Ian Bostridge (Tenor)
Julius Drake (Klavier)
Franz Schubert (1797-1828)
Das Heimweh, D 456
Sehnsucht, D 879
Im Freien, D 880
Bei die allein, D 866/2
Der Wanderer an den Mond, D 870
Das Zügenglöcklein, D 871
Die Perle, D 466
Freiwilliges Versinken, D 700
Der zürnenden Diana, D 707
Lied des gefangenen Jägers, D 843
Normans Gesang, D 846
*** Pause ***
Der Wanderer, D 493
Hippolits Lied, D 890
An die Laute, D 905
An mein Klavier, D 342
Der Jüngling an der Quelle, D 300
Wie Ulfru fischt, D 525
Schlaflied, D 527
An die Freunde, D 654
Das Lied im Grünen, D 917
Der Einsame, D 800
Im Abendrot, D 799
アンコール
Johannes Brahms
"Es träumte mir", op.57/3,
"Der Gang zum Liebchen", op.48/1
Franz Schubert
"Die Forelle", D 550
"An den Mond", D 193
苦手な作曲家ナンバー・ワンはモーツァルトだが
フランツ・シューベルトも、かなり苦手 (-"-;)
もちろん、好きな曲はあるけれど
基本的に、気難しい感じで、手触りサラサラというのが馴染めない。
(すみません、ワケのわからん事を書いて・・・・)
2008年4月から6月にかけてウィーンで歌ったイアン・ボストリッジが
今回はオール・シューベルト・プログラム。
昨年はベンジャミン・ブリテンにハイドンを聴き
そのチャーミングなハイ・テノールに圧倒された上
コンツェルトハウスでサイン会までしてくれた(← ちょっとミーハー?!)
ドイツ語がどうかな〜という気はしたのだが
最近購入したフーゴー・ヴォルフの歌曲集が意外に良くてビックリ。
さて、このシューベルト歌曲の夕べ。
なんというマイナーな選曲!!!!! (*_*)
唯一、有名なのは「さすらい人」だろう。
・・・ というより、私が無知なだけかもしれないが
でも、メジャーな曲が全然ないっ!!!
あの甘くて高い声を抑えて、暗い色調の低音まで出した技術には目が点 (・.・;)
さすらい人の最後の低音(テノールの領域じゃない)も、深い声で歌った。
ただ、あのチャーミングな声の特性は、軽い曲で生きる。
An die Laute や An mein Klavier の無邪気な可愛さと軽さは
ボストリッジの声の質と相まって、とても魅力的。
アンコールで歌った最大メジャーの「鱒」も、かなり良い仕上がり。
メイン・プログラムを、ここまでマイナーにしなくても
メジャーでも充分イケたような気がする。
ただ、ほら、シューベルト苦手だし
やっぱり、ドイツ・リートは、抑制の効いた声が必要だから
あのチャーミングなハイテノールの声「だけ」を楽しむという意味では
ちょっと欲求不満が残る。
プログラム見たら、ボストリッジは最近、
ブリテンの「ベニスに死す」のアッシェンバッハ役や
ストラヴィンスキーの「放蕩者のなりゆき」のトム・レイクウェル役を
歌っているらしい。
うわ〜〜〜、すごく合いそう!!!
(って、両方とも、ちょっとヘンな役柄だから
この称賛は、もしかしたら失礼に当たるんだろうか f(^^;))
シューベルトの歌詞と内容を、しっかり理解し、噛み下して
とても深い内容を伝えてくれているリートの夕べではあったのだが
いかんせん、あれだけの美声だと
内容・表現 どうでも良いから、声だけ聴かせて〜 という
一種のイタリア・オペラ・ファン的心情になってしまうのも避けられない(自爆)
美声も考えものかもね・・・
昨年、ブリテンの「ルクレチアの凌辱」を逃したのは、一生の不覚だ(涙)
*****
さて
ちょっとバタバタしている状態だが(サラリーウーマンですから)
週末のウィーン・フィルの定期公演。
ズビン・メータが降りて、Tugan Sokhiev がプログラム変更で指揮台に立つ。
ヴェーベルンのパッサカリア op.1 の代わりに、ハイドンの交響曲104番。
(どういう選択なんだか・・・???)
ライモンディ、クルマン、エロードという豪華歌手陣による
ツァイスルのレクイエムと、ブラームスの交響曲4番は変更なし。
そろそろ、秋のシーズン開幕である (^^)v
イアン・ボストリッジ オール・シューベルト・プログラム
- 2009.09.29 Tuesday
- コンサート(オーケストラを除く)
- 23:00
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- by はっぱ
Listaurant で会社のお食事会
- 2009.09.28 Monday
- グルメ
- 23:50
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- by はっぱ
「 昨日のマイヤリンク、ルドルフ皇太子をハタラが踊って
すごく素敵だったの (*^^*)」
と友人に話したとたん
「あら、やだ、あのデブ?」
がび〜ん ( ̄_ ̄|||)
・・・ やっぱりワタシって、デブ専ですか??!
でも、ダンサーでデブと言えば、この人であって
ハタラをデブとは言わん!!!!!!!
