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マクベス@フォルクス・テアーター

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    Volkstheater 2019年7月11日 21時〜23時

    Im Puls Tanz Vienna International Dance Festival
    MACBETH
    振付・演出 Johann Kresnik
    音楽 Kurt Schwerstik
    舞台・衣装 Gottfried Helnwein
    ドラマツルギー Katharina John, Dietrich von Oertzen
    マクベス Pavel Povraznik
    マクベス夫人 Andressa Miyazato
    バンクォー Filip Löbl/Edward Nunes
    ダンカン Jonatan Salgado Romero
    3人の魔女 Kayla May Corbin, Tura Gómez Coll, Rutsuki Kanazawa
    マクダフ Velerio Iurato
    マクダフ夫人 Mireia Gonzáles Fernández
    その他のダンサーたち
    Lara Bonnel Almonem, Julie Endo, Urko Fernandez Marzana,
    Nüria Giménez Villarroya, Yu-Teng Huang, Hodei Iriarte Kaperotxipi,
    Alessia Rizzi, Lorenzo Ruta, Andrea Schuler, Kasija Vrbanac
    ピアニスト Bela Fischer jr., Stefanos Vasileiadis

    2018年10月にハンブルク市立劇場で初演された
    ヨハン・クレスニックの「マクベス」が
    今年の Vienna International Dance Festival のオープニングとなった。

    今年のこのフェスティバル
    パーフォーマンス・カードがなくなって
    (55歳以上で25ユーロくらい払うと
     1公演につき、2枚まで15%割引になって
     プログラムとクロークが無料という有難いカードだった)
    55歳以上は最初から15%の割引になる・・・代わりに
    プログラムとクロークは有料で
    プログラムが4ユーロ50セント(チップ入れて5ユーロ、高い!)
    クロークがチップ入れて1ユーロ50セント。

    あ〜、パーフォーマンス・カードだった時には
    モトを取るために、かなりチケット買ったんだけど
    モトを取る必要がなくてプログラムもクロークも有料なら
    パーフォーマンスの選択はしっかりとしてから行こう。

    もちろん超貧民席だが、比較的見える席を発売と同時に買ったものの
    そういう日に限ってオペラ・グラス(望遠鏡)を忘れて
    遠い舞台をオペラ・グラスなしに見ていたので
    ダンサーの表情とかは全くわからないまま。

    この作品、マクベスを題材にしているが
    ストーリーを忠実に追うわけではなくて
    マクベスの中からのシーンを様々に抽出して
    コラージュのような感じの舞台構成。

    バスタブが並ぶ中に包帯で巻かれた人間が入っていたり
    舞台の正面に大きなドアがあって
    そこから出たり入ったりする黒いシルクハットのローブの男性が
    殺人が起こると、バケツに赤いインクと何か(洋服?)を持って来て
    オーケストラ・ピットのプール(?)のようなところに落とし込む。

    音楽はオーケストラ・ピットの下手(しもて)にグランド・ピアノが1台。
    ここにピアニストが2人居て
    ピアノの中の弦をかき鳴らしたり、ピアノを叩いたり
    あるいは、普通に4手でのピアノを弾いたりする。

    最初はバスタブだけのシーンが
    一瞬映されて、また幕が閉じて
    また一瞬、別のシーンになっていて、また幕が閉じて
    という繰り返しがあって
    絵柄としては面白いのだろうが
    あまり動きがなくて、ちょっと退屈だったけれど
    どんどん舞台に引き込まれて行く。

    ダンスももちろんだが
    不気味な象徴主義の絵柄の中で語られるストーリーが
    現実なのか幻想なのか
    奇妙なバランスの中に立っていて
    観客の感情に、搦め手から触ってくるという感じ。

