フォルクス・オパー 「メリー・ウイドゥ」

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    Die lustige Witwe - Operetta in drei Akten

    指揮 Rudolf Bibl
    Baron Mirko Zeta : Sándor Németh
    Valencienne : Renée Schüttengruber
    Hanna Glawari : Edith Lienbacher
    Graf Danilo Danilowitsch : Morten frank Larsen
    Njegus : Gerhard Ernst
    Camille de Rosillon : Sebastian Reinthaller
    Vicomte Cascada ; Daniel Strasser
    Raould de St. Brioche : Thomas Tischler
    Bogdanowitsch : David Busch
    Sylviane : Selma Fasching
    Kromow : Raimund-Maria Natiesta
    Olga : Manuela Culka
    Pritschitsch : Alfred Werner
    Praskowia : Mirjana Irosch

    久し振りにオペレッタ「メリー・ウイドゥ」
    連休中日とあってか、オーケストラ・メンバーにも知り合いの顔は見えず。

    指揮のビーブル氏は、この間80歳のお誕生日を迎えられたが
    お元気で、もちろんスコアなしの指揮。
    指示の的確な与え方、状況判断の早さに反応の鋭さ。
    派手にアピールして人気と名声を得るというよりも
    オペレッタが好きで好きで、職人芸に徹している凄さがある。

    定番のメリー・ウイドゥだが
    舞台はきれいで伝統的で、帝国時代の全部が突っ込まれている上、今回は

    歌手の見た目がみんな す・て・き (*^^*)

    よく有り勝ちな、太った歌手が鈍い動きで舞台の見た目を壊すとか
    若い役柄なのに、とんでもないベテランの年配が歌って
    恋人同士の年齢が、どうみてもおかしいとか
    そういうミスが一切ない舞台 (^^)v

    ハンナ役のエディット・リーンバッハーはスタイル抜群で美人で
    背が高くてガッシリして(デブではない)私の大好きなラルセンと並ぶと
    ため息の出るような、アラフォーでリッチな美形カップルになる。

    第二幕から、バレリーナをふんだんに使い
    民族舞踊から、第三幕の激しいカンカンまで、バレエの見どころも充分 (*^o^)!!

    ヴァレンシエンヌ役のシュッテングルーバーは
    ちゃんと第三幕で歌いつつカンカンを踊る。男性ダンサーに支えられての回転までする。
    足は上がってるし、スタイル良いし、踊っても絵になるところは凄い。

    カミーユを歌ったラインターラーが、これまた上手い。
    高音のピアニッシモも揺るぎなく、演技も細かいところまで出来て
    これは注目株のテノールだわ、うっふっふ。

    私の大好きなバリトン、モルトン・フランク・ラルセン (*^^*)
    国立オペラ座でも歌っているけれど
    最近、フォルクス・オパーの出演が多い。

    いや、もう、ワタシ、この人の見た目が、めちゃくちゃ好きなの。
    背が高くて、ちょっとアクのあるハンサムで
    以前、フォルクス・オパーでトスカのスカルピア役を歌った時なんか
    胸キュンキュンになった(って、スカルピアに惚れてどうする?(自爆))

    アクが強いだけに、怒りの表現などはめちゃウマで
    それなりに巧いのだが、まだ、その、ハンナへの隠れた愛情を出すだけの
    チャーミングさは欠けている。
    白か黒か、という感じになっちゃって、まだ深みがない。
    でも、まだこれからの人だしね。

    ダニロ役を、いくらチャーミングとは言っても
    ジジイが歌ったら、やっぱり面白くない。
    あくまでも「中年」の大人の恋なのだから、老人になってしまってはいけない。
    その意味、今回のカップルは理想的だったわ。実にハマっていた。

    で、ラルセンだが、2010年6月のカプリッチオで伯爵役を歌う事になっている。
    う〜ん、どうだろう、あのコミカルな演出に合うだろうか?
    ラルセンの「アク」は、徹底的な悪役に向いているような感じなんだけど。

    ともあれ、舞台完璧。
    あれだけ、キレイで楽しい「大人のメロドラマ」
    よく出来ました。二重マル。
    久し振りに現実を忘れた2時間半の舞台だったわ。


    エスターハージ城 ハイドン・ホール Academy of Ancient Music

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      Schloss Esterhazy
      Haydnsaal

      Z3 HaydnGedenkTage
      Positiv und hoffnugsvoll
      Academy of Ancient Music
      Leitung: Paul Goodwin
      J. Haydn: Symphonie Nr.30 C-Dur „Alleluja“
      J. Haydn: Symphonie Nr.49 f-moll „La passione“
      J. Haydn: Symphonie Nr.26 d-moll „Lamentatione“
      J. Haydn: Symphonie Nr.44 e-moll „Trauersymphonie“

      ヨゼフ・ハイドン没後200年という事で、ハイドン・フェスティバルが活発に行われている
      ブルゲンラントの州都アイゼンシュタットのエスターハージ城でのコンサート。

      ハイドンが活躍したエスターハージ城内のハイドン・ホールは
      当時のままのオリジナル。
      もともと、大理石だったものをハイドンが貼り代えさせたという木の床が功を奏して
      楽友協会に続く、オーストリアで2番目に音響の良いホール(と言われている)

