ウィーン・フィル+リッカルド・ムーティ

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    リッカルド・ムーティは日本では「皇帝」と呼ばれている模様なので  (+_+)
    ムーティとウィーン・フィルのコンサートに行って、ど素人が賞賛以外の感想を書こうものなら
    袋叩きにあいそう。でも、音楽はあくまでも主観の問題だし
    ここは、私の個人的な感想を勝手に書くサイトだから良いのである。文句ある?

    ロッシーニの序曲はお手のものとして
    ストラヴィンスキーの Le Baiser de la fee が、意外に良くまとまっていた。
    変拍子を明確に指示するムーティの指揮技術はさすが。

    後半はチャイコフスキーの交響曲5番。
    う〜ん、これは好き嫌いが極端に分かれそうな演奏。
    「好き」側からは、ダイナミックで情熱的で激しく燃え、最後まで美しく集中力を保った
    という感想が出るだろう。

    で、「キライ」側からすれば
    鳴らし過ぎ、大向こう張り過ぎ、力み過ぎ、聴衆に大狙い志向がまざまざと見えてイヤ。

    音は、それは、それは、美しい。
    いくつかのフレーズでは、まるでスーパービジョンで撮影された
    ハリウッドの豪華絢爛な宮殿の舞台装置に、裕福でお上品で、洗練された美男美女が集う
    帝政時代の貴族の生活を描いた、すごく良く出来た映画の劇伴音楽を聴いているようだ。

    これはイヤミではない。裕福な層とのお付き合いもなく
    昔の時代を想像する空想力もない私が、あんなに洗練された音を聴けば
    せいぜい頭に浮かぶのはこの位である。

    でも、こんな優雅に洗練された音が出るのはウィーン・フィルだから、とも言える。
    帝国時代から延々と続く伝統が、音の中に潜む。
    正直、スゴイ(というよりコワイ(笑))

    フォルティッシモ、鳴らし過ぎ。
    ギャラリーあたりで聴いたら、もっと違ったのかもしれないが
    パーカッションと弦と管のバランスが悪く、メロディーが潰れていた部分が多い。
    それはそれで「力強い演奏」かもしれないが、
    他の美しい部分に比べると、ニュアンスの無さが目立つ。

    あれをやりたいのだったら
    力強いドイツかアメリカあたりのオーケストラと
    楽友協会じゃなくて、コンツェルトハウスで演奏して欲しかった。
     
    良かれ悪しかれ、印象的な演奏。それだけ、アクも強かった。
    さすがムーティ・・・というところですかね (^.^)

    オーストリア選挙結果に愕然

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      この話題は避けて通りたかったのだが
      日本の新聞にも報道されちゃった・・・ちっ。避けるわけにはいかんだろう (--;)

      9月28日オーストリア総選挙。
      二大政党の社会民主党と国民党がドッと負け
      右派の自由党とオーストリア未来同盟(ハイダーが党首!)が票を伸ばし
      自由党+オーストリア未来同盟を合わせると、
      第一党の社会民主党とほどんと同じ30パーセント・・・(無言)
       
      う〜ん・・・(無言)

      今回の選挙では選挙権は16歳からになった。
      年配の人は、社会民主党と国民党に投票する傾向が強く、若い人は違って
      単純労働者も右派に投票した傾向が強い、という事はニュースで言っていた。
      投票率は70%なので、単純に「オーストリア人の3人に1人は外国人反対派」とは言わないが
      投票率を考慮しても5人に1人は「外国人出てけ」・・・と単純には言えないけれど
      ちょっと、ゾッとするのも確か。

      目下のオーストリア人の外国人比率は10%。そのうち3分の1は EU 国内からの外国人。
      確かにウィーンだけ見れば、地下鉄で聞こえてくるのは、ほとんどドイツ語ではないし
      (私だって日本語喋ってるしなぁ・・・)
      イスラム系の住民も多いのは確かだけれど・・・(無言)

