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ミヒャエル・シャーデ + イェンドリック・シュプリンガー

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    Wiener Staatsoper 2020年6月18日 19時30分〜20時45分

    テノール Michael Schade
    ピアノ Jendrik Springer

    Ludwig van Beethoven
     „An die ferne Geliebte“

    Franz Schubert
     „Blumenbrief“
     „Der Fischer“
     „Die Forelle“
     „An den Mond“
     „Täglich zu singen“
     „Ständchen“
     „Adelaide“
     „Der Musensohn“

    Richard Strauss
     „Allerseelen“
     „Nichts“
     „Heimliche Aufforderung“

    Ludwig Gruber
     „Mei Muatterl war a Weanerin“

    Franz Lehár
     „Gern hab’ ich die Frau’n geküsst“

    アンコール

    Ludwig van Beethoven
     „Der Kuß“

    Richard Strauss
     „Morgen“

    インターネットのライブ中継
    24時間は見られるはずなので
    「はっぱは、いつも好き勝手な事を書いているが
     実はウソつきなんじゃないか」
    と、普段、秘かに思っていらっしゃる方、
    自分の目で見て聴いて
    私のウソを確かめるチャンスです(違!)
    なお、始まるのは28分過ぎくらいから(その前はコマーシャル)

    1800人くらい入るオペラ座で100人の観客
    座れない席は外してしまう、という徹底さ。
    しかも、チケットは100ユーロ!!!!

    私が100ユーロ出したのは
    売り切れだったクリスティアン・ティーレマンの「影のない女」と
    残念ながらコロナでキャンセルになってしまった
    ヌレエフ・ガラくらいである(貧乏だから)

    でも、私は長年のシャーデのファンである。
    ミスター残念の、あのソット・ヴォーチェは
    歴代のテノール歌手の中でも特筆すべき美しさだと思う。

    プログラム構成、よく考えてあるな、というのが第一印象。
    ベートーベン・イヤーだから、まずは遥かな恋人。
    シューベルトの有名な曲や珍しい曲を集めた後
    リヒャルト・シュトラウスの有名曲(少なくとも私は全部知ってる)
    ウィーン・リートの「私のお母さんはウィーンっ子」(笑)
    最後にレハールのオペレッタ「パガニーニ」から
    僕は女たちによくキスをした(定訳は知らないがインターネットで出て来た訳)

    いやもう、舞台に近い席なだけに
    反響よりも、直接、舞台からの音波が鼓膜に届く。
    よって、実はものすご〜〜〜く細かい音程のズレとか
    (すごく細かいです、普通だったら気がつかない)
    声の色の変わり方とかが、ものすごくクリアに聴こえてくる。

    オペラ座の観客数が少ない事で
    音響は通常の観客数よりも、ずっと反響が長い。
    その分、音は豊かに聴こえて来て
    シャーデの甘いテノールがむちゃくちゃ魅力的 ♡

    しかしこの人、本当に何というか根っからの役者で
    遥かなる恋人のチクルス一つを取っても
    非常にドラマチック。
    ドイツ・リートの端正さとか、何処いったという感じで
    優しいところは、とことん甘く、優しいソット・ヴォーチェで
    激しいところは、伝統的ベートーベンみたいな激情を持って
    (この頃、ベートーベンでも何でも、
     割りにクールな演奏が多いような気がするのだが
     シャーデは、徹底的にドラマチックに歌う)
    確かにこの曲、変化が激しいのだが
    シャーデの声にかかると、その変化が10倍くらいに聴こえる。

    シューベルトの曲、いくつか初聴きだったので
    1ユーロ(定価は90セント)の手元の歌詞を見たいのだが

    オペラ座って、何故、リートの夕べの時も
    観客席の照明を落としちゃうの???
    老眼鏡使っても、全然、プログラムの字が見えません(涙)

    ただ、シャーデのドイツ語は、とてもクリアなので
    詩はよく聴こえてくる。

    それに・・・
    シャーデがいちいち、身体で表現しちゃうので f^_^;

