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ウィーン交響楽団 + クシシュトフ・ウルバンスキ 2回目

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    Musikverein Großer Saal 2019年12月20日 19時30分〜21時35分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Krysztof Urbański
    チェロ Kian Soltani

    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
     Ouvertüre zur Oper „Le nozze di Figaro“, KV 492
    Witold Lutosławski (1913-1994)
     Konzert für Violoncello und Orchester
    Peter Iljitsch Tschaikowskij (1840-1893)
     Symphonie Nr. 4 f-Moll, op. 36

    2日前に行ったコンサートだが
    ウィーン交響楽団は同じプログラムを3回演奏するので
    昨日も同じ曲を演奏していた。
    私は行ってません、悪しからず。

    モーツァルトのフィガロの結婚
    楽しい曲だけど
    ついつい聴きながらフォームの分析を始めてしまい
    あ〜、これ、ABAに見えながら、ロンドじゃん
    ・・・とか考え始めると、もう末期というか(すみません)

    さて、ルトスラフスキのチェロ協奏曲の前に
    チェリストがチェロなしで舞台に出現。

    ??? と思っていたら
    聴衆に向けて、曲目解説を始めた。

    ルトスラフスキの音楽言語に詳しい方もいらっしゃるとは思いますが
    まだ、あまり知らない、という方のために、ちょっとお話させて下さい。

    うむ、なかなか好感の持てる喋りである。
    ルトスラフスキなんて知らないでしょ?という上から目線でないのが良い。

    チェロは個人、オーケストラが集団で
    チェロは、集団に向かって、一生懸命、合わせようとしたり
    戦ったりするのですが、いつも負けます(ここで笑い声)

    途中、一箇所だけ、弦のアンサンブルと呼応するところがありますが
    それも長くは続かず、集団の圧力に負けそうになりますが
    最後はチェロの音域すべてを使って
    個人としてのチェロが勝利したような印象を残します。

    ・・・これも巧い解説の仕方だ。
    勝利した、と断定するのではなく
    あくまでも可能性として示唆するだけ、という

    このチェリスト、音楽だけではなくて
    かなり頭脳明晰と思う。

    しかし、こんな解説しなきゃならん程
    昨日の演奏はウケなかったのかしら?
    (2日前の初日は、結構、ブラボーも飛んでいた)

    だいたい、この内容、チェリストがプログラムに書いているんだけど
    まぁ、プログラムは買わない人も読まない人もいるだろうな。

    私は2日前に聴いた時から
    コンセプトがあまりに明確過ぎて驚いたが。
    書いた通り、隣のおばさまも、警察に捕まるみたい、と言っていたから
    音楽そのものが語る内容は、非常に明確である。

    幕間に係員と話していたら
    年配の女性客2人が「これはサイコ・テロだ、聴いていられない」と
    会場から出ていったらしいが

    確かにサイコ・テロかもね(笑)

    個人と集団の相克が、あまりにリアル過ぎて
    当時のポーランドの社会的状況を考えた方が良いのかもしれない。

    ただ、現在だって、この個人対集団の図式は当てはまるわけで
    もしかしたら、このチェリストも
    個人対社会で、ものすご〜〜〜く苦労して来たんじゃないか
    ・・・と思わせる部分が多い。

    私だって30年以上、異邦人としてここで暮らして来て
    人種差別とか、まぁ、鈍感だからあまり感じないけれど
    確かに実際、ちゃんとそういう個人対集団の対立はあるし
    その意味では、あの慟哭して絶望して
    ため息ついて、やり場のない怒りを撒き散らすチェロは
    かなり心に刺さる。

    ついでに、チェロを虐める集団のオーケストラにも
    腹が立つ(こらこら)
    特に、トランペットやトロンボーン、ホルンなんか
    悪役も良いところじゃないか。
    聴いているだけで、ちょっと憎たらしくなってくるので
    やっぱりこの曲、私には、心情的にものすごい語りかけがある。

    チェリストの雄弁さが影響しているんだろうなぁ。
    泣きそうな顔で、感情的に演奏する人って
    あまり好みではないのだけれど
    この曲に関しては、ものすごく共感。
    ある意味、ソリストの魂の形が見える・・・
    と言ったら大げさかもしれないが。

