楽友協会チケット売り場に行列する・・・の巻

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    明日から3月・・・という土曜日。
    会社の、1週間基本労働時間は38時間30分(昼休み除く)なので
    (註 ・・んな基本労働時間、ハナから無視です)
    土・日曜日は休みなのだが・・・

    朝7時前に起きて向かったのは

         楽友協会

    朝8時からコンサート・・・があるワケがない(爆)
    本日は、とあるコンサートの会員チケット発売初日なのだ。

        (*_*)

    朝8時なのに、この寒いのに、しかも雨降りそうな天気なのに
    ご老人が1人、チケット売り場の入り口に立ってる。

    「もしかして、並んでます?」

    ・・・ というワケで、8時前に行ったのに、2番だったが
    チケット売り場のスタッフは3人いるはず。
    という事は、うまく行けばチケットは取れる・・・かもしれない。

    実はこれ、お仕事なのだ。

    その「例のコンサート」 何故か「4枚お願いします」というオーダーが入ってしまって
    あまり考えずに、会員発売が2月28日ですからトライしてみますね、なんて
    気楽に言ったのが運の尽き。 あちゃ〜っ (((^^;)(;^^) ))

    先週、楽友協会に電話して聞いてみたら
    「ほんの数枚、残っているだけ。会員一名につき最高4枚まで」

    へ???

    「あのっ。チケット売り場が開くのと、インターネット販売が始まるの
     同時ですよね? どっちがチャンスが多いですか?」
    「その時の状況だから、わかりません」
    「で、会員1名につき4枚って・・・ お客さまが4枚オーダーしているんですが
     実はワタシも個人的に1枚欲しいんですけど」
    「会員1名につき4枚。これは決定事項」
    「あのね、私、年に何回、オタクのコンサートに通ってると思います?(喧嘩腰)
     私の分はオルガン・バルコンの一番安い席で良いんですけど」
    「(ちょっと沈黙) オルガン・バルコンなら例外的に認めても良い・・・かも・・・」

    それでは、ダブルでトライだ。土曜日は休みなのに、厚かましく同僚にお願いする。

    「お願い、朝8時55分頃にインターネットに入って
     私の名前でログインして、10秒ごとに更新して、9時ぴったりに入って
     チケットを確保してくれない?
     私はチケット売り場で並んで、状況を電話で知らせるから」

    1時間ちょっと、マーラーの交響曲を聴きながら文庫本(もちろん日本語)読んで待つ。
    その間に、チケット売り場の前には、次から次へと、年配の方々がやってくる。
    (どこかで見かける顔ばっかりじゃん・・・ ← みんなオタク仲間だ)
    9時までに、約30人が群れをなす。なんか、ちょっと殺気だって、コワイ。

    9時ピッタリに入って
    「続きで一番良い席を4枚!!!」
    スタッフ全員が、どのコンサートかは知っている。
    「平土間3列目4枚、110ユーロ」  「買ったっ!!!」

       ・・・築地の魚市場か、ここは???

    同僚に電話して「買えたっ! インターネット降りて良いよ」
    「はっぱ、あのね、まだインターネットで発売になってないよ」

    支払いしてチケットをもらっている時に
    「ところで、私の分、オルガン・バルコン1席、何とかならない?
     個人のだから、領収書要らないから」
    「オルガン・バルコン1列目の5番だけど良い」  「買ったっ!!!」

      うほ〜っ! やった v(^^)v

    しかし・・・
    何で、こんなに人気なのかね?? ← と言いつつ、私も行くのだが・・(自爆)

    チケット抱えて会社に行って
    会社のコンピュータから楽友協会のインターネット・サイトを調べたら
    午前中の時点(しかも一般発売も始まっていない時点)で
    立ち見席しか残っていなかった。

    そのコンサートとは何か・・・






    ウィーン・フィル
    指揮 クリスティアン・ティーレマン
    ベートーベン 交響曲3番と4番


    トーンキュンストラー+ミハイル・ユロフスキ

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      Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
      指揮 Michail Jurowski
      バイオリン Choloë Hanslip
      Igor Strawinski (1882-1971)
           Ballettsuite “Jeu de cartes” (1937)
      Benjamin Britten (1913-1976)
           Konzert für Violine und Orchester d-moll op.15 (1939)
      Pjotr Iljitsch Tschaikowski (1840-1893)
           Symphonie Nr.4 f-moll op.36(1878)

      さすがに金曜日になると寝不足がコタエてくるのだが
      Jurowski (お父さんの方)が振るなら行かねば・・・
      (息子はロンドン・フィルの首席 ヒマな人は ここ
      昨年のストラヴィンスキーとチャイコフスキーで
      すっかりファンと化している (本当にヒマな人は ここ

      脇のバルコン席がガラガラで
      舞台の見えるオーケストラの脇に席を移したのは
      良かったのか悪かったのか・・・・

      シロウトのくせに、すご〜く、ものすご〜く、ナマイキな事を書くから
      読者の方々は怒らないでね(オネガイ)
      席が違うから、当然、音響も違うのだと思うし
      素人は先入観に騙されやすいし

          やっぱり、音が違う・・・

      1週間の間を置いて聴いてみると、そんなに違いがあるとは思わないが
      続けて聴いちゃうと、ちょっとアンサンブルが粗いというか(以下省略)

      ストラヴィンスキーは楽しかった。
      ユロスフキーの巨体が揺れて踊って、肩がチャーミングに上下する。

      さて、コンサートは、何が起こるかわからないのが醍醐味。

      2曲目のベンジャミン・ブリテンのバイオリン協奏曲。
      バイオリニストは1987年生まれ。今年22歳!!

