした曲なのだが
          100年近くたっても、その現代性には目を見張る。

          よく演奏されるスタンダード・ナンバーなので
          あまり意識にはのぼらないが
          昨日、現代音楽を聴いた耳にも、現代音楽より現代的に聴こえる。

          しかも、その構成の妙、寸分の隙もなく徹底的に崩された変拍子に加えて
          緻密な音響設計、オーケストレーションの巧みさ。

          現代音楽にある要素って、すべて、ここに発端が入っているようだ。
          (というのが極論である事は承知の上で、敢えて言いたい)

          この曲の CD は数多く出ているけれど(もちろん何枚も持ってます(^^ゞ)
          でも、この曲も、本当に面白さが納得できるのは
          ナマで聴いて、その音響の見事さを、空間で味わう時だろう。

          今現在、初演されている現代曲も
          100年たったら、スタンダード・ナンバーになっていて
          オタクでもない、普通のクラシック・ファンが
          ああ、名曲だなぁ、と聴いているような作品があるんだろうか?
             あるのかもしれないなぁ。まぁ、100年後、生きていないので関係ないが。

          「春の祭典」で、すっかり気分良くなって
          現代音楽祭の初日を逃しても、まぁ、仕方ないか、と納得している私に
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          「現代音楽なんか怖くない」 トーンキュンストラーの新しい試み

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            Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
            指揮 Andrés Orozco-Estrada
            司会 Alexander Moore
            メゾソプラノ Elisabeth Kulman

            Olga Neuwirth (*1968)
                    Clinamen/Nodus (1999)
            Alma Mahler (1879-1964)
                    Licht in der Nacht (1900/01)
                    Laue Sommernacht (1900/01)
                    In meines Vaters Garten (1900/01)
                    Bei Dir ist es traut (1900/01)
            Sofia Gubaidulina (*1931)
                    Märchenpoem (1971)
            Lili Boulanger (1893-1918)
                    D`un matin de printemps (1918)
            Kaija Saariaho (*1952)
                    Orion (2002)

            トーンキュンストラーの新しい試みで
            「現代音楽なんて怖くない」 一律料金の25ユーロで売り出したものの
            たぶん、集まらずに、トーンキュンストラー友の会の会員をご招待したら
            無料なら・・・と、ご老人たちも集まって、1200人ほど集まった模様。

            ただ、以前から指摘していた通り
            プログラムを見ると、「近代音楽」が入ってる (ちょっと不満)

            のっけからノイヴィルトの作品で、聴衆の度肝を抜こうという計算(笑)
            ノイヴィルトの音響って、嫌いではないけれど
            非常に先鋭的というか

                あんた、喧嘩売ってんの?

                    みたいな挑戦的な響きを持つ。

            芸術家で言えば、初期のニキ・ド・サンファルや
            ヴァレリー・エクスポートを彷彿とさせる
            内部にものすごい怒りのエネルギーを感じるのだ。

            世代としては、サンファルやヴァレリー・エクスポートより、ずっと後で
            私より、もっと若いのだが
            音響の中に、あれだけ「喧嘩売ってんの?」感覚を注ぎ込めるというのは
            よほど、少女時代にイヤな目にあったのかなぁ・・・・

               おっとっと、作曲家の個人生活や内部まで、根拠のない推測はしたくない。

            アルマ・マーラーの歌曲は、以前も聴いた事がある。
            後期ロマン派を色濃く残す作品で、これは「現代音楽」ではないぞ!!!(怒)

            グバイドゥリーナは、ショスタコーヴィッチの弟子。
            演奏された曲は、子供用のメルヒェンのために作曲されたものだそうで
            チョークが大望を持ち、黒板に書かれて消される運命に逆らい
            でも、やっぱり、黒板で使われて、小さくなって消えてしまう・・・という話だそうだ。

            ワケわからん。

            昔のソビエト連邦では、子供に、そういう話を聞かせて
            「だから、身に余る大望を抱くのは、やめようね」とか言っていたのだろうか?