    ナイフを両手で持ったままのダンスとか
    ちょっとでも振付間違えたら流血騒ぎだろう・・・と
    ドキドキするシーンがかなり多い。

    ダンサーは声は出さないけれど
    最初から最後まで、叫んでいるような感じがする。
    音楽はかなり繊細にストーリーに入り込んでくるのに
    ドアの開け閉めの、まるで運命の打撃のような大音響と
    ダンサーの持つナイフが打ち合わされる
    鋭い金属音の連続が
    かなり耳に残る。
    (帰宅した時に、まだ耳鳴りがしていた)

    リアルなストーリーではないものの
    ダンカンの殺人、バンクォーの殺人、従者の殺人などが
    次々と舞台で起こって(これは抽象的表現もある)
    後ろのドアから黒い男性が
    血と臓物(にしか見えなくなる)をオーケストラ・ピットにぶち撒けて
    だんだん不気味な雰囲気が強くなってくる。

    マクベス夫人が恐怖に駆られて
    手を洗い続けるところが
    赤いドレスを巧く使って表現していたのには唸った。
    赤のドレスが次々にドレスから外されていって
    下は白いドレスになっているのだが
    なかなか、赤い部分が落ちないので
    マクベス夫人がパニックになって行くのだ。

    しかも、マグダフ家族の虐殺シーンに至っては
    突然、舞台の真ん中に
    巨大な食事用テーブルと巨大な椅子が置かれ
    その巨大テーブルの上には
    やはり巨大なティーポットとティー・カップ。

    子供達が登場して、巨大テーブルと椅子のところで遊ぶ。
    もちろん大人のダンサーだが
    テーブルと椅子が巨大なので、幼い子供たちに見える。
    椅子だって、かなりの高さがあるのに
    そこに登って、更にテーブルの上(舞台の床から5メートルくらい?)に登り
    しかもそのテーブルに引き出しがあって
    引き出しの中にも子供が入ったり

    不思議の国のアリスか
    巨人の世界に迷い込んだガリヴァー旅行記みたいな
    不条理な感じはするものの
    最初は子供たちが遊ぶ、かなり平和な世界なのだが

    そこに刺客が入って来て
    子供たちを虐殺するのである。
    逃げ回る子供たちを、どこまでも追いかけて
    隠れる子供も容赦なく引きずり出して
    柱に縛り付けて殺したり
    巨大テーブルの上で殺したり
    引き出しで殺した子供は引き出しから半身を乗り出して死んでいるし
    巨大椅子の脚に押し潰されて殺された子供もいたり

    最初のシーンが不思議の国のアリス的なメルヒェンちっくなシーンなだけに
    その後の残虐性が半端ではない。かなりコワイ。

    時々に登場する3人の魔女の使い方も絶妙。
    フライト・アテンダントっぽい制服の衣装で
    中腰で踊る不気味なダンスはとても雄弁。

    特殊奏法は煩雑に使われるが
    普通に演奏される時のシュヴェルツィックのトナールな音楽は
    メルヒェンっぽくて平和に響く。
    それだけに、その中の不気味さが強調される。

    最後の森は、ムーミンに出てくるニョロニョロの黒いようなものが
    舞台に出て来て、マクベスは倒されるのだが
    それが森・・・なんだろうな、きっと、うん。

    イメージが湧かない、という方のために
    (だいたいワタシ、文章下手くそなのに表現しようとしちゃうから(汗))
    下にオフィシャル・クリップを貼っておきます。

    ただし、かなり、いや、半端じゃなく不気味なので
    神経質な方、精神的に参っていたり、不気味さが嫌いな方は
    ご覧にならない方が良いかと・・・・



    久し振りのナイト・ライフだったけれど
    ともかく見応えのある見事な舞台だった。

    ImPulsTanz のパーフォーマンス
    今見たら、結構売り切れの公演もあるようで
    (ポルノだの体位だのというモロな公演は全部売り切れ(笑))
    コンテンポラリーのダンサーたちが集まる
    国際的フェスティバルなんだなぁ、と
    ついつい当たり前の事を考えてしまった私に
    どうぞ1クリックをお恵み下さい。


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      • 2019.09.15 Sunday
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