      ううう、ブリテン、イアン・ポストリッジのお蔭でちょっとは聴けるようになったものの
      ちょっと、まだ、苦手。
      寝不足が加わって、目が半分閉じて、開けて、の厳しい状態で聴いていたら

         ぶちっ!!!

      と音がして3楽章の途中で、ソリストのバイオリンの弦が切れた (*_*)

      すかさず、自分のバイオリンをコンサート・マスターに渡し
      素早くコンサート・マスターのバイオリンを抱えて、そのまま演奏。
      コンサート・マスターは、弦の切れたバイオリンを後ろに渡し
      後ろのバイオリニストから楽器を受け取って、そのまま演奏。

      で、2列目のバイオリニストが3列目に渡し
      3列目が4列目に渡し、4列目が5列目に渡し・・・

      ・・・という事が起こったら面白かったのだが(こらこら!)
      バイオリンは2列目の内側のバイオリニストのところで止まった。わっはっは。
      (もちろん、この人はその部分から最後まで弾かずに、バイオリン持って座っているだけ)
      お陰で(?)、目がバッチリ醒めた(笑) ← 演奏家には笑い事ではないだろうが f(^^;)

      やっぱり、みんな、プロなんですねぇ。
      よく、ソリストはアンコールをするが
      さすがに自分のものでない楽器ではできないだろう。よって、アンコールはなし。

      後半のチャイコフスキー、交響曲4番。

      すみません、最初の金管楽器のユニゾンで
      ホルンの1台の1音がひっくり返ったんですけど・・・

      ホルンがひっくり返りやすいのは、よ〜くわかっているが
      最初のあの部分で、あれは、ちょっと、あの、やっぱり、マズイような気が・・・
      その後は注意深く?なって、ミスなしで通したが(一ヵ所、ちょっと危ないところも・・)

      鳴らすところは充分に鳴らした演奏だったけれど
      意外や意外に、アッサリ目にまとめた印象。
      フォルティッシモ、ちょっと鳴り過ぎで、音が団子状だったが
      これは、私の席が悪かったのだろう。
      ギャラリーとかで聴いていたら、あのバランスは良かったのかもしれない。
      何せ、私、チューバの真上でしたから f(^^;)

      同じプログラムで5回予定されているうちの最初のコンサートだったから
      最後、5回目のコンサートに行ったら、かなり違うのではないか。
      ちょっと、いや、あの、ものすごく興味が掻き立てられる。

      来週、3月4日に、もう一度、同じコンサートに行こうかどうか・・・迷う (-"-;)
      (3月4日は久し振りに水曜日にコンサートがないので
       エッセル・コレクションに行こうかと思っているのだ)

      無料の現代美術が勝つか、トーンキュンストラーが勝つか
      心の中での葛藤は続く。財布とも相談しなくちゃ。


      ウィーン交響楽団+フリューベック・デ・ブルゴス

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        Wiener Symphoniker
        指揮 Rafael Frühbeck de Burgos
        ホルン Hector McDonald
        Joseph Haydn (1732-1809)
             Symphonie G-Dur, Hob.I:100  “Militär-Symphonie”
        Joseph Haydn : Konzert für Horn und Orchester D-Dur, Hob.VIId:3
        Ludwig van Beethoven (1770-1827) Symphonie Nr.3 Es-Dur op.55 “Eroica”

        昨日はヘンデル (1685-1759) で、今日はハイドン (1732-1809)
        バロック続きで、普通なら辟易するところ・・・のハズなのだが

          うわ〜、楽しい o(^o^)o

        ウィーン交響楽団の音って、何て明るいの。

        ハイドンの「軍隊交響曲」を、輝くような音色で演奏。
        もちろん、編成も楽器も、当時とは違うので
        当時のオリジナルな音色ではあり得ないけれど
        ピリオド奏法とかが流行している現在に、こういう音色で演奏されると
        それはそれで、現代にものすごく合った演奏ではないかと
        自然に納得できてしまう。

        ホルン協奏曲は、これまた、ありゃりゃ。スゴイ (◎o◎)
        各楽章に必ずソロが入る。
        あの時代のホルンって、もっと原始的な楽器だったはず。
        それで、こんな曲が作曲された、というのは
        ハイドン時代に、そんな超絶技巧をこなすホルンの名人がいたんだ。

        アンコールに一曲。
        ホルンなのに、チューバの音、トランペットの音・・・ すごい技巧でビックリ
        ああ、驚いた。 ぜいぜい・・・

        ハイドンは私にとっては
        ブルゲンラントの「音楽の風景画家」である。

        こちらに来て、ブルゲンラントにちょくちょくドライブに行くようになってから
        遥かに広がる平原、広大なステップ湖と周囲の湿原、パノニアの気候
        ちょっと湿気を含んだ空気に、息を飲むほど美しい夕日など
        あの、言うに言われない空気と雰囲気を肌に感じると
        ある日、突然、ハイドンの音楽が、ストンと落ちる。

        「軍隊」はロンドン・セットの一曲だから
        すでに、世界(=当時はヨーロッパ)全体に通じるグローバル性を備えているが
        でも、ハイドンの曲は、「人を楽しませるため」の音楽だ。
        アクの強い自己主張ばかり目立つ曲とは違い(← そういう曲、すごく好きだけど(笑))
        ともかく、聴衆を如何にして楽しませるか、というのが第一義になっていて
        しかも、聴衆は、いわゆる貴族社会だから
        どこまで行っても、何とも上品なユーモアが漂う。

        何も、音楽を聴きながら
        人生を振り返ったり、形而上の問題に悩んだりする必要はないわけで
        (いや、そ〜いうのも好きだけど ← 節操なし (;^_^A アセアセ)
        当時は車もテレビも CD もコンピュータもないので
        貴族にとって、音楽というのは、えも言われぬ楽しみだったのだ。
        我々も当時の貴族の気分になって
        ただ、もう、ひたすら、音色とメロディと茶目っ気とユーモアを楽しめば良い。

