新進振付師シリーズ Bayer/Leuenberger/Müller

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    Schauspielhaus

    Jenny Beyer
    Chris Leuenberger
    Anja Müller

    III

    これも、本来は激シリアスな演目なのだろうが
    でも、時々、何だかメチャクチャおかしい (^O^)

    Im Puls Tanz の「若き振付師たち」シリーズの一環で
    9区にある Schauspielhaus は、私は初めて。

    ふ〜ん、こんなところに、こんな劇場があるんだ。
    小さな劇場だが、客席はちゃんと傾斜がついていて
    舞台が近いだけに、よく見える (^^)v

    最初に舞台に登場したのは Anja Müller

         ・・・ う (- -)

    あの、こういう事を言っちゃいけないけれど
    一応、悪口じゃなくて、あの、その、あの

    ダンサーなのに
    よくこちらに居る、骨盤だけが異様に発達したタイプの女性・・・
         (簡単に言えば デブ・・・・)

    もちろん、身体は柔らかいし、よく訓練されていて
    動きの正確さ、途中のストップも、きっちりと効いているけれど
    ちょっと、あの、スタイル、ギョッとする。

    すみません、悪口じゃないんです。
    ただ、本当に、そこらへんにいる、お尻の大きい「おばさん」が
    すごい動きを見せて舞台で踊るので驚いただけで ( ;^^)ヘ..

       (本音を言ってしまえば
        以前、ウィーン市のバレエ・スクールで
        「あぁ、この子、将来、太るだろうなぁ」というダンサーを何人か見たけれど
        クラシック・ダンサーとしては、もう絶対的にダメな体型でも
        モダン・ダンサーなら大丈夫なのか。
        その意味では、モダン・ダンスというものがあって良かったなぁ)

    Chris Leuenberger は唯一の男性ダンサー。

    この人の動き、ものすごく面白い(本人は至極マジメ)
    ヘンな格好で、ズリズリと床を這いずりまわるし
    途中でゴンドラに化けてしまった(で、これが動く)のには
    客席からも笑いが出た。

    Jenny Beyer は、いかにもクラシック・ダンサーという感じ。
    動きも、クラシックの動きが中心になっているが
    途中から、この人、やっぱり大化けして
    何だか、すごく、ワケのわからない物体と化す(ホントです)

    3人が、それぞれのダンス言語を持ち
    それぞれのソロでありながら
    途中で、2対1でくっついたり、3人が融合してしまったりする。

    (床で重なって、二人羽織りというか三人羽織りというか
     誰の手で誰の足だか、見事にわからなくなるという
     すごくユーモアっぽい(本人たちは至極マジメ)シーンがある)

    ソロになったり、アンサンブルになったりしながら
    それぞれのソロの中の動きは、そのまま残り
    一部が、他のダンサーに模倣されたり、受け継がれたりする。

    で、時々、何だか、ワケわからないけれど、ユーモアがある。
    (3人で跳びはねるシーンなんか、ホントに笑える。
     何故かはわからないけれど・・・ でも、周囲でも笑い声あり)

    衣装は黒の服が基本。
    途中で、クラシック・バレエのパロディのような衣装も。

    音楽(雑音?(笑))は Jetzmann が担当。
    これが、途中、叫び声がけっこう使ってあって
    それに合わせて、ダンサーが、如何にも叫んでいるように口を開けるので
    また、これが、何とも言えず滑稽。
    最後の方なんか、ハエの飛び回る音。
    ううううう、あっはっは、これも「音楽」なんですね (苦笑)

    いやいや、ダンサーも音楽家も至極マジメ

    舞台装置は、後ろの白い壁に、舞台右手の黒いカーテン。
    黒のカーテン部分からの出入りは、昔の劇場のパロディだろう。

    照明(担当 Sofie Thyssen)が、簡略なのに、とても効果的。
    あっ、と驚くライティングではないのだが
    緻密な計算で、ただのホワイト・ライトの小さな動き(方向、強さなど)が
    思いがけない効果を見せてくれる。

    こういう公演って、どんなに言葉で書いても
    この「面白さ」を伝えるのは、絶対に無理だと思う。
    読者のみなさま、ごめんなさい。

    この3人は、Sweet&Tender の創立メンバーでもある。

    いや、でも、悪口でも何でもないけれど
    こういう「芸術家の集まり」のサイトを見ていると
    誰でも「ゲイジュツカ」になれそうな気がするのは、あ、やば・・・(以下省略)


    ジェローム・ベル 「セドリック・アンドリユー」

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      Museumsquartier Halle E

      Jérôme Bel
      Cédric Andrieux

      ジェローム・ベルは今年の10月末から11月に
      日本でも「3つの別れ」を公演する予定になっている。
      ネタばれになるが、一足お先に 大笑い 観賞させてもらった記録は ここ

      今回の公演は、2004年からジェローム・ベルが始めた
      ダンサーのモノローグ・シリーズの一環。

      ダンサーのセドリック・アンドリユーが、自分歴を語り、踊る。
      「私の名前はセドリック・アンドリユーです。33歳、ダンサーです」
      から始まる長大なモノローグ。

      子供の頃の思い出、ダンサーになるきっかけ
      大学での学業の話から、アメリカに行く事になった推移
      マース・カミングハム・ダンス・カンパニーでの体験。
      その後、他の振付師との仕事、ジェローム・ベルとの邂逅などが
      淡々とした英語で語られる。

      ダンサーの内輪の内緒話を聞いているみたい。
      いや、実際、正に「そのもの」ズバリ。

      子供の頃、バレエ学校で
      「まぁ、教養としてやるにはともかく、才能はないね。
       ダンサーにはなれないだろう」
      と言われた事とか

      「12歳の頃、コンテンポラリー・ダンスのレッスンで
       指さししなさい、と言われて、こういう事をやりました。
       みなさまに、お見せします」

      (これ、けっこうユーモアっぽくて笑えた。
       コンテンポラリー・ダンスって、そういうレッスンするんですね?!)