いや、でも、私、やっぱり 痩せこけた スマートな男性って苦手。
だからと言って、メタボが好き、というのではないが
発達した筋肉に、うっすらと脂肪が付いている・・・というのに弱い。
オーストリアとは全く関係ないのだが(ネタ詰まり)
先日、こういうサイトを見つけて
あんまり当たるから、過去の診断もやってみた。
あなたは面食いですか、というのがあって
結果として、ものすごい面食いで拘りがあるけれど
その面食いの基準が、世間一般とはかけ離れている・・・・らしい。
まぁ、それはともかくとして
数日前に本社のお偉いさんからのメイル。
「次の月曜日の夜、食事会を行う。参加できればそれで良し。
参加できない場合は連絡を乞う」
宛先を見ると、日本部とプロダクション部とホテル仕入部と・・・
いったい、どういう食事会????
「君たちの部は業績が悪いので、何人かクビを切るぞ」という
最後の晩餐なのか
「本社でこういう商品を作ったので、必ず売りまくれ」という
セールス・ミーティングなのか
あるいは、お局倶楽部???
いや、でも、お局クラブにしては
何人か声をかけられていないお局がいるし(爆)
「でも、これって、やっぱり行かないとマズイよね?」というワケで
日本部全員、夕食会に参加、という事に相成った。
行った先は Listaurant
R と L のつかない日本人が作ったレストラン・・・ではなく
Gerhard List というコックさんの名前と、Restaurant をひっかけた
ダジャレの名前である。くだらんダジャレだ、さすがオーストリア人。
旧市街のど真ん中、ステファン寺院のすぐ近くにあって
中の雰囲気も良いのに、この値段設定は安い。
しかも、パスタがアルデンテで・・・美味しい!!!
おっとっと、「あら美味しい」とか喜んでいる前に聞かねば・・・
「あのっ、この集会の目的は何なんですかっ?」(ドキドキ)
「え? ただの親睦会だけど・・・」
「は? あの、でも、いったい、どういう基準で選ばれたメンバーで???」
「セールス担当のスタッフに声をかけたんだよ」
はぁっ?! セールス担当?!
でも、我々日本部って、セールス担当というより
何でも屋さんですけど (笑)
クビではなかったし、部の解散宣言でもなかったぁ (^。^;)ホッ
私はまだ仕事が残っていたので
9時半頃に、食事代金も払わず、さっさと逃げて?来たけれど
あの分の食事って、我々の予算から引かれている・・・わけではないだろうなぁ。
本社の予算から出ているんだろうなぁ、って
ついつい考えてしまうワタシは、やっぱり小心者なのであった。
国立オペラ座 「うたかたの恋」 しつこく3回目
- 2009.09.27 Sunday
- バレエ・ダンス
- 23:30
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- by はっぱ
Mayerling
Ballettdrama um Kronprinz Rudolf in drei Akten
指揮 Guillermo Garcia Calvo
ルドルフ皇太子 Gregor Hatala
マリア・ヴェツェラ Maria Yakovleva
ステファニー皇太子妃 Natalie Kusch
エリザベート皇妃 Ketevan Papava
ラーリッシュ伯爵夫人 Karina Sarkissova
ヘレーネ・ヴェツェラ男爵夫人 Eva Polacek
御者ブラートフィッシュ Denys Cherevychko
ミッツィ・カスパー Marie-Claire D`Lyse
カタリーナ・シュラット Janina Baechle
コロネル・ベイ・ミドルトン Eno Peci
凝り性のワタクシは、一回ハマると何回でも行く f(^^;)
このバレエ・ドラマ、登場人物がものすごく多くて
キャスト表も出演者だけで2ページに及ぶので、全部は書けない。
贅沢して今回も32ユーロの席 (^.^)
平土間ボックス11番の3列目。比較的正面に近くて舞台も全部見える。
もう、ハタラにずっとオペラ・グラスの焦点を絞って見ていて
何か、ドキドキ・・・というか
初恋みたい きゃっ (*^^*)
もちろん、えこ贔屓である。
でも、でも、でも、何てステキなの!!!! (((^^;)(;^^) ))
スタイル見ても、顔を見ても、仕草を見ても
オペラ・グラスで、どアップにして見ても
一点の曇りもないノーブルさ(ため息)
バレエとしてのテクニックも素晴らしいが
テクニックが「体操」にならず、一つ一つのパが「表現」になっていて
どの瞬間を取っても、めちゃくちゃ「優雅」なのである。
友人役のダンサーに囲まれると
決して背の高いダンサーではないのがわかる。
よくあるロシア系のような、やせ過ぎではなくて
ちょっと「がっちり系」・・・と言ったら失礼だけど
不自然さのない、すごくノーブルな身体のプロポーションで
もろにワタシ好みの身体つき。
え、はっぱってデブ専でしょ? という声が聞こえるが
むっちり系も好きだが、次に好きなのは、がっちり系なの。
(というか、痩せた人がキライというだけで
これは、たぶん、私のコンプレックスが・・・・(以下省略))
もう、最初から最後まで、舞台に釘付け。
