ジョン・ノイマイヤー 「ベニスに死す」

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    Tod in Venedig
    振付 John Neumeier (*1942)
    Hamburg Ballett
    Gustav Aschenbach : Lloyd Riggins
    Seine Assistantin/seine Mutter
    Tadzios Mutter : Joëlle Boulogne
    Sein "Friedrich der Grosse" : Ivan Urban
    Seine "La Barbarina" : Hélène Bouchet
    Seine Konzepte (30.01.) : Silvia Azzoni, Alexander Riabko
                   (31.01.) : Carolina Agüero, Thiago Bordin
    Ein jüngerer Aschenbach : Konstantin Tselikov
    Der Wanderer/der Gondliere, ein Tanzpaar, Dionysos
    der Friseur, der Gitarrist : Otto Bubeníček, Amilcar Moret Gonzalez
    Tadzio : Edvin Revazov

    「ベニスに死す」と言えば
    トーマス・マンの小説より、我々の年代には
    ルキノ・ヴィスコンティが、マーラーの交響曲を音楽に使って
    ダーク・ボガードとビヨルン・アンデルセンで撮った1971年の映画の方が有名。

    この世とは思えぬ美男子ビヨルン・アンデルセン!とマスコミが大騒ぎ。
    何故か、美男子に釣られて(?)私も観た記憶があるのだが

    何だ、このヘン○イ・ジジイは?!? (・_・")?

           という記憶しかない(自爆)

    ノイマイヤー自身は、15歳の時に小説を読んで感激したけれど
    振付をするには、それなりの「年齢」が必要だった、と言っている。

    確かに (゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン
    この題材を、ある程度でも理解できるのは
    ある程度の年齢にならないと無理だろう。

       ・・・私も歳を取った(しみじみ(-"-;))

    アッシェンバッハとタディオの絡みが圧巻。
    バレエでは、アッシェンバッハは振付師(わっはっは、さすがノイマイヤー)
    タディオが一回だけ微笑む、というシチュエーションは振付が難しいので
    タディオとアッシェンバッハがぶつかって
    アッシェンバッハが転んだところに、タディオが手を差し伸べるという形になっている。

    手を差し伸べた後、アッシェンバッハの妄想の中で
    二人が絡むのだが、アッシェンバッハが恍惚とした表情を見せるのに対し
    タディオは、まるで人形のように表情がなく、アッシェンバッハを全く見ず
    時々、ハッと現実に戻ると、子供のような微笑みをあらぬ方向に見せる。

    まぁ、単純に、ヘ○タイ・ジジイのホモのストーカー話と言ってしまえば
    身も蓋もないのだが f(^^;)

    輝くような若さと美に対する嫉妬と、焼けつくような痛みを伴った恋と
    自分の創作作品(この場合はバレエ)が変化していく有様と
    セッ○ス妄想と絶望が、余すところなく表現されて、見事だ(感激)

    1月30日は平土間ボックスの2列目で舞台の脇だったので
    ダンサーが目の前で、きゃ〜っ (*^^*)
      ・・・いかん、いかん、これ以上書くと、コウフンしてしまう。

    1月31日は午後に平土間で
    ノイマイヤーの「バレエ工房」
    (作品解説+練習着(レオタード)での作品の一部)
    夜は、また同じ作品を、今度は一番安い席で鑑賞したが・・・

    バレエを真上から観るものではない!!!!(爆)

    オペラなら、ギャラリーの端でもかまわないけれど
    (オーケストラ・ボックスの楽譜が見えるし)
    バレエで真上からだと
    ダンサーの表情は全く見えないし、ジャンプの高さも全くわからず
    感激が、正面の席の300分の1くらいになる!!!!!!

    だって、30日と31日の2回しか公演はなかったのだ。
    まさか、こんなに素晴らしい作品とは思わず
    一回は(比較的)良い席、もう一回はケチして安い席を買ったのだが
    ううう(涙) 2回とも(比較的)良い席を買っておけば良かった。

    唯一、「バレエ工房」だけは一番良い席を奮発して
    (まぁ、25ユーロだけど ( ;^^)ヘ..)
    平土間3列目のど真ん中から
    大御所ノイマイヤーと、レオタードとは言え、いくつかのソロを
    じっくり正面から観られたから、まぁ、良いか・・・