            まぁ、想像力を極限まで逞しくして聴けば
            そ〜いう話に聴こえない事もない・・・・ (-"-;)

            リリー・ブーランジェは、有名なナディア・ブーランジェの妹で
            子供の頃から病気がちで、24歳で亡くなってしまうが
            亡くなった年に作曲したのが、この曲。

            はっきり言って、完全にフランス後期印象派。
            美しくて繊細なメロディ・ラインに、フォーレやラヴェルの印象が覗く。

              で、この曲のどこが「現代音楽」だって??? ( ̄  ̄)

            でも、驚きは最後にやってきた。

            フィンランドの女性作曲家、カイヤ・サーリアホのオーケストラ作品「オリオン」
            アレキサンダー・ムーアの解説によれば
            以前は IRCAM でピエール・ブーレーズにも師事し
            ウィキペディアでは、ブライアン・ファーニホウのもとにも居た、とある。
            最近は、電子音楽から離れて
            スペクトル楽派に分類されるような曲を作っているとのこと。

            で、この「オリオン」 3部からなる作品だが

            ううううっ、これ、好き (☆o☆)
                    音響オタクには、たまらん・・・

            完全に、完璧に計算され尽くした音響設計。
            設計された音響に必要な音はすべて存在し、無駄な音は一つもない。

            オーケストラのトゥッティは、ホール全体が鳴り響く程の大音響なのだが
            それが、球体のように凝縮して、その中に包まれているような気分。
            (イアン・クセナキスの大音響は、凝縮した球体にはならず
             非常に平面的で、立体感がなく、楽譜だけで計算したわね、という感じだったが
             サーリアホは、頭の中で、きちんと音響の設計図を作っていたな、と思わせる)

            第2楽章では、身体の筋肉の一つづつが、溶け出していって
            空間に渦を巻き、大気と溶け合っていくような気分。
            精神的なモノというより、身体全体に響いて、体の内部を触られるような快感。

            こういう音楽、いや、音響って、好みがあるから
            (メロディもリズムもございません)
            キライな人は全く受け付けないのだろうが
            私は、もともとスペクトル楽派が好きなのだ。文句ある?

            ジャチント・シェルシも、ジェラール・グリゼーも、ユーグ・デュフールも好き。

            スペクトル楽派の音響というのは
            CD で聴いても、全く意味がない (←持ってはいる)
            あれは、ナマで、立体的にホールを鳴らしてこそ、その面白さがわかるのだ(断言)

            そこらへんに、現代音楽の弱点がある。

            メロディ・ラインとリズムで聴かせる従来のクラシックであれば
            ニセモノとも言える CD 録音でも、人間の脳はある程度は反応するのだが
            あれだけ大規模の「音響設計」になると
            それを響かせる空間が、絶対に必要なのに
            CD で聴くと、ただの「雑音」というか、もう、全然違うモノに化けてしまうので
            いつまでたっても、聴く方が耳慣れしない・・・というより、できない。
            よって、そんなに簡単には、普及しないのだ。ううう、悔しい(涙)

            (サーリアホのウエブ・サイトに、いくつかビデオがアップされているが
             コンピュータで聴くと、ただの雑音にしか聴こえない。
             よって、リンクは意図的に避ける。
             興味のある方は、探してみて下さい。
             ただし、アップされている音響は、絶対にお勧めできません。
             誤解を招くよ、あれは・・・・)

            サーリアホの作品で、完全に固まって
            身体が空間と溶け合って、精神は宇宙の奥の方まで飛んでいってしまって
            なんか、もう、身体の感覚全部が、何処かに行っちゃった気分。

            音楽好きとかではなく、ただのヘンタイ 音響オタクの私に
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            国立オペラ座 カルディヤック

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              Wiener Staatsoper

              Cardillac
              Oper in drei Akten / Erstfassung
              Musik von Paul Hindemith

              指揮 Franz Welser-Möst
              演出 Sven-Eric Bechtolf
              舞台 Rolf Glittenberg
              衣装 Marianne Glittenberg
              照明 Jürgen Hoffmann
              コーラス指揮 Tohmas Lang

