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フローリアン・ベッシュ + ユストゥス・ツェアン

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    Musikverein Großer Saal 2020年6月26日 20時〜21時

    バスバリトン Florian Boesch
    ピアノ Justus Zeyen

    Carl Loewe (1796-1869)
    Herr Oluf, op. 2/2
    Tom der Reimer, op. 135a
    Süßes Begräbnis, op. 62/4
    Wanderers Nachtlied II (Der du von dem Himmel bist), op. 9/3b
    Wanderers Nachtlied I (Über allen Gipfeln ist Ruh), op. 9/3a

    Richard Strauss (1864-1949)
    Breit’ über mein Haupt, op. 19/2
    All mein Gedanken, op. 21/2
    Traum durch die Dämmerung, op. 29/1
    Die Nacht, op. 10/3
    Ruhe, meine Seele, op. 27/1
    Mein Herz ist stumm, op. 19/6
    Allerseelen op. 10/8

    Robert Schumann (1810-1856)
    Liederkreis, op. 24
    Morgens steh’ ich auf
    Es treibt mich hin
    Ich wandelte unter Bäumen
    Lieb’ Liebchen, leg’s Händchen
    Schöne Wiege meiner Leiden
    Warte, warte, wilder Schiffmann
    Berg’ und Burgen schau’n herunter
    Anfangs wollt’ ich fast verzagen
    Mit Myrten und Rosen

    アンコール
    Carl Loewe „Hinkende Jamben“, op. 62 Heft 1/5
    Franz Schubert „An die Musik“ D 547

    バスバリトンのフローリアン・ベッシュは
    ザルツブルク音楽祭でも歌うとなれば行く、というくらいのファンで
    この人、ともかく、一風変わっている。
    フィッシャー=ディースカウの系統とも言える
    クリスティアン・ゲルハーヘルも大好きだが
    ベッシュの場合は
    今度は何をやらかすのか、というドキドキがある。

    楽友協会のチケット発売時の最初に確保したのが
    このコンサートだったのだが
    その後、売り切れになったようで
    17時から、もう1回、同じプログラムで開催する事になった。
    (ちなみに17時は私はデジタル授業なので行けない)

    まずはカール・レーヴェのバラードから。

    通常、楽友協会でリートの夕べを開催する場合は
    プログラムに歌詞の記載があるのだが
    今回は6月の特別コンサートを全部まとめた(無料の)プログラムなので
    歌詞の記載はない。

    ただ、ベッシュはドイツ語を非常に大事にする人だから
    リートでもドイツ語はクリアに出してくる・・・はず・・・

    あああ、すみません、私、歌手にむちゃくちゃ同情します。
    音響学では、言葉理解のための音響の数値が決まっているのだが
    もともと室内楽向きではない大ホールで
    しかも、たった100人の観客で
    あの深い美声で、ドイツ語をクリアに、というのは
    端的に言って、無理(断言)

    本人も、もしかしたら17時のコンサートかリハーサルで
    気がついたのかもしれないが
    最初の、あの劇的なオルフ氏の語りを
    ちゃんとピアニッシモで出そうとして
    ・・・・うああああ、思いっきり失敗してますが(すみません)

    ちゃんと歌ってはいる(プロだから当たり前)んだけど
    ピアニッシモのところが、ソット・ヴォーチェになっていなくて
    それは、ただの掠れ声というのでは(まぁ、失礼な)という
    だったら、そこまでして声量落とさなくて良いと思うのだが
    それは、たぶん、素人考えで
    完璧主義者のベッシュにしてみたら、思いもつかない事なのだろう。

    しかも、最初がオルフ氏、という
    シューベルトの魔王の成人男性版の話だし
    むちゃくちゃ劇的な曲だし・・・

    ドラマチックに声量を上げると
    (むちゃくちゃ声量のある歌手である)
    今度は楽友協会に響き過ぎるし
    これは聴いている方もドキドキするが
    歌っている方は、もっと大変だろう。
    ホールの音響のバランスと
    如何に喧嘩せずにクリアなドイツ語を響かせるかという
    とんでもない課題に直面している訳だから・・・