    今回の教訓 「バレエは少し高くても正面の席を買おう!」


    ラジオ・シンフォニー・オーケストラ+ベルトラン・ド・ビリー

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      Radio-Shymphonieorchester Wien
      指揮 Bertrand de Billy
      Gustav Mahler (1860-1911) Symphonie Nr.7 e-moll (1904/05)

      つい数日前まで
      ウィーン劇場のオーケストラ・ピットで
      あの繊細なドビュッシーを完璧に演奏していたオーケストラが
      数日置いて、すぐにマーラーの交響曲7番を、同じ指揮者と演奏するなんて

      ううう、プロってすごい (*_*)

      マーラーの交響曲7番は、アホな事にオーケストラ・スコアを買って
      CD を聴きながら追った事がある。

      ポリフォニーの複雑さに呆れかえり
      これは、どの旋律を強調するかによって
      指揮者の解釈で、全く違った曲になってしまうのではないか、と思った。

      そんなワケ、ないか f(^^;)

      舞台に現われたラジオ・シンフォニー・オーケストラ。
      あわわ・・・ すごい人数。
      こんなにメンバーっていたっけ?!
      コンツェルトハウス大ホールの広い舞台が
      たちまち、真っ黒になる(みんな服が黒い(笑))

      あの複雑怪奇な、音の迷路か仕掛け箱みたいな曲を
      あの大人数で、タイミングやズレなしに演奏するのは
      ド素人には、魔法に見える。

      輝かしい金管のソロ。
      複雑な木管のソロに、目も止まらぬ(いや、「耳」も止まらぬ?)速さの
      弦楽器が絡みつく。
      メロディが有機的に絡まり合い、ポリフォニーが複雑に交差する。

      ド素人の印象だけど
      ビリーの解釈、ものすごく「ウィーン」的。

      CD で鑑賞している時には感じなかったが
      滅びゆく帝国、世紀末の、熱に浮かされたような不思議なエネルギー
      そこで熟し過ぎて腐りそうな社会に一抹のノスタルジーを感じるような
      雑多で卑猥で、でも皮肉な洗練さがあって
      昔のウィーンのカレイドスコープみたいな感じがする。

      モダンな要素より、もっと何か強い郷愁を感じるのだ。
      でも、それは、後期ロマン派の「感傷」ではなく
      複雑な、矛盾に満ちた、皮肉な感じの「郷愁」だ。

      それは、作品の持つエネルギーと
      当時の社会の様相を写す、曇った鏡のような感じのものだと思う。
      う〜ん、どうやってこの印象を書いたら良いのか、よくわからない。

      ノスタルジーではなく、ノスタルジーをノスタルジックに思い起こさせる音。
      ハイティンクが何かの折に言っていた言葉が
      ものすごくピッタリ嵌る。

      一応、頭の中ではメロディを追えるくらいまでは聴いた曲だが
      ナマで聴くと、ポリフォニーが立体的に聴こえて、感激 (T.T) ウルウル
      一番安い平土間の奥は、音響としてはデッドで最悪なのだが
      それでも、充分にビリーの解釈とオーケストラの音響を堪能。

      こういうコンサートが聴けるって、ものすごく幸せ (*^^*)

      マーラーの交響曲7番は4月28日に
      Staatskapelle Berlin + Daniel Barenboim で、また観賞予定。
      ビリーの解釈とかなり違うものが聴けそうで、今から楽しみ。


      ウィーン交響楽団+フィリップ・ヨルダン

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        Wiener Symphoniker
        指揮 Philippe Jordan
        バイオリン Julian Rachlin
        チェロ Torleif Thedéen
        ピアノ Itamar Golan
        Anton Webern (1883-1945) Passacaglia, op.1 für Orchester
        Ludwig van Beethoven (1770-1827)
          Konzert für Klavier, Violine, Violoncello und Orchester C-Dur, op.56
          "Tripelkonzert"
        Johannes Brahms (1833-1897) Symphonie Nr.4 e-Moll, op.98

        お目当てはブラームスの交響曲4番 o(^o^)o
        この間の West-Eastern Divan Orchestra と聴き比べ・・・
         なんて言える程、記憶力も耳も良くありません(笑)

        単純にブラームスの交響曲、むっちゃ好きだから、という理由。

        ヴェーベルンのパッサカリアは作品番号1番で、まぁ習作。
        素人耳だけど、シェーンベルクの影響はもちろんだが
        意外に後期ロマン派、マーラーとかブルックナーが聴こえてくる(ような気がする)