      大学では、ダンスの他に、音楽、作曲、その他を学び
      卒業試験で踊ったダンスも披露。

      マイクを装着して踊るので
      ダンサーの息遣いが、ナマで聴こえてくる。

      ソロの後は、数分、息を整えないと、ほとんど話す事もできない。
      そうなのだ。運動しないので実感としてわからないけれど
      あれは、ものすごい運動量なのだ。

      面白かったのが、マース・カミングハム・ダンス・カンパニーの話で
      レッスンの最初には、必ず同じエクササイズをさせられるのだそうだ。

      「そのエクササイズを、みなさまに、お見せします」

      うわ・・・ いかん、笑っちゃいけない。でも、観客もみんな笑っている。
      (面白いというか、アホらしいというか、滑稽というか・・・
       舞台裏って、そんなもんですよね、たぶん)

      「毎日、毎週、何年にもわたり、同じエクササイズを続けました。
       たぶん、禅の影響を考えたものだと思いますが
       私は、毎日、途中で退屈してしまいました」

      エクササイズしながら、窓の外を見たり
      今日は終わったら何をしようか、とか、考えていたそうだ。

      マース・カミングハム・ダンス・カンパニーでつける衣装を
      バッグから取り出して、聴衆に見せる。

      ピンクの全身タイツ・・・

      「なお、男性は、この下に、ダンス・パンツというものを履きます。
       (ダンス・パンツを出して、みんなに見せる)
       後ろは Tバックになっていて、まぁ、ビキニのようなものですね。
       それでは、これから、これを着用します」

      舞台袖で着替えて出てきて

      「毎日、楽屋でこれを着て、鏡を見ると
       足は長すぎる、ウエストは細すぎる、と
       自分のヘンなスタイルばかり目につきました」

      はぁ、そうですか。いや、立派なカラダしてますけど(笑)

      マース・カミングハムは、当時既に80歳。
      自分で振付を示す事ができないので
      コンピュータの特別なソフトをレッスン会場に持ち込んで
      どうやって、ダンサーに指示したかを見せてくれる。

      ううううん・・・・ ダンサーって、タイヘンな職業だ(感嘆)
      よくぞ、あんな、無理な体型を・・・(絶句)

      8年間にわたるカンパニーでの活躍後、アメリカを去り
      ヨーロッパの劇場に入ってはみたものの
      フォーサイスなどの演目では
      クラシック・ダンサーが重用され
      モダン・ダンサーは、いつも、何かの時の代役だけで控室にいたと言う。

      (まぁ、そうだな。ヨーロッパの劇場では
       大半がクラシック・ダンサーで、クラシック・ダンサーがモダンを踊る)

      その後、ジェローム・ベルの The shows must go on に出演して
      自分を解放した、という言及が続く。

      静かな声で
      本当に淡々と、気負いもなく、泣き言もいわず語られる
      セドリック・アンドリユーの世界。
      さりげなく「僕の彼氏が・・・」という言及も入る。

      1時間30分ほどの「1人舞台」
      1人のプロ・ダンサーの成長過程を追体験させてもらって
      すごく心の底に触れて、揺さぶるものがあって感動した。


      ローザス / ケースマイケル EN ATENDANT

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        Odeon

        Rosas/Anne Teresa De Keersmaeker
        "EN ATENDANT"

        ローザスとケースマイケルは、ここ数年、必ず行っているけれど
        モダン・ダンスでも、完璧シリアス系(勝手に名付ける)というか
        毎年、難しくなって来るので
        ダンス的にはスゴイとは思うけれど、ワケわからん。

        まぁ、モダン・ダンスのシリアス系というモノは
        現代音楽シリアス系と同じで、一般ピープルには理解不能で良いのだ、ふん。

        今回の公演は
        フルート、リコーダー(ブロックフレーテ)、バイオリン、ソプラノに
        8人のダンサー(女性4人、男性4人)

        会場オデオンのホールも、壁などが全部取り払われて
        左右の柱を、柱のまま生かし
        (通常は柱と柱の間にパーティションを立てる)
        ガラ〜ンとした、本当にタダのホールというか、倉庫の中みたいな感じ。
        窓からは外の建物や空が見えるし
        19時30分でもまだ明るい日差しが差し込んでくる。

        照明は天井の蛍光灯のみ。

        プログラムにあったケースマイケルとのインタビュー(英語)では
        オープン・ステージで、陽が落ちて、だんだん暗くなる、というところで初演したそうで
        修道院だの自然だのが、すごい効果をもたらしたそうだ。

        音楽は14世紀のアルス・ノーヴァ。
        ポリフォニー全盛期の古楽。

        ・・・の前に
        フルーティストが、異様に長い音を吹く。
        最初は擦れた感じの音から、途中に2音を含めて、どんどん上がっていく。

        確かに修道院の庭とかだったら
        幽玄な気分がここで醸し出されるのだろうが

        途中で近くの教会の鐘は鳴るし
        外の車のエンジンの音や、子供が騒いでいる声まで(微かに)聴こえてくるし
        やっぱり、都会の中で聴くと、全然感じが違う(涙)

        ダンスは、難解である。
        ケースマイケル特有のフォーメーションは、今回は走って見せるだけでなく
        8人のダンサーが、まるで大きな物体になったように絡む。

        音楽なしでのダンス・シーンも多く
        しかも、少しだけ変えたシャドー・ダンスを音楽なしでするのだから凄い。

        7人のダンサーが、色々とダンスをしている間に
        1人だけ、普通の歩き方、走り方をしている男性ダンサーがいる。

        自然の精霊の中に、生きた人間が1人混じっている感じ。

        「普通の」人間にくっついて踊るダンサー。
        これは、あれかな、やっぱり人間の2面性というか
        社会的動物であるところの人間に、陰の部分の「本音」とか「悩み」が
        くっついている、という象徴なのだろうか?

