キリアーン Last touch first

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    Michael Schumacher
    Sabine Kupferberg
    Jiři Kylián

    "Last touch first"

    振付  Jiři Kylián & Michael Scott Schumacher
    ダンサー Kristen Cere, Pedro Goucha, Cora Bos Kroese
     David Cecil Krugel, Ester Karin Natzijl, Michael Scott Schumacher
    音楽 Dirk Haubrich
    照明 Kees Tjebbes & Ellen Knops
    舞台 Walter Nobbe
    衣装 Joke Visser

    イジー・キリアーンの作品は
    いくつか実際の舞台でも観ているし、DVD も持っている。

    が、この作品は初めて。
    それまで観た作品とは全く違ってビックリ。

    舞台は19世紀のブルジョワジー家族の居間。
    お母さんかお姉さん(ともかく、ちょっと年上の女性)
    紳士っぽい服装をした男性2人に
    若い女性、お手伝いさん、若い女性の恋人らしい男性1人。

    男性ダンサー、女性ダンサー、それぞれ3人の構成である。

    ゆっくりと、スローモーションで、人形のように動くダンサーたち。
    訪ねてきたボーイフレンドが、若い女性の後ろから目隠しをしたり
    年上の女性がワインを飲んだり
    お手伝いさんがテーブルの上のろうそくをつけたり
    男性2人がトランプをしたり

    ・・・と、最初は平和な家庭がスローモーションで語られるだけだが
    途中から、なんやら、おかしな事になってくる。

    ううう (-"-;)
    すごくエロい。めちゃくちゃ背徳的で、生臭い。

    セックスの一番エロいところのエッセンスを取りだして
    背徳という香辛料をかけて
    全体を人間ではなく、人形で演じさせているような気味悪さ。

      こういうのって、すご〜く好き (*^^*)

    アルコール中毒っぽい年上の女性と男性一人が右手で絡めば
    左では、お手伝いさんと、もう一人の男性が、えらい事になっていて
    真ん中で清く正しく、ボーイフレンドと本を読んでいる若い女性も
    だんだん、えらい事になってきて

    テーブルや椅子や、窓やドアのところで
    何とも気味の悪い、人間のカタチをした「形態」が
    ゆっくりと、ゆっくりと、うごめいて行く。

    19世紀と言えば

    オーストリアではレオポルド・マゾッホ (1836-1895) が
    あの有名な「毛皮を着たヴィーナス」を書いた時代。
    (註 マゾッホは、マゾの語源になった人)

    アルトゥール・シュニッツラー (1862-1931) の「輪舞」は
    演劇として鑑賞した時に「これは、シロクロ・ショーか?!」と本気で思ったし
    無意識の中にセックスを関連づけたジークムント・フロイト (1856-1939)が
    活躍した世紀でもある。

    この舞台が私に連想させたのは
    エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト (1897-1957) のオペラ「死の都」

    精神の無意識下にある
    社会に抑圧されているがために、ますます顕著に表出する
    ねじくれたセックスの幻想みたいなものが
    スローモーションという動きで
    人形みたいだけど、もっと不気味なモノを舞台上に描き出している。

    激しい動きは全くなく
    最初から最後までスローな動きが続くだけで
    もちろん、ダンサーの静止時間も長く
    あれは、反って非常に体力が必要なダンスだと思うのだが
    ダンス、というより、演劇・・・・ いや
    人間で上演される紙芝居、と言う方が、印象に近い。

    モダン・ダンス、こういうのもアリなのね。
    こういう新しい発見があるから、劇場通いは止められないわ (^^)v


    届かなかった書留郵便 その後

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      お隣の国で
      不在通知だの、存在しない私書箱だので大騒ぎした郵便物の件。
      (詳しくは ここ

      さすがドイツ(イヤミ入ってます)
      1ヶ月と2日で回答が来た。

       当該の郵便物調査については、何の結果もでませんでした。
       よって、該当国の郵便局から、紛失にあたる、という報告が来ております。

      難しそうなドイツ語で書いてあるが、要は

      「探したんだけど見つからなかったの。だから、なくなったのよね〜」


              ・・・という事である。

         ふん。そんな事だろうと思った。

      だが、その、くそ難しいドイツ語で(わざと)書いてある文書を読んでビックリ。

        現在の国際郵便法に、郵便物の責任範囲についての定義があり
        条項 1.4.1 に、以下の物品については責任を負わないとの記載がある。
        現金、または、その他の支払い手段に関するもの(小切手など)
        証券、株券、貴金属、宝石、宝飾品、その他の貴重品。
        また、クーポン、バウチャー、入場券、列車のチケット、航空券に関しても
        同条項に免責と定められている。

            (-"-;)

      だったら、書留で何かを送る意味なんか、全くないじゃん!!!!(怒)

      ついでだが、よ〜く読めば
      「クーポン、バウチャー、入場券、列車のチケット、航空券」と書いてあって
      紛失された「オペラのチケット」は記載されていないんですけど?!