        ベートーベンのトリプル・コンチェルトは初聴きだから何も言えない(自爆)
        バイオリンにチェロにピアノ、という3人のソロが入って
        普通の協奏曲より、音色が複雑で構成が楽しい。

        で、肝心のブラームスだが
        見栄っ張りのワタクシは、いそいそとポケット・スコアを膝元に出す。

        せっかく買ったものだし(かなり昔だけど)、例の席は舞台が見えない上
        楽友協会はコンサート最中にも客席の照明は明るいままなので
        スコア追うには最高の環境 (^^)v

        シロウトにスコアなんて「読める」モノではないが、「追う」くらいはできる。
        普段、耳だけで聴いていると
        感受性ゼロで、耳もド素人の私には、せいぜいメロディ・ラインが聴こえる程度だが
        楽譜を見ていると、聴こえてくるものが変わる。

        主メロディが分割されて、各楽器の音が繋がれてメロディになったり
        上昇音階と下降音階が見事に組み合わされて重厚な音色になったり
        金管・木管のソロが、違う楽器で繋ぎ合わされていったり
        弦がメロディになったり、支える役に回ったり

        複雑怪奇な音の組み合わせで
        何か、こっそり「舞台裏」を覗くような感覚 _-)))コソコソ

        どうしても分析的に音楽を「見て」しまうので
        のめり込んで音楽に没頭・・・という感じにはならなくて
        普通だったら、感覚だけで、モロに入り込んでしまうブラームスを
        比較的、外側から理性的に「見た」感じ。

        ヨルダンの指揮は、何回か見ているから、今回はパスしたけれど
        ピアノからフォルテに変わる時に、何回かすごい音がしたのは
        もしかしたら、指揮台の上で跳ねました? (笑)

        細かい部分でのニュアンスのつけ方が嫌味にならず
        ニュアンスに拘りながらも、かなりのエネルギーを秘めた上
        あの、何とも言えぬ哀愁をふんだんに盛り込んだのは、ソロ楽器の巧さでもある。
        4楽章のフルートのソロなど、何と言うか、いわく言い難い音色で
        一つの楽器が、こんなに表情豊かになるのか、と
        スコア見ながら、心の中でひっくり返っていたもん。

        分析的?にコンサート会場に居た反動で
        コンサートが終わって、外に出てから、感情がドッカ〜ンと爆発して
        雨交じりの雪をガレージに向かって歩きながら
        熱い涙(ヘンな言い方なのだが・・・)みたいなものが
        心の中に湧き上がって来たのに、自分ながらビックリした。


        さて、一部誤解があるようだが、私が書いているのは

          音楽評論でも、音楽批評でもございません!!!

        という事を、ここでもう一度、明確にしておきたい。

        ただの、ド・シロウトの感想メモなので
        良かった、悪かった、というのも、ただの「私の勝手」である。
        自腹切ってコンサートに行っているのだから
        どんな感想を持とうが、それは聴く方の勝手である。

        ただ、本当に全く間違った事を書いていたら
        どうぞ、右の「コンタクト・メイル」にご連絡下さい。
        間違った情報の訂正は、必ずさせていただきます ( ^.^)( -.-)( _ _)


        2月のウィーンはオーケストラの対決?だらけ・・・

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          2月のウィーンは、タイヘンな事になっている・・・

          2月10日・11日・12日には
          ロイヤル・アムステルダム・コンツェルトヘボーがマリス・ヤンソンスと
          ドボルジャークのミサ曲に、ショスタコーヴィッチの交響曲10番をひっさげてやってくる。

          14日の昼と15日の11時からは、ウィーン・フィルの定期で、ズビン・メータが
          シェーンベルクの「浄夜」とブルックナーの交響曲9番。

          ウィーン・フィルの「浄夜」とブルックナーの7番は
          2005年のシーズン・オープンの時にブーレーズで聴いた。懐かしいなぁ。
          当時はまだブルックナーに親しんでいなかったのがよくわかる。
           → お暇な方、感想記はココ

          自分の趣味の変遷がわかる ・・・ f(^^;)

          更に、2月13日・14日は
          フィラデルフィア管弦楽団がエッシェンバッハと
          13日はシェーンベルクの op.9 とブルックナーの交響曲6番
          14日はベートーベンのエグモント序曲、シベリウスのバイオリン協奏曲
          そして、プロコフィエフの交響曲5番。
          (散々迷っている・・・ 行きたい・・・ でも我慢、我慢・・・)

