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Steven Cohen: put your heart under your feet ... and walk !

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    Im Puls Tanz Vienna International Dance Festival

    Odeon 2019年7月20日 21時〜22時10分
    Steven Cohen
    put your heart under your feet … and walk !

    パーフォーマンス・舞台・衣装 Steven Cohen
    舞台・照明 Yvan Labasse
    サウンド・ビデオ Baptise Evrard

    もともと行く予定にはなかったのだが
    ちょっと見たら、一番安い席で、しかも端っこの1席が残っていたので
    ついつい買ってしまった私は
    最後の超貧民席1枚が残っているシチュエーションに
    むちゃくちゃ弱い(汗)

    ウエブ・サイトを見た時に
    血だらけの写真があったので
    いつもの肉食系か、というのは覚悟していった。

    オーストリアには
    ウィーン・アクショニスムという伝統がある。
    これが現代芸術で唯一、ウィーンが書籍に載る項目なのだが
    (自慢にならん・・・)
    ヘルマン・ニッチュなどは
    動物を解体する血だらけパーフォーマンスやってるし
    ブルク劇場でのその記録は今でも映画で残っている。
    (見た事はあるが途中で気持ち悪くなってやめた)

    オデオンの舞台の向こう側に大規模スクリーンがあり
    最初に映ったのは
    タトゥーを入れているシーンの大写し。

    題名になっている英語のセンテンスをタトゥーしているのだが
    あのジリジリという機械の音が気持ち悪い・・・

    プログラム記載の作品の背景によると
    言葉に尽きぬほどに愛し合っていた
    パートナー(♂)が亡くなってしまい
    96歳になる仮のお母さん(どういう関係だかは謎)に
    辛いと言ったら
    put your heart under your feet … and walk !
    と言われたとの事。
    愛するパートナーを失った悲しみを
    このパーフォーマンスで表現して
    悲しみを乗り越えて歩き出すのだ、という作品なのだそうだ(たぶん)

    スクリーンには続けて
    パーフォーマーが見事に美しい厚塗りの化粧で
    (いや、これが実にユニークで
     コスプレなんてものを遥かに超えている)
    白いチュチュ様のドレスに、30センチくらいに見える
    すごいヒールで
    どこかの公園を歩いているシーン。

    背景に小さな音量で聴こえてくる
    なんだか私には懐かしいメロディー・・・

    うわ、これ、サザン・オールスターズの「栞のテーマ」
    (「彼女が髪を指で分けただけ、それがシビれるしぐさ」
     ・・・って曲で、もうまさにサザンの名曲中の名曲だと思う)

    あれ?と思って、画面をマジマジ観察すると
    「血の池地獄」とか書いてある・・・という事は
    ここって別府地獄じゃないか。
    20代の若い頃にドイツ人のグループ連れて
    ガイディングした事あるぞ(笑)

    しかし、こんなところで
    こんなすごい格好したパーフォーマーの撮影
    よく許可が出たな・・・

    歩くだけで大変だろうと思われる、すごいヒールだが
    歩く以外に、ほとんど何もしないし
    メイク・アップのズームとかが多い。
    メイク・アップはクリエイティヴで
    まつげの蝶々とかキレイなんだけど(以下省略)

    映像だけでパーフォーマーなしって事はないよね、と
    舞台を見ていたら
    舞台の上には、たくさんのバレエ・シューズが四角に並べられて
    下手(しもて)にはレコード・プレイヤーを4つ結んだオブジェクト
    上手(かみて)にはロウソク立ての並んだ祭壇っぽいものがあって
    上手(かみて)から
    柱(としか言えない、それとも暮石か?)に乗ったパーフォーマーが
    杖をついて登場。

    柱の上の靴は、かかとなしで
    しかも、かかとがあったら、これも30センチくらい、という傾斜。
    (しかもその下は柱?である。これが、1メートル近くある)
    その柱の上に乗って
    超長い杖で支えながら
    靴と靴の間を、ゆっくり移動していって

    その間、私の頭の中は
    あの靴(と柱)、いったい、どうやって脱ぐんだろう?
    という疑問だけで占められていた(すみません)
    (下手(しもて)の横に腰掛ける高さの舞台装置があって
     次のビデオの間に腰掛けて脱いでいた模様)

    さて、次のビデオだが
    あ〜、出た出た、血のパーフォーマンス。
    屠殺場のシーンで
    牛が上から吊られていて
    後ろに内蔵を出しているシーンが見えるので
    腸がどろどろ出てくるところも写っている。