      今回は(無言)が多いが、私に選挙権はないし、
      ノンポリ人間なので何も言えない。お許しあれ。

      コワイのは、自由党とオーストリア未来同盟がくっついちゃったら、
      すごい勢力になる、という事である。
      もともと、オーストリア未来同盟は、自由党から離れて独立した右派だし
      党首のハイダーは、自由党とくっつく気が満々(おお、こわ)
      自由党党首のシュトラッヘは、オーストリア未来同盟とくっつく気はない、と言い張っているが
      (だって、ハイダーが出て来ちゃったら、シュトラッヘの出番はない)
      ハイダーから良い条件を示されたら、これは・・・・わからんぞ。 
       
      外国人反対については、観光客はこの範囲には入らないので、
      観光関係には全く関係はないけれど
      こちらに定住している外国人の私としては、そろそろ、オーストリア国籍に変えた方が良いのか
      でも、右派がのさばり始めているオーストリアの国民になっちゃって良いのか
      ちょっと悩む。
      いっその事、オーストリア国籍に変えてから、ドイツ当たりに住む、という方法もあるけどね。

      グスタフ・マーラーの作曲小屋(敗者復活戦)

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        2週間前の顛末はここに書いたが
        見られなかった・・・という執念が膨れ上がり
        日帰りで出掛ける事にした。友人が忙しいので一人旅。
        (観光局に電話して「街の閉鎖なんてないでしょうね?!」と念を押してある)

        が・・・ 金曜日の夕食が真夜中過ぎ(←そんな時間に喰うな!(爆))
        翌日、目が覚めれば10時。台所の片付け、玄関口の掃除。家事のマネゴトだけして
        念の為にパジャマと洗面用具だけバッグに突っ込み(途中でイジケた場合の用心)
        マーラーの2番の CD を用意して車に乗り込んだのが昼の12時。
        天気は曇り。予想では晴れるはずだったが、天気予報が当たったタメシもないし、
        まぁ、そんなものだ。
        (諦めの境地)

        ドライブ好きだが、西高速道路の退屈さには音を上げそうになる。
        しかも、マーラーは車の中で聴くには最悪(全然聴こえない+突然大音響になる)
        ↑ 当たり前 (x_x) ☆\(^^;) ぽかっ
         
        (途中省略)

        午後16時 (← どこで迷って何回Uターンしたかは秘密)
        小屋の中に立ちすくむ私・・・・

        ホントウにほったて小屋。10畳くらい。真ん中に古いグランド・ピアノと壊れた椅子。
        ガラスのケースと壁には、マーラー関係の展示。正面と右手に小さな窓。

        正面の窓から見えるのは・・・

        ホテル付随の水泳小屋に、半ズボンや上半身ハダカのお兄さんたち(絶句)

        マーラーが篭って見た景色は? まさか、小屋の前のリゾート客ではあるまい!!!
        周囲はキャンピング場。シーズン・オフなので、ほとんど人はいないけれど
        100年前とは全く違う景色が周囲を圧倒しているのに、何か、泣きそうな気分。
        いえ、あの、良いんですよ。やっぱり観光で生きていかねばならない土地柄だし。
         
        小屋に入ると、マーラーの交響曲3番、第1楽章が華やかに鳴り響く。
        それなりに感激する。
        というより、ウィーンから300キロすっ飛ばして来たら、感激しなければもったいない(自爆)
        でも、感極まって最初に目に入る外の景色が
        ウロウロしている上半身ハダカの逞しい男性だなんて
        (何か嬉しい ← ウソウソ ^^;)

        ヘンデルのバロック・オペラ

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          プログラムを見て「うっ・・」と思ったのは私だけじゃないと思う。
          上演時間4時間30分・・・終演11時半だ (T.T)

          バロック・オペラは長い。
          楽しみが少なく、時間がゆっくり流れていたバロック時代の貴族のために作曲され
          当時はオペラを観ながら喋ったり飲んだり食べたりしていたのだろうから、
          長くても良かったのだ。

