クリーブランド管弦楽団 + フランツ・ヴェルザー・メスト

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    The Cleveland Orchestra
    指揮 Franz Welser-Möst
    ピアノ 内田光子

    Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                Konzert für Klavier und Orchester Nr.4 G-Dur, op.58
    Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
                Symphonie Nr.5 d-Moll, op.47

    ヴェルザー・メストが率いるクリーブランド管弦楽団のゲスト公演は
    10月29日・31日と11月1日・2日の4日間。
    11月1日・2日のブラームスは両方とも買ったのに
    2日は仕事で行けなくなった(涙) 
    ちなみに、本日も11月1日・2日も売り切れである。

    さて・・・

    アメリカのオーケストラが
    スターリン万歳のショスタコーヴィッチの交響曲5番を
    オーストリアの指揮者と演奏する・・・・

       時代が変わったというか、いやはや f(^^;)

    ベートーベンのピアノ協奏曲4番は、内田光子氏のピアノ。
    すごく繊細で、ペダルを多用しているのに
    スケールの音一つ一つが際立って、均等に光って美しい。

    オーケストラも、一緒に、とても繊細な音を出す。

        ・・・ ベートーベンじゃないみたい(爆)

    ヴェルザー・メストは、以前には
    「正確だけど、冷たい感じの野心ミエミエ」という印象だったが
    最近、かなり変わってきた。

    ショスタコーヴィッチの スターリン万歳 交響曲5番も
    テンポを抑えて、感傷に流れる一歩手前で留まって
    ものすごい「やりきれなさ」をオーケストラを使って「泣かせた」

    その分、中間部は、おおおおっ、良いんですか、そんな速いテンポで・・・
    という位、強弱とテンポの差を出して緊張感を煽る。

    第2楽章は、早めのテンポで、コブシなしにあっさり流して
    第3楽章で、またもや、弦の良さを生かして、オーケストラを「泣かす」

    元気な?第4楽章も、緩急と強弱の対比がものすごい。

    スターリン賛歌ではなく
    ショスタコーヴィッチの持っている、陰鬱な遣り切れなさを
    主観と客観の、ちょうど良いバランスで表現してくれた。

    音のバランスが、とても上手。
    弦と管、打楽器が、それぞれに浮き上がる事なく
    ピアニッシモからフォルティッシモまで、キレイに鳴り響いた。

    まぁ、完全に誤謬なし・・・というワケではなかったけど (^.^)
       それ言ったら、内田さんのピアノでも、ミスタッチはあった
     ・・・おっとっと、それを言ったら、内田光子ファンに殺される 。。。サササ|((( ・・)|

    ただ、このオーケストラ
    始まる前に全員が舞台で、ずーっと練習しているし(音だしとも言うか)
    幕間でも、ずーっと全員が舞台で音出ししていて
    開演のベルも聞えない程、会場がうるさかった。

    まぁ、それも現代音楽と思って聴けば良いのだろうが
    あれこそ、「音のゴミ」である。
    ゴミの中に、時々、形で判断がつく魚の頭とか、ニンジンのカケラとか
    入っているけれど、あのゴミを、食事の前に
    観客の前で堂々と(しかも音合わせまで、ず〜っと!!! である)
    出来る神経が、ちょっと信じられないわ (怒)


    ジョン・ケージ

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      Musik im technischen Zeitalter Folge 7 : John Cage (1963)
      John Cage NDR (1966)

      現代音楽のカリスマと言えば、ジョン・ケージ。

      ほとんどの人は、作品は聴いた事がないだろうが(笑)
      名前だけは知っていると思う。

      ウィーン・モデルン・テレビジョン・ラウンジで
      1960年代のテレビ作品を観賞。両方とも、ご本人が出演。

      最初の作品は、ベルリンのホールで収録された現代音楽シリーズで
      ピアニストの David Tudor が
      ケージや通訳や司会の教授が話していても完全に無視して
      電気ケーブルに繋いだピアノ線をガンガン擦って
      大音響を出したりする、という、自分の世界に超閉じ籠もりが、なかなかステキ(笑)

      ケージ自身も
      音楽は生活や他の芸術と一緒のレベルのものである、とか
      京都の禅寺に行ってコンサートをしたが、誰もわかってくれなかった、とか
      司会の教授が、けっこう、鋭い質問をしたのだが
      それも、完全にケムに巻いてしまう。

      で、時々、ピアニストの奏でる?雑音が、すごい音で鳴り響くという
      ワケのわからん事になっている。

      シェーンベルクが言った通り
      確かに、ジョン・ケージは、通常の意味での作曲家である事を
      自ら否定して
      ひたすら、極端に「認識」の革新に走った。

      数年前、ウィーン・モデルンで、ジョン・ケージ特集をやった。
      さすがに、全作品は観賞できなかったけれど
      いくつかの作品は鮮烈な印象を残している。

      プレペアド・ピアノで演奏される曲で
      え? これ、本当にキレイ (*^^*) という曲があるのだ(ホントです)
      だから、「作曲できなかった」のではないだろう、という確信はある。

          「しなかった」だけだ、きっと。

      教授の質問 
      「偶然性の音楽、というのであれば
       市場に行って、騒音を録音して、それが音楽だ、とも言えるのですか?」に対し
      「現代では、写真だって芸術作品だろう」と言ったのには
      ちょっと、あ、そうかも d(-_☆) グッ!!
      (写真家の方々からは、違う!と反論を喰らいそうだが・・・)

