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バーミンガム市民交響楽団 + ミルガ・グラジニーテ=ティーラ

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    Schloss Grafenegg Auditorium 2019年8月29日 20時〜22時

    City of Birmingham Symphony Orchestra
    ソプラノ Christiane Karg
    指揮 Migra Gražinytė-Tyla

    Oliver Knussen (1952-2018)
     «The Way to Castle Yonder» Pot-Pourri für Orchester
      aus der Oper «Higglety Pigglety Pop!» op. 21a (1990)

    Benjamin Britten (1913-1976)
     «Quartre Chansons françaises» für Sopran und Orchester (1928)

    Gustav Mahler (1860-1911)
     Symphonie Nr. 4 G-Dur (1899-1901)

    午前中のラテン語速習コースの後
    歌のレッスンに行って、直接グラーフェネックまで車を運転している最中に
    雷雨と大雨で、あぁ、こりゃ野外は無理だわ、と思っていたら

    曲目解説(すみません、ぐっすり寝てました)の後
    みんな、ゾロゾロと野外会場に向かっている。
    え〜っ、あの大雨の後、椅子も濡れているだろうし
    地面も芝生も、ぐっしょりなのに野外音楽堂?

    仕方なく車に戻って
    椅子のクッションやらコートやらのバッグを出して
    庭を通って会場に着いたとたん
    またもや、雨がパラパラ。
    本日の会場は屋内ホールに変更です、とアナウンス。

    野外からティンパニやらコントラバスやらを運んで
    ホールのセッティングをするのに時間がかかり
    本来は19時15分からのコンサートの開始は20時になった。

    バーミンガム市交響楽団が
    2016年から常任になったミルガ・グラジニーテ=ティーラと出演。

    ミルガ・グラジニーテ=ティーラとバーミンガムは
    2018年4月4日に楽友協会で聴いて、鮮烈な印象が残っている。


    最初は昨年66歳で亡くなったオリヴァー・ナッセンの子供のオペラ
    ヒグレッティ・ピグレッティ・ポップ!からのメドレー。
    子供のオペラとは言え
    ばっちり現代音楽である。
    でも、リズムもメロディも楽しくて面白い。

    ただ、この曲、やっぱり予習が必要だったかも(汗)
    どうも私はイギリス音楽が苦手なんだよなぁ。

    同じくベンジャミン・ブリテンも
    多少はドアが開いたような気はするけれど
    すごく好き、という作曲家ではないし

    それに、このフランス語の4つのリートって
    ブリテンが15歳の時に作曲したもので
    ううう、やっぱり天才って違う、とは思うけれど
    後々のブリテンに特有な個性がまだなくて
    様々な現代音楽の技法を試している、という感じがする。

    クリスティアーネ・カルクのソプラノは素晴らしい。
    この人、本当に美声だし
    ソプラノに有り勝ちなヒステリックなところが全くなくて
    無理のない透き通ったバランスの良い声が心地良い。
    (ああいう声って、訓練もあるけれど
     やっぱり生まれつきの身体の造りが違うのよ、うん)

    後半はマーラーの交響曲4番。
    これは、よ〜く知っている曲なので
    自分の中でも様々な演奏と比べる事が出来るのだが

    うわああああ
    グラジニーテ=ティーラって

    とんでもなくセンスが良い・・・

    としか言えないわ。

    細かい部分を一つ一つ記述なんて私には出来ないし
    (所詮はシロウトですから)
    思いがけないメロディ・ラインが出てくる、というのは
    マーラーの曲ではしょっちゅうある事なのだが

    曲の解像度が良くて
    ヘンなタメやら、奇妙な強調とか全くなくて
    全体的に軽めの作りになっているけれど
    音楽の部分部分が、ものすごく活き活きしていて
    音の透明感がスゴイ。

    第1楽章の最後の部分のあの美しさって何なの。
    衒いも気負いもなく
    あれだけ自然に、あの優しさと美しさを強調してしまって
    それでも聴いている方に気恥ずかしさを感じさせない。

    第2楽章のコンマスのソロも素晴らしかった。
    (ちゃんとバイオリン変えてます(笑))
    諧謔的で皮肉っぽい曲想が前面に出て来そうな楽章なのだが
    徹底的に音楽に徹して
    マーラーの曲の持っている毒は、あまり出て来ない印象。

    第1楽章で息を飲んだ「美しさ」は
    第3楽章で、ある意味、頂点に達する。

    あっさりして、思い入れがあるようには聴こえないのだが
    オーケストラの音色の透明感に彩られた
    あの甘いメロディが

    単純な甘さだけではなく
    浄化された天国的なミステリアスで彼岸的ニュアンスで
    なんだかもう、心の奥底まで
    柔らかな手を突っ込まれて
    とことん優しく撫でられているような気分になる。

    せわしいフレーズと
    牧歌的なソプラノが交差する最終楽章。
    カルクのソプラノ、ますます美しい。
    オーケストラの解像度もクリアさも比類がない。

    アゴーギクのセンスの良さには最初から最後まで唸りっぱなし。
    この上なく繊細なピアニッシモの響きに包まれて
    消え入るようなラストのあまりの美しさに
    失神しそうな気分。

    ネルソンスの時は熱血漢的サウンドだった記憶があるのだが
    (もちろん偏見と独断ではある)
    グラジニーテ=ティーラの指揮だと
    オーケストラの音が、もっと繊細でニュアンスが豊かになる(ような気がする)

    あれだけ聴き慣れた筈のマーラーの交響曲4番の
    あまりの透明さと美しさにノック・アウト。

    その分、皮肉やらイヤミやらの様相はあまり見えないが
    もともと、あの曲は皮肉や矛盾を内包しているので
    演奏でそれを強調しなくても
    曲そのものが醸し出す、京都風なイケズ風味は充分に出てくる。
    (ヘイト・スピーチではございません。
     京都のイケズは、それはそれで高く評価しております)

    しかしまぁ、あんなに「音楽」を素直に出して
    しかも、そのセンスの良さで、ばっちり聴かせてしまう
    グラジニーテ=ティーラの音楽性には脱帽。

    上の客席から平土間を見ていると
    演奏中もずっとラインをやってスマホのライトを付けていた人がいたり
    第2楽章と第3楽章の間で
    携帯のベルを、かなり長く鳴らした人が居たけれど
    いや〜、楽章間で良かった。
    (実は演奏中も一回、携帯鳴らした人がいたが
     フォルテのところだったし、割にすぐに切ったので目立たなかった)

    比較的安い席に空き席が多かったものの
    ウィーンからの年配クラオタも多かったようで
    小声でのお喋りも少なかったし(なかったワケではない)
    床に何か落とす音もちょっとしかなかったし
    (うたた寝して持ってるスマホを床に落とすケース)

    それでも、外からのオートバイの爆音とか
    飛行機の音とか
    絶え間ないコオロギの鳴き声とかなしに

    あの透明感のある、とことん美しいピアニッシモの
    オーケストラの音を堪能できたのは嬉しい。

    明日は別プログラムなのだが
    また雨にならないかなぁ・・・
    と、とんでもない事を考えている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    最近、オーストリアのラジオ放送の
    ラジオ・コレークで、音楽批評の特集をしていて
    ブログによる書き散らかしについても言及があったのだが
    私は音楽批評はしてないし
    あくまでも個人的主観の印象メモだし
    読者の数も少ないのでお許しあれ(笑)

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      • 2019.12.07 Saturday
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