              カルディヤック Juha Uusitalo
              その娘 Juliane Banse
              士官 Herbert Lippert
              金商人 Tomasz Konieczny
              騎士 Matthias Klink
              貴婦人 Ildikó Raimondi
              衛兵隊長 Alexandru Moisiuc

              新監督になってからのウィーン国立オペラ座における
              最初のプロダクションは、パウル・ヒンデミットのカルデイヤック。

              初日後、新聞評ではセンセーショナル!と最大の賛辞。
              チケットは、ミドル・クラスが売り切れ。
              高いチケットはまだある・・・・が、192ユーロだもん。
              そうそう手が出せる金額ではない。

              まぁ、「通好み」のオペラではある。
              生まれて初めてオペラに行く人は、ヒンデミットとか行かないだろう(笑)

              比較的早めにアクション起こして
              31ユーロで、舞台が半分ほど見えない席を確保。
              一部は欠けるが、この演目、いつも真ん中で演技されているので気にならない。

              舞台は白黒でまとめられて、非常にモダン。
              音楽はトナールとアトナールの間をたゆたい、繊細でドラマティック。
              オーケストラのアンサンブルが完璧で
              各楽器のソロが、くっきり、はっきり聴こえて来る。

              コーラスも巧いし
              歌手のレベルが揃っていて
              飛び出す人もいないし、ヘタクソもいない。大声を張り上げる人もいない。

              ウーシタロは、今まで聴いた感じでは
              すごい声量のある人、というイメージだったのだが
              声量を抑えて、見事な歌唱を聴かせたし
              ライモンディとクリンクのやり取りなんか、もう、ため息モノ。
              (いや〜、カッコイイんだ、これが・・・・)

              それに、歌手が歌うだけではなく、バレエの身体の動きをして
              これが、また、見事で、すごい雰囲気作りをしている。

              娘役のバンセ。動きは良いし演技はできるし、歌はドラマティック。
              父親に操られる娘を、人形のような動きで表現し
              オフィサーの愛で、だんだん人間として目覚めていく有様がリアル。

              士官役のリッペルトは、久し振りに国立オペラ座に登場。
              声に張りがあって美声 (*^^*)

              休憩なしの1時間半。
              間奏曲の部分も、舞台上で、影絵を使ったりしてシーンを描きだすし
              コーラスの動きもとても効果的。
              (上から見た方が、コーラス全体の動きの把握ができる)

              10月30日が最終公演。
              暗いオペラが好きな方(笑)には、絶対にお勧め。

              これからウィーン・モデルン現代音楽祭が始まるので
              ヒンデミットのトナール・アトナールを自由自在に使う音楽は
              とても良い「耳慣らし」にもなった。

              今日のコンサートも現代音楽、という私に
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              フォルクス・オパー レハール・シュトラウス・シュトルツ

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                Volksoper

                Lehár, Straus & Stolz
                Drei Meister der leichten Muse im Konzert

                指揮 Guido Mancusi
                構成と司会 Christoph Wagner-Trenkwitz
                ピアノ Wolfgang Fritzsche

                歌手
                Martina Dorak, Elisabeth Flechl, Angelika Kirchschlager
                Otoniel Gonzaga, Wolfgang Gratschmaier, Oliver Kook
                Mehrzad Montazeri, Marco Di Sapia, Sándor Németh

                目の良い読者諸氏は

                「あれ? タイトル、間違ってない?」

                と思っただろうが、上記の綴りで正しい(えっへん)

                フォルクス・オパーが、オペレッタ作曲家3人を取り上げたコンサート形式上演。
                フランツ・レハールは誰でも知っているだろうが
                Straus は Strauss でも Strauß でもなく、オスカー・シュトラウス

                3人目のローベルト・シュトルツは、こちらでは有名だが
                日本ではどうだろう?
                1975年に95歳という高齢で亡くなり、ウィーンの中央墓地に眠っている。

                舞台の上には、普段、オーケストラ・ピットに隠れているオーケストラが舞台狭しと並び
                クリストフ・ワーグナー・トレンクヴィッツが司会をしながら
                前半は1870年生まれのオスカー・シュトラウスとフランツ・レハールの曲。
                後半は1880年生まれのローベルト・シュトルツの曲を取り上げる。