        よって、支払われた郵便料金の返金のみとなります。

      あ、そうですか。
      それは良いんですけどね。

      このゴタゴタで数十回にわたって
      ドイツの郵便局(しかもビジネス客用の高い料金の方)に国際電話した分や
      先方のホテルに(これも国際電話だ!)何回も電話した分や
      ついでに、この件で失った私の数時間の労働はどうしてくれる!!!!(超怒)

      と怒っても、ナンセンスだから、そういう事にエネルギーは使いたくない。

      郵便局としては、何を送っても紛失しても
      責任は負いませんよ、という事なのだから、簡単な結論が一つ出るだけ。

          これから一切、書留郵便は使用しない。

      普通郵便で送って紛失した場合は、郵便料金は返って来ないけれど
      書留で送って、届かず、大騒ぎして、国際電話をかけまくって
      更に、郵便局に出頭して事情を説明して調査依頼をして
      それで5ユーロそこそこの返金があっても、全然嬉しくない。

      だったら、到着していない、すわ、紛失か。
      それ再発行!という流れの方が、時間も労力もコストも節約できる(はずだ)

      第一、(わざと)くそ難しいドイツ語で書いてある手紙の中には
      ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした、の一言もないのだぞ!!!

      (そんな事を期待する方が間違っている、と思った読者の方。
       アナタは既にヨーロッパ慣れしてますね?!)

      最後の1行に
      「これ以上の良い結果をお知らせできなかった事を遺憾に思います」(直訳)
      という記述はあったが

      我々が日本のお客さまにお詫び状を書く時には
      (全く我々のミスがなかった場合でも)

      「今回の不祥事については、皆さまに多大なるご迷惑をおかけし云々」

      と、平に、ひらに、ヒラに謝るのに
      こんな「上から目線」の郵便局の態度、許せないわ、ぷんぷん。


      ザルツブルク音楽祭のライブ・ストリーミング

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        超 VIP の政治家・実業家・芸術家と
           そういう社会に入りたいと切望する人たちと
             そういう社会の人を見たいというミーハーと
        一部、音楽が好き、という人たちが集まるザルツブルク音楽祭がオープン。

        私には敷居が高過ぎる音楽祭だし
        少なくともコンサートに関しては
        シーズン中のウィーンとどこが違うの?という感じがするので
        (ザルツブルクの方には侮辱的な言い方です、お許し下さい)
        最近、音楽祭の一環として取り上げられる現代音楽は別として
        あまり食指の動く音楽祭ではないが(第一、ホテルが高い!)

        今年は・・・

        何と、コンピュータのストリーミングでオペラを上演する、という試み。
        ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホールの真似かな?!(笑)

        最初の公演は、モーツァルトのコシ・ファン・トゥッテ。
        7月30日の21時からコンピュータで鑑賞できる。

        もちろん、有料である。
        7ユーロ90セントで、7月30日の21時から鑑賞できるらしい。
        チケットを購入した日から7日間に
        記載してある情報を信用するなら、もう1回、鑑賞できるハズである。
        (オーストリアでは何が起こるかわからないから、もしかしたら1回だけかもしれない)

        ご興味ある方は、英語でも「チケット」は買えるので
        ここ をどうぞ。

        ジーメンスがスポンサーになっているようで
        ジーメンスのウェブ・サイトにいくつかビデオ・クリップがアップされている。
        (サイトは ここ
        Stage Director Claus Guth on the new production というクリップに
        当該のコシ・ファン・トゥッテの舞台が少しアップされている。

              (沈黙)

        何も言うまい・・・
        ザルツブルク音楽祭のオペラって、こんなもんです(苦笑)

        現代演出をこき下ろすつもりはないし
        ウィーン劇場のモーツァルトだって、かなりの現代演出だし・・・
        ただ、ビデオ・クリップを見る限りにおいては
        この間のウィーン劇場のミトリダーテの演出・上演の方が優れていたように見える。
        (ミトリダーテ鑑賞記は ここ