Sっ気は全然なくて(←そこはちょっと不満だが)
どちらかと言えば、ノーブルだけど、ちょっと引っ込み思案で
惚れっぽくて、女性に頼ってしまって、悩みに悩むルドルフだが
話が進むにつれて、どんどん、やつれていくところなんか
何で、あんなにリアルに表現できるんだろう。
すごい迫力。悩むルドルフに、完全な感情移入をしてしまう。
もちろん、個人的には、あんなモルヒネ中毒の、悩むだけ男は絶対イヤだけど
舞台を観ていると、一挙・一動に目を奪われる。
あんなハンサムでプロポーションが良くて
バレエの動きが優雅で仕草がキレイな男性、俳優だっていないわよ(断言)
ああ、あと20歳若ければ・・・・ ← どうするって????(笑)今回は、最初にラーリッシュ役がコケたり
ステファニーのつけ毛が踊っている最中に取れたり、最初はハプニング続き。
(つけ毛が落ちたところは踏まないように踊って
そのつけ毛を投げつける、というアドリブまでやった。
うう、こういう細かい工夫が不自然でなく出来るところが、すごい・・・・)
この演目、今年は10月16日と22日にも上演がある。
だが、キャストが違う(涙)
ルドルフ役が Solymosi だ。
彼のルドルフは Youtube にも投稿されているので
ちょっと見たのだが
(おヒマな方は Tamás Solymosi で探すとすぐヒットします)
うわ、これは、また、全然違うルドルフだわ (*_*)
ハタラの優雅さとはかけ離れた表現で
その分、サドっ気は充分だけど、ハタラの表現にある「品の良さ」はない。
同じ振付で、ダンサーによって全然表現が違う・・・
こういう事が楽しくなるから、同じ演目を何回も観るのが病みつきになるのだ・・・・
う〜ん、悩むなぁ・・・
あれだけ Sっぽさが出ると、実際に観てみたい、という気もあるけれど
まぁ、カレンダーとお財布に相談して考えよう。
国立オペラ座 バレエ「うたかたの恋」
- 2009.09.25 Friday
- バレエ・ダンス
- 23:30
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- by はっぱ
Mayerling
Ballettdrama um Kronprinz Rudolf in drei Akten
指揮 Guillermo Garcia Calvo
ルドルフ皇太子 Gregor Hatala
マリア・ヴェツェラ Maria Yakovleva
ステファニー皇太子妃 Natalie Kusch
エリザベート皇妃 Ketevan Papava
ラーリッシュ伯爵夫人 Karina Sarkissova
ヘレーネ・ヴェツェラ男爵夫人 Eva Polacek
御者ブラートフィッシュ Denys Cherevychko
ミッツィ・カスパー Marie-Claire D`Lyse
カタリーナ・シュラット Janina Baechle
昨年11月17日に鑑賞して、コウフンしたバレエが
今シーズンも上演 \(^O^)/
今回はキャスト総入れ替え。
プログラムを見て、きゃああああああっ!!!!! と叫んだのは
私だけではないと思う。
先シーズンはルドルフ皇太子はイギリスのロイヤル・バレエから招聘したが
今回は、国立オペラ座バレエ団の Gregor Hatala が踊るのだ!!!!
オーストリア出身のバレエ・ダンサーの中ではダントツの人気を誇るが
そろそろ30代も半ばにかかって
最近、あまり舞台でお目にかかるチャンスがなかった。
でも、このダンサー、テクニックも然ることながら
何と言うか、ともかく、めちゃくちゃ
ノーブル
(*^^*)
身体のバランスが、すごく良い。
ヘンにヒョロヒョロではなく、付くべきところに筋肉が付き
ハンサムだが、嫌味がない。
派手な活躍はしていないが
世界のノーブル・ダンサーの中でも、ベストの1人だわ(きっぱり)
だいたい、ノーブル・ダンサーって、顔をよく見ると、ギョッ としたりするが
グレゴール・ハタラは、どこをどう見てもノーブルそのもの・・・(うっとり)
テクニックと演技力抜群。身体の芯がずれないし、一つ一つのパが決まる。
このルドルフ役は、ほとんど出ずっぱりの大変な役なので
イギリスのロイヤル・バレエでも30歳を過ぎるとなかなか出来ないそうだが
最初から最後まで、一糸の乱れもなく、美しく踊ってくれた。
以前のキャストでのルドルフは
ノーブルではあっても、ちょっと人間的、というか荒々しい感じで
マリア・ヴェツェラとの初夜のシーンが興奮する リアルな感じで、ちょっとSっ気があって、うっふっふ〜だった。
ハタラは、全然 Sっ気なし・・・というか
悩み、傷つき、ヴェツェラやラーリッシュ、ミッツィと絡む場面は素敵だが
やっぱり、その、あの、ノーブル過ぎるというか
頭のテッペンからつま先まで、品があって
現実世界とは思えないところで、絵芝居でも観ているような感じ。
ええ、ええ、えこ贔屓ですとも。自分で払ったチケットだ。文句ある?(笑)
あそこまでノーブルさがキラキラしていると
エリザベート皇妃やフランツ・ヨゼフが霞んでしまう (本気)
ミッツィ・カスパー役の Marie-Claire D`Lyse が華があって目立つ。
