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マウロ・ペーター + ヘルムート・ドイチュ

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    Mozarteum Salzburg Großer Saal 2019年8月20日 19時30分〜21時25分

    テノール Mauro Peter
    ピアノ Helmut Deutsch

    Franz Schubert (1797-1828)

    Ganymed D 544 (1817)
    Sehnsucht D 123 (1814)
    Rastlose Liebe D 138 (1815)
    Meeres Stille D 216 (1815)
    Wandrers Nachtlied II D 768 (1824)
    Der Fischer D 225 (1815)
    Der König in Thule D 367 (1816)
    Erlkönig D 328 (1815)
    Erster Verlust D 226 (1815)
    Versunken D 715 (1821)
    Geheimes D 719 (1821)
    An die Entfernte D 765 (1822)
    Wilkommen und Abschied D 767 (1822)

    Richard Strauss (1864-1949)

    Heimliche Aufforderung op. 27/3 (1894)
    Wozu noch, Mädchen op. 19/1 (1888)
    Breit’ über mein Haupt op. 19/2 (1888)
    Traum durch die Dämmerung op. 29/1 (1895)
    Ich liebe dich op. 37/2 (1898)
    Mädchenblumen op. 22 (1888)
     1. Kornblumen
     2. Mohnblumen
     3. Efeu
     4. Wasserrose
    Ständchen op. 17/2 (1886)
    Liebeshymnus op. 32/3 (1896)
    Ich trage meine Minne op. 32/1 (1896)
    Freundliche Vision op. 48/1 (1900)
    Wie sollen wir geheim sie halten op. 19/4 (1888)

    スイスのテノール、マウロ・ペーターを初めて聴いたのは
    2013年7月27日のグラーフェネックの前座のコンサートで
    あまりの声の清らかさとディクテーションの美しさにひっくり返って
    それ以降、私の体力と財力のある限りの追い掛けをしている。

    いやはや、何と清潔感のあるテノールなんだ。
    しかも、卓越した音感とドイツ語のクリアさ。
    技術的な巧さという意味では
    この歌手のレベルはトップ中のトップである。

    ガタイはテノールとは思えぬ良さで
    (厚みではなく、背の高さ。全体的に身体が大きい)
    なのに、声の質は低い音でもまごうかたなきテノールで
    美声で甘い声ではあるのだが
    イタリア・オペラのテノールみたいな泣き節は全くなく
    張り上げての見得も全然なくて
    声の清潔感、透明感、この上なく正確なドイツ語の発音が
    感情と理性の絶妙な狭間でバランスを取っているという
    稀有なテノールのリート歌いだと思う。

    プログラム構成は、モロに私好みというか
    ゲーテの詩による超有名なシューベルトのリーダーと
    私の大好きなリヒャルト・シュトラウスで
    しかも、Mädchenblumen が入ってる!!!!

    マウロ・ペーターの Mädchenblumen は2016年11月24日に
    楽友協会ブラームス・ホールでも聴いている。
    滅多に歌われない曲だし
    ジェンダー・スタディの人からは攻撃されそうな内容なんだけど
    私の青春時代の曲だし
    本当に素晴らしい音楽なの、ピアノも歌も ❤

    さて、最初のシューベルトのブロック。
    美しい・・・・けれど
    やっぱりバリトンに比べると、声の色の変化は少ない。
    ドイツ語がクリアで
    しかも、技術が確かなので
    高音に飛ぶところなんかは、気持ち良いほどに決まって
    不安定さを全く感じさせない。

    けど、高音のフォルテがあまり出ていない。
    Aあたりから、声が前に飛んで来ない。
    テノール歌手としては、一番張り上げたいあたりの声域だと思うのだが
    もしかしたら、張り上げないように細心の注意を払っているのかもしれない。

    その分を補うように
    ヘルムート・ドイチュのピアノがむちゃくちゃ雄弁。
    リートの伴奏という、一歩退いたところが全くなくて
    特に「魔王」なんかは
    もうピアノだけで立派に曲になってる感じで
    テノールの声が押され気味。

    いや、わかるんですよ
    あの美しい清潔感漂うテノールで
    お父ちゃんと魔王と息子の演じ分けはほとんど無理。
    だけど、あそこまでピアノが独立して
    ドラマチックになってしまうと
    歌手とピアノが対等な位置という範囲からはみ出して
    ちょっと違和感がある(個人的感想です、批判じゃありません!)