                レハールは、現在でもよく演奏されるけれど
                オスカー・シュトラウスは、せいぜい「ワルツの夢」くらい。
                フォルクス・オパーが先シーズンから上演している「愉快なニーベルンゲン」は
                このシュトラウスの作品である。
                (ちなみに、この作品、ニーベルンゲンを知らなくても充分楽しめる
                 知っていると、もちろん、もっと、ニヤニヤできる)

                ローベルト・シュトルツだが
                オペレッタを数多く残しているにもかかわらず
                残っているのは、その中の歌だけ。

                ただ、これが、すごくポピュラーで、よく知られていて
                ほとんど、ウィーンの民謡じゃないか、と思われるくらい。
                もっと演奏されても良いと思うんだけど・・・

                歌手は、みんな上手。
                アンゲリカ・キルヒシュラーガーは、たっぷりの低音で軽めに歌い上げて
                マルティーナ・ドラックは、いつもの通り、芸達者だし
                エリザーベート・フレッヒェルのソプラノも通ってキレイ。

                男性陣の中で、韓国出身のテノール、オリバー・コークが飛びぬけてスゴイ。
                声量があるのに、硬くならず、あくまでも柔らかな美声。

                フォルクス・オパー、こんなスゴイ、テノール歌手を隠していたの???
                いや、もう、驚いた、ビックリした。もっと聴きたい (*^^*)デレッ

                オトニエル・ゴンザーガがプログラムにないのに歌ってくれた
                Dein ist mein ganzes Herz も、めちゃくちゃ良かった。
                この人も、無理のない高音で神経に障らず
                さすがに2回目に、ピアニッシモで歌った時は、ちょっと声が擦れたが
                いや、あの、2回目をピアニッシモで歌っちゃえ、というのもスゴイと思う。

                で、音楽とは関係ないけれど

                フォルクス・オパーの天井桟敷って _・)ぷっ 

                雰囲気が全く違う。

                開演時間を過ぎてからも、遅れてきた客がどんどん入ってくるし
                オーケストラが序曲を弾き出しても、まだ客が席を探している。

                序曲程度なら、まだ、お喋りはしていて良い、と思っているご老人たちが
                わんさか居て、序曲開始後2分くらいは、あちこちからお喋りが聞こえてくる。

                上演中も、ロビーで買ったチョコレートのセロファンをガサガサ言わせて
                お友達同士で「如何?」と勧めあっているし
                歌っている最中に「ねぇ、あの歌手、だれ?」とか
                「うまいわねぇ」とか
                ついでに知っているメロディを一緒に歌う(調は違う)老婦人もいる。

                隣の3人組が、ず〜〜〜っと、そんな調子で喋っていて
                5分たりとも黙っている事ができない    ヤレヤレ ┐(´-`)┌ 

                この間、楽友協会でのコンサートに
                私の月収の数倍はするような豪華な金のブレスレットを2本つけて
                コンサートの最中、手を動かすたびに
                トライアングルのような雑音を出していた金持ちそうな女性がいたが
                (実に迷惑であった。本人には聴こえていないのだろう)

                まぁ、フォルクス・オパーの天井桟敷なら、仕方がないか・・・
                と諦めている私に、1クリックをどうぞお願いします。

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                ウィーン交響楽団 + ウラジミール・フェドセイエフ

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                  Musikverein Großer Saal

                  Wiener Symphoniker
                  指揮 Vladimir Fedosejev
                  ピアノ Martin Stadtfeld

                  Österreichische Nationalhymne
                  Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                      Konzert für Klavier und Orchester Nr.3 c-moll op.37
                  Johannes Brahms (1833-1897)
                      Symphonie Nr.4 e-moll, op. 98

                  昨日列記した、貴族の憂鬱の中に

                      愛馬の蹄鉄を代えて健康診断をしたら
                              ものすごいお金がかかっちゃった

                  というのも加えて良いかな・・・と

                  あ、あの、あくまでもバロック貴族の悩み、という妄想の世界ですから(爆)