          ヘンデルのアリアの繰り返しは、たしかに時間がズズ〜ンと延びる感じがして
          時間を忘れてしまうけれど、空腹だけは・・・(以下省略)現代サラリーマンの悲愴です。

          新聞評があまりに良かったので千秋楽に出かけた「アリオダンテ」
          ポリネッソは、カウンター・テナー、アリオダンテはカストラートの役だろう。
          もちろん、現代ではカストラートはいないからメゾ・ソプラノとアルトだが
          これが・・・・うまい! (+_+)
          メイクも衣装も、身体の動きも「男性」で、
          本当にカウンター・テナーかカストラートを聴いているみたい。
          リヒャルト・シュトラウスのズボン役のメゾとは全く違う。
           
          いや〜ん、アリオダンテ、本当にカッコイイ (*^^*)
          もちろん、ジネーヴラにダリンダも良かったが、
          ルルカーニオ役(テノール)のカッコ良さも抜群。
          背が高くてハンサムで、テノールで抜群の技術で・・・・ ああ、うっとり。

          キャストは以下の通り
           アリオダンテ Caitlin Hulcup
           ジネーヴラ Danielle Niese
           王様 Luca Pisaroni
           ルルカーニオ Topi Lehtipuu
           ダリンダ Maria Grazia Schiavo
           ポリネッソ Vivica Genaux
           オドアルド Martin Mairinger
           オーケストラ Les Talens Lyriques
           指揮 Christophe Rousset
           コーラス Arnold Schoenberg Chor

          バロック時代の声は、大音響で張り上げることが主目的ではなかった。
          小さな劇場でコントロールを効かせて、
          ベストの「楽器」として技巧を聴かせるのが歌手だったのだ。
          そこんじょそこらのコロラチューラには歌えないよ、というアリアばかり。
          しかも繰り返し多いし(当時はレコードも CD もラジオもなかったのだ)
          技巧を満喫して驚愕の体験がたっぷり。

          たっぷり驚愕の技巧で紡ぎだされるおとぎ話を楽しんだ後
          真夜中12時過ぎに、やっと自宅で食事にありついた歓びも、何事にも代え難い。
          あぁ、金曜日に観に行って良かった。
          (↑ 現代サラリーマンの悲愴です(笑)) 

          ルツェルン・フェスティバル・オーケストラ 第二弾

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            ルツェルン・フェスティバル・オーケストラとクラウディオ・アバド、第二弾。
            エレーヌ・グリモーとラフマニノフのピアノ協奏曲2番。
            チャイコフスキーの「嵐」(op. 18)
            ストラヴィンスキー「火の鳥」組曲

            グリモーは名前だけは知っていたが
            フランス人の女性がラフマニノフ? 大丈夫かい?!(←期待薄)

            うおっ!!!
            ズッシ〜ン!!!! ゴゴゴゴゴ・・・・(意味不明(笑))
            何て重々しいラフマニノフ!!!!!!!

            ピアノにアクセントがあって、音が強い。
            一つ一つの音が立って明快。どっかぁ〜〜〜ん、と重たいオーケストラが乱入。
            名曲だから、耳逆らいも起こるし、自分のイメージが出来てしまうので
            好みの問題だけれど、泥臭くないが、骨格がしっかりしていて、がっしりした印象。
            この間のポリーニが、軽やかでアクセントが少なく、滑らかなベートーベンに
            柔らかで繊細なオーケストラの音が絡んだのと全く違う。

            例の席だから、ピアニストは全く見えないが
            スマートで美人のお嬢さん(驚愕)
            アナタ、ホントにフランスの女性ピアニストで、あんな強い音を出したんですか? (笑)
            実際、視覚を遮断して聴くと男性的。