        ところが、途中で、この「普通のダンサー」が大化けする。
        ただの、普通のオジサンだったのが、全く違った存在に変化するのだ。

        ものすごく印象的 (*^^*)

        19時30分から始まった公演も
        20時になり、20時30分頃になってくると、外もだんだん暗くなる。

        踊っているところも、どんどん暗くなる。

        しかも、日暮れに合わせて、光っている蛍光灯の数が、どんどん減っていく。
        踊っているところが暗くなっているので
        ダンサーも、黒い衣装の部分はほとんど見えず
        微かに、肌を出している手や足、男性の上半身が見えるだけ。

        最後は、とうとう会場の電気は全部消えて
        外からの、ほんの少しの光(21時過ぎだから薄暗い)で
        男性ダンサーが完全にハダカでソロ。

           いや、遠目だし、暗いし、たぶん、ハダカだったとは思うのだが
           お尻だけ白かったから、もしかしたらパンツ履いていたかも。
           でも、あれは、日焼けしなかった肌の部分かなぁ、って気もするし・・・

        オペラ・グラスは持っていったのだが
        フォーメーションの見事さを全体的に見渡したかったので使っていなかった。
        まさか、最後の、もしかしたら全裸、というところで
        慌てて、オペラ・グラスを翳すワケにはいかない(ヘンな自尊心(自爆))

        薄暗い中で、見えるか見えないかのギリギリのところで踊られた
        男性の白い肉体のソロは
        何だか、この世のものとも思えない、不思議で神聖なモノを見た感じがした。

        モダン・ダンスでも、現代芸術でも、あるいは現代音楽でも
        解釈をするのは、観客である。

        言ってみれば

        全くワケのわからないモノをもらって
        はい、これ、何でしょう? とクイズを出されているようなものだ。

        わからないなら、考えてみれば良い。
        もしかしたら、コレかな、アレかな、こうするのかな、それともこうかな
        ・・・と、頭からクエスチョン・マークを出しながら
        今までの経験や知識を総動員して、勝手に想像を膨らませるのは楽しい。

        そして、それ以上に
        そういう現代芸術作品には、「正解」というものが存在しない、というのが
        とても気楽である。

        何を感じても、それは受け取る側の勝手 (^^)v
              ・・・と言い切ったら、クリエーター諸氏からド突かれるかも(笑)

        この不思議な公演、29日・30日・31日にも行われる。


        ウィーン劇場 「こうもり」 2回目鑑賞記

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          Theater an der Wien

          Die Fledermaus
          Operette in drei Akten (1874)
          Musik von Johann Strauss

          ここで観にいった「こうもり」2回目の観賞。
          出演者・スタッフは同じ。

          同じ演目に何回も行って面白いですか?と言われるが
          これが、なかなか面白いのだ。
          (まぁ、カネと時間があれば・・・ 前者はかなりナイが・・・)

          初演の時と、ほんの少しだけ演出が変わっている。

          第一幕目から正面に座っていたオルロフスキーだが
          初演時は途中で奇声を張り上げるだけだったのだが
          さすがに、それだけでは、オルロフスキーとはわからない、という事らしく
          今回は、例のアリアの一部をアカペラで歌っていた。

          (以前書いた通り
           この演出では、オルロフスキーはカウンター・テノール)

          序曲と一緒に舞台で行われる、陰惨な虐めのシーンだが
          出演者の騒ぎが大きすぎて
          オーケストラの音をかき消すようになっていたのは、ちょっと・・・

          舞台上がバタバタしてうるさいと
          何かカンチガイして、客席でもお喋りをして良いのだ、と思う人が多く
          序曲演奏中に、あっちでも、こっちでも、お喋りが聞こえて来たのも興ざめ。

          でも、お喋りをするくらい、リラックスして聴いていた人が多かったのだろうか。
          コミカルな場面では、時々、笑い声も観客席から聞こえてきて

          あぁ、こういう悲惨なシーン(としか私には見えない)を
          ユーモアと思って、笑う人もいるのだ

          という、興味深い経験ともなった。

          まぁ、そう思って観れば、愉快な場面なのかもしれない。
          確かに、自分でも笑ってみると
          それは、それなりに、もしかしたら可笑しいのかも、と思えてくる。

          新聞評は、プレッセもヴィーナー・ツァイトゥングも
          演出には否定的。音楽的には、まあまあ。
          プレッセがオーケストラと指揮者をベタ褒めしていたのに比べ
          ヴィーナー・ツァイトゥングでは「指揮者はもう少しオーケストラを従えた方が」と
          批判的な意見を打ち出していたのが面白かった。

          男性陣の歌手は揃っていて優秀。

          アイゼンシュタイン役のクルト・シュトライトは最初からハイテンションで
          そんなに大声で歌って大丈夫?と思ったけれど
          第三幕で激昂して、声を張り上げるところも含めて
          最後まで、異様なハイテンションを固守したのは、すごい。

          フローリアン・ボッシュの、あのスゴイ役柄は、まぁ・・・
          歌は巧い。細かい部分までの処理が、よく聴くと見事。

          良かったのが、アルフレード役のライナー・トロースト。
          アホなアルフレードをうまく演じて、声も美しい。

          フランク役のマルクス・ブッターは、たぶん、クラシック・バレエの素養がある。
          ちょい役なのに、細い身体で歌いながら
          かなり良い線を出してコミカルに踊って
          これも、普通のフランクの役作りだったら、絶対にミスキャストなのだが
          そのミス・キャストが、なんか、この演出だと、異様に合っている。

          ロザリンデのニコラ・ベラー・カルボーネは、まぁまぁ、というより
          ううううん、オペレッタ的にはミスキャストかも。

          声は出るけれど、チャルダッシュがチャルダッシュになってない。
          その分、スタイル抜群で身体が柔らかくて
          すごい体位まで、楽々とやっちゃうし、演技が巧い。

          ウィーン風の、まあまあ、なあなあで許してしまうロザリンデではなく
          嫉妬深く、浮気もするけれど、人の浮気は許さない、という、コワイ役がピッタリ嵌まる。
          (本当にちと怖すぎる。こういう女性を奥さんにするとタイヘンかもしれない)

          アデーレは・・・前にも書いた通り、声の転がし方が耳慣れしない。
          細かい音階が時々潰れるのだが
          ちゃんと歌えるところもあるので、あれは、演出上、わざとなのかも。

          イーダ役は女優さんだが
          これが、演出上の役作りとは言え
          ものすごくヒステリックなイヤな女になっていて
          声は甲高いし、不愉快な声。
              いや、そういう役作りなんですね、きっと(無理やり納得)