                  さて、貴族とは関係なくても、色々と気が(まだ)晴れないワタクシだが
                  10月26日はオーストリアの祝日である。

                  何の日だかは、以前からの日記に何回も書いたので、敢えて書かない(イジワル)

                  例年、この時期はウィーン交響楽団が
                  「オーストリアのためのコンサート」というのをやる。
                  もちろん、有料である。ウィーン交響楽団主催だからチケットは安くない。

                  昨日、日曜日の午前中に楽友協会のポスターをボ〜ッと見ていて

                     「ああ、日曜日と月曜日、ウィーン交響楽団か。
                      日曜日に行かない、という事は、月曜日は楽友協会ね」

                  朝、冬タイヤ交換と点検のために車工場に行ってから
                  オフィスに来てカレンダー見て

                  あれ???

                  いかん。 このコンサートのチケット、買ってなかった (((--;)(;--) ))

                  調べてみたら、オルガン・バルコンの席が全くない。
                  一番安い20ユーロのチケットで残っているのが舞台の上 (-"-;)

                     仕方がない (T.T)  ← そんな席でも行きたい重症中毒

                  さて、プログラムでオーストリア国歌、というのはわかるが
                  その後、ベートーベンにブラームス?????

                  ロシアの指揮者である事は別に何も言わないけれど
                  何で、オーストリア国家の祝日のために、ドイツ人の作曲家?????

                  ハイドンやモーツァルト、シューベルトに、アントン・ブルックナー
                  シェーンベルクでも、ベルクやウエーベルン (誰も来ないか・・・)

                  私の好みとしては、フランツ・シュミットでも(ううう、最近、演奏が少ない!!!(怒))
                  今年生誕150年を迎えるグスタフ・マーラーやフーゴ・ヴォルフもいるし

                  現代ならフリードリヒ・チェルハやゲオルク・ハース、ヨハネス・マリア・シュタウド

                      ・・・って、まぁ、そこまで行くと、本当に誰も来ない可能性はあるが f(^^;)

                  オーストリアの作曲家の曲を、何故、演奏しない???!!!!

                    ↑ こういうのを間違った国粋主義と言う

                  さて、舞台上に乗っかった私も
                  オーストリア国歌の演奏時は、立ち上がる。
                  オーストリア国籍はないけれど、どちらにせよ、ホール内全員が立ち上がったので
                  観光客も、何だかわからない人も、こぞって立ち上がったはずだ。

                  よって、演奏の良し悪しなんか、全然わからん(笑)
                  まぁ、国家演奏なんて、間違わなきゃ、どう演奏したって良いし。

                  ベートーベンのピアノ協奏曲3番。
                  若いピアニストの登場。
                  私から見えるのは、ティンパニの後ろ姿と、第二バイオリンの女性の背中だけ。

                  ベートーベンの「しつこさ」があまりなくて
                  割に淡々と、あっさりと流して、ピアノのアルペジオも優しく、軽いタッチで流す。
                  第2楽章の音楽性、すごく好きかも (*^^*) ちょっとウルウルしてしまう。

                  アンコールの1曲目は何だったんだろう?
                  プロコフィエフかハチャトリアン? 超絶技巧で、かなり強いピアノで驚愕。
                  ベートーベンのタッチとは全く違う。

                  その後、シューマンの歌曲を、歌の部分を含めてピアノで弾いた。
                   これ、昔、誰かがシューベルトの「魔王」で同じ事をやった事がある。
                   ワタクシ的には、こういうのは好みじゃない
                  が、これも、タッチが違う。かなりレンジの広い音楽言語を持つピアニストだ。

                  後半は、舞台上から逃げ出して、ギャラリーへ。
                  いつものプログラム売りのお兄ちゃんに

                  「今日って、オルガン・バルコンは空いてないの?」

                  「いや、オルガン・バルコン、誰も座ってないよ。
                   バルコン・ロージェの1と2も、あまり座っていないと思う」
                  「え? だって、私が今日、チケット買った時
                   オルガン・バルコンの席、全然なかったんだけど・・・」
                  「隣のご招待客用ロージェに、今日はオーストリア大統領とか来ているから
                   そういう関係で、チケットを販売しなかったんじゃないの?」