    Tom der Reimer でもドイツ語が塊に聴こえてしまい
    美しい女性が馬に乗って現れて
    妖精の女王だ、と言った・・・くらいまではわかったが
    手元に歌詞があればともかく
    歌を聴いているだけでは、わかりません(涙)

    しかし、掠れ声が時々聴こえるとは言え
    この人の低音は本当に美しい。
    人間の耳は低音の音量には鈍感だから
    低音は大きい音量でも全然構わないのである(極論)

    カール・レーベのバラードって
    大昔に結構聴いていたのだが(劇的で面白い)
    リート歌手であまり取り上げる人がいないし
    本来、相応の音響のホールで
    語り口がドラマチックなベッシュが歌ったら
    素晴らしかったに違いない(ぐすん・・・)

    リヒャルト・シュトラウスの曲で
    All mein Gedanken で、うえっ、何これ(ごめんなさい)
    いや、私の偏見と思い込みで
    これ、もっと軽い曲で
    ラブソングが恋人の窓を叩いて
    入れて♡っていう曲じゃなかったのか?

    ラブソングが
    「窓を開けろ!」と脅迫しているシーン
    初めて聴いた・・・ こわっ

    ベッシュってものすごくインテリな人だから
    確信犯でやっているのだろうし
    こういう思いがけないドキドキがあるから楽しいのだ。

    続く曲は、低いバスバリトンの暗い音色には
    徹底的に向く曲で
    割りに「普通」に歌い上げていた印象。
    Allerseelen は、もっとドラマチックに盛り上げるかと思ったら
    意外にあっさり、声の張り上げもない。

    ・・・まぁ、あれでベッシュが声量を上げたら
    天国にいる恋人は、怖がって帰って来ないだろう、たぶん。

    最後はシューマンのリーダー・クライス作品番号24番。
    舞台に水持って来て、時々、飲みながら歌っていたから
    声のコンディションも絶好調という訳ではなかったんだろうな、きっと。
    でも、ここら辺から、声のコントロールは取り戻し
    レーヴェの時のような掠れ声ではなく
    ちゃんと歌声のソット・ヴォーチェになった。

    超有名な曲だから、別に歌詞見なくても知ってるし。

    ただ、かなり抑制を効かせたんだろうが
    ベッシュのDVに近いドラマチックさには欠けた。
    低音の美しさとか
    長いフレーズの繋ぎ方は見事だが
    船員止めるのも、暴力じゃなくて比較的冷静に歌っていて
    どんどん冷静になって
    Anfangs wollt’ ich fast verzagen のあの暗さは
    (まぁ、もともとが暗い)
    ベッシュの深い美声だと、まるで地獄から響いてくるようだ。

    最初はどうなる事やら、と思ったけれど
    調子も取り戻して、声も滑らかに出て、良かった良かった。
    いや、ホントに大ホールの音響って
    ドイツ・リートには最悪だよね。
    イタリア・オペラのアリアとかならまだしも。

    アンコールにレーヴェの短いリートを1曲。
    その後、シューベルトの「音楽に寄す」は
    息の長さを最大限に活かした見事なフレージング。
    とても正統派で、喜びに満ちた曲として
    観客に提示されて、ちょっとハートが温かくなった。

    ベッシュは割りに完璧主義者という印象があって
    (ともかく、ひたすら思索して真面目に取り組む印象)
    コンツェルトハウスが行った無観客コンサート配信で
    (konzerthaus.at じゃなくて konzertzuhaus.at という
     ジョークっぽいウエブで公開されているが
     現在、ウエブがトラブル起こしているようで繋がらない)
    その時のプログラム構成が、あまりに素晴らしかったのだが

    完璧主義者だけに、楽友協会の、この音響でのコンサートは
    とても苦労したに違いない(思い込みかもしれない)

    オーストリアは一応、現時点では8月から
    屋内で5000人までの催物開催は許可される予定だが
    まだ人と人との間の最低距離の問題は解決されておらず
    その意味で、各コンサート・ホールでの催物がどうなるか
    予断を許さない状態。
    (だいたい、最近また、感染患者が増加してるし)

    来週の試験を控えて
    本来ならば、勉強に集中すべきなのだが
    どうせ落ちるし、落ちたら9月にも10月にもチャンスはある
    ・・・と、ともかく怠け者になってしまった私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2020.07.09 Thursday
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