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ムジカエテルナ + クルレンツィス「ドン・ジョバンニ」

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    Wiener Konzerthaus Großer Saal 2019年9月7日 19時〜22時35分

    musicAeterna Orchestra
    musicAeterna Choir
    Dimitris Tiliakos (Don Giovanni)
    Nadezhda Pavlova (Donna Anna)
    Kenneth Tarver (Don Ottavio)
    Federica Lombardi (Donna Elvira)
    Kyle Ketelson (Leporello)
    Robert Lloyd (Il Commendatore)
    Ruben Drole (Masetto)
    Christina Gansch (Zerlina)
    演出 Nina Vorobyova
    衣装 Svetlana Grischenkova
    照明 Alexey Khoroshev
    指揮 Teodor Currentzis

    Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
     Don Giobanni ossia il dissoluto punito
      Dramma giocoso in due atti K 527 (1787)
      Libretto: Lorenzo Da Ponte

    クルレンツィスの出世作というか
    ともかく、この指揮者、モーツァルトの
    ダ・ポンテ三部作のオペラの録音で
    華やかにクラシック音楽の世界に
    異端児として登場した過去があるので
    (今だって充分に異端児だけど)

    コンツェルトハウスで、ダ・ポンテ三部作を
    コンサート式(ちょっとだけ演出あり)で演奏するとなった時
    実はむちゃくちゃ迷ったのである。

    クルレンツィスのチクルスは
    チクルスが出来た時から購入しているのだが
    チクルスにはコジ・ファン・トゥッテが含まれていて
    (うわ、長いし、ストーリーなんかヘンなので苦手)
    フィガロの結婚は
    ロイヤル・コンセルトヘボウと重なった。
    (これはロイヤル・コンセルトヘボウにタベア・ツィンマーマンが勝った。
     もともとチケット持ってたし)

    ドン・ジョバンニも
    グラーフェネックのヘレヴェッヘ+シャンゼリゼ管弦楽団とバッティングしたのだが
    チケットのサイトを見てみたら
    まだ30ユーロ以下の席が残っていたので、即、1枚確保。
    (高い席しか残ってなかったら買ってません・・・超貧乏だから。
     ヘレヴェッヘは再販に出したが、売れていなければ丸損。まぁ仕方ない・・・)

    読者諸氏はご存知の通り
    モーツァルトは苦手で(条件反射的に寝落ちする)
    オペラが苦手で(長いしストーリーがだいたいヘン)
    よって、聴き込んでいないし
    細かい部分の詳しい事は
    ぜ〜んぜん書けませんので悪しからず(予防線)

    ドン・ジョバンニは
    実は何回か舞台で観た事はある。
    このブログ(パート3)の前の
    もともとのさるさる日記の時代か
    次のパート2の時代に
    (記録はすべて消えました・・・(涙))
    ウィーン劇場で何回か
    オペラ座で何回か
    そして忘れもしない
    とんでもないスペクタクルな演出だった
    クロースターノイブルクの夏のオペラ祭で2回。
    (あまりに素晴らしい演出だったので
     1回では物足りなくなって2回行った。
     当時は若かったので、気力も体力もあったのだ)

    ムジカ・エテルナのメンバーは
    いつもの通り、立っての演奏だが
    今回は椅子が用意されている。
    あ〜、長いオペラだから座って演奏するのか、と思ったら
    演奏する時には、やっぱり立ったまま。

    途中のレチタティーヴォの時だけ
    ちょっと座ったりしている。

    そのレチタティーヴォが奇妙で
    ピアノフォルテなんだけど
    こんなレチタティーヴォ、どの上演でも聞いた事ないぞ。

    オーケストラも、まぁ古楽器はともかくとして
    ピアノフォルテの横にはテオルベが・・・
    テオルベなんてオーケストラにあったんかい?(いや、普通はない)

    オーケストラが舞台に登場した後
    舞台も客席も真っ暗になる。

    真っ暗な中を指揮者が出て来て
    音楽が奏される、という趣向だったと思うのだが

    なにせ、こういう演目に来ているのは
    熱狂的なクルレンツィス・ファンばかりなので
    真っ暗な中でも指揮者が出てくると
    熱狂的な拍手が起こってしまうのは、まぁ、仕方ない。
    ・・・無粋だとは思うんですけどね(苦笑)

    オルガンの前に大きなディスプレイがあって
    ドイツ語の翻訳が出る。
    私の超貧乏天井桟敷席からだと
    視力が2くらいないと見えないので
    私はもっぱらオペラ・グラス(望遠鏡)でセリフを読んでいた。

    ドン・ジョバンニの音楽って・・・(絶句)
    あのあのあの
    オペラ座とかウィーン劇場で聴いたのと違う。
    レチタティーヴォが違うだけじゃなくて
    時々、絶対に普通に入って来ない音が混ざる。