    血抜きしているところで
    血を身体に擦り付けたり
    血抜き場所の下で、どろどろの血に塗れたり

    あ〜、そこ位までは、私も
    こういうパーフォーマンスって有り勝ちだよなぁ
    (ニッチュで慣れている(笑))
    と思って見ながら

    この白いチュチュ(金かかってそう)
    これだけ血まみれになったら
    シミ抜きにかなり費用がかかるんじゃないだろうか
    ・・・という、超現実的な問題解決シミュレーションしていて

    その後に生きた牛が映ったところで
    ・・・はい、ご引退。
    会場を出たのではなく、目を瞑っただけですが。

    何が悲しゅうて、入場料払って見に来たパーフォーマンスで
    ビデオで牛の屠殺場面なんか見なきゃいけないんですか。

    それが芸術というのだから、別に私は反対しないけれど
    見る自由も、見ない自由もある。
    (時計じかけのオレンジじゃないし(笑))

    このシーン、かなり長かったんじゃないかと思う。
    途中でチラッと目を開けたら
    牛の死体の内蔵にナイフを入れている生々しいシーンだったので
    また慌てて目を閉じて
    まぶたに光が当たらず、屠殺場の音が聴こえなくなるまで我慢。

    このシーンの前だか後だかにも
    他のビデオがあって
    その間に、柱と靴を脱いだアーティストが
    腹巻き(にしか見えない衣装)だけで出て来て
    レコード・プレイヤー4つを腰に巻いて歩く、というシーンもあった。

    ・・・よくわからん。

    屠殺場ビデオの後に
    また腹巻きだけ(その下は何もなし)のアーティスト登場。
    上手(かみて)の祭壇っぽいところに行って
    ロウソクに点灯して
    ロウソクの前に立って
    小声の英語で
    これはすべて現実です
    ・・・とか何とか

    アーティストの人生観だか、宗教の勧誘だか
    まさか政治的発言ではないと思うけれど
    この不思議なパーフォーマーの人生観を共有しようとは思わないので
    ボソボソと説教されても・・・

    その後、舞台に煙が出て来て
    煙の中で、バランス的には難しい逆立ちで
    器用に足を動かしていたから
    ダンスする気があれば、踊れるパーフォーマーだとは思う。
    (だって、あの不自然な靴でバランスを取りながら歩けるだけでもすごい)

    失った恋人に捧げる作品、という事を念頭に置くなら
    最後の煙と、後ろに出て来た写真は
    たぶん、故彼氏の写真だと思うので
    レクイエムっぽい解釈で間違っていないと思う。

    だいたい、最後、パーフォーマーが見えなくなってから
    ずっと煙+スクリーン(写真)のままで
    いったい、いつ、終わりになるんだろう、と
    全員がイライラし始めていて
    誰かがちょっと拍手したのを機に
    観客も帰り出したのだが

    あれはレクイエムという意味で受け取れば
    そのまま、静かに拍手せずに帰る、というのが
    正解だったのではないか、とチラッと思った。

    まぁ、個人的ストーリーを芸術(?)に昇華する、と考えれば
    日本だって私小説という立派なジャンルがあるわけで
    アーティストが、自分の悲しみを乗り越えるために
    何をやっても、私は反対しませんし、個人の自由です。

    それが観客の共感を呼ぶか、という問題はあるけれど
    別に共感を呼ばなくても、アーティストとしては
    ギャラを貰えれば、それで第一の目的は果たしたわけだし
    (あ〜、すみません、私の感想がスーパー・ドライになってまして)

    ダンスとは言いたくない演目だが
    まぁ、あの柱付き不自然な靴で、よく歩いたものだ。
    だからと言って、見ている側としては感激するわけではないが。

    武士は食わねど高楊枝とか
    やせ我慢バンザイという日本人的美学を
    勝手に標榜する身としては
    こういう個人的感情を作品に乗せて
    多くの人に鑑賞させる、という発想は出て来ないが
    まぁ、悲しみの克服には、様々な手段がある、という事で納得。

    しかし悲しみの克服に
    屠殺場で牛の血や内蔵にまみれる、という選択肢は
    草食民族日本人の私にはないなぁ
    (というより、肉食民族だって、あまりないような気がするが)
    と、つくづく思った私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。



    なお、インターネットで Steven Cohen を探索すると
    投資家の億万長者がヒットするが
    全く別の人物なので念の為。
    今回のパーフォーマーは南アフリカ生まれ、現在はフランスに在住。

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      • 2019.10.18 Friday
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