      「作曲家」として何を残したか、と言われれば
      は? という感じではあるのだが
      改革の時代に、今までのアンチ・テーゼで極端な物が出てくるのは当然。

      音楽を否定した事によって名を残したカリスマ作曲家
        と言っても良いのかなぁ。まぁ、面白い人物ではある。


      シャリーノとフーラー

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        Iannis Xenakis (1922-2001)
                    Waarg (1988) für 13 Musiker
                    Phlegra (1975) für 11 Musiker
                    Jalons (1985) für 15 Musiker
        Salvatore Sciarrino (*1947)
                    Libro notturno delle voci (2009) für Flöte und Orchester
        Beat Furrer
                    Apon (2009) für Orchester und Sprecher

        Kammerensemble Neue Musik Berlin
        SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg
        指揮 Beat Furrer

        Iannis Xenakis
                    Persepolis (1971) für 8-Kanal-Tonband
                        Klangregie Daniel Teige

        De Bouw van het Philips Pavillon (1958)
        Musik im technischen Zeitalter Folge 11 : Iannis Xenakis (1963)

        長くなるので2回に分ける。
        まずは19時30分にコンツェルトハウスでコンサート。
        22時から、同じホールで、8チャンネルの電子音楽(約50分)

        その後、ガレージから車を出して(でないと駐車料金が・・・)
        路上駐車してから (22時以降はチケット不要 (^^)v)
        23時45分から10分の映画。
        23時55分から76分のテレビ番組。
                終わったのが真夜中過ぎの1時15分。

        実はこの後、1時20分からアペルギスの音楽映画(60分)の上演があったのだが
        それに行ったら、帰宅が3時近くになってしまうので止めた (^^;

              現代音楽ファンって、夜に強い人が多いんだろうか???

        さて、クセナキスは次のエントリーで取り上げるとして
        コンサートの後半、シャリーノとフーラーの作品は
        両方とも、オーストリア初演である。

        初演が最後かもしれないので、集中し、心して聴く (^^)v

        う〜ん。シャリーノ、やっぱり、すごく好き (。-_-。)ポッ

        現代音楽の作品って
        どれが誰の曲だか、さっぱり区別がつかないのだが
        (クセナキスとシュトックハウゼンの曲の区別なんか、とても無理 f(^^;))
        シャリーノだけは、すぐにわかる。
           それだけ、作曲技法が固定している、とも言えるけれど
           はっきりした音楽言語と個性を持っているのだ(きっぱり)

        どういうモノだか聴いてみたい、という方のために
        下に Youtube から埋め込みしました ρ(・・。) コレ




        純粋に好みの問題なのだが
        何故か、ワタシの感性に、かなりしっくり来るのである。

        今回の初演作品はフルート独奏とオーケストラで
        各章に、似たようなモティーフが繰り返し使われている。
        作曲家の言では、悪魔のような、中世のインフェルノのようなイメージだそうだが
        私は、どういうわけか、神社やら、日本庭園の夜にイメージが直結する。

        シャリーノの発見は
        オペラ Luci mie traditrici に端を発し
        実際に作品を聴く機会もあったし、他の曲もあちこちで聴けた(ラッキー (^.^))

        現代音楽は CD で聴くな、と書いた先から反対の事を言うが
        シャリーノだけは、CD で聴いた方が良いような気がする。

        何せ、ピアノとピアニッシモの繊細な?音が続くので
        コンサート・ホールで、後ろの人がプログラムを捲っても
        音のバランスが崩れるのである(今日も後ろの老夫婦が・・・(怒))

        シャリーノの後のフーラーは・・・

          フーラーとシャリーノの区別、ワタシ、つかないかも (;^_^A アセアセ

        フーラーの曲も、弱音続きだからなぁ。
        でも、シロウトとしては、どこがどう、とは言えないのだが
        リズムの扱い方に根本的な違いがある(ような気がする・・・シロウト意見)

        でも、今回のフーラーの曲は楽しめた。
        ファーマとか、色々と聴いて来たから、少し耳慣れしたかもしれない。

        次のエントリーはクセナキスについて書く。


        ヤニス・クセナキス

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          ヤニス・クセナキスと言えば・・・

          第二次世界大戦中に反ナチスのレジスタンス運動で銃弾を受け
          左目を失い、死刑を宣告されてフランスに逃げ
          ル・コルビジェの右腕になって、建築史に大きな名を残し
          その一方、パリ音楽院でメシアンに師事して
          ドナウエッシンゲン音楽祭で鮮烈なデビューを飾る、という

          一時期、若い人たちのカリスマ的存在だったが
          そりゃ、それだけの背景があれば、当たり前 (⌒^⌒)b うん

          アルディッティ弦楽四重奏団でクセナキスを聴いて
          きゃ〜っ、すてき ♪ d(⌒o⌒)b♪ と室内楽の CD を買って
          自宅で聴いたら、ただの「雑音」・・・という経験がある(自爆)