      エスターハージ城のガイディングでは、このホールで CD を聴かせてくれるのだが
      ナマのコンサートに行くのは初めて (^o^)

      グループのキャンセルでチケットのリセルをかけたのだが
      バルコン席で39ユーロだったので、友人(ばればれ (*^^*))と行こう、と
      チケット2枚は私が購入したもの。
      こういうチャンスがなければ、なかなか足を伸ばせない。

      雨が多くて、気温も15℃前後。夜になると冷えそう。
      ハイドン・ホールは暖房がないので有名である。
      コートに手袋、マフラーを車に詰め込み、万全の対策でエスターハージ城に向かう。

      周囲にハイドン・イヤーの旗がたくさん掛けられて
      おお、アイゼンシュタット、頑張ってますね・・・

      でも、お城の中庭に入ったとたん
      正面の入口の上に、ハイドンのサインが赤のネオンで飾られている (*_*)

      ご存知の方はご存知だが、赤のネオン・サインと言うのは
      ウィーンでは、あの、その (*^^*ゞ 例のハイレッグのお姉さま方が集う(以下省略)

      それに、ヨーロッパでは意外に平気なのだが
      サインを赤で書くかぁ??? 何とも、妖しげな入口になっている。

      コンサートはほとんど満杯。
      連休だから、特に31日と1日の、アーノンクールが指揮する「天地創造」目当ての客もいそう。
      (このコンサートは、どうやってもチケットが取れなかったのだ。第一、高かったし・・・)

      古楽器の演奏で、もちろん、ヴィブラート一切なし。
      乾いた音だが、ホールの音響にピッタリ合って、
      聴こえ易く、でも、うるさくならない音で、これは気持ちが良い o(^o^)o

      2曲目の La Passione  あれ? あれれ? あれれれれ???

      昨日、ラジオ・シンフォニー・オーケストラが演奏したのと同じ曲だぁっ!!!

      いや、驚いた。
      対向位置のバイオリン、第一・第二が6台づつにビオラが4台、チェロ3台にコントラバス2台の
      古楽器オーケストラと
      もう少し編成の大きい、普通のオーケストラ位置(第一・第二バイオリンが同じ場所)の
      ラジオ・シンフォニー・オーケストラでの
      同じ曲の響きが、かなり違う。

      ドラマティックな解釈の大編成オーケストラと
      端正な小編成オーケストラ(しかも古楽器で、古楽器奏法)の演奏と
      ハイドンの曲って、どちらでも「キマる」(あとは好みの問題)

      Lamentatione のモチーフは、モーツァルトを思い起こさせる。
      モーツァルトも、ハイドンの影響を多く受けたんだなぁ、音楽史って繋がってるな、と
      長い歴史が感じられて、何となく感動してしまう。

      1つだけ、計算違いが・・・

      バルコン席で熱気が全部上に来た、という事もあろうが
      窓を閉め切った状態でのコンサート。
      暖房もないのに、ともかく暑いの何の・・・ 途中で気温がガンガン上がって
      コートも手袋も要らないどころか
      上着を脱いでも、下の丸首シャツを脱ぐわけにいかず
      ともかく、暑くて暑くて、大汗をかいてしまった。

      下の席はそうでもなかったのかもしれないが
      でも、指揮者が最後は汗をぬぐっていたから、やっぱり、かなり暑かったんだと思う。

      せめて窓を開けましょうよ。
      これから、外の気温がもっと暑くなってきたら、どうするんだろう???


      ORF ラジオ・シンフォニー・オーケストラ + ビリー

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        ORF Radio-Symphonieorchester Wien
        指揮 Bertrand de Billy
        ソプラノ Heidi Brunner

        Joseph Haydn (1732-1809)
                    Symphonie f-moll Hob.I/49 "La Passione" (1768)
        Oliver Messiaen (1908-1992)
                     "Poémes pour Mi" (1936/37)
        Arnold Schönberg (1874-1951) 
                    "Peleas und Melisande" Symphonische Dichtung op.5 (1902/03)

        火曜日に32℃だったのがウソと思えるほど
        今現在(真夜中)のウィーンの気温は10℃である。
         ったく、数日で20℃以上の変化があるのも、身体にキツイ。
           (どうせトシです・・・ って自分で言ってどうする (自爆))


        さて、「ラジオ・シンフォニー・オーケストラを救え」署名運動は
        全世界に広がっていて、日本語まで出来て
        リストには2万6千人以上の署名が集まっている。
        署名していない方はぜひお願いします m(__)m

        常任のビリーによるコンサートは、バラエティに富んだ構成。
        全楽章、短調で作曲されたハイドンの交響曲は、繊細な表現で、見事に端正でクリアな音。
        短調とは言え、途中で長調との目まぐるしい変換もあり
        ハイドンの技の巧みさに脱帽。

        メシアンの「ミのための詩」
        昨日、プロの音楽家と現代音楽について話していて
        トナリティとアトナリティの話になった時、メシアンにも言及した。