        最近、テレビやインターネット、
        あるいは上演劇場の近くに大型スクリーンを出して
        オペラをライブで放映するのが流行していて
        私の知り合いは
        「こんなことやったら、誰も、オペラやコンサートに行かなくなっちゃうわよ」
        と言っているけれど
        インターネットやテレビ、大型スクリーンでの上演は
        似て非なるものである(断定)

        音響オタクの私は
        舞台が見えなくても、マイクを通さないナマの音を
        音響効果の良いコンサート・ホールや劇場で聴くのがタマラナイのであって
        CD も DVD も、ナマ音の「予習」や「復習」でしかない。

        で、その「予習」「復習」用に
        またまた、この間、70枚以上の CD を買ってしまった話は
        また今度 (笑)


        クリスティアン・ティーレマンの行く末

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          7月29日付けで掲載されたニュース。
          指揮者のクリスティアン・ティーレマンの
          ミュンヒェン・フィルとの契約が2011年以降、打ち切りとの事。

          私の愛読する Die Presse での記事は ここ
          (すみません、ドイツ語です)

          本文で取り上げられているティーレマンの言い分は

          「若い指揮者を持ってくるという話だが
           無名な若い指揮者で、
           日本やベルリンやウィーンからの演奏招聘があるはずがない」

          「私は契約事項はすべて守った。
           今まで色々なミスはしたかもしれないが、ミュンヒェンでは間違いは一つも犯していない」

          「私は今まで3回、こういう陰謀に巻き込まれた。
           いつでも私がスケープゴートにされる。
           しかし、事実としてニュルンベルクの裁判では私が勝ったし
           私が去った後のベルリンのドイチェ・オペラに何が起こったか、一目瞭然だ」

                      (意訳なので文責は負いません)

              ・・・ いや〜、強気な方ですね f(^^;)

          さて、Die Presse にも読者のコメント欄があって
          これが、記事より面白かったりする (^^)v

          これから、どんどん書き込みは増えそうだが
          関係者らしき人が書き込んで来るのが、興味深い。

          「大きな子供」という題で書き込まれた意見には納得できる。

              ティーレマンを常任から外すというのは、オーケストラ側からの要望だった。
              傲慢で思いつきばかりの独裁者には我慢できない。
              何が問題だったかは、オーケストラに聞いたら良い。いくらでもある。
              だいたい、レパートリーとしてワーグナーとリヒャルト・シュトラウス
              その他、数曲しか指揮できない指揮者は
              国際的なオーケストラの音楽監督としては失格だ。
              更に、ベートーベン交響曲全曲のプロジェクトを
              別のオーケストラ(ウィーン・フィルのこと)とやろうとするなんて
              忠誠心のカケラもない、自分だけの事しか考えない躾の悪い子供である。

          その次の関係者らしき人も

              ティーレマンの欠点を指摘した同僚はコンサートから外された。
              外国への演奏旅行? 日本と、あと数回はあったが、それだけである。
              正確に言えば、招待はあったが、指揮者が旅行したくないので断ったのだ。

          もちろん、インターネットの世界は
          関係者を装った敵の書き込みなども多いから
          全部を本当と思ってはいけないけれど

          でも、それなりに真実の一端が見える書き込みでもある。

          ファビオ・ルイージがドレスデンから引き揚げて
          チューリヒとウィーンを本拠地にする意向なので
          ティーレマンは、ルイージの後を継いでドレスデン管弦楽団に行くらしい。

          リヒャルト・シュトラウスは、
          ルイージがかなり同オーケストラで録音しちゃいましたが・・・(笑)

          ウィーンでは何故かティーレマンの人気が高いのだが
          ただ、私も何回かコンサートには行ったものの
          プログラムが

              ベートーベンか
                  ブルックナーか
                      リヒャルト・シュトラウスで

          それ以外のプログラムを演奏しない (というより、出来ないのか?!)

