<< フィルハーモニック・ファイヴ | main | フォーサイス、ファン・マネン、キリアーン 4回目 >>

ウィーン交響楽団 + フィリップ・ジョルダン

0
    Musikverein Großer Saal 2019年9月25日 19時30分〜21時30分

    Wiener Symphoniker
    指揮 Philippe Jordan

    Johannes Brahms (1833-1897)
     Symphonie Nr. 1 c-Moll, op. 68
     Symphonie Nr. 2 D-Dur, op. 73

    楽友協会シーズン・オープニングのコンサートは
    ウィーン交響楽団とフィリップ・ジョルダンで
    ブラームス交響曲1番と2番。
    これに続いて、3番と4番のコンサートも後日行われる。

    (註 この間のウィーン・フィルのコンサートは
     楽友協会主催ではなく、
     ウィーン・フィル主催のシーズン・オープ二ングである)

    で、シーズン・オープニングのこのプログラムを見た時に
    正直、割にディープなオタクと自称しているワタクシとしては
    けっ、何故にいまさらブラームスの交響曲全曲、と思ったのは認める。

    まぁ、モーツァルト、ベートーベン、ブラームスだったら
    観光客も喜んでチケットを買うし
    ブルックナーならジモッティは喜んで来る。

    (オーケストラ聴きまくりの私は
     ドイツ音楽三大Bって
     ベートーベン、ブラームス、ブルックナーだと思っていた。
     バッハは(古楽アンサンブルとか受難曲は別として)
     あまりウィーンでは演奏されない)

    後半に演奏された2番が
    ちょっと仰け反って、腰を抜かす程の素晴らしさ。

    2番って、他の交響曲と比べて
    全体が長調で構成されていて
    民謡っぽいメロディが、これでもか、という位に使われていて
    自然描写(しかも(主観的に)初夏だ!)が、ともかく美しい。

    マーラーだって3番で同じザルツカンマーグートの
    自然描写らしきものをしているが
    マーラーの場合は
    地面の下から恐ろしいモノが這い上がってきそう。

    ブラームスの2番は、そういうオドロオドロしさがなくて
    素直で明るさに満ちていて
    6月の終わりなんかに聴くと
    すぐに車に乗り込んで山岳地方にすっ飛んで行きたくなる曲。

    (あ〜、表現の深みとかなんか、ワケわからん哲学的な思索をする
     インテリゲンチャな読者諸氏もいらっしゃると思いますが
     ド・シロートの考える事なんて、こんなもんです)

    これが、もう、とことん丁寧に音楽が作られていて
    音量をかなり絞って、絶対に爆発させない。

    高原の湖の爽やかな風が、多少強く吹いても
    少し雨がパラパラと降って来ても
    嵐にはならず
    太陽もギラギラではなく、あくまでも穏やかに
    人間を慈しむように照らして来る。

    何とまぁ、繊細な2番。
    かと言って、ちまちましている印象はない。
    あくまでも穏やかに
    とことん美しい透明な音響で
    長いフレーズを歌わせて歌わせて

    下の舞台から立ち上ってくる、馥郁たる陶然とさせる香り。
    厚みのあるオーケストラの音なのに
    透明性を失わず
    各所のソロも際立って美しい。
    (1番の時にオーボエ気に喰わんとか思っていたけれど
     後半は、オーボイストが変わったかと思う程の変貌ぶり)

    第1楽章でバイオリンがピアニッシモで入ってくるところで
    もう背筋がゾクゾクして
    その後、ず〜っと、快感の嵐に巻き込まれてた。

    ウィーン交響楽団の長所である木管・金管の美しさ。
    ホルンやトロンボーンの
    あの柔らかで深い音色を
    あんなに完璧に聴かされたら
    あぁ、もう、どうにでもして・・・って

    これ、若い女の子が言うと色っぽいんだろうけどね(爆笑)

    各所のバランスや、メロディの強調のやり方にも
    この指揮者、ちゃんと考えてるな、というのが見えて
    ここまでとことん美しく演奏させても
    ただ自己陶酔に浸っているだけではない、というのがわかる。

    この曲、数年前にウィーン・フィルと
    リッカルド・ムーティが
    この世のものとは思えない美しさの演奏をしたが

    今日のウィーン交響楽団とジョルダンは
    かなりそれに近い。
    オーケストラ、技術的には、全くミスなしの完璧状態。
    しかも、いつもだと固く鋭く聴こえてくる事の多い
    第一バイオリンの、あの柔らかい音色は何なんだ。
    こんな音、まだウィーン交響楽団で聴いた事なかったような気がする。

    前半の1番も悪くなかったけれど
    出だしで
    1音にこんなニュアンス付けるか?
    あそこ、スフォルツァンドとは書いてなかったよな
    ・・・というのから始まって

    ちょっと粗めの音で
    推進力グイグイで押してくる感じが強く
    あぁ、やっぱり、こういう誰でも知っている名曲を
    聴かせようとすると
    こういう目立つ事をするか
    クルレンツィスみたいにオーケストラを全員立たせるとか
    そういう事をしなきゃいけないんだろうなぁ、と
    しょうもない事を考える余裕はあったのだ。

    それが後半の2番でぶっとんだ。
    ジョルダンは、別にクルレンツィスみたいに
    奇抜な事はしていない。

    この上なく注意深く、音量のバランスを
    楽友協会の音響にピッタリ合わせて
    感情に溺れず、でも、冷たくもクールにもならず
    楽友協会のこのホールって
    確かにブラームスが居た時代に建てられたものなんだなぁ、と
    ストンと納得させてくれる演奏。

    そういう時代の、そういうホールで
    その時代に完璧に合ったブラームスを
    ライブで聴ける幸福感。
    これって、めちゃくちゃ贅沢な楽しみではないか。

    こんな個人的印象だけの主観的メモを読んで下さる
    ありがたい読者の方々を
    マウンティングしようと言うのではないのだが

    でも、こういう時間を体験すると
    うわあああ、ウィーン居て良かったぁ、と
    ついつい思ってしまう。
    (同じ演奏をサントリー・ホールで聴いても
     あまり面白くないかもしれない)

    まぁ、例年変わらず、ヘンなオバンですが
    今シーズンも、どうぞ宜しく楽友協会(笑)
    という訳で、通い続ける予定の私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    このコンサートと、3番・4番のコンサート
    それぞれ2回づつあるのだが
    今回、1回づつしか聴けないのは
    その間に国立オペラ座でのバレエ公演が入るから。
    シーズンが始まってしまうと
    また、こういう「どっちも聴きたいし見たい」というのが
    いくつか出てくるんだろうな(もう出て来ているが)

    スポンサーサイト

    0
      • 2019.11.20 Wednesday
      • -
      • 23:30
      • -
      • -
      • by スポンサードリンク

      calendar
           12
      3456789
      10111213141516
      17181920212223
      24252627282930
      << November 2019 >>
      PR
      ★コンタクト・メイル★
      メイルはこちらへ
      ブログランキングに1クリックお願いします
      selected entries
      categories
      archives
      recent comment
      recommend
      links
      profile
      search this site.
      others
      mobile
      qrcode
      powered
      無料ブログ作成サービス JUGEM