チョイ役(1場面のソロ)だが、いや、巧いわ、このダンサー。
ところで、オペラ・ファンは、このキャスト表を見て
あれ?と思ったでしょ。
カタリーナ・シュラット役はダンサーではございません (^O^)
Janina Baechle のメゾは美声だから、途中の歌はとても素敵だけど
ダンサーの中に入ると目立つ(理由はご推測の通り)
でも、意外や意外に、各場面(フランツ・ヨゼフと連れだって歩くところ)では
舞台に溶け込んでいた。ホーム・グラウンドですもんね。
しかし、あの重たそうな衣装を着て
あっちで飛び、こっちで跳ね、更にリフトもバンバン入る、すごい振付。
バレエというより、ドラマか、セリフのない演劇のような部分もあって
1回目の時は、多少冗長に感じたけれど、2回目はすごく楽しめた。後半部分のハタラの下半身は肌色のタイツだし・・・グレゴール・ハタラの動画がないか、と探したのだが
プロモーション用の、あまり画質の良くないものが1本見つかっただけ。
しかも、この動画、あのハンサムで品のある顔が全然見えない。
9分以上あるので、おヒマな方だけどうぞ。
ノーブルなだけに、白鳥の湖のジークフリート役などがピッタリ。
(さすがに最近、踊ってくれないけれど、私はこれでハタラにハマったのである)
本物を見たい、という方は、ウィーンでしか見られません(きっぱり)
本人の意向なのだろうが、世界的な活躍を目指す野心家ではなさそう。
で、またそこが、ファンの心にグッサリ・・・なんですけどね (^.^)
オーバーブッキング
- 2009.09.25 Friday
- オーストリア生活
- 01:19
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- by はっぱ
実は今、すごく悲惨な目にあってるの、ワタシ。
9月25日は朝8時にはザルツブルクに居なくてはならない、という仕事。
ウィーンからの列車は、始発がザルツブルクに到着するのが8時53分。
(で、たいてい、数分〜数十分は遅れる(笑))
なら、明け方の4時頃に、ウィーンから車で行こう、と思っていたのだが
火曜日に列車に乗った時
ウィーンの森から、すごい霧で、低地オーストリア州も
高地オーストリア州も(特にここは湖が多いので)
数メートル前も見えない霧に閉ざされている状態。
数年前の10月にザルツブルクから夜の11時半に車でウィーンに帰った時
やっぱり、高速道路が全部、深い霧で(これはコワイ)
トイレに行きたくても、ドライブ・インの看板が見えず
見えた時には通過している、という・・・ 視界は数メートルだったと思う。
結局、明け方4時過ぎにヘタヘタになってウィーンに帰った悪夢の記憶がよみがえる。
だったら、ザルツブルクのホテルを社員価格で取ってもらおう。
無理なら仕方ないけど・・・ と、社員ルームを依頼。
もちろん、24日の遅い到着を、
ちゃんと星印とエクスクラメーション・マークを3つつけて出したら
幸いにもルームが取れた。
で、24日、半休・・・のはずだったのだが
朝6時に起きて、ブラティスラヴァに打ち合わせに行って
その後、目一杯仕事して20時20分発のレイルジェットでザルツブルクに向かう。
この列車も15分遅れ。高速列車だの宣伝しているが
やっぱり遅れるんじゃん、意味ないじゃん・・・(ちっ)
で、ホテルに入ったら
「18時に予約はキャンセルされてます。本日は満杯です」
なに〜〜〜っ!!!
でも、我々の系列ホテル、ザルツブルクに、他に3つある。
どこかにルームは空いているはず・・・
・・・・ そんな時に限って、3つとも満杯。
いや、商売繁盛だ、良い事だ。でも、探してもらっている間に
真夜中の12時を過ぎたのだが (涙)
レセプションの人が頑張ってくれて
ホテルを見つけてくれたのだが、朝食なしのレートで
社員ルーム価格の3倍 (*_*)
そんなに高いんだったら、前泊なんかしませんっ!!!
かと言って、真夜中過ぎのザルツブルクで車もなくてどうするの?!
「少なくとも、そのホテル、インターネットはあるんでしょうね?」
(だって、残った仕事をザルツブルクに着いたら片付けるつもりだった)
「もちろん、インターネット接続はあります」
で、行ってみた。チェック・インした。クレジット・カードも出した。
「インターネットは?」
「お部屋では有料ですが、ロビーなら無料です」
というワケで、まだシャワーも浴びず
明日の朝7時のモーニング・コールを頼んで
ロビーでこんな記事を書いている。ちなみに、今、午前1時15分。
いや〜、オーバーブッキング、お客さまでなくて良かった。
少なくとも社員のワタシだったのが唯一の幸い
とでも思わないと、ちょっと、やっぱり、腹が立つ。
このくそ高いホテルのルーム(しかも朝食なし!)と
社員価格の差額は、我々のホテル・チェーンに負担させねば!!!
(上司にはメイルで報告済み。こういうのだけ、早い (^-^))
でも、まぁ、オーストリアですから
そういう事もあるよな〜 と思ってしまうのは
やっぱり外国かぶれ?(笑)
最近、トラブル続きで参っていて
日本のパートナー・エージェントに「お祓いに行ったら?」と言っていたのだが
もしかしたら、不運を呼びこんでいるのは、ワタクシ?????