            後半の「火の鳥」
            ・・・ 私、もしかしたら、すごい名演を聴いたのかも。

            音色の豊かさがスゴイ。
            この間のコンサートでは、新聞評に
            「ホルンが間違えて入ったが、慌てない素晴らしいオーケストラ」と
            けなしているのか誉めているのか判断がつかない事が書いてあったが
            このオーケストラの音色、その時々で、信じられない程、色彩が変わる。

            ラフマニノフでは(この間もそう感じたが)弦が力み過ぎで
            ありゃりゃ(苦笑)という瞬間が何回かあったが
            火の鳥組曲のピアニッシモでの弦の響きの繊細さが、
            複雑な色の集まったパステル色だ。

            雲の上に浮かぶようなピアニッシモから
            叩くような鋭いフォルティッシモに移ると、
            今度は火花が飛び散って、原色が飛び交う。

            柔らかい音色から、硬い原色の音まで、自由自在に出すアバドの指揮に
            充分応えて、めりはりの効いた、多彩な音を出すオーケストラって、やっぱり凄い。

            2日続けての公演だが、明日は私はオペラ(^^)
            このコンサート、チケットは両公演とも完全に売り切れです。

            ミュージアム・クォーターと数字

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              今回のヴィエナ・エクスパーツ・クラブのご招待はミュージアム・クォーター
              だが、レオポルド美術館でもなければ、ルードヴィッヒ・コレクションでもなく
              Quartier 21 ちょっとワケのわからない「現代ゲ〜ジュツ」の部門。
              プログラムには見学の後、Taschner 教授による「数学の講義」・・・ (・_・?)
              数学????? ゲ〜ジュツと何の関係が???

              Quartier 21 は、現代芸術家に住居と発表の場を提供する、という意欲的な試みで
              入場料無料。夜遅くまで開いていて、芸術作品?の購入もできる。
              色々な大きさのスペースに、ワケのわからない展示品やオフィスがあって、ワケわからん(笑)
              でも、面白い。リンツの Ars Electronica Center の分室(小さい)もある。
              ごたまぜの現代芸術空間で、モードの展示もあれば
              2階の一部ではゴチャゴチャした部屋にレーシング・カーが走っている
              (部屋がものすごく雑で、オタクの世界だ)

              さて、その「数学の講義」
              主に子供を対象に、数学のコースを開催している数学空間
              Taschner 教授はユーモアを交えて、熱く数学を語ってくれた。

              現代芸術家で(名前は忘れた)キャンバスの上に、
              ずっと白い数字を描き続けている人がいると言う。
              白い数字は乾いてしまうと見えなくなってしまい
              それを数十年にわたり続けていて、何億だか何兆だかに達しているそうだ。

              乾く前のキャンバスの状態で何億、という数字の羅列を、画面で見せてくれたが
              数学教授に言わせると、無限に続く時間というものをキャンバスに描き出そうとした試みだそうで・・・

              すみません、これを聞いて、絶望的な脱力感に襲われたのは私だけでしょうか?
               ・・・なんつうくだらん事を(絶句)

              数学教授が「数学こそ頭の中だけで構築される「永遠」の学問」と、
              数学を賞賛するのは理解できるが
              宇宙に飛ばした船の中に、英語のメッセージを乗せたら意味がないが
              (昔、本当にやったらしい)
              円周率を書いておけば、誰でもわかる・・・・とおっしゃったのですが
              それは、あの、その、宇宙人全部が10進法を使っている、という事でしょうか?
              それって、宇宙人でも英語がわかる、というのと同じレベルの議論なのでは?