          2月17日はウィーン・フィルとズビン・メータが
          人気沸騰のピアニスト、ランランを迎えてショパンのピアノ協奏曲と
          リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」

          同じ17日にコンツェルトハウスでは
          ライプチヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラ
          リッカルド・シャイーが率いて、メンデルスゾーンの交響曲3番。

          ・・・ 私にとっては、ライプチヒ・ゲヴァントハウスとシャイーの勝ち(笑)
          これだって、散々迷った末の選択だ。

          2月18日のウィーン・フィルは定期公演だからチケットは望みなしだが
          2月19日はトーンキュンストラーが、来期からの常任、オロツコ・エストラーダと
          ゴーティエ・カプソンのチェロで、メンデルスゾーン、シューマン そして
          ベートーベンの交響曲3番を演奏。
          カプソンも楽しみだし、若いエストラーダがあの「エロイカ」をどう料理するかも興味深々。

          で、2月20日は私のご贔屓オーケストラの一つ
          ラジオ・シンフォニー・オーケストラが、メンデルスゾーンの交響曲3番!!!

          3日間の間を置いて
          ライプチヒ・ゲヴァントハウスとラジオ・シンフォニー・オーケストラが
          メンデルスゾーンの交響曲3番で対決?!

          2月22日の午前11時からは
          プログラム見つけた何か月も前から狙っていた
          ベルリン・フィルにサイモン・ラトルが
          オリヴィエ・メシアンと、ブルックナーの交響曲9番。

          一週間の間を置いて
          ウィーン・フィルとベルリン・フィルが、
          ブルックナーの交響曲9番で対決?!


          2月26日・27日はウィーン交響楽団
          ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(懐かしい!)の指揮で
          ハイドンと・・・ またもやベートーベンの交響曲3番「エロイカ」

          一週間の間を置いて
          トーンキュンストラーとウィーン交響楽団が、
          ベートーベンの交響曲3番で対決?!

          いつも思うけれど
          短期間に同じ曲が、違うオーケストラと違う指揮者で演奏される事が
          異様に多いような気がするのだが

          (一時はチャイコフスキーの「悲愴」ばっかりだったり
           ブルックナーの7番と8番が多かったり、
           ドボルジャークの「新世界から」を週末に3度聴いた事もある)

          これって、何か・・・ 偶然ですかね?! (-"-;)

          こんなに魅力的なコンサートばっかりあるのに
          何で日本人観光客の数が少ないんだろう・・・・????(涙)
          2月のウィーン、ホテルもそこそこオトクだし、来ませんか?(本気)


          ウィーン劇場のチケット発売は早い!

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            風邪が大流行中。
            日本のマスクをして街を歩くワケにいかないので
            毎日、総合ビタミン・サプリメントを摂取。
            薬局でレシピなしに買えるコレ
            成人一日の必要量はこれでカバー(製薬会社の回し者ではないが、本当にこれ、便利)

            さて、ウィーン劇場だが
            一年間にわたって前売りをするので、事前に調べて
            チェックしておかないと、後でナキを見る。
            ウィーンのイースター音楽祭も、さりげなく発売になっている (*_*)

            昨日、パンフレットを劇場で見て、ぎゃっ! と叫んだ私は
            帰宅後、せっせと、自分のカレンダーを見ながら、ウィーン劇場をチェック。

            2月のオペラはヘンデルのオペラ Partenope
            どうやって探しても解説がインターネットで見つからない・・・
            マイナーなオペラなのね。(この間のアリオダンテは解説が見つかった)

            タイトル・ロールを歌うのはクリスティーネ・シェーファー。
            今回は彼女が「客寄せパンダ」 (^o^)
            ウィーン劇場が集めてくる歌手は、客寄せパンダを喰うくらい優秀な歌手が多いので
            これも楽しみ。

            3月後半は、同じくヘンデルの「メシア」

            オラトリオだからコンサート形式かと思ったら
            ロレーヌ・ナンシー・オペラ劇場との協力での新プロダクションで
            演出、とまで書いてあるから、オペラにする・・・のだろうと思う。
            (-_-;)ホントカ・・・オイ???