          先シーズンも(熱心な読者ご存知の通り)
          え?またブルックナーの8番?
          だったら、同じ日のルイージのマーラーの4番に行こう、と相成った。

          乗りかかった船だから(何のこっちゃ)
          ベートーベン・チクルスは、あと3回(7番・8番、5番・6番、来年4月に9番)は
          間違いなく聴きに行くけれど
          前半(1番・2番、3番・4番)のように
          さすがに同じコンサート続けて3回は行かない
                   ・・・かもしれない(笑)


          ローザス Rosas danst Rosas

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            Anne Teresa De Keersmaeker & Rosas
            "Rosas danst Rosas"

            振付 Anna Teresa De Keersmaeker
            ダンサー
             Anne Teresa De Keersmaeker
             Cynthia Loemij
             Sarah Ludi
             Smantha Van Wissen
            音楽 Thierry De Mey, Peter Vermeersch
            初演 1983年 Kaaitheater


            1983年にブリュッセルで初演された Rosas danst Rosas は
            同時に公式なダンス・カンパニー Rosas の誕生でもある。

            以前にも言及したが、クリップは ここ

            4人の女性ダンサー(ケースマイケル自身を含む)が1時間40分
            休憩なしで4部に分かれたダンスを踊る。

            音楽はあったり、なかったり。
            その音楽も、振付と一緒に作曲されたもので
            ケースマイケルの振付と同じく、リズム・リピートの中で
            ミニマルな部分での展開を聴かせる。

            で、これ、やっぱり
            一般的に観て「面白い」とか「楽しい」とかの公演ではない。

            実際、公演途中で立って出て行く人も多かったし
            (まぁ、これは毎年あるから、別に驚きはしないが)
            繰り返しの動き、しかも、ワケわからん動きが多い。

            ただ、フォーメーションの見事さには目を見張る。
            4人のダンサーが同じ動きを繰り返しているうちに
            1人が離れ、2人がくっつき、3人が同じ動きになって
            また1人が違う動きをして・・・という
            音楽で言えば、カノンか変奏曲?

            動きの単位が決まっていて
            それが1人1人のダンサーによって、様々な形で繰り返されるという意味で
            バッハの厳密な対位法を思い起こさせる。

            非常にバロックな感じがするが
            緻密に構成された現代音楽、シュトックハウゼンとか
            音のズレを一部の隙もなく構成したスティーブン・ライヒの世界だろう。

            と同時に、動と静の対比は
            日本の踊りの「間」、能楽のミニマムな動きにも似ている部分がある。
            (もっとも、対比させるための動きが激しいので、「能」とは言えないが)

            1部は床に横たわった4人のダンサーの動き(クリップで一部見られる)
            上半身を起こすと、まるで、舞台から上半身だけ生えているような
            異様な印象を喚起する。

            2部は椅子を並べてのダンス。
            3部は、舞台後方でずっと踊っている2人〜3人に対比して
            1人あるいは2人が、舞台の前で暑いわ、疲れたわ、という動きをする。

            4部目のフォーメーションの厳密さには舌を巻く。
            ああいう、グループでの動きは、ローザスは実に巧い。

            不思議な振付で
            完全にモダン・ダンス、という感じの、ダンスのエッセンスだけ、という動きの中に
            我々がよく知っている、日常的な動きが混じってくる。

            机に肘をついたり、頭を抱えて悩んだり
            椅子に座って足を組みかえたり
            暑い時に Tシャツの首のところを引っ張ったり
            ・・・ 日常の何気ない動きが、非日常のダンスの動きと混じると、すごく不思議。

            音楽は単調なリズムの繰り返しで
            同じ振付が、様々なバリエーションで延々と続くので
            私も途中、ちょっと眠くなったのは事実。
            (食事してから行くものではない、と反省。
             でも、この公演、夜の9時〜11時だったの。やっぱり食事してから行くよね、普通・・・)

            2部が終わっての舞台変換の時に
            後ろから、かなり派手なアクビの音も聴こえてきた(ワタシではありません)
                寝てる人もいたんだと思う(笑)

            ダンサーとしてのケースマイケルは「見事」の一言。
            小柄で、締まった筋肉のカタマリ、という印象で、本当によく動く。
            ちょっと男性的な部分があって、たぶん ○○○○○ だろうなぁ、という感じだが
            (芸術家には多いので、侮辱でも何でもない)
            振付だけではなく、自らまだダンサーとして踊れるのは、やはり凄いと思う。


            日本とアジアのテレビ・ドラマのサイト

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              先週木曜日の夜の嵐で
              樹は折れるわ、枝は道路に横たわってるわ
              路上駐車の車の上に、大きな枝がど〜んと乗って
              車がペッコリ潰れかけている、という光景もあったのだが
              ワタシの車も、サイド・ミラーに大きなヒビ (*_*)

              ううう、雹か、飛んできた石か、枝か
              そんなモノが当たったのだろう。

              金曜日の朝、工場に電話したら、工場はてんてこ舞い。
              (壊れた車を、電話もせず、朝いちばんで持って来た人が多かったのだろう)
              結局、月曜日にしか修理のアポイントメントが取れず
              壊れたミラーをセロテープで貼って
              まぁ、見えないワケではないけれど、修理代もかかるから

              週末はヒキコモリだ!!!