              子供の頃に、どうしても数学が苦手で(数字が苦手な上にアホ)
              方程式が何故あるか、というのを理解できず
              大学の哲学科に潜り込んで「基礎数学論」で、やっと、自分なりに
              おお、10進法という枠を人間が作り、
              定理(公理だったっけ?)というお約束事を作って
              その上に「数学」は成り立つのだ、と、目からウロコが落ちたような気分になった。

              10進法の数学(別に2進法でも12進法でもかまわないが)が、
              美しい論理を描く(らしい)のはわかる。
              でも、それって、人間が頭の中で10進法と定理だか公理だかを決めた後に、
              ごちゃごちゃ弄っているものでしょう?
              ただの論理のお遊び・・・おっとっと、言葉が過ぎた。
              数学関係の読者がいらしたらお許し下さい。

              ところで、数学関係者がいたら聞きたいと思っていた事があって
              例の円周率なのだが、10進法じゃなくて、??進法だと、
              キレイな数字になる、なんて事はないですか?

              講義の後、教授をつかまえて、上のような議論をしてみたかったのだが
              インテリジェンス連鎖の一番下のあたりにいる旅行業界の、
              しかも数学用語を知らぬ外国人のオバサンが
              アクシオームという単語は記憶の底から取り出したけど、
              10進法って、ドイツ語で何て言うんだっけ?
              というレベルで、しかも講義の費用も払わずに、議論をしかけるのも厚かましいだろうと
              さっさと帰ったが
              もし、読者の中で数学関係者がいらしたら、ぜひ、メイル下さい(本気)

              Wer die Wahl hat, hat auch die Qual 悩む日々(笑)

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                10月の終わりがとんでもない事になっている(涙)
                会員へのチケット販売は来週。それまでに決心せねば。
                あぁ、身体が二つ欲しい。

                10月後半から11月前半に、シュターツカペレ・ベルリンが楽友協会で
                マーラー連続コンサート。
                バレンボイムが1番と5番、ブーレーズが4番、3番と2番。
                これがウィーン・モデルン現代音楽祭にモロにぶつかる(悲鳴)

                アルディッティ弦楽四重奏団の、今回のウィーン公演は、
                通常のコンサートに加え、参加20周年記念コンサートもある。

                通常のコンサートは、アペルギスに他の初演作品3点で、
                バレンボイム+マーラー1番と同じ日の同じ時間。
                もちろん、アルディッティに行く。迷いはない。
                マーラー1番、別にバレンボイムで聴かなくても(偏見・好み)

                が、記念コンサートが、ブーレーズ+マーラー4番と同じ日の同じ時間 (T.T)
                詳細は未発表だが
                べリオ、ケージ、チェルハ、フェルトマン、クルターク、ラッヘンマン、
                リゲティ、ナンカロウ、ノイヴィルト
                リーム、シェルシ、クセナキス その他
                 ・・・なんて書いてあったら、私、モロに (((^^;)(;^^) ))
                この作曲家を全部知っていたら、アナタもオ○ク(笑)

                マーラーの4番、ナマで聴きたい。いや、4番そのものは、何回も聴いてはいるが
                ベルリンのオーケストラにブーレーズの指揮で聴きたい。
                でも、アルディッティ弦楽四重奏団の豪華なコンサートも聴き逃したくない。
                あああああああ・・・(絶句)

                マーラー3番(ブーレーズ)とカチ合うのは Tony Conrad で
                この人は知らないから、これはマーラー優先。
                チケットが取れれば、の話だが・・・・

                11月1日のマーラーの2番(ブーレーズ)も、こちらが優先。チケット取れるかなぁ。
                11月2日のバレンボイムの5番はチクルスなのでチケットは確保。よしよし。

                2番と3番と5番を聴いて、4番が聴けないのは・・・・ ううう・・・(悩) 
                とりあえず1番はどうでも良いが(爆)

                ついでだが、11月5日・6日にはウィーン交響楽団とファビオ・ルイージで
                ベートーベンの6番とシューマンの2番・・・ きゃ〜〜〜っ! これも行かなくちゃ!!!