    Der Fischer の語りは見事だった。
    歌詞もわかるけれど、シャーデの表情と身体の動かし方を見ていると
    ドイツ語が分からなくても、ドラマチックなストーリーはわかる(はず)
    有名な Die Forelle も手取り足取り・・じゃなかった
    ともかく、音楽と詩での語りが凄い。

    Die Forelle の後、シャーデが
    「普通の詩の An den Mond ではありません。
     次の曲も、印刷してあるより
     こちらの方が詩が美しいと思います」
    と喋った後の曲は、知らないリートだったが
    いやもう、美しい。実に美しい(歌詞も音楽も)
    (後でインターネット配信で歌詞を見ていたら
     An den Mond は全く違う歌詞だったし
     Täglich zu singen はプログラムの歌詞よりもっと長かった)

    Ständchen は有名だし、みんな知ってるが

    次の Adelaide って・・・
    シューベルトも Adelaide に作曲してたんかいっ!
    私はベートーベンしか知らなかったが

    ベートーベンと比べるとすごく面白い。
    ドイツ語そのものの持つイントネーションが
    作曲家によって、どのように変わるか。
    もちろん、シューベルトがベートーベンの曲を知っていた可能性は高いが
    繰り返し Adelaide のニュアンスが2曲ともに似ていて
    うわあああ、これ、こういうのを研究した論文もありそう。
    (以前、まだ私がゼミに参加出来なかった頃に(参加には条件がある)
     ドイツ・リートについて、ゲルマニスティックと音楽学との
     共同ゼミがあったのだが、参加できなかったのが悔やまれる)

    Der Musensohn も軽く歌い上げて
    茶目っ気一杯、チャーミングさ満杯でドラマチックで甘い ♡

    リヒャルト・シュトラウスは
    Allerseelen で始めたので
    ああああああ、切ない、切な過ぎる、涙出てくる、すみません。
    でも、そのしんみりした空気を吹き飛ばす Nichts! は
    観客への語りかけも(大袈裟だけど)カワイイ。
    何せ、最後が Ich, und ihr, und alle? ですからね。
    オペラ歌手で、とことん役者のシャーデ向きの曲だ。

    Heimliche Aufforderung は
    私の大好きな大好きな大好きな曲で
    (ただし自分で歌おうとしても男声の曲なので無理(涙))
    最初のパーティ気分から
    バラ園での背徳的な秘密の(以下省略)
    しかも秘密のモゴモゴ(恥ずかしくて書けない)の後に
    もっとすごいゴニョゴニョが暗喩されているので
    若い頃の私は、もう、興奮(以下自粛)

    シャーデの前半と後半の歌い分けも見事で
    私もババアにはなったけれど
    若い頃を思い出してしまったわ。
    こういう素敵な思い出が人生にあれば良かったのに(あ〜、あはは)

    Mei Muatterl war a Weanerin を歌う前に
    観客に向けて、手を動かして
    「僕がこれをやったら、皆さん、一緒に歌って良いんですよ〜」(笑)
    そりゃ、ウィーンっ子だったら
    あるいは、私のようにウィーンに長く住んでいたら
    この曲は充分に知っている。

    続けて
    「まぁ、こういう曲をドイツ人2人が演奏するのも・・・
     観光の時代ですね〜」(わっはっは、ワケわからん)

    でも、他のドイツ人、しかもオーストリア在住歴があまりない人も
    こういうリートを、オーストリア訛りじゃないドイツ語で歌ってますし
    シャーデはオーストリアでは宮廷歌手の称号もあるし
    かなり長い間、ずっとオーストリアで活躍していたから
    歌詞も、正統ウィーン訛り・・・とは言えないけれど
    かなりオーストリアっぽくて、これはこれで味がある。

    それに歌っていて、むちゃくちゃ楽しそうだし。
    この曲、意外に語りがあるんですよね。
    ただ、途中の、本来はセリフで語るところはさすがに飛ばしたけど。