              海外在住の方ならご存知と思うが
              日本をはじめ、アジアのテレビ・ドラマや映画が無料で見られるサイトがある。
              (知らない方は ここ
              過去のテレビ・ドラマはほとんど入っている (^^)v

              「のだめカンタービレ」もこのサイトで見た f(^^;)
              マンガは全巻持っている(あらら)

              何を見たかは言わないが(オーストリアと関係ないし)
              一日で、日本のテレビ・ドラマを一気に見る・・・というのも
              かなり疲れる(笑) ← 「一気に」見るアホ ( ;^^)ヘ..

              だって、一つのドラマ、エピソードが10回だか11回だかあって
              それぞれ50分くらい(CM は出てこない)
              よって、10回分を一気に見ると、500分=8時間20分 かかるのである。

              画像は粗いけれど
              以前のようにサーバーが落ちる、という事も少なくなって
              快適に鑑賞できる。

              ただし、日本の PC にスタンダードで入っているソフトでは見られないが
              それも、今のサイトに「これこれをダウン・ロードして下さい」と出てくるから
              (昔は出て来なかったので、見られるまで苦労した・・・)
              それに従って、適当なソフトをダウン・ロードすれば大丈夫。

              オーストリアちっく、とか銘打ちながら
              ヒキコモリやると、日本で生活しているのと、ほとんど変らない(自爆)

              7月・8月は音楽関係のネタがない。
              お許しあれ・・・・


              カビネット・シアター 鳥の王 - 血の女王

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                King of the birds - Queen of the blood
                Kabinetttheater im Semper-Depot

                Salvatore Sciarrino : Infinito Nero (1988)
                Peter Maxwell Davies : Eight Songs for a Mad King (1969)
                指揮 Johannes Kalitzke
                演出 Philipp Harnoncourt
                照明 Franz Tscheck
                ビデオ Martin Kerschbaumer
                バリトン Thomas Bauer
                メゾソプラノ Magdalena Anna Hofmann
                室内楽 oesterreichisches ensemble für neue musik

                ウィーン劇場の一環で、カビネット・シアターが行った現代オペラ。
                会場は劇場の裏手にあたるセンパー・デポのプロスペクト・ホーフ

                ちょっと暗めのダイナミックな会場で(吹き抜けが高い)
                チケットもぎの女性が「はい、ろうそくをつけてね」

                  会場が暗いから・・・だと大笑いだが
                  左手に、教会にあるロウソク立てが置いてあり、そこに立てるのである。
                  ロウソク立ての後ろには、お祈り台が置かれていて、等身大の人形が祈っている。

                        うわ〜、妖しげな雰囲気(←大好き♪ d(⌒o⌒)b♪)

                イスの他に、階段部分に座布団があって、そこに座っても鑑賞できる。
                真ん中に、小さな小屋のようなものがあって
                上半分に白いカーテンがかかって、そこにビデオが写っている。
                室内楽団は、一階からちょっと上になったギャラリー部分。

                こういう「妖しげな場所」に「間違って」来る人はいない(はず)なので
                来た人たちは、現代音楽ないしは現代演劇の好事家なのだろう。
                (あるいは関係者?(笑))

                若い人が多く、コンサートで現代音楽が演奏される時の
                年配客の非難を籠めたような「ゴホゴホ」も全く聞こえず、実に快適 (^^)v

                シャリーノの曲はパッツィのマリア・マグダレーナを取り上げたものだそうだ。
                プログラムによれば、聖人で苦行者で、マゾヒストで拒食症で・・・
                  あんまりオトモダチにはなりたくないタイプのようだが

                例によって、例の如く、シャリーノのミニマル 雑音 ミュージックで
                管楽器も音は出さずに息だけ、弦楽器も時々、ヒュッ・キッという雑音を出すだけ。