          ドイツのテレビ番組 (1963年制作)を見て、納得。
          クセナキスがフランス語で、自作について語った(通訳付き)のだが

          言ってるコトが全然わからん!!! |||(-_-;)||||||どよ〜ん

          音楽に於ける定理が云々、ガウス理論がど〜のこ〜の
          細胞の動く理論が何とか エトセトラ

          ああああ、そうだった
          クセナキスは数学や物理を音楽に適用した人だったのだ。

          伝統的な意味での作曲家というよりは、この人こそ

               音響設計技術者

          なのである。それも「技術」の方に重点がある。

          グリサンドを数学的に扱って
          音の高さと長さと強弱を理論的に分析して
          そういう理論を多用して、設計された「音響」は
          当然ながら、伝統的な「音楽」から、かなり遠いところに位置する。

          で・・・

          すごいなぁ、頭の良い人なんだなぁ
          きっと、難しい理論が、作品構成にたくさん使われているんだろうなぁ

             とは思うけれど
             では、それが感情的な部分に触れるかと言うと・・・(以下省略)

          室内楽アンサンブル・ノイエ・ムジーク・ベルリンによって演奏された3曲も
          言ってみるなら、正に「数学的」

          22時から、8チャンネル使った音のコンストラクション Persepolis は
          イラン(ペルシア)の建国記念祭に作曲されたもの。

          プログラムには「93デシベル前後の大音響である」旨の注意書き。
          はいはい (。--)ノ  その程度なら全く問題ない。

          で、93デシベルを50分聴いたら
               その後5分ほど、鼓膜がおかしくなった(自爆)

          右側から高い音が聴こえてくるような感じがして(高い音=苦手で耳が痛くなる)
          あれぇ・・・ オカシイなぁ・・・
          日常的に電話を右耳で受けているので(会社ではヘッドフォン)
          右耳と左耳の感度が変わってしまったのか、とドキッとしたのだが

          前に座っている人も、隣の人も、右耳を押さえているので(笑)
          やっぱり、右から高音、というのは間違いなかったようだ。

          目を閉じて、音に集中していれば (←半分寝てる(爆))

          それなりに変化していく音の推移もわかるけれど
          でも、これ、絶対に「音楽」ではない(断定)

          両隣に人が座っていたから出来なかったけれど
          これ、音楽を聴きながら、ホールをあっちこっちに移動すると
          音響の変化がたくさんあって、すごく面白かったかもしれない(後悔)
          (終わって目を開けてみたら、真ん中の通路に何人か立っている人がいたので
           同じような事を考えて、実行に移した人がいた、と思うと、ちょっと悔しい)

          音楽を心情的なものとして取り扱わず
          あくまでも、数学や物理や生物学や建築などの
          様々な自然科学の中で、有機的に取り扱う、という新しい局面を開いたという意味では
          歴史的に、一つのマイルストーンだったのだろう。

          だからどうした?! ・・・ はい、ごもっとも m(__)m


          グリゼー「音響空間」 ウィーン・モデルン・オープニング

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            Gérald Grisey (1946-1998)

            Les Espaces Acoustiques (1974-85)
                Prologue für Viola solo (1976)
                Périodes für Sieben Musiker (1974)
                Partiels für 16 oder 18 Musiker (1975)
                Modulations für 33 Musiker (1976/77)
                Transtoires für großes Orchester (1980/81)
                Epilogue für vier Solo-Hörner und großes Orchester (1985)

            Dimitrios Polisoidis (Viola)
            Klangforum Wien
            SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg
            指揮 Sylvain Campreling

            現代音楽愛好家増進運動協会のはっぱです (^^)v

            ・・・って、そんな運動、もう必要ないじゃん!!!
               今年は出遅れて、ゲネラル・パスを買った時に
               必要だった追加チケット依頼をしたら
               3つも「売り切れ」公演があって、クサっているのである (-"-;)

            何で現代音楽のコンサートが「売り切れ」になるんですかっ!!!
            買った人の何人かは、絶対に現代音楽と知らずに買ってるぞ(断定)

            それはともかく f(^^;)

            ウィーン・モデルン現代音楽祭のオープニング・コンサートは
            ジェラール・グリゼーの代表作「音響空間」

                ・・・ すごい (+_+)

            最初のヴィオラのソロには、ちゃんとリズムもメロディもある。
            その後に、編成がどんどん変わって行くのだが
            音楽が、ブロックごとに編集されていて
            しかも、モティーフは繋がっている。

            世界の音をすべて一つの作品の中に取り入れようとするような野心が見える。

            それに ・・・ イメージの喚起力がすさまじい

            ネコは鳴くし、恐竜が出てくるし、都会で車が走ったり
            カモメが囀ったり、火山が爆発したり、雪が降ったり、宇宙に飛び出したりする。

               すべてワタクシの妄想ですが ( ;^^)ヘ..

            聴きながら次から次に現れる「動く抽象画」とでも言おうか
            聴覚で捉えられるモノから導かれて
            全身に鳥肌が立つような
            泡っぽいモノに身体中を包まれて、くすぐられているような感覚から
            それが、身体の中まで入ってきて
            臓器に直接、触られているような、摩訶不思議さ。

            ああ・・・快感だわ。
                  って、やっぱりヘン○イかもしれない。

            シュトックハウゼン以降の現代音楽は
            ワタクシ的には、作曲、とは言わず、音響設計 と言いたい。

            その音響設計は、当然、それを受け入れるナマの演奏と
            それに見合うホールがあって、やっと設計が生きてくる。

            ホールとナマの演奏のために設計されたこういう曲は
            絶対にナマで聴かないと良さはわからない。
            CD なんかで聴こうというのは
            アルプスの3000メートル級の山々の凄さを、ミニチュア・テレビで観るようなものだ(きっぱり)

            現代音楽苦手、という方。CD で聴いちゃダメですっ!!!