                  そうですか。オーストリア大統領その他がご列席だったんですね。
                  だから、招待客用ロージェのドアが閉まっているわけだわ。

                  ピアニストのランランが来ていた時も閉まっていたけど・・・(笑)

                  でも、まぁ、空いているなら、バルコンに座らせてもらおう。
                  舞台上は、やっぱり音のバランスがあまりに悪過ぎる。

                  ブラームスの交響曲4番。

                     ~(^◇^)/ぎゃはは

                  フェドセイエフが指揮台に立つ時は
                  だいたい、演奏時間が5分から10分くらい短縮されるのだが(ホントです)
                  いや〜、この指揮者、何てエネルギッシュなジジイ。あ、いや、失礼 f(^^;)

                  1932年生まれだから、今年78歳。
                  いや、ハンサムなロマンス・グレイだし、そんなお歳には見えません。

                  この人、本当にいつもテンポが速い
                  速いテンポ設定なのに、音楽の抒情性を損なわず
                  ブチギレになる事もない。

                  ブラームスの、あの重厚な音色を保ったまま、あのテンポはすごい。
                  歳とって、巨匠になればなるほど
                  普通は、どっしりと落ち着いたテンポ設定になってくるケースが多いのだが

                  フェドエイセフって、すごいジジイだわ (←親しみを籠めた称賛の言葉のつもり)

                  時々、息をシュ〜〜〜ッと、大蛇が這うような音を出すのと
                  かなりのダミ声で歌うのが聴こえてくるし
                  ちょっと荒いかな、と思わせる部分も、なかったワケではないが
                  早めの速度で、オーケストラをグイグイ引っ張り
                  凄まじいエネルギーの満ちた、正しくスリリングなブラームスだった。

                  いや〜、ブラームスの交響曲4番って
                     ささくれた心の軟膏ですね・・・・

                          って、またワケわからん事を (x_x) ☆\(^^;) ぽかっ

                  というワケで、10月26日は祝日でオフィスはお休み
                  迫り寄る仕事の問題から、ひたすら逃げているワタクシに
                  1クリックをよろしくお願いします。
                  (また順位が下がって来ているの。それもストレスのモト?!(笑))

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                  エウローパ・ガランテ と イアン・ボストリッジ

                  0

                    ***** サボっていたので、一気にアップしています。
                         ご面倒ですが、時系列でお読みになりたい場合は
                           10月22日分 フォルクス・オパー
                           10月23日分 ザルツブルクの飲み会
                           10月24日分の一回目 ウィーン・フィルのソワレ
                         から、先にお読み下さい。ごめんなさい。

                    Konzerthaus Großer Saal

                    テノール Ian Bostrige
                    アンサンブル Europa Galante
                    バイオリンと指揮 Fabio Biondi

                    “Die drei Tenöre”

                    Georg Philipp Teleman (1681-1767)
                       Ouverture à quarte F-Dur
                    Antonio Caldara (1670-1736)
                      “Lo so con periglia” Arie aus dem Oratorium “Gioaz” (1726)
                    Antonio Vivaldi (1678-1741)
                      “La tiranna e avversa sorte”  Rezitative et Arie (1716)
                       Sinfonia C-Dur Ouverture zur Oper “Ercole sur Termodante” RV 710
                    William Boyce (1711-1779)
                      “Softly rice o southern breeze” Arie au der Serenata “Salomon” (1743)
                    Arcangelo Corelli (1653-1713)
                       Concerto grosso D-Dur op. 6/4 (1714)
                    Alessandro Scarlatti (1660-1725)
                      “Se non qual vento” Arie aus der Oper “Marco Attilo Regolo” (1719)
                    Georg Friedrich Händel (1685-1759)
                      “From celestial seats” Arie aus “Hercules” HWV 60 (1744)
                       Ouverture und Balli zur Oper “Rodrigo” HWV 5 (1707)
                      “Scorta Siate” Arie aus der Oper “Giulio Cesare in Egitto” HWV 17 (1723-24)