そうでない事を祈ろう・・・・
さて、これから部屋に帰って、シャワー浴びて寝ます (/_・、)
明日、じゃなかった、今日の仕事が無事に済みますように・・・
ミラベル宮殿でのウエディング
- 2009.09.22 Tuesday
- 仕事
- 23:00
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- by はっぱ
ウエディング・コーディネータをして20年以上 f(^^;)
以前のチーフからは
「人の結婚式ばっかりやっていて、自分は結婚しないのか」
(↑ 今だったらパワハラ?(笑))と、よく言われたけれど
ウエディングの通訳をして、幸せのお裾わけをいただけるのが一番幸せ (*^^*)
ザルツブルク出張で、結婚登記所のボスから呼び出しがかかった。
お怒りを買うような心当たりはないし((-_-;)ホントカ・・・オイ?)
何だろう、と思って行ったら
「ザルツブルクでの日本人のウエディングが減っている。
我々としては、この素晴らしい大理石の間で
ぜひ、日本からの方々に結婚式をしてもらいたいのだが
どうしたら良いのだろう」
客が多いと、もう要らない、とはっきり言うくせに
少なくなると助けを求めてくるのは
まぁ、世界中、何処でも同じですかね (笑)
ミラベル宮殿の大理石の間は、世界で一番美しい結婚式会場だ。
外国からのカップルが全体の35%を占めると言う。
担当ボス曰く
「ミラベル宮殿でのウエディングは、ザルツブルク音楽祭のチケットと一緒。
みんな、最初から「ない」と思っているけれど
早めに取ればあるし、キャンセルで空きが出るケースも多い」
市役所のウエブ・サイトにも力を入れて
イメージ・フィルムもインターネット上にアップされた。
3分ちょっとなので、お時間のある方はどうぞ。
ううう、出演者に何人か知った顔が・・・(笑)
更に「日本のテレビ番組にも出たんだよ」とビデオを見せてくれてビックリ。
西川史子の世界! 弾丸トラベラーである。 → サイトはここ
もちろん、やらせ ですよ (^O^)
裏話も聞いちゃったし、でも、まぁ、そういうもんですから。
庭でのケータリングは特別にやったが、普通は禁止だそうで
禁止になっている事をマスコミで取り上げないで欲しいわ、と思ったりする。
(でも言わない)
もっと良いサービス第一段として
今まで味も素気もない白い封筒に入っていた婚姻証明書が
ミラベル庭園と宮殿の写真が載ったファイルの中に
観光案内(!)と一緒に入るようになった。
キッチュだけど、なかなか素敵かも。
少なくとも、真っ白な安物封筒より、ずっと良い。
(ちなみにウィーンは、オーストリアとウィーンの紋章が入ったファイル)
ミラベル宮殿でのウエディングは
我々が提供しているプロダクトの中では、最も形が整ったものだと思う。
会場良し、音楽良し、写真家抜群で
これ以上、手を入れるとすれば、庭でのケータリングをオプションで足すとかだが
これは天気にも左右されるので、やり方を考えないとね。
まあ、ここで宣伝するワケにもいかないし
我々の会社は直接お客さまとやりとりはせずに(だって面倒なんだもん)
日本の会社とパートナーシップを組んでいるので
もし「ワタシもミラベル宮殿でウエディング」と思われる方がいらしたら
グーグルで「ヨーロッパウエディング」でサーチしてみて下さい (^^)v
「ナクソス島のアリアドネ」 フォルクス・オパー3回目
- 2009.09.21 Monday
- フォルクス・オパー
- 23:00
- -
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- by はっぱ
Ariadne auf Naxos
Oper in einem Aufzug nebst einem Vorspiel von
Hugo von Hofmannstahl
Musik von Richard Strauss
指揮 Robert Paternostro
侍従長 Peter Matić
音楽教師 Michael Kraus
作曲家 Adrineh Simonian
テノール・バッカス Endrik Wottrich *
オフィサー Daniel Strasser
ダンス・マスター Karl-Michael Ebner
カツラ職人 Einar Th. Gudmundsson
従僕 Willi Jeschnofnik *
ツェルビネッタ Jennifer O`Laughlin
プリマドンナ・アリアドネ Melba Ramos
ハーレキン Daniel Schmutzhard
スカラムーチョ Christian Drescher
トラファルディン Stefan Cerny
ブリゲーラ Juan Carlos Falcón
水の精 Nicola Proksch
木の精 Eva Maria Riedl
エコー Mara Mastalir
* フォルクス・オパー・デビュー歌手放置プレイ状態の彼氏もどきのために、なるべく月曜日は空けてあるのだが
週末の「病院に行け」攻勢の電話の時に
「月曜日の夜は用事があって会えない」
ウォッホホ〜 (^^)v (喜ぶなっ!)
日本は祝日だし、それでは、夜は何処に行こう・・・と
Volksoper を見たら、ちょうど、ナクソス島のアリアドネ。
しかも、Volksoper デビューのバッカスがいる!
アリアドネの Ramos も、まだ観て(聴いて)ない。
チケット、結構余ってるし(高いチケットから売れているのは何故?)