                何が楽しいの?と思われるだろうが
                こういう静かな雑音を集中して聴いていると、全身の感覚が研ぎ澄まされる。

                    外を時々走る車のエンジンの音が邪魔・・・(笑)

                真ん中の小屋では、白いカーテンに影絵のようなものが映り、
                赤いハートが映って動いて、カーテンが外されると真ん中に枕があって
                その枕の上に、上から赤いペンキがボツボツと垂れて
                突然、赤いペンキのかかった布が上に引き上げられる。
                殉教を象徴的に、印象的に演出してある。

                吹き抜けのセンパー・デポだからこそできる演出だなぁ・・・(感心)

                後半のピーター・マクスウェル=ディヴィスの曲は
                英国のジョージ3世の晩年の狂気がテーマ。

                バリトンのトーマス・バウアーが、格子のついた小屋の中で大活躍。

                格子のところに、人間(人形)は出てくるわ
                船が出てきてテームス川を運航するし、蔓が伸びてくるし
                観客席にはスズメが飛び交うし(モビールだが、会場が暗いので糸が見えない)
                大きな鳥が小屋の中に降りた後
                ジョージ3世は小屋から飛び出して、観客席やオーケストラをうろつき

                バイオリニストからバイオリンを取り上げて
                つま弾いていたかと思ったら・・・

                柱に打ち付けて、バイオリンを破壊してしまった(驚愕) ← 本物のバイオリンです。

                演出だとは思うけれど
                まっぷたつ・・・どころか、まん中が割れて、後ろの板が取れたバイオリン・・・
                何か、すごくショックかも。

                このジョージ3世の曲、歌い手にはすごく難しい。


                地声、叫び声、歌い声、ファルセット
                呻くような低音から、女声のソプラノと聞き間違えるようなファルセットの高音まで
                自由自在に使いこなして、更にセリフまであって
                加えて、狂気の演技までしなければならない、という、大変な役。

                でも・・・ すごく印象的だし
                雰囲気はあるし、不思議な世界だ。 とても楽しい。

                休憩なしの1時間15分って、ちょうど集中して聴いていられる時間でもある。

                カビネット・シアターは
                人形を使って不思議な世界を繰り広げるグループだ。
                これからも注目しようっと (^^)v

                しかし、この公演、全部で4回上演されるが
                そのたびに、バイオリンを一台、破壊していくのか・・・
                ものすごいコストがかかっている公演なのかもしれない(他人事ながら心配)


                届かなかった書留郵便 仕事ネタ その (2)

                0

                  お隣の国に送ったプライオリティ(速達、というのがない)の書留郵便。
                  届いたら連絡してね、と先方のホテル宛ての手紙を入れておいた。

                  1週間経っても、先方のホテルから何も連絡がない。

                  最初は「ホテルが中身を見ていないのだろう」と思った。
                  (オーストリアのホテルではよくある。電話すると「着いてるわよ」とアッサリ言われる)

                  「○月○日からご宿泊のお客さま宛てに、郵便を送ったのですが」
                  「何も受け取っておりません」

                  慌てて、送った郵便局に連絡して、書留番号を伝え
                  「いったい、どこにこの郵便物は今あるんですか?」

                  「○月○日にフランクフルトに送っています」
                  「あの、宛先はフランクフルトではなく、もっとオーストリアに近い都市ですけど?」
                  「ドイツ宛ての書留便は、すべてフランクフルトに送られます」

                      さよか・・・

                  では、オーストリアからお隣の国に送られたのは間違いないようだ。

                  お隣の国の郵便局に電話する。
                  「○月○日に書留番号○○○で送った郵便物が未着なんですが」

                  さすがにドイツ(←これイヤミです)
                  次の日に再度電話したら、即刻、明確な答えが返ってきた。
                  (国際電話ですからコールバックはしてくれません。ケチ!)

                  「○月○日に、不在通知を入れています」

                      は? 不在通知???

                  ちょっと待て、宛先はホテルである。

                  しかも、5つ星のホテルで、レセプションは24時間開いている。
                  何故に「不在通知」???????