                観客卒倒事件(よくありますが・・・)

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                  同じコンサートに続けて行く、という悪趣味は
                  やってみると面白くて止められなくなった f(^^;)

                  本日はチクルス。見たような顔の人がズラズラ(笑)

                  ベートーベンのピアノ協奏曲4番。
                  自宅のピアノ譜を持って行こうか散々迷ったが
                  ピアノから離れて35年。もう楽譜、読めません(笑)
                  オーケストラとピアノの掛け合いが、ともかく見事。
                  昨日は、う、ポリーニ、ペダル使い過ぎ、と思ったが
                  楽譜に「ベートーベンは書いてあるよりもペダルを多用した」とあったので納得(←単純)

                  気になっている仕事の件があって、
                  携帯電話のメッセージに神経を尖らせている状態での鑑賞は
                  あまり集中できるものではないが
                  ベルリオーズの幻想交響曲。オーケストラの響きを楽しむなら最高の曲。
                  細かい部分のアクセントを充分に練って生かしたアバドの指揮に
                  情熱的なオーケストラが、しっかりと反応。
                  メンバーは色々なオーケストラの寄せ集めだが、ちょっとフランスっぽい雰囲気があって
                  明るいけれど、洒落た音を出す。
                  低弦の響きがズシ〜ンと来るのはアバドの好みか。

                  私が好きなのは、第5楽章。
                  正直言って、第2楽章はキレイだけど平凡だし、
                  風景画みたいな第3楽章は退屈(失礼!好みの問題です!)
                  第4楽章は・・・ 引き摺りがちの、ちょっと重い解釈。
                  断頭台への行進だから、実はそれが正しく、
                  アッケラカンと演奏してはいけないけれど・・(以下省略)
                   まぁ、好みですから・・・f(^^;)

                  現代音楽を彷彿とさせる第5楽章の途中で
                  席を立って出ていくご老人。
                  あら、この大音響が耐えられなかったのかしら・・・と思いきや
                  バターンとドアが思い切り閉まり、周囲が、いったいどうした?!とドアを見る。
                  と・・・何と、ドアの外でそのご老人が倒れている。
                  足がつかえているらしく、ドアを完全に開ける事もできず、
                  隣のロジェの人に合図を送って
                  向こうから開けてもらったりして、数人の観客が外に出ていく。

                  もちろん、この「数人の観客」倒れた老人のお知り合いではない。
                  一番良い部分のコンサートを諦めてまで、他人を助けようとする人たち・・・
                   
                  貧血だったらしく、医者が来て、外に出ていた観客も戻って来たけれど
                  こういう時に、必ず何人かが助けてくれる都市って、すごい。
                   (何もしなかったお前は何だ!と言われそうだが(恥))

                  ルツェルン・フェスティバル・オーケストラ

                  0
                    仕事で腹の立つ事が次々あって、怒り続けているのだが
                    まぁ、それはともかく、コンサート・シーズン幕開けが
                    ルツェルン・フェスティバル・オーケストラ、アバド指揮でソリストがポリーニ。
                    ベートーベンのピアノ協奏曲4番とベルリオーズの幻想交響曲 (←名曲アワー(笑))
                    既にルツェルンでも何回も演奏されているプログラム。
                    ポピュラーな曲目だから? コンサートは完売。
                    まぁ、他に聴くべきコンサートもないし(苦笑)

                    ポリーニが最初、走りに走って、一部リズムがずれたりする事はあったが
                    途中からキレイにハマり、終楽章のピアノとオーケストラの追いかけっこがリズミックで楽しい。
                    ピアノの音が、まるでオーケストラの一員のように
                    目立って押し付けがましくならないのにもかかわらず
                    トゥッティでも、しっかり聴こえてくるのが凄い。
                    ウィーン古典派の端正さから抜け、ベートーベンの持つモダンな面が
                    瀟洒なエレガンスを伴って、現代の我々の耳に聴こえてくる。

                    久し振りに聴く楽友協会の音の良さに、新たな感動をおぼえる。
                    最初のザワザワ(これが好き)から、やっと「立体的な音」の聴ける幸せに身が震える。