        今回聴いてみて思ったのは
        メシアンにとっては、トナリティもアトナリティも同じだ、という事。

        まず、確固たる「表現したいモノ」が存在し
        それを形にするのに、トナリティ・アトナリティは、方法の一手段でしかない。
        表現に合致するものなら、無調だろうが、ロマン派に聴こえるようなメロディだろうが
        メシアンには関係ないのだ(と思う)

        宗教的な内容の曲は苦手なはずなのに、色彩と光の乱舞に圧倒されてしまう。
        想像力も創造力もゼロの私の目の前に
        大伽藍が広がり、原色の色彩煌めくステンド・グラスに光が当たって
        床や壁に輝きが踊っているような、めくるめく感覚にクラクラする。

        メシアンらしい手法も充分に堪能できる。
        さすがビリー、と言ってしまったら簡単すぎるかもしれないが
        あの繊細さと大胆さを、手持ちのオーケストラで充分に表現させたのは凄い。

        ソプラノの Heidi Brunner の技術と表現力も特筆モノ。
        高音あり、低音あり、喋りありで、時々、めちゃくちゃ息の長いフレーズまであって
        人間技とは思えないくらい、言葉と音楽を繋ぐのだ。すごいわ、これ(興奮 (*^^*))

        う〜ん、こういう曲を聴いちゃうと
        メシアンの全曲を収録した CD (あるんです、100ユーロ近いけど)が
        どうしても欲しくなる・・・・のだが、今のところ窮乏の身。我慢、我慢 (いつまで?(笑))

        後半のシェーンベルク「ペリアスとメリザンド」は
        不勉強ながら初聴き。そういう曲があるのは知ってはいたが。

        作品番号5番で、後期のシェーンベルクの面影はほとんどない。
        完全に後期ロマン派、というか
        ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスとツェムリンスキーを足したような曲。

        キレイなのだが、シェーンベルクの無調の作品のような鋭さはない。
        (「浄夜」のような、触ると切れそうな鋭い抒情性もあまりない)

        強いて言えば、映画音楽というか、音楽でストーリーを語る感じ。
        ペリアスとメリザンドの物語を知っていれば
        ゴローが森に入って、メリザンドを見つける場面とか
        メリザンドを連れて結婚する情景や、ペリアスの登場と、メリザンドとの恋とか
        ゴローの嫉妬とか、メリザンドの死とか
        音楽聴きながら、かなりの部分がわかって、不思議な感じがする。

        ううう、音楽って、こんなストーリーまで語れてしまうのだ(驚愕)

        ただ、やっぱり、ちょっと中途半端というか
        ストーリー語るなら、ワーグナーのライト・モティーフだろうし
        シェーンベルクの作品番号16番から以降のものに耳慣れていると
        ここまで、ちょっと恥ずかしいようなラブストーリーを
        照れもなく繰り広げてしまう、めちゃくちゃロマンティストなシェーンベルクには
        違和感がぬぐえない。
        (「グレの歌」というのもあるけれど、あれは後半がシェーンベルクらしくなるから・・・)

        でも、演奏はとても良かった。
        フランスもののような繊細さではないけれど
        しっとりと語りかけるドラマを表現して、40分のストーリーが楽しかったわ。

        (でも、本日のハイライトは、やっぱりメシアン・・・ (*^^*))


        ウィーン交響楽団 + ファビオ・ルイージ

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          Wiener Symphoniker
          指揮 Fabio Luisi
          ソプラノ Mojca Erdmann

          Joseph Haydn (1732-1809) Symphonie C-Dur Hob.I/82 "L`Ours" (1786)
          Gustav Mahler (1860-1911) Symphonie Nr.4 G-Dur

          コンツェルトハウスの天井桟敷まで
          108段の階段を登って、いつもの席に着いたら

          ああああっ!!!
          今日はコンツェルトハウスのオルガン・バルコンに席が作られている!!!

          コンツェルトハウスの舞台の向こう側、オルガン・バルコンは
          滅多に席を作らないので、チクルスでは売られないのだ。
          ああああああ、あそこだったらルイージさまの表情も指揮振りも
          じっくり見られたのに (悔しい・・・)

          ただ、音のバランスとしては、私のいつもの席は抜群。
          舞台は見えない、ないしは見にくいけれど、音が抜群に良くて安い席、というのが
          私の席の選び方だから、「音の悪い席」というのは持っていない。エッヘン。
          (もちろん「安い」というのが必須条件 f(^^;))

          マーラーの交響曲4番。
          最初の出だしが速めのテンポで度肝を抜かれたが
          次のテーマは速度をたっぷり取って、抒情的な表情を豊かに出した。

          うわ〜、細かい部分の処理に神経の行きとどいた演奏だわ、これ。
          ポリフォニーのバランスが、むちゃくちゃ良い。
          どんな細かい部分でも、はっきり、くっきり聴こえてくるのに
          全体として、非常にまとまっている。

          かなりアゴーギクを効かせているのだけれど、不自然になっていない。

          この間、ルイージが振ったベートーベンの交響曲6番で
          一つ一つのメロディが、刻んだようにクッキリと浮かんできたのに驚愕して
          これは、マーラーのポリフォニーをやらせたら抜群じゃないか、と
          期待して来たけれど、期待以上の出来である。