            キリストが磔になる場面とかあったりして・・・
            現代演出で、ジーザス・クライスト・スーパースターみたいだったら
            面白いかも(こらこら)

            ヘンデルばかりで、今年没後200年祭になるハイドンはどうした!?

            と思ったら
            4月4日・5日に楽友協会で、ウィーン・フィルとリッカルド・ムーティが
            ハイドンの「十字架上の7つの言葉」を演奏。
            (ケルビーニのミサも前半で演奏される。面白い組み合わせ)

            モーツァルトのオペラ Mitride, Re di Ponto は今のところ無視するとして(笑)
            7月のオフ・シーズンにウィーン交響楽団とルイージが演奏する
            ロッシーニの「イタリアのトルコ人」には行きたい。
            8月の「ドン・ジョバンニ」は Wiederaufnahme とあるから
            以前と同じ演出かなぁ。
            (2006年のウィーン劇場「ドン・ジョバンニ」鑑賞記はコチラ

            ウィーン劇場のプロダクション、今までは2回観に行っていたが
            方針変更。これからは、1回だけの鑑賞にする(きっぱり)
            その代わり、ちょっとだけ良い席を買おう (^^)v


            ぺリアスとメリザンド(2回目鑑賞記)

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              ぺリアスとメリザンド。
              今回は何と45ユーロ!!の席。
              とは言え、天井桟敷の4列目だが、でも、ど真ん中。

              何でこんな高い席を買っちゃったんだ、私?! (・_・")?

              ところで、天井桟敷には暗黙の了解がある(はずなのだ、本当は)
              それは

              「身を乗り出さない」

              1列目は背もたれに深くかけても舞台は見えるのである。
              1列目の人が深く腰掛けて、2列目も3列目も、同じく深く掛けてくれれば
              4列目も最終列の5列目も、舞台は見える。

              今日は最悪 (`_')
              1列目が乗り出し、2列目が乗り出し、3列目が乗り出し
              頭ばっかりで、舞台がほとんど見えない。
              (まぁ、この間、上からだけど舞台観ているから良いんだけどさ・・・)

              幕間の後、2列目と3列目に座っていた目の前のカップルが消えた。
              おお、バンザイ。これで、少なくとも1列目の頭だけ我慢すれば舞台が見える。

              と思ったら、その脇のカップルが移ってきて
              男性はちゃんと深く腰掛けているのだが
              私の目の前の女性が、しっかり身を乗り出してきて
              今度も舞台が全く見えない!!!! 怒るぞ、私・・・

              (時々、隣の男性にしなだれかかって、お喋りをしている時だけ
               舞台が見える。全然嬉しくない)

              さて、本日も開演前にマイクを持ったスタッフ登場。

              「ゴロー役がインフルエンザで、それでも歌いますが
               お聞き苦しいところがあったら、どうぞご理解をお願いします」

              木曜日も風邪で、金・土曜日と休んでいたハズなんだが、まだ治らんのか?!

              それって、もしかしたら
              「下手なところがあっても、風邪のせいですから、僕の評価を落とさないで」
              という甘えではないのか?! (;¬_¬) ぁ ゃι ぃ

              だいたい、あのオペラ、声を張り上げて歌う箇所はほとんどない。
              Arkel 役が後半で、かなりの声量で歌った時
              声量によって失われたニュアンスがあまりに大きいのに驚いたくらい。

              その意味では、国立オペラ座ではなくて
              規模の小さいウィーン劇場で上演されたのは正解だったと思う。

              イタリア・オペラやワーグナーとは全く違って
              細かいニュアンスを拾って、繊細に幻想的に演奏されるオペラ。

              歌手も良いけれど
              ともかく、オーケストラが抜群(感心)
              正確無比でありながら、細かいニュアンスをすべて余すところなく捉えて
              不思議な「闇」と「光」と「色彩」を持ったドビュッシーの音色を
              よくぞ、ここまで表現したものだ。

              現代曲までレパートリーにしているラジオ・シンフォニー・オーケストラが
              常任指揮者、フランス人でフランス語のニュアンスを完璧に解する
              ベルトラン・ド・ビリーの元に
              オーストリアのオーケストラとは思えない色彩豊かな音色を聴かせてくれたのは
              ラジオ・シンフォニー・オーケストラのファンの一人として
              すごく嬉しい (^.^)


              ウィーン市庁舎前のスケート場オープン

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                例年の催し物だが
                1月23日から3月8日まで、ウィーン市庁舎の前がスケート場になる。