          ただ、合唱の時に、1人だけ地声でリズム取りながら歌うのは
          ものすごく耳障り。
          他の歌手のパートが「歌声」で聴こえてくる中の「地声」は
          全部のバランスを崩す。音楽的、いや、ワタクシ的には許せない暴挙(きっぱり)

          この演目、当初は千秋楽の8月8日にも行こうとチケットを確保していたのだが
          どうしても行けない用事が出来てしまったので
          今回の観賞が最後になる。


          ウィーン劇場 秋シーズンのチケット販売、既に開始

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            空には厚い雲がかかり、急激に気温が下がって20℃以下になって
            上着なしでは寒くて歩けない。
            先週34℃で今週17℃(それぞれ最高気温)という急激な変化は
            ヨーロッパの醍醐味というか(やけくそ)

            ウィーン劇場のチケット発売が既に始まっていた。
            慌てて、9月以降のプログラムをチェック (((^^;)(;^^) ))

            9月のヘンデルのオラトリオ「セメレ」は、チェチーリア・バルトリが
            タイトル・ロールのセメレを歌う。
            公演は4回あるが・・・

            ううう、さすがに早いウィーンっ子たち・・・
                      安いチケット、全部売り切れてる (T.T)

            だいたい、これ、価格設定が

            160/140/120/90/75/45/23ユーロ。

            普通の公演より、格段に高い。

            だいたい、ウィーン劇場はチケットが高い(怒)
            この価格設定だと、下から3番目のチケットでも1万円近いので
            私の1回分の予算を遙かに超えてしまう (・・;)

            10月はナクソス島のアリアドネ。新プロダクション。
            ウィーン放送交響楽団でベルトラン・ド・ビリーが指揮。
            作曲家を Heidi Brunner
            ツェルビネッタは Mari Eriksmoen
            アリアドネが Anne Schwanewilms
            バッカスが Johann Botha

            「アリアドネ」は私の好きな演目。
            安い席をせっせと2公演分、購入 (^^)v
            6回の公演があるから、気にいったら、もう1回くらい行っても良いかも。


                   ・・・ チケット(とおカネ)があれば、の話だが。

            10月後半に2回だけ行われるのは
            クルト・ヴァイルの「7つの大罪」
            価格が 115/96/75/59/46/28/12ユーロと、安め設定。
            舞台は見えないけれど、12ユーロの席を1枚(ケチ)
            アンゲリカ・キルヒシュラーガーが出演予定なのだが、そんな安くて良いの?!(疑)

            11月がモーツァルトのオペラ「庭師の娘」
                    モーツァルト、キライです。ダメなんです。寝ちゃうから。

            でも、この演目、ルネ・ヤコブスが指揮をする・・・

            え〜い、安いチケット1枚買っちまえ!!!(やけくそ)

            ウィーン劇場のチケットは、郵送してもらうとその分の料金が加算されるが
            当日券売り場お預かり(無料)にしておいて
            事前にウィーン劇場のチケット売り場にピック・アップに行くこともできる。

            しかも、ウィーン劇場のチケット・オフィスって
            毎日(土・日含めて)19時まで開いている!!!(ありがたい、週末に行ける)

            出てきた領収書(クレジット・カード払い)を持って
            日曜日に、ウィーン劇場へ。
            一転曇って、気温は20℃を切るから、ジャケットを着用。

            この間まで改装中だったウィーン劇場のチケット・オフィス。
            白を基調にした明るいオフィスになって
                  ・・・しかも、狭くなってる(後ろの部分がなくなった)

            まとめて買ったチケットの領収書を見せて
            チケットをプリント・アウトしてもらったら

                「あ、これ、チクルスね。
                 チクルスのお客さまには、はい、これ、プレゼント」

            と出てきたのは、立派な黒の革のチケット・ホルダー (びっくり)

            チクルスではないのだが・・・ f(^^;)
            でも、まぁ、まとめて買う、という意味では
            プレゼントは黙ってもらってしまおう(こらこら)

            ウィーン劇場のチクルスは、確かにお得なのだけれど
            楽友協会のチクルス6つ、コンツェルトハウスのチクルス2つを買っているので
            これと、カレンダーを付き合わせないと
            あっ、同じ日に2つの催し物がある!という、恐ろしい事になる。

            って、楽友協会とコンツェルトハウスで、もう重なっている日が
            何日かあるんだけど (;^_^A アセアセ

            1月以降のチケット販売は9月1日から。
            それまでには、来年のカレンダーを購入して
            6月末までのコンサートを全部書き込んで
            重ならないように、準備してから、9月1日に(安い)チケットを買おう (^^)v

            カルメン クロースター・ノイブルク

            0

              Klosterneuburg Babenberger Halle

              Carmen
              Opéra-comique in vier Akten
              Musik von Georges Bizet

              カルメン Katarina Bradić
              ドン・ホセ Bruno Ribeiro
              ミカエラ Ana Puche Rosado
              エスカミーリオ Martijn Sanders
              フラスキータ Dénise Beck
              メルセデス Martha Hirschmann
              ダンカイロ Sebastian Huppmann
              モラレス Serge Novique
              ズニーガ Tiji Faveyts

              オーケストラ Sinfonietta Baden
              コーラス Gymnasium Klosterneuburg
              指揮 Enrico Calesso

              演出・振付 Pascale-Sabine Chevroton
              舞台 Alexandra Burgstaller
              衣装 Andrea Hölzl
              照明 Lukas Siman


              本来はクロースターノイブルク修道院の中庭で上演されるオペラ。
              ううう、昨日の34℃とうって変って
              何と、日中でも20℃いかず、しかも瞬間秒速90キロの風が吹き荒れる。

              バーベンベルガー・ホール(クロースターノイブルクの公民館)の
              脇の席で、舞台右半分が見えなくて34ユーロ・・・・(絶句)
              修道院中庭だったら、かなり急な段があるし、脇の席はないので
              一番上でも全然問題ないのだけれど

              こういう公民館で34ユーロでカルメンの観賞するなら
              国立オペラ座で29ユーロで舞台が半分見えないカルメンの方が格段にヨイ。
              (そりゃ、あたり前)

              舞台は赤い壁だけでシンプル。
              中庭だったら、上のバルコンも高いところなのだろうが
              何せ、公民館だし・・・(ため息)