            2010年から読売日本交響楽団の常任指揮者に就任予定の
            シルヴァン・カンブルランは、もともとクラング・フォールムでもよく指揮を取るし
            現代音楽を得意とする指揮者でもある。
            今回は、これ以外にもクセナキスなどのコンサートに出演予定。

                で、そのコンサートが売り切れなのだ・・・ ううう(涙)

            オープニングから、音響オタクの作曲家の、滅多に聴けない曲に
            身体中を鷲掴みにされて、すごく幸せ (*^^*)

            ところで

            「現代音楽って、何が面白いの?!」という読者の方は
            以前のエントリーで、その面白さをチラッと書いたので
            ぜひ、ご再読下さいませ。 ここ です。


            ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団 + シャルル・デュトワ

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              Royal Philharmonic Orchestra
              指揮 Charles Dutoit
              バイオリン Joshua Bell

              Peter Iljitsch Tschaikowsky (1840-1893)
                          "Romeo und Julia"  
                              Fantasie-Ouverture nach Shakespeare (1869/70, 1880)
              Edouard Lalo (1823-1892)
                          Symphonie espagnole d-moll, op.21 (1874)
              Sergej Prokofjew (1891-1953)
                          Auszüge aus den Suiten Nr.1 op.64a und Nr.2 op.64b
                              nach dem Ballet "Romeo und Julia" op. 64 (1935/36)
                              Zusammenstellung von Charles Dutoit

              明日からのウィーン・モデルン現代音楽祭の前に
              ロメオとジュリエット特集(笑)
              ロンドンのロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団が首席指揮者の
              シャルル・デュトワとゲスト公演。

              本当はマルタ・アルゲリッチと共演の予定だったのだが
              「私的な理由によりキャンセル」 (・_・")?
              やっぱり、以前の妻とは共演できないって?? という事はないのだろうが
              その代わりに、今や人気第一のジョシュア・ベルを引っ張ってきた。

              さて、耳もなく、感受性もゼロに限りなく近いシロウトのワタシ的には

              最初のチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」
              何か、気に入らない _・)

              思い入れが少なくて、アッサリしている感じは悪くはないのだが
              弦と管のバランスが悪い(ように聴こえる)し
              途中、指揮者のアゴーギクに対して、弦と管のズレが聴こえた(ような気がする)し
              全体が、霞かかったような感じで、どうも、キレが悪い。

              ラロのあの有名な「スペイン交響曲」での
              ベルの超絶技巧は、確かにスゴイけれど、ちょっと自己陶酔気味?かも。
              確かに、目まぐるしいパッセージを軽々とこなすのはスゴイけれど
              第一楽章では、超絶技巧が先走りした(ように聴こえた)部分が多少あり。

              でも、ワタシ、バイオリン苦手ですから f(^^;)
                 (で、何が得意?って聞かないでください \(__ ))

              だが、後半のプロコフィエフに入って、目が点 (・o・)

              ありゃりゃ。チャイコフスキーの印象とえらく違う。

              音が立って、細かい部分のアンサンブルが、ぴったりハマって
              強弱のバランスも、弦と管のバランスもちょうど良くて
              あれ?これ、フランスの印象派の作品だった? という位、繊細な表現もあれば
              思い切りオーケストラを鳴らして、ど迫力の部分もある。

              それに、プロコフィエフの音に色がある。
              時々、ストラヴィンスキーやラヴェルに色を感じる演奏があるが
              今日のプロコフィエフのロメオとジュリエットにも、間違いなく色が飛んでいた。

              プログラム冊子には
              ストラヴィンスキーとプロコフィエフの違いについて面白い言及があった。
              ストラヴィンスキーは時々「音楽」を忘れてしまうが
              プロコフィエフは先鋭的でありながら、どの部分を取っても「音楽」を重視した、という。

              先鋭的とは言っても、確かにプロコフィエフはトナールの世界からは出ていない。
              それに、違う調を重ねる事はしていても
              基本的に、やっぱり、伝統的な「音楽」が聴こえてくる。

              プロコフィエフのロメオとジュリエットは
              国立オペラ座のバレエのレパートリーにもあって(これがカッコイイの (*^^*))
              もちろん、音楽は有名だし
              どんなに「前衛的じゃない」とか言われても
              あれだけ、色彩キラキラの演奏を聴かされたら
              やっぱり、ウキウキする。
              トランペットのソロが、実に素晴らしかった (☆o☆)

              名曲アワーも悪くないわ うふふ。

              名曲アワーを振りきって
              ワタクシは明日から、現代音楽にどっぷり浸かる予定 (^^)v
              (途中で、何回かウワキもします m(__)m)


              酋長アーベントヴィント プレミエ鑑賞記

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                Häuptling Abendwind
                Oder Das gräuliche Festmahl
                「酋長アーベントヴィント あるいは 残酷なご馳走」 プレミエ(初演)

                Operette in einem Akt
                Text von Johann Nestroy
                Musik von Jaques Offenbach

                指揮とキーボード Béla Fischer
                演出 Robert Meyer
                舞台装置 Peter Notz
                衣装 Doris Engl