    Gern hab’ ich die Frau’n geküsst の前に短いスピーチ。
    このご時世、誰にもキスは出来ないけれど
    歌では出来ます、という事で

    うわあああ
    この曲がものすごく印象的だった。

    たぶん、正統派オペレッタ・ファンにはウケないと思う。
    だって、ソット・ヴォーチェ使いまくりの
    ともかく愛に溢れて美しいというか
    オペレッタのアリアというより
    限りなくドイツ・リートに近い歌唱。

    そうか、この曲って、こういう歌い方もあったのね、と
    ちょっと、いや、かなりビックリした。

    正統派オペレッタ・ファンの方の意見を聞いてみたいものだ。
    (わかってますね、Yさん、メールお待ちしております(笑))

    アンコールで
    キス・・・なので、ベートーベン・イヤーで
    やっぱりキスで行きましょう

    って、この曲、よく知ってるぞ。
    もう、むちゃくちゃ笑える曲で
    読者もよくご存知とは思うけれど

    キスする、と言ったら
    彼女は、叫ぶわよ、と言った。
    でもキスをした。
    彼女は叫んだ・・・けど
    ずっと後になってから

    という、しかも最後の「後になって」の繰り返しが
    ベートーベンのしつこさが爆発する楽しい曲で
    シャーデの表現力(声、歌唱、身体表現)が
    むちゃくちゃ活きる。

    最後の最後に
    希望をなくしてはいけない
    明日はまた来る(意訳)
    ・・・と言ったとたんに
    あ〜、これはアレが来るな、と思ったら大当たりでした。

    たぶん、その最後のスピーチだったと思うんだけど
    長年、オペラ座で歌って来て
    パミーナを火や水の上で運んだり
    喋らない女を喋るようにさせたり
    ルネ・フレミングやアンナ・ガーブラーに
    オペラでは言葉が大事なんだ、と説得したり

    わっはっはっは
    キミキミ、フレミングやガーブラーの時は
    フラマンだったよね?
    エレードを持ち上げなくても宜しい(わかる人はわかる)

    しかし、このジョークをわかった人って
    会場に何人居たのかしら。

    シャーデの印象的な役としては
    エリーナ・ガランチャを寛容に許した皇帝って言うのもあったけど。

    100人限定とは言え、100ユーロだし
    かなり年配の方々は、やはりウイルスが怖いから来ないし
    何だか不思議な聴衆のバランスで
    シューベルトのリート間に拍手のフライングがあるかな、と
    思っていたら
    最初はうまく繋げたのでともかくとして
    やっぱりリート間拍手がなかったワケではないが

    あの位なら、あまり気にならない。
    まぁ、ドイツ・リートを好んで聴く、という人ばかりが
    集まった訳ではなさそうだが
    シャーデの家族もカナダから来ていたらしいし(本人談)
    如何にもオペラっぽいシャーデの表現力は
    手元の歌詞が暗くて読めなくても
    充分に楽しさが伝わってくるリサイタルだった。

    インターネット・ライブは明日までは見られるので
    私も、もう一度、コンピュータで見て
    あのソット・ヴォーチェを堪能しよう (^^)v

    皆さまも、はっぱのウソを見破るために
    ぜひ、インターネット配信をご覧下さい。
    ちなみに、オペラ座の大判振る舞いで6月末まで無料です。

    ウイルスのせいで、連日連夜の音楽ライフは
    残念な事になってはいるのだが
    普段座れない、お高級席で
    歌手のすぐ近くでリートを聴くという
    贅沢なチャンスがあるというのも
    悪くはないわ、と、楽観的に考える私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    オーケストラ音楽大好きだし
    音響オタクっぽいところはあるんだけど
    私の音楽のルーツは実はドイツ・リートにあるので
    やっぱりドイツ・リートを聴くと楽しい ♡

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      • 2020.07.09 Thursday
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