                Wiener Eistraum ヴィーナー・アイス・トラウムと言われるスケート場で
                そのまま訳せば「ウィーンの氷の夢」という感じかな。
                アイス、と言えば、食べるアイス・クリームを想像する私だが
                (スケートできません ( ;^^)ヘ..)
                英語サイトのタイトルに大笑いしてしまった。

                Viennese Ice Dream

                わはは (^O^)
                私には、これ、Viennese Ice Cream ウィーン風アイス・クリーム
                に読めちゃうんですけど。

                朝9時〜夜11時まで。一日券が5ユーロ50セント。
                午前中の割引券(月〜金の9時〜14時)3ユーロ50セント。
                夜10時からのラスト・ミニッツは2ユーロ。
                貸し靴は大人6ユーロに、保証金が2ユーロ(2ユーロは戻ってくる)

                スケート場は他にもコンツェルトハウスとホテル・インターコンティネンタルの間に
                大きなスケート場がある。

                気温が下がって(今はプラスになって暖かくなってしまったけれど)
                最高温度がマイナスの日が続くと
                旧ドナウや、郊外のノイジードル湖も凍って
                スケートができる場合もある。
                2005年2月に、スケートじゃないけれど、私も湖の上を歩いたっけ。
                ご興味のある向きはココをどうぞ。


                ピアリステン・ケラーと教会のコンサート

                0

                  レストラン・ピアリステン・ケラーは、修道院跡を利用した地下レストラン。
                  久し振りに、オーナーからのお誘いをいただいて
                  ハイドン・イヤーのプレゼンテーションに行ってきた。

                  まずは20時15分から、隣のバロック教会でコンサート。

                  オルガン独奏(即興演奏)
                  Joseph Haydn (1732-1809) "Danklied zu Gott" Hob. XXV c.8 Es-Dur
                  Joseph Haydn "Sonnenquartette" Opus Nr.21 F-Moll first movement
                  オルガン独奏(即興演奏)
                  W.A. Mozart (1756-1791) "Gloria and Agnus Dei" part of coronation mass
                  オルガン独奏(即興演奏)
                  W.A. Mozart "Ave verum corpus" KV 618

                  全体で約40分ほどのプログラム。
                  この教会で歌っている地元のコーラス・グループと室内管弦楽団。
                  教会のオルガン奏者での演奏。

                  「教会」は西洋音楽の中心になるところで
                  残響の長さから、コーラスやオルガンの響きが、素晴らしい。

                  お風呂で鼻歌を歌う音響が、広い教会全体に広がる、と考えてもらえば
                  一番イメージに合っている。

                  だから・・・と言ったら失礼だが
                  めちゃくちゃ上手でなくて、声量もあまりない場合でも
                  教会の音響に入ってしまえば、神さまの声のように響くのだ。
                  (反対に声量があり過ぎると、教会ではうるさくなるだけ)

                  オルガンの荘厳な響きの後のコーラス・グループと
                  弦楽四重奏は祭壇の前での演奏。
                  モーツァルトはオーケストラもコーラスも
                  後ろの上のオルガン席から演奏した。

                  ミサ曲は、さすが教会でいつも演奏している地元のグループだけあって
                  教会の残響をうまく利用して、かなり聴かせる演奏になっていた。

                  が・・・
                  ハイドンの弦楽四重奏だけは・・・・

                  招待されて行ったので、悪口は書いてはいけないと思うが
                  貴族の館で演奏されるはずの弦楽四重奏を、教会で弾かせたらダメだよ・・・
                  ともかく響き過ぎで音響が汚い。音が団子になって気持ち悪い。
                  (しかも、ハイドンの曲の時に、弦楽器にビブラートかけるなっ!(怒))

                  プログラム詳細は未発表だが
                  この教会でのコンサートは今年4月4日から、土曜日と祝日の20時に開催される。
                  コンサート予定表はここ
                  大規模コンサートは34ユーロ。室内楽だけの場合は22ユーロ。

                  1796年12月26日には、ここでハイドンが指揮をしてミサ曲を初演。
                  オルガンはブルックナー・オルガンと銘打ってある。
                  ブルックナーはこのオルガンで2回の試験を受けたという。
                  (まぁ、ブルックナー・オルガンはオーストリア各地にあるが・・・)