                大ルル族の酋長 アーベントヴィントCarlo Hartmann
                その娘 アタラ Elisabeth Schwarz
                パパトゥトゥ族の酋長 ビーバーハーンRobert Meyer
                アルトゥール Christian Drescher
                アーベントヴィントの料理長 ホーグー Heinz Zuber
                大ルルの住人たち Manuela Culka, Klaudia Nagy, Hermann Lehr
                                         Michael Weber, Dodo Sarvici
                熊 André Gröbchen
                熊使い Gerhard Hradil, Anasiadu Kenechukwu
                パパトゥトゥ族の使い Slobodan Bilak, Mihàly Vertes

                バイオリン Bettina Gradinger, Ursula Greif
                チェロ Ricardo Bru
                コントラバス Gerhard Muthspiel
                フルート Birgit Ramsl
                クラリネット Helmut Hödl
                トランペット Lorenz Raab
                パーカッション Peter Dullnig, Peter Vasicek

                フォルクス・オパーの新作品 酋長アーベントヴィント
                そのまま訳せば、「夕暮れの風」酋長? 酋長「夕凪」? (笑)
                休憩なしの1時間30分。オーケストラではなく、アンサンブル。

                *** あらすじ ***

                アーベントヴィント酋長は、ビーバーハン酋長の訪問を待っているのだが
                厨房には、食べるものがない。
                魚もないし、罪人もいない。こんな時に限って政治犯もいない。
                (もちろん、「人間」が一番のご馳走である(笑))

                難破船から逃れてきたヨーロッパ人アルトゥールは
                2歳の頃、父親から贈られた懐中時計だけ持って、ヨーロッパに行かされ
                現在はカリスマ美容師で、自分の素姓を探る旅に出ていた。
                海辺で、酋長の娘アタラとアルトゥールは出会い
                アタラはアルトゥールが持っていた、音楽の流れる懐中時計に魅せられ
                若い2人は恋に落ちる。

                そこにやってきたアーベントヴィント酋長。
                こりゃ、美味しそうなご馳走が来た、と、料理長に引き渡す。

                ビーバーハーンが到着。
                建前上はニコヤカに振るまっている2人だが
                お互いに、相手が自分の妻を食べてしまったのではないかと疑っている。

                宴の用意が出来て、供された食事に、櫛が入っているのが見つかり
                更に、ビーバーハーンは、何か大きなモノを喉につっかえさせ
                苦しみながらも、飲み込む事に成功する。
                が、歯の間に挟まったモノを引き出してみれば、時計の鎖。

                それはともかく、今回の訪問の目的は
                ヨーロッパで育った息子と、アーベントヴィントの娘アタラとの縁談。

                話を聞いてみると、当の息子を料理してしまったらしい。
                おお、我が息子を食べてしまったか、と悲嘆の涙にくれるビーバーハーン酋長。

                アーベントヴィントは、事態収拾のために
                島で神と崇められている神聖な白クマを登場させる。

                と、熊の中から出てきたのはアルトゥール。
                カリスマ美容師は、料理長のヘア・スタイルをバロック調に結いあげる代わりに
                自分ではなく、熊を殺して料理するようにさせたのである。

                2人の酋長は和解し、アタラとアルトゥールも結ばれて、めでたし、めでたし。

                *** あらすじ終わり ***

                オペレッタというより、ネストロイの演劇に、ちょっと歌が入ったもの。
                (ネストロイの演劇と同じじゃないか、と言われれば、そうなんですけどね)

                舞台は簡素ながら、背景にビデオで雷から花火まで、なかなか凝っている。

                アンサンブルは舞台の左手にいるが
                全員、カツラに衣装をつけて、大ルル族の格好をしているし
                右手脇のプロンプターまで、カツラ+衣装で徹底している。

                アーベントヴィント酋長が「誰を食べようか」と迫るところでは
                音楽家も住民だから、ひぇ〜〜〜っ と怖がっている。

                でも、何が面白いって、ビーバーハーン酋長の登場からが白眉である。
                お互いが、自分の妻を相手が食べたのだろう、と疑心暗鬼になる掛け合いの妙と
                思いがけなく真実がバレる場面の面白さは見もの。

                喉に詰まらせながら飲み込んでしまったのは
                息子に与えた時計だったのだが
                その時計が腹の中で鳴り出す場面の迫力は、俳優ローベルト・マイヤーの面目躍如。

                自分が食べたのが息子だとわかって嘆くところで
                アーベントヴィント酋長が言うセリフが

                   「子供が育ってどうなるか、親にはわからんもんですなぁ」(意訳)

                息子のアルトゥールが
                自分の時計がビーバーハーン酋長の腹の中で鳴るのを聞いて
                あ、僕の時計だ! と叫んだ時に
                一瞬の間を空けて、ビーバーハーンが Geduld と言うのには爆笑する。
                訳し難いが、敢えて日本語にするなら

                  「ともかく待て(そのうち、出てくる)」

                酋長の娘アタラは可愛くてチャーミングで
                子供と大人の間に立った感じをよく表わしていて、すごく魅力的。
                アルトゥールのトランクにある鏡を初めて見て
                その前でおどけてみせるところなんか、まぁ、カワイイ (*^^*)

                登場人物全員、アンサンブルや、住人、使いの者などの俳優さんたち
                プロンプターに、白クマ使いの筋肉隆々のマッチョ男2名も含めて
                みんな、とってもかわいらしい「おとぎの国」の住人である。