                    イアン・ボストリッジに釣られて買ったチケット。
                    タイトルは「三大テノール」・・・って、どこかで聞いたような題名だが
                    このコンサートで取り上げられたのは
                    John Beard (1717?-1791)
                    Francesco Borosini (1688?-1750)
                    Annibale Pio Fabri (1697-1760)
                    という、バロック時代の三大テノール。

                    ボストリッジって、どこまでレパートリーを広げる気?(笑)

                    ただ、今回は、それぞれ5分前後の曲を6曲歌っただけで
                    (プラス アンコール2曲)
                    その他はエウローパ・ガランテの演奏する器楽曲。

                    が・・・

                        これが・・・ 

                          う、う、う、巧いっ!!!! (*_*)

                    第一バイオリン4人、第二バイオリン3人
                    ビオラが2人、チェロとコントラバスがそれぞれ1人。
                    リュートとチェンバロ。曲によってはファゴット1人とオーボエ2人という
                    小編成の古楽器アンサンブル。

                    本来は1700人も入る大ホールではなく
                    もっと小さいホールで聴くべきアンサンブルだとは思うのだが
                    いや、もう、めちゃくちゃ巧いし、楽しいのである。

                    初期バロック音楽って、進んで聴きたいと思うジャンルではないのだが
                    最初のテレマンから、グイグイ引き込まれる。

                    ボストリッジは、相変わらずの美声で
                    あんな細い身体で、どうやったら、あんなに響く甘いハイテノールなのか
                    実に不思議ではある。

                    ただ、低音のところは、かなりキツそうで、時々荒くなるし
                    バロックの声域が、ボストリッジと合っているかと言われれば
                    ちょっと違うんじゃない? という違和感がある。

                    テクニックはあるけれど
                    バロックのテクニック、それコロコロ、という曲はなかったし
                    比較的、地味なままで終わってしまった。

                    が、器楽曲の方が、何とも素晴らしい (。-_-。)

                    そりゃバロック初期の作品は

                         観賞者を如何にして喜ばせるか

                    というのが課題だったわけで、スポンサーの貴族から
                    「お前の曲、おもろうない、クビ」と言われたらお終い。

                    教養高く、耳の肥えた貴族たちの耳に心地よく響き
                    時々、あれ?という新鮮さを添えて、浮世の憂さを晴らせるような曲ばかり。

                    ああ、当時の貴族も、こういう音楽を聴いて

                      領地をなくして国庫のお金が減ってきた とか
                      わからんちんなアホ大臣が、毎日、文句と嫌味を言っている とか
                      奥方に高価なプレゼントしたら、こんなモノ、要らないわ、と突っ返された とか

                    そういう、日常の困難を、こういう音楽を聴いて、一瞬でも忘れていたのであろう。

                    (上記の例は、ただの妄想の結果であって
                     ワタクシの落ち込みの原因とは、全く関係ありません。いえ、決して)

                    それに、そういう「浮世の憂さ晴らし」の曲を
                    正にイタリアっぽく、何とも明るく、大袈裟でなく
                    でも、細かい部分まで、きっちりと押さえて
                    さりげない名人芸でエウローパ・ガランテは聴かせてくれるのである。

                    いや〜、楽しい \(^O^)/

                    やっと、少しこれで気持ちが上向いた・・・ような気がする私に
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                    ウィーン・フィル + アンドリス・ネルソンス

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                      Musikverein Großer Saal


                      Wiener Philharmoniker
                      指揮 Andrís Nelsons
                      トロンボーン Dietmar Küblböck

                      Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
                          Symphonie B-Dur, KV 319
                      Henri Tomasi (1901-1971)
                          Konzert für Posaune und Orchester
                      Antonín Dvořak (1841-1904)
                          Symphonie Nr.9, e-Moll, op.95

                      ウィーン・フィル定期公演のソワレのチケットは
                      これまた、20年待たないと入手できない、という恐ろしいモノなのだが
                      友人が譲ってくれて、超ラッキー \(^O^)/