              オーケストラも指揮者も、コーラスも歌手も
              みんな、頑張ってる。それは認める。一生懸命である。

              でも、クロースターノイブルク修道院の中庭だと
              太陽が沈んで来ると、正面に修道院のバロックの美しい建築が
              夜間照明で浮かび上がり
              塔の上のローマ帝国の王冠が夜空に映えて
              何とも言えない雰囲気が醸し出されるのに

              公民館では、その魅力がない。
              面白さ、感激度は、申し訳ないが、80%くらいカットされてしまう(涙)

              集まる観客は・・・・ 

              うわ〜〜〜〜っ、老人倶楽部 (+_+) 失礼 m(__)m

              最近、モダン・ダンスで若いダンサーの群ればかりの公演に行っていたので
              周囲が、杖ついたジジババの集団というのも、なんか懐かしい(こらこら)

              本当にどこかの「ご老人クラブ」もご招待で来ていたようで
              平土間の良い席の一部は、お喋りが煩かった(ギャラリーまで聞こえてくる)

              カルメンとドン・ホセ、エスカミーリョはダブル・キャスト。

              こういう小さいホールだと、まずオーケストラの荒さが耳につく。
              いや、あの、指揮者の動きもキレイだし
              みんな頑張っているのだけれど(以下省略)

              ミカエラは、なかなか初々しくてよろしい。
              (この間、海千山千のネトレプコのミカエラを聴いちゃったからな)
              特別に素晴らしいスター性を持ったピカピカに光る声、というのではないが
              正しく、清く、丁寧に歌い上げて、好感が持てる。

              カルメン役は、頑張っていた。
              そこそこ声も出る。演技もできる。カスタネットも途中までは頑張った。
              (最後でズレるのであれば、最初からやって欲しくなかった、というのは
               あまりに要求水準が高いだろうから言わない。って言ってるけど)
              途中で疲れが見えてきたけれど、最後でまた取り戻したから、合格点。

              頑張って、かなり、これは、と思わせたのが
              ホセ役のブルーノ・リベイロ。
              最初から最後まで、かなり声量とハリのあるテノールで
              高音も、しっかり飛ばした。
              まだ声の表情が硬いけれど、最後は泣き節まで入って、これはナカナカである。
              (ただ、頑張っているのがミエミエで、ピアニッシモの支えがないし
               まだ若いから声帯も持つだろうが・・・ 声を大事にしてね・・・(老婆心))

              エスカミーリョは、美声なのだろう、きっと。
              が・・・・ 低音が埋もれて前に出てこないし
              細かい部分の処理が雑なので、不安定な音程に聴こえてくる。
              ああいうのは、もう、持って生まれた素質としか言えないだろうなぁ。

              歌い手という商売は残酷ではある。
              努力以前に持って生まれたモノで決まっちゃうところがあるから・・・・

              コーラスは女声コーラスはマル。
              男声のバスとバリトンはマル。惜しむらくはテノールに均一性が欠けた。

              脇役は、かなり揃っていて危なげなく安心して聴ける。
              チョイ役の全員が、自分の役割を疎かにする事なく全力を尽くしたのは素晴らしい。

              このクロースターノイブルクの夏のオペラは
              来る人の大半がウィーンからだから(超コンサバの年配客が中心)
              あまりヘンなモノは上演できない。

              だいたい、カルメンなんて
              そんなヘンな演出が出来る演目じゃないから
              (いや、やれば出来るような気はするのだけれど(笑))
              舞台と衣装(まぁ、衣装もやっぱりフラメンコからあまり逸脱は無理)以外に
              たいして突飛な事はできないわけで、ちょっと残念(何を期待してた?(笑))

              休憩時間中に外に出たら
              小雨で寒くて(17℃)、でも、左手の修道院の
              教会のゴシックの塔と、修道院のローマ帝国の王冠が夜空に浮かび上がって
              ああああああ、あそこの中庭だったら、どんなに良かっただろう・・・・(涙)

              もっとも、上演前にプロデューサーがマイクで挨拶した通り
              「どこかの音楽祭みたいに、雨の中を50分だけ演奏して
               チケット払い戻しできず、はい、途中で中止です、というより
               少なくともホールの中で、最後までオペラを楽しんでいただける事を
               私どもは嬉しく思います」
              ・・・・ごもっとも。

              修道院中庭だったら、自信を持ってお勧めするのだが
              まぁ、天気というのは選べないからなぁ・・・
              7月24日・27日・29日・31日、8月3日と追加公演が8月6日。
              情報は ここ (注意 音が出ます)

              なお、2011年は「フィガロの結婚」
              ・・・・ これはちょっと期待できるかも (^^)v
                (以前のドン・ジョバンニが、見事だったから)


              ロルフェオ モンテヴェルディ(現代版)

              0

                Theater an der Wien / Semper Depo

                L`Orfeo
                Musiktheater von Claudio Monteverdi
                in einer zeitgenössischen Version

                andreas bode company
                演出 Andreas Bode
                指揮 Titus Engel
                舞台 Nanette Zimmermann
                衣装 Gwendolyn Jenkins
                アレンジメント Tobias Schwecke
                ドラマツルギー Charlotte Pfeifer
                プロデューサー Jenny Svensson

                オルフェオ Catrin Kirchner
                ムジカ、エウリディーチェ、スペランツァ Friederike Adamski
                メッセンジャー、プロセルピーナ、アポロ Andrea Chudak
                牧童、地下の幽霊 Svejatoslav Martynchuk
                カロンテ、プルトー Titus Witt

                ハンガリアン・ツィンバル Veleriu Cascaval
                ギター Johannes Öllinger

                音楽アンサンブル Ensemble Resonanz

                モンテヴェルディのオペラ「オルフォイス」の現代版。
                どうせガラガラと思って行ったら、満杯状態。
                自由席なのに、後ろの方の補助席しかない・・・・(びっくり)

                1時間45分休憩なし。
                場所はウィーン劇場の裏手にある、建築家センパーの建てた倉庫。
                天井が高い丸い塔。廻りにずっと階段と踊り場があって不思議な雰囲気のところ。