                前半はギャグも少なく、多少、冗長な感じが否めないが
                後半のビーバーハーン登場から、俄然、舞台の緊迫感が増して面白くなる。

                アルトゥールが舞台から去る時も
                プロンプターが立っているところに入りそうになると
                プロンプターが「入ってます」(トイレをノックされた時に返す "Besetzt !") とか
                大筋だけではなく、細かい部分の念が入っている。

                音楽や歌を楽しむのであれば退屈するだろうが
                お芝居、という意味では、よく出来た作品で楽しめる。


                ホーフムジーク・カペレ + ネヴィル・マリナー

                0

                  Wiener Hofmusikkapelle
                  指揮 Sir Neville Marriner
                  ソプラノ Carolyn Sampson
                  アルト Roxana Constantinescu
                  テノール Daniel Johannsen
                  バス Florian Boesch
                  トロンボーン Ian Bousfield

                  Giovanni Battista Pergolesi (1710-1736)
                              Magnificat B-Dur für Soli, Chor, Streichorchester und Orgel
                  Johann Georg Albrechtsberger (1736-1809)
                              Konzert für Altposaune und Orchester B-Dur
                  Joseph Haydn (1732-1809)
                              Missa in angustiis d-Moll, Hob.XXII:11 "Nelsonmesse"

                  以前に書いた通り
                  キリスト教の宗教曲は苦手なのだが、それは文化背景が違うから仕方がない(開き直り)
                  ヨーロッパ人が、日本の演歌に別に感激しない(と思う)のと同じである(断言)

                  チクルスでコンサートを1シーズンまとめて買ってしまうと
                  時々、そういう「苦手」なモノも入ってくる。

                  でもね・・・
                      意外にこれ、良くて・・・  ちょっと感激した・・・ (*^.^*)

                  バロック時代の音楽を聴く時は、まず、時代背景に思いを馳せる。
                  カールス教会 (1716-1739) は、その圧倒的なバロックの美を誇っていたとしても
                  ウィーン市そのものは、現在の第1区で
                  リング通りは、まだ堀で(トルコ戦争の後だ)街の中はドロドロ(排泄物垂れ流し!)

                  カール6世から、マリア・テレジアの治世で
                  ハイドンは長生きしたから、その後、ナポレオン占領下のウィーンまで体験した。

                  いくらウィーンからオスマン・トルコの脅威が消えたとしても
                  まだまだ、オイゲン公がヨーロッパ各地で戦争を繰り広げていた頃だし
                  アルブレヒツベルガーやハイドンの時代には、フランス革命というモノもあった。

                  まぁ、そんな面倒な時代背景はさて置いて
                  その時代の「芸術」というのは、もっぱら貴族の所有物だった。
                  庶民が「音楽」を聴けるのは、日曜日のカトリックのミサだけ
                     (まぁ、街や村のお祭り、というものもあったが・・・それは「音楽」がちと違う)

                  今みたいにレコードや CD や MP3 やラジオがあるワケではなく
                  週に1回のカトリックのミサで法悦状態になった当時の人たちの感激が
                  何となくわかる(ような気がする)

                  楽友協会が、正に楽友「教会」に化けた。
                  本当の教会の響きとは、もちろん違うが、あの残響は限りなく教会に近い。

                  そんな中に鳴り響くコーラスとオーケストラ・・・
                     やっぱり、どんなに文化背景が違ったって
                        これは、天上から贈られた、一瞬の法悦以外の何ものでもない。

                  学生時代、独りでリュックサックを担いで
                  夏休み2ヶ月ほど、ヨーロッパを放浪(?)した時に
                  とあるカトリック教会の中で、突然、オルガンが鳴って
                  (オルガニストが練習していたのであろう)
                  何故か、そこで涙が止まらなくなって(思春期の感傷だ)
                  あぁ、こんな音楽を聴けるなら、カトリック教徒になっても良い・・・
                     と一瞬 クラクラした事がある。

                  それと同じような感激を久し振りに味わってしまった f(^^;)

                  ただ、やっぱりバロックの音楽を2時間・・・というのは
                  雑食性のワタシには、ちょっとツライ(現代音楽2時間の方が耐えられるかも)

                  とても素晴らしい音楽なのだが、色が同じなんだもん、バロックって
                  (すみません、謎発言で)

                  *** 明日の午前3時が、午前2時になって
                     10月25日から、冬時間です。日本との時差は明日から8時間 ***


                  ロッシーニ オペラ 「タンクレディ」

                  0

                    Tancredi タンクレディ
                    Melodramma eroico in zwei Akten (1813)

                    音楽 Giachino Rossini
                    台本 Gaetano Rossi
                    指揮 Réne Jacobs
                    演出 Stephen Lawless
                    舞台 Gideon Davey
                    振付 Lynne Hockney
                    照明 Patricia Collins

                    アルジーリオ Colin Lee
                    アメナイーデ Aleksandra Kurzak
                    タンクレディ Vivica Genaux
                    オルバッツァーノ Konstantin Wolff
                    イザウラ Liora Grodnikaite
                    ロッジェーロ Ruby Hughes

                    オーケストラ Orchestre des Champs-Élysées
                    合唱団 Arnold Schoenberg Chor

                    ウィーン劇場でのロッシーニのオペラ「タンクレディ」の千秋楽へ。

                    いや〜 f(^^;)
                    いつもの事で申し訳ないが

                       粒揃いの歌手!!!!