                  その後、レストランに移って
                  帝国時代の華やかな帽子を借りてワイン・テイスティング。
                  HP の Concdert & Museum のところを見ると詳細がわかる。
                  更に、その後に夕食。4コースで
                  フォアグラ、スープ、子牛のフィレ、チョコレート入りのダンプリング。
                  あぁ、美味しかった。


                  ベルリン・フィルのデジタル・コンサート(続報)

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                    以前に言及したベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホール

                    あんなの詐欺だ!と怒った私だが
                    価値というのは主観的なものなので、天下のベルリン・フィルを聴くのに
                    9ユーロ90セント払ってもペイする、という人がいるのも当然。

                    会員登録して3週間。
                    (会員登録は無料である)
                    5ユーロでラトルの振ったブラームスの交響曲1番を聴いてから
                    その後のコンサートは、こちらも「夜の予定」が詰まっているので
                    ハイティンクのマーラー交響曲7番とか、食指は動いたが、9ユーロ90セントではねぇ・・・

                    で、実は面白い現象が・・・・ (^-^)

                    まず、メイルのニュース・レターだが
                    最初の数通は、英語で来ていた。
                    (もとも、コンサートもインタビューも
                     「これは世界中に出すのだから、基本的に英語」と言い切って
                     ドイツ語には英語の字幕をつけるのに、英語には字幕なし、だったのだ)

                    ところが、1月16日から、突然、ドイツ語のメイルになった (*_*)
                    わっはっは。
                    理由は不明。非ドイツ語圏には、英語のお知らせメイルが行っているかも。
                    日本で登録した方、何語でお知らせメイルが来るか、教えて下さい。

                    で、このメイルがなかなかスグレものなのである。
                    記録庫に入ったコンサートの一部(3分くらい)のクリップを
                    無料で見せてくれる。
                    これからのコンサートに出演する指揮者やソリストのインタビューも入る。
                    ほんの少しのクリップだが、これは面白いし
                    無料というのも、なかなかよろしい (← ケチ(笑))

                    で、記録庫に入った方のコンサートだが
                    9ユーロ90セントで一回だけしか観られないのかと思ったら
                    この間のニュース・レターで
                    支払ってから48時間は何回観ても良い」との説明。

                    だったら、デジタル・ライブ・コンサートで同時中継で1回鑑賞するより
                    後でアップされた記録を48時間以内に、何回も観た方がお得(値段は同じ)

                    とは言え、世界に名だたる指揮者の指揮法を正面から見続けた時代を経て
                    今は、見なくても、だいたい、こんな動きだろうなぁ、という想像がつくし
                    (あら、偉そう f(^^;))
                    ベルリン・フィルのメンバーの顔を覚える趣味もないので
                    10ユーロ近くを出すなら、 CD を一枚買った方が良いという意見に変わりはない。

                    冷血と言われるだろうが
                    もともと、あんまり人間に興味がない(?)ので
                    音楽家の顔や私生活なんて、別にどうでも良いし(セレブに憧れる気持ちもありません)
                    誰が弾いても、全体として、そのオーケストラの音色そのもは
                    さして変わりはしないのだ。

                    以前、ウィーン・フィルの定期公演で
                    例の場所にいて「ここに立っても良いですか?」と端にいたご老人に聞いたところ
                    「良いわよ。ところで、そこから舞台見える?今日のコンサート・マスターは誰?」
                    と言われて、ひっくり返った事があった。

                    (知りませんよ、コンサート・マスターなんて。
                     だいたい、音楽家の名前なんて(プログラムに全員記載してあるけど)興味ないもん)

                    もちろん、そういう事に尽きない興味を持つ方もいらっしゃって良いわけで
                    コンサートの楽しみ方なんて、色々なのだから
                    好きな音楽家の私生活を覗き見て満足を覚える人もいるから
                    それは、それで良いのである。

                    ベルリン・フィルのデジタル・ライブ・コンサートも
                    興味があれば、記録庫のデータは面白いと思う。
                    ラトルのブラームス交響曲1番。
                    ティーレマンのブルックナー交響曲8番(12月の演奏分)
                    メータとペライアのベートーベン・ピアノ協奏曲4番や
                    リヒャルト・シュトラウスの家庭交響曲。
                    そして、この間のハイティンクのマーラー交響曲7番が入っている。