                うううん ・・・ 何と言うか・・・

                     モンテヴェルディのプルチネラ版。

                確かにモンテヴェルディなのだが
                メロディはモンテヴェルディでも、エレキ・ギターが入ったり
                現代音楽風味のアレンジメントをした伴奏が入ったり
                実に不思議な味付けになっていて
                初期バロックを聴いているハズなのに、現代音楽を観賞しているような気分になる。

                ・・・だったら、何でモンテヴェルディなんだよ??? (-"-;)

                こういう味を出すのだったら
                モンテヴェルディなど使わずに、最初から最後まで
                新しく作曲した現代音楽で上演してしまった方が
                しっくり来ただろう (独断偏見 現代音楽ファン)

                で、教養のなさを晒してしまえば
                これ、最初から最後まで、イタリア語上演。
                プログラムを買うと、ドイツ語との対訳が入っているが
                上演中の暗い客席で読むワケにもいかず
                舞台にセリフの翻訳が投影されるワケでもなく
                衣装も動きも、伝統的なオルフォイスからは遥かにかけ離れているので

                内容が、ぜ〜んぜん、わっかりませ〜ん (自爆)

                せめて、演出的に、オルフォイスとエウリディーチェのわかりやすいラブシーンとか
                地獄にオルフォイスが連れられていって
                エウリディーチェを連れて逃げて、振り返ってエウリディーチェが消えてとか
                彼女を失って激しく嘆き悲しむオルフォイスとか

                そういうわかりやすい場面があれば良いのだが・・・
                (いや、象徴的にはあったのだろうが、でも、わかんないんだもんっ)

                オルフォイス、背広着て、ネクタイ締めてるし。
                (ちなみに、オルフォイス役は女性のソプラノである)
                  ↑ 最初、誰がオルフォイスだか、全然わからなかったワタシ(恥)

                バロック音楽を演奏する音楽家たちが、舞台に入り込んで
                裏から手を廻してバイオリンを弾いている人もいたし(曲芸だ〜っ)

                エウリディーチェが死んだ、と使者が伝える場面では
                弦楽器アンサンブル、全員、床に倒れて
                寝っ転がった状態で演奏した。

                コントラバス、お腹に乗せて弾くのは、かなり重たいのではないかと・・・
                チェロの人は小さな譜面台をチェロの真ん中に固定していたし。

                楽団が舞台の上を動いたり
                会場の後ろにいったり、また移動して横の張り出しに立ったりするので
                もちろん、指揮者もあっちに行ったり、こっちに来たり
                何故か、指揮者も地獄に連れていかれて
                ハゲになってセムシになって登場して、セムシのまま指揮する。

                オルフォイスが怒って、バイオリニストからバイオリンを取り上げて
                壁に叩きつけてバイオリンを割る、という場面も。

                (そう言えば、昔、同じ場所の現代オペラで
                 やっぱり、バイオリンを木端微塵に壊す、という演出があったが・・・
                 バイオリンって、ものすごく高い楽器じゃなかったっけ????)

                オルフォイス役のソプラノ Catrin Kirchner は特筆モノ。
                細い澄んだソプラノで、細かいパッセージの転がし方も見事。
                どこで歌っても(塔の一番上から歌う場面あり)
                どんなにピアニッシモで歌っても、声が通る。
                バロックでも現代音楽でも、ピッタリ嵌まる声質の歌手。すごいな。

                日中は34℃まで気温があがって
                センパー・デポの中も暑いのなんの。
                その中で、音楽家は燕尾服。歌手もしっかり衣装を着こんで
                (地獄の使者なんて、着包みだよ〜、うわ〜暑そう)
                たぶん、みんな、汗だくでの演奏。観客も汗だく・・・

                夜の10時頃に、外から凄い雨の音。
                予想はしていたので
                くそ暑い中に、上着を持って
                バッグには傘を入れて会場に行って正解 (^^)v

                10時半に外に出たら、道路が濡れていて肌寒いくらい。
                その後、稲妻と雷雨。ヘンな天気である。

                この、ちょっと、いや、かなり変わったオルフォイスの上演は
                7月26日と28日にもある。
                ワタクシ的には、バロックでもなく、現代音楽でもなく、という
                何となく中途半端な気がするが
                音楽的なクオリティとしては、これ以上にないほど高い。
                入場料も18ユーロ(自由席)

                くそ、イタリア語さえ理解できれば、もっと面白かったのだろうに・・・
                   (って、勉強すれば? (x_x) ☆\(^^;) ぽかっ)


                アーティストのアイデアのオークション

                0

                  Kasino am Schwarzenbergplatz

                  Sarah Vanhee
                  The great public sale of unrealized but brilliant ideas

                  Im Puls Tanz の一環なので、バレエ・ダンス・カテゴリーにしてあるが
                  ダンスとは(ほとんど)関係のない、アイデアのオークション。
                  入場料15ユーロ。自由席。

                  Kasino am Schwarzenbergplatz は、ブルク劇場の管轄下にある建物で
                  時々、演劇が行われているので興味はあったが、入るのは初めて。

                  しかし、暑いな・・・(爆)
                  夜になっても30℃近い気温。冷房の入っていない建物の中はますます暑い。

                  集まったのは、ほとんどが若いダンサーたち(だろうと思う)
                  Im Puls Tanz のワークショップなどに世界中から来ている若人たちで
                  ワタクシのようなおばさんはちょっと場違いだが
                  え〜い、かまうもんか。
                  ちょっと姿勢を良くすりゃ、私もダンサーに見える(ワケがない(自爆))

                  オークションなので、入口で名前と住所と電話番号とメイル・アドレスを書いて登録し
                  番号札をもらって、オークション・ルールをもらって
                  5000cc=5ユーロ相当のクーポン券をもらう。

                  cc というのは creative capital currency の略なのだそうだが
                  まぁ、要は5000cc=5ユーロと考えていれば良い。

                  セサビーから、ちゃんとオークションの専門家を呼んでの
                  本格的なプレゼンテーション。

                  で、売られたアイデアだが、全部で23個、一つを除いて完売(笑)

                  売れなかった一つというのは
                  レストランの上にプロジェクターを釣って、客の会話を見せる
                  ・・・というような、ヘンなプロジェクトで
                  アイデアを出した芸術家から、最低ビット7000ユーロという条件がついていた。
                  7000ユーロって、100万円に近い(呆)

                  よくわからんインスタレーションのアイデアあり
                  ダンスのパーフォーマンスのアイデアあり
                  ビデオ・カメラの、何だか専門的な撮影方法のアイデアあり
                  実現しなかった近代ビルのスケッチあり

                  オークションが全部英語で行われた、というのもあるけれど
                  何だか、ワケのわからんアイデア(私の英語力不足?)が多い。

                  「家の地下室に溜めこんである粗大ゴミを全部使って彫刻作品を作る」
                     ・・・それって、不用品を他人の力で掃除してもらおう、という事ですよね?