                    アルジーリオ役の Colin Lee のテノール、すごい。
                    お父さん役だから、本来テノールはオカシイはずなのだが
                    いやいや、もう、ハマりにハマって、最高 ♪ d(⌒o⌒)b♪

                    ロッシーニのオペラは、ワタクシ的にはバロック・オペラであって
                    あのアリアのコロコロコロだけで、天国に昇ってしまう。

                    まぁ、ロッシーニ、いわゆる当時の売れっ子ポピュラー作曲家だから
                    (このタンクレディも21歳の時の作品である)
                    音楽は巧い。ドラマティックな要素に美しいメロディもあって楽しい。

                    テノールのアリアも、(‥)(: )(¨)( :)(‥)))))コロコロ技巧が惜しみなく出てくる上
                    高音が、さりげなくコロコロの中にチラッと挟まっていたりするのだ。
                    ロッシーニ、根性悪い?!(笑)

                    反ってヴェルディやワーグナーのように高音を力一杯張り上げる方が
                    ピアノやピアニッシモで、コロコロの途中でチラッと高音を混ぜるより楽だと思う。

                    このお父さんテノールが
                    娘を処刑しなければならなくて、親子の情と国王としての立場に引き裂かれるアリア。
                    音楽もスゴイが、歌手の表現力が抜群。

                    よくオペラではあるシチュエーションで
                    各作曲家も、こういう「感情と理性の対立」には技巧を凝らすから
                    音楽的に面白いのだが、それを表現する歌手は、ヘタクソだったら話にならん。

                    前のモーツァルトのミトリダーテでは脇役だったが
                    このテノール、感情表現がイヤミにならず、しかも劇的で(声色まで変わる)抜群だ。

                    アメナイーデ役の Aleksandra Kurzak は顔を見てすぐわかった。
                    ココココに出演している(同じ演目です)

                    ドンナ・アンナの時もピカピカ光っていたが
                    今回も、ピッカピカ。
                    私好みの丸顔で美人だし、太ってないし
                    声は出るし、技術抜群で演技も巧いし
                    コロコロ飛ぶ声の正確な音程と、豊かな声の表情に圧倒されっぱなし。

                    タイトル・ロールの Vivica Genaux は、かなり特殊な声の持ち主。
                    メゾなのだが、カウンター・テノールのような音色を持つ。
                    他の歌手の光る声と比べると、開いていないような渋い響きだが
                    また、これがズボン役として、ピッタリ合う (*^^*)

                    ロッジェーロは可愛かったし
                    イザウラの落ち着いたアルトの声や
                    陰謀に満ちた陰湿なオルバッツァーノの冷たい声など
                    脇役まで完璧。

                    それに、コーラスが、素晴らしい。
                    男声コーラスだが、表情豊かで迫力あり、もちろん演技もする。

                    演出も、悪くなかったとは思う。
                    いつもの事ながら、現代的な舞台装置で
                    何故か舞台に裂け目が出来ていて、第一幕では、そこから火が出たりする。
                    (あの裂け目は、かなりコワイ。かなりの間隔で、落っこちたら大変)

                    第二幕で、男性の体操(ダンスやバレエではない!)が見られたのは
                    なかなか、オトクな感じ (^^)v

                    本当の筋かどうかは不明だが(たぶん違うと思う)
                    今回の演出では、オルバッツァーとイザウラが「デキ」ている関係になっていて
                    ちゃんと濡れ場らしき暗示も・・・ うっふっふ。確かに筋には合う。

                    ただ、最後が、ハッピー・エンドなのか
                    それとも、結局、タンクレディとアメナイーデの誤解は解けなかったのか
                    よく、わからんまま、幕になってしまう (・_・")?

                    もともと、ハッピー・エンド版と
                    タンクレディがアメナイーデの腕の中で息絶える版があるが
                    両方とも、一応、誤解は解けている筈。

                    でも、今回の演出では、フェリーチェ、フェリーチェと歌いながらも
                    不穏な雰囲気を残して終わっているのである。よくわからん。

                    まぁ、話の筋から言って
                    あそこまで、曲解してひねくれて、ぐれたタンクレディが
                    はい、誤解でした、ごめんね・・・ で済むワケがないか(笑)


                    ORF ラジオ・シンフォニー・オーケストラ + パスカル・ロフェ

                    0

                      ORF Radio-Symphonieorchester Wien
                      指揮 Pascal Rophé
                      ピアノ Klavierduo Gröbner-Trisko
                       (Johanna Gröbner / Veronika Trisko)
                      パーカッション Josef Gumpinger
                      パーカッション Gerhard Windbacher

                      Clemens Gadenstätter (*1966)
                                  Fluchten/Agorasonie I für Solisten und Orchester
                                  ORF RSO 委嘱作品、初演
                      Béla Bartók (1881-1945)
                                  Konzert Sz 115 für zwei Klavier, Schlagzeug und Orchester
                      Igor Strawinsky (1882-1971)
                                  Greeting Prelude
                      George Gershwin (1898-1937)
                                  Ein Amerikaner in Paris. Symphonische Fantasie
                      Jacques Ibert (1890-1962)
                                  Louisville-Konzert
                      Leonard Bernstein (1918-1990)
                                  Ouvertüre zu <<Candide>>