うっふっふ・・・ また
「残りのチケット、Bundestheater.at カード所有者に
25ポイントで50%割引」を有効に使わせてもらおうっと (^.^)
ギャラリーの最後部の真ん中で正規価格21ユーロ。
Bundestheater.at カードで銀行引き落としで10ユーロ50セント。
車を停めたガレージが5ユーロに
キャストのリストがチップ込み50セント。
〆て16ユーロ。135円で計算すると2160円でオペラ鑑賞である。
これぞウィーンに住んでいる醍醐味だわ。
外国に暮らしていると、色々苦労はあるが、こういうお得もある。
初演と同じメンバー、2回目と同じメンバーもいる。
作曲家の Adrineh Simonian は初演メンバー。
演技は巧いし、目が大きくて顔立ちが中性的で、ハマリ役だが
今日はちょっと声が粗い?!
それに、ドイツ語のセリフ、明確に聞こえないんですけど・・・(←要求多過ぎ?)
作曲家の Kraus が声量あってセリフが明確なので、ついつい比べちゃう f(^^;)
ところが、本日のオーケストラ(指揮者?)
ちょっと、あの、あれ、あっ・・・ それ、かなりヤバイですっ
と言う位、金管のミスが目立つし
ズレズレになって、聴いている方もヒヤヒヤ(-"-;)という部分があった。
すごい、スリル満点の公演だわっ!!! (笑)
あれは(きっと)指揮者が悪い・・・
金管のミスは技術不足か練習不足だからともかく
水の精・木の精・エコーのトリオが歌う例の子守歌(と私は名づけている)で
あれだけズレズレになるのは、かなりスゴイぞ。
休憩時間中に、隣の年配カップルが「英語わかります?」と話しかけてきた。
「少しなら・・・」と言ったとたん
「このオペラ、いったいどういうオペラなんですか?
私たち、ドイツ語がわからないので、内容が全く理解できないんですが」
おいおい (*_*)
たどたどしい英語で説明はしたけれど
プログラム買ったら、英語であらすじが載ってますよ、と言ってあげたのに
プログラム買う気はないようで・・・
話の筋が全くわからず、ナクソス島のアリアドネを鑑賞しても
全然面白くないと思う (-。-) ボソッ
2幕・・・というかオペラ部分の前に、劇場事務局の人が登場。
「テノールが本日の午後から喉の調子が悪く
薬で炎症を抑えているのですが、良くなる兆候が見えません」
だったら代役にすれば? でも、1幕目、テノール出てたよなぁ・・・
「しかしながら、この難しいバッカス役を、無理してでも歌うとのこと。
皆さまのご理解をお願いします」
ううう、こういうの、キライ(きっぱり)
でも、この Wottrich 今日が Volksoper デビュー。
2001年と2004年にはバイロイト音楽祭
ドレスデンでワルキューレも歌ってるし
ミラノ・スカラ座やロンドン・オペラ・ハウスでも既にデビュー済みの歌手。
で、その哀れにも喉の炎症おこしたテノールだが
かなり無理はしていたけれど、いや、うううん、頑張ったわね (^_^)ヾ(^^ )ヨシヨシ
一応、高音まで出る(というか、むりやり出してる(笑))
聴いている方が力が入ってしまうけれど
破綻もせずに、最後まで、頑張って歌った46歳のテノールには
同情だけではないブラボー・コールが飛んだ。
調子の良い時に、また聴いてみたい。
あれだけ強い声で(今日は苦しそうだったが)高音が出るなら
正にワーグナー・テノール。
歳も歳だから(すみません)いつまで持つかわからんし(←イジワル)
Ramos のアリアドネが、実にパロディのアリアドネぽくってステキ。
以前の Meagan Miller の時に、上腕に付けていた腕輪(お肉はみ出し)が
Melba Ramos は、下の腕に装着して、それでもお肉に喰い込んでいる。
濃い目の顔立ちだが、お肉に喰い込む腕輪をしていても
Miller よりは細く見えたのは何故だろう・・・?Jennifer O`Laughlin の横に立てば、誰でもスマートに見える(こらっ!)Jennifer O`Laughlin のツェルビネッタは以前にも書いた通り大デブなのに ともかく、カワイイ。すごくチャーミングである。
顔が可愛らしいし、表情がクリクリ動いて、堂々と演技するので
乗せられちゃうんだなぁ、これが (^o^)
グルベローヴァの妖艶さとはまた違った魅力がある。
技術的には、まだ楽譜だけでギリギリで遊びはないが
それでも完璧に歌いこなすし、余力もあって、将来が楽しみではある。
オーケストラがかなり笑わせてくれたけれど
まぁ、ソコソコの出来で、みんな頑張った (^^)v って感じかなぁ。
金管は、もう少し練習して下さいね (笑) ←時々失笑出てたよ。
新聞批評読み比べ
- 2009.09.20 Sunday
- オーストリア生活
- 17:00
- -
- trackbacks(0)
- by はっぱ
首・腕というより、ともかく背中の痛みが激しくて
天気は上々だけど、自宅でマッタリに決定。
昨日、彼氏もどきに「背中が・・・」と言ったとたん
「医者に行け」電話攻撃が始まっているのだが
あのね、医者に行っても、痛み止めを処方されるだけよ?!(きっぱり)
(しかも、例の寝る前に飲む「筋肉弛緩剤」(←何回も処方されている)
必ず明け方5時頃目覚めて、その後、眠れなくなる上、寝ざめが悪い!