                  「宛先はホテルですよ? 必ず誰か勤務していますけど
                   何で不在通知なんです?」
                  「それは、私にはわかりません。ともかく、不在通知を出して
                   その郵便物はまだピック・アップされていません」
                  「なら、すぐにホテルから誰か送って取りに行かせます。
                   どの郵便局に保管してあるのか教えて下さい」
                  「私書箱○○番です」
                  「それって、いったい何処の郵便局ですか?」
                  「このホテルの私書箱なので、 何処の郵便局だかは不明です」

                  ううう・・・ ワケわからん。

                  ホテルに電話してみる。これも国際電話である、くそ

                  「不在通知を置いていったと郵便局は言っていますが」
                  「不在通知?(向こうも呆れている) 私ども、ホテルですよ。
                   必ず誰かが郵便を受け取るはずで、不在通知なんかあり得ません」
                  「それは私だってわかっています。でも、郵便局がそう言ってるんです」

                  またもや郵便局に国際電話。
                  「不在通知なんてもらっていないと先方は言っていますが」
                  「私書箱に不在通知が入っています」

                  ・・・何ですかソレ?? だんだん、話が変化しているような気がする。

                  「オタクの私書箱に不在通知が入っている、とドイツの郵便局が主張しています」
                  「私書箱? 昔は私書箱の契約がありましたが
                   もう何年も私書箱の契約はありません」

                  「ホテルは私書箱なんかない、と言っている。
                   不在通知云々はもう言わないから、ともかく、現在、何処に郵便物があるか
                   すぐに調べて欲しい」

                  その間に5つ星ホテル側でも、郵便局に電話してくれたらしい。
                  やはり埒があかない。

                  ホテルは支配人の委任状をボーイに持たせて
                  近くの3つの郵便局全部に行かせたようだが・・・ 何処にもない。

                  ドイツの郵便局に何回電話しても
                  「当該の郵便物が現在ある郵便局は不明」というワケのわからん回答ばかり。

                  実はこの件、つい最近の事なので
                  その後、オーストリアの郵便局から、調査してもらっている。

                  調査依頼だが
                  番号のついた領収書だけではダメで
                  宛先も明記して(そんなもん、コンピュータで管理してないんかいっ!(怒))
                  局長のお部屋で事情を説明し
                  局長のコンピュータからドイツ郵便局にメイルを流した模様。

                  で、もらった「調査依頼確認書」には
                  上記の郵便物についての調査が本日依頼され
                  調査結果については書式でお知らせします
                     ・・・と書いてある。

                  局長曰く
                    「ドイツの郵便局は2か月以内に(!)結果を報告する義務がある」

                  さて、その「結果」なるものに、いったい何が書かれているか
                  (推測 「郵便物は消失しました。終わり」)
                  あと1ヶ月ほどで来るはずの「書式でのお知らせ」を
                  ちょっとワクワクしながら待っているのだ。

                  調査結果が来たら、ここでご報告します (^^)v


                  届かなかった書留郵便 仕事ネタ その (1)

                  0

                    日本なら
                    郵便が届かず行方不明になった、なんていう事はまずないだろうが
                    こちらの郵便は、その意味では信頼が置けないこと、はなはだしい。

                    なら、重要なモノは書留で送ったら、と思ったでしょう??
                    いやいや、まだ甘いね。

                    書留郵便紛失事件、私が経験しただけで3回あった。

                    24年に3回って少ないじゃない、と思われるかもしれないが
                    年間、何回、書留便を出すと思う?(←せいぜい数件である)
                    それで3回の紛失事件って、異常な頻度だと思う。

                    一番すごかったのは EMS で日本から送ってもらった
                    結婚式の書類一式の紛失事件(!)
                    戸籍謄本を始め、こちらで婚姻するのに必要な書類が届かず
                    日本からナンバーを送ってもらって
                    こちらの EMS 担当に連絡したところ

                    「わからない」
                    「調査中」
                    「まだ不明」

                    というのが3日続いた。
                    こちらも結婚式の期日が迫っているので焦って
                    毎日、毎日、電話攻撃。

                    「あのね、この書類がないと、お客さまが結婚できないんです。
                     3日待ったのに、まだわからないって、どういう事?!
                     そんな無責任な回答は困ります!!」(←ほとんどヒステリー(笑))

                    4日目の電話で
                    「ウィーンの南駅まで到着した事はこちらで調べがついた。
                     南駅到着後、何処に配達されたか調べている」

                    ほうほう、ウィーンには到着していたワケね?

                    「大急ぎで調べて配達して! もうそろそろ時間切れなの!!!」

                    3時間後の電話

                    「誠に申し訳ないが・・・ (うわ、ヤな予感)
                     南駅以降の消息がつかめない。痕跡を残さず消えた」

                         はぁ ???