                      コンサートに出かける直前にオフィスでバタバタがあり
                      うわ〜、間に合わない、とマイカーに飛び乗ったものの
                      そんな日に限って、楽友協会の前の道路が混んでいて進まず
                      ガレージからコートも着ずに階段を駆け上がって
                      何とか、滑り込みセーフ (^。^;)ホッ
                         私より遅れて来た人もかなり居た。いやはや、地元の人の多いコンサートで良かった。

                      いつもの薄っぺらな楽友協会のプログラムではなく
                      大きくて立派。コンツェルトハウスのシーズン・プログラムの大きさと厚さがある。
                      表紙には大きく 60 Jahre Jeunesse の文字が躍る。

                      あは、ジュネス創立60周年記念コンサートのプログラムだ。
                      よって、10月21日〜24日まで、オーストリア各地で行われるコンサートが
                      すべて記載されている。講演会あり、子供用催物あり、ジャズありの盛り沢山。

                      ジュネス創立60周年と共に、今日は
                      ラジオ・シンフォニー・オーケストラ創立40周年記念コンサートでもある。

                      古い話題ではあるが
                      40歳にして、存続の危機に瀕しているラジオ・シンフォニー・オーケストラを
                      救え運動の署名は ここ

                      署名まだの方は、ぜひお願いします。ご署名いただいた方、ありがとう!!!
                      名前と住所(都市名だけで可)とメイル・アドレスだけです。
                      (ステートメントは大歓迎。ただし半角の英語かドイツ語で)

                      作曲家ガーデンシュテッターの作品は
                      今までも何回か聴いたが・・・・ どうも、あんまり、あの、その(以下省略)
                      今回の作品は「様々な空間の音」という事らしい。

                      確かに都市空間の音は聴こえる(が、それってヴァレーズですか?(爆))
                      おおお、フーラーの真似かな、という部分とか
                      その音響、リゲティが使ってますよね、という部分も。

                         無調の現代音楽って、どうしても作曲家の特徴がなくなって
                         似てきちゃう、というのもあるし、第一、「音楽」じゃなくて
                         どこにでもありそうな「雑音」の集大成・・・と言ったら、すごく失礼だわね、きっと (^^;

                      それに、雑音の中に突然ピアノが協和音とか出すと
                        すごく異様な感じなんですが・・・ それが意図だったのかなぁ (・_・")?

                      アントン・ヴェーベルンは無調の長い曲における音楽性に対して謙虚だったから
                      一番長い作品でも10分に満たないが
                      まぁ、他の作曲家は、かなり長い作品も臆さずかきます。

                      これ以上は止めておこう。まぁ、音響としてはソコソコ楽しめたし
                      これから始まるウィーン・モデルンへの準備運動だわ (^^)v

                      バルトークの2台のピアノとパーカッションのための協奏曲。
                      いや、しまった。バルトークは全曲(しかも2種類)CD で持っているのに
                      「予習」しないで来ちゃった (/--)/

                      でも、これはバルトークの「音楽言語」がよくわかる。
                      これだって、無調にかなり近いけれど
                      でも、表面で雑音と戯れているのではなくて(あら失礼)
                      もっと、深い感情の奥のところに内省的に響いてくる。

                      後半のプログラムは・・・ 見ておわかりの通り ∴∵へ(^^へ)(ノ^^)ノ∴∵

                      ストラヴィンスキーの Greeting Prelude は
                      ハッピー・バースディ・トゥ・ユーのメロディを解体してストラヴィンスキー風にしたもの。
                      (ストラヴィンスキーは知らずに作曲して、かなりの著作権使用料を払わされたそうだ(笑))
                      絵画にしたら、ピカソのキュービスムを彷彿とさせる小品で楽しい。

                      ガーシュインの「パリのアメリカ人」は
                      クラシック一辺倒の人だって知っている名曲だが
                      CD ならともかく、ナマで聴くチャンスって・・・・ ほとんどない。

                      いや〜、ジャズっぽい管のソロが見事 (*^^)//。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆ パチパチ
                      (あれはトランペットですか? トロンボーンかな? それともサックス?
                       舞台が見えない席って、こういうのが不便だ。
                       T.S. さん、メイルで教えて下さい m(__)m)

                      ジャック・イベールの曲も、ノリが良くて、とても楽しい。
                      で、最後のキャンディード序曲は、めちゃめちゃ速い速度にノリノリでの演奏。

                         何てレパートリーの広いオーケストラなんだ(驚愕)

                      指揮のパスカル・ロフェの動きの美しさにも圧倒された。

                      1988年のブザンソン国際指揮者コンクールの優勝者だそうだが
                      指揮棒を持たないのに
                      動きが鋭く、テンポも見えやすい上、手の表情が豊かだし
                      身体の動かし方が、ピタッと決まって
                      ダンスとして美的に観ても、かなり「踊る才能と体力と技」のある人だ。

                      ピタッ、ピタッと気持ち良く止まり、動く指揮(時々飛び上がる)を
                      正面から観ていると、音楽鑑賞だけではなくて
                      音楽に乗ったモダン・ダンスを観ているようで、実に楽しい o(^o^)o

                      ガーデンシュテッターも実に正確に、客観的に振っていたけれど
                      後半になったら、若さ爆発というか
                      正確さに変わりはないけれど、そこに、フランス人らしからぬ
                      爆発的情熱がガンガン出てきちゃって
                         や〜ん、カワイイ (*^^*) (← こらっ! (゜゜☆\(--メ)ポカッ)


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