絶対に、また、アレが処方されるのだ・・・)
「レントゲン撮ってもらえ」
簡単におっしゃいますが、医者のアポイントメント取るのに数日。
レントゲンのアポイントメント取るのに数日かかって
結局、レントゲンの所見持って、また医者に行く頃には(予想2週間)
絶対に治ってるわい!!!
そういう無駄な事に時間を費やすの、イヤなの、ワタシ。
ちょっと身体の動きがオカシイけれど
痛みさえ我慢すれば動けるし、来週は出張3回あるし、甘えてはいられないわん。
ところで、9月16日のシカゴ・シンフォニー・オーケストラについて
私愛読のプレッセ紙の批評は、こてんぱんにオーケストラの悪口を書いていた。
「アメリカのオーケストラにブルックナーの深淵さができる訳がない」
という、ある意味、偏見にも取れるような書き方で大笑いした。
笑っても、別に良いんです。だって、受け取り方は人それぞれだし。
同じコンサートについて
スタンダードとウィーン新聞が音楽批評を載せている。
比べてみると面白い。
共通する部分としては
ハイドンが 「うるさかった」 「現代的な解釈だった」
これ、同じ事だと思う(笑) どう受け取るかという主観の問題。
ブルックナーの音のバランスについては
各紙とも褒めているし、テンポについても同じような意見だが
プレッセだけが、あれはサウンドであって、響き(クラング)ではない、と
痛烈な批判をしている。
でも、これも好みだと思うんですけどね (^^ゞ
このサイトを読んでいらっしゃるウィーン在住の方も多いようなので
下に記事をリンクしておく。
客観的な判断が似通っているのに、主観的判断が全く違うのが興味深い。
Wiener Zeitung
Die Presse
Der Standard
「ベニスに死す」 ベンジャミン・プリテンのオペラ
- 2009.09.19 Saturday
- ウィーン劇場
- 23:00
- -
- trackbacks(0)
- by はっぱ
Death in Venice
Oper in zwei Akten op.88 (1973)
Musik von Benjamin Britten
Text von Myfanwy Piper
nach der Novelle von Thomas Mann
指揮 Donald Runnicles
演出 Ramin Gray
舞台 Jeremy Herbert
衣装 Kandis Cook
振付 Thomas Stuart
照明 Adam Silverman
グスタフ・フォン・アッシェンバッハ Kurt Streit
旅人 その他 Russell Braun
アポロンの声 Christophe Dumaux
ホテルのポーター Erik Årman
クラーク Klemens Sander
タディオ Raffaele Zarrella
パールのレディ Alexandra Kontrus
ホテルのウエイター Russian Mother
イチゴ売り Russian Nanny
ゴンドラ漕ぎ手 Glass Maker
コーラス Vokalensemble NOVA (Leitung: Colin Mason)
オーケストラ ORF Radio-Symphonieorchester Wien
プレッセの新聞評ではベタ褒めだった
ベンジャミン・ブリテンの最後のオペラ「ベニスに死す」
正面の席(でも一番後ろf(^^;))に陣取って鑑賞。
舞台は簡素だが、まん中の板が上下する。
照明で、そこだけ真っ白の板になったりする。
(板そのものの材質は、どう見ても一緒なので、あれは照明マジックだろう)
風を起こす機械を使って、薄い布が踊ったり
黒いレースの迷路や、後方の薄い幕の向こうで繰り広げられるシルエットなど
簡素ながら、象徴的な要素が散りばめられている。
アッシェンバッハ役の Kurt Streit は、何回かウィーン劇場で聞いているが
この人、モーツァルト歌いじゃなかったっけ?! (*_*)
ベンジャミン・ブリテンの12音技法によるフレーズをずっと
しかも、ほとんど最初から最後まで出ずっぱり。
鼻もちならない、疲れた年寄り有名小説家から
激情にかられる部分、でも、家族に声もかけられず困惑する部分
そして、最後の死に至るまで
すごい集中力を途切れさせる事なく歌いきったのには唖然。
タディオとその家族は、バレエ・ダンサーである。
(そりゃ、確かにタディオが歌うなんて、あり得ないもんな〜(笑))
ダブル・キャストで、初日はブラジル出身の Filipe Pinheiro だったが
今日はイタリア出身の16歳 Raffaele Zarrella が踊った。
これがカワイイのっ!!! (*^^*)
モダン・バレエの、しかも、かなり高い技術を要求される役。
ほとんどハダカ、という部分から
水兵服じゃなくて(いかん、映画のイメージが強すぎる)白い背広を着て
家族と過ごす部分や
他の子供たちと遊びまわる無邪気なシーンから
アッシェンバッハの妄想の中の、あの、その・・・(書けない)シーンまで
すごく良かった。目が釘付け。
オジサンだけじゃなく、オバサンも若い男の子が好きっ!
もっとも、正直言って、この題材をオペラにする必要が何処に?