                  ちょっとマジにやってみたい、と、たぶん全員が思っただろうアイデアは

                  デジタル・カメラを持ってレストランに入り
                  隣のカップルをを隠し撮り。

                  トイレに入って、ポータブル・プリンターで特殊用紙にプリント・アウトして
                  それを、ポータブル・アイロンで Tシャツにくっつけて
                  テキトウなセリフを入れる。
                  (「ここはオマエが驕れ」「いやん、いけず。ワタシ、お金ないの」とか・・・)

                  それを着て、レストランの席に戻り
                  隣のカップルが、驚いてイチャモンをつけたら

                  「この Tシャツは3年前にミラノで買ったものですが、何か?」

                  とシラを切る。
                  (本当にやったら犯罪に近いが(笑) でも、ちょっとやってみたい、マジで)

                  車を時速50キロの速度で、美術館の入り口にぶつける、というアイデアもあり
                  (もちろん買った人がいる)
                  ウィーン・アクショニストっぽいけど、何だか、だから何?(謎)

                  ジョン・ケージの生涯を絵本にする、というアイデア。
                  私、イラスト描けませんし・・・(爆) 非アーティストにはちょっと・・・
                  (↑ こういうのが、何で「ブリリアントなアイデア」なのか、さっぱりわかりません、私には)

                  日本のパーフォーマンス・アーティスト 松根みちかずのアイデアは

                      哲学的スパゲッティ

                  スパゲッティの中に哲学があるから
                  スパゲッティを茹でて、アーティストに食べさせて
                  あなたの哲学を消化させて下さい

                    ・・・それって、タダ飯を喰おう、というワケではないんですね?!(疑)

                  これをビットしている間に
                  参加者から「スパゲッティの代わりにポテトじゃだめか?」という質問あり。

                  ううううん、ジャガイモの中に哲学がある、というよりは
                  やっぱり、スパゲッティでしょうねぇ・・・
                  いや、日本人としては、哲学ご飯でも良いけれど
                  お米では、いま一つ 有難味 哲学性に欠けるかもしれない。

                  ホームレスを集めて夜に踊らせる、というアイデアは
                  逆さビット。5000から始めて、どんどん下がって、最後はゼロ。
                  面白いアイデアとは思うが、身の危険を感じるぞ(笑)

                  最後が傑作で
                  「Having no idea is probably the best idea」という
                  (正確ではないが、そんな感じの内容)
                  額縁入りのアフォリズム。

                  これ、結構な高値がついて
                  最後に「お金の代わりに、この額をデジタル・カメラで撮影して
                  オリジナルの額は作者に返す」というビット?でカタがついた。

                  若きダンサーの群れは、後半になると3分の1くらいに減っていたが
                  その代わり、どこかの現代芸術祭や現代音楽祭で見た事のあるメンツが・・・

                  こういう催物、どちらかと言えば
                  スティリアの秋 現代芸術フェスティバルなんかで
                  アーティストたちを集めてやったら、もっと面白かったかも。

                  さて、批判的なアホ・おばさんを演じるつもりは毛頭ないのだが
                  現代のアーティストが持ち寄った「ブリリアントなアイデア」を見ていると

                  芸術、何でもアリだろうけれど

                  「自分(アーティスト)だけが理解できれば良い。
                   (一般的な)観客、ないしは、アートを理解しない人はお呼びじゃない」

                  という、いやらしい選民意識がプンプン匂ってくる (-"-;)

                  アートって、観賞者に楽しんでもらったり
                  ショックを与えたり、世界観を変えたり、人生観に影響を与えたり
                  普通の、一般の、素人の「観客」にも
                  何かを「残す」ものであって欲しい、という意識は
                  現代のアーティストには、全くないんですかね?!

                  私のブログだって、選民に読んでもらおう、というのではなく
                  これでも

                    読者が少しは楽しんで、音楽(や芸術)を追体験してくれたらヨイなぁ

                  と思いつつ、努力して書いてはいるのである((-_-;)ホントカ・・・オイ)

                  で、このブログが退屈なのは
                  ひとえに、私に、ユーモアとか文章力が欠けているからであって(以下省略)


                  ロビン・オルリン ヨハネスブルク市劇場ダンス・グループ

                  0

                    Museumsquartier Halle E

                    Robyn Orlin
                    City Theatre & Dance Group Johannesburg
                    "We must eat our suckers with the wrappers on ..."

                    非常にわかりやすいタイトル(笑)

                    現在、ウィーンではエイズ会議が行われていて
                    赤いリボンを胸につけた人がたくさんいる。
                    私もウィーン市観光局から、赤リボンをもらっているので
                    一応、付けて歩いていたりする・・・ f(^^;)

                    安い席を買って、指定の入口から入って、35列目の26番というのを探したら

                    あれ??