          歌手の Mojca Erdmann
          4番の始まる前に、係の人が出てきて
          「歌手は咳が止まらず、あまり調子が良くないのですが、それでも歌います。
           ただ、絶好調という訳ではないので、どうか、ご理解下さい」

          ・・・ まぁ、よくある話だ。言いわけにしか聞こえないが(笑)

          確かに声量では劣るものの
          マーラーの交響曲における声というのは
          あくまでもオーケストラのパートの一部なので
          あまり声量があって、浮き出してしまってもいけない。

          それに、ルイージが第4楽章では、歌が入る部分のオーケストラの音量を抑えて
          声が、うまく溶け込みつつ、オーケストラの音に沈まないように処理したのは見事。

          アダージョなどの歌わせる部分は、充分に遅めのテンポを取り
          鐘の入る部分の「しゃんしゃんしゃん」は速めに処理し
          テンポの揺れのために、ほんの少しだけ
          ずれたり、アンサンブルが揃わなかったりした部分がなかったわけではない。

          マーラーの交響曲4番というのは
          非常に美しいメロディが盛りだくさんに入っているくせに
          途中で、それをぶっ壊すようなフレーズも数多く入ってきて
          「昔々、交響曲というものがありました」という
          かなり皮肉の入った、御伽話でもあり
          でも、耽美的なメロディが宇宙に浮かんでいるようなところもある。
          美しいメロディに身を任せていると
          突然、否応なく現実にひっぱり戻され、ピシャッと叩かれる。

          そんな矛盾に満ちた不思議な曲の側面を
          微妙なオーケストラの各楽器のバランスを理想的に保ちながら
          全体をまとめてしまう、ルイージの手腕は
          動きがきれい、というだけではなく
          気負いがないのに、ちゃんと指揮者の確固たる表現が見えて(聴こえて)くる。

          やっぱり、私、ファビオ・ルイージ、好きだわ (*^^*) うふ


          ミュンヒェン・フィル + クリスティアン・ティーレマン

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            Münchner Philharmoniker
            指揮 Christian Thielemann
            ピアノ Rudolf Buchbinder

            Robert Schumann (1810-1856)
                        Ouverture, Scherzo und Finale, op.52
            Edvard Grieg (1834-1907)
                        Konzert für Klavier und Orchester a-Moll, op.16
            Robert Schumann 
                        Symphonie Nr.3 Es-Dur, op.97  “Rheinische”

            ウィーンで現在、最も人気のある指揮者と言えば
            この人、クリスティアン・ティーレマンに間違いないだろう。

            人気が出ると懐疑的になるワタクシとしては
            ベートーベン・チクルスを始め、ティーレマンが振る時はセッセと通っているので
            何回かコンサートの体験はあるのだが
            いったい、何故、そんなに人気なのか、ちょっとわからん。

            ずば抜けたハンサムとか、動きが美しいとか言うワケではないし
            見た目は、ちょっとメタボ気味のトッチャン坊やで
            指揮の動きも、あまり洗練がなくて
            ゴリラのごとく腕を振ったり、指揮台の上でプリエの出来そこないをしたり
            運動神経なさそうなのに、ちょっと飛び上がったりする。

            (ティーレマン・ファンの皆さま、ごめんなさい)

            最近、見かけるのが珍しい、しっかりした燕尾服を着て
            白い蝶ネクタイをきっちり締めているところなんかは、超コンサバという感じ。
            (個人的な好みとして、これは評価する (^^)v)

            ミュンヒェン・フィルの音、以前も聴いた事があるけれど
            コンサートはその時々で印象が違う。
            ティーレマンの解釈に負うところが大きいと思うが
            すごく俗悪な表現をすれば、音が「いぶし銀」に近い。

            ルイージが常任になる前のドレスデン管弦楽団のような音色だ・・・
            (どシロウトですから、「違うぞ」という方、感じ方の違いなのでご勘弁を)

            ティーレマンの解釈は、ちょっとテンポ遅めで、かなりアゴーギクを効かせる。
            グリークのピアノ協奏曲の最初のオーケストラ・テーマも
            「え? そんな重く、ベタァッとやっちゃうのもあり?」とビックリ。

            その分、オーケストラは尋常でなく「歌う」

            シューマンの「ライン」も、音の厚みがスゴイ。
            遅めのテンポで、ともかく歌わせる。しつこい程、オーケストラが歌う。
            失速しそうな部分まで含めて、どっしり、しっかり、どすこい(謎)という演奏だ。

            若い指揮者は、第3楽章まではテンポを落として歌わせても
            最後の Lebhaft の部分(あの、長〜い短調のゆっくりしたフレーズの後)で
            速めのテンポで、活き活きと爆発させて
            エネルギッシュに最後まで押し切るケースが多い。

            が、ティーレマンは違った。
            最後もテンポが遅めだった上に、更にホルンのソリで、もっと遅くなる。

            もともと明るい曲なのだが
            軽くてノリノリの解釈をする指揮者が多いなか
            この「重さ」は、なかなか珍品 (笑)
            好き嫌いが分かれそうだが
            滅多になさそうな表現を聴かせてくれる、と言う意味では面白い。

            超一流オーケストラが毎日のように
            優秀な指揮者とコンサートをしてくれるウィーンという都市のなかで
            ちょっと毛色の違った解釈は、やっぱり目立つ。

            奇を衒っている?のかもしれないが
            ティーレマンが、他の若手指揮者から、頭一つ飛び出て人気があるのは
            もしかしたら、そのせい??