・・・という感じではあった。しかも、英語だし・・・
ブリテンは、これをオペラにしたかったのだ、というのは(何となく)わかる。
だって・・・・
主要登場人物、全員男性 (笑)
4週間前に酔っぱらってひっくり返って尾骶骨打って
(一歩毎に悲鳴あげるくらい痛かったのが2週間続いた)
やっと尾骶骨が治ったと思ったら
今日の朝から、背中の上に激痛で、首も腕も動かせない状態で
あぁ、もう、ワタシも歳なんだわ、という身体の状態で行ったオペラだから
頭に響くソプラノがなかったのは大歓迎。
ブリテンの12音音楽は、耳慣れないと神経を逆なでされるかもしれないが
粒ぞろいの歌手と踊り手、簡素ながら不思議な世界を作った舞台に加えて
ラジオ・シンフォニー・オーケストラの演奏が、めちゃ上手かった。
ちょっと、どんなモンだか観てみたいな〜という方には
ウィーン劇場のウエブ・サイトに、ゲネプロの模様のビデオが
ここ にある。
下の小さい写真の右側は Kurt Streit の練習風景とインタビューなので
これもお見逃しなく。美しいテノールが聴ける (^^)v
クリックしないと見られないので、ちゃんとスタート・ボタンを押して下さい。
9月22日・24日・27日に上演される。若い男の子の半裸が見たい方はぜひどうぞ。
シカゴ・シンフォニー・オーケストラ + ハイティンク
- 2009.09.18 Friday
- 外来オーケストラ(その他)
- 23:00
- -
- trackbacks(0)
- by はっぱ
Chicago Symphony Orchestra
指揮 Bernard Haitink
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
Symphonie C-Dur, KV551 "Jupiter-Symphonie"
Dmitrij Schostakowitsch (1906-1975)
Symphonie Nr.15, A-Dur, op.141
国立オペラ座でバレエを観るつもりでチケットまで買ったのだが
シカゴ・シンフォニー・オーケストラとハイティングが
ショスタコーヴィッチを演奏、というプログラムを見たら
バレエのチケット32ユーロは放棄。バレエ・ダンサーのみなさま、すみません。
ショスタコーヴィッチ最後の交響曲15番は
あの、ちゃかぽこ・ちゃかぽこ という打楽器の響きが
何故か、私の中で夢野久作の「ドグラ・マグラ」に直結していた。
ショスタコーヴィッチさん、ごめんなさい。
知り合いから「アメリカのオーケストラはリズム感が抜群」という話も聞いていたし
先日のブルックナーでの見事な音響的処理に目を剥いていたので
期待一杯で楽友協会へ。
ああああああああっ・・・・ (((^^;)(;^^) ))
ドグラ・マグラのイメージが100% 変わってしまった。
チャカポコ・チャカポコはあるのだが(スコアにあるから当然だ)
おどろおどろしいイメージは全くなく
室内楽に限りなく近い、透明なイメージが、過去と現在と未来を行き来する。
あくまでも、澄み渡ったクリアな音響の中に
彼岸を見据えながら、不必要に感傷に浸らず、過去を回顧している。
ハイティンクのテンポはあくまでも遅め。
時々、オーケストラが、もう少し、速くやりた〜い!という印象はあったが(笑)
しっかり押さえて、揺るぎないテンポで、とてもクリアに曲を作っていった。
第1楽章の管とパーカッションのリズム感の良さには驚愕。
それに比べると、弦がちょっとウェットかもしれない。
第2楽章のチェロとバイオリンのソロが、かなり感情豊かなもので
ハイティンクの抑制の効いた指揮の中で異彩を放っていた(良い意味でも悪い意味でも)
ハイティンクは、やっぱり音をかなり抑えている。
ウイリアム・テルのテーマを始めとして
金管部分を前面に出さず、まるで遠くから微かに鳴り響いてくるような音で
これが、また、すごく不思議な世界(過去・現在・未来)を演出する。
パーカッションや弦のピアニッシモは
楽友協会の音響を熟知していなければ
あそこまで思い切って音を小さくできなかっただろう。
見事なピアニッシモで、背筋がゾクゾクした・・・ のは良いのだが
ピアニッシモの最中に、ずっとゴホゴホ、でっかい咳をしていた客席後方の3人!!!
せめてハンカチを口に当てるなり、外に出るなりしてくれ!!!!!
ああいう雑音を完璧に拾ってしまうホールもホールだが
続けざまに、ずっと咳をしている観客も観客だ!!!
ウィーンの観客マナーというのは、かなり劣る!!!!(強調)
ショスタコーヴィッチの交響曲が苦手なら、黙って出て行けば良いのだ!!!(超怒)
寝ても良いから、でっかい続けざまの咳をピアニッシモ部分でやるのは止めて!!!!
(3楽章終わってから平土間にいた2人は出ていったが・・・・)
と怒りつつも、第4楽章のあの透明さに、完全にノック・ダウンされていた私。
(咳されても無理やり無視)
ハイティンクの指揮、ものすごくキレイ (うっとり)
リズムもアインザッツも、はっきり見える。
派手な動きは全くないのだが
途中の複雑なリズムも、シロウトにもわかる程、見事に仕切って
感情や感傷は充分あるのに、それに溺れず、あくまでもクリア。
マーラーの交響曲9番に通じるような「彼岸」を感じさせるものの
もっと地上的で、でも、どこかに突き抜けたような明るさもある。
ドグラ・マグラからは完全に脱却した、という意味で
あぁ、行って良かった・・・
最後は、何だか胸が詰まって、目ガシラが熱くなった。
もともと、チャカポコ・チャカポコはドグラ・マグラとは関係ないだろう
という、有識者の皆さまのお叱り、ごもっともでございます m(__)m
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