    いや〜、こんな暗い曲
    2回も聴いたらやってられないかと思ったら
    突き刺さって感動するなんて、ちょっとやられた、って感じ。

    ウィーン交響楽団のチェリストを巻き込んで
    ショスタコーヴィッチの映画音楽のアンコール。
    こういう協力を得られるというのは
    チェリストの人徳なのかもしれない。

    さて、後半のチャイコフスキーの交響曲4番。
    これは、前半で悪者になっていた
    金管軍団の名誉回復の曲だな(笑)

    ウルバンスキの指揮が
    何だか最初の頃に比べると
    もっと自由自在になっていて
    というか、ほとんどリズム取ってないし
    オーケストラに任せるところは徹底的に任せている印象。

    しかしこの指揮者の下半身って美しい(すみません)
    ウルさま、とか愛称を付けて、称賛してファンになる人が
    いるんじゃないだろうか(邪推)
    (ちなみに、私が「さま」を付けて呼ぶのは
     ウィーン国立バレエ団のオルガさまのみです。
     彼女は舞台の上では、あまりに神々しくて
     もう「さま」なしでは呼べません・・・)

    年配女性の「サイコ・テロ」発言だが
    チャイコフスキーだって、かなりの「サイコ・テロ」じゃないの?

    いや、それ言ったら
    ベートーベンこそ、最初のサイコ・テロ首謀者で

    続いて、様々なサイコ・テロが出現して
    ドヴォルジャークとかチャイコフスキーとかが出た後で
    ワーグナーという、サイコ・テロの大御所が出て来て

    その後、グスタフ・マーラーと言うサイコパスが登場し
    (あ〜、マーラー・ファンのみなさま、ごめんなさい。
     私、マーラー大好きですけど
     時々、どう聴いてもサイコパスにしか聴こえないので)
    シェーンベルクという
    実は大情熱家でサイコパスになりそうだった作曲家が
    あまりに頭良過ぎて
    理論に走る音楽を書いてくれたお陰で
    現代音楽は、12音技法とか
    頭で聴く音楽という、あまりサイコに関係ない方に走った
    ・・・ような気がするのだが

    前半のルトスワフスキ聴いちゃったら
    簡単にそうとも言えないような気がして来た。

    芸術そのものが
    感動なり人間の感情に触れるものを目指す限りは
    どちらにせよ、どういう音楽だって
    サイコ・テロには違いない(極論)

    最近、悪い癖で
    何を聴いても
    特に多少なりとも知っている曲を聴くと
    スコア持って、分析してしまいたくなるのだが
    いや、今回のチャイコフスキーも
    モチーフの移調とか、かなり気になっているのだが

    いやいや、それはともかくとして
    3回目でダレるかと思ったら
    バランスの良い、締まった感じの
    体幹がしっかりしているような印象の
    素晴らしい演奏だった。

    木管のソロ、すごくチャーミング。
    全体的にニュアンスに富んだ無理のないバランスで
    盛り上げるところは盛り上げて
    優しい部分はとことんチャーミング。

    しかし指揮者って
    こういう曲、最初から最後まで
    しっかり分析して
    バランス考えて臨むのか・・・すごいな。

    ウルバンスキはルトスワフスキ以外は暗譜での指揮。
    確か、この人、記憶力がずば抜けていると
    どこかでチラッと聞いた記憶があるのだが
    移調楽器も含めて
    スコアが全て頭の中に入っているのは羨ましい。

    さて、これにて私の2019年のコンサート・ライフは終わり
    ・・・なんだけど
    この後はウィーン国立バレエ団の「海賊」が待っている ♡

    もっとも、年末・年始は私も仕事があるから
    「海賊」全公演の制覇は出来ないが・・・
    まぁ、仕事があるのは有り難い事なのだろうが
    仕事全部ほったらかして
    ひたすら遊びたい、という
    怠け者の私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    クリスマス前にバレエ公演があるので
    まだ、みなさまに良いクリスマスを、と言うまでには
    少し時間があります。どうぞお付き合い下さいまし。

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