    その分、むちゃくちゃドラマチック。
    クルレンツィスは、時々指揮台を降りてしまって
    オーケストラのプレイヤーや歌手のところまで
    出張して(笑)振ってる。

    歌手の衣装は、全員、黒。
    ドン・ジョバンニには赤のポケット・チーフ。
    (レポレロと役割交換時に、これをレポレロの胸に差し込む)

    見た目の事を言ってはいけないのは承知の上だが
    ドン・ジョバンニとレポレロは
    見た目は、そこら辺で朝からビール飲んでるおっちゃんに見えるし
    ドン・オッターヴィオは細身のネクタイしめて背広なので
    おどおどしたサラリーマンにしか見えない。
    マゼットも田舎のお兄ちゃんにしか見えないけれど
    これはまぁ、もともとが農夫の役だから
    垢抜けない風貌が合っている。

    見た目が優秀だったのは女性陣である。
    ドンナ・エルヴィーラは大柄で黒いロング・ドレスに気品があって
    ドンナ・アンナも黒のドレスだが、スタイル良くてキュートだし
    ツェルリーナの膝丈ワンピースの可愛さったら
    マゼットでなくても惚れちゃうわ(ドン・ジョバンニも口説いてたしね(笑))

    見た目はともかくとして
    歌は、きゃあああああああ!!!!! と叫びたくなる素晴らしさ。
    何が素晴らしいかと言って
    張り上げた声が出る、とかいうんじゃなくて(出てるけど)
    歌手とオーケストラが作り出す
    表現力の発露が凄まじいのである。

    オペラ座ではなくて
    コンツェルトハウスだから
    音響の良さもあるんだけど
    それでも、あのホールで
    あれだけピアニッシモからフォルティッシモまで
    ダイナミック・レンジの信じられない振幅で
    しかもピアニッシモの声が
    透き通って天井桟敷まで、ばっちり届くのだ。

    さらに
    モーツァルトの楽譜にはそういうのないよね、という
    装飾と超絶技巧が惜しみなく披露されて
    (いや〜、もう、腰が抜けます)

    それが、装飾や超絶技巧を聴かせる事が目的ではなくて
    オペラのドラマチックなストーリーとドラマに
    見事にハマっている。

    ピチカートだけのアリアの時には
    バイオリンとビオラだけじゃなく
    チェロまで、ウクレレ抱えで弾いていたのには
    かなり笑えたし

    ツェルリーナの薬屋のアリアでは
    ツェルリーナがチェロの首席2人の後ろで
    チェリストをど突いたり(笑)絡まったりしていて
    それでもめげずにチェロを演奏していた首席も偉い(爆笑)

    限られた空間での演出もよく考えられていたし
    音楽的には、もう、本当に今まで聴いた事がない、という
    新鮮な驚きに満ちていて
    長いオペラなのに、寝落ちもせずに聴いてしまった。

    ドン・ジョバンニの地獄落ちの後
    ドン・ジョバンニも騎士団管区長も、指揮者も
    小走りで退場して

    あれ? これ、じゃぁ、ウィーン版なんだわ、と
    観客から、ちょっと戸惑った拍手が起こる。
    (ウィーンの国立オペラ座では、プラハ版の演出なのだ)
    客席もちょっと明るくなったので
    そうか、ウィーン版か、と納得した聴衆が
    大歓声とブラボー・コール。

    オペラのように
    歌手が一人一人出てきて挨拶して
    最後にクルレンツィスが登場(客席大歓声、一部スタンディング・オベーション)

    長いオペラなので、帰る人もかなり居たのだが
    舞台上に全員揃ったところで

    プラハ版の最後の全員のアンサンブルのナンバーが・・・
    きゃ〜〜〜っ、ここで、この曲を演奏するかっ!!!

    急いで帰らなくて良かった・・・・(冷汗)

    こんなのルール違反だわ、とか思うけれど
    確かに、いったんウィーン版で地獄落ちで終わって
    すべてが終了した後で
    あのアンサンブルの最終シーンが歌われると
    不自然さはないし
    続けて演奏される時に有り勝ちな冗長性もなくなる。

    クルレンツィスの追い掛けをやって来て
    最近は、ちょっと、その異端児的なところが
    鼻について来た、というのが実はあったのだけれど

    やっぱりクルレンツィスって・・・スゴイわ。
    奇抜な事をやっている、というのはあるのだけれど
    その奇抜さが、まだ新鮮だし
    ストンと納得できるだけの説得力がある。

    さて、今シーズンのクルレンツィスのチクルスは既に確保済み。
    2020年にはベートーベンの交響曲全曲の演奏もあるし
    これから、クルレンツィスがどうなって行くのか
    (あるいは、自分のクルレンツィスに対する印象がどう変わって行くか)
    ちょっとワクワクしている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2019.11.20 Wednesday
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