                    客席が25番までしかない!!!
                    (その横に26番があるハズなのだが、何故か、端っこの数席の上には
                     黒いカバーがかけてあって、座れないようになっている)

                    「すみません。席ないんですけど・・・」
                    「あ、前に封筒を持っている同僚がいるから、そこに行ってみて」

                    間違って席を売るなよ・・・(呆)
                    でも、結果としては、24列目の席をもらったので、反ってラッキー(^^)v

                    南アフリカのヨハネスブルクからのグループ。
                    2002年2月にパリで初演されたもの。
                    15名のダンサー、というより、歌手で俳優が
                    舞台と観客席で、踊ったり、歌ったりする。

                    ビデオ機材を持ったカメラマンが、それを追いかけて
                    舞台の背景に投影する。かなり歪んだ形で舞台背景に映される。

                    うううううん・・・
                    ビデオ投影は、最近、よく使われる手法だけど
                    はっきり言って、私はキライだ。

                    もとが不器用なので
                    舞台と客席にいるダンサーと、背景のビデオと
                    「見る」ものが3つに分かれると、何処を見て良いのか混乱するんだもんっ。

                    客席乱入がけっこうあって
                    隣の人(この人も「ない席」を買ったクチ(笑))が
                    前の方に座っていなくて良かったわ・・・・ って
                    まぁ、別に黒人ダンサーに乱入されても
                    ワタクシは気にならないけれど
                    舞台背景にでっかく、歪んだ顔が投影されるのはイヤだ。

                    ダンスという観点から見れば
                    「ダンス」というほどに洗練された動きではない。
                    昨日、モンテ・カルロ・バレエなんか観ちゃったから、何となく不満。

                    ただ、コーラスは良い。
                    アカペラで(マイクは付けているが)多重唱で
                    時々、音程が狂うけれど、それも、何となくアフリカっぽくて
                    声の質は、みんなメチャ良い(クラシックではない。念の為)

                    舞台で使う小道具は、赤のバケツに玩具にぬいぐるみとキャンデー。
                    (この玩具が、いや、もう、めっちゃカワイイ人力車のミニチュアみたいなもので
                     手作りなんだろうなぁ、私も欲しい・・・・)

                    それに・・・・

                    例のモノを風船のように膨らませて
                    そこにペンキで顔を描いて、頭の上に乗せて踊る。

                    アレって、あんなに膨らむモノなんでしょうか?
                    日本製かな?

                    ああいう使い方したコトないし(普通はしない)

                    清く正しい生活をしているから
                    例のモノなんか、数年にわたって使用していないけれど
                    どこかの引出しに、大昔の残りがあるかもしれない。

                    アノ目的ではなくて、風船にして楽しめるのなら・・・(以下省略)

                    ウィーンのどこかの公園で
                    長い楕円形で、てっぺんにちょっとポッチリと膨らみのある
                    風船で遊んでいるアジア人中年女性がいたら
                    それはワタシです。

                    メッセージ性の強いパーフォーマンスだが
                    ダイレクトに訴えるのではなく(それやったら、ただの説教)
                    歌と踊りと演劇で、コミカルに楽しませてくれた手段には脱帽する。

                    ちゃんと、ナニの時には、例のモノを使いましょう (^_-)ネッ


                    モンテ・カルロ・バレエ団 「ダフニスとクロエ」 「サクレ」

                    0

                      Odeon

                      Les Ballets de Monte-Carlo
                      "Daphnis et Chloé" Jean-Christophe Maillot
                      "Sacre : The Rite Thing" Liquid Loft/Chris Haring

                      モンテ・カルロ・バレエと言えば、トロカデロ・デ・モンテカルロの方が有名だが
                      トロカデロはアメリカのバレエ団 (しかも男性だけのコミック・バレエ)
                      今回、Im Puls Tanz の公演は、ちゃんとモナコのモンテ・カルロ・バレエである。
                      正統的なバレエ集団である。

                      19日のチケットを買っていたのだが
                      頭痛と吐き気で行けなくて、あぁ、今回は諦めなくちゃ・・・と思いつつ
                      ついつい

                      「今日のチケット、まだあります?」

                      残席3席。しかも、一番高い席・・・ (T.T)

                      ええ、ええ、大散財ですとも。でも、諦めきれず、買っちゃいました。文句ある?

                      1列目だけど2列目かも、という席は、私の前の人が買って
                      私は3列目の席を購入。

                      前半は、ジャン・クリストフ・マイヨ振付の「ダフニスとクロエ」35分。

                      うわ〜〜〜 (*_*)
                      すごくクラシック(いえ、もちろん、モダンですが)

                      若い男女が会って
                      不安に満ちて、オドオドとする有り様が
                      美しいカタチになる。
                      触るようで、絶対に触れないギリギリのところで
                      支えのないバランス、絡まない絡み。

                      曲想が変わると、大人のカップルが加わって
                      これが、愛への導きなのか
                      それとも、誘惑なのか
                      複雑な絡みを見せて、ドラマティックに盛り上がっていく。

                      モダンだけど、クラシック。
                      動きの一つ一つが美しく、意味があって目を奪われる。

                      ただ、3列目の席、最悪!!!
                      少し段があって、高くはなっているのだが
                      その前のダンスと同じフロア部分に、何と3列も作ってあって
                      前の2列が舞台前半の床への視界を遮っているのだ。

                      うわ〜、1列目だったら、もっと悲惨(その前に2列あって何も見えない)

                      昨日は安い10列目の席だった・・・そっちの方がずっとよく見えただろう・・・(涙)

                      後半の演目 Sacre : The Rite Thing という題名から
                      ストラヴィンスキーの「春の祭典」かと思っていたら

                      あら、全然違う (爆)

                      男性ダンサー4人と女性ダンサー3人。
                      英語やフランス語で喋りながら
                      不思議なカタチを見せる。

                      これは、クラシック・モダンではなくて

                      動く現代彫刻!!!

                      カラダの色々な部分の動きのフラグメントが
                      不思議なカタチに組み合わされていく。

                      ちょっとだけ、春の祭典のリズムも使ってはいるけれど
                      「犠牲」をテーマにした、とはいえ
                      かなり抽象的な動きの集大成。

                      この作品は60分。
                      けっこう、長いし
                      会場のオデオンは冷房もなくて、途中からメチャクチャ暑くて
                      あまりの暑さに耐えきれず出ていった人もかなりいたけれど
                      次から次へと、徹底的に鍛えられたカラダの筋肉が作る「カタチ」に魅せられて
                      最後まで(床の上のカタチが視界が遮られていて見られなかったのが残念だが)
                      じっくりと楽しませてもらった。

                      開始時間21時・・・とは言え、15分遅れで始まって
                      終わったのが、23時30分。

                      大散財だったけれど
                      正統的なクラシック・モダンと
                      不思議な「動く彫刻」を堪能させてもらったから
                      まぁ、良しとしよう(強制的に納得)


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