                    もちろん、シーズン・チケットを買えば
                    コンサートでも記録庫でも見放題。
                    今ならシーズンの半分なので89ユーロ。
                    1万円で見放題、というのを高いと見るか安いと見るか。
                    私は89ユーロあったら、4回か5回は実際のコンサートに行く方が良いけれど
                    日本にいたら、充分ペイするかもしれない。


                    ドビュッシーのオペラ 「ぺリアスとメリザンド」

                    0

                      Pelléas et Mélisande
                      Musikalische Leitung Bertrand de Billy
                      Mélisande : Natalie Dessay
                      Pelléas : Stéphane Degout
                      Golaud : Laurent Naouri
                      Arkel : Phillip Ens
                      Geneviève : Marie-Nicole Lemieux
                      médecin / Le berger : Tim Mirfin
                      Yniold : Beate Ritter
                      Radio-Symphonieorchester Wien
                      Arnold Schoenberg Chor

                      ウィーン劇場の新プロダクション
                      ドビュッシーのオペラ「ぺリアスとメリザンド」

                      一番安い天井桟敷の端の席で23ユーロ。やっぱり高い(ため息)
                      オーケストラ・ボックスの真上で
                      オペラ・グラスで覗くと、またもや指揮者のスコアが見える。
                      (そんなモン、見てもわからんって)
                      乗り出せば舞台も見えて(上からだけど)、悪い席ではないのだが
                      何と、照明機材が目の前にあって
                      ドイツ語のセリフの出てくる場所を、ちょうど隠してしまっている(涙)

                      かなり不自然な格好をすると、チラッと見えるのだが
                      コンタクトレンズをしていても近眼の私には読めず
                      オペラ・グラスをかざすと、見えるのは照明機材だけ・・・という
                      ちょっと情けない席で
                      ずっと、ワケのわからないフランス語を聴くハメになった。

                      が・・・

                      ドビュッシーの音楽と、フランス語の響きが、美しく混じり合って
                      その表現力の凄さが圧倒的。
                      無駄な自己主張をしない、繊細な音が、フランス語の響きに絡みつく。

                      あぁ、こういうのを聴くと
                      フランス語がわかれば、このオペラって数十倍以上、楽しめるのだろうなぁ、と
                      自分の不勉強を恨みたくなる。

                      まぁ、それはイタリア語もチェコ語もロシア語も同じだけど (^^ゞ

                      音楽が言語に寄り添う、という意味では
                      このドビュッシーのオペラ、ドビュッシーの特異な色は失わずに
                      フランス語をそのまま音楽にしてしまったかのような美しさを持つ。

                      (で、ちょっと不思議な感覚だったのだが
                       このオペラ聴きながら、思い出したのは、シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」だったりする)

                      上演前に係員が出てきて
                      「ゴロー役の歌手が、ひどい風邪をひいていますが
                       それでも歌うそうです。ただ、充分な調子とは言えないので
                       時々、声が聴き難い事があっても、どうぞ許して下さい」

                      おいおい、またか・・・

                      この季節になると、風邪の歌手も多いし、風邪の観客も多い(上演中の咳がスゴイ)

                      その上、オーケストラ・メンバーの中にも風邪ヒキがいて
                      ビリーが指揮棒を振ろうとしたら、オーケストラ・ボックスから「ゴホゴホ」
                      ビリーが、すご〜くイヤな顔をして、後ろのメンバーを睨んだのが見えちゃった(笑)

                      が、そのビリーにしてからが、3幕目の途中で
                      ほとんど聞こえない音だったけど「ケホッ」ってやったもんね。
                      そういうのは、上からだと、よ〜く見えるのだ。

                      ・・・オペラ観に行って、出演者と観客の風邪の観察していてどうする!?(自爆)

                      無理やり本題に戻ると
                      フランス語のオペラに、ビリーを持ってきて、大正解だったと思う。
                      忘れがちだが(だって、ビリーってウィーン滞在が長いんだもん。ドイツ語ペラペラだし)
                      ベルトラン・ド・ビリーはフランス出身の指揮者で、フランス語が母国語だ。

                      言葉と音楽が絡みつくようなオペラで
                      フランス語にしっとりと寄り添ったドビュッシーの音をオーケストラに出させたのは
                      ビリーの手腕によるところが大きい。

                      千秋楽は、もうちょっとマトモな席を買ってあるので
                      今度はセリフを見ながら聴きたい。


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