                    「消えた・・・って、それじゃ困るんですけど」
                    「ないものはない。我々としては何もできない」

                    この Man kann gar nichts machen 何もできない ってドイツ語
                    聞くたびに、むちゃ腹立つ。
                    だいたい、主語が wir 私ども ではなくて
                    一般的な Man という無責任な第三者になっているところも許せん!!

                    と怒っても、どうしようもないわけで
                    郵便局の EMS 担当者は、ソレナリに頑張って調べてくれたんだろうし
                    (あぁ、そこらへんの感覚が甘くなってる、ワタシ)
                    これ以上、喧嘩腰に怒ってみても郵便が出てくる可能性はない。

                    日本とすぐに連絡を取って
                    ちゃんとそれなりに対処はしたけれど
                    (お客さまはご自分たちの書類がどこかヨーロッパを彷徨っている事は
                     全くご存知ないはずだ)
                    むちゃくちゃ腹が立つケースだった。

                    EMS でコレというのは、あまりにオソマツである (怒)

                    あと2回は、我々が送って紛失されたケース。
                    オーストリアの名誉のために申し添えると
                    その2回の紛失に責任があるのは、同じ言語を話す、お隣の国の郵便局である。

                    *** 続く ***


                    ローザス THE SONG

                    0

                      ROSAS / ANNA TERESA DE KEERSMAEKER
                      ANN VERONICA JANSSENS, MICHAEL FRANÇOIS
                      "THE SONG"

                      第26回ウィーン国際ダンス・フェスティバル Im Puls Tanz の公演。
                      ケースマイケル率いるローザス、昨年は6月にスティーブ・ライヒ
                      Im Puls Tanz では「新聞」を上演した。

                      さて、今年の THE SONG は如何に??

                          うううっ・・・ (+_+)

                      とうとう「音」が消えた。
                      いつかはやるかも、と思ってはいたが。
                      昨年の「新聞」の最後のシーンが、完全な無音で踊られた時に予感はあったのだ。

                      シンプルな白黒の舞台に、大きなアルミホイル状のものが吊られている。
                      照明のバリエーション(ただし、これも白黒のみ)と
                      アルミホイルから反射する不思議な模様だけ。

                      ほとんどが無音。

                      女性ダンサーが靴で床を叩く音
                      何かを擦って出すキリキリ・キーンという音
                      縄で空気を切る音
                      背中にしょった袋がシャリシャリする音
                              だけが、男性ダンサーのカタチを作る。

                      ケースマイクル得意のフォーメーション。
                      計算され尽くした9人の動きが作る舞台の人間の配置の見事さ。

                      無音のシャドー・ダンス。
                      2人のダンサーの動きが、一瞬のズレもなく合う。

                      もともと彼女にとっては
                      たぶん、身体の動き=音 なのだ。

                      バルトークやスティーブ・ライヒでの振り付けも
                      音に合わせての振付、というより
                      振付のイメージで「身体表現の音」に合うものを探したのかもしれない。

                      無駄な動きがなく
                      ダンスのエッセンシャルな部分だけをシンプルに表現しているのに
                      無音でありながら
                      あるいは、現代音楽に非常に近い「雑音」に完全に溶け合いながら
                      身体が「音」を作り、空気を切り取って行く。

                      途中でアルミホイルの幕が下がって、舞台を覆い尽くし
                      劇場内の空気の流れでシャラシャラと音をたてた時
                      それまでのダンサーたちの動きが、そのアルミの音に誘発されて
                      目の前にパァーッと広がったような気がする。

                      ケースマイクルのメッセージとして
                      近代社会への警鐘とか色々とあるのかもしれないが
                      私はバカだから、難しい事はわからない(と逃げる)

                      既成の「音」に嵌らなくなったのだろう、という事だけは理解できる。
                      ダンスという身体表現を使っての作曲?なのだろう。
                      ここまで「音」と「身体表現」が
                      深いところで一体化してしまうと
                      芸術の境目が何処にあるのか、観客として不思議な世界に飛ばされてしまう。


                      ローザスの公演は、別公演でもう一回ある。
                      今年はお財布ピンチなので、同じ演目2回鑑賞は避けているが
                      別公演 Rosas danst Rosas には行く予定 (^^)v
                           (↑ ギャラリーにあったクリップをリンクしておく。
                              ちょっと馴染み難いかもしれないけれど、すごいと思う)


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