                    ベルリオーズは、ちょっと遅めのテンポで、輪郭がしっかり出て
                    各パートのアンサンブルが見事。
                    オーケストラの音色も若く、ダイナミックで、ちょっと力みがあって
                    弦が必死で夢中になって大音響を出そうと頑張っていて(時々音が割れる)
                    ついつい観客まで引き込まれて身を乗り出してしまう。
                    (舞台全体は見えないけれど、
                    指揮者とコンサート・マスター以下のバイオリン一部が見えた)
                    しかし、さすがアバドというか
                    楽友協会のあの音響を、しっかり味方にしていたのが驚愕。

                    あのホールは、鳴らし過ぎるとダメなのだが
                    このオーケストラ、鳴らし過ぎもせず、なのに力強く、
                    アンサンブルも掛け合いも上手い。
                     
                    CD とナマの音の違いはここにある。
                    身体中で感じる空気の振動、3次元(あるいは4次元かも?(笑))の膨らみ、
                    鮮やかな音の色。
                    そして、移ろいゆく一瞬にちりばめられる、表現できない幸福。

                    これ言うと、ウィーン以外在住の読者の恨みをかうけれど
                    でも、こういうコンサートを聴くと、

                    あぁ、ウィーンに住んでいて幸せ (*^^*)

                    バーデンでサロン・コンサート

                    0
                      仕事で、バーデンのピアノ調律師さんと電話で話していて
                      「バーデンのオペレッタ劇場って良いよね〜」という話から
                      私がアホなくらいコンサートに行っている事を話したら
                      「僕のサロンでもコンサートやってるんだよ。来ない?」

                      サロン・コンサート!? 自宅で行うサロン・コンサート・・・贅沢の極みだ!

                      広い敷地にピアノ・サロンの建物が別にあり(驚愕)
                      入ると右手に立派なパイプ・オルガンがあり(ますます驚愕)
                      壁には、音楽関係のカリカチュアや本物の楽譜や、
                      わからないけど重要そうな手紙が額縁でかけられている。
                      しかも、前方にはピアノにチェンバロに小型オルガン!!!

                      約40人ほど入れるサロンで、若手の音楽家たちが、
                      バッハ、マスネー、ボニ、イベール、最後にバッハ。
                      最初と最後にポピュラーな曲を入れて、
                      途中でフランスの印象派から現代を入れるところなど
                      プログラム構成が巧い。

                      調律師のF氏「フラウはっぱ、今日で今年何回目のコンサート?」
                      「え〜っと、確か120回目くらいだったと・・・」
                      「いったい、どうやったら、そんなに行けるの?」 
                      すみません、私、びょ〜きですから f(^^;)

                      そんなに行ったら耳が肥えるだろう、と言われるが
                      実際は CD で完璧な演奏に慣れている「ふつう」の人の方が耳は肥えてると思う。
                      スタジオ録音に比べれば、ナマのコンサートで小さな誤謬があるのは避けられないし
                      ノリノリで熱々のコンサートでも、こりゃ、CD には出来ないぞ、というのもある。
                      (それがナマの醍醐味)

                      ピアノとフルート、バイオリンにオルガンで、音色が多様で面白かったが
                      何が楽しかったって、チェンバロの響き!!!
                      チェンバロをコンサート・ホールで聴いても何にも感じないが
                      サロンでのチェンバロの華やかな事!!!!!! 
                       ものすごく印象的だ。鈴のようだ。

                      最後に、バッハの2台のバイオリンのためのコンチェルト BMV1043 を
                      (聴いたらみんな知っている曲)
                      バイオリン・フルートの組み合わせで
                      しかも第一楽章はオルガン、第二楽章はピアノ、第三楽章はチェンバロ。
                      「バロック時代は人がいなくて、適当に色々な楽器で弾いていたから」 
                      わっはっは、そうなのよね。

                      大編成オーケストラが一番好きだが、
                      こういうサロンでの室内楽も温かみがあって素適 (*^^*)

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