                      ザルツブルクでの7時間の飲み会の後
                      夜中の1時にホテルに帰り
                      朝5時15分に起きて、ホテルで朝食代わりのランチ・ボックスを受け取る。
                      6時出発のレイル・ジェットに乗り込む。 日曜日の早朝、ガラガラ。

                      ウィーン西駅到着予定8時40分。

                      ここで・・・
                      ワタクシは、25年ここに住んでいて、初めての体験に遭遇・・・・

                      列車が予定到着時間より、3分 早く 到着!!!! (((^^;)(;^^) ))

                      オーストリア国鉄が遅れる事はいつもの事だけど
                      定刻より早く到着なんて、天地がひっくり返る驚き。そろそろ雪だ・・・

                      さて、午前11時からのウィーン・フィルのコンサート。
                      最初のモーツァルトについては、何も言わない。
                      やっぱり、モーツァルトである。どこをどう叩いてもモーツァルトであって
                      モーツァルトは、私には
                      「よく出来たバック・グラウンド・ミュージック」にしか聴こえない。すみません。

                      アンリ・トマジのトロンボーン協奏曲は
                      わかりやすいトナールのメロディと、時々ジャズやワルツの要素が入って
                      近代曲だけど、とてもなじみ深い感じがする。

                      プログラムに記載されていた通り
                      モーリス・ラヴェルの伝統を引き継いだ上に
                      自由自在にアトナール、トナールを使い分けて
                      おもちゃ箱のようなキラキラが、あちこちから飛び出してくるみたい。

                      トロンボーンの曲としては、最も難しいのだそうだが
                      悲しい事に、ワタクシはシロウトなので、よくわからん。
                      でも、哀愁に満ちたフレーズや
                      堂々とした部分の華やかさ、デモーニッシュな音など
                      名人芸を楽しませてもらった(と思う)

                      後半、ドボルジャークの交響曲9番。

                      アンドリス・ネルソンスの指揮は、いつもの通り、元気が良い。
                      明るいハンサムで、動きが派手で(もちろん、ヤンソンスそっくり)
                      ポジティブなオーラを出しまくり。

                      第1楽章から、速めのテンポで元気良くすっ飛ばして
                      ウィーン・フィルを、かなりの音響で鳴らしている。

                      ただ、第2楽章から、ちょっと・・・ あの、その。はい、シロウトですから・・・

                      ソリストとテンポの調整したんだろうか?
                      オーボエ・ソロの部分を振らないまま、ソリストに任せていたので
                      地の部分との微妙なズレが気になる(最初だけ。途中で直った)
                      木管のアンサンブルの一部が乱れていたし(バランスの問題?)
                      第1楽章の元気なテンポとは、全く相いれない、かなり遅めの設定。

                      第3楽章と第4楽章では、テンポ揺らしが気になった。

                      最初は、かなり速いテンポでかっ飛ばして
                      フレーズが変わるところで、不自然なくらいにテンポを落とし
                      アッチェルランドでまた引き上げて、という繰り返しが
                      何回も何回も行われると
                      申し訳ないが、さすがに、耳につく。

                      好みの問題だけど
                      なんか、あざといドボルジャークだ。

                      そう言えば、ネルソンスとバーミンガム市交響楽団でも
                      同じ曲を観賞したんだっけ (忘れた方は ここ )

                      あの時も、変わったドボルジャークだなぁ、という印象だったが
                      今回も同じ。どういう意図だかは不明だが、時々、奇妙キテレツに聴こえる。

                      演奏し尽くされた「新世界から」を印象的に演出しようと思ったら
                      ああいう解釈になってしまうのかもしれないし
                      好みの問題だから、ああいうのが好き、という人がいても全然かまわないが

                      指揮台の上で、白い歯を出してニコニコしながら
                      踊ったりジャンプしたりするネルソンスの
                      底抜けに明るい動きは観ていて飽きないけれど
                      ドボルジャークの解釈には、ちょっと差がありますね、って感じかな。

                      オーストリア国鉄の定刻より早く到着事件と
                      毛色の変わったドボルジャークで、落ち込みを一瞬でも忘れている私に
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