            明日はブルックナーの交響曲8番で、立ち見席に至るまで売り切れ。
            でも、私、ティーレマンとミュンヒェン・フィルで同じ曲を鑑賞した事がある。

            そう言えば、ティーレマンのシューマンも、以前に聴いたなぁ。
            考えてみると、この指揮者、ロマン派だけしかコンサートで取り上げないような気がする。
            ベートーベン、ブルックナー、シューマン、リヒャルト・シュトラウス・・・
            バイロイト音楽祭で名をあげた人だから、ワーグナーも得意なのだろう。
            でも、それ以降の音楽を指揮したのを聴いた事がない。

            別にティーレマン指揮のリゲティとかクルタークとか聴かなくても良いが・・ (笑)

            個人的な好みとしては、オールラウンダー(ベルトラン・ド・ビリーとか)か
            近代・現代曲が得意な指揮者の方が好きなのだが
            得意な分野の曲しか指揮しない、という人が居ても、別にかまいません (^.^)


            真夏日

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              今週の月曜日と火曜日は、コンサートお休み。

              ひたすら行きまくって、後でカレンダーを見たら
              連日・連夜の夜遊び状態で
              加えて、ちらっと書いた通り、ちょっと仕事が凄まじい事になっていて
              (↑ 遊び過ぎ、というご批判、謹んでお受けします(自爆))

              ま、それはともかく・・・

              2時間寝て、朝一番の列車に飛び乗ってザルツブルクへ。
              仕事です、仕事 (^^;

              ウエディングのアテンドで、一番悩むのは、夏の服装。
              冬は、普通のスーツに愛用のユニクロの丸首セーター
              コートを着て、全然問題はないのだが

              夏になると、ううう、いったい何を着るべきか、悩む。

              だって、花婿さんは、どんなに暑くても
              一応、3つ揃えの燕尾服だとかを着用していらっしゃるわけだし
              ご親族も、ちゃんと、それなりの服装で参列なさる。

              その中に私が一人、ぱっぱらぱ〜の服を着ていては失礼だし
              第一、日中、どんなに暑くなると言っても
              朝5時半には自宅を出るのだから、その時は肌寒いくらい。

              ザルツブルク到着。
              ううう・・・ 暑くなりそう・・・

              新郎新婦は、ウエディングの後、馬車での遊覧が入っている。

              「暑くなりますし、会場の近くはスーパーがないですから
               ペットボトルに水を入れて持っていって下さいね」

              いやいや、本当に暑かった。
              日陰でも30℃は越えていたと思う。
              限りなくぱっぱらぱ〜に近い、できそこないスーツっぽい服装の私でさえ
              (どんな服、って聞かないでね)
              馬車を待っている時に上着は脱いで、それでもゼイゼイ言っていた有様。

              馬車の後はウエディング・ランチ。

              え〜っと、お客さまは喜ばれたから、結果オーライなのだが
              席は外のテラス。
              レストランの中は涼しい(冷房付き)が、でも暗いので
              テラスのランチは素敵ではあったのだが

              ともかく暑い!!!!
              いくら日陰とは言え、めちゃくちゃ暑い!!!!!!

              新郎さんは、頑張って上着を着ていたけれど
              だんだん、顔が赤くなって来るし、すごく心配。
              「脱がれた方が良いと思いますよ」 やんわり注意。

              食事は美味しかった。さすが高級レストラン。
              お客さまには 「はい、写真をどうぞ」 とお勧めするが
              もちろん、通訳の立場で 「私も写真撮ります」 というのはダメ (笑)

              よって、どうやってもグルメ記事にはならない(爆)

              猛暑の後は、オーストリア各地で、嵐が起こっているらしい。
              (現時点ではフォアアールベルクと、高地オーストリア州が大変な模様)

              夜にオフィスに帰ってきたら
              かなり風が強くなっていたから、もしかしたら、ウィーンも嵐が来るかな?

              明日も30℃を超える予想。

              オフィスには冷房あるもんね〜 と、月曜日に喜んでクーラーのスイッチを押したら
              「はっぱ、ダメよ。冷房入れないで!」
              「え?」
              「ダクトの掃除をしていなくて、この間、冷房を入れた時には
               スタッフ全員、インフルエンザでぶっ倒れたじゃない!」

              そう言えば、数週間前、次から次にスタッフが病欠していたのは
              一日だけ入れたクーラーのダクトの埃にインフルエンザ菌があったって事?! (*_*)

              うううん、オーストリアって、よくわからない。
              ちなみに、インフルエンザも風邪も、私を避けて通っているみたいだが・・・

              明日から、また連日の夜遊び予定 (^^)v ← 仕事はどうした!!! (自爆)

              ウィーン・フィル + ヴァレリー・ギエルギエフ

              0

                Wiener Philharmoniker
                指揮 Valery Gergiev
                Jean Sibelius (1865-1957) Symphonie Nr.1, e-Moll, op.39
                Igor Strawinsky (1882-1971) "Der Feuervogel" Ballett-Suite (1910)

                5月23日(土曜日)15時30分、5月24日(日曜日)11時の
                ウィーン・フィルの定期公演に、一番安い席で2回続きで行く。
                同じコンサートの連続聴き、という悪い趣味だが、同じ顔を何人か見たから
                この悪癖を持っているのは、きっと私だけではない(きっぱり)

                シベリウスの交響曲、2番だったら知ってるのに、よりによって1番。
                ううう、でも「火の鳥」なら知ってるぞ、と思ったら
                きゃっ、これ、火の鳥「組曲」じゃなくて
                本当にバレエ音楽として作曲された、最初の1910年版である。

                プログラムによれば
                ストラヴィンスキーは1911年に、このバレエ音楽をコンサート用に書きなおし
                1919年に新版の組曲として出しているそうだ。

                土曜日は端の席だったので、立ってギエルギエフの指揮振りを拝見。

                    ・・・ ますます禿げましたね (*_*) ← 失礼!

                頭頂部が見事にツルツルで、指揮の指示より、頭の上が気になる(こらっ!!!)
                シベリウスの交響曲1番は、ウィーン留学時代の影響が強く
                シベリウスらしいフィンランド的な要素に、ブラームスやブルックナーが混じる。

                ウィーン・フィル贔屓、というワケではないのだけど
                最近、続けてウィーン・フィルを聴いてみて
                やっぱり、あの響きの素晴らしさというのは否定できない。

                弦の柔らかさと厚みのもたらす音響の美しさは
                CD でも体験できないだろうナマの醍醐味である。

                いくら私が心の中で

                金儲けオーケストラと罵っても
                現代音楽が出来ない超コンサバな奴ら、と思っても
                (でも、ラトルの振ったリゲティはすごかった)
                団員が指揮者を選ぶ、異様にプライドの高い連中の集まりと思っていても
                メンバーの飛び抜けて豊かな生活を、嫉妬混じりで羨んでいたとしても

                やっぱり、このオーケストラが、世界の超一流である事はどうやっても否定できない。

                最近の睡眠不足が祟って
                (敢えて書かないが、ちょっと仕事で大変な事があって)
                土曜日は立って指揮を見ていても、立ったままで眠り込みそうな状態で
                バレエ音楽「火の鳥」も、その音響だけに圧倒されていた。

                日曜日の2回目は、ちょっと違ったアプローチで聴く事にする。
                どうせ、舞台は見えないし
                頭の中で音楽を「描いてしまえ」という試みである。

                実は、先日、シュライニング音楽祭の(私にとっての)最終日。
                ウィーンに帰るなら連れて行って、と主催者から頼まれたのが
                ウィーン劇場のプロダクション担当者。

                2時間のドライブの間、眠気覚ましに色々喋っていたら
                6歳の頃からオペラを聴いていて
                オペラの音楽を CD で鑑賞すると、舞台や衣裳、演出などが浮かんでくるのだそうだ。

                ま、それでなきゃ、プロダクション全体を演出する職業には就かないだろうが。

                では、私も、その真似をしてみよう・・・

                  無理(自爆)

                バレエは好きだが、もちろん何にも知らないので
                音楽からバレエの振り付けが思い浮かぶワケもない。

                だったら、ディズニーの「ファンタジア」で行こう(無謀)
                アニメだったら、何か思い浮かぶかも(無謀)

                  想像力・創造力ゼロ、感受性も限りなくゼロに近い
                  自分の才能のなさの再確認をしてしまった・・・(呆)

                そりゃ、王子様や火の鳥のモチーフは聴き分けられる(当たり前)
                ラブシーンだってわかるし(当たり前)
                他の鳥が、ぱぁっ、と散っていく有り様なんかも思い浮かぶ(当たり前)

                だから何なの? 
                ・・・ あぁ、ホント、私の芸術感覚の欠如は何とかならんもんか(なりません)

                無謀な視覚化には失敗したが
                でも、あれ、バレエ音楽なのに
                あの「音楽だけの雄弁さ」の凄まじさに圧倒される。

                確かに、もともとはフォーキンのバレエと一緒に鑑賞すべき音楽なのだろうが
                バレエなしの音楽だけの表現が、あんなに見事に情景を描き出し
                その響きとリズムの美しさで、一つの完成した世界を作ってしまう。

                しかも、技術的に完璧に近く
                実に細かい部分まで、すべて研ぎ澄まされて
                聴衆を、有無を言わせず「物語」と「音楽」の中にグイグイ引きずり込む。

                改めてウィーン・フィルの実力をまざまざと見せつけられた
                2回のコンサートだった。

                ついでの話だが
                実は「火の鳥」のバレエ、DVD で持っているハズ・・・と
                日曜日にあちこちひっくり返して、本棚の奥から、埃を被っている CD を見つけたが
                その間に、ウィーン経済大学のプログラムを紛失したので
                昨日の出演者について、詳細が書けなかったのだ。

                見つけた DVD は
                今回のコンサートの感動が少し収まって冷静になってから鑑賞予定。


                ウィーン経済大学オーケストラ

                0

                  ああああっ・・・・ (((^^;)(;^^) ))

                  ちょっと机の上の整理をしているうちに
                  せっかく買ったプログラムが・・・ 消えた・・・(汗)

                  よって、記憶に頼って書くしかない。

                  アマチュア・オーケストラのコンサートに、ミーハーの私は絶対に行かないのだが
                  知り合いの彼氏、しかもプロが出演するとなれば話は別。
                  更に、曲目が、ベートーベンのピアノ協奏曲5番と、ブルックナーの交響曲9番。

                  オーケストラ Akademisches Symphonieorchester Wien
                  指揮 Azis Sadikovic
                  ピアニストは新進ピアニストなのだが、プログラムがないので書けない。
                  知り合い曰く「一緒に学校に行った仲」=20代真ん中あたりだろう。

                  このアマチュア・オーケストラのメンバーの中心はウィーン経済大学の学生たち。
                  一部、他の専攻の学生や、音楽大学のメンバーもいるらしい。

                  うううん、アマチュア・オーケストラとしては、頑張っている。
                  そりゃ、プロ・オーケストラを聴きなれていると
                  きゃっ、というところも、おわっ、というところも
                  おいおい、というところもある(当たり前)

                  それでも全体的にまとまった演奏だったし
                  指揮者(これは音楽学生)もオーケストラも若いので
                  フォルティッシモでガンガンガン!!! と演奏するところは
                  エネルギッシュである。ちょっとヤケッパチとも言えるかも(笑)

                  日頃、プロの一流オーケストラばっかり聴いていると(あ、イヤミっぽい言い方 f(^^;))
                  どんなに難しいパッセージでも、難しさを感じさせず
                  「我々、プロだもんね、こんなの朝飯前よ、シロウトにこの難しさを悟らせてたまるか」
                  という矜持を感じさせるのだが
                  アマチュア・オーケストラの演奏を聴いていると
                  あらら、あはは、この部分って揃えるのが難しいんだ とか
                  このピアニッシモ、巧く出すのは実は大変なのね とか
                  普段、意識していない部分が聴こえて面白い。

                  集まったのは、学生仲間に、親に親戚にその友人たち・・・だろう。
                  コンサートが終わった後も、オーケストラ・メンバーと観客が
                  あちこちで歓談していて、それも微笑ましい。
                  (もちろん、我々もやった。知り合いの彼氏はやっぱり巧かった・・・)

                  たまに、こういう機会があると
                  いつも行っているコンサートの演奏家たちが
                  どんなに素晴らしい技術の持ち主かがわかる・・・というと、実にイヤらしいが
                  プロ・オーケストラの良さを再発見する、という意味と
                  ちょっとハラハラ・ドキドキして、手に汗を握ったりできる
                  アマチュア・オーケストラのコンサートの楽しさも悪くないなぁ、と思う。

                  厳しい大学の勉強の合間に
                  楽器の演奏技術だけではなく、オーケストラというチーム・ワークを学ぶ
                  将来の経営者たちに大きな拍手 (*^^)//。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆ パチパチ


                  動物たち シュライニング音楽祭 その (5)

                  0

                    Tierisches

                    Anneliese Fuchsluger – Flöte
                    Judith Paukovits – Klarinette
                    Christian Scholl – Violine
                    Kanako Mizukami-Gergov – Violine
                    Cynthia Liao – Viola
                    Luis Zorita – Violoncello
                    Werner Fleischmann – Kontrabass
                    Georg Kusztrich – Sprecher
                    Fei Duan – Chinesische Trommeln
                    Igor Gross – Chinesische Trommeln
                    Eduard Kutrowatz – Klavier
                    Johannes Kutrowatz – Klavier

                    Kuojie WANG                   Tiger gegen Kuh für Chinesische Trommeln
                    Frieder MESCHWITZ        Tier-Gebete für Sprecher und Klavier
                    David BALAKRISHNAN      Spider Dreams  Suite für Streichquartett
                    Alan RIDOUT                    Ferdinand der Stier für Sprecher und Violine
                    Camille SAINT-SAËNS       Karneval der Tiere  
                                                                    für 2 Klaviere und Kammerensemble

                    あっはっはっは (^O^)
                    ドイツ語がわかる方はプログラムで大笑いしているだろうが
                    舞台の上も、動物だらけ。

                    城壁の上には、ワニが赤い口を開けているし
                    右のピアノの上には黒猫と犬が鎮座していて
                    左のピアノの蓋の間からチータが顔を見せている。
                    譜面台にしがみついているのは、ネクタイまでしたお猿さんである。

                    もちろん、みんなヌイグルミだが(笑)

                    出だしは中国の太鼓2台で虎と牛の対決。
                    うわ〜、カッコイイ o(^o^)o

                    2台のピアノで演奏される「動物たちの祈り」は
                    スピーチが中心。ノアの箱舟に乗った動物たちが、神さまに祈る。
                    俳優さんが、衣装なんか全然ないのに、声としぐさだけで、各動物に「化けて」しまう。

                    猫の祈りは
                    「あのね、私、別にほっておいてくれれば良いの。
                     でもね、できれば、犬はいない方が良いわね」 なんて大笑い。

                    続く犬の祈りは「僕がおうちを守れるように」といういじらしいものだし

                    その他にも、ネズミや鳥や象などが登場して
                    それぞれ、最後に「アーメン」と言うのだが、いや、もう、すごく楽しい。

                    スパイダー・ドリーム(クモの夢?)は弦楽曲。これもカッコイイ。
                    難しい現代曲だが、音楽家たちが楽しんでいるのが、よ〜くわかる。

                    「牛のフェルディナント」は語りとバイオリン。

                    スペインで闘牛として生まれたフェルディナントは、闘うより
                    一人(一匹?)で、花の匂いを嗅いでいる方が好き、という牛で
                    これが、ちょっとした間違いで闘牛場に連れだされてしまう、というお話。
                    フェルディナントのテーマが、もう可愛くて可愛くて(バイオリン演奏のテーマ)
                    お話は悲劇かなぁ、と思っていたらハッピー・エンドでホッとする。
                    俳優さんのしぐさが、めちゃくちゃ可愛くて
                    フェルディナントが花の匂いを嗅ぐところなんて、実にリアル。
                    参りました。脱帽ですっ!

                    最後はご存知、サンサーンスの「動物の謝肉祭」
                    室内楽バージョンだが、これも語りが入る。
                    (数年前にも、この音楽祭で取り上げた曲と語りで、今回が2回目の上演だと思う)

                    言葉で伝えられる動物たちのカーニバルの様子と
                    室内楽で演奏されるサンサーンスの音楽が相まって
                    目の前に情景が浮かんでくる。

                    アンコールも弦楽で楽しい曲を2曲演奏してくれて
                    我々、観客は顔が緩みっぱなし。
                    でも、演奏している方も、すごく楽しそうで、ノリノリ・ニコニコ状態である。

                    マジメな?クラシックから、現代音楽にクロス・カルチャー
                    かと思えば
                    「いったい、こんな曲、何処で見つけてきたの?」という曲まで
                    1週間の間に、こんなバリエーションがある音楽祭は他には存在しないだろう。
                    毎日通っても、全然、退屈しない所以である。

                    残念ながら、私のシュライニング通いは今回が最後。
                    土曜日23日にフィエスタという最後のコンサートがあるが、これには行けない。

                    毎日、仕事の後、往復260キロを飛ばして行っただけの甲斐はあった (^^)v


                    室内楽の夕べ シュライニング音楽祭 その (4)

                    0

                      Große Kammermusik

                      Judith Paukovits – Klarinette
                      Christian Scholl – Violine
                      Kanako Mizukami-Gergov – Violine
                      Cynthia Liao – Viola
                      Luis Zorita – Violoncello
                      Werner Fleischmann – Kontrabass
                      Eduard Kutrowatz – Klavier
                      Johannes Kutrowatz – Klavier

                      J.S. BACH                   Konzert für 2 Klaviere und Streicher c-moll BWV 1062
                      Johannes BRAHMS     Trio a-moll op. 114 für Klarinette, Violoncello, Klavier
                      Joseph HAYDN            Konzert für Klavier und Streicher F-Dur Hob. XVIII:3
                      Darius MILHAUD         Suite op. 157 für Violine, Klarinette, Klavier
                      Joseph HAYDN            Trio G-Dur Zigeunertrio Hob. XV:25
                                                              für Violine, Violoncello, Klavier

                      現代音楽とクロス・カルチャーを中心にした2回のプログラムの後は
                      伝統的な正統派クラシックもある、というのが、この音楽祭の良いところ。

                      始まる前に舞台に立ったオーガナイザー。
                      「携帯電話を切って下さい」かな?と思ったら
                      プログラム変更!!!
                      ハイドンのピアノと弦楽器のコンチェルトの代わりに、2台のピアノによる
                      ブラームスの変奏曲を演奏するとのこと。

                      ははぁ・・・
                      リハーサルで、満足のいく結果が出なかったのね・・・

                      そういう事もあるだろうが、それでもムリヤリ演奏する音楽家が多いなか
                      思いきってプログラム変更する、という判断が下せるのもプロ。

                      ダリユス・ミヨーの作品が・・・ うわ〜ん、楽しい \(^O^)/
                      クラシックとして「楽しめる」最後の時代なのかもしれない。
                      現代音楽は、あまりに遠くまで来すぎて
                      時々、芸術家(=難しい音楽が理解できる作曲家と演奏家)の
                      自己満足に終わっている時がある(と思う)

                      ハイドンの「ジプシー・トリオ」は3楽章が有名だが
                      バイオリンのクリスティアン・ショルの名人芸が楽しい。
                      ショルはドイツ生まれの若いバイオリニストで、見た目もハンサムなお兄ちゃんだから
                      ジプシーの血なんて一滴も入っていないハズなのに
                      あなた、前世はもしかしてジプシーでした?と聞きたくなっちゃう感じ (*^^*)

                      シュライニング音楽で私が愛するのは
                      コンサートの前や休憩時間に、建物の外側を歩くと(そこしかタバコが吸えない)
                      スタジオ(リハーサル室)に面しているので
                      音楽家が本番前に練習していたり、合わせていたりする音が聴こえてくるところ。

                      古城の蔦の這う壁と、緑の多い回廊を、これから聴く音楽のフラグメントに囲まれながら
                      コンサートにワクワクする、というのは、とても、とても、贅沢な時間だと思う。


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