        ベートーベンの交響曲3番「エロイカ」はスコアを見ながら鑑賞させてもらった。

        実は事前にスコア見ていなくて(こらっ!)
        幕間に、え〜っと、ここで繰り返しが入るから・・・とチェックしておいて

            第一楽章の最初の繰り返し、省略したっ!!!!! (*_*)

        一瞬、あれ? と慌てて
        その先をめくって、何とかその後も辿っていったけど(冷汗 (^^;)
        その後は疑心暗鬼になってしまって、3楽章のトリオなんか
        繰り返しするかしないか、ドキドキものだった(ここはちゃんとリピートした ホッ)

        3楽章のホルンだが
        あっはっは、さっきのホルンのソリストに対抗心燃やしました?
        すごいリキの入ったソロ(というか正確にはドゥオだが)だった (^O^)
        あのテンポであのソロで、1音か2音だけの微妙なミスだけで完璧だったのは見事。
        (もしかしたら本当はミスしていないのかも。でも1音かすったような気がするんですが)

        すごかったのが4楽章のフィナーレの最後で
        プレストの途中でズレッとなって
        きゃ〜っ、ズレたっ、と思ったら
        オーケストラが力任せでグイグイ演奏しちゃって
        そのまま最後の数小節で無理やり合わせて、立派なエンディングになっちゃった。

        うわ〜、これって、さすがにオーケストラの実力・・・(感激)

        スコアを追っていると、どうしても分析的に聴いてしまうので
        解釈だの音楽だのが二義的なものになってしまうのだが
        日本にいる時に、読売交響楽団でよく指揮を拝見した
        ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス
        お歳は召したけれど、まだまだ、祝・ご健在 v(^^)v


        ヘンデル 「パルテノペ」

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          Partenope
          作曲 Georg Friedrich Händel
          指揮 Christophe Rousset
          演出 Pierre Audi
          Partenope : Christine Schäfer
          Emilio : Kurt Streit
          Arsace : David Daniels
          Rosmina : Patricia Bardon
          Ormonte : Florian Boesch
          Armindo : Matthias Rexroth
          オーケストラ Les Talens Lyriques

          新聞評が非常に好意的だったので、期待して出かけた
          ウィーン劇場でのヘンデルのオペラ。
          上演時間4時間とあったし、以前もバロック・オペラはそんなモノだったので
          昼食はたくさん食べて、夕方5時頃にケーキも食べて、ウィーン劇場に向かう。

          大傑作じゃん、これ!!!!!!  \(^_\)(/_^)/

          まだ2月後半から3月前半にかけて上演されているから
          ウィーン劇場のマワシモノではないが、オペラ好きな方は是非どうぞ。

          評には「ヘンデルの42のオペラの中の最高傑作」とあった。
          ヘンデルのオペラは、アリオダンテしか観ていないので
          シロウトは何も言えないが
          次から次に歌われる、ドラマティックで技巧満載のアリア
          耳も奪うが、心も奪う。
          バロック音楽が、こんなにドラマティックになり得るなんて誰が考えただろう。

          ロスミーナの嫉妬心、復讐心、でも、まだ残っている愛や
          2人の女性の間で引き裂かれるアルサーチェの超絶技巧のアリア
          恥ずかしがり屋で愛をなかなか告白できないアルミンドの若々しさと可愛さ
          自信たっぷりのエミーリオ

          いや、もう、ホントに4時間近く(休憩2回を含む)の間
          一瞬たりとも退屈させず、舞台に釘付け。

          演出は完全に現代になっているが、これがスグレもの(きっぱり)
          シンプルな舞台装置ながら、回転舞台を使い
          上と下を分けて、それぞれの場面にふさわしい情景を作るとともに
          アリアの間に演じられる脇の「劇」も、筋に深みを与えて考え深い。

          筋は単純・・・というか、まぁ、何というか(困惑)

          めちゃくちゃ美人でモテるパルテノペという高慢ちきな女が侍らせている男の中に
          ロスミーナという女性を袖にしてパルテノペに乗り換えた、アルサーチェという男がいる。

          ロスミーナは男装してパルテノペに近づき
          事ある毎に「私を振って乗り換えた事をバラしてやる」と
          アルサーチェを脅かすので、アルサーチェは気の狂う一歩前。
          (ちょっと妖しげなのだが、男装ロスミーナはパルテノペをくどいたりする・・・きゃっ、うふ)

          最後にアルサーチェと男装したロスミーナが決闘する事になるのだが
          アルサーチェが「決闘するなら、上半身、裸になれ」と言うので
          ロスミーナが女性で、アルサーチェにフラれた女だという事がバレてしまう。

          いや〜ん、世の中の男って信じられないっ!!!

               というところで幕。

          それで、延々4時間(笑)

          自信満々のエミーリオがパルテノペと争って負けたり
          (ここは迷彩服で銃を持って、2つのグループが「戦争ごっこ」をする)
          ロスミーナを慰めようと身体に触れたら、女性だと気がついて
          最後はロスミーナにエミーリオが惚れたり
          (ちなみに、これは原作にはないと思う。
           演出だが、うまく嵌って、実にリアリティがある)
          ちょっと脇の話もある。

          自業自得とは言え、昔の女にずっと付きまとわれているアルサーチェが
          かなりノイローゼになって歌うアリア(2幕目の幕切れの前)は

          「人間ってあんなにコロコロ、声が出せるのか?!」(目が点)