    このピアノで後半のリヒャルト・シュトラウスになったら
    どうなるんだろう?という心配は
    すぐになくなった。

    Heimliche Aufforderung の色気は
    後半の、あの、密やかな秘密のエロチックさにノックアウト。
    いや〜、あんな美しい声で
    とことん親密に歌われたら
    パーティ抜けてバラ園の草陰で
    何でもしちゃうわワタシ(妄想爆発中)

    Wozu noch Mädchen の瀟洒な軽さは
    マウロ・ペーターの声の質にもあっているし
    こういう曲だと、ドイツ語の美しさが活きる。
    いやもう、ここに登場する女の子の可愛さったらないわ。

    息の長さを活かしたフレージングが見事だったのは
    Traum durch die Dämmerung で、もうため息が出そうになった。
    クリアなドイツ語でありながら
    あくまでも密やかで滑らかな長いフレーズを繊細に歌い上げる。

    まぁ、Ich liebe dich になると
    どうしてもゴツゴツしてしまうのは仕方ないけど。
    それに、声を張り上げて歌うというタイプではないので
    多少の迫力不足は否めないが
    たぶん、それは歌手もピアニストも充分に承知の上で
    ああいう表現になったのだと思う。

    Mädchenblumen の Efeu と Wasserrose の美しさ!!!
    いや、Kornblumen も Mohnblumen も良かったけれど
    Efeu では、ちゃんと高音も美しく出たし
    Wasserrosse のピアノ伴奏の美しさと言ったら
    前半で、ちょっとでしゃばり過ぎだろ、と思っていたピアノが
    繊細な歌と相まって
    水面の輝き、光を見事に表現したのには息を飲んだ。

    Ständchen の軽々とした出だしから
    しっとりした中間部。
    Ich trage meine Minne のキュートさ
    最後の比較的派手な Wie sollen wir geheim sie halten も
    華やかに歌い上げて、あ〜、もう素晴らしい。
    わざわざ来て良かった!!!!
    (今年はウィーンでは歌わないのだ、この人)

    アンコールにシューベルトの野ばら。
    あ〜っ、この人、ちゃんとバラード歌えるじゃないの。
    シューベルトのバラードの
    Der Fischer はシュトローフェン・リートで
    多少、語り口が平坦に聴こえたのだが
    Der König in Thule は、明るい音色のテノールとしては
    かなりドラマチックに、でも行き過ぎずに表現して感心したが
    アンコールの「野ばら」は
    控えめさって何処に行った、という感じのドラマで驚いた。

    リヒャルト・シュトラウスの Nichts ! がアンコール2曲目。
    更に、私の知らないシューベルト(だと思う)を1曲。
    最後の最後に、アンコール定番(笑)の Morgen

    しかしまぁ、何てチャーミングなテノール。
    でっかい身体で、歌い終わって拍手を受ける時の
    満面の笑顔が
    声と同じように、本当に「素直」な感じがする。

    まだ30代前半の若さなので
    声を大事にして
    これからも伸びて行って欲しい。

    来年3月にグラーツでリサイタルがあるようだが
    グラーツまで遠征しようか
    真剣に考えている私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    ザルツブルクは名物のシトシト雨で20℃を切っていて
    そろそろ夏も終わりですね・・・という感じだが
    ウィーンは数日後にまた30℃を越える予報(笑)

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      • 2019.11.14 Thursday
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