          と言う程の超絶技巧で、ともかくスゴイ迫力。

          そんなコロコロ声のカウンター・テノールが
          3幕でロスミーナ懐柔のために歌う愛の歌が
          今度は、しっとり、美しく、一筋の悲しみも籠めて
          もう、心にズッキ〜ンと響くのである (会場 し〜〜〜〜〜ん、だった)

          パルテノペ役のシェーファー(ソプラノ)は美人だし、もちろん声もきれいだし
          テクニックも抜群で、キレイでモテて、男3人を手玉に取る役に
          ぴったりだったし
          ロスミーナ役のバルドン(メゾ)はズボン役がカッコ良くて
          技巧に加えて、その迫力は圧倒的。

          2人のカウンター・テノールは、何とも贅沢 (*^^*)

          アルサーチェ役のダニエルス(カウンター・テノール)、抜群に上手い。
          髭をしっかり生やした、見た目、そこらへんにいるオヤジが
          あんな高い美しい声でドラマティックに歌い上げるんだもんなぁ(感心)

          アルミンドのレックスロート(カウンター・テノール)は、可愛い坊やという感じで
          初々しく、カウンター・テノールで愛の告白なんか歌われたら
          中年のオバサンの胸まで、キュ〜ンとなる。

          エミリオ役のシュトライトはモーツァルト歌手としても有名だが
          美しいリリック・テノールに、ワイルドさも加えて、実に魅力的。

          現代演出ながら、演出良し、ライト良し、舞台装置良しに
          歌手は粒ぞろい、オーケストラはめちゃくちゃ上手。最高の出来。

          カーテンコールの時に出て来た指揮者が
          ボータイで、もろにバロック時代の衣装を着ていたのに驚いて
          すわ、もしかしたらオーケストラのメンバーもバロック衣装か、と思って
          オーケストラ・ボックスを覗いたら、普通の衣装だったのでホッとした。


          ファッシングの火曜日

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            本社人事部からのメイル

            「経営陣との話し合いにより
             本日の業務は17時まで。ただし、各部、1名が残り
             通常の18時30分まで、かかってくる電話への対応をする事」

            ふ〜ん、本社で何か工事でもするのかな。
            まぁ、でも、ウィーンの支社は関係ないか。

            (知っている人は知っているが、ウチの会社の本社はウィーンではない)

            10分後に、ウィーンのグループ部のチーフからメイル

            「ラッキー(というスタッフがいる(註))が電話業務を引き受けてくれる。
             ありがとう、ラッキー。それでは、良い夕べを」

            は?!

            「ちょっと、ちょっと、何か、今日は17時で業務終了って、いったい何事?」
            「あら、はっぱ、今日はファッシングの火曜日よ」

            はぁ?!

            確かに本日は「ファッシングの火曜日」と言って
            11月11日からのカーニバルの最終日。
            (註 カーニバル=ドイツ語、ファッシング=オーストリア語 (笑))
            明日、水曜日は「灰の水曜日」と言って
            この日から、復活祭までは
            敬虔なカトリック教徒は、肉を食せず
            キリストの受難にならって、身を慎んで派手な事は避ける(はずだ、確か(疑))

            昨日はコンサートもなく、ぽっかり夜が空いたので
            万歳、とばかり、溜まった仕事を夜の11時近くまで片付けたので
            それでは、さよ〜なら、と17時で帰っても良かったのだが
            でも、明日の夜はオペラ(しかも4時間かかるらしい)だし
            ここでやる事をやっておかないと・・・ 17時では帰れません、ふん。

            今年は街にも出なかったし、買い物もいかなかったから
            市内の様子はよくわからないけれど
            この日は、仮装をした人たちが街の中に多い(はずだ)

            この不景気で、そんなにみんな、浮かれてはいないだろうが
            昔はウチの会社でも「仮装命令」が出ていた(ホントです)

            赤ちゃんの格好をした中年のふくよかな女性が
            おしゃぶり銜えてコンピュータの前に座っていたり
            インド人のターバンを巻いた男性が股下からヘビを覗かせて
            持っているフルートを吹くと、そのヘビが鎌首を持ちあげたりとか
            ちょっと、いや、かなり丸い体型の「みつばちマーヤ」が廊下を歩いていたり

            銀行に行ったら、悲しい顔をして囚人服を着た人が
            カウンターでお金を数えていたり

            コーヒーハウスでクレオパトラが注文を取りに来たり

            まぁ、他の国で本当に大騒ぎするところもあるらしいので
            それに比べれば、おとなしいモノだが
            でも、この日に何も知らずに街を歩く観光客は
            時々、ギョッとする・・・と思う。

            上司が、残業をしているラッキーとステラと私のいる部屋に入ってきて

            「あら、イタリア人に扮装した2人と(ラッキーとステラはイタリア人)
             アジア人に化けたスタッフが1人いるわ」

            と冗談にならん冗談を言った(全然面白くない) 
            その後、上司さまは、すぐお帰りになられたが・・・

            残業中にステラから
            「日本でもファッシングの大騒ぎはするんでしょう?」と言われ

            「いや、日本人はマジメなのだ。
             そういう、意味のないバカ騒ぎは避けるのが国民性なのだ。
             第一、日本はキリスト教じゃないぞ。
             神道と仏教だぞ。多神教だぞ。神さまは、たった1人ではなくて
             少なくとも、オーストリアの人口と同じ800万の神さまがいらっしゃる
             ありがたくも神々しい国なのだ」

            と、どこかの何代か前の首相が言ったような事を教えたのだが
            あんまり感心してもらえなかったような気がする。

            それでなくても、今日の新聞で、オーストリア国立銀行総裁の発言。

             「日本のような持続的な不況にならないよう
              政治家、銀行家などが一丸になって出来るだけの努力をする」

            これが、第一面に

            「日本の状態を避ける努力を」

            と、キャッチフレーズで堂々と載っちゃうんだもん。
            何か、すごく腹立つんですけど・・・


            私のキライな事

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               「今週は、出張続きで、超多忙。ほとんどウィーンにはいない」
              「う〜ん、もう少し、早く言ってくれれば良かったのに。
               じゃぁ、今週は会えないのね」
              「僕は君と違って、すごく責任のある仕事だし、忙しいんだ!」
              「だから、「会いたいわ」とか言ってないでしょ!
               私より、ずっと重要な仕事だ、というのは知っているけど
               自分だけが忙しいって主張するの、止めてくれない?」

                  不毛な喧嘩だ・・・(ため息)

              (私も仕事と趣味に忙しいし)そんなに貴方が忙しいのなら、別れましょ。
              ・・・と言ったら、僕が病気になったから捨てるのか、とか
              ワケわかんない事を言ってくるし(ため息) 何か、こう、よ〜わからん (-"-;)

              前置きが長いが
              こういう経過で、突然、月曜日が空いた。
              ついでに、火曜日も空いた。
              あまり行きたいコンサートとかオペラがないから、別に良いのだが・・・
              (水・木・金曜日は連チャンである(笑))

              読者多数の反感を買うのを承知で
              今日は「私のキライな事」を2点、ここで書いておきたい。

              *** 本当に、マジメに、本気で反感を買う内容なので
              覚悟ができている方だけ、続きをどうぞ(しかも長いし・・・・ (自爆))


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              ベルリン・フィル + サー・サイモン・ラトル

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                まだ雪が降っている・・・
                いつまで続くのやら(ため息) 車は置いて、市電で向かう。

                「あら、お宅さまもコンサート?」
                「今日はわたくし、コンツェルトハウスですの。お宅さまはどちらへ?」
                「サー・ラトルのブルックナーの9番を聴きに行くんです」
                「ブルックナー以外には何が演奏されるんですの?」
                「ストラヴィンスキーだか、プロコフィエフだかだと思いますが」
                「あぁ、ワケのわからない現代音楽ですのね」

                市電で私の前に座っていたご老人同士の会話。
                ついつい「メシアンですけど・・・」と言いたくなった(笑)
                  ↑ 「ドイツ語わかりません」という顔をして、黙って聞いている私(根性悪)

                Berliner Philharmoniker
                指揮 Sir Simon Rattle
                Olivier Messiaen (1908-1992)
                    "Et exspecto resurrectionem mortuorum”
                       Für Blasorchester und Schlagzeug
                Anton Bruckner (1824-1896) Symphonie Nr.9 d-Moll

                メシアン、最高!!!!!! \(^O^)/

                1964年の作品で、カトリックの信仰告白
                「われら死者の復活を待ち望む」というタイトルを持つ5部からなる作品は
                管楽器と打楽器のみの編成。

                管と打楽器だけなのに、ものすごい色彩と深い音色と
                人間の信仰に基づく形而上的な世界に加えて
                失礼な言い方かもしれないが、とても「生物的」な感じがする。

                自然と彼岸、神と生き物、すべての世界が聴こえてきて
                身体の細胞ひとつひとつを、鷲掴みにされて
                足からゾクゾク感が上がってきて、膝がガクガクする。

                こういう曲は、ライブで聴いてこその感激がある。
                打楽器も聴覚ギリギリのところまで音を響かせ
                通奏低音にあたるチューバの低い響きが、とても、とても、深い。
                宗教的でありながら、キリスト教に限定されない、未知なるものへの畏怖と
                自然、生物、宇宙という、この世の現象を余すところなく表現している。

                下手に演奏すれば、ただウルサイだけになる危険性のある曲を
                楽友協会の残響を充分に生かし、あの深さまで表現しきった
                オーケストラ・メンバーと指揮者に脱帽である。

                後半のブルックナー、交響曲9番。
                舞台の見えない席でスコアも持たず、音に集中してみた。

                ありゃ????

                第1楽章の第2テーマで・・・
                ギョッ (*_*) 弦と管が・・・ ずれる・・・
                弦のアンサンブルも微妙に揃わず、かなり遅めのテンポに
                管のテンポが微妙に速い(ような気がする)

                第2テーマは何回か繰り返されるが
                そのたびに、ヒヤヒヤする。ちょっと、ちょっと、崩壊しそうな危うい感じ。

                    そういう解釈なのかもしれないが・・・ (疑)

                ちょっとビックリしたので
                第2楽章では立ってラトルの指揮姿を拝見。

                あらま・・・
                テンポ、全然取ってないじゃん・・・

                途中のトリオ部分だけは指揮にもリズムが見えたけれど
                あの2楽章で、テンポはオーケストラに任せっきり。
                ほとんど振らず、表情をつける事だけに専念。
                さすがにアインザッツだけは出すが。

                不協和音の続く、例の有名な場所も、指揮者はテンポを取らず
                キレがなく、重い、引き摺った音になった。そういう解釈なのだろうが・・・

                第3楽章でも、ほとんど指揮棒は振らず
                苦悩の表情、歓喜の表情・・・ 表情が見えるから意図がわかるが
                普通の席にいる観客には、何も動きは見えなかっただろう。

                オーケストラに任せる、という立場なのかもしれないが
                あそこまでズレまくると、ちょっと・・・ (-"-;)

                ただし、曲の表情に専念した結果
                あの、男性的な、高性能マシーンのようなベルリン・フィルの音が
                非常に柔らかく、思いがけないほどニュアンスに満ちた音楽を奏でたのは、スゴイ。

                もしかしたら、リハーサル不足だったのかなぁ、とも思うが
                そういう解釈だったのかもしれないし
                多少、ヒヤヒヤするブルックナーだったとは言え
                もともと、硬質な音を持つオーケストラから、あれだけ柔和な表情を引き出したのは
                称賛に値するけれど

                サー・サイモン・ラトルって
                カッコイイし、ハンサムだし、ヘア・スタイルも好きだし(関係ないか)
                現代音楽を振らせると、すごく巧いのだが

                でも、やっぱり、掴みどころのない不思議な人だ。
                (ま、それが良い処なのかも)


                カフェでランチ

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                  絶対音感のある人は、「絶対」味覚もあるらしく
                  確かにプロの音楽家の方々は、美食に命?をかけている方が多い。

                  絶対音感も狂いっぱなしなら、味覚も狂いっぱなしの私は
                  正直、食べるモノに関して拘った30歳代を越えたら(そういう時期もあったの)
                  まぁ、空腹が満たされればそれで良し、という単純な人間だが
                  それでも、外食するなら、やっぱり美味しいモノが食べたい。

                  エージェントさんがいらっしゃって
                  2日続けて、カフェでランチ (^^)v

                  まずはカフェ・ツェントラール
                  建物はフェアストル宮殿と呼ばれているが
                  実はフェアストルは、この建物の建築家で、貴族でも何でもない。
                  建物そのものは、もともと証券取引所+ウィーンで最初のショッピング・ギャラリー。
                  イタリアのベネチア風の建築物で、とても雰囲気がある。

                  カフェとは言え、ちゃんと食事もできるし
                  もちろん、アルコール飲料(ビールやワイン)もある。
                  メニューはシーズンによって変わるが
                  現時点ではコレ(英語もある)

                  お昼のメニューは週替わりで別刷り。2コースで8ユーロ90セント。
                  来週のメニューは ここ
                  ウィーンの場合は、これに飲み物をオーダーして、チップを入れると
                  まぁ、一人15ユーロくらいは必要だろうが、それでもお得。

                  金曜日だったので、週替わりメニューは
                  ベジタリアン用 トマトの詰め物 か、お魚のフライ。
                  軽いけれど、デザートがセモリナ粉のお団子にワイルド・ベリーで
                  意外にお腹にずっしりくる。
                  ケーキも食べようかと思ったが、お腹いっぱいになって無理 (ちぇっ)

                  ここは入ったところがカフェで、奥がレストランになっているが
                  いつでも満杯で、席の確保が困難なので、事前予約をお勧め。
                  外国人観光客も多いので、ウエイター、ウエイトレスには英語が通じる(と思う)

                  夕方からは、ピアノの生演奏もある。
                  22時まで開いているので、もちろんディナーもできる。
                  (お得なセット・メニューはないので、アラカルトでちょっと高くなるが)

                  土曜日のお昼は
                  カフェ・コンディトライ・オーバーラー

                  「コンディトライ」と言えば、基本的には「お菓子屋さん」だが
                  ちゃんとサンドイッチも、軽い食事も、週替わりのセット・ランチもある。
                  今週のランチは、コンソメ・スープに、メインは
                  レッチョ(ラタトイユのようなもの)付きのロースト・ビーフか
                  サーモン入りのクリーム掛けニョッキ。

                  2コースだけ書いてあったので
                  「後でケーキを食べましょうね」と話していたら
                  メインの後、可愛いウエイトレスさんが、小さなクラプフェンを
                  「これ、メニューに付いているデザートよ」と持って来た(驚)
                  (クラプフェンについては、探索したら、こんなに画像が出てきた・・・)

                  これも、ファッシング(カーニバル)の季節によく食されるものだが
                  現代では一年を通じてある。パン屋さんにもよく売っている。

                  中はジャムが入っているのが通常のクラプフェンだが
                  ちょっと割高になるけれど、私はクリーム入りの方が好き。

                  「カフェでのランチってお洒落ですね」とエージェントさんはおっしゃる。
                  ちょっと気の張るレストランより
                  軽いものから、メニューまで選択肢が多くて、気軽に行けるカフェは私も好き。

                  で、オーバーラーに入るのが、私にとって危険なのは
                  ここのショップには Caramelplätzchen というお菓子があって(お持ち帰り用)
                  これ、ナッツをバター生地のキャラメルで固めて薄く焼いただけのお菓子なのだが
                  実はワタクシ、このお菓子の中毒なの (-_☆)

                  6ユーロ90セントもするので、そんなにたびたびは買えないが
                  買ったら、1日で無くなる。
                  ボロボロ割れがちなお菓子だが、最後の一かけまで食べる。
                  (もちろん、誰にもあげないっ!!! ワタシのモノよっ!)

                  人によっては、甘過ぎると思われるかもしれないが
                  ナッツの香ばしさがバターと相まって、もう、えも言われぬ美味しさ。

                  ううう、また、ついつい買ってしまったわ。
                  今月は、来週から緊急縮小財政対策を取らないと
                  月末がキツイ(自爆)← お菓子食べてなさいっ (x_x) ☆\(^^;) ぽかっ


                  ラジオ・シンフォニー・オーケストラ (楽友協会 定期公演)

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                    まだまだ吹雪が続いている。
                    ・・・ 週末も雪だそうで、いったい何時まで続くやら(ため息)

                    Radio-Symphonieorchester Wien
                    指揮 Hugh Wolff
                    パーカッション Martin Grubinger
                    Luke Bedford (*1978) Outblaze the Sky (オーストリア初演)
                    Avner Dorman (*1975) Frozen in Time, Percussion Concerto (オーストリア初演)
                    Felix Mendelssohn Bartholdy (1809-1947) 
                        Symphonie Nr.3, a-Moll, op.56 "Schottische"

                    ラジオ・シンフォニー・オーケストラのチクルスが好きなのは
                    初演作品(=現代音楽)が多いから。
                    今回も、若手作曲家2名の作品の初演。
                    指揮者は今年56歳になる中堅どころ、フランス生まれのアメリカ人。

                    いや〜〜っ、良かったですっ!!!
                    ラジオ(オーストリア国営放送1番)でライブ放送をしていたみたいだけど
                    前半の若手作曲家2名の作品が、もう、スグレもの!!! \(^O^)/

                    Luke Bedford の Outblaze the Sky は2006年の
                    ロンドン・シンフォニー・オーケストラの委嘱作品。
                    グリサンド、トレモロ、ヴィヴラートを多用して
                    「暖かいあいまいな感じ」を表現したもの、だそうだ。

                    うわっはっは、音響オタクには、たまらん (*^^*)
                    様々な色彩(しかもパステル色)を見せる音の雲が
                    ふんわり、会場のあちこちに漂う (^_-)v

                    こういう曲は、正にホールでライブで聴くのがベスト。
                    これを CD で聴いたら、たぶん、ただの「雑音」だと思う(極論失礼)
                    温かい残響の楽友協会だからこそ、あのフワフワの音の雲が見えるのだ。

                    まぁ、リゲティの作品とどう違うの? と言われれば言葉に詰まるが(爆)

                    Avner Dorman はテルアビブ生まれ。
                    パーカッションとオーケストラのための Frozen in Time は
                    大陸をテーマにした3部構成。

                    パーカッションの Martin Grubinger が大活躍。
                    ドラムにティンパニ、マリンバにヴィヴラフォンなど
                    会場の右側にずらっと並べられた打楽器の間を、あちこち移動しながら
                    ものすごい名人芸を繰り広げてくれる。

                    この作品、聴き方によってはポピュラー音楽なのだろうが
                    いや、もう、エネルギー溢れてテンポ良くて、2部目のメロディが美しくて
                    ジャズやロックの要素までガンガン入って、聴いていると、無意識的に身体が踊りだす。

                    やっぱり、アレだ、リズムって「動物的本能」を刺激する。
                    日本の太鼓がウケるのも同じだが、感情よりもっと本能的なものに
                    直接、訴えてくるところがある。理屈じゃなくて・・・

                    何故か、1部の終わり、2部の終わりで大拍手が・・・
                    普通、3楽章あったら、楽章の間では拍手しないのがマナーなのだが
                    どうも、今日は「何考えてんの?」という観客が多い様子。

                    (ウィーン・フィルの定期演奏会なんかだと
                     こういうマナーを知らない観客が拍手のフライイングをしようものなら
                     周囲全員から「シッ!!」という叱責と、冷たい目が浴びせられる)

                    舞台の演奏家も苦笑していたし
                    私の前で熱心に拍手していた中年カップルを
                    その隣の観客が、非常に冷たい目で睨んでいた(笑) 
                      私も睨んだのだが、周囲から睨まれている事は全くお気付きにならなかったようで。

                    間違い拍手はともあれ、曲も演奏も、ノリノリ、バリバリで
                    まるでロック・コンサートに行って陶酔したような感じ。
                    理屈抜きに、ともかく楽しい。
                    これをクラシックと言うなら、ロック・ファンでもクラシック・ファンになりそう。

                    鳴りやまない拍手にパーカッションの Martin Grubinger が応えて
                    小ドラムでとんでもない名人芸を繰り広げ
                    まだ拍手が止まないので、今度は、しっとりとマリンバでメロディを歌わせた。

                    あぁ、もう、何でこんなに楽しいの?!

                    後半はメンデルスゾーンの3番、おなじみ「スコットランド」
                    指揮者はスコアなしの暗譜。

                    あらっ、全4楽章、そのまま続けて演奏したっ!!!

                    もしかしたら、休憩時間中に、指揮者が
                    「今日の聴衆はアホだから、楽章と楽章の間に拍手する奴が多いかもしれない。
                     よって、4楽章、途中休まず、続けて演奏するぞ!」という指示でも出したか?!

                    速いパッセージで時々、ヒヤッとするところがなかった訳ではないが
                    全体的に、エネルギーに満ちて、まとまって、テンポも良くて
                    最後の金管がバッチリキマって、前半の楽しさから落ちる事なくコンサート終了。

                    一つだけケチをつけるとすれば(あぁ、根性悪)
                    この指揮者、指揮の最中に「シーシー、シューシュー」言うのである。
                    (歌う指揮者の変型版。歌う代わりに息で一緒にメロディや強弱を取る)

                    指揮者は(通常の)観客には背中を向けているから
                    (通常の)観客には、この「息」、それほど聴こえないのかもしれないが
                    正面から見ている私には、もろに「シーシー、ハーハー、シューシュー」が聴こえて
                    ちょっとね・・・ (-"-;)

                    歌う指揮者もそうだが、シーシー、ハーハーの指揮者も
                    きっと、独り言の多いタイプなのだろうなぁ・・・(と勝手に推測)


                    トーンキュンストラー + オロスコ・エストラーダ

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                      今日は最初から

                      すご〜〜〜〜〜く失礼な発言をする!!!

                      該当する方が読まれていたら
                      悪意はないので(ホントです)どうぞ、平にお許し下さい。

                      「超一流オーケストラばかり、しかも、音響効果抜群のホールで
                       毎日のように聴いていると、何か、それがスタンダードになっちゃって・・・」

                      という、鼻もちならない話を友人としてしまい
                      自分ながら、あぁ、私って、実は本当にイヤな奴だ、と反省しつつ

                      だったら、いわゆる世間的に「超」のつかないオーケストラなら
                      何となく感覚がモトに戻るかも・・・

                         で、ここからが、実に失礼な発言になる。

                      Tonkünstler-Orchester Niederösterreich
                      指揮 Andrés Orozco-Estrada
                      チェロ Gautier Capuçon
                      Felix Mendelssohn Bartholday (1809-1847)
                       << Meeresstille und glückliche Fahrt>> Overtüre op. 27(1828/1832)
                      Robert Schumann (1810-1856)
                       Konzert für Violoncello und Orchester a-moll op.129
                      Ludwig van Beethoven (1770-1827)
                       Symphonie Nr.3 Es-Dur op.55 <<Eroica>> (1804)


                      トーンキュンストラーが第二軍のオーケストラとは言わないが
                      世間の知名度から言えば、「超」はつかないのは、まぁ、事実ではあろう。

                      しかも、ここ数年、やんちゃ坊主のジェルヴィが首席指揮者で
                      レパートリーの拡大はあったと思うが
                      いわゆる、主流のクラシックでは、ちょっと、あのね、あのあの
                      オーケストラは悪くないんだけど、そりゃ、ちょっとないでしょ、という感じだった。

                      来年からジェルヴィの後任として首席指揮者になるオロスコ・エストラーダは
                      今年32歳になるコロンビア出身の若手。
                      首席に決定した時に同オーケストラを振った、チャイコフスキーの「悲愴」が
                      エネルギー溢れる、若々しい演奏で、実に良かったのだ。
                      本当にヒマな人だけ ここ をどうぞ。

                      今回はクラシックもクラシック
                      後半にはベートーベンの交響曲3番「エロイカ」を持ってきた!

                      またもや、非常に失礼な発言になるが
                      「超一流オーケストラ」を聴きに行く時は、事前の期待値がめちゃくちゃ高い。

                      「超」がつくのだから、完璧な演奏は当たり前。
                      ちょっとのミスやズレも許さず
                      加えて完璧な上に、どの位の音楽性だか何だか
                      ともかくワケのわからないものを
                      如何に加えて、この贅沢な聴衆を感動させるか
                      ・・・なんて、コンサート前から、脳の中ではエライ事になっている。

                      今回の場合は
                      あの若くてカワイイ指揮者が、どんな演奏するかな〜、楽しみ o(^o^)o
                         ・・・程度の期待値しかない。
                      オーケストラの悪口ではございません。どうか、誤解のないよう。

                      最初のメンデルスゾーンから、元気で楽しい音楽作り。
                      もともと、トーンキュンストラーは意外に伝統的な音を持っているのだから
                      こういうクラシックな曲に、このオーケストラの音はとても合う。

                      シューマンのチェロ協奏曲は、カプソンのチェロが見事。ウマイよ、この人。
                      オーケストレーションについても、プログラムには肯定的な意見が書いてあったが
                      でも、やっぱり、はっきり言えば、シューマンのオーケストレーションは
                      あんまり上手ではないのは確かだわ (あら偉そう(自爆))

                      で、幕間の後のベートーベンの交響曲3番。

                         うわ、あれ、あは (^^;;; ちょっと、あの、その
                                          びっくり、驚き \(◎o◎)/!

                      何て若々しいベートーベン!!!!!

                      拍手の終わるのを待たず振り上げた指揮棒が
                      ジャン! ジャン! とオーケストラを目一杯鳴らして
                      そのまま、スッと曲に入っていく。

                      テンポにも演奏にも無理はかかっていないけれど
                      最初からエネルギーが充満して、とっても「元気」 実に「元気」
                      聴いていて、気持ちが晴れる。何かわからないけれど、とても楽しい (^_-)---☆Wink

                      指揮台の上のオロスコ・エストラーダも、何とも楽しそうなのだ。
                      音楽やってるのが、嬉しくて嬉しくてたまりませ〜ん!!(^O^) という感じ。

                      2楽章はちゃんと歌わせ、3楽章も滑らかに
                      ホルンのあのクソ難しいパッセージも、きれいなニュアンスが入って見事に決まった。
                      (ああいうところ、「超」ならテクニックも感じさせずにアッサリ演奏するのかも。
                       「ホルン、頑張ってます!」というのは聴こえたけれど、それがまた微笑ましい)
                      4楽章で、アンサンブルにちょっとヒヤッとする所はあったけれど
                      そんなところ、問題じゃないわっ! 
                      指揮者もオーケストラも、そして観客にも、ものすごく「楽しい」曲になっている。

                      若々しい、と言ったが
                      ベートーベンがこの曲を作曲した時は、まだ34歳(!!!)
                      指揮者のエストラーダとそんなに歳は変わらないのだ!!!!!

                      何か、ベートーベンというと、悩んでしかめっ面をしている
                      オタクの中年変人というイメージしか思い浮かばないし
                      巨匠と呼ばれる指揮者と「超一流オーケストラ」は
                      そういうイメージでの演奏をしてきたのは確かだと思う。

                      でも、3番、まだ、若々しい荒々しさに、瑞々しい手触りが残っている。

                      聴覚を失くしたベートーベンが頭の中だけで

                      「えい、ここをこうやっちまえ。こうやっちまったら、どうだ、見たか!
                       わっはっは、これなら聴いている奴は、ひっくり返ってビックリするだろう」

                      と、結構、おちゃめに作曲している感じが、あちこちから聴こえてくる。

                      その分、人生に悩んだ「深み」というのには欠けるけれど
                      コンサートの後、輝くような笑顔でブラボー・コールを受けた若い指揮者と
                      いや〜、やったぜ!!という顔で並んだオーケストラ。

                      マイナス何度かの気温に、明日からまた雪、という予報を聞きながらも
                      エネルギーばっちり補充して、ものすごく気分が良くなって
                      ニコニコしながら自宅に帰った私は

                      鏡を見てみたら、眉間